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技術 殺菌フィルター及び当該フィルターを用いたマスク

出願人 ミツフジ株式会社
発明者 三寺康廣
出願日 2009年11月20日 (10年5ヶ月経過) 出願番号 2009-264444
公開日 2011年6月2日 (8年11ヶ月経過) 公開番号 2011-104553
状態 未査定
技術分野 呼吸装置;防護 職業用、工業用またはスポーツ用保護衣 空気の消毒,殺菌または脱臭 濾過材
主要キーワード 小型ボタン電池 ボタン型リチウム電池 導電性カーボン繊維 銀メッキ繊維 フロッキー加工 メス部材 台座部分 縫製体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年6月2日)のものです。
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図面 (3)

課題

菌及びウィルス放電により死滅させることが可能な殺菌フィルター及びこれを用いたマスクを提供する。

解決手段

この殺菌フィルターは、いずれも通気性を有する第1導電性布帛1、電気絶縁性布帛2、第2導電性布帛3が積層された構成を有し、これを用いたマスクは、菌及びウィルスを放電により死滅させるための電圧印加可能電池aと、通気性を有する外側カバー4と内側カバー5の周縁部が縫製されてなり、両カバーの間に、第1導電性布帛側が外側となるようにして前記殺菌フィルターが収容されたマスク本体bとを具備し、第1及び第2導電性布帛はそれぞれ、電池の異なる極に接続されている。この際、両方の導電性布帛は、導電性を有する短繊維を絡ませてなる不織布又は導電性を有する繊維からなるメッシュ体であり、それぞれの表面には、放電のためのケバが存在している。

概要

背景

新型インフルエンザ対策等で多種多様マスクが上市されているが、大きく分けて次の2種類に大別される。1つは、目の細かさでフィルターにより菌やウィルスカットするものであり、この場合、フィルターを多層化することによってカット効率を上げている。もう一つは、マスク生地光触媒等の無機系又は有機系殺菌(効果)剤を含浸、付着させて菌やウィルスを死滅させようとしている。例えば、下記の特許文献1には、織物製又は紙製シート糊剤に含浸させた後、酸化チタンを塗布したものを用いたマスクが開示されており、又、下記の特許文献2には、アスコルビン酸誘導体を固着させた繊維シートを用いたマスクが開示されている。

マスクは息苦しくないことが必要条件であるため、毒ガス用や細菌研究用の特殊マスクを除く安価な一般的な市販のマスクの場合、最も目の細かいもの(400メッシュ程度)でもオープニングは30μm程度であり、100メッシュのものであればオープニングは200μm程度である。これに対して、菌の大きさは一般的には1〜10μm程度で、ウィルスは菌の1000分の1程度で80〜100nmであるため、下記の特許文献1及び2に記載のマスクのようにマスク繊維に殺菌効果が付与されていても、ほとんどのウィルスはマスクでカットされず、マスク繊維にほとんど触れることもなく、ウィルスは死滅せずに呼吸によって体内に取り込まれてしまう。
ウィルスをカット可能な特殊マスクは非常に高価であり、大きく重たいため、外観見栄えが悪く、作業上も支障となる。このため、安価に一般マスクと外観上も作業性もほとんど変わることなくウィルスをカットできるマスクに対する要望がある。

又、下記の特許文献3には、空気中の花粉ハウスダスト等を電気的に集塵可能な構造を有したマスクが開示されているが、このようなマスクには殺菌効果や不活性効果はなく、使用後の集塵用フィルタ部には活性を有した菌やウィルスが付着したままの状態となる問題点がある。

概要

菌及びウィルスを放電により死滅させることが可能な殺菌フィルター及びこれを用いたマスクを提供する。この殺菌フィルターは、いずれも通気性を有する第1導電性布帛1、電気絶縁性布帛2、第2導電性布帛3が積層された構成を有し、これを用いたマスクは、菌及びウィルスを放電により死滅させるための電圧印加可能電池aと、通気性を有する外側カバー4と内側カバー5の周縁部が縫製されてなり、両カバーの間に、第1導電性布帛側が外側となるようにして前記殺菌フィルターが収容されたマスク本体bとを具備し、第1及び第2導電性布帛はそれぞれ、電池の異なる極に接続されている。この際、両方の導電性布帛は、導電性を有する短繊維を絡ませてなる不織布又は導電性を有する繊維からなるメッシュ体であり、それぞれの表面には、放電のためのケバが存在している。なし

目的

本発明は、菌やウィルスをカットできるフィルター及び、安価に一般マスクと外観上も作業性もほとんど変わることなく、菌やウィルスをカットできるマスクを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

放電により菌及びウィルス死滅させる機能を有した殺菌フィルターであって、当該フィルターが、通気性を有する第1導電性布帛電気絶縁性布帛及び第2導電性布帛が順次積層された構成を有しており、前記第1及び第2導電性布帛が、導電性を有する短繊維を絡ませてなる不織布及び、導電性を有する繊維からなるメッシュ体のいずれかであり、しかも、前記第1及び/又は第2導電性布帛の表面が、放電のためのケバを有していることを特徴とする殺菌フィルター。

請求項2

放電により菌及びウィルスを死滅させる機能を有したマスクであって、当該マスクが、a)菌及びウィルスを放電により死滅させるための電圧印加可能電池と、b)通気性を有する外側カバー内側カバー周縁部が縫製されてなり、前記外側カバーと前記内側カバーとの間に、当該外側カバーから内側カバーに向かって順に、いずれも通気性を有する、前記電池の正極又は負極に接続された第1導電性布帛、電気絶縁性布帛、前記第1導電性布帛とは異なる電池の極に接続された第2導電性布帛が積層された状態で収容されたマスク本体とを具備し、前記第1及び第2導電性布帛が、導電性を有する短繊維を絡ませてなる不織布及び、導電性を有する繊維からなるメッシュ体のいずれかであり、しかも、前記第1及び/又は第2導電性布帛の表面が、放電のためのケバを有していることを特徴とするマスク。

請求項3

前記第1及び第2導電性布帛の少なくともいずれか一方が、レーヨンナイロンポリエステルポリプロピレンポリエチレン及び綿からなる群より選ばれた繊維の表面に導電性を有した金属がメッキされてなるカット繊維を含有した不織布であることを特徴とする請求項2に記載のマスク。

請求項4

前記第1及び第2導電性布帛の少なくともいずれか一方が、前記カット繊維を少なくとも5重量%以上含んでいることを特徴とする請求項3に記載のマスク。

請求項5

前記第1及び第2導電性布帛の少なくともいずれか一方が、導電性金属もしくは導電性カーボン練り込んだ繊維又は導電性カーボン繊維を含む不織布であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のマスク。

請求項6

前記電気絶縁性布帛が、20〜200μmの厚みを有する不織布であることを特徴とする請求項2に記載のマスク。

請求項7

前記マスク本体の両端部に、耳掛け部が設けられていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のマスク。

技術分野

0001

本発明は、菌及びウィルス放電により死滅させることが可能な殺菌フィルター及び、当該殺菌フィルターを用いて菌及びウィルスを捕捉及び死滅させて人体への取り込みを防止且つ無害化するマスクに関する。

背景技術

0002

新型インフルエンザ対策等で多種多様なマスクが上市されているが、大きく分けて次の2種類に大別される。1つは、目の細かさでフィルターにより菌やウィルスをカットするものであり、この場合、フィルターを多層化することによってカット効率を上げている。もう一つは、マスク生地光触媒等の無機系又は有機系殺菌(効果)剤を含浸、付着させて菌やウィルスを死滅させようとしている。例えば、下記の特許文献1には、織物製又は紙製シート糊剤に含浸させた後、酸化チタンを塗布したものを用いたマスクが開示されており、又、下記の特許文献2には、アスコルビン酸誘導体を固着させた繊維シートを用いたマスクが開示されている。

0003

マスクは息苦しくないことが必要条件であるため、毒ガス用や細菌研究用の特殊マスクを除く安価な一般的な市販のマスクの場合、最も目の細かいもの(400メッシュ程度)でもオープニングは30μm程度であり、100メッシュのものであればオープニングは200μm程度である。これに対して、菌の大きさは一般的には1〜10μm程度で、ウィルスは菌の1000分の1程度で80〜100nmであるため、下記の特許文献1及び2に記載のマスクのようにマスク繊維に殺菌効果が付与されていても、ほとんどのウィルスはマスクでカットされず、マスク繊維にほとんど触れることもなく、ウィルスは死滅せずに呼吸によって体内に取り込まれてしまう。
ウィルスをカット可能な特殊マスクは非常に高価であり、大きく重たいため、外観見栄えが悪く、作業上も支障となる。このため、安価に一般マスクと外観上も作業性もほとんど変わることなくウィルスをカットできるマスクに対する要望がある。

0004

又、下記の特許文献3には、空気中の花粉ハウスダスト等を電気的に集塵可能な構造を有したマスクが開示されているが、このようなマスクには殺菌効果や不活性効果はなく、使用後の集塵用フィルタ部には活性を有した菌やウィルスが付着したままの状態となる問題点がある。

先行技術

0005

WO2006/049067号
特開2004−313415号公報
特開平7−24077号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、菌やウィルスをカットできるフィルター及び、安価に一般マスクと外観上も作業性もほとんど変わることなく、菌やウィルスをカットできるマスクを提供することを課題とする。
本発明者等は種々検討を行なった結果、息苦しさの少ない目の細かさの導電性不織布(第1及び第2導電性布帛)を電極とし、この2枚で同じく息苦しさの少ない目の細かさの電気絶縁性布帛(不織布又はメッシュ体)を挟み、導電性布帛の一方にプラスを、もう一方にマイナス印加して、空気中を漂う間に帯電した菌やウィルスを、反対電荷電極に電気的吸着とその時の放電で死滅させることにより、菌及びウィルスの人体への取り込みが防止できることを見い出して、本発明を完成した。尚、空気中を漂う間に菌やウィルスが帯電していない場合であっても、外側に位置する導電性布帛(電極)を通過する時に強制的に菌やウィルスが帯電し、その後、内側に位置する反対電荷電極を通過する間に菌と電極間に放電が生じて効果が発揮されることを確認した。

課題を解決するための手段

0007

本発明の殺菌フィルターは、放電により菌及びウィルスを死滅させる機能を有するものであって、当該フィルターが、通気性を有する第1導電性布帛、電気絶縁性布帛及び第2導電性布帛が順次積層された構成を有しており、前記第1及び第2導電性布帛が、導電性を有する短繊維を絡ませてなる不織布及び、導電性を有する繊維からなるメッシュ体のいずれかであり、しかも、前記第1及び/又は第2導電性布帛の表面が、帯電のためのケバを有していることを特徴とする。

0008

又、前記課題を解決可能な本発明のマスクは、放電により菌及びウィルスを死滅させる機能を有するものであって、当該マスクが、
a)菌及びウィルスを放電により死滅させるための電圧印加可能電池と、
b)通気性を有する外側カバー内側カバー周縁部が縫製されてなり、前記外側カバーと前記内側カバーとの間に、当該外側カバーから内側カバーに向かって順に、いずれも通気性を有する、前記電池の正極又は負極に接続された第1導電性布帛、電気絶縁性布帛、前記第1導電性布帛とは異なる電池の極に接続された第2導電性布帛が積層された状態で収容されたマスク本体
とを具備し、
前記第1及び第2導電性布帛が、導電性を有する短繊維を絡ませてなる不織布及び、導電性を有する繊維からなるメッシュ体のいずれかであり、しかも、前記第1及び/又は第2導電性布帛の表面が、放電のためのケバを有していることを特徴とする。

0009

又、本発明は、上記の特徴を有したマスクにおいて、前記第1及び第2導電性布帛の少なくともいずれか一方が、レーヨンナイロンポリエステルポリプロピレンポリエチレン及び綿からなる群より選ばれた繊維の表面に導電性を有した金属がメッキされてなるカット繊維を含有した不織布であることを特徴とするものでもある。
更に本発明は、上記の特徴を有したマスクにおいて、前記第1及び第2導電性布帛の少なくともいずれか一方が、前記カット繊維を少なくとも5重量%以上含んでいることを特徴とするものでもある。

0010

又、本発明は、上記の特徴を有したマスクにおいて、前記第1及び第2導電性布帛の少なくともいずれか一方が、導電性金属もしくは導電性カーボン練り込んだ繊維又は導電性カーボン繊維を含む不織布であることを特徴とするものでもある。
又、本発明は、上記の特徴を有したマスクにおいて、前記電気絶縁性布帛が、20〜200μmの厚みを有する不織布であることを特徴とするものでもある。
本発明のマスクを構成するマスク本体の両端部には、一般に耳掛け部が設けられるが、マスク本体の内側カバーの周縁部分を人体に密着可能にした場合、例えば弱粘着性物質を周縁部に塗布した構成とした場合には、耳掛け部を設けなくても良い。

発明の効果

0011

上記の構成を有した本発明の殺菌フィルター及びマスクでは、中間層である電気絶縁性布帛によって、第1導電性布帛と第2導電性布帛との間で放電が生じないようになっており、2つの導電性布帛のうちの一方がプラスに印加され、他方がマイナスに印加されるので、最も外側に位置する外側カバーを通過した菌又はウィルスが帯電していた場合には、その電荷と反対の電荷に印加された方の導電性布帛の位置にまで電気的に吸引され、菌又はウィルスと導電性布帛との距離が放電距離にまで達した時点で放電が起こり、その結果、菌又はウィルスが死滅する。又、本発明では、空中にある菌又はウィルスが帯電していない場合であっても、第1導電性布帛を通過することで菌又はウィルスが当該導電性布帛と同じ電荷に帯電し、その後、反対の電荷に印加された第2導電性布帛に電気的に吸引され、菌又はウィルスと導電性布帛との距離が放電距離にまで達した時点で放電が起こり、菌又はウィルスが死滅する。

図面の簡単な説明

0012

本発明の殺菌フィルターの層構成を示す図である。
本発明のマスクの外観の一例を示す図である。
本発明のマスクを構成するマスク本体の層構成及び電池との接続状態を示す模式図である。

0013

本発明の殺菌フィルターは、図1に示されるように、いずれも通気性を有する、第1導電性布帛1と、電気絶縁性布帛2と、第2導電性布帛3が積層された構成を有しており、第1導電性布帛1と第2導電性布帛3とは電池の異なる極に接続して使用され、以下、この殺菌フィルターを用いた本発明のマスクの好ましい具体例を図面に示して本発明を詳細に説明するが、本発明は、図面に例示したものに限定されるものではない。

0014

図2に示されるように、本発明のマスクは、電池aと、人体のや口を覆うに適した形状を有するマスク本体bとを具備し、マスク本体bは、通気性を有する外側カバー4と通気性を有する内側カバー5の周縁部が縫製されてなり、耳掛け部のあるマスクの場合、マスク本体bの両端部に耳掛け部cが設けられる。一般に、外側カバー4と内側カバー5はガーゼであるが、これに限定されるものではない。

0015

そして、この外側カバー‐内側カバー縫製体の内部には、本発明の殺菌フィルターが、図3に示されるように、外側カバー4から内側カバー5に向かって順に、いずれも通気性を有する、第1導電性布帛1と、電気絶縁性布帛2と、第2導電性布帛3が積層された状態で収容されている。図2に例示した本発明のマスクでは、マスク本体bの下部で、外側カバー4と内部カバー5の間に、電池を収容するための電池収容部6が設けられており、この中にボタン型の電池が収容されるようになっている。ただし、この電池収容部6はマスク本体bの外部にあっても良く、この場合には、両導電性布帛と接続されたコネクターをマスク本体bに設け、これを電線により電池収容部である電池ケースと接続すれば良く、電池ケースは胸ポケットに収容するに適した大きさ及び形状を有していることが望ましい。この際、電池ケースの部分や、コネクターと電池ケースとの間に、電源オンオフができるようにスイッチを設けても良い。

0016

本発明においてマスク本体内に電池収容部6を設ける際、マスク本体側に実質的にC字状やU字状のプラスチックメス部材を取り付け、このメス部材内に、台座部分に電池を載せた状態のオス部材装入・取り出しできるようにし、電池を載せたオス部材をメス部材に装入した際に、ボタン型電池の極と導電性布帛とが直接接触する構造であることが好ましい。本発明では、このような構造とすることでマスクの軽量化を図ることができ、ボタン型電池の落下による飲み込み防止を図ることもできる。上記オス部材を確実にメス部材に固定するには、一方の部材に小さな凸部を設けて、他方の部材にこれに対応する凹部を設け、これらが互いに嵌合する構造とすることが好ましい。尚、本発明では、ボタン型電池以外に、一般の乾電池フィルム電池バッテリー等が広く使用でき、本発明では、この電池aを交換することによりマスクを繰り返し使用することができる。

0017

又、図2のマスクでは、第1導電性布帛1と第2導電性布帛3のそれぞれ下辺側点線で示した丸印の位置)が、電池aの正極側又は負極側と電線により接続されているが、この接続方法も図面に例示したものに限定されるものではなく、例えば、厚さ0.02mm〜0.1mmの薄い網状の銅、ニッケルステンレス等の金属を各導電性布帛に導電性接着剤商品名:ドータイト)で接着しても良く、導電性の金属繊維で縫製しても良い。
尚、本発明における電池aは、菌及びウィルスを放電により死滅させることが可能な電圧を有していれば良いが、あまり高電圧になると人体に危険であるので、一般的には2.4V〜24V程度のものが好ましい。これは、24V以上の電圧を印加した時に、後述する導電性繊維溶けたり、発煙を生じることがあるからであり、本発明のマスクにおいては24V以上の電圧印加を避けることで安全性を保つことができる。更に、電圧の印加をオン‐オフさせるためのスイッチを設けても良く、スイッチがオンの状態であること及び放電に必要な電圧であることを示す、消費電力の僅かなLEDを設けても良い。

0018

本発明のマスクにおいては、電池aの正極が、第1導電性布帛1と第2導電性布帛3のいずれか一方に接続され、電池aの負極に、他方の導電性布帛が接続されていれば良く、第1導電性布帛1と第2導電性布帛3のいずれか一方の表面と、当該表面に近接した菌やウィルスとの間で放電が生じるようになっている。このような放電に適した第1導電性布帛1及び第2導電性布帛3は、同種同士であっても、異種の組み合わせであっても良く、導電性を有する短繊維を絡ませてなる不織布及び、導電性を有する繊維からなるメッシュ体から選ばれる。導電性を有する短繊維を絡ませてなる不織布としては、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン及び綿からなる群より選ばれた繊維の表面に導電性を有した金属がメッキされてなるカット繊維を含有した不織布が挙げられ、この際、表面にメッキされる金属としては、導電性に優れた金、銀、銅、ニッケル等が好ましい。そして、第1導電性布帛1と第2導電性布帛3を構成する不織布の表面には、放電のためのミクロンオーダーの太さのケバ(不織布表面に植立した細い毛)が設けられており、これによって、ケバの先端(端子)からの放電が起こり易くなって殺菌効率が高まり、電圧を大きくするための昇圧器を設ける必要がない。不織布の表面にケバを形成させるには、上記の不織布を表面をケバ立て(バフ)加工しても良く、マスクに適した9cm×13cmの大きさの導電性布帛の場合、15,000〜400,000箇所程度のケバが存在していることが好ましい。
本発明において、導電性不織布の表面存在する端子は、不織布を乾式法で製造する際には繊維長5〜51mmの短繊維で造ることが望ましく、湿式法であれば繊維長1〜5mmの短繊維で造ることができ、例えば20g/m2、導電性短繊維量5%、9cm×13cmの大きさであっても端子は15,000以上存在する。ただし、繊維長が5mm以下の場合には端子数は多くなるが、接着面積が小さく繊維が落下する恐れがあり、又、呼吸時の吸い込みによる危険もあるので好ましくなく、5mm以上が望ましく、1mm2単位面積当たり1本以上の端子が存在することが好ましい。
尚、本発明では、第1導電性布帛1及び第2導電性布帛3として、導電性を有する金属繊維からなるメッシュ体を使用することもでき、このようなメッシュ体として、金属繊維からなるメッシュ体の表面に予め接着剤を塗布し、この表面に静電気を利用して、導電性繊維又は繊維状金属からなるパイル植え付けたもの(フロッキー加工が施された金属メッシュ)が使用できる。

0019

本発明における第1導電性布帛1と第2導電性布帛3の好ましい一例としては、前記の金属がメッキされたカット繊維を少なくとも5重量%以上、好ましくは10〜25重量%含有する不織布が挙げられるが、このような繊維の割合が5重量%未満である場合には充分な導電性が得られない。このような導電性布帛としては、例えば表面に銀メッキが施された導電性ポリエステル短繊維を10重量%含む不織布が挙げられ、本発明に適した導電性布帛の厚さは、20〜100g/m2で、50g/m2前後が特に好ましく、150g/m2を超えると通気性が悪くなるので好ましくない。

0020

本発明では、第1導電性布帛1と第2導電性布帛3の少なくともいずれか一方が、導電性金属もしくは導電性カーボンを練り込んだ繊維を含む不織布であっても、導電性カーボン繊維を含む不織布であっても良い。本発明における第1導電性布帛1、第2導電性布帛3が、導電性を有する繊維からなるメッシュ体である場合には、息苦しくないように、メッシュ体の目の大きさは100〜400メッシュであることが好ましい。
一方、これら導電性布帛の間に挟まれる電気絶縁性布帛2は、通気性を有し、かつ、第1導電性布帛1と第2導電性布帛3とを電気的に絶縁可能なものであれば良いが、第1導電性布帛1のケバと第2導電性布帛3のケバが接触しない厚みのものを選択する必要がある。即ち、第1導電性布帛1のケバの垂直方向高さをh1、第2導電性布帛3のケバの垂直方向高さをh2とした場合、h1+h2を超える厚みを有した電気絶縁性布帛2が使用される。このようにして、電気絶縁性布帛2の厚みは、使用する導電性布帛のケバの長さに応じて変動するが、一般的には20〜200μmの厚みを有したものが好ましく、30〜120μmの厚みのものが特に好ましい。
本発明では、第1導電性布帛1、電気絶縁性布帛2、第2導電性布帛3の大きさは、特に限定されないが、マスク用途に適した大きさとしては、鼻と口からの呼吸部が覆えるように70〜120mm×120〜180mmが望ましい。

0021

以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1:導電性布帛の製造例
市販の直径9μm太さのポリエステル繊維に銀メッキを施し、カットして繊維長38mmとした短繊維を準備した。そして、この銀メッキポリエステル25重量%、熱融着繊維としてのポリエステル繊維(太さ6μm、繊維長38mm)3重量%、銀メッキ処理されていないポリエステル繊維(太さ9μm、繊維長38mm)72重量%を混合し、熱を加えて熱融着繊維を溶融させ、銀メッキポリエステル短繊維が絡み合った構造の導電性不織布(50g/m2)を製造した。
このようにして得られた導電性不織布の厚みは170μmで、電気抵抗値は約7Ω/10cmであり、この表面には、9cm×13cmの大きさ当たり理論上約27700箇所のケバ(端子)が存在していることになる。

0022

実施例2:中間層である電気絶縁性布帛の厚み選定実験
電極として上記実施例1の導電性布帛を用い、中間層である電気絶縁性布帛として、市販の厚さ80μmの不織布を使用し、導電性布帛と電気絶縁性布帛の乾燥・湿潤状態、並びに、電気絶縁性布帛の厚みを変化させた際(1枚の場合と、2枚重ねの場合)の絶縁性について試験した。尚、実験において使用した電圧は、0V、3V、6V、12V、15Vであり、その時の電流を測定した。その結果を以下の表1に示す。

0023

0024

上記表1の結果より、2枚の導電性布帛(電極)の乾燥・湿潤状態や、中間層の電気絶縁性布帛(電極間絶縁体)の乾燥・湿潤状態に関係なく、電気絶縁性布帛が1枚の場合には電流が流れ、2枚の導電性布帛の絶縁が得られないが、電気絶縁性布帛を2枚重ね(厚み160μm)にすると、いずれの場合にも電流は流れず、2枚の導電性布帛が完全に絶縁されることがわかった。80μmの厚さの不織布1枚で絶縁が得られなかった理由としては、表面側に位置する導電性布帛の表面に存在する細いケバと、裏面側に位置する導電性布帛の表面に存在する細いケバが、不織布の部分で接触しているものと考えられ、この結果は、ケバ同士を引き離すのに160μmの厚さが必要であることを示している。

0025

実施例3:本発明のマスクの製造例
第1及び第2導電性布帛として、前記実施例1で用いた銀メッキ繊維を5重量%含む導電性布帛(9cm×13cm)を準備し、電気絶縁性布帛として市販の厚さ80μmの不織布(9cm×13cm)を2枚重ねしたものを準備し、外側カバー及び内側カバーとして市販のガーゼ(10cm×14cm)を準備した。そして、第1及び第2導電性布帛に電線を取り付けた後、上記電気絶縁性布帛の両面に配置して積層し、殺菌フィルターを得た。
ついで、この殺菌フィルターの両面に外側カバー及び内側カバーを配置して積層し、マスクの下端側に小型ボタン電池を収容するための電池収容部(電池装入部)を設けて、外側カバー及び内側カバーの周縁部を縫製し、更にゴム紐を取り付けて、図2に示される外観及び構造のマスクとし、電池収容部にボタン型リチウム電池(3V)を入れて、本発明のマスクを作製した。

0026

実施例4:殺菌効果の確認実験
上記実施例3で製造した本発明のマスクと、対照としての市販のガーゼマスクをそれぞれ3枚ずつ用意し、SEK菌数測定法(黄色ブドウ球菌、サイズ0.8×1.0μ、NBRC−12732)によりマスクの殺菌効果を調べた。尚、実験に使用した本発明のマスクには、9cm×13cmの大きさ当たり約27,710個の放電端子が存在しており、大多数のウィルスがマイナス帯電であることから、マスクの外側に位置する導電性布帛をプラス電極とし、内側に位置する導電性布帛をマイナス電極とした。18時間後の測定結果を以下の表2に示す。

0027

0028

上記表2の結果から、市販のガーゼマスクを用いた場合には、18時間後において黄色ブドウ球菌の数が増えているのに対し、銀メッキされた繊維を5重量%含む不織布の場合には18時間後において黄色ブドウ球菌は不検出であり、本発明のマスクの殺菌効果が確認された。これは、マスクを通過する菌が、放電によって死滅したためと考えられる。

0029

実施例5:殺菌効果の確認実験II
上記実施例3で製造した本発明のマスクを用い、105個に培養した黄色ブドウ球菌を空中に散布し、ファンにより強制落下させ、導電性布帛間の電圧を3V、6V、12Vに変化させた際の放電による殺菌効果の違いを調べた。テスト方法は、以下の通りである。
ガラス箱(35cm×35cm×25cm、ファン(直径5cm)、散布穴(直径1cm))内にシャーレ(直径10cm、Nutrient Broth寒天培地)を置き、落下した生菌数(黄色ブドウ球菌、サイズ0.8×1.0μ、NBRC−12732)を48時間後、寒天培地上コロニーの数を測定した。以下の表3において、「マスク」とは、市販のガーゼマスクでシャーレの上面を覆った測定試料であり、「電極( )V」とは、本発明のマスクにおける導電性布帛間に一定の電圧をかけた状態でシャーレの上面を覆った測定試料であり、「コントロール」とは、シャーレの上面が何も覆われていない測定試料を示す。

0030

実施例

0031

上記表3の実験結果から、市販のガーゼマスクでは黄色ブドウ球菌がマスクを通過して寒天培地上に落下するが、殺菌フィルターを組み込んだ本発明のマスクの場合には、黄色ブドウ球菌がマスクをほとんど通過せず、導電性布帛間の電圧が3Vから12Vに上がるにつれて、黄色ブドウ球菌の死滅率が上昇することが確認された。

0032

本発明は、殺菌フィルターを構成する2枚の導電性布帛に電池の異なる極を接続することによって簡単に構成でき、フィルターを通過する菌やウィルスが帯電していても帯電していなくても、導電性布帛の表面に存在するケバからの放電により菌やウィルスを死滅させることができるので、種々の用途に利用できる。適した用途は、上述のマスクだけでなく、室内用フィルターエアコン等の電化製品の各種フィルターにも適用可能である。

0033

a電池(電源)
bマスク本体
c耳掛け部
1 第1導電性布帛
2電気絶縁性布帛
3 第2導電性布帛
4外側カバー
5内側カバー
6電池収容部

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