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技術 発電プラント及びその運転方法

出願人 日立GEニュークリア・エナジー株式会社
発明者 難波孝次幡宮重雄高橋文夫
出願日 2009年9月25日 (11年3ヶ月経過) 出願番号 2009-220247
公開日 2011年4月7日 (9年8ヶ月経過) 公開番号 2011-069271
状態 特許登録済
技術分野 原子力プラント 蒸気機関設備
主要キーワード 蒸気圧縮装置 水蒸気圧縮機 所内電力 過熱装置 蒸気流入口 海水供給管 圧縮蒸気 可変周波数電源装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

電気出力を向上できる発電プラントを提供する。

解決手段

沸騰水型原子力発電プラント1は、原子炉2で発生した蒸気高圧タービン3及び低圧タービンに供給する。高圧タービン3から排気された蒸気は、湿分分離過熱器33で過熱されて低圧タービン5Bに供給される。湿分分離過熱器33は湿分分離器4及び過熱器34Aを含んでいる。低圧タービン5Bから抽気された蒸気が、蒸気供給管31にて蒸気圧縮機28に供給され、圧縮される。圧縮されて温度が上昇した蒸気が、蒸気供給管32により過熱器34Aに供給される。高圧タービン3から排気された蒸気は、湿分分離器4で湿分が除去され、過熱器34Aで蒸気圧縮機28から供給された圧縮蒸気で過熱される。高圧タービン3及び低圧タービンに供給される蒸気流量が増加し、沸騰水型原子力発電プラント1の電気出力が向上する。

概要

背景

従来の沸騰水型原子力発電プラントは、原子炉で発生した蒸気を、主蒸気配管を通して高圧タービン及び低圧タービンに供給し、これらのタービンを回転させて発電機を回し、発電を行っている。低圧タービンから排気された蒸気は、復水器凝縮されて水になる。この水は、給水として給水配管により原子炉に供給される。給水は、給水配管に設けられた給水ポンプによって昇圧され、給水配管に設けられた6基の給水加熱器(4基の低圧給水加熱器及び2基の高圧給水加熱器)によって加熱でされて温度が高められる。

沸騰水型原子力発電プラントでは、まず原子炉の熱出力を決定し、この熱出力で最高熱効率が得られるように原子炉より下流での蒸気の流れ(主蒸気配管及びタービン等での蒸気の流れ)を最適化している。具体的には、低圧タービンから排気された蒸気を復水器で凝縮して水にした場合、熱サイクル原理から通常の原子炉圧力では原子炉で発生した熱エネルギーの約2/3が復水器から外部に排出される。そこで、沸騰水型原子力発電プラントの熱効率を向上させるために、高圧タービン及び低圧タービンから蒸気の一部を抽気して高圧給水加熱器及び低圧給水加熱器に供給し、これらの給水加熱器においてその抽気蒸気を用いて給水を加熱することが行われている。この場合、抽気された蒸気が保有している熱は、給水の加熱に用いられることよって、そのほとんどが回収され、沸騰水型原子力発電プラントの熱効率が向上する。

一般に、原子炉で発生した蒸気のうち最終的に低圧タービンから復水器に排気される蒸気の量は約56%であり、残りの約44%の蒸気は抽気蒸気として給水の加熱に用いられる。給水配管に設置される6基の給水加熱器において、給水加熱器1基当たりに供給される抽気蒸気量は平均して原子炉で発生する蒸気の約7%程度である。

沸騰水型原子力発電プラントでは、高圧タービンから排気された蒸気を湿分分離過熱器(または湿分分離再熱器)で過熱して低圧タービンに供給することが行われている(特開2005−299644号公報及び特開平7−189609号公報参照)。湿分分離過熱器は、一般的に、高圧タービンから排気された蒸気に含まれる湿分を除去する湿分分離器、及び湿分を除去された蒸気を過熱する複数段過熱器を有する。上流側の第1過熱器は、高圧タービンから抽気された蒸気を用いて、湿分分離器で湿分が除去された蒸気を過熱する。下流側の第2過熱器は、第1過熱器で過熱された蒸気を、高圧タービンより上流の主蒸気配管から抽気された蒸気を用いて過熱する。この過熱された蒸気が低圧タービンに供給される。湿分分離過熱器を設置した沸騰水型原子力発電プラントでは、原子炉で発生した蒸気のうち最終的に低圧タービンから復水器に排出される蒸気の量は約54%である。沸騰水型原子力発電プラントの熱効率を向上させるために、湿分分離過熱器を設置し、再熱効率により性能が向上することは一般的によく知られている。

他の原子力発電プラントである加圧水型原子力発電プラント、及び火力発電プラントに湿分分離過熱器を設置することによって、それぞれの発電プラントの熱効率を向上することができる。

発電プラントの熱効率を高めるために、圧縮を有する蒸気ヒートポンプを適用した火力発電プラントの例が、実開平1−123001号公報に提案されている。この火力発電プラントでは、復水器から供給した蒸気を一台の蒸気圧縮機で圧縮し、圧縮された蒸気を、蒸気圧縮機の、軸方向における複数箇所から4基の給水加熱器に供給している。また、蒸気圧縮機は、蒸気を断熱圧縮するために内部エネルギーが上昇して過熱状態となるので、これを防ぎ所要電力セーブするために復水圧縮機内ミスト状に噴霧している。

また、特開平5−65808号公報は、熱併給蒸タービンプラントを記載している。この熱併給蒸気タービンプラントは、ボイラで発生した蒸気をタービンに供給して発電機を回転させて電力を発生し、そのタービンから排出された蒸気を高圧プロセス蒸気供給先及び低圧プロセス蒸気供給先にそれぞれ供給する。高圧プロセス蒸気供給先に供給される蒸気は、タービンから排気された蒸気を圧縮機で圧縮している。

概要

電気出力を向上できる発電プラントを提供する。沸騰水型原子力発電プラント1は、原子炉2で発生した蒸気を高圧タービン3及び低圧タービンに供給する。高圧タービン3から排気された蒸気は、湿分分離過熱器33で過熱されて低圧タービン5Bに供給される。湿分分離過熱器33は湿分分離器4及び過熱器34Aを含んでいる。低圧タービン5Bから抽気された蒸気が、蒸気供給管31にて蒸気圧縮機28に供給され、圧縮される。圧縮されて温度が上昇した蒸気が、蒸気供給管32により過熱器34Aに供給される。高圧タービン3から排気された蒸気は、湿分分離器4で湿分が除去され、過熱器34Aで蒸気圧縮機28から供給された圧縮蒸気で過熱される。高圧タービン3及び低圧タービンに供給される蒸気流量が増加し、沸騰水型原子力発電プラント1の電気出力が向上する。

目的

本発明の目的は、電気出力を向上できる発電プラント及びその運転方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

蒸気を発生する蒸気発生装置に接続された主蒸気配管により前記蒸気が順次供給される第1タービン及び前記第1タービンよりも圧力が低い第2タービン、前記第1タービンと前記第2タービンの間の前記主蒸気配管に設けられ、湿分分離器及び少なくとも1つの過熱器を有する湿分分離過熱装置、及び前記第2タービンから排気された前記蒸気を凝縮する復水器を備えた主蒸気系と、前記復水器と前記蒸気発生装置を連絡する給水配管と、前記蒸気を圧縮する蒸気圧縮装置と、前記第1タービンの第1段動翼よりも下流に形成された、前記主蒸気系の抽気位置、及び前記蒸気圧縮装置に接続され、前記抽気位置から抽気された前記蒸気を導く第1蒸気供給管と、前記蒸気圧縮装置、及び前記湿分分離器から排気された前記蒸気が直接供給される前記過熱器に接続され、前記蒸気圧縮装置で圧縮された前記蒸気を導く第2蒸気供給管とを備えたことを特徴とする発電プラント

請求項2

前記抽気位置が、前記第1タービン、前記第1タービンと前記湿分分離器の間の主蒸気配管、前記第2タービン、及び前記第2タービンと前記復水器を連絡する蒸気排気通路のいずれかに形成されている請求項1に記載の発電プラント。

請求項3

前記湿分分離過熱装置が、前記過熱器として、第1過熱器及び前記第1過熱器の下流に配置された第2過熱器を含んでおり、前記蒸気圧縮装置が、前記第1蒸気供給管に接続された第1蒸気圧縮機、及び前記第1蒸気圧縮機で圧縮された蒸気を導く連絡管によって前記第1蒸気圧縮機に接続された第2蒸気圧縮機を含んでおり、前記第2蒸気供給管が前記第1蒸気圧縮機と前記第1過熱器を接続しており、前記第2蒸気圧縮機に接続され、前記第2蒸気圧縮機で圧縮された前記蒸気を導く第3蒸気供給管が、前記第2過熱器に接続されている請求項1に記載の発電プラント。

請求項4

前記湿分分離過熱装置が、前記過熱器として、第1過熱器及び前記第1過熱器の下流に配置された第2過熱器を含んでおり、前記蒸気圧縮装置が、前記第1蒸気供給管に接続されて前記第1蒸気供給管で供給される前記蒸気を圧縮する蒸気圧縮機を含んでおり、前記第2蒸気供給管が前記蒸気圧縮機と前記第1過熱器を接続しており、前記第1タービンより上流の前記主蒸気配管に接続された配管が、前記第2過熱器に接続されている請求項1に記載の発電プラント。

請求項5

前記湿分分離過熱装置が、前記過熱器として、第1過熱器、前記第1過熱器の下流に配置された第2過熱器及び前記第2過熱器の下流に配置された第3過熱器を含んでおり、前記蒸気圧縮装置が、前記第1蒸気供給管に接続された第1蒸気圧縮機、前記第1蒸気圧縮機で圧縮された蒸気を導く第1連絡管によって前記第1蒸気圧縮機に接続された第2蒸気圧縮機、及び前記第2蒸気圧縮機で圧縮された蒸気を導く第2連絡管によって前記第2蒸気圧縮機に接続された第3蒸気圧縮機を含んでおり、前記第2蒸気供給管が前記第1蒸気圧縮機と前記第1過熱器を接続しており、前記第2蒸気圧縮機に接続され、前記第2蒸気圧縮機で圧縮された前記蒸気を導く第3蒸気供給管が、前記第2過熱器に接続されており、前記第3蒸気圧縮機に接続され、前記第3蒸気圧縮機で圧縮された前記蒸気を導く第4蒸気供給管が、前記第3過熱器に接続されている請求項1に記載の発電プラント。

請求項6

前記湿分分離過熱装置が、前記過熱器として、第1過熱器、前記第1過熱器の下流に配置された第2過熱器及び前記第2過熱器の下流に配置された第3過熱器を含んでおり、前記蒸気圧縮装置が、前記第1蒸気供給管に接続された第1蒸気圧縮機、及び前記第1蒸気圧縮機で圧縮された蒸気を導く連絡管によって前記第1蒸気圧縮機に接続された第2蒸気圧縮機を含んでおり、前記第2蒸気供給管が前記第1蒸気圧縮機と前記第1過熱器を接続しており、前記第2蒸気圧縮機に接続され、前記第2蒸気圧縮機で圧縮された前記蒸気を導く第3蒸気供給管が、前記第2過熱器に接続されており、前記第1タービンより上流の前記主蒸気配管に接続された配管が、前記第3過熱器に接続されている請求項1に記載の発電プラント。

請求項7

蒸気を発生する蒸気発生装置に接続された主蒸気配管により前記蒸気が順次供給される第1タービン及び前記第1タービンよりも圧力が低い第2タービン、前記第1タービンと前記第2タービンの間の前記主蒸気配管に設けられ、湿分分離器及び少なくとも1つの過熱器を有する湿分分離過熱装置、及び前記第2タービンから排気された前記蒸気を凝縮する復水器を備えた主蒸気系と、前記復水器と前記蒸気発生装置を連絡する給水配管と、前記蒸気を圧縮する蒸気圧縮装置と、前記第1タービンの第1段動翼よりも下流に形成された、前記主蒸気系の抽気位置、及び前記蒸気圧縮装置に接続され、前記抽気位置から抽気された前記蒸気を導く第1供給管と、前記蒸気圧縮装置で圧縮された前記蒸気を凝縮して飽和水にする凝縮装置と、前記凝縮装置、及び前記湿分分離器から排気された前記蒸気が直接供給される前記過熱器に接続され、前記飽和水を前記過熱器に導く第2供給管とを備えたことを特徴とする発電プラント。

請求項8

前記湿分分離過熱装置が、前記過熱器として、第1過熱器及び前記第1過熱器の下流に配置された第2過熱器を含んでおり、前記蒸気圧縮装置が、前記第1蒸気供給管に接続された第1蒸気圧縮機、及び前記第1蒸気圧縮機で圧縮された蒸気を導く連絡管によって前記第1蒸気圧縮機に接続された第2蒸気圧縮機を含んでおり、前記凝縮装置として、前記第1蒸気圧縮機で圧縮された前記蒸気を凝縮して飽和水にする第1凝縮装置、及び前記第2蒸気圧縮機で圧縮された前記蒸気を凝縮して飽和水にする第2凝縮装置が設けられており、前記第2供給管が前記第1凝縮装置と前記第1過熱器を接続しており、前記第2凝縮装置に接続され、前記第2凝縮装置内の前記飽和を導く第3供給管が、前記第2加熱器に接続されている請求項7に記載の発電プラント。

請求項9

前記発電プラントが原子力発電プラントまたは火力発電プラントである請求項1または7に記載の発電プラント。

請求項10

蒸気発生装置で発生した蒸気を主蒸気配管により第1タービン及び前記第1タービンよりも圧力が低い第2タービンに順次供給し、前記第1タービンから排気された蒸気を、湿分分離器及び少なくとも1つの過熱器を有し、前記第1タービンと前記第2タービンとの間の前記主蒸気配管に設けられた湿分分離過熱装置の前記湿分分離器に導いて前記蒸気に含まれる湿分を除去し、前記湿分分離器から排気された前記蒸気を、少なくとも1つの前記過熱器で加熱し、前記第2タービンから排気された前記蒸気を復水器で凝縮して給水を生成し、この給水を、給水加熱器を設けた給水配管を通して前記蒸気発生装置に供給し、前記主蒸気配管、前記第1タービン、前記第2タービン及び前記復水器を含む主蒸気系の、前記第1タービンの第1段動翼よりも下流に形成された抽気位置から抽気された前記蒸気を、蒸気圧縮装置で圧縮し、前記蒸気圧縮装置で圧縮された前記蒸気を、前記湿分分離器から排気された前記蒸気が直接供給される前記過熱器に、この蒸気の加熱源として供給することを特徴とする発電プラントの運転方法

技術分野

0001

本発明は、発電プラント及びその運転方法係り沸騰水型原子力発電プラントに適用するのに好適な発電プラント及びその運転方法に関する。

背景技術

0002

従来の沸騰水型原子力発電プラントは、原子炉で発生した蒸気を、主蒸気配管を通して高圧タービン及び低圧タービンに供給し、これらのタービンを回転させて発電機を回し、発電を行っている。低圧タービンから排気された蒸気は、復水器凝縮されて水になる。この水は、給水として給水配管により原子炉に供給される。給水は、給水配管に設けられた給水ポンプによって昇圧され、給水配管に設けられた6基の給水加熱器(4基の低圧給水加熱器及び2基の高圧給水加熱器)によって加熱でされて温度が高められる。

0003

沸騰水型原子力発電プラントでは、まず原子炉の熱出力を決定し、この熱出力で最高熱効率が得られるように原子炉より下流での蒸気の流れ(主蒸気配管及びタービン等での蒸気の流れ)を最適化している。具体的には、低圧タービンから排気された蒸気を復水器で凝縮して水にした場合、熱サイクル原理から通常の原子炉圧力では原子炉で発生した熱エネルギーの約2/3が復水器から外部に排出される。そこで、沸騰水型原子力発電プラントの熱効率を向上させるために、高圧タービン及び低圧タービンから蒸気の一部を抽気して高圧給水加熱器及び低圧給水加熱器に供給し、これらの給水加熱器においてその抽気蒸気を用いて給水を加熱することが行われている。この場合、抽気された蒸気が保有している熱は、給水の加熱に用いられることよって、そのほとんどが回収され、沸騰水型原子力発電プラントの熱効率が向上する。

0004

一般に、原子炉で発生した蒸気のうち最終的に低圧タービンから復水器に排気される蒸気の量は約56%であり、残りの約44%の蒸気は抽気蒸気として給水の加熱に用いられる。給水配管に設置される6基の給水加熱器において、給水加熱器1基当たりに供給される抽気蒸気量は平均して原子炉で発生する蒸気の約7%程度である。

0005

沸騰水型原子力発電プラントでは、高圧タービンから排気された蒸気を湿分分離過熱器(または湿分分離再熱器)で過熱して低圧タービンに供給することが行われている(特開2005−299644号公報及び特開平7−189609号公報参照)。湿分分離過熱器は、一般的に、高圧タービンから排気された蒸気に含まれる湿分を除去する湿分分離器、及び湿分を除去された蒸気を過熱する複数段過熱器を有する。上流側の第1過熱器は、高圧タービンから抽気された蒸気を用いて、湿分分離器で湿分が除去された蒸気を過熱する。下流側の第2過熱器は、第1過熱器で過熱された蒸気を、高圧タービンより上流の主蒸気配管から抽気された蒸気を用いて過熱する。この過熱された蒸気が低圧タービンに供給される。湿分分離過熱器を設置した沸騰水型原子力発電プラントでは、原子炉で発生した蒸気のうち最終的に低圧タービンから復水器に排出される蒸気の量は約54%である。沸騰水型原子力発電プラントの熱効率を向上させるために、湿分分離過熱器を設置し、再熱効率により性能が向上することは一般的によく知られている。

0006

他の原子力発電プラントである加圧水型原子力発電プラント、及び火力発電プラントに湿分分離過熱器を設置することによって、それぞれの発電プラントの熱効率を向上することができる。

0007

発電プラントの熱効率を高めるために、圧縮を有する蒸気ヒートポンプを適用した火力発電プラントの例が、実開平1−123001号公報に提案されている。この火力発電プラントでは、復水器から供給した蒸気を一台の蒸気圧縮機で圧縮し、圧縮された蒸気を、蒸気圧縮機の、軸方向における複数箇所から4基の給水加熱器に供給している。また、蒸気圧縮機は、蒸気を断熱圧縮するために内部エネルギーが上昇して過熱状態となるので、これを防ぎ所要電力セーブするために復水圧縮機内ミスト状に噴霧している。

0008

また、特開平5−65808号公報は、熱併給蒸タービンプラントを記載している。この熱併給蒸気タービンプラントは、ボイラで発生した蒸気をタービンに供給して発電機を回転させて電力を発生し、そのタービンから排出された蒸気を高圧プロセス蒸気供給先及び低圧プロセス蒸気供給先にそれぞれ供給する。高圧プロセス蒸気供給先に供給される蒸気は、タービンから排気された蒸気を圧縮機で圧縮している。

先行技術

0009

特開2005−299644号公報
特開平7−189609号公報
特開平5−65808号公報
実開平1−123001号公報

発明が解決しようとする課題

0010

一般にランキンサイクルにおいては、高圧タービンで仕事をして排気された湿り蒸気を、湿分分離過熱器により過熱蒸気にし、この過熱蒸気を低圧タービンに共有することによって、発電プラントの熱効率が向上する。高圧タービンから排気された湿り蒸気を湿分分離過熱器で過熱するためには、蒸気発生装置(沸騰水型原子力発電プラントでは原子炉)で発生した蒸気を高圧タービンより上流の主蒸気配管から抽気して湿分分離過熱器の過熱器に供給している。この結果、高圧タービン及び低圧タービンを回転させるために使用される作動流体である蒸気の流量が約2%減少する。しかしながら、湿分分離過熱器において湿分分離器で湿分を除去された蒸気を過熱器で過熱し、この過熱された蒸気を低圧タービンに供給するので、低圧タービンにおける蒸気による仕事量が増大し、沸騰水型原子力発電プラント等の発電プラントの熱効率が向上する。

0011

高圧タービンから排気された蒸気を湿分分離過熱器で過熱することは発電プラントにとって好ましいことではあるが、タービンに供給される蒸気量の減少は、その分、タービンにおける仕事量の低下に繋がる。

0012

本発明の目的は、電気出力を向上できる発電プラント及びその運転方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

上記した目的を達成する本発明の特徴は、蒸気を発生する蒸気発生装置に接続された主蒸気配管により蒸気が順次供給される第1タービン及び第1タービンよりも圧力が低い第2タービン、第1タービンと第2タービンの間の主蒸気配管に設けられ、湿分分離器及び少なくとも1つの過熱器を有する湿分分離過熱装置、及び第2タービンから排気された蒸気を凝縮する復水器を備えた主蒸気系と、復水器と蒸気発生装置を連絡する給水配管と、蒸気を圧縮する蒸気圧縮装置と、第1タービンの第1段動翼よりも下流に形成された、主蒸気系の抽気位置に接続され、この抽気位置から抽気された蒸気を蒸気圧縮装置に導く第1蒸気供給管と、蒸気圧縮装置で圧縮された蒸気を、湿分分離器から排気された蒸気が直接供給される過熱器に導く第2蒸気供給管とを備えたことにある。

0014

第1タービンの第1段動翼よりも下流に形成された主蒸気系の抽気位置から抽気された、第1タービンで仕事をした蒸気を、第1蒸気供給管により蒸気圧縮装置に導いて蒸気圧縮装置で圧縮し、蒸気圧縮装置で圧縮された蒸気を、湿分分離器から排気された蒸気が直接供給される過熱器に導くことができるので、第1タービンに流入する蒸気の量を増大させることができる。このため、第1タービンでの蒸気による仕事量が増大し、発電プラントの電気出力を向上できる。

発明の効果

0015

本発明によれば、発電プラントにおける電気出力を向上することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の好適な一実施例である実施例1の発電プラントである沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例2の発電プラントである沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例3の発電プラントである沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例4の発電プラントである沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例5の発電プラントである沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例6の発電プラントである沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例7の発電プラントである沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例8の発電プラントである沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例9の発電プラントである沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例10の発電プラントである沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例11の発電プラントである火力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例12の発電プラントである加圧水型原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例13の発電プラントである高速増殖炉原子力発電プラントの構成図である。
本発明の他の実施例である実施例14の発電プラントである火力発電プラントの構成図である。

0017

発明者らは、発電プラントの熱効率の向上策について検討した結果、湿分分離過熱器の過熱器に供給する、高圧タービンの上流の主蒸気配管から抽気された蒸気を、高圧タービンに導けば良いとの結論に達した。高圧タービンの上流の主蒸気配管から湿分分離過熱器に導く蒸気の抽気を止め、この蒸気を高圧タービン及び低圧タービンに導くことによって、これらのタービンに供給される蒸気量が増大し、それらのタービンにおける蒸気の仕事量が増大する。

0018

しかしながら、高圧タービンから排気された蒸気の加熱源を、別途、用意しなければならない。発明者らは、この点について検討した結果、圧縮機を有するヒートポンプを利用し、タービンで仕事をした蒸気を圧縮機で圧縮して湿分分離過熱器の過熱器に供給すればよいのと新たな知見を見出した。例えば、低圧タービンを駆動させた蒸気を、低圧タービンから抽気して圧縮機に供給し、この圧縮機で圧縮して温度を上昇させる。温度が上昇した圧縮蒸気を、圧縮機から湿分分離過熱器の過熱器に導き、高圧タービンから排気された蒸気をこの圧縮蒸気で過熱する。これにより、発電プラントの運転時において蒸気発生装置から高圧タービンに供給する蒸気の量を増加し、高圧タービンから排気された蒸気を湿分分離過熱器を用いて過熱する再熱サイクルの発電プラントを実現することができるのである。

0019

湿分分離過熱器の替りに、湿分分離器及び再熱器を有する湿分分離再熱器を用いてもよい。湿分分離再熱器は、それぞれ、湿分分離器及び過熱器を有する湿分分離過熱装置の一種である。

0020

上記の検討結果を反映した、本発明の実施例を以下に説明する。

0021

本発明の好適な一実施例である実施例1の発電プラントを、図1を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電プラント1である。

0022

沸騰水型原子力発電プラント1は、蒸気発生装置である原子炉2、高圧タービン(第1タービン)3、低圧タービン(第2タービン)5A,5B,5C、主蒸気配管6、復水器11、複数の給水加熱器、給水配管15、蒸気圧縮装置27、及び湿分分離器4及び過熱器34Aを含む湿分分離過熱器(湿分分離過熱装置)33を備えている。複数の給水加熱器は、第1高圧給水加熱器16A、第2高圧給水加熱器16B、第3低圧給水加熱器(第1低圧給水加熱器)17A、第4低圧給水加熱器(第2低圧給水加熱器)17B、第5低圧給水加熱器(第3低圧給水加熱器)17C及び第6低圧給水加熱器(第4低圧給水加熱器)17Dである。低圧給水加熱器は、低圧タービンからの抽気蒸気が供給される給水加熱器である。高圧給水加熱器は、高圧タービン、または高圧タービンの出口側の主蒸気配管6からの抽気蒸気が供給される給水加熱器である。高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B,5Cは、主蒸気配管6によって原子炉2に接続される。湿分分離過熱器33は、高圧タービン3と低圧タービン5A,5B及び5Cを接続している主蒸気配管6に設置される。主蒸気配管6は、湿分分離過熱器33の下流で3本に分岐され、低圧タービン5A,5B及び5Cに接続される。隔離弁7及び主蒸気調節弁8が、原子炉2と高圧タービン3の間に存在する主蒸気配管6に設置される。高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B,5Cは、1つの回転軸10によって互いに連結され、さらに、発電機9にも連結される。本実施例は、1台の高圧タービン及び3台の低圧タービンを設けているが、発電プラントの種類によりこれらの台数を変えてもよい。

0023

本実施例は、主蒸気系及び給水系を有する。主蒸気系は、高圧タービン3、湿分分離過熱器33、低圧タービン5A,5B,5C、主蒸気配管6及び復水器11を有する。給水系は、給水配管15、第1高圧給水加熱器16A、第2高圧給水加熱器16B、第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C、第6低圧給水加熱器17D、復水ポンプ18及び給水ポンプ19を有する。

0024

復水器11は内部に複数の伝熱管12を配置している。これらの伝熱管12は、海水供給管13A及び海水排出管13Bに接続される。海水循環ポンプ14が海水供給管13Aに設置される。海水供給管13A及び海水排出管13Bは海まで伸びている。

0025

給水配管15が復水器11と原子炉2を接続する。第1高圧給水加熱器16A、第2高圧給水加熱器16B、第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17Dは、原子炉2から復水器11に向ってこの順番で給水配管15に設置されている。復水ポンプ18が復水器11と第6低圧給水加熱器17Dの間で給水配管15に設けられる。給水ポンプ19が第1高圧給水加熱器16Aと第2高圧給水加熱器16Bの間で給水配管15に設けられる。

0026

高圧タービン3の抽気点で高圧タービン3に接続された抽気管20が第1高圧給水加熱器16Aに接続される。過熱器34Aに接続されたドレン配管35が第1高圧給水加熱器16Aに接続される。高圧タービン3と湿分分離過熱器33の間に存在する主蒸気配管6に接続された抽気管21が第2高圧給水加熱器16Bに接続される。抽気管21は、高圧タービン3の最終段動翼より下流で高圧タービン3に接続してもよい。低圧タービン5Bの最上流の抽気点(低圧タービンの第1抽気点)で低圧タービン5Bに接続された抽気管22が第3低圧給水加熱器17Aに接続される。湿分分離器4に接続されたドレン配管26が第3低圧給水加熱器17Aに接続される。低圧タービン5Bの上流から2番目の抽気点(低圧タービンの第2抽気点)で低圧タービン5Bに接続された抽気管23が第4低圧給水加熱器17Bに接続される。低圧タービン5Bの上流から3番目の抽気点(低圧タービンの第3抽気点)で低圧タービン5Bに接続された抽気管24が第5低圧給水加熱器17Cに接続される。低圧タービン5Bの最下流の抽気点(低圧タービンの第4抽気点)で低圧タービン5Bに接続された抽気管25が第6低圧給水加熱器17Dに接続される。上記した低圧タービンの第1、第2、第3及び第4の各抽気点は、低圧タービン5Bに設けられた複数の静翼の異なる段数の位置で、低圧タービン5Bのタービンケーシング(図示せず)に設けられる。第1高圧給水加熱器16A、第2高圧給水加熱器16B、第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17Dを接続するドレン水回収配管36は、復水器11に接続される。

0027

図1では、低圧タービン5Bが大きく低圧タービン5A,5Cが小さくなっているが、これらの低圧タービンの大きさは同じである。図示されていないが、低圧タービン5A及び5Cに対しても復水器11がそれぞれ設けられており、各復水器11にそれぞれ給水配管15が接続されている。低圧タービン5A,5B及び5Cに対応してそれぞれ設けられた合計3基の復水器11にそれぞれ別々に接続された給水配管15は、第2高圧給水加熱器16Bの上流に位置する合流点で1本の給水配管15になり、第2高圧給水加熱器16Bに接続される。その合流点よりも上流に配置された、低圧タービン5A,5B及び5Cごとに並列配置された3本の給水配管15には、低圧給水加熱器である第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17D、及び復水ポンプ18が、この順序で下流から上流に向ってそれぞれ設置されている。このため、低圧タービン5A及び5Cのそれぞれに対応して設けられた、第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17D、及び復水ポンプ18を設置したそれぞれの給水配管5が、第2高圧給水加熱器16Bより上流に存在する上記の合流点よりも上流に配置されている。低圧タービン5A及び5Cには、低圧タービン5Bと同様に、第1、第2、第3及び第4の各抽気点が設けられる。低圧タービン5Aの第1、第2、第3及び第4の各抽気点には、低圧タービン5Bと同様に、抽気管22,23,24及び25が接続される。低圧タービン5Aに接続された抽気管22,23,24及び25は、低圧タービン5Bの場合と同様に、低圧タービン5Aに対応して設けられた第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17Dに接続される。低圧タービン5Cの第1、第2、第3及び第4の各抽気点にも、低圧タービン5Bと同様に、抽気管22,23,24及び25が接続される。低圧タービン5Cに接続された抽気管22,23,24及び25は、低圧タービン5Bの場合と同様に、低圧タービン5Cに対応して設けられた第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17Dに接続される。

0028

以下の説明において、第3低圧給水加熱器17A、第4低圧給水加熱器17B、第5低圧給水加熱器17C及び第6低圧給水加熱器17D、抽気管22,23,24及び25、及び第1、第2、第3及び第4の各抽気点は、特に断りが無ければ、低圧タービン5Bに対応して設けられたそれらを意味している。

0029

蒸気圧縮装置27は、蒸気圧縮機28、駆動装置(例えば、モータ)29及び制御弁30を有する。駆動装置29は蒸気圧縮機28の回転軸に連結されている。低圧タービン5Bの第3抽気点に接続された蒸気供給管(第1蒸気供給管)31が蒸気圧縮機28の蒸気流入口に接続される。蒸気供給管(第2蒸気供給管)32が蒸気圧縮機28の蒸気排出口と過熱器34Aを接続している。制御弁30が蒸気供給管32に設けられる。抽気蒸気が流れる抽気管20〜25には、蒸気圧縮機28が設置されていない。本実施例では、蒸気圧縮機28として、単段遠心式水蒸気圧縮機を用いているが、蒸気圧縮機28として他のタイプの圧縮機を用いてもよい。蒸気圧縮機28及び駆動装置29は、タービン建屋内空き空間に設置される。

0030

抽気管24が接続される第3抽気点と蒸気供給管31が接続される第3抽気点は、低圧タービン5Bの同じ段数の静翼が設けられている位置で、低圧タービン5Bの周方向において互いにずれている。蒸気供給管31は抽気管24に接続してもよい。蒸気圧縮機28の駆動により、抽気管24を通して第3低圧給水加熱器17Aに供給される蒸気量が減少しないように、蒸気供給管31の流路断面積を抽気管24のそれよりも小さくする。配管の流路断面積を変える替りに、蒸気供給管31に流量調節弁を設けて、蒸気圧縮機28に供給する蒸気量を調節してもよい。抽気管及び蒸気供給管31の流量断面積を変えることによる蒸気流量調節方法、または蒸気供給管31に設けた流量調節弁による蒸気流量の調節方法は、後述の実施例2から実施例14の各実施例にも適用される。

0031

蒸気圧縮装置27は、低圧タービン5B以外の低圧タービン5A,5Cに対してもそれぞれ設けられている。このため、本実施例では、3基の蒸気圧縮装置27が設けられる。低圧タービン5Aに対して設けられた蒸気圧縮装置27においても、蒸気圧縮機28に接続された蒸気供給管31が低圧タービン5Aの第3抽気点に接続される。この蒸気圧縮装置27の蒸気圧縮機28にも、制御弁30を有する蒸気供給管32が接続される。蒸気圧縮機28低圧タービン5Cに対して設けられた蒸気圧縮装置27においても、蒸気圧縮機28に接続された蒸気供給管31が低圧タービン5Cの第3抽気点に接続される。この蒸気圧縮装置27の蒸気圧縮機28にも、制御弁30を有する蒸気供給管32が接続される。3基の蒸気圧縮装置27の各蒸気圧縮機28に接続されたそれぞれの蒸気供給管32は、制御弁30の下流で1本の蒸気供給管32になり、過熱器34Aに接続される。

0032

原子炉2内の炉心(図示せず)には、再循環ポンプ(図示せず)及びジェットポンプ(図示せず)によって冷却水が供給される。冷却水は炉心内装荷された複数の燃料集合体(図示せず)に含まれた核燃料物質核分裂で発生する熱によって加熱され、冷却水の一部が蒸気になる。原子炉2で発生した蒸気は、主蒸気配管6を通って、高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B及び5Cにそれぞれ供給される。高圧タービン3から排出された蒸気は、途中で、湿分分離器4により湿分が除去され、過熱器34Aによって過熱された後に、低圧タービン5A,5B及び5Cにそれぞれ導かれる。低圧タービン5A,5B及び5C内の圧力は、高圧タービン3内の圧力よりも低くなっている。高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B及び5Cは、蒸気によって駆動され、発電機9を回転させる。これにより、電力が発生する。低圧タービン5A,5B及び5Cから排気された蒸気は、各復水器11で凝縮されて水になる。すなわち、海水が、海水循環ポンプ14の駆動によって海水供給管13Aを通して各復水器11内の各伝熱管12内に供給される。低圧タービン5A,5B及び5Cから排気された蒸気は、それぞれに対応して別々に設けられた各復水器11内の伝熱管12内を流れる海水によって冷却されて凝縮される。蒸気の凝縮により、各伝熱管12内を流れる海水の温度が上昇する。各伝熱管12から排出された海水は、海水排出管13Bを通って海に放出される。

0033

各復水器11に別々に接続された各給水配管15に設けられた復水ポンプ18、及び給水ポンプ19がそれぞれ駆動されている。各復水器11で生成された凝縮水は、給水として、これらのポンプによって昇圧され、各給水配管15を通り、第3低圧給水加熱器17Aと第2高圧給水加熱器16Bの間で1本の給水配管15に合流して原子炉2に供給される。3本の給水配管15内を流れる給水は、各低圧タービンに対応してそれぞれ設けられた第6低圧給水加熱器17D、第5低圧給水加熱器17C、第4低圧給水加熱器17B及び第3低圧給水加熱器17Aによって順次加熱される。第3低圧給水加熱器17Aと第2高圧給水加熱器16Bの間に存在する、3本の給水配管15の合流点よりも下流では、低圧タービン5A,5B及び5Cに対して共通に用いられる1本の給水配管15に設けられた第2高圧給水加熱器16B及び第1高圧給水加熱器16Aによってさらに加熱されて温度を上昇させ、設定温度になった状態で原子炉2に供給される。

0034

給水は、第6低圧給水加熱器17Dにおいて、低圧タービン5Bの第4抽気点から抽気されて抽気管25を通して供給される抽気蒸気によって加熱される。給水は、第5低圧給水加熱器17Cにおいて、低圧タービン5Bの第3抽気点から抽気されて抽気管24を通して供給される抽気蒸気によって加熱される。給水は、第4低圧給水加熱器17Bにおいて、低圧タービン5Bの第2抽気点から抽気されて抽気管23を通して供給される抽気蒸気によって加熱される。給水は、第3低圧給水加熱器17Aにおいて、低圧タービン5Bの第1抽気点から抽気されて抽気管22を通して供給される抽気蒸気、及び湿分分離器4から排出されてドレン配管26を通して供給される飽和ドレン水によって加熱される。給水は、第2高圧給水加熱器16Bにおいて、主蒸気配管6から抽気されて抽気管21を通して供給される抽気蒸気によって加熱される。給水は、第1高圧給水加熱器16Aにおいて、高圧タービン3の抽気点から抽気されて抽気管20を通して供給される抽気蒸気、及び過熱器34Aから排出されてドレン配管35を通して供給される飽和ドレン水によって加熱される。

0035

低圧タービン5A及び5Cのそれぞれに対応して設けられた第6低圧給水加熱器17D、第5低圧給水加熱器17C、第4低圧給水加熱器17B及び第3低圧給水加熱器17Aにおいても、上記した各抽気蒸気を用いてそれぞれの給水配管15内を流れる給水が加熱される。

0036

蒸気圧縮装置27の機能について説明する。所内電力、すなわち、発電機9で発生した電力の一部を用いて駆動装置29を駆動して蒸気圧縮機28の動翼が設けられたローターを回転させる。第3抽気点で低圧タービン5Bから抽気された蒸気が、蒸気供給管31を通って蒸気圧縮機28に供給される。この蒸気は、蒸気圧縮機28の駆動により圧縮されて圧力が高められた後、蒸気供給管32に排出される。蒸気は、蒸気圧縮機28によって断熱圧縮されるために、温度も上昇する。圧縮された蒸気の温度は、高圧タービン3に供給される蒸気の温度近くまで上昇する。3基の蒸気圧縮装置27のそれぞれの蒸気圧縮機28で圧縮された蒸気は、合流されて過熱器34Aに供給される。各蒸気圧縮機28による圧縮により温度及び圧力が上昇した蒸気は、それぞれの制御弁30の開度調節によって、その蒸気の温度及び流量が必要な加熱量となるように過熱器34Aの伝熱管(図示せず)内の圧力に調節されて、蒸気供給管32を通して過熱器34Aの複数の伝熱管内に供給される。この伝熱管内に供給される、圧縮された蒸気は、過熱蒸気である。主蒸気配管6によって供給されて、過熱器34Aにおいてそれらの伝熱管の外を流れる、湿分分離器4から排出された蒸気が、過熱器34A内で、蒸気圧縮機28から蒸気供給管32によって供給される蒸気によって過熱される。過熱器34Aで過熱された蒸気は、主蒸気配管6によって低圧タービン5A,5B及び5Cに供給される。過熱器34Aに設けられた複数の伝熱管の伝熱面積は、従来の沸騰水型原子力発電プラントに設けられた湿分分離過熱器に含まれた前述の第1及び第2過熱器内に設けられた伝熱管の合計の伝熱面積に等しくなっている。

0037

蒸気圧縮機28で圧縮されて過熱器34Aに供給された蒸気は、過熱器34Aで高圧タービン3から排気された蒸気を過熱することによって凝縮される。この蒸気の凝縮によって発生した飽和ドレン水は、過熱器34Aの伝熱管に接続されたドレン配管35を通して第1高圧給水加熱器16Aに供給される。この飽和ドレン水の温度は、抽気管20内を流れる抽気蒸気の温度と実質的に同じであり、前述したように、給水の加熱に利用される。

0038

蒸気供給管31を通して蒸気圧縮機28に供給される蒸気の湿り度が高い場合には、ミストセパレータを蒸気供給管31に設置して、低圧タービン5Bから蒸気圧縮機28に供給される蒸気に含まれた湿分をミストセパレータによって除去してもよい。逆に、蒸気圧縮機28で飽和蒸気が圧縮されて急激な温度上昇が生じて蒸気圧縮機28から排気される蒸気の乾き度が高くなる場合には、蒸気圧縮機28内で微小水滴の噴霧、すなわち、ミストスプレーを行って圧縮蒸気の乾き度を下げてもよい。

0039

本実施例は、低圧タービン5Bから抽気されて蒸気圧縮機28により昇圧されて昇温された蒸気を、過熱器34Aで蒸気を過熱する熱源に利用している。

0040

可変周波数電源装置を用いて蒸気圧縮機28の駆動装置29の回転数及び出力を制御してもよい。可変周波数電源装置を用いて、蒸気圧縮機28の定格運転点を変えて蒸気の流量及び圧力を設定することも可能である。適宜、蒸気の流量及び圧力を設定することによって、効率の良い蒸気圧縮機28の運転が可能となる。

0041

本実施例は、高圧タービン3及び低圧タービン5A、5B,5C等から抽気した蒸気を各高圧給水加熱器及び各低圧給水加熱器に導いて給水を加熱しているので、原子炉2で発生した蒸気の熱が回収されて原子炉2に供給される給水の温度が上昇する。このため、原子炉2の熱効率が向上する。

0042

本実施例では、高圧タービン3より上流の主蒸気配管6から抽気した蒸気ではなく、高圧タービン3及び低圧タービン(例えば、低圧タービン5B)でタービンを駆動させる仕事をした蒸気を、例えば、低圧タービン5Bから抽気して蒸気圧縮機28で圧縮して高温高圧状態にし、過熱器34Aに供給している。

0043

このような本実施例では、過熱器34Aに供給する加熱用の蒸気を、従来の沸騰水型原子力発電プラントのように、高圧タービン3より上流の主蒸気配管6及び高圧タービン3から抽気する必要が無く、従来、湿分分離過熱器で加熱用として用いられた蒸気を高圧タービン3及び各低圧タービンに供給することができる。このため、高圧タービン3の上流の主蒸気配管6等から抽気された蒸気を過熱器(例えば、2段の過熱器)に供給する従来の沸騰水型原子力発電プラントに比べて、本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1では、高圧タービン3及び各低圧タービンに供給される蒸気量が増加する。したがって、高圧タービン3及び各低圧タービンでの蒸気による仕事量が増大し、電気出力を向上させることができる。これは、沸騰水型原子力発電プラント1において、定格の原子炉出力をさらに増大させる出力向上運転を実質的に行っていることになる。

0044

本実施例は、前述したように、蒸気圧縮装置27を設置し、蒸気圧縮機28を用いて低圧タービン5Bから抽気した蒸気を圧縮して温度を上昇させ、この温度が上昇した蒸気を過熱器34Aに供給している。このため、高圧タービン3より上流の主蒸気配管6から抽気した蒸気を用いることなく、蒸気圧縮機28で圧縮した蒸気を用いて、湿分分離器4で湿分を除去した蒸気を、高圧タービン3より上流の主蒸気配管6から抽気した蒸気を用いた場合と実質的に同等に、過熱器34Aで過熱することができる。低圧タービンに供給される蒸気の温度が上昇し、低圧タービン内での蒸気の膨張量が増大するので、低圧タービンでの蒸気による仕事量が増加する。これによっても、沸騰水型原子力発電プラント1の電気出力がさらに向上する。

0045

また、各低圧タービンから抽気した蒸気をそれぞれの蒸気圧縮機28で圧縮して過熱器34A内で高圧タービン3から排気された蒸気の過熱に用いているので、蒸気発生装置である原子炉2で発生した熱を沸騰水型原子力発電プラント1内で有効に利用することができ、復水器11から海水排出管13Bを通して海に排出される温排水の熱量を低減することができる。したがって、再熱サイクルの沸騰水型原子力発電プラント1における熱効率をさらに向上させることができる。

0046

制御弁30の開度調節(または可変周波数電源装置による駆動装置29の回転数制御)によって、蒸気圧縮機28による蒸気の圧縮比を調節することができる。これにより、蒸気圧縮機28で有られる蒸気の温度を調節することができる。

0047

蒸気圧縮装置27の蒸気圧縮機28の段数を、複数段にしてもよい。複数段の蒸気圧縮機28を設け、上流側の蒸気圧縮機28で圧縮した蒸気を下流側の蒸気圧縮機28で圧縮することによって、下流側の圧縮機28で圧縮された蒸気の温度をさらに高めることができる。

0048

蒸気供給管31は、第3抽気点ではなく、第1、第2及び第4抽気点のいずれかで低圧タービン5Bに接続してもよい。

0049

本実施例は、炉心に冷却水を供給するポンプとしてインターナルポンプを用いた改良型沸騰水型原子力発電プラント(ABWR発電プラント)に適用することができる。後述の実施例2から実施例10も、ABWR発電プラントに適用することができる。

0050

本実施例、及び後述の実施例2から実施例14において、湿分分離過熱器の替りに湿分分離再熱器を用いてもよい。湿分分離再熱器は湿分分離器及び再熱器を含んでいる。湿分分離再熱器を用いる場合には、過熱器34Aが再熱器になる。

0051

本発明の他の実施例である実施例2の発電プラントを、図2を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電プラント1Aである。

0052

沸騰水型原子力発電プラント1Aは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において蒸気供給管31の接続先替えた構成を有する。本実施例では、蒸気供給管31が、低圧タービン5Bから排気された蒸気を復水器11に導く、低圧タービン5Bと復水器11を接続する蒸気排気通路37(または復水器11の、伝熱管12より上方の領域)に接続されている。沸騰水型原子力発電プラント1Aの他の構成は沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。

0053

沸騰水型原子力発電プラント1と異なる部分について説明する。低圧タービン5Bから排気されて蒸気排気通路37内を流れる蒸気が、蒸気供給管31によって抽気されて蒸気圧縮機28に供給される。駆動装置29で回転される蒸気圧縮機28は、蒸気供給管31によって導かれた蒸気を圧縮する。蒸気圧縮機28で圧縮されて温度が上昇した蒸気は、実施例1と同様に、蒸気供給管32により過熱器34Aに供給され、高圧タービン3から排気されて湿分分離器4で湿分が除去された蒸気を過熱する。過熱器34Aで過熱された蒸気は、低圧タービン5A,5B,5Cに供給される。本実施例では、駆動装置29の回転数が実施例1における駆動装置29の回転数よりも大きくなっている。このため、低圧タービン5Bの第3抽気点よりも温度が低い、蒸気排気通路37から抽気された蒸気の温度を、蒸気圧縮機28によって、実施例1において過熱器34Aに供給される蒸気の温度と同じ温度まで高めることができる。駆動装置29の回転数を増大させる替りに、蒸気圧縮機28を複数段直列に接続して抽気した蒸気を順次圧縮してもよい。

0054

本実施例によれば、実施例1で生じる各効果を得ることができる。

0055

本発明の他の実施例である実施例3の発電プラントを、図3を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電プラント1Bである。

0056

沸騰水型原子力発電プラント1Bは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において、蒸気供給管31を高圧タービン3に接続した構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Bの他の構成は沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。

0057

沸騰水型原子力発電プラント1と異なる部分について説明する。蒸気供給管31が高圧タービン3に接続される抽気点と、抽気管20が高圧タービン3に接続される抽気点は、高圧タービン3の同じ段数の静翼が設けられている位置で、高圧タービン3の周方向において互いにずれている。蒸気供給管31は抽気管20に接続してもよい。抽気管20が接続される、高圧タービン3の抽気点は、高圧タービン3の第1段動翼よりも下流に位置する例えば第2段動翼の下流の静翼が設けられている位置に形成されている。

0058

蒸気供給管31によって高圧タービン3から抽気された蒸気は、蒸気供給管31を通して蒸気圧縮装置27の蒸気圧縮機28に供給され、蒸気圧縮機28によって圧縮される。この圧縮により温度が上昇した蒸気は、実施例1と同様に、蒸気供給管32を通して過熱器34Aに供給される。蒸気圧縮機28から排出される蒸気の温度は、駆動装置29の回転数を調節することによって所定の温度に高められる。高圧タービン3から排気されて湿分分離器4で湿分が除去された蒸気は、過熱器34A内で、蒸気供給管32を通して供給される蒸気によって過熱される。過熱器34Aで過熱された蒸気は、低圧タービン5A,5B,5Cに供給される。

0059

本実施例では、高圧タービン3より上流の主蒸気配管6から抽気した蒸気ではなく、高圧タービン3でタービンを駆動させる仕事をした蒸気を、高圧タービン3から抽気して蒸気圧縮機28で圧縮して高温高圧状態にして、過熱器34Aに供給している。

0060

このような本実施例では、湿分分離過熱器33に供給する加熱用の蒸気を、従来の沸騰水型原子力発電プラントのように、高圧タービン3より上流の主蒸気配管6から抽気する必要が無く、従来、その主蒸気配管6から抽気されて湿分分離過熱器で加熱用として用いられた蒸気を高圧タービン3に供給することができる。本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1Bでは、従来の沸騰水型原子力発電プラントに比べて、高圧タービン3に供給される蒸気量が増加する。したがって、高圧タービン3での蒸気による仕事量が増大し、電気出力を向上させることができる。

0061

本実施例は、蒸気圧縮機28で圧縮する蒸気を高圧タービン3で抽気しているため、この抽気した蒸気量の分だけ低圧タービン5A,5B,5Cに供給される蒸気量が減少し、各低圧タービンでの蒸気の仕事量が低下する。このため、本実施例は、実施例1に比べて電気出力の向上度合いが低下する。しかしながら、本実施例では、高圧タービン3から抽気した蒸気を蒸気圧縮機28に供給しているので、蒸気圧縮機28に供給される蒸気の温度は、実施例1で蒸気圧縮機28に供給される蒸気の温度よりも高くなっている。このため、蒸気圧縮機28から過熱器34Aに供給される蒸気の温度を実施例1に等しくした場合、本実施例で蒸気圧縮機28に供給するために高圧タービン3から抽気される蒸気の流量は、実施例1で蒸気圧縮機28に供給するために低圧タービン5Bから抽気される蒸気の流量よりも少なくてよい。本実施例では、高圧タービン3からの抽気される蒸気の流量を少なくできるので、その分、低圧タービンに供給する蒸気流量を増加できて低圧タービンでの仕事量を増加することができる。

0062

本実施例は、高圧タービン3で仕事をした蒸気を抽気して蒸気圧縮機28に供給し、蒸気圧縮機28での圧縮により温度が上昇した蒸気を、過熱器34Aで、高圧タービン3から排気された蒸気の過熱に用いているので、実施例1と同様に、復水器11から海に排出される温排水の熱量を低減することができる。したがって、再熱サイクルの沸騰水型原子力発電プラント1Bにおける熱効率をさらに向上させることができる。

0063

本発明の他の実施例である実施例4の発電プラントを、図4を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電プラント1Cである。

0064

沸騰水型原子力発電プラント1Cは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において、蒸気供給管31を高圧タービン3と湿分分離器4との間の主蒸気配管6に接続した構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Cの他の構成は沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。

0065

沸騰水型原子力発電プラント1と異なる部分について説明する。蒸気供給管31が主蒸気配管6に接続される抽気点は、主蒸気配管6の軸方向において抽気管21が主蒸気配管6に接続される抽気点と同じ位置で、主蒸気配管6の周方向において後者の抽気点からずれた位置に存在する。蒸気供給管31は抽気管21に接続してもよい。

0066

蒸気供給管31によって高圧タービン3と湿分分離器4の間の主蒸気配管6から抽気された蒸気は、蒸気供給管31を通して蒸気圧縮装置27の蒸気圧縮機28に供給され、蒸気圧縮機28によって圧縮される。この圧縮により温度が上昇した蒸気は、実施例1と同様に、蒸気供給管32を通して過熱器34Aに供給され、高圧タービン3から排気された蒸気を過熱する。蒸気圧縮機28から排出される蒸気の温度は、駆動装置29の回転数を調節することによって所定の温度に高められる。

0067

本実施例では、高圧タービン3より上流の主蒸気配管6及び高圧タービン3から抽気した蒸気ではなく、高圧タービン3でタービンを駆動させる仕事をした蒸気を、高圧タービン3と湿分分離器4の間の主蒸気配管6から抽気して蒸気圧縮機28で圧縮して高温高圧状態にして、過熱器34Aに供給している。

0068

このような本実施例では、湿分分離過熱器に供給する加熱用の蒸気を、従来の沸騰水型原子力発電プラントのように、高圧タービン3より上流の主蒸気配管6及び高圧タービン3から抽気する必要が無く、従来、湿分分離過熱器で加熱用として用いられた蒸気を高圧タービン3に供給することができる。本実施例の沸騰水型原子力発電プラント1Cでは、従来の沸騰水型原子力発電プラントに比べて、高圧タービン3に供給される蒸気量が増加される。したがって、高圧タービン3での蒸気による仕事量が増大し、電気出力を向上させることができる。

0069

しかしながら、本実施例は、蒸気圧縮機28で圧縮する蒸気を高圧タービン3と湿分分離器4の間の主蒸気配管6で抽気しているため、この抽気した蒸気量の分だけ低圧タービン5A,5B,5Cに供給される蒸気量が減少し、各低圧タービンでの蒸気の仕事量が低下する。このため、本実施例は、実施例1に比べて電気出力の向上度合いが低下する。高圧タービン3から排気された蒸気を抽気して蒸気圧縮機28に供給するので、高圧タービン3での仕事量は、実施例3よりも増加する。本実施例の電気出力は、実施例3よりも増加する。

0070

本実施例では、高圧タービン3と湿分分離器4の間の主蒸気配管6から抽気した蒸気を蒸気圧縮機28に供給しているので、蒸気圧縮機28に供給される蒸気の温度は、実施例1で蒸気圧縮機28に供給される蒸気の温度よりも高くなっている。このため、実施例3と同様に、本実施例で蒸気圧縮機28に供給する抽気蒸気の流量を少なくすることができ、その分、低圧タービンでの仕事量を増加することができる。

0071

本実施例は、実施例1と同様に、復水器11から海に排出される温排水の熱量を低減することができ、再熱サイクルの沸騰水型原子力発電プラント1Cにおける熱効率をさらに向上させることができる。

0072

本発明の他の実施例である実施例5の発電プラントを、図5を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電プラント1Dである。

0073

沸騰水型原子力発電プラント1Dは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において湿分分離過熱器33を湿分分離過熱器33Aに替えた構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Dの他の構成は沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。

0074

沸騰水型原子力発電プラント1と異なる部分について説明する。湿分分離過熱器33Aは湿分分離過熱器33に過熱器34Bもう一段追加した構成を有する。このため、湿分分離過熱器33Aは湿分分離器4、及び過熱器34A,34Bを有する。過熱器34Bは過熱器34Aの下流で低圧タービンよりも上流で主蒸気配管6に設置される。過熱器34Bを設置した関係上、抽気管38及びドレン配管39が設けられる。高圧タービン3より上流の主蒸気配管6に接続された抽気管38は、過熱器34Bの複数の伝熱管に接続される。これらの伝熱管に接続されたドレン配管39が第1高圧給水加熱器16Aに接続される。過熱器34B内の、伝熱管の外側の領域が、主蒸気配管6に連絡される。

0075

本実施例では、高圧タービン3及び低圧タービン5Bで仕事をした湿り度の高い、低圧タービン5Bの第3抽気点から抽気された蒸気が、蒸気供給管31によって蒸気圧縮機28に供給されて圧縮される。蒸気圧縮機28で圧縮されて温度が上昇した過熱蒸気が蒸気供給管32を通して過熱器34Aの伝熱管内に供給される。この過熱蒸気の温度は、高圧タービン3から排気された蒸気の温度よりも高くなっているが、主蒸気配管6で高圧タービン3に供給される蒸気の温度よりも低くなっている。高圧タービン3から排気されて湿分分離器4で湿分を除去された蒸気が、過熱器34Aの胴体内に供給され、蒸気供給管32によって供給された過熱蒸気によって過熱される。過熱器34Aで過熱された蒸気は、過熱器34B内で、抽気管38で導かれたより温度の高い蒸気によって過熱され、さらに温度が上昇する。過熱器34Bで過熱された蒸気は低圧タービン5A,5B,5Cに供給される。抽気管38によって過熱器34Bに供給された蒸気は、過熱器34Aから排気された蒸気を過熱することによって凝縮され、ドレン水になる。このドレン水は、ドレン配管39を通して第1高圧給水過熱器16Aに導かれ、給水の加熱に利用される。

0076

本実施例は、湿分分離器及び2段の過熱器を有する湿分分離過熱器を設けた従来の沸騰水型原子力発電プラントに比べて、上流に位置する1段の過熱器に供給する蒸気を高圧タービン3から抽気する必要がない。沸騰水型原子力発電プラント1Dでは、高圧タービン3及び低圧タービン5Bで仕事をした蒸気を、蒸気圧縮機28での圧縮により温度を高めて上流に位置する過熱器34Aに供給している。

0077

このような本実施例では、従来の沸騰水型原子力発電プラントにおいて上流に位置する過熱器に供給するために高圧タービン3から抽気された蒸気を、高圧タービン3の抽気点より後段に位置する各動翼、及び低圧タービンに供給することができる。このため、高圧タービン3及び各低圧タービンでの仕事量が増加し、沸騰水型原子力発電プラント1Dでの電気出力が向上する。

0078

この理由を以下に具体的に説明する。特開2005−299644号公報及び特開平7−189609号公報のように1段の過熱器を設けた場合でも、必要とされる、この過熱器の伝熱面積は、本実施例の過熱器34A,34Bのトータルの伝熱面積と等しくなる。このため、これらの公開公報に記載された1段の過熱器に供給される蒸気(高圧タービンより上流で主蒸気配管から抽気した蒸気)の量は、本実施例において過熱器34Bに供給される蒸気量よりも多くなる。本実施例で用いられる過熱器34A,34Bは、各公開公報に記載された1段の過熱器を2つに分割したことに相当する。本実施例では、過熱器34Aに低圧タービンから抽気されて圧縮された蒸気を供給するので、特開2005−299644号公報及び特開平7−189609号公報に記載されたシステムよりも高圧タービン3に供給される蒸気量が増加し、高圧タービン3での仕事量が増大する。

0079

また、設置される過熱器が1段でも2段でも伝熱面積の大小にかかわらず、加熱する蒸気が1種類の場合と2種類の場合では、作動流体である主蒸気の、過熱器出口での温度の過熱度が異なる。すなわち、2段の過熱器(過熱器34A,34B)に温度が異なる2種類の抽気蒸気(蒸気圧縮機28で圧縮された蒸気、及び抽気管38で抽気された蒸気)を別々に供給して、それらの過熱器で主蒸気を加熱した場合には、後段の過熱器から排出された主蒸気の過熱温度が、特開2005−299644号公報及び特開平7−189609号公報に記載された1段の過熱器から排出された蒸気の過熱温度よりも高くなる。この結果、本実施例における熱効率が向上する。本実施例では、過熱器34Bから排気された主蒸気の過熱温度が高くなるので、低圧タービン5A,5B,5Cにおける仕事量が増大する。

0080

本実施例も、低圧タービン5Bの抽気蒸気を蒸気圧縮機28で圧縮して過熱器34Aに供給しているので、海に排出される温排水の熱量を低減でき、再熱サイクルの沸騰水型原子力発電プラント1Dにおける熱効率をさらに向上させることができる。

0081

本実施例、及び後述の実施例6,7,8及び9において、蒸気供給管31を低圧タービンではなく、蒸気排気通路37に接続し、低圧タービンから復水器に排出される蒸気を蒸気圧縮機に供給してもよい。

0082

本発明の他の実施例である実施例6の発電プラントを、図6を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電プラント1Eである。

0083

沸騰水型原子力発電プラント1Eは、実施例5の沸騰水型原子力発電プラント1Dにおいて蒸気圧縮装置27を蒸気圧縮装置27Aに替えた構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Eの他の構成は沸騰水型原子力発電プラント1Dと同じである。

0084

沸騰水型原子力発電プラント1Dと異なる部分について説明する。蒸気圧縮装置27Aは、2段の蒸気圧縮機28、すなわち、蒸気圧縮機28A,28B、駆動装置29及び制御弁30A,30Bを有している。蒸気圧縮機28A,28Bは、共通の回転軸によって駆動装置29に連結されている。蒸気圧縮機28Aの蒸気流入口が蒸気供給管31に接続される。制御弁30Aを設けた蒸気供給管32Aが、蒸気圧縮機28Aの蒸気流出口と過熱器34Aの複数の伝熱管を接続している。蒸気圧縮機28Aの蒸気流出口に接続された連絡配管40が、蒸気圧縮機28Bの蒸気流入口に接続される。制御弁30Bを設けた蒸気供給管32Bが、蒸気圧縮機28Bの蒸気流出口と過熱器34Bの複数の伝熱管を接続している。

0085

蒸気圧縮機28A,28Bは駆動装置29によって回転されている。原子炉2で発生して高圧タービン3及び低圧タービン5Bで仕事をした蒸気が、低圧タービン5Bの第3抽気点から抽気されて蒸気供給管31により蒸気圧縮機28Aに供給される。蒸気圧縮機28Aで圧縮されて温度が上昇した蒸気の一部は、蒸気供給管32Aを通って過熱器34Aの複数の伝熱管に供給される。高圧タービン3から排気されて湿分分離器4で湿分が除去された蒸気が、蒸気供給管32Aにより供給される蒸気によって、過熱器34Aで過熱される。蒸気圧縮機28Aで圧縮された蒸気の温度は、高圧タービン3から排気された蒸気の温度よりも高くなっている。

0086

蒸気圧縮機28Aで圧縮された蒸気の残りは、連絡配管40により蒸気圧縮機28Bに供給され、蒸気圧縮機28Bでさらに圧縮される。蒸気圧縮機28Bで圧縮された蒸気の温度は、蒸気圧縮機28Aから排気される蒸気の温度よりも高くなり、高圧タービン3に供給される蒸気の温度と同程度になる。蒸気圧縮機28Bで圧縮されて温度がさらに上昇した蒸気は、蒸気供給管32Bにより過熱器34Bの複数の伝熱管に導かれる。過熱器34Aから排気された蒸気は、過熱器34B内で蒸気供給管32Bにより供給された蒸気によって過熱され、さらに温度が上昇する。過熱器34Bで過熱された蒸気は、各低圧タービンに供給される。

0087

本実施例は、蒸気圧縮装置27Aを設置しているので、過熱器34A,34Bに供給する蒸気として、低圧タービン5Bの第3抽気点から抽気された、高圧タービン3及び低圧タービン5Bで仕事をした蒸気を用いている。このため、過熱器34A,34Bの加熱源としての蒸気を、高圧タービン3より上流の主蒸気配管6、及び高圧タービン3から抽気する必要がないので、高圧タービン3及び各低圧タービンに供給する蒸気の流量を、実施例1と同様に、増加させることができる。本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。

0088

制御弁30Aの開度調節によって、蒸気圧縮機28Aによる蒸気の圧縮比を調節することができ、蒸気圧縮機28Aで得られる蒸気の温度を調節することができる。制御弁30Bの開度調節によって、蒸気圧縮機28Bによる蒸気の圧縮比を調節することができ、蒸気圧縮機28Bで得られる蒸気の温度を調節することができる。

0089

本発明の他の実施例である実施例7の発電プラントを、図7を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電プラント1Fである。

0090

沸騰水型原子力発電プラント1Fは、実施例5の沸騰水型原子力発電プラント1Dにおいて湿分分離過熱器33Aを湿分分離過熱器33Bに替え、蒸気圧縮装置27を蒸気圧縮装置27Bに替えた構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Fの他の構成は沸騰水型原子力発電プラント1Dと同じである。

0091

沸騰水型原子力発電プラント1Dと異なる部分について説明する。湿分分離過熱器33Bは湿分分離過熱器33Aに過熱器34Cもう一段追加した構成を有する。この結果、湿分分離過熱器33Bは、湿分分離器4及び3段の過熱器(過熱器34A,34B,34C)を有する。過熱器34Cは過熱器34Bの下流で低圧タービンよりも上流で主蒸気配管6に設置される。過熱器34Cの複数の伝熱管に接続されたドレン配管41が第1高圧給水加熱器16Aに接続される。過熱器34C内にも、主蒸気配管6に連絡される複数の伝熱管が設けられている。

0092

蒸気圧縮装置27Bは、蒸気圧縮装置27Aにさらにもう1段の蒸気圧縮機28Cを追加した構成を有する。蒸気圧縮機28Cは、蒸気圧縮機28Bの回転軸に連結される。蒸気圧縮機28Bの蒸気流出口に接続された連絡配管40Aが、蒸気圧縮機28Cの蒸気流入口に接続される。制御弁30Cを設けた蒸気供給管32Cが、蒸気圧縮機28Cの蒸気流出口と過熱器34Cの複数の伝熱管側を接続している。ドレン配管41が、過熱器34Cの胴側と第1高圧給水過熱器16Aを接続する。

0093

本実施例では、実施例6と同様に、低圧タービン5Bの第3抽気点から抽気された蒸気が、蒸気圧縮機28Aで圧縮され、さらに、蒸気圧縮28Bで圧縮される。蒸気圧縮機28Aで圧縮されて温度が上昇した蒸気の一部が、蒸気供給管32Aにより過熱器34Aに供給される。蒸気圧縮機28Bで圧縮されてさらに温度が上昇した蒸気の一部が、蒸気供給管32Bにより過熱器34Bに供給される。蒸気圧縮機28Bから排気された残りの蒸気は、連絡配管40Aを通して蒸気圧縮機28Cに供給されて圧縮され、さらに温度が上昇する。蒸気圧縮機28Cから排気された蒸気は、蒸気供給管32Cにより過熱器34Cの複数の伝熱管側に供給される。過熱器34Bで過熱された蒸気は、蒸気供給管32Cにより過熱器34Cで過熱されて、各低圧タービンに供給される。蒸気圧縮機28A,28B,28Cでそれぞれ圧縮された蒸気は、蒸気圧縮機28A,28B,28Cの順に温度が高くなる。蒸気圧縮機28Cから排気された蒸気の温度が最も高くなる。

0094

本実施例も、実施例6で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、湿分分離器4で湿分が除去された蒸気を、3段の過熱器34A,34B,34Cで過熱することにより、実施例6に比べて、低圧タービンに供給する蒸気の過熱温度を高めることができる。このため、本実施例では、再熱サイクルの効率を向上させることができる。

0095

本発明の他の実施例である実施例8の発電プラントを、図8を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電プラント1Gである。

0096

沸騰水型原子力発電プラント1Gは、実施例7の沸騰水型原子力発電プラント1Fにおいて蒸気圧縮装置27Bを蒸気圧縮装置27Aに替え、過熱器34Cを高圧タービン3より上流の主蒸気配管6に接続した構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Gの他の構成は沸騰水型原子力発電プラント1Fと同じである。

0097

沸騰水型原子力発電プラント1Fと異なる部分について説明する。本実施例では、過熱器34Aには蒸気圧縮機28Aで圧縮された蒸気が、過熱器34Bには蒸気圧縮機28Bで圧縮された蒸気が、過熱器34Cには抽気管38で高圧タービン3より上流の主蒸気配管6から抽気された蒸気が、それぞれ供給され、高圧タービン3から排気されて湿分分離器4で湿分が除去された蒸気が順次過熱される。

0098

本実施例も、実施例7で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、実施例5と同様に、高圧タービン3よりも上流の主蒸気配管6から抽気した蒸気を抽気管38で過熱器34Cに供給しているので、高圧タービン3及び低圧タービンに供給される蒸気の流量が実施例7よりも減少する。このため、本実施例における高圧タービン3及び低圧タービンでの仕事量が、実施例7よりも低下する。しかしながら、本実施例では、実施例5と同様に、従来の沸騰水型原子力発電プラントにおいて上流に位置する過熱器に供給するために高圧タービン3から抽気された蒸気を、高圧タービン3の抽気点より後段に位置する各動翼、及び低圧タービンに供給することができる。このため、高圧タービン3及び各低圧タービンでの仕事量が増加し、沸騰水型原子力発電プラント1Gでの電気出力が、従来の沸騰水型原子力発電プラントよりも向上する

0099

本発明の他の実施例である実施例9の発電プラントを、図9を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電プラント1Hである。

0100

沸騰水型原子力発電プラント1Hは、実施例8の沸騰水型原子力発電プラント1Gにおいて蒸気圧縮装置27Aを蒸気圧縮装置27に替え、過熱器34Bを高圧タービン3の抽気点に接続した構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Hの他の構成は沸騰水型原子力発電プラント1Gと同じである。

0101

沸騰水型原子力発電プラント1Gと異なる部分について説明する。過熱器34Bの複数の伝熱管に接続された抽気管42が高圧タービン3の抽気点に接続される。

0102

本実施例では、過熱器34Aには蒸気圧縮機28で圧縮された蒸気が、過熱器34Bには抽気管42で高圧タービン3から抽気された蒸気が、過熱器34Cには抽気管38で高圧タービン3より上流の主蒸気配管6から抽気された蒸気が、それぞれ供給され、高圧タービン3から排気されて湿分分離器4で湿分が除去された蒸気が順次過熱される。

0103

本実施例は、低圧タービン5Bから抽気した蒸気を、蒸気圧縮機28で圧縮して温度を高め、過熱器34Aに供給しているので、海に排出される温排水の熱量を低減でき、再熱サイクルの沸騰水型原子力発電プラント1Hにおける熱効率を沸騰水型原子力発電プラント1Dよりもさらに向上させることができる。

0104

発電プラントにおける電気出力の向上は、蒸気発生装置からタービンに供給する蒸気の流量、及び発電プラントの熱効率のどちらかを増加させることによって達成できる。本実施例では、高圧タービン3に供給される蒸気の流量を従来のままとし、3段の過熱器(過熱器34A,34B,34C)によって最終段の過熱器34Cから排気される蒸気の過熱温度を上昇させることができる。この結果、再熱サイクルによる熱効率の向上が図られ、沸騰水型原子力発電プラント1Hの電気出力が向上する。

0105

本発明の他の実施例である実施例10の発電プラントを、図10を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、沸騰水型原子力発電プラント1Jである。

0106

沸騰水型原子力発電プラント1Jは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において蒸気圧縮装置27を蒸気圧縮装置27Cに替えた構成を有する。沸騰水型原子力発電プラント1Jの他の構成は沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。

0107

沸騰水型原子力発電プラント1と異なる部分について説明する。蒸気圧縮装置27Cは、2段の蒸気圧縮機28、すなわち、蒸気圧縮機28A,28B、駆動装置29、制御弁30及び凝縮器43A,43Bを有している。蒸気圧縮機28A,28Bは、共通の回転軸によって駆動装置29に連結されている。蒸気圧縮機28Aの蒸気流入口が蒸気供給管31に接続される。蒸気圧縮機28Aの蒸気流出口に接続された連絡配管40が、蒸気圧縮機28Bの蒸気流入口に接続される。凝縮器43A及びミストセパレータ48が連絡配管40に設けられ、凝縮器43Aがミストセパレータ48の上流に位置している。凝縮器43Bが、蒸気圧縮機28Bの蒸気流出口に接続された蒸気排出管49に接続される。制御弁30を設けた飽和水供給管51が、凝縮器43A,43Bのそれぞれの底部に接続され、さらに、過熱器34Aに接続される。ポンプ50が飽和水供給管51に設けられる。

0108

凝縮器43A内に設置された伝熱管44Aが、ポンプ47Aを設けた冷却水供給管45A、及び冷却水排出管46Aに接続される。凝縮器43B内に設置された伝熱管44Bが、ポンプ47Bを設けた冷却水供給管45B、及び冷却水排出管46Bに接続される。

0109

蒸気圧縮機28A,28Bは駆動装置29によって回転されている。原子炉2で発生して高圧タービン3及び低圧タービン5Bで仕事をした蒸気が、低圧タービンの第3抽気点から抽気されて蒸気供給管31により蒸気圧縮機28Aに供給される。蒸気圧縮機28Aで圧縮されて温度が上昇した蒸気は、連絡配管40によって凝縮器43Aに導かれる。ポンプ47Aが駆動され、冷却水が冷却水供給管45Aにより伝熱管44Aに供給される。凝縮器43Aに流入した蒸気の一部は、伝熱管44A内を流れる冷却水によって凝縮され、飽和水として凝縮器43Aの底部に落下する。伝熱管44A内の冷却水は温度が上昇して冷却水排出管46Aに排出される。凝縮器43Aの、伝熱管44Aの外側領域である胴側の圧力は、蒸気圧縮機28Aで圧縮された蒸気の圧力になっている。このため、凝縮器43Aの底部に溜まった飽和水の温度は、その蒸気圧力に見合った温度になっている。

0110

凝縮器43Aで凝縮されなかった蒸気が連絡配管40を通ってミストセパレータ48に導かれ、蒸気に含まれたミストがミストセパレータ48で除去される。ミストセパレータ48から排気された蒸気が、蒸気圧縮機28Bで圧縮されて温度がさらに上昇する。蒸気圧縮機28Bで圧縮された蒸気が、凝縮器43Bに導かれる。ポンプ47Bが駆動され、冷却水が冷却水供給管45Bにより伝熱管44Bに供給される。凝縮器43Bに流入した蒸気は、伝熱管44B内を流れる冷却水によって凝縮され、飽和水として凝縮器43Bの底部に落下する。伝熱管44B内の冷却水は温度が上昇して冷却水排出管46Bに排出される。凝縮器43Bの、伝熱管44Bの外側領域である胴側の圧力は、蒸気圧縮機28Bで圧縮された蒸気の圧力になっている。このため、凝縮器43Bの底部に溜まった飽和水の温度は、その蒸気圧力に見合った温度になっている。

0111

凝縮器43A,43Bで生成された高温の飽和水が、ポンプ50の駆動によって、飽和水供給管51を通って過熱器34Aに供給され、湿分分離器4で湿分が除去された蒸気を加熱する。

0112

本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、ポンプ50で昇圧した飽和水を過熱器34Aに供給するので、圧縮した蒸気を過熱器に供給する実施例1から実施例9に比べて駆動装置29の動力を極めて小さくすることができる。これは、本実施例の駆動装置29、ポンプ47A,47B,50で消費される合計の所内電力を、実施例1から実施例9の各駆動装置29で消費される所内電力よりも低減できる。

0113

本実施例において、蒸気供給管31を低圧タービンではなく、蒸気排出通路37、高圧タービンに形成された抽気点、及び高圧タービン3と湿分分離器4の間の主蒸気配管6のいずれかに接続してもよい。さらに、高圧タービン3から排出された蒸気を加熱する過熱器を2段にして、凝縮器43A内の飽和水を上流側の過熱器に、凝縮器43B内のより高温の飽和水を下流側の過熱器に供給してもよい。この過熱器を3段にした場合には、実施例7に示す蒸気圧縮機28Cをさらに設け、この蒸気圧縮機28Cで圧縮されて温度がさらに上昇した蒸気を別の凝縮器で圧縮して飽和水にし、この飽和水を3段目の過熱器に供給してもよい。

0114

本発明の他の実施例である実施例11の発電プラントを、図11を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、火力発電プラント1Kである。

0115

火力発電プラント1Kは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において原子炉1を蒸気発生装置であるボイラ52に替えた構成を有する。火力発電プラント1Kの他の構成は沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。

0116

沸騰水型原子力発電プラント1と異なる部分について説明する。火力発電プラント1Kでは、高圧タービン3に接続された主蒸気配管6がボイラ52に接続され、給水配管15がボイラ52に接続される。ボイラ52で発生した飽和蒸気が、主蒸気配管6を通って高圧タービン3及び低圧タービン5A,5B.5Cに供給される。給水は、給水配管15を通ってボイラ52に供給される。火力発電プラント1Kは、ボイラ52、沸騰水型原子力発電プラント1で用いられる主蒸気系及び給水系、及び蒸気圧縮装置27を備えている。

0117

このような本実施例も、実施例1で生じる各効果を得ることができる。実施例2から実施例10において原子炉2をボイラ52に替え、実施例2から実施例10を火力発電プラントに適用してもよい。

0118

本発明の他の実施例である実施例12の発電プラントを、図12を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、原子力発電プラントの一種である加圧水型原子力発電プラント1Lである。

0119

加圧水型原子力発電プラント1Lは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において蒸気圧縮装置27を蒸気圧縮装置27Cに替えた構成を有する。加圧水型原子力発電プラント1Lの他の構成は沸騰水型原子力発電プラント1と同じである。

0120

本実施例の加圧水型原子力発電プラント1Lは、原子炉2A,蒸気発生器(蒸気発生装置)53、一次冷却系配管55、沸騰水型原子力発電プラント1で用いられる主蒸気系及び給水系、及び蒸気圧縮装置27を備えている。この主蒸気系は、図1に示された高圧タービン3、低圧タービン5A,5B及び5C、主蒸気配管6、湿分分離過熱器33及び復水器11を含んでいる。給水系は、図1に示された給水配管15、高圧給水加熱器16A及び16B、低圧給水加熱器17A〜17D、抽気管20〜25及びドレン配管26,35を含んでいる。

0121

蒸気発生器53は、冷却水の循環ループを形成する一次冷却系配管55によって原子炉2Aに接続される。循環ポンプ54が一次冷却系配管55に設けられる。主蒸気配管6及び給水配管15は、蒸気発生器53に接続される。蒸気圧縮装置27の蒸気圧縮機28は、蒸気供給管31により低圧タービン5Bの第3抽気点に接続される。

0122

原子炉2A内の炉心で加熱された高温の冷却水が、循環ポンプ54を駆動することによって一次冷却系配管55を通って蒸気発生器53の胴体内に設置された複数の伝熱管(図示せず)内に供給される。この高温の冷却水は、蒸気発生器53の胴体内で伝熱管の外に供給される給水を加熱する。給水は、給水配管15から供給され、高温の冷却水による加熱によって蒸気になる。給水の加熱によって温度が低下した冷却水は、一次冷却系配管55を通って原子炉2Aに戻される。

0123

低圧タービン5Bから抽気された蒸気が蒸気供給管31によって蒸気圧縮機28に供給されて圧縮される。圧縮されて温度が上昇した蒸気(過熱蒸気)が、過熱器34Aに供給され、湿分分離器4から排出された蒸気を過熱する。過熱器34Aで過熱された蒸気は、各低圧タービンに供給される。

0124

本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。

0125

実施例2から実施例10において原子炉2を蒸気発生器53に替え、実施例2から実施例10を加圧水型原子力発電プラントに適用してもよい。

0126

本発明の他の実施例である実施例13の発電プラントを、図13を用いて説明する。本実施例の発電プラントは、原子力発電プラントの一種である高速増殖炉原子力発電プラント1Mである。

0127

高速増殖炉原子力発電プラント1Mは、高速増殖炉56、中間熱交換器57、一次循環ポンプ58、一次冷却系配管59、蒸気発生器(蒸気発生装置)60、二次循環ポンプ61、二次冷却系配管62、沸騰水型原子力発電プラント1で用いられる主蒸気系及び給水系、及び蒸気圧縮装置27を備えている。この主蒸気系は、図1に示された高圧タービン3、低圧タービン5A,5B及び5C、主蒸気配管6、湿分分離過熱器33及び復水器11を含んでいる。給水系は、図1に示された給水配管15、高圧給水加熱器16A及び16B、低圧給水加熱器17A〜17D、抽気管20〜25及びドレン配管26,35を含んでいる。図13では、沸騰水型原子力発電プラント1が有する主蒸気系及び給水系(図1参照)に設けられた、低圧タービン5A及び5C、第1高圧給水加熱器16A以外の給水加熱器、各抽気管、及び各ドレン配管が、省略されている。

0128

一次冷却系配管59が、高速増殖炉56、中間熱交換器57、一次循環ポンプ58及び高速増殖炉56をこの順序に接続し、一次系冷却材(例えば、液体ナトリウム)が一次冷却系閉ループを形成する。二次冷却系配管62が、中間熱交換器57、蒸気発生器60、二次循環ポンプ61及び中間熱交換器57をこの順序に接続し、二次冷却系の閉ループを形成する。主蒸気配管6及び給水配管15は、蒸気発生器60に接続される。蒸気圧縮装置27の蒸気圧縮機28は、蒸気供給管31により低圧タービン5Bの第3抽気点に接続される。

0129

一次循環ポンプ57の駆動によって、高速増殖炉56内の炉心で加熱された一次系冷却材(例えば、液体ナトリウム)が、一次冷却系配管59を通って中間熱交換器57に導かれる。高温の一次系冷却材は、中間熱交換器57において、二次冷却系配管62から供給される二次系冷却材(例えば、液体ナトリウム)を加熱する。温度が低下した一次系冷却材が高速増殖炉56に戻される。二次循環ポンプ61の駆動によって、中間熱交換器57で加熱された二次系冷却材が、二次冷却系配管62を通って蒸気発生器60に導かれる。給水配管15で供給された給水が、蒸気発生器60内で二次系冷却材によって加熱されて蒸気になる。

0130

蒸気発生器60で発生した蒸気は、沸騰水型原子力発電プラント1と同様に、主蒸気配管6を通って高圧タービン3、及び低圧タービン5A,5B及び5Cに供給される。低圧タービンから排気された蒸気は、復水器11で凝縮されて水になる。この水は、給水として、沸騰水型原子力発電プラント1と同様に、給水配管15を通り、各給水加熱器1によって順次加熱されて温度を上昇させ、設定温度になった状態で蒸気発生器60に供給される。

0131

本実施例でも、沸騰水型原子力発電プラント1と同様に、低圧タービン5Bの第3抽気点から抽気された蒸気が、蒸気圧縮機28で圧縮されて温度が上昇して過熱蒸気になって、過熱器34Aに供給される。この過熱蒸気が、過熱器34Aで、湿分分離器4から排出された蒸気を過熱する。過熱器34Aで過熱された蒸気は、各低圧タービンに供給される。

0132

本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。

0133

実施例2から実施例10において原子炉2を蒸気発生器60に替え、実施例2から実施例10を高速増殖炉原子力発電プラントに適用してもよい。

0134

本発明の他の実施例である実施例14の発電プラントを、図14を用いて説明する。本実施例の発電プラントは火力発電プラントである。本実施例は、具体的には、火力コンバインド発電プラント1Nである。

0135

火力コンバインド発電プラント1Nは、ガスタービン発電プラント及び蒸気発電プラントを備えている。ガスタービン発電プラントは、圧縮機64、ガスタービン65、燃焼器66及び発電機67を有する。圧縮機64、ガスタービン65及び発電機67は、一軸の回転軸にて連結されている。燃焼空気配管68が、圧縮機64の空気流入口に接続され、さらに、圧縮機64の空気排出口と燃焼器66を接続している。燃焼器66は、配管によりガスタービン65に接続される。蒸気発電プラントは、実施例1の沸騰水型原子力発電プラント1において原子炉2を蒸気発生器(蒸気発生装置)63に替えた構成を有する。主蒸気配管6及び給水配管15が、蒸気発生器63に接続される。ガスタービン65の排ガス吐出口に接続された排ガス配管70が蒸気発生器63に接続されている。

0136

燃焼空気配管68から供給される燃焼空気が、圧縮機64で圧縮されて燃焼器66内に供給される。燃料供給管69から燃焼器66内に供給される燃料が、燃焼器66内で燃焼される。発生した高温高圧燃焼ガスが、ガスタービン65に供給されてガスタービン65を回転させる。発電機67も回転し、電力を発生する。ガスタービン65から排出された高温の排ガスは、排ガス配管70を通って蒸気発生器63に導かれ、給水配管15を通して蒸気発生器63に供給される給水を加熱する。この給水は、加熱されて蒸気になる。蒸気発生器63で発生した蒸気は、沸騰水型原子力発電プラント1と同様に、主蒸気配管6を通って高圧タービン3、及び低圧タービン5A,5B及び5Cに供給される。低圧タービンから排気された蒸気は、復水器11で凝縮されて水になる。この水は、給水として、沸騰水型原子力発電プラント1と同様に、給水配管15を通り、各給水加熱器によって順次加熱されて温度を上昇させ、設定温度になった状態で蒸気発生器63に供給される。

0137

本実施例でも、沸騰水型原子力発電プラント1と同様に、低圧タービン5Bの第3抽気点から抽気された蒸気が、蒸気圧縮機28で圧縮されて温度が上昇して過熱蒸気になって、過熱器34Aに供給される。この過熱蒸気が、過熱器34Aで、湿分分離器4から排出された蒸気を過熱する。過熱器34Aで過熱された蒸気は、各低圧タービンに供給される。

0138

本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。

実施例

0139

実施例2から実施例10において原子炉2を蒸気発生器63に替え、実施例2から実施例10を火力コンバインド発電プラントに適用してもよい。

0140

本発明は、沸騰水型原子力発電プラント及び加圧水型原子力プラント等の原子力発電プラント、及び火力発電プラントのような発電プラントに適用することができる。

0141

1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1J…沸騰水型原子力発電プラント、1K…火力発電プラント、1L…加圧水型原子力発電プラント、1M…高速増殖炉原子力発電プラント、1N…火力コンバインド発電プラント、2,2A…原子炉、3…高圧タービン、4…湿分分離器、5A,5B,5C…低圧タービン、6…主蒸気配管、11…復水器、15…給水配管、16A…第1高圧給水加熱器、16B…第2高圧給水加熱器、17A…第3低圧給水加熱器、17B…第4低圧給水加熱器、17C…第5低圧給水加熱器、17D…第6低圧給水加熱器、19…給水ポンプ、20,21,22,23,24,25,38…抽気管、26,35,39,41…ドレン配管、27,27A,27B,27C…蒸気圧縮装置、28,28A,28B,28C…蒸気圧縮機、29…駆動装置、31,32,32A,32B,32C…蒸気供給管、33,33A,33B…湿分分離過熱器、34,34A,34B,34C…過熱器、43A,43B…凝縮器、52…ボイラ、53,60…蒸気発生器、56…高速増殖炉、65…ガスタービン、66…燃焼器。

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