図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2011年4月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

耐火物及び水冷ジャケット取替えが永年にわたって不要となる水冷ジャケット並びにそれを利用した炉体冷却構造及び炉体冷却方法を提供する。

解決手段

水冷ジャケット10は、内部に冷却水路11を備えたジャケット本体20と、炉内側に向かって突出するようにしてジャケット本体20に形成された複数の冷却フィン30であって、ジャケット本体20の幅方向に沿って所定の間隔で複数段にわたって形成された冷却フィン30とを備え、冷却フィン30と冷却フィン30との間には耐火物35を挟み込むようにして配置し、耐火物35と冷却フィン30との隙間には不定形耐火物37を充填すると共に、さらに冷却フィン30の先端部を含めて全体を被覆するように不定形耐火物37でコーティングしてなることを特徴とし、この水冷ジャケット10を炉壁に設けることで炉体を冷却することを特徴とする。

概要

背景

例えば、製錬炉の一つとして自溶炉がある。図7に示すように自溶炉1は、シャフト2と、セットラ3と、アップテイク4を備え、シャフト2の頂部には精鉱バーナー7が配置されて構成されている。精鉱バーナー7から溶剤等と共に装入された原料は、同じく精鉱バーナー7から炉内に供給される反応ガスとシャフト2内で反応し、マットスラグ及びガスが生成される。マットとスラグはシャフト2内を落下して炉床部でその比重差によりスラグ5とマット6に層状に分離される。このようにして生成されたスラグ5とマット6はセットラ3に穿設された複数の図示しないタップホールから適宜抜き出される。この抜き出しによって湯深変動が起こるためにこれに伴う温度変化が大きく、セットラ3部分の炉壁耐火物には特に激しい熱的負荷がかかる。

また、シャフト2の直下部分は原料と反応ガスの酸化反応により生成される高温のマット、スラグ及びガスが最初に通過、接触する箇所であると共に、原料の投入を一時的に停止した場合には温度が低下したガスが最初に通過する箇所であるため雰囲気温度においても熱的変動負荷が大きい場所である。

そのため、温度変化の大きい炉壁部分を冷却するための水冷ジャケットを配置することにより、炉壁を構成する耐火物を冷却し、それによって耐火物の熱負荷の抑制を図ることが提案されている(例えば、特許文献1)。

特許文献1に示された炉体水冷ジャケットは、内部に冷却水路を備え、表面には凸部と凹部を交互に一列に配列すると共に、凹部には炉内耐火物とは別種の粉状耐火物を充填して構成され、耐火レンガ積み上げて構成した炉壁の外側にさらにキャスタブル耐火物を隣接して配置して構成した炉壁面に炉体水冷ジャケットの凸凹部側をキャスタブル耐火物と面するように配置することにより、凸部は炉内壁耐火物直接接触して冷却を行い、凹部は充填された耐火物を介して炉壁耐火物を間接的に冷却しようとするものである。尚、凸部の高さは10−30mmである。

概要

耐火物及び水冷ジャケットの取替えが永年にわたって不要となる水冷ジャケット並びにそれを利用した炉体冷却構造及び炉体冷却方法を提供する。 水冷ジャケット10は、内部に冷却水路11を備えたジャケット本体20と、炉内側に向かって突出するようにしてジャケット本体20に形成された複数の冷却フィン30であって、ジャケット本体20の幅方向に沿って所定の間隔で複数段にわたって形成された冷却フィン30とを備え、冷却フィン30と冷却フィン30との間には耐火物35を挟み込むようにして配置し、耐火物35と冷却フィン30との隙間には不定形耐火物37を充填すると共に、さらに冷却フィン30の先端部を含めて全体を被覆するように不定形耐火物37でコーティングしてなることを特徴とし、この水冷ジャケット10を炉壁に設けることで炉体を冷却することを特徴とする。

目的

また、引用文献1の水冷ジャケットは、炉内耐火物を積極的に冷却する構造ではなく、炉内耐火物が溶損した後に、ジャケット表面にスラグセルフコーティング層を形成してそれを保持することによって水冷ジャケット自体を保護することを主目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

内部に冷却水路を備えたジャケット本体と、炉内側に向かって突出するようにして前記ジャケット本体に形成された複数の冷却フィンであって、当該ジャケット本体の幅方向に沿って所定の間隔で複数段にわたって形成された冷却フィンと、を備え、冷却フィンと冷却フィンとの間には耐火物を挟み込むようにして配置し、当該耐火物と冷却フィンとの隙間には不定形耐火物充填すると共に、さらに前記冷却フィンの先端部を含めて全体を被覆するように前記不定形耐火物でコーティングしてなることを特徴とする水冷ジャケット

請求項2

請求項1に記載の水冷ジャケットにおいて、前記水冷ジャケットは縦方向に複数に分割して構成され、分割された各水冷ジャケットの最上段の冷却フィンの上部及び最下段の冷却フィンの下部には前記耐火物が配置されるように形成されると共に、分割された各水冷ジャケットの冷却フィンは最上段及び最下段を除き隣り合う水冷ジャケットの冷却フィンとは互い違いになるように千鳥配置したことを特徴とする水冷ジャケット。

請求項3

請求項1又は2に記載の水冷ジャケットにおいて、前記冷却フィンは、前記ジャケット本体と一体鋳造により形成すると共に、前記冷却フィンの内部には冷却水路を設けず、前記ジャケット本体の内部のみに冷却水路を配置することにより熱伝導により冷却フィンを冷却し、耐火物が溶損した場合に冷却フィン間をジャケット本体に向かって進行してくる溶湯凝固させ、冷却水路を備えたジャケット本体が溶湯と直接接触しないようにしたことを特徴とする水冷ジャケット。

請求項4

請求項1から3のいずれか1項に記載の水冷ジャケットにおいて、前記冷却フィンの溶損進行度を把握するための一又は複数の熱電対を備え、前記熱電対によって測定された温度をコンピュータを用いて解析することによって前記冷却フィンの溶損進行度を常時監視するようにしたことを特徴とする水冷ジャケット。

請求項5

請求項1から4のいずれか1項に記載の水冷ジャケットを製錬炉の炉壁として配置したことを特徴とする水冷ジャケットを利用した炉体冷却構造

請求項6

請求項1から4のいずれか1項に記載の水冷ジャケットを製錬炉の炉壁として配置し、前記冷却水路に冷却水を流すことにより操業中の炉壁を冷却することを特徴とする水冷ジャケットを利用した炉体冷却方法

技術分野

0001

本発明は、水冷ジャケット並びにそれを利用した炉体冷却構造及び炉体冷却方法に関し、さらに詳しくは、例えば銅製錬炉のように高温に晒される炉体を効率的に冷却し、それによって炉体を構成する耐火物溶損を抑制することによって耐火物の交換改修を大幅に減らすことが可能な水冷ジャケット並びにそれを利用した炉体冷却構造及び炉体冷却方法に関する。

背景技術

0002

例えば、製錬炉の一つとして自溶炉がある。図7に示すように自溶炉1は、シャフト2と、セットラ3と、アップテイク4を備え、シャフト2の頂部には精鉱バーナー7が配置されて構成されている。精鉱バーナー7から溶剤等と共に装入された原料は、同じく精鉱バーナー7から炉内に供給される反応ガスとシャフト2内で反応し、マットスラグ及びガスが生成される。マットとスラグはシャフト2内を落下して炉床部でその比重差によりスラグ5とマット6に層状に分離される。このようにして生成されたスラグ5とマット6はセットラ3に穿設された複数の図示しないタップホールから適宜抜き出される。この抜き出しによって湯深変動が起こるためにこれに伴う温度変化が大きく、セットラ3部分の炉壁耐火物には特に激しい熱的負荷がかかる。

0003

また、シャフト2の直下部分は原料と反応ガスの酸化反応により生成される高温のマット、スラグ及びガスが最初に通過、接触する箇所であると共に、原料の投入を一時的に停止した場合には温度が低下したガスが最初に通過する箇所であるため雰囲気温度においても熱的変動負荷が大きい場所である。

0004

そのため、温度変化の大きい炉壁部分を冷却するための水冷ジャケットを配置することにより、炉壁を構成する耐火物を冷却し、それによって耐火物の熱負荷の抑制を図ることが提案されている(例えば、特許文献1)。

0005

特許文献1に示された炉体水冷ジャケットは、内部に冷却水路を備え、表面には凸部と凹部を交互に一列に配列すると共に、凹部には炉内耐火物とは別種の粉状耐火物を充填して構成され、耐火レンガ積み上げて構成した炉壁の外側にさらにキャスタブル耐火物を隣接して配置して構成した炉壁面に炉体水冷ジャケットの凸凹部側をキャスタブル耐火物と面するように配置することにより、凸部は炉内壁耐火物直接接触して冷却を行い、凹部は充填された耐火物を介して炉壁耐火物を間接的に冷却しようとするものである。尚、凸部の高さは10−30mmである。

先行技術

0006

特許第4064387号公報

発明が解決しようとする課題

0007

製錬炉における溶湯保持部及び高温ガス接触部は、特許文献1のように、溶湯及び高温ガスと接触する面を耐火物で構成し、その耐火物を炉外側から水冷ジャケットで冷却する方法が主流である。しかし、耐火物への冷却が不十分である場合、耐火物の溶損が進行し、水冷ジャケットが溶湯及び高温ガスと直接接触する機会が生じる。耐火物の溶損によって水冷ジャケットと溶湯が直接接触すると水冷ジャケット自体が減肉し、炉内への水漏れトラブルが生じることとなる。従って、定修において定期的に耐火物の交換・復旧が必要であった。特に、高負荷部分においては、耐火物の損耗速度が早く長期間水冷ジャケットが直接溶湯と接触する操業を余儀なくされ、水冷ジャケットの短寿命化が懸念されていた。

0008

また、引用文献1の水冷ジャケットは、炉内耐火物を積極的に冷却する構造ではなく、炉内耐火物が溶損した後に、ジャケット表面にスラグセルフコーティング層を形成してそれを保持することによって水冷ジャケット自体を保護することを主目的とした設計である。しかし、操業中の熱負荷の変動により度々生じるセルフコーティング脱落によって溶湯とジャケットの接触が繰り返されると徐々に水冷ジャケット自体が減肉するので、水冷ジャケットからの水漏れが発生する前に水冷ジャケットを更新する必要がある。

0009

上述のように、特許文献1の水冷ジャケットでは耐火物への冷却が必ずしも十分とはいえないことから耐火物の溶損による水冷ジャケットの減肉が問題となっていた。そのため、従来は毎年の定修での耐火物更新、また設置エリアにもよるが2−6年間隔での水冷ジャケットの更新が必要となっていた。ここで、水冷ジャケットの交換に際しては、上述したように水冷ジャケットの炉内側には耐火レンガが積まれているので溶損した耐火レンガの除去及び新たな耐火レンガの積み上げ作業が必要となり、大変な手間と工事期間を要する作業となっていた。

0010

そこで、本発明は、耐火物及び水冷ジャケットの取替えが永年にわたって不要となる水冷ジャケット並びにそれを利用した炉体冷却構造及び炉体冷却方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、製錬炉の溶湯保持部(シャフト下部、セットラの側面部、アップテイク下部)や高温ガス接触部において、耐火物及び水冷ジャケットの交換が長期、少なくとも6年以上にわたり不要となる水冷ジャケット並びにそれを利用した炉体冷却構造及び炉体冷却方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内部に冷却水路を備えたジャケット本体と、炉内側に向かって突出するようにしてジャケット本体に形成された複数の冷却フィンであって、ジャケット本体の幅方向に沿って所定の間隔で複数段にわたって形成された冷却フィンとを備え、冷却フィンと冷却フィンとの間には耐火物を挟み込むようにして配置し、耐火物と冷却フィンとの隙間には不定形耐火物を充填すると共に、さらに冷却フィンの先端部を含めて全体を被覆するように不定形耐火物でコーティングしてなることを特徴とする水冷ジャケットを提供する。

0012

上記目的を達成するため請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水冷ジャケットにおいて、水冷ジャケットは縦方向に複数に分割して構成され、分割された各水冷ジャケットの最上段の冷却フィンの上部及び最下段の冷却フィンの下部には耐火物が配置されるように形成されると共に、分割された各水冷ジャケットの冷却フィンは最上段及び最下段を除き隣り合う水冷ジャケットの冷却フィンとは互い違いになるように千鳥配置したことを特徴とする。

0013

上記目的を達成するため請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の水冷ジャケットにおいて、冷却フィンは、ジャケット本体と一体鋳造により形成すると共に、冷却フィンの内部には冷却水路を設けず、ジャケット本体の内部のみに冷却水路を配置することにより熱伝導により冷却フィンを冷却し、耐火物が溶損した場合に冷却フィン間をジャケット本体に向かって進行してくる溶湯を凝固させ、冷却水路を備えたジャケット本体が溶湯と直接接触しないようにしたことを特徴とする。

0014

上記目的を達成するため請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の水冷ジャケットにおいて、冷却フィンの溶損進行度を把握するための一又は複数の熱電対を備え、熱電対によって測定された温度をコンピュータを用いて解析することによって冷却フィンの溶損進行度を常時監視するようにしたことを特徴とする。

0015

上記目的を達成するため請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の水冷ジャケットを製錬炉の炉壁として配置したことを特徴とする水冷ジャケットを利用した炉体冷却構造を提供する。

0016

上記目的を達成するため請求項6に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の水冷ジャケットを製錬炉の炉壁として配置し、冷却水路に冷却水を流すことにより操業中の炉壁を冷却することを特徴とする水冷ジャケットを利用した炉体冷却方法を提供する。

発明の効果

0017

本発明に係る水冷ジャケット並びにそれを利用した炉体冷却構造及び炉体冷却方法によれば、水路を有するジャケット本体に、耐火物の冷却及び溶損代として機能する大型の冷却フィンを設けたので耐火物の溶損進行を極力抑え、耐火物の長寿命化を図ることができるという効果がある。すなわち、耐火物が残存する状態であれば、ジャケット本体と溶湯が直接接触することはなく、ジャケット本体の減肉を阻止することができる。従って、水冷ジャケットの水漏れトラブルが発生することがないので安定操業に寄与することがきる。

0018

また、本発明に係る水冷ジャケット並びにそれを利用した炉体冷却構造及び炉体冷却方法によれば、ジャケット本体及び冷却フィンによって耐火物を積極的に冷却することとしたので耐火物の更新、水冷ジャケットの更新が永年不要となり、これまで毎年実施されていた製錬炉の高負荷部分のレンガ更新が少なくとも6年以上の長期にわたり不要になるという効果がある。従って、炉寿命が延び、炉補修工事の短縮、連続操業期間延長が可能となるという効果がある。

図面の簡単な説明

0019

(a)(b)は本発明に係る水冷ジャケットの一実施形態を代表的な製錬炉である自溶炉に配置した状態の側面断面図であり、(a)と(b)とでは冷却フィンの取り付け位置が異なっている。
3分割された水冷ジャケットの炉外側を示す背面図である。
図2の水冷ジャケットの平面図である。
分割した水冷ジャケットの1ユニットの斜視図である。
冷却フィンが互い違いに千鳥配置された状態を示す説明図である。
(a)〜(c)は溶損の進行状態を示す説明図である。
自溶炉の横断面図である。
熱電対による温度監視の説明図である。

実施例

0020

以下、本発明に係る水冷ジャケット並びにそれを利用した炉体冷却構造及び炉体冷却方法について好ましい一実施形態に基づいて説明する。図1(a)(b)は本発明に係る水冷ジャケットの一実施形態を自溶炉に配置した状態の側面断面図であり、(a)と(b)とでは冷却フィンの取り付け位置が異なっている。図2は3分割された水冷ジャケットの炉外側を示す背面図、図3図2の水冷ジャケットの平面図である。

0021

図示された水冷ジャケット10は、概略として、内部に冷却水路11を備えたジャケット本体20と、ジャケット本体20の表面から突出するようにして形成された複数の冷却フィン30を備えて形成されている。ジャケット本体20と冷却フィン30はジャケット本体20の内部に冷却水路11となる金属パイプ内装した状態で一体鋳造することによって形成されている。ジャケット本体20と冷却フィン30及び冷却水路11となる金属パイプは熱伝導性が高い金属、例えば銅によって形成すると冷却フィン30やジャケット本体20が冷却水路11内を流通する冷却水によって後述する耐火物35や不定形耐火物37を効率的に冷却することができる。なお、水冷ジャケット10は炉の外形形状に即して上部側がやや外側に向かって傾斜した形状となっている。

0022

図2及び図3に示すように、本実施形態では水冷ジャケット10は縦方向に3つに分割した水冷ジャケット10a、10b、10cを互いに連結することによって構成されている。また、水冷ジャケット10aには、幅方向に形成された複数の冷却フィン30が多段状に配置されていると共に、ジャケット本体20aの図2における右側の側縁部にはジャケット本体20aの縦方向(図4における上下方向)に沿って平面状の取付部23が形成されている(図4参照)。また、冷却フィン30が設けられた側とは反対側(炉の外側面となる側)の上部にはジャケット本体20aの内部に配置した冷却水路11へ冷却水を供給排出するための供給口13aと排出口13bが配置されている。冷却水路11はジャケット本体20aの上部側に設けられた供給口13aから内部を通って下へ伸びた後、略直角に曲げられてジャケット本体20aの底部側近傍を幅方向に進み、さらに略直角にお折り曲げられてジャケット本体20aに上部へ至り排出口13bへと至る。

0023

一方、水冷ジャケット10cは、水冷ジャケット10aと左右対称の形状に形成されており、ジャケット本体20cの図2における左側の側縁部にはジャケット本体20cの縦方向(図における上下方向)に沿って平面状の取付部23が形成されている(図3参照)。そして、ジャケット本体20cの内部に配置した冷却水路11へ冷却水を供給排出するための供給口13aと排出口13bが配置されている。

0024

水冷ジャケット10aと水冷ジャケット10cの間に配置される水冷ジャケット10bは、図2における左側の側縁部に水冷ジャケット10aの取付部23と密着される取付部25がジャケット本体20bの縦方向(図における上下方向)に沿って形成されており、取付部23に複数穿設された孔部19a、19aを介してボルトなどの締着部材19によって両者が強固に連結されている。同様にして、水冷ジャケット10bは、図2における右側の側縁部に水冷ジャケット10cの取付部23と密着される取付部25がジャケット本体20bの縦方向(図における上下方向)に沿って形成されており、ボルトなどの締着部材19によって両者が強固に連結されている。これにより水冷ジャケット10a、10b、10cは一体とされて水冷ジャケット10を構成している。このように、水冷ジャケット10を分割して構成するのは、水冷ジャケット10の設置及び更新工事施工時におけるハンドリング、および、冷却水路11のレイアウト等を考慮したためである。具体的な幅サイズとしては水冷ジャケット10a、10cの場合は約400mmで、水冷ジャケット10bの場合は600mm程度、すなわち400−600mm程度とするのが好ましい。また、溶湯の湯深に合わせて高さは1,000−1,600mm程度とするのが好ましい。

0025

ジャケット本体20a、20b、20cには複数の冷却フィン30がそれぞれ所定の間隔で多段状に配置されており、それぞれの冷却フィン30と冷却フィン30との間には耐火物35が挟み込まれている。冷却フィン30と冷却フィン30との間に耐火物35を挟み込むことで耐火物35を積極的に冷却するようにしている。耐火物35として、例えば、耐火レンガ等の定型耐火物を使用する場合は、定型耐火物の厚みを冷却フィン30と冷却フィン30の間の空間の厚みよりも数mm程度薄くして、冷却フィン30と耐火物35との隙間には不定形耐火物37を密に充填することによって余計な空間を残さないようにすることが好ましい。なお、冷却フィン30と冷却フィン30の間に不定形耐火物37を充填することも可能である。

0026

冷却フィン30の配列、本数、長さ、形状は特に限定されるものではないが、耐火物35を接合保持しやすく、また、耐火物35が溶損した場合には同時にスラグコーティングが行われるレイアウト、長さ、形状(断面等)とすることが好ましい。ここで、本実施形態では耐火物35の冷却効率アップさせるために冷却フィン30のレイアウトを千鳥配置として、耐火物35を5方向から冷却するようになっている。すなわち、図1(a)(b)及び図5に示すように、水冷ジャケット10の左右の両側に位置する水冷ジャケット10a、10cは、その最上段の冷却フィン30の上部と最下段の冷却フィン30の下部に耐火物35が配置されるようなスペース31、32が設けられて形成されると共に、最上段の冷却フィン30と最下段の冷却フィン30との間に配置された冷却フィン30と耐火物35が挟み込まれる空間部はほぼ一定の間隔で繰り返すようにして配置されている。

0027

これに対して、水冷ジャケット10の中央に位置する水冷ジャケット10bは、その最上段の冷却フィン30の上部と最下段の冷却フィン30の下部に耐火物35が配置されるようなスペース31、32が設けられて形成されているのは水冷ジャケット10a、10cの場合と同様であるが、最上段の冷却フィン30と最下段の冷却フィン30との間に配置された冷却フィン30と耐火物35が挟み込まれる空間部は左右に配置された水冷ジャケット10a、10cに設けられた冷却フィン30と耐火物35が挟み込まれる空間部の位置に対してそれぞれ互い違いとなった千鳥配置されて形成されている。このような千鳥配置を実現するために水冷ジャケット10bの最上部に位置する冷却フィン30と最下部に位置する冷却フィン30の厚さは他の冷却フィン30の厚さのほぼ2倍の厚さとされている。これにより冷却フィン30と耐火物35が挟み込まれる空間部が千鳥配置となり、耐火物35が上下左右方向に位置する冷却フィン30及びジャケット本体20表面の5方向から効率的に冷却されることになる。また、ジャケット本体20は冷却フィン30と耐火物35及び不定形耐火物37によって溶湯とは直接接触しないのでジャケット本体20の溶損が効果的に抑制され、それによって水漏れトラブルから守られることになる。なお、水冷ジャケット10の分割形状はこれに限るものではなく水冷ジャケット10a、10bを一ユニットとして左右に連続配置することも可能である。

0028

冷却フィン30は、自溶炉1の長手方向(横方向)に沿って水平に配置されている。冷却フィン30を縦方向(高さ方向)に沿ってに配置することも可能であるが耐火物35が溶損した後に行われるスラグコーティング保持の観点から冷却フィン30はジャケット本体20の幅方向(横方向)に形成することが好ましい。また、冷却フィン30は、目標とする耐火物35及び水冷ジャケット10の更新期間に合わせて、その溶損の程度を考慮して溶損代としてその形状及びサイズを決定することが好ましい。すなわち、冷却フィン30は耐火物35や不定形耐火物37を積極的に冷却するための重要な役割を果たすものではあるが、いかに冷却を強化しても耐火物35や不定形耐火物37及び冷却フィン30を全く溶損させずに、半永久的に維持することは物理的に極めて困難である(図6参照)。そのため、冷却フィン30は目標とする更新期間内において溶湯と接触して溶損することを前提としてその形状及びサイズを決定する必要がある。なお、ジャケット本体20は冷却水によって冷却されているので、一体鋳造で形成される冷却フィン30は熱伝導により冷却され、冷却フィン30間の耐火物35が溶損した場合に冷却フィン30間をジャケット本体20に向かって進行してくる溶湯は冷却されて凝固し、スラグコーティングとして冷却フィン30間に保持されるので、冷却フィン30が残存している状態であればジャケット本体20が直接溶湯と接触することはない。

0029

具体的には冷却フィン30は、冷却効率の観点からジャケット本体20a、20b、20cの表面から約300mmの突出長さで、約30−80mmの厚さとし、冷却フィン30と冷却フィン30との間の間隔も同様に約30−80mmとすることが好ましい。従って、耐火物35の大きさは冷却フィン30と冷却フィン30の間に収まる程度の大きさとなるが、それらのサイズはこれに限定されるものではない。

0030

上述のように冷却水路11有するジャケット本体20と、冷却水路11を有しない冷却フィン30で構成された水冷ジャケット10は、さらに冷却フィン30の先端部を含めてその全体を被覆するように不定形耐火物37によって全体をコーティングされている。初期状態では耐火物35を挟み込んだ冷却フィン30先端が直接溶湯と接しないように不定形耐火物でコーティングする。不定形耐火物37によるコーティングは操業に伴って次第に溶損し、冷却フィン30先端と耐火物35はいずれ溶湯と接触し、徐々に溶損が進行することになる。なお、従来の水冷ジャケットの場合は、耐火レンガが水冷ジャケットの前方に積み上げられているため、改修時には、溶損した耐火レンガを撤去した後、全更新という工程が必要となるが、本発明の場合には水冷ジャケット10の前方には耐火レンガは存在しないので、耐火物35が溶損した場合には定修時に不定形耐火物37で上塗り補修することを容易に行うことが出来る。尚、不定形耐火物37によるコーティングは冷却フィン30の先端から約30mmの厚さとすることが好ましい。

0031

一方、水冷ジャケット10には冷却フィン30の溶損進行度を把握するために3つの熱電対40が配置されており、この熱電対40によって測定された温度をコンピュータ50(図8参照)を用いて解析することによって冷却フィン30の溶損進行度を常時監視するようになっている。水冷ジャケット10a、10b、10cに設けられた所定の冷却フィン30の基端部にはそれぞれ3つの熱電対40が取り付けられており、この部分で測定された温度が図示しないコントロールルームに設置されたコンピュータ50に常時取り込まれて監視される。この温度によって冷却フィン30の溶損の進行状態を把握することができる。これにより冷却フィン30の寿命を推定し、予め交換の必要な水冷ジャケット10を準備しておくことが可能となる。また、予めコンピュータ50に所定の温度を設定しておき、熱電対40による測定温度がその設定温度になった場合には水冷ジャケット10の交換を促すアラーム起動させるように構成することも出来る。尚、熱電対40の数はこれに限るものではなく、1又は複数設けることが出来る。

0032

上述の水冷ジャケット10は自溶炉の溶湯保持部及び高温ガス接触部、すなわち、シャフト2の下部、セットラ3の側面部、アップテイク4の下部に配置することによって炉体冷却構造が構成される。ここで、図1における1aは自溶炉1の炉底部、1bは水冷ジャケット10の上部に配置された耐火レンガである。自溶炉1の通常の操業状態において、スラグ5の厚さは約400〜700mmで、マット6の厚さは約500〜850mmであり、スラグ5とマット6を合わせた最大湯深は約1,550mmである。また、温度はスラグ5とマット6とも約1,200〜1,300℃である。従って、この温度に基づいて冷却フィン30の突出長さや幅サイズさらには厚さを設定すると共に、湯深に合わせて水冷ジャケット10の高さを設定することが好ましい。

0033

上述の炉体冷却構造を備えた自溶炉1においては冷却水路11の供給口13aから所定の流速で冷却水を流し、それを排出口13bから排出することによって耐火物35及び不定形耐火物37を積極的に冷却して自溶炉の安定操業を行うことが出来る。また、冷却水路11への冷却水の流量を適宜調整することで冷却の強弱を調整することが出来る。この場合、熱電対40による常時監視のデータを利用して測定温度が上昇した場合には冷却水の流量を増やし、温度が安定してきたら冷却水の流量を減らす等の調整をコンピュータ管理によって行わせることも出来る。

0034

以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。

0035

10、10a、10b、10c水冷ジャケット
11冷却水路
13a 供給口
13b 排出口
19締着部材
19a 孔部
20、20a、20b、20cジャケット本体
23取付部
25 取付部
30冷却フィン
35耐火物35
37不定形耐火物
40熱電対
50 コンピュータ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ