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技術 金属製中空容器の内面研磨処理方法

出願人 株式会社神戸製鋼所神鋼機器工業株式会社
発明者 赤澤浩一原宣宏和田耕一鳥飼巧
出願日 2009年11月12日 (10年7ヶ月経過) 出願番号 2009-259124
公開日 2011年6月2日 (9年0ヶ月経過) 公開番号 2011-104666
状態 特許登録済
技術分野 仕上研磨、刃砥ぎ、特定研削機構による研削
主要キーワード 研磨メディア 塩基性洗浄液 内面研磨 自転方向 バレル研磨装置 公転軸 両方向矢印 高圧ガス容器
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

金属製中空容器内面研磨を、数時間以内の極めて短い時間且つ簡単な方法で実施することができ、また、コーティングを施さなくても、その容器の内面に錆が発生せず、吸着水を低減することができる金属製中空容器の内面研磨処理方法を提供することを課題とする。

解決手段

金属製中空容器1の内部空間に装入される水3が研磨メディア2の上面を覆う状態とすると共に、その容器1の内部空間に装入される研磨メディア2と水3が容器1の内部空間内で占める総体積比率を12.5〜60%とし、容器1の軸心4をその鉛直方向に対して傾斜させた状態で軸心4を回転軸として、容器1を50〜150m/minの周速度で回転させて容器1の内面を研磨する。

概要

背景

高純度アンモニア塩素フロン等を、圧縮ガスまたは液化ガスとして金属製中空容器高圧充填し、ガス貯蔵運搬手段として用いる高圧ガスボンベは、近年、半導体産業などの業界の伸展に伴い、その需要が益々広がる傾向にあり、その増加が見込める状況になっている。特に半導体産業では、各種の高純度ガスが用いられるため、高圧ガスボンベに充填されるガスが高い純度を維持することが必要となっている。

従来から用いられている高圧ガスボンベの内面には、防錆のためリン酸亜鉛皮膜等のコーティングが施されていたが、そのコーティングに吸着水が存在すると、充填される高純度ガスなどが純度の低下を引き起こすことが問題となっていた。

その対策の一つとして、高圧ガスボンベの内面を鏡面近くまで研磨した状態とし、その内面の清浄性を保つように高圧ガスボンベの内面を研磨処理する方法が、リン酸亜鉛皮膜等のコーティングに替えて実施されることがあった。この高圧ガスボンベの内面を鏡面近くまで研磨する方法としては、高圧ガスボンベの内部空間に研磨メディア等を装入し、高圧ガスボンベを様々な方向に回転させることで、その内面を研磨する回転研磨方法が従来から実施されている。

その回転研磨方法の一例として、特許文献1記載の中空体内面研磨方法や、特許文献2記載の高圧ガス容器内面処理方法が提案されている。

特許文献1記載の中空体の内面研磨方法は、中空体の内部空間に研磨メディアを部分的に充填し、その中空体を自転させつつ、その中空体の自転軸から離れた公転軸を中心に中空体を自転方向とは逆方向に公転させることで、中空体の内面を物理的に研磨する方法である。

この中空体の内面研磨方法では、中空体を自転させると共に、中空体の自転軸から離れた公転軸を中心に中空体を自転方向とは逆方向に公転させるようにしたので、研磨メディアを遠心力により中空体の内面に押し付ける作用が働き、これにより研磨除去量飛躍的に増加し、短時間に研磨することができるという効果があるということである。

しかしながら、中空体を公転させずに一方向の回転のみ、すなわち自転のみで回転させた場合は、その表1に示すように、連続24時間の内面研磨で多くとも4.2μm厚しか研磨除去することができず、研磨除去量を増加させて研磨時間を短縮するためには、自転に加えて公転が必要になり、その研磨装置の構成や研磨作業が極めて複雑になることが推測され、また、実際に複雑な構成の装置を使用して複雑な作業を行うことが開示されている。

また、特許文献2記載の高純度ガス充填用高圧ガス容器の内面処理方法は、高圧ガス容器の内面を研磨処理した後、塩基性洗浄液又は塩基性洗浄液に酸化剤を含む溶液洗浄する方法である。

この高圧ガス容器の内面処理方法により、半導体高純度ガスのボンベ貯蔵中における純度低下を実用上充分な程度に防止することができると記載されてはいるが、その研磨法の事例は、ボンベ内部に研磨材と水及びコンパウンドを収容した状態で水平に支持し、ボンベをその軸心周りで右周りに自転させつつ、水平軸心周りで左周りに公転させるバレル研磨装置に取り付けてバレル研磨を行う研磨法が開示されているに過ぎない。

この研磨法でも、高圧ガス容器の自転に加えて公転を行う必要があり、その研磨装置の構成や研磨作業が極めて複雑になることが予想できる。また、洗浄には、塩基性洗浄液又は塩基性洗浄液に酸化剤を含む溶液が必要になるため、溶剤の調整等、洗浄工程が複雑になると思料される。

概要

金属製中空容器の内面の研磨を、数時間以内の極めて短い時間且つ簡単な方法で実施することができ、また、コーティングを施さなくても、その容器の内面に錆が発生せず、吸着水を低減することができる金属製中空容器の内面研磨処理方法を提供することを課題とする。金属製中空容器1の内部空間に装入される水3が研磨メディア2の上面を覆う状態とすると共に、その容器1の内部空間に装入される研磨メディア2と水3が容器1の内部空間内で占める総体積比率を12.5〜60%とし、容器1の軸心4をその鉛直方向に対して傾斜させた状態で軸心4を回転軸として、容器1を50〜150m/minの周速度で回転させて容器1の内面を研磨する。

目的

本発明は、上記従来の問題を解消せんとしてなされたもので、金属製中空容器の内面の研磨を、数時間以内の極めて短い時間で、しかも金属製中空容器を回転させる構成を複雑にせずとも実施することができ、また、リン酸亜鉛皮膜などのコーティングを施さなくても、金属製中空容器の内面に錆が発生せず、吸着水を低減することができる金属製中空容器の内面研磨処理方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

金属製中空容器の内部空間に研磨メディアと水を装入し、前記金属製中空容器をその軸心周りに回転させて前記金属製中空容器の内面研磨する研磨工程と、その研磨工程の後に前記金属製中空容器の内面を洗浄し、洗浄後にその内面を乾燥させる洗浄・乾燥工程を備えた金属製中空容器の内面研磨処理方法であって、前記研磨工程で、前記金属製中空容器内部空間に装入される水が研磨メディアの上面を覆う状態とすると共に、前記金属製中空容器の内部空間に装入される研磨メディアと水が、前記金属製中空容器の内部空間内で占める総体積比率を12.5〜60%とし、前記金属製中空容器の軸心をその鉛直方向に対して傾斜させた状態でその軸心を回転軸として、前記金属製中空容器を50〜150m/minの周速度で回転させて前記金属製中空容器の内面を研磨することを特徴とする金属製中空容器の内面研磨処理方法。

請求項2

前記洗浄・乾燥工程で、前記金属製中空容器の内面の洗浄を、純水を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の金属製中空容器の内面研磨処理方法。

請求項3

前記金属製中空容器の内面の洗浄に用いる純水の温度が50〜100℃であることを特徴とする請求項2記載の金属製中空容器の内面研磨処理方法。

請求項4

前記研磨工程で、軸心を回転軸として回転する前記金属製中空容器を、その軸心の中間部を支点として揺動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金属製中空容器の内面研磨処理方法。

技術分野

0001

本発明は、高圧ガスボンベなどの金属製中空容器の内部空間に、アルミナなどの研磨メディア等を装入して、その金属製中空容器を回転させることでその内面研磨する金属製中空容器の内面研磨処理方法に関するものである。

背景技術

0002

高純度アンモニア塩素フロン等を、圧縮ガスまたは液化ガスとして金属製中空容器に高圧充填し、ガス貯蔵運搬手段として用いる高圧ガスボンベは、近年、半導体産業などの業界の伸展に伴い、その需要が益々広がる傾向にあり、その増加が見込める状況になっている。特に半導体産業では、各種の高純度ガスが用いられるため、高圧ガスボンベに充填されるガスが高い純度を維持することが必要となっている。

0003

従来から用いられている高圧ガスボンベの内面には、防錆のためリン酸亜鉛皮膜等のコーティングが施されていたが、そのコーティングに吸着水が存在すると、充填される高純度ガスなどが純度の低下を引き起こすことが問題となっていた。

0004

その対策の一つとして、高圧ガスボンベの内面を鏡面近くまで研磨した状態とし、その内面の清浄性を保つように高圧ガスボンベの内面を研磨処理する方法が、リン酸亜鉛皮膜等のコーティングに替えて実施されることがあった。この高圧ガスボンベの内面を鏡面近くまで研磨する方法としては、高圧ガスボンベの内部空間に研磨メディア等を装入し、高圧ガスボンベを様々な方向に回転させることで、その内面を研磨する回転研磨方法が従来から実施されている。

0005

その回転研磨方法の一例として、特許文献1記載の中空体内面研磨方法や、特許文献2記載の高圧ガス容器内面処理方法が提案されている。

0006

特許文献1記載の中空体の内面研磨方法は、中空体の内部空間に研磨メディアを部分的に充填し、その中空体を自転させつつ、その中空体の自転軸から離れた公転軸を中心に中空体を自転方向とは逆方向に公転させることで、中空体の内面を物理的に研磨する方法である。

0007

この中空体の内面研磨方法では、中空体を自転させると共に、中空体の自転軸から離れた公転軸を中心に中空体を自転方向とは逆方向に公転させるようにしたので、研磨メディアを遠心力により中空体の内面に押し付ける作用が働き、これにより研磨除去量飛躍的に増加し、短時間に研磨することができるという効果があるということである。

0008

しかしながら、中空体を公転させずに一方向の回転のみ、すなわち自転のみで回転させた場合は、その表1に示すように、連続24時間の内面研磨で多くとも4.2μm厚しか研磨除去することができず、研磨除去量を増加させて研磨時間を短縮するためには、自転に加えて公転が必要になり、その研磨装置の構成や研磨作業が極めて複雑になることが推測され、また、実際に複雑な構成の装置を使用して複雑な作業を行うことが開示されている。

0009

また、特許文献2記載の高純度ガス充填用高圧ガス容器の内面処理方法は、高圧ガス容器の内面を研磨処理した後、塩基性洗浄液又は塩基性洗浄液に酸化剤を含む溶液洗浄する方法である。

0010

この高圧ガス容器の内面処理方法により、半導体高純度ガスのボンベ貯蔵中における純度低下を実用上充分な程度に防止することができると記載されてはいるが、その研磨法の事例は、ボンベ内部に研磨材と水及びコンパウンドを収容した状態で水平に支持し、ボンベをその軸心周りで右周りに自転させつつ、水平軸心周りで左周りに公転させるバレル研磨装置に取り付けてバレル研磨を行う研磨法が開示されているに過ぎない。

0011

この研磨法でも、高圧ガス容器の自転に加えて公転を行う必要があり、その研磨装置の構成や研磨作業が極めて複雑になることが予想できる。また、洗浄には、塩基性洗浄液又は塩基性洗浄液に酸化剤を含む溶液が必要になるため、溶剤の調整等、洗浄工程が複雑になると思料される。

先行技術

0012

特開2000−71164号公報
特開2000−257795号公報

発明が解決しようとする課題

0013

本発明は、上記従来の問題を解消せんとしてなされたもので、金属製中空容器の内面の研磨を、数時間以内の極めて短い時間で、しかも金属製中空容器を回転させる構成を複雑にせずとも実施することができ、また、リン酸亜鉛皮膜などのコーティングを施さなくても、金属製中空容器の内面に錆が発生せず、吸着水を低減することができる金属製中空容器の内面研磨処理方法を提供することを課題とするものである。

課題を解決するための手段

0014

請求項1記載の発明は、金属製中空容器の内部空間に研磨メディアと水を装入し、前記金属製中空容器をその軸心周りに回転させて前記金属製中空容器の内面を研磨する研磨工程と、その研磨工程の後に前記金属製中空容器の内面を洗浄し、洗浄後にその内面を乾燥させる洗浄・乾燥工程を備えた金属製中空容器の内面研磨処理方法であって、前記研磨工程で、前記金属製中空容器内部空間に装入される水が研磨メディアの上面を覆う状態とすると共に、前記金属製中空容器の内部空間に装入される研磨メディアと水が、前記金属製中空容器の内部空間内で占める総体積比率を12.5〜60%とし、前記金属製中空容器の軸心をその鉛直方向に対して傾斜させた状態でその軸心を回転軸として、前記金属製中空容器を50〜150m/minの周速度で回転させて前記金属製中空容器の内面を研磨することを特徴とする金属製中空容器の内面研磨処理方法である。

0015

請求項2記載の発明は、前記洗浄・乾燥工程で、前記金属製中空容器の内面の洗浄を、純水を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の金属製中空容器の内面研磨処理方法である。

0016

請求項3記載の発明は、前記金属製中空容器の内面の洗浄に用いる純水の温度が50〜100℃であることを特徴とする請求項2記載の金属製中空容器の内面研磨処理方法である。

0017

請求項4記載の発明は、前記研磨工程で、軸心を回転軸として回転する前記金属製中空容器を、その軸心の中間部を支点として揺動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金属製中空容器の内面研磨処理方法である。

発明の効果

0018

本発明の請求項1記載の金属製中空容器の内面研磨処理方法によると、金属製中空容器の内面の研磨を、数時間以内の極めて短い時間で、しかも金属製中空容器をその軸心周りに回転させるだけの簡単な方法で実施することができ、また、金属製中空容器の内面の水分吸着を低減することで、高純度ガスの純度を維持することが可能になり、金属製中空容器の内面を清浄面に短時間で容易に仕上げることができる。

0019

本発明の請求項2記載の金属製中空容器の内面研磨処理方法によると、金属製中空容器の内面の洗浄に不純物を殆ど含有しない純水を用いることで、洗浄後の金属製中空容器の内面を錆が発生しない清浄面に保つことができる。

0020

本発明の請求項3記載の金属製中空容器の内面研磨処理方法によると、洗浄に温度が50〜100℃の純水を用いることにより、洗浄後の金属製中空容器の内面の乾燥を、迅速且つ容易に行うことができる。

0021

本発明の請求項4記載の金属製中空容器の内面研磨処理方法によると、金属製中空容器の内面のうち、研磨が行き届かない可能性が危惧される両端面も確実に研磨することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の一実施形態を示すもので、金属製中空容器を回転させたときの金属製中空容器を透過させた状態を示す斜視図である。
実施例1、2に用いた模擬の金属製中空容器を示す縦断面図である。
実施例1の回転研磨試験で求めた鋼管内面の研磨量の測定結果を示すグラフ図である。

0023

以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて更に詳細に説明する。

0024

図1は、本発明の金属製中空容器の研磨処理方法の一実施形態を示すもので、金属製中空容器1を回転させたときの金属製中空容器1を透過させて、その内部の状態を表した説明図である。この金属製中空容器1は、アンモニア、塩素、フロン等を、圧縮ガスまたは液化ガスとして高圧で充填し、ガスの貯蔵や運搬手段として用いる高圧ガスボンベとして使用されるものであり、中空円筒状であって、その両端面は閉塞されており、その一端面側には開口(図示せず)が設けられている。本発明は、この金属製中空容器1の内部に圧縮ガスや液化ガスを充填する前の金属製中空容器1の内面の研磨処理方法に関する発明である。

0025

本発明の金属製中空容器の研磨処理方法は、金属製中空容器1の内部空間に研磨メディア2と水3を装入し、その金属製中空容器1を軸心4周りに回転させて金属製中空容器1の内面を研磨する研磨工程と、その研磨工程の後に金属製中空容器1の内面を洗浄し、洗浄後にその内面を乾燥させる洗浄・乾燥工程を少なくとも備えている。

0026

まず、研磨工程の際には、金属製中空容器1の内部空間に、金属製中空容器1の一端面側に設けられた開口から、研磨メディア2と水3が装入されて、金属製中空容器1を回転させることで、金属製中空容器1の内面の研磨が実施されるが、ここで示す研磨メディア2としては、酸化アルミニウム炭化ケイ素酸化ジルコニウムなどのセラミックス材を用いることができ、また、水3としては常温の水を用いることが好ましい。この研磨メディア2と水3の装入時には、金属製中空容器1の内部空間に研磨メディア2と水3の装入が完了した状態で、水3が研磨メディア2の上面を覆うように、その装入量を調整して研磨メディア2と水3を装入する。

0027

この研磨メディア2と水3を、金属製中空容器1の内部空間に装入後、金属製中空容器1をその軸心4を回転軸として回転させることで、金属製中空容器1の内面の研磨が実施される。この金属製中空容器1の回転研磨は、図1に示すように、金属製中空容器1の軸心4が鉛直方向に対して角度θだけ傾斜させた状態として実施される。この傾斜角度θは、鉛直方向に対して0°<θ<90°の範囲、すなわち少なくとも傾斜しておれば良く、金属製中空容器1を傾斜させて回転研磨を実施することで研磨が行き届かない可能性が危惧される金属製中空容器1の両端面を研磨することができる。

0028

金属製中空容器1の軸心4をその鉛直方向に対して傾斜させた状態で、その軸心4を回転軸として回転させることで、金属製中空容器1に装入する研磨メディア2と水3の、金属製中空容器1の内部空間内で占める総体積比率が50%未満であっても、研磨が行き届かない可能性が危惧される金属製中空容器1の両端面も研磨することができる。また、図1両方向矢印Aで示すように、金属製中空容器1の軸心4の中間部、好ましくは中心点Cを支点として揺動させることで、金属製中空容器1の両端面を更に確実に研磨することができる。

0029

また、金属製中空容器1の内部空間に装入される研磨メディア2と水3は、金属製中空容器1の内部空間内で、その内部空間の容積に対して占める総体積比率が12.5〜60%になるようにして装入する必要がある。金属製中空容器1の内周面のみならず、研磨が行き届かない可能性が危惧される両端面も確実に研磨するためには、研磨メディア2と水3が金属製中空容器1の内部空間内で占める総体積比率を少なくとも12.5%とする必要がある。一方、研磨メディア2と水3が金属製中空容器1の内部空間内で占める総体積比率が60%を超えるようにして研磨メディア2と水3を装入しても、回転研磨の過程で、金属製中空容器1の内面と接触しない研磨メディア2が増加するため、その上限は60%とする。

0030

一般に、金属製中空容器1の回転速度(周速度)が速くなるほど、金属製中空容器1の内面と研磨メディア2との相対速度が増大し、研磨速度が増加して研磨効率が向上する。研磨メディア2と水3が金属製中空容器1の内部空間内で占める総体積比率が12.5〜60%の場合は、回転速度(周速度)が50m/min以上であれば、研磨効率が向上する。一方、金属製中空容器1の回転速度(周速度)を150m/minを超えて速くすると、金属製中空容器1の内面と研磨メディア2との相対速度が変化して研磨速度が低下し、研磨効率が低減する。従って、研磨メディア2と水3が金属製中空容器1の内部空間内で占める総体積比率に応じて、金属製中空容器1の回転速度(周速度)は、50〜150m/minの範囲から選択すれば良い。

0031

尚、通常、研磨工程は、粗研磨仕上げ研磨の2工程に分けて実施される。研磨メディア2としては、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ジルコニウムなどのセラミックス材を用いることができると先に説明したが、このセラミックス材は、粗研磨では、四角柱三角柱三角錐、球状などの形状のものを用いることができ、仕上げ研磨では、通常、球状のものが用いられる。

0032

研磨工程が終了後、金属製中空容器1を一端面側に設けられた開口が下になるように倒立させて、研磨メディア2と水3を金属製中空容器1から排出させた後、次の洗浄・乾燥工程に入る。前記開口から金属製中空容器1の内部空間に、ノズル昇降自在な状態で挿入し、そのノズルから温度が50〜100℃の純水を噴出させることにより、金属製中空容器1の内面の洗浄が実施される。純水の温度の下限値を50℃としたのは、純水の温度が50℃未満である場合は、洗浄後の金属製中空容器1の内面の乾燥が短時間ではできず、その結果、乾燥が不十分となり、金属製中空容器1の内面に錆が発生する可能性が懸念されるからである。尚、この洗浄に用いる純水は、比抵抗が2MΩ以上のものを用いることが好ましい。本発明では、比抵抗が2MΩ以上の水を純水の目安とする。

0033

以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。

0034

(実施例1)
図2に示すように、円筒状で有底の容器と蓋でなる密閉容器5の中に、直径200mm、長さが130mm、内面の初期最大粗さが15μmの鋼管6を嵌入して模擬の金属製中空容器1とした。この模擬の金属製中空容器1を旋盤にセットして、その金属製中空容器1の内部空間に装入される研磨メディア2と水3がその内部空間内で占める総体積比率、その金属製中空容器1の回転速度(周速度)を、表1に示す各条件で夫々変化させて、研磨工程の粗研磨に相当する金属製中空容器1の内面の回転研磨試験を2時間の回転研磨で実施した。図3にこの回転研磨試験での鋼管6の内面の研磨量を示す。この回転研磨試験では、研磨量が6μm以上であれば目標の研磨量に到達したものと判断する。

0035

0036

図3によると、No.1、No.3、No.4が、目標とした6μm以上の研磨量とすることができた。これらNo.1、No.3、No.4は、金属製中空容器1の内部空間に装入される研磨メディア2と水3がその内部空間内で占める総体積比率が12.5〜60%の範囲内、金属製中空容器1の回転速度(周速度)が50〜150m/minの範囲内であったため、目標の研磨量に到達したものと判断することができる。これに対し、No.2は、金属製中空容器1の内部空間に装入される研磨メディア2と水3がその内部空間内で占める総体積比率が75%と本発明の要件満足しておらず、また、金属製中空容器1の回転速度(周速度)も本発明の下限丁度であったため、研磨量は2時間の回転研磨では目標の6μmに到達できず、5μm未満の結果であった。

0037

この結果は、金属製中空容器1の内面の研磨を、極めて短い時間で、しかも金属製中空容器1をその軸心周りに回転させるだけの簡単な方法で実施することができることを示している。

0038

(実施例2)
図2に示す実施例1と同じ模擬の金属製中空容器1を用いて、表2に示す条件で、研磨工程の粗研磨と仕上げ研磨を連続して実施した後、金属製中空容器1(鋼管6)の内面の表面粗さ(仕上げ面品質)の測定を行った。測定で得られた仕上げ面粗さは、5μmRmax以下であり、短時間(粗研磨2時間+仕上げ研磨2時間=合計4時間)で、水分吸着防止の観点から必要な仕上げ面粗さの6μmを達成できることが確認できた。

0039

0040

(実施例3)
直径600mmの実機サイズの密閉容器の内周面に、炭素鋼でなるテストピースを埋め込んで、表3に示す条件で、研磨工程の粗研磨と仕上げ研磨を連続して実施した後、金属製中空容器1(テストピース)の内面の表面粗さ(仕上げ面品質)の測定を行った。測定で得られた仕上げ面粗さは、3.26μmRmaxであり、短時間(粗研磨3時間+仕上げ研磨3時間=合計6時間)で、水分吸着防止の観点から必要な仕上げ面粗さの6μmのみならず、より厳しい条件の4μmRmaxを達成できることが確認できた。

実施例

0041

0042

1…金属製中空容器
2…研磨メディア
3…水
4…軸心
5…密閉容器
6…鋼管

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