図面 (/)

技術 連続鋳造における湯面制御方法および湯面制御装置

出願人 日立金属株式会社
発明者 相川隆法
出願日 2009年11月17日 (10年4ヶ月経過) 出願番号 2009-262276
公開日 2011年6月2日 (8年9ヶ月経過) 公開番号 2011-104625
状態 特許登録済
技術分野 連続鋳造
主要キーワード 引抜き動作 連続引抜き 鋼塊表面 保温部材 測定用電源 引き抜き動作 引抜き量 積層凝固
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年6月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

スラグを使用した連続鋳造にあって、安全かつ高精度に湯面制御が可能な制御方法および制御装置を提供する。

解決手段

溶湯プール4上にスラグ浴1が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造における湯面制御方法であって、前記合金溶湯の制御すべき湯面位置検出電極7とGND電極8とを配置し、引き抜き動作における湯面位置低下と引き抜き動作停止期間における溶湯面の上昇とによって形成される溶湯面の周期的変動を、前記検出電極により検出し、検出された信号の変動から投入溶湯量もしくは引き抜き動作量を制御するものとする。

概要

背景

従来から、連続鋳造は、ケースを使用した造塊法に対して分塊省略による省エネルギー機械化・自動化による省力・品質向上および生産性向上という利点があり、広く使用されている。
連続鋳造では、引抜き抵抗による凝固殻破断を防止することが操業上および鋳塊表面品質上極めて重要である。モールドに対する相対的な停止期間のない連続引抜きでは初期凝固殻の強度を安定して確保できないことから、断続引抜きを行ない、停止時間で初期凝固殻強度を高める方法が一般に採用されている。
上述した初期凝固殻強度に関連して、連続鋳造における重要な課題の一つに溶湯の湯面管理がある。湯面が正確に管理されないとブレークアウト、鋳塊表面割れ溶鋼浸み出し、熱間加工時割れという問題が発生する。
しかし、高温のため湯面の直接観察は難しく、湯面の計測には従来は渦電流放射線を利用して管理する方法が主流であった。
なお、湯面の計測に対しては、給電したワイヤを湯面に押し込み、溶け残ったワイヤの長さの変化による抵抗値から湯面位置を検出使用とする試みも引用文献1、引用文献2に紹介されている。

一方、溶湯プール上にスラグ浴が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造においては、溶湯の湯面管理はより重要となるが、上述した渦電流式やワイヤを使う方法は測定精度の問題や原理的な問題があり適用できない。また、放射線を使う方法は、管理上避けるべきである。
上述の問題を回避するため、本発明者等は、溶湯面の変動をモールド内の溶湯の制御すべき湯面位置に設置した検出電極と鋳塊間の信号として検出する技術(特許文献3)を提案している。特許文献3の技術では、鋳塊にGND電極を接続する必要があるため、大量生産時において鋳塊を切断する際には、その都度GND電極を接続し直す必要があった。
本発明者は、GND電極を接続し直す必要のない方法として、溶湯面の変動をモールド内の合金溶湯の制御すべき湯面位置に配置した検出電極と、合金溶湯に浸漬した位置に配置したGND電極の間の信号として検出する方法(特許文献4)も提案している。

概要

スラグを使用した連続鋳造にあって、安全かつ高精度に湯面制御が可能な制御方法および制御装置を提供する。溶湯プール4上にスラグ浴1が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造における湯面制御方法であって、前記合金溶湯の制御すべき湯面位置に検出電極7とGND電極8とを配置し、引き抜き動作における湯面位置低下と引き抜き動作停止期間における溶湯面の上昇とによって形成される溶湯面の周期的変動を、前記検出電極により検出し、検出された信号の変動から投入溶湯量もしくは引き抜き動作量を制御するものとする。

目的

本発明の目的は、スラグを使用した連続鋳造にあって、鋳塊切断をともなう大量生産時に、安全かつ高精度に湯面制御が可能な制御方法および制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

溶湯プール上にスラグ浴が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造における湯面制御方法であって、前記合金溶湯の制御すべき湯面位置検出電極GND電極とを配置し、引き抜き動作における湯面位置低下と引き抜き動作停止期間における溶湯面の上昇とによって形成される溶湯面の周期的変動を、前記検出電極により検出し、検出された信号の変動から投入溶湯量もしくは引き抜き動作量を制御することを特徴とする連続鋳造における湯面制御方法。

請求項2

溶湯面の変動を検出電極とGND電極間の電位として検出することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造における湯面制御方法。

請求項3

溶湯プール上にスラグ浴が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造における湯面制御装置であって、前記合金溶湯の制御すべき湯面位置に配置する検出電極およびGND電極と、引き抜き動作における湯面位置低下と引き抜き動作停止期間における溶湯面の上昇とによって形成される溶湯面の周期的変動を前記検出電極により検出する検出器と、検出された信号の変動から投入溶湯量もしくは引き抜き動作量を制御する制御装置具備することを特徴とする連続鋳造における湯面制御装置。

請求項4

検出器は、検出電極とGND電極間に引加した電位の変動を検出するものであることを特徴とする請求項3に記載の連続鋳造における湯面制御装置。

技術分野

0001

本発明は、溶湯プール上にスラグ浴が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造における湯面制御方法および湯面制御装置に関する。

背景技術

0002

従来から、連続鋳造は、ケースを使用した造塊法に対して分塊省略による省エネルギー機械化・自動化による省力・品質向上および生産性向上という利点があり、広く使用されている。
連続鋳造では、引抜き抵抗による凝固殻破断を防止することが操業上および鋳塊の表面品質上極めて重要である。モールドに対する相対的な停止期間のない連続引抜きでは初期凝固殻の強度を安定して確保できないことから、断続引抜きを行ない、停止時間で初期凝固殻強度を高める方法が一般に採用されている。
上述した初期凝固殻強度に関連して、連続鋳造における重要な課題の一つに溶湯の湯面管理がある。湯面が正確に管理されないとブレークアウト、鋳塊表面割れ溶鋼浸み出し、熱間加工時割れという問題が発生する。
しかし、高温のため湯面の直接観察は難しく、湯面の計測には従来は渦電流放射線を利用して管理する方法が主流であった。
なお、湯面の計測に対しては、給電したワイヤを湯面に押し込み、溶け残ったワイヤの長さの変化による抵抗値から湯面位置を検出使用とする試みも引用文献1、引用文献2に紹介されている。

0003

一方、溶湯プール上にスラグ浴が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造においては、溶湯の湯面管理はより重要となるが、上述した渦電流式やワイヤを使う方法は測定精度の問題や原理的な問題があり適用できない。また、放射線を使う方法は、管理上避けるべきである。
上述の問題を回避するため、本発明者等は、溶湯面の変動をモールド内の溶湯の制御すべき湯面位置に設置した検出電極と鋳塊間の信号として検出する技術(特許文献3)を提案している。特許文献3の技術では、鋳塊にGND電極を接続する必要があるため、大量生産時において鋳塊を切断する際には、その都度GND電極を接続し直す必要があった。
本発明者は、GND電極を接続し直す必要のない方法として、溶湯面の変動をモールド内の合金溶湯の制御すべき湯面位置に配置した検出電極と、合金溶湯に浸漬した位置に配置したGND電極の間の信号として検出する方法(特許文献4)も提案している。

先行技術

0004

特開昭52−22523号公報
特開昭57−134255号公報
特開2007−000882号公報
特開2009−106959号公報

発明が解決しようとする課題

0005

モールド内に合金溶湯の湯面位置が形成される連続鋳造において、スラグを使用する場合、モールド内面におけるスラグ固化が問題となる。
溶湯プール上にスラグ浴が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造においては、湯面がスラグ固化部で大きく上下すると、上述した一般的な連続鋳造における問題に加えて、鋳塊表層異常組織が形成され、鋳造時の割れや熱間加工時の割れの原因となるためである。したがって、スラグ存在下における湯面制御は極めて重要である。

0006

また、鋳造速度が0.3m/分といった低速鋳造の場合は、水冷モールド内面でのスラグ固化層が厚くなり、鋳塊表層に異常組織が形成されやすくなるため、さらに重要となる。
上述した通り、本発明者が特許文献4で提案した方法は、生産性に優れているものである。しかし、長時間操業すると、GND電極が長時間湯面に浸漬した状態となるため、合金溶湯とスラグの界面付近から溶損してちぎれる場合があり、ちぎれた破片が鋳塊内に巻き込まれるという問題がある。
本発明の目的は、スラグを使用した連続鋳造にあって、鋳塊切断をともなう大量生産時に、安全かつ高精度に湯面制御が可能な制御方法および制御装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、溶湯プール上にスラグ浴が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造における、合金溶湯の湯面検出手段として、モールド内の合金溶湯の制御すべき湯面位置に検出電極と、GND電極とを配置することにより、GND電極のちぎれをなくし、鋳塊内へのちぎれた破片の巻き込みを発生させることなく、湯面制御が可能であることを見出し、本発明に到達した。

0008

すなわち、本発明の制御方法は、溶湯プール上にスラグ浴が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造における湯面制御方法であって、前記合金溶湯の制御すべき湯面位置に検出電極とGND電極とを配置し、引き抜き動作における湯面位置低下と引き抜き動作停止期間における溶湯面の上昇とによって形成される溶湯面の周期的変動を、前記検出電極により検出し、検出された信号の変動から投入溶湯量もしくは引き抜き動作量を制御する連続鋳造における湯面制御方法である。

0009

また、本発明の制御方法においては、溶湯面の変動を検出電極とGND電極間の電位として検出することが望ましい。

0010

また、本発明の制御装置は、溶湯プール上にスラグ浴が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造における湯面制御装置であって、前記合金溶湯の制御すべき湯面位置に配置する検出電極およびGND電極と、引き抜き動作における湯面位置低下と引き抜き動作停止期間における溶湯面の上昇とによって形成される溶湯面の周期的変動を前記検出電極により検出する検出器と、検出された信号の変動から投入溶湯量もしくは引き抜き動作量を制御する制御装置を具備する連続鋳造における湯面制御装置である。

0011

また、本発明の制御装置における検出器としては、検出電極とGND電極間に引加した電位の変動を検出するものであることが望ましい。

発明の効果

0012

本発明によれば、従来正確な制御が困難であった湯面上にスラグ浴を有する断続引抜きの連続鋳造において、GND電極のちぎれた破片の鋳塊内への巻き込みを発生させることなく、湯面位置を精度よく制御することができ、大量生産における連続操業での鋳塊の品質向上に対して特に有効なものとなる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の動作を模式的に表した図である。
本発明を適用する装置の一例を示す概念図である。
本発明の検出器部分の一例を示す図である。
本発明の一実施例で検出された電圧波形の図である。

0014

以下、本発明を詳しく説明する。
まず本発明における重要な特徴は、モールド内の合金溶湯の制御すべき湯面位置に検出電極とGND電極を配置したことにある。
本発明が適用する溶湯プール上にスラグ浴が形成されて断続的に鋳塊を引き抜く連続鋳造においては、引き抜き動作における湯面位置低下と引き抜き動作停止期間における溶湯面の上昇とによって、溶湯面は周期的変動を繰り返す。
従い、制御すべき湯面位置に配置された検出電極においては、スラグ浴と、溶湯との電気特性の違いから、たとえば鋳塊の引き抜きが一定の周期下げ幅をもっており、注入される溶湯が一定であれば、検出電極の出力は、定常的な波形となる。一方、鋳塊の引き抜きと、注入される溶湯のバランス崩れた場合、検出電極の出力は、振幅の増加や減少といった非定常な波形となる。この波形の影響をとらえて、投入溶湯量もしくは引き抜き動作量を制御することができるのである。

0015

一例として、検出電極とGND電極間に所定の電流を流した場合に検出される概念的な電位変化抵抗変化)を図1に示す。図1において、図上部に記載された模式図は、本発明の連続鋳造における湯面制御装置を設置した連続鋳造装置における操業中のスラグ1、モールド2、湯面6、検出電極7、GND電極8の関係を示す図である。尚、図1においてGND電極8を溶湯に浸漬させると特許文献4と同じ配置となり、参考までにこの場合の電位変化(抵抗変化)を点線で示す。
まず、検出電極7とGND電極8が湯面6の下に浸漬した図1(a)の状態から、鋳塊を引き抜いていくと、溶湯供給による湯面の上昇量<鋳塊の下降量であると、図1(b)の時点で、検出電極7とGND電極8の先端は湯面6上に位置する。合金溶湯における抵抗値に対してスラグの抵抗は極めて大であるため、図1(c)のように検出電位電極位置が湯面から遠ざかるに従って上昇する。図(d)において鋳塊の下降を停止すると、溶湯供給によって湯面6が上昇していき、検出電位が下降し始める。そして、図1(e)の位置で検出電極7とGND電極8が、湯面に接したとき、合金溶湯における抵抗値に対してスラグの抵抗は極めて大であるため、電位が急激に低下し、その後変動が殆どなくなり、図1(f)の停止期間が終了するまで維持される。
参考までに、この検出電位の変化を特許文献4のそれと比較すると、特許文献4では、GND電極8を合金溶湯に浸漬しているために、検出電極7と湯面6の間の電位を検出する。一方、本発明では、検出電極7とGND電極8とを同じ高さに配置しているために、検出電極7と湯面6の間の電位に加えてGND電極8と湯面6の間の電位を検出するので、概念的には特許文献4で得られる検出電位の2倍の値で変化する。
本発明では、検出電極7とGND電極8とを、モールド2内の合金溶湯の制御すべき湯面位置に配置することにより、長時間の連続操業を行っても、GND電極8の溶損によるちぎれを効果的に抑制することができる。

0016

もちろん、図1に示すのは、理想的な波形であって、実際には検出電極へのスラグの付着、あるいは溶湯の付着、並びに様々な要因によって、このような波形とは異なる波形となる場合が殆どである。
しかし、本発明においては、図1に示すごとく1周期の電位の変化が、検出できるということが重要である。このように検出電極位置を基準として検出し、検出された周期的変動は、投入溶湯量もしくは引き抜き動作量を制御因子として使用することができるのである。

0017

たとえば、極端な場合として、もし溶湯供給による湯面の上昇量<<鋳塊の下降量となって、湯面が鋳造中に徐々に低下するような場合、最初は周期的変動として測定された電位変化が、脈流のごとく検出されていたものが、鋳塊の下降によっても検出電極が湯面に接触しないため、急激な電位の低下がみられなくなる。つまり劇的な検出波形の変化の有無によって投入溶湯量もしくは引き抜き動作量の異常を知ることができ、これによって制御が可能となる。
逆に、溶湯供給による湯面の上昇量>>鋳塊の下降量であれば、最初は周期的変動として測定された電位変化が、脈流のごとく検出されていたものが、鋳塊の下降によっても検出電極が湯面上に位置しなくなるため、電位の変化が殆どみられなくなる。
溶湯をスラグで覆うようにした連続鋳造の場合、直接湯面を確認することはできず、溶融−固化という相変化を起こす可能性のあるスラグが湯面検出に悪影響を及ぼしていたのであるが、上述した本発明の方法では劇的な変化によって異常を確実に検出できるという点で極めて有効である。

0018

なお、上述した検出手法は極端な例であり、上述した程の異常値に達するのを待つまでもなく、検出した波形からも非定常状態を検出することも可能である。具体的には、たとえば検出電位の波高値が時間とともに上昇していけば、溶湯の供給が足りない、もしくは鋳塊の下降量が大きすぎることを認識でき、逆に波高値が低く、時間に対する波高値の変化がない場合には溶湯の供給が多すぎるか、もしくは鋳塊の下降量が足りないことを認識できる。
また、同様に図1に示すように、検出電極が、溶湯上に位置している期間と、溶湯下にある場合の時間間隔の変動を使用して制御することも可能である。

0019

本発明では、湯面の上限を、スラグ浴中に別途設置した上限管理用検出電極により、管理することとすれば、上記と同様の湯面の異常検出ができ、より高精度の上限制御ができるとともに、もっとも避けるべきモールド上からの溶湯のオーバーフローを確実に防止することができる。
さらに、湯面の下限位置に別途設置した下限管理用検出電極により、管理することとすれば、湯面の異常低下の検出ができ、より高精度の下限制御ができるとともに、水冷モールド内での凝固不足に起因するブレークアウトを防止することができる。

0020

また、上述した通り、溶湯面の変動を検出電極とGND電極間の電位として検出することが、簡易的で好ましい。なお、電位検出に代えて、電流検出でも可能であるのはもちろんである。電位検出は、端的に言えば抵抗変化の検出であり、検出器としては、たとえば直接電圧計を検出電極と鋳塊間に挿入しただけでもよいし、ブリッジ回路等を検出器として使用してもよい。また、増幅器等を組み合わせてもよいのはもちろんである。検出器の出力に合わせて、信号の変動から投入溶湯量もしくは引き抜き動作量を制御する制御装置を具備させることによって、定常状態への修正を自動で行うことも可能となる。

0021

本発明において、より好ましくは合金溶湯を積層凝固速度にて、0.3m/分以下という低速の注入速度で水冷モールドに注入し、溶湯プールを形成させつつ供給した溶湯を凝固させ、水冷モールド下部より垂直方向に鋳塊を引き抜く、連続鋳造に適用する。
これは、水冷モールドを使用する場合、合金溶湯の注入速度が遅いと、水冷モールド近傍でスラグ固化が進みやすく、スラグを均一に溶融しておくことが難しくなり、溶湯の湯面位置の変動にともなう、表面の異常組織が発生しやすくなるためである。

0022

本発明で使用するスラグを適用するのは、精錬効果と、溶湯プール表面の断熱外気との遮蔽の作用のためであり、少なすぎると効果が発揮されにくく、厚すぎると水冷モールドを長くする必要があり、またスラグ量が増大しコストアップの問題があるため、溶湯上20mm〜100mm程度のスラグ厚さとするのが好ましい。
また、スラグとしては、1400℃を超える融点を有するスラグでは、溶湯プールを囲むスラグ固化層シェル発達しすぎて、鋳塊外層に異常組織が深く形成する場合がある。
これに対して、融点が1400℃以下のスラグでは、溶鋼からの熱を受けてスラグの固化が抑制され、鋳塊外層の異常組織の形成が著しく抑制される。また、このような低融点スラグは、粘性も低く鋼塊表面に不必要に厚いスラグスキンが形成されないという効果もある。そのため、使用するスラグとしては融点が1400℃以下のものが好ましい。

0023

本発明を実施する装置を使用した本発明の鋳造工程の一例を図2に示す。図2は装置の全体構成を断面として示すものであり、合金溶湯11を保持するタンディッシュ10,水冷モールド2,鋳塊の引き抜きを行う昇降装置20を具備する装置である。そして、水冷モールド上部には、保温部材として黒鉛スリーブ3を配置している。水冷モールドの形状は、長さ400mmであり、黒鉛スリーブを配置する上部200mm部分の内径は471mmで下部内径は450mmである。長さ200mmで内径450mm、外径470mmの黒鉛スリーブが水冷モールド上部に内装されている。水冷モールド下方には2次冷却帯30を配置している。また、図1においては付加装置として、合金溶湯と外気を遮断するシールド14およびスラグ通電電極15を配置可能としている。

0024

本実施例では、図2の装置に対して、図3に示すこどく、湯面検出装置に関する湯面制御位置検出用の検出電極40の先端とGND電極41の先端とを黒鉛スリーブ下端から20mm上方に配置するとともに、湯面制御位置検出用の検出電極40とGND電極41の間に電圧源保護回路からなる測定用電源装置42を配置し、電源42と並列に検出器43を配置することで、電位検出を可能とした。さらに、検出器43で検出した信号の変動から引き抜き動作量を制御する昇降制御装置21を設置して昇降装置20を制御することで、湯面位置制御を可能とした。

0025

図2に示す装置は、合金溶湯11を保持したタンディッシュ10の底部に設けたノズル12から溶湯流13として、スラグ1を介して水冷モールド2に注入するものである。これにより、水冷モールド2に内装した保温部材である黒鉛スリーブ3の設置範囲内にメニスカス面位置を有する溶湯プール4を形成でき、水冷モールド(保温部材)側にシェルを形成することができるものである。
そして、合金溶湯11の注入量相当に合わせて、昇降装置20を降下して鋳塊5を引き抜くことで、積層凝固を進行させることができる。また、水冷モールドから抜け出た鋳塊は2次冷却帯30でミスト冷却されるようにしている。

0026

図2の装置に図3の検出器を設置して、鋳造実験を行った。なお、スラグ通電電極15は用いていない。タンディッシュに溶湯を保持し、表1に示す組成及び融点を有するスラグを50mmの厚さで配置して水冷モールドに鋳造を行った。溶湯は質量%JISSKD11相当の鋼種を用いた。溶湯の成分を表2に示す。
溶湯温度を1500℃とし、注入速度は、積層凝固速度を約0.03m/分(30mm/分)相当とした。断続引抜きの方法は、1サイクルが、引抜き時間を8秒と停止時間を4秒で構成し、1サイクルでの引抜き量を6mmとした。すなわち1分間の引抜き量を30mmとした。このとき、湯面制御位置検出用の検出電極40とGND電極41の間で検出された鋳造作業時間に対する電位信号と、この電位から昇降制御装置21で湯面位置を判定した湯面判定信号引抜き速度の一例を図4に示す。図4においては、湯面が目標位置から上昇したため、引抜き速度を一定量速く調整して湯面位置を下降させ、湯面が目標位置から上昇するのを防止するように制御した例である。
なお、鋳造時間が7.0〜8.2と8.4〜9.0(分)の期間は、湯面が目標位置にある。鋳造時間が8.2〜8.4(分)の期間は、湯面が目標位置より上昇している。

0027

図4より、引抜き動作により、湯面制御位置検出用の検出電極40の先端とGND電極41の先端が湯面から離れ、停止時間で湯面が上昇し、湯面制御位置検出用の検出電極40の先端とGND電極41の先端が再び溶鋼に接触する現象を反映した信号が得られていることがわかる。また、図4の例では引抜き速度に対して現実の注入速度が速いため、湯面が徐々に上昇し、脈流的な出力は殆ど続かず、出力電圧が徐々に低下するという出力となったものである。更に、出力電圧の低下から湯面上昇を検出して引抜速度を一定量速く調整したため、湯面が徐々に下降し、出力電圧が徐々に上昇して、再び脈流的な出力が継続するようになったものである。
連続鋳造を行った後、GND電極41を引き上げ、溶損の有無を確認した結果、GND電極41には溶損によるちぎれがなかったことを確認した。

0028

実施例

0029

0030

1.スラグ、2.モールド、3.黒鉛スリーブ、4.溶湯プール、5.鋳塊、6.湯面、7.検出電極、8.GND電極、10.タンディッシュ、11.合金溶湯、12.ノズル、13.溶湯流、14.シールド、15.スラグ通電電極、20.昇降装置、30.2次冷却帯、40.湯面制御位置用検出電極、41.GND電極、42.測定用電源装置、43.検出器

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 黒崎播磨株式会社の「 羽口の設置構造」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】溶融金属容器の底部に設置されるノズル又はプラグとこのノズル又はプラグの下方に位置するプレート等との間,及びノズル又はプラグの上方ないしは外周側に位置する羽口との間に空隙を発生させない,羽口の設... 詳細

  • 黒崎播磨株式会社の「 羽口の設置構造」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】溶融金属容器の底部に設置されるノズル又はプラグとこのノズル又はプラグの下方に位置するプレート等との間,及びノズル又はプラグの上方ないしは外周側に位置する羽口との間に空隙を発生させない,羽口の設... 詳細

  • エーケースティールプロパティ−ズ、インク.の「 タンディッシュ漏斗」が 公開されました。( 2019/09/05)

    【解決手段】 耐火性タンディッシュ漏斗を有する連続鋳造機が提供される。タンディッシュ漏斗は、テーパ形状を有し、かつ鋼を取鍋からタンディッシュ浴に流すためにタンディッシュ蓋に据え付けられるように設計さ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ