図面 (/)

技術 神経芽腫又は膠芽腫の治療薬

出願人 株式会社ジョイアップ
発明者 アバスフォトバテイサマーアブアリ
出願日 2009年11月30日 (10年2ヶ月経過) 出願番号 2009-271950
公開日 2011年6月9日 (8年8ヶ月経過) 公開番号 2011-111435
状態 拒絶査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 特有な方法による材料の調査、分析 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 加湿容器 合成サービス バーズ 高分化 転写後抑制 半固体状 マサチューセッツ 固形がん
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年6月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

新規作用機序に基づく、神経芽腫及び/又は膠芽腫治療薬、神経芽腫及び/又は膠芽腫の診断剤及び診断キット、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクファクター診断剤及び診断キット、神経芽腫及び/又は膠芽腫の治療薬もしくは予防薬の有効成分に係る物質スクリーニング方法を提供する。

解決手段

本発明の薬剤は、YB-1遺伝子及び/又はYB-1たんぱく質の機能を阻害する物質を有効成分として含有することにより、新規な作用機序に基づいて、神経芽腫や膠芽腫の治療に有効に用いることができる。また、YB-1遺伝子の発現もしくはYB-1の産生量、又はこれらへの影響を指標として測定することにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫、及びこれらのリスクファクターを診断することができ、神経芽腫及び/又は膠芽腫の予防薬もしくは治療薬の有効成分に係る物質をスクリーニングすることができる。

概要

背景

神経内分泌腫瘍である神経芽腫は、小児期においてもっとも発生頻度の高い頭蓋外固形がんであり、幼児期ではもっとも多く発生するがんである。これは、白血病中枢神経系腫瘍、そしてリンパ腫に続いて4番目に多い小児期の悪性腫瘍である。神経芽腫は、小児におけるがん死の3大原因のひとつであり、乳児におけるがん死の最大原因である。アメリカ合衆国においては、1年あたり約650の神経芽腫の新規症例が発生する。神経芽腫の症例のうち、およそ50%が、2未満の小児に生じる。予後不良な神経芽腫の特性として、N-myc遺伝子増幅することが知られている(非特許文献1、2、3)。

いっぽう、悪性神経膠腫は、成人においてもっとも多い脳腫瘍である。多発性種(GBM)は、もっとも発生頻度が高く、もっとも致死的で、そしてもっとも悪性な型の神経膠腫であり、ヒトのがんの中でもっとも高い致死率を示すもののひとつである。テモゾロミドカルボプラチン、そしてシスプラチンのような化学療法は穏やかな効果しかもたらさないため、悪性神経膠腫を治療するための別の手段として、効果的な分子標的療法の開発が求められている。分子標的療法としては、たとえば、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)、EGFRvIII、HER2、bcr-abl、血管内皮増殖因子VEGF)、哺乳類ラパマイシンターゲット血小板由来増殖因子、及びヒストン脱アセチル化酵素を標的とするものなどが試みられている。

高度に増殖性胚性細胞である神経芽細胞や膠芽細胞の再出現が、神経芽腫や膠芽腫を導く。このことは、これらの細胞において、本来は生後又は成体齢で減少するか消失するはずのさまざまなたんぱく質が再出現することと関連している。たとえば、Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)の再出現は膠芽腫と関連している(非特許文献4)。

Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)は、mRNA転写及び翻訳調節因子として働くDNA/RNA結合たんぱく質である。YB-1は、転写機構の主要部である。われわれは、マウス及びヒトの中枢神経系発生の初期にYB-1が関わっていることを示してきた。YB-1はまた、卵巣癌乳癌のようないくつかのヒト悪性腫瘍において多く発現している(非特許文献5、6)。しかしながら、神経芽腫とYB-1との関係はこれまでに報告されていない。また、YB-1を標的とした悪性腫瘍の分子標的治療法確立されていない。

概要

新規な作用機序に基づく、神経芽腫及び/又は膠芽腫の治療薬、神経芽腫及び/又は膠芽腫の診断剤及び診断キット、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクファクター診断剤及び診断キット、神経芽腫及び/又は膠芽腫の治療薬もしくは予防薬の有効成分に係る物質スクリーニング方法を提供する。本発明の薬剤は、YB-1遺伝子及び/又はYB-1たんぱく質の機能を阻害する物質を有効成分として含有することにより、新規な作用機序に基づいて、神経芽腫や膠芽腫の治療に有効に用いることができる。また、YB-1遺伝子の発現もしくはYB-1の産生量、又はこれらへの影響を指標として測定することにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫、及びこれらのリスクファクターを診断することができ、神経芽腫及び/又は膠芽腫の予防薬もしくは治療薬の有効成分に係る物質をスクリーニングすることができる。なし

目的

本発明は、神経芽腫及び/又は膠芽腫の治療薬、神経芽腫及び/又は膠芽腫の診断剤及び診断キット、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクファクター診断剤及び診断キット、神経芽腫及び/又は膠芽腫の治療薬もしくは予防薬の有効成分に係る物質のスクリーニング方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子及び/又はYB-1の機能を阻害する物質を有効成分として含有することを特徴とする、神経芽腫又は膠芽腫治療するための薬剤

請求項2

有効成分が、Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子を標的とするsiRNA、アンチセンス核酸、これらを発現するベクター、及びYB-1の中和抗体からなる群より選ばれるものであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。

請求項3

有効成分が、Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子を標的とするsiRNA又はこれを発現するベクターである、請求項1又は2に記載の薬剤。

請求項4

Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子を標的とするsiRNAが、配列番号:1に示すものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬剤。

請求項5

Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子の発現量及び/又はYB-1の産生量を指標として測定する手段を含む、神経芽腫及び/又は膠芽腫の診断剤又は診断キット

請求項6

YB-1遺伝子、YB-1を活性化もしくは不活性化する因子の遺伝子、及びそれらの制御領域からなる群より選ばれる1以上の領域における変異を測定する手段を含む、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクファクター診断剤又は診断キット。

請求項7

神経芽腫及び/又は膠芽腫の予防薬又は治療薬に用いることのできる物質をスクリーニングする方法であって、(1)被検物質を、YB-1遺伝子の転写制御領域及びYB-1遺伝子もしくはレポーター遺伝子を有する形質転換細胞又は試験管内発現系と接触させる工程、及び(2)YB-1遺伝子もしくはレポーター遺伝子の発現量又はYB-1もしくはレポーターたんぱく質の産生量を検出して、YB-1遺伝子の発現又はYB-1の産生を抑制する物質を得る工程、を含む方法。

請求項8

神経芽腫及び/又は膠芽腫の予防薬又は治療薬に用いることのできる物質をスクリーニングする方法であって、(1)被検物質を、YB-1又はYB-1の標的分子と接触させる工程、及び(2)被検物質と結合した又はしなかったYB-1又はYB-1の標的分子の量を検出して、YB-1の機能を抑制する物質を得る工程、を含む方法。

技術分野

0001

本発明は、神経芽腫及び/又は膠芽腫治療薬、神経芽腫及び/又は膠芽腫の診断剤及び診断キット、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクファクター診断剤及び診断キット、神経芽腫及び/又は膠芽腫の治療薬もしくは予防薬の有効成分に係る物質スクリーニング方法に関する。

背景技術

0002

神経内分泌腫瘍である神経芽腫は、小児期においてもっとも発生頻度の高い頭蓋外固形がんであり、幼児期ではもっとも多く発生するがんである。これは、白血病中枢神経系腫瘍、そしてリンパ腫に続いて4番目に多い小児期の悪性腫瘍である。神経芽腫は、小児におけるがん死の3大原因のひとつであり、乳児におけるがん死の最大原因である。アメリカ合衆国においては、1年あたり約650の神経芽腫の新規症例が発生する。神経芽腫の症例のうち、およそ50%が、2未満の小児に生じる。予後不良な神経芽腫の特性として、N-myc遺伝子増幅することが知られている(非特許文献1、2、3)。

0003

いっぽう、悪性神経膠腫は、成人においてもっとも多い脳腫瘍である。多発性種(GBM)は、もっとも発生頻度が高く、もっとも致死的で、そしてもっとも悪性な型の神経膠腫であり、ヒトのがんの中でもっとも高い致死率を示すもののひとつである。テモゾロミドカルボプラチン、そしてシスプラチンのような化学療法は穏やかな効果しかもたらさないため、悪性神経膠腫を治療するための別の手段として、効果的な分子標的療法の開発が求められている。分子標的療法としては、たとえば、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)、EGFRvIII、HER2、bcr-abl、血管内皮増殖因子VEGF)、哺乳類ラパマイシンターゲット血小板由来増殖因子、及びヒストン脱アセチル化酵素を標的とするものなどが試みられている。

0004

高度に増殖性胚性細胞である神経芽細胞や膠芽細胞の再出現が、神経芽腫や膠芽腫を導く。このことは、これらの細胞において、本来は生後又は成体齢で減少するか消失するはずのさまざまなたんぱく質が再出現することと関連している。たとえば、Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)の再出現は膠芽腫と関連している(非特許文献4)。

0005

Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)は、mRNA転写及び翻訳調節因子として働くDNA/RNA結合たんぱく質である。YB-1は、転写機構の主要部である。われわれは、マウス及びヒトの中枢神経系発生の初期にYB-1が関わっていることを示してきた。YB-1はまた、卵巣癌乳癌のようないくつかのヒト悪性腫瘍において多く発現している(非特許文献5、6)。しかしながら、神経芽腫とYB-1との関係はこれまでに報告されていない。また、YB-1を標的とした悪性腫瘍の分子標的治療法確立されていない。

先行技術

0006

Kohl NE, Kanda N, SchreckRR, et al. Transposition and amplification of oncogene-related sequences in human neuroblastomas. Cell 1983;35: 359-67.
BrodeurGM, Seeger RC, Schwab M, VarmusHE, Bishop JM. Amplification of N-myc in untreated human neuroblastomas correlates with advanced disease stage. Science (New York, NY 1984;224: 1121-4.
Seeger RC, Brodeur GM, Sather H, et al. Association of multiple copies of the N-myc oncogene with rapid progression of neuroblastomas. The New England journal of medicine 1985;313: 1111-6.
Faury D, Nantel A, Dunn SE, et al. Molecular profiling identifies prognostic subgroups of pediatric glioblastoma and shows increased YB-1 expression in tumors. J Clin Oncol 2007;25: 1196-208.
Kohno K, Uchiumi T, Niina I, et al. Transcription factors and drug resistance. Eur J Cancer 2005;41: 2577-86.
Yahata H, Kobayashi H, Kamura T, et al. Increased nuclear localization of transcription factor Yb-1 in acquired cisplatin-resistance ovarian cancer. J Cancer Res Clin Oncol 2002;128(11): 621-6.

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、神経芽腫及び/又は膠芽腫の治療薬、神経芽腫及び/又は膠芽腫の診断剤及び診断キット、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクファクター診断剤及び診断キット、神経芽腫及び/又は膠芽腫の治療薬もしくは予防薬の有効成分に係る物質のスクリーニング方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、ヒト胎児脳において、胚性神経細胞及びグリア細胞中にはYB-1が検出されるが、健康な成人の脳からYB-1は検出されないことを発見し、さらに、神経芽腫や膠芽腫のような悪性腫瘍において、YB-1が再出現することを見いだした。本発明者らはさらに、予後不良な神経芽腫のマーカーとして知られるN-mycの発現とYB-1の発現との間に相関を初めて見いだした。これらの発見は、YB-1が神経芽腫や膠芽腫のような悪性腫瘍の診断及び治療のための新たな分子標的となることを示唆した。本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、YB-1のsiRNAの投与によって神経芽腫細胞中のYB-1が効果的に下方制御されること、YB-1の下方制御により、神経芽腫細胞の増殖が有意に抑制されること、YB-1下方制御による神経芽腫細胞の増殖抑制効果は、N-mycの下方制御に匹敵することを見いだし、さらに同様の効果が膠芽腫細胞においても示されることを見いだして、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明は次の[1]〜[8]である。
[1]Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子及び/又はYB-1の機能を阻害する物質を有効成分として含有することを特徴とする、神経芽腫又は膠芽腫を治療するための薬剤
[2]有効成分が、Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子を標的とするsiRNA、アンチセンス核酸、これらを発現するベクター、及びYB-1の中和抗体からなる群より選ばれるものであることを特徴とする、[1]に記載の薬剤。
[3]有効成分が、Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子を標的とするsiRNA又はこれを発現するベクターである、[1]又は[2]に記載の薬剤。
[4]Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子を標的とするsiRNAが、配列番号:1に示すものである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の薬剤。
[5]Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子の発現量及び/又はYB-1の産生量を指標として測定する手段を含む、神経芽腫及び/又は膠芽腫の診断剤又は診断キット。
[6]YB-1遺伝子、YB-1を活性化もしくは不活性化する因子の遺伝子、及びそれらの制御領域からなる群より選ばれる1以上の領域における変異を測定する手段を含む、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクファクター診断剤又は診断キット。
[7]神経芽腫及び/又は膠芽腫の予防薬又は治療薬に用いることのできる物質をスクリーニングする方法であって、
(1)被検物質を、YB-1遺伝子の転写制御領域及びYB-1遺伝子もしくはレポーター遺伝子を有する形質転換細胞又は試験管内発現系と接触させる工程、及び
(2)YB-1遺伝子もしくはレポーター遺伝子の発現量又はYB-1もしくはレポーターたんぱく質の産生量を検出して、YB-1遺伝子の発現又はYB-1の産生を抑制する物質を得る工程、
を含む方法。
[8]神経芽腫及び/又は膠芽腫の予防薬又は治療薬に用いることのできる物質をスクリーニングする方法であって、
(1)被検物質を、YB-1又はYB-1の標的分子と接触させる工程、及び
(2)被検物質と結合した又はしなかったYB-1又はYB-1の標的分子の量を検出して、YB-1の機能を抑制する物質を得る工程、
を含む方法。

発明の効果

0010

本発明の薬剤は、YB-1遺伝子及び/又はYB-1たんぱく質の機能を阻害する物質を有効成分として含有することにより、新規な作用機序に基づいて優れた抗腫瘍効果を示し、神経芽腫や膠芽腫のような悪性腫瘍の治療に有効に用いることができる。

0011

また、本発明の診断剤及び診断キットは、YB-1遺伝子の発現量又はYB-1の産生量を指標として測定することにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫を有効に診断することができる。
また、本発明のリスクファクター診断剤及び診断キットは、YB-1遺伝子、YB-1を活性化もしくは不活性化する因子の遺伝子、及びそれらの制御領域からなる群より選ばれる1以上の領域における変異を測定することにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクファクターを有効に診断することができる。

0012

さらに、本発明のスクリーニング方法は、合成もしくは遺伝子組換え技術により得られた物質、天然由来の物質又はそれらの誘導体である物質が、YB-1遺伝子の発現及び/又はYB-1の産生もしくは機能を抑制するか否かを指標とすることにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫の治療薬もしくは予防薬の有効成分に係る物質を、効果的にスクリーニングすることができる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、神経芽腫細胞株におけるYB-1及びN-mycの発現を示す。
図2は、Kelly 神経芽腫細胞株におけるYB-1下方制御による細胞増殖抑制効果を示す。
図3は、膠芽腫細胞株におけるYB-1の発現を示す。
図4は、T98G細胞株における、たんぱく質レベル及びmRNAレベルでのYB-1の下方制御を示す。
図5は、T98G細胞株の細胞増殖に対するYB-1下方制御の影響を示す。

0014

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
神経芽腫又は膠芽腫を治療するための薬剤
本発明の薬剤は、YB-1遺伝子及び/又はYB-1の機能を阻害する物質を有効成分として含有することにより、新規な作用機序に基づいて優れた抗腫瘍効果を示し、なかでも神経芽腫や神経膠腫に対して優れた抗腫瘍効果を示し、神経芽腫や膠芽腫に対してもっとも優れた抗腫瘍効果を示す。

0015

神経芽腫は神経芽細胞腫とも呼ばれ、神経芽細胞に由来する悪性腫瘍をいう。また、神経膠腫は、神経膠細胞(グリア細胞ともいう)由来の悪性腫瘍をいい、毛様細胞星状細胞腫(WHOグレードI)、高分化星状細胞腫(WHOグレードII)、未分化星状細胞腫(WHOグレードIII)、多型性膠芽腫(WHOグレードIV)等の星状細胞腫、上衣細胞腫、稀突起膠腫、oligoastrocytoma等の混合性神経膠腫が含まれるが、これらに限定されない。
Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子及び/又はYB-1の機能を阻害する物質
本発明の薬剤はYボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子及び/又はYB-1の機能を阻害する物質を有効成分として含有する。

0016

YB-1遺伝子の機能を阻害する方法は、YB-1遺伝子のmRNAへの転写を抑制する方法であってもよいし、転写後のmRNAを切断又は破壊するなどしてYB-1たんぱく質の翻訳を抑制する方法であってもよい。YB-1遺伝子の機能を阻害する方法に用いることのできる物質の例としては、siRNA、アンチセンス核酸、及びこれらのsiRNA又はアンチセンス核酸を発現するベクターなどが挙げられるが、これらに限定されない。

0017

また、YB-1の機能を阻害する方法は、YB-1に結合する方法や、YB-1を破壊する方法などが挙げられる。YB-1の機能を阻害する方法に用いることのできる物質の例としては、YB-1の中和抗体があるが、これに限定されない。

0018

上記の物質について、以下にさらに詳しく説明する。
siRNA
遺伝子特異的な転写後抑制方法として、small interfering RNA(siRNA)を用いた方法がある。これは、標的遺伝子のmRNAと相同な配列からなるセンスRNAとこれと相補的な配列からなるアンチセンスRNAとからなる短鎖二本鎖RNAを細胞等に導入することにより、標的遺伝子mRNAに特異的かつ選択的に結合して破壊を誘導し、当該標的遺伝子を切断することにより、標的遺伝子の発現を効率よく阻害し、抑制する方法である。

0019

本発明で用いるsiRNAは、YB-1をコードする遺伝子を標的とするものであれば特に限定されるものではないが、15〜30塩基長程度のものが好ましく、18〜23塩基長程度のものがさらに好ましい。当業者は、たとえば配列番号:7で表されるヒトYB-1遺伝子配列をもとに、任意の領域を標的候補として、本発明で用いるsiRNAを設計することができる。具体的には、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6で表される配列を好ましい例として挙げることができる。配列番号:1で表される配列が最も好ましい。このように設計したsiRNAは、当業者が通常用いる方法で適宜合成してもよいし、一般の受託合成サービスを利用して合成してもよい。
アンチセンス核酸
本明細書において核酸とは、RNA又はDNAを意味する。遺伝子特異的な転写後抑制方法として、アンチセンス核酸を用いる方法も知られている。これは、標的mRNAに対して相補的な配列をもつアンチセンス核酸を細胞等に導入することで、標的mRNAがたんぱく質に翻訳されることを阻害する方法である。

0020

本発明で用いるアンチセンス核酸は、YB-1のmRNAを標的とするものであれば特に限定されるものではないが、50塩基長以下であることが好ましく、25塩基長以下であることがさらに好ましい。当業者は、たとえばヒトYB-1のmRNAの配列(配列番号:7)をもとに、任意の領域を適宜選択して、本発明で用いるアンチセンス核酸を作製することができる。本発明で用いるアンチセンス核酸は、YB-1のmRNAの標的配列と相補的な配列であることが好ましいが、遺伝子の発現を有効に抑制できる限りにおいて、完全に相補的でなくてもよく、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相補性を有する。本発明で用いるアンチセンス核酸は、YB-1のmRNAの標的配列と相補的な領域に加え、任意の非相補的な領域を有してもよい。また、本発明で用いるアンチセンス核酸は、任意の修飾を施されたものであってよい。
発現ベクター
本発明は、Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子及び/又はYB-1の機能を阻害する物質として、上記siRNAやアンチセンス核酸を発現するベクターを用いることもできる。本発明で使用する発現ベクターは、動物細胞形質転換することができるかぎり、どのような起源のものであってもよく、たとえばアデノウイルスレトロウイルスヘルペスウイルス等から適宜選択できる。

0021

当業者はこれらのベクターを用いて、YB-1遺伝子を標的とするsiRNA又はアンチセンス核酸を発現させるためのベクターを適宜作製することができる。
中和抗体
本発明は、YB-1の機能を阻害する物質として、中和抗体を用いることもできる。本発明で用いる中和抗体は、YB-1に結合してその機能を阻害することができれば、どのようなものでもよく、たとえばモノクローナル抗体ポリクローナル抗体であってよい。また、完全な抗体のみならず、特定の抗原結合特性を保持している断片(Fab's)もまた、本発明の中和抗体に含まれる。
薬剤
本発明の薬剤は、Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子及び/又はYB-1の機能を阻害する物質をそのままの形態でもよく、又は薬学的に許容される添加剤を配合した医薬組成物の形態であってもよい。

0022

本発明の薬剤は、薬理学的に許容される担体希釈剤もしくは賦形剤等と共に、一般的な方法により目的に応じて製剤化できる。希釈剤、担体の例としては、水、エタノールプロピレングリコールグリセリン等の液体希釈剤グルコースシュークロースデキストリンシクロデキストリンアラビアガム固体希釈剤又は賦形剤を挙げることができる。また、製剤化において一般的に使用される乳化剤緊張化剤(等張化剤)、緩衝剤溶解補助剤防腐剤安定化剤抗酸化剤等を適宜配合することもできる。

0023

本発明の薬剤を含む医薬組成物は、Yボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子及び/又はYB-1の機能を阻害する物質と好ましくない相互作用を生じない限り、必要に応じて、他の薬剤を混合して、又は他の薬剤と併用して用いることができる。

0024

本発明の薬剤を含む医薬組成物は、その形態は特に制限されるものではなく、例えば、粉末状、顆粒状、錠剤状などの固体状溶液状、乳液状、分散液状等の液状;又はペースト状等の半固体状等の、任意の形態に調整することができる。経口製剤としては、散剤顆粒剤細粒剤錠剤丸剤トローチ剤カプセル剤ソフトカプセル剤ハードカプセル剤を含む)、チュアブル剤、溶液剤などの剤形とすることができる。また、非経口製剤としては、注射剤点滴剤外用薬剤、吸入剤、又は座剤などの剤形とすることができる。

0025

本発明の薬剤を含む医薬組成物は、有効成分であるYボックス結合たんぱく質1(YB-1)遺伝子及び/又はYB-1の機能を阻害する物質を、好ましくは0.001〜95重量%、より好ましくは0.01〜95重量%、さらに好ましくは0.1〜95重量%で含有する形態として使用できる。

0026

本発明の薬剤の投与量や投与形態は、対象、病態やその進行状況投与経路剤型その他の条件によって適宜選択すればよいが、たとえば本発明のsiRNAの投与量は、通常、1日あたり0.001−100mg/kg体重であり、好ましくは1日あたり0.01−10mg/kgである。
診断剤及び診断キット
YB-1遺伝子及び/又はYB-1は、その発現量が神経芽腫及び/又は膠芽腫において増加することが本発明者らにより明らかにされた。したがって、患者生検試料を用いて、YB-1遺伝子及び/又はYB-1の発現量を測定することにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫の増悪化の程度を知ることができる。

0027

YB-1遺伝子の発現量を測定する場合は、例えば、患者の生検試料からRNAを抽出し、逆転写反応によってcDNA合成を行い、それを鋳型にしたリアルタイムPCR法を用いて測定することができる。また、同様に調製したcDNAを鋳型にして、適当なプライマーを用いて、通常のPCR反応によりYB-1遺伝子断片を増幅し、ゲル電気泳動によってYB-1遺伝子断片に相当するバンドの濃さを判定する方法によっても、YB-1遺伝子の発現量を測定することができる。ほかにも、ノーザンハイブリダイゼーション法cDNAアレイ法などをはじめRNA、DNAの定量法であればどのような方法もYB-1遺伝子の発現量の測定法として利用できる。

0028

また、神経芽腫及び/又は膠芽腫に罹患した患者の生検試料を用いて、YB-1の濃度を測定することにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫の増悪化の程度を知ることもできる。測定方法としては、例えば、YB-1に対する抗体を利用したELISA又はRIA法、HPLCマススペクトロメトリーによる定量法などが利用できる。この際、YB-1は完全な形である必要はなく、測定可能であれば断片化したものでも良い。

0029

本発明は上記の測定手段等を用いたYB-1遺伝子の発現量又はYB-1の産生量を測定する手段を含む神経芽腫及び/又は膠芽腫の診断剤又は診断キットを包含する。
リスクファクター診断剤及び診断キット
本発明によりYB-1遺伝子が神経芽腫及び/又は膠芽腫の診断マーカーとして用いうることが示された。したがって、YB-1遺伝子の発現量やYB-1産生量を増加させたり、YB-1を活性化させたりする遺伝子変異を検出することで、リスクファクターの診断が可能となる。また、YB-1遺伝子の発現量やYB-1産生量を減少させたり、YB-1を不活性化させたりする遺伝子変異を検出すれば、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクが低い可能性がある。このような遺伝子変異が存在しうる領域としては、たとえばYB-1遺伝子の制御領域、YB-1を活性化または不活性化する因子の遺伝子及びその制御領域などが挙げられる。これらの遺伝子上の変異を知る方法としては、例えば、患者の血液サンプル等の生体試料から定法に従ってDNAを分離し、当業者が通常行う方法によってその塩基配列を決定し、正常な配列と比較することにより行うことができる。また、一旦変異と神経芽腫及び/又は膠芽腫の関係が明確になれば、その変異のみを検出するDNAチップ法、SNP解析などにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクファクター診断を行うことができる。検出する遺伝子は単数でも複数でもよい。

0030

本発明は上記の解析手段等を用いた、YB-1遺伝子、YB-1を活性化もしくは不活性化する因子の遺伝子、及びそれらの制御領域からなる群より選ばれる1以上の領域における変異を測定する手段を含む、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクファクター診断剤又は診断キットを包含する。
スクリーニング方法
本願発明に係る薬剤の有効成分として用いうる物質のスクリーニング法としては、例えばYB-1遺伝子の発現抑制機能を指標とする方法や、YB-1の機能抑制効果を指標とする方法などが挙げられる。

0031

YB-1遺伝子の発現抑制機能を指標とする方法では、たとえば、(1)被検物質を、YB-1遺伝子の転写制御領域及びYB-1遺伝子もしくはレポーター遺伝子を有する形質転換細胞又は試験管内発現系と接触させ、及び(2)YB-1遺伝子もしくはレポーター遺伝子の発現量又はYB-1もしくはレポーターたんぱく質の産生量を検出することにより、YB-1遺伝子の発現又はYB-1の産生を抑制する物質を得ることができる。

0032

YB-1の機能抑制効果を指標とする方法では、たとえば、(1)被検物質を、YB-1又はYB-1の標的分子と接触させ、及び(2)被検物質と結合した又はしなかったYB-1又はYB-1の標的分子の量を検出することにより、YB-1の機能を抑制する物質を得ることができる。

0033

ここで、被検物質は合成もしくは遺伝子組み換え技術によって得られた物質であってもよく、天然由来の物質であってもよく、これらの誘導体であってもよい。
本発明のスクリーニング方法に用いるYB-1遺伝子若しくはYB-1又はそれらの誘導体は、何れの種由来のものであってもよく、例えばヒトYB-1遺伝子(アクセッション番号:NM_004559、配列番号:7)及びその翻訳産物(配列番号:8)、ラットYB-1遺伝子(アクセッション番号:NM_031563.3、配列番号:9)及びその翻訳産物(配列番号:10)、マウスYB-1遺伝子(アクセッション番号:NM_011732.2、配列番号:11)及びその翻訳産物(配列番号:12)等哺乳動物由来のものが挙げられる。これらの中から、薬剤の投与対象研究開発目的に応じて、適切なものを選択すればよい。

0034

また、YB-1の標的分子としては、YB-1が相互作用する分子や、YB-1の発現が直接その発現量に影響を及ぼす分子であればどのようなものでもよく、低分子であっても、たんぱく質のような高分子であってもよい。

0035

本発明のスクリーニング方法で用いる形質転換細胞は、原核細胞由来であっても、真核細胞由来であってもよく、たとえば大腸菌酵母昆虫細胞哺乳類細胞等を用いることができる。

0036

また、本発明のスクリーニング方法で用いる試験管内発現系は、無細胞でたんぱく質の発現または合成が可能な系であればどのようなものであってもよく、たとえばmRNAからのたんぱく質の試験管内翻訳に必要な試薬と、必要に応じて遺伝子からのmRNAの試験管内転写に必要な試薬を含む反応液であり、当業者は目的に応じて適切な系を選択することができる。

0037

本発明のスクリーニング方法で用いるレポーター遺伝子としては、例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-ガラクトシダーゼ(β-Gal)、ルシフェラーゼ緑色蛍光たんぱく質(GFP)などが利用できるが、これらに限定されない。

0038

被検物質の添加によって変化するレポーターたんぱく質の量は、酵素活性として測定することもできるし、抗体などを用いて測定することもできる。
被検物質の添加によって変化するYB-1遺伝子もしくはレポーター遺伝子の発現量、及びYB-1もしくはYB-1の標的分子の産生量は、上述したRNA、DNA、たんぱく質の検出方法定量方法によって測定することができる。

0039

これらの方法を用いることにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫の治療薬のみならず予防薬の有効成分もまたスクリーニングすることができる。
本発明を以下の実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0040

本実施例で用いた材料および方法を以下に示す。
細胞株及び試薬
IMR-32、SK-N-SH及びKelly神経芽腫細胞株、及びグレード4の膠芽腫に由来するT98G及びU251細胞株は、ATCC社から購入した。IMR-32、SK-N-SH細胞株は、それぞれMEMDMEM中で培養し、そしてT98G、U251、Kelly細胞株はRPM1で培養した。すべての培地は10%FBSと1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有した。
抗体
ウサギ抗YB-1抗体は、Cell Signaling Technology(デンバーズマサチューセッツ州、米国)から購入した。マウス抗N-Myc抗体(C-19)はSanta Cruz Biotechnology, Inc.(サンクルーズカリフォルニア州、米国)から購入した。
免疫組織化学
In vitroにおけるYB-1の状態を評価するため、IMR-32、SK-N-SH及びKelly神経芽腫細胞株、及びT98G膠芽腫細胞株を、免疫組織化学によって評価した。細胞(1×105)をガラスカバースリップ上に播種し、リン酸緩衝生理食塩水PBS)で洗浄し、2%ホルムアルデヒドで20分間固定し、PBSで2回洗浄し、その後、0.1%のサポニンシグマ社製)を含有するPBSとともに30分間インキュベートした。次に、このカバースリップをPBSで洗浄し、10%ウシ血清アルブミン及び2%ヤギ血清を含有する緩衝液中に溶解したウサギ抗YB-1抗体及びマウス抗N-myc抗体(C-19)とともに、加湿容器中、室温で1時間インキュベートした。PBSで3回洗浄後、スライドガラスをAlexa 488抗ウサギ抗体及びAlexa546抗マウス抗体とともに1時間インキュベートし、3回洗浄し、その後VECTASHIELD(登録商標) mounting medium(Vector Laboratories, カリフォルニア州, 米国)を用いてマウントした。核の染色には、4,6-ジアミジノ-2-フェニルインドールを用いた。
siRNAを用いたYB-1又はN-mycの下方制御
代表的な神経芽腫細胞であるKelly及び代表的な膠芽腫細胞株であるT98Gを、50 nMのYB-1 siRNA又はコントロールsiRNAで形質転換した。Kelly細胞株はまた、N-myc下方制御の研究のため、N-myc siRNA又はコントロールsiRNA(AllStars Neg. Control siRNA)で形質転換した。すべてのsiRNAはQiagenから購入した。メーカーインビトロジェン)の指示するプロトコルにしたがって、Lipofectamin(商標) RNAiMAXを、siRNAトランスフェクションに用いた。
増殖アッセイ
YB-1 siRNA、N-myc siRNA、及びコントロールsiRNAで処理した細胞をトリプシン処理し、24ウェルディッシュに再度播種した。ベクトコールターカウンターを用いて、0時間、24時間、48時間、72時間の細胞数カウントすることにより、増殖アッセイを行った。

0041

《神経芽腫におけるYB-1ターゲティング
神経芽腫細胞におけるYB-1及びN-mycの発現解析
図1に示すように、N-mycが増幅しているIMR-32及びKelly細胞株は、著しく多いYB-1の発現を示した。多数の細胞で、細胞質におけるYB-1の発現は、核におけるN-mycの集積と関連していた。

0042

N-mycとYB-1の共発現は、神経芽細胞腫患者においてin vivoでも観察された(データは省略する)。In vivo 及びin vitroの両方においてYB-1とN-mycの発現が相関しており、YB-1がN-mycと同様に評価されることから、YB-1が予後マーカーとしても見なせることが示唆される。
神経芽腫細胞株におけるYB-1の下方制御
次に、神経芽腫細胞株の増殖に対するYB-1の下方制御の影響を評価するために、YB-1 siRNAを用いて、Kelly 神経芽腫細胞株中のYB-1の発現を抑制した。ここでは、N-mycによる下方制御による細胞増殖抑制効果と、YB-1下方制御による細胞増殖抑制効果を比較して評価した。その結果を図2に示す。

0043

YB-1の下方制御は、細胞増殖を有意に抑制した。YB-1の下方制御及びN-mycの下方制御はともに、N-mycを増幅する神経芽腫細胞であるKellyの増殖を抑制した。興味深いことに、YB-1の増殖抑制効果は、N-mycに匹敵した。

実施例

0044

《膠芽腫におけるYB-1ターゲティング》
膠芽腫細胞株におけるYB-1の発現解析
WHOグレード4の多形性膠芽腫に由来するT98G及びU251細胞株におけるYB-1の発現を、免疫ブロット法及び免疫組織化学の両方で評価した。図3に示すように、両方の細胞でYB-1は高度に発現していた。
膠芽腫細胞株におけるYB-1の下方制御
T98G細胞株において、YB-1を下方制御した。YB-1の下方制御は、免疫ブロット法及びmRNA発現についてのリアルタイムPCRによって確認した。図4に示すように、コントロールsiRNAで形質転換した場合にくらべて、50 nMのYB-1 siRNAを用いた場合、YB-1の発現は有意に下方制御された。
細胞増殖に対するYB-1下方制御の影響
YB-1を下方制御することによる細胞増殖への影響を評価するために、YB-1 siRNAによって下方制御された細胞の増殖率を評価した。まず、T98G細胞をYB-1 siRNAによって形質転換した。YB-1 siRNAによって下方制御された細胞の増殖率を、コントロールsiRNAで形質転換した細胞と比較した。その結果、図5に示すように、YB-1の下方制御は、T98G細胞の細胞増殖を有意に減少させた。

0045

本発明の薬剤は、YB-1遺伝子及び/又はYB-1たんぱく質の機能を阻害する物質を有効成分として含有することにより、新規な作用機序に基づいて優れた抗腫瘍効果を示し、神経芽腫や膠芽腫のような悪性腫瘍の治療に有効に用いることができる。

0046

また、本発明の診断剤及び診断キットは、YB-1遺伝子の発現量又はYB-1の産生量を指標として測定することにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫を有効に診断することができる。
また、本発明のリスクファクター診断剤及び診断キットは、YB-1遺伝子、YB-1を活性化もしくは不活性化する因子の遺伝子、及びそれらの制御領域からなる群より選ばれる1以上の領域における変異を測定することにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫のリスクファクターを有効に診断することができる。

0047

さらに、本発明のスクリーニング方法は、合成もしくは遺伝子組換え技術により得られた物質、天然由来の物質又はそれらの誘導体である物質が、YB-1遺伝子の発現及び/又はYB-1の産生もしくは機能を抑制するか否かを指標とすることにより、神経芽腫及び/又は膠芽腫の治療薬もしくは予防薬の有効成分に係る物質を、効果的にスクリーニングすることができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ