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技術 トランスファ成形による成形法および成形品

出願人 三菱電機株式会社
発明者 原雅史三谷徹男椋田宗明
出願日 2009年12月22日 (9年6ヶ月経過) 出願番号 2009-290795
公開日 2011年7月7日 (8年0ヶ月経過) 公開番号 2011-131421
状態 未査定
技術分野 プラスチック等の射出成形 プラスチック等の成形用の型 半導体または固体装置の封緘、被覆の形成
主要キーワード 抵抗コンデンサ 電流回路用 適正価格 樹脂ポット 樹脂注入用 中空領域 外観部品 インサート品
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

インサート品の変形を抑制するトランスファ成形による成形法および成形品を提供する。

解決手段

トランスファ成形による成形法は、金型5内のキャビティ5aにおいてインサート品3を封止するトランスファ成形による成形法であって、キャビティ5a内でインサート品3の表面を覆うことでキャビティ5a内でインサート品3の表面が露出しないように第1樹脂1をキャビティ5a内に注入する工程と、第1樹脂1が注入された後、注入する際の粘度が第1樹脂1より高い第2樹脂2をキャビティ5a内に注入する工程とを備えている。

概要

背景

従来、半導体装置などの電子部品装置に関し、トランジスタ、IC(集積回路)などの素子外部環境から保護し、基板への実装を容易なものとすることを目的として、素子の封止が行われている。この素子封止の分野では、生産性コストなどの面から樹脂封止が主流であり、熱硬化性樹脂を用いた封止用成形材料が広く用いられている。

上記のように、熱硬化性樹脂を用いた封止を行う手段として、トランスファ成形が知られている。トランスファ成形では、ポット投入された樹脂材料タブレット)が加熱されて溶融される。この溶融された樹脂プランジャによって加圧されることにより、スプルーランナーを通って金型キャビティ充填される。金型のキャビティに充填された樹脂は加熱硬化される。

トランスファ成形などの樹脂を用いた封止成形では、樹脂の内部のインサート品の配置および形状ならびに成形時の条件により様々な問題が生じ得る。樹脂の粘度が高く、流動性が悪い場合には、樹脂の流動によってインサート品に変形が生じ得る。また、インサート品が複雑形状を有する場合、インサート品の部品の隙間に樹脂が入り込まないため、この隙間が樹脂の未充填部となる。その結果、ボイドが生じる。

インサート品の部品近傍のボイドを抑制させる手法として、たとえば特開2009−88351号公報(特許文献1)では、電子部品が実装された回路基板を金型のキャビティ内に保持する前に、電子部品と回路部品との間に低粘度のエポキシ樹脂からなるアンダーフィル注入することが提案されている。

概要

インサート品の変形を抑制するトランスファ成形による成形法および成形品を提供する。トランスファ成形による成形法は、金型5内のキャビティ5aにおいてインサート品3を封止するトランスファ成形による成形法であって、キャビティ5a内でインサート品3の表面を覆うことでキャビティ5a内でインサート品3の表面が露出しないように第1樹脂1をキャビティ5a内に注入する工程と、第1樹脂1が注入された後、注入する際の粘度が第1樹脂1より高い第2樹脂2をキャビティ5a内に注入する工程とを備えている。

目的

本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、インサート品の変形を抑制するトランスファ成形による成形法および成形品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

金型内キャビティにおいてインサート品封止するトランスファ成形による成形法であって、前記キャビティ内で前記インサート品の表面を覆うことで前記キャビティ内で前記インサート品の表面が露出しないように第1樹脂を前記キャビティ内に注入する工程と、前記第1樹脂が注入された後、注入する際の粘度が前記第1樹脂より高い第2樹脂を前記キャビティ内に注入する工程とを備えた、トランスファ成形による成形法。

請求項2

前記第1樹脂の溶融粘度が0.1Pa・s以上10Pa・s以下であり、前記第2の樹脂の溶融粘度が0.1Pa・s以上1000Pa・s以下である、請求項1に記載のトランスファ成形による成形法。

請求項3

前記第1樹脂および前記第2樹脂は、0.1Pa・s以上10Pa・s以下の範囲の同一の溶融粘度を有する、請求項1に記載のトランスファ成形による成形法。

請求項4

前記第2樹脂は、溶融粘度の異なる複数の樹脂を含んでいる、請求項1〜3のいずれかに記載のトランスファ成形による成形法。

請求項5

基板と、前記基板に実装された機能素子とを含むインサート品と、前記インサート品を封止する封止樹脂とを備え、前記封止樹脂は、前記機能素子が露出しないよう前記機能素子全体を覆う第1樹脂と、前記第1樹脂上に形成された第2樹脂とを含む、トランスファ成形による成形品

技術分野

0001

本発明は、トランスファ成形による成形法および成形品に関し、特に、複数の樹脂を用いたトランスファ成形による成形法および成形品に関するものである。

背景技術

0002

従来、半導体装置などの電子部品装置に関し、トランジスタ、IC(集積回路)などの素子外部環境から保護し、基板への実装を容易なものとすることを目的として、素子の封止が行われている。この素子封止の分野では、生産性コストなどの面から樹脂封止が主流であり、熱硬化性樹脂を用いた封止用成形材料が広く用いられている。

0003

上記のように、熱硬化性樹脂を用いた封止を行う手段として、トランスファ成形が知られている。トランスファ成形では、ポット投入された樹脂材料タブレット)が加熱されて溶融される。この溶融された樹脂がプランジャによって加圧されることにより、スプルーランナーを通って金型キャビティ充填される。金型のキャビティに充填された樹脂は加熱硬化される。

0004

トランスファ成形などの樹脂を用いた封止成形では、樹脂の内部のインサート品の配置および形状ならびに成形時の条件により様々な問題が生じ得る。樹脂の粘度が高く、流動性が悪い場合には、樹脂の流動によってインサート品に変形が生じ得る。また、インサート品が複雑形状を有する場合、インサート品の部品の隙間に樹脂が入り込まないため、この隙間が樹脂の未充填部となる。その結果、ボイドが生じる。

0005

インサート品の部品近傍のボイドを抑制させる手法として、たとえば特開2009−88351号公報(特許文献1)では、電子部品が実装された回路基板を金型のキャビティ内に保持する前に、電子部品と回路部品との間に低粘度のエポキシ樹脂からなるアンダーフィル注入することが提案されている。

先行技術

0006

特開2009−88351号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特開2009−88351号公報に記載の方法では、トランスファ成形時において仮に粘度の高い樹脂をキャビティ内に注入すると、電子部品の実装によりインサート品の形状が複雑となっているためキャビティ内において樹脂の未充填部(ボイド)が生じやすい。

0008

また、低粘度のエポキシ樹脂からなるアンダーフィルが注入されない部分では、仮にキャビティ内に注入されたケーシングとなる樹脂の流動性が悪い場合(樹脂の粘度が高い場合、インサート品と金型との間が微小で樹脂が流動しづらい場合およびインサート品が複雑な形状を有する場合など)には、その流動性の悪い樹脂がインサート品に接触することによりインサート品に変形が生じるおそれがある。また、インサート品の近傍の隙間の空気が排除され難いためボイドが発生しやすい。

0009

また、先に注入された低粘度のエポキシ樹脂からなるアンダーフィルが完全に硬化しているため、その後キャビティ内に注入されたケーシングとなる樹脂との界面が入り組んだ構造にならないので密着性が悪くなるおそれがある。また、電子部品と回路基板との間にアンダーフィルを充填する工程と、部品全体をケーシングとなる樹脂で封止する工程とが同一の金型内で行われないため、生産性に問題がある。

0010

本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、インサート品の変形を抑制するトランスファ成形による成形法および成形品を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

本発明のトランスファ成形による成形法は、金型内のキャビティにおいてインサート品を封止するトランスファ成形による成形法であって、キャビティ内でインサート品の表面を覆うことでキャビティ内でインサート品の表面が露出しないように第1樹脂をキャビティ内に注入する工程と、第1樹脂が注入された後、注入する際の粘度が第1樹脂より高い第2樹脂をキャビティ内に注入する工程とを備えている。

0012

本発明のトランスファ成形による成形品は、基板と、基板に実装された機能素子とを含むインサート品と、インサート品を封止する封止樹脂とを備え、封止樹脂は、機能素子が露出しないよう機能素子全体を覆う第1樹脂と、第1樹脂上に形成された第2樹脂とを含む。

発明の効果

0013

本発明のトランスファ成形による成形法によれば、キャビティ内でインサート品の表面を覆うことでキャビティ内でインサート品の表面が露出しないように第1樹脂がキャビティ内に注入され、第1樹脂が注入された後、注入する際の粘度が第1樹脂より高い第2樹脂がキャビティ内に注入される。そのため、注入する際の粘度が第1樹脂より高い第2樹脂がインサート品に接触しないので、インサート品の変形を抑制することができる。

0014

本発明のトランスファ成形による成形品によれば、機能素子を含むインサート品を封止する封止樹脂は、機能素子が露出しないよう機能素子全体を覆う第1樹脂と、第1樹脂上に形成された第2樹脂とを含むため、第2樹脂が機能素子を含むインサート品に接触しないので、インサート品の変形を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の実施の形態1におけるトランスファ成形による成形法の第1工程を示す概略断面図である。
本発明の実施の形態1におけるトランスファ成形による成形法の第2工程を示す概略断面図である。
本発明の実施の形態1におけるトランスファ成形による成形品の概略断面図である。
本発明の実施の形態2におけるトランスファ成形による成形法の第1工程を示す概略断面図である。
本発明の実施の形態2におけるトランスファ成形による成形法の第2工程を示す概略断面図である。
本発明の実施の形態2におけるトランスファ成形による成形品の概略断面図である。
本発明の実施の形態3におけるトランスファ成形による成形法の第1工程を示す概略断面図である。
本発明の実施の形態3におけるトランスファ成形による成形法の第2工程を示す概略断面図である。

0016

以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
最初に本発明の実施の形態1のトランスファ成形による成形法について説明する。

0017

図1を参照して、トランスファ成形装置の構成について説明する。トランスファ成形装置100は、樹脂ポット4と、金型5と、プランジャ6とを主に有している。

0018

樹脂ポット4は、樹脂注入用のポットである。樹脂ポット4は、投入された第1樹脂1と第2樹脂2とを加熱し、溶融させるよう構成されている。樹脂ポット4は、金型5に接続されている。樹脂ポット4は、たとえば円筒形状を有している。なお、樹脂ポット4の形状は、これに限定されず、立方体または直方体などであってもよい。樹脂ポット4の加熱温度は、一般的に140℃〜180℃程度であるが、状況に応じて任意の加熱温度を用いてもよい。

0019

金型5は、キャビティ5aと、スプルー5bと、ランナー5cとを有している。キャビティ5aは、トランスファ成形による成形品の形状に対応した中空領域を有している。スプルー5bは、樹脂ポット4とランナー5cとに接続され、かつ中空領域を有している。ランナー5cは、キャビティ5aとスプルー5bとに接続され、かつ中空領域を有している。プランジャ6は、樹脂ポット4に投入された第1樹脂1および第2樹脂2を加圧することにより、第1樹脂1および第2樹脂2をスプルー5bおよびランナー5cを経由してキャビティ5aに移送するよう構成されている。

0020

次に、本実施の形態の封止用成形材料について説明する。
本実施の形態の第1樹脂1および第2樹脂2に用いられる封止用成形材料は、一般に封止用成形材料として使用されるものであればよく、特に制限されない。封止用成形材料は、たとえば、熱硬化性樹脂、硬化剤無機充填剤などを含むものであり、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。

0021

トランスファ成形には通常、熱硬化性樹脂が用いられる。この熱硬化性樹脂の種類としてはエポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂シリコーン樹脂変性シリコーン樹脂アクリレート樹脂ウレタン樹脂などが挙げられる。たとえば、トランスファ成形の用いたパワーモジュールの封止にはエポキシ樹脂がよく用いられる。

0022

封止用成形材料に用いられる硬化剤は、封止用成形材料に一般に使用されているものであればよく、特に制限されない。エポキシ樹脂を用いる場合には、硬化剤はフェノール樹脂アミン化合物および酸無水物が好ましく、保存安定性の観点からはフェノール樹脂がより好ましく、接着性の観点からはアミン化合物がより好ましい。

0023

エポキシ樹脂と硬化剤との当量比は、特に制限されないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために、エポキシ樹脂に対して硬化剤を0.5〜2当量の範囲に設定することが好ましく、0.7〜1.3当量がより好ましい。

0024

封止用成形材料には、必要に応じて無機充填剤が配合され得る。無機充填剤は、吸湿性線膨張係数低減、熱伝導性向上および強度向上のために配合されるものである。この無機充填剤は、樹脂成形材料に一般に使用されるものあればよく、特に制限されないが、たとえば、溶融シリカ結晶シリカアルミナジルコン珪酸カルシウム炭酸カルシウムチタン酸カリウム水酸化アルミニウム炭化珪素窒化珪素窒化アルミ窒化ホウ素タルククレー、ベリリアジルコニア、ジルコン、フォステライトステアタイトスピネルムライトチタニアなどの粉体、またはこれらを球形化したビーズガラス繊維などが挙げられ、これらが単独で用いられても二種以上を組み合わせて用いられてもよい。

0025

また、使用する樹脂には必要に応じて低収縮剤増粘剤顔料離型剤などが含有され得る。低収縮剤としては、様々な熱可塑性樹脂が挙げられ、たとえばポリブタジエンやその水素添加化物ポリイソプレンやその水素化物芳香ビニル-共役ジエンブロック共重合体ポリ酢酸ビニルポリメチルメタクリレート飽和ポリエステルポリエーテルなどが挙げられる。増粘剤としては、マグネシウムカルシウムなどのアルカリ土類金属酸化物水酸化物などが挙げられる。顔料としては、酸化チタンカーボンブラックフタロシアニンブルーなどが挙げられる。また、離型剤としてはステアリン酸ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸金属石鹸などが用いられる。

0026

次に、本実施の形態のインサート品について説明する。
本実施の形態においては、一般的なインサート成形に使用されるインサート品が使用され得る。インサート品には、半導体装置などの電子部品および電流回路用基板などの基板など、様々な形態および大きさのものが使用され得る。電子部品は、基板の片面に実装されていてもよく、また基板の両面に実装されていてもよい。

0027

次に、トランスファ成形装置100を用いたトランスファ成形による成形法について説明する。

0028

図1を参照して、まずインサート品3が準備される。金型5のキャビティ5a内に、インサート品3が配置される。インサート品3は、たとえばキャビティ5aの下部の台座の上に固定される。インサート品3が配置される位置は、トランスファ成形後の製品に求められる位置となる。インサート品3は、キャビティ5aの内壁との隙間が薄くなるよう配置されてもよい。

0029

インサート品3の配置完了後、金型5が閉じられる。金型5に注入される樹脂が樹脂ポット4に投入され、予熱される。この樹脂は、一般的にタブレット状に形成されており、第1樹脂1と第2樹脂2の二種類の樹脂を有している。第1樹脂1と第2樹脂2とは、それぞれタブレット状に形成されており、金型5に注入する順序にあわせて積層されていてもよい。また、積層された第1樹脂1と第2樹脂2とが積層されて一つのタブレットにまとめられていてもよい。

0030

第1樹脂1の溶融粘度は0.1Pa・s以上10Pa・s以下である。第1樹脂1は、溶融時に液状もしくは液状に近い形態となる樹脂である。第2樹脂2の溶融粘度は0.1Pa・s以上1000Pa・s以下である。第2樹脂2は、金型5への注入時の粘度が第1樹脂1より高い樹脂である。ここで溶融粘度とは、第1樹脂1および第2樹脂2が溶融したときのそれぞれの粘度である。金型5への注入時の粘度は、第1樹脂1および第2樹脂2が金型5へ注入されるときのそれぞれの粘度である。

0031

第1樹脂1の溶融粘度が10Pa・sよりも高いと、インサート品3が複雑な形状を有している場合、第1樹脂1の未充填部が発生し、ボイドが生じてしまうことがある。また、第2樹脂2の溶融粘度が1000Pa・sよりも高い場合、流動しにくくなるためトランスファ成形そのものが遂行できなくなるおそれがある。

0032

第1樹脂1および第2樹脂2は、0.1以上10Pa・s以下の範囲の同一の溶融粘度を有していてもよい。第1樹脂1と第2樹脂2とは溶融粘度が同じでも樹脂組成が異なるため溶融する温度が異なる場合がある。この場合、通常用いられる一つの樹脂ポット4に第1樹脂1と第2樹脂2が投入され、予熱されると、第1樹脂1と第2樹脂2の温度は同一となる。その結果、第1樹脂1と第2樹脂2とは溶融温度が異なるため第1樹脂1と第2樹脂2との金型5への注入時の粘度は異なる。

0033

第2樹脂2の溶融温度が第1樹脂1の溶融温度より高い場合、たとえば樹脂ポット4の温度を第1樹脂1の溶融温度にすることで、第1樹脂1の粘度は溶融粘度になる。一方、第2樹脂2は溶融粘度にならないため、第2樹脂2の粘度は第1樹脂1より高くなる。なお、樹脂ポット4および金型5の温度は、樹脂の溶融温度にあわせるのではなく、樹脂の硬化条件などにあわせて設定されてもよい。

0034

低粘度の第1樹脂1を予め予備加熱により半溶融状態にして使用することよって、トランスファ成形のサイクルタイム縮小することができる。

0035

所望の第1樹脂1および第2樹脂2の予熱工程の完了後、まず一つ目の樹脂として、低粘度の第1樹脂1が金型5内に注入される。第1樹脂1は、キャビティ5a内でインサート品3の表面を覆うことでキャビティ5a内でインサート品3の表面が露出しないようにキャビティ5a内に注入される。第1樹脂1は、溶融時に液状もしくは液状に近い形態であり、金型5内に注入された後、重力によってキャビティ5a内の下部を充満する。

0036

第1樹脂1は、インサート品3とキャビティ5aの下面との間およびインサート品3近傍にも充填される。第1樹脂1は、インサート品3の下側に回り込む。第1樹脂1は、インサート品3の上側を覆う。この例では、インサート品3の上側、下側、横側の全体が第1樹脂1で覆われる。また、たとえばインサート品3の下側が金型5のキャビティ5aの下部のに接するときには、インサート品3の上側、横側が第1樹脂1で覆われる。

0037

第1樹脂1が注入された後、次いで第2樹脂2がキャビティ5a内に注入される。第2樹脂2は、注入する際の粘度が第1樹脂1より高い。第2樹脂2の形態は、通常のトランスファ成形に用いられるものであり、溶融時の形態は特に制限されない。第2樹脂2が金型5内に充填され、第1樹脂1が充填された後のキャビティ5a内の上部を充満する。キャビティ5a内全体に第1樹脂1および第2樹脂2が充填された後、加圧装置および加熱ヒータを用いて加圧および加熱が行われ、熱硬化性樹脂が加熱硬化される。

0038

トランスファ成形時の金型5の温度および硬化時間は一般的なトランスファ成形における条件でよい。たとえば熱硬化性樹脂にエポキシを用いる場合、たとえば、金型5の温度は150〜200℃、充填時間は5〜30秒、硬化時間は30〜180秒程度が好ましいが、成形品の大きさ、形状などによりこの範囲に限定されない。十分な硬化時間をおき、熱硬化性樹脂の硬化が完了した後、金型5の型開きをしてトランスファ成形による成形品が取り出される。

0039

次に、本実施の形態のトランスファ成形による成形品の一例について説明する。
図3を参照して、トランスファ成形による成形品20は、たとえばパワーモジュールであって、インサート品3と、リードフレーム10と、ボンディングワイヤ11と、ヒートシンク12を主に有している。トランスファ成形による成形品20は、キャビティ5aに対応する外形を有している。インサート品3は、基板3aと、機能素子3bとを有している。機能素子3bは、基板3aに実装されている。

0040

基板3aはたとえば電流回路用基板であり、機能素子3bはたとえば抵抗コンデンサダイオード、トランジスタ、IC、アンテナである。基板3aは、ボンディングワイヤ11によって、リードフレーム10に電気的に接続されている。基板3aの機能素子3bが実装されている面と対向する面にヒートシンク12が配置されている。

0041

封止樹脂13によってインサート品3が封止されている。封止樹脂13は、第1樹脂1と第2樹脂2とを有している。インサート品3の基板3aおよび機能素子3bと、ボンディングワイヤ11の全体が第1樹脂1によって覆われている。リードフレーム10の一方端側の一部が第1樹脂1によって覆われている。ヒートシンク12の一部が第1樹脂1によって覆われている。第1樹脂1は、機能素子3bが露出しないよう機能素子3b全体を覆っている。第2樹脂2は、第1樹脂1上に形成されている。

0042

トランスファ成形による成形品20では、封止樹脂の強度および耐久性などの物性が要求される。また、外観部品の場合には意匠性が要求される。また、樹脂の適正価格も要求される。よって、トランスファ成形による成形品20の外形部は高い強度の樹脂で構成されていることが好ましい。特に、トランスファ成形による成形品20の実装面と反対側の外形部は、覆うものがないので高い強度の樹脂で構成されていることが好ましい。トランスファ成形による成形品20の実装面と反対側の外形部を構成する第2樹脂2は、高い強度を有していることが好ましい。第2樹脂2が高い強度を有している場合、第2樹脂2がインサート品3などと接触することによりインサート品3などが変形しやすい。

0043

このトランスファ成形による成形品20では、第2樹脂2は、インサート品3の基板3aおよび機能素子3bと、ボンディングワイヤ11と、リードフレーム10と、ヒートシンク12とに接触していない。そのため、第2樹脂2が接触することによって、インサート品3の基板3aおよび機能素子3b、ボンディングワイヤ11、リードフレーム10、ヒートシンク12の変形を抑制することができる。

0044

なお、このトランスファ成形による成形品20は、ヒートシンク12の一部がトランスファ成形による成形品20の下面から開口されている。この開口は、たとえばインサート品3の下にヒートシンク12が配置されてキャビティ5aの下部の台座の上に固定されることにより、ヒートシンク12とキャビティ5aの下部の台座との間に第1樹脂1が充填されないために構成されている。この開口によりヒートシンク12は効果的に放熱することができる。

0045

また、放熱のためにヒートシンク12が設けられない場合、第1樹脂1によってトランスファ成形による成形品20の下面が開口されていなくてもよい。この場合、リードフレーム10を金型5に支持することによりトランスファ成形による成形品20の下面が開口しないよう第1樹脂1が充填されてもよい。この場合には、基板3aの両面に機能素子3bを実装することができる。

0046

次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態のトランスファ成形による成形法によれば、キャビティ5a内でインサート品3の表面を覆うことでキャビティ5a内でインサート品3の表面が露出しないように第1樹脂1がキャビティ5a内に注入され、第1樹脂1が注入された後、注入する際の粘度が第1樹脂1より高い第2樹脂2がキャビティ5a内に注入される。そのため、粘度の低い第1樹脂1がインサート品3の近傍に充填されることにより、注入する際の粘度が第1樹脂1より高い第2樹脂2がインサート品3に接触しないので、インサート品3の変形を抑制することができる。

0047

また、粘度が低い第1樹脂1がインサート品3の近傍に充填されるため、インサート品3の近傍の隙間の空気が排除され、通常のトランスファ成形では樹脂を充填することが困難な狭い隙間にも容易に樹脂を充満させることができる。これにより、インサート品3とキャビティ5aとの間の隙間が微小な場合や、インサート品3が複雑な形状を有する場合においても、トランスファ成形による成形品20の内部に生じるボイドを抑制することができる。

0048

また、第1樹脂1によるインサート品3の近傍の隙間の充満が完了した後、第2樹脂2により、インサート品3の近傍以外の部分を含むトランスファ成形による成形品20の全体が封止される。第1樹脂1と第2樹脂2とは同じ金型5で成形されるため、第1樹脂1と第2樹脂2とを連続して注入することができるので生産性を向上することができる。

0049

また、第1樹脂1および第2樹脂2の二つの樹脂を用いて成形が行われるが、一回の成形工程でトランスファ成形による成形品20の全体の樹脂封止が完了するため、一つの樹脂を用いてトランスファ成形が行われる場合に比べて生産性が低下しない。

0050

また、同じ金型5を用いて第1樹脂1と第2樹脂2とを連続して注入しているため、第1樹脂1が硬化していない状態で、第2樹脂2を注入して成形することができる。このため、第1樹脂1と第2樹脂2とで異なる樹脂が用いられても、第1樹脂1と第2樹脂2との界面の密着性が損なわれることを抑制することができる。第1樹脂1が完全に硬化し終える前に第2樹脂2を充填することにより、硬化後の第1樹脂1と第2樹脂2との界面は入り組んだ構造となるため、接着性が向上する。

0051

本実施の形態のトランスファ成形による成形品20によれば、機能素子3bを含むインサート品3を封止する封止樹脂13は、機能素子3bが露出しないよう機能素子3b全体を覆う第1樹脂1と、第1樹脂1上に形成された第2樹脂2とを含む。そのため、第2樹脂2がインサート品3の機能素子3bに接触しないので、機能素子3bを含むインサート品3の変形を抑制することができる。

0052

(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、上記の実施の形態1に比較して、第2樹脂が溶融粘度の異なる複数の樹脂を含んでいる点で主に異なっている。

0053

最初に本実施の形態のトランスファ成形による成形法について説明する。
図4および図5を参照して、樹脂ポット4に第1樹脂1と二種類の第2樹脂2a,2bが投入される。第1樹脂1が金型5に注入された後、第2樹脂2aが金型5に注入される。第2樹脂2aがキャビティ5aに注入された後もキャビティ5a内には空間が残されている。第2樹脂2aが注入された後、キャビティ5a内の残された空間に、第2樹脂2bが注入される。第2樹脂2aと第2樹脂2bとは、溶融粘度が異なっている。第2樹脂2bは、トランスファ成形に用いられる一般的な溶融粘度を有する樹脂が用いられ得る。

0054

次に、本実施の形態のトランスファ成形による成形品の一例について説明する。
図6を参照して、トランスファ成形による成形品20では、封止樹脂13の第1樹脂1上に第2樹脂2が形成されている。第2樹脂2は、第2樹脂2bが中央部に配置され、第2樹脂2bを取り囲むように第2樹脂2aが配置されるよう構成されている。

0055

なお、これ以外のトランスファ成形による成形法および成形品は、上記の実施の形態1と同様であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。

0056

なお、第2樹脂2は、二種類に限定されず、三種類以上であってもよい。
本実施の形態によれば、複数種類の第2樹脂2が用いられることにより、トランスファ成形による成形品20の形状にあわせて、より細かな樹脂構成を調整することができる。

0057

(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、上記の実施の形態1に比較して、第1樹脂と第2樹脂とがそれぞれ別の樹脂ポットから金型に注入される点で主に異なっている。

0058

最初に本実施の形態のトランスファ成形による成形法について説明する。
図7および図8を参照して、樹脂ポット4aに第1樹脂1が投入される。プランジャ6aによって、金型5に第1樹脂1が注入される。樹脂ポット4bに第2樹脂2が投入される。プランジャ6bによって、金型5に第2樹脂2が注入される。

0059

なお、これ以外のトランスファ成形による成形法および成形品は、上記の実施の形態1と同様であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。

0060

本実施の形態によれば、複数の樹脂ポット4a,4bを用いて第1樹脂1および第2樹脂2の予熱温度を変化させることにより、樹脂注入過程における第1樹脂1および第2樹脂2の硬化状態を調整することが可能となる。これにより、同一組成の第1樹脂1および第2樹脂2の金型5への注入時の粘度に差が生じる。第1樹脂1の予備加熱の温度を溶融温度にし、第2樹脂2の予備加熱の温度を溶融温度より低くすることにより、第2樹脂2の粘度は第1樹脂1より高くなる。そのため、溶融粘度が同一で、かつ組成が同一の第1樹脂1および第2樹脂2を用いることができる。

0061

以下、本発明の実施例を比較例と比較して説明する。本発明を実施例および比較例により更に詳細に説明するが、実施例は本発明を具体的に説明するものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0062

実施例および比較例は、以下に示す方法により成形した。以下に具体的な樹脂粘度および樹脂注入順序によるトランスファ成形による成形品内部のボイドの発生およびインサート品の変形の発生有無を示す。トランスファ成形による成形品内部のボイドの発生およびインサート品の変形の有無はトランスファ成形による成形品中心部の断面を観察することにより確認した。

0063

(実施例1)
エポキシ樹脂を用いて、トランスファ成形によりインサート品を封止した。封止するインサート品は、複雑な形状の部品を有する、寸法約50mm×30mm×4mmの電子部品とした。インサート品の下部を約2mm厚、上部を約5mm厚にてエポキシ樹脂を用いて包むことを目的とした。第1樹脂は溶融粘度が0.5Pa・sのエポキシ樹脂とした。第2樹脂は溶融粘度が20Pa・sのタブレット状のエポキシ樹脂とした。第1樹脂をインサート品の上1mmの位置になるまで金型のキャビティ内に注入した。次いで残りの上部4mmを第2樹脂を注入することにより充填した。その後、加熱硬化により全体の封止を完了した。成形条件金型温度170℃、充填時間10秒、硬化時間120秒とした。

0064

(実施例2)
実施例1と同一のインサート品および金型を用い成形を行った。第1樹脂は溶融粘度が1.5Pa・sのエポキシを樹脂とした。第2樹脂は第1樹脂と同一の溶融粘度のエポキシ樹脂とした。成形条件および第1樹脂および第2樹脂の注入量は実施例1と同様とした。

0065

(実施例3)
実施例1と同一のインサート品および金型を用い成形を行った。第1樹脂は溶融粘度が10Pa・sのエポキシ樹脂とした。第2樹脂は溶融粘度が100Pa・sのエポキシ樹脂とした。成形条件および第1樹脂および第2樹脂の注入量は実施例1と同様とした。

0066

(実施例4)
実施例1と同一のインサート品および金型を用い成形を行った。図3および図4を参照して、第1樹脂1は溶融粘度が1.5Pa・sのエポキシ樹脂とした。第2樹脂2aは溶融粘度が20Pa・sのタブレット状のエポキシ樹脂とした。さらに第2樹脂2bは溶融粘度が30Pa・sのタブレット状のエポキシ樹脂とした。第1樹脂1、第2樹脂2aおよび第2樹脂2bを下から第1樹脂1、第2樹脂2a、第2樹脂2bの順に樹脂ポット4内に積み重ねて配置した。成形条件は実施例1と同様とした。第1樹脂1をインサート品3の上1mmの位置になるまで注入し、次いで第2樹脂2aおよび第2樹脂2bを等量ずつ注入して全体を封止した。

0067

(実施例5)
実施例1と同一のインサート品および金型を用い成形を行った。図7および図8を参照して、二つの樹脂ポット4a,4bを備えたトランスファ成形装置100を使用して第1樹脂1および第2樹脂2の注入を行った。成形条件および第1樹脂および第2樹脂の注入量は実施例1と同様とした。

0068

(比較例1)
実施例1と同一のインサート品および金型を用い成形を行った。使用した樹脂は溶融粘度が20Pa・sのタブレット状のエポキシのみとした。成形条件は実施例1と同様とした。

0069

(比較例2)
実施例1と同一のインサート品および金型を用い成形を行った。使用した樹脂は、第1樹脂を溶融粘度が15Pa・sのタブレット状のエポキシ樹脂とし、第2樹脂を溶融粘度が20Pa・sのタブレット状のエポキシ樹脂とした。成形条件および第1樹脂および第2樹脂の注入量は実施例1と同様とした。

0070

実施例1〜5に係るトランスファ成形による成形法とトランスファ成形による成形品の内部のボイドの発生およびインサート品の変形の発生の有無の関係を表1に示す。実施例1〜5の全てでボイドの発生およびインサート品の変形の発生が無かった。

0071

この理由は次のように考えられる。第1樹脂として用いた低粘度の樹脂が重力によりインサート品と金型との間の隙間を埋めた。さらに低粘度の樹脂がインサート品近傍を流動することにより、ボイドの発生およびインサート品の変形の発生が抑制された。その後、注入させる第2樹脂2a,2bは、インサート品の近傍を流動しないため、インサート品の状態に影響を及ぼすことはなかった。

0072

また、実施例5のように、複数の樹脂ポットを用いて成形を行っても、単一の樹脂ポットを用いた場合と同等の効果が得られることが確認された。

0073

0074

比較例1、2に係るトランスファ成形による成形法とトランスファ成形による成形品内部のボイドの発生およびインサート品の変形の発生の有無の関係を表2に示す。比較例1および比較例2ではボイドの発生が有った。比較例1ではインサート品の変形の発生が有った。

0075

この理由は次のように考えられる。比較例1では通常のトランスファ成形で用いられるタブレット状の粘度を有する樹脂を単一で使用している。したがって、トランスファ成形による成形品の内部の複雑形状部の隙間において樹脂の流動が不十分となり、ボイドが発生した。また、インサート品に若干の変形が確認された。これは高粘度樹脂が流動していることに起因していると考えられる。比較例2では粘度の異なる二つの樹脂を用いているが、第1樹脂の粘度が高めであることより、比較例1と同様にボイドの発生がみられた。

0076

実施例

0077

上記の各実施の形態は、適時組み合わせることができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0078

1 第1樹脂、2,2a,2b 第2樹脂、3インサート品、3a基板、3b機能素子、4,4a,4b樹脂ポット、5金型、5aキャビティ、5bスプルー、5cランナー、6,6a,6bプランジャ、10リードフレーム、11ボンディングワイヤ、12ヒートシンク、13封止樹脂、20トランスファ成形による成形品、100トランスファ成形装置。

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