図面 (/)

技術 トルク変動吸収装置

出願人 アイシン精機株式会社トヨタ自動車株式会社
発明者 神谷昌和貞苅秀治江端勝天野剛也草野直史細野真希
出願日 2011年2月22日 (8年7ヶ月経過) 出願番号 2011-035470
公開日 2011年5月19日 (8年4ヶ月経過) 公開番号 2011-099565
状態 特許登録済
技術分野 防振装置
主要キーワード 受渡し部材 周方向空間 捩り角θ 摩擦抵抗トルク 最大ブレーキトルク 相対回動角度 独国特許公開 ヒステリシス装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年5月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

高速駆動の継続時でもトルク変動吸収機能を確保する。

解決手段

周方向に180度ずれて位置する駆動側回転部材トルク受渡し部材28、29と被駆動側回転部材のトルク受渡し部31aとの間の周方向空間に、第1ドライブプレート21のガイド面21aにより摺動可能にガイドさせた9個のスプリングシート60乃至68によってそれぞれの両端を支持させた、3個の低ばね荷重コイルスプリング70乃至72、2個の中ばね荷重のコイルスプリング73、74、3個の高ばね荷重のコイルスプリング75乃至77を周方向に直列に設置する。コイルスプリング75のばね荷重の最大値は、エンジン最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定し、コイルスプリング77のばね荷重の最大値は、最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定する。

概要

背景

自動車エンジン出力軸変速機入力軸との間に介装トルク変動を吸収させるトルク変動吸収装置として、様々な構成のものが知られているが、例えば下記特許文献1の図7に示された装置は、低トルク域から高トルク域に亘り良好なトルク変動吸収性能を発揮させるために捩り特性駆動側回転部材と被駆動側回転部材との相対回動角度トルクとの関係を表す)を折れ線状に設定可能とし、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との間でトルク伝達をするコイルスプリング遠心力により他部材と接触し摩耗して損傷する可能性を低くすることとしている。

このトルク変動吸収装置においては、エンジンと一体に回転する駆動側回転部材に半径方向内方に向いたガイド面を設け、このガイド面の内径側に駆動側回転部材と同軸的に且つ回転自在に配置した被駆動側回転部材の外周とガイド面との間に周方向の空間を形成し、駆動側回転部材および被駆動側回転部材には空間内に突入するトルク受渡し部をそれぞれ設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間には、ガイド面により摺動可能にガイドさせたスプリングシートによってそれぞれの両端を支持させた2個の低ばね荷重のコイルスプリング、及びこのコイルスプリングよりばね荷重の大きいコイルスプリング5個を周方向に直列に且つ周方向空間の周方向両端部に低ばね荷重のコイルスプリングが位置するように設置している。そして、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との間の所定の最大捩り角を超える捩りは、駆動側回転部材のトルク受渡し部と被駆動側回転部材のトルク受渡し部との間にスプリングシートを介する当接関係が生じることで規制され、併せて各コイルスプリングの密着が防止されている。

尚、例えば特許文献2及び3には、両端のピッチが小さい円弧状コイルスプリング、あるいは両端が低ばね荷重のコイルスプリングと高ばね荷重のコイルスプリングを組合せたものが使用されている。

概要

高速駆動の継続時でもトルク変動吸収機能を確保する。周方向に180度ずれて位置する駆動側回転部材のトルク受渡し部材28、29と被駆動側回転部材のトルク受渡し部31aとの間の周方向空間に、第1ドライブプレート21のガイド面21aにより摺動可能にガイドさせた9個のスプリングシート60乃至68によってそれぞれの両端を支持させた、3個の低ばね荷重のコイルスプリング70乃至72、2個の中ばね荷重のコイルスプリング73、74、3個の高ばね荷重のコイルスプリング75乃至77を周方向に直列に設置する。コイルスプリング75のばね荷重の最大値は、エンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定し、コイルスプリング77のばね荷重の最大値は、最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定する。

目的

そこで、この出願の発明は、高速駆動時でもトルク変動吸収機能を確保することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

エンジンと一体に回転する駆動側回転部材半径方向内方に向いたガイド面を設け、このガイド面の内径側に前記駆動側回転部材と同軸的に且つ回転自在に配置した被駆動側回転部材の外周と前記ガイド面との間に周方向の空間を形成し、前記駆動側回転部材および前記被駆動側回転部材には前記空間内に突入するトルク受渡し部をそれぞれ設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間には、前記ガイド面により摺動可能にガイドさせたスプリングシートによってそれぞれの両端を支持させたコイルスプリング複数個、周方向に直列に設置したトルク変動吸収装置において、前記複数個のコイルスプリングのうち少なくとも二つのコイルスプリングのばね荷重が相互に異なり、前記周方向空間の周方向両端部に配置され正回転方向側の端部に位置するコイルスプリングのばね荷重と負回転方向側の端部に位置するコイルスプリングのばね荷重は、前記正回転方向側の端部及び前記負回転方向側の端部に配置されたコイルスプリングの間に位置するコイルスプリングのばね荷重より大きい値とし、前記周方向空間の周方向両端部のうちの正回転方向側の端部に配置されたコイルスプリングのばね荷重の最大値を、前記エンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定したことを特徴とするトルク変動吸収装置。

請求項2

請求項1に記載のトルク変動吸収装置であって、前記周方向空間の周方向両端部のうちの負回転方向側の端部に配置されたコイルスプリングのばね荷重の最大値を、前記エンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定したことを特徴とするトルク変動吸収装置。

請求項3

エンジンと一体に回転する駆動側回転部材に半径方向内方に向いたガイド面を設け、このガイド面の内径側に前記駆動側回転部材と同軸的に且つ回転自在に配置した被駆動側回転部材の外周と前記ガイド面との間に周方向の空間を形成し、前記駆動側回転部材および前記被駆動側回転部材には前記空間内に突入するトルク受渡し部をそれぞれ設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間には、前記ガイド面により摺動可能にガイドさせたスプリングを設置したトルク変動吸収装置において、前記スプリングを前記空間内の周方向の位置によってばね荷重が相互に異なる1個の円弧状コイルスプリングで形成し、この円弧状コイルスプリングの周方向両端部のコイルスプリングによるばね荷重は、中間部のコイルスプリングによるばね荷重より大きい値に設定し、前記周方向空間の周方向両端部のうちの正回転方向側の端部に位置するコイルスプリングによるばね荷重の最大値を、前記エンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定したことを特徴とするトルク変動吸収装置。

請求項4

請求項3に記載のトルク変動吸収装置であって、前記円弧状コイルスプリングの周方向両端部のピッチを中間部のピッチより大きい値に設定したことを特徴とするトルク変動吸収装置。

請求項5

請求項3に記載のトルク変動吸収装置であって、前記円弧状コイルスプリングの周方向両端部の線径を中間部の線径より大きい値に設定したことを特徴とするトルク変動吸収装置。

請求項6

請求項3に記載のトルク変動吸収装置であって、前記周方向空間の周方向両端部のうちの負回転方向側の端部に位置するコイルスプリングによるばね荷重の最大値を、前記エンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定したことを特徴とするトルク変動吸収装置。

技術分野

0001

この出願の発明は、自動車等の駆動系内に介装されるトルク変動吸収装置に関するものである。

背景技術

0002

自動車のエンジン出力軸変速機入力軸との間に介装しトルク変動を吸収させるトルク変動吸収装置として、様々な構成のものが知られているが、例えば下記特許文献1の図7に示された装置は、低トルク域から高トルク域に亘り良好なトルク変動吸収性能を発揮させるために捩り特性駆動側回転部材と被駆動側回転部材との相対回動角度トルクとの関係を表す)を折れ線状に設定可能とし、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との間でトルク伝達をするコイルスプリング遠心力により他部材と接触し摩耗して損傷する可能性を低くすることとしている。

0003

このトルク変動吸収装置においては、エンジンと一体に回転する駆動側回転部材に半径方向内方に向いたガイド面を設け、このガイド面の内径側に駆動側回転部材と同軸的に且つ回転自在に配置した被駆動側回転部材の外周とガイド面との間に周方向の空間を形成し、駆動側回転部材および被駆動側回転部材には空間内に突入するトルク受渡し部をそれぞれ設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間には、ガイド面により摺動可能にガイドさせたスプリングシートによってそれぞれの両端を支持させた2個の低ばね荷重のコイルスプリング、及びこのコイルスプリングよりばね荷重の大きいコイルスプリング5個を周方向に直列に且つ周方向空間の周方向両端部に低ばね荷重のコイルスプリングが位置するように設置している。そして、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との間の所定の最大捩り角を超える捩りは、駆動側回転部材のトルク受渡し部と被駆動側回転部材のトルク受渡し部との間にスプリングシートを介する当接関係が生じることで規制され、併せて各コイルスプリングの密着が防止されている。

0004

尚、例えば特許文献2及び3には、両端のピッチが小さい円弧状コイルスプリング、あるいは両端が低ばね荷重のコイルスプリングと高ばね荷重のコイルスプリングを組合せたものが使用されている。

先行技術

0005

特開平10−132028号公報
独国特許公開公報DE4215593A1
独国特許公開公報DE4341374A1

発明が解決しようとする課題

0006

上記の如く低ばね荷重のコイルスプリングを両トルク受渡し部間の周方向空間の両端部に配置した従来装置においては、高速駆動時、トルク変動吸収機能が発揮されなくなることがあった。その原因は、次のようであると考えられる。

0007

高速駆動時においては、スプリングシートがそれ自体およびコイルスプリングに働く遠心力によって駆動側回転部材のガイド面に押圧され、ガイド面とスプリングシートとの間の摩擦力が大きなものとなる。この摩擦力は、スプリングシートの摺動に抵抗する。低ばね荷重のコイルスプリングは、駆動トルクの増大で撓んだ後に駆動トルクが減少しても、そのばね荷重が小さいため、スプリングシートと駆動側回転部材のガイド面との間の摩擦力に抗してスプリングシートを摺動させて復元することができず、また、高ばね荷重のコイルスプリングは、駆動トルクの増加で撓んだ後に駆動トルクが減少しても、そのばね荷重が大きいものの、復元するためにガイド面を摺動させなければならないスプリングシートの数が多いため、やはりスプリングシートを摺動させて復元することが出来ず、その結果、高速駆動の継続により高ばね荷重のコイルスプリングの撓みが徐々に増加し、遂には駆動側回転部材のトルク受渡し部と被駆動側回転部材のトルク受渡し部との間で全てのスプリングシートが挟み付けられた状態となり、トルク変動が吸収できなくなる。

0008

而して、高速駆動時でもトルク変動吸収機能を確保するためには、駆動側回転部材のガイド面とスプリングシートとの間の摩擦力をより小さくする等、ガイド面によるコイルスプリングのガイド部の摩擦力を小さくすればよいことが判るが、そのためには多大な開発費用が必要となる。

0009

前述のように、高速駆動の継続によりコイルスプリングの撓みが徐々に増加してトルク変動が吸収できなくなる現象は、駆動側回転部材のトルク受渡し部と被駆動側回転部材のトルク受渡し部の間の周方向空間に、ガイド面により摺動可能にガイドさせた円弧状のコイルスプリングを配置し、周方向におけるコイルスプリングの各部のばね荷重を上記トルク変動吸収装置と同様に変化させ、或いは周方向におけるコイルスプリングの各部のばね荷重を同じにした構成を有する公知の別のトルク変動吸収装置でも発生する。

0010

例えば、前掲の特許文献2及び3に記載の何れの場合も、低トルク時には両端の低ばね荷重部分によって良好なNV性能(耐騒音振動)が期待できるものの、高トルク時には両端のコイルが密着し、この密着した部分の重量がヒステリシスとして上乗せされてしまいNV性能を悪化させることになる。更に高トルク状態を継続させた場合には、コイルスプリングの端部が自重の遠心力のヒステリシスによって復元できなくなり、トルク変動により徐々に押し込まれ、遂にはトーション部全体がストッパまで捩れ、トルク変動を吸収しきれず衝撃となるおそれがある。

0011

そこで、この出願の発明は、高速駆動時でもトルク変動吸収機能を確保することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

この出願の請求項1の発明は、エンジンと一体に回転する駆動側回転部材に半径方向内方に向いたガイド面を設け、このガイド面の内径側に前記駆動側回転部材と同軸的に且つ回転自在に配置した被駆動側回転部材の外周と前記ガイド面との間に周方向の空間を形成し、前記駆動側回転部材および前記被駆動側回転部材には前記空間内に突入するトルク受渡し部をそれぞれ設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間には、前記ガイド面により摺動可能にガイドさせたスプリングシートによってそれぞれの両端を支持させたコイルスプリングを複数個、周方向に直列に設置したトルク変動吸収装置において、前記複数個のコイルスプリングのうち少なくとも二つのコイルスプリングのばね荷重が相互に異なり、前記周方向空間の周方向両端部に配置され正回転方向側の端部に位置するコイルスプリングのばね荷重と負回転方向側の端部に位置するコイルスプリングのばね荷重は、前記正回転方向側の端部及び前記負回転方向側の端部に配置されたコイルスプリングの間に位置するコイルスプリングのばね荷重より大きい値とし、前記周方向空間の周方向両端部のうちの正回転方向側の端部に配置されたコイルスプリングのばね荷重の最大値を、前記エンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定したことを特徴とするトルク変動吸収装置である。

0013

上記のトルク変動吸収装置において、自動車の駆動系のようにエンジンブレーキ状態がある場合、エンジンの最大ブレーキトルクが最大駆動トルクより小さいことから、エンジンブレーキ時の良好なトルク変動吸収性能を確保するため、請求項2に記載したように、両トルク受渡し部の間の周方向空間の周方向両端部のうちの負回転方向側の端部に配置されたコイルスプリングのばね荷重の最大値を、前記エンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定することが望ましい。

0014

この出願の請求項3の発明は、エンジンと一体に回転する駆動側回転部材に半径方向内方に向いたガイド面を設け、このガイド面の内径側に前記駆動側回転部材と同軸的に且つ回転自在に配置した被駆動側回転部材の外周と前記ガイド面との間に周方向の空間を形成し、前記駆動側回転部材および前記被駆動側回転部材には前記空間内に突入するトルク受渡し部をそれぞれ設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間には、前記ガイド面により摺動可能にガイドさせたスプリングを設置したトルク変動吸収装置において、前記スプリングを前記空間内の周方向の位置によってばね荷重が相互に異なる1個の円弧状コイルスプリングで形成し、この円弧状コイルスプリングの周方向両端部のコイルスプリングによるばね荷重は、中間部のコイルスプリングによるばね荷重より大きい値に設定し、前記周方向空間の周方向両端部のうちの正回転方向側の端部に位置するコイルスプリングによるばね荷重の最大値を、前記エンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定したことを特徴とするトルク変動吸収装置である。

0015

前記スプリングは、請求項4に記載のように、円弧状コイルスプリングの周方向両端部のピッチを中間部のピッチより大きい値に設定するとよい。あるいは、請求項5に記載のように、円弧状コイルスプリングの周方向両端部の線径を中間部の線径より大きい値に設定することとしてもよい。更に、請求項6に記載のように、前記周方向空間の周方向両端部のうちの負回転方向側の端部に位置するコイルスプリングによるばね荷重の最大値を、前記エンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定するとよい。

発明の効果

0016

本発明は上述のように構成されているので以下に記載の効果を奏する。即ち、この出願の発明に係るトルク変動吸収装置は、両トルク受渡し部の間の周方向空間の周方向両端部に配置され正回転方向側の端部に位置するコイルスプリングのばね荷重と負回転方向側の端部に位置するコイルスプリングのばね荷重は、正回転方向側の端部及び負回転方向側の端部に配置されたコイルスプリングの間に位置するコイルスプリングのばね荷重より大きい値とし、周方向空間の周方向両端部のうちの正回転方向側の端部に高ばね荷重のコイルスプリングを配置し、このコイルスプリングのばね荷重をエンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定したことにより、高速駆動が継続した時においても、トルク受渡し部の間の周方向空間の周方向両端部のうちで正回転方向側の端部に配置した高ばね荷重のコイルスプリングの伸縮によりトルク変動吸収性能を確保することができる。特に、両トルク受渡し部の間の周方向空間の周方向両端部のうちで正回転方向側の端部に高ばね荷重のコイルスプリングを配置したことにより、このコイルスプリングはその端部と被駆動側回転部材のトルク受渡し部との間に位置する1個のスプリングシートを摺動させることにより復元することができる。従って、このスプリングのばね荷重をエンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定することにより、高速駆動が継続した時においても、トルク受渡し部の間の周方向空間の周方向両端部のうちで正回転方向側の端部に配置した高ばね荷重のコイルスプリングの伸縮によりトルク変動吸収性能を確保することができる。

0017

そして、請求項2に記載のように構成することにより、高速駆動が継続した時と同様に、高速エンジンブレーキが継続したとしても、両トルク受渡し部の間の周方向空間の周方向両端部のうちの負回転方向側の端部に配置するコイルスプリングの伸縮によりトルク変動吸収性能を確保することができる。

0018

また、請求項3に記載のように構成したトルク変動吸収装置においては、両トルク受渡し部の間の周方向空間内の周方向の位置によってばね荷重が相互に異なる1個の円弧状コイルスプリングで形成し、この円弧状コイルスプリングの周方向両端部のコイルスプリングによるばね荷重は、中間部のコイルスプリングによるばね荷重より大きい値に設定し、周方向空間の周方向両端部のうちの正回転方向側の端部に位置するコイルスプリングによるばね荷重の最大値を、エンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定したので、高速駆動が継続した時においても、トルク受渡し部の間の周方向空間の周方向両端部のうちで正回転方向側の端部に配置したスプリングの伸縮によりトルク変動吸収性能を確保することができる。

0019

更に、請求項4に記載のように構成することにより、高速駆動が継続した時においても、コイルスプリングの端部は密着しないので、微振動時のヒステリシスの上昇を抑えることができる。あるいは、請求項5に記載のように構成することにより、一層の低捩り剛性化及び広捩り角化を図ることができ、しかも端部の線径が大であるのでスプリングシートを用いなくてもスプリングの損傷を懸念する必要はない。また、請求項6に記載のように、周方向両端部のうちの負回転方向側の端部に位置するコイルスプリングによるばね荷重の最大値を、エンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定することにより、高速エンジンブレーキが継続した時、負回転方向側の端部に位置するスプリングの伸縮によりトルク変動吸収性能を確保することができる。

図面の簡単な説明

0020

この出願の発明のトルク変動吸収装置の第1実施形態の縦断面図である。
図1右方から見た一部切除側面図である。
図1及び図2のトルク変動吸収装置の捩り特性を示す線図である。
この出願の発明のトルク変動吸収装置の第2実施形態の縦断面図である。
図4の右方から見た一部切除側面図である。
この出願の第3実施形態の一部切除側面図である。
図6のトルク変動吸収装置の捩り特性を示す線図である。
従来のトルク変動吸収装置の捩り特性を示す線図である。
この出願の第4実施形態の一部分の一部切除側面図である。

実施例

0021

図1及び図2は、この出願の発明に係るトルク変動吸収装置の第1実施形態を示すものであり、図1は縦断面図、図2図1の右方から見た一部切除側面図である。図1及び図2において、断面を示すハッチングは、図が見難くなるため省略してある。図1及び図2において、トルク変動吸収装置10は、駆動側回転部材20と被駆動側回転部材30とを有する。駆動側回転部材20は、第1ドライブプレート21、第2ドライブプレート22、リングギヤ23、イナーシャリング24、インナープレート25、スペーサ26、27を主たる構成要素としている。第1ドライブプレート21の外周部の円筒状部はその内周によりガイド面21aを構成している。第1ドライブプレート21、第2ドライブプレート22、イナーシャリング24は外周部にて溶接され、リングギヤ23は第1ドライブプレート21に溶接されている。第1ドライブプレート21、インナープレート25、スペーサ26、27はリベットにより結合されており、これらに形成された軸方向孔ボルト(図示省略)を挿通してエンジン出力軸(図示省略)に螺合することによりエンジンと結合される。

0022

被駆動側回転部材30は、軸方向において第1ドライブプレート21と第2ドライブプレート22との間に位置するドリブンディスク31と、このドリブンディスク31がボルト32により結合されたフライホイール33とを有する。このフライホイール33は、インナープレート25によりボールベアリング40を介して回転自在に支承されている。フライホイール33には、エンジンと変速機(図示省略)との間のトルク伝達を断続する摩擦クラッチ(図示省略)のための摩擦面33aが形成されている。

0023

第1ドライブプレート21のガイド面21aとドリブンディスク31の外周との間には周方向の空間50が形成されている。この空間50には、周方向に180度ずれた2個所のそれぞれにおいて、ドライブプレート21、22にリベットで結合された一対のトルク受渡し部材28、29と、ドリブンディスク31の外周に形成されてトルク受渡し部材28、29間に位置するトルク受渡し部31aが設置される。

0024

周方向に180度ずれて位置するトルク受渡し部材28、29とトルク受渡し部31aとの間の2つの周方向空間のそれぞれには、コイルスプリングが複数個配設され、好適には、低ばね荷重のコイルスプリングと高ばね荷重のコイルスプリングが配設される。この実施形態においては、第1ドライブプレート21のガイド面21aにより摺動可能にガイドさせた9個のスプリングシート60乃至68によってそれぞれの両端を支持させた3個の低ばね荷重のコイルスプリング70、71、72、2個の中ばね荷重のコイルスプリング73、74、並びに3個の高ばね荷重のコイルスプリング75、76、77が周方向に直列に設置されている。

0025

上記のように、ガイド面21aにガイドされたスプリングシート60乃至68によりコイルスプリング70乃至77のそれぞれの両端を支持させた構成により、コイルスプリング70乃至77のそれぞれが遠心力で第1ドライブプレート21の円筒状部に当接し摩耗して損傷することが防止される。コイルスプリング70乃至77のそれぞれの両端を支持する2つのスプリングシートのそれぞれからコイルスプリングの内周側へ突出する突出部分は、コイルスプリングの撓み量の増加に応じて互いに接近し、互いに当接することによってコイルスプリングの撓み量を限定してコイルスプリングの密着を防止する。これから判るように、コイルスプリング70乃至77のそれぞれのばね荷重は、その撓み量に応じて変化するものである。そして、駆動側回転部材20と被駆動側回転部材30との最大捩り角は、トルク受渡し部材28、29とトルク受渡し部31aとがスプリングシート60乃至68を介して当接関係になることで規定される。

0026

エンジンの回転方向図2に矢印で示す正回転方向Fであり、駆動側回転部材20と被駆動側回転部材30との間に働くエンジン駆動トルクの方向は正回転方向Fに一致する。また、駆動側回転部材20と被駆動側回転部材30との間に働くエンジンブレーキトルクの方向は、図2に矢印で示した負回転方向Rに一致する。

0027

コイルスプリング70乃至77の配列は、この出願の発明に従って、周方向空間の正回転方向F側の端部から負回転方向R側の端部へ、高ばね荷重のコイルスプリング75、76、中ばね荷重のコイルスプリング73、低ばね荷重のコイルスプリング70、71、72、中ばね荷重のコイルスプリング74、高ばね荷重のコイルスプリング77の順に配置されている。そして、高ばね荷重のコイルスプリング75、76、77のそれぞれのばね荷重の最大値は、エンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定されている。尚、当然乍ら、コイルスプリング75、76、77の最小ばね荷重(セット時のばね荷重)はエンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも小さく設定されている。

0028

また、コイルスプリング77のばね荷重の最大値はエンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定されている。当然乍ら、コイルスプリング77の最小ばね荷重(セット時のばね荷重)はエンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも小さく設定されている。更に、駆動側回転部材20と被駆動側回転部材30との間には、その両者の相対回転に対して所定の摩擦抵抗トルクを発生させるヒステリシス装置80、81が介装されている。

0029

図3は、図1及び図2に示すトルク変動吸収装置の捩り特性を示す線図である。図2は捩り角がゼロの状態を示しており、各トルク受渡し部31aとこれに隣接するスプリングシートとの間には、それぞれ空隙がある。この空隙は捩り角が図3捩り角θ1または−θ1に達したときに消滅する。捩り角が図3の捩り角θ1〜θ2及び−θ1〜−θ2の範囲では、コイルスプリング70乃至77が伸縮する。捩り角が図3の捩り角θ2、−θ2に達すると低ばね荷重のコイルスプリング70、71、72が縮み切り、捩り角が図3の捩り角θ2〜θ3及び−θ2〜−θ3の範囲では、コイルスプリング73乃至74が伸縮する。捩り角が図3の捩り角θ3、−θ3に達するとコイルスプリング73、74も縮み切り、図3の捩り角θ3〜θ4及び−θ3〜−θ4の範囲では、高ばね荷重のコイルスプリング75、76、77が伸縮する。尚、図3に示すヒステリシストルクH1はヒステリシス装置81によって与えられ、またヒステリシストルクH2はヒステリシス装置80によって与えられる。

0030

ところで、図1及び図2に示すトルク変動吸収装置10においては、180度ずれた位置にあるトルク受渡し部材28、29とトルク受渡し部31aとの間の周方向空間の正回転方向側の端部に高ばね荷重のコイルスプリング75が配置されている。高速駆動時においてはスプリングシート60乃至68やコイルスプリング70乃至77に働く遠心力によって、スプリングシート60乃至68とガイド面21aとの間の摩擦力が増大し、スプリングシート60乃至68のそれぞれが摺動し難くなるが、コイルスプリング75はその端部と被駆動側回転部材のトルク受渡し部との間に位置する1個のスプリングシート60を摺動させることにより復元することができる。そして、このスプリング75のばね荷重はエンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定されているので、高速駆動が継続した時においても、コイルスプリング75の伸縮によりトルク変動吸収性能が確保される。

0031

また、エンジンブレーキ時、被駆動側回転部材30から駆動側回転部材20に負回転方向Rの向きのトルクが直列のコイルスプリング70乃至77を介して伝達されるが、このときのトルク変動吸収性能はコイルスプリング77の伸縮によって確保される。コイルスプリング77は1個のスプリングシート68を摺動させることにより復元することができる。そして、このスプリング77のばね荷重の最大値はエンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定されているので、エンジンブレーキが継続した時においても、コイルスプリング77の伸縮によりトルク変動吸収性能が確保される。

0032

図4及び図5は、この出願の発明のトルク変動吸収装置の第2実施形態を示す。このトルク変動吸収装置110の、図1及び図2に示すトルク変動吸収装置10に対する主たる相違点は、コイルスプリング70乃至77の配列にある。即ち、図4及び図5において、図1及び図2に示す構成部材に対応する構成部材には図1及び図2で用いた符号と同じ符号が付してあり、図5図2の比較から明らかなように、トルク変動吸収装置110においては、トルク受渡し部材28、29とトルク受渡し部31aとの間の周方向空間に、正回転方向F側の端部から負回転方向R側の端部へ、高ばね荷重のコイルスプリング75、76、77、低ばね荷重のコイルスプリング70、71、72、中ばね荷重のコイルスプリング73、74の順に配置されている。

0033

図4及び図5における高ばね荷重のコイルスプリング75、76、77のそれぞれのばね荷重の最大値は、エンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定されている。そして、中ばね荷重のコイルスプリング74のばね荷重の最大値は、エンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定されている。当然乍ら、コイルスプリング74の最小ばね荷重(セット時のばね荷重)はエンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも小さく設定されている。第2実施形態の第1実施形態に対するその他の相違点としては、図1のイナーシャリング24が省略されている点が挙げられる。尚、図4及び図5においても、断面を示すハッチングが省略されている。

0034

而して、図4及び図5に示すトルク変動吸収装置110においては、エンジンブレーキ時、被駆動側回転部材30から駆動側回転部材20に負回転方向Rの向きのトルクが直列のコイルスプリング70乃至77を介して伝達されるのであるが、コイルスプリング74は1個のスプリングシート68を摺動させることにより復元することができる。そして、このスプリング74のばね荷重の最大値はエンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定されているので、エンジンブレーキが継続した時においても、コイルスプリング74の伸縮によりトルク変動吸収性能が確保される。

0035

以上説明した2つの実施形態は、駆動側回転部材のトルク受渡し部と被駆動側回転部材のトルク受渡し部の間の周方向空間に複数個のコイルスプリングを配置しているが、以下の実施形態に示すように、1個のコイルスプリングを配置することとしてもよく、その場合には両トルク受渡し部の間の周方向空間の周方向両端部のうちで正回転方向側の端部に位置するコイルスプリングのばね荷重がエンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定される。

0036

図6はこの出願の発明の第3実施形態を示し、トルク変動吸収装置210は、2つの周方向空間のそれぞれに1個の円弧状コイルスプリング78を配置したものである。この円弧状コイルスプリング78(以下、単にコイルスプリング78という)は、その周方向両端部78a、78cのピッチ(図6にL1、L3で示す)が中間部78bのピッチ(図6にL2で示す)より大きい値に設定されている(L1>L2、L3>L2)。そして、コイルスプリング78の正回転方向F側の端部78aのばね荷重はエンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定されている。これにより、高速駆動が継続した時においても、コイルスプリング78の正回転方向F側の端部78aは密着することはなく、微振動時の捩り特性は図7に示すようになる。

0037

これに対し、従来の両端のピッチを小さくしたコイルスプリング等を用いた装置においては、エンジンの最大駆動トルク以下で密着すると、密着したコイルスプリングの重量分がヒステリシスとして上乗せされるので、微振動時の捩り特性は図8に示すようになり、ヒステリシスがH4で示すように、図7のH3に比べて格段に大きい。このように、第3実施形態のトルク変動吸収装置210においては、従来装置に比べ、微振動時のヒステリシスの上昇を適切に抑えることができる。また、コイルスプリング78の負回転方向R側の端部78cのばね荷重の最大値はエンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定されているので、エンジンブレーキが継続した時においても、コイルスプリング78の伸縮によりトルク変動吸収性能が確保される。

0038

図9はこの出願の発明の第4実施形態のトルク変動吸収装置310を示すもので、図6の実施形態と同様、2つの周方向空間のそれぞれに1個の円弧状コイルスプリング79を配置したものであるが、この円弧状コイルスプリング79は、その周方向両端部79a、79cの線径(図9にd1で示す)が中間部79bの線径(図9にd2で示す)より大きい値に設定されている(d1>d2)。而して、この第4実施形態のトルク変動吸収装置310によれば、第3実施形態より一層の低捩り剛性化及び広捩り角化が可能となる。しかも、端部79a、79cの線径が大であるのでスプリングシートを用いなくても円弧状コイルスプリング79の損傷を懸念する必要はない。

0039

10、110、210、310トルク変動吸収装置
20駆動側回転部材
21a 駆動側回転部材のガイド面
28、29 駆動側回転部材のトルク受渡し部材
30 被駆動側回転部材
31a 被駆動側回転部材のトルク受渡し部
50 空間
60〜68スプリングシート
70〜79 コイルスプリング

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ