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技術 内燃機関の触媒装置温度推定装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 佐多宏太上田広一
出願日 2009年11月6日 (11年0ヶ月経過) 出願番号 2009-255299
公開日 2011年5月19日 (9年6ヶ月経過) 公開番号 2011-099398
状態 特許登録済
技術分野 排気の後処理 内燃機関の複合的制御 触媒による排ガス処理
主要キーワード 浄化物質 定常温度 適合試験 設定水温 受熱量 質量流 機関始動完了 触媒反応熱
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

触媒活性化しているか否かを判断するために触媒装置温度推定する触媒装置温度推定装置において、推定された触媒装置温度に基づき触媒が活性化しているとの判断が誤判断となることを抑制する。

解決手段

内燃機関排気系1に配置された触媒装置2の触媒装置温度を推定するための触媒装置温度推定装置であって、現在の排気ガス状態に対応するパラメータに基づき触媒装置の現在の触媒装置温度を算出するためのモデル式を使用して触媒装置温度を推定し、触媒装置は、担体に触媒を担持させて形成され、モデル式は、触媒を担持させる前の担体を使用して、パラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度が算出されるように実験的に同定されるか、又は、パラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度が算出されるような触媒を担持させる前の担体の物理式である。

概要

背景

内燃機関排気系には、排気ガス浄化するための触媒装置が配置されている。このような触媒装置に担持された触媒は、活性化温度を有し、触媒温度が活性化温度以下の時には排気ガスを十分に浄化することができない。それにより、触媒装置温度を触媒温度として推定して触媒が活性化しているか否かを判断することが必要である。

現在の機関回転数、現在の燃料噴射量、及び、現在の燃焼空燃比変数として現在の触媒装置温度を推定するためのモデル式適合試験により実機適合するように同定し、このモデル式を使用して現在の触媒装置温度を推定することが提案されている(特許文献1参照)。

概要

触媒が活性化しているか否かを判断するために触媒装置温度を推定する触媒装置温度推定装置において、推定された触媒装置温度に基づき触媒が活性化しているとの判断が誤判断となることを抑制する。内燃機関の排気系1に配置された触媒装置2の触媒装置温度を推定するための触媒装置温度推定装置であって、現在の排気ガス状態に対応するパラメータに基づき触媒装置の現在の触媒装置温度を算出するためのモデル式を使用して触媒装置温度を推定し、触媒装置は、担体に触媒を担持させて形成され、モデル式は、触媒を担持させる前の担体を使用して、パラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度が算出されるように実験的に同定されるか、又は、パラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度が算出されるような触媒を担持させる前の担体の物理式である。

目的

本発明の目的は、触媒が活性化しているか否かを判断するために触媒装置温度を推定する触媒装置温度推定装置において、推定された触媒装置温度に基づき触媒が活性化しているとの判断が誤判断となることを抑制することができる内燃機関の触媒装置温度推定装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

内燃機関排気系に配置された触媒装置触媒装置温度推定するための触媒装置温度推定装置であって、現在の排気ガス状態に対応するパラメータに基づき前記触媒装置の現在の触媒装置温度を算出するためのモデル式を使用して前記触媒装置温度を推定し、前記触媒装置は、担体触媒担持させて形成され、前記モデル式は、前記触媒を担持させる前の前記担体を使用して、前記パラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度が算出されるように実験的に同定されるか、又は、前記パラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度が算出されるような前記触媒を担持させる前の前記担体の物理式であることを特徴とする内燃機関の触媒装置温度推定装置。

請求項2

現在の排気ガス状態に対応するパラメータに基づき前記触媒装置の現在の触媒装置温度を算出するためのもう一つのモデル式が設定され、前記もう一つのモデル式は、前記触媒を担持させた前記触媒装置を使用して、前記パラメータに対して化学反応による発熱がある触媒装置温度が算出されるように実験的に同定されるか、又は、前記パラメータに対して化学反応による発熱がある触媒装置温度が算出されるような前記触媒を担持させた前記触媒装置の物理式とされており、設定条件成立している時には、前記モデル式を使用して現在の触媒装置温度を推定し、前記設定条件が不成立となる時には、前記もう一つのモデル式を使用して現在の触媒装置温度を推定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置。

請求項3

前記設定条件は、前記触媒装置温度が設定温度未満であるとの判断であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置。

請求項4

前記設定条件は、機関始動完了からの経過時間が設定時間未満であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置。

請求項5

前記設定条件は、冷却水温設定水温未満であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置。

請求項6

前記触媒装置温度推定装置の演算部は、前記モデル式又は前記もう一つのモデル式を使用して現在の触媒装置温度を算出するだけでなく、他の演算も担当し、前記設定条件は、前記演算部の前記他の演算の負荷に基づくものであり、前記負荷が大きい時には前記負荷が小さい時に比較して前記設定条件が成立し易くしていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関触媒装置温度推定装置に関する。

背景技術

0002

内燃機関の排気系には、排気ガス浄化するための触媒装置が配置されている。このような触媒装置に担持された触媒は、活性化温度を有し、触媒温度が活性化温度以下の時には排気ガスを十分に浄化することができない。それにより、触媒装置温度を触媒温度として推定して触媒が活性化しているか否かを判断することが必要である。

0003

現在の機関回転数、現在の燃料噴射量、及び、現在の燃焼空燃比変数として現在の触媒装置温度を推定するためのモデル式適合試験により実機適合するように同定し、このモデル式を使用して現在の触媒装置温度を推定することが提案されている(特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開平5−248227
特開2003−254038
特開2002−366374

発明が解決しようとする課題

0005

前述の触媒装置温度の推定において、同定されたモデル式は、排気ガス中に含まれる未燃燃料等が触媒装置において化学反応により発熱することも考慮されている。しかしながら、同じ条件でも、同じ発熱量をもたらす化学反応が常に起こるとは限らず、また、触媒が劣化すれば、同じ条件での化学反応の発熱量は確実に減少する。こうして、化学反応を考慮するモデル式により触媒装置温度が推定されても、実際より高く触媒装置温度が推定されることがあり、この時には、触媒が活性化していると誤判断されることがある。

0006

従って、本発明の目的は、触媒が活性化しているか否かを判断するために触媒装置温度を推定する触媒装置温度推定装置において、推定された触媒装置温度に基づき触媒が活性化しているとの判断が誤判断となることを抑制することができる内燃機関の触媒装置温度推定装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明による請求項1に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置は、内燃機関の排気系に配置された触媒装置の触媒装置温度を推定するための触媒装置温度推定装置であって、現在の排気ガス状態に対応するパラメータに基づき前記触媒装置の現在の触媒装置温度を算出するためのモデル式を使用して前記触媒装置温度を推定し、前記触媒装置は、担体に触媒を担持させて形成され、前記モデル式は、前記触媒を担持させる前の前記担体を使用して、前記パラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度が算出されるように実験的に同定されるか、又は、前記パラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度が算出されるような前記触媒を担持させる前の前記担体の物理式であることを特徴とする。

0008

本発明による請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置は、請求項1に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置において、現在の排気ガス状態に対応するパラメータに基づき前記触媒装置の現在の触媒装置温度を算出するためのもう一つのモデル式が設定され、前記もう一つのモデル式は、前記触媒を担持させた前記触媒装置を使用して、前記パラメータに対して化学反応による発熱がある触媒装置温度が算出されるように実験的に同定されるか、又は、前記パラメータに対して化学反応による発熱がある触媒装置温度が算出されるような前記触媒を担持させた前記触媒装置の物理式とされており、設定条件成立している時には、前記モデル式を使用して現在の触媒装置温度を推定し、前記設定条件が不成立となる時には、前記もう一つのモデル式を使用して現在の触媒装置温度を推定することを特徴とする。

0009

本発明による請求項3に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置は、請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置において、前記設定条件は、前記触媒装置温度が設定温度未満であるとの判断であることを特徴とする。

0010

本発明による請求項4に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置は、請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置において、前記設定条件は、機関始動完了からの経過時間が設定時間未満であることを特徴とする。

0011

本発明による請求項5に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置は、請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置において、前記設定条件は、冷却水温設定水温未満であることを特徴とする。

0012

本発明による請求項6に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置は、請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置において、前記触媒装置温度推定装置の演算部は、前記モデル式又は前記もう一つのモデル式を使用して現在の触媒装置温度を算出するだけでなく、他の演算も担当し、前記設定条件は、前記演算部の前記他の演算の負荷に基づくものであり、前記負荷が大きい時には前記負荷が小さい時に比較して前記設定条件が成立し易くしていることを特徴とする。

発明の効果

0013

本発明による請求項1に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置によれば、現在の排気ガス状態に対応するパラメータに基づき触媒装置の現在の触媒装置温度を算出するためのモデル式を使用して触媒装置温度を推定し、触媒装置は、担体に触媒を担持させて形成され、モデル式は、触媒を担持させる前の担体を使用して、パラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度が算出されるように実験的に同定されるか、又は、パラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度が算出されるような触媒を担持させる前の担体の物理式とされている。それにより、推定された触媒装置温度は、実際の触媒装置温度以下となって実際の触媒装置温度より高くなることは殆どなく、推定された触媒装置温度に基づき触媒が活性化しているとの判断が誤判断となることを十分に抑制することができる。ここで、化学反応による発熱がない触媒装置温度を算出するためのモデル式を実験的に同定する際には、担持された触媒により僅かでも化学反応が起きて発熱してしまうために触媒装置を使用することはできず、触媒を担持させる前の担体が使用される。

0014

本発明による請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置によれば、請求項1に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置において、現在の排気ガス状態に対応するパラメータに基づき触媒装置の現在の触媒装置温度を算出するためのもう一つのモデル式が設定され、もう一つのモデル式は、触媒を担持させた触媒装置を使用して、パラメータに対して化学反応による発熱がある触媒装置温度が算出されるように実験的に同定されるか、又は、パラメータに対して化学反応による発熱がある触媒装置温度が算出されるような触媒を担持させた触媒装置の物理式とされており、設定条件が成立している時には、モデル式を使用して現在の触媒装置温度を推定し、設定条件が不成立となる時には、もう一つのモデル式を使用して現在の触媒装置温度を推定するようになっている。それにより、設定条件が不成立となれば、触媒装置での化学反応による発熱があるとするもう一つのモデル式より触媒装置温度が推定され、触媒装置での化学反応による発熱がないとするモデル式により推定される触媒装置温度より実際に近い触媒装置温度を推定することができる。

0015

本発明による請求項3に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置によれば、請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置において、設定条件は、触媒装置温度が設定温度未満であるとの判断とされ、それにより、設定条件が成立している時には、モデル式により触媒装置温度が推定され、この時には、触媒装置温度が設定温度未満であると判断されているために、触媒装置温度が比較的低く触媒装置での化学反応が不活発で発熱量が僅かであり、モデル式により触媒装置での化学反応による発熱がないとして推定される触媒装置温度は、実際の触媒装置温度とそれほど差はない。また、設定条件が不成立となれば、この時には、触媒装置温度が設定温度以上であると判断されているために、触媒装置温度が比較的高く触媒装置での化学反応が活発で発熱量が多くなり、もう一つのモデル式により触媒装置での化学反応による発熱があるとして、実際の触媒装置温度に近い触媒装置温度を推定するようになっている。

0016

本発明による請求項4に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置によれば、請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置において、設定条件は、機関始動完了からの経過時間が設定時間未満とされ、それにより、設定条件が成立している時には、モデル式により触媒装置温度が推定され、この時には、機関始動完了からの経過時間が設定時間未満であるために、触媒装置温度が比較的低く触媒装置での化学反応が不活発で発熱量が僅かであり、モデル式により触媒装置での化学反応による発熱がないとして推定される触媒装置温度は、実際の触媒装置温度とそれほど差はない。また、設定条件が不成立となれば、この時には、機関始動完了からの経過時間が設定時間以上であるために、触媒装置温度が比較的高く触媒装置での化学反応が活発で発熱量が多くなり、もう一つのモデル式により触媒装置での化学反応による発熱があるとして、実際の触媒装置温度に近い触媒装置温度を推定するようになっている。

0017

本発明による請求項5に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置によれば、請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置において、設定条件は、冷却水温が設定水温未満であるとされ、それにより、設定条件が成立している時には、モデル式により触媒装置温度が推定され、この時には、触媒装置温度も比較的低く触媒装置での化学反応が不活発で発熱量が僅かであり、モデル式により触媒装置での化学反応による発熱がないとして推定される触媒装置温度は、実際の触媒装置温度とそれほど差はない。また、設定条件が不成立となれば、この時には、触媒装置温度も比較的高く触媒装置での化学反応が活発で発熱量が多くなり、もう一つのモデル式により触媒装置での化学反応による発熱があるとして、実際の触媒装置温度に近い触媒装置温度を推定するようになっている。

0018

本発明による請求項6に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置によれば、請求項2に記載の内燃機関の触媒装置温度推定装置において、触媒装置温度推定装置の演算部は、モデル式又はもう一つのモデル式を使用して現在の触媒装置温度を算出するだけでなく、他の演算も担当し、設定条件は、演算部の他の演算の負荷に基づくものであり、他の演算の負荷が大きい時には他の演算の負荷が小さい時に比較して設定条件が成立し易くしている。それにより、演算部において他の演算の負荷が大きい時には、容易に設定条件が成立してモデル式により化学反応による発熱がないとして小さな演算負荷しか必要とされずに触媒装置温度が推定され、また、演算部の他の演算の負荷が小さい時には、設定条件が成立し難くもう一つのモデル式により化学反応による発熱があるとして大きな演算負荷を必要として比較的正確な触媒装置温度が推定され、こうして、演算部の全体の演算負荷が許容値を超え難くなる。

図面の簡単な説明

0019

本発明による内燃機関の触媒装置温度推定装置により温度推定される触媒装置を示す概略図である。
本発明による内燃機関の触媒装置温度推定装置の温度推定のためのフローチャートである。
図2のフローチャートにより推定される触媒装置温度の変化を示すグラフである。

実施例

0020

図1は本発明による内燃機関の触媒装置温度推定装置により温度推定される触媒装置を示す概略図である。同図において、1はディーゼルエンジン又は火花点火内燃機関排気通路である。2は排気通路1に配置されて排気ガスを浄化するための触媒装置である。触媒装置2は、排気ガス中のNOXを浄化するためのNOX吸蔵還元触媒装置、排気ガス中のCO、HC、及びNOXを同時に浄化する三元触媒装置、又は、主に排気ガス中のCO及びHCを浄化するための酸化触媒装置等のような任意の触媒装置とすることができる。

0021

現在の排気ガス状態に対する触媒装置2の定常温度TSn(現在の排気ガス状態が暫く続いた時に収束する触媒装置温度)は、例えば次式(1)により表すことができる。
TSn=K*(Ne)a*(TA)b*(AF/14.7)c ・・・(1)

0022

ここで、Neは内燃機関における現在の回転数(rpm)であり、TAは内燃機関における現在の燃料噴射時間(ms)であり、AFは内燃機関における現在の燃焼空燃比である。これら回転数Ne、燃料噴射時間TA、及び燃焼空燃比AFは、現在の排気ガス温度、現在の排気ガス流量、及び現在の排気ガス中に含まれる浄化物質量等の触媒装置2の定常温度を変化させる現在の排気ガス状態に対応するパラメータとすることができる。

0023

例えば、現在の排気ガス温度が高いほど、触媒装置の受熱量は多くなり、現在の排気ガス流量が多いほど、触媒装置の受熱量及び放熱量のいずれも多くなり、現在の排気ガス中に含まれる浄化物質量が多いほど、もし殆どが触媒装置において化学反応すれば、発熱量は多くなる。このように、現在の排気ガス状態は、触媒装置温度を変化させる主な要因である。また、他に、触媒装置温度と外気温度との差が大きいほど触媒装置からの放熱量は多くなる。

0024

こうして、例えば、回転数Ne、燃料噴射時間TA、及び燃焼空燃比AFの一つの組み合わせは、現在の排気ガス温度、現在の排気ガス流量、及び現在の排気ガス中に含まれる浄化物質量の一つの組み合わせに対応し、回転数Ne、燃料噴射時間TA、及び燃焼空燃比AFの組み合わせ毎に、対応する触媒装置2の一つの定常温度TSnが存在することとなる。

0025

それにより、回転数Ne、燃料噴射時間TA、及び燃焼空燃比AFの複数の組み合わせを実現するように、内燃機関の運転状態を実際に変化させ、これらの各組み合わせに対して、それぞれの触媒装置2の定常温度TSを測定すれば、式(1)において、係数K、乗数a、b、及びcを逆算により確定することができ、式(1)を触媒装置2に対して同定することができる。

0026

この適合実験において、大気温度一定値(例えば20°C)に固定しているが、大気温度THを変数としてd乗を式(1)に乗算するようにしても良い(TSn=K*(Ne)a*(TA)b*(AF/14.7)c*(TH)d)。この場合においては、乗数dを逆算により確定するために、内燃機関の一つの運転状態に対して大気温度THを変化させて触媒装置のそれぞれの定常温度TSを測定することが必要となる。

0027

こうして同定された式(1)を使用して、回転数Ne、燃料噴射時間TA、及び燃焼空燃比AFの任意の組み合わせに対して、触媒装置2の定常温度TSnを算出することができるようになる。

0028

定常温度TSnが算出されれば、現在の触媒装置温度Tnは、例えば次式(2)により算出することができる。
Tn=CR/(216)*TSn+(216−CR)/216*Tn-1 ・・・(2)

0029

ここで、Tn-1は前回の触媒装置温度であり、CRは前回の触媒装置温度の重み係数であり、1から216の間の適当な値に設定される。式(2)において、機関運転状態が変化せず、すなわち、回転数Ne、燃料噴射時間TA、及び燃焼空燃比AFの同じ組み合わせが持続して(それにより排気ガス状態が持続する)、算出される定常温度TSnが同じ値となれば、現在の触媒装置温度Tnは徐々にこの定常温度TSnに近づくこととなる。

0030

こうして推定される触媒装置温度Tnは、例えば触媒装置2が活性化温度(触媒装置2の浄化率が例えば70%となる触媒装置温度)に達しているか否かの判断に使用される。このような場合において、触媒装置2を使用して実験的に同定された式(1)に基づき推定された触媒装置温度Tnは、触媒装置2が排気ガス中の浄化物質を浄化する化学反応により発熱することが当然に盛り込まれているが、特に触媒装置2が活性化温度に達していない時の化学反応は不安定であり、同じ条件でも、同じ発熱量をもたらす化学反応が常に起こるとは限らず、また、触媒が劣化すれば、同じ条件での化学反応の発熱量は確実に減少する。

0031

こうして、触媒装置2を使用して実験的に同定されたモデル式(1)により触媒装置温度が推定されても、実際より高く触媒装置温度が推定されることがあり、この時には、触媒が活性化していると誤判断されることがある。本実施形態の内燃機関の触媒装置温度推定装置は、このような誤判断を抑制することを目的とし、図2に示すフローチャートに従って、触媒装置温度を推定するようになっている。本触媒温度推定装置は、演算部を有する電子制御装置である。

0032

先ず、ステップ101において、現在の排気ガス状態に対応するパラメータとして、内燃機関における現在の回転数Ne、現在の燃料噴射時間TA、及び現在の燃焼空燃比AFが読み込まれる。次いで、ステップ102において、設定条件が成立しているか否かが判断される。この設定条件は、例えば、機関始動完了からの経過時間tが設定時間t1未満であることとされ、この判断が肯定される時(t<t1)には、ステップ103において、ステップ101において読み込まれたパラメータに基づき、第一モデル式を使用して現在の触媒装置温度Tnを推定する。

0033

第一モデル式は、上式(1)のような次式(1)’と上式(2)との組み合わせである。
TSn=K1*(Ne)a1*(TA)b1*(AF/14.7)c1 ・・・(1)’

0034

触媒装置2は、排気ガスの流れ方向に規則正しい穴(正方形三角形、又は六角形)があいているモノリス担体において、各穴を構成する隔壁表面に触媒を担持させたものである。ここで、上式(1)’は、触媒を担持させる前のモノリス担体を排気通路1に配置して、回転数Ne、燃料噴射時間TA、及び燃焼空燃比AFの複数の組み合わせが実現されるように、内燃機関の運転状態を実際に変化させ、これらの各組み合わせに対して、それぞれのモノリス担体の定常温度TSを測定することにより、係数K1、乗数a1、b1、及びc1を逆算により確定して、モノリス担体に対して同定されたものである。

0035

このように、上式(1)’は、触媒を担持させる前の担体を使用して、パラメータに対して化学反応による発熱がない定常触媒装置温度(定常モノリス担体温度)が算出されるように実験的に同定される。

0036

こうして、ステップ103において推定された現在の触媒装置温度Tnは、化学反応による発熱が無視され、実際の触媒装置温度以下となって実際の触媒装置温度より高くなることは殆どなく、推定された触媒装置温度に基づき触媒が活性化しているとの判断が誤判断となることを十分に抑制することができる。ここで、上式(2)において、前回の触媒装置温度Tn-1の初期値は、外気温度(一定値又は測定値)とすることができる。

0037

化学反応による発熱がない触媒装置温度を算出するための第一モデル式を実験的に同定する際には、担持された触媒により僅かでも化学反応が起きて発熱してしまうために触媒装置2を使用することはできない。それにより、本実施形態において、第一モデル式は、触媒を担持する前の担体を使用して実験的に同定される。

0038

特に、ステップ102の設定条件が成立している時には、機関始動完了からの経過時間tが設定時間t1未満であるために、触媒装置温度が比較的低く触媒装置での化学反応が不活発で発熱量が僅かであり、第一モデル式により触媒装置での化学反応による発熱がないとして推定される現在の触媒装置温度Tnは、実際の触媒装置温度とそれほど差はない。

0039

こうして、第一モデル式を使用して推定された触媒装置温度Tnが触媒活性化温度となれば、実際の触媒装置温度もほぼ確実に触媒活性化温度となっており、例えば、この時には、一般的に燃料消費を悪化させる排気ガス昇温制御点火時期遅角又は燃料増量)等を停止することができる。

0040

一方、機関始動完了からの経過時間tが設定時間t1以上となれば、ステップ102の判断が否定され、ステップ104において、ステップ101において読み込まれたパラメータに基づき、第二モデル式を使用して現在の触媒装置温度Tnを推定する。
第二モデル式は、上式(1)のような次式(1)”と上式(2)との組み合わせである。
TSn=K2*(Ne)a2*(TA)b2*(AF/14.7)c2 ・・・(1)”

0041

ここで、上式(1)”は、触媒を担持させた触媒装置2を排気通路1に配置して、回転数Ne、燃料噴射時間TA、及び燃焼空燃比AFの複数の組み合わせが実現されるように、内燃機関の運転状態を実際に変化させ、これらの各組み合わせに対して、それぞれの触媒装置2の定常温度TSを測定することにより、係数K2、乗数a2、b2、及びc2を逆算により確定して、実際の触媒装置2に対して同定されてものである。

0042

このように、上式(1)”は、触媒を担持させた触媒装置2を使用して、パラメータに対して化学反応による発熱がある触媒装置温度が算出されるように実験的に同定される。上式(1)”は、化学反応が考慮されるために上式(1)’より複雑となり、すなわち、上式(1)”の乗数a2、b2、及びc2は、それぞれ、上式(1)’の乗数a1、b1、及びc1より大きくなる。それにより、現在の定常触媒装置温度を計算するための演算負荷は、第一モデルを使用する場合に比較して第二モデルを使用する場合の方が大きくなる。

0043

しかしながら、機関始動完了からの経過時間tが設定時間t1以上となれば、触媒装置温度が比較的高く触媒装置での化学反応が活発で発熱量が多くなり、第二モデル式により触媒装置での化学反応による発熱があるとして、実際の触媒装置温度に近い触媒装置温度を推定するようになっている。

0044

本実施形態によれば、図3に示すように、機関始動完了t0からの経過時間tが設定時間t1となるまでは第一モデル式((1)’及び(2))を使用して化学反応がない触媒装置温度が推定され、それ以降は、第二モデル式((1)”及び(2))を使用して化学反応がある触媒装置温度が推定される。

0045

本実施形態において、設定条件を判断することなく、常に、第一モデル式により化学反応のない触媒装置温度を推定するようにしても良い。

0046

本実施形態の変形例として、ステップ102の設定条件を、冷却水温が設定水温未満であるとしても良い。冷却水温が設定水温未満である時にも、触媒装置温度が比較的低く触媒装置での化学反応が不活発で発熱量が僅かであり、第一モデル式((1)’及び(2))により触媒装置での化学反応による発熱がないとして推定される触媒装置温度は、実際の触媒装置温度とそれほど差はない。また、冷却水温が設定水温以上となれば、触媒装置温度も比較的高く触媒装置での化学反応が活発で発熱量が多くなり、第二モデル式((1)”及び(2))により触媒装置での化学反応による発熱があるとして、実際の触媒装置温度に近い触媒装置温度を推定される。このような設定条件により、機関再始動時においては、冷却水温が設定温度以上となり、最初から第二モデル式を使用して触媒装置温度が推定される。この場合において、上式(2)の前回の触媒装置温度Tn-1の初期値は、例えば冷却水温とすることができる。

0047

また、ステップ102の設定条件を、他の任意の条件に基づく触媒装置温度が設定温度未満であるとの判断としても良い。この時にも触媒装置温度が比較的低く触媒装置での化学反応が不活発で発熱量が僅かであり、第一モデル式((1)’及び(2))により触媒装置での化学反応による発熱がないとして推定される触媒装置温度は、実際の触媒装置温度とそれほど差はない。

0048

ところで、触媒装置温度推定装置、すなわち、電子制御装置の演算部が、現在の触媒装置温度を算出するだけでなく、例えば空燃比制御及び点火時期制御等に関する他の演算も担当する場合において、ステップ102の設定条件を、演算部における他の演算の負荷が大きい時には、負荷が小さい時に比較して、成立し易くするようにしても良い。

0049

それにより、演算部において他の演算の負荷が大きい時には、容易に設定条件が成立して第一モデル式((1)’及び(2))により化学反応による発熱がないとして小さな演算負荷しか必要とされずに触媒装置温度が推定され、また、演算部の他の演算の負荷が小さい時には、設定条件が成立し難く第二モデル式((1)”及び(2))により化学反応による発熱があるとして大きな演算負荷を必要として比較的正確な触媒装置温度が推定されるようにする。こうして、演算部の全体の演算負荷が許容値を超え難くすることができる。

0050

また、設定条件として、設定回数連続して第一モデル式を使用して触媒装置温度が推定されていないこととすれば、設定回数連続して第一モデル式を使用して小さな演算負荷しか必要とされずに触媒装置温度が推定された時には、一回だけ第二モデル式を使用して化学反応による発熱があるとして大きな演算負荷を必要として触媒装置温度が推定されるようになり、これが繰り返されることとなる。こうして、触媒装置温度の推定のための演算部の演算負荷を小さくして、定期的に比較的正確な触媒装置温度を推定することが可能となる。

0051

第一モデル式は、上式(1)’及び(2)に限定されず、また、第二モデル式も、上式(1)”及び(2)に限定されない。第一モデル式は、触媒を担持させる前の担体を使用して、排気ガス状態に対応するパラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度が算出されるように実験的に同定されたものであれば良く、第二モデル式は、触媒を担持させた触媒装置を使用して、排気ガス状態に対応するパラメータに対して化学反応による発熱がある触媒装置温度が算出されるように実験的に同定されたものであれば良い。

0052

また、第一モデル式及び第二モデル式において、排気ガス状態に対応するパラメータは、回転数Ne、燃料噴射時間TA、及び燃焼空燃比AFに限定されず、例えば、回転数Ne及び燃料噴射時間TAに代えて、触媒装置へ流入する排気ガス温度及び吸入空気量としても良い。

0053

ところで、化学反応による発熱がない場合において、触媒装置温度の単位時間当たりの温度上昇dT/dtは、次式(3)により算出可能である。
C1・dT/dt=Qheat+Qrad+Qother1 ・・・(3)
ここで、C1は触媒を担持していない担体の熱容量である。Qheatは触媒装置への加熱量であり、n・TG(ガス温度)*VG(質量流量)とすることができる。Qradは触媒装置からの放熱量である。また、Qother1はこの場合の調整項である。第一モデル式は、このような一般的な物理式として、排気ガス状態に対応するパラメータに対して化学反応による発熱がない触媒装置温度を算出するようにしても良い。

0054

また、化学反応による発熱がある場合において、触媒装置温度の単位時間当たりの温度上昇dT/dtは、次式(4)により算出可能である。
C2・dT/dt=Qst+Qheat+Qrad+Qother2 ・・・(4)
ここで、C2は触媒を担持している触媒装置の熱容量である。Qstは触媒反応熱であり、また、Qother2はこの場合の調整項である。第二モデル式は、このような一般的な物理式として、排気ガス状態に対応するパラメータに対して化学反応による発熱がある触媒装置温度を算出するようにしても良い。

0055

1排気通路
2 触媒装置

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