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技術 共重合体ラテックス、紙塗工用組成物及び塗工紙

出願人 旭化成ケミカルズ株式会社
発明者 長崎浩介木原徹氏家和尚
出願日 2009年9月10日 (12年2ヶ月経過) 出願番号 2009-209107
公開日 2011年3月24日 (10年8ヶ月経過) 公開番号 2011-057854
状態 特許登録済
技術分野 重合方法(一般) 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 紙(4)
主要キーワード hr経過後 耐圧反応容器内 エクスターナル 物性結果 温水ジャケット 大型設備 繊維結合剤 塗工回数
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課題

塗工紙の重要物性である、ピック強度湿潤ピック強度印刷光沢を全て向上させ、加えて耐湿潤ベタツキ性機械的安定性にも優れて塗工紙生産工程における操業性に優れる共重合体ラテックスを提供する。

解決手段

特定範囲組成を有する単量体混合物乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、前記の乳化重合はその重合温度に関し、降温を行う事を特徴とする製造方法で得られた共重合体ラテックス。

概要

背景

共重合体ラテックスは例えば、紙塗工用顔料バインダー、各種接着剤及び粘着剤、不織布や人工皮革などの繊維結合用バインダーあるいは塗料など広範な用途に用いられている。これらの用途に用いられる共重合体ラテックスには、基材や配合される顔料などに対する優れた接着力が要求される。

塗工紙は、紙の印刷適性の向上および光沢などの光学特性の向上を目的として、抄造された原紙表面にカオリンクレー炭酸カルシウムサチンホワイトタルク酸化チタンなどの無機顔料及びプラスチック顔料などの有機顔料を塗布したものである。これら顔料のバインダーとしては、ジエン系共重合体ラテックスが一般的に用いられる。顔料バインダーとして用いられる共重合体ラテックスの性質は、これを利用した塗工紙の表面強度印刷品質、塗工紙の生産操業性に大きな影響を及ぼすことが知られている。

近年、印刷高速化や高度化が進み塗工紙に要求される性能も厳しくなってきている。特にインクタックによる紙表面の破壊に対する抵抗性(いわゆるピック強度)や湿し水の存在下に印刷を行う際のピック強度(湿潤ピック強度)の向上が以前にも増して要求されている。更には塗工紙の生産コストを抑制する目的で、高コスト原材料であるラテックス使用割合を減らす意味でも、ラテックスの接着強度の向上が望まれている。

一方、塗工紙の生産においても、生産能力および生産性の向上のために、塗工速度の高速化が進んで来ている。これに伴って塗工操業性の改良、特に主な障害であるバッキングロール汚れに対する諸特性、すなわち塗工層耐湿潤ベタツキ性、および塗工液機械的安定性の向上も強く要求されている。ラテックスの接着強度の向上と、塗工操業性の向上とは一般に相反する特性であり、一方が向上すると他方が低下する関係にあるため、これらの物性を高度にバランスさせることが求められている。

以上のような塗工紙の生産に関する問題や塗工紙の品質のために、共重合体ラテックスについても様々な改良がなされてきた。例えば、ピック強度を改良する目的で共役ジエン系単量体組成比率を上げて共重合体ガラス転移温度を低くする方法がある。しかし、この方法では白紙光沢の低下および耐湿潤ベタツキ性が低下する問題点が残る。

また例えば、特定の単量体組成で二段もしくは多段重合を行う共重合体ラテックスの改良が多数提案されている(特許文献1、特許文献2および特許文献3)。しかしながらこれらの発明では、塗工紙の接着強度の向上とバッキングロール汚れ特性の向上を両立させる手段としていずれも不十分なものであった。

また共重合体ラテックスの重合温度の面からも検討がなされており、例えば単量体混合物特定量を比較的低温で重合し、次いで残りの単量体高温で重合する特定の二段重合法が提案されている(特許文献4および特許文献5)。更には特定の単量体混合物を比較的低温で重合を開始し、特定の重合転化率になるまで特定の割合で重合温度を昇温する方法で得られる共重合体ラテックスが提案されている(特許文献6)。しかしながらこれらの発明では、得られる共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性は不充分であり、これらの共重合体ラテックスを用いた塗工紙のピック強度や湿潤ピック強度も、近年の高い要求を満足するものではなかった。

また一般に接着強度を高める目的では、共重合体ラテックスの粒子径を小さくし共重合体の表面積を増大させる方法が周知である。粒子径を小さくする事は、共重合体ラテックスの重合時に多量の乳化剤を使用する事で実現できる事が知られているが、この方法で得られた共重合体ラテックスは湿潤ピック強度や印刷光沢が劣るという欠点を有している。

概要

塗工紙の重要物性である、ピック強度・湿潤ピック強度・印刷光沢を全て向上させ、加えて耐湿潤ベタツキ性や機械的安定性にも優れて塗工紙生産工程における操業性に優れる共重合体ラテックスを提供する。特定範囲組成を有する単量体混合物を乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、前記の乳化重合はその重合温度に関し、降温を行う事を特徴とする製造方法で得られた共重合体ラテックス。なし

目的

更には塗工紙の生産コストを抑制する目的で、高コスト原材料であるラテックスの使用割合を減らす意味でも、ラテックスの接着強度の向上が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

(a)共役ジエン系単量体30〜60質量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体1.5〜7質量%、(c)シアン化ビニル系単量体10〜40質量%、および(d)その他共重合可能単量体3〜58.5質量%(但し(a)+(b)+(c)+(d)=100質量%)から成る単量体混合物乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、前記の乳化重合の間に重合温度の降温が行われる共重合体ラテックス。

請求項2

前記重合温度の降温は、重合開始時から全単量体に対する重合転化率が3〜20質量%の範囲に至るまでの間に開始され、全単量体に対する重合転化率が60質量%に至るまでに終了され、前記降温における重合温度の降下速度は1〜10℃/hrの範囲である、請求項1記載の共重合体ラテックス。

請求項3

降温が開始された時の重合温度と降温が終了された時の重合温度の差が5℃以上である、請求項1または2記載の共重合体ラテックス。

請求項4

重合温度の降温が連続的に行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の共重合体ラテックス。

請求項5

単量体混合物の70質量%以上が連続又は間欠的に重合の系内に添加され、重合温度の降温が開始された時までに添加される単量体混合物には(a)共役ジエン系単量体を含まない、請求項1から4のいずれか一項に記載の共重合体ラテックス。

請求項6

全単量体に対する重合転化率が70質量%以上になるまで、降温が終了された時の温度で重合が行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の共重合体ラテックス。

請求項7

請求項1から6のいずれかに記載の共重合体ラテックスを含む紙塗工用組成物

請求項8

請求項7に記載の紙塗工用組成物を用いて製造される塗工紙。

技術分野

0001

本発明は、塗工紙用顔料バインダー接着剤粘着剤繊維結合剤及び塗料などに用いられる共重合体ラテックスに関する。これらの中でも特に塗工紙用顔料バインダーとして好適に用いられる共重合体ラテックスに関する。更に詳しくは、本発明は塗工紙の接着強度ピック強度および湿潤ピック強度)、印刷光沢に優れ、かつ、塗工紙生産工程における操業性に優れる共重合体ラテックスに関する。

背景技術

0002

共重合体ラテックスは例えば、紙塗工用顔料バインダー、各種接着剤及び粘着剤、不織布や人工皮革などの繊維結合用バインダーあるいは塗料など広範な用途に用いられている。これらの用途に用いられる共重合体ラテックスには、基材や配合される顔料などに対する優れた接着力が要求される。

0003

塗工紙は、紙の印刷適性の向上および光沢などの光学特性の向上を目的として、抄造された原紙表面にカオリンクレー炭酸カルシウムサチンホワイトタルク酸化チタンなどの無機顔料及びプラスチック顔料などの有機顔料を塗布したものである。これら顔料のバインダーとしては、ジエン系共重合体ラテックスが一般的に用いられる。顔料バインダーとして用いられる共重合体ラテックスの性質は、これを利用した塗工紙の表面強度印刷品質、塗工紙の生産操業性に大きな影響を及ぼすことが知られている。

0004

近年、印刷高速化や高度化が進み塗工紙に要求される性能も厳しくなってきている。特にインクタックによる紙表面の破壊に対する抵抗性(いわゆるピック強度)や湿し水の存在下に印刷を行う際のピック強度(湿潤ピック強度)の向上が以前にも増して要求されている。更には塗工紙の生産コストを抑制する目的で、高コスト原材料であるラテックス使用割合を減らす意味でも、ラテックスの接着強度の向上が望まれている。

0005

一方、塗工紙の生産においても、生産能力および生産性の向上のために、塗工速度の高速化が進んで来ている。これに伴って塗工操業性の改良、特に主な障害であるバッキングロール汚れに対する諸特性、すなわち塗工層耐湿潤ベタツキ性、および塗工液機械的安定性の向上も強く要求されている。ラテックスの接着強度の向上と、塗工操業性の向上とは一般に相反する特性であり、一方が向上すると他方が低下する関係にあるため、これらの物性を高度にバランスさせることが求められている。

0006

以上のような塗工紙の生産に関する問題や塗工紙の品質のために、共重合体ラテックスについても様々な改良がなされてきた。例えば、ピック強度を改良する目的で共役ジエン系単量体組成比率を上げて共重合体ガラス転移温度を低くする方法がある。しかし、この方法では白紙光沢の低下および耐湿潤ベタツキ性が低下する問題点が残る。

0007

また例えば、特定の単量体組成で二段もしくは多段重合を行う共重合体ラテックスの改良が多数提案されている(特許文献1、特許文献2および特許文献3)。しかしながらこれらの発明では、塗工紙の接着強度の向上とバッキングロール汚れ特性の向上を両立させる手段としていずれも不十分なものであった。

0008

また共重合体ラテックスの重合温度の面からも検討がなされており、例えば単量体混合物特定量を比較的低温で重合し、次いで残りの単量体高温で重合する特定の二段重合法が提案されている(特許文献4および特許文献5)。更には特定の単量体混合物を比較的低温で重合を開始し、特定の重合転化率になるまで特定の割合で重合温度を昇温する方法で得られる共重合体ラテックスが提案されている(特許文献6)。しかしながらこれらの発明では、得られる共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性は不充分であり、これらの共重合体ラテックスを用いた塗工紙のピック強度や湿潤ピック強度も、近年の高い要求を満足するものではなかった。

0009

また一般に接着強度を高める目的では、共重合体ラテックスの粒子径を小さくし共重合体の表面積を増大させる方法が周知である。粒子径を小さくする事は、共重合体ラテックスの重合時に多量の乳化剤を使用する事で実現できる事が知られているが、この方法で得られた共重合体ラテックスは湿潤ピック強度や印刷光沢が劣るという欠点を有している。

先行技術

0010

特開平4−41502号公報
特開平5−272094号公報
特開平7−247327号公報
特開平6−179772号公報
特開平10−1504号公報
特開2003−238635号公報

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、以上のような状況から、塗工紙のピック強度および湿潤ピック強度を向上させ、かつ耐湿潤ベタツキ性や機械的安定性にも優れて、塗工紙の生産工程における操業性に秀でた共重合体ラテックスを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明者等は前記課題を解決するために鋭意研究した結果、共重合体ラテックスに関し第一に共重合体を構成する単量体単位組成特定範囲に定めること、第二に共重合体ラテックスを製造する際の重合温度に関し、重合温度を降下させることによって上記課題が解決される可能性があることを見出し、さらに研究を進めて本発明を完成するに至った。

0013

即ち本発明は、以下の通りである。
[1] (a)共役ジエン系単量体30〜60質量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体1.5〜7質量%、(c)シアン化ビニル系単量体10〜40質量%、および(d)その他共重合可能な単量体3〜58.5質量%(但し(a)+(b)+(c)+(d)=100質量%)から成る単量体混合物を乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、前記の乳化重合の間に重合温度の降温が行われる共重合体ラテックス。
[2] 前記重合温度の降温は、重合開始時から全単量体に対する重合転化率が3〜20質量%の範囲に至るまでの間に開始され、全単量体に対する重合転化率が60質量%に至るまでに終了され、前記降温における重合温度の降下速度は1〜10℃/hrの範囲である、上記[1]記載の共重合体ラテックス。
[3] 降温が開始された時の重合温度と降温が終了された時の重合温度の差が5℃以上である、上記[1]または[2]記載の共重合体ラテックス。
[4] 重合温度の降温が連続的に行われる、上記[1]から[3]のいずれかに記載の共重合体ラテックス。
[5] 単量体混合物の70質量%以上が連続又は間欠的に重合の系内に添加され、重合温度の降温が開始された時までに添加される単量体混合物には(a)共役ジエン系単量体を含まない、上記[1]から[4]のいずれかに記載の共重合体ラテックス。
[6] 全単量体に対する重合転化率が70質量%以上になるまで、降温が終了された時の温度で重合が行われる、上記[1]から[5]のいずれかに記載の共重合体ラテックス。
[7] 上記[1]から[6]のいずれかに記載の共重合体ラテックスを含む紙塗工用組成物
[8] 上記[7]に記載の紙塗工用組成物を用いて製造される塗工紙。

発明の効果

0014

本発明の共重合体ラテックスによれば、塗工紙のピック強度、湿潤ピック強度を向上させ、更に印刷光沢に優れ、かつ共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性に優れてバッキングロール汚れ適性に優れる共重合体ラテックスを提供する事ができる。
すなわち、共重合体ラテックスを製造するに際し、単量体単位の組成を特定範囲に規定するとともに、温度を降下させる工程を設けて重合が行われることにこそ、本発明の本質が存するのである。
また、本発明の紙塗工用組成物及び塗工紙によれば、塗工紙のピック強度、湿潤ピック強度、印刷光沢を著しく優れるものにする事ができる。

0015

以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。

0016

本発明の共重合体ラテックスは、(a)共役ジエン系単量体30〜60質量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体1.5〜7質量%、(c)シアン化ビニル系単量体10〜40質量%、および(d)その他共重合可能な単量体3〜58.5質量%(但し(a)+(b)+(c)+(d)=100質量%)から成る単量体混合物を乳化重合して得られる。以下、これらについて順次説明する。

0017

共重合体ラテックスの必須成分である(a)共役ジエン系単量体は共重合体に柔軟性を与え、ピック強度、衝撃吸収性を与えるために有効な成分であり、該共重合体を構成する全単量体を100質量%とした場合、好ましくは35〜55質量%、より好ましくは38〜53質量%の割合で用いられる。この範囲の割合で用いられることによって、共重合体ラテックスは優れたピック強度を発現し、かつ優れた耐湿潤ベタツキ性を発現する。使用される共役ジエン系単量体の好ましい例としては、1,3−ブタジエンイソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどが挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。

0018

(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、塗工紙のピック強度の向上と共重合体ラテックスの分散安定性を確保する為に必須の成分で、共重合体ラテックスの共重合体を構成する全単量体を100質量%とした場合、好ましくは2〜5質量%、最も好ましくは2.5〜4.5質量%の割合で用いられる。該エチレン系不飽和カルボン酸単量体をこの割合で用いる事により、共重合体ラテックスに必要な分散安定性が付与され、また共重合体ラテックスの粘度が適正化されて取扱いに支障が来たされない。エチレン系不飽和カルボン酸単量体の好ましい例としては、アクリル酸メタクリル酸イタコン酸マレイン酸フマル酸等の単量体などが挙げられ、これらはそれぞれ1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。

0019

(c)シアン化ビニル系単量体は、共重合体ラテックスのベタツキ性や湿潤ピック強度の向上に必須の成分であり、該共重合体を構成する全単量体を100質量%とした場合、全単量体に対し好ましくは10〜35質量%、より好ましくは10〜30質量%、更に好ましくは12〜28質量%の割合で用いられる。これらの範囲の割合で用いられることにより共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性が効果的に向上され、かつ共重合体ラテックスの安定性が良好に保たれる。シアン化ビニル系単量体の好ましい例としては、アクリロニトリルメタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどが挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。

0020

また、他の原料として、上記(a)〜(c)単量体と共重合可能な単量体(d)を含む。この単量体(d)を適宜選択することにより、共重合体ラテックスにさまざまな特性を付与できる。共重合可能な他の単量体の好ましい例としては、スチレンα−メチルスチレンビニルトルエン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体アクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸ブチルアクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸アルキルエステル類メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸アルキルエステル類、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシアルキルエステル類、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチルアクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノアルキルエステル類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどのピリジン類アクリル酸グリシジルメタクリル酸グリシジルなどのグリシジルエステル類、アクリルアミドメタクリルアミドN−メチロールアクリルアミドN−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、グリシジルメタクリルアミド、N,N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアミド類酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、p−スチレンスルホン酸及びそのナトリウム塩などが挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0021

本発明では、重合中に重合温度の降温が行われる。ここで言う降温とは、任意の20分間において重合温度が0.1℃以上降下している事を指すものである。また、好ましくは本発明においては、前記降温における温度の降下速度が1〜10℃/hrの範囲である事である。更に好ましくは降下速度は、2〜5℃/hrの範囲であり、最も好ましくは2.5〜4℃/hrの範囲である。重合温度の降下速度をこの範囲とする事により、ピック強度及び機械的安定性の一層良好な共重合体ラテックスが得られ、かつ量産を考慮した大型実機設備においても温度コントロールが困難になる事がない。

0022

また、本発明では、重合温度の降温を開始する時点での単量体の重合転化率は3〜20質量%である事が好ましい。前記重合転化率をこの範囲にする事で、得られる共重合体ラテックスの粒子径を小さくする事が可能となり、より一層優れたピック強度および湿潤ピック強度が達成される。前記重合転化率は、より好ましくは4〜15質量%であり、最も好ましくは5〜13質量%である。前記重合転化率は、用いる重合開始剤の量、用いる重合遅延剤量、及び重合系内のpH等の因子に応じて適宜調整することができる。

0023

さらに本発明では、重合温度の降温を終了する時点での単量体の重合転化率を60質量%未満とする事が好ましい。この範囲の温度で重合温度の降温を終了する事により、ピック強度、湿潤ピック強度、耐湿潤ベタツキ性に一層優れた共重合体ラテックスを得る事が可能になる。降温終了時点でのより好ましい重合転化率は、30〜55質量%であり、更に好ましくは35〜50質量%である。前記重合転化率は、上記重合温度の降温を開始する時点での単量体の重合転化率と同様に、用いる重合開始剤の量、用いる重合遅延剤量、及び重合系内のpH等の因子に応じて適宜調整することができる。
重合温度の降温を終了した後の重合反応は、降温終了時の重合温度で継続する事が好ましいが、重合温度は適宜調整してもよい。また、重合転化率が少なくとも70質量%に達するまで、前記降温終了時の重合温度で重合反応を継続する事はより好ましい。更に好ましくは74質量%以上、最も好ましくは77質量%以上に到達するまで、前記重合温度で重合反応を継続することである。これらの重合転化率に到達するまで、降温終了時の重合温度で重合反応を継続する事により、ピック強度により優れた共重合体ラテックスを得る事ができる。

0024

また、本発明の共重合体ラテックスは、降温終了時の重合温度で上記所定の重合転化率まで重合反応を継続した後は、重合温度を上昇させて最終の重合転化率を引き上げる工程(いわゆるクッキング工程)を採用する事も可能である。この工程の重合温度は80〜100℃の範囲とする事が、得られる共重合体ラテックスのピック強度及び共重合体ラテックスの生産性の観点から好ましい。

0025

本発明における重合温度の降温は、間欠的、段階的及び連続的に重合温度を降温させることが可能であるが、得られる共重合体ラテックスのピック強度と耐湿潤ベタツキ性、及び量産大型設備での温度コントロールのし易さなどの観点から、前記降温は連続的かつ一定速度で行われる事が好ましい。

0026

本発明では、重合温度に関して降温が開始された時の重合温度と降温が終了された時の重合温度の温度差が5℃以上である事が好ましい。更に好ましくは前記温度差が7〜20℃であること、最も好ましくは前記温度差が8〜15℃であることである。前記温度差をこの領域にする事によって、得られる共重合体ラテックスのピック強度がより優れたものとなり、かつ重合安定性を損なう事がない。

0027

本発明の共重合体ラテックスは、前述の単量体混合物を乳化重合法により重合することで得られる。乳化重合を行うに当たり、単量体の添加方法に特に制約はない。すなわち、重合の開始時から終了時にかけて単量体を連続的に重合系内に添加する方法、重合開始前に単量体混合物の全量を重合系内に添加しておき、その後反応を開始する方法、また重合開始前に単量体混合物の一部を重合系内に添加した後に重合反応を開始し、その後残りの単量体を重合系内に連続又は間欠的に添加する方法などを適宜選択する事が可能である。また単量体混合物の組成についても、重合を時系列的に複数の工程に分け、各工程での単量体組成を任意に変える事により均一組成ではない共重合体ラテックスとする事も可能である。しかしながら、得られる共重合体ラテックスのピック強度、湿潤ピック強度を高める為には、単量体混合物はその70質量%以上は連続又は間欠的に重合の系内に添加され、かつ重合温度の降温開始までに添加される単量体混合物には、(a)共役ジエン系単量体を含まない事が好ましい。これにより得られる共重合体ラテックスは、乳化剤を多く必要とせずに小粒子径化が可能となり、ピック強度、湿潤ピック強度により優れたものとなる。

0028

本発明の共重合体ラテックスを製造するに当たっては、上述した方法以外について制限は特になく、水性媒体中界面活性剤の存在下、ラジカル開始剤により重合を行うなどの方法を用いることができる。

0029

本発明において使用される乳化剤についても特に制限はなく、従来公知のアニオンカチオン両性および非イオン性の界面活性剤を用いることができる。好ましい界面活性剤の例としては、脂肪族セッケンロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩アルキルスルホコハク酸塩およびポリオキシエチレンアルキル硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルおよびポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。使用される乳化剤の量は、単量体100質量部当たり、0.1〜2.0質量部である事が好ましく、更に好ましくは0.2〜0.8質量部、最も好ましくは0.2〜0.6質量部である。この範囲の量で乳化剤を使用する事により、より優れた印刷光沢とピック強度、湿潤ピック強度を達成する共重合体ラテックスが得られる。

0030

ラジカル開始剤は、熱または還元剤の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものであり、本発明においては無機開始剤有機系開始剤のいずれも使用することが可能である。好ましい例としてはペルオキソ二硫酸塩過酸化物アゾビス化合物などがあり、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウムペルオキソ二硫酸ナトリウムペルオキソ二硫酸アンモニウム過酸化水素t−ブチルヒドロペルオキシド過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリルおよびクメンハイドロパーオキサイドなどが挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また酸性亜硫酸ナトリウムアスコルビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩およびロンガリットなどの還元剤を重合開始剤と組み合わせて用いる、いわゆるレドックス重合法を用いることもできる。

0031

本発明の共重合体ラテックスを製造するに当たっては、ラジカル重合通常用いられる公知の連鎖移動剤や重合遅延剤を用いることが可能である。連鎖移動剤や重合遅延剤の好ましい例としては、核置換α−メチルスチレンの二量体であるα−メチルスチレンダイマーn−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタンn−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタンおよびt−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類テトラメチルウラジウムジスルフィドおよびテトラエチルチウラジウムジスルフィドなどのジスルフィド類四塩化炭素および四臭化炭素などのハロゲン化誘導体、ならびに2−エチルヘキシルチオグリコレートなどがあげられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0032

本発明の共重合体ラテックスを製造する場合の重合温度は、前述の様に重合の途中で温度降下を行う事以外は特に制約はなく、通常40〜100℃の範囲であるが、生産効率と、得られる共重合体ラテックスを使用した塗工紙のピック強度等の品質の観点からは、重合開始時の重合温度は、55〜85℃の範囲が好ましく、より好ましくは60〜80℃、更に好ましくは70〜80℃の範囲である。

0033

本発明の共重合体ラテックスを製造する場合の重合固形分濃度は、生産効率と、乳化重合時の粒子径制御の観点から、好ましくは35〜60質量%であり、より好ましくは40〜50質量%である。ここにいう固形分濃度とは、共重合ラテックスを乾燥することにより得られる固形分質量の、乾燥前の共重合体ラテックス質量に対する割合を言う。

0034

本発明の共重合体ラテックスの製造に際しては、粒子径の調整のため公知のシード重合法を用いることも可能であり、シードを作製後同一反応系内で共重合体ラテックスの重合を行うインターナルシード法、および別途作製したシードを用いるエクスターナルシード法などの方法を適宜選択して用いることができる。

0035

本発明の共重合体ラテックスのトルエン不溶分は、80〜96質量%の範囲にある事が好ましく、より好ましくは85〜95質量%の範囲にある事であり、最も好ましくは89〜93質量%の範囲にある事である。該トルエン不溶分の量をこれらの範囲とすることにより共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性が一層向上し、バッキングロール汚れ等のロール汚れトラブルを回避する事と、優れたピック強度、湿潤ピック強度、印刷光沢をより顕著に達成する事が可能となる。共重合体ラテックスのトルエン不溶分の調整は、重合反応中に使用する連鎖移動剤の使用量を調整することにより可能である。前記連鎖移動剤の重合系内への添加方法としては、一括添加、回分的添加、連続的添加のいずれでもよく、これらを組み合わせてもよい。

0036

また、本発明の共重合体ラテックスの粒子径は、60〜130nmであることが好ましい。該粒子径は、より好ましくは70〜110nmであり、最も好ましくは80〜100nmである。この範囲の粒子径に設定する事により、共重合体ラテックスの粘度を好適な範囲に調整する事が可能であり、作業性の低下を防ぐことができる。この範囲の粒子径に設定する事により、更には、一層優れたピック強度、湿潤ピック強度、印刷光沢を達成する事が可能となる。

0037

共重合体ラテックスには、必要に応じて公知の各種重合調整剤を用いることができる。これらはたとえばpH調整剤およびキレート剤などであり、pH調整剤の好ましい例としては水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化アンモニウム炭酸水素ナトリウムおよびリン酸水素二ナトリウムなどが挙げられ、キレート剤の好ましい例としてはエチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどが挙げられる。

0038

共重合体ラテックスの、最終製品としての固形分濃度についても特に制限はなく、該固形分濃度は通常30〜60質量%の範囲に希釈又は濃縮して調製される。
共重合体ラテックスには、その効果を損ねない限り、必要に応じて各種添加剤を添加すること、あるいは他のラテックスを混合して用いることが可能であり、例えば分散剤消泡剤老化防止剤耐水化剤殺菌剤印刷適性向上剤および滑剤などを添加することが可能であり、アルカリ感応型ラテックスまたは有機顔料などを混合して用いることもできる。

0039

次に、本発明の共重合体ラテックスを用いる方法について説明する。
まず、本発明の共重合体ラテックスを塗工紙用のバインダーとして使用する場合について説明するに、かかる場合には、まず紙塗工用組成物を調製する。該紙塗工用組成物は、通常行われている実施態様で製造することができる。すなわち、分散剤を溶解させた水中に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン水酸化アルミニウム、サチンホワイトおよびタルク等の無機顔料、プラスチックピグメントやバインダーピグメントとして知られる有機顔料、澱粉カゼインポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子、ならびに増粘剤染料、消泡剤、防腐剤、耐水化剤、滑剤、印刷適性向上剤、pH調整剤および保水剤等の各種添加剤とともに共重合体ラテックスを添加して混合し、均一な分散液(紙塗工用組成物)とする。

0040

顔料と共重合体ラテックスとの使用割合は、紙塗工用組成物の使用目的によって適宜決定することが出来るが、顔料100質量部に対して共重合体ラテックス3〜30質量部を用いる事が好ましい。そして、この紙塗工用組成物は、各種ブレードコーターロールコーターエアーナイフコーターおよびバーコーターなどを用いる通常の方法によって原紙に塗工することができるところ、かかる塗工においてはブレードコーターを用いる事が好ましい。塗工形態も、原紙に対し片面、又は表裏の両面に塗工されうるものであり、また片面当たり塗工回数についても1回であるシングル塗工の他、2回の塗工工程を行ういわゆるダブル塗工に供する事もできる。この場合、本発明の共重合体ラテックスはその下塗り用紙塗工用組成物、及び上塗り用紙塗工用組成物のいずれにも用いる事ができる。

0041

なお、前述の紙塗工用組成物を塗工原紙の表面に塗工処理して、印刷用塗工紙又は印刷用塗工板紙を得ることができる。この印刷用塗工紙又は印刷用塗工板紙は、オフセット枚葉印刷用紙、オフセット輪転式印刷用紙、グラビア式印刷用紙、フレキソ印刷用紙および凸版式印刷用紙等の各種印刷用紙及び各種印刷用板紙に好適に用いられる。

0042

また、本発明の共重合体ラテックスは、紙のコーティング剤カーペットバッキング剤の他、接着剤および各種塗料にも用いる事ができる。

0043

以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例の具体的態様に限定されるものではない。

0044

[各物性の評価方法
(1)ピック強度:
RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、印刷インク東洋インキ製造社製 PRINTING INK;タック15)(商品名)0.4ccを1回刷りし、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を観察した。評価は相対的な10点評価法とし、ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。
(2)湿潤ピック強度:
RI印刷試験機(明製作所製)を用いてスリーブロール塗工紙表面に給水し、その直後に印刷インク(東洋インキ製造社製 PRINTING INK;タック10)0.4cc1回刷りし、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を観察した。評価は相対的な10点評価法とし、ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。
(3)印刷光沢:
RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、オフセット輪転印刷用インキ0.5ccを、インターバル15secをおいて塗工紙サンプルに2回印刷し、24hr経過後光沢度計を使用して印刷光沢の値を測定した。数値が大きいものほど印刷光沢が優れる。

0045

(4)共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性:
共重合体ラテックスを、No.12のワイヤーバーPETフィルムに塗布して130℃で30秒乾燥した。このフィルムを30℃の水中に5秒間浸漬させた後、黒ラシャ紙と重ね合わせ、温度60℃、線圧19600N/mのスーパーカレンダーを通過させた後、黒ラシャ紙を剥離する。この黒ラシャ紙繊維ラテックスフィルムベタツキによる転移状態目視評価した。評価は10点評価法で行ない、転移の少ないものほど高得点とした。
(5)共重合体ラテックスの粒子径:
共重合体ラテックスを透過型電子顕微鏡で観察し、画像処理装置を用いて平均粒子径を算出した。
(6)共重合体ラテックスのトルエン不溶分の測定:
共重合体ラテックスのpHを8に調整した後、130℃で30分乾燥させて成膜させる。このフィルム0.5gをトルエン30ccに浸せきし、3時間振とう後目開き45μmの金属網にてろ過して不溶分を採取し、130℃で1時間乾燥させて不溶分の質量を測定し、次式でトルエン不溶分(質量%)を求める。
(乾燥後のトルエン不溶分質量/浸せき前に採取したフィルム質量)×100

0046

(7)重合転化率の測定:
重合途中サンプリングしたラテックスを2g精後、130℃で30分間乾燥し、乾燥前後の質量を測定して固形分(質量%)を求める。次に以下の式にて全単量体に対する重合転化率(質量%)を算出する。
(固形分(質量%)−不揮発分(質量%))/全仕込み原料中の単量体分(質量%)
×100
ここで不揮発分とは、サンプリングしたラテックス中に含まれる、乳化剤や開始剤等の不揮発分の割合(質量%)である。また全仕込み原料中の単量体分とは、水、単量体、開始剤、乳化剤など全ての仕込み原料の総量に対する、単量体の量の割合(質量%)を示す。
(8)ラテックスの機械的安定性:
マロン式機械安定性試験機にて測定した。固形分50質量%に調整した共重合体ラテックス200gを精秤し、温度60℃、荷重30Kg/cm2、回転数1,000rpmの条件で30分間処理し、325メッシュ金網濾過した後、金網上に残った凝集物乾燥重量を測定した。重量が少ないものほど、優れた機械的安定性を有する。

0047

[実施例1]
共重合体ラテックスAの製造
攪はん機と内部温度調整用温水ジャケット、及び各種原材料の定量添加設備を備えた耐圧反応器に、重合初期の原料として水78質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.1質量部、α−メチルスチレンダイマー0.3質量部からなる重合初期原料を一括して仕込み、78℃にて充分に攪拌した。次いで、第一重合工程用として調製しておいた、イタコン酸2.5質量部、フマル酸0.2質量部、スチレン6.8質量部、メタクリル酸メチル0.06質量部、アクリロニトリル2.4質量部、ヒドロキシエチルアクリレート0.3質量部、アクリル酸0.3質量部、t−ドデシルメルカプタン0.02質量部、α−メチルスチレンダイマー0.45質量部から成る、第一重合工程用の単量体及び連鎖移動剤混合物をこの耐圧反応容器内に一括して仕込み、攪拌混合後、濃度30質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液0.2質量部(固形分換算)を耐圧容器内に5分間かけて添加して重合反応を開始させた。

0048

ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液の添加終了から90分後、第二重合工程用として調製しておいた、スチレン27.2質量部、ブタジエン48質量部、メタクリル酸メチル0.24質量部、アクリロニトリル9.6質量部、ヒドロキシエチルアクリレート1.2質量部、アクリル酸1.2質量部、t−ドデシルメルカプタン0.1質量部、α−メチルスチレンダイマー1.8質量部から成る、第二重合工程用の単量体及び連鎖移動剤混合物をこの耐圧反応容器内に添加開始し、5.25hrを要して全量を連続的に添加した。第二重合工程用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加開始時点での、全単量体に対する重合転化率は7.0質量%であった。更に同時点から、水17質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2質量部、及びペルオキソ二硫酸ナトリウム0.75質量部からなる水系混合物の添加を開始し、第二重合工程用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加終了まで連続的に添加し、重合反応を加速させた。第二重合工程用の単量体及び連鎖移動剤混合物の連続添加開始時点から、重合温度即ち耐圧反応器の内温の降温を降下速度2.9℃/hrで開始し、重合温度が70℃になった時点で降温を終了した。降温終了時の重合転化率は44質量%であった。その後は降温終了後の温度で反応を継続させ、第二重合工程用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加終了時点での重合転化率は78質量%であった。その後60分間かけて重合温度を95℃まで昇温し、最終的な重合転化率を引き上げた。

0049

この共重合体ラテックスには、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを添加してpHを6.0以上に調整し、スチームストリッピング法で未反応の単量体を除去した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを8.0に調整し、固形分濃度を50質量%に調整した。なお、これらの製造条件を表1にまとめた。
次に、このようにして得られた共重合体ラテックスAについて、耐湿潤ベタツキ性と機械的安定性の評価を行った。その結果、優れた結果が得られた(表1)。

0050

紙塗工用組成物の調製と塗工紙の調製
次に、得られた共重合体ラテックスと以下の構成材料とを使用し、均一に混合して紙塗工用組成物を調製した。尚、以下の配合(質量部)は、水を除いて、全て固形分に換算した値である。

0051

カオリンクレー35質量部
重質炭酸カルシウム65質量部
ポリアクリル酸ナトリウム0.05質量部
水酸化ナトリウム0.06質量部
酸化でんぷん3.0質量部
共重合体ラテックスA 8質量部
水(塗工液の全固形分濃度が66質量%となるように添加)

0052

なお、カオリンクレーとしては、アマゾンプラス(粒子径2μm以下の割合=97質量%以上)(商品名)、重質炭酸カルシウムとしてはカービタル90(粒子径2μm以下の割合=90質量%以上)(商品名)、ポリアクリル酸ナトリウムとしてはアロンT−50(東亞合成株式会社製)(商品名)および酸化でんぷんとしては王子コーンスターチB(王子コーンスターチ社製)(商品名)をそれぞれ使用した。

0053

次に、このようにして得られた紙塗工用塗料組成物を、塗工量が片面8g/m2になるように坪量74g/m2の塗工原紙にブレードコーターで塗工し、乾燥した後、ロール温度50℃、線圧147,000N/mでスーパーカレンダー処理を行い塗工紙を得た。得られた塗工紙を印刷試験で評価した。この塗工紙のピック強度、湿潤ピック強度、印刷光沢を測定し、結果を表1に記載した。いずれにおいても優れた結果が得られた。

0054

[実施例2〜10]
表1〜表3に示した様に共重合体ラテックスの原料組成、重合温度、降温条件を変更した事以外は実施例1と同様な方法で共重合体ラテックスB〜Oを得た。重合の各段階での重合転化率、耐湿潤ベタツキ性、機械的安定性の評価結果、及びそれぞれの得られた共重合体ラテックスを使用し、実施例1と同様の条件で調製した塗工紙の物性結果を表1〜表3に記載した。いずれも優れた結果が得られた。

0055

[比較例1〜6]
表3及び表4に示した様に共重合体ラテックスの原料組成、重合温度、降温条件を変更した事以外は実施例1と同様な方法で共重合体ラテックスa〜fを得た。重合の各段階での重合転化率、耐湿潤ベタツキ性、機械的安定性の評価結果、及びそれぞれの得られた共重合体ラテックスを使用し、実施例1と同様の条件で調製した塗工紙の物性結果を表3及び表4に記載した。
比較例1〜比較例6においては、共重合体ラテックスを構成する単量体成分の割合が本発明の範囲から外れており、塗工紙のピック強度、共重合体ラテックスの湿潤ベタツキ性、機械的安定性のいずれかの物性が劣っていた。

0056

[比較例7]
表4に示す如く、重合中に重合温度の降温を行わずに共重合体ラテックスを製造した。そのように重合温度を変更した事以外は実施例1と同様の方法にて共重合体ラテックスgを得た。更に実施例1と同様の方法にて塗工紙を調製した。塗工紙のピック強度、湿潤ピック強度は劣っていた。また、共重合体ラテックスgの耐湿潤ベタツキ性も劣っていた。

0057

0058

0059

実施例

0060

0061

本発明によれば、塗工紙のピック強度、湿潤ピック強度を向上させ、更に印刷光沢に優れ、かつ共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性に優れてバッキングロール汚れ適性に優れる共重合体ラテックスを提供する事ができる。したがって、本発明は、とくに塗工紙製造業および関連産業発展に寄与するところ大である。

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