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技術 プレス加工油塗布装置

出願人 株式会社松尾製作所
発明者 後藤次郎
出願日 2009年10月1日 (12年2ヶ月経過) 出願番号 2009-243887
公開日 2011年4月14日 (10年8ヶ月経過) 公開番号 2011-073056
状態 拒絶査定
技術分野 流動性材料の適用方法、塗布方法 金型の交換、取付、製造 噴霧制御装置
主要キーワード 制御用電源装置 フィルタレギュレータ 追加塗布 無接点リレー プレス加工材 保持腕 作業机 継手類
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課題

プレス機高速運転に追随した間欠塗布が可能で、取付けられる金型に応じて加工油塗布条件を変更して適切に設定することができ、必要部位への確実な加工油の塗布と加工油消費量低減を両立できるプレス加工油塗布装置を実現する。

解決手段

プレス加工用金型周辺に設置位置を変更可能に設置した塗布ユニット部が備える電磁弁開弁により、電磁弁に近接した吐出部よりプレス加工材及びプレス加工用金型に向けて加圧されたプレス加工油のみを吐出する。 電磁弁はプレス機の外部に設置された本体部に設けた制御手段によりプレス機から出力される信号に基づいて駆動され、また、本体部に設けた加圧手段により加圧された加工油が塗布ユニット部に供給される。

概要

背景

従来より、プレス加工材(以下、「加工材」と記載する)およびプレス加工用金型(以下、「金型」と記載する)へのプレス加工油(以下、「加工油」と記載する)塗布を目的として、圧力エアの負圧により加工油を霧化させオイルミストとして必要部位に向けて噴霧するノズルを備え、プレス機からのタイミング信号に基づいて加工油と圧力エアの各流路に備えられた電磁弁開閉する制御装置により、加工油噴霧と停止タイミングの制御を行う加工油塗布装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この加工油塗布装置の構成によれば、プレス機の連続運転中に、加工油噴霧が必要なタイミングに限定して加工油の噴霧(間欠塗布)を行うことができ、加工油の使用量を削減することが可能となる。

ところで、このようにして加工された製品に対しては、付着した加工油を除去する洗浄工程が必要に応じて実施される。しかしながら近年では、洗浄時に製品同士が接触することによる変形および傷付きの防止と工数低減を目的として、通常の加工油に代え揮発性加工油を用い、洗浄工程を省略することも行われている。

しかしながら、工程数の多い順送プレス加工時に上記の揮発性加工油を使用すると、加工材を金型に送り込む段階で塗布された加工油が加工材と共に金型内を移動するうちに揮発してしまう場合がある。この場合は工程の途中で加工材および金型に追加の加工油を塗布する必要がある。

ここで、汎用のプレス機による順送プレス加工において上述の加工油追加塗布を実施する場合、加工油塗布装置には、取付けられる金型(加工される製品)毎に異なる加工油塗布条件(塗布する位置や量)に対応するため、取付けられる金型に応じて加工油塗布条件を変更して適切に設定可能であることが要求される。

上記の場合に適用できる従来技術の一例として、特許文献2に開示されている加工油塗布装置が開示されている。当該加工油塗布装置は、圧力エアにより加工油を噴霧する噴射菅を備えた噴射機を設けたものであり、該噴射機は、磁性基台により、使用する金型に応じてプレス機の任意の位置に設置可能とされている。この加工油塗布装置を利用すれば、噴射機の設置場所および台数の調整により、取付けられる金型に応じて加工油の塗布条件を適切とすることができ、汎用のプレス機においても加工油塗布の効果を十分に得ることが可能となる。

概要

プレス機の高速運転に追随した間欠塗布が可能で、取付けられる金型に応じて加工油の塗布条件を変更して適切に設定することができ、必要部位への確実な加工油の塗布と加工油消費量低減を両立できるプレス加工油塗布装置を実現する。プレス加工用金型の周辺に設置位置を変更可能に設置した塗布ユニット部が備える電磁弁の開弁により、電磁弁に近接した吐出部よりプレス加工材及びプレス加工用金型に向けて加圧されたプレス加工油のみを吐出する。 電磁弁はプレス機の外部に設置された本体部に設けた制御手段によりプレス機から出力される信号に基づいて駆動され、また、本体部に設けた加圧手段により加圧された加工油が塗布ユニット部に供給される。

目的

本発明は、このような従来の加工油塗布装置が有していた課題を解決し、取付けられる金型に応じて加工油の塗布条件を変更して適切に設定することができ、プレス機の高速運転時の確実な加工油塗布と加工油・圧力エア消費量低減との両立を可能とするプレス加工油塗布装置を実現することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

プレス機取付けられたプレス加工用金型周辺に設置され、プレス加工油のみをプレス加工材および当該プレス加工用金型に向けて吐出する塗布ユニット部と、当該プレス機の外部に設置される本体部からなり、塗布ユニット部は、プレス加工油が通過する加工油流通路と、加工油流通路の終端部に形成されプレス加工油が吐出される細孔が開孔された吐出部と、吐出部に近接して配置され加工油流通路を開放閉塞する電磁弁とを備え、使用されるプレス加工用金型に応じてプレス機における設置位置を変更可能とされており、本体部は、塗布ユニット部の加工油流通路にプレス加工油を加圧した状態で供給する加圧手段と、当該プレス機から出力される信号に基づき電磁弁を駆動する制御手段と、を備えることを特徴とするプレス加工油塗布装置

請求項2

少なくとも一基の前記塗布ユニット部が、前記加工油流通路と前記吐出部と前記電磁弁とが一体化されたインジェクタを備えることを特徴とする、請求項1に記載のプレス加工油塗布装置。

請求項3

前記塗布ユニット部が、前記インジェクタをプレス加工油の吐出方向を調整可能に支持する支持部と、プレス機へ固定される基台部と、を備えることを特徴とする、請求項2に記載のプレス加工油塗布装置。

請求項4

電磁弁を備えるインジェクタを、プレス機に取付けられた金型周囲の少なくとも1箇所の任意位置へ配置し、加圧手段により加圧された加工油をインジェクタに供給し、プレス機から出力される加工タイミング信号に基づき電磁弁を駆動する制御手段によってインジェクタの動作を制御することによりプレス機の加工サイクル同調してインジェクタよりプレス加工油のみをプレス加工材及びプレス加工用金型に向け吐出するプレス加工油塗布方法

技術分野

0001

本発明は、プレス加工材及びプレス加工用金型プレス加工油を塗布する加工油塗布装置に関する。

背景技術

0002

従来より、プレス加工材(以下、「加工材」と記載する)およびプレス加工用金型(以下、「金型」と記載する)へのプレス加工油(以下、「加工油」と記載する)塗布を目的として、圧力エアの負圧により加工油を霧化させオイルミストとして必要部位に向けて噴霧するノズルを備え、プレス機からのタイミング信号に基づいて加工油と圧力エアの各流路に備えられた電磁弁開閉する制御装置により、加工油噴霧と停止タイミングの制御を行う加工油塗布装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この加工油塗布装置の構成によれば、プレス機の連続運転中に、加工油噴霧が必要なタイミングに限定して加工油の噴霧(間欠塗布)を行うことができ、加工油の使用量を削減することが可能となる。

0003

ところで、このようにして加工された製品に対しては、付着した加工油を除去する洗浄工程が必要に応じて実施される。しかしながら近年では、洗浄時に製品同士が接触することによる変形および傷付きの防止と工数低減を目的として、通常の加工油に代え揮発性加工油を用い、洗浄工程を省略することも行われている。

0004

しかしながら、工程数の多い順送プレス加工時に上記の揮発性加工油を使用すると、加工材を金型に送り込む段階で塗布された加工油が加工材と共に金型内を移動するうちに揮発してしまう場合がある。この場合は工程の途中で加工材および金型に追加の加工油を塗布する必要がある。

0005

ここで、汎用のプレス機による順送プレス加工において上述の加工油追加塗布を実施する場合、加工油塗布装置には、取付けられる金型(加工される製品)毎に異なる加工油塗布条件(塗布する位置や量)に対応するため、取付けられる金型に応じて加工油塗布条件を変更して適切に設定可能であることが要求される。

0006

上記の場合に適用できる従来技術の一例として、特許文献2に開示されている加工油塗布装置が開示されている。当該加工油塗布装置は、圧力エアにより加工油を噴霧する噴射菅を備えた噴射機を設けたものであり、該噴射機は、磁性基台により、使用する金型に応じてプレス機の任意の位置に設置可能とされている。この加工油塗布装置を利用すれば、噴射機の設置場所および台数の調整により、取付けられる金型に応じて加工油の塗布条件を適切とすることができ、汎用のプレス機においても加工油塗布の効果を十分に得ることが可能となる。

先行技術

0007

特開2001−252795号実用新案登録3002861号

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、従来技術のように、圧力エアの負圧によって加工油を霧化するノズルを備える加工油塗布装置では、圧力エアの流路を開閉する電磁弁の開弁から、加工油が霧化され実際に噴霧が開始されるまでに、ノズルへのエア移送圧力伝達に伴うタイムラグがある。また、噴霧後の加工油はオイルミストの状態であるため移動速度が遅く、必要部位に達するまでに時間がかかるという性質がある。

0009

また、電磁弁が閉じた後もエアの噴出は瞬時には止まらず、加工油の噴霧停止も遅れることになり、応答性に問題があった。

0010

そのため、高速でプレス機の運転が行われると、プレス機からのタイミング信号に基づき制御装置により電磁弁の開閉が行われても加工サイクルに加工油の塗布が追随できないことがあった。

0011

そこで、薄板製品の加工等でプレス機を高速運転で使用する場合には、加工油を必要部位に確実に塗布する必要から、金型の開閉状態に関わらず(プレス機からのタイミング信号に基づく制御をキャンセルして)連続的に加工油を噴霧し続ける必要が有り、加工油使用量が増大する傾向があった。

0012

また、ノズルから圧力エアを噴出させているために噴霧パターン広がり易く、実際に加工油塗布必要部位に塗布される加工油は噴霧された加工油のうちのごく一部であって、それ以外の加工油は塗布不要部位に付着するか、大気中へ放出されるなどして無駄に消費されていた。またノズル内に付着した加工油の雫が大量に滴下するといった加工油の無駄も多く発生していた。このような加工油使用量の増大は、一般的に揮発性の加工油が通常の加工油と比較して高価であることもあってプレス機のランニングコスト上昇をもたらしていた。

0013

加えて、加工油を噴霧するために噴出される圧力エアの消費量が多く、圧力エア供給のためのエネルギー消費が多いという問題もあった。また、必要以上に噴霧された大量の加工油が揮発して拡散工場内の作業環境に悪影響を与えるという問題もあった。

0014

以上に述べたように、従来のプレス加工油塗布装置においてはコスト、省エネルギー、省資源および安全衛生の観点から改善の余地があり、本発明は、このような従来の加工油塗布装置が有していた課題を解決し、取付けられる金型に応じて加工油の塗布条件を変更して適切に設定することができ、プレス機の高速運転時の確実な加工油塗布と加工油・圧力エア消費量低減との両立を可能とするプレス加工油塗布装置を実現することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

上記課題を解決するため、第1の発明はプレス加工油塗布装置であって、プレス機に取付けられたプレス加工用金型の周辺に設置され、プレス加工油のみをプレス加工材および当該プレス加工用金型に向けて吐出する塗布ユニット部と、当該プレス機の外部に設置される本体部からなり、
塗布ユニット部は、プレス加工油が通過する加工油流通路と、加工油流通路の終端部に形成されプレス加工油が吐出される細孔が開孔された吐出部と、吐出部に近接して配置され加工油流通路を開放閉塞する電磁弁とを備え、使用されるプレス加工用金型に応じてプレス機における設置位置を変更可能とされており、
本体部は、塗布ユニット部の加工油流通路にプレス加工油を加圧した状態で供給する加圧手段と、当該プレス機から出力される信号に基づき電磁弁を駆動する制御手段と、を備えることを特徴とする。これにより圧力エアの噴出が不要で必要最小限の加工油消費量で必要部位への加工油塗布が可能なプレス加工油塗布装置が実現できる。

0016

また、第2の発明は、第1の発明に係るプレス加工油塗布装置において、少なくとも一基の前記塗布ユニット部が、前記加工油流通路と前記吐出部と前記電磁弁とが一体化されたインジェクタを備えることを特徴とする。これにより更に応答性が向上し、塗布ユニット部の構造が単純で取り付け自由度が高く、仕様変更への対応も容易なプレス加工油塗布装置が実現できる。

0017

また、第3の発明は第2の発明に係るプレス加工油塗布装置において、前記塗布ユニット部が、前記インジェクタをプレス加工油の吐出方向を調整可能に支持する支持部と、プレス機へ固定される基台部と、を備えることを特徴とする。これにより加工油の吐出方向の調整が容易なプレス加工油塗布装置が実現できる。

0018

また、第4の発明はプレス加工油塗布方法であって、電磁弁を備えるインジェクタをプレス機に取付けられた金型周囲の少なくとも1箇所の任意位置へ配置し、加圧手段により加圧された加工油をインジェクタに供給し、プレス機から出力される加工タイミング信号に基づき電磁弁を駆動する制御手段によってインジェクタの動作を制御することによりプレス機の加工サイクルに同調してインジェクタよりプレス加工油のみをプレス加工材およびプレス加工用金型に向け吐出することを特徴とする。これにより高速プレス加工時の確実な加工油塗布と加工油使用量の低減とを両立することが可能となる。

発明の効果

0019

本発明により、高速プレス加工時の加工油の確実な塗布と加工油・圧力エア消費量の低減とを両立することが可能となり、プレス機のランニングコストが低減できる。また、工場の作業環境が改善できる。

図面の簡単な説明

0020

この発明の実施の形態におけるプレス加工油塗布装置を示す全体図である。図1中のプレス加工油塗布装置を構成する塗布ユニット部を示す斜視図である。図3(A)は、図2中のインジェクタ単体外観を示す斜視図である。図8(B)は、図3(A)のインジェクタ内部の構成を断面にて示す模式図である。図1中のプレス加工油塗布装置を構成する本体部を示す正面図である。図4中のA方向視の本体部を示す側面図である。図4中の本体部を構成する制御部を示す斜視図である。図6中の制御部の内部構造説明用斜視図である。図8(A)〜(C)は、図1中に示す一点鎖線A−A部における矢印方向視の断面を表し、図8(A)は、金型が閉じた状態での塗布ユニット部の動作状況を示す模式図である。図8(B)は、金型が開き始めた状態での塗布ユニット部の動作状況を示す模式図である。図8(C)は、金型がさらに開いた状態での塗布ユニット部の動作状況を示す模式図である。

実施例

0021

以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。

0022

図1は、この発明の実施の形態におけるプレス加工油塗布装置を示す全体図である。なお、本実施の形態で述べるプレス加工油塗布装置は、順送プレス加工において、潤滑加工性向上等の目的で加工材および金型に加工油を塗布する用途で使用されるものである。

0023

プレス加工油塗布装置10は、プレス機100の外部に設置される本体部20と、プレス機100の金型下部101b取り付け部であるボルスタ101上に固定される4基の塗布ユニット部60から構成されている。本体部20と塗布ユニット部60の間には、送油チューブ21およびインジェクタ駆動ケーブル22が配設されている。また、プレス機100と本体部20の間には信号ケーブル23が接続されている。また、プレス機100、金型110については公知のものであり説明を省略する。

0024

まず図2図3を用いて塗布ユニット部60の構造を説明する。図2は1基の塗布ユニット部60の構成図である。塗布ユニット部60は、インジェクタ70とプレス機100のボルスタ101へ固定される基台部としての磁性基台80と磁性基台80に取り付けられインジェクタ70を所望の姿勢に保持する支持部としての保持腕部90より構成される。また、インジェクタ70には送油チューブ21の一端とインジェクタ駆動ケーブル22の一端が接続されている。

0025

磁性基台80は、固定ブロック83に配設されたレバー81の操作により内蔵する磁石磁力加工設備作業机等の鉄製部分に固定される器具として周知のものであり、固定ブロック83の上面に、上方へ延びる丸棒形状取付部82が配設されている。

0026

インジェクタ70は図3の模式図で示すように、加工油流通路71と電磁弁72および吐出部73が一体化され小型のユニットとされたソレノイド式インジェクタである。吐出部73には細孔73aが開口されている。インジェクタ70は加工油流通路71に供給される加圧状態液体を電磁弁72への通電により吐出部73より吐出する装置であり、車両の燃料噴射システム等に一般的に用いられているものと同等品であり周知であるため、その詳細構造作動原理についての説明は省略するが、その弁構造吐出パターン等については加工油塗布条件に合わせて適切なものが選定され用いられる。

0027

送油チューブ21の一端は加工油流通路71の一端に接続されている。また、インジェクタ駆動ケーブル22の一端は電磁弁72の図示しない巻線コイルに接続されている。これにより本プレス加工油塗布装置10の使用状態においては、加工油流通路71には本体部20から送油チューブ21を通じて加工油が加圧状態で供給され、電磁弁72は本体部20からインジェクタ駆動ケーブル22を通じて通電されると巻線コイルが励磁され開弁する状態となっている。

0028

保持腕部90は、水平方向に延びて配設される丸棒形状の支柱91と支柱91の一端に設けられ取付部82に固定される基台側固定部92および支柱91の他端に固定されインジェクタ70を保持するインジェクタ側固定部93から構成されている。インジェクタ側固定部93にはインジェクタ70の外周部を把持するハウジング93aが設けられ、取付けネジ93bによりインジェクタ70がハウジング93aに固定されている。

0029

基台側固定部92およびインジェクタ側固定部93はそれぞれ取付部82と支柱91にそれぞれ固定ネジ92a、92bの締め込みによりクランプ固定され、それぞれ取付部82と支柱91の長手方向の位置及び周方向に沿った回転角度の調整が可能となっている。この調整機構によりインジェクタ70の保持姿勢を変更することで加工油の吐出方向を調整することができ、塗布ユニット部60のプレス機100への固定位置に自由度を持たせることが可能となっている。

0030

ここで、塗布ユニット部60の加工油吐出動作について説明する。プレス加工油塗布装置10の本体部20からインジェクタ駆動ケーブル22を通じてインジェクタ70の電磁弁72に通電され電磁弁72が開弁すると、加工油流通路71内の加圧された加工油が吐出部73へ到達し細孔73aより押し出されてインジェクタ70外へ吐出される。このとき加工油は加圧状態で細孔73aによって流路を大幅に狭められ、高速で吐出されることになる。なお、図3(B)の模式図では、電磁弁72の先端が細孔73aとは別の部分で加工油流通路71を閉塞/開放する方式としているが、細孔73aを直接電磁弁72の先端で閉塞/開放する構造としても良い。

0031

本発明は上述の高圧・高速吐出により、短時間で必要量の加工油を必要部位に塗布することが可能となっている。また、吐出された加工油は圧力エアと混合されていないため拡散しにくく、加工油塗布必要部位近辺に限定した塗布が可能である。このため吐出される加工油の量は圧力エアと混合されて噴霧される方式と比較して非常に少量で済み、加工油の消費量が大幅に低減されている。

0032

また、本発明では塗布ユニット部60において電磁弁72と吐出部73とが近接して配置され、電磁弁72から吐出部73への加工油の移動が瞬時に行われるため、圧力エアの負圧による噴霧ノズルと比較して電磁弁72の開弁から加工油が吐出されるまでのタイムラグが低減され応答性が向上している。特に、電磁弁72と吐出部73とがインジェクタ70として一体化されている本実施の形態においてはほぼタイムラグ無しに加工油吐出を行うことが可能となっている。また、加工油吐出方向の変更はインジェクタ70の保持姿勢を変更することで行われるため、電磁弁72と吐出部73との位置関係は変化せず、応答性を損なうことが無い。このため、プレス機100の高速運転に追従した加工油吐出/停止動作が可能となっている。

0033

また、本発明では本体部20にて加工油へ印加された圧力で加工油のみを吐出し、圧力エアは噴出されないため圧力エアの消費によるコスト・エネルギー消費への影響が解消されている。また、塗布ユニット部60に接続する圧力エア移送用のチューブは不要であり、本発明にて必要となるインジェクタ駆動ケーブル22は細い電線から構成され取り回しの自由度が高いため、塗布ユニット部60の固定位置およびインジェクタ70の保持姿勢の制約が少ない。

0034

そして、本実施の形態の塗布ユニット部60では、加工油流通路71と電磁弁72及び吐出部73はインジェクタ70として一体化され一つのユニット部品としての取扱いが可能である。そのため、構成が単純化され、塗布ユニット部60の組み立てや調整が容易である。

0035

加えて、インジェクタ70自体の保持姿勢を保持腕部90にて簡単に変更できる構造により、加工油吐出方向の調整が容易である。また、磁性基台80や保持腕部90のサイズ・形状の変更やインジェクタ70の交換(吐出パターン違い品等へ)により塗布ユニット部60の仕様変更が容易である。

0036

さらに、コンパクトであるというインジェクタ70の特徴を生かして、吐出部73を加工油塗布必要部位に近接して配置でき、必要最小限の吐出量で確実に必要部位へ加工油を塗布することが可能である。なお、塗布ユニット部60は金型110の動作に支障が無ければ金型110へ直接固定することも可能である。

0037

次に、図4図7を用いて本体部20の構造を説明する。図4は本体部20の正面図である。また、図5図4中のA方向視の側面図である。本体部20は架台部30と架台部30の上部に固定された加圧部40と加圧部40の正面側に固定された制御部50から構成されている。

0038

架台部30は平板形状のベース部31上に角柱形状の脚部32が組み合わされてなり、ベース部31の下面には移動用キャスタ33がその4隅に取付けられている。

0039

加圧部40は上下に長い直方体形状のタンク本体41とタンク本体41の外部に配設された加工油補給口41a、フィルタレギュレータ42、オイルフィルタ43および加工油残量ゲージ41bならびに各種チューブ・継手類により構成される。

0040

本プレス加工油塗布装置10の使用状態においては、加工油補給口41aより給油された加工油がタンク本体41内に溜められ、図示しないエアコンプレッサより加圧部40へ送られた圧力エアが、フィルタレギュレータ42にて異物除去減圧が行われた後タンク本体41上部の圧力エア供給口41cよりタンク本体41内に供給されている。加圧部40は、加工油加圧手段として加工油を圧力エアにより加圧して加工油送出口41dより送出する装置であり、いわゆる圧送タンクとして既知のものであるためその詳細構造や作動原理についての説明は省略するが、圧力エアはタンク本体41内で加工油に圧力を加えるだけで加工油と共に送出されることは無いため、基本的には殆ど消費されない。

0041

加工油送出口41dより送出された加工油はオイルフィルタ43に送られて異物を除去された後、分配部43aで4本の送油チューブ21に分岐して塗布ユニット部60側へ送出される。

0042

タンク本体41の背面には加工油残量ゲージ41bが設けられている。加工油残量ゲージ41bは上下に配置された継手に透明チューブの各端を接続したものである。加工油残量ゲージ41bはタンク本体41内部に連通しており、透明チューブ内の液面高さにより加工油残量を表示するものである。なお、タンク本体41内部にフロートスイッチを設け、プレス機100と電気的に接続して加工油切れの際にプレス機100が自動停止するよう構成することも可能である。なお、本発明の加圧手段としては本実施の形態のように圧送タンクを用いる以外に、ポンプにより加工油を塗布ユニット部60側へ送り込む等種々の方式を取り得るものである。

0043

図6は制御部50の斜視図である。また、図7は内部構造説明用に制御部50の一面を取り外した状態とした斜視図である。制御部50は制御部筐体51と制御部筐体51内部に配設されるインジェクタ駆動用電源装置52、制御用電源装置53、制御装置54、スイッチング部55およびそれらに接続される各種電線により構成されている。なお、図7中においては、構造の理解を容易とするため制御部筐体51内に配設される各種電線については省略されている。

0044

制御部筐体51の下面は開口しており、一端がプレス機100へ接続されている信号ケーブル23と一端が各塗布ユニット部60へ接続されている4組のインジェクタ駆動ケーブル22および図示しないAC100ボルト電源からの電源ケーブルが開口部より制御部筐体51内へ導入されている。信号ケーブル23は制御装置54へ、4組のインジェクタ駆動用ケーブル22はスイッチング部55およびインジェクタ駆動用電源装置52へ、また電源ケーブルは分岐してインジェクタ駆動用電源装置52および制御用電源装置53へそれぞれ接続されている。

0045

インジェクタ駆動用電源装置52は図示しないAC100ボルト電源から塗布ユニット部60が備えるインジェクタ70の動作電圧DC12Vに変換して供給するための公知の安定化電源装置でありその詳細についての説明は省略する。同様に、制御用電源装置53は図示しないAC100ボルト電源を制御装置54およびスイッチング部55の動作電圧DC24Vに変換して供給するための公知の安定化電源装置であるため、その詳細についての説明は省略する。

0046

制御装置54は、図示しない複数の入力部および複数の出力部を備える周知のPLC(プログラマブルロジックコントローラ)により構成されており、制御用電源装置53より電源を供給されプレス機100からの加工タイミング信号に基づき、任意のタイミング・時間でスイッチング部55の無接点リレー55aを開閉するものである。

0047

スイッチング部55は、インジェクタ駆動用電源装置52から各インジェクタ70の電磁弁72への通電/非通電を切り替えるユニットであり、制御装置54により動作する無接点リレー(ソリッドステートリレー)55aを塗布ユニット部60の基数分4基設置したものである。各無接点リレー55aは制御装置54により個別の動作が可能となっている。なお本実施の形態では動作速度を重視して無接点リレー55aを用いているが、動作速度を重視しない場合は通常のソレノイド式リレーを用いてリレーユニットを構成することも可能である。

0048

制御部筐体51正面にはそれぞれ1基の塗布ユニット部60に対応している起動スイッチ51aおよび動作確認ランプ51bが4組配設されている。起動スイッチ51aはトグルスイッチであり各塗布ユニット部60別に起動/停止の選択が可能である。動作確認ランプ51bはインジェクタ70への通電時に点灯する。

0049

また、制御部筐体51正面には塗布量調節スイッチ51cが配置されている。塗布量調節スイッチ51cは既知のディジスイッチを4基組み合わせたものであり、1基の塗布ユニット部60に対し塗布量調節スイッチ51cのディジスイッチ1基が対応している。塗布量調節スイッチ51cを作業者が操作することにより各塗布ユニット部60別に10段階の塗布量を選択可能である。

0050

ここで、制御部50により行われる制御について説明する。信号ケーブル23を通じてプレス機100よりストローク位置下死点(金型110が閉じた状態)に達したことを示すタイミング信号が制御装置54に入力されると、制御装置54は設定されたプログラムに基づいて、タイミング信号入力から一定時間(遅延時間)経過後に無接点リレー55aの制御側通電状態をONにする制御を行う。これによりインジェクタ駆動回路が通電しインジェクタ70の電磁弁が開弁されて加工油流通路71内の加工油が吐出される。この制御により、タイミング信号の入力から一定時間経過後に塗布ユニット部60のインジェクタ70から加工油の吐出が開始されることになる。

0051

さらに一定時間(通電時間)経過後、制御装置54はプログラム内容に基づき無接点リレー55aの制御側通電状態をOFFにする制御を行い、インジェクタ駆動回路が遮断され、インジェクタ70の電磁弁72が閉弁されて加工油の吐出が停止する。この制御により、塗布ユニット部60のインジェクタ70からの加工油の吐出は開始されてから一定時間経過後に停止することになる。

0052

本実施の形態では加工油の塗布量はインジェクタ70の開弁時間により決定される。この開弁時間に相当するインジェクタ70への通電時間は、塗布量調節スイッチ51cの選択位置により異なる制御装置54への10種類の入力状態に対応してプログラミングされており、加工する製品や塗布ユニット部60の設置位置に応じて、作業者が塗布量調節スイッチ51cを操作することにより10段階に調節可能となっている。また、1基の塗布ユニット60に対し塗布量調節スイッチ51cのディジスイッチ1基と無接点リレー55a1基が対応し、制御装置54も無接点リレー55a1基毎に制御を行うため、各塗布ユニット部60別に異なる塗布量を設定することが可能である。

0053

次に図8A〜図8Cを用いて本実施の形態によるプレス機の動作に連動した加工油吐出の一例について説明する。図8(A)〜(C)は、図1中に示す一点鎖線A−A部における矢印方向視の断面を表している。図8Aはプレス機100のスライド部102がストローク下死点位置にある時点での金型110の状態である。この状態では、金型110は閉じて加工油塗布必要部位である加工材111や金型加工部110cが外部に露出しておらず、加工油の吐出は不要である。この時点では、プレス加工油塗布装置10においては無接点リレー55aの制御側通電状態が制御装置54によりOFFとされているため、加工油はインジェクタ70から吐出されない。

0054

続いて図8Bに示すようにプレス機100の図示しないクランクの回転に伴いスライド部102が上昇を開始し、スライド部102に取付けられた金型上部110aも共に上昇を開始する。これにより金型110は開き始め、加工材111や金型加工部110cが露出し始めるが、この時点でも加工油塗布装置10の無接点リレー55aの制御側通電状態はOFFとされ、加工油はインジェクタ70から吐出されない。

0055

さらにプレス機100のクランク回転が進むと、図8Cで示すようにさらに金型上部110aが上昇し、加工材111が図示しない送り装置により一工程分送られる。制御装置54にプログラムされている遅延時間は、この加工材111送りの完了と加工油吐出開始が同時となるように設定されており、無接点リレー55aの制御側通電状態がONとされるとインジェクタ70より加工油の吐出が開始され、塗布量調節スイッチ51cの選択位置毎に設定された時間インジェクタ70への通電が維持され加工油の吐出が行われる。この通電時間は加工油の無駄を防止するため最長でも再び金型が閉じきる前に加工油吐出が終了するように設定されている。

0056

以上で説明したように加工油塗布装置を構成することにより、順送プレス加工の高速加工サイクルに追随して加工油の間欠塗布が可能で、加工する製品に応じて加工油塗布条件を最適に設定可能な加工油塗布装置を実現出来る。これにより、高価な揮発性加工油や圧力エアの消費量を低減でき、プレス機のランニングコスト低減およびエネルギー・資源の節約が可能となる。また、揮発した加工油による工場環境の悪化も防止できる。

0057

なお、本実施の形態によるプレス加工油塗布装置は揮発性加工油だけでなく通常のプレス加工油にも適用可能であり、特に金型高負荷部の冷却や順送金型内の特定工程に加工油の追加塗布が必要な場合に有効となる。この場合、加工油の間欠塗布によって金型やプレス機に付着する揮発しない加工油の量が低減され、金型やプレス機の清掃工数を低減できるという効果も得られる。

0058

また、本実施の形態によるプレス加工油塗布装置は、プレス機の材料送り部で加工油を塗布する一般的な加工油塗布装置の補助用として加工油の追加塗布に使用することも可能であるが、本プレス加工油塗布装置のみで加工油塗布を行うことも可能である。その場合は、順送プレス加工工程における最初の工程においても加工油が塗布されるよう塗布ユニット部を適宜配置すれば良い。

0059

また、本実施の形態においては塗布ユニット部を4基としたが塗布ユニット部の設置数は必要に応じて適宜変更されて良い。また、制御装置のプログラム設定によりプレス機のストローク数に対する加工油吐出頻度を変更する等、制御方法は本実施の形態のものに限らず適宜必要なものを適用可能である。また、加工油吐出タイミングの制御はプレス機からのクランク下死点信号入力に対する遅延時間に限定されるものではなく、より精密な制御のためにクランク回転角度リニアモニターし、クランク回転角度により加工油吐出タイミングを決定する等種々の方式を取り得るものである。

0060

10プレス加工油塗布装置、
20 本体部、21 送油チューブ、22インジェクタ駆動ケーブル、23信号ケーブル、
30架台部、31ベース部、32 脚部、33キャスタ、
40加圧部、41タンク本体、41a加工油補給口、41b 加工油残量ゲージ、41c圧力エア供給口、41d 加工油送出口、42フィルタレギュレータ、43オイルフィルタ、43a分配部、
50 制御部、51 制御部筐体、51a起動スイッチ、51b動作確認ランプ、51c 塗布量調節スイッチ、52 インジェクタ駆動用電源装置、53制御用電源装置、54制御装置、55スイッチング部、55a無接点リレー
60塗布ユニット部、
70インジェクタ、71加工油流通路、72電磁弁、73吐出部、73a 細孔、
80磁性基台、81レバー、82取付部、83固定ブロック、
90保持腕部、91支柱、92基台側固定部、92a,92b固定ネジ、93 インジェクタ側固定部、93aハウジング、93b取付けネジ、
100プレス機、101ボルスタ、102スライド部、
110金型、110a 金型上部、110b 金型下部、110c金型加工部、111加工材。

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