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技術 フリンジスキャン干渉縞計測方法および干渉計

出願人 オリンパス株式会社
発明者 熊谷俊樹
出願日 2009年12月14日 (11年0ヶ月経過) 出願番号 2009-283034
公開日 2011年6月23日 (9年6ヶ月経過) 公開番号 2011-123018
状態 拒絶査定
技術分野 光学的手段による測長計器 光学的手段による測長装置 光学装置、光ファイバーの試験
主要キーワード 校正期間 取得個数 輝度変化データ 大きさの順序 共通位置 解析誤差 位相増分 ヌル状態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年6月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

フリンジスキャン干渉縞計測方法および干渉計において、簡素な構成を用いて、容易かつ高精度な形状測定を迅速に行うことができるようにする。

解決手段

位相増分Δφずつシフトして、n個の干渉縞画像を取得して被測定面の形状を算出するフリンジスキャン干渉縞計測方法であって、位相増分Δφを細分する位相量でシフトして候補画像を取得する候補画像取得工程(ステップS1)と、各候補画像の同一位置における輝度変化を取得する輝度変化取得工程(ステップS2)と、この輝度変化を用いて位相変化を算出する位相変化算出工程(ステップS3)と、位相量が、Δφ・(k−1)(ただし、k=1,…,n)の近傍の複数の候補画像を補間演算用画像として選択する補間演算用画像選択工程(ステップS4)と、この補間演算用画像を用いて補間演算を行うことにより、前記n個の干渉縞画像を取得する干渉縞画像算出工程(ステップS5)とを備える。

概要

背景

従来、光学素子レンズ面、反射面、透過面などの形状を測定するために、被測定面と参照面に光束を照射して、それぞれを反射または透過した光による干渉縞画像を取得し、干渉縞画像を解析して被測定面の面形状を計測する干渉計が種々知られている。
干渉縞画像の解析方法としては、被測定面と参照面とを相対移動することで光路差位相シフトさせて複数の干渉縞画像を取得し、各干渉縞画像の同一位置における輝度変化から位相変化を求め、被測定面の形状を算出するフリンジスキャン法が知られている。
例えば、特許文献1には、各干渉縞画像の位相シフト量が、0、π/2、π、3π/2、2πである5枚の画像を用いたフリンジスキャン法(5バケット法)、また位相シフト量が、0、π/2、π、3π/2、2π、5π/2、3πである7枚の画像を用いたフリンジスキャン法(7バケット法)、また位相シフト量が、0、π/4、2π/4、3π/4、…、12π/4である13枚の画像を用いたフリンジスキャン法(13バケット法)を行うための干渉計およびその解析式が記載されている。また、特許文献2には、さらに7枚、9枚などの干渉縞画像を用いたフリンジスキャン法である7バケット法、9バケット法に用いる解析式が記載されている。

概要

フリンジスキャン干渉縞計測方法および干渉計において、簡素な構成を用いて、容易かつ高精度な形状測定を迅速に行うことができるようにする。位相増分Δφずつシフトして、n個の干渉縞画像を取得して被測定面の形状を算出するフリンジスキャン干渉縞計測方法であって、位相増分Δφを細分する位相量でシフトして候補画像を取得する候補画像取得工程(ステップS1)と、各候補画像の同一位置における輝度変化を取得する輝度変化取得工程(ステップS2)と、この輝度変化を用いて位相変化を算出する位相変化算出工程(ステップS3)と、位相量が、Δφ・(k−1)(ただし、k=1,…,n)の近傍の複数の候補画像を補間演算用画像として選択する補間演算用画像選択工程(ステップS4)と、この補間演算用画像を用いて補間演算を行うことにより、前記n個の干渉縞画像を取得する干渉縞画像算出工程(ステップS5)とを備える。

目的

本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、簡素な構成を用いて、容易かつ高精度な形状測定を迅速に行うことができるフリンジスキャン干渉縞計測方法および干渉計を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

同一の光束を、被測定面で反射または透過された測定光と、参照面の形状に対応した波面を有する参照光とに分割し、前記測定光と前記参照光とにより干渉縞を形成して、干渉縞画像を取得し、さらにこの状態から、前記測定光と前記参照光との間の位相差を、略一定の位相増分Δφずつシフトされた、合計n個(nは3以上の整数)の干渉縞画像を取得し、これらn個の干渉縞画像に基づいて被測定面の形状を算出するフリンジスキャン干渉縞計測方法であって、前記n個の干渉縞画像を取得するために、前記測定光と前記参照光との位相差を、位相増分Δφを細分する大きさで0からΔφ・(n—1)以上までシフトさせてn個より多い干渉縞画像を取得して、前記n個の干渉縞画像の候補画像として記憶する候補画像取得工程と、該候補画像取得工程で取得された各候補画像の同一位置における輝度を、前記各候補画像の位相シフト量大きさの順に配列したときの輝度変化データから、前記各候補画像の位相変化を算出する位相変化算出工程と、該位相変化算出工程で算出された位相変化に基づいて、前記候補画像のうちから、位相量が、Δφ・(k−1)(ただし、k=1,…,n)の近傍の複数の候補画像を補間演算用画像として選択する補間演算用画像選択工程と、該補間演算用画像選択工程で選択された前記補間演算用画像を用いて補間演算を行うことにより、前記n個の干渉縞画像を取得する干渉縞画像算出工程と、を備えることを特徴とするフリンジスキャン干渉縞計測方法。

請求項2

前記干渉縞画像算出工程は、前記候補画像から、前記位相量がΔφ・(k−1)以下であって、Δφ・(k−1)に最も近い候補画像である候補画像FIkと、前記位相量がΔφ・(k−1)より大きくΔφ・(k−1)に最も近い候補画像である候補画像FIk+1を用い、前記候補画像FIk、FIk+1の前記位相量が、それぞれ、Δφ・(k−1)−Ak、Δφ・(k−1)+Bkであるとき、次式(1)に基づく線形補間によって、前記n個の干渉縞画像を干渉縞画像Gkとして算出することを特徴とする請求項1に記載のフリンジスキャン干渉縞計測方法。Gk=(FIk×Bk+FIk+1×Ak)/(Ak+Bk)・・・(1)ここで、Gk、FIk、FIk+1は、ぞれぞれの干渉計画像の2次元画像データを表すものとする。

請求項3

前記候補画像取得工程は、前記参照光の前記測定光に対する光路差を一定方向に連続的に変化させつつ、前記位相増分Δφを細分する大きさの位相量に対応するサンプリング周期で、前記候補画像を取得するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のフリンジスキャン干渉縞計測方法。

請求項4

前記位相増分Δφが、π/2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフリンジスキャン干渉縞計測方法。

請求項5

前記位相増分Δφが、π/4であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフリンジスキャン干渉縞計測方法。

請求項6

同一の光束を、被測定面で反射または透過された測定光と、参照面の形状に対応した波面を有する参照光とに分割し、前記測定光と前記参照光とにより干渉縞を形成する干渉計測光学系と、前記干渉縞の画像を撮像する撮像部と、前記測定光に対する前記参照光の光路差を変化させるために、前記干渉計測光学系に含まれる光学素子を移動する光学素子移動機構と、該光学素子移動機構が前記光学素子を移動させて、前記光路差の位相がΔφ・(n−1)(nは3以上の整数)以上まで変化する間に、前記光路差の位相がΔφを細分するような増分量でシフトされたn個より多い複数の干渉縞画像を、前記撮像部から取得する画像取得部と、該画像取得部が取得した前記複数の干渉縞画像の同一位置における輝度を、前記複数の干渉縞画像の位相シフト量の大きさの順に配列したときの輝度変化データから、前記複数の干渉縞画像の位相変化を算出する位相変化算出部と、該位相変化算出部で算出された位相変化に基づいて、前記画像取得部が取得した前記複数の干渉縞画像から、位相量が、Δφ・(k−1)(ただし、k=1,…,n)の近傍の複数の候補画像を補間演算用画像として選択する補間演算用画像選択部と、該補間演算用画像選択部で選択された前記補間演算用画像を用いて補間演算を行うことにより、前記n個の干渉縞画像を取得する干渉縞画像算出部と、を備え、該干渉縞画像算出部で算出された前記n個の干渉縞画像から被測定面の形状を算出することを特徴とする干渉計。

技術分野

0001

本発明は、フリンジスキャン干渉縞計測方法および干渉計に関する。

背景技術

0002

従来、光学素子レンズ面、反射面、透過面などの形状を測定するために、被測定面と参照面に光束を照射して、それぞれを反射または透過した光による干渉縞画像を取得し、干渉縞画像を解析して被測定面の面形状を計測する干渉計が種々知られている。
干渉縞画像の解析方法としては、被測定面と参照面とを相対移動することで光路差位相シフトさせて複数の干渉縞画像を取得し、各干渉縞画像の同一位置における輝度変化から位相変化を求め、被測定面の形状を算出するフリンジスキャン法が知られている。
例えば、特許文献1には、各干渉縞画像の位相シフト量が、0、π/2、π、3π/2、2πである5枚の画像を用いたフリンジスキャン法(5バケット法)、また位相シフト量が、0、π/2、π、3π/2、2π、5π/2、3πである7枚の画像を用いたフリンジスキャン法(7バケット法)、また位相シフト量が、0、π/4、2π/4、3π/4、…、12π/4である13枚の画像を用いたフリンジスキャン法(13バケット法)を行うための干渉計およびその解析式が記載されている。また、特許文献2には、さらに7枚、9枚などの干渉縞画像を用いたフリンジスキャン法である7バケット法、9バケット法に用いる解析式が記載されている。

先行技術

0003

米国特許第5473434号公報
特開平11−173808号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記のような従来のフリンジスキャン干渉縞計測方法および干渉計には、以下のような問題があった。
フリンジスキャン法は、各干渉縞画像の位相シフト量が所定値からずれていると、測定誤差が発生する。例えば、特許文献1に記載の技術では、ピエゾ素子によって、参照面を有するレンズを被測定面に対して移動するので、ピエゾ素子によりλ/8ずつの高精度な移動を行う必要がある。
しかるに、ピエゾ素子の印加電圧伸縮量との関係は、例えば、図10曲線200によって一例を示すような個別の非線形特性を有し、またヒステリシス特性も伴うため、印加電圧を線形に変化させて駆動すると、移動誤差が発生し、測定精度に影響するという問題がある。
したがって、一般には、印加電圧と伸縮量との関係を常に厳密に校正しておくことが必要となるので、校正費用などのメンテナンス費用が発生し、しかも校正期間中には測定ができなくなるという問題がある。
特許文献2に記載の技術では、特許文献1よりも干渉縞画像の数を増やすため、ある程度は測定精度が向上することができるものの、ピエゾ素子の移動精度を高精度に保つ必要があることは特許文献1と同様である。
また、参照面の相対移動量を検出するため、これらの干渉計に、例えば静電容量センサなどの測長手段を設けるなどしてピエゾ素子の伸縮量をフィードバック制御することも考えられるが、この場合には装置構成制御方法が複雑となり、装置が大がかりで高価なものとなってしまうという問題がある。

0005

本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、簡素な構成を用いて、容易かつ高精度な形状測定を迅速に行うことができるフリンジスキャン干渉縞計測方法および干渉計を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、同一の光束を、被測定面で反射または透過された測定光と、参照面の形状に対応した波面を有する参照光とに分割し、前記測定光と前記参照光とにより干渉縞を形成して、干渉縞画像を取得し、さらにこの状態から、前記測定光と前記参照光との間の位相差を、略一定の位相増分Δφずつシフトされた、合計n個(nは3以上の整数)の干渉縞画像を取得し、これらn個の干渉縞画像に基づいて被測定面の形状を算出するフリンジスキャン干渉縞計測方法であって、
前記n個の干渉縞画像を取得するために、前記測定光と前記参照光との位相差を、位相増分Δφを細分する大きさで0からΔφ・(n—1)以上までシフトさせてn個より多い干渉縞画像を取得して、前記n個の干渉縞画像の候補画像として記憶する候補画像取得工程と、該候補画像取得工程で取得された各候補画像の同一位置における輝度を、前記各候補画像の位相シフト量の大きさの順に配列したときの輝度変化データから、前記各候補画像の位相変化を算出する位相変化算出工程と、該位相変化算出工程で算出された位相変化に基づいて、前記候補画像のうちから、位相量が、Δφ・(k−1)(ただし、k=1,…,n)の近傍の複数の候補画像を補間演算用画像としてする補間演算用画像選択工程と、該補間演算用画像選択工程で選択された前記補間演算用画像を用いて補間演算を行うことにより、前記n個の干渉縞画像を取得する干渉縞画像算出工程と、を備える方法とする。

0007

請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のフリンジスキャン干渉縞計測方法において、前記干渉縞画像算出工程は、前記候補画像から、前記位相量がΔφ・(k−1)以下であって、Δφ・(k−1)に最も近い候補画像である候補画像FIkと、前記位相量がΔφ・(k−1)より大きくΔφ・(k−1)に最も近い候補画像である候補画像FIk+1を用い、前記候補画像FIk、FIk+1の前記位相量が、それぞれ、Δφ・(k−1)−Ak、Δφ・(k−1)+Bkであるとき、次式(1)に基づく線形補間によって、前記n個の干渉縞画像を干渉縞画像Gkとして算出する方法とする。
Gk=(FIk×Bk+FIk+1×Ak)/(Ak+Bk) ・・・(1)
ここで、Gk、FIk、FIk+1は、ぞれぞれの干渉計画像の2次元画像データを表すものとする。

0008

請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載のフリンジスキャン干渉縞計測方法において、前記候補画像取得工程は、前記参照光の前記測定光に対する光路差を一定方向に連続的に変化させつつ、前記位相増分Δφを細分する大きさの位相量に対応するサンプリング周期で、前記候補画像を取得するようにした方法とする。

0009

請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載のフリンジスキャン干渉縞計測方法において、前記位相増分Δφが、π/2である方法とする。

0010

請求項5に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載のフリンジスキャン干渉縞計測方法において、前記位相増分Δφが、π/4である方法とする。

0011

請求項6に記載の発明では、同一の光束を、被測定面で反射または透過された測定光と、参照面の形状に対応した波面を有する参照光とに分割し、前記測定光と前記参照光とにより干渉縞を形成する干渉計測光学系と、前記干渉縞の画像を撮像する撮像部と、前記測定光に対する前記参照光の光路差を変化させるために、前記干渉計測光学系に含まれる光学素子を移動する光学素子移動機構と、該光学素子移動機構が前記光学素子を移動させて、前記光路差の位相がΔφ・(n−1)(nは3以上の整数)以上まで変化する間に、前記光路差の位相がΔφを細分するような増分量でシフトされたn個より多い複数の干渉縞画像を、前記撮像部から取得する画像取得部と、該画像取得部が取得した前記複数の干渉縞画像の同一位置における輝度を、前記複数の干渉縞画像の位相シフト量の大きさの順に配列したときの輝度変化データから、前記複数の干渉縞画像の位相変化を算出する位相変化算出部と、該位相変化算出部で算出された位相変化に基づいて、前記画像取得部が取得した前記複数の干渉縞画像から、位相量が、Δφ・(k−1)(ただし、k=1,…,n)の近傍の複数の候補画像を補間演算用画像として選択する補間演算用画像選択部と、該補間演算用画像選択部で選択された前記補間演算用画像を用いて補間演算を行うことにより、前記n個の干渉縞画像を取得する干渉縞画像算出部と、を備え、該干渉縞画像算出部で算出された前記n個の干渉縞画像から被測定面の形状を算出する構成とする。

発明の効果

0012

本発明のフリンジスキャン干渉縞計測方法および干渉計によれば、位相が順次変化した干渉縞画像を候補画像として取得し、この候補画像に補間演算を行うことにより位相シフト量が0から略Δφずつ増大されたn個の干渉縞画像を算出することができるので、位相シフト量を高精度に制御する手段を用いることなく、簡素な構成を用いて、容易かつ高精度な形状測定を迅速に行うことができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0013

本発明の実施形態に係る干渉計の概略構成を示す模式構成図である。
本発明の実施形態に係る干渉計の制御手段の機能構成を示す機能ブロック図である。
本発明の実施形態に係るフリンジスキャン干渉縞計測方法の測定フローを示すフローチャートである。
本発明の実施形態に係るフリンジスキャン干渉縞計測方法の候補画像取得工程の動作について説明するフローチャートである。
候補画像取得工程で取得する候補画像の模式図である。
本発明の実施形態に係るフリンジスキャン干渉縞計測方法の位相変化算出工程における近似曲線の一例を示す模式的なグラフである。
本発明の実施形態に係るフリンジスキャン干渉縞計測方法の補間演算用画像選択工程について説明するための模式的なグラフ、およびそのA部の拡大図である。
測定例1における被検面の干渉縞画像、本発明の実施形態のフリンジスキャン干渉縞測定方法に基づいて算出した測定例1の波面算出結果の画像表示、および比較例1のフリンジスキャン干渉縞測定方法に基づいて算出した波面の画像表示である。
測定例2における被検面の干渉縞画像、本発明の実施形態のフリンジスキャン干渉縞測定方法に基づいて算出した測定例2の波面算出結果の画像表示、および比較例2のフリンジスキャン干渉縞測定方法に基づいて算出した波面の画像表示である。
ピエゾ素子の印加電圧と伸縮量との関係の一例を示す模式的なグラフである。

実施例

0014

以下では、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。

0015

本発明の実施形態に係る干渉計について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る干渉計の概略構成を示す模式構成図である。図2は、本発明の実施形態に係る干渉計の制御手段の機能構成を示す機能ブロック図である。

0016

本実施形態の干渉計50は、本発明の実施形態に係るフリンジスキャン干渉縞計測方法を実施することができるものである。干渉計を構成する干渉計測光学系は、本実施形態ではフィゾー型の光学系を用いる場合の例で説明する。また、被測定面5としては、適宜の形状を測定できるが、以下では、凹面形状を測定する場合の構成例を用いて説明する。
干渉計50の概略構成は、図1に示すように、レーザー光源1、コリメートレンズ2、ビームスプリッタ3、フィゾーレンズ4(干渉計測光学系に含まれる光学素子)、集光レンズ6、CCD7(撮像部)、ピエゾ素子8(光学素子移動機構)、ピエゾ素子コントローラ9、測定制御部10、および表示部11からなる。

0017

レーザー光源1は、干渉縞を形成するためのコヒーレント光を発生する光源で、本実施形態では、波長λのレーザー光発散光として発生する光源を採用している。レーザー光源1によって発生された発散光は、コリメートレンズ2によって平行光30aとされ、ビームスプリッタ3に入射される。
ビームスプリッタ3は、平行光30aを反射してフィゾーレンズ4の光軸上に導くとともに、フィゾーレンズ4側から入射する後述の被測定面反射光30c、参照面反射光30dを透過する光分岐素子である。

0018

フィゾーレンズ4は、光軸上に入射された平行光30aの一部をフィゾー面4aで反射して、参照面反射光30d(参照光)を形成し、光軸上に入射された平行光30aの他の部分を透過光30bとして透過し、透過光30bを集光するレンズである。
フィゾー面4aの形状は、被測定面5の理想的な形状に併せて精度よく仕上げられており、干渉縞計測の参照面を構成している。

0019

被測定面5は、少なくとも被測定面5の面形状の測定を行う際には、被測定面5の光軸をフィゾーレンズ4の光軸に一致させるとともに、被測定面5の曲率中心が、フィゾーレンズ4による透過光30bの集光位置に一致するように配置される。
このような配置を実現するため、フィゾーレンズ4と被測定面5とは、不図示の移動機構により相対的な位置関係が調整可能となっている。
被測定面5に入射された透過光30bは、被測定面反射光30cとして反射される。このとき、被測定面5、フィゾーレンズ4の光軸が一致するとともに、被測定面5の曲率中心がフィゾーレンズ4の集光位置に一致しているため、透過光30bの光線が被測定面5の法線に沿って入射し、被測定面反射光30cは、透過光30bと同一の光路逆進して、フィゾーレンズ4に再入射し、ビームスプリッタ3に向けて透過される。

0020

したがって、被測定面反射光30c、参照面反射光30dは、いずれも、同一の光束である平行光30aがフィゾー面4aによって分割されて形成された光束である。そして、被測定面反射光30cは、被測定面5で反射されることで被測定面5の形状に応じて波面が変化した測定光となっている。一方、参照面反射光30dは、フィゾー面4aで反射されることでフィゾー面4aの形状に対応した波面を有する参照光となっている。また、被測定面反射光30cは、被測定面5で反射されて同一光路を逆進することで、参照面反射光30dに対して、フィゾー面4aと被測定面5との間の光路長の2倍の光路差を有している。そのため、被測定面反射光30cと参照面反射光30dとは、フィゾー面4a上で、被測定面5とフィゾー面4aとの間の形状誤差に対応する光路差による干渉縞を形成する。

0021

このように、コリメートレンズ2、ビームスプリッタ3、およびフィゾーレンズ4は、フィゾー型の干渉計を構成し、同一の光束を、被測定面で反射または透過された測定光と、参照面の形状に対応した波面を有する参照光とに分割し、測定光と参照光とにより干渉縞を形成する干渉計測光学系の一例をなしている。

0022

集光レンズ6は、被測定面反射光30c、参照面反射光30dによる干渉縞を、CCD7の撮像面7a上に結像するものである。
CCD7は、撮像面7a上に結像された干渉縞画像を所定のビデオレート光電変換する撮像素子である。ビデオレートとしては、必要に応じて適宜の値を採用することができるが、例えば、30fpsのものを好適に採用することができる。
CCD7は、測定制御部10に電気的に接続されており、測定制御部10によって撮像動作を制御され、CCD7で撮像した画像信号は測定制御部10に送出される。

0023

ピエゾ素子8は、フィゾー面4a上における被測定面反射光30cと参照面反射光30dとの間の光路差を微小量ずつ変化させるために、フィゾーレンズ4を光軸に沿って移動する光学素子移動機構である。
ピエゾ素子8の移動量は、ピエゾ素子8に電気的に接続されたピエゾ素子コントローラ9によって印加電圧を変化させることで制御される。

0024

ピエゾ素子コントローラ9は、測定制御部10からの制御信号に基づいて、ピエゾ素子8に印加する電圧を制御し、ピエゾ素子8の伸縮量を制御するものである。
ピエゾ素子コントローラ9の概略構成は、図2に示すように、演算部25、タイマー26、D/A変換部27、およびアンプ部28からなる。
演算部25は、測定制御部10から送出される立ち上がり時間、指令電圧の制御信号に応じて、立ち上がり時間内に印加電圧を0Vから指令電圧まで直線的に増大する印加電圧データを生成し、測定制御部10からの移動開始信号によって、印加電圧データを順次D/A変換部27に供給するものである。
タイマー26は、演算部25から適宜周期で印加電圧データを送出するための基準クロックを供給するものである。
D/A変換部27は、演算部25によって供給される印加電圧データを電圧信号に変換するものである。この電圧信号は、アンプ部28により増幅されて、ピエゾ素子8を駆動する印加電圧としてピエゾ素子8に出力される。
このように、本実施形態のピエゾ素子コントローラ9によれば、測定制御部10からの移動開始信号に応じて、ピエゾ素子8を一定方向に連続的に駆動する印加電圧が供給することができるようになっている。

0025

測定制御部10の機能ブロック構成は、図2に示すように、画像取得部20、演算処理部21、移動制御部22、および画像記憶部23からなる。
画像取得部20は、CCD7から送出される画像信号を、演算処理部21から指示されたタイミングで画像フレームごとに取り込んで、輝度データに変換し、2次元の画像データとして演算処理部21に送出するものである。
演算処理部21は、画像取得部20から送出される画像データを取り込んで取得し、取得順序の情報とともに、画像記憶部23に記憶するとともに、画像記憶部23に記憶された画像データに演算処理を施して、干渉縞の解析を行い、被測定面5の形状を算出するものである。算出された被測定面5の形状は、必要に応じてこの解析に伴うグラフや中間演算結果などとともに、表示部11に表示されるようになっている。
また、演算処理部21は、移動制御部22を介して、ピエゾ素子コントローラ9に立ち上がり時間、指令電圧の情報を送出してピエゾ素子8の伸縮量の条件設定を行い、移動開始信号を送出する。
また、移動制御部22では、ピエゾ素子コントローラ9による移動が終了したことを検知して演算処理部21に通知する。
このような測定制御部10は、本実施形態では、CPU、メモリ入出力インターフェース外部記憶装置などからなるコンピュータから構成され、このコンピュータにより適宜の制御プログラムを実行することでこれらの機能を実現している。

0026

次に、干渉計50の動作について、本発明の実施形態に係るフリンジスキャン干渉縞計測方法を中心として説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るフリンジスキャン干渉縞計測方法の測定フローを示すフローチャートである。図4は、本発明の実施形態に係るフリンジスキャン干渉縞計測方法の候補画像取得工程の動作について説明するフローチャートである。図5は、候補画像取得工程で取得された候補画像の模式図である。図6は、本発明の実施形態に係るフリンジスキャン干渉縞計測方法の位相変化算出工程における近似曲線の一例を示す模式的なグラフである。ここで、横軸は時間、縦軸は輝度を示す。図7(a)は、本発明の実施形態に係るフリンジスキャン干渉縞計測方法の補間演算用画像選択工程について説明するための模式的なグラフである。ここで、横軸は時間、縦軸は位相変化量を示す。図7(b)は、図7(a)のA部の拡大図である。

0027

干渉計50に用いるフィゾー型の光学系では、レーザー光源1を点灯すると波長λの発散光が発生し、コリメートレンズ2によって平行光30aが形成され、ビームスプリッタ3で反射されてフィゾーレンズ4の光軸上に入射する。
平行光30aは、フィゾー面4aによって分割され、一部はフィゾー面4aによってビームスプリッタ3の側に反射されて参照面反射光30dとして進む。その他の光は、透過光30bとして透過し、フィゾーレンズ4のレンズ作用により集光され、1点に集光されてから、被測定面5に導かれ、被測定面5の法線方向に入射することにより、被測定面反射光30cとして反射される。そして、被測定面反射光30cは、透過光30bと同一光路を逆進し、フィゾーレンズ4を透過して、ビームスプリッタ3側に出射される。その際、フィゾー面4a上には、被測定面反射光30cと参照面反射光30dとの光路差に応じた干渉縞画像が形成される。
この干渉縞画像は、集光レンズ6により撮像面7aに結像される。そして、この干渉縞画像は、CCD7で光電変換されて画像信号として測定制御部10に送出され、表示部11に表示される。測定者は、測定のために最良の干渉縞が得られる位置に、フィゾーレンズ4と被測定面5との相対位置を調整する。
そして、測定者は測定制御部10を通して、フリンジスキャン干渉縞計測(以下、干渉縞計測と略称する)の開始を指示する。

0028

周知のフリンジスキャン法では、形状測定を行うための干渉縞画像から、参照面と被測定面との光路差の位相を略一定の位相増分Δφずつ変化させて、合計n個(ただし、nは3以上の整数)の干渉縞画像を取得する。これらのn個の干渉縞画像は、位相シフト量が0〜Δφ・(n−1)の間でΔφずつ増大した干渉縞画像となるので、これらの位相シフト量と、各干渉縞画像に共通する位置におけるn個の輝度値との関係を正弦波に当てはめることで、形状測定を行うための干渉縞画像(位相シフト量が0)の輝度値の位相(初期位相)を算出し、それを基に形状測定を行うための干渉縞画像の各位置における位相を算出する。この位相は、参照面の形状からのずれ量に対応するため、被測定面5の面形状を算出することができる。
本干渉縞計測は、これらn個の干渉縞画像を取得する工程に特徴を有する。その他の点については、例えば特許文献1、2などに開示されたような周知の工程を採用することができるので、詳しい説明は省略する。

0029

本干渉縞計測では、図3に示すように、ステップS1〜S6を順次実行する。なお、位相増分Δφは、周知のフリンジスキャン干渉縞計測に用いられる位相増分とすればよい。Δφ=π/2、π/4などとすると、干渉縞画像の枚数個数)が少なくても高精度の計測結果が得られることが知られている。以下では、一例として、Δφ=π/2の場合の例で説明する。
ステップS1は、図4に示すフローにより実現されるもので、ピエゾ素子8によって予め設定された立ち上がり時間Tの間に、フィゾーレンズ4を距離Lだけ一定方向に連続的に移動し、予め設定されたサンプリング周期ΔTごとに、m個(ただし、m>n)の干渉縞画像を順次取得し、画像記憶部23に、それらの取得順序の情報とともに、時系列画像F1、F2、…、Fm(図5参照)として記憶する工程(候補画像取得工程)である。
このため、時系列画像Fj(jは、1≦j≦mを満たす整数、以下同じ)は、ピエゾ素子8の伸縮特性にもよるが、被測定面反射光30cと参照面反射光30dとの光路差がおよそ(λ/4)・(n−1)/(m−1)ずつシフトされた状態、すなわち、位相シフト量が、0から(π/2)・(n−1)以上までの間で、およそ(π/2)・(n−1)/(m−1)ずつ増大された状態で取得される。これらの時系列画像F1、F2、…、Fmは、フリンジスキャン法の計算に用いるn個の干渉縞画像の候補画像をなしている。
ここで、測定時間を短縮するためには、サンプリング周期ΔTはできるだけ短いことが好ましい。本実施形態では、サンプリング周期ΔTは、ビデオレートと一致させている。例えば、ビデオレートが30fpsの場合、ΔT=1/30(s)である。
またフィゾーレンズ4の移動距離Lは、光路差が(λ/4)・(n−1)に相当する距離が必要であり、本実施形態のフィゾー型干渉計では、{(λ/4)・(n−1)}/2であるが、ピエゾ伸縮量のバラつきを考慮して、やや(例えば、ピエゾ伸縮量バラつきの3倍等)大きめにするのが好ましい。
また候補画像の個数mは、取得順序が隣り合う候補画像の間の位相の変化を線形近似しても支障ない程度に、位相増分Δφを細分できる大きさとすることが好ましい。本実施形態では、一例として、n=5、m=25を採用している。

0030

まず、ステップS11では、移動制御部22からピエゾ素子コントローラ9の演算部25に向けて、立ち上がり時間T、指令電圧の情報を送出してから、移動開始信号100を送出する。そして、測定制御部10側では、ステップS12に移行する。
ピエゾ素子コントローラ9側では、移動制御部22から立ち上がり時間T、指令電圧の情報を受け取ると、ステップS20を実行する。
本実施形態では、立ち上がり時間Tは、T=(m−1)・ΔTに設定される。例えば、上記の数値例では、T=(25−1)/30=0.8(s)である。
ステップS20では、演算部25によって、立ち上がり時間T内に、0Vから指令電圧まで時間に比例する印加電圧データを出力する設定を行う。そして、移動開始信号を受信すると、タイマー26を初期化し、ステップS21を実行する。
ステップS21では、タイマー26の値に応じて、印加電圧データをD/A変換部27により電圧信号に変換し、アンプ部28で適宜増幅して、ピエゾ素子8に印加する。
ステップS22では、タイマー26の値が、立ち上がり時間Tを超えたかどうか判定し、立ち上がり時間Tを超えていない場合は、ステップS21に移行する。
立ち上がり時間Tを超えた場合は、移動制御部22に、移動終了信号101を送出して移動終了を通知し、電圧出力を停止して、ピエゾ素子8の位置を初期状態復帰させる。

0031

ステップS12では、サンプリング周期ΔTに同期して、CCD7から干渉縞画像を取得し、画像取得順序の情報とともに、画像記憶部23に記憶する。
ステップS13では、ピエゾ素子コントローラ9からの移動終了信号101の有無を判定し、移動終了信号101が受信されていない場合は、ステップS12に戻る。
移動終了信号101が受信されている場合は、ステップS1の動作を終了し、図3のステップS2に移行する。
このようにして、ステップS12を繰り返すことにより、フィゾーレンズ4がピエゾ素子8によって移動されている間に、m個の時系列画像F1、F2、…、Fmが、画像記憶部23に順次記憶されていく。

0032

ステップS2では、図5に示すように、演算処理部21によって画像記憶部23から各時系列画像Fjを呼び出し、それぞれの干渉縞画像部31上の共通位置である輝度算出位置32における各輝度Pjを取得する。すなわち、ステップS2は、候補画像取得工程で取得されたそれぞれ候補画像の同一位置における輝度変化を取得する輝度変化取得工程を構成している。
図6に時間と輝度Pjとの関係の一例をプロットした。時系列画像Fjは、一定のサンプリング周期で取得され、ピエゾ素子8には、時間に比例した電圧が印加されるが、ピエゾ素子8の伸縮特性は印加電圧に対して非線形であるためフィゾーレンズ4の移動ピッチ等ピッチにはならない。そのため、輝度Pjのグラフは正弦波からずれることになる。

0033

次に、ステップS3では、演算処理部21によって、輝度Pjのグラフの近似曲線33(図6参照)を求める。ただし、本実施形態では、ピエゾ素子8の移動量が時間に対して線形であれば、輝度のグラフが時間に関して正弦波となることを利用して、近似曲線33を次の式(2)、(3)の組で表すことにする。
f(i)=D1・i+D2・i2+D3・i3 ・・・(2)
g(i)=A・sin{f(i)}+B・cos{f(i)}+C ・・・(3)
ここで、g(i)は輝度、f(i)はピエゾ素子8の非線形性を3次式で表したものである。また、D1、D2、D3、A、B、Cは、近似式係数である。また、変数iは、時間に対応する添字jの値をそのまま用いている。f(i)は、立ち上がり時間で無次元化した時間であり、時系列画像F1に対する位相変化量を表す。
係数D1、D2、D3、A、B、Cは、次式(4)のSを最小にするように、例えばニュートン法などの既知の演算処理を行うことによって求めることができる。

0034

0035

このように、ステップS3は、候補画像取得工程で取得されたそれぞれ候補画像の同一位置における輝度変化から位相変化を算出する位相変化算出工程となっている。また、演算処理部21は、位相変化算出部を構成している。
なお、式(2)、(3)を用いれば、図6に示すようなグラフをプロットすることができるので、本実施形態では、近似精度視覚的に確認できるように輝度Pjの実測値とともに、表示部11に表示するようにしている。

0036

次にステップS4では、位相変化算出工程で算出された位相変化に基づいて、候補画像のうちから、位相量が、Δφ・(k−1)(ただし、k=1,…,n)の近傍の複数の候補画像を補間演算用画像として選択する補間演算用画像選択工程を行う。
本実施形態では、演算処理部21により、ステップS3で求めた式(2)を用いて、f(i)の値が、Δφ・(k−1)以下であって、Δφ・(k−1)に最も近くなるiを算出してIkとする。このとき、Ik+1は、Δφ・(k−1)より大きくΔφ・(k−1)に最も近くなるiになっている。したがって、f(I1)≦0<f(I1+1)、…、f(I5)≦2π<f(I5+1)である。
例えば、式(2)が、図7(a)に示す曲線41で表される場合、それぞれ、I1=1、I2=10、I3=15、I4=19、I5=23として求められる。ただし、本実施形態では、f(1)=0としている。
そして、演算処理部21は、これらのIk、Ik+1の値から、フリンジスキャン法に用いる5個の干渉縞画像を求めるため、時系列画像Fjの中から、5組の補間演算用画像(F1,F2)、(F10,F11)、(F15,F16)、(F19,F20)、(F23,F24)を選択する。以下、補間演算用画像(FIk,FIk+1)と表す。
このため、演算処理部21は、補間演算用画像選択部を構成している。
なお、本ステップにおいて、表示部11に図7のようなグラフを表示したり、ステップS3で表示された図6のようなグラフ上で選択された時系列画像の輝度値データハイライトさせたりしてもよい。

0037

次にステップS5では、演算処理部21によって、ステップS4で選択された5組の補間演算用画像(FIk,FIk+1)を用いて、これらを線形補間する補間演算により、位相量がΔφ・(k−1)となる干渉縞画像Gkを算出する。
例えば、図7(b)に示すように、I2=10における位相量は、f(I2)=π/2−A2、I2+1=11における位相量は、f(I2+1)=π/2+B2であり、これらの間で、位相量は近似的には直線的に変化しているため、干渉縞画像G2は、F10、F11の輝度を比例配分して近似することができる。
そこで、演算処理部21は、次式(1)によって、干渉縞画像Gkを算出して、n個の干渉縞画像を取得する。
このため、ステップS5は、補間演算用画像選択工程で選択された補間演算用画像を用いて補間演算を行うことにより、n個の干渉縞画像を取得する干渉縞画像算出工程を構成している。また、演算処理部21は、干渉縞画像算出部を構成している。

0038

Ak=Δφ・(k−1)−f(Ik) ・・・(5)
Bk=f(Ik+1)−Δφ・(k−1) ・・・(6)
Gk=(FIk×Bk+FIk+1×Ak)/(Ak+Bk) ・・・(1)

0039

ここで、Gk、FIk、FIk+1は、ぞれぞれの干渉計画像の2次元画像データを表すものとする。例えば、CCD7の長辺方向、短辺方向を、それぞれx方向、y方向とすると、上記の計算は、画素ごとに行う必要があるため、Gk(x,y)、FIk(x,y)、FIk+1(x,y)と表すべきであるが、簡単のため(x,y)を省略している(以下も同様)。

0040

次にステップS6では、ステップS5で算出された干渉縞画像時系列画像G1、G2、G3、G4、G5を用いて、例えば、特許文献1などに開示された演算処理を演算処理部21で行って、面形状に対応する波面を算出する。そして、結果をグラフィック画像として表示部11に表示する(図8(b)、図9(b)参照)。
以上で、干渉縞計測が終了する。

0041

このように干渉計50による干渉縞計測では、ピエゾ素子8の移動精度や非線形性などの原因で、例えば、5バケット法などの計算に必要な位相増分Δφずつ位相シフトされた干渉縞画像を取得できない場合でも、取得された候補画像を補間演算することで、位相量がΔφ・(k−1)であると推定される干渉縞画像を算出することができる。このため、フリンジスキャン法に用いるn個の干渉縞画像の位相シフト量の誤差を格段に低減することができる。

0042

ここで、本実施形態の作用について測定例1、2、比較例1、2に基づいて説明する。
図8(a)は、測定例1における被検面の干渉縞画像である。図8(b)は、本発明の実施形態のフリンジスキャン干渉縞測定方法に基づいて算出した測定例1の波面算出結果の画像表示である。図8(c)は、比較例1のフリンジスキャン干渉縞測定方法に基づいて算出した波面の画像表示である。図9(a)は、測定例2における被検面の干渉縞画像である。図9(b)は、本発明の実施形態のフリンジスキャン干渉縞測定方法に基づいて算出した波面の画像表示である。図9(c)は、比較例2のフリンジスキャン干渉縞測定方法に基づいて算出した波面の画像表示である。

0043

測定例1は、本実施形態の候補画像取得工程、位相変化算出工程、補間演算用画像選択工程、および干渉縞画像算出工程を順次行った後、5個の干渉縞画像G1、G2、G3、G4、G5の画像データに基づいて、5バケット法によって波面を算出し、図8(b)にグラフィック画像で示すような結果が得られた。
本測定例の被検面5の面精度は、PV=0.12λと一般的な精度のレンズ面であり、滑らかに変化する波面が算出されている。
なお、測定例1では、図8(a)に示すように、被検面5と干渉計50との位置合わせ、光軸合わせを十分に行って、干渉縞本数が最小となる状態(ヌル状態)に調整してから測定している。
なお、本測定例では、レンズの設置状態によって発生する波面の傾きおよびパワー補正する演算(チルトパワー補正)を行っている。(以下、比較例1、測定例2、比較例2も同じ)。

0044

一方、比較例1は、測定例1の候補画像取得工程、および位相変化算出工程を行った後、位相量が0、π/2、π、3π/2、2πにそれぞれ最も近い5個の候補画像を選択し、これらの候補画像の画像データに基づいて、5バケット法によって波面を算出したものである。例えば、図8(a)の例で、A1<B1、A2>B2、A3>B3、A4<B4、A5<B5だった場合に、候補画像として、F1、F11、F16、F19、F23を選択し、これら5個の候補画像から波面を算出したもので、図8(c)に示すような結果が得られた。

0045

図8(b)、(c)によれば、測定例1と比較例1とは、あまり差がない結果が得られている。
これは、本実施形態の候補画像取得工程は、位相増分Δφを十分に細分できる大きさとしているため、補間演算を行わなくても、補間演算を行った場合とあまり変わらない結果になったと考えられる。

0046

測定例2は、測定例1と同一の被検面5を採用し、図9(a)に示すように、ヌル状態の調整を測定例1ほど十分には行わずに、同様の測定を行ったものである。この場合、干渉縞が縦縞となっていることから分かるように、被検面は図示左右方向にわずかに傾いている状態である。
測定例2で算出された波面は、図9(b)に示すように、図8(b)と、変わらない結果を得ることが出来る。

0047

一方、比較例2は、測定例2の候補画像取得工程、および位相変化算出工程を行った後、位相量が0、π/2、π、3π/2、2πにそれぞれ最も近い5個の候補画像を選択し、これらの候補画像の画像データに基づいて、5バケット法によって波面を算出したものであり、図9(c)に示すような結果が得られた。
図9(c)には、全体として、図9(b)と同様に被検面5の面形状が現れているが、図9(b)とは異なり、算出された波面には、図9(a)の干渉縞の位置に対応して、図示左右方向にわたって周期的に変化する形状が現れている。これは、被検面5には元々存在しない擬似的な形状である。

0048

5バケット法では、位相増分Δφに誤差がある場合、初期位相をθとすると、近似的に次式(16)で表現できる解析誤差ε(θ)が発生する。
ε(θ)=Asin(2θ)+B・cos(2θ)+C ・・・(16)
測定例1、比較例1のような十分なヌル状態では、初期位相θはレンズ全面にわたって略一定となるため、ε(θ)はレンズ全面で略一定の値となり、Δφに誤差があったとしても波面の計算結果への影響は現れにくい。
厳密には、使用した被検面5はPV=0.12λであるため、略一定と言っても初期位相θはレンズの場所によって0.48πの範囲では変わり、式(16)から0.48周期分のうねり成分程度は波面の計算結果へ加算されている。
一方、測定例2、比較例2のような不十分なヌル状態では、初期位相θはレンズの位置によって変わるため、ε(θ)もレンズの位置によって変わり、Δφに誤差がある場合は、波面の計算結果へ影響が現れる。
図9(a)を見ると、横方向に3本の干渉縞があることから、左端と右端では約6πの位相差があり、式(16)から約6周期のうねり成分が波面の計算結果へ加算されており、図9(c)からも読み取ることが出来る。

0049

なお、比較例1、2は、位相量の誤差ができるだけ少ない干渉縞画像を選択する方法となっているが、位相増分Δφを狙って移動させて、5個の干渉縞画像のみを取得する従来技術の場合、ピエゾ素子8の駆動誤差がそのまま位相量の誤差となり、この誤差を補正することができないため、上記比較例1、2よりもさらに精度が劣る結果となることは明らかである。

0050

以上に説明したように、本実施形態のフリンジスキャン干渉縞測定方法によれば、ピエゾ素子8の移動精度などによって、波面計算に必要な位相増分Δφを正確に有する干渉縞画像が取得できない場合であっても、位相増分Δφを細分するように位相をシフトさせて取得した候補画像に補間演算を施すことによって、波面計算に必要な位相増分Δφを有する干渉縞画像を算出することができる。
このため、ピエゾ素子8を校正したり、例えば静電容量センサなどの測長手段を用いてピエゾ素子8の移動量を計測してフィードバック制御したりすることなく、簡素な構成で、容易かつ高精度な測定を行うことができる。
また、ピエゾ素子8の校正が不要となるため、校正費用や、校正のために測定できなくなる期間も発生しないという利点がある。
また、CCD7のビデオレートに同期して候補画像を取得するので、候補画像を増やしても、短時間のうちに測定を行うことができる。
また、ピエゾ素子8は、非線形性の程度が悪いものや非線形性のバラツキが大きいものでも採用することができるので、安価な素子を採用することができる。
また、本実施形態では、ピエゾ素子8を一定方向に連続的に駆動するので、ヒステリシス特性による移動位置のバラツキや、間欠駆動のような停止時の位置振動などが発生しないため、位相シフト量に対応する移動位置が時系列に沿って単調増加する。そのため、候補画像の個数mを増やすことで測定分解能を確実に向上することができる。

0051

また、本実施形態のフリンジスキャン干渉縞測定方法によれば、補正計算用画像の位相量が、波面算出に必要な位相量からずれていても、補間演算により良好な干渉縞画像を推定することができるので、例えば、比較例1、2のように、補間演算を行わずに位相量が近い候補画像を選択する場合に比べて候補画像の取得個数を低減することができる。このため、測定時間をより低減して、迅速な測定を行うことができる。また候補画像の記憶スペース節減することができるため、安価な装置構成とすることができる。

0052

[変形例]
次に、本実施形態の変形例について説明する。
本変形例は、上記実施形態の補間演算用画像選択工程の補間演算として、キュービック(Cubic)補間を採用した点が上記実施形態と異なる。以下では、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。

0053

本変形例の補間演算用画像選択工程では、キュービック補間を行うため、上記実施形態のステップS3で求めた式(1)を用いて、上記実施形態と同様に、各Δφ・(k−1)の位相量について、Ikを算出する。そして、上記実施形態のステップS2で取得した候補画像のうちから、補正演算用画像として、FIk−1、FIk、FIk+1、FIk+2を選択し、次式(7)、(8)、(9)に基づいて、干渉縞画像Gkを算出する。
なお、式(9)の関数fは、上記式(2)であり、式(7)のαkは、式(9)から適宜の数値解法によって求める。
例えば、k=2の場合、図7(b)に示すように、補正演算用画像として、F9、F10、F11、F12を選択し、α2を用いる。

0054

0055

なお、本変形例では、Ik−1、Ik、Ik+1、Ik+2が、j=1,…,mの範囲にない場合のため、必要に応じて、次式(9)、(10)に示すようにダミーの候補画像を用意しておく。

0056

0057

このように、本変形例では、Δφ・(k−1)に最も近い位相量を有する候補画像(FIkまたはFIk+1)を含む4個の候補画像FIk−1、FIk、FIk+1、FIk+2に基づいて、キュービック補間演算を行って干渉縞画像Gkを算出する。
キュービック補間は、1階微分まで連続となる補間になっているため、線形補間に比べて、位相量がよりΔφ・(k−1)に近い干渉縞画像を算出することができるので高精度なフリンジスキャン干渉縞測定を行うことができる。
本変形例は、補間演算用画像選択工程において、線形補間とは異なる補間演算を用いた場合の例になっている。

0058

ここで、式(7)、(8)の導出について簡単に説明する。
キュービック補間では、式(12)に示すように、制御点Qj(j=1,…,m)が与えられたとき、制御点Qjと3次多項式C(j−t)の積和によって補間値c(t)(ただし、t=2〜m−1)を求める。t<2およびt>m−1の区間はキュービック補間では正しく補間できないが、ダミーの制御点を用意しておくなどしてあらかじめ制御点を増やしておけば良い。

0059

0060

ここで、多項式C(j−t)が満たす条件は、関数c(t)が制御点Q2,…,Qm—1を通り、連続微分(各制御点の右側微分と左側微分が同一)となる条件を満たすことである。そこで、3次多項式として、次式(13)のようにおいて、次式(14)の条件の下に、係数a0、…、a3、b0、…、b3を決定する。

0061

0062

式(14)の条件は7つであり、8つの未知数に対して1条件不足しているため、b3=Kとおいて他の未知数を解く。これにより次式(15)が得られる。

0063

0064

Kの値は適宜設定することができるが、−0.5〜−2の範囲が好ましい。K=−0.5では、ローパス気味に補間され、K=−2では高周波が強調される傾向があり、通常は−1が使われることが多い。
ここまで式(12)の多項式C(X)は全制御点と積和を取るものとして説明して来たが、|X|≧2ではC(X)=0であるため、ある区間t=J〜J+1に注目すると、C(X)と積和が必要な制御点はQj−1,…,Qj+2のみとなり、制御点QjをFj、C(X)をCubic(X)とすれば、式(7)が導出される。
本変形例の式(8)のCubic(X)は、上記式(15)のC(X)において、K=−1とした場合に相当する。

0065

なお、上記の説明では、補間演算として、線形補間演算、およびキュービック補間演算を用いる場合の例で説明したが、補間演算としてはこれらに限定されず、周知のどのような補間演算を用いてもよい。

0066

また、上記の説明では、候補画像F1の位相量を0とした場合の例で説明したが、ヌル状態を含んで、2π以上の範囲で候補画像を取得しておき、位相量0も含めて、Δφ・(k−1)(k=1,…,n)のすべてを補間演算によって算出してもよい。

0067

また、上記の説明では、干渉計として、フィゾー型干渉計を用いた例で説明したが、位相シフトされた干渉縞画像が取得できれば、干渉計の種類は、フィゾー型に限定されない。例えば、トワマングリーン型干渉計、マッハツェンダー型干渉計などを好適に採用することができる。

0068

また、上記の説明では、干渉計は、一例として、凹面を被計測面として用いる場合のフィゾー型干渉計の構成で説明したが、凸面や平面を被計測面とする場合の干渉計の配置、構成は周知であり、本発明のフリンジスキャン干渉縞計測方法は、いずれの場合にも用いることができる。

0069

また、上記の説明では、圧電素子に対して印加電圧を時間に比例して印加するようにしたが、印加電圧を時間に対して単調に変化させるのみでもよい。

0070

また、上記に説明では、候補画像の取得を一定のサンプリング時間ΔTごとに行う場合の例で説明したが、サンプリングタイミングは、取得された候補画像の位相量の変化を適宜の大きさに設定するため、不等間隔に設定してもよい。例えば、n個の干渉縞画像の位相シフト量の近傍でのみ、位相変化が細かく変化するようなサンプリングタイミングを設定してもよい。

0071

また、上記の説明では、光学素子移動機構を一定方向に連続的に駆動しているため、候補画像が位相シフト量の大きさの順に順次取得されるが、各干渉縞画像の位相シフト量の大小関係は、位相変化算出工程で並べ替えればよいため、候補画像取得工程では、位相シフト量の大きさの順序に関する情報を取得できれば、候補画像の取得順序は、必ずしも位相シフト量の大小に合わせなくてもよい。

0072

また、上記の説明では、位相変化算出工程で算出する位相変化を算出する近似式として、式(1)、(2)を用いる場合の例で説明したが、これらは一例であり、光学素子移動機構の移動特性に応じて、適宜の関数形を有する近似式を採用することができる。例えば、式(1)をiに関して4次以上の近似式としてもよい。また、図6の近似曲線33を1つの近似式で表すようにしてもよい。

0073

また、上記の説明では、光学素子移動機構として、圧電素子を用いた場合の例で説明したが、例えば使用波長の1〜2波長程度の範囲で光学素子を微小量ずつ移動できれば、圧電素子には限定されない。

0074

1レーザー光源
2コリメートレンズ
3ビームスプリッタ
4フィゾーレンズ
4aフィゾー面
5 被測定面
6集光レンズ
7 CCD(撮像部)
7a 撮像面
8ピエゾ素子(光学素子移動機構)
9 ピエゾ素子コントローラ
10測定制御部
20画像取得部
21演算処理部(位相変化算出部、補間演算用画像選択部、干渉縞画像算出部)
22移動制御部
23画像記憶部
30a 平行光(同一の光束)
30b透過光
30c 被測定面反射光(測定光)
30d参照面反射光(参照光)
50干渉計
Fj時系列画像(候補画像)
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