図面 (/)

技術 トラバース装置

出願人 直江津電子工業株式会社
発明者 笠舛修一青木義文平原雅幸佐藤喬
出願日 2009年9月14日 (10年10ヶ月経過) 出願番号 2009-211745
公開日 2011年3月24日 (9年4ヶ月経過) 公開番号 2011-057426
状態 特許登録済
技術分野 線材巻取一般(1) 巻取り、巻戻し用ガイド・線材案内具
主要キーワード 設定速 回収面 ワイヤガイドローラ 移動プーリ トラバーサー 軸方向中間位置 溝角度 整列巻取り
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年3月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

簡単な構造で摩擦抵抗が大きい線材断線及び摩擦車からの脱落を防止する。

解決手段

移動摩擦車2のトラバース移動に伴い、摩擦抵抗の大きい線材Bが、移動摩擦車2の凹溝2a又は固定摩擦車3の凹溝3aに沿ってトラバース方向位置ズレしても、段差部4を通過する時に線材Bが段差部4の落差で凹溝2a,3aの表面から瞬間的に離れ、この時点で線材Bに捻れが生じている場合には、線材Bが捻れ方向と逆方向へ空回りして捻れが戻り、その後、線材Bが凹溝2a,3aの表面に着地した時に生ずる摩擦抵抗で、線材Bのトラバース方向への位置ズレにブレーキがかかり、位置ズレの振れ幅が本来の振り幅よりも小さくなる。

概要

背景

従来、この種のトラバース装置として、3本ローラの相互間にわたって所定の間隔でワイヤ張り上げ、ワイヤに被切断加工物を押し当てながらワイヤを摺動させるとともに、該ワイヤの移動方向と交差する左右方向へ移動不能に配置された固定ローラ側からワイヤを巻取装置ガイドローラへ向け供給し、ワイヤの張力を一定に保つため、例えば、定トルクに制御されるモータ等で、リール回転させながら、一方、ワイヤガイドローラ駆動モータを駆動させワイヤを左右に誘導する該ガイドローラで、両端リミットスイッチ位置の間を往復させながらワイヤをリールにトラバースさせながら巻き付けるものがある(例えば、特許文献1参照)。

概要

簡単な構造で摩擦抵抗が大きい線材断線及び摩擦車からの脱落を防止する。移動摩擦車2のトラバース移動に伴い、摩擦抵抗の大きい線材Bが、移動摩擦車2の凹溝2a又は固定摩擦車3の凹溝3aに沿ってトラバース方向位置ズレしても、段差部4を通過する時に線材Bが段差部4の落差で凹溝2a,3aの表面から瞬間的に離れ、この時点で線材Bに捻れが生じている場合には、線材Bが捻れ方向と逆方向へ空回りして捻れが戻り、その後、線材Bが凹溝2a,3aの表面に着地した時に生ずる摩擦抵抗で、線材Bのトラバース方向への位置ズレにブレーキがかかり、位置ズレの振れ幅が本来の振り幅よりも小さくなる。

目的

本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、簡単な構造で摩擦抵抗が大きい線材の断線及び摩擦車からの脱落を防止すること、更なる溝加工のみで線材の断線及び摩擦車からの脱落を防止すること、簡単な構造で固定砥粒付きワイヤの断線及び摩擦車からの脱落を防止すること、などを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

巻芯(1)と、巻芯(1)の軸方向へ往復動する移動摩擦車(2)と、前記巻芯(1)との間に移動摩擦車(2)を挟んで該巻芯(1)の軸方向へ移動不能に配置される固定摩擦車(3)とを備え、これら巻芯(1)、移動摩擦車(2)及び固定摩擦車(3)を、略平行に配置される支軸(1s,2s,3s)に対してそれぞれ回転自在に支持し、前記固定摩擦車(3)側から供給される前記線材(B)を、前記移動摩擦車(2)によりトラバース動作させながら前記巻芯(1)に巻き取るトラバース装置であって、前記移動摩擦車(2)の外周面に形成される凹溝(2a)及び前記固定摩擦車(3)の外周面に形成される凹溝(3a)の両方又はいずれか一方に、前記巻芯(1)の軸方向と平行なトラバース方向に向かって落差がある段差部(4)を形成したことを特徴とするトラバース装置。

請求項2

前記凹溝(2a,3a)がV溝であり、このV溝(2a,3a)の中央に該V溝(2a,3a)の溝角度よりも鋭角なV溝部(2b,3b)を形成して、これらV溝(2a,3a)とV溝部(2b,3b)との間に前記段差部(4)を配置したことを特徴とする請求項1記載のトラバース装置。

請求項3

前記線材(B)が、前記移動摩擦車(2)の凹溝(2a)及び前記固定摩擦車(3)の凹溝(3a)との摩擦抵抗が大きい固定砥粒付きワイヤであることを特徴とする請求項1又は2記載のトラバース装置。

技術分野

0001

本発明は、例えば固定砥粒方式ワイヤソーや表面に凹凸を有するものなど、摩擦車ローラプーリなど)との摩擦抵抗が高い線材を、少なくとも巻芯ボビンやリールなど)に対してトラバース動作させながら巻き取るトラバース装置に関する。
詳しくは、巻芯の軸方向へ往復動する移動摩擦車と、該移動摩擦車を挟んで巻芯の軸方向へ移動不能に配置される固定摩擦車とが、略平行な支軸に対してそれぞれ回転自在に支持されるトラバースに関する。

背景技術

0002

従来、この種のトラバース装置として、3本ローラの相互間にわたって所定の間隔でワイヤ張り上げ、ワイヤに被切断加工物を押し当てながらワイヤを摺動させるとともに、該ワイヤの移動方向と交差する左右方向へ移動不能に配置された固定ローラ側からワイヤを巻取装置ガイドローラへ向け供給し、ワイヤの張力を一定に保つため、例えば、定トルクに制御されるモータ等で、リール回転させながら、一方、ワイヤガイドローラ駆動モータを駆動させワイヤを左右に誘導する該ガイドローラで、両端リミットスイッチ位置の間を往復させながらワイヤをリールにトラバースさせながら巻き付けるものがある(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

実開平4−19757号公報(第4−5図)

発明が解決しようとする課題

0004

しかし乍ら、このような従来のトラバース装置では、例えば固定砥粒付きワイヤなどのように摩擦抵抗の高いワイヤをリールにトラバースさせながら巻き付けるために、トラバース方向へ移動不能な固定ローラとリールの間で、ガイドローラをトラバース方向へ左右移動させると、該ワイヤの表面と固定ローラ及びガイドローラの凹溝との間の摩擦抵抗により、ワイヤが固定ローラ及びガイドローラの凹溝に沿ってトラバース方向へ位置ズレを生じ、この位置ズレに伴いワイヤが捻れ断線するおそれがあり、さらにワイヤの振れ幅が大きくなった時には、凹溝の端部から脱落するおそれがあるという問題があった。

0005

本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、簡単な構造で摩擦抵抗が大きい線材の断線及び摩擦車からの脱落を防止すること、更なる溝加工のみで線材の断線及び摩擦車からの脱落を防止すること、簡単な構造で固定砥粒付きワイヤの断線及び摩擦車からの脱落を防止すること、などを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0006

このような目的を達成するために本発明は、巻芯と、巻芯の軸方向へ往復動する移動摩擦車と、前記巻芯との間に移動摩擦車を挟んで該巻芯の軸方向へ移動不能に配置される固定摩擦車とを備え、これら巻芯、移動摩擦車及び固定摩擦車を、略平行に配置される支軸に対してそれぞれ回転自在に支持し、前記固定摩擦車側から供給される前記線材を、前記移動摩擦車によりトラバース動作させながら前記巻芯に巻き取るトラバース装置であって、前記移動摩擦車の外周面に形成される凹溝及び前記固定摩擦車の外周面に形成される凹溝の両方又はいずれか一方に、前記巻芯の軸方向と平行なトラバース方向に向かって落差がある段差部を形成したことを特徴とする。

0007

前述した特徴に加えて、前記凹溝がV溝であり、このV溝の中央に該V溝の溝角度よりも鋭角なV溝部を形成して、これらV溝とV溝部との間に前記段差部を配置したことを特徴とする。

0008

さらに前述した特徴に加えて、前記線材が、前記移動摩擦車の凹溝及び前記固定摩擦車の凹溝との摩擦抵抗が大きい固定砥粒付きワイヤであることを特徴とする。

発明の効果

0009

前述した特徴を有する本発明は、巻芯と、巻芯の軸方向へ往復動する移動摩擦車と、前記巻芯との間に移動摩擦車を挟んで該巻芯の軸方向へ移動不能に配置される固定摩擦車とを備え、これら巻芯、移動摩擦車及び固定摩擦車を、略平行に配置される支軸に対してそれぞれ回転自在に支持し、前記固定摩擦車側から供給される前記線材を、前記移動摩擦車によりトラバース動作させながら前記巻芯に巻き取るトラバース装置であって、前記移動摩擦車の外周面に形成される凹溝及び前記固定摩擦車の外周面に形成される凹溝の両方又はいずれか一方に、前記巻芯の軸方向と平行なトラバース方向に向かって落差がある段差部を形成することにより、移動摩擦車のトラバース移動に伴い、摩擦抵抗の大きい線材が、移動摩擦車の凹溝又は固定摩擦車の凹溝に沿ってトラバース方向へ位置ズレしても、段差部を通過する時に線材が段差部の落差で凹溝の表面から瞬間的に離れ、この時点で線材に捻れが生じている場合には、線材が捻れ方向と逆方向へ空回りして捻れが戻り、その後、線材が凹溝の表面に着地した時に生ずる摩擦抵抗で、線材のトラバース方向への位置ズレにブレーキがかかり、位置ズレの振れ幅が本来の振り幅よりも小さくなるので、簡単な構造で摩擦抵抗が大きい線材の断線及び摩擦車からの脱落を防止することができる。
その結果、線材の断線や脱落を防止するために、少なくとも移動摩擦車の凹溝や固定摩擦車の凹溝を摩擦抵抗の小さい材料で形成する必要がないため、改造コストを低減できる。
さらに、移動摩擦車や固定摩擦車の少なくとも凹溝を、従来から使用されている材料で形成しても線材の断線や脱落を防止できるため、改造コストを低減できる。
また、線材の断線や脱落で装置全体の駆動を停止させる必要が無くなるため、稼働率を大幅に向上できる。

0010

また、前記凹溝がV溝であり、このV溝の中央に該V溝の溝角度よりも鋭角なV溝部を形成して、これらV溝とV溝部との間に前記段差部を配置した場合には、移動摩擦車のトラバース移動に伴い、摩擦抵抗の大きい線材が、V溝部内からV溝へ位置ズレしたり、これと逆にV溝からV溝部へ位置ズレしても、この位置ズレ途中で段差部を通過する時に、その落差で線材がV溝又はV溝部の表面から瞬間的に離れ、この時点で線材が既に捻れている場合には、線材が捻れ方向と逆方向へ空回りして捻れが戻り、その後、線材がV溝部或いはV溝の表面に着地した時に生ずる摩擦抵抗で、線材のトラバース方向への位置ズレにブレーキがかかり、位置ズレの振れ幅が本来の振り幅よりも小さくなるので、更なる溝加工のみで線材の断線及び摩擦車からの脱落を防止することができる。
その結果、移動摩擦車のV溝や固定摩擦車のV溝にV溝部を形成するだけなので、使用中の摩擦車を容易に改良できて経済的である。

0011

また、前記線材が、前記移動摩擦車の凹溝及び前記固定摩擦車の凹溝との摩擦抵抗が大きい固定砥粒付きワイヤである場合には、固定砥粒付きワイヤと、移動摩擦車の凹溝及び固定摩擦車の凹溝との間に生ずる摩擦抵抗で、移動摩擦車のトラバース移動に伴い固定砥粒付きワイヤが、移動摩擦車の凹溝又は固定摩擦車の凹溝に沿ってトラバース方向へ位置ズレしても、段差部を通過する時に固定砥粒付きワイヤが段差部の落差で凹溝の表面から瞬間的に離れ、この時点で固定砥粒付きワイヤに捻れが生じている場合には、固定砥粒付きワイヤが捻れ方向と逆方向へ空回りして捻れが戻り、その後、固定砥粒付きワイヤが凹溝の表面に着地した時に生ずる摩擦抵抗で、固定砥粒付きワイヤのトラバース方向への位置ズレにブレーキがかかり、位置ズレの振れ幅が本来の振り幅よりも小さくなるので、簡単な構造で固定砥粒付きワイヤの断線及び摩擦車からの脱落を防止することができる。
その結果、固定砥粒付きワイヤの寿命延ばすことができて経済的である。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施形態に係るトラバース装置を示す横断平面図である。
摩擦車の部分拡大平面図である。
従来のトラバース装置の一例を示す横断平面図である。

0013

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るトラバース装置Aは、図1に示すように、巻芯1と、巻芯1の軸方向へ往復動する移動摩擦車2と、巻芯1との間に移動摩擦車2を挟んで巻芯1の軸方向へ移動不能に配置される固定摩擦車3とを備え、これら巻芯1、移動摩擦車2及び固定摩擦車3を、略平行に配置される支軸1s,2s,3sに対してそれぞれ回転自在に支持し、固定摩擦車3側から供給される線材Bを、移動摩擦車2でトラバース動作させることにより、巻芯1の外周面に沿って整列状に巻取りするものである。
詳しく説明すれば、本発明の実施形態に係るトラバース装置Aは、例えばワイヤソーなどの線材Bを用いる装置に配備され、余剰となった線材Bを後述する巻芯1に対し多段状に整列巻取りして回収し、また逆に線材Bが必要となった時には巻芯1から引き出すものとして使用される。

0014

線材Bは、例えばワイヤ、ロープ、糸などで、特にその表面が後述する移動摩擦車2の凹溝2aや固定摩擦車3の凹溝3aに対して摩擦抵抗が大きいものを言う。
具体的には、固定砥粒方式のワイヤソーに用いられる、芯線の周囲にダイヤモンドなどが固着された固定砥粒付きワイヤなどである。

0015

巻芯1は、余剰となった線材Bを回収するための所謂ボビンやリールと呼ばれるものであり、その外周面が平滑な円柱状又は円筒状に形成されて軸方向へ所定長さの回収面1aを有し、例えばフレームなどの装置本体A1に対して支軸1sで回転自在に支持され、図示しない駆動モータにより正逆両方向へ設定速度で回転駆動される。

0016

移動摩擦車2は、後述する固定摩擦車3から供給された線材Bを巻芯1の回収面1aへ向け案内するための所謂トラバーサー用プーリやローラと呼ばれるものであり、巻芯1の回収面1aの軸方向寸法よりも短い円柱状又は円筒状に形成され、その外周面に例えば断面V字形又はU字形の凹溝2aを有し、巻芯1の回収面1aと対向するように装置本体A1に対して、巻芯1の支軸1sと平行な支軸2sで回転自在に支持するとともに、図示しないトラバーサー駆動機構連設されて、巻芯1の回収面1aの軸方向へ往復動自在に支持されている。
このトラバーサー駆動機構の作動に伴って移動摩擦車2を巻芯1の回収面1aの軸方向へ往復動させることにより、線材Bの巻取り時には、先ず線材Bが巻芯1の回収面1aに沿って螺旋状に隙間なく整列巻き付けされ、その後、この巻き付け外面に沿って線材Bが軸方向逆向きに螺旋状に隙間なく整列巻き付けされ、結果的に多段状の整列巻き付けが行われるようにしている。
なお、図1及び図3に示される例では、理解し易くするために、巻芯1の回収面1aに対して線材Bが一定間隔毎を空けて螺旋状に巻き付けられているが、実際は巻芯1に対して線材Bが隙間なく螺旋状に巻き付けられる。
また、移動摩擦車2は、その全体又は少なくとも線材Bと接触する凹溝2aを摩擦抵抗の小さい材料で形成することが好ましい。

0017

固定摩擦車3は、例えばワイヤソーなどの線材Bを用いる装置と、本発明の実施形態に係るトラバース装置Aとを連絡するための所謂ガイド用プーリやローラと呼ばれるものであり、巻芯1の回収面1aの軸方向寸法よりも短い円柱状又は円筒状に形成され、その外周面に例えば断面V字形又はU字形の凹溝3aを有し、巻芯1の回収面1aの軸方向中間位置と対向するように装置本体A1に対して、巻芯1の支軸1s及び移動摩擦車2の支軸2sと平行な支軸3sにより回転自在で且つ軸方向へ移動不能に支持されている。
また、固定摩擦車3は、その全体又は少なくとも線材Bと接触する凹溝3aを摩擦抵抗の小さい材料で形成することが好ましい。

0018

そして、これら移動摩擦車2の外周面に形成される凹溝2a及び固定摩擦車3の外周面に形成される凹溝3aの両方又はいずれか一方には、巻芯1の回収面1aの軸方向と平行なトラバース方向に向かって落差がある段差部4を形成し、移動摩擦車2がトラバース方向(巻芯1の回収面1aの軸方向)へ往復動するのに伴って線材Bが移動摩擦車2の凹溝2a及び固定摩擦車3の凹溝3a内でトラバース方向へ位置ズレした際に、線材Bと凹溝2a,凹溝3aとの接触抵抗が減少するようにしている。
この段差部4は、移動摩擦車2の凹溝2a及び固定摩擦車3の凹溝3aの両方又はいずれか一方にトラバース方向へ形成される凹凸部分であり、トラバース方向へ位置ズレした線材Bが凹凸部分を通過する時に、線材Bが持つ位置ズレの慣性力により、該凹凸部分の落差を利用して、線材Bが凹溝2a,3aの表面から瞬間的に離れるようにしている。

0019

ところで、前述した段差部4を備えていない従来のトラバース装置A′は、図3実線及び二点鎖線に示すように、例えば固定砥粒付きワイヤなどのように摩擦抵抗の高い線材Bが、固定摩擦車3′の凹溝(V溝)3a′から移動摩擦車2′を介して巻芯1′の回収面1a′に整列巻取りされる際や、これと逆に巻芯1′の回収面1a′から移動摩擦車2′を介して固定摩擦車3′へ向け引き出される際において、移動摩擦車2′がトラバース方向へ往復動すると、図3の一点鎖線に示すように、線材Bの表面と移動摩擦車2′の凹溝(V溝)2a′及び固定摩擦車3′の凹溝(V溝)3a′との間の摩擦抵抗により、線材Bが凹溝(V溝)2a′,3a′に沿ってトラバース方向へ位置ズレが生じ易くなる。
この位置ズレに伴い線材Bは、図3に示す矢印方向に捻れが発生して、この捻れがきつくなると断線するおそれがあり、さらに線材Bの振れ幅が大きくなった時には、凹溝(V溝)2a′,3a′の端部から脱落するおそれがあった。

0020

これに対し、前述した本発明の実施形態に係るトラバース装置Aによると、図2の実線及び二点鎖線に示すように、移動摩擦車2又は固定摩擦車3の凹溝2a,3aの幅方向中央位置から段差部4を経て左右いずれかの端部へ位置ズレする際、又はこれと逆に凹溝2a,3aの左右いずれかの端部から段差部4を経て凹溝2a,3aの幅方向中央位置へ位置ズレする際、その位置ズレ途中で線材Bが段差部4の凹凸部分を通過する時に、その落差で線材Bが慣性により凹溝2a,3aの表面から瞬間的に離れる。
それにより、この時点で線材Bに捻れが生じている場合には、線材Bが捻れ方向と逆方向へ空回りして捻れが戻り、線材Bの捻れがそれ以上にきつくならないので断線が防止される。
また、線材Bは、凹溝2a,3aの表面から瞬間的に離れた後に再び凹溝2a,3aの表面に着地するが、この着地時に生ずる摩擦抵抗で、トラバース方向へ位置ズレにブレーキがかかり、位置ズレの振れ幅が本来の振り幅よりも小さくなって、凹溝2a,3aの端部からの脱落が防止される。

0021

特に、線材Bを巻芯1の回収面1aに整列巻取りする場合は、巻芯1の回収面1aから線材Bを引き出す場合に比べ、線材Bに作用する張力が大きくなるため、位置ズレが更に発生し易くなるが、線材Bの捻れによる断線や凹溝2a,3aの端部からの線材Bの脱落を確実に防止できる。
さらに、移動摩擦車2や固定摩擦車3の少なくとも凹溝2a,凹溝3aを、従来から使用されている例えばウレタンなどのような材料で形成しても線材Bの断線や脱落を防止できるため、改造コストを低減できる。
次に、本発明の一実施例を説明する。

0022

この実施例は、図1及び図2に示す如く、移動摩擦車2の凹溝2aと固定摩擦車3の凹溝3aの両方を断面V字形のV溝とし、このV溝の幅方向中央に該V溝の溝角度よりも鋭角なV溝部2b,3bを形成して、これらV溝2a,3aとV溝部2b,3bとの間に凸状の段差部4がそれぞれ配置される場合を示している。

0023

図2に示される例では、移動摩擦車2の凹溝(V溝)2aと固定摩擦車3の凹溝(V溝)3aに、V溝部2b,3bを一つだけ形成して、凸状の段差部4が一対それぞれ対向するように配置されている。
また、その他の例として図示せぬが、V溝部2b,3bの幅方向中央にその溝角度よりも鋭角なV溝部を複数形成して、凸状の段差部4を二つ以上それぞれ対向状に配置することも可能である。

0024

さらに、図示される例では、巻芯1がワイヤ回収用のボビンであり、移動摩擦車2がトラバーサー用の移動プーリであり、固定摩擦車3が固定プーリであり、線材Bとして固定砥粒付きワイヤを用いている。

0025

このようなトラバース装置Aによると、図2の実線及び二点鎖線に示すように、移動摩擦車2′のトラバース方向への往復動により、線材Bとなる固定砥粒付きワイヤが、移動摩擦車(トラバーサー用の移動プーリ)2や固定摩擦車3(固定プーリ)のV溝部2b,3b内から段差部4を経て凹溝(V溝)2a,3aの左右いずれかの端部へ向け位置ズレする際、又はこれと逆に凹溝(V溝)2a,3aの左右いずれかの端部から段差部4を経てV溝部2b,3bへ向け位置ズレする際、その位置ズレ途中で線材Bが段差部4の凸状部分を通過する時に、その落差で線材Bとなる固定砥粒付きワイヤが慣性により凹溝(V溝)2a,3a或いはV溝部2b,3bの表面から瞬間的に離れる。
それにより、この時点で線材(固定砥粒付きワイヤ)Bが既に捻れている場合には、線材Bが捻れ方向と逆方向へ空回りして捻れが戻り、線材Bの捻れがそれ以上にきつくならないので断線が防止される。
また、凹溝(V溝)2a,3a或いはV溝部2b,3bの表面から瞬間的に離れた線材(固定砥粒付きワイヤ)Bは、V溝部2b,3b若しくは凹溝(V溝)2a,3aの表面に着地するが、この着地時に生ずる摩擦抵抗で、線材(固定砥粒付きワイヤ)Bのトラバース方向への位置ズレにブレーキがかかり、位置ズレの振れ幅が本来の振り幅よりも小さくなって、凹溝(V溝)2a,3aの端部からの脱落が防止される。

0026

したがって、移動摩擦車2や固定摩擦車3の凹溝(V溝)2a,3aにV溝部2b,3bを形成するだけなので、使用中の移動摩擦車2や固定摩擦車3を容易に改良できる。
て経済的である。

実施例

0027

なお、前示実施例では、移動摩擦車2の凹溝2aと固定摩擦車3の凹溝3aの両方又はいずれか一方に両方を断面U字形のU溝とし、このU溝の幅方向中央にV溝部を形成して凸状の段差部4がそれぞれ配置されるようにしたり、移動摩擦車2の凹溝2aや固定摩擦車3の凹溝3aを他の形状に形成することで段差部4が配置されるようにしても良い。

0028

1巻芯1s支軸
2移動摩擦車2a凹溝(V溝)
2b V溝部 2s 支軸
3固定摩擦車3a 凹溝(V溝)
3b V溝部 3s 支軸
4段差部 B線材(固定砥粒付きワイヤ)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 村田機械株式会社の「 巻きデータ作成方法及びフィラメントワインディング装置」が 公開されました。( 2020/06/04)

    【課題】芯材に対して巻き角度を部分的に異ならせながら繊維束を巻き付ける。【解決手段】フィラメントワインディング装置は、巻付駆動モータにより巻付回転軸A3を中心としてフープ巻き部64を回転駆動することで... 詳細

  • 童浩の「 紡織糸巻設備」が 公開されました。( 2020/06/04)

    【課題】本発明は紡織糸巻設備を開示した。【解決手段】ベースを含み、前記ベースの先端面の中には第一取付溝が設けられ、前記第一取付溝の中には回動軸受を介して上に延伸する回動柱が回転できるように装着され、前... 詳細

  • 朱暁鳳の「 多芯動力ケーブル及び使い方」が 公開されました。( 2020/05/21)

    【課題】本発明は穴あけユニット用の多芯動力ケーブル及び使い方を開示した。【解決手段】整経台を含み、前記整経台の中にはリフトスペースが内設され、前記リフトスペースの中にはリフト機構が内設され、前記リフト... 詳細

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ