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技術 縦型回転塑性加工装置

出願人 日本スピンドル製造株式会社
発明者 石田博昭
出願日 2009年9月15日 (11年3ヶ月経過) 出願番号 2009-213638
公開日 2011年3月31日 (9年8ヶ月経過) 公開番号 2011-062711
状態 特許登録済
技術分野 回転塑性加工
主要キーワード 遮断カバー 駆動回転機構 油圧発生機 本願構造 閉塞度合い 閉塞度 軸位置決め機構 運搬移動
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

加熱手段等の熱による悪影響を防止しながら、比較的簡便かつ低廉な構成で成形型交換が可能な縦型回転塑性加工装置を提供する。

解決手段

成形型2上の被加工材を回転させ心押機構6で支持しローラ塑性加工可能で、心押機構6を成形型2の上方の加工位置Cと上方から退避した退避位置Eとを移動させる移動機構8を備えた縦型回転塑性加工装置1で、心押機構6の加工位置Cと退避位置Eとの間の移動を許容するように基台の上部フレーム42に、開口部30が加工位置Cに対応する第1開口部30aと退避位置Eに対応する第2開口部30bとを備えて形成され、心押機構6が退避位置Eに位置する退避姿勢で第1開口部30aが成形型2が通過可能に開口形成されかつ第2開口部30bが閉塞され、心押機構6が加工位置Cに位置する加工姿勢で第2開口部30bが開口されかつ第1開口部30aが閉塞される。

概要

背景

従来、上記縦型回転塑性加工装置においては、駆動回転機構としての電動機により上下方向軸芯回りに回転する主軸成形型を配設し、この成形型上に被加工材を載置する。成形型に載置された被加工材を心押機構により主軸の軸芯の上方側から支持し(具体的には上方から押え位置決めし)、被加工材を回転可能に固定する。そして、この支持状態で、主軸の軸芯回りに回転される被加工材にローラ外径側から当接させて成形型の形状に沿った形状に塑性加工する(例えば、特許文献1参照)。
このような縦型回転塑性加工装置は、例えば、左右方向軸芯回りに回転する主軸に成形型を配設する横型回転塑性加工装置よりも装置の設置面積を小さくすることができ、設置面積に制約がある場合等に有効に利用されている。

ここで、上記縦型回転塑性加工装置では、被加工材の塑性加工が終了した場合には、成形型から被加工材を抜き取ることができる位置(成形型と被加工材とが干渉せず、かつ、被加工材と心押機構とが干渉しない位置)にまで心押機構を上昇させることが必要である。そのため、心押機構を構成する加圧手段としての油圧シリンダ等の上下方向での移動可能距離を大きく確保する必要があり、必然的に心押機構の上下方向での長さ(高さ)が大きくなるものであった。

特許文献1に記載の縦型回転塑性加工装置では、被加工材を回転可能な状態で固定する心押機構を、成形型の上方で被加工材を支持可能な加工位置と成形型の上方から退避した退避位置との間で基台の前後方向に移動させる移動機構が設けられている。この移動機構により、被加工材をローラで塑性加工するときは、心押機構の位置を被加工材の支持が可能な成形型の上方である加工位置とし、一方で、被加工材の塑性加工が終了したときは、心押機構の位置を成形型の上方から退避した退避位置とすることができる。これにより、心押機構を加工位置から退避位置に移動する際に、少なくとも心押機構を成形型に載置された状態の被加工材と干渉しない位置にまで上昇させるだけでよいので、心押機構の上昇が必要な移動距離をできるだけ小さくすることができる。すなわち、塑性加工が終了した被加工材を成形型から抜き取る際には、成形型から抜き出した被加工材と心押機構との干渉を考慮して心押機構を余分に上昇させる必要がなくなる。従って、心押機構の上下方向での長さ(高さ)を比較的短くすることができ、縦型回転塑性加工装置自体の高さを、例えば当該装置の搬送時に分解する必要がない程度(例えば、4m程度以下)にまで抑制することが可能である。

概要

加熱手段等の熱による悪影響を防止しながら、比較的簡便かつ低廉な構成で成形型の交換が可能な縦型回転塑性加工装置を提供する。成形型2上の被加工材を回転させ心押機構6で支持しローラで塑性加工可能で、心押機構6を成形型2の上方の加工位置Cと上方から退避した退避位置Eとを移動させる移動機構8を備えた縦型回転塑性加工装置1で、心押機構6の加工位置Cと退避位置Eとの間の移動を許容するように基台の上部フレーム42に、開口部30が加工位置Cに対応する第1開口部30aと退避位置Eに対応する第2開口部30bとを備えて形成され、心押機構6が退避位置Eに位置する退避姿勢で第1開口部30aが成形型2が通過可能に開口形成されかつ第2開口部30bが閉塞され、心押機構6が加工位置Cに位置する加工姿勢で第2開口部30bが開口されかつ第1開口部30aが閉塞される。

目的

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、加熱手段等の熱による悪影響を防止しながら、比較的簡便かつ低廉な構成で成形型の交換が可能な縦型回転塑性加工装置を提供する

効果

実績

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請求項1

成形型に載置された被加工材を、上下方向軸芯回りに回転させる駆動回転機構と、基台の上部フレームに設けられ、前記駆動回転機構により回転される前記被加工材を前記成形型の上方側から支持する心押機構と、回転状態にある前記被加工材に当接して、前記被加工材を前記成形型の形状に沿った形状に塑性加工するローラと、前記心押機構を、前記成形型の上方で前記被加工材を支持可能な加工位置と前記成形型の上方から退避した退避位置との間で移動させる移動機構とを備えた縦型回転塑性加工装置であって、前記心押機構の前記加工位置から前記退避位置への移動において、前記心押機構の一部の移動を許容する開口部が前記基台の上部フレームに形成され、前記開口部は、前記加工位置に対応する第1開口部と、前記退避位置に対応する第2開口部とを備えて形成されており、前記心押機構が前記退避位置に位置する退避姿勢で、前記第1開口部が前記成形型が通過可能に開口形成されるとともに、前記第2開口部が閉塞され、前記心押機構が前記加工位置に位置する加工姿勢で、前記第2開口部が開口されるとともに、前記第1開口部が閉塞される縦型回転塑性加工装置。

請求項2

前記ローラとして、対向して配置された一対のローラを備え、当該一対のローラ間に前記成形型が配置されている請求項1に記載の縦型回転塑性加工装置。

請求項3

前記ローラにより塑性加工される前記被加工材を加熱する加熱手段を備えた請求項1又は2に記載の縦型回転塑性加工装置。

請求項4

前記加工姿勢で、前記第2開口部を閉塞する閉塞手段を備えた請求項1〜3の何れか一項に記載の縦型回転塑性加工装置。

請求項5

前記開口部の周囲の前記上部フレームのうち前記開口部の基台前側部分に、前記開口部が基台前側に拡張された拡張開口部を備える請求項1〜4の何れか一項に記載の縦型回転塑性加工装置。

技術分野

0001

本発明は、成形型に載置された被加工材を、上下方向軸芯回りに回転させる駆動回転機構と、基台の上部フレームに設けられ、駆動回転機構により回転される被加工材を成形型の上方側から支持する心押機構と、回転状態にある被加工材に当接して、被加工材を成形型の形状に沿った形状に塑性加工するローラと、心押機構を、成形型の上方で被加工材を支持可能な加工位置と成形型の上方から退避した退避位置との間で移動させる移動機構とを備えた縦型回転塑性加工装置に関する。

背景技術

0002

従来、上記縦型回転塑性加工装置においては、駆動回転機構としての電動機により上下方向軸芯回りに回転する主軸に成形型を配設し、この成形型上に被加工材を載置する。成形型に載置された被加工材を心押機構により主軸の軸芯の上方側から支持し(具体的には上方から押え位置決めし)、被加工材を回転可能に固定する。そして、この支持状態で、主軸の軸芯回りに回転される被加工材にローラを外径側から当接させて成形型の形状に沿った形状に塑性加工する(例えば、特許文献1参照)。
このような縦型回転塑性加工装置は、例えば、左右方向軸芯回りに回転する主軸に成形型を配設する横型回転塑性加工装置よりも装置の設置面積を小さくすることができ、設置面積に制約がある場合等に有効に利用されている。

0003

ここで、上記縦型回転塑性加工装置では、被加工材の塑性加工が終了した場合には、成形型から被加工材を抜き取ることができる位置(成形型と被加工材とが干渉せず、かつ、被加工材と心押機構とが干渉しない位置)にまで心押機構を上昇させることが必要である。そのため、心押機構を構成する加圧手段としての油圧シリンダ等の上下方向での移動可能距離を大きく確保する必要があり、必然的に心押機構の上下方向での長さ(高さ)が大きくなるものであった。

0004

特許文献1に記載の縦型回転塑性加工装置では、被加工材を回転可能な状態で固定する心押機構を、成形型の上方で被加工材を支持可能な加工位置と成形型の上方から退避した退避位置との間で基台の前後方向に移動させる移動機構が設けられている。この移動機構により、被加工材をローラで塑性加工するときは、心押機構の位置を被加工材の支持が可能な成形型の上方である加工位置とし、一方で、被加工材の塑性加工が終了したときは、心押機構の位置を成形型の上方から退避した退避位置とすることができる。これにより、心押機構を加工位置から退避位置に移動する際に、少なくとも心押機構を成形型に載置された状態の被加工材と干渉しない位置にまで上昇させるだけでよいので、心押機構の上昇が必要な移動距離をできるだけ小さくすることができる。すなわち、塑性加工が終了した被加工材を成形型から抜き取る際には、成形型から抜き出した被加工材と心押機構との干渉を考慮して心押機構を余分に上昇させる必要がなくなる。従って、心押機構の上下方向での長さ(高さ)を比較的短くすることができ、縦型回転塑性加工装置自体の高さを、例えば当該装置の搬送時に分解する必要がない程度(例えば、4m程度以下)にまで抑制することが可能である。

先行技術

0005

国際公開2006/038551号

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記特許文献1に開示の縦型回転塑性加工装置においては、例えば、加熱手段により加熱した状態で被加工材を塑性加工することにより、加熱手段による熱及び加熱された被加工材による熱等により被加工物の周囲等に熱がこもり、縦型回転塑性加工装置を構成する機構が悪影響を受ける虞がある。従って、従来技術においては、装置内に残留する熱に関して改善する余地があった。

0007

また、上記特許文献1に開示の縦型回転塑性加工装置においては、例えば、装置の設置面積が比較的小さくなるように構成されているため、比較的重量の大きな成形型を交換する設備を装置内に設置することは困難であり、成形型を交換する際には装置の外部から当該成形型を搬出入する必要がある。この場合、成形型の搬出入が可能なロボット等の大掛かりな設備を用意する必要があり、余計な労力及び費用が必要となるという問題がある。

0008

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、加熱手段等の熱による悪影響を防止しながら、比較的簡便かつ低廉な構成で成形型の交換が可能な縦型回転塑性加工装置を提供する点にある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するための本発明に係る縦型回転塑性加工装置は、
成形型に載置された被加工材を、上下方向軸芯回りに回転させる駆動回転機構と、
基台の上部フレームに設けられ、前記駆動回転機構により回転される前記被加工材を前記成形型の上方側から支持する心押機構と、
回転状態にある前記被加工材に当接して、前記被加工材を前記成形型の形状に沿った形状に塑性加工するローラと、
前記心押機構を、前記成形型の上方で前記被加工材を支持可能な加工位置と前記成形型の上方から退避した退避位置との間で移動させる移動機構とを備えた縦型回転塑性加工装置であって、その特徴構成は、
前記心押機構の前記加工位置から前記退避位置への移動において、前記心押機構の一部の移動を許容する開口部が前記基台の上部フレームに形成され、前記開口部は、前記加工位置に対応する第1開口部と、前記退避位置に対応する第2開口部とを備えて形成されており、
前記心押機構が前記退避位置に位置する退避姿勢で、前記第1開口部が前記成形型が通過可能に開口形成されるとともに、前記第2開口部が閉塞され、
前記心押機構が前記加工位置に位置する加工姿勢で、前記第2開口部が開口されるとともに、前記第1開口部が閉塞される点にある。

0010

上記特徴構成によれば、移動機構による心押機構の加工位置と退避位置との間での移動を許容する開口部が基台の上部フレームに形成されているので、被加工材を塑性加工する際に発生する熱(例えば、加熱手段により被加工材を加熱する際の熱)を装置内から開口部を介して装置外放熱することができる。具体的には、開口部は、成形型の上方で被加工材を支持可能な加工位置に対応する第1開口部と、成形型の上方から退避した退避位置に対応する第2開口部とを備えている。そして、心押機構が退避位置に位置する退避姿勢で、開口部において加工位置に対応する第1開口部を開口形成するとともに退避位置に対応する第2開口部を閉塞し、一方で、心押機構が加工位置に位置する加工姿勢で、開口部において第2開口部を開口形成するとともに第1開口部を閉塞するように構成されている。これにより、心押機構が加工位置(加工姿勢)及び退避位置(退避姿勢)のいずれの位置(姿勢)にある場合であっても、基台の上部フレームには熱を開放可能な開口が存在することとなり、装置内の熱を装置外に常に放熱することができる。従って、熱ごもりによる装置内の機器への悪影響を防止することができる。
また、心押機構が退避位置(退避姿勢)にある場合、すなわち、開口部のうち加工位置に対応する第1開口部が開放され、退避位置に対応する第2開口部が心押機構により閉塞されている場合には、第1開口部は、成形型が当該第1開口部を通過できる大きさに形成されている。これにより、成形型自体を交換したいとき(例えば、被加工材の塑性加工が終了して被加工材を抜き出した後、他の形状の被加工材の成形を行う場合等)には、例えば、駆動回転機構に取り付けられた成形型を基台の上方に位置させたクレーン等により上方に上昇させ、第1開口部を介して装置外に取り出すことができる。同様に、新たな成形型を駆動回転機構に取り付ける場合であっても、装置外から新たな成形型をクレーン等により下方に下降させ、第1開口部を介して装置内に移動させて、駆動回転機構に取り付けることができる。従って、比較的重量の大きな成形型を、比較的簡便で低廉な構成のクレーン等により交換することが可能となる。
よって、縦型回転塑性加工装置において、加熱手段等の熱による装置内の機器等に対する悪影響を防止しながら、比較的簡便かつ低廉な構成で成形型の交換が可能となる。

0011

本発明に係る縦型回転塑性加工装置の更なる特徴構成は、前記ローラとして、対向して配置された一対のローラを備え、当該一対のローラ間に前記成形型が配置されている点にある。

0012

上記特徴構成によれば、一対のローラが成形型を挟んで対向する状態で配置されているので、当該一対のローラにより成形型に対し異なる箇所から同時に塑性加工を行うことができ、より容易、正確かつ迅速に所望の塑性加工を行うことができる。
また、このように一対のローラが成形型を挟んで対向する状態で配置されている場合には、これらローラが配置されている箇所には当該ローラの駆動機構等を設ける必要があるため、空きスペースがほとんどなく比較的複雑な構成となり易い。このような場合、例えば、成形型の交換等の作業に支障を生じる虞がある。しかしながら、上記の通り、基台の上部フレームにおける開口部には、心押機構が退避位置(退避姿勢)にある場合に成形型を通過可能な第1開口部が形成されているので、当該第1開口部を介して成形型の交換等を行うことができ、一対のローラ(ローラの駆動機構等を含む)が存在しても成形型の交換等の作業を容易に行うことができ、当該作業に支障を生じることがない。
よって、被加工材の塑性加工をより容易かつ正確に行うことができるとともに、成形型の交換をより簡便に行うことが可能となる。

0013

本発明に係る縦型回転塑性加工装置の更なる特徴構成は、前記ローラにより塑性加工される前記被加工材を加熱する加熱手段を備えた点にある。

0014

上記特徴構成によれば、被加工材を塑性加工する際には、被加工材を加熱手段により加熱しながら、例えば温間又は熱間加工等を行うことができ、より容易かつ正確に塑性加工を行うことができる。

0015

本発明に係る縦型回転塑性加工装置の更なる特徴構成は、前記加工姿勢で、前記第2開口部を閉塞する閉塞手段を備えた点にある。

0016

上記特徴構成によれば、心押機構が加工位置に位置する加工姿勢にある場合には、第1開口部は心押機構により閉塞されているが、第2開口部は開口した状態であるため、閉塞手段により第2開口部を閉塞することにより、被加工材を塑性加工する際の熱が第2開口部を介して装置外に放熱されるのを防止して、被加工材の塑性加工をより良好に行うことができる。

0017

本発明に係る縦型回転塑性加工装置の更なる特徴構成は、前記開口部の周囲の前記上部フレームのうち前記開口部の基台前側部分に、前記開口部が基台前側に拡張された拡張開口部を備える点にある。

0018

上記特徴構成によれば、基台の上部フレームにおける開口部の周囲(梁部分)のうち開口部(第1開口部)の基台前側部分(前側梁部分)に、開口部が基台前側に拡張された拡張開口部を備えるので、成形型の交換等の際に、例えば基台の上方に位置させたクレーンを使用して第1開口部を介して成形型を出し入れする場合において、成形型が基台前側部分(前側梁部分)に干渉することなく、クレーンによる成形型の運搬移動、成形型の出し入れをより容易かつ簡便に行うことができる。

図面の簡単な説明

0019

縦型スピニング加工装置の正面図
縦型スピニング加工装置の平面図
縦型スピニング加工装置の側面図
移動機構による心押機構の移動を示す部分平面
縦型スピニング加工装置の要部拡大平面図
(a)移動機構による心押機構の移動概念を示す図、(b)クレーンによる成形型の交換概念を示す図
心押機構及び移動機構の構成を示す概略断面図
別実施形態に係る心押機構の構成を示す概略断面図
別実施形態に係る上部固定フレームの構成を示す概略平面
別実施形態に係る閉鎖手段の構成を示す概略平面図

実施例

0020

以下、本願に係る縦型回転塑性加工装置の一例としての縦型スピニング加工装置1を、図1から図7に基づいて説明する。説明に際しては、先ず、縦型スピニング加工装置1の概略構成を説明し、その後、本願の特徴構成である心押機構6及び基台5に形成された開口部30の構成に関して説明する。

0021

〔縦型スピニング加工装置の概略構成〕
図1から図3に示すように、縦型スピニング加工装置1は、成形型2に載置された被加工材3を、上下方向軸芯P回りに回転させる駆動回転機構4と、基台5の上部固定フレーム42(上部フレームの一例であるが詳細は後述する)に設けられ、駆動回転機構4により回転される被加工材3を成形型2の上方側から支持する心押機構6と、回転状態にある被加工材3に当接して、被加工材3を成形型2の形状に沿った形状に塑性加工するローラ7と、心押機構6を、成形型2の上方で被加工材3を支持可能な加工位置Cと成形型2の上方から退避した退避位置Eとの間で移動させる移動機構8とを備える。
なお、以下の説明では、上下方向軸芯Pに平行な縦型スピニング加工装置1の上下方向をZ方向、Z方向に直交する縦型スピニング加工装置1の左右方向(図1において、装置を正面から見た場合の左右方向)をX方向、Z方向に直交する縦型スピニング加工装置1の前後方向(図1において、装置を正面から見た場合の奥行き方向)をY方向として説明する。

0022

〔基台の構造〕
図1から図5に示すように、縦型スピニング加工装置1の基台5は、装置下部に備えられる下部固定フレーム40と、当該下部固定フレーム40に立設される4本の柱状固定フレーム41と、これら4本の柱状固定フレーム41の上部に配設される上部固定フレーム42とを備えて構成されている。
下部固定フレーム40は、正面視及び平面視で概略長方形状に形成されている。下部固定フレーム40は、床面Fとの間で高さ調整可能な複数の脚部43を介して配置された平板状の機器載置架台44の上部に、一体的に固定して配置されている。下部固定フレーム40の上部には、正面視で中央部分に成形型2を載置して回転させるための主軸9が配置される主軸台10が設けられている(図1参照)。この主軸9は、図2及び図5に示すように、平面視で下部固定フレーム40の前面側(−Y方向側)に偏った状態で配置されている。
柱状固定フレーム41は、図1図3図5に示すように、主軸9に対して左右対称となる位置で、下部固定フレーム40の前面側(−Y方向側)に配置される一対の柱状固定フレーム41aと、主軸9に対して左右対称となる位置で、下部固定フレーム40の後面側(+Y方向側)に配置される一対の柱状固定フレーム41bとを備えて構成されている。
上部固定フレーム42は、図1に示すように、正面視で平板状に形成され、4本の柱状固定フレーム41に支持された状態で、当該柱状固定フレーム41の上部に配置されている。なお、上部固定フレーム42の上部には、当該上部固定フレーム42を補強する補強リブ45が左右方向(X方向)及び前後方向(Y方向)に沿って複数立設されている。
機器載置架台44の上部には、基台5のほか、所定の機器が載置されている。例えば、図1に示すように、下部固定フレーム40よりも後面側(+Y方向側)には、主軸9を上下方向軸芯P周りに回転させるための主軸モータM1が配設されている。また、主軸モータM1の左方向(−X方向側)には、縦型スピニング加工装置1で使用する油圧を発生する油圧発生機器11が載置されている。さらに、主軸モータM1の右方向(+X方向側)には、縦型スピニング加工装置1からの振動伝動しない状態で、制御装置(図示せず)を収納した制御装置ケース12が載置されている。
そして、機器載置架台44の上部に固定された基台5や上記所定の機器は、遮断カバー46により囲繞されており、当該遮断カバー46により縦型スピニング加工装置1の外部空間と内部空間とが遮断されるように構成されている。この遮断カバー46は平板状に形成され、長方形状に形成された機器載置架台44の外周に沿って設けられた枠部材に配設されており、機器載置架台44の外周部に立設されている(図1図3参照)。

0023

〔駆動回転機構〕
駆動回転機構4は、成形型2を載置する主軸9と、主軸9を上下方向軸芯P周りに回転させ、主軸9とともに成形型2に取り付けられた被加工材3を回転させるための主軸モータM1とを備えて構成されている。これにより、主軸9上に成形型2を配設し、その成形型2にローラ7を当接させた状態で被加工材3をスピニング加工(塑性加工)することができる。本例の場合は、被加工材3は、一端側(図1に示す上端側)の加工が施された円形(平面視)のホイール素材である。従って、駆動回転機構4は、成形型2の形状に沿って塑性加工される被加工材3を上下方向軸芯P回りに回転させる構成とされている。

0024

〔ローラ及びローラの駆動機構〕
縦型スピニング加工装置1は、主軸9に載置され上下方向軸芯P周りに回転する被加工材3に当接して、この被加工材3をスピニング加工(塑性加工)するローラ7を備えて構成されている。このローラ7は、被加工材3の回転に伴って回転軸芯Q周りで従動回転するように構成されている。
さらに、縦型スピニング加工装置1は、ローラ7を、上下方向軸芯P(主軸9)に対して近接・離間するX軸方向(図1の左右方向)、上下方向軸芯Pと平行なZ軸方向(図1の上下方向)の2軸方向で位置決めする2軸位置決め機構13(ローラの駆動機構の一例)及び被加工材3を成形型2の形状に沿った形状に塑性加工すべく2軸位置決め機構13等を働かせる制御装置が備えられている。
即ち、縦型スピニング加工装置1では、制御装置には、予め、被加工材3に対するローラ7の位置を加工に適した位置に維持すべき情報が記憶されており、この情報が2軸位置決め機構13に送られることで、ローラ7の位置を適切に設定しながら加工を行うことができる。

0025

2軸位置決め機構13に関して簡単に説明すると、ローラ7は、保持フレーム14に保持され、この保持フレーム14を適切に位置決めすることで、ローラ7の位置が位置決めされる。
上下方向軸芯Pに対する近接・離間方向であるX方向に関しては、X軸モータM2により、主軸9や柱状固定フレーム41に対して保持フレーム14がX方向に移動可能、位置決め可能に構成されている。
上下方向軸芯Pと平行なZ方向に関しては、Z軸モータM3により、主軸9や柱状固定フレーム41に対して保持フレーム14がZ方向に移動可能、位置決め可能に構成されている。

0026

また、本例では、ローラ7として一対のローラ7a,7bを備え、一対のローラ7a,7bが主軸9(成形型2)を挟んで左右に対向する状態で左右一対の保持フレーム14にそれぞれ保持されている。したがって、それぞれのローラ7a,7bに対応する一対の2軸位置決め機構13も、主軸9(成形型2)を挟んで左右に対向する状態で下部固定フレーム40上に配置されている。なお、このように、2軸位置決め機構13が主軸9を挟んで左右に一対配置された状態で、当該2軸位置決め機構13の下部が下部固定フレーム40に固定され、その側部が保持フレーム14及び接続部材15を介して柱状固定フレーム41に固定されているので、ローラ7による被加工材3のスピニング加工時に大きな力が加わる場合であっても、縦型スピニング加工装置1の剛性を十分に確保することができる構成となっている。

0027

〔心押機構〕
心押機構6は、図1図4図7などに示すように、駆動回転機構4により主軸9とともに回転される成形型2に取り付けた被加工材3を、上方側から支持して固定するための機構である。心押機構6は、主軸9(成形型2)の上方側の上部固定フレーム42に配設されている。
心押機構6は、被加工材3に当接して上方側から被加工材3を支持する回転支持部20と、少なくとも回転支持部20を上下方向(Z方向)に移動させる油圧シリンダ部21(加圧手段の一例)と、回転支持部20を回転可能に支持する固定支持部22とを備えて構成されている。

0028

回転支持部20は、心押機構6の最下部に配置され、被加工材3に当接する部材であり、被加工材3の回転により従動回転可能に構成されている。
油圧シリンダ部21は、心押機構6の最上部に配置され、シリンダ内(図示せず)に設けられたピストン軸(図示せず)が、シリンダ内から伸出・引退することにより上下移動するように構成されている。ピストン軸の下端部外周には連続配置されたベアリング23が設けられ、回転支持部20が被加工材3とともに従動回転することが可能に構成されている。
固定支持部22は、回転支持部20と油圧シリンダ21の間に設けられ、回転支持部20を被加工材3とともに従動回転可能に支持するように構成されている。また、固定支持部22には、後述する移動機構8の嵌合部材26を上面に設けるための延出部24が設けられている(図4図7参照)。延出部24は、平面視で概略正方形状に形成され、前後方向(Y方向)及び左右方向(X方向)における心押機構6の最外郭を形成している。

0029

〔移動機構〕
図4図6図7に示すように、移動機構8は、心押機構6を縦型スピニング加工装置1の前後方向(Y方向)に移動可能とする機構である。この移動機構8は、上部固定フレーム42の下面に配設された一対のレール部材25と、心押機構6の一対の延出部24の上面にそれぞれ配設され、レール部材25と嵌合する嵌合部材26と、心押機構6を嵌合部材26に沿って移動させる駆動部27とを備えて構成されている。
レール部材25は、前後方向(Y方向)に長い長手部材であり、上部固定フレーム42の下面から下方向(−Y方向)に突出する突出部25aを備えた部材である。そして、レール部材25は、正面視における両側面において、上下方向で中央部分にレール側凹部25bが形成されている。
嵌合部材26は前後方向(Y方向)に長い長手部材であり、レール部材25の突出部25a及びレール側凹部25bの形状に対応する嵌合面を備えた嵌合凹部26aが形成されている。この嵌合凹部26aにレール部材25の突出部25aが嵌合して、心押機構6はレール部材25を介して上部固定フレーム42に支持されている。
駆動部27は、一対の駆動用油圧シリンダ27aと、心押機構6の延出部24からさらに左右方向(X方向)にそれぞれ延出した一対の先端部27cとを備えて構成されている。駆動用油圧シリンダ27aのピストンロッド27bの一端を先端部27cに連結することにより、駆動用油圧シリンダ27aの伸縮によって心押機構6を嵌合凹部26aに沿って前後方向(Y方向)に移動させることができる。
すなわち、図4に示すように、移動機構8は、心押機構6を主軸9(成形型2)の上方で被加工材3を支持可能な加工位置C(図4(a)に示す心押機構6の位置)と、成形型2の上方から退避した退避位置E(図4(b)に示す心押機構6の位置)との間(距離N)を移動自在に構成されている。

0030

〔加熱手段〕
縦型スピニング加工装置1には、主軸9(成形型2)上の被加工材3を加熱するためのバーナ16(加熱手段の一例)が設けられており、バーナ16により形成される火炎で、被加工材3を適切に(例えば、300℃程度に)加熱することができる。このバーナ16による加熱部位は、図1及び図3に示すように、ローラ7が被加工材3に当接する当接部位とは異なった周方向の位置とされている。なお、本実施形態では、バーナ16を上下方向(Z方向)に3つ並べた状態で配置しているが、その数や配置等については適宜変更することが可能である。また、加熱手段としてのバーナ16の替わりに、例えば、誘電加熱を行う加熱器等を用いることもできる。

0031

以上が、本願に係る縦型スピニング加工装置1の概略構成であるが、以下、本願の特徴である心押機構6及び基台5に形成された開口部30の構成に関して説明する。

0032

〔開口部〕
上述の通り、基台5は、下部固定フレーム40、柱状固定フレーム41及び上部固定フレーム42とを備えて構成されるが、図4に示すように、上部固定フレーム42には、心押機構6の加工位置Cから退避位置Eへの移動において、心押機構6の一部の移動を許容する開口部30が形成されている。具体的には、上部固定フレーム42には、上下方向(Z方向)で縦型スピニング加工装置1の装置内部と装置外部とを連通し、平面視で前後方向(Y方向)に長い長方形状に開口する開口部30が形成されている。
ここで、開口部30の左右方向(X方向)の端部に隣接する上部固定フレーム42の下面それぞれには、上述の一対のレール部材25が前後方向(Y方向)と平行に配設されている。このレール部材25には、心押機構6の延出部24の上面に配設された嵌合部材26が嵌合している。そして、上部固定フレーム42(開口部30)よりも下方向側(−Z方向側)に心押機構6の延出部24を含む固定支持部22が配置され、固定支持部22の上部に設けられる油圧シリンダ21は、上部固定フレーム42よりも上部に突出している。したがって、開口部30が存在することにより、当該開口部30内を心押機構6の油圧シリンダ21が上部固定フレーム42に干渉することなく移動できるように構成されている。なお、上部固定フレーム42の上部に立設された複数の補強リブ45も開口部30の上部には存在しないように構成されている。

0033

開口部30は、平面視で、加工位置Cに対応して主軸9(成形型2)の上方で開口する第1開口部30aと、退避位置Eに対応して主軸9(成形型2)の上方から退避した位置で開口する第2開口部30bとを備えて形成されている。なお、図4に示す例では、第1開口部30aと第2開口部30bとは、開口部30を前後方向(Y方向)で概略2等分するように形成されている。
そして、開口部30は、移動機構8により駆動されて心押機構6が当該開口部30内を加工位置Cと退避位置Eとの間で移動することにより、心押機構6が退避位置Eに位置する退避姿勢で、第1開口部30aが開口形成されるとともに、第2開口部30bが閉塞され、心押機構6が加工位置Cに位置する加工姿勢で、第2開口部30bが開口されるとともに、第1開口部30aが閉塞されるように構成されている。すなわち、心押機構6が開口部30内を加工位置Cと退避位置Eとの間で移動しても、開口部30自体としては、第1開口部30a及び第2開口部30bの何れかが開口していることとなる。なお、実際には、第1開口部30aや第2開口部30bは、心押機構6の平面視で概略正方形状に形成された延出部24により閉塞されるように構成されている。

0034

第1開口部30aは、心押機構6が退避姿勢にある場合に開口形成されるが、当該第1開口部30aを介して成形型2が通過可能な大きさとなるように形成されている。具体的には、図4に示すように、第1開口部30aの前後方向(Y方向)及び左右方向(X方向)における距離S1,S2のそれぞれが、成形型2の直径S3よりも大きく形成されている。

0035

次に、縦型スピニング加工装置1を用いて被加工材3をスピニング加工する運転状態について説明する。

0036

図1及び図4(a)に示すように、主軸9の上部に成形型2を介して被加工材3を載置し、心押機構6を加工位置Cに位置させた状態で、油圧シリンダ部21により回転支持部20を下方に移動させ、回転支持部20の下面を被加工材3の上面に当接させて支持固定する(図1において、2点鎖線で示す)。駆動回転機構4の主軸モータM1により主軸9及び被加工材3が回転すると、被加工材3に当接する回転支持部20は従動回転する。

0037

この状態で、必要に応じてバーナ16により被加工材3を加熱(例えば、300℃程度に)しながら、一対のローラ7a,7bを被加工材3の外周側から被加工材3に当接させることにより成形型2の形状に倣った所望の形状にスピニング加工する。これにより、一対のローラ7a,7bにより成形型2に対し異なる箇所から同時にスピニング加工を行うことができ、より容易、正確かつ迅速に加工を行うことができる。この際、バーナ16により被加工材3を加熱する際の熱は、装置内から第2開口部30bを介して装置外に放熱することができる。従って、熱ごもりによる装置内の機器への悪影響を防止することができる。

0038

スピニング加工が終了すると(図6(a)参照)、心押機構6を上昇させ被加工材3から離間させるとともに、主軸9の上方から退避した退避位置Eにまで移動させる(図4(b)、図6(b)参照)。
この際、被加工材3の上方には心押機構6が存在しないので、心押機構6の回転支持部20を上昇させる距離を、回転支持部20が成形型2に載置された状態の被加工材3と干渉しない位置までの距離に設定することができる。これにより、塑性加工が終了した被加工材3を成形型2から抜き取る際には、成形型2から抜き出した被加工材3と心押機構6との干渉を考慮して心押機構6を余分に上昇させる必要がなくなる。従って、心押機構6の上下方向での長さ(高さ)を比較的短くすることができ、縦型スピニング加工装置1自体の高さを、例えば当該装置1の搬送時に分解する必要がない程度(例えば、床面Fから4m程度以下)にまで抑制することが可能である。なお、図6においては、心押機構6を上昇させる距離(加工姿勢にある回転支持部20の下面と退避姿勢にある回転支持部20の下面との距離)が、被加工材3の厚み程度離間した距離Lとなるように設定されている。このように構成することで、心押機構6が退避位置Eに位置する場合であっても、被加工材3を成形型2に取り付け或いは取り外す機構(図示せず)を心押機構6の下部に配置し、心押機構6の上昇距離をできるだけ短くしながら、被加工材3と心押機構6の干渉を防止できる。
また、スピニング加工が終了すると、心押機構6は退避位置Eに移動するので、被加工材3の上部である第1開口部30aが開口しており、バーナ16により被加工材3を加熱した際の熱は、装置内から第1開口部30aを介して装置外に放熱することができる。従って、熱ごもりによる装置内の機器への悪影響を防止することができる。

0039

スピニング加工された被加工材3は、図示しない機構により成形型2から取り外され、搬送装置(図示せず)により装置外に搬出される。次に、当該搬送装置により加工前の被加工材3が搬入され図示しない機構により成形型2に取り付けられ、心押機構6が加工位置Cに移動して、被加工材3のスピニング加工が行われる。このようにして、被加工材3のスピニング加工が順次行われることとなる。

0040

一方、スピニング加工後の形状が異なる被加工材3の成形を行う場合等、主軸9に載置されている成形型2を交換したい場合がある。この場合には、本願に係る縦型スピニング加工装置1においては、心押機構6を退避位置Eに移動させ、成形型2の上部である第1開口部30aを開口させる。この状態で、天井等に取付けられた移動式のクレーンKを第1開口部30aの上方に移動させる(図6(b)参照)。
このクレーンKは、公知のクレーンであるが、第1開口部30aを介して成形型2を上下方向(Z方向)に移動させることができるように構成されている。これにより、主軸9に載置された成形型2を上方に上昇させ、第1開口部30aを介して装置外に取り出すことができる。同様に、新たな成形型2を主軸9に取り付ける場合であっても、装置外から新たな成形型2をクレーンKにより下方に下降させ、第1開口部30aを介して装置内に移動させて、主軸9に取り付けることができる。従って、比較的重量の大きな成形型2を、比較的簡便で低廉な構成のクレーンKにより交換することが可能となる。
加えて、本願の縦型スピニング加工装置1においては、一対のローラ7a,7bが配置されている箇所(主軸9の左右位置)にはローラ7a,7bの2軸位置決め機構13が設けられており、空きスペースがほとんどなく比較的複雑な構成となっている。しかしながら、このように、クレーンKにより第1開口部30aを介して成形型2の交換を行うことにより、ローラ7a,7bの2軸位置決め機構13等が存在しても、当該成形型2の交換の作業を容易に行うことができ、当該作業に支障を生じることがない。よって、被加工材3のスピニング加工をより容易かつ正確に行うことができるとともに、成形型2の交換を簡便に行うことが可能となる。

0041

〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(A)上記実施形態における心押機構6の構成に、被加工材3を把持する把持機構70を追加する構成を採用することもできる。その構成について、図8に基づいて説明する。
把持機構70は、被加工材3を把持する湾曲した形状の爪部材71と、この爪部材71を開閉させるためのエアシリンダ等からなる伸縮機構72とからなる。
爪部材71は、心押機構6の回転支持部20よりも上方に設けられた固定支持部22の外周面に配設した取付部材73に、その一端が支点71aとなるように取り付けられている。この支点71aから適宜距離をあけた作用点71bに伸縮機構72の先端が取り付けられている。伸縮機構72は、先端を作用点71bと連結し、他端72aを心押機構6の適所に固定されている。爪部材71と伸縮機構72とは、固定支持部22の円周複数組配設されており、図8に示す例では、4組配設されている。
そして、この把持機構70は、伸縮機構72を縮ませることにより爪部材71を開き、その状態から伸縮機構72を伸ばすことにより爪部材71を閉じて被加工材3を保持し、逆に、伸縮機構72を伸ばすことにより爪部材71を閉じ、その状態から伸縮機構72を縮ませることにより爪部材71を開いて被加工材3を解放できるように構成されている。
これにより、スピニング加工に当たり、この把持機構70を、心押機構6の上下移動と合わせて動作させることにより、被加工材3を成形型2に取付け、加工終了後に被加工材3を成形型2から抜き取って搬送装置に受け渡すことができ、成形型2に対する被加工材3の供給及び排出を自動化することができる。

0042

(B)上記実施形態では、上部固定フレーム42を平板上に構成し、当該上部固定フレーム42に、平面視で周囲四方を梁部分により囲んだ状態で前後方向(Y方向)に長い長方形状の開口部30を形成するように構成したが、この開口部30の形状はこのような形状に限定されるものではない。
例えば、図9に示すように、上記実施形態において、上部固定フレーム42における開口部30の周囲四方(梁部分)のうち、開口部30(第1開口部30a)の基台前側部分(前側梁部分)に、当該開口部30(第1開口部30a)が基台前側(−Y方向側)に拡張された拡張開口部31を備えるように改変し、この拡張開口部31により開口が拡張された開口部30を備える構成の上部固定フレーム42aを採用することもできる。このように構成することにより、成形型2の交換等の際に、例えばクレーンKを使用して第1開口部30aを介して成形型2を出し入れする場合において、成形型2及びクレーンKが基台前側部分に形成されていた前側梁部分に干渉することがなく、クレーンKによる成形型2の運搬移動、成形型2の出し入れをより容易かつ簡便に行うことができる。この場合、図示しないが、上部固定フレーム42aの上部に立設された複数の補強リブは、クレーンKの移動を阻害しないように、平面視で上部固定フレーム42aの拡張開口部31の上部に対応する箇所には形成されていない。なお、このように拡張開口部31により開口が拡張された開口部30を備えた構成の上部固定フレーム42aを採用しても、拡張開口部31の左右方向(X方向)における当該上部固定フレーム42aの下部には一対の柱状固定フレーム41a(図3図5参照)が当該拡張開口部31に対して左右対称に配置されているので、十分な剛性を確保することができるように構成されている。

0043

(C)上記実施形態では、心押機構6が加工位置Cにある場合には、当該心押機構6により第1開口部30aが閉鎖されるとともに、第2開口部30bが開口されるように構成したが、より適切に被加工材3をスピニング加工することができる構成であれば、特にこの構成に限定されるものではない。
心押機構6が加工位置Cにある場合において、開口した状態にある第2開口部30bの閉塞度合いを調整可能な閉塞度調整手段80(閉塞手段の一例)を設けることもできる。
例えば、図10に示すように、閉塞度調整手段80は、一対の長方形状の扉部材81a,81bと扉部材81a,81bの開閉を行う駆動機構(図示せず)とを備えて構成されている。扉部材81aは、第2開口部30bの右方向側(+X方向側)に隣接して上部固定フレーム42の上部に配置され、駆動機構により駆動されて第2開口部30bの右半分を閉塞可能に構成されている。同様に、扉部材81bは、第2開口部30bの左方向側(−X方向側)に隣接して上部固定フレーム42の上部に配置され、駆動機構により駆動されて第2開口部30bの左半分を閉塞可能に構成されている。第2開口部30bの閉塞度合いは、これら扉部材81a,81bの移動距離を調整することにより適宜調整可能に構成されている。なお、図10では、扉部材81a,81bが第2開口部30bを全て閉塞している状態を示しており、矢印で示すようにこれら扉部材81a,81bはそれぞれ2点鎖線で示す位置まで左右方向(X方向)に移動することが可能である。
このように構成することにより、心押機構6が加工位置Cに位置する加工姿勢にある場合において、閉塞度調整手段80により第2開口部30bの閉塞度合いを調整することにより、被加工材3を塑性加工する際の熱が装置内から第2開口部30bを介して装置外に放熱される度合いを調整することができる。例えば、バーナ16による加熱量を一定とした場合であっても、第2開口部30bの閉塞度合いを調整することにより、被加工材3の周辺の温度を被加工材3の加工に適するとともに、装置内の機器を損傷することがない温度に調整することが可能となる。なお、第2開口部30bを全て閉塞して、被加工材3の加工において熱が装置外に放熱されるのを防止して、被加工材の塑性加工を行う構成とすることもできる。

0044

(D)上記実施形態では、柱状固定フレーム42を4本設ける構成としたが、縦型スピニング加工装置1の剛性(強度)を十分に確保することができる構成であれば、その配置数、配置位置等は適宜変更することが可能である。

0045

(E)上記実施形態において、縦型回転塑性加工装置が縦型スピニング加工装置1である場合を示したが、被加工材3を上下方向軸芯P周りに回転させながら、当該被加工材3に何らかの加工体を当接させて塑性加工する装置に、本願構造を採用できる。

0046

(F)上記の実施の形態では、上下方向軸芯P周りに被加工材3を回転させるための駆動回転機構4を設け、ローラ7の回転は、当該被加工材3の回転により起こされる従動回転形態の構成を採用したが、ローラ7側から被加工材3を回転するものとしてもよい。

0047

以上説明したように、加熱手段等の熱による悪影響を防止しながら、比較的簡便かつ低廉な構成で成形型の交換が可能な縦型回転塑性加工装置を提供できた。

0048

1縦型スピニング加工装置(縦型回転塑性加工装置)
2成形型
3被加工材
4駆動回転機構
5基台
6心押機構
7ローラ
7a 第1ローラ(ローラ)
7b 第2ローラ(ローラ)
8移動機構
16バーナ(加熱手段)
30 開口部
30a 第1開口部
30b 第2開口部
31拡張開口部
42 上部固定フレーム(基台の上部フレーム)
80閉塞度調整手段(閉鎖手段)
C 加工位置
E退避位置
P上下方向軸芯

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