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課題
解決手段
概要
背景
関連出願への相互参照この出願は、米国特許仮出願第60/206,102号の優先権を主張して行われる通常の特許出願であり、この仮出願の内容が引用によって本明細書に組み入れられる。
この発明は、人体の管腔系に使用するために適用されるカテーテルと案内ワイヤとに関するものである。さらに詳しくは、この発明は胆管の中で使用するために適用される。
胆管に関係のある健康障害の診断及び治療に関わる処置の中には、選ばれたカテーテルを胆管の特定部位へ容易に前進させるために案内ワイヤの使用が必要なものがある。このような処置は普通、内視鏡の作業管路を通して行なわれる。このような処置には、医師が診断の助けとして胆管の解剖学的構造を視覚化することができるように、放射線不透過性の造影液が胆管の一部の中に注入されるERCPが含まれる。行なうことのできる処置には、腫瘍、胆石あるいは他の健康障害に起因するであろう閉塞管路の治療に関係するものがある。これらの処置は、その閉塞領域を拡張カテーテルで拡張するために、あるいはとりわけ胆石を除去するために、用いることができる。管路における閉塞が治療されて開通性が修復された後にステントによってその開通性が維持されるように、管路の中にステントを配置することは、ますます一般的なものになってきている。さらに、医師は、その管路の隣接部がその時点で治療されていないうえ治療の必要がない場合であっても、胆管の分枝部分の領域に複数のステントを配置したいと思うことがある。隣接した分枝のそれぞれの中にステントを配置するための判断は、ステントを第1の分枝の中に配置した後にステントを案内ワイヤで第2の分枝の中へ進入させることの困難性によって喚起される。ステントが胆管における1つの分枝の中でその分枝の岐路の近位に配置された後においては、第2の案内ワイヤを他の分枝の中へ配置しようと試みるときにかなりの困難性が予想されることがわかっている。従って、両方のステントを同時に配置するのが好ましいであろう。この発明によれば、そのような配置が容易になるとともに、胆管に関連した他の技術に利用することのできる汎用性カテーテルがもたらされる。
国際公開第99/07301号
国際公開第97/44083号
特開2000−51377号公報
この発明の利点は、3つの管腔が備わっているのが好ましい多管腔型カテーテルであって、管腔の少なくとも1つに、好ましくは2つに、案内ワイヤをそれらの管腔からカテーテルの長手軸に対して斜めの方向に沿って外側へ導くために方位付けられた遠位出口が備わっているカテーテルにより達成される。このカテーテルにおける管腔の1つは、カテーテルの遠位先端へ充分に延びており、また、その遠位先端に遠位へ向いた出口を画定している。どのような管腔も案内ワイヤの配置のためにあるいは造影剤の注入のために利用することができるが、斜めの出口が備わっている管腔は、案内ワイヤの配置に関係するいくつかの状況において特に有用である。例えば、遠位へ向いた出口のある管腔が備わっている胆管分枝の中に案内ワイヤを配置するのがたとえ困難であるとしても、このカテーテルは、斜めの案内ワイヤ出口を前記分枝への入口に位置合わせし、それによって、その案内ワイヤがその分枝と同心にされるとともにその分枝の中へ直接進入することができるように同出口と同胆管分枝との間に直接的な位置合わせをもたらすために、長手方向への移動によって調節することができる。さらに、この発明は、2本の案内ワイヤを一対の分枝の中へ配置するのを容易にする際に、かつ、その後にカテーテルから取り外し、2本の案内ワイヤの配置をそのままにしておく際に有用である。これらの案内ワイヤがそのように配置されていると、それぞれの案内ワイヤはステント送出カテーテルのためのガイドとして役立つことができる。両方の案内ワイヤをいずれか一方のステントの配置前に隣接する両胆管分枝の中へ配置することによって、ステントが両分枝の一方の中に配置された後であっても両分枝への容易な進入を達成することができる。
この発明の一般的な目的はとりわけ、多管腔型カテーテルであって、カテーテルのそれぞれの管腔を案内ワイヤの配置のため、あるいは、前記管路とカテーテルの近位端との間における液体あるいは媒質の送出のためのいずれかに使用することができる点で高度の汎用性が備わっている多管腔型カテーテルを提供することにある。また、この発明の目的はとりわけ、管腔の少なくとも1つに、好ましくは2つに、ある角度でカテーテルの長手軸へ導かれる口部を通して案内ワイヤを外側へ導くためにその遠位端に構成された斜めの出口がある多管腔型カテーテルを提供すること、複数本の案内ワイヤを胆管の内部に配置して、それらの案内ワイヤの1本以上に沿ってカテーテルを選択的にかつ独立して容易に前進させるのに役立つ技術を提供すること、及び、案内ワイヤを胆管系の斜め分枝の中に配置するのを容易にするカテーテルを提供することにある。
この発明の前記及び他の目的及び利点は、この明細書に添付された図面を参照することで、以下のさらなる説明からいっそう充分に認識されるであろう。
図2及び図3によれば、3つの管腔の備わっている押出成形ポリマー管の好ましい構成が示されている。広く10で表されているこの押出成形管の断面には、中央管12及び一対の側部管14、16としてみなすことのできるものが含まれている。側部管14、16は、押出成形工程の間に、中央管12が備わっている一体構造として形成することができる。この押出成形品は、商品名PEBAXとして市販されているブロックコポリマーから形成されるのが好ましい。PEBAXの等級又はPEBAXの等級のいくつかの混合物を用いることで、所望の軸剛性を実現することができる。このブロックコポリマーの好ましい等級はPEBAX7033である。示されたように、この実施態様におけるカテーテルの軸部の最大横断寸法は、内視鏡における3.8mmの作業管路を通して前進させることができるためには約0.144インチである。このカテーテルの横断寸法は、3.7mmあるいは3.8mmのいずれかの作業管路が備わっている内視鏡に対して互換性があるようにするために、約0.140インチに維持されているのが好ましい。
それぞれの管12、14、16によって管腔18、20、22がそれぞれ画定されている。たとえ3つの管腔18、20、22がいっそう詰まったパターンに互いにいっそう近接して配置されるとしても、例えば、カテーテルの外側断面形状が円形であれば、側部管腔20、22は互いにいっそう隣接して配置されないのが好ましいとみなされる、ことに留意するとよい。従って、これらの側部管腔の中心同士は、中央管腔18と側部管腔20、22のそれぞれとの距離よりも大きい距離で互いから間隔を置いて配置されているのが好ましい。別の見方によれば、これらの管腔の中心は、側部管腔20、22の中心同志を結ぶ直線が斜辺を画定する二等辺三角形であるが正三角形ではない三角形を画定するものとしてみなすことができる。これらの管腔18、20、22の相対角方位は、図3に示されたようなものである。
カテーテルの近位端は、図1A及び図1Bに表された方法で形成することができ、押出成形品がある長さだけ、別々の3つの管12A、14A、16Aを画定するために長手方向に分けられている。それぞれの管12A、14A、16Aの近位端にはルアーフィッティング24が取り付けられていてもよく、図解を明確にするためにそのうちの1つだけが図1に示されている。それぞれの管の近位端にルアーフィッティングを設けると、それぞれの管腔18、20、22は、案内ワイヤのためにあるいは流体流作用のために、選択的に使うことができる。近位管12A、14A、16Aは、収縮管材40(図1A)によって、あるいは近位三分岐部を成形すること(図1B)によって、互いに束ねることができる。中央管12Aは側部管14A、16Aよりも長いのが好ましい。図1A及び図1Bに示された側部脚14Aのような一方の側部脚には、その近位端に目視マーカー38を設けてもよい。カテーテルの遠位端についての目視マーカーの重要性は以下に説明される。
このカテーテルの遠位端は、中央管12が側部管14、16の端部を越えてある長さだけ遠位へ突出するように、側部管14、16の遠位端をまず取り除くことによって形成されている。図2には、この装置の遠位端における相対的な長さが変わるかもしれないということを理解すべきであるが、管12、14、16のほぼ相対的な長さが示されている。側部管14、16の遠位端は、少なくとも一方の側部管が、そして好ましくは両方の側部管が、図4及び図5に表されたように斜めの出口24、26で終わるように、加熱あるいは成形によって加工されている。斜めの出口24、26は、管腔20、22の遠位部分の中に適切に方位付けられたマンドレルを配置し、次いで、熱可塑性PEBAXあるいは他の適当なポリマーを溶融させて充填することで、これらの管の遠位開口を閉鎖し、一方、カテーテルの長手軸に対して所望の射出角で案内ワイヤの遠位端を外側へ案内することになる傾斜部(ランプ)28、30がある側部開口24、26を形成することによって、形成することができる。図6Aには、側部管16の管腔を通って延びた案内ワイヤ32が示されており、この案内ワイヤ32は、特定の射出角で斜めの出口26から外側へ突出している。
このカテーテルが使われるときの遠位端の方位付けを容易にするために、中央管12の遠位端には、比較的長い放射線不透過性マーカー帯34(図7に示されている)が取り付けられるかあるいは形成され、かつ、側部管14の遠位端には、比較的短い放射線不透過性マーカー帯36(図7)が取り付けられるかあるいは形成されている。放射線不透過性マーカー帯36は、前記の脚14Aにおける目視マーカー帯38に対応している。カテーテルの遠位端に、長さが相異なる複数の放射線不透過性マーカー帯を使うことで、評価される胆管あるいは他のあらゆる管の解剖学的構造に対するカテーテルの端部の方位をX線透視検査で確かめるための手段がもたらされる。一方の側部管だけに、その遠位端には放射線不透過性マーカーを貼り付けるとともにその近位端には対応する目視マーカーを設けることで、使用者は、2つの側部管を区別することができ、また、案内ワイヤを選択的に挿入したり、所望の側部管の中へ造影剤あるいは他の流体を注入したりすることができる。
図6Bは、図6Aに類似しているが、装置の遠位先端の好ましい寸法的細部が含まれている点と、約25度の射出角が表されている点で、図6Aとは異なっている。図6Bから、カテーテルが前進させられて所望の分枝の中へそれ自体が導かれないようなときには、出口26をその斜めの分枝への入口に方位付けるために、そのカテーテルは長手方向に操作されることもある、ということが認識されるであろう。傾斜部24、26は、案内ワイヤの遠位端が出口で引っかからないことを保証するために、これらの傾斜部とのスムーズな係合がもたらされるように構成すべきである。さらに、約25度の射出角が好ましいものとして図示されているが、この射出角は約1度〜約45度が含まれる合理的に受け入れることのできる範囲内で変えることができる、ということを認識すべきである。
この発明は、いくつかの異なったモードで用いることができるという点で、汎用性がある。好ましい実施態様では、すべての管腔は、同じ直径であり、また、同程度のたやすさで、案内ワイヤを受け入れたり、あるいはその近位端と遠位端との間で流体を送ったりするために、使うことができる。このカテーテルは、乳頭状突起を通って胆管の中へ前進させるために、カニューレ挿入式カテーテルとして使うこともできる。このカテーテルは、側部管腔の出口を分枝への入口に位置合わせし、次いで、案内ワイヤがその出口から現れて所望の分枝の中へ直接入るようにカテーテルを通して案内ワイヤを前進させることによって、もしそうしなければ進入することができない分枝管への進入をもたらすために、使うことができる。さらにまた、ステントを胆管分枝の中に配置するのが望ましいときに、この発明によれば、2本の案内ワイヤを2つの分枝のそれぞれに配置することでステント配置を先行させ、その結果、第1ステントが配置された後に第2分枝が第2案内ワイヤによってすでに進入されており、それによって、第2分枝の中へのステント送出カテーテルの進入を容易にすることができる。このカテーテルは胆管樹への適用に関して説明されてきたが、それらの管とそれらの管におけるそれぞれの遠位端との相対的構成は、哺乳動物の体及び特に人間の体におけるあらゆる分枝系の特定分枝の中へ案内ワイヤあるいは流体を容易に前進させるために使うことができる、と理解すべきである。
この発明に関するこれまでの説明は単にその発明の例示だけを意図するものであること、また、他の変形例、実施態様及び均等物はこの発明の原理から逸脱することなく当業者に明らかなものであること、を理解すべきである。
概要
例えば、2つのステントを胆管の分枝胆管のそれぞれの狭窄部に一つずつ同時に挿入して拡張すると言う新しい施術方法に適した胆管カテーテルとして、高度の汎用性が備わっている胆管カテーテルを提供すること。少なくとも1つの管腔(14、16)に側部開口(24、26)が備わっている多管腔型胆管カテーテルであって、その開口が、案内ワイヤ(32)をこのカテーテルの長手軸に対してある角度でその開口の外側へ案内するように構成されている胆管カテーテルが開示されている。
目的
この発明の一般的な目的はとりわけ、多管腔型カテーテルであって、カテーテルのそれぞれの管腔を案内ワイヤの配置のため、あるいは、前記管路とカテーテルの近位端との間における液体あるいは媒質の送出のためのいずれかに使用することができる点で高度の汎用性が備わっている多管腔型カテーテルを提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
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背景技術
0003
胆管に関係のある健康障害の診断及び治療に関わる処置の中には、選ばれたカテーテルを胆管の特定部位へ容易に前進させるために案内ワイヤの使用が必要なものがある。このような処置は普通、内視鏡の作業管路を通して行なわれる。このような処置には、医師が診断の助けとして胆管の解剖学的構造を視覚化することができるように、放射線不透過性の造影液が胆管の一部の中に注入されるERCPが含まれる。行なうことのできる処置には、腫瘍、胆石あるいは他の健康障害に起因するであろう閉塞管路の治療に関係するものがある。これらの処置は、その閉塞領域を拡張カテーテルで拡張するために、あるいはとりわけ胆石を除去するために、用いることができる。管路における閉塞が治療されて開通性が修復された後にステントによってその開通性が維持されるように、管路の中にステントを配置することは、ますます一般的なものになってきている。さらに、医師は、その管路の隣接部がその時点で治療されていないうえ治療の必要がない場合であっても、胆管の分枝部分の領域に複数のステントを配置したいと思うことがある。隣接した分枝のそれぞれの中にステントを配置するための判断は、ステントを第1の分枝の中に配置した後にステントを案内ワイヤで第2の分枝の中へ進入させることの困難性によって喚起される。ステントが胆管における1つの分枝の中でその分枝の岐路の近位に配置された後においては、第2の案内ワイヤを他の分枝の中へ配置しようと試みるときにかなりの困難性が予想されることがわかっている。従って、両方のステントを同時に配置するのが好ましいであろう。この発明によれば、そのような配置が容易になるとともに、胆管に関連した他の技術に利用することのできる汎用性カテーテルがもたらされる。
0005
この発明の利点は、3つの管腔が備わっているのが好ましい多管腔型カテーテルであって、管腔の少なくとも1つに、好ましくは2つに、案内ワイヤをそれらの管腔からカテーテルの長手軸に対して斜めの方向に沿って外側へ導くために方位付けられた遠位出口が備わっているカテーテルにより達成される。このカテーテルにおける管腔の1つは、カテーテルの遠位先端へ充分に延びており、また、その遠位先端に遠位へ向いた出口を画定している。どのような管腔も案内ワイヤの配置のためにあるいは造影剤の注入のために利用することができるが、斜めの出口が備わっている管腔は、案内ワイヤの配置に関係するいくつかの状況において特に有用である。例えば、遠位へ向いた出口のある管腔が備わっている胆管分枝の中に案内ワイヤを配置するのがたとえ困難であるとしても、このカテーテルは、斜めの案内ワイヤ出口を前記分枝への入口に位置合わせし、それによって、その案内ワイヤがその分枝と同心にされるとともにその分枝の中へ直接進入することができるように同出口と同胆管分枝との間に直接的な位置合わせをもたらすために、長手方向への移動によって調節することができる。さらに、この発明は、2本の案内ワイヤを一対の分枝の中へ配置するのを容易にする際に、かつ、その後にカテーテルから取り外し、2本の案内ワイヤの配置をそのままにしておく際に有用である。これらの案内ワイヤがそのように配置されていると、それぞれの案内ワイヤはステント送出カテーテルのためのガイドとして役立つことができる。両方の案内ワイヤをいずれか一方のステントの配置前に隣接する両胆管分枝の中へ配置することによって、ステントが両分枝の一方の中に配置された後であっても両分枝への容易な進入を達成することができる。
0006
この発明の一般的な目的はとりわけ、多管腔型カテーテルであって、カテーテルのそれぞれの管腔を案内ワイヤの配置のため、あるいは、前記管路とカテーテルの近位端との間における液体あるいは媒質の送出のためのいずれかに使用することができる点で高度の汎用性が備わっている多管腔型カテーテルを提供することにある。また、この発明の目的はとりわけ、管腔の少なくとも1つに、好ましくは2つに、ある角度でカテーテルの長手軸へ導かれる口部を通して案内ワイヤを外側へ導くためにその遠位端に構成された斜めの出口がある多管腔型カテーテルを提供すること、複数本の案内ワイヤを胆管の内部に配置して、それらの案内ワイヤの1本以上に沿ってカテーテルを選択的にかつ独立して容易に前進させるのに役立つ技術を提供すること、及び、案内ワイヤを胆管系の斜め分枝の中に配置するのを容易にするカテーテルを提供することにある。
0007
この発明の前記及び他の目的及び利点は、この明細書に添付された図面を参照することで、以下のさらなる説明からいっそう充分に認識されるであろう。
0008
図2及び図3によれば、3つの管腔の備わっている押出成形ポリマー管の好ましい構成が示されている。広く10で表されているこの押出成形管の断面には、中央管12及び一対の側部管14、16としてみなすことのできるものが含まれている。側部管14、16は、押出成形工程の間に、中央管12が備わっている一体構造として形成することができる。この押出成形品は、商品名PEBAXとして市販されているブロックコポリマーから形成されるのが好ましい。PEBAXの等級又はPEBAXの等級のいくつかの混合物を用いることで、所望の軸剛性を実現することができる。このブロックコポリマーの好ましい等級はPEBAX7033である。示されたように、この実施態様におけるカテーテルの軸部の最大横断寸法は、内視鏡における3.8mmの作業管路を通して前進させることができるためには約0.144インチである。このカテーテルの横断寸法は、3.7mmあるいは3.8mmのいずれかの作業管路が備わっている内視鏡に対して互換性があるようにするために、約0.140インチに維持されているのが好ましい。
0009
それぞれの管12、14、16によって管腔18、20、22がそれぞれ画定されている。たとえ3つの管腔18、20、22がいっそう詰まったパターンに互いにいっそう近接して配置されるとしても、例えば、カテーテルの外側断面形状が円形であれば、側部管腔20、22は互いにいっそう隣接して配置されないのが好ましいとみなされる、ことに留意するとよい。従って、これらの側部管腔の中心同士は、中央管腔18と側部管腔20、22のそれぞれとの距離よりも大きい距離で互いから間隔を置いて配置されているのが好ましい。別の見方によれば、これらの管腔の中心は、側部管腔20、22の中心同志を結ぶ直線が斜辺を画定する二等辺三角形であるが正三角形ではない三角形を画定するものとしてみなすことができる。これらの管腔18、20、22の相対角方位は、図3に示されたようなものである。
0010
カテーテルの近位端は、図1A及び図1Bに表された方法で形成することができ、押出成形品がある長さだけ、別々の3つの管12A、14A、16Aを画定するために長手方向に分けられている。それぞれの管12A、14A、16Aの近位端にはルアーフィッティング24が取り付けられていてもよく、図解を明確にするためにそのうちの1つだけが図1に示されている。それぞれの管の近位端にルアーフィッティングを設けると、それぞれの管腔18、20、22は、案内ワイヤのためにあるいは流体流作用のために、選択的に使うことができる。近位管12A、14A、16Aは、収縮管材40(図1A)によって、あるいは近位三分岐部を成形すること(図1B)によって、互いに束ねることができる。中央管12Aは側部管14A、16Aよりも長いのが好ましい。図1A及び図1Bに示された側部脚14Aのような一方の側部脚には、その近位端に目視マーカー38を設けてもよい。カテーテルの遠位端についての目視マーカーの重要性は以下に説明される。
0011
このカテーテルの遠位端は、中央管12が側部管14、16の端部を越えてある長さだけ遠位へ突出するように、側部管14、16の遠位端をまず取り除くことによって形成されている。図2には、この装置の遠位端における相対的な長さが変わるかもしれないということを理解すべきであるが、管12、14、16のほぼ相対的な長さが示されている。側部管14、16の遠位端は、少なくとも一方の側部管が、そして好ましくは両方の側部管が、図4及び図5に表されたように斜めの出口24、26で終わるように、加熱あるいは成形によって加工されている。斜めの出口24、26は、管腔20、22の遠位部分の中に適切に方位付けられたマンドレルを配置し、次いで、熱可塑性PEBAXあるいは他の適当なポリマーを溶融させて充填することで、これらの管の遠位開口を閉鎖し、一方、カテーテルの長手軸に対して所望の射出角で案内ワイヤの遠位端を外側へ案内することになる傾斜部(ランプ)28、30がある側部開口24、26を形成することによって、形成することができる。図6Aには、側部管16の管腔を通って延びた案内ワイヤ32が示されており、この案内ワイヤ32は、特定の射出角で斜めの出口26から外側へ突出している。
0012
このカテーテルが使われるときの遠位端の方位付けを容易にするために、中央管12の遠位端には、比較的長い放射線不透過性マーカー帯34(図7に示されている)が取り付けられるかあるいは形成され、かつ、側部管14の遠位端には、比較的短い放射線不透過性マーカー帯36(図7)が取り付けられるかあるいは形成されている。放射線不透過性マーカー帯36は、前記の脚14Aにおける目視マーカー帯38に対応している。カテーテルの遠位端に、長さが相異なる複数の放射線不透過性マーカー帯を使うことで、評価される胆管あるいは他のあらゆる管の解剖学的構造に対するカテーテルの端部の方位をX線透視検査で確かめるための手段がもたらされる。一方の側部管だけに、その遠位端には放射線不透過性マーカーを貼り付けるとともにその近位端には対応する目視マーカーを設けることで、使用者は、2つの側部管を区別することができ、また、案内ワイヤを選択的に挿入したり、所望の側部管の中へ造影剤あるいは他の流体を注入したりすることができる。
0013
図6Bは、図6Aに類似しているが、装置の遠位先端の好ましい寸法的細部が含まれている点と、約25度の射出角が表されている点で、図6Aとは異なっている。図6Bから、カテーテルが前進させられて所望の分枝の中へそれ自体が導かれないようなときには、出口26をその斜めの分枝への入口に方位付けるために、そのカテーテルは長手方向に操作されることもある、ということが認識されるであろう。傾斜部24、26は、案内ワイヤの遠位端が出口で引っかからないことを保証するために、これらの傾斜部とのスムーズな係合がもたらされるように構成すべきである。さらに、約25度の射出角が好ましいものとして図示されているが、この射出角は約1度〜約45度が含まれる合理的に受け入れることのできる範囲内で変えることができる、ということを認識すべきである。
0014
この発明は、いくつかの異なったモードで用いることができるという点で、汎用性がある。好ましい実施態様では、すべての管腔は、同じ直径であり、また、同程度のたやすさで、案内ワイヤを受け入れたり、あるいはその近位端と遠位端との間で流体を送ったりするために、使うことができる。このカテーテルは、乳頭状突起を通って胆管の中へ前進させるために、カニューレ挿入式カテーテルとして使うこともできる。このカテーテルは、側部管腔の出口を分枝への入口に位置合わせし、次いで、案内ワイヤがその出口から現れて所望の分枝の中へ直接入るようにカテーテルを通して案内ワイヤを前進させることによって、もしそうしなければ進入することができない分枝管への進入をもたらすために、使うことができる。さらにまた、ステントを胆管分枝の中に配置するのが望ましいときに、この発明によれば、2本の案内ワイヤを2つの分枝のそれぞれに配置することでステント配置を先行させ、その結果、第1ステントが配置された後に第2分枝が第2案内ワイヤによってすでに進入されており、それによって、第2分枝の中へのステント送出カテーテルの進入を容易にすることができる。このカテーテルは胆管樹への適用に関して説明されてきたが、それらの管とそれらの管におけるそれぞれの遠位端との相対的構成は、哺乳動物の体及び特に人間の体におけるあらゆる分枝系の特定分枝の中へ案内ワイヤあるいは流体を容易に前進させるために使うことができる、と理解すべきである。
0015
この発明に関するこれまでの説明は単にその発明の例示だけを意図するものであること、また、他の変形例、実施態様及び均等物はこの発明の原理から逸脱することなく当業者に明らかなものであること、を理解すべきである。
図面の簡単な説明
0016
は、この発明が用いられている3管腔型カテーテルの近位端の概略図であって、製造の一部段階におけるそのカテーテルの近位端を示している。
0017
は、この発明の1実施態様に係る3管腔型カテーテルの近位端の概略図である。
0018
は、この発明に係るカテーテルを組み立てるために使うことのできる3管腔管の斜視図である。
0019
は、この発明が用いられている3管腔型カテーテルの好ましい実施態様の概略断面図である。
0020
は、この発明の遠位端における幾分概略的な等角図である。
0021
は、2つの管腔の遠位端における出口の構成を示している、この発明の3管腔型カテーテルにおける実施態様の拡大面図である。
0022
は、この発明が用いられている3管腔型カテーテルの遠位端の幾分概略的な図であって、1つの管腔からある角度で突出している案内ワイヤを示している。
0024
は、相異なる長さの放射線不透過性マーカーが備わっている3管腔型カテーテルの遠位端の概略図である。