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技術 光源装置、電子画像取得装置、電子画像観察装置、内視鏡装置、カプセル内視鏡装置

出願人 オリンパス株式会社
発明者 菊池悟
出願日 2009年10月21日 (10年8ヶ月経過) 出願番号 2009-242625
公開日 2011年5月6日 (9年1ヶ月経過) 公開番号 2011-091158
状態 拒絶査定
技術分野 内視鏡 内視鏡 発光ダイオード LED素子のパッケージ
主要キーワード 特定スペクトル 発光強度ピーク 所定倍数 照射基板 照射態様 自家発光 カプセル筐体 特定帯域
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

複数の蛍光体発光強度の大小を切り替えて、スペクトルの異なる第1,第2の照射態様における光を時分割発光することができる光源装置等を提供する。

解決手段

被写体に応じて光源装置を設計する際に、第1の照射態様において発光する第1の発光素子を、発光帯域が第1の特定帯域と重なる部分を有するように選定し(S3)、第1の蛍光体を、第1の特定帯域を励起帯域に含みかつ第2の特定帯域を蛍光発光帯域に含むように選定し(S4)、第2の蛍光体を、第1の蛍光体と比べた励起強度が第1の特定帯域において低く第2照射帯域内の短波長側の第2蛍光励起帯域において高く、かつ蛍光発光帯域が第2蛍光励起帯域以外の第2照射帯域を含むように選定し(S5)、第2の照射態様において発光する第2の発光素子を、発光帯域が第2蛍光励起帯域に含まれるように選定して(S6)、これらを筐体内に配置した光源装置。

概要

背景

被写体の中には、ある特定のスペクトル帯域(以下では適宜、「スペクトル帯域」を単に「帯域」という)において光学的に特徴的な振る舞いをするものがある。ここに、光学的に特徴的な振る舞いとは、特定帯域において、他の帯域とは異なる光学的な性質を示すことをいう。具体例としては、吸収スペクトルピークボトムミニマム)、反射スペクトルのピークやボトム、蛍光発光における励起スペクトルのピークやボトムなどが挙げられる。

そして、こうした被写体を、特定帯域に含まれる波長の光で照射すると、目的とする被写体を、それ以外の被写体と区別して明確に観察することが可能となる。このような観察は、NBI(Narrow Band Imaging)観察として従来より知られている。

光学的に特徴的な振る舞いをする被写体の中でも、さらに、特定帯域が2つ以上存在する被写体もあり、一例としてヘモグロビンが挙げられる。すなわち、ヘモグロビンは、本発明の実施形態に係る図5に示すように、ヘモグロビンHbであっても酸素ヘモグロビンHbO2 であっても、何れも吸収スペクトルのピークを2つもっている。ここに、第1の吸収スペクトルピークP1は415nm付近に存在し、第2の吸収スペクトルピークP2は540nm付近に存在する。ヘモグロビンは、血液の主要な構成成分の1つである赤血球中に含まれるために主に血管内に分布し、体細胞中には基本的に分布していないために、NBI観察を行えば、血管部分低輝度に、血管部分以外は高輝度撮像され、血管以外の部分に対して血管部分を強調した画像を取得することが可能となる。

上述したヘモグロビンの特定帯域の内の415nm付近の帯域の光は、本発明の実施形態に係る図3に示すように、体組織100の表層粘膜層など)において比較的高い反射率反射もしくは散乱され、体組織100の内部への浸透度が低いために、体組織100の表層にある血管101の分布を観察するのに適している。一方、540nm付近の帯域の光は、本発明の実施形態に係る図4に示すように、415nm付近の帯域の光よりも深く体組織100の内部へ浸透し、体組織100の表層よりも内部において反射もしくは散乱されるために、体組織100の表層よりも深部にある血管101の分布を観察するのに適している。従って、415nm付近の帯域の光と540nm付近の帯域の光との両方を用いることにより、体組織100の表層にある血管101と表層よりも深部にある血管101とが同時にコントラスト強調された画像(血管強調画像)を取得して観察することが可能となる。

なお、このときに、特定帯域に係る415nm付近の帯域の光と540nm付近の帯域の光以外に、他の波長の光が存在すると、血管101と血管以外の体組織100とのコントラストが弱まることになるために、NBI観察を行う場合には、特定帯域以外の光が混在しないことが望ましい。

ヘモグロビンの吸収スペクトルにおける特定帯域を利用する例としては、医療分野において癌組織発見に用いる臨床例が挙げられる。すなわち、癌組織は、正常部位とは血管の配置構造が異なるために、血管の構造をNBIを用いて明確に観察することにより、癌組織を容易に発見することが可能となる。そして、このような検査においては、NBIによる観察以外に、例えば白色光による通常の観察も行い得ることが望ましい。

このように、NBI観察時の照射であるNBI照射に係る第1の照射態様と、白色光などにより照射を行う第2の照射態様とを可能とするためには、従来は、各照射態様に応じた複数の光源装置が必要であり、さらに、1つの照射態様においても複数の光源装置が必要になる場合(例えば、白色光を得るためにRGB各色の光源装置がそれぞれ必要になる場合、あるいはNBI観察において特定帯域の数に応じた光源装置が必要になる場合など)があった。

しかし、複数の光源装置が必要であると、光源装置を用いて構成する観察装置画像取得装置は、配置スペースが必要になって装置全体の大きさが大きくなったり、コストが高くなったりすることになる。

そこで、スペクトルの異なる複数の光を発光することができる発光装置が、例えば特開2007−36042号公報に記載されている。該公報に記載の発光装置は、例えば有底筒状をなす筐体の底面に第1光源を配置し、第1光源の光が何れの側にも到達するように筐体の中央部に隔壁を配置している。さらに、隔壁で隔てられた一方の側に、充填材を用いて第1の蛍光体を多数配置し、他方の側に、充填材を用いて第2の蛍光体を多数配置している。ここに、第1の蛍光体および第2の蛍光体は、何れも、第1光源の発光帯域励起帯域に含んでいる。さらに、第1の蛍光体および第2の蛍光体は、第1光源の発光帯域に比して長波長側に主たる蛍光発光帯域を有し、かつ互いに異なる帯域となっている。ここで仮に、第1の蛍光体が緑色蛍光体であり、第2の蛍光体が赤色蛍光体であって、赤色蛍光体の励起帯域に緑色光が含まれるとすると、隔壁を設けない場合には、緑色蛍光体から蛍光発光された緑色光が赤色蛍光体の励起に用いられてしまうこともあり、発光効率が低下してしまうことになる。そこで、上述したように隔壁を設けて、発光効率の低下を防止するようにしたものとなっている。従って、該公報に記載の技術によれば、第1光源の光と、第1の蛍光体から蛍光発光された光と、第2の蛍光体から蛍光発光された光と、の3種類の光が同時に発光されることになる。なお、該公報の技術では、第1の蛍光体と第2の蛍光体とが隔壁を隔てて空間的に異なる位置に配置されているために、各々を点光源と見なしたときに光学的に分離されている(2つの点光源と見なされる)ことになる。このような2つに分離された構造を備える発光装置を1つの点光源として用いようとする場合には、光を十分に混合する光学素子等が別途必要になると考えられる。

また、特開2007−36041号公報には、隔壁で隔てられた筐体内の一方に第1光源および蛍光体を充填材を用いて配置し、他方に第2光源を充填材を用いて配置した構成が記載されている。公報に記載の技術によれば、第1光源の光と、蛍光体から蛍光発光された光と、第2光源の光と、の3種類の光を発光することができる。そして、構造的には、3種類の光の同時発光が可能であるとともに、第1光源および蛍光体の光と、第2光源の光と、の時分割発光が可能である。なお、この公報の技術も、隔壁を隔てて第1光源と第2光源とが配置されている構造であるために、やはり光学的に分離されていて、1つの点光源として用いようとする場合には光を十分に混合する光学素子等が別途必要になると考えられる。

概要

複数の蛍光体の発光強度の大小を切り替えて、スペクトルの異なる第1,第2の照射態様における光を時分割で発光することができる光源装置等を提供する。被写体に応じて光源装置を設計する際に、第1の照射態様において発光する第1の発光素子を、発光帯域が第1の特定帯域と重なる部分を有するように選定し(S3)、第1の蛍光体を、第1の特定帯域を励起帯域に含みかつ第2の特定帯域を蛍光発光帯域に含むように選定し(S4)、第2の蛍光体を、第1の蛍光体と比べた励起強度が第1の特定帯域において低く第2照射帯域内の短波長側の第2蛍光励起帯域において高く、かつ蛍光発光帯域が第2蛍光励起帯域以外の第2照射帯域を含むように選定し(S5)、第2の照射態様において発光する第2の発光素子を、発光帯域が第2蛍光励起帯域に含まれるように選定して(S6)、これらを筐体内に配置した光源装置。

目的

そして、こうした被写体を、特定帯域に含まれる波長の光で照射すると、目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

第1の照射態様において第1の特定スペクトル帯域(以下、「スペクトル帯域」を単に「帯域」という)の光および該第1の特定帯域よりも長波長の第2の特定帯域の光を発光し、第2の照射態様において該第1の照射態様における光とはスペクトルの異なる第2照射帯域の光を発光する光源装置であって、光の照射方向へ向けて開口している筐体と、前記筐体に設けられ、前記第1の照射態様において発光し前記第2の照射態様においては発光せず、発光帯域が前記第1の特定帯域と重なる部分を有する第1の発光素子と、前記第1の発光素子により発光された光が到達し得るように前記筐体に設けられ、前記第1の特定帯域を励起帯域に含み、かつ、前記第2の特定帯域を蛍光発光帯域に含む第1の蛍光体と、前記第1の発光素子により発光された光が到達し得るように前記筐体に設けられ、前記第1の蛍光体と比べた励起強度が、前記第1の特定帯域において低く、前記第2照射帯域内の短波長側の第2蛍光励起帯域において高く、かつ、蛍光発光帯域が、前記第2蛍光励起帯域以外の前記第2照射帯域を含む第2の蛍光体と、発光した光を前記第1の蛍光体および前記第2の蛍光体へ到達させ得るように前記筐体に設けられ、前記第2の照射態様において発光し前記第1の照射態様においては発光せず、発光帯域が前記第2蛍光励起帯域に含まれる第2の発光素子と、を具備したことを特徴とする光源装置。

請求項2

前記第2の蛍光体の励起帯域と前記第1の蛍光体の蛍光発光帯域とは重ならないことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。

請求項3

前記第2の蛍光体の蛍光発光帯域と前記第1の蛍光体の励起帯域とは重ならないことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。

請求項4

前記第1の照射態様は、NBI(Narrow Band Imaging)照射を行う照射態様であり、前記第1の発光素子は狭帯域発光を行う発光素子であり、前記第1の蛍光体の蛍光発光帯域は、前記第2の蛍光体の蛍光発光帯域よりも狭帯域であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。

請求項5

前記第2の照射態様は、前記第2照射帯域の光を発光することにより白色光照射を行う照射態様であり、前記第2の発光素子は、前記第2照射帯域の内の短波長側の帯域である青色帯域に含まれる光を発光する発光素子であり、前記第2の蛍光体は、前記青色帯域以外の前記第2照射帯域を蛍光発光帯域に含み、かつ、蛍光発光する光が、前記第2の発光素子により発光される光の補色であることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。

請求項6

前記第1の発光素子および前記第2の発光素子は、半導体発光素子であることを特徴とする請求項5に記載の光源装置。

請求項7

前記第1の発光素子は、415nmの波長近傍に発光強度ピークを有する半導体発光素子であり、前記第1の蛍光体は、540nmの波長近傍に蛍光発光強度のピークを有する蛍光体であることを特徴とする請求項6に記載の光源装置。

請求項8

前記第1の蛍光体は、前記第1の発光素子により発光された光の一部を励起光として用い、該第1の発光素子により発光された光の他の一部および前記第2の発光素子により発光された光の少なくとも一部を励起光として用いることなく散乱させるような密度に配設された粉末蛍光体であり、前記第2の蛍光体は、前記第2の発光素子により発光された光の一部を励起光として用い、該第2の発光素子により発光された光の他の一部および前記第1の発光素子により発光された光の少なくとも一部を励起光として用いることなく散乱させるような密度に配設された粉末蛍光体であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。

請求項9

前記筐体は、プリント基板と、プリント基板上に底面側が取り付けられ上面側が光の照射方向へ向けた前記開口となる筒状のリフレクタと、を有し、前記第1の発光素子および前記第2の発光素子は、前記プリント基板上における前記リフレクタの内部となる位置に実装されたものであり、前記第1の蛍光体である粉末蛍光体および前記第2の蛍光体である粉末蛍光体は、前記プリント基板と前記リフレクタとで構成される凹状部に、前記第1の発光素子および前記第2の発光素子を覆うように樹脂封止されたものであることを特徴とする請求項8に記載の光源装置。

請求項10

請求項1に記載の光源装置と、前記光源装置から照射され、被写体により反射された光を光学系により結像して撮像する撮像装置と、を具備したことを特徴とする電子画像取得装置

請求項11

請求項10に記載の電子画像取得装置と、前記撮像装置により撮像された画像を表示する表示装置と、を具備したことを特徴とする電子画像観察装置

請求項12

請求項10に記載の電子画像取得装置と、前記光源装置からの光を被写体へ照射するための照射用光学素子と、前記撮像装置の光学系の少なくとも一部を構成する観察用光学素子と、が先端側に配置された挿入部と、を具備したことを特徴とする内視鏡装置

請求項13

請求項10に記載の電子画像取得装置と、前記電子画像取得装置を収納するカプセル筐体と、を具備したことを特徴とするカプセル内視鏡装置。

技術分野

0001

本発明は、複数の照射態様においてスペクトルの異なる光を発光する光源装置と、この光源装置を備えた電子画像取得装置電子画像観察装置内視鏡装置カプセル内視鏡装置と、に関する。

背景技術

0002

被写体の中には、ある特定のスペクトル帯域(以下では適宜、「スペクトル帯域」を単に「帯域」という)において光学的に特徴的な振る舞いをするものがある。ここに、光学的に特徴的な振る舞いとは、特定帯域において、他の帯域とは異なる光学的な性質を示すことをいう。具体例としては、吸収スペクトルピークボトムミニマム)、反射スペクトルのピークやボトム、蛍光発光における励起スペクトルのピークやボトムなどが挙げられる。

0003

そして、こうした被写体を、特定帯域に含まれる波長の光で照射すると、目的とする被写体を、それ以外の被写体と区別して明確に観察することが可能となる。このような観察は、NBI(Narrow Band Imaging)観察として従来より知られている。

0004

光学的に特徴的な振る舞いをする被写体の中でも、さらに、特定帯域が2つ以上存在する被写体もあり、一例としてヘモグロビンが挙げられる。すなわち、ヘモグロビンは、本発明の実施形態に係る図5に示すように、ヘモグロビンHbであっても酸素ヘモグロビンHbO2 であっても、何れも吸収スペクトルのピークを2つもっている。ここに、第1の吸収スペクトルピークP1は415nm付近に存在し、第2の吸収スペクトルピークP2は540nm付近に存在する。ヘモグロビンは、血液の主要な構成成分の1つである赤血球中に含まれるために主に血管内に分布し、体細胞中には基本的に分布していないために、NBI観察を行えば、血管部分低輝度に、血管部分以外は高輝度撮像され、血管以外の部分に対して血管部分を強調した画像を取得することが可能となる。

0005

上述したヘモグロビンの特定帯域の内の415nm付近の帯域の光は、本発明の実施形態に係る図3に示すように、体組織100の表層粘膜層など)において比較的高い反射率反射もしくは散乱され、体組織100の内部への浸透度が低いために、体組織100の表層にある血管101の分布を観察するのに適している。一方、540nm付近の帯域の光は、本発明の実施形態に係る図4に示すように、415nm付近の帯域の光よりも深く体組織100の内部へ浸透し、体組織100の表層よりも内部において反射もしくは散乱されるために、体組織100の表層よりも深部にある血管101の分布を観察するのに適している。従って、415nm付近の帯域の光と540nm付近の帯域の光との両方を用いることにより、体組織100の表層にある血管101と表層よりも深部にある血管101とが同時にコントラスト強調された画像(血管強調画像)を取得して観察することが可能となる。

0006

なお、このときに、特定帯域に係る415nm付近の帯域の光と540nm付近の帯域の光以外に、他の波長の光が存在すると、血管101と血管以外の体組織100とのコントラストが弱まることになるために、NBI観察を行う場合には、特定帯域以外の光が混在しないことが望ましい。

0007

ヘモグロビンの吸収スペクトルにおける特定帯域を利用する例としては、医療分野において癌組織発見に用いる臨床例が挙げられる。すなわち、癌組織は、正常部位とは血管の配置構造が異なるために、血管の構造をNBIを用いて明確に観察することにより、癌組織を容易に発見することが可能となる。そして、このような検査においては、NBIによる観察以外に、例えば白色光による通常の観察も行い得ることが望ましい。

0008

このように、NBI観察時の照射であるNBI照射に係る第1の照射態様と、白色光などにより照射を行う第2の照射態様とを可能とするためには、従来は、各照射態様に応じた複数の光源装置が必要であり、さらに、1つの照射態様においても複数の光源装置が必要になる場合(例えば、白色光を得るためにRGB各色の光源装置がそれぞれ必要になる場合、あるいはNBI観察において特定帯域の数に応じた光源装置が必要になる場合など)があった。

0009

しかし、複数の光源装置が必要であると、光源装置を用いて構成する観察装置や画像取得装置は、配置スペースが必要になって装置全体の大きさが大きくなったり、コストが高くなったりすることになる。

0010

そこで、スペクトルの異なる複数の光を発光することができる発光装置が、例えば特開2007−36042号公報に記載されている。該公報に記載の発光装置は、例えば有底筒状をなす筐体の底面に第1光源を配置し、第1光源の光が何れの側にも到達するように筐体の中央部に隔壁を配置している。さらに、隔壁で隔てられた一方の側に、充填材を用いて第1の蛍光体を多数配置し、他方の側に、充填材を用いて第2の蛍光体を多数配置している。ここに、第1の蛍光体および第2の蛍光体は、何れも、第1光源の発光帯域励起帯域に含んでいる。さらに、第1の蛍光体および第2の蛍光体は、第1光源の発光帯域に比して長波長側に主たる蛍光発光帯域を有し、かつ互いに異なる帯域となっている。ここで仮に、第1の蛍光体が緑色蛍光体であり、第2の蛍光体が赤色蛍光体であって、赤色蛍光体の励起帯域に緑色光が含まれるとすると、隔壁を設けない場合には、緑色蛍光体から蛍光発光された緑色光が赤色蛍光体の励起に用いられてしまうこともあり、発光効率が低下してしまうことになる。そこで、上述したように隔壁を設けて、発光効率の低下を防止するようにしたものとなっている。従って、該公報に記載の技術によれば、第1光源の光と、第1の蛍光体から蛍光発光された光と、第2の蛍光体から蛍光発光された光と、の3種類の光が同時に発光されることになる。なお、該公報の技術では、第1の蛍光体と第2の蛍光体とが隔壁を隔てて空間的に異なる位置に配置されているために、各々を点光源と見なしたときに光学的に分離されている(2つの点光源と見なされる)ことになる。このような2つに分離された構造を備える発光装置を1つの点光源として用いようとする場合には、光を十分に混合する光学素子等が別途必要になると考えられる。

0011

また、特開2007−36041号公報には、隔壁で隔てられた筐体内の一方に第1光源および蛍光体を充填材を用いて配置し、他方に第2光源を充填材を用いて配置した構成が記載されている。公報に記載の技術によれば、第1光源の光と、蛍光体から蛍光発光された光と、第2光源の光と、の3種類の光を発光することができる。そして、構造的には、3種類の光の同時発光が可能であるとともに、第1光源および蛍光体の光と、第2光源の光と、の時分割発光が可能である。なお、この公報の技術も、隔壁を隔てて第1光源と第2光源とが配置されている構造であるために、やはり光学的に分離されていて、1つの点光源として用いようとする場合には光を十分に混合する光学素子等が別途必要になると考えられる。

先行技術

0012

特開2007−36042号公報
特開2007−36041号公報

発明が解決しようとする課題

0013

しかしながら、上記特開2007−36042号公報に記載の技術では、第1の蛍光体および第2の蛍光体が、第1光源から発光された光を共通して励起光として用いているために、第1の蛍光体の発光強度と第2の蛍光体の発光強度との大小関係切り替えることができない。特に、ある時点において第1の蛍光体を第2の蛍光体よりも高い発光強度で発光させ、別の時点において第2の蛍光体を第1の蛍光体よりも高い発光強度で発光させるといったような時分割の切り替えを行うことができない。

0014

また、上記特開2007−36041号公報に記載の技術は、蛍光体の種類が1つであるために、複数の蛍光体の発光強度の大小関係を切り替えることは考えられない。

0015

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の蛍光体の発光強度の大小関係を切り替えることができ、第1の照射態様における光と、該第1の照射態様における光とはスペクトルの異なる第2の照射態様における光と、を時分割で発光することができる光源装置、電子画像取得装置、電子画像観察装置、内視鏡装置、カプセル内視鏡装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0016

上記の目的を達成するために、本発明による光源装置は、第1の照射態様において第1の特定スペクトル帯域(以下、「スペクトル帯域」を単に「帯域」という)の光および該第1の特定帯域よりも長波長の第2の特定帯域の光を発光し、第2の照射態様において該第1の照射態様における光とはスペクトルの異なる第2照射帯域の光を発光する光源装置であって、光の照射方向へ向けて開口している筐体と、前記筐体に設けられ、前記第1の照射態様において発光し前記第2の照射態様においては発光せず、発光帯域が前記第1の特定帯域と重なる部分を有する第1の発光素子と、前記第1の発光素子により発光された光が到達し得るように前記筐体に設けられ、前記第1の特定帯域を励起帯域に含み、かつ、前記第2の特定帯域を蛍光発光帯域に含む第1の蛍光体と、前記第1の発光素子により発光された光が到達し得るように前記筐体に設けられ、前記第1の蛍光体と比べた励起強度が、前記第1の特定帯域において低く、前記第2照射帯域内の短波長側の第2蛍光励起帯域において高く、かつ、蛍光発光帯域が、前記第2蛍光励起帯域以外の前記第2照射帯域を含む第2の蛍光体と、発光した光を前記第1の蛍光体および前記第2の蛍光体へ到達させ得るように前記筐体に設けられ、前記第2の照射態様において発光し前記第1の照射態様においては発光せず、発光帯域が前記第2蛍光励起帯域に含まれる第2の発光素子と、を具備したものである。

0017

また、本発明による電子画像取得装置は、上記光源装置と、前記光源装置から照射され、被写体により反射された光を光学系により結像して撮像する撮像装置と、を具備したものである。

0018

さらに、本発明による電子画像観察装置は、上記電子画像取得装置と、前記撮像装置により撮像された画像を表示する表示装置と、を具備したものである。

0019

そして、本発明による内視鏡装置は、上記電子画像取得装置と、前記光源装置からの光を被写体へ照射するための照射用光学素子と、前記撮像装置の光学系の少なくとも一部を構成する観察用光学素子と、が先端側に配置された挿入部と、を具備したものである。

0020

加えて、本発明によるカプセル内視鏡装置は、上記電子画像取得装置と、前記電子画像取得装置を収納するカプセル筐体と、を具備したものである。

発明の効果

0021

本発明の光源装置、電子画像取得装置、電子画像観察装置、内視鏡装置、カプセル内視鏡装置によれば、複数の蛍光体の発光強度の大小関係を切り替えることができ、第1の照射態様における光と、該第1の照射態様における光とはスペクトルの異なる第2の照射態様における光と、を時分割で発光することが可能となる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の実施形態1において、照射対象とする被写体に応じて、第1,第2の発光素子および第1,第2の蛍光体を決定する手順を示すフローチャート
上記実施形態1において、被写体を血管(ヘモグロビン)を含む体組織に設定するときに、第1,第2の発光素子および第1,第2の蛍光体を決定する手順を示すフローチャート。
上記実施形態1において、415nm付近の帯域の光が血管を含む体組織において反射される様子を示す図。
上記実施形態1において、540nm付近の帯域の光が深部血管を含む体組織において反射される様子を示す図。
上記実施形態1において、ヘモグロビンHbおよび酸素ヘモグロビンHbO2 の吸収スペクトルを示す線図。
上記実施形態1において、反射スペクトルが重なっていない2つの領域を含む被写体の例を示す図。
上記実施形態1において、図6の被写体に各反射スペクトルと個別に重なる2帯域の光を照射するときのスペクトルの例を示す線図。
上記実施形態1における光源装置の構造を示す平面図。
上記実施形態1における光源装置の構造を示す図8のA−A’断面図。
上記実施形態1において、第2の発光素子を発光させたときの光源装置の様子を示す図。
上記実施形態1において、第2の発光素子から発光された光の散乱の様子を示す図。
上記実施形態1において、第2の発光素子を発光させたときの発光スペクトルおよび蛍光スペクトルの分布を示す線図。
上記実施形態1において、第1の発光素子を発光させたときの光源装置の様子を示す図。
上記実施形態1において、第1の発光素子から発光された光の散乱の様子を示す図。
上記実施形態1において、第1の発光素子を発光させたときの発光スペクトルおよび蛍光スペクトルの分布を示す線図。
上記実施形態1において、第1および第2の発光素子の発光スペクトルと、第1および第2の蛍光体の励起スペクトルおよび蛍光スペクトルと、を示す線図。
上記実施形態1の光源装置を備える電子画像取得装置の構成を示すブロック図。
上記実施形態1において、装着された状態の頭部装着型電子画像観察装置の構成を示す側面図。
上記実施形態1において、装着された状態の頭部装着型電子画像観察装置の構成を示す正面図。
上記実施形態1において、内視鏡装置を備える内視鏡システムの構成を示す図。
上記実施形態1において、内視鏡装置の挿入部先端部の構成を示す断面図。
上記実施形態1において、カプセル内視鏡装置の構成を示す側面図。

実施例

0023

以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]

0024

図1から図22は本発明の実施形態1を示したものである。

0025

本実施形態の光源装置1は、第1の照射態様として、第1の特定スペクトル帯域(以下、「スペクトル帯域」を単に「帯域」という。)の光および第1の特定帯域より長波長の第2の特定スペクトル帯域の光を発光し、第2の照射態様として、第1の照射態様における各特定スペクトル帯域には依存しない光を発光するように構成されている。

0026

ここで、「特定帯域」とは、被写体において光学的に特徴的な振る舞いが生じる帯域、または被写体の特定の色を強調して観察するのに適した照明帯域をいう。
また、第2の特定帯域が第1の特定帯域よりも「長波長」であるとは、第2の特定帯域に含まれる波長の内の最も短い波長が、第1の特定帯域に含まれる波長の内の最も長い波長よりも長いことを意味する。従って、第1の特定帯域と第2の特定帯域とは、帯域的に分離されているということができる。

0027

このように、第1の照射態様は、被写体において光学的に特徴的な振る舞いが生じる帯域、または被写体の特定の色を強調して観察するのに適した照明帯域において、光の照射を行う照射態様である。これに対して、第2の照射態様は、第1の照射態様とはスペクトルの異なる光を発光し、第1の照射態様における特定帯域には依存しない光の照射を行う照射態様である。ただし、第2の照射態様は、上述した第1の照射態様における第1および第2の特定帯域には依存しないというだけであり、これら第1および第2の特定帯域とは異なる他の特定帯域の光を発光する照射態様であっても構わない。すなわち、第2の照射態様においても、被写体において光学的に特徴的な振る舞いが生じる帯域、または被写体の特定の色を強調して観察するのに適した照明帯域において、光の照射を行う場合はありうる。

0028

ここでまず、第1の照射態様の一例であるNBI(Narrow Band Imaging)照射について、図3図5を参照して説明する。ここに、図3は415nm付近の帯域の光が血管を含む体組織において反射される様子を示す図、図4は540nm付近の帯域の光が深部血管を含む体組織において反射される様子を示す図、図5はヘモグロビンHbおよび酸素ヘモグロビンHbO2 の吸収スペクトルを示す線図である。

0029

上述したように、ヘモグロビンは、ヘモグロビンHbと酸素ヘモグロビンHbO2 との何れであっても、図5に示すように、吸収スペクトルのピークを2つもっている。ここに、第1の吸収スペクトルピークP1は415nm付近に存在し、第2の吸収スペクトルピークP2は540nm付近に存在する。そして、この例においては、415nm付近の帯域を上記第1の特定帯域、540nm付近の帯域を上記第2の特定帯域と見なすことができる。

0030

これらの内の415nm付近の第1の特定帯域の光は、図3に示すように、体組織100の表層(粘膜層など)において比較的高い反射率で反射もしくは散乱され、体組織100の内部への浸透度が低い。従って、第1の特定帯域の光は、体組織100の表層にある血管101の分布を観察するのに適している。

0031

一方、540nm付近の第2の特定帯域の光は、図4に示すように、第1の特定帯域の光よりも深く体組織100の内部へ浸透し、体組織100の表層よりも内部において反射もしくは散乱される。従って、第2の特定帯域の光は、体組織100の表層よりも深部にある血管101の分布を観察するのに適している。

0032

こうして、第1の特定帯域の光と第2の特定帯域の光との両方を用いることにより、体組織100の表層にある血管101と表層よりも深部にある血管101とを同時に観察することが可能となる。

0033

ただし、このときに、第1および第2の特定帯域の光以外の波長の光が存在すると、血管101と血管以外の体組織100とのコントラストが弱まることになってしまう。

0034

そこで、NBI観察を行う場合には、できる限り、415nm付近の狭帯域の光と、540nm付近の狭帯域の光と、のみを照射するようになっている。

0035

さらに、第1の照射態様としてNBI照射を行う場合における、第2の照射態様の例としては白色照射が挙げられる。この白色照射は、通常光観察に用いられる照射の代表例である。

0036

なお、第1の照射態様における特定帯域の数は、もちろん2つに限るものではなく、3つ以上であっても構わない。すなわち、第1の照射態様に3つ以上の特定帯域がある場合であっても、任意の2つの組み合わせが以下に説明するような構成をなすようにすれば良い。

0037

また、ここでは特定帯域の例として、吸収スペクトルの2つの強度ピークを例に挙げたが、これに限るものではない。例えば、被写体に2つ以上存在する光学的に特徴的な振る舞いをする帯域、すなわち、吸収スペクトルの強度ピーク、反射スペクトルの強度ピーク、蛍光発光(例えば、被写体の自家発光による蛍光発光、あるいは被写体に蛍光薬剤を導入して蛍光薬剤を発光させる蛍光発光、など)における励起スペクトルの強度ピーク等の内の任意の2つ以上(同一種類も可)の組み合わせであっても構わない。

0038

さらに、特定帯域は、光学的に特徴的な振る舞いをする帯域であるに限るものではない。例えば、反射スペクトルが互いに重複していない2つ以上の領域を含む被写体を、それぞれの領域を強調した色(例えば各領域に応じた好ましい色)で観察するために、2つ以上の特定帯域で照射しようとするような場合であっても構わない。

0039

このような場合について、図6および図7を参照して説明する。ここに、図6は反射スペクトルが重なっていない2つの領域を含む被写体の例を示す図、図7図6の被写体に各反射スペクトルと個別に重なる2帯域の光を照射するときのスペクトルの例を示す線図である。

0040

被写体102は、反射スペクトルr1の強度が470nm付近の青色の帯域にのみに存在する第1の領域102aと、反射スペクトルr2の強度が620nm付近の赤色の帯域にのみに存在する第2の領域102bと、を含み、反射スペクトルr1の帯域と反射スペクトルr2の帯域とは図7に示すように互いに重複しないものとする。

0041

このような被写体102に対して、反射スペクトルr1の帯域と重複し反射スペクトルr2の帯域とは重複しない発光スペクトルl1の光(例えば470nmに発光強度のピークを有する狭帯域光)と、反射スペクトルr2の帯域と重複し反射スペクトルr1の帯域とは重複しない発光スペクトルl2の光(例えば620nmに発光強度のピークを有する光)とを、同一の指向特性をもって同時に特定帯域の光として照射したとする。すると、発光スペクトルl1の光は、第1の領域102aと第2の領域102bとの両方に照射されるものの、第1の領域102aのみで反射され、第2の領域102bで反射されることはない。同様に、発光スペクトルl2の光は、第1の領域102aと第2の領域102bとの両方に照射されるものの、第2の領域102bのみで反射され、第1の領域102aで反射されることはない。

0042

これにより、第1の領域102aは、反射スペクトルr1帯域の中でも特に発光スペクトルl1の帯域の色が強調されることになる。また、第2の領域102bは、反射スペクトルr2帯域の中でも特に発光スペクトルl2の帯域の色が強調されることになる。従って、それぞれの領域の色を各領域に応じて強調して観察することが可能となる。

0043

なお、現実の被写体では、上述したように反射スペクトルが全く重複しない2つ以上の領域を含むものは少ないと考えられるが、近似的な例としては、歯牙観察において、黄味を帯びた歯牙をより白色に近い色で観察するために青色系の帯域の照射を行い、歯肉部分をより健康的な色として観察するために赤色系の帯域の照射を行う例が挙げられる。この場合には、例えば、歯牙の反射スペクトルを上述した反射スペクトルr1に、歯牙に照射する青色系の帯域の光を上述した発光スペクトルl1の光に、歯肉の反射スペクトルを上述した反射スペクトルr2に、歯肉に照射する赤色系の帯域の光を上述した発光スペクトルl2の光に、それぞれ対応させて考えることができる。

0044

そして、本実施形態においては、各照射態様の光を、発光素子により発光された光と、この光により励起されて蛍光発光する蛍光体(すなわち、波長変換を行う波長変換部としての蛍光体)の光と、の組み合わせにより構成するようにしている。すなわち、第1の照射態様においては、第1の発光素子の光により第1の特定帯域の照射を行い、第1の蛍光体の蛍光発光の光により第2の特定帯域の照射を行う(これは、蛍光体の励起帯域は蛍光発光帯域よりも波長が短く、第1の特定帯域が励起光を発光する発光素子の発光帯域となり、第2の特定帯域が蛍光体による蛍光発光の帯域となることが必然であるためである)。

0045

なお、発光帯域とは、発光強度ピーク所定割合(例えば半値)以上の強度を有する帯域を指すものとする。また、励起帯域とは、励起強度ピークの所定割合(例えば半値)以上の強度を有する帯域を指すものとする。さらに、蛍光発光帯域とは、蛍光発光強度ピークの所定割合(例えば半値)以上の強度を有する帯域を指すものとする。ここに、発光帯域に係る所定割合と、励起帯域に係る所定割合と、蛍光発光帯域に係る所定割合とは、各異なる値であってももちろん構わない。

0046

また、第2の照射態様においては、第2の発光素子の光と第2の蛍光体の光との組み合わせにより、第2の照射態様において用いる第2照射帯域の照射を行う。これは、小型軽量化を図るために発光素子として例えば半導体発光素子を用いた場合に、半導体発光素子の発光帯域が狭いために、帯域を補うべく蛍光体も合わせて用いるようにしたものである。すなわち、例えば白色照射を単一の発光素子のみで実現するのは困難であるが、蛍光体を組み合わせることによりほぼ実現することが可能となる。ただし、第2の照射態様が、上述した第1および第2の特定帯域とは異なる第3および第4の特定帯域の光を照射しても構わないことは、上述した通りである。この場合には、第4の特定帯域が第3の特定帯域よりも長波長であるものとすると、第2の発光素子の光により第3の特定帯域の照射を行い、第2の蛍光体の蛍光発光の光により第4の特定帯域の照射を行うことになる。

0047

ここで、図1は、照射対象とする被写体に応じて、第1,第2の発光素子および第1,第2の蛍光体を決定する手順を示すフローチャートである。

0048

まず、発光装置を設計するに当たって、発光装置により照射を行う対象の被写体を設定する。そして、被写体に応じて、第1の照射態様における第1の特定帯域、第2の特定帯域を設定する(上述したように、第1の特定帯域の波長<第2の特定帯域の波長であるものとする)(ステップS1)。

0049

次に、被写体に対してどのような観察を行いたいかに応じて、第1の照射態様とは光のスペクトル分布が異なる(つまり、第1および第2の特定帯域の光には特に依存しない)第2照射帯域の光を発光する第2の照射態様を設定する(ステップS2)。

0050

続いて、第1の発光素子として、第1の特定帯域に含まれる波長の光を発するもの(なお、第1の特定帯域を全てカバーする広帯域である必要はなく、第1の特定帯域に含まれるのであれば輝線スペクトルでも良い)、つまり、発光帯域が第1の特定帯域と重なる部分を有するものを選定する(ステップS3)。

0051

さらに、第1の蛍光体として、第1の特定帯域を励起帯域に含み、かつ、第2の特定帯域を蛍光発光帯域に含むものを選定する(ステップS4)。

0052

次に、第2の蛍光体として、次のような条件(A)〜(C)を満たすものを選定する(ステップS5)。
(A)励起強度が、第1の特定帯域における第1の蛍光体の励起強度よりも低い蛍光体であること(第2の蛍光体の励起強度は、第1の特定帯域において、第1の蛍光体の励起強度の1よりも小さい所定割合以下(例えば、9/10以下、より望ましくは半分以下)である)。
(B)励起強度が、第2照射帯域内の短波長側の励起帯域(第2蛍光励起帯域という)における第1の蛍光体の励起強度よりも高い蛍光体であること(第2の蛍光体の励起強度は、第2蛍光励起帯域において、第1の蛍光体の励起強度の1よりも大きい所定倍数以上(例えば、10/9以上、より望ましくは2倍以上)である)。
(C)蛍光発光帯域が、第2蛍光励起帯域以外の第2照射帯域を含む。

0053

ここに、条件(A)は、第1の発光素子の光を受けても、第1の蛍光体ほどは強く蛍光発光しないことを意味している。従って、第1の照射態様(一例:NBI照射)において取得される画像のコントラストを、それほど低下させることはない。

0054

条件(B)は、第2の発光素子の光を受けたときに、第1の蛍光体よりも強く蛍光発光することを意味している。従って、第2の照射態様(一例:白色照射)に、第1の蛍光体が支配的な役割を果たすことはない。

0055

条件(C)は、第2の発光素子の光と、第2の蛍光体の蛍光発光と、を合わせたときに、第2の照射態様において用いる光(一例:白色光)が構成されることを意味している。なお、第2照射帯域は、連続する1つの帯域から構成されるに限るものではなく、分離された複数の帯域から構成されていても構わない(例1:第2の発光素子の発光帯域と第2の蛍光体の蛍光発光帯域とが分離されている場合、例2:RGBにそれぞれピークを有する3ピークの光で白色光を構成する場合、など)。

0056

また、第2の蛍光体を選定する際に、さらに、(D)第2の蛍光体の励起帯域が、第1の蛍光体の蛍光発光帯域と重ならないようなもの、を選定することが望ましい。この条件(D)は、第1の照射態様において、第1の蛍光体からの蛍光発光が第2の蛍光体を励起して第2の蛍光体が蛍光発光するのをなるべく防ぐためである。すなわち、この条件(D)を満たせば、第1の照射態様における第1の蛍光体からの蛍光発光光損失を防ぐことができ、かつ、第2の蛍光体の蛍光発光により画像のコントラストが低下するのを防ぐことができる。

0057

加えて、第2の蛍光体を選定する際に、さらに、(E)第2の蛍光体の蛍光発光帯域が、第1の蛍光体の励起帯域と重ならないようなもの、を選定することが望ましい。この条件(E)は、第2の照射態様において、第2の蛍光体からの蛍光発光が第1の蛍光体を励起して第1の蛍光体が蛍光発光するのをなるべく防ぐためである。すなわち、この条件(E)を満たせば、第2の照射態様における第2の蛍光体からの蛍光発光光の損失を防ぐことができる。

0058

続いて、第2の発光素子として、発光帯域が、第2蛍光励起帯域に含まれるものを選定する(ステップS6)。これは、上述したように、第2の発光素子が、第2の照射態様における短波長帯域を担うこと、第2の蛍光体を第1の蛍光体よりも強く蛍光発光させることを意味している。

0059

なお、図1に示した流れは、一例を示したものであり、この順序に限るものではない。例えば、ステップS1の処理はステップS3およびステップS4の処理の前に行う必要があるが、ステップS2の処理はステップS5およびステップS6の処理の前に行えば足りる。従って、図1のステップS4の処理を行った後に、図1のステップS2の処理を行う、ということも可能である。

0060

次に、図2および図16を参照して、第1の照射態様としてNBI照射を行い、第2の照射態様として白色照射を行う場合における図1に示した処理の流れを、具体的に説明する。ここに、図2は、被写体を血管(ヘモグロビン)を含む体組織に設定するときに、第1,第2の発光素子および第1,第2の蛍光体を決定する手順を示すフローチャートである。また、図16は、第1および第2の発光素子の発光スペクトルと、第1および第2の蛍光体の励起スペクトルおよび蛍光スペクトルと、を示す線図である。なお、図16においては、横軸は共通であるが、縦軸はスペクトルの種類毎の相対的なスケールとなっている。

0061

この処理を開始すると、まず、照射対象を血管(ヘモグロビン)を含む体組織に設定し、第1の照射態様をNBI照射とする(ステップS11)。これにより、上述したように、第1の特定帯域が415nm付近の狭帯域、第2の特定帯域が540nm付近の狭帯域であることが決定される。

0062

次に、体組織を通常光観察することができるように、第2の照射態様を白色光照射とする(ステップS12)。

0063

続いて、第1の発光素子として、発光帯域が第1の特定帯域と重なる部分を有するように、415nmの波長近傍に発光強度のピークを有する狭帯域発光を行う紫外LED(半導体発光素子)を選定する(図16の発光スペクトルl1参照)(ステップS13)。

0064

さらに、第1の蛍光体として、415nmを励起帯域に含み(図16の励起スペクトルe1参照)、かつ540nmを蛍光発光帯域に含む(より具体的には、540nmの波長近傍に蛍光発光強度のピークを有する)(図16蛍光発光スペクトルf1参照)サイアロン蛍光体を選定する(ステップS14)。

0065

そして、第2の蛍光体として、サイアロン蛍光体と比べた励起強度が、415nm付近の帯域において低く、青色帯域(第2照射帯域の内の短波長側の帯域であり、例えば、450〜485nmの帯域)において高く(図16の励起スペクトルe2参照)、かつ蛍光発光帯域が、青色帯域以外の白色照射帯域(例えば、520〜630nmの帯域(緑色光および赤色光を含む帯域))を含む(図16の蛍光発光スペクトルf2参照)YAG蛍光体を選定する(ステップS15)。

0066

その後、第2の発光素子として、発光帯域が、上述したYAG蛍光体の励起強度がサイアロン蛍光体の励起強度より高い青色帯域に含まれる半導体発光素子である青色LEDを選定し(図16の発光スペクトルl2参照)(ステップS16)、終了する。この場合において、青色LEDは、YAG蛍光体の励起スペクトルのピークとなる波長の近傍に発光強度のピークを有していることが好ましい。本実施形態では、青色LEDの発光強度のピークは、470nmに設定されている。ここで、第2の発光素子である青色LEDにより発光される光は、第2の蛍光体であるYAG蛍光体により蛍光発光される光の補色となる。

0067

なお、第1の照射態様をNBI照射としているために、第1の蛍光体として、なるべく蛍光発光帯域が狭いもの(狭帯域蛍光発光のもの)を選択するのが望ましい。そこで、第2の蛍光体であるYAG蛍光体と比較して、蛍光発光帯域がより狭帯域であるサイアロン蛍光体を第1の蛍光体として選定している。これにより、第2の特定帯域に含まれない光が蛍光発光されるのをなるべく防いで、血管画像のコントラストが低下することのないようにしている。

0068

次に、図8および図9を参照して、上述したように選定された発光素子および蛍光体を用いて構成した光源装置の構造について説明する。図8は光源装置の構造を示す平面図、図9は光源装置の構造を示す図8のA−A’断面図である。

0069

光源装置1は、光の照射方向へ向けて開口している筐体1aと、筐体1aに設けられ、上述したように選定された第1の発光素子4、第2の発光素子5、第1の蛍光体6および第2の蛍光体7と、を備えている。なお、光源装置1は、筐体1aの内部にさらに散乱体8を備えることとしてもよい。

0070

筐体1aは、プリント基板2と、このプリント基板2上に底面側が取り付けられ上面側が光の照射方向へ向けた開口となる筒状のリフレクタ3と、を備えている。

0071

プリント基板2の上面には、第1のカソードをなす導電パターン2aと、第1のアノードをなす導電パターン2bと、第2のカソードをなす導電パターン2cと、第2のアノードをなす導電パターン2dと、が形成されている。

0072

一方、プリント基板2の下面には、電極2i,2j,2k,2lが形成されていて、導電パターン2aは電極2iに、導電パターン2bは電極2jに、導電パターン2cは電極2kに、導電パターン2dは電極2lに、それぞれ電気的に接続されている。

0073

そして、プリント基板2上におけるリフレクタ3の内部となる位置には、上述したように選定された第1の発光素子4および第2の発光素子5が実装されている。すなわち、導電パターン2a上に第2の発光素子5が配設されていて、金ワイヤ2eを介して該導電パターン2aと接続され、金ワイヤ2fを介して導電パターン2bと接続されている。また、導電パターン2c上に第1の発光素子4が配設されていて、金ワイヤ2gを介して該導電パターン2cと接続され、金ワイヤ2hを介して導電パターン2dと接続されている。

0074

さらに、第1の蛍光体6および第2の蛍光体7は、本実施形態においては、粉末蛍光体として構成されている。そして、第1の蛍光体6および第2の蛍光体7は、同様に粉末として形成されている散乱体8とともに、プリント基板2とリフレクタ3とで構成される凹状部に、拡散された状態で透明な樹脂9を用いて封止されている。すなわち、第1の蛍光体6と第2の蛍光体7とは、空間的に重なる位置に配置されている。これにより、第1の発光素子4および第2の発光素子5は、第1の蛍光体6、第2の蛍光体7、および散乱体8により覆われた状態となる。そして、第1の発光素子4および第2の発光素子5の光が何れも第1の蛍光体6へ到達可能であり、第1の発光素子4および第2の発光素子5の光が何れも第2の蛍光体7へ到達可能である。

0075

より詳しくは、第1の蛍光体6は、第1の発光素子4により発光された光の一部を励起光として用い、第1の発光素子4により発光された光の他の一部および第2の発光素子5により発光された光の少なくとも一部を励起光として用いることなく散乱させるような密度に配設された粉末蛍光体である。同様に、第2の蛍光体7は、第2の発光素子5により発光された光の一部を励起光として用い、第2の発光素子5により発光された光の他の一部および第1の発光素子4により発光された光の少なくとも一部を励起光として用いることなく散乱させるような密度に配設された粉末蛍光体である。

0076

また、リフレクタ3は、内周面3aが、光の照射方向へ向けて大径となるテーパ状(例えば円錐面状)に形成されていて、発光された光を効率的に被写体へ向けて照射することができるようになっている。

0077

次に、このような構成の光源装置1において、第2の発光素子5を発光させたときの様子について、図10図12を参照して説明する。図10は第2の発光素子5を発光させたときの光源装置1の様子を示す図、図11は第2の発光素子5から発光された光の散乱の様子を示す図、図12は第2の発光素子5を発光させたときの発光スペクトルおよび蛍光スペクトルの分布を示す線図である。ただし、図10図11、および後述する図13図14は、散乱体8を用いない場合の例を示している。ここに、散乱体8を用いていないのは、説明や図示を簡単にするためであるが、粉末蛍光体として構成された第2の蛍光体7、第1の蛍光体6により光の拡散が十分に行われるのであれば、散乱体8を用いなくても必要な性能を満たすことができるからでもある。

0078

第2の照射態様においては、図10に示すように、第2の発光素子5のみが発光するように構成されている。第2の発光素子5により発光されて外部に射出される光には、透明な樹脂9を介してそのまま外部へ射出される光と、第1の蛍光体6、第2の蛍光体7、リフレクタ3により反射もしくは散乱されてから射出される光と、第1の蛍光体6、第2の蛍光体7の励起光として用いられて波長変換された後にそのまま、または反射もしくは散乱されてから射出される光と、が存在する。

0079

ここに、図11は、第2の照射態様において、外部へ射出されるまでの反射回数が0回または1回の光線の様子をRA1〜RA8として示している。
(RA1)第2の発光素子5の発光光
(RA2)リフレクタ3により反射された第2の発光素子5の発光光
(RA3)第2の蛍光体7により反射された第2の発光素子5の発光光
(RA4)第1の蛍光体6により反射された第2の発光素子5の発光光
(RA5)第2の蛍光体7の蛍光発光光
(RA6)リフレクタ3により反射された第2の蛍光体7による蛍光発光光
(RA7)第2の蛍光体7により反射された第2の蛍光体7による蛍光発光光
(RA8)第1の蛍光体6により反射された第2の蛍光体7による蛍光発光光

0080

なお、図11に示した各光線の内のRA3は、第2の発光素子5から発光された光を受けた第2の蛍光体7の励起確率が高い場合には、反射光の強度は小さくなるために、無視することが可能である。また、第2の発光素子5から発光された光を受けた第1の蛍光体6も若干の蛍光発光を行うが、ここでは無視している。

0081

そして、実際の製品においては、より多数回の反射/散乱が行われることになるために、光源装置1から照射される光は、第2の発光素子5の発光光と第2の蛍光体7による蛍光発光光とが充分に混交された光となる。

0082

また、第2の発光素子5を発光させたときの発光スペクトルおよび蛍光スペクトルは、図12に示すようになる。

0083

各スペクトルを示す曲線の形状は、上述した図16に示したものと同様であるが、その相対強度が異なっている。すなわち、第2の発光素子5の発光スペクトルl2に示す発光帯域においては、図16に示したように、第2の蛍光体7の励起強度が、第1の蛍光体6の励起強度よりも高い(例えば、波長によっては2倍以上高い)。従って、第2の蛍光体7の蛍光スペクトルf2の強度は、第1の蛍光体6の蛍光スペクトルf1の強度よりも高く(例えば、2倍以上高く)なっている。

0084

続いて、光源装置1において、第1の発光素子4を発光させたときの様子について、図13図15を参照して説明する。図13は第1の発光素子4を発光させたときの光源装置1の様子を示す図、図14は第1の発光素子4から発光された光の散乱の様子を示す図、図15は第1の発光素子4を発光させたときの発光スペクトルおよび蛍光スペクトルの分布を示す線図である。

0085

第1の照射態様においては、図13に示すように、第1の発光素子4のみが発光するように構成されている。第1の発光素子4により発光されて外部に射出される光には、透明な樹脂9を介してそのまま外部へ射出される光と、第1の蛍光体6、第2の蛍光体7、リフレクタ3により反射もしくは散乱されてから射出される光と、第1の蛍光体6、第2の蛍光体7の励起光として用いられて波長変換された後にそのまま、または反射もしくは散乱されてから射出される光と、が存在する。

0086

ここに、図14は、第1の照射態様において、外部へ射出されるまでの反射回数が0回または1回の光線の様子をRB1〜RB8として示している。
(RB1)第1の発光素子4の発光光
(RB2)リフレクタ3により反射された第1の発光素子4の発光光
(RB3)第2の蛍光体7により反射された第1の発光素子4の発光光
(RB4)第1の蛍光体6により反射された第1の発光素子4の発光光
(RB5)第1の蛍光体6の蛍光発光光
(RB6)リフレクタ3により反射された第1の蛍光体6による蛍光発光光
(RB7)第2の蛍光体7により反射された第1の蛍光体6による蛍光発光光
(RB8)第1の蛍光体6により反射された第1の蛍光体6による蛍光発光光

0087

なお、図14に示した各光線の内のRB4は、第1の発光素子4から発光された光を受けた第1の蛍光体6の励起確率が高い場合には、反射光の強度は小さくなるために、無視することが可能である。また、第1の発光素子4から発光された光を受けた第2の蛍光体7も若干の蛍光発光を行うが、ここでは無視している。

0088

そして、実際の製品においては、より多数回の反射/散乱が行われることになるために、光源装置1から照射される光は、第1の発光素子4の発光光と第1の蛍光体6による蛍光発光光とが充分に混交された光となる。

0089

また、第1の発光素子4を発光させたときの発光スペクトルおよび蛍光スペクトルは、図15に示すようになる。

0090

各スペクトルを示す曲線の形状は、上述した図16に示したものと同様であるが、その相対強度が異なっている。すなわち、第1の発光素子4の発光スペクトルl1に示す発光帯域においては、図16に示したように、第1の蛍光体6の励起強度が、第2の蛍光体7の励起強度よりも高い(例えば、波長によっては2倍以上高い)。従って、第1の蛍光体6の蛍光スペクトルf1の強度は、第2の蛍光体7の蛍光スペクトルf2の強度よりも高く(例えば、2倍以上高く)なっている。特に、第1の照射態様がNBI照射である場合には、画像のコントラストを低下させる原因となる第2の蛍光体7の蛍光スペクトルf2の強度については低ければ低い方が良い。そして、この図15に示す例においては、第2の蛍光体7の蛍光発光強度(図15のf2参照)は、第1の蛍光体6の蛍光発光強度(図15のf1参照)よりも充分に低くなっているということができる。

0091

このように、第1の照射態様において光源装置1から発光される光と、第2の照射態様において光源装置1から発光される光と、の何れもが、各蛍光体樹脂封止した部分で充分に散乱された光となる。このために、光源装置1内における第1の発光素子4と第2の発光素子5の位置が異なっていても、第1の照射態様において光源装置1から発光される光と、第2の照射態様において光源装置1から発光される光とは、異なる指向特性をもって射出されることはなく、同一の指向特性の光となる。

0092

なお、蛍光体をどの程度の密度で樹脂封止するかは、光学的な設計によるために、蛍光体のみでは光を十分に散乱するのに不足する場合もあり得る。このような場合には、図8図9に示したように、散乱体8をさらに付加するようにすれば良い。

0093

次に、図17は、光源装置1を備える電子画像取得装置の構成を示すブロック図である。

0094

この電子画像取得装置は、上述したような第1の発光素子4および第2の発光素子5を有する光源装置1と、この光源装置1から照射され、被写体により反射された光を光学系により結像して撮像する撮像デバイス13aを有する撮像装置13と、を備えている。

0095

より詳しくは、電子画像取得装置は、上述した光源装置1を有する照射装置11と、照射制御部12と、上述した撮像装置13と、撮像制御部14と、表示装置15と、表示制御部16と、信号処理回路17と、ユーザー操作部18と、制御部19と、を備えている。このように、図17に示す電子画像取得装置は、撮像装置13により撮像された画像を表示する表示装置15も備えているために、電子画像観察装置を兼ねたものとなっている。

0096

照射装置11は、上述した光源装置1を備えたものである。この照射装置11としては、光源装置1に加えて、さらに照射光学系を備える構成などが一例として挙げられる。

0097

照射制御部12は、この照射装置11を駆動し制御するためのものであり、第1の照射態様による照射と第2の照射態様による照射とを制御する。例えば、第1の照射態様による照射と第2の照射態様による照射について、それぞれの照射のタイミングを時分割で交互に行う制御や、各照射態様における第1の発光素子4および第2の発光素子5の発光強度の制御等が行われる。

0098

撮像装置13は、上述したように、撮像デバイス13aと、さらに撮像デバイス13a上に被写体の光学像を結像するための光学系等と、を備えたものである。

0099

撮像制御部14は、この撮像装置13に制御信号を送信して駆動制御するとともに、撮像装置13から画像信号を受信するものである。

0100

表示装置15は、照射装置11により照射され、撮像装置13により撮像して得られた画像を表示するためのものであり、表示デバイス15aを備えている。

0101

表示制御部16は、信号処理回路17からの映像信号に基づき、表示装置15に表示を行わせる制御を行うものである。

0102

信号処理回路17は、撮像制御部14から画像信号を受信して、画像信号処理を行い、表示用の映像信号を生成して表示制御部16へ出力するものである。

0103

ユーザー操作部18は、この電子画像取得装置に対して、各種の操作入力を行うものである。このユーザー操作部18により入力可能な操作としては、電子画像取得装置の電源オンオフ操作、第1の発光素子4を発光させる第1の照射態様と第2の発光素子5を発光させる第2の照射態様との変更操作、撮像装置13の撮像操作、などが幾つかの例としてあげられる。

0104

制御部19は、ユーザー操作部18からの操作入力を受けて、照射制御部12、撮像制御部14、表示制御部16、信号処理回路17、等を含むこの電子画像取得装置内の各部を統合的に制御するものである。

0105

このような構成において、ユーザー操作部18を介してユーザーにより第1の照射態様(例えば、NBI照射による特殊観察)が選択された場合には、制御部19の指令に基づき照射制御部12が第1の発光素子4のみを発光させる。この第1の発光素子4から発光された光は、一部が第1の蛍光体6により波長変換されて蛍光光となる。こうして、第1の発光素子4により発光された第1の特定帯域の狭帯域光と、第1の蛍光体6により蛍光発光された第2の特定帯域の狭帯域光とが、NBI照射光として被写体へ照射される。

0106

一方、ユーザー操作部18を介してユーザーにより第2の照射態様(例えば白色照射による通常観察)が選択された場合には、制御部19の指令に基づき照射制御部12が第2の発光素子5のみを発光させる。この第2の発光素子5から発光された光は、一部が第2の蛍光体7により波長変換されて蛍光光となり、混色して白色光として被写体へ照射される。

0107

このように電子画像取得装置は、1つの光源装置1により第1の照射態様(例えばNBI照射)と第2の照射態様(例えば白色照射)とを任意に切り替えることができるために、照射態様に応じた複数の光源装置を備える必要がなくなり、小型化、軽量化、低コスト化を図ることが可能となる。

0108

続いて、図18および図19を参照して、頭部装着型電子画像観察装置について説明する。ここに、図18は装着された状態の頭部装着型電子画像観察装置の構成を示す側面図、図19は装着された状態の頭部装着型電子画像観察装置の構成を示す正面図である。

0109

この頭部装着型電子画像観察装置は、図17に示したような電子画像観察装置(電子画像取得装置)を、ユーザーが頭部に装着して用いることができるような形態に構成したもの(いわゆる、ヘッドマウントディスプレイ(HMD))となっている。

0110

すなわち、この頭部装着型電子画像観察装置は、眼鏡とほぼ同様にして頭部に装着するためのフレーム部21を備えている。このフレーム部21の、装着時にユーザーの後頭部側になる位置には、該フレーム部21の脱落を防止するための固定バンド22が取り付けられている。

0111

さらに、装着時にユーザーの額前側に位置するフレーム部21の部分には、左右一対の撮像装置13(左眼用撮像装置13L、右眼用撮像装置13R)と、上述したような光源装置1を備えた照射装置11と、が配設されている。ここに、左眼用撮像装置13Lと右眼用撮像装置13Rとは、それぞれの撮像光軸が所定の輻輳角をもって交差するように配設されている。一方、光源装置1は、例えば、左眼用撮像装置13Lと右眼用撮像装置13Rとの間のやや上側に配設されている。

0112

また、装着時にユーザーの額前側に位置するフレーム部21の部分から垂下するように、左右一対の表示装置15(左眼用表示装置15L、右眼用表示装置15R)が設けられている。ここに、左眼用表示装置15Lは装着時にユーザーの左眼前方やや下側に位置するように、右眼用表示装置15Rは装着時にユーザーの右眼前方やや下側に位置するように、それぞれ配置されていて(図18参照)、位置調整をすることも可能となっている。

0113

そして、左眼用撮像装置13Lにより撮像した画像は左眼用表示装置15Lに、右眼用撮像装置13Rにより撮像した画像は右眼用表示装置15Rに表示するようになっている。従って、ユーザーは、視野のやや下側を見れば、表示装置15により被写体を立体的に観察する(立体視を行う)ことができるようになっている。一方、ユーザーは、視野のやや上側を見れば、表示装置15とフレーム部21との間から直視を行うことも可能となっている。

0114

このような構成において、光源装置1を含む照射装置11による照射時の作用は、図17を参照して説明したのと同様である。

0115

そして、頭部装着型電子画像観察装置は、装着時のユーザーへの負担を減らすために、特に小型軽量で携帯性が高いことが望まれるが、上述したような構成の光源装置1を備えることにより、小型化、回路構成の簡素化、コスト低減を図ることが可能となる。

0116

次に、図20および図21を参照して、内視鏡装置について説明する。ここに、図20は内視鏡装置を備える内視鏡システムの構成を示す図、図21は内視鏡装置の挿入部先端部の構成を示す断面図である。

0117

まず、内視鏡システムは、図20に示すように、内視鏡装置31と、カメラコントロールユニットCCU)32と、表示装置15と、を備えている。

0118

内視鏡装置31は、被検体体腔内へ挿入するための細長の挿入部31aと、手元側で操作を行うためのものであり上述したユーザー操作部18の一部を構成する操作部31bと、を備えている。そして、挿入部31aの先端側には、後述するように、光源装置1を含む照射装置11や、撮像装置13が配設されている。

0119

CCU32は、内視鏡装置31と接続されていて、上述したような表示制御部16、信号処理回路17、ユーザー操作部18の他の一部、制御部19、を備えたものである。

0120

表示装置15は、CCU32と接続されていて、内視鏡装置31により撮像された画像や、その他の各種の情報を表示するものである。

0121

この内視鏡装置31の挿入部31aの先端部には、図17に示したような電子画像取得装置を構成する照射装置11(光源装置1を含む)および撮像装置13が配置されている。さらに、内視鏡装置31の挿入部31aの先端部における先端面には、光源装置1からの光を被写体へ照射するための照射用光学素子11aと、撮像装置13の撮像デバイス13a上に被写体の光学像を結像するための光学系を構成する観察用光学素子13bと、が配置されている。

0122

ここで、照射制御部12は、図17に示したような電子画像取得装置における照射制御部12と同様の照射制御を行う。撮像装置13の撮像デバイス13aは、撮像基板等として構成された撮像制御部14に実装されている。また、光源装置1のプリント基板2は、照射基板等として構成された照射制御部12に、固定ねじ35等を介して固定され、さらに電気的に接続されている。そして、撮像制御部14および照射制御部12は、挿入部31aの先端部における先端硬性部を構成する基部33に固定され、外皮34により被覆されている。

0123

なお、撮像デバイス13a上に被写体の光学像を結像するための光学系は、全てが挿入部31aの先端部に配設されている必要はない。例えば、光学系の一部を構成する観察用光学素子13bのみを挿入部31aの先端部に配設し、観察用光学素子13bにより結像される被写体の光学像を手元側へ伝送するファイバーバンドル等を挿入部31a内に配設し、内視鏡装置31の手元側の操作部31b等に伝送された光学像を光電変換する撮像デバイス13aを配設する、といった構成を採用しても構わない。従って、内視鏡装置31の挿入部31aの先端部には、撮像装置13の光学系の少なくとも一部を構成する観察用光学素子13bが配置されていれば足りる。

0124

また、光源装置1は、上述では内視鏡装置31の挿入部31aの先端部に配置されているが、この構成に限定されるものではない。例えば、光源装置1を操作部31bやCCU32内に配設して、光源装置1から発光された光を、光ファイバ等を用いて挿入部31aの先端部へ導光し照射するような構成を採用しても構わない。

0125

このような構成において、光源装置1を含む照射装置11による照射時の作用は、図17を参照して説明したのと同様である。

0126

そして、内視鏡装置は、挿入部31aが細径であることが望まれるが、光源装置1を特に挿入部31aの先端部に配置する場合には、上述したような構成の光源装置1を備えることにより、挿入部31aの細径化を達成することが可能となる。さらに、上述したように、回路構成の簡素化やコスト低減を図ることも可能となる。

0127

続いて、図22は、カプセル内視鏡装置の構成を示す側面図である。

0128

このカプセル内視鏡装置は、光源装置1を含む照射装置11および撮像装置13を有する、図17に示したような電子画像取得装置を、カプセル筐体に収納したものとなっている。

0129

すなわち、カプセル内視鏡装置は、全体として略円筒形状の外形をなすカプセル筐体を備えており、このカプセル筐体の先端面側および後端面側が略半球状をなすように形成されている。そして、カプセル筐体の先端側の半球状部が透明カバー43、カプセル筐体のそれ以外の部分が筐体41である。

0130

筐体41の先端面には基板42が設けられており、この基板42上の例えば略中央部には、撮像デバイス13aが実装されている。この撮像デバイス13aには、光学素子ハウジング部13cを介して、撮像デバイス13a上に被写体の光学像を結像するための光学系である観察用光学素子13bが取り付けられている。そして、この図22に示す例においては、撮像装置13は、撮像デバイス13a、観察用光学素子13b、および光学素子ハウジング部13cを含んで構成されている。

0131

さらに、基板42上の撮像装置13を挟む例えば2箇所の位置には、それぞれ光源装置1が1つずつ、つまり合計2つ実装されている。これら光源装置1には、光学素子ハウジング部11bを各介して、照射用光学素子11aがそれぞれ取り付けられている。そして、この図22に示す例においては、照射装置11は、光源装置1、照射用光学素子11a、および光学素子ハウジング部11bを含んで構成されている。

0132

また、これら撮像装置13および照射装置11は、上述した透明カバー43により覆われている。

0133

なお、筐体41内には、図示はしないが、上述した照射制御部12、撮像制御部14、信号処理回路17などが配設されている。さらに、筐体41内には、図示はしないが、信号処理回路17により処理された映像信号を、保存するためのメモリと、無線等により送信するための送信部と、の少なくとも一方が配設されている。

0134

このような構成において、光源装置1を含む照射装置11による照射時の作用は、図17を参照して説明したのとほぼ同様であるが、第1の照射態様による照射と第2の照射態様による照射とは自動的に時分割に交互に行われるようになっている。そして、撮像装置13は、照射態様の変更に同期して、各照射態様における画像を時分割で取得するようになっている。こうして取得され信号処理回路17により処理された映像信号は、メモリを備えている場合にはメモリに保存され、送信部を備えている場合には送信され、両方を備えている場合には両方の処理が行われる。

0135

なお、上述では、撮像装置13により撮像される被写体を対称に照射するために照射装置11を、撮像装置13を挟む位置に2つ設けているが、被写体を撮像するのに足りるのであれば1つだけ設けるようにしても構わない。

0136

また、上述では、第1の照射態様と第2の照射態様とが自動的に時分割に交互に行われるように構成しているが、これに限るものでもない。例えば、筐体41内に図示しない受信部を設けて、外部からの指令を無線等により受信することができるように構成しても良い。この場合には、外部からの操作により、第1の照射態様と第2の照射態様とを所望に切り替えることが可能となる。

0137

カプセル内視鏡装置は、小型であることが望まれるが、上述したような構成の光源装置1を備えることにより、この小型化を達成することが可能となる。さらに、上述したように、回路構成の簡素化やコスト低減を図ることも可能となる。

0138

このような実施形態1によれば、第1の照射態様における光と、該第1の照射態様における光とはスペクトルの異なる第2の照射態様における光と、を光学的に分離することなく1つの光源装置により時分割で発光することが可能となる。従って、光源装置を小型化し、軽量化し、低コスト化することができる。ひいては、このような光源装置を用いて構成した電子画像取得装置、電子画像観察装置、内視鏡装置、カプセル内視鏡装置を、小型化し、軽量化し、低コスト化することが可能となる。

0139

なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。

0140

1…光源装置
1a…筐体
2…プリント基板(筐体の一部)
2a,2b,2c,2d…導電パターン
2e,2f,2g,2h…金ワイヤ
2i,2j,2k,2l…電極
3…リフレクタ(筐体の一部)
3a…内周面
4…第1の発光素子
5…第2の発光素子
6…第1の蛍光体
7…第2の蛍光体
8…散乱体
9…樹脂
11…照射装置
11a…照射用光学素子
11b…光学素子ハウジング部
12…照射制御部
13…撮像装置
13L…左眼用撮像装置
13R…右眼用撮像装置
13a…撮像デバイス
13b…観察用光学素子
13c…光学素子ハウジング部
14…撮像制御部
15…表示装置
15L…左眼用表示装置
15R…右眼用表示装置
15a…表示デバイス
16…表示制御部
17…信号処理回路
18…ユーザー操作部
19…制御部
21…フレーム部
22…固定バンド
31…内視鏡装置
31a…挿入部
31b…操作部
32…カメラコントロールユニット(CCU)
33…基部
34…外皮
35…固定ねじ
41…筐体(カプセル筐体の一部)
42…基板
43…透明カバー(カプセル筐体の一部)

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