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技術 用途分解装置、用途分解方法、及び用途分解プログラム

出願人 旭化成ホームズ株式会社
発明者 下川美代子
出願日 2010年1月7日 (11年4ヶ月経過) 出願番号 2010-002260
公開日 2011年7月21日 (9年9ヶ月経過) 公開番号 2011-141763
状態 特許登録済
技術分野 特定用途計算機
主要キーワード 夏季期間 電子炊飯器 負荷種類 灯油ストーブ 標準テーブル モニタ画 対象環境 エネルギー総量
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

実態に即したエネルギー消費の用途を分析することができる用途分解装置用途分解方法、及び用途分解プログラムを提供する。

解決手段

用途分解装置は、各月における給湯用途消費量厨房用途消費量との割合を規定した二用途分解テーブル315aと、基準月の給湯用途消費量に対する残りの単位期間の給湯用途消費量の比率を規定した比率テーブル316aと、ガス総消費量を記憶する記憶部210と、ガス総消費量の用途を分解するガス用途分解部300と、を備える。ガス用途分解部300は、各月の厨房用途消費量を概算する厨房用途概算部321と、非暖房期間の給湯用途消費量を概算すると共に暖房期間の給湯用途消費量を概算する給湯用途概算部322と、暖房期間の暖房用途消費量を概算する暖房用途概算部324と、を備えていることを特徴とする。

概要

背景

従来から、地球資源保全および経済性の両面から省エネルギーが求められている。そのため設備装置自体消費エネルギーの低減を図ると共に、運用面においても省エネルギーとすることが求められている。工場などにおいてエネルギーを多量に消費する業務用の設備では、設備ごとエネルギー消費量を監視し、合理的な運用をする工夫が種々行われている。

一方、民生部門の各住戸に用いられる設備機器には、通常そのようなエネルギー消費量を監視する機能は備えられていない。家庭等における省エネルギー活動は、専らこまめに消灯したり、暖房温度設定値を低くしたりするなどの定性的な行為によって実施されているが、省エネルギー活動が結果として表れる指標がないため、その効果を実感しにくい。そのような状況では省エネルギー活動を行う動機不足し、教育習慣義務感や生活観念などの複数の動機付けに頼っているのが実情であり、定量的な省エネルギー対策はまださほど進んでいない。

これに対し本願出願人は、特許文献1において、エネルギー種別ごとの消費量を入力して集積し、過去のデータや他人のデータとの対比によって表現することにより、自己行動の傾向を評価する生活改善支援システムを提案している。これにより各人が自己の行動を顧みて、省エネルギー活動の改善に利用することが可能である。

しかし、エネルギー種別ごとの消費傾向のみではなく、さらにどの目的にどれだけ使ったかということを知ることにより、省エネルギー活動も図りやすくなると考えられる。

これに対し、このような人的努力支援するものとして負荷集中制御ステムが知られている(非特許文献1)。上記負荷集中制御システムは、電力供給会社で家庭の電力量計遠隔検針してそのデータを蓄積し、家庭では電話回線などを介してこのデータにアクセスして、電力使用状況や料金などの情報を家庭内モニタ画面で見ることができるものである。このシステムによれば、需要家電力消費量が増加したことを知ることができる、節電の動機を生じさせることができる。

さらに特許文献2には、コンピュータを用いて家庭単位若しくは事業所単位にてエネルギーの消費性向を具体的に表示可能な負荷種類分析装置が開示されている。特許文献2によれば、当該負荷種類分析装置により、消費エネルギーを例えば給湯照明等の消費用途ごと分けて表示することができ、当該表示からエネルギー消費性向を診断することができるとしている。

概要

実態に即したエネルギー消費の用途を分析することができる用途分解装置用途分解方法、及び用途分解プログラムを提供する。用途分解装置は、各月における給湯用途消費量厨房用途消費量との割合を規定した二用途分解テーブル315aと、基準月の給湯用途消費量に対する残りの単位期間の給湯用途消費量の比率を規定した比率テーブル316aと、ガス総消費量を記憶する記憶部210と、ガス総消費量の用途を分解するガス用途分解部300と、を備える。ガス用途分解部300は、各月の厨房用途消費量を概算する厨房用途概算部321と、非暖房期間の給湯用途消費量を概算すると共に暖房期間の給湯用途消費量を概算する給湯用途概算部322と、暖房期間の暖房用途消費量を概算する暖房用途概算部324と、を備えていることを特徴とする。

目的

本発明は、通常とは異なるエネルギー消費期間が存在しても、実態に即したエネルギー消費の用途を分析することができる用途分解装置、用途分解方法、及び用途分解プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

1年を複数の単位期間に分け、該単位期間ごとに、ガスによるエネルギー供給を受ける環境で消費されるガスの総消費量を、当該環境における給湯用途消費量と、厨房用途消費量と、暖房用途消費量と、の各用途のガス消費量のそれぞれに用途分解可能な用途分解装置であって、各単位期間における前記給湯用途消費量と前記厨房用途消費量との割合を規定した二用途分解テーブルと、前記環境で暖房を使用しない期間として仮定される連続する複数の単位期間からなる特定期間に属する1つの単位期間を基準期間として、該基準期間の給湯用途消費量に対する残りの単位期間の給湯用途消費量の比率を規定した比率テーブルと、実際に前記環境で使用されたガスの総消費量を前記単位期間ごとに1年に亘って記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された各単位期間のガスの総消費量の用途を分解するガス用途分解部と、を備え、前記ガス用途分解部は、前記特定期間のガス消費に関する情報に基づいて各単位期間の厨房用途消費量を概算する厨房用途概算手段と、当該厨房用途概算手段で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて前記特定期間の給湯用途消費量を概算すると共に、当該厨房用途消費量の概算値と前記比率テーブルと前記二用途分解テーブルとに基づいて前記特定期間以外の非特定期間の給湯用途消費量を概算する給湯用途概算手段と、前記給湯用途概算手段で得られた前記非特定期間の給湯用途消費量の概算値、及び前記厨房用途概算手段で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて、前記非特定期間の暖房用途消費量を概算する暖房用途概算手段と、を備えていることを特徴とする用途分解装置。

請求項2

前記厨房用途概算手段は、前記記憶部に記憶された前記特定期間内の少なくとも一部の単位期間の総消費量と、二用途分解テーブルに規定された、前記特定期間内の少なくとも一部の単位期間の厨房用途消費量の割合と、に基づいて当該特定期間内の少なくとも一部の単位期間の平均の厨房用途消費量を概算し、この概算値を各単位期間の厨房用途消費量の概算値とすることを特徴とする請求項1に記載の用途分解装置。

請求項3

前記給湯用途概算手段は、前記二用途テーブルに規定された割合と前記比率テーブルに規定された比率とを用いて前記非特定期間に属する各単位期間の給湯用途消費量を概算する第1概算手段と、前記二用途テーブルに規定された割合に基づいて、前記記憶部に記憶された前記非特定期間に属する各単位期間の総消費量から各単位期間の給湯用途消費量と厨房用途消費量とを概算する第2概算手段と、前記第1概算手段と前記第2概算手段との何れの概算の結果を採用するかを判断する判断手段と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の用途分解装置。

請求項4

前記判断手段は、前記記憶部に記憶された各単位期間の総消費量と、前記第1概算手段による当該単位期間の厨房用途消費量と給湯用途消費量との概算値の合計と、を大小比較し、前記総消費量の方を大とする場合は当該第1概算手段による概算の結果を採用し、前記第1概算手段による前記概算値の合計の方を大とする場合は前記第2概算手段による概算の結果を採用することを特徴とする請求項3に記載の用途分解装置。

請求項5

前記第1概算手段は、前記記憶部に記憶された前記基準期間の総消費量に、前記二用途テーブルに規定された前記基準期間の給湯用途消費量の割合を乗じて当該基準期間の給湯用途消費量を概算すると共に、当該基準期間の給湯用途消費量の概算値に前記比率テーブルに規定された比率を乗じることで前記非特定期間に属する各単位期間の給湯用途消費量をそれぞれ概算することを特徴とする請求項3又は4に記載の用途分解装置。

請求項6

前記第2概算手段は、前記非特定期間に属する単位期間の総消費量を、前記二用途分解テーブルに規定された当該単位期間の比率に分配することで、当該単位期間の厨房用途消費量と給湯用途消費量とを概算することを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の用途分解装置。

請求項7

前記暖房用途概算手段は、前記単位期間の総消費量から、前記判断手段の判断の結果により採用された給湯用途消費量の概算値と厨房用途消費量の概算値との合計を引いた値を、当該単位期間の暖房用途消費量の概算値とすることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記載の用途分解装置。

請求項8

前記ガス用途分解部は、前記単位期間のうち前記基準期間の候補が複数存在する場合には、当該複数の候補のうち総消費量が最も大きい単位期間を前記基準期間として認定する認定手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の用途分解装置。

請求項9

前記ガス用途分解部は、各単位期間において前記環境に供給される上水道の温度を取得可能な給水温度得手段と、当該給水温度取得手段によって取得される給水温度に基づいて前記二用途分解テーブルの前記給湯用途消費量の割合を算出する算出手段と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の用途分解装置。

請求項10

前記給水温度取得手段は、前記環境が存在する地域の気温に基づいて前記給水温度を推定することを特徴とする請求項9に記載の用途分解装置。

請求項11

前記ガス用途分解部は、新たな単位期間の総消費量の入力に伴って最も古い単位期間を除き、当該新たな単位期間を加えると共に最も古い単位期間を除いた状態で前記二用途分解テーブル及び比率テーブルを更新するテーブル更新手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の用途分解装置。

請求項12

前記単位期間のうちの最新の単位期間における総消費量の用途分解の結果のみを表示する表示手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の用途分解装置。

請求項13

1年を複数の単位期間に分け、該単位期間ごとに、ガスによるエネルギー供給を受ける環境で消費されるガスの総消費量を、当該環境における給湯用途消費量と、厨房用途消費量と、暖房用途消費量と、の各用途のガス消費量のそれぞれに用途分解可能な用途分解方法であって、各単位期間における前記給湯用途消費量と前記厨房用途消費量との割合を規定した二用途分解テーブルと、前記環境で暖房を使用しない期間として仮定される連続する複数の単位期間からなる特定期間に属する1つの単位期間を基準期間として、該基準期間の給湯用途消費量に対する残りの単位期間の給湯用途消費量の比率を規定した比率テーブルと、を準備するテーブル準備工程と、実際に前記環境で使用されたガスの総消費量を前記単位期間ごとに1年に亘って記憶する記憶工程と、前記記憶工程で記憶された各単位期間のガスの総消費量の用途を分解するガス用途分解工程と、を備え、前記ガス用途分解工程は、前記特定期間のガス消費に関する情報に基づいて各単位期間の厨房用途消費量を概算する厨房用途概算工程と、当該厨房用途概算工程で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて前記特定期間の給湯用途消費量を概算すると共に、当該厨房用途消費量の概算値と前記比率テーブルと前記二用途分解テーブルとに基づいて前記特定期間以外の非特定期間の給湯用途消費量を概算する給湯用途概算工程と、前記給湯用途概算工程で得られた前記非特定期間の給湯用途消費量の概算値、及び前記厨房用途概算手段で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて、前記非特定期間の暖房用途消費量を概算する暖房用途概算工程と、を備えていることを特徴とする用途分解方法。

請求項14

1年を複数の単位期間に分け、該単位期間ごとに、ガスによるエネルギー供給を受ける環境で消費されるガスの総消費量を、当該環境における給湯用途消費量と、厨房用途消費量と、暖房用途消費量と、の各用途のガス消費量のそれぞれに用途分解可能な用途分解処理をコンピュータに実行させる用途分解プログラムであって、コンピュータに、各単位期間における前記給湯用途消費量と前記厨房用途消費量との割合を規定した二用途分解テーブルと、前記環境で暖房を使用しない期間として仮定される連続する複数の単位期間からなる特定期間に属する1つの単位期間を基準期間として、該基準期間の給湯用途消費量に対する残りの単位期間の給湯用途消費量の比率を規定した比率テーブルと、を利用し、実際に前記環境で使用されたガスの総消費量を前記単位期間ごとに1年に亘って記憶する記憶処理と、前記記憶処理で記憶された各単位期間のガスの総消費量の用途を分解するガス用途分解処理と、を実行させ、前記ガス用途分解処理は、前記特定期間のガス消費に関する情報に基づいて各単位期間の厨房用途消費量を概算する厨房用途概算処理と、当該厨房用途概算処理で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて前記特定期間の給湯用途消費量を概算すると共に、当該厨房用途消費量の概算値と前記比率テーブルと前記二用途分解テーブルとに基づいて前記特定期間以外の非特定期間の給湯用途消費量を概算する給湯用途概算処理と、前記給湯用途概算処理で得られた前記非特定期間の給湯用途消費量の概算値、及び前記厨房用途概算手段で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて、前記非特定期間の暖房用途消費量を概算する暖房用途概算処理と、を備えていることを特徴とする用途分解プログラム。

技術分野

0001

本発明は、戸建て住宅集合住宅の各住戸といったいわゆるガスによるエネルギー供給を受ける環境下にあって、当該環境下におけるガスの消費量を各用途に用途分解する用途分解装置、用途分解方法、及び用途分解プログラムに関するものである。

背景技術

0002

従来から、地球資源保全および経済性の両面から省エネルギーが求められている。そのため設備装置自体消費エネルギーの低減を図ると共に、運用面においても省エネルギーとすることが求められている。工場などにおいてエネルギーを多量に消費する業務用の設備では、設備ごとエネルギー消費量を監視し、合理的な運用をする工夫が種々行われている。

0003

一方、民生部門の各住戸に用いられる設備機器には、通常そのようなエネルギー消費量を監視する機能は備えられていない。家庭等における省エネルギー活動は、専らこまめに消灯したり、暖房温度設定値を低くしたりするなどの定性的な行為によって実施されているが、省エネルギー活動が結果として表れる指標がないため、その効果を実感しにくい。そのような状況では省エネルギー活動を行う動機不足し、教育習慣義務感や生活観念などの複数の動機付けに頼っているのが実情であり、定量的な省エネルギー対策はまださほど進んでいない。

0004

これに対し本願出願人は、特許文献1において、エネルギー種別ごとの消費量を入力して集積し、過去のデータや他人のデータとの対比によって表現することにより、自己行動の傾向を評価する生活改善支援システムを提案している。これにより各人が自己の行動を顧みて、省エネルギー活動の改善に利用することが可能である。

0005

しかし、エネルギー種別ごとの消費傾向のみではなく、さらにどの目的にどれだけ使ったかということを知ることにより、省エネルギー活動も図りやすくなると考えられる。

0006

これに対し、このような人的努力支援するものとして負荷集中制御ステムが知られている(非特許文献1)。上記負荷集中制御システムは、電力供給会社で家庭の電力量計遠隔検針してそのデータを蓄積し、家庭では電話回線などを介してこのデータにアクセスして、電力使用状況や料金などの情報を家庭内モニタ画面で見ることができるものである。このシステムによれば、需要家電力消費量が増加したことを知ることができる、節電の動機を生じさせることができる。

0007

さらに特許文献2には、コンピュータを用いて家庭単位若しくは事業所単位にてエネルギーの消費性向を具体的に表示可能な負荷種類分析装置が開示されている。特許文献2によれば、当該負荷種類分析装置により、消費エネルギーを例えば給湯照明等の消費用途ごと分けて表示することができ、当該表示からエネルギー消費性向を診断することができるとしている。

0008

特開2004−086864号公報
特開2000−162253号公報

先行技術

0009

独立行政法人新エネルギー産業技術総合開発機構インターネットURL:http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/bestmix/topics28.html)

発明が解決しようとする課題

0010

上記のエネルギー消費性向は、概略の傾向を把握すれば足りるため、算出の単位期間には相応の長さ(例えば1ヶ月)が設定される。エネルギーの消費性向は用途によってはある程度時節に依存し、例えば冷房用のエネルギーは夏期に集中し、暖房用のエネルギーは期に集中する。

0011

しかし、上記特許文献2に記載の構成は、1年のうち、単にエネルギー消費量が最低となる月を機械的に特定し、当該エネルギー消費量が最低となる最低月のエネルギー消費量を厨房、照明、動力などの非冷暖房負荷によるものであると見做して、他の月の非冷暖房負荷による消費量を分析するものである。したがって長期の旅行等によりひと月近く家を空けた場合など、通常の月と比較して著しくエネルギー消費量が少ない月が存在した場合、当該月を最低月と判断して分析を行うこととなる。この場合には、分析結果が実態と著しくかけ離れてしまうおそれがある。

0012

そこで本発明は、通常とは異なるエネルギー消費期間が存在しても、実態に即したエネルギー消費の用途を分析することができる用途分解装置、用途分解方法、及び用途分解プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

(1)本発明の用途分解装置は、1年を複数の単位期間に分け、該単位期間ごとに、ガスによるエネルギー供給を受ける環境で消費されるガスの総消費量を、当該環境における給湯用途消費量と、厨房用途消費量と、暖房用途消費量と、の各用途のガス消費量のそれぞれに用途分解可能な用途分解装置であって、各単位期間における前記給湯用途消費量と前記厨房用途消費量との割合を規定した二用途分解テーブルと、連続する複数の単位期間であって且つ前記環境で暖房を使用しない期間として仮定される特定期間に属する1つの単位期間を基準期間として、該基準期間の給湯用途消費量に対する残りの単位期間の給湯用途消費量の比率を規定した比率テーブルと、実際に前記環境で使用されたガスの総消費量を前記単位期間ごとに1年に亘って記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された各単位期間のガスの総消費量の用途を分解するガス用途分解部と、を備え、前記ガス用途分解部は、前記特定期間のガス消費に関する情報に基づいて各単位期間の厨房用途消費量を概算する厨房用途概算手段と、当該厨房用途概算手段で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて前記特定期間の給湯用途消費量を概算すると共に、当該厨房用途消費量の概算値と前記比率テーブルと前記二用途分解テーブルとに基づいて前記特定期間以外の非特定期間の給湯用途消費量を概算する給湯用途概算手段と、前記給湯用途概算手段で得られた前記非特定期間の給湯用途消費量の概算値、及び前記厨房用途概算手段で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて、前記非特定期間の暖房用途消費量を概算する暖房用途概算手段と、を備えていることを特徴とする。

0014

上記構成によれば、単一の単位期間のみでなく、1年を複数分割して得られる単位期間のうち、大きな季節変動を伴う暖房を使用しない期間として仮定される連続する複数の単位期間からなる特定期間のガス消費に関する情報に基づいて各単位期間の厨房用途消費量、すなわち、通年の厨房用途消費量が概算される。従って、季節変動要因を除外して高精度な厨房用途消費量の概算ができるのみでなく、通常の日常生活とは明らかに異なるガス消費期間が存在する場合でも、当該期間に乱されることなく、実態に即したガス消費量の用途を分析することができる。詳述すると、仮に非特定期間の中の単位期間に長期不在がありエネルギー消費量が著しく低かったとしても、また仮に特定期間に属する単位期間に長期不在があったとしても、当該特定期間全体に基づいて厨房用途消費量の概算を行うことから、その影響を極めて小さくすることができる。のみならず、このようにして求めた厨房用途消費量の概算値に基づいて給湯用途消費量や暖房用途消費量の概算値が概算されることとなるので、通常とは異なるエネルギー消費期間が存在しても、実態に即した妥当性の高い消費量に分解することができる。

0015

(2)かかる点に鑑みれば、前記厨房用途概算手段は、前記記憶部に記憶された前記特定期間内の少なくとも一部の単位期間の総消費量と、二用途分解テーブルに規定された、前記特定期間内の少なくとも一部の単位期間の厨房用途消費量の割合と、に基づいて当該特定期間内の少なくとも一部の単位期間の平均の厨房用途消費量を概算し、この概算値を各単位期間の厨房用途消費量の概算値とすることが好ましい。

0016

(3)また、前記給湯用途概算手段は、前記二用途テーブルに規定された割合と前記比率テーブルに規定された比率とを用いて前記非特定期間に属する各単位期間の給湯用途消費量を概算する第1概算手段と、前記二用途テーブルに規定された割合に基づいて、前記記憶部に記憶された前記非特定期間に属する各単位期間の総消費量から各単位期間の給湯用途消費量と厨房用途消費量とを概算する第2概算手段と、前記第1概算手段と前記第2概算手段との何れの概算の結果を採用するかを判断する判断手段と、を備えていることが好ましい。

0017

これによれば、比率テーブルにおいて予め給湯用途消費量の季節変動を見込んでおき、当該比率テーブルに基づいて各単位期間の給湯用途消費量を概算する第1概算手段を備えているため、年間における消費量変更幅が大きく、また家庭ごとのライフステージ嗜好を反映することの多い給湯用途消費量において、精度よくガス消費の用途分解をすることができる。一方、当該比率テーブルに基づいて各単位期間のガス消費を用途分解するのみでは、対象となる環境内における給湯用途消費量が概算値に比べて非常に小さい場合などは、実情と著しく異なる結果を生じかねない。そこで、上記用途分解装置においては、給湯用途消費量と厨房用途消費量との割合を予め規定した二用途分解テーブルを用いてこれらの用途消費量を概算する第2概算手段を備えると共に、当該第1概算手段による概算結果と第2概算手段による概算結果のいずれの概算値を採用するか判断する判断手段を備え、当該判断手段によって最も適する方の概算値を採用することにより、実情との乖離を回避した用途分解を行うことができるものとなっているのである。

0018

(4)前記判断手段は、前記記憶部に記憶された各単位期間の総消費量と、前記第1概算手段による当該単位期間の厨房用途消費量と給湯用途消費量との概算値の合計と、を大小比較し、前記総消費量の方を大とする場合は当該第1概算手段による概算の結果を採用し、前記第1概算手段による前記概算値の合計の方を大とする場合は前記第2概算手段による概算の結果を採用することが好ましい。

0019

第1概算手段による概算結果は比率テーブルに基づく計算値合計値であり、場合によっては実測値を超える場合が生じるが、上記構成によれば、総消費量は実測値であるため、当該実測値を超える概算値はそもそも実情と異なっているものと判断されるものとなる。一方、上記第2概算手段は、当該総消費量を二用途分解テーブルに基づいて分解するため、第2概算手段による概算値の合計値は総消費量そのものであって総消費量を超えるものとはならない。このように、第1概算手段による概算値が明らかに実情とは異なる場合にのみ第2概算手段による概算値を用いることとすることにより、ある一時期間の不在や、生活状態変化によるガス消費パタンの変化など、一般に比率テーブルのみでは整合性をとることができない事態が発生しても、柔軟に対応することができる。

0020

(5)また、前記第1概算手段は、前記記憶部に記憶された前記基準期間の総消費量に、前記二用途テーブルに規定された前記基準期間の給湯用途消費量の割合を乗じて当該基準期間の給湯用途消費量を概算すると共に、当該基準期間の給湯用途消費量の概算値に前記比率テーブルに規定された比率を乗じることで前記非特定期間に属する各単位期間の給湯用途消費量をそれぞれ概算することが好ましい。

0021

比率テーブルには、予め季節変動が見込まれているため、基準期間の給湯用途消費量の概算値に各単位期間の比率テーブルの比率を乗じることにより、各単位期間それぞれの給湯用途消費量に季節変動の影響を織り込むことができるものとなっている。

0022

(6)また、前記第2概算手段は、前記非特定期間に属する単位期間の総消費量を、前記二用途分解テーブルに規定された当該単位期間の比率に分配することで、当該単位期間の厨房用途消費量と給湯用途消費量とを概算することが好ましい。二用途分解テーブルにおいては、各単位期間における給湯用途消費量及び厨房用途消費量の2つの相対的な関係によりこれら各用途消費量の割合が規定されており、当該割合に基づいて総消費量を給湯用途消費量及び厨房用途消費量に分解する。このため、ある一時期間の不在により当該単位期間の総消費量が一時的に急減となる場合であっても、少なくとも当該総消費量をこれら2つの用途消費量に分解することができ、生活状態の変化によるガス消費パタンの変化にも対応することができるものとなっているのである。

0023

(7)また、前記暖房用途概算手段は、前記単位期間の総消費量から、前記判断手段の判断の結果により採用された給湯用途消費量の概算値と厨房用途消費量の概算値との合計を引いた値を、当該単位期間の暖房用途消費量の概算値とすることが好ましい。これによれば、季節変動の少ない厨房用途消費量と、季節変動をある程度見込む必要がある給湯用途消費量を適正に確定させた後に、年間の総消費量における変動が最も大きい暖房用途消費量を概算することができ、当該暖房用途消費量も適正に概算することができる。

0024

(8)また、前記ガス用途分解部は、前記単位期間のうち前記基準期間の候補が複数存在する場合には、当該複数の候補のうち総消費量が最も大きい単位期間を前記基準期間として認定する認定手段を備えていることが好ましい。これによれば、給湯の季節変動要因が極力排除された単位期間が基準期間となり、これによって、給湯用途のみならず暖房用途の消費量についてもより適正に概算することができる。

0025

(9)また、前記ガス用途分解部は、各単位期間において前記環境に供給される上水道の温度を取得可能な給水温度得手段と、当該給水温度取得手段によって取得される給水温度に基づいて前記二用途分解テーブルの前記給湯用途消費量の割合を算出する算出手段と、を備えていることが好ましい。

0026

給湯用途で消費されるガスとは、主として上水道水を加熱することにより消費されるものである。当該給湯用途の消費量は、設定温度給湯量によっても変動するが、上水道水の水温によっても異なるものとなる。上記構成によれば、給水温度取得手段により上水道の温度(給水温度)を取得し、当該給水温度を用いて二用途分解テーブルによる各用途消費量の算出がなされることとなる。すなわち、給湯用途消費量の概算に対し、給水温度を当該給湯用途割合決定のファクターとして加味することで、より二用途分解テーブルと比率テーブルにおける給湯用途消費量の単位期間ごとの割合の精度を上げ、ひいては厨房用途消費量との割合の適正化を図ることができる。

0027

(10)また、前記給水温度取得手段は、前記環境が存在する地域の気温に基づいて前記給水温度を推定することが好ましい。これによれば、対象となる環境において実測が難しい給水温度を気温から推定することで、当該給水温度算定簡易化を図ることができる。

0028

(11)また、前記ガス用途分解部は、新たな単位期間の総消費量の入力に伴って最も古い単位期間を除き、当該新たな単位期間を加えると共に最も古い単位期間を除いた状態で前記二用途分解テーブル及び比率テーブルを更新するテーブル更新手段を備えていることが好ましい。

0029

上記の如く、各単位期間の用途を分解するについては、季節変動要因を含むものと含まないものが存在するため、例えば最新の単位期間のみといった1の単位期間の総消費量の用途を分解するについても、少なくとも当該1の単位期間及び基準期間を含む一年の期間の二用途分解テーブル及び比率テーブルが必要となる。上記構成によれば、最新の単位期間の総消費量を用途分解するにつき、当該単位期間を含めた最新の一年の期間において二用途分解テーブル及び比率テーブルが更新されることとなる。これによって、当該最新の単位期間の給水温度等の実情を各テーブル構築に反映することができ、各テーブルを適正に作成することができるものとなっているのである。

0030

(12)さらに、本発明の用途分解装置は、前記単位期間のうちの最新の単位期間における総消費量の用途分解の結果のみを表示する表示手段を備えていることが好ましい。上述の如く、当該単位期間を含む過去一年のテーブルが更新され、これによって過去一年の用途分解が再構築されることが可能であるが、利用者にとってもっとも確認したいのは最新の単位期間における用途分解の結果である。したがって、上述の表示手段を設けることにより、利用者が最も確認したい当該最新の単位期間の用途分解の結果を確認できるものとなるのである。或いは、利用者にとって確認不要な過去一年に亘る各単位期間の用途分解の結果を非表示として、利用者の視認性の向上が図られる。

0031

(13)本発明の用途分解方法は、1年を複数の単位期間に分け、該単位期間ごとに、ガスによるエネルギー供給を受ける環境で消費されるガスの総消費量を、当該環境における給湯用途消費量と、厨房用途消費量と、暖房用途消費量と、の各用途のガス消費量のそれぞれに用途分解可能な用途分解方法であって、各単位期間における前記給湯用途消費量と前記厨房用途消費量との割合を規定した二用途分解テーブルと、前記環境で暖房を使用しない期間として仮定される連続する複数の単位期間からなる特定期間に属する1つの単位期間を基準期間として、該基準期間の給湯用途消費量に対する残りの単位期間の給湯用途消費量の比率を規定した比率テーブルと、を準備するテーブル準備工程と、実際に前記環境で使用されたガスの総消費量を前記単位期間ごとに1年に亘って記憶する記憶工程と、前記記憶工程で記憶された各単位期間のガスの総消費量の用途を分解するガス用途分解工程と、を備え、前記ガス用途分解工程は、前記特定期間のガス消費に関する情報に基づいて各単位期間の厨房用途消費量を概算する厨房用途概算工程と、当該厨房用途概算工程で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて前記特定期間の給湯用途消費量を概算すると共に、当該厨房用途消費量の概算値と前記比率テーブルと前記二用途分解テーブルとに基づいて前記特定期間以外の非特定期間の給湯用途消費量を概算する給湯用途概算工程と、前記給湯用途概算工程で得られた前記非特定期間の給湯用途消費量の概算値、及び前記厨房用途概算手段で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて、前記非特定期間の暖房用途消費量を概算する暖房用途概算工程と、を備えていることを特徴とする。

0032

(14)本発明の用途分解プログラムは、1年を複数の単位期間に分け、該単位期間ごとに、ガスによるエネルギー供給を受ける環境で消費されるガスの総消費量を、当該環境における給湯用途消費量と、厨房用途消費量と、暖房用途消費量と、の各用途のガス消費量のそれぞれに用途分解可能な用途分解処理をコンピュータに実行させる用途分解プログラムであって、コンピュータに、各単位期間における前記給湯用途消費量と前記厨房用途消費量との割合を規定した二用途分解テーブルと、前記環境で暖房を使用しない期間として仮定される連続する複数の単位期間からなる特定期間に属する1つの単位期間を基準期間として、該基準期間の給湯用途消費量に対する残りの単位期間の給湯用途消費量の比率を規定した比率テーブルと、を利用し、実際に前記環境で使用されたガスの総消費量を前記単位期間ごとに1年に亘って記憶する記憶処理と、前記記憶処理で記憶された各単位期間のガスの総消費量の用途を分解するガス用途分解処理と、を実行させ、前記ガス用途分解処理は、前記特定期間のガス消費に関する情報に基づいて各単位期間の厨房用途消費量を概算する厨房用途概算処理と、当該厨房用途概算処理で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて前記特定期間の給湯用途消費量を概算すると共に、当該厨房用途消費量の概算値と前記比率テーブルと前記二用途分解テーブルとに基づいて前記特定期間以外の非特定期間の給湯用途消費量を概算する給湯用途概算処理と、前記給湯用途概算処理で得られた前記非特定期間の給湯用途消費量の概算値、及び前記厨房用途概算手段で得られた厨房用途消費量の概算値に基づいて、前記非特定期間の暖房用途消費量を概算する暖房用途概算処理と、を備えていることを特徴とする。

0033

このような用途分解方法及び用途分解プログラムによれば、単一の単位期間のみでなく、1年を複数分割して得られる単位期間のうち、大きな季節変動を伴う暖房を使用しない期間として仮定される連続する複数の単位期間からなる特定期間のガス消費に関する情報に基づいて各単位期間の厨房用途消費量、すなわち、通年の厨房用途消費量が概算される。従って、季節変動要因を排して高精度な厨房用途消費量の概算ができるのみでなく、通常の日常生活とは明らかに異なるガス消費期間が存在する場合でも、当該期間に乱されることなく、実態に即したガス消費量の用途を分析することができる。詳述すると、仮に非特定期間の中の単位期間に長期不在がありエネルギー消費量が著しく低かったとしても、また仮に特定期間に属する単位期間に長期不在があったとしても、当該特定期間全体に基づいて厨房用途消費量の概算を行うことから、その影響を極めて小さくすることができる。のみならず、このようにして求めた厨房用途消費量の概算値に基づいて給湯用途消費量や暖房用途消費量の概算値が概算されることとなるので、通常とは異なるエネルギー消費期間が存在しても、実態に即した妥当性の高い消費量に分解することができる。

発明の効果

0034

本発明の用途分解装置、用途分解方法、及び用途分解プログラムによれば、通常とは異なるガス消費期間が存在しても、実態に即したガス消費の用途を分析することができる。

図面の簡単な説明

0035

本発明に係る用途分解装置の一実施形態を示すブロック図である。
気温と水温との相関関係の一例を示すグラフである。
(a)、(b)は、用途分解装置の入力画面の一例を示す図である。
(a)〜(d)は、用途分解装置の結果出力画面表示の一例を示す図である。
ガス用途分解部を示すブロック図である。
ガス用途分解部による処理を示すフローチャートである。
図6結合子1から結合子2に至る処理を示すフローチャートである
用途分解装置が備える給湯厨房比テーブルの一例である。
用途分解装置が備える標準テーブルの一例である。
用途分解装置が備える二用途分解テーブルの一例である。
用途分解装置が備える比率テーブルの一例である。
第1概算手段による概算結果を示す第1概算結果テーブルの一例である。
ガス用途分解部による処理結果を示す用途分解結果テーブルの一例である。
電気用途分解部の構成を示すブロック図である。
電気用途分解部の動作を示すフローチャートである。
照明・家電用推定電気量の概算の一例を示す図である。
灯油用途分解部による処理を示すフローチャートである。

実施例

0036

以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。

0037

図1に示す用途分解装置100は、戸建て住宅や集合住宅の各住戸等といった1家庭を単位とする環境におけるエネルギー消費量等の分析に用いられる装置である。本実施形態においては当該環境を一住戸が専有する戸建て住宅の建物としているが、集合住宅の一住戸等の他の環境であっても構わない。一般に、本実施形態の如き建物においては、単位期間たる月ごとに消費された各種エネルギーそれぞれの総エネルギー量を知ることはできるが、各エネルギーが如何なる用途にどの程度ずつ消費されたのかといった配分を知ることは困難である。かかる実情に鑑み、用途分解装置100は、当該建物で、単位期間ごとに建物に供給された既知エネルギー総量が、どの用途にどの程度ずつ消費されたのかの配分を、統計データ等に基づく演算により概算し推定可能とする。用途分解装置100は、特に、エネルギー源として少なくとも電気とガスとを併用する建物等に代表される環境に好適に用いられる。

0038

用途分解装置100は、コンピュータ110と、入力部120と、出力手段の例としての表示部130とを備えている。用途分解装置100はコンピュータ110に以下に説明する用途分解プログラムを実行させることによって具現化している。

0039

入力部120は、キーボードや、マウスなどのポインティングデバイスを用いて、本装置の利用者に情報およびコマンドを入力させる。またインターネットなどのネットワーク102を介して遠隔地クライアントコンピュータ104から情報およびコマンドを入力しても良く、その場合はネットワークインターフェースが入力部120に相当する。

0040

表示部130は各種の操作画面や情報を表示する出力手段であって、このコンピュータ110に直接接続されたモニタのほか、情報の表示に限ればプリンタであっても良い。またネットワークを介して遠隔地より用途分解装置100にアクセスする場合には、ウェブページを用いて操作画面や情報を表示することができる。

0041

コンピュータ110は一般的な構成であって、各種の処理や演算を行うCPU、プログラムやデータを記憶するハードディスクなどの記憶媒体、プログラムを実行させる領域であるRAMなどを備えている。以下の説明において記憶部というとき、記憶媒体の中に確保された記憶領域(ファイル)を意味している。

0042

次に、用途分解装置100の機能的な構成について説明する。これは同時に用途分解プログラム200の構成にほぼ等しい。

0043

図1に示すように、用途分解プログラム200は、消費量記憶部210と、用途分解部216と、積算部218と、出力部220と、給水温度取得手段222とを備えている。

0044

消費量記憶部210は、単位期間ごとに当該環境にて消費された総ガス量総電力量及び灯油量を記憶する。消費量記憶部210に記憶するのは、実際のガス量や電力量や灯油量といった各エネルギーの消費量を単位期間ごとに記憶するものであって、エネルギーごとの用途別に分解されていない全体量である。

0045

本実施形態において、各単位期間のガス総消費量、総電力量および総灯油量は、住宅や事務所などの建物や、マンションアパートなどの集合住宅であれば建物内の一住戸など、個別にエネルギー消費を計測可能な環境ごとに取得および記憶するものとしている。また、各エネルギーは、利用者が単位期間ごとに入力して蓄積しても良いし、オペレータが消費量を入力したり、システムがネットワークを介して収集した消費量を自動的に入力したりしても良い。消費量の単位はその分量を規定できれば良く、例えば電気の消費量であればkWh(キロワット時)であっても良い。また、これらの公共料金を消費量として入力することにより、他の単位に換算しても良い。

0046

また、単位期間とは、エネルギーの計測に対して適切な期間であれば良く、例えば1ヶ月や2ヶ月など月単位とすることができ、またさらに詳細に1日や1週間を単位期間としても良い。本実施形態においては、単位期間として、1月、2月、3月・・・等の各月を採用している(以下、単位期間を「月」とする)。

0047

用途分解部216は、各月に使用される総ガス量、総電力量及び総灯油量を用途ごとの消費量に分解する。用途分解部216はガス用途分解部300と、電力用途分解部400と、灯油用途分解部500とを備えている。用途分解部216の構成と動作については後述する。本実施形態においては、各用途として、「厨房用途」、「給湯用途」、「照明家電用途」、「暖冷房用途」の4つの用途を準備しており、用途分解部216によって、各エネルギーの総量をこれら4つの用途に分解する。各用途と実際の使用態様との関係は以下のように定義されている。なお、暖冷房用途は、さらに暖房用途と冷房用途とに分解可能である。
厨房用途:ガスコンロなど、調理を主目的として用いられるコンロ機器
給湯用途:浴室給湯器、厨房の給湯器、洗面所の給湯器など
照明家電用途:テレビビデオパソコン洗濯機掃除機電子レンジ電子炊飯器冷蔵庫換気扇照明器具など
暖房用途:電気ストーブエアコン(暖房)、コタツ電気カーペット灯油ストーブなど
冷房用途:エアコン(冷房)、扇風機など
また、本実施形態においては、厨房用途、給湯用途にガスを使用するものとし、照明家電用途、冷房用途に電力を使用するものとし、暖房用途にガスと、電力と、灯油のいずれか1つ又は2つ又は3つを使用するものとする一般的な家庭環境下における各供給エネルギー用途毎に分解をするものとする。

0048

積算部218は、用途分解部216が各エネルギーについて用途ごとに分解した消費量を、複数のエネルギーに重複する用途ごとに積算する。例えば、ガスによる暖房と電気による暖房と灯油による暖房を併用する場合、各エネルギーの用途に暖房が重複するので、暖房に用いるエネルギーの消費量は、(ガスによる暖房のエネルギー消費量(Gh))+(電気による暖房のエネルギー消費量(Eh))+(灯油による暖房のエネルギー消費量(Kh))である。なお、積算するためには消費量の単位を揃える必要があるが、用途分解部216が単位を揃えて積算部218に出力しても良いし、積算部218が単位を変換(換算)してから積算しても良い。

0049

出力部220は、積算部218が積算した結果を表示部130やネットワーク102を介してクライアントコンピュータ104の画面、プリンタ、ウェブページなどに出力する。また、あわせて記録媒体に出力して、積算した結果を記録蓄積しても良い。

0050

給水温度取得手段222については後述するが、ガス(エネルギー)によって加熱または冷却される前の給水温度または気温を取得する。これらの温度は、センサー等を現地に設置して実際に測定しても良いし、気象庁発表するデータから当該地域の温度を取得しても良い。また給水温度取得手段222は、気温から換算して給水温度を求めても良い。図2に示す如く、気温と水温との間には高い相関が認められるため、極めて妥当に給水温度を求めることができる。なお、この場合、給水温度取得手段222は、インターネットなどのネットワーク102を介して気象庁が発表する気温のデータを取得してもよい。

0051

本実施形態に係る用途分解装置においては、ユーザが、図3(a)に例示するような入力画面で、現在より前の一年間分の各エネルギーの消費量を入力し、消費量記憶部210に蓄積する。このとき、現在の月(演算を行う当月であって、以下では最新月とも言う)のエネルギー消費量は、図3(b)に例示するような入力画面で別途入力されるように構成しても良い。そして用途分解部216が各エネルギーについて演算してそれぞれの総量を用途ごとに分解し、積算部218が用途ごとに積算して、出力部220が表示部130等に結果を表示させる。

0052

図4は結果出力の画面表示の例を示す図であって、表示部130に出力して利用者に提示するものである。図4(a)に示すのは、単位期間(ここでは月単位)ごと、用途別に積み上げ棒グラフである。図4(b)に示すのは、各用途のエネルギーを通年で積算し、1年間の用途別のエネルギー消費量を積み上げた棒グラフである。また図4(c)に示すように、前年のデータと今年のデータを同時に表示し、対比して表示することにより、利用者に対して省エネルギー活動の動機を与える効果を期待することができる。さらに図4(d)に示すように、他人との対比において順位などをつけることにより、利用者の消費性向を評価することでも、利用者に対して省エネルギー活動の動機を与える効果を期待することができる。

0053

なお、積算部218が積算した結果とあわせて、またはこれに代えて、エネルギーごとの用途別の消費量(積算する前の値)を出力部220から出力しても良い。図4(c)ではエネルギー用途の種類が選択可能になっており、選択されたエネルギー用途別に消費量を表示させることができる。包括的に把握することも重要であるが、さらに詳細な消費性向を知ることも生活の改善を図る上で意義があるからである。

0054

上記説明した如く、各月について用途ごとに分解して、さらに複数のエネルギーに重複する用途ごとに各エネルギーの消費量を積算することにより、複数のエネルギーを利用する家庭や事業所、居住空間等における複数のエネルギーの用途ごとの消費状況を算出し、包括的に提示することができる。これにより、利用者は自己の消費性向を包括的に把握することができ、省エネルギー活動のはげみとすることができる。

0055

[用途分解部216]
次に、用途分解部216について説明する。上記したように、用途分解部216は、ガス用途分解部300と、電力用途分解部400と、灯油用途分解部500とを備えている(図1)。

0056

(ガス用途分解部300)
図5はガス用途分解部300の構成を説明する図であり、図6及び図7はガス用途分解部300の動作を説明するフローチャートである。

0057

ガス用途分解部300は、各月の用途ごとの割合を規定するテーブル規定部310と、各月のガス総消費量を記憶する消費量記憶部210と、該テーブル規定部310に基づいて各月のガス総消費量を各用途に分解する概算部320とを備えている。テーブル規定部310は、統計又はモニタリングによるデータに基づいて各月の標準の厨房用途消費量、給湯用途消費量の算出のベースとなるデータを作成する標準データ作成部311と、該ベースデータに基づいて各月の厨房用途消費量と給湯用途消費量との割合を規定した二用途分解テーブルを形成する二用途分解テーブル規定部312と、ガス基準月を設定し、該ガス基準月に対する各月の給湯用途消費量の割合を規定した比率テーブルを規定する比率テーブル規定部313とを備えている。

0058

標準データ作成部311においては、統計に基づいて給湯用途と厨房用途の代表的な使用比(給湯厨房比)を準備し、図8に示すように、給湯厨房比テーブルに格納しておく。当該給湯厨房比は、所定のエネルギー消費環境における包括的な給湯用途と厨房用途のエネルギーの比である。本実施形態においては、住環境計画研究所「家庭用エネルギー統計年報」の「家庭用用途別エネルギー種別消費マトリックス(関東)2005年度」に基づいて給湯厨房比を定めている。具体的には、本実施形態においては、当該マトリックスの「照明・家電製品・他」のうちの、都市ガスLPGガス分を「厨房用途」として規定すると共に、電力による給湯用途については、機器効率を用いてガスによる給湯用途に変換し、これによって給湯用途と厨房用途の年間の割合を定めることとしている。

0059

なお、給湯厨房比は、年度ごとに更新することも可能である。また、上記「家庭用エネルギー統計年報」に基づいて定める構成以外にも、資源エネルギーの「資源・エネルギー統計」の統計値に基づいて導出することも可能である。さらに、給湯厨房比は、これらのように公共機関から公開されている統計値に基づいて定めるのみに限らず、実際の環境、例えば複数のをモニタリング(サンプリング)して取得しても良い。

0060

同様に、標準データ作成部311においては、統計値(例えば、公共機関から公開されている統計値)に基づいて規定する1日の平均的な給湯用途のガス消費量(平均給湯用途ガス量)を準備する。本実施形態においては、財団法人建築環境・省エネルギー機構「省エネルギーハンドブック」の給湯負荷Lモードに基づいて平均給湯用途ガス量を規定している。具体的には、該省エネルギーハンドブックによる統計値は1日の中の時間帯別の給湯負荷であるから、これを積算することによって1日の平均給湯用途ガス量を導出し、この1日の平均給湯用途ガス量を各月の日数分積算することで、各月の給湯用途のガス消費量を導出することとしている。当該平均給湯用途ガス量についても、これらのように公共機関から公開されている統計値に基づいて定めるのみに限らず、実際の一般家庭をモニタリング(サンプリング)して取得しても良い。

0061

上記給湯厨房比及び1日の平均的給湯用途ガス量は、上述の如く公的な資料やモニタリングによってあらかじめ準備しておく情報である。なお、これら給湯厨房比や標準データを作成するための統計値となる基礎データは、ユーザが入力することも可能であるし、初期設定としてある時期の基礎データを用途分解装置100に入力しておき、適宜更新データの配信を受けることで基礎データを逐一更新する構成を採用することも可能である。以下、これらの準備された情報を用いて、二用途分解テーブルを形成する処理について説明する。以下の説明においては、この用途分解装置100の分析対象である環境において、統計データ等に基づいて厨房用途で標準的に消費されると考えられるガス消費量を「標準厨房用途消費量」と称し、「Gk[STD]」で表す。同様に、給湯用途で標準的に消費されると考えられるガス消費量を「標準給湯用途消費量」と称し、「Gs[STD]」で表す。

0062

二用途分解テーブル規定部312は、標準消費量導出部314と、割合換算部315とを備えている。標準消費量導出部314は、標準テーブル314aの要素として、図9に例示されるように、各月の標準厨房用途消費量、標準給湯用途消費量を導出する。割合換算部315は、標準消費量導出部314で導出された各月の標準厨房用途消費量、標準給湯用途消費量を割合(百分率)に換算し直して、図10に例示されるように、二用途分解テーブル315aを完成させる。

0063

標準消費量導出部314は、各月の標準厨房用途消費量Gk[STD]を導出する厨房工程と、標準給湯用途消費量Gs[STD]を導出する給湯工程とを行う。

0064

厨房工程は、標準データ作成部311により算出された厨房用途のガス消費量を各月の標準厨房用途消費量Gk[STD]に設定する。したがって、各月の標準厨房用途消費量Gk[STD]は同じ値となる。また、厨房工程においては、算出した各月の結果を標準テーブル314a(図9)に記憶させる。

0065

給湯工程では、1日の平均給湯ガス量に基づいて各月の標準的な給湯用のガス消費量である標準給湯用途消費量Gs[STD]を算出する。例えば、1日の平均の給湯ガス消費量に各月の日数及び当該環境下における人数(例えば家族の数)を考慮することで導出することが考えられる。たとえば、洗面に際しては家族の人数分を積算する一方、風呂湯張りにおいては、人数分の積算を行わないといった観点からの湯量の調整や、子供は大人程度まで湯を使用しないといった観点からの湯量の調整等、家族の一般的な給湯用途の使用態様に応じて当該環境下における給湯ガス消費量が導出される。また、2人家族、3人家族、4人家族といった家族の人数や大人子供の割合等によって基準値たる1日の平均の給湯ガス消費量を準備することが望ましい。

0066

さらに、本実施形態においては、給湯ガス消費量の導出において水温と機器効率を考慮する。具体的には、給水温度取得手段222を参照して、その月の上水道の平均的な水温を取得する。なお、上述したように、給水温度取得手段222は気象庁の発表する気温から水温を導くことができる。そして、統計等から得られる1日の必要湯量をWt、単位期間を構成する日数をD、給湯温度をTh、給水温度をTw、機器効率をCoとすると、各月の標準給湯用途消費量Gs[STD]を次式(1)を用いて算出する。なお、上記一日の必要湯量は、上述の如く、給湯ガス消費量を導出するについて家族の構成等に応じて調整された湯量の積算値を採用することも可能であるし、複数の実邸をモニタリング等した結果として得られる統計値を採用することも可能である。
標準給湯用途消費量Gs[STD]=(Th−Tw)×Wt×D/Co …式(1)

0067

該式(1)においては、給湯の湯量が同じであったとしても給水温度が低くなればより多くのガスを使用することを示している。また、機器効率Coが高いほどガスの使用量が少なくなることを示している。

0068

このように、給湯工程においては、統計値に基づいて月ごとの標準給湯用途消費量Gs[STD]を算出する際に各月の給水温度を考慮する処理を行うため、仮に月の日数が同じであっても、寒い季節消費ガス量は多くなり、暖かい季節の消費ガス量は少なくなる。これにより、統計に基づく1日の必要湯量から、実情に即した給湯用統計ガス量を極めて高い妥当性をもって算出することができる。また、住宅等に設置されたガス設備の機器効率を加味して算出することにより、より適正な結果を得ることができる。

0069

また、給湯工程においては、算出した各月の結果を標準テーブル314a(図9)に記憶させる。

0070

次に、厨房工程に沿って、統計に基づいて規定される標準厨房用途消費量Gk[STD]を算出する。具体的には、下式(2)に示すように、先ず、給湯工程により算出された各月の標準給湯用途消費量Gs[STD]を合計して年間総標準給湯用途消費量を算出する。そして、当該年間総標準給湯用途消費量に給湯厨房比K=yRk/yRsを乗じ、さらに一年間の単位期間の数Nで割ることで当該単位期間の標準厨房用途消費量Gk[STD]を求める。本実施形態においては、単位期間は月数であるので、N=12を採用する。そして、当該標準厨房用途消費量Gk[STD]を各月共通として、算出した各月の結果を標準テーブル314a(図9)に記憶させる。
標準厨房用途消費量Gk[STD]=ΣGs[STD]×K/N …式(2)
なお、上記の給湯厨房比K=yRk/yRsは、前述の給湯厨房比テーブル(図8)に基づき算出することができる。

0071

上記の厨房工程、給湯工程の各工程での演算処理により、図9に例示する如く、各月の標準給湯用途消費量、標準厨房用途消費量を定めた標準テーブル314aが完成することとなる(図6のS101)。その後、割合換算部315によって、各月ごとにこれらを割合(百分率)に換算することにより、図10に例示する如く、二用途分解テーブル315aが完成する(S102)。このように作成された二用途分解テーブル315aは、統計データ等に基づく一般的・標準的な給湯用途消費量と厨房用途消費量との配分の割合を示す。

0072

また、テーブル規定部310は、上記二用途分解テーブル規定部312により算出された標準テーブル314aに基づいて、図11に例示されるような比率テーブル316aを規定する比率テーブル規定部313を備えている。比率テーブル316aは、標準テーブル314aにおける各月の標準給湯用途消費量どうしの比率を示すものであって、後述するガス基準月(図11の場合、基準月は6月)の標準給湯用途消費量を1とした場合の各月の標準給湯用途消費量を規定する。なお、比率テーブル316aのデータのうち、以下の演算に必要とされるのは「暖房期間」(暖房期間の詳細は後述する。本実施形態においては、暖房期間は1〜5月及び10〜12月として設定されている)のデータのみであるので、図11に示されるように、比率テーブル316aの暖房期間以外のデータは省略してもよい。比率テーブル規定部313は、ガス基準月を定める基準月選定工程と、当該ガス基準月に基づいて各月の標準給湯用途消費量の比率を算出する比率算出工程とを行う。

0073

基準月選定工程においては、まず、特定期間選定手段317によって特定期間たる「非暖房期間」が設定される。「非暖房期間」とは、分析対象の環境が存在する地域において暖房を使用しないと仮定される連続する複数の単位期間(月)である。例えば、関東の場合は、6,7,8,9月が非暖房期間として設定される。非暖房期間は、暖房を使わないと予想される月をユーザに入力させて設定してもよい。なお、非暖房期間以外の月を、暖房を使用する可能性がある月として「暖房期間(非特定期間)」と称するものとする。次に、基準月選定手段316により、非暖房期間に属する最初の月又は最後の月のうち、ガス総消費量が最大である月が「ガス基準月」と認定される。当該基準月選定工程においては、消費量記憶部210にアクセスして、これらガス基準月の候補となりえる非暖房期間の月のガス総消費量を比較して、ガス総消費量がもっとも大きい月をガス基準月とすることとしていている(認定手段)。なお、ガス基準月は、非暖房期間と同様に、地域の気候を考慮して予め適宜定めることもできる。

0074

更に、非暖房期間のうちガス基準月を除く残部が「夏季期間」と設定される。例えば関東であれば、6月が「ガス基準月」になり、7,8,9月が「夏季期間」になることが多い。このように設定された「夏季期間」は、給湯用途のガス消費に特有の傾向が安定的に現れやすい期間である。

0075

上記基準月選定工程においてガス基準月が認定された後、比率算出工程に移行する。当該比率算出工程においては、標準テーブル314aを参照して、ガス基準月に認定された月の標準給湯用途消費量Gs[STD]に対する他の月の標準給湯用途消費量Gs[STD]の比を算出する。これにより、図11に例示する比率テーブル316aが完成する(S103)。このように作成された比率テーブル316aは、統計データ等に基づく一般的な各月の給湯用消費量の比率を示す。

0076

(用途ごとのガス消費量の概算)
続いて、概算部320による用途ごとのガス消費量の概算について説明する。概算部320は、上記二用途分解テーブル315a及び比率テーブル316aと、消費量記憶部210に記憶されている各月の実際のガス総消費量とから、当該ガス総消費量を厨房用途消費量と、給湯用途消費量と、暖房用途消費量とに分解する演算を行うものである。概算部320は、厨房用途概算部321と、給湯用途概算部322と、暖房用途概算部324と、を備えている。給湯用途概算部322は、第1概算手段322aと、第2概算手段322bと、判断手段322cと、を備えている。

0077

なお、以下の説明においては、記憶部210に記憶されているm月(m=1,2,…,12)のガス総消費量をG[m]で表す。例えば、3月のガス総消費量はG[3]と表され、10月のガス総消費量はG[10]と表される。また、概算部320の演算によって推定・概算されるm月の厨房用途消費量、給湯用途消費量、暖房用途消費量を、それぞれ、Gk[m]、Gs[m]、Gh[m]で表す。また、厨房用途消費量、給湯用途消費量、のうち、特に、後述の第1概算処理で概算された値は、Gk1[m]、Gs1[m]で表すこととし、後述の第2概算処理で概算された値は、Gk2[m]、Gs2[m]で表すこととする。また、二用途分解テーブル315aに規定された、m月における厨房用途割合、給湯用途割合を、それぞれ、Rk[m]、Rs[m]で表す。また、比率テーブル316aに規定されたm月の比率をt[m]で表す。

0078

また、以下の説明で具体的な演算の例を示す場合には、図9に示す標準テーブル314aと、図10に示す二用途分解テーブル315aと、図11に示す比率テーブル316aと、に基づいて演算が行われ、図12の第1概算結果テーブル及び図13の用途分解結果テーブルが得られたものとする。なお、第1概算結果テーブルは、テーブル314a,315a,316aに基づいて、後述の第1概算処理で得られる中間的な演算結果であり、用途分解結果テーブルは、テーブル314a,315a,316aに基づいて得られる最終的な電力用途分解の結果である。また、ここでは、非暖房期間を6,7,8,9月とし、夏季期間を7,8,9月とし、ガス基準月を6月とする。

0079

(厨房用途消費量概算処理)
厨房用途概算部321は、夏季期間に属する各月のガス総消費量と、二用途分解テーブル315aに規定された夏季期間に属する各月の厨房用途割合と、に基づいて当該夏季期間の平均の厨房用途消費量を概算し、この概算値を1月〜12月の厨房用途消費量の概算値とする。本実施形態においては、前述のとおり非暖房期間(特定期間)は6月〜9月であり、そのうち夏季期間は7月〜9月であり、暖房期間(非特定期間)は、1〜5月及び10〜12月である。厨房用途概算部321は、先ず、消費量記憶部210から前一年の各月のガス総消費量を抽出し(S104)、夏季期間の厨房用途割合Rk[7],Rk[8],Rk[9]の平均を厨房用途割合の夏季平均として算出すると共に、当該夏季期間のガス総消費量G[7],G[8],G[9]の平均値をガス総消費量の夏季平均として算出する。そして、厨房用途概算部321は、下式(3)に示すように、厨房用途割合の夏季平均とガス総消費量の夏季平均とを乗じることで、当該夏季期間の平均の厨房用途消費量を概算する(S105)そして、当該概算値を各月の厨房用途消費量Gk[1]〜Gk[12]とし、年間一定として規定することとしている(S106;第1概算処理)。このような厨房用途消費量Gk[1]〜Gk[12]の算出によれば、暖房の使用による影響や長期不在の影響を抑えて、厨房用途消費量を過小評価してしまうことが避けられる。
Gk1[m]={(G[7]+G[8]+G[9])/3}×{(Rk[7]+Rk[8]+Rk[9])/3};但し、m=1〜12 …式(3)

0080

このように、厨房用途消費量は、通年に亘って略一定の値となると考えられる。これは厨房でのいわゆるガスコンロ等に使用されるガスには、全体の算定に大きな影響を及ぼすほどの季節要因が無いと考えられるためである。また、水温と調理温度の差が大きいことから、厨房においては給水温度の影響も無視できると考えられるためである。

0081

なお、本実施形態においては、上述の如く、非暖房期間のうち、ガス基準月として規定される6月を除いた夏季期間を設定し、この夏季期間の厨房用途割合及びガス総消費量に基づいて各月の厨房用途消費量Gk1[1]〜Gk1[12]を概算することとしているが、ガス基準月を含めた非暖房期間全体の厨房用途割合及びガス総消費量に基づいて各月の厨房用途消費量Gk1[1]〜Gk1[12]を概算することとしてもよい。また、非暖房期間のうち、厨房用途割合が最低である月と最高である月との何れか一方或いは両方の月を除いた月の厨房用途割合及びガス総消費量に基づいて各月の厨房用途消費量Gk1[1]〜Gk1[12]を概算することとしてもよい。このように、非暖房期間に属する少なくとも一部の月の厨房用途割合及びガス総消費量に基づいて各月の厨房用途消費量Gk1[1]〜Gk1[12]を概算するのであれば、非暖房期間のうちの何れの月の厨房用途割合及びガス総消費量を使用するかは、適宜選択することができる。

0082

(給湯用途消費量概算処理)
給湯用途概算部322は、非暖房期間(特定期間)に属する月の給湯用途消費量を概算する非暖房期間給湯用途消費量概算処理と、非暖房期間以外の暖房期間(非特定期間)に属する月の給湯用途消費量を概算する暖房期間給湯用途消費量概算処理と、を行う。暖房期間給湯用途消費量概算処理は、第1概算手段322aによる第1概算処理と、第2概算手段322bによる第2概算処理と、判断手段322cによる判断処理と、を含む。

0083

(第1概算処理)
給湯用途概算部322の第1概算手段322aは、下式(4)に示すように、非暖房期間に属する各月(6〜9月)のガス総消費量G[6]〜G[9]から、上記厨房用途概算部321で概算された厨房用途消費量Gk1[6]〜Gk1[9]を減じた値を、給湯用途消費量Gs1[6]〜Gs1[9]の概算値として算出する(S107:非暖房期間給湯用途消費量概算処理)。
Gs1[m]=G[m]-Gk1[m];但し、m=6〜9 …式(4)(下記期間との対応)

0084

更に、第1概算手段322aは、暖房期間に属する各月(1〜5月及び10〜12月)の、比率テーブル316aに規定された比率t[1]〜t[5],t[10]〜t[12]に基づいて、暖房期間に属する各月の給湯用途消費量を概算する。具体的には、下式(5)に示すように、ガス基準月(6月)のガス総消費量G[6]に、二用途分解テーブル315aの給湯用途割合Rs[6]を乗じてガス基準月の給湯用途消費量Gs1[6]を概算する。そして、下式(3)に示すように、当該ガス基準月の給湯用途消費量Gs1[6]の概算値に比率テーブル316aの比率t[m]を乗じることで暖房期間の各月の給湯用途消費量Gs1[m]を概算する(S108)。
Gs1[m]=Gs1[6]×t[m] ;但し、m=1〜5又は7〜12 …式(5)

0085

このように、あらかじめ規定しておいた比率テーブル316aを用いることにより、各月の給湯用途消費量の概算値を容易に求めることができる。

0086

以上の第1概算処理により、Gk1[1]〜Gk1[12]、Gs1[1]〜Gs1[12]が求められ、図12に示す第1概算結果テーブルが作成される。

0087

(第2概算処理)
給湯用途概算部322の第2概算手段322bは、下式(6),(7)に示すように、暖房期間の各月のガス総消費量G[m]を、前記二用途分解テーブル315aにおける当該月の割合(給湯用途割合Rs[m]、厨房用途割合Rk[m])に分配することで、給湯用途消費量Gs2[m]と、厨房用途消費量Gk2[m]との各用途の消費量を概算する。すなわち、当該第2概算手段322bにおいては、ガス総消費量G[m]のうちに暖房用途は含まれないと仮定して(すなわち、Gh[m]=0と仮定して)、当該暖用途以外の用途である厨房用途、給湯用途の二用途のみにガス総消費量G[m]を分解するものである(S109)。
Gs2[m]=G[m]×Rs[m] ;但し、m=1〜5又は7〜12 …式(6)
Gk2[m]=G[m]×Rk[m] ;但し、m=1〜5又は7〜12 …式(7)

0088

(判断処理)
また、判断手段322cは、暖房期間の各月ごとに、各月のガス総消費量G[m]と、第1概算手段322aによる当該単位期間の各用途の概算値の合計Gk1[m]+Gs1[m]とを比較し(S120)、ガス総消費量G[m]の方を大とする場合は、当該第1概算手段322aによる概算の結果Gk1[m],Gs1[m]をガス用途分解の結果として採用する(S121)。一方、第1概算手段322aの合計値Gk1[m]+Gs1[m]の方を大とする場合は、第2概算手段322bによる概算の結果Gk2[m],Gs2[m]を、ガス用途分解の結果として採用する(S122)。

0089

すなわち、第1概算手段322aによる各用途の概算は、ガス基準月のガス総消費量をベースとして、暖房期間の各月の各用途をそれぞれ独立して算出するものであり、暖房期間の各月の各用途を一括して概算することができると共に、概算対象環境のガス総消費量の消費傾向に基づき、各用途を概算するため、当該対象環境の消費傾向を反映することができる。しかし、例えばある月において利用者の長期不在などといった通常とは異なる使用態様の実情がある場合や、暖房についてもガス用途があるとして規定したものの、実際には先や口に該当する月においてはほとんど暖房を使用しない場合もある。これらの月においては、ガス総消費量が第1概算手段322aを用いて概算することを仮定していた場合のものよりも少ないものとなってしまうことが考えられる。そうすると、第1概算手段322aによる概算値の合計が当該月のガス総消費量G[m]よりも大きくなり、実情と異なってしまうという虞がある。

0090

一方、第2概算手段322bは、このように第1概算手段322aによる不備を補う予備的な概算手段であって、あくまでガス総消費量を2つの用途に分解するものであり、概算値の合計値は総電力量に等しい。

0091

したがって、判断手段322cにより、ガス総消費量と第1概算値の合計とを比較させ、ガス総消費量の方を大とする場合には第1概算手段322aの各概算値を採用することとし(S121)、第1概算値の方を大とする場合には、第2概算手段322bによる各概算値を採用するものとしている(S122)。すなわち、極端ガス使用量が少ない月があった場合には、暖房に対するガス使用はないものとし、すべてのガスは厨房と給湯に使用されたものとする。これにより、算出した結果が実測値を超えてしまうことを防止し、より妥当な結果を得ることができる。

0092

例えば、図12に示される第1概算値を参照すると、5月においては、ガス総消費量G[m]=29.4m3(約1323MJ)であるのに対し、Gk1[5]+Gs1[5]=1352.2MJであり、Gk1[5]+Gs1[5]>G[5]となってしまう。そして、このまま後述の暖房用途消費量Gh[5]を計算しようとすれば、Gh[5]=-29.4MJといった負の値になってしまい、実情に合わない。従って、図13に示されるように、5月の厨房用途消費量、及び給湯用途消費量については、それぞれ、第2概算処理で得られたGk2[5]=254.4MJ、Gs2[5]=1068.6MJがガス用途分解の結果として採用される。その一方、暖房期間のうち5月以外の月については、Gk1[m]+Gs1[m]

0093

(暖房用途概算処理)
暖房用途概算部324においては、判断手段322cにより第1概算手段322aの概算値が採用される場合、下式(8)に示すように、ガス総消費量に対する残余が暖房用途として使用されたとされる。また、これによって暖房用途消費量Gh[m]の概算値が導出される(S125)。
Gh[m]=G[m]-(Gk1[m]+Gs1[m]);但し、m=1〜5又は10〜12 …式(8)
また、非暖房期間においては、暖房の使用はないと仮定されているので、
Gh[m]=0;但し、m=6〜9 …式(9)
である。

0094

以上により、図13の用途分解結果テーブルに示されるような、ガス用途分解の結果が得られる。

0095

ガス用途分解部300は、算出した用途別のガスの消費量を積算部218に出力する。

0096

上記構成によれば、各月のガス総消費量を通年において記録しておけば、各月のガス総消費量を厨房用途、給湯用途、暖房用途に用途分解することができる。そして、暖房期間の概算においては、第1概算手段322aと第2概算手段322bとによる2ルートの概算ルートを有することにより、通常とは異なるガス消費月が存在しても、実態に即したエネルギー消費量の用途を分析することができる。例えば、仮に暖房期間の中の単位期間(例えば3月)に暖かい日が続き暖房を使用しなかったことにより、ガス総消費量が著しく少なかったとしても、その影響を極めて小さくすることができる。

0097

また、テーブル規定部310は、利用者が消費量記憶部210に最新月のガス総消費量を入力するたびに二用途分解テーブル315a及び比率テーブル316aを更新するテーブル更新手段330を備えている。

0098

二用途分解テーブル315a及び比率テーブル316aの規定のベースとなる標準テーブル314aは、上述の如く最新月を含む過去1年の各用途の標準を示すものであるが、給湯用途は給水温度という季節変動要因を取り込んで標準値を算出するため、1年に亘って同一の数値を採用することはできない。また、上記においては、標準給湯用途に基づいて各月の給湯用途、厨房用途、暖房用途の各使用量を算出するため、最新月の給湯用途が変化するものである以上、これら各用途の使用量の概算値も変化する。

0099

したがって、図7に示すように、テーブル更新手段330は、消費量記憶部210に最新月のガス総使用量が入力されたことを確認すると(S21)、テーブル規定部310に設定される1年の期間として当該最新月を含む過去1年に更新設定させると共に、給水温度取得手段222に当該最新月の給水温度を取得させ、これら条件を更新した上でテーブル規定部310に標準テーブル314aを再計算させるのである(S22)。そして、当該更新された標準テーブル314aに基づいて、二用途分解テーブル315a及び比率テーブル316aを更新する(S23、S24)。これにより、最新月のガス総消費量の用途分解が当該最新月の実情に即した状態で示されることとなり、分解精度の向上が図られるのである。

0100

(電力用途分解部400)
図14は電力用途分解部400の構成を説明する図、図15は電力用途分解部400の動作を説明するフローチャートである。図14において、矢印はデータの流れを示している。

0101

電力用途分解部400は、中間期最低電気量取得部402、電気分解演算部404を備えている。電気分解演算部404はさらに、照明・家電用電気量推定部414、冷房用電気量推定部416、暖房用電気量推定部418を備えている。

0102

最低電気量取得部402は、まず中間期を特定する(S402)。中間期とは夏期と冬期の間の期間であって、地域の気候を考慮して予め適宜定めることもできる。ここでは、前述の夏季期間の両隣の月が中間期とされる。すなわち、本実施形態では、夏季期間が7,8,9月であったので、6月及び10月が中間期である。そして中間期最低電気量取得部402は消費量記憶部210を参照し、中間期(6月及び10月)のうちで最低の電力使用量(中間期最低電気量E(Mmin))を取得し、当該最低の電力使用量を示す月を「電力基準月」と認定する。例えば、関東の場合には6月が電力基準月になることが多い。

0103

照明・家電用途概算部414は、下式(10)に示すように、中間期最低電気量取得部402が取得した電力基準月の中間期最低電気量E(Mmin)を、そのまま各単位期間の照明・家電用推定電気量Ea(照明・家電用推定電気量)であると規定する(S406)。図16に示す例では、6月の電力使用量266.4kWhと10月の電力使用量285.8kWhとが比較され、より小さい6月の電力使用量266.4kWh(959.0MJ)が中間期最低電気量E(Mmin)とされる。まず、この959.0MJが、1〜12月の照明・家電用推定電気量Eaとされる。
照明・家電用推定電気量Ea=中間期最低電気量E(Mmin) …式(10)

0104

これは、照明や家電用の電気量は、年間を通じて一定であると想定できるからである。

0105

ここで、電気基準月として中間期の範囲内で最低の電力使用量を示す月を選択したのは、夏期および冬期を除外することにより、冷暖房に消費される電力量を除外するためである。一方、電気基準月を、年間の最低の電力使用量を示す月としなかったのは、1年のうちのどこかで長期不在があった場合に極端に最低の電力使用量が低くなってしまうために、照明・家電用推定電気量が年間を通して低く見積もられてしまうおそれがあるためである。

0106

次に冷房用電気量推定部416は、特定期間の各月の電力使用量Eと、上記で規定した中間期最低電力量E(Mmin)とを比較する(S408)。そして、下式(11)に示すように、中間期最低電力量の方が大きい場合には、照明・家電用途概算値Eaを電力使用量Eに置き換え補正を行う(S410)。図16に示す例では、2月のデータのみ、電力使用量が261.1kWh(940.0MJ)よりも中間期最低電気量959.0MJの方が大きい。従って、2月の照明・家電用途概算値Eaは、実績値の電力使用量E(940.0MJ)に置き換えられる。
照明・家電用推定電気量Ea=実績値の電力使用量E …式(11)

0107

すなわち、極端に電力使用量が少ない月があった場合には、冷暖房に対する電気使用はないものとし、すべての電気は照明・家電等に使用されたものとする。また、照明・家電用の電気量Eaを総電力使用量にあわせて少なくなるように補正する。これにより、概算した結果が実際の電力使用量を超えてしまうことを防止し、より妥当な結果を得ることができる。

0108

冷房用電気量推定部416は、下式(12)で示されるように、非暖房期間(例えば6月〜9月)に属する単位期間について総電力量E[m]から照明・家電用途の概算値Ea[m]を減じることにより、単位期間ごとの冷房用途の概算値Ec[m]を算出する(S412)。
冷房用推定電気量Ec[m]=E[m]-Ea[m] ;但し、m=6〜9 …式(12)

0109

非暖房期間は、前述したとおり、暖房を使用しないと仮定される期間であって、例えば関東であれば6月〜9月に設定することができる。

0110

暖房用電気量推定部418は、下式(13)で示されるように、非暖房期間以外の単位期間(1〜5月及び10〜12月)について、総電力使用量E[m]から照明・家電用途の概算値Ea[m]を引くことにより、単位期間ごとの暖房用途の概算値Eh[m]を算出する(S414)。
暖房用推定電気量Eh[m]=E[m]-Ea[m] ;但し、m=1〜5又は10〜12 …式(13)

0111

電力用途分解部400は、算出した用途別の電気量を積算部218に出力する。

0112

(灯油用途分解部500)
また、本実施形態においては、ガス及び電力により給湯、厨房、照明家電、冷房に必要なエネルギーを賄うものであり、そうすると、灯油の用途としては、暖房の補助に用いられるに過ぎず、当該灯油を給湯に用いることはおよそ想定されない。したがって、本実施形態においては、図17に示す灯油用途分解処理において、灯油の実際の使用量Kがそのまま暖房用灯油量Khと推定できる。そこで灯油用途分解部500は、消費量記憶部210を参照して、下式(14)に示すように、利用者により入力された灯油使用量Kをそのまま灯油の暖房用途とする(S31)。
暖房用灯油量Kh=灯油使用量K …式(14)

0113

なお、この場合において、非暖房期間や中間期を考慮する必要はない。灯油用途分解部500は、算出した用途別の灯油量を積算部218に出力する。

0114

そして積算部218は、ガス用途分解部300、電力用途分解部400、灯油用途分解部500の出力を用途別に積算する。そして出力部から、表示部などに出力して利用者に提示する。

0115

続いて、上述した用途分解装置100、当該装置100で実行される用途分解プログラム200、及び、当該装置100で実行される用途分解方法による作用効果について説明する。

0116

用途分解装置100によれば、単一の月のみでなく、大きな季節変動を伴う暖房を使用しない期間として仮定される非暖房期間のガス消費に関する情報に基づいて各月の厨房用途消費量、すなわち、通年の厨房用途消費量が概算される。従って、季節変動要因を排して高精度な厨房用途消費量の概算ができるのみでなく、通常の日常生活とは明らかに異なるガス消費期間が存在する場合でも、当該期間に乱されることなく、実態に即したガス消費量の用途を分析することができる。

0117

詳述すると、仮に暖房期間の中の月(例えば1月)に長期不在がありエネルギー消費量が著しく低かったとしても、また仮に非暖房期間に属する月に長期不在があったとしても、当該非暖房期間全体の情報に基づいて厨房用途消費量の概算を行うことから、その影響を極めて小さくすることができる。のみならず、このようにして求めた厨房用途消費量の概算値に基づいて給湯用途消費量や暖房用途消費量の概算値が概算されることとなるので、通常とは異なるエネルギー消費期間が存在しても、実態に即した妥当性の高い消費量に分解することができる。

0118

また用途分解装置100によれば、比率テーブル316aにおいて予めガスの給湯用途消費量の季節変動を見込んでおき、当該比率テーブル316aに基づいて各月の給湯用途消費量を概算する第1概算手段322aを備えている。従って、年間における消費量変更幅が大きく、また家庭ごとのライフステージや嗜好を反映することの多い給湯用途において、精度よくガス消費量の用途分解をすることができる。一方、当該比率テーブル316aに基づいて各月のガス消費量を用途分解するのみでは、対象家庭内における給湯消費が概算値に比べて非常に小さい場合などは、実情と著しく異なる結果を生じかねない。

0119

そこで、用途分解装置100においては、給湯用途消費量と厨房用途消費量との割合を予め規定した二用途分解テーブル315aを用いてこれらの用途を概算する第2概算手段322bを備えると共に、当該第1概算手段322aと第2概算手段322bとを比較衡量して判断する判断手段322cを備え、当該判断手段322cによって最も適する方の概算値を採用することにより、実情との乖離を回避した用途分解を行うことができるものとなっているのである。従って、この装置100、プログラム200、及び用途分解方法によれば、エネルギー源としてガスの供給を受ける環境において、実態に即したエネルギー消費の用途に分解分析することができる

0120

また、ガス総消費量G[m]は実測値であるため、当該実測値を超えるような第1概算手段322aの概算値はそもそも実情と異なっているものと判断される。一方、上記第2概算手段322bは、当該ガス総消費量を二用途分解テーブル315aに基づいて分解するため、第2概算手段322bによる各用途の概算値の合計はガス総消費量G[m]そのものであってガス総消費量G[m]を超えるものとはならない。このように、前述の判断手段322cにおける判断基準によれば、第1概算手段322aの概算値が明らかに実情とは異なる場合にのみ第2概算手段322bによる概算値を用いることとすることにより、ある一時期間の不在や、生活状態変化によるガス消費パタンの変化など、一般に比率テーブル316aのみでは整合性をとることができない事態が発生しても、柔軟に対応することができる。

0121

また、第1概算手段322aは、ガス総消費量G[m]に二用途分解テーブル315aに規定された基準月(ここでは、6月)の給湯用途割合Rs[6]を乗じて当該基準月の給湯用途消費量Gs[6]を概算すると共に、当該概算値Gs[6]に比率テーブル316aに規定された比率t[m]を乗じることで各基準月の給湯用途消費量Gs[m]を概算することとしている。比率テーブル316aには、予め季節変動が見込まれているため、基準月の給湯用途消費量の概算値に比率テーブル316aの比率を乗じることにより、各月の給湯用途消費量Gs[m]に季節変動の影響を織り込むことができるものとなっている。

0122

また、第1概算手段322aは、非暖房期間の平均の厨房用途消費量を各月に適用することで当該各月の厨房用途消費量Gk[m]を概算している。非暖房期間は暖房を使用しない期間であり、季節変動要因を最も織り込まれていない期間と考えられるため、季節変動の無い用途については、当該非暖房期間の割合をそのまま他の月に採用することが好ましいと考えられる。また、厨房用途消費量は、全体のガス消費に対しては比較的使用量の小さいものであることが知られている。このため、厨房用途について、非暖房期間の情報に基づいて得られる値を各月に適用する場合であっても、実情との大きな齟齬をきたすことはなく、また、計算の簡便化を図ることができるものとなっているのである。

0123

また、第2概算手段322bは、各月のガス総消費量G[m]を二用途分解テーブル315aに規定された各月の割合Rk[m],Rs[m]に分配することで各用途消費量Gk[m],Gs[m]を概算している。二用途分解テーブル315aにおいては、各月における給湯用途と厨房用途との相対的な関係によりこれら各用途消費量の割合が規定されており、当該割合に基づいてガス総消費量を給湯用途、厨房用途に分解するため、ある一時期間の不在によりガス総消費量が一時的に急減となる場合であっても、少なくとも当該ガス総消費量G[m]をこれら2つの用途に分解することができ、生活状態の変化によるガス消費パタンの変化にも対応することができるものとなっているのである。

0124

また、暖房用途概算部324は、各月のガス総消費量G[m]から判断手段322cの判断の結果により採用されたGk[m],Gs[m]の合計を引いたものを暖房用途消費量Gh[m]として概算する。これにより、季節変動の少ない厨房用途消費量と、季節変動をある程度見込む必要がある給湯用途消費量とを適正に確定させた後に、年間電力消費における変動が最も大きい暖房用途消費量を概算することができ、当該暖房用途消費量も適正に概算することができる。

0125

また、基準月選定手段316は、非暖房期間にガス基準月の候補が複数存在する場合に、最も大きいガス総消費量G[m]である月を基準月と認定する。これにより、暖房の季節変動要因を極力排除された月が基準月となり、これによって、暖房用途以外の二用途の消費量をより適正に概算することができる。

0126

また、用途分解部216は、各月において建物に供給される上水道の温度を取得可能な給水温度取得手段222と、当該給水温度取得手段222によって取得される給水温度に基づいて二用途分解テーブル315aの給湯用途割合Rs[m]を算出する。給湯用途における消費電力とは、主として上水道水を加熱することにより消費されるものである。そして、当該消費電力量は、設定温度や給湯量によっても変動するが、当該上水道水の水温により消費電力量が異なるものとなる。上記構成によれば、給水温度取得手段222により上水道の温度(給水温度)を取得し、当該給水温度を用いて二用途分解テーブル315aによる各用途の算出がなされることとなる。すなわち、給湯用途の概算に対し、給水温度を当該給湯用途割合決定のファクターとして加味することで、より二用途分解テーブル315aにおける給湯用途の単位期間ごとの割合の精度を上げ、ひいては厨房用途消費量との割合の適正化を図ることができる。

0127

また、給水温度取得手段222は、当該建物の存する地域の気温に基づいて給水温度を推定している。これにより、建物において実測が難しい給水温度を気温より推定することで当該給水温度算定の簡易化を図ることができる。

0128

また、用途分解部216は、新たな月のガス総消費量の入力に伴って最も古い月のデータを除き、当該新たな月のデータを加えると共に最も古い月のデータを除いた状態で二用途分解テーブル315a及び比率テーブル316aの割合を更新するテーブル更新手段330を備えている。上記の如く、各月の用途を分解するについては、季節変動要因を含むものと含まないものが存在するため、1の月のガス総消費量の用途を分解するについても、少なくとも当該1の月及び基準月を含む一年の期間の二用途分解テーブル315a及び比率テーブル316aが必要となる。上記構成によれば、最新の月のガス総消費量を用途分解するにつき、当該月を含めた最新の一年の期間において二用途分解テーブル315a及び比率テーブル316aが更新されることとなり、これによって、当該最新の月の給水温度等の実情を各テーブル構築に反映することができ、各テーブルを適正に作成することができるものとなっているのである。

0129

さらに、用途分解装置100は、月のうち、最新の月におけるガス総消費量の用途分解の結果のみを表示する表示部130を備えている。上述の如く、当該月を含む過去一年のテーブルが更新され、これによって過去一年の用途分解が再構築されることが可能であるが、利用者にとってもっとも確認したいのは最新の月における用途分解の結果である。したがって、上述の表示部130を設けることにより、利用者が最も確認したい当該最新月の用途分解の結果を確認できるものとなるのである。或いは、利用者にとって確認不要な過去一年に亘る各月の用途分解の結果を非表示として、利用者の視認性の向上が図られる。

0130

以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

0131

100…用途分解装置、130…表示部(表示手段)、210…記憶部、222…給水温度取得手段(算出手段)、315a…二用途分解テーブル、316…基準月選定手段(認定手段)、316a…比率テーブル、321…厨房用途概算部、322…給湯用途概算部、324…暖房用途概算部、322a…第1概算手段、322b…第2概算手段、322c…判断手段、330…テーブル更新手段、400…ガス用途分解部。

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