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技術 蓄電池の劣化判別方法及び劣化判別装置、ならびに蓄電池の充電方法及び充電装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 田村秀樹
出願日 2009年10月5日 (11年2ヶ月経過) 出願番号 2009-232013
公開日 2011年4月21日 (9年8ヶ月経過) 公開番号 2011-080811
状態 特許登録済
技術分野 電池等の充放電回路 遮断器と発電機・電動機と電池等の試験 二次電池の保守(充放電、状態検知)
主要キーワード 相違度合 電力計測回路 実電圧値 各実績値 積算電気量 DC機器 リレーユニット 劣化判別
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

蓄電池における非常用電源としての機能を保証しつつ当該蓄電池の劣化判別を容易に行うことができる蓄電池の劣化判別方法及び劣化判別装置、ならびに非常用電源として必要十分な電気量を充電できる蓄電池の充電方法及び充電装置を提供する。

解決手段

蓄電池における充放電履歴実績値を積算し(S12)、その後、積算結果と蓄電池の初期容量とに基づき蓄電池の理論残存容量を算出して、算出した理論残存容量に対応した理論電圧値を求める(S13〜S15)。そして、蓄電池の実電圧計測し(S16)、その後、その実電圧値と理論電圧値とを比較することにより蓄電池の劣化度合判別する(S17)。そして、蓄電池に対して必要充電量の充電をするときには、判別した劣化度合に基づき蓄電池に対する必要充電量を調整する。

概要

背景

近年、電力系統から供給される交流電力直流電力に変換する交流直流変換装置(AC/DCコンバータ)と、太陽電池蓄電池などの分散電源とを連係させて直流負荷に直流電力を配電する直流配電システムが注目されている。このような直流配電システムでは、常時は交流/直流変換装置又は太陽電池から給電される直流電力によって蓄電池を充電する一方、夜間における電力系統の停電時などの非常時には蓄電池を放電させて直流負荷に直流電力を給電するようにしている。

ところで、こうした蓄電池は充放電の繰り返しや高温下での使用によって劣化することがある。そして、このように蓄電池が劣化した場合には、充電できる電気量が減少し、非常時に必要とされる電気量を給電できなくなる虞があるので、蓄電池の劣化を判別することが重要となる。そのため、蓄電池の劣化を判別する技術として、例えば特許文献1に記載されるように、蓄電池に対して完全放電と完全充電とを行い、完全放電と完全充電との間に測定された電圧と予め定められた基準電圧とを比較することにより蓄電池の劣化状態を判別する方法が知られている。

概要

蓄電池における非常用電源としての機能を保証しつつ当該蓄電池の劣化判別を容易に行うことができる蓄電池の劣化判別方法及び劣化判別装置、ならびに非常用電源として必要十分な電気量を充電できる蓄電池の充電方法及び充電装置を提供する。蓄電池における充放電履歴実績値を積算し(S12)、その後、積算結果と蓄電池の初期容量とに基づき蓄電池の理論残存容量を算出して、算出した理論残存容量に対応した理論電圧値を求める(S13〜S15)。そして、蓄電池の実電圧を計測し(S16)、その後、その実電圧値と理論電圧値とを比較することにより蓄電池の劣化度合を判別する(S17)。そして、蓄電池に対して必要充電量の充電をするときには、判別した劣化度合に基づき蓄電池に対する必要充電量を調整する。

目的

本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄電池における非常用電源としての機能を保証しつつ当該蓄電池の劣化判別を容易に行うことができる蓄電池の劣化判別方法及び劣化判別装置、ならびに非常用電源として必要十分な電気量を充電できる蓄電池の充電方法及び充電装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

蓄電池における充電及び放電実績値を積算する充放電積算工程と、前記蓄電池の電圧実電圧値として計測する実電圧計測工程と、前記蓄電池の初期容量と前記充放電積算工程での積算結果とに基づき求まる前記蓄電池の理論残存容量に対応した前記蓄電池の理論電圧値を推測する理論電圧推測工程と、前記理論電圧値と前記実電圧値との比較に基づき前記蓄電池の劣化度合判別する劣化判別工程と、を含むことを特徴とする蓄電池の劣化判別方法

請求項2

前記蓄電池の設置環境の温度が予め設定した基準温度相違する場合に、その相違度合に基づいて前記劣化判別工程で前記実電圧値と比較される前記理論電圧値を補正する補正工程を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池の劣化判別方法。

請求項3

蓄電池に対して必要充電量の充電をするときに、請求項1又は請求項2に記載の劣化判別方法により判別された前記蓄電池の劣化度合に基づいて前記必要充電量を調整することを特徴とする充電方法

請求項4

蓄電池における充電及び放電の実績値を積算する充放電積算手段と、前記蓄電池の電圧を実電圧値として計測する実電圧計測手段と、前記蓄電池の初期容量と前記充放電積算手段の積算結果とに基づき前記蓄電池の理論残存容量を求め、該理論残存容量に対応した理論電圧値を推測する理論電圧推測手段と、前記理論電圧値と前記実電圧値との比較に基づき前記蓄電池の劣化度合を判別する劣化判別手段と、を備えたことを特徴とする蓄電池の劣化判別装置

請求項5

前記蓄電池の設置環境の温度が予め設定した基準温度と相違する場合に、その相違度合に基づいて前記劣化判別手段により前記実電圧値と比較される前記理論電圧値を補正する補正手段を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の蓄電池の劣化判別装置。

請求項6

蓄電池を充電する充電手段と、該充電手段により前記蓄電池に対して必要充電量の充電をするときに、請求項4又は請求項5に記載の劣化判別装置が備える劣化判別手段により判別された前記蓄電池の劣化度合に基づいて前記必要充電量を調整する調整手段と、を備えたことを特徴とする充電装置

技術分野

0001

本発明は、蓄電池劣化判別方法及び劣化判別装置、ならびに蓄電池の充電方法及び充電装置に関する。

背景技術

0002

近年、電力系統から供給される交流電力直流電力に変換する交流直流変換装置(AC/DCコンバータ)と、太陽電池や蓄電池などの分散電源とを連係させて直流負荷に直流電力を配電する直流配電システムが注目されている。このような直流配電システムでは、常時は交流/直流変換装置又は太陽電池から給電される直流電力によって蓄電池を充電する一方、夜間における電力系統の停電時などの非常時には蓄電池を放電させて直流負荷に直流電力を給電するようにしている。

0003

ところで、こうした蓄電池は充放電の繰り返しや高温下での使用によって劣化することがある。そして、このように蓄電池が劣化した場合には、充電できる電気量が減少し、非常時に必要とされる電気量を給電できなくなる虞があるので、蓄電池の劣化を判別することが重要となる。そのため、蓄電池の劣化を判別する技術として、例えば特許文献1に記載されるように、蓄電池に対して完全放電と完全充電とを行い、完全放電と完全充電との間に測定された電圧と予め定められた基準電圧とを比較することにより蓄電池の劣化状態を判別する方法が知られている。

先行技術

0004

特開2009−85676号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、この特許文献1に記載されるような劣化判別方法によると、蓄電池に蓄電されている電気を一旦は完全放電して使い切る必要があり、そのように完全放電された状態にある蓄電池からは負荷に対して給電することができず、非常用電源としての機能を保証できないという問題がある。

0006

本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄電池における非常用電源としての機能を保証しつつ当該蓄電池の劣化判別を容易に行うことができる蓄電池の劣化判別方法及び劣化判別装置、ならびに非常用電源として必要十分な電気量を充電できる蓄電池の充電方法及び充電装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記問題点を解決するために、本発明に係る蓄電池の劣化判別方法は、蓄電池における充電及び放電の実績値を積算する充放電積算工程と、前記蓄電池の電圧を実電圧値として計測する実電圧計測工程と、前記蓄電池の初期容量と前記充放電積算工程での積算結果とに基づき求まる前記蓄電池の理論残存容量に対応した前記蓄電池の理論電圧値を推測する理論電圧推測工程と、前記理論電圧値と前記実電圧値との比較に基づき前記蓄電池の劣化度合を判別する劣化判別工程と、を含むことを特徴とする。

0008

この発明によれば、蓄電池の初期容量と充放電積算結果とに基づき理論残存容量を求めた上で、その理論残存容量に対応した理論電圧値と実際に計測した実電圧値とを比較することにより、蓄電池を完全放電させることなく、その蓄電池の劣化判別を行うことができる。

0009

また、本発明に係る蓄電池の劣化判別方法は、前記蓄電池の設置環境の温度が予め設定した基準温度相違する場合に、その相違度合に基づいて前記劣化判別工程で前記実電圧値と比較される前記理論電圧値を補正する補正工程を更に備えたことを特徴とする。

0010

この発明によれば、蓄電池の設置環境の温度変化に応じて適切な理論電圧値が推測されるので、精度良く蓄電池の劣化判別をおこなうことができる。
また、本発明に係る蓄電池の充電方法は、蓄電池に対して必要充電量の充電をするときに、上記構成の劣化判別方法により判別された前記蓄電池の劣化度合に基づいて前記必要充電量を調整することを特徴とする。

0011

この発明によれば、蓄電池が劣化している場合でも、非常時に必要とされる電気量を確実に充電することができる。
また、本発明に係る蓄電池の劣化判別装置は、蓄電池における充電及び放電の実績値を積算する充放電積算手段と、前記蓄電池の電圧を実電圧値として計測する実電圧計測手段と、前記蓄電池の初期容量と前記充放電積算手段の積算結果とに基づき前記蓄電池の理論残存容量を求め、該理論残存容量に対応した理論電圧値を推測する理論電圧推測手段と、前記理論電圧値と前記実電圧値との比較に基づき前記蓄電池の劣化度合を判別する劣化判別手段と、を備えたことを特徴とする。

0012

また、本発明に係る蓄電池の劣化判別装置は、前記蓄電池の設置環境の温度が予め設定した基準温度と相違する場合に、その相違度合に基づいて前記劣化判別手段により前記実電圧値と比較される前記理論電圧値を補正する補正手段を更に備えたことを特徴とする。

0013

これらの発明によれば、上記蓄電池の劣化判別方法に係る発明と同様の効果を得ることができる。
また、本発明に係る蓄電池の充電装置は、蓄電池を充電する充電手段と、該充電手段により前記蓄電池に対して必要充電量の充電をするときに、上記構成の劣化判別装置が備える劣化判別手段により判別された前記蓄電池の劣化度合に基づいて前記必要充電量を調整する調整手段と、を備えたことを特徴とする。

0014

この発明によれば、上記蓄電池の充電方法に係る発明と同様の効果を得ることができる。

発明の効果

0015

この発明によれば、蓄電池における非常用電源としての機能を保証しつつ当該蓄電池の劣化判別を容易に行うことができると共に、その蓄電池に対する充電時には非常用電源として必要十分な電気量を充電できる。

図面の簡単な説明

0016

本実施形態の電力供給システムの全体構成を示すブロック図。
本実施形態のコントロールユニットの構成を示すブロック図。
本実施形態の蓄電池ユニットの構成を示すブロック図。
本実施形態における蓄電池の劣化判別処理のフローチャート
本実施形態における蓄電池の理論電圧値を求めるためのマップ
本実施形態における蓄電池の充電処理のフローチャート。

実施例

0017

以下、本発明を具体化した実施形態を図1図6に従って説明する。
図1に示すように、住宅には、宅内に設置された各種機器照明機器エアコン家電オーディオビジュアル機器等)に電力を供給する電力供給システム1が設けられている。電力供給システム1は、家庭用商用交流電源AC電源)2を電力として各種機器を動作させる他に、太陽光により発電する太陽電池3の電力も各種機器に電源として供給する。電力供給システム1は、直流電源DC電源)を入力して動作するDC機器5の他に、交流電源(AC電源)を入力して動作するAC機器6にも電力を供給する。

0018

電力供給システム1には、同システム1の分電盤としてコントロールユニット7及びDC分電盤(直流ブレーカ内蔵)8が設けられている。また、電力供給システム1には、住宅のDC機器5の動作を制御する機器として制御ユニット9及びリレーユニット10が設けられている。

0019

コントロールユニット7には、交流電源を分岐させるAC分電盤11が交流系電力線12を介して接続されている。コントロールユニット7は、このAC分電盤11を介して商用交流電源2に接続されるとともに、直流系電力線13を介して太陽電池3に接続されている。コントロールユニット7は、AC分電盤11から交流電力を取り込むとともに太陽電池3から直流電力を取り込み、これら電力を機器電源として所定の直流電力に変換する。そして、コントロールユニット7は、この変換後の直流電力を、直流系電力線14を介してDC分電盤8に出力したり、又は直流系電力線15を介して蓄電池ユニット16に出力して同電力を蓄電したりする。コントロールユニット7は、AC分電盤11から交流電力を取り込むのみならず、太陽電池3や蓄電池58(図3参照)の直流電力を交流電力に変換してAC分電盤11に供給することも可能である。コントロールユニット7は、信号線17を介してDC分電盤8とデータやり取りを実行する。

0020

DC分電盤8は、直流電力対応の一種ブレーカである。DC分電盤8は、コントロールユニット7から入力した直流電力を分岐させ、その分岐後の直流電力を、直流系電力線18を介して制御ユニット9に出力したり、直流系電力線19を介してリレーユニット10に出力したりする。また、DC分電盤8は、信号線20を介して制御ユニット9とデータやり取りをしたり、信号線21を介してリレーユニット10とデータやり取りをしたりする。

0021

制御ユニット9には、複数のDC機器5,5…が接続されている。これらDC機器5は、直流電力及びデータの両方を1本の線によって搬送可能な直流供給線路22を介して制御ユニット9と接続されている。直流供給線路22は、DC機器5の電源となる直流電圧に、高周波の搬送波によりデータを電送する通信信号重畳する、いわゆる電力線搬送通信により、1対の線で電力及びデータの両方をDC機器5に搬送する。制御ユニット9は、直流系電力線18を介してDC機器5の直流電源を取得し、DC分電盤8から信号線20を介して得る動作指令を基に、どのDC機器5をどのように制御するのかを把握する。そして、制御ユニット9は、指示されたDC機器5に直流供給線路22を介して直流電圧及び動作指令を出力し、DC機器5の動作を制御する。

0022

制御ユニット9には、宅内のDC機器5の動作を切り換える際に操作するスイッチ23が直流供給線路22を介して接続されている。また、制御ユニット9には、例えば赤外線リモートコントローラからの発信電波を検出するセンサ24が直流供給線路22を介して接続されている。よって、DC分電盤8からの動作指示のみならず、スイッチ23の操作やセンサ24の検知によっても、直流供給線路22に通信信号を流してDC機器5が制御される。

0023

リレーユニット10には、複数のDC機器5,5…がそれぞれ個別の直流系電力線25を介して接続されている。リレーユニット10は、直流系電力線19を介してDC機器5の直流電源を取得し、DC分電盤8から信号線21を介して得る動作指令を基に、どのDC機器5を動作させるのかを把握する。そして、リレーユニット10は、指示されたDC機器5に対し、内蔵のリレーにて直流系電力線25への電源供給オンオフすることで、DC機器5の動作を制御する。また、リレーユニット10には、DC機器5を手動操作するための複数のスイッチ26が接続されており、スイッチ26の操作によって直流供給線路22への電源供給をリレーにてオンオフすることにより、DC機器5が制御される。

0024

DC分電盤8には、例えば壁コンセント床コンセントの態様で住宅に建て付けられた直流コンセント27が直流系電力線28を介して接続されている。この直流コンセント27にDC機器のプラグ(図示略)を差し込めば、同機器に直流電力を直接供給することが可能である。

0025

また、商用交流電源2とAC分電盤11との間には、商用交流電源2の使用量を遠隔検針可能な電力メータ29が接続されている。電力メータ29には、商用電源使用量の遠隔検針の機能のみならず、例えば電力線搬送通信や無線通信の機能が搭載されている。電力メータ29は、電力線搬送通信や無線通信等を介して検針結果を電力会社等に送信する。

0026

電力供給システム1には、宅内の各種機器をネットワーク通信によって制御可能とするネットワークシステム30が設けられている。ネットワークシステム30には、同システム30のコントロールユニットとして宅内サーバ31が設けられている。宅内サーバ31は、インターネットなどのネットワークNを介して宅外管理サーバ32と接続されるとともに、信号線33を介して宅内機器34に接続されている。また、宅内サーバ31は、DC分電盤8から直流系電力線35を介して取得する直流電力を電源として動作する。

0027

宅内サーバ31には、ネットワーク通信による宅内の各種機器の動作制御を管理するコントロールボックス36が信号線37を介して接続されている。コントロールボックス36は、信号線17を介してコントロールユニット7及びDC分電盤8に接続されるとともに、直流供給線路38を介してDC機器5を直接制御可能である。コントロールボックス36には、例えば使用したガス量や水道量を遠隔検針可能なガス/水道メータ39が接続されるとともに、ネットワークシステム30の操作パネル40に接続されている。操作パネル40には、例えばドアホン子器やセンサやカメラからなる監視機器41が接続されている。

0028

宅内サーバ31は、ネットワークNを介して宅内の各種機器の動作指令を入力すると、コントロールボックス36に指示を通知して、各種機器が動作指令に準じた動作をとるようにコントロールボックス36を動作させる。また、宅内サーバ31は、ガス/水道メータ39から取得した各種情報を、ネットワークNを通じて管理サーバ32に提供可能であるとともに、監視機器41で異常検出があったことを操作パネル40から受け付けると、その旨もネットワークNを通じて管理サーバ32に提供する。

0029

次に、コントロールユニット7について詳述する。
図2に示すように、コントロールユニット7は、電力系統を構成する商用交流電源2並びに分散電源を構成する太陽電池3及び蓄電池ユニット16を電力供給システム1が有する各種の負荷Fに接続して配電する配電路43を備えている。なお、負荷Fには、DC機器5及びAC機器6等の各種機器の他にコントロールユニット7等のシステム構成要素も含まれ、これらに電力を供給する交流系電力線12、直流系電力線13〜15,18,19,25,28,35、及び直流供給線路22,38により配電路43は構成されている。

0030

また、コントロールユニット7は、商用交流電源2から供給される交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータ50と、太陽電池3に接続されたDC/DCコンバータ51とを備えている。すなわち、AC/DCコンバータ50を介して交流電力から変換された直流電力や、DC/DCコンバータ51を介して太陽電池3から供給される直流電力が負荷F側に供給されるようになっている。

0031

また、コントロールユニット7は、蓄電池ユニット16が有する蓄電池58(図3参照)から放電される直流電力を負荷F側に送出させる放電回路52と、蓄電池ユニット16の蓄電池58を充電する充電手段としての充電回路53とを備えている。すなわち、蓄電池58は、停電時等に非常用電源として機能するために、常には充電回路53を介して直流電力が充電されると共に、停電時等には蓄電している直流電力が放電回路52を介して負荷F側に放電されるようになっている。

0032

また、コントロールユニット7は、DC機器5等の負荷Fにおける消費電力量を計測するために配電路43に設けられた電力計測回路54と、コントロールユニット7の稼働状態を制御するための制御装置55とを備えている。制御装置55は、情報を読み出し及び書き換え可能な記憶部56と、中央処理装置となるCPU57とを備えており、記憶部56にはCPU57の演算内容等が一時的に記憶される他、制御装置55が各種の制御を行うためのプログラムが記憶されている。

0033

すなわち、制御装置55は、停電時等に非常用電源としての機能を発揮するために最低限必要とされる電力量(以下、「非常用容量」と示す。)を蓄電池58に確保させるように充電回路53を制御すると共に、停電時等には蓄電池58から負荷F側に必要とされる電力量の直流電力が供給されるように放電回路52を制御する。また、制御装置55は、AC/DCコンバータ50、DC/DCコンバータ51及び蓄電池ユニット16等の他のユニット構成要素を必要に応じて制御する。そして、本実施形態では、以上のような蓄電池ユニット16、放電回路52、充電回路53、及び制御装置55等を備えたコントロールユニット7より、蓄電池58の充電装置が構成されている。

0034

次に、蓄電池ユニット16について詳述する。
図3に示すように、蓄電池ユニット16は、充放電可能な蓄電池58と、充電時及び放電時に流れる電流値を検出する電流検出回路59と、蓄電池58の実電圧値を計測する実電圧計測手段としての電池電圧計測回路60と、蓄電池58の設置された環境の温度を測定する温度測定部61と、これらに接続された制御部62とを備えている。そして、制御部62は、電流検出回路59、電池電圧計測回路60及び温度測定部61から入力された情報に基づいて蓄電池58の劣化度合を判別するために各種の制御や演算を行うようになっている。この点で、かかる制御部62により蓄電池58の劣化度合を判別するように構成された蓄電池ユニット16は劣化判別装置として機能する。

0035

次に、本実施形態の蓄電池ユニット16において蓄電池58の劣化度合を判別するために制御部62が実行する劣化判別処理ルーチン図4に示すフローチャートに基づいて説明する。

0036

さて、本実施形態の電力供給システム1では、例えば安価な深夜電力を利用しての蓄電池58に対する充電が可能となる夜間の所定時刻になると、コントロールユニット7の制御装置55が充電回路53に充電指令信号を出力する前に、蓄電池ユニット16の制御部62に対して劣化判別処理ルーチンの開始指令信号を出力する。すると、蓄電池ユニット16の制御部62は、図4に示す劣化判別処理ルーチンを開始する。なお、図示しない操作部からの入力指令により随時に劣化判別処理ルーチンを開始させるようにしてもよい。

0037

この劣化判別処理ルーチンが開始されると、制御部62は、先ずステップS11において、前回充電完了時点から現在に至るまでにおける蓄電池58の充放電履歴があるか否かを判定する。そして、ステップS11において、充放電履歴あり(ステップS11:YES)と判定した場合、制御部62は、その処理を次のステップS12に移行し、前回の充電完了時点から現在に至るまでにおける蓄電池58の充放電履歴情報を所定の記憶手段(制御部62が備えるRAM等)から読み出し、充電及び放電の各実績値を積算する。この点で、制御部62は、蓄電池58における充電及び放電の実積値を積算する充放電積算手段として機能する。

0038

そして、次のステップS13において、制御部62は、前回の充電完了時点における蓄電池58の蓄電容量(以下、「初期容量」と示す。)から先のステップS12での積算結果となる積算電気量加算又は減算して蓄電池58の理論残存容量を算出する。具体的には、充電量<放電量の充放電履歴の場合は、放電量と充電量との差分の電気量を初期容量から減算して理論残存容量を求め、その逆に、充電量>放電量の充放電履歴の場合は、充電量と放電量との差分の電気量を初期容量に加算して理論残存容量を求める。

0039

なお、ステップS11において、充放電履歴なし(ステップS11:NO)と判定した場合、制御部62は、その処理をステップS11からステップS13にジャンプさせる。そして、この場合は、前回の充電完了時点における蓄電池58の蓄電容量である初期容量を理論残存容量とみなし、制御部62は、その処理を次のステップS14に移行する。

0040

そして、次のステップS14において、制御部62は、その蓄電池58の理論残存容量を、当該蓄電池58が満充電された状態時の容量(以下、「満充電容量」と示す。)で除算し、当該蓄電池58の充電状態(以下、「SOC」と示す。)を算出する。そして、次のステップS15において、制御部62は、温度測定部61により得られた温度データとステップS14で算出したSOCとから、所定の記憶手段(RAM等)に収納されている図5に示すマップを用いて、蓄電池58の理論電圧値を推測する。この点で、制御部62は、蓄電池58における理論残存容量に対応した理論電圧値を推測する理論電圧推測手段として機能する。

0041

そして、次のステップS16において、制御部62は、電池電圧計測回路60が計測した電圧値を蓄電池58の実電圧値として取得し、これを一時的に所定の記憶手段(RAM等)に記憶する。そして、次のステップS17において、制御部62は、推測した理論電圧値と計測された実電圧値との比較により、蓄電池58の劣化度合を判別して本劣化判別処理ルーチンを終了する。この点で、制御部62は、蓄電池58の劣化度合を判別する劣化判別手段として機能し、かかる制御部62を備えた蓄電池ユニット16は劣化判別装置として機能するといえる。以上の制御部62による劣化判別処理ルーチンが終了すると、続いてコントロールユニット7の制御装置55が、図6に示す充電処理ルーチンを実行する。

0042

そこで次に、本実施形態の蓄電池58に対する充電時に制御装置55が実行する充電処理ルーチンを図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
さて、本充電処理ルーチンが開始されると、まずステップS21において、制御装置55は、制御部62が劣化判別処理ルーチンのステップS16にて計測した実電圧値と電流検出回路59で検出した電流値とから蓄電池58の実際の残存容量(以下、「実残存容量」と示す。)を算出する。このとき、制御装置55は、制御部62が劣化判別処理ルーチンのステップS17で判別した蓄電池58の劣化度合に応じて、算出された実残存容量を調整する。例えば、劣化度合が10%である場合は、算出した実残存容量を0.9で乗算することにより、実残存容量を劣化度合を見込んだ量に調整する。そして、そのように算出及び調整した蓄電池58の実残存容量と予め設定された非常用容量とを比較し、実残存容量が非常用容量よりも少ないか否かを判定する。

0043

このステップS21において、実残存容量が非常用容量よりも多い(ステップS21:NO)と判定した場合、制御装置55は、蓄電池58に対する現時点での充電の必要はないと判断し、本充電処理ルーチンを終了する。その一方、ステップS21において、実残存容量が非常用容量よりも少ない(ステップS21:YES)と判定した場合、制御装置55は、その処理を次のステップS22に移行し、非常用容量を確保させるために蓄電池58に充電する必要がある電気量(以下、「必要充電量」と示す)を算出する。

0044

そして、次のステップS23において、制御装置55は、その調整された必要充電量に相当する電気量が蓄電池58に充電されるように、充電回路53へ充電開始指令を送信して、蓄電池58への充電を開始させる。すなわち、蓄電池58の劣化度合に応じて算出値が調整された実残存容量と非常用容量との比較に基づいた必要充電量が充電されるようになる。この点で、制御装置55は、蓄電池58の劣化度合に応じて必要充電量を調整する調整手段として機能する。

0045

充電回路53による蓄電池58の充電が開始されると、次のステップS24において、制御装置55は、蓄電池58に対する実充電量が必要充電量と同量になったか否かを判定する。そして、実充電量が必要充電量よりも少ない(ステップS24:NO)と判定した場合には、実充電量が必要充電量と同量になった(ステップS24:YES)と判定するまでステップS24を周期的に繰り返す。その一方、実充電量が必要充電量と同量になった(ステップS24:YES)と判定した場合、制御装置55は本ルーチンを終了して、次の充電指令を受信するまで待機状態を維持する。

0046

そこで次に、以上のように構成された本実施形態の電力供給システム1の作用について、特にコントロールユニット7による充電作用及び蓄電池ユニット16による蓄電池58の劣化判別の作用に着目して説明する。なお、説明の前提として、蓄電池58の満充電容量は30Ah(SOC=100%)であり、その初期容量は15Ahであるものとする。また、蓄電池58の非常用容量は15Ah(SOC=50%)であり、また、制御部62が有する所定の記憶手段(RAM等)には前回の充電完了時から現在に至るまでの充放電履歴情報として、例えば1Aで2時間放電という放電量の実積値が記憶されているものとする。さらに、蓄電池58が設置された環境の温度は20℃であり、予め制御部62において設定されている基準温度は25℃であるものとする。

0047

さて、蓄電池ユニット16では、蓄電池58に対する充電時及び蓄電池58からの放電時に直流系電力線15を流れる電流が検出されると、その検出された電流の実績値が電流検出回路59から制御部62に入力される。そして、入力された充放電の各実績値は、制御部62により積算され、その積算された積算値が記憶手段(RAM等)に保存される(充放電積算工程)。そして、コントロールユニット7の制御装置55から蓄電池ユニット16の制御部62に蓄電池58の劣化判別処理開始指令が発信されると、蓄電池ユニット16において蓄電池58の劣化判別処理が行われる。

0048

まず、制御部62では、蓄電池58の初期容量(この場合、15Ah)から記憶手段(RAM等)に記憶されている充放電履歴の積算値(2Ah)を減算することにより、蓄電池58の理論残存容量が13Ahと算出される。なお、蓄電池58の実残存容量が非常用容量よりも多い又は同量である場合には、充電は必要ないため、充電処理は実行されない。

0049

次に、算出した理論残存容量(13Ah)を蓄電池58の満充電量(30Ah)で除算することにより、蓄電池58のSOCが約43%と算出される。そして、その算出したSOCと電池電圧との関係を示すマップ(図5参照)に基づいて、算出されたSOC(約43%)に対応する理論電圧値が推測される(理論電圧推測工程)。

0050

ところで、蓄電池58の電池電圧は温度による影響を大きく受ける。例えば、図5に示すように、蓄電池58が設置されている環境温度が20℃,25℃,30℃のときで比較すると、同じSOCであっても環境温度が高いほど電池電圧は低くなり、低いほど高くなる傾向にある。すなわち、環境温度が基準温度である25℃の場合のSOC/電池電圧グラフGKよりも、環境温度が低い20℃の場合のSOC/電池電圧グラフGLは上側に位置する一方、環境温度が高い30℃の場合のSOC/電池電圧グラフGHは下側に位置する。

0051

そこで、環境温度が予め設定されている基準温度(25℃)と異なる場合には、推測した理論電圧値が環境温度により補正される(補正工程)。したがって、この場合は環境温度が20℃の前提であるので、図5のマップから20℃の場合のSOC/電池電圧グラフGLが適用され、理論電圧値が、例えば9.5Vから10V、と補正される。この点で、制御部62は理論電圧値を補正する補正手段として機能する。

0052

次に、電池電圧計測回路60により蓄電池58の実電圧値が計測され、計測された実電圧値(例えば9V)が制御部62の所定の記憶手段(RAM等)に入力される(実電圧計測工程)。そして、推測及び補正された理論電圧値(10V)と計測された実電圧値(9V)との比較により、蓄電池58の劣化度合が10%(満充電量が90%)と判別される(劣化判別工程)。そして、以上の劣化判別処理が終了すると、続いて、判別された劣化度合に基づいて充電処理が行われる。

0053

まず、上記劣化度合判別処理において計測された実電圧値(9V)に基づいて、制御部62により図5に示すマップからSOCが推定され、推定されたSOCから蓄電池58の実残存容量が11.7Ah(満充電容量×SOC)と算出される。ここで、蓄電池58の劣化度合は10%であるため、算出された実残存容量11.7Ahが0.9で乗算されて10.53Ahに調整される。

0054

次に、この調整された実残存容量(10.53Ah)が記憶部56に記憶されている非常用容量(15Ah)よりも少ないか否かが判定される。そしてこの場合は、「実残存容量(10.53Ah)<非常用容量(15Ah)」であるため、不足している容量分の充電が行われる。そのため、非常用容量(15Ah)から実残存容量(10.53Ah)を減算して、必要充電量4.47Ahが算出される。

0055

そして、上記必要充電量4.47Ahという演算結果が制御部62から制御装置55に送信されて、蓄電池58に対する充電が開始される。充電が開始されると、電流検出回路59から送信される実測値に基づき、蓄電池58に対する実際の実充電量が積算される。そして、実充電量が必要充電量と同量に達するまで蓄電池58への充電が行われる。実充電量が必要充電量と同量に達すると充電処理は終了する。

0056

以上説明した本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)電流検出回路59により検出された蓄電池58に対する充放電実績の積算値から理論残存容量を算出し、算出した理論残存容量から蓄電池58のSOCが算出され、算出されたSOCに対応する理論電圧値が図5に示すマップより推測される。そして推測した理論電圧値と実際に計測した蓄電池58の実電圧値とを比較することにより、蓄電池58の劣化度合が判別される。したがって、蓄電池58に充電されている電気を完全放電により使い切ることなく蓄電池58の劣化判別を行うことができる。

0057

(2)理論電圧値の推測時には、蓄電池58が設置された環境の温度の相違により蓄電池58の理論電圧値が補正される。従って、蓄電池の設置環境の温度変化に応じて適切な理論電圧値が推測されるので、精度良く蓄電池の劣化判別をおこなうことができる。

0058

(3)蓄電池58の充電時に、劣化判別処理にて判別された蓄電池58の劣化度合に基づいて蓄電池58に充電する必要のある必要充電量が実残存容量の調整を通じて調整される。したがって、蓄電池58が劣化していても非常時に必要とされる電気量を確実に充電することができる。

0059

なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・ 上記実施形態において、蓄電池ユニット16における蓄電池58の劣化度合の判別処理は、蓄電池58に対する充電処理とは関係なく、随時に行うようにしてもよい。

0060

・ 上記実施形態において、蓄電池58が設置された環境の温度に基づいた理論電圧値の補正は必ずしも行わなくて良い。
・ 上記実施形態において、理論電圧推測工程では、マップを使用することなく、予め設定した計算式を使用して理論電圧値を推測してもよい。

0061

・ 上記実施形態においては、本発明の蓄電池の劣化判別方法及び劣化判別装置、ならびに充電方法及び充電装置を、住宅に設置された電力供給システム1の蓄電池ユニット16及びコントロールユニット7に適用して説明した。しかし、本発明は住宅に設置された蓄電池ユニットに適用が限定されるわけではなく、充電可能な種々の蓄電池及びその充電装置に適用できる。例えば、電気自動車(PEV)、ハイブリッド自動車HEV)、燃料電池式電気自動車等の電動車両等の蓄電池及び携帯電話パソコン等の家庭用機器等の蓄電池等にも適用することができる。

0062

1…電力供給システム、7…コントロールユニット(充電装置)、16…蓄電池ユニット(劣化判別装置)、53…充電回路(充電手段)、55…制御装置(調整手段)、58…蓄電池、60…電池電圧計測回路(実電圧計測手段)、62…制御部(充放電積算手段、理論電圧推測手段、補正手段及び劣化判別手段)。

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