図面 (/)

技術 所定の機能を実行する通信装置を、通信装置が有する値に基づく密度で選択する方法、該方法のための通信装置及びプログラム

出願人 KDDI株式会社
発明者 久保健長谷川輝之長谷川亨
出願日 2009年11月5日 (11年6ヶ月経過) 出願番号 2009-253739
公開日 2011年5月19日 (9年11ヶ月経過) 公開番号 2011-101148
状態 特許登録済
技術分野 広域データ交換
主要キーワード 連立微分方程式 環境値 補助変数 隣接装置 通信用バッファ 偏微分方程式 ユークリッド空間 隣接関係
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年5月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

ネットワークを構成する各通信装置の中で、所定の機能を実行する通信装置密度制御変数により決まる密度にて自律的に配置する。

解決手段

各通信装置は、隣接装置からポテンシャル変数及び補助変数を受信する度に、保存している該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を更新し、各隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数、並びに、自装置のポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数に基づき自装置のポテンシャル変数及び補助変数を所定の計算式により更新し、自装置のポテンシャル変数と、各隣接装置のポテンシャル変数に基づき所定の機能の実行を行うか否かを判定する。ここで、各通信装置は、自装置のポテンシャル変数が、全隣接装置のポテンシャル変数より大きいこと、或いは、小さいことを、前記所定の機能の実行を行う条件の1つとする。

概要

背景

P2P(Peer to Peer)ネットワークとは、オーバレイ・ネットワークとも呼ばれ、例えば、インターネットに接続する通信装置間で構成される仮想的なネットワークである。これら、P2Pネットワークでは、P2Pネットワークを構成する通信装置が対等の関係にあり、サーバとしての機能や、クライアントとしての機能をそれぞれの通信装置が提供している。

また、センサ・ネットワークとは、環境を測定するセンサ・デバイス分散配置して、広範囲にわたる環境情報を取得するネットワークである。センサ・ネットワークには、Sinkノードと呼ばれるノードが存在する。Sinkノードとは、当該Sinkノードの周囲のノードが測定した測定値収集して、測定値を処理する装置に送信するゲートウェイとしての役割を果たしている。これらセンサ・ネットワークにおけるルーティング技術が、非特許文献1及び2には記載されている。

概要

ネットワークを構成する各通信装置の中で、所定の機能を実行する通信装置を密度制御変数により決まる密度にて自律的に配置する。各通信装置は、隣接装置からポテンシャル変数及び補助変数を受信する度に、保存している該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を更新し、各隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数、並びに、自装置のポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数に基づき自装置のポテンシャル変数及び補助変数を所定の計算式により更新し、自装置のポテンシャル変数と、各隣接装置のポテンシャル変数に基づき所定の機能の実行を行うか否かを判定する。ここで、各通信装置は、自装置のポテンシャル変数が、全隣接装置のポテンシャル変数より大きいこと、或いは、小さいことを、前記所定の機能の実行を行う条件の1つとする。

目的

C.Intanagonwiwat、 et al.、“Directed Diffusion for Wireless Sensor Networking"、IEEE/ACMTransactions on Networking、VOL.11 No. 1、pp2、2003年
F.Ye、et al.、“GRAdient Broadcast: A Robust Data Delivery Protocol for Large Scale Sensor Networks”、ACM Wireless Networks、 Vol.11 No.3、pp.285−298(14)、2005年






上記、複数の通信装置から構成されるP2Pネットワークや、センサ・ネットワークに対して、サーバ機能や、Sinkノードとしての機能を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

通信リンクにより接続している隣接装置ポテンシャル変数及び補助変数を保存し、隣接装置からポテンシャル変数及び補助変数を受信する度に、保存している該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を更新する第1手段と、自装置のポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数を保存し、自装置のポテンシャル変数及び補助変数を隣接装置に送信する第2手段と、各隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数、並びに、自装置のポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数に基づき自装置のポテンシャル変数及び補助変数を所定の計算式により更新する第3手段と、自装置のポテンシャル変数と、各隣接装置のポテンシャル変数に基づき所定の機能の実行を行うか否かを判定する第4手段と、を備えており、第4手段は、自装置のポテンシャル変数が、全隣接装置のポテンシャル変数より大きいこと、或いは、小さいことを、前記所定の機能の実行を行う条件の1つとする、通信装置

請求項2

前記所定の計算式は、複数の前記通信装置から構成されるネットワークにおける各通信装置のポテンシャル変数を、極大値極小値が繰り返す様に分布させるものであり、前記極大値と極小値の繰り返し密度は、前記密度制御変数により変化する、請求項1に記載の通信装置。

請求項3

A、ΔT及びΔxを正の定数とすると、隣接装置kの補助変数vk、自装置のポテンシャル変数u、自装置の補助変数v及び自装置の密度制御変数Cから、自装置の更新後のポテンシャル変数unewを求める計算式は、であり、隣接装置kのポテンシャル変数uk、自装置のポテンシャル変数uから、自装置の更新後の補助変数vnewを求める計算式は、である、請求項1又は2に記載の通信装置

請求項4

A、ΔT及びΔxを正の定数とすると、隣接装置kの2つの補助変数vk及びwk、自装置のポテンシャル変数u、自装置の2つの補助変数v及びw、自装置の密度制御変数Cから自装置の更新後のポテンシャル変数unew及び補助変数wnewを求める計算式は、それぞれ、であり、隣接装置kのポテンシャル変数uk、自装置のポテンシャル変数uから、自装置の更新後の補助変数vnewを求める計算式は、である、請求項1又は2に記載の通信装置

請求項5

第4手段は、自装置のポテンシャル変数を更新することによる値の変化を、所定の閾値により大小判定し、変化が小さいことを前記所定の機能の実行を行う条件の1つとする、請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。

請求項6

密度制御変数を、自装置の内部又は外部の監視対象の値により決定する、請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。

請求項7

密度制御変数を更新するとき、自装置の補助変数に所定値を、自装置のポテンシャル変数に0以上であり所定の最大値以下の乱数を設定する、請求項6に記載の通信装置。

請求項8

それぞれがポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数を管理する複数の通信装置を含むシステムにおいて、所定の機能を実行する通信装置を選択する方法であって、各通信装置が、通信リンクにより接続している隣接装置にポテンシャル変数及び補助変数を広告する第1ステップと、各通信装置が、隣接装置からポテンシャル変数及び補助変数を受信した場合において、該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を既に保存している場合には、保存している該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を更新し、保存していない場合には、該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を保存する第2ステップと、各通信装置が、各隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数、並びに、自装置のポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数に基づき、自装置のポテンシャル変数及び補助変数を所定の計算式により更新する第3ステップと、を繰り返し、各通信装置が、自装置のポテンシャル変数と、各隣接装置のポテンシャル変数に基づき所定の機能の実行を行うか否かを判定する第4ステップを有し、第4ステップにおいて、所定の機能の実行を行うと判定する条件の1つは、ポテンシャル変数が、全隣接装置のポテンシャル変数より大きいこと、或いは、小さいことである、方法。

請求項9

前記所定の計算式は、ポテンシャル変数の値を高さとすると、各通信装置のポテンシャル変数の分布を、山と谷が繰り返す形状にするものであり、前記山と谷が生じる密度は、前記密度制御変数により変化する、請求項8に記載の方法。

請求項10

請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置としてコンピュータを機能させるプログラム

技術分野

0001

本発明は、ネットワーク全体を管理する管理装置を設けることなく、ネットワークを構成する多数の通信装置の中から、所定の機能、例えば、サーバ機能を実行する通信装置を、ネットワークが所定の密度自律的に選択する技術に関する。なお、所定の密度は、各装置にあらかじめ与える、あるいは、各装置が何らかの方法にて取得する値に基づき決定される。

背景技術

0002

P2P(Peer to Peer)ネットワークとは、オーバレイ・ネットワークとも呼ばれ、例えば、インターネットに接続する通信装置間で構成される仮想的なネットワークである。これら、P2Pネットワークでは、P2Pネットワークを構成する通信装置が対等の関係にあり、サーバとしての機能や、クライアントとしての機能をそれぞれの通信装置が提供している。

0003

また、センサ・ネットワークとは、環境を測定するセンサ・デバイス分散配置して、広範囲にわたる環境情報を取得するネットワークである。センサ・ネットワークには、Sinkノードと呼ばれるノードが存在する。Sinkノードとは、当該Sinkノードの周囲のノードが測定した測定値収集して、測定値を処理する装置に送信するゲートウェイとしての役割を果たしている。これらセンサ・ネットワークにおけるルーティング技術が、非特許文献1及び2には記載されている。

先行技術

0004

C.Intanagonwiwat、 et al.、“Directed Diffusion for Wireless Sensor Networking"、IEEE/ACMTransactions on Networking、VOL.11 No. 1、pp2、2003年
F.Ye、et al.、“GRAdient Broadcast: A Robust Data Delivery Protocol for Large Scale Sensor Networks”、ACM Wireless Networks、 Vol.11 No.3、pp.285−298(14)、2005年

発明が解決しようとする課題

0005

上記、複数の通信装置から構成されるP2Pネットワークや、センサ・ネットワークに対して、サーバ機能や、Sinkノードとしての機能を提供する通信装置を所定の密度で配置したいとする。ネットワークが固定的であり、ネットワークに新たに参加する装置や、このネットワークから離脱する装置が発生しない場合には、ネットワークの構成から、所定の機能を実行する装置を決定するのみで良い。しかしながら、通信装置間の接続関係が時間と共に変化したり、P2Pネットワークの様に、ネットワークに新たに参加する装置や、このネットワークから離脱する装置が発生したりする場合には、ネットワーク構成の変化に伴い、所定の機能を実行する通信装置を変更させる仕組みが必要となる。

0006

なお、上記P2Pネットワークにおいて、例えば、あるファイ転送に係った通信装置は、そのファイル蓄積して、そのファイルのサーバ装置として動作するが、サーバ装置の位置や密度を制御することはできない。また、上記センサ・ネットワークにおいても、Sinkノードは固定的であり、センサの配置状況において、自律的に、その機能を担う装置を変更することはない。

0007

さらに、所定の機能を実行する通信装置には、他の通信装置が、所定の機能を利用するためにアクセスするが、他の通信装置による所定の機能へのアクセス頻度は、通信装置毎に異なるため、所定の機能を実行している通信装置に他の通信装置がアクセスすることにより生じる負荷も、所定の機能を実行している通信装置毎に異なることになる。このため、所定の機能を実行している通信装置の配置密度についても、例えば、他の通信装置が所定の機能にアクセスすることにより生じる負荷等に基づき増減させることできれば、所定の機能を実行している通信装置に生じる負荷を均等にすることができるため便利である。

0008

所定の機能を実行する通信装置を、例えば、上記通信装置に生じる負荷といった、何らかのパラメータ値に基づき決定される密度にて動的に決定する方法の1つとして、全ネットワークの構成を管理する管理装置を導入し、この管理装置が、ネットワーク構成の変化及びパラメータ値の変化に応じて、所定の機能を実行する装置を決定することが考えられる。しかしながら、通信装置間の接続関係の変化、新たな通信装置の参加、既存の通信装置の離脱、パラメータ値を、総て、管理装置に通知しなければならず、処理が煩雑となる。

0009

したがって、本発明は、ネットワーク全体を管理する管理装置を設けることなく、ネットワークを構成する各通信装置の中で、所定の機能を実行する通信装置を、通信装置に与えられた、あるいは、通信装置が取得する値により決まる密度にて選択して配置する方法と、そのための通信装置及びプログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明における通信装置によれば、
通信リンクにより接続している隣接装置ポテンシャル変数及び補助変数を保存し、隣接装置からポテンシャル変数及び補助変数を受信する度に、保存している該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を更新する第1手段と、自装置のポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数を保存し、自装置のポテンシャル変数及び補助変数を隣接装置に送信する第2手段と、各隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数、並びに、自装置のポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数に基づき自装置のポテンシャル変数及び補助変数を所定の計算式により更新する第3手段と、自装置のポテンシャル変数と、各隣接装置のポテンシャル変数に基づき所定の機能の実行を行うか否かを判定する第4手段とを備えており、第4手段は、自装置のポテンシャル変数が、全隣接装置のポテンシャル変数より大きいこと、或いは、小さいことを、前記所定の機能の実行を行う条件の1つとすることを特徴とする。

0011

本発明における通信装置の他の実施形態によれば、
前記所定の計算式は、複数の前記通信装置から構成されるネットワークにおける各通信装置のポテンシャル変数を、極大値極小値が繰り返す様に分布させるものであり、前記極大値と極小値の繰り返し密度は、前記密度制御変数により変化することも好ましい。

0012

また、本発明における通信装置の他の実施形態によれば、
A、ΔT及びΔxを正の定数とすると、
隣接装置kの補助変数vk、自装置のポテンシャル変数u、自装置の補助変数v及び自装置の密度制御変数Cから、自装置の更新後のポテンシャル変数unewを求める計算式は、

0013

であり、隣接装置kのポテンシャル変数uk、自装置のポテンシャル変数uから、自装置の更新後の補助変数vnewを求める計算式は、

0014

であることも好ましい。

0015

また、本発明における通信装置の他の実施形態によれば、
A、ΔT及びΔxを正の定数とすると、
隣接装置kの2つの補助変数vk及びwk、自装置のポテンシャル変数u、自装置の2つの補助変数v及びw、自装置の密度制御変数Cから自装置の更新後のポテンシャル変数unew及び補助変数wnewを求める計算式は、それぞれ、

0016

であり、隣接装置kのポテンシャル変数uk、自装置のポテンシャル変数uから、自装置の更新後の補助変数vnewを求める計算式は、

0017

であることも好ましい。

0018

さらに、本発明における通信装置の他の実施形態によれば、
第4手段は、自装置のポテンシャル変数を更新することによる値の変化を、所定の閾値により大小判定し、変化が小さいことを前記所定の機能の実行を行う条件の1つとすることも好ましい。

0019

さらに、本発明における通信装置の他の実施形態によれば、
密度制御変数を、自装置の内部又は外部の監視対象の値により決定することも好ましい。

0020

さらに、本発明における通信装置の他の実施形態によれば、
密度制御変数を更新するとき、自装置の補助変数に所定値を、自装置のポテンシャル変数に0以上であり所定の最大値以下の乱数を設定することも好ましい。

0021

本発明による方法によれば、
それぞれがポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数を管理する複数の通信装置を含むシステムにおいて、所定の機能を実行する通信装置を選択する方法であって、各通信装置が、通信リンクにより接続している隣接装置にポテンシャル変数及び補助変数を広告する第1ステップと、各通信装置が、隣接装置からポテンシャル変数及び補助変数を受信した場合において、該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を既に保存している場合には、保存している該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を更新し、保存していない場合には、該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を保存する第2ステップと、各通信装置が、各隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数、並びに、自装置のポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数に基づき、自装置のポテンシャル変数及び補助変数を所定の計算式により更新する第3ステップとを繰り返し、各通信装置が、自装置のポテンシャル変数と、各隣接装置のポテンシャル変数に基づき所定の機能の実行を行うか否かを判定する第4ステップを有し、第4ステップにおいて、所定の機能の実行を行うと判定する条件の1つは、ポテンシャル変数が、全隣接装置のポテンシャル変数より大きいこと、或いは、小さいことであることを特徴とする。

0022

本発明による方法によれば、
前記所定の計算式は、ポテンシャル変数の値を高さとすると、各通信装置のポテンシャル変数の分布を、山と谷が繰り返す形状にするものであり、前記山と谷が生じる密度は、前記密度制御変数により変化することも好ましい。

0023

本発明のプログラムによれば、
上記通信装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする。

発明の効果

0024

ネットワーク全体を管理する管理装置を設けることなく、ネットワークを構成する各通信装置の中で、所定の機能を実行する通信装置を、通信装置に与えられた、あるいは、通信装置が取得する密度制御変数により決まる密度にて選択して配置することができる。

図面の簡単な説明

0025

本発明による通信システムを示す図である。
本発明による通信装置の簡略化した構成図である。
処理の流れを説明する図である。
ポテンシャル変数の分布を示す図である。

実施例

0026

本発明を実施するための形態について、以下では図面を用いて詳細に説明する。

0027

図1は、本発明による通信システムを示す図である。本発明による通信システムは、図1において四角形で表されている本発明による通信装置を複数台含んでいる。なお、図1において、各通信装置を接続する線は通信リンクである。本発明の通信装置により構成されるネットワークにおいては、例えば、P2Pネットワークや、無線アドホック・ネットワークの様に、ネットワーク構成、つまり、通信装置間の通信リンクや、ネットワークに参加している通信装置が、時間の経過により変化する可能性がある。なお、以下の説明において、隣接装置とは、ある通信装置から見て、通信リンクにより接続されている通信装置を意味するものとする。つまり、図1縦線塗り潰された四角形に対応する通信装置は、図1斜線で塗り潰された四角形に対応する通信装置の隣接装置である。

0028

図2に、本発明による通信装置の簡略化した構成を示す。図2に示す様に、本発明による通信装置は、隣接装置変数管理部1と、変数計算部2と、自装置変数管理部3と、実行判定部4とを備えている。また、以下に説明する本発明の第1実施形態において、各通信装置は、ポテンシャル変数uと、補助変数vと、密度制御変数Cを管理している。ここで、ポテンシャル変数とは、各通信装置が、所定の機能の実行を行うか否かを判定するために使用する値であり、補助変数とは、ポテンシャル変数の計算に利用する変数であり、密度制御変数とは、所定の機能を実行する通信装置の密度を変化させる変数である。ここで、第1実施形態において、密度制御変数は、各通信装置にあらかじめ設定されている値とする。

0029

隣接装置変数管理部1は、隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を、当該隣接装置の識別子に関連付けて保持している。具体的には、隣接装置変数管理部1は、隣接装置が所定のスケジュールに基づいて広告する、当該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を含む信号を受信する度に、保持している当該隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数を受信した値に更新し、ある通信装置と通信リンクが新たに設定され、これにより当該通信装置から初めて広告を受信した場合には、広告に含まれる当該通信装置の識別子に関連付けて、広告に含まれるポテンシャル変数及び補助変数を保存する。なお、ある隣接装置から所定の期間、ポテンシャル変数及び補助変数を含む信号を受信しなかった場合、当該隣接装置とはもはや隣接関係にはないと看做すことができるので、隣接装置変数管理部1は、当該隣接装置であった通信装置のポテンシャル変数及び補助変数を削除する。

0030

自装置変数管理部3は、自装置のポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数を保持しており、所定のスケジュールに基づいて自装置のポテンシャル変数及び補助変数を隣接装置に広告する。

0031

変数計算部2は、隣接装置変数管理部1が保持している各隣接装置のポテンシャル変数及び補助変数と、自装置変数管理部3が保持している自装置のポテンシャル変数、補助変数及び密度制御変数に基づき、所定のスケジュールで指定されるタイミングにおいて、自装置のポテンシャル変数及び補助変数の値を新たに決定する。自装置変数管理部3は、管理している自装置のポテンシャル変数及び補助変数を、変数計算部2が決定した値に更新する。なお、自装置変数管理部3は、変数計算部2が決定した値にポテンシャル変数の値を更新する前に、更新前の値を実行判定部4に出力し、実行判定部4は、この値を、自装置のポテンシャル変数の1つ前の値として保持する。

0032

実行判定部4は、所定のスケジュールで指定されるタイミングにおいて、保持している自装置の1つ前のポテンシャル変数と、自装置変数管理部3が保持している自装置の最新のポテンシャル変数と、隣接装置変数管理部1が管理している各隣接装置のポテンシャル変数から、所定の機能の実行を行うか否かを判定する。判定時に所定の機能を実行していない場合において、実行するとの判定になった場合には所定の機能の実行を開始し、実行しないとの判定になった場合には、所定の機能の実行は開始しない。同様に、判定時に所定の機能を実行している場合において、実行するとの判定になった場合には、そのまま所定の機能の実行を継続し、実行しないとの判定になった場合には、所定の機能の実行を停止する。

0033

続いて、第1実施形態におけるシステムの動作について説明する。なお、初期状態において、各通信装置は、補助変数に所定の値、例えば0を、ポテンシャル変数に0以上であり所定の最大値以下の乱数を設定する。

0034

本実施形態において、変数計算部2は、自装置のポテンシャル変数及び補助変数を、更新間隔Icのタイミングにて周期的に計算して更新し、自装置変数管理部3は、m×Icに1回、自装置のポテンシャル変数を広告し、実行判定部4は、n×Icに1回、所定の機能の実行判定を行う。なお、m及びnは整数である。図3に、m=1、n=4の場合における処理の流れを示す。なお、ポテンシャル変数及び補助変数の更新は、異なるタイミングで行っても良い。つまり、時刻T+x・Ic(xは整数)にポテンシャル変数の更新を行い、時刻T+x・Ic+Ic/2に補助変数の更新を行う形態であっても良い。

0035

続いて、変数計算部2における、自装置のポテンシャル変数及び補助変数の更新処理について説明する。まず、変数計算部2は、自装置変数管理部3が保持しているポテンシャル変数をu、補助変数をv、密度制御変数をC、隣接装置変数管理部1が保持している隣接装置kの補助変数をvkすると、自装置の更新後のポテンシャル変数unewを、以下の式(1)により求める。その後、自装置変数管理部3は、保持しているポテンシャル変数uを、求めたunewに更新する。続いて、変数計算部2は、自装置変数管理部3が保持しているポテンシャル変数をu、隣接装置変数管理部1が保持している隣接装置kの補助変数をukすると、自装置の更新後の補助変数vnewを、以下の式(2)により求める。

0036

0037

なお、上式において、Aは正の定数であり、ΔT及びΔxは、正の小さな定数であり、総ての通信装置の変数計算部2に対して同じ値をあらかじめ設定しておく。また、上式においてΣは、総ての隣接装置について足し合わせることを意味している。なお、上述した例では、式(1)により自装置のポテンシャル変数uを先に更新し、その後、更新後のポテンシャル変数を使用して、式(2)により、自装置の補助変数vを更新していたが、補助変数を先に更新し、その後、ポテンシャル変数を計算する形態であっても良い。ただし、その順序は固定的とする。つまり、式(1)によりポテンシャル変数を先に更新するのであれば、各タイミングにおいてポテンシャル変数を先に更新し、その後、式(2)による補助変数の更新を行う。

0038

式(1)及び(2)は、n次元ユークリッド空間における以下の式(3)を、時間1階・空間2階の偏微分方程式と、空間2階の微分方程式連立微分方程式に分割し、それらを時間及び空間について離散化した式と考えることができる。つまり、ΔTは偏微分方程式を数値計算する際に一般的に行われる時間を離散化するための値であり、Δxは偏微分方程式を数値計算する際に一般的に行われる空間を離散化するための値である。なお、本発明におけるシステムは、n次元ユークリッド空間と異なり、隣接する通信装置の数が一定ではないため、式(1)及び(2)においては、各隣接装置と自装置の変数の差を積算している。

0039

なお、Aは、式(1)と同じく正の定数である。また、式(3)の、

0040

ラプラシアンと呼ばれる微分演算子であり、n次元ユークリッド空間では以下の式(4)の様に定義される。同様に、

0041

は以下の式(5)の様に定義される。したがって、

0042

は以下の式(6)の様に表される。

0043

も、式(5)から式(6)と同様にして求められる。

0044

0045

各通信装置が、式(1)及び(2)に従い、ポテンシャル変数及び補助変数を更新していくと、各通信装置のポテンシャル変数の空間分布は、密度制御変数Cの値により決まる密度にて極大値及び極小値が繰り返す様になる。なお、密度制御変数Cの値が大きい程密度は低く、つまり、繰り返し周期が長くなる。図4は、各通信装置がそれぞれ4つの通信装置と通信リンクを設定し、つまり、ネットワーク構成が格子状である場合において、定常状態となったときの、ある一列の通信装置のポテンシャル変数の分布を示している。よって、例えば、通信装置Eは、通信装置D及びFの隣接装置である。ポテンシャル変数の値を高さとすると、図4は、12台の通信装置毎に山及び谷が生じている様子を示している。なお、図4は、ネットワークが格子状であるため、ポテンシャル変数は、正弦波状に分布しているが、実際には、通信リンクの設定状態により、図4に示すものより歪んだ分布となる。しかしながら、通信リンクの設定状態に係らず、ポテンシャル変数は、極大値及び極小値が繰り返す様に分布し、その密度については、密度制御変数Cにより制御することが可能である。なお、ΔT、Δx及びAの値により定常状態になるまでの時間が決定される。

0046

続いて、実行判定部4における所定の機能を実行するか否かの判定について説明する。まず、実行判定部4は、上述した様に、保持している自装置の1つ前のポテンシャル変数ubと、自装置変数管理部3が保持している自装置の最新のポテンシャル変数uaと、ポテンシャル変数の更新間隔Icに基づき、自装置のポテンシャル変数の時間変化率=(ua−ub)/Icを求め、求めた時間変化率の絶対値が閾値以下であるか否かを判定する。

0047

閾値より大きい場合には、ポテンシャル変数の分布が定常状態にないと判定できるため、所定の機能を実行しないと判定する。なお、この閾値は、理想的には0とすべきであるが、現実的には0とすることはできず、0に近い所定の値、例えば、ポテンシャル変数uの初期値として設定する乱数の最大値をMAXとすると、(MAX/Ic)×0.0001等に設定する。なお、この閾値が低すぎると所定の機能の実行がなかなか開始されなくなり、高すぎると、多数の通信装置において無駄に所定の機能の実行が開始されることになる。

0048

時間変化率の絶対値が閾値以下である場合、実行判定部4は、自装置変数管理部3が保持している自装置の最新のポテンシャル変数uaと、隣接装置変数管理部1が保持している全隣接装置のポテンシャル変数を比較し、自装置変数管理部3が保持している自装置の最新のポテンシャル変数uaが最大である場合、所定の機能を実行すると判定し、それ以外の場合には、所定の機能を実行しないと判定する。これは、自装置が、ネットワークのポテンシャル変数の分布における極大値に該当する場合には、所定の機能を実行すると判定するものであるが、極小値の場合に所定の機能を実行すると判定する形態であっても、極大値及び極小値の両方において所定の機能を実行すると判定する形態であっても良い。

0049

なお、本実施形態においては、ポテンシャル変数の分布において山の頂点となっている通信装置が所定の機能を実行しているため、この所定の機能にアクセスしたい場合、通信装置は、隣接装置の中で、ポテンシャル変数が最大の通信装置に信号を送信すれば良い。信号を受信した通信装置は、自装置が所定の機能を実行していない場合、さらに、隣接装置の中で、ポテンシャル変数が最大の通信装置に信号を転送することで、最終的には、所定の機能を実行している通信装置に信号が到達することになる。

0050

続いて、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態においては、1つの補助変数vのみを使用していたが、第2実施形態においては、2つの補助変数v及びwを利用する。したがって、隣接装置変数管理部1は、隣接装置のポテンシャル変数及び2つの補助変数を保持し、自装置変数管理部3は、自装置のポテンシャル変数、2つの補助変数及び密度制御変数を保持し、所定のスケジュールに基づいて自装置のポテンシャル変数及び2つの補助変数を隣接装置に広告する。また、変数計算部2は、隣接装置変数管理部1が保持している各隣接装置のポテンシャル変数及び2つの補助変数と、自装置変数管理部3が保持している自装置のポテンシャル変数、2つの補助変数及び密度制御変数に基づき、所定のスケジュールで指定されるタイミングにおいて、自装置のポテンシャル変数及び2つの補助変数の値を新たに決定する。

0051

本実施形態においては、各通信装置が広告する変数が増え、広告するデータ量と、変数の計算量が増加する。しかしながら、ΔT、Δx及びAが同一である場合、定常状態に収束する時間は第1実施形態より短くなる。以下に、第2実施形態におけるポテンシャル変数、補助変数の更新方法を説明する。その他の処理は第1実施形態と同じである。

0052

まず、初期状態において、各通信装置は、2つの補助変数に所定値、例えば0を、ポテンシャル変数に0以上であり所定の最大値以下の乱数を設定する。また、変数計算部2は、自装置変数管理部3が保持しているポテンシャル変数をu、2つの補助変数をv及びw、隣接装置変数管理部1が保持している隣接装置kの2つの補助変数をvk及びwkとすると、自装置の更新後のポテンシャル変数unew及びwnewを、それぞれ、以下の式(7)及び(8)により求める。その後、自装置変数管理部3は、保持しているポテンシャル変数uを求めたunewに、さらに、保持している補助変数wを求めたwnewに更新する。続いて、変数計算部2は、自装置変数管理部3が保持しているポテンシャル変数をu、隣接装置変数管理部1が保持している隣接装置kの補助変数をukすると、自装置の更新後の補助変数vnewを、以下の式(9)により求める。

0053

0054

なお、A、ΔT及びΔx、さらに、Σの意味は第1実施形態と同じである。なお、第1実施形態と同様、先に式(9)により補助変数vを更新し、その後、式(7)及び(8)により、ポテンシャル変数及び補助変数wの更新を行う形態であっても良い。ただし、式(7)及び(8)による更新と、式(9)による更新の順番は、各タイミングにおいて同じとする。さらに、式(9)による補助変数vの更新を、式(7)及び(8)によるポテンシャル変数u及び補助変数wの更新とは異なるタイミングで行っても良い。つまり、時刻T+x・Ic(xは整数)にポテンシャル変数u及び補助変数wの更新を行い、時刻T+x・Ic+Ic/2に補助変数vの更新を行う形態であっても良い。

0055

式(7)、(8)及び(9)は、n次元ユークリッド空間における以下の式(10)を、時間1階・空間2階の偏微分方程式と、空間2階の微分方程式の連立微分方程式に分割し、それらを時間及び空間について離散化した式と考えることができる。なお、本発明におけるシステムは、n次元ユークリッド空間と異なり、隣接する通信装置の数が一定ではないため、式(7)、(8)及び(9)においては、各隣接装置と自装置の変数の差を積算している。

0056

なお、Aは、式(1)と同じく正の定数であり、ラプラシアンに関しては第1実施形態と同様である。

0057

上述した2つの実施形態において、各通信装置には、あらかじめ所定の値が密度制御変数Cとして設定されているものとしていた。しかしながら、各通信装置が、密度制御変数Cの値を、例えば、CPUの負荷率通信用バッファの空き容量、センサが測定した温度等の環境値、通信装置が電池駆動である場合の電池の残量、通信装置が太陽電池で駆動されている場合の発電量等により動的に変更する形態であっても良い。この場合、各通信装置の自装置変数管理部3は、自装置の密度制御変数Cを決定する装置内部又は外部の監視対象を監視し、対象が変化したことにより、自装置の密度制御変数Cを異なる値に更新する場合、同時に、自装置の総ての補助変数を例えば0といった所定値に、ポテンシャル変数を0以上であり所定の最大値以下の乱数に更新する。つまり、補助変数及びポテンシャル変数を初期化する。これにより、更新後の密度制御変数Cに基づくポテンシャル変数の空間分布に遷移させる。

0058

例えば、通信装置が太陽電池で駆動されている場合において、発電量により密度制御変数Cを決定するものとすると、日向にあり発電量の多い領域においては高い密度で所定の機能を実行する通信装置が配置され、日陰にあり発電量の少ない領域においては低い密度で所定の機能を実行する通信装置が配置され、さらに、発電量の変化に応じてその密度が自律的に変更されることになる。同様に、CPUの負荷率により密度制御変数Cを決定するものとすると、負荷に応じて所定の機能を実行する通信装置の密度を制御することが可能になる。

0059

なお、本発明による通信装置は、コンピュータを図2の各部として機能させるプログラムにより実現することができる。これらコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。さらに、本発明は、ハードウェア及びソフトウェア組合せによっても実現可能である。

0060

1隣接装置変数管理部
2 変数計算部
3 自装置変数管理部
4実行判定部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ