図面 (/)

技術 動きベクトル検出装置及びプログラム

出願人 日本放送協会
発明者 松尾康孝鹿喰善明境田慎一
出願日 2009年10月5日 (10年5ヶ月経過) 出願番号 2009-231913
公開日 2011年4月21日 (8年10ヶ月経過) 公開番号 2011-082700
状態 特許登録済
技術分野 TV信号の圧縮,符号化方式 TV信号の圧縮,符号化方式
主要キーワード 誤差二乗和 最大階数 空間高周波成分 空間スペクトル スペクトルパワー フレーム画像列 切り捨て処理 フィルターバンク
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年4月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (14)

課題

解決手段

本発明の動きベクトル検出装置(1)は、時間方向の高周波領域のパワーの割合及び/又は空間方向低周波領域のパワーの割合を検出して分解能の値を決定する分解能決定手段(11,12,13,14)と、前記分解能の値に対応するブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさの階層から動きベクトル検出を開始して、次第に該ブロックサイズよりも小さいブロックサイズ及び該動き探索範囲の大きさよりも小さい動き探索範囲の大きさの階層での動きベクトル検出へと移行する階層型動きベクトル検出手段(15)とを備える。

概要

背景

近年、撮像装置及び表示装置高精細化が進んでおり、超解像(Super−Resolution)と称される動画像の高解像化技術が研究されている(例えば、特許文献1参照)。いわゆる8Kシステムと呼ばれるスーパーハイビジョン(SHV)のような超高精細映像、又は4Kシステムと呼ばれるデジタルシネマのような高精細映像は、従来のハイビジョン(HV)映像の4倍ないし16倍の高解像度を有するに至っている。

しかしながら、動画像を表示する表示装置の画面が高精細化されるほど、同じ画角撮影した場合の動領域における1画素あたりの動きボケ量が大きくなる。

例えば、図13(a)に示すように、ハイビジョン(HV:Hi-Vision)画面は1920画素×1080ラインであり、図13(b)に示すように、スーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)画面は、7680画素×4320ラインである。ハイビジョン画面用の動画像と同じFOV (FOV: Field Of View)で撮像した動画像をスーパーハイビジョン画面で見ると、水平・垂直解像度ともに4倍となるため、動きのある被写体の動き量は4倍となり、動領域における1画素あたりの動きボケ量も4倍となる。特に、画面全体が大きく変化するスポーツシーン等の高速動きシーンでは、視覚的なボケ感は顕著となる。

尚、或る動画像の1つの画面に対して異なる解像度の画像データを階層的に複数設定して、或る解像度の画像データについて動き量のための評価値を求めるとともに、この解像度とは異なる画像データについて動き量のための評価値を求め、各評価値加算して得られる値から最終的な動き量を決定する技法が知られている(例えば、特許文献2参照)。

また、或る動画像の1つの画面に対して空間方向に複数階のウェーブレット変換を施して、高周波成分の領域を多く含む階数優先度を低くする輪郭情報を抽出するとともに、動画像の1つの画面をブロック分割し、輪郭情報で示されるブロックにおけるアクティビティ(画像の局所的性質)が小さいほど優先度を高くなるように、輪郭情報で示されるブロックに同一の優先度を設定して、優先度が低いブロックから順に切り捨て処理を行って符号化データ量を制御する技法が知られている(例えば、特許文献3参照)。

概要

動画像の動きベクトル検出を行う動きベクトル検出装置及びプログラムを提供する。本発明の動きベクトル検出装置(1)は、時間方向の高周波領域のパワーの割合及び/又は空間方向の低周波領域のパワーの割合を検出して分解能の値を決定する分解能決定手段(11,12,13,14)と、前記分解能の値に対応するブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさの階層から動きベクトル検出を開始して、次第に該ブロックサイズよりも小さいブロックサイズ及び該動き探索範囲の大きさよりも小さい動き探索範囲の大きさの階層での動きベクトル検出へと移行する階層型動きベクトル検出手段(15)とを備える。

目的

本発明の目的は、動画像の時間方向及び/又は空間方向のスペクトルパワーによって動画像の動き量を階層的に分析し、動画像の動きベクトルを高精度に検出する動きベクトル検出装置及びプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

動画像動きベクトル検出を行う動きベクトル検出装置であって、動画像における複数フレームに亘る時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど大きなブロックサイズ及び大きな動き探索範囲の大きさとなるように階層的に規定した分解能、及び/又は動画像における1フレーム空間方向低周波領域のパワーの割合が大きいほど大きなブロックサイズ及び大きな動き探索範囲の大きさとなるように階層的に規定した分解能のテーブルを保持しており、当該時間方向の高周波領域のパワーの割合及び/又は空間方向の低周波領域のパワーの割合を検出して分解能の値を決定する分解能決定手段と、前記テーブルを参照して、前記分解能の値に対応するブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさの階層から動きベクトル検出を開始して、次第に該ブロックサイズよりも小さいブロックサイズ及び該動き探索範囲の大きさよりも小さい動き探索範囲の大きさの階層での動きベクトル検出へと移行する階層型動きベクトル検出手段と、を備えることを特徴とする動きベクトル検出装置。

請求項2

前記分解能決定手段は、当該時間方向の高周波領域のパワーの割合のみから分解能の値を決定するために、予め規定した複数のフレームで時間方向の各周波領域のパワーを検出し、検出した時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積動き量が大きいと判別することを特徴とする、請求項1に記載の動きベクトル検出装置。

請求項3

前記分解能決定手段は、当該空間方向の高周波領域のパワーの割合のみから分解能の値を決定するために、予め規定した分解能で空間方向の各周波領域のパワーを検出し、検出した空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積と動き量が大きいと判別することを特徴とする、請求項1に記載の動きベクトル検出装置。

請求項4

前記分解能決定手段は、当該時間方向及び空間方向の高周波領域のパワーの割合を検出して分解能の値を決定する際に、予め規定した複数のフレームで時間方向の各周波領域のパワーを検出し、検出した時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積と動き量が大きいと判別して空間方向の分解能を決定し、該決定した空間方向の分解能に応じて空間方向の低周波領域のパワーの割合を検出し、検出した空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積と動き量が大きいと判別することを特徴とする、請求項1に記載の動きベクトル検出装置。

請求項5

前記分解能決定手段は、動画像の基準フレームの全画素について、前記複数フレームを時間方向に予め規定した最大階数の周波領域に分解した後、全画素における時間方向の周波数帯域毎のパワーを算出し、算出した全画素における各時間方向の周波数帯域別のパワーから時間方向の高周波領域のパワーの割合を算出する空間周波数分解階数決定部と、前記複数フレームにおける時間方向の高周波領域のパワーの割合から、時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積が大きく、且つ動き量が大きいと判断し、前記時間方向の高周波領域のパワーの割合に応じて前記基準フレームにおける空間周波数の分解階数(Ns)を決定する空間方向分解階数決定部と、前記空間周波数の分解階数(Ns)に基づいて、前記動画像における1フレームに対して空間Ns階離散ウェーブレット分解を実行し、前記1フレームにおける空間周波数帯域毎のパワーを算出し、算出した空間周波数帯域毎のパワーから前記基準フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合を算出する空間方向低周波領域パワー算出部と、前記1フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど、前記動画像における動領域面積が大きく、且つ動き量が大きいと判断し、前記1フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合に応じて前記動きベクトル検出を開始する分解能を表す動き検出開始分解能を決定する動き検出開始分解能決定部とを有し、前記階層型動きベクトル検出手段は、前記基準フレームを前記動き検出開始分解能に対応するブロックサイズに分割し、この分割した各ブロックについて、前記動き検出開始分解能に対応する動き探索範囲の大きさで動きベクトル検出を行い、この動きベクトル検出の処理を、元の基準フレームに対応する最上位階数の分解能となるまで順次階数をデクリメントして動きベクトル検出を繰り返して、最終的な動きベクトルを決定する階層型動き検出部と、を有することを特徴とする、請求項1又は4に記載の動きベクトル検出装置。

請求項6

前記1フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合は、動きベクトル検出を行う基準フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合か、又は動き探索に用いる参照フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合か、又は、前記基準フレーム及び前記参照フレームのうちの空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほうであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の動きベクトル検出装置。

請求項7

動画像の動きベクトル検出を行う動きベクトル検出装置として構成するコンピュータであって、動画像における複数フレームに亘る時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど大きなブロックサイズ及び大きな動き探索範囲の大きさとなるように階層的に規定した分解能、及び/又は動画像における1フレームの空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど大きなブロックサイズ及び大きな動き探索範囲の大きさとなるように階層的に規定した分解能のテーブルを保持している、コンピュータに、当該時間方向の高周波領域のパワーの割合及び/又は空間方向の低周波領域のパワーの割合を検出して分解能の値を決定するステップと、前記テーブルを参照して、前記分解能の値に対応するブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさの階層から動きベクトル検出を開始して、次第に該ブロックサイズよりも小さいブロックサイズ及び該動き探索範囲の大きさよりも小さい動き探索範囲の大きさの階層での動きベクトル検出へと移行するステップと、を実行させるためのプログラム

技術分野

0001

本発明は、動画像の時間方向及び/又は空間方向スペクトルパワーによって動画像の動き量を階層的に分析し、動画像の動きベクトルを高精度に検出する動きベクトル検出装置及びプログラムに関する。

背景技術

0002

近年、撮像装置及び表示装置高精細化が進んでおり、超解像(Super−Resolution)と称される動画像の高解像化技術が研究されている(例えば、特許文献1参照)。いわゆる8Kシステムと呼ばれるスーパーハイビジョン(SHV)のような超高精細映像、又は4Kシステムと呼ばれるデジタルシネマのような高精細映像は、従来のハイビジョン(HV)映像の4倍ないし16倍の高解像度を有するに至っている。

0003

しかしながら、動画像を表示する表示装置の画面が高精細化されるほど、同じ画角撮影した場合の動領域における1画素あたりの動きボケ量が大きくなる。

0004

例えば、図13(a)に示すように、ハイビジョン(HV:Hi-Vision)画面は1920画素×1080ラインであり、図13(b)に示すように、スーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)画面は、7680画素×4320ラインである。ハイビジョン画面用の動画像と同じFOV (FOV: Field Of View)で撮像した動画像をスーパーハイビジョン画面で見ると、水平・垂直解像度ともに4倍となるため、動きのある被写体の動き量は4倍となり、動領域における1画素あたりの動きボケ量も4倍となる。特に、画面全体が大きく変化するスポーツシーン等の高速動きシーンでは、視覚的なボケ感は顕著となる。

0005

尚、或る動画像の1つの画面に対して異なる解像度の画像データを階層的に複数設定して、或る解像度の画像データについて動き量のための評価値を求めるとともに、この解像度とは異なる画像データについて動き量のための評価値を求め、各評価値加算して得られる値から最終的な動き量を決定する技法が知られている(例えば、特許文献2参照)。

0006

また、或る動画像の1つの画面に対して空間方向に複数階のウェーブレット変換を施して、高周波成分の領域を多く含む階数優先度を低くする輪郭情報を抽出するとともに、動画像の1つの画面をブロック分割し、輪郭情報で示されるブロックにおけるアクティビティ(画像の局所的性質)が小さいほど優先度を高くなるように、輪郭情報で示されるブロックに同一の優先度を設定して、優先度が低いブロックから順に切り捨て処理を行って符号化データ量を制御する技法が知られている(例えば、特許文献3参照)。

先行技術

0007

特開2009−105490号公報
特許第3334271号公報
特許第4195978号公報

発明が解決しようとする課題

0008

前述したように、SHV画面の映像フォーマットは、水平7680画素、垂直4320ライン、時間60フレーム/秒であり、HV画面の映像フォーマットと比較して、水平及び垂直標本化周波数が、時間標本化周波数に対して相対的に増大している。

0009

従って、SHV画面の動領域は、同じ画角で撮像された動画像で比較した場合、HV画面と比較して大きな動き量(フレーム単位の動きを示す画素数:画素/フレーム)を示し、動領域ではフレーム間の相関が低くなり時間方向の高周波領域のパワーが高くなることが想定されるとともに、動領域のボケ量が大きくなり、空間方向の高周波領域のパワーが低くなることが想定される。符号化処理超解像処理における複数フレーム間での動き量を推定するには、これらの想定に基づく処理が有効となる。尚、HDTV標準の動画像の動き量は、一般的に数画素/フレーム〜数十画素/フレーム程度であることが知られている。

0010

一般に、空間高周波成分の多い絵柄は、小さいブロックサイズ(例えば、2×2画素)を用いた動きベクトル検出が適している。一方、空間高周波成分が少ない絵柄は、小さいブロックサイズでは誤った動きベクトル検出となる可能性が高くなるため、大きなブロックサイズ(例えば、16×16画素)を用いた動きベクトル検出が有効である。更に、大きなブロックサイズを用いた動きベクトル検出では、大きな動きによるボケの影響も考えられるため、大きな動き探索範囲が要求される。

0011

一方、このような符号化処理や超解像処理における複数フレーム間での動き量の推定において、特許文献2の技法を適用しても、時空間周波領域のパワーに基づいて階層化するものではなく予め規定した階層数で処理を行うために、処理負担が大きくなり、且つ時間方向のボケの影響が反映された動き量を検出することができない。

0012

また、このような符号化処理や超解像処理における複数フレーム間での動き量の推定において、特許文献3の技法を適用しても、高周波成分の領域を多く含む階数に依存して符号化データ量を取捨選択するためのブロックの優先度を決定することができるが、時空間周波領域のパワーに基づいて階層化するものではないので、動きベクトルを高精度化させることができない。

0013

そこで、本発明の目的は、動画像の時間方向及び/又は空間方向のスペクトルパワーによって動画像の動き量を階層的に分析し、動画像の動きベクトルを高精度に検出する動きベクトル検出装置及びプログラムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

前述のように、動き量と時空間方向の高周波領域のパワーとの間には一定の相関を持つことが多いため、動画像の時間及び空間スペクトルのパワー分析を行って、動きベクトル検出における適切なブロックサイズを推定するとともに、推定したブロックサイズを空間的に階層化して動きベクトルを検出することが有効である。

0015

動画像の時空間方向のスペクトルを考察すると、動領域における空間方向の高周波領域のパワーは、動き量の面積が大きくなるにつれて減少する。即ち、大面積の動オブジェクトが大きな動き量を持つ動画像は、空間方向の高周波領域のパワーが小さくなるが、時間方向の高周波領域のパワーは大きくなる傾向がある。これは、画面中で大きな面積のオブジェクトが大きく動く場合は、時間方向の変動が大きくなることに起因する。

0016

そこで、本発明の動きベクトル検出装置及びプログラムは、動画像における動領域の面積及び動き量の推定のために、動画像の時間方向及び/又は空間方向のスペクトルパワー分析を行って、これらのパワーに応じてブロックサイズと動き探索範囲の大きさを階層的に可変にして動きベクトル検出を行う。

0017

即ち、本発明の動きベクトル検出装置は、動画像の動きベクトル検出を行う動きベクトル検出装置であって、動画像における複数フレームに亘る時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど大きなブロックサイズ及び大きな動き探索範囲の大きさとなるように階層的に規定した分解能、及び/又は動画像における1フレームの空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど大きなブロックサイズ及び大きな動き探索範囲の大きさとなるように階層的に規定した分解能のテーブルを保持しており、当該時間方向の高周波領域のパワーの割合及び/又は空間方向の低周波領域のパワーの割合を検出して分解能の値を決定する分解能決定手段と、前記テーブルを参照して、前記分解能の値に対応するブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさの階層から動きベクトル検出を開始して、次第に該ブロックサイズよりも小さいブロックサイズ及び該動き探索範囲の大きさよりも小さい動き探索範囲の大きさの階層での動きベクトル検出へと移行する階層型動きベクトル検出手段と、を備えることを特徴とする。

0018

また、本発明の動きベクトル検出装置において、前記分解能決定手段は、当該時間方向の高周波領域のパワーの割合のみから分解能の値を決定するために、予め規定した複数のフレームで時間方向の各周波領域のパワーを検出し、検出した時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積と動き量が大きいと判別することを特徴とする。

0019

また、本発明の動きベクトル検出装置において、前記分解能決定手段は、当該空間方向の高周波領域のパワーの割合のみから分解能の値を決定するために、予め規定した分解能で空間方向の各周波領域のパワーを検出し、検出した空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積と動き量が大きいと判別することを特徴とする。

0020

また、本発明の動きベクトル検出装置において、前記分解能決定手段は、当該時間方向及び空間方向の高周波領域のパワーの割合を検出して分解能の値を決定する際に、予め規定した複数のフレームで時間方向の各周波領域のパワーを検出し、検出した時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積と動き量が大きいと判別して空間方向の分解能を決定し、該決定した空間方向の分解能に応じて空間方向の低周波領域のパワーの割合を検出し、検出した空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積と動き量が大きいと判別することを特徴とする。

0021

また、本発明の動きベクトル検出装置において、前記分解能決定手段は、動画像の基準フレームの全画素について、前記複数フレームを時間方向に予め規定した最大階数の周波領域に分解した後、全画素における時間方向の周波数帯域毎のパワーを算出し、算出した全画素における各時間方向の周波数帯域別のパワーから時間方向の高周波領域のパワーの割合を算出する空間周波数分解階数決定部と、前記複数フレームにおける時間方向の高周波領域のパワーの割合から、時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積が大きく、且つ動き量が大きいと判断し、前記時間方向の高周波領域のパワーの割合に応じて前記基準フレームにおける空間周波数の分解階数(Ns)を決定する空間方向分解階数決定部と、前記空間周波数の分解階数(Ns)に基づいて、前記動画像における1フレームに対して空間Ns階離散ウェーブレット分解を実行し、前記1フレームにおける空間周波数帯域毎のパワーを算出し、算出した空間周波数帯域毎のパワーから前記基準フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合を算出する空間方向低周波領域パワー算出部と、前記1フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど、前記動画像における動領域面積が大きく、且つ動き量が大きいと判断し、前記1フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合に応じて前記動きベクトル検出を開始する分解能を表す動き検出開始分解能を決定する動き検出開始分解能決定部とを有し、前記階層型動きベクトル検出手段は、前記基準フレームを前記動き検出開始分解能に対応するブロックサイズに分割し、この分割した各ブロックについて、前記動き検出開始分解能に対応する動き探索範囲の大きさで動きベクトル検出を行い、この動きベクトル検出の処理を、元の基準フレームに対応する最上位の階数の分解能となるまで順次階数をデクリメントして動きベクトル検出を繰り返して、最終的な動きベクトルを決定する階層型動き検出部と、を有することを特徴とする。

0022

また、本発明の動きベクトル検出装置において、前記1フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合は、動きベクトル検出を行う基準フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合か、又は動き探索に用いる参照フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合か、又は、前記基準フレーム及び前記参照フレームのうちの空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほうであることを特徴とする。

0023

更に、本発明は、動画像の動きベクトル検出を行う動きベクトル検出装置として構成するコンピュータであって、動画像における複数フレームに亘る時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど大きなブロックサイズ及び大きな動き探索範囲の大きさとなるように階層的に規定した分解能、及び/又は動画像における1フレームの空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど大きなブロックサイズ及び大きな動き探索範囲の大きさとなるように階層的に規定した分解能のテーブルを保持している、コンピュータに、当該時間方向の高周波領域のパワーの割合及び/又は空間方向の低周波領域のパワーの割合を検出して分解能の値を決定するステップと、前記テーブルを参照して、前記分解能の値に対応するブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさの階層から動きベクトル検出を開始して、次第に該ブロックサイズよりも小さいブロックサイズ及び該動き探索範囲の大きさよりも小さい動き探索範囲の大きさの階層での動きベクトル検出へと移行するステップと、を実行させるためのプログラムとしても特徴付けられる。

発明の効果

0024

本発明によれば、動画像における動きベクトル検出にあたって、適切なブロックサイズを推定して動きベクトル検出を開始することができる。特に、時空間方向のスペクトルパワーから動き量及び動領域を推定してブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさを決定し、階層的に動きベクトル検出を行うことで、雑音に強く、且つ高精度の動きベクトル検出の計算量を削減することができる。例えば、SHV画面における大きな動きをするオブジェクトを高精度に推定した動きベクトル検出が可能となる。

図面の簡単な説明

0025

本発明による一実施例の動きベクトル検出装置の概略図である。
本発明による一実施例の動きベクトル検出装置における時間方向高周波領域パワー算出部の概略図である。
本発明による一実施例の動きベクトル検出装置における空間方向低周波領域パワー算出部の概略図である。
本発明による一実施例の動きベクトル検出装置における動き検出開始分解能決定部の概略図である。
本発明による一実施例の動きベクトル検出装置における階層型動き検出部の概略図である。
本発明による一実施例の動きベクトル検出装置の動作を示す動作フロー図である。
本発明による一実施例の動きベクトル検出装置におけるフレーム画像列を示す図である。
本発明による一実施例の動きベクトル検出装置における時間方向高周波領域パワー算出部の動作説明図である。
本発明による一実施例の動きベクトル検出装置に係る2次元2階離散ウェーブレット分解の説明図である。
本発明による一実施例の動きベクトル検出装置における動き検出開始分解能決定部の動作説明図である。
本発明による一実施例の動きベクトル検出装置における動き検出開始分解能決定部に係るブロックサイズの説明図である。
本発明による一実施例の動きベクトル検出装置に係る2次関数近似による小数画素位置ブロックマッチング法の説明図である。
動領域における1画素あたりの動きボケ量が映像フォーマットに従って変化する様子を示す図である。

実施例

0026

本発明の動きベクトル検出装置は、包括的には、動画像における基準フレームを含む複数フレームに亘る時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど大きなブロックサイズ及び大きな動き探索範囲の大きさとなるように階層的に規定した分解能、及び/又は動画像における1フレームの空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど大きなブロックサイズ及び大きな動き探索範囲の大きさとなるように階層的に規定した分解能で動きベクトル検出を開始するために、当該時間方向の高周波領域のパワーの割合及び/又は空間方向の低周波領域のパワーの割合を検出して分解能の値を決定し、決定した分解能の値に対応するブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさの階層から動きベクトル検出を開始して、次第に該ブロックサイズよりも小さいブロックサイズ及び該動き探索範囲の大きさよりも小さい動き探索範囲の大きさの階層での動きベクトル検出へと移行する階層型の動きベクトル検出を行う装置である。

0027

以下、本発明による一実施例の動きベクトル検出装置について説明する。

0028

一実施例の動きベクトル検出装置1として、時間方向及び空間方向の周波数解析にウェーブレット変換を用いる場合について説明する。尚、時間方向及び空間方向の周波数解析には、ウェーブレット変換を用いる場合以外に、他の直交変換又はFFT(Fast Fourier transform)を用いることができる。

0029

[装置構成]
図1に、本発明による一実施例の動きベクトル検出装置1を示す。本実施例の動きベクトル検出装置1は、時間方向高周波領域パワー算出部11と、空間分解階数決定部12と、空間方向低周波領域パワー算出部13と、動き検出開始分解能決定部14と、階層型動き検出部15とを備える。尚、各構成要素で処理するのに必要な画像データは、動きベクトル検出装置1が備える記憶部(図示せず)に適宜格納して読み出すように構成することができる。

0030

時間方向高周波領域パワー算出部11は、動きベクトルの検出を行う基準フレームF(tC)及び動き探索に用いる参照フレームF(tR)を含む、時刻t=t0・・・tmにおける複数フレームのフレーム画像列F(t0),・・・,F(tC),・・・,F(tR),・・・,F(tm)を入力し、基準フレームF(tC)における全画素について、この複数フレームを時間方向に予め規定した最大階数の周波領域に分解した後、全画素における時間方向の周波数帯域毎のパワーを算出し、算出した全画素における時間方向の周波数帯域別のパワーから時間方向の高周波領域のパワーの割合を算出して空間分解階数決定部12に送出する。

0031

例えば、図2に示すように、時間方向高周波領域パワー算出部11は、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)を含む、時刻t=t0・・・tmにおけるフレーム画像列F(t0),・・・,F(tC),・・・,F(tR),・・・,F(tm)を入力し、基準フレームF(tC)の全画素について時間方向に予め規定したNmax階(例えば、4階)の離散ウェーブレット分解を行う時間方向1次元Nmax階離散ウェーブレット分解処理部111と、基準フレームF(tC)の全画素における時間方向の周波数帯域毎のパワーを算出し、算出した全画素における時間方向の周波数帯域別のパワーから時間方向の高周波領域のパワーの割合を算出して空間分解階数決定部12に送出する時間方向周波数帯域別パワー算出部112から構成することができる。

0032

空間分解階数決定部12は、時間方向高周波領域パワー算出部11によって算出した時間方向の高周波領域のパワーの割合から、時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど、動領域面積が大きく、且つ動き量が大きいと判断し、時間方向の高周波領域のパワーの割合に応じて空間周波数の分解階数Ns(即ち、空間方向の分解能)を決定し、決定した空間周波数の分解階数Nsの情報を空間方向低周波領域パワー算出部13に送出する。

0033

空間方向低周波領域パワー算出部13は、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)と空間周波数の分解階数Nsの情報を入力し、空間周波数の分解階数Nsに基づいて、基準フレームF(tC)及び/又は参照フレームF(tR)に対して空間Ns階離散ウェーブレット分解を実行し、当該フレームにおける空間周波数帯域毎のパワーを算出し、算出した空間周波数帯域毎のパワーから当該フレームにおける空間方向の低周波領域のパワーの割合を算出し、算出した空間方向の低周波領域のパワーの割合と空間Ns階離散ウェーブレット分解したデータを動き検出開始分解能決定部14に送出する。

0034

尚、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の双方に対して空間Ns階離散ウェーブレット分解を実行することは、後の処理として、固定のブロックサイズ及び探索範囲の大きさで階層型動きベクトル検出を行う際のウェーブレット再構成を階層的に行うことにより、元画像に対して可変のブロックサイズ及び探索範囲の大きさとする階層型動きベクトル検出を行うことができる点で有利であり、特に、動きベクトル検出を階層的に行うための分解能の決定のためには、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)のうちの空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほうを選定するのが好適となる。以下の説明では、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の双方について空間Ns階離散ウェーブレット分解を行う例を説明する。

0035

例えば、図3に示すように、空間方向低周波領域パワー算出部13は、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)を入力し、空間分解階数決定部12によって決定した空間周波数の分解階数Nsに基づいて、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の各々の全画素に対して空間Ns階離散ウェーブレット分解を行う空間方向2次元Ns階離散ウェーブレット分解処理部131と、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の各々における空間周波数帯域毎のパワーを算出し、算出した空間周波数帯域毎のパワーから基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の各々における空間方向の低周波領域のパワーの割合を算出し、算出した基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の各々における空間方向の低周波領域のパワーの割合の大きいほうの情報を動き検出開始分解能決定部14に送出する空間方向周波数帯域別パワー算出部132から構成することができる。

0036

動き検出開始分解能決定部14は、空間方向低周波領域パワー算出部13によって算出した空間方向の低周波領域のパワーの割合の情報から、空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど(空間方向の高周波領域のパワーの割合が小さいほど)、動領域面積が大きく、且つ動き量が大きいと判断し、動きベクトル検出を階層的に開始するための分解能(以下、「動き検出開始分解能」と称する)が小さい値(即ち、低解像度画像)となるように、空間方向の低周波領域のパワーの割合に応じて動き検出開始分解能を決定し、決定した階層的な動き検出開始分解能の情報を階層型動き検出部15に送出する。

0037

例えば、図4に示すように、動き検出開始分解能決定部14は、空間方向低周波領域パワー算出部13によって算出した空間方向の低周波領域のパワーの割合から、空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど(空間方向の高周波領域のパワーの割合が小さいほど)動領域面積が大きく、且つ動き量が大きいと判断し、動きベクトル検出を開始する階数(以下、「動き検出開始階数」と称する)nsが大きな値となるように、空間方向の低周波領域のパワーの割合に応じて動き検出開始階数nsを決定し、決定した動き検出開始階数nsの情報を階層型動き検出部15に送出する動き検出開始階数決定部141として構成することができる。

0038

階層型動き検出部15は、動き検出開始階数nsに応じた空間方向に低周波領域の基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の画像を得るために、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の空間方向2次元Ns階離散ウェーブレット分解したデータに対して、動き検出開始階数nsに応じた空間ns階ウェーブレットの再構成を行い、予め定めたブロックサイズ及び探索範囲の大きさで動きベクトル検出を実行し、続いて空間ns−1階ウェーブレットの再構成を行い、当該予め定めたブロックサイズ及び探索範囲の大きさで動きベクトル検出を再度実行し、最上位の階層(即ち、元の画像レベル)にて当該予め定めたブロックサイズ及び探索範囲の大きさで動きベクトル検出を行うまで階数をデクリメントして繰り返す。この階層型動きベクトル検出の動作は、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)を入力し、動き検出開始分解能に基づいて、基準フレームF(tC)に対して順次ブロックサイズ及び探索範囲の大きさを縮小しながら動きベクトル検出を行うことと類似した処理となる。ただし、空間ns階ウェーブレット分解及び再構成を経て順次繰り返すことによる階層型動きベクトル検出によれば、階層に応じて順次可変にすべきブロックサイズ及び探索範囲の大きさを用意する必要がなく固定とすることができ、且つ画像シーンに応じた動き検出開始階数nsに応じた動きベクトル検出を行うため、高精度化が期待できる。

0039

例えば、図5に示すように、階層型動き検出部15は、動き検出開始階数nsに応じた空間方向に低周波領域の基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の画像を得るために動き検出開始階数nsに応じた空間ns階ウェーブレットの再構成を行い、予め定めたブロックサイズ及び探索範囲の大きさで小数画素精度ブロックマッチングによる動きベクトル検出を行う動き検出部151と、この動きベクトル検出の処理を最上位の階数に対応する元の画像レベルとなるまで階数をデクリメントして繰り返すために、空間方向低周波領域パワー算出部13によって算出した空間Ns階離散ウェーブレット分解データに対して動き検出開始階数nsよりも上位の階数の画像となるように空間方向に1階上位のウェーブレット再構成を実行して動き検出部151に送出する空間1階ウェーブレット再構成部152から構成することができる。従って、動き検出部151は、空間1階ウェーブレット再構成部152から得られる基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の再構成画像を用いて、動きベクトル検出の処理を階層的に繰り返し、最終的な動きベクトルを決定して出力することができる。

0040

以下、本発明による一実施例の動きベクトル検出装置1の動作について更に詳細に説明する。

0041

[装置動作]
図6は、本発明による一実施例の動きベクトル検出装置の動作を示す動作フローである。

0042

ステップS1にて、動きベクトル検出装置1は、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)を含む、時刻t=t0・・・tmにおけるフレーム画像列F(t0),・・・,F(tC),・・・,F(tR),・・・,F(tm)を入力して、動きベクトル検出装置1が備える記憶部(図示せず)に適宜読み出し可能に格納する。

0043

ステップS2にて、時間方向高周波領域パワー算出部11により、フレーム画像列F(t0),・・・,F(tC),・・・,F(tR),・・・,F(tm)を入力し、基準フレームF(tC)における全画素について時間方向に予め規定した最大階数の周波領域に分解した後、全画素における時間方向の周波数帯域毎のパワーを算出し、算出した全画素における時間方向の周波数帯域別のパワーから時間方向の高周波領域のパワーの割合を算出する。

0044

例えば、図7に示すように、フレーム画像列F(t0),・・・,F(tC),・・・,F(tR),・・・,F(tm)における或る画素R(k,l)について、時間方向に予め規定した最大階数(Nmax)の周波領域に分解した後、全画素における時間方向周波数帯域毎のパワーを算出することができる。例えば、図8に示すように、16フレームのフレーム画像列F(t)を時間方向にNmax階に分解するとすれば、Nmax=1では、低周波領域L1及び高周波領域H1として分割することができ(図8(a)参照)、Nmax=2では、低周波領域L2及び高周波領域H1,H2として分割することができ(図8(b)参照)、Nmax=3では、低周波領域L3及び高周波領域H1,H2,H3として分割することができ(図8(c)参照)、Nmax=4では、低周波領域L4及び高周波領域H1,H2,H3,H4として分割することができる(図8(d)参照)。

0045

ステップS3にて、空間分解階数決定部12により、算出した時間方向の高周波領域のパワーの割合から、時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積が大きく、且つ動き量が大きいと判断し、空間周波数の分解階数Nsが大きな値となるように、時間方向の高周波領域のパワーの割合に応じて準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の空間周波数の分解階数Nsを決定する。

0046

例えば、表1に示すように、時間方向の高周波領域のパワーの割合と空間周波数の分解階数Nsとの間で規定されるテーブルを予め保持しておく。

0047

0048

ステップS4にて、空間方向低周波領域パワー算出部13により、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)を入力し、空間分解階数決定部12によって決定した空間周波数の分解階数Nsに基づいて、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)に対して空間Ns階離散ウェーブレット分解を実行し、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)における空間周波数帯域毎のパワーをそれぞれ算出し、動き検出開始分解能(又は動き検出開始階数ns)の決定のために、算出した空間周波数帯域毎のパワーから基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)における空間周波数帯域毎のパワーの割合の大きいほうを選定する。基準フレームF(tC)又は参照フレームF(tR)における空間周波数帯域毎のパワーの割合のみを算出してもよい。

0049

例えば、図9(a)に示すように、基準フレームF(tC)の全画素に対して空間方向に2次元2階離散ウェーブレット分解を実行して、各周波領域のパワーを算出し、算出した空間周波数帯域毎のパワーから空間方向の低周波領域のパワーの割合を算出することができる。また、図9(b)に示すように、基準フレームF(tC)の空間方向の低周波領域(例えば、LL2)のみを抽出して基準フレームF(tC)の低周波領域のみの画像を再構成することができる。

0050

ステップS5にて、動き検出開始分解能決定部14により、空間Ns階離散ウェーブレット分解データ及び空間方向の低周波領域のパワーの割合から、空間方向の低周波領域のパワーの割合が大きいほど(空間方向の高周波領域のパワーの割合が小さいほど)動領域面積が大きく、且つ動き量が大きいと判断し、動き検出開始分解能が小さい値(動き検出開始階数nsが大きい値)となるように、空間方向の低周波領域のパワーの割合に応じて階層的な動き検出開始分解能(又は動き検出開始階数ns)を決定する。ただし、ns≦Nsである。

0051

例えば、表2に示すように、空間方向の低周波領域のパワーの割合と動き検出開始分解能(又は動き検出開始階数ns)との間で規定されるテーブルを予め保持しておく。尚、動き検出開始階数が大きくなるにつれて、元の画像が低解像度化することを意味しており、元の画像に対して相対的にブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさが増大することを意味している。例えば、空間分解能1/16,1/8,1/4,1/2とすれば、それぞれ(ブロックサイズ,動き探索範囲の大きさ)は、(16×16,水平・垂直16画素),(8×8,水平・垂直8画素),(4×4,水平・垂直4画素),(2×2,水平・垂直2画素)などである。ここで、例えば、空間分解能1/16は、元の画像における水平標本化周波数Hs及び垂直標本化周波数Vsにおいて、16画素を1画素として標本化する低解像度化を意味する。

0052

0053

つまり、図10に示すように、空間方向の低周波領域のパワーの割合によって、動き検出開始階数nsを関連付けることができる。例えば、Ns=4のとき、低周波領域(LL4)及び高周波領域(LL4以外)のそれぞれのパワーを算出して、全体における低周波領域(LL4)の割合が、99.5%以上であれば、動き検出開始階数ns=4として4階層の低周波領域のみの画像を再構成することができる(図10(d)参照)。また、全体における低周波領域(LL4)の割合が、98.0%以上99.5%未満であれば、動き検出開始階数ns=3として3階層の低周波領域(この場合、LL3)のみの画像を再構成することができる(図10(c)参照)。同様に、全体における低周波領域(LL4)の割合が、95.0%以上98.0%未満であれば、動き検出開始階数ns=2として2階層の低周波領域(この場合、LL2)のみの画像を再構成することができ(図10(b)参照)、全体における低周波領域(LL4)の割合が、95.0%未満であれば、動き検出開始階数ns=1として1階層の低周波領域(この場合、LL1)のみの画像を再構成することができる。

0054

ステップS6にて、階層型動き検出部15により、動き検出開始分解能(動き検出開始階数ns)に基づいた基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の低周波画像に対して、基準フレームF(tC)の低周波画像を所定のブロックサイズに分割し、分割した各ブロックについて、所定の動き探索範囲の大きさで、小数画素精度のブロックマッチングによる動きベクトル検出を行う。

0055

ステップS7にて、階層型動き検出部15により、基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)に対してブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさを縮小しながら動きベクトル検出を繰り返す効果を得るために、算出していた基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の空間ns階離散ウェーブレット分解データに対して動き検出開始階数nsよりも上位の階数の画像となるように空間方向に1階上位のウェーブレット再構成を実行する。

0056

階層型動き検出部15は、空間1階ウェーブレット再構成部152から得られる基準フレームF(tC)及び参照フレームF(tR)の再構成画像を用いて、最上位の階層(即ち、元の画像レベルにおける動きベクトル検出)となるまで順次階数をデクリメントして動きベクトル検出の処理を繰り返し(ステップS8)、最終的な動きベクトルを決定して出力することができる(ステップS9)。

0057

例えば、図11(a)〜(d)に示すように、動き検出開始階数nsが大きいほどブロックサイズが大きくなる様子を示しており、ブロックサイズが大きいほど参照フレームF(tR)における動き探索範囲の大きさも大きくなる。

0058

つまり、基準フレームF(tC)のns階低周波画像を水平及び垂直のブロックサイズ(Bxns,Byns)の或るブロックBns(上添え字は、階級を示す)に分割し、参照フレームF(tR)の±Sxns,±Synsの範囲(例えば、±2ブロック)で探索し、各ブロックの動きベクトルvnsを算出する。次に、基準フレームF(tC)のns−1階低周波画像を、ブロックサイズ(Bxns,Byns)で分割し、参照フレームF(tR)のns階低周波画像上の同じ位置から2×vnsだけずらした場所を中心位置とする水平及び垂直画素数としてそれぞれ±Sxns,±Synsの範囲で探索し、得られた動きベクトルに2×vnsをベクトル加算して、ns−1階低周波画像における動きベクトルvns−1を算出する。このようにして、最上位の階数(即ち、1階)まで動きベクトル検出を繰り返すことにより、高精度化を図ることができる。

0059

尚、動きベクトル検出は、2次関数近似による小数画素位置のブロックマッチング法を用いて行うのは、最上位の階数(即ち、1階)でのみ行うのが好適であり、式(1)で与えられる。

0060

0061

尚、探索位置における画素位置をxとしたとき、SSD(x)は、画素位置におけるSSD値誤差二乗和)を表し、より具体的には、SSD(0)は中心位置におけるSSD値、SSD(−1)は中心位置から−Sx(Sy)画素の位置におけるSSD値、SSD(1)は中心位置から+Sx(Sy)画素の位置におけるSSD値を表す。式(1)から、水平又は垂直方向の小数画素精度の画素位置(小数画素位置)をそれぞれ算出することができる。例えば、図12に示すように、式(1)から2次関数近似して、小数画素位置として例えば−0.33を得ることができる。

0062

以上のように、一実施例の動きベクトル検出装置によれば、動画像における動きベクトル検出にあたって、適切なブロックサイズを推定して動きベクトル検出を開始することができる。特に、時空間方向のスペクトルパワーから動き量及び動き領域を推定してブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさを決定し、空間方向に階層型動きベクトル検出を行うことで、雑音に強く、且つ高精度の動きベクトル検出の計算量を削減することができる。例えば、SHV画面における大きな動きをするオブジェクトを高精度に推定した動きベクトル検出が可能となる。

0063

また、このように高精度で効率的に求めた動きベクトルを既存の符号化装置の符号化処理や超解像処理に適用することで、更なる高品質化が期待できる。

0064

尚、上述の実施例では、一実施例の動きベクトル検出装置1が、時間方向及び空間方向の高周波領域のパワーを検出して分解能の値を決定する際に、複数フレームで時間方向の各周波領域のパワーを検出し、検出した時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積と動き量が大きいと判別して空間方向の分解能を決定し、該決定した空間方向の分解能に応じて空間方向の低周波領域のパワーの割合を検出し、検出した空間方向の低周波領域のパワーが大きいほど動領域面積と動き量が大きいと判別する例を説明した。

0065

他の例として、変形例の動きベクトル検出装置は、時間方向の高周波領域のパワーの割合のみから分解能の値を決定するために、複数フレームで時間方向の各周波領域のパワーを検出し、検出した時間方向の高周波領域のパワーの割合が大きいほど動領域面積と動き量が大きいと判別するように構成することもできる。

0066

更に他の例として、更なる変形例の動きベクトル検出装置は、空間方向の高周波領域のパワーの割合のみから分解能の値を決定するために、予め規定した分解能で空間方向の各周波領域のパワーを検出し、検出した空間方向の低周波領域のパワーが大きいほど動領域面積と動き量が大きいと判別するように構成することもできる。

0067

また、上述の実施例では、各周波領域のパワーの算出のために、ウェーブレット変換を用いる例を説明したが、離散コサイン変換などの既知の直交変換や、フィルターバンク等を用いて各周波領域のパワーを算出することができる。ウェーブレット変換を用いる場合には、画像の周波数変化を高精度に捉えることができる点で優れており、離散コサイン変換を用いる場合には、既存のシステムが離散コサイン変換を用いている場合に装置構成が容易になる。

0068

従って、本発明の動きベクトル検出装置は、時間方向及び/又は空間方向の各周波領域のパワーを検出して分解能の値を決定し、決定した分解能の値に対応するブロックサイズ及び動き探索範囲の大きさの階層から動きベクトル検出を開始して、次第に該ブロックサイズよりも小さいブロックサイズ及び該動き探索範囲の大きさよりも小さい動き探索範囲の大きさの階層での動きベクトル検出へと移行する階層型の動きベクトル検出を行うように構成することができる。

0069

ここで、時間方向の高周波領域のパワーの割合で定めた分解能を決定した後に、空間方向の高周波領域のパワーの割合で階層的に規定した分解能を決定するのが優れた処理効率で装置を構成することができるが、時間方向の高周波領域のパワーの割合と、空間方向の高周波領域のパワーの割合の組み合わせで規定した分解能をテーブルとして保持しておき、時間方向の高周波領域のパワーの割合と空間方向の高周波領域のパワーの割合を並列的に算出して、これらのパワーの割合の組み合わせで規定した分解能の値を決定するように構成することもできる。

0070

更に、本発明の一態様として、本発明の動きベクトル検出装置をコンピュータとして構成させることができる。コンピュータに、前述した本発明の動きベクトル検出装置の各構成要素を実現させるためのプログラムは、コンピュータの内部又は外部に備えられる記憶部に記憶される。そのような記憶部は、外付けハードディスクなどの外部記憶装置、或いはROM又はRAMなどの内部記憶装置で実現することができる。コンピュータに備えられる制御部は、中央演算処理装置(CPU)などの制御で実現することができる。即ち、CPUが、各構成要素の機能を実現するための処理内容記述されたプログラムを、適宜、記憶部から読み込んで、各構成要素の機能をコンピュータ上で実現させることができる。ここで、各構成要素の機能をハードウェアの一部で実現しても良い。

0071

また、この処理内容を記述したプログラムを、例えばDVD又はCD−ROMなどの可搬型記録媒体販売譲渡貸与等により流通させることができるほか、そのようなプログラムを、例えばネットワーク上にあるサーバの記憶部に記憶しておき、ネットワークを介してサーバから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、流通させることができる。

0072

また、そのようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に記憶することができる。また、このプログラムの別の実施態様として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、更に、このコンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。

0073

以上、具体例を挙げて本発明の実施例を詳細に説明したが、本発明の特許請求の範囲から逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能であることは当業者に明らかである。

0074

本発明によれば、動画像の超解像処理及び映像符号化、又はその他の画像処理で用いられる動きベクトル検出の精度を高めることができる。近年における動画像処理は益々高精細化しており、本発明による動きベクトル検出は、高精度の動きベクトル検出が求められる任意の動画像処理の用途に有用である。

0075

1動きベクトル検出装置
11 時間方向高周波領域パワー算出部
12空間周波数の分解階数決定部
13空間方向低周波領域パワー算出部
14動き検出開始分解能決定部
15 階層型動き検出部
111 時間方向1次元Nmax階離散ウェーブレット分解処理部
112 時間方向周波数帯域別パワー算出部
131 空間方向2次元Ns階離散ウェーブレット分解処理部
132 空間方向周波数帯域別パワー算出部
141動き検出開始階数決定部
151 動き検出部
152 空間1階ウェーブレット再構成部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ