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技術 燃焼室に触媒を担持した内燃機関及び内燃機関の製造方法

出願人 いすゞ自動車株式会社
発明者 原崇高瀬繁寿
出願日 2009年10月23日 (11年1ヶ月経過) 出願番号 2009-244283
公開日 2011年5月6日 (9年6ヶ月経過) 公開番号 2011-089486
状態 未査定
技術分野 内燃機関燃焼法 触媒等による燃料・空気・混合気の処理 排気の後処理 内燃機関の複合的制御
主要キーワード 層流領域 臨界レイノルズ数 代表寸法 立体形 乱流領域 乱流促進効果 乱流境界層 触媒コーティング層
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

ピストンの上部の燃焼室を形成する壁面に触媒担持した内燃機関において、燃料と空気の混合ガスと触媒との接触をより促進して燃焼効率を向上できて、燃焼室内における触媒による酸化及び浄化に有利な環境を持つ燃焼室に触媒を担持した内燃機関を提供する。

解決手段

内燃機関のピストン10の上部の燃焼室11を形成する壁面11aに触媒を担持した内燃機関において、前記触媒を担持した壁面11aの全面又は一部に、定格出力時運転時に、前記燃焼室11内における燃焼中の熱発生率が最大となるような状態の燃焼ガスの流れが乱流領域にある流れとなり、燃焼室壁面11a等における摩擦抵抗が極力小さくなるように凹凸形状を形成する。

概要

背景

ディーゼルエンジン等の内燃機関においては、内燃機関より排出される燃焼によって生成された排気ガス中の未燃炭化水素等の成分は、排気通路の途中に設けられた触媒コンバータ担持された酸化触媒等によって浄化される。これらの触媒コンバータはハニカム構造担体を有しており、この担体に触媒金属を担持して形成されている。

しかしながら、排気通路途中に設けられた酸化触媒による排気ガス浄化に関しては、ディーゼルエンジンンでは、低燃費化や高過給化が進んできて排気温度が低下してきており、酸化触媒の配置位置や構造上の理由から、軽負荷運転領域における運転時の排気温度の低下や冷間時起動コールドスタート)の触媒温度の低下が問題になってきている。これらの排気温度や触媒温度の低下により、酸化触媒の浄化率の低下や排気圧力上昇による燃費の悪化等が生じるという問題がある。

一方、内燃機関の燃焼室に、着火性の高い点火触媒混合気酸素よりも高い熱伝導率改質ガス改質する改質触媒を担持した内燃機関が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

また、シリンダライナー内面シリンダヘッド内面及びピストン上面よりなる燃焼室の少なくとも一部に触媒コーティング層を設けると共に、エンジンの所定の運転状態下で燃料噴射に先立って排気浄化用の微量の燃料をパイロット噴射する内燃機関が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。

概要

ピストンの上部の燃焼室を形成する壁面に触媒を担持した内燃機関において、燃料と空気の混合ガスと触媒との接触をより促進して燃焼効率を向上できて、燃焼室内における触媒による酸化及び浄化に有利な環境を持つ燃焼室に触媒を担持した内燃機関を提供する。内燃機関のピストン10の上部の燃焼室11を形成する壁面11aに触媒を担持した内燃機関において、前記触媒を担持した壁面11aの全面又は一部に、定格出力時の運転時に、前記燃焼室11内における燃焼中の熱発生率が最大となるような状態の燃焼ガスの流れが乱流領域にある流れとなり、燃焼室壁面11a等における摩擦抵抗が極力小さくなるように凹凸形状を形成する。

目的

本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、ピストンの上部の燃焼室において、燃料と空気の混合ガスと触媒との接触をより促進して燃焼効率を向上できて、燃焼室内における触媒による酸化及び浄化に有利な環境を持つ、燃焼室に触媒を担持した内燃機関を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内燃機関ピストンの上部の燃焼室を形成する壁面に触媒担持した内燃機関において、前記触媒を担持した壁面の全面又は一部に、定格出力時エンジン回転速度の60%回転速度で全負荷時の70%の負荷運転時に、前記燃焼室内における燃焼中の熱発生率が最大となるような状態の燃焼ガスの流れが乱流領域にある流れとなる凹凸部を形成したことを特徴とする燃焼室に触媒を担持した内燃機関。

請求項2

定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度において、全負荷時の40%負荷で15分間運転を行った状態で、最高筒内圧上死点後5〜10degATDCになるように、燃料噴射弁から定格トルク時において全負荷時の60〜80%の負荷となる燃料量燃料噴射し、この噴射された燃料噴霧が最初に燃焼室壁面又はシリンダ壁面衝突した位置より、噴霧中心線に対して垂線を引き、この垂線上の燃料噴霧の幅をBとしたときに、燃焼室の表面に施す凹凸部を凸部又は凹部のいずれか又は両方で形成すると共に、前記凸部又は前記凹部の基部の最大長さLsを前記燃料噴霧の幅Bの100分の1以上10分の1以下とし、凸部の高さHs又は凹部の深さDsを、前記最大長さLsの10分の1以上2分の1以下とし、隣接する間隔Bsを前記最大長さLsの10分の1以上2分の1以下として、この凹凸形状を前記燃焼室の壁面の全面又は一部に施して前記燃焼室の前記凹凸部を形成することを特徴とする請求項1記載の燃焼室に触媒を担持した内燃機関。

請求項3

定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度において、全負荷時の40%負荷で15分間運転を行った状態で、最高筒内圧が上死点後5〜10degATDCになるように、燃料噴射弁から定格トルク時において全負荷時の60〜80%の負荷となる燃料量で燃料を噴射し、この噴射された燃料噴霧が最初に燃焼室壁面又はシリンダ壁面に衝突した位置より、噴霧中心線に対して垂線を引き、この垂線上の燃料噴霧の幅をBとしたときに、前記噴霧中心線上にある燃料噴霧の前記垂線上位置における速度をUとし、最高熱発生時のシリンダ内気体動粘性係数をνとした場合におけるRe=U×B/νで算出されるレイノルズ数Reを求め、このレイノルズ数Reにおいて、表面に凹凸形状を施した直径がBの円筒又は球で形成される抵抗体抗力係数が、凹凸形状を変化させたときに最少となる抗力係数の10%増しの抗力係数よりも小さい範囲内に入るような凹凸形状を定め、この凹凸形状と同じ凹凸形状を前記燃焼室の壁面の全面又は一部に施して前記燃焼室の前記凹凸部を形成することを特徴とする請求項1記載の燃焼室に触媒を担持した内燃機関。

請求項4

燃料に含酸素燃料を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃焼室に触媒を担持した内燃機関。

請求項5

内燃機関のピストンの上部の燃焼室を形成する壁面に触媒を担持し、該触媒を担持した壁面の表面に凹凸部を形成した内燃機関の製造方法であって、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度において、全負荷時の40%負荷で15分間運転を行った状態で、最高筒内圧が上死点後5〜10degATDCになるように、燃料噴射弁から定格トルク時において全負荷時の60〜80%の負荷となる燃料量で燃料を噴射し、この噴射された燃料噴霧が最初に燃焼室壁面又はシリンダ壁面に衝突した位置より、噴霧中心線に対して垂線を引き、この垂線上の燃料噴霧の幅をBとしたときに、燃焼室の表面に施す凹凸形状を凸部又は凹部のいずれか又は両方で形成すると共に、前記凸部又は前記凹部の基部の最大長さLsを前記燃料噴霧の幅Bの100分の1以上10分の1以下とし、凸部の高さHs又は凹部の深さDsを、前記最大長さLsの10分の1以上2分の1以下とし、隣接する間隔Bsを前記最大長さLsの10分の1以上2分の1以下として、この凹凸形状を前記燃焼室の壁面の全面又は一部に施して前記燃焼室の前記凹凸部を形成することを特徴とする内燃機関の製造方法。

請求項6

内燃機関のピストンの上部の燃焼室を形成する壁面に触媒を担持し、該触媒を担持した壁面の表面に凹凸部を形成した内燃機関の製造方法であって、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度において、全負荷時の40%負荷で15分間運転を行った状態で、最高筒内圧が上死点後5〜10degATDCになるように、燃料噴射弁から定格トルク時において全負荷時の60〜80%の負荷となる燃料量で燃料を噴射し、この噴射された燃料噴霧が最初に燃焼室壁面又はシリンダ壁面に衝突した位置より、噴霧中心線に対して垂線を引き、この垂線上の燃料噴霧の幅をBとしたときに、前記噴霧中心線上にある燃料噴霧の前記垂線上位置における速度をUとし、最高熱発生時のシリンダ内の気体の動粘性係数をνとした場合におけるRe=U×B/νで算出されるレイノルズ数Reを求め、このレイノルズ数Reにおいて、表面に凹凸形状を施した直径がBの円筒又は球で形成される抵抗体の抗力係数が、凹凸形状を変化させたときに最少となる抗力係数の10%増しの抗力係数よりも小さい範囲内に入るような凹凸形状を定め、この凹凸形状と同じ凹凸形状を前記燃焼室の壁面の全面又は一部に施して前記燃焼室の凹凸部を形成することを特徴とする内燃機関の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、燃料と空気の混合ガス触媒との接触をより促進して燃焼効率を向上できる燃焼室に触媒を担持した内燃機関及び内燃機関の製造方法に関する。

背景技術

0002

ディーゼルエンジン等の内燃機関においては、内燃機関より排出される燃焼によって生成された排気ガス中の未燃炭化水素等の成分は、排気通路の途中に設けられた触媒コンバータに担持された酸化触媒等によって浄化される。これらの触媒コンバータはハニカム構造担体を有しており、この担体に触媒金属を担持して形成されている。

0003

しかしながら、排気通路途中に設けられた酸化触媒による排気ガス浄化に関しては、ディーゼルエンジンンでは、低燃費化や高過給化が進んできて排気温度が低下してきており、酸化触媒の配置位置や構造上の理由から、軽負荷運転領域における運転時の排気温度の低下や冷間時起動コールドスタート)の触媒温度の低下が問題になってきている。これらの排気温度や触媒温度の低下により、酸化触媒の浄化率の低下や排気圧力上昇による燃費の悪化等が生じるという問題がある。

0004

一方、内燃機関の燃焼室に、着火性の高い点火触媒混合気酸素よりも高い熱伝導率改質ガス改質する改質触媒を担持した内燃機関が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

0005

また、シリンダライナー内面シリンダヘッド内面及びピストン上面よりなる燃焼室の少なくとも一部に触媒コーティング層を設けると共に、エンジンの所定の運転状態下で燃料の噴射に先立って排気浄化用の微量の燃料をパイロット噴射する内燃機関が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。

先行技術

0006

特開2006−52722号公報
特開2005−180269号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、ピストンの上部の燃焼室において、燃料と空気の混合ガスと触媒との接触をより促進して燃焼効率を向上できて、燃焼室内における触媒による酸化及び浄化に有利な環境を持つ、燃焼室に触媒を担持した内燃機関を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記のような目的を達成するための本発明の燃焼室に触媒を担持した内燃機関は、内燃機関のピストンの上部の燃焼室を形成する壁面に触媒を担持した内燃機関において、前記触媒を担持した壁面の全面又は一部に、定格出力時エンジン回転速度の60%回転速度で全負荷時の70%の負荷の運転時に、前記燃焼室内における燃焼中の熱発生率が最大となるような状態の燃焼ガスの流れが乱流領域にある流れとなる凹凸部を形成して構成される。

0009

つまり、前記燃焼室内における燃焼中の熱発生率が最大となるような状態で、乱流発生により燃焼室壁面等における摩擦抵抗が極力小さくなるように凹凸部を形成する。この触媒は、例えば、酸化触媒、NOx吸蔵還元型触媒等であり、この触媒を担持する部分は、例えば、ピストンのピストン頂部、クレビス部等、シリンダのシリンダライナー、シリンダヘッド等、吸気弁及び排気弁バルブフェース等の、燃料と空気の混合ガスや燃焼ガスが接触する部分である。

0010

また、燃焼中とは、吸入空気EGRガスとの混合気に燃料が噴射されると、ピストンの圧縮行程圧縮され温度上昇した混合気と噴射された燃料が接触して燃焼を開始し、混合気と燃料が拡散すると共に、更に噴射で燃料が追加されるため燃焼が進捗し、燃料噴射が終了すると、燃焼も終了するが、この燃焼開始直後から燃焼を完了するまでの間の全部の期間中である。

0011

また、この乱流領域は、レイノルズ数臨界レイノルズ数以上であり、かつ、実用的には、108以下であるような領域となる。なお、燃焼室のガスの流れが層流領域にあるか乱流領域にあるか、即ち、臨界レイノルズ数以上にあるか否かは、実験による測定又は数値シミュレーション計算により容易に認定できる。

0012

なお、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度で全負荷時の70%の負荷の運転時は、内燃機関を搭載した車両の運転において、実際の運転状態の基準となる内燃機関の運転状態として選択している。

0013

上記の構成によれば、触媒を担持させた燃焼室は温度が高いので触媒活性が良く、また、触媒が炭化水素等の燃料が噴射される燃焼室内に設けてあるので、噴射された燃料を酸化したり、燃焼ガスを浄化したりすることを、燃焼室内に担持した触媒の触媒作用で促進することができ、効率良く、燃料の燃焼と排気ガスの浄化を行うことができる。また、燃焼ガスが担持された触媒により浄化される際に発生する熱、即ち、燃焼熱とは別の触媒による分解反応による熱により、サイクル効率が向上する。

0014

更に、触媒を担持した壁面、即ち、燃焼室を形成する壁面に設けた凹凸部により、乱流境界層を発生させて、燃焼室の壁面において、燃料と空気の混合ガス若しくは燃焼ガスの剥離を抑制することができるので、混合ガス若しくは燃焼ガスと触媒との接触を長く保つことができる。また、凹凸部により触媒が担持されている壁面の表面積が増加するので、混合ガス若しくは燃焼ガスと触媒との接触機会が増加する。

0015

これにより、酸化作用を発揮する触媒を用いた場合には、燃料と空気の混合ガスと触媒との接触により燃焼が促進されるので、燃焼効率が向上し、高い燃焼温度を保つことができる。従って、触媒による浄化に有利な環境を作り出すことができる。また、燃焼ガスの成分を浄化する作用を発揮する触媒を用いた場合は、高温で触媒が活性化した状態で、未燃炭化水素やNOx等を浄化できる。従って、効率よく排気ガスを浄化することができる。

0016

つまり、燃焼室の壁面等に乱流境界層を形成させることで、燃焼ガスの剥離の抑制と燃焼を促進する効果が期待でき、これにより、高い等容度を保つことができる。なお、この等容度とはオットーサイクル(等容サイクル定容サイクル)にどれだけ近いかを示す指標であり、言い換えれば、オットーサイクルに対して効率の低下する度合いを示す指標である。この等容度の値が1ということはオットーサイクルと同一であることを示し、等容度が高い程理論熱効率に近づく。

0017

上記の燃焼室に触媒を担持した内燃機関で、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度において、全負荷時の40%負荷で15分間運転を行った状態で、最高筒内圧上死点後5〜10degATDCになるように、燃料噴射弁から定格トルク時において全負荷時の60〜80%の負荷となる燃料量で燃料を噴射し、この噴射された燃料噴霧が最初に燃焼室壁面又はシリンダ壁面衝突した位置より、噴霧中心線に対して垂線を引き、この垂線上の燃料噴霧の幅をBとしたときに、燃焼室の表面に施す凹凸部を凸部又は凹部のいずれか又は両方で形成すると共に、前記凸部又は前記凹部の基部の最大長さLsを前記燃料噴霧の幅Bの100分の1以上10分の1以下とし、凸部の高さHs又は凹部の深さDsを、前記最大長さLsの10分の1以上2分の1以下とし、隣接する間隔Bsを前記最大長さLsの10分の1以上2分の1以下として、この凹凸形状を前記燃焼室の壁面の全面又は一部に施して前記燃焼室の前記凹凸部を形成して構成すると、適切な凹凸を容易に形成することができ、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度で全負荷時の70%の負荷の運転時に、前記燃焼室内における燃焼中の熱発生率が最大となるような状態の燃焼ガスの流れが乱流領域にある流れとなる。

0018

なお、これらの燃焼室の表面に施す凹凸部の凸部又は凹部の寸法は、実験や数値シミュレーションの結果から、設計し易い形にまとめたものであり、凸部又は凹部がこれより小さい形状になっても大きな形状になっても乱流促進効果が小さくなる。なお、凸部の基部と凹部の基部とは、凹凸を設ける前の元の表面と接する部分のことを言う。

0019

あるいは、上記の燃焼室に触媒を担持した内燃機関で、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度において、全負荷時の40%負荷で15分間運転を行った状態で、最高筒内圧が上死点後5〜10degATDCになるように、燃料噴射弁から定格トルク時において全負荷時の60〜80%の負荷となる燃料量で燃料を噴射し、この噴射された燃料噴霧が最初に燃焼室壁面又はシリンダ壁面に衝突した位置より、噴霧中心線に対して垂線を引き、この垂線上の燃料噴霧の幅をBとしたときに、前記噴霧中心線上にある燃料噴霧の前記垂線上位置における速度をUとし、最高熱発生時のシリンダ内気体動粘性係数をνとした場合におけるRe=U×B/νで算出されるレイノルズ数Reを求め、このレイノルズ数Reにおいて、表面に凹凸形状を施した直径がBの円筒又は球で形成される抵抗体抗力係数が、凹凸形状を変化させたときに最少となる抗力係数の10%増しの抗力係数よりも小さい範囲内に入るような凹凸形状を定め、この凹凸形状と同じ凹凸形状を前記燃焼室の壁面の全面又は一部に施して前記燃焼室の前記凹凸部を形成して構成すると、適切な凹凸を容易に形成することができ、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度で全負荷時の70%の負荷の運転時に、前記燃焼室内における燃焼中の熱発生率が最大となるような状態の燃焼ガスの流れが乱流領域にある流れとなる。

0020

なお、これらの燃焼室の表面に施す凹凸部の凹凸形状を決めるに際しての、試験的な凹凸形状を施した抵抗体の抵抗係数は、実験や数値シミュレーションで容易に得ることができる。また、多くの実験や数値シミュレーションの結果から、抵抗体の抗力係数が、乱流と関係し、凹凸形状を変化させたときに最少となる抗力係数の10%増しの抗力係数よりも小さい範囲内に入るような凹凸形状を、燃焼室の表面に適用すると、燃焼室での乱流促進効果が大きくなることが分かっており、この知見を元に、燃焼室の壁面に施す凹凸形状を設定している。

0021

上記の燃焼室に触媒を担持した内燃機関において、燃料に含酸素燃料を使用する。このジメチルエーテルDME)等の含酸素燃料を使用する内燃機関の場合には、これらの燃料の燃焼特性としてを発生し難いので、燃焼室の内壁面すすで覆われることがなく、担持された触媒の浄化が煤により妨げられることがないので、より効率よく触媒作用を発揮できる。

0022

そして、上記の燃焼室に触媒を担持した内燃機関の製造方法は、内燃機関のピストンの上部の燃焼室を形成する壁面に触媒を担持し、該触媒を担持した壁面の表面に凹凸部を形成した内燃機関の製造方法であって、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度において、全負荷時の40%負荷で15分間運転を行った状態で、最高筒内圧が上死点後5〜10degATDCになるように、燃料噴射弁から定格トルク時において全負荷時の60〜80%の負荷となる燃料量で燃料を噴射し、この噴射された燃料噴霧が最初に燃焼室壁面又はシリンダ壁面に衝突した位置より、噴霧中心線に対して垂線を引き、この垂線上の燃料噴霧の幅をBとしたときに、燃焼室の表面に施す凹凸形状を凸部又は凹部のいずれか又は両方で形成すると共に、前記凸部又は前記凹部の基部の最大長さLsを前記燃料噴霧の幅Bの100分の1以上10分の1以下とし、凸部の高さHs又は凹部の深さDsを、前記最大長さLsの10分の1以上2分の1以下とし、隣接する間隔Bsを前記最大長さLsの10分の1以上2分の1以下として、この凹凸形状を前記燃焼室の壁面の全面又は一部に施して前記燃焼室の前記凹凸部を形成することを特徴とする方法である。

0023

あるいは、上記の燃焼室に触媒を担持した内燃機関の製造方法は、内燃機関のピストンの上部の燃焼室を形成する壁面に触媒を担持し、該触媒を担持した壁面の表面に凹凸部を形成した内燃機関の製造方法であって、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度において、全負荷時の40%負荷で15分間運転を行った状態で、最高筒内圧が上死点後5〜10degATDCになるように、燃料噴射弁から定格トルク時において全負荷時の60〜80%の負荷となる燃料量で燃料を噴射し、この噴射された燃料噴霧が最初に燃焼室壁面又はシリンダ壁面に衝突した位置より、噴霧中心線に対して垂線を引き、この垂線上の燃料噴霧の幅をBとしたときに、前記噴霧中心線上にある燃料噴霧の前記垂線上位置における速度をUとし、最高熱発生時のシリンダ内の気体の動粘性係数をνとした場合におけるRe=U×B/νで算出されるレイノルズ数Reを求め、このレイノルズ数Reにおいて、表面に凹凸形状を施した直径がBの円筒又は球で形成される抵抗体の抗力係数が、凹凸形状を変化させたときに最少となる抗力係数の10%増しの抗力係数よりも小さい範囲内に入るような凹凸形状を定め、この凹凸形状と同じ凹凸形状を前記燃焼室の壁面の全面又は一部に施して前記燃焼室の凹凸部を形成することを特徴とする方法である。

0024

これらの燃焼室に触媒を担持した内燃機関の製造方法によれば、上記の燃焼室に触媒を担持した内燃機関を比較的容易に製造することができる。

発明の効果

0025

本発明に係る内燃焼室に触媒を担持した燃機関によれば、内燃機関のピストンの上部の燃焼室を形成する壁面に触媒を担持した内燃機関において、触媒を担持した壁面の全面又は一部に凹凸部を形成して、燃焼室壁面等における摩擦抵抗が極力小さくなるように燃焼ガスの流れを乱流にして、燃焼室の壁面における燃焼ガスの剥離を抑制することで、燃焼ガスと触媒の接触を長く保つことができ、また、凹凸部により触媒が担持されている壁面の表面積が増加するので、混合ガス若しくは燃焼ガスと触媒との接触機会が増加する。この乱流境界層を燃焼室の壁面等に形成させることで、燃焼ガスの剥離の抑制と燃焼を促進する効果が期待でき、これにより、高い等容度を保つことができる。

図面の簡単な説明

0026

本発明に係る実施の形態の燃焼室に触媒を担持した内燃機関のピストンの頂部の燃焼室の構成を示した模式的な側断面図である。
図1のピストンの頂部の燃焼室の構成を示した模式的な平面図である。
燃料噴霧の幅Bを説明するための燃焼室と燃料噴射の関係を示した模式的な側断面図である。
燃料噴霧の幅Bを説明するための図である。
凸部で形成された凹凸形状を示す部分断面図である。
凹部で形成された凹凸形状を示す部分断面図である。
凸部と凹部で形成された凹凸形状を示す部分断面図である。
凹凸形状を示す部分平面図である。

実施例

0027

以下、本発明に係る実施の形態の燃焼室に触媒を担持した内燃機関について、図面を参照しながら説明する。この実施の形態の燃焼室に触媒を担持した内燃機関では、図1及び図2に示すように、ピストン10の上部の燃焼室11を形成する壁面11aに触媒を担持し、更に、この触媒を担持した壁面11aの全面又は一部に、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度で全負荷時の60%〜80%の一部の負荷で、好ましくは70%の負荷の運転時に、前記燃焼室内における燃焼中の熱発生率が最大となるような状態の燃焼ガスの流れが乱流領域にある流れとなる凹凸部を形成する。

0028

この触媒としては、酸化触媒又はNOx吸蔵還元型触媒等を用いるが、燃料と空気の混合ガス中の未燃燃料の酸化を促進できる酸化作用や燃焼ガスを浄化できる浄化作用を発揮できる触媒を用いる。

0029

酸化作用を発揮する酸化触媒を用いた場合には、燃料と空気の混合ガスと触媒との接触により燃焼が促進されるので、燃焼効率が向上し、高い燃焼温度を保つことができる。従って、触媒による浄化に有利な環境を作り出すことができる。また、燃焼ガスの成分を浄化する作用を発揮するNOx吸蔵還元型触媒を用いた場合は、高温で触媒が活性化した状態で、未燃炭化水素やNOx等を浄化できる。従って、効率よく排気ガスを浄化することができる。

0030

また、この触媒を担持する部分は、混合ガス若しくは燃焼ガスと確実に接触するので、ピストン10のピストン頂部の燃焼室11の内面の壁面11a(図1及び図2では太線で示す部分)である。なお、さらに、その他、ピストンのクレビス部等、シリンダのシリンダライナー、シリンダヘッド等、吸気弁及び排気弁のバルブフェース等の、燃料と吸入空気とEGRガスの混合ガスや燃焼ガスが接触する部分に触媒を担持してもよい。

0031

また、凹凸部による乱流領域は、レイノルズ数が臨界レイノルズ数以上であり、かつ、108以下であるような領域である。なお、燃焼室11のガスの流れが層流領域にあるか乱流領域にあるか、即ち、臨界レイノルズ数以上にあるか否かは、実験による測定又は数値シミュレーション計算により容易に認定できる。

0032

この凹凸形状に関しては、最初に、燃料噴霧の幅Bを求める。図3及び図4に示すように、この燃料噴霧の幅Bは、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度において、全負荷時の40%負荷で15分間運転を行った状態で、最高筒内圧が上死点(TDC)後5〜10degATDCになるように、燃料噴射弁20から定格トルク時において全負荷時の60〜80%の負荷となる燃料量で燃料Fを噴射した時に、この噴射された燃料噴霧Fが最初に燃焼室11の壁面11a(又はシリンダ壁面)に衝突した位置を求める。この位置から噴霧中心線L1に対して垂線L2を引き、この垂線L2上の燃料噴霧Fの幅をBとする。この燃料噴霧の幅Bは、数値シミュレーション計算により比較的容易に求めることができる。

0033

このときの燃焼室の噴射された燃料が燃焼を開始する前の温度は、エンジンの種類にもよるが600℃〜1000℃程度である。また、吸入空気量、EGRガス量なども定格出力運転時の状態のものとする。

0034

第1の実施の形態の燃焼室に触媒を担持した内燃機関では、凹凸部の凹凸形状は幾何学的に次のようにして設定される。図5図8に示すように、燃焼室11の壁面(表面)11aに施す凹凸形状を凸部12又は凹部13のいずれか又は両方で形成する。この凸部12又は凹部13の個々の形状は、壁面11と接する部分の形状が円形楕円形正方形四角形多角形等で形成され、立体形状も円錐形円錐台四角錐、四角錐台多角錐多角錐台等の加工し易い形状で形成される。

0035

凸部12又は凹部13の基部の最大長さLsを燃料噴霧の幅Bの100分の1以上10分の1以下とする。また、図5図7に示すような凸部12の高さHs、又は、凹部13の深さDsを、最大長さLsの10分の1以上2分の1以下とする。

0036

また、凸部12又は凹部13の分布としては、図8に示すような直交する2直線上に配置した規則正しい分布とすると製造し易くなるが、この分布の仕方に限定する必要はなく、例えば、斜交する複数の直線上に配置したり、ランダムに配置したりしても良い。但し、凸部12同士、又は凹部13同士、又は凸部12と凹部13が隣接する間隔Bsを前記最大長さLsの10分の1以上2分の1以下とする。

0037

この凹凸形状を燃焼室11の壁面11aの全面又は一部に施して燃焼室11の凹凸部を形成する。この構成により、適切な凹凸形状をした凹凸部を容易に形成することができ、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度で全負荷時の70%の負荷の運転時に、燃焼室11内における燃焼中の熱発生率が最大となるような状態の燃焼ガスの流れを乱流領域にある流れとすることができる。

0038

第2の実施の形態の燃焼室に触媒を担持した内燃機関では、凹凸部の凹凸形状は実験的に又は数値シミュレーションの結果により、次のようにして設定される。図3に示すような噴霧中心線L1上にある燃料噴霧Fの垂線L2上の位置における速度をUとし、最高筒内温度時のシリンダ内の気体の動粘性係数をνとする。この場合におけるRe=U×B/νで算出されるレイノルズ数Reを求める。

0039

このときの燃焼室の噴射された燃料が燃焼を開始する前の温度は、エンジンの種類にもよるが600℃〜1000℃程度である。また、吸入空気量、EGRガス量なども定格出力運転時の状態のものとする。

0040

次に、燃焼室11の壁面11aに形成する凹凸部の凹凸形状が適正か否かを決めるために、表面に多様な凹凸形状を施した直径がBの円筒又は球で形成される1連の抵抗体を用意する。風洞実験を行う場合は、表面の凹凸形状を変化させた一連試験用の抵抗体、あるいは、抵抗体の表面を覆う一連の凹凸形状を持つカバー体と、このカバー体で覆うことができる抵抗体を製作して用意する。また、数値シミュレーション計算を行う場合は、表面の凹凸形状を変化させた抵抗体のデータを用意する。

0041

この凹凸形状は、幾つかのパラメータ(例えば、上記の最大長さLs、高さHs、深さDs、間隔Bs等)を系統的に変化させる等のシリーズものとする。なお、風洞実験の場合には、円筒の方が製作し易く固定支持し易い。また、数値シミュレーション計算では、円筒の方が2次元的な計算で済むので計算が容易となる。

0042

風洞試験又は数値シミュレーション計算で、上記のレイノルズ数Reにおいて、抵抗体の表面の凹凸形状を変化させたときの抵抗係数Ctをそれぞれの凹凸形状に対して求める。この抗力係数Ctは実験における計測又は数値シミュレーション計算等により比較的容易に見積もることができる。

0043

これらの数多くの凹凸形状の中から最少となる抗力係数Ctmを求め、更に、この抵抗係数Ctmの10%増しの抗力係数(1.1×Ctm)を求め、許容抗力係数Ctaとする。抵抗係数Ctがこの許容抗力係数Ctaよりも小さい範囲内に入る抵抗体の凹凸形状を採用可とする。この採用可とした凹凸形状と同じ凹凸形状を燃焼室11の壁面11aの全面又は一部に施して燃焼室11の凹凸部を形成する。つまり、風洞試験又は数値シミュレーション計算の結果から、個々の凸部12、凹部13の形状(円錐角錐半球等)、代表寸法(径Ls、高さHs、深さDs)、分布(間隔Bs、単位面積あたりの凹凸の個数等)を設定し、この設定した凹凸形状を燃焼室11の触媒を担持させる壁面11aの全面又は一部に形成する。

0044

これにより、適切な凹凸形状を持つ凹凸部を容易に形成することができ、定格出力時のエンジン回転速度の60%回転速度で全負荷時の70%の負荷の運転時に、燃焼室11内における燃焼中の熱発生率が最大となるような状態の燃焼ガスの流れを乱流領域にある流れとすることができる。

0045

上記の構成の燃焼室に触媒を担持した内燃機関によれば、触媒を設けた燃焼室11は温度が高いので触媒活性が良く、また、触媒が、炭化水素等の燃料が噴射される燃焼室11内に設けてあるので、触媒により、噴射された燃料を酸化したり、燃焼ガスを浄化したりすることを触媒作用で促進することができ、効率良くが行うことができる。

0046

また、燃焼室11を形成し、触媒を担持する壁面11aの全面又は一部に設けた凹凸部により、燃焼室壁面等における摩擦抵抗が極力小さくなるように乱流境界層を発生させて、燃焼室11の壁面11aにおいて、燃料と吸入空気とEGRガスの混合ガス若しくは燃焼ガスの剥離を抑制することができるので、混合ガス若しくは燃焼ガスと触媒との接触を長く保つことができる。また、凹凸部により触媒が担持されている壁面11aの表面積が増加するので、混合ガス若しくは燃焼ガスと触媒との接触機会が増加する。 つまり、この乱流境界層を燃焼室の壁面等に形成させることで、燃焼ガスの剥離の抑制と燃焼を促進する効果が期待でき、これにより、高い等容度を保つことができる。

0047

更に、燃焼ガスが担持された触媒により浄化される際に発生する熱、即ち、燃焼熱とは別の触媒による分解反応による熱により、サイクル効率が向上する。

0048

また、上記の内燃機関において、燃料に含酸素燃料を使用する用にすると、このジメチルエーテル(DME)等の含酸素燃料を使用する内燃機関の場合には、これらの燃料の燃焼特性として煤を発生し難いので、燃焼室11の内壁面11aがすすで覆われることがなく、担持された触媒の浄化が煤により妨げられることがないので、より効率よく触媒作用を発揮できるようになる。

0049

本発明の内燃機関は、ピストンの上部の燃焼室を形成する壁面に触媒を担持した内燃機関において、燃料と空気とEGRガスの混合ガスと触媒との接触をより促進して燃焼効率を向上できて、燃焼室内における触媒による酸化及び浄化に有利な環境を持つことができるので、自動車搭載等の内燃機関として利用できる。

0050

10ピストン
11燃焼室
11a触媒を担持した壁面(凹凸部を形成した部分)
12 凸部
13 凹部
20燃料噴射弁(インジェクタ)
B燃料噴霧の幅
Bs 間隔
Ds 深さ
F 燃料噴霧
Hs 高さ
L1噴霧中心線
L2垂線
Ls最大長さ

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