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技術 心筋梗塞モデル動物の作製方法

出願人 テルモ株式会社
発明者 神津隆基高崎秀規志沢隆
出願日 2009年11月4日 (10年8ヶ月経過) 出願番号 2009-253313
公開日 2011年5月19日 (9年1ヶ月経過) 公開番号 2011-097850
状態 特許登録済
技術分野 動物の育種及び生殖細胞操作による繁殖 超音波診断装置
主要キーワード 内径変化 Mモード 吸入マスク 面積変化率 点滴ライン 閉塞率 オクルーダー Bモード
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年5月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

本発明は、簡便で、致死率が低く、安定して大きな梗塞部位を得られ、長期にわたる研究にも利用可能な心筋梗塞モデル動物作製方法を提供することを目的とする。

解決手段

本発明は、i)処置前に処置対象動物心機能を測定するステップ、ii)i)で測定した心機能が、標準の心機能である個体を選択するステップ、iii)ii)で選択した個体の冠動脈血流を、緩徐に低下させるステップ、を含む、心筋梗塞モデル動物の作製方法に関する。

概要

背景

心筋梗塞虚血性心疾患一種であり、心筋に栄養を供給する冠動脈血流が低下することで、心筋が虚血状態に陥り、壊死に至る疾患である。従来、このような循環器系疾患治療研究や医薬品開発において、動物モデルを用いた研究が行われている。近年、医療技術発達と共に、一度壊死した心筋を再生させる再生医療技術の研究や、慢性的な心筋梗塞に対する有効な治療薬の開発などが進んできており、このような心筋梗塞モデル動物需要がますます高まっている。

心筋梗塞のモデル動物は、一般的に開胸により冠動脈に例えば結紮などの処置を施し、その血流を低下させる方法が採用されている。しかしながら、従来の方法においては、結紮によって急激に冠動脈の血流を低下させてしまうと、処置直後に急激な血圧上昇細動不整脈などを起こして死に至る確率が極めて高い。そこで、アメロイドリングなどを用いて緩徐に血流を低下させることで、かかる細動の発生率を低下させる方法が開発されている(非特許文献1)。しかし、このような方法でも短期間、例えば処置後3週間以内に死に至る確率は依然として高い上に、大きな梗塞部位を得られなかったり、梗塞不完全であったりといった、病態定性にも依然として問題が残っていた。

別の手法として、閉塞すべき動脈部位よりも下流の血管を結紮して、心筋全体虚血に対する耐性を生じさせた後に、閉塞すべき動脈部位を閉塞する方法が、WO2006/030737に開示されている(特許文献1)。しかしながら、この方法でもまだ十分な大きさの梗塞部位を得ることができないという問題がある。
したがって、簡便で致死率が低く、安定して大きな梗塞部位が得られる心筋梗塞モデル動物の作製方法が、依然として求められている。

概要

本発明は、簡便で、致死率が低く、安定して大きな梗塞部位を得られ、長期にわたる研究にも利用可能な心筋梗塞モデル動物の作製方法を提供することを目的とする。 本発明は、i)処置前に処置対象動物心機能を測定するステップ、ii)i)で測定した心機能が、標準の心機能である個体を選択するステップ、iii)ii)で選択した個体の冠動脈の血流を、緩徐に低下させるステップ、を含む、心筋梗塞モデル動物の作製方法に関する。なし

目的

本発明は、簡便で、致死率が低く、安定して大きな梗塞部位を得られ、長期にわたる研究にも利用可能な心筋梗塞モデル動物の作製方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

i)処置前に処置対象動物心機能を測定するステップ、ii)i)で測定した心機能が、標準の心機能である個体を選択するステップ、iii)ii)で選択した個体の冠動脈血流を、緩徐に低下させるステップ、を含む、心筋梗塞モデル動物作製方法

請求項2

心機能の測定が、超音波診断装置によって行われる、請求項1に記載のモデル動物作製方法

請求項3

心機能が、左室内腔面積変化率FAC)である、請求項1または2に記載のモデル動物作製方法。

請求項4

標準の心機能が、FAC70〜90%である、請求項1〜3のいずれかに記載のモデル動物作製方法。

請求項5

冠動脈が、左前下行枝(LAD)である、請求項1〜4のいずれかに記載のモデル動物作製方法。

請求項6

ステップiii)の緩徐な血流低下が、2週間で90%の血管閉塞率に至る、請求項1〜5のいずれかに記載のモデル動物作製方法。

請求項7

ステップiii)が、血管にアメロイドリングを装着することによって行われる、請求項1〜6のいずれかに記載のモデル動物作製方法。

請求項8

アメロイドリングが、装着する血管径よりも0.25〜0.75mm小さい内径を有する、請求項7に記載のモデル動物作製方法。

請求項9

得られた動物モデルの処置後の心機能が、処置前の心機能の50%以下となる、請求項1〜8のいずれかに記載のモデル動物作製方法。

請求項10

得られた動物モデルが、処置後3週間以上生存する、請求項1〜9のいずれかに記載のモデル動物作製方法。

請求項11

動物が、ミニブタである、請求項1〜10のいずれかに記載のモデル動物作製方法。

技術分野

0001

本発明は、処置前に処置対象動物心機能を測定し、その心機能が、標準の心機能である個体を選択し、選択した個体の冠動脈血流を、緩徐に低下させる、心筋梗塞モデル動物作製方法に関する。

背景技術

0002

心筋梗塞虚血性心疾患一種であり、心筋に栄養を供給する冠動脈の血流が低下することで、心筋が虚血状態に陥り、壊死に至る疾患である。従来、このような循環器系疾患治療研究や医薬品開発において、動物モデルを用いた研究が行われている。近年、医療技術発達と共に、一度壊死した心筋を再生させる再生医療技術の研究や、慢性的な心筋梗塞に対する有効な治療薬の開発などが進んできており、このような心筋梗塞モデル動物の需要がますます高まっている。

0003

心筋梗塞のモデル動物は、一般的に開胸により冠動脈に例えば結紮などの処置を施し、その血流を低下させる方法が採用されている。しかしながら、従来の方法においては、結紮によって急激に冠動脈の血流を低下させてしまうと、処置直後に急激な血圧上昇細動不整脈などを起こして死に至る確率が極めて高い。そこで、アメロイドリングなどを用いて緩徐に血流を低下させることで、かかる細動の発生率を低下させる方法が開発されている(非特許文献1)。しかし、このような方法でも短期間、例えば処置後3週間以内に死に至る確率は依然として高い上に、大きな梗塞部位を得られなかったり、梗塞不完全であったりといった、病態定性にも依然として問題が残っていた。

0004

別の手法として、閉塞すべき動脈部位よりも下流の血管を結紮して、心筋全体虚血に対する耐性を生じさせた後に、閉塞すべき動脈部位を閉塞する方法が、WO2006/030737に開示されている(特許文献1)。しかしながら、この方法でもまだ十分な大きさの梗塞部位を得ることができないという問題がある。
したがって、簡便で致死率が低く、安定して大きな梗塞部位が得られる心筋梗塞モデル動物の作製方法が、依然として求められている。

0005

国際公開第2006/030737号

先行技術

0006

James A. Fallavollita et al., Am J Physiol HeartCirc Physiol 289: 2688-2696, 2005

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、簡便で、致死率が低く、安定して大きな梗塞部位を得られ、長期にわたる研究にも利用可能な心筋梗塞モデル動物の作製方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を続ける中で、心機能の個体差によって処置後の致死率に差が生じる、すなわち心機能が低すぎる個体も高すぎる個体も致死率が高く、標準的な心機能を有する個体の致死率が低いという新たな知見を得た。さらに研究を続ける中で、処置対象動物の冠動脈血管の閉塞率を調節することで、梗塞のバラつきを抑えられることをさらに見出し、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち本発明は、i)処置前に処置対象の動物の心機能を測定するステップ、ii)i)で測定した心機能が、標準の心機能である個体を選択するステップ、iii)ii)で選択した個体の冠動脈の血流を、緩徐に低下させるステップ、を含む、心筋梗塞モデル動物の作製方法に関する。
本発明はまた、心機能の測定が、超音波診断装置によって行われる、上記のモデル動物作製方法に関する。
本発明はさらに、心機能が、左室内腔面積変化率FAC)である、上記のモデル動物作製方法に関する。

0010

本発明はさらにまた、標準の心機能が、FAC70〜90%である、上記のモデル動物作製方法に関する。
また、本発明は、冠動脈が、左前下行枝(LAD)である、上記のモデル動物作製方法に関する。
さらに、本発明は、ステップiii)の緩徐な血流低下が、2週間で90%の血管閉塞率に至る、上記のモデル動物作製方法に関する。
さらにまた、本発明は、ステップiii)が、血管にアメロイドリングを装着することによって行われる、上記のモデル動物作製方法に関する。

0011

本発明はまた、アメロイドリングが、装着する血管径よりも0.25〜0.75mm小さい内径を有する、上記のモデル動物作製方法に関する。
本発明はさらに、得られた動物モデルの処置後の心機能が、処置前の心機能の50%以下となる、上記のモデル動物作製方法に関する。
本発明はさらにまた、得られた動物モデルが、処置後3週間以上生存する、上記のモデル動物作製方法に関する。
また、本発明は、動物が、ミニブタである、上記のモデル動物作製方法に関する。

発明の効果

0012

本発明で提供する方法により、梗塞部位が大きく長期にわたって生存する心筋梗塞モデル動物を、処置対象の動物に事前に何らの処置を施すことなく簡便に作製することが可能となる。これにより、心筋再生医療の研究や、慢性的な心筋梗塞に対する治療薬開発のためのモデル動物の作製が極めて容易となる。

図面の簡単な説明

0013

図1は、実施例において使用したアメロイドコンストリクター品種および規格を表わしたものである。
図2は、アメロイドコンストリクターの内径変化および計算上の血管閉塞率を表したグラフである。
図3のaは、血管外径コンストリクター内径との差と処置後5週間後のFAC値の関係を表し、bは、血管外径とコンストリクター内径との差と処置後5週間後のFAC低下率との関係を表す。

0014

以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のモデル動物作製方法は、i)処置前に個体の心機能を測定するステップ、ii)i)で測定した心機能が、標準の心機能である個体を選択するステップ、iii)ii)で選択した個体の冠動脈の血流を、緩徐に低下させるステップ、を含む。処置前の個体の心機能は、高すぎても低すぎても致死率が上がるため、標準的な心機能を有する個体を選択する。冠動脈の閉塞には、例えば、結紮、バルーン挿入、マイクロビーズ導入、アメロイドコンストリクターの装着などの方法があるが、急に閉塞すると急激に血圧が上昇したり、不整脈を起こしてしまうため、緩徐に血流を低下させる方法を用いることが好ましい。

0015

最終的な閉塞率が同じであっても、緩徐に血流を低下させた場合の方が、急激に低下させた場合に比べて致死率は低くなる。この理由については定かではないが、血管の閉塞部位迂回するような血管が新生するためと考えられる。この場合、一時的な虚血状態が生じることにより、心筋が壊死して梗塞となるが、その後も心機能が低下しつつ死には至らずに生存する。しかしながら、一旦壊死した心筋は再生することができずに、梗塞として残存する。本明細書において、「慢性的な心筋梗塞」という語は、上述のように一時的な血流低下によって一部の心筋が壊死し、生じた心筋梗塞のことを指す。

0016

心機能の測定方法は、例えば超音波診断装置、血管造影検査、PET、SPECT、CT、MRIなど、当業者に知られたあらゆる測定方法を用いることができるが、非侵襲的で簡便であることから、超音波診断装置を用いて行うことが好ましい。
測定される心機能には、例えば左室内腔面積変化率(FAC)、左室駆出分画(EF)、左室内径短縮率FS)、左室拡張末期圧(LVEDP)、肺動脈楔入圧(PCWP)など、当業者に知られたあらゆる測定可能な心機能が含まれ、使用する動物や測定方法に応じて適宜選択されるが、好ましい使用動物や好ましい測定方法に鑑みて、好ましくはFACである。

0017

本明細書において「標準の心機能」とは、測定した心機能において、平均的な数値付近を示す心機能を意味する。この数値自体は測定する心機能によって異なる。標準の心機能に該当するものとしては、これに限定されるものではないが、例えば、前記左室内腔面積変化率でいえば、FAC65〜90%、特に好ましくはFAC70〜90%である。
閉塞する冠動脈はいずれであってもよく、これに限定されるものではないが、例えば左前下行枝(LAD)、左回旋枝(LCX)などが挙げられる。閉塞する部位としてはいずれであってもよいが、生じる梗塞部位の大きさおよび心機能の低下という観点から、好ましくは左冠動脈分岐直下の左前下行枝である。

0018

上述のとおり、緩徐に血流を低下させることが好ましい。本明細書において、「緩徐な血流低下」とは、処置後直ちに血管が完全に閉塞されるのではなく、時間を掛けて徐々に血管を閉塞することをいう。心筋の虚血状態を人工的に作り出すという目的に鑑みて、処置後24時間で70〜98%の血管閉塞率に至り、そこからさらに少しずつ閉塞していくことが好ましい。致死率の低下と梗塞部位の大きさという観点から、処置後2週間で血管閉塞率が90〜98%に至ることがもっとも好ましい。この変化は線形的であっても非線形的であってもよい。

0019

緩徐な血流低下方法としては、当業者に知られたあらゆる方法を用いることができ、例えば、アメロイドリングの装着、ハイドロリックオクルーダーの装着、マイクロビーズの繰り返し導入、塞栓物の挿入などが挙げられる。使用の簡便性の観点から、アメロイドリングの装着が好ましい。
アメロイドリングを用いて血管を閉塞する場合、装着する血管径、予測される血管壁の厚さ、膨張前および膨張後のリング内径などを考慮して適切なリングを選択することが好ましい。処置を施す動物種や閉塞部位などによって適切なリングは変わるが、好ましくは装着する血管径よりも0.25〜0.75mm小さい内径を有するアメロイドリングを使用する。リング装着の際には、アメロイドリングの隙間に血管を挟まないように注意する必要がある。リングの隙間に血管を挟んでしまうと、アメロイドリングが水分を吸収して膨張する際に、急激な血流低下を起こして不整脈を引き起こしたり、処置動物を余分に傷つけ、その結果処置動物が死んでしまったり、あるいは閉塞に支障をきたすことにより、不十分な結果を招来するなどの問題を生じる。

0020

本発明の方法によって、心機能を低下させたモデル動物を作製することが可能となる。得られるモデル動物は、梗塞のばらつきが少なく、梗塞部位がより大きく、生存率が高いことが望ましい。本発明の方法によって得られる動物モデルは、慢性的な心筋梗塞のモデル動物として、再生医療研究や治療薬開発に有用である。そのため、処置後の生存期間が長いこともまた望まれる。好ましくは処置後3週間以上、より好ましくは処置後5週間以上生存する。処置後の生存にとって障害となるのは主に、処置に直接的に起因する変調、例えば急激な血圧上昇、不整脈などの心機能の変調、処置の失敗による死亡などである。したがって、処置後3週間以上生存すれば、その後処置に直接的に起因する変調による死亡は起こらないと考えられる。

0021

心機能の低下は、緩徐な血流低下の方法次第ではあるが、処置後1週間で急激に低下し、その後しばらくは徐々に低下していき、処置後3〜6週間の間は心機能に大きな変化は見られなくなる。したがって、処置後3〜6週の間の心機能を処置後の心機能の指標とすることができる。本明細書において、「処置後の心機能」とは、処置後3〜6週間の間の心機能を表わす。

0022

本発明の方法は、当業者に知られたあらゆる哺乳動物に適用することができる。好ましい動物としては、これに限定されるものではないが、例えば、齧歯類動物(ラットマウスなど)、霊長類動物チンパンジーなど)、イヌネコブタなどが挙げられる。入手容易性や冠動脈、心臓重量と体重の比率生来側副血行路が少ないなど心臓解剖学的構造がヒトと類似していること等の観点から、より好ましくはミニブタである。
以下の実施例において、実験動物としてミニブタ(NIBS系、メス、日生研株式会社)を用いた。アメロイドコンストリクター(RESERCH INSTRUMENTS SW)は、図1に示す品種および規格のものを用いた。

0023

アメロイドリング内径の変化と血管閉塞率
モデル動物作製に先立って、使用するアメロイドリング内径の経時変化を観察した。図1に示したアメロイドリングを20mLの生理食塩液を入れた50mLのコニカルチューブ内に1個ずつ浸漬させ、37℃のウォーターバス静置し、経時的に取り出して内径を測定した。内径の測定には高精度デジタルマイクスコープKEYENCE社製,VH-6300)を用いた。結果を図2に示す。

0024

使用したミニブタの左前下行枝の血管外径は、後述のとおり全て約2.0mmであった。ミニブタの予想される血管内壁の厚さは約300μmであり、このことから、計算される血管閉塞率は以下の表1の通りとなる。

0025

心機能検査
モデル作製処置前およびモデル作製処置の3週間後に超音波診断装置を用いて心エコー図検査を実施し、左室内腔面積変化率(FAC)、左室駆出分画(EF)、左室内径短縮率(FS)を測定した。超音波診断装置はHD11XE(フィリップスエレクトロニクスジャパン)を、トランスデューサーセクタ型s8-3(フィリップスエレクトロニクスジャパン)をそれぞれ用い、MモードBモード共に視野深度を7cmに固定して行った。

0026

心エコー図検査は以下の手順で実施した。麻酔前投与薬として塩酸メデトミジン(ドミトール、日本全薬工業、40μg/kg)及びミダゾラムドルカム注射液10mg、アステラス製薬、0.2mg/kg)を筋肉投与し鎮静化した。動物が鎮静化した後、気管チューブトラキロン24Fr、テルモ)を挿管して吸入麻酔器に接続し、1回換気量200mL、換気回数13回/分で人工呼吸する。動物の鎮静化が十分でなく気管チューブの挿管が困難な場合には、吸入マスクを取り付け、4%濃度のセボフルランセボフレン丸石製薬)で麻酔導入した。維持麻酔は、麻酔器酸素流量を4L/分、セボフレン濃度を2〜4%として実施した。動物を仰臥位で固定し、左前胸部を剃毛し、トランスデューサーは動物の胸骨左縁第4肋間にあてた。Mモードの画像を装置のハードディスクに記録した。Bモードで乳頭筋ベルの左室短軸画像描出し、画像を装置のハードディスクに記録した。記録した短軸画像で拡張末期及び収縮末期の画像を選択し、心内膜マニュアルモードトレースした。

0027

拡張末期面積(EDA)、収縮末期面積(ESA)を自動算出し、FACはEDA、ESAから下記の式1にて算出した。

0028

FSとEFは、記録したMモード画像上で左室拡張末期内径(LVIDd)、収縮末期内径(LVIDs)の測定位置をマニュアルで設定し、各々下記の式2および式3を用いて自動算出させた。左室拡張末期容積および左室収縮末期容積は、それぞれの内径よりTeichholz法(式4および5)を用いて算出した。

0029

FACの低下率は式6で算出した。

0030

アメロイドリングの選択による作製処置
モデル作製処置は、モデル作製処置前にFACが70.0%以上の動物に対して実施した。麻酔前投与薬として塩酸メデトミジン(ドミトール、日本全薬工業、40μg/kg)及びミダゾラム(ドルミカム注射液10mg、アステラス製薬、0.2mg/kg)を筋肉投与し鎮静化した。動物が鎮静化した後、気管チューブ(トラキロン24Fr、テルモ)を挿管して吸入麻酔器に接続し、1回換気量200mL、換気回数13回/分で人工呼吸する。動物の鎮静化が十分でなく気管チューブの挿管が困難な場合には、吸入マスクを取り付け、4%濃度のセボフルラン(セボフレン、丸石製薬)で麻酔導入した。維持麻酔は、麻酔器の酸素流量を4L/分、セボフレン濃度を2〜4%として実施した。
耳介静脈サーフロー留置針(テルモ)を留置し、アスポキシシリン(タナロキシン注、大日本住友製薬、2g)を混注した乳酸リンゲル液(ソルラクト、テルモ)250mLを点滴した。

0031

モデル作製処置は左胸部の剃毛で開始し、剃毛部位はポピドンヨードイソジンゲル、明治製菓)で消毒した。臭化パンクロニウムミオブロック注射液、オルガノン社、2mL)を点滴ラインから注入した後、第5〜6肋間を開胸した。心嚢膜切開し、切開部の左右2〜4箇所に糸をかけ、他方を皮膚に結び心嚢膜を引き上げ、心臓を露出した。不整脈を防止する目的で、リドカイン注射液リドカイン静注用2%、テルモ)を点滴ラインより1.5mL投与した後、左冠動脈前下行枝の第一対角枝分岐部から上流部を10mm程度剥離し、血管剥離部にアメロイドコンストリクター(RESEARCH INSTRUMENTS SW)を装着した。アメロイドコンストリクターのサイズは、ダイレーター(BOSSINSTRUMENTSLTD、ギャレット血管ダイレーター 66-1300)の外径と血管径とを比較し、およその血管外径を確認して選択した。ダイレーターは、2.0mm、2.5mmのサイズを用意し、ダイレータの読みが2.5mm以上の場合は血管外径を2.5mm、2.5mm未満で2.0mmより大きい場合には血管外径を2.25mm、2.0mm以下の場合には血管外径を2.0mmとした。

0032

アメロイドコンストリクターのサイズは、内径1.75mm、1.5mm、1.25mmから、血管外径に応じて選択した。
アメロイドコンストリクターを装着したのち、アスポキシシリン(タナロキシン注、大日本住友製薬、2g)を溶解した生理食塩液(テルモ、500mL)で術野および胸腔内洗浄した。胸腔内に異常な出血がないことを確認した後、心嚢膜にかけた糸を除いて心嚢膜を縫合閉胸した。閉胸時皮膚を縫合する際には皮下組織アンピシリン(アンピシリンゾル15%「KMK」、川崎三鷹製薬)150mgを投与した。縫合糸および皮膚縫合用ステープラーロイコクリップSD、テルモ)で縫合し、皮膚表面をイソジンゲルで消毒して処置終了とした。

0033

結果
処置例1〜15のミニブタにおいて、血管外径は全て2.0mmであった。血管外径より0.25mm、0.50mm、0.75mm小さいアメロイドコンストリクターを各々、8頭、4頭、3頭のミニブタに装着した。死亡個体は各々2頭、2頭、0頭、死亡率は25%、50%、0%であった。モデル作製処置5週後の心エコー図検査でFACは各々58.9%〜72.7%、46.5%〜61.4%、32.3%〜36.8%、FACの低下率は各々16.4%〜33.2%、25.9%〜43.8%、52.9%〜63.7%であった。結果を表2に示す。表中、5週後のFAC値が「−」となっているものは、死亡のために測定不可能であった個体を表す。

0034

0035

図3に、血管外径とコンストリクター内径との差と処置後5週間後のFACおよびFAC低下率との関係をそれぞれ(a)および(b)として示す。実施例1で示したとおり、コンストリクターの内径が小さければ、血管閉塞率も高くなるため、それに伴ってFACの値もより低下していくことが分かる。

0036

FAC値による処置動物の死亡率の違い
メスのミニブタ(NIBS系、日生研株式会社)を用い、実施例2および3と同様に心エコー図検査、モデル作製処置を実施した。モデル作製処置において、アメロイドリングは、内径が1.25mmのものを使用し、処置後のFACは、処置後3週間で測定した。結果を表3に示す。表中、3週後のFAC値が「−」となっているものは、死亡のために測定不可能であった個体を表す。

0037

結果

実施例

0038

FACの値が90%より大きい群(処置例16〜20)においては、5個体中4個体が、3週目までに死亡し、FACの値が70%未満の群(処置例32〜35)においては、4個体中3個体が3週目までに死亡した。それに対し、FACの値が70〜90%の群(処置例21〜31)においては、11個体全てが3週目以降も生存していた。

0039

本発明の方法によって得られる心筋梗塞モデル動物は、高い生存率と良好な心機能低下率を示すため、慢性的な心筋梗塞の治療薬開発や、心筋再生医療研究のためのモデル動物として非常に有用である。

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