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技術 多指ハンド装置

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 和井田寛則早川正人高橋和幸
出願日 2009年9月10日 (11年3ヶ月経過) 出願番号 2009-208930
公開日 2011年3月24日 (9年9ヶ月経過) 公開番号 2011-056619
状態 特許登録済
技術分野 マニプレータ マニプレータ・ロボット
主要キーワード 揺動スペース 握り動作 握り込み 屈伸作動 回動軸回り 説明的断面図 指先力 指先方向
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

拇指機構示指機構及び中指機構を用いて物体の安定した把持状態を実現することができる多指ハンド装置を提供する。

解決手段

屈伸機能を有する示指機構6、中指機構7、及び拇指機構5を備える多指ハンド装置1において、拇指機構5の2軸で回動する手根中手関節19,20のうちの第2の回動軸20を、その軸線aが示指機構6の中手指節関節15,16と中指機構7の中手指節関節15,16との間を通って延びるように配設する。

概要

背景

近年、人間の手を模倣した多指ハンド装置が知られている。この種の多指ハンド装置は、基部と複数の指機構とを備えている。各指機構は、複数の関節を備えて各関節毎回動自在となっており、これにより、屈伸動作を行うことができるようになっている(例えば特許文献1参照)。

ところで、この種の多指ハンド装置は、人間の手における拇指に対応する拇指機構を備えるが、人間の拇指の動きに近い動作を行わせるために、他の指機構とは異なる構成とする必要がある。

具体的には、人間の拇指は、手根中手関節により手を開いたときに他の指に並ぶ側に位置し、物体把持するときには、手の平に対向する側に回動する。この動作を多指ハンド装置において行うために、拇指機構は、他の指機構の各関節とは異なる方向に軸線を有する回動軸が必要となる。そして、特許文献1記載のものにおいては、拇指機構の開き動作を行う回転軸の軸線が中指機構の延ばし状態の延長線上に位置している。

概要

拇指機構、示指機構及び中指機構を用いて物体の安定した把持状態を実現することができる多指ハンド装置を提供する。屈伸機能を有する示指機構6、中指機構7、及び拇指機構5を備える多指ハンド装置1において、拇指機構5の2軸で回動する手根中手関節19,20のうちの第2の回動軸20を、その軸線aが示指機構6の中手指節関節15,16と中指機構7の中手指節関節15,16との間を通って延びるように配設する。

目的

本発明は、拇指機構、示指機構及び中指機構を用いて物体の安定した把持状態を実現することができる多指ハンド装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

基部と、該基部に連結された少なくとも3つの指機構を備え、3つの指機構が、夫々、人間の手における示指動き模倣した屈伸機能を有する示指機構中指の動きを模倣した屈伸機能を有する中指機構、及び拇指の動きを模倣した屈伸機能を有する拇指機構とされている多指ハンド装置において、前記示指機構と前記中指機構とは、その夫々に、1軸で回動する遠位指節間関節と、該遠位指節間関節の回動軸に平行の軸線回りに1軸で回動する近位指節間関節と、該近位指節間関節の回動軸に平行の軸線回りとこの軸線に交差する方向に沿って延びる軸線回りに2軸で回動する中手指節関節とを備え、前記拇指機構は、1軸で回動する拇指指節間関節と、該拇指指節間関節の回動軸に平行の軸線回りに1軸で回動する拇指中手指節関節と、該拇指中手指節関節の回動軸に平行の軸線を有する第1の回動軸及び該第1の回動軸の軸線に交差する方向に沿って延びる軸線を有する第2の回動軸の2軸で回動する手根中手関節とを備え、前記拇指機構の手根中手関節の第2の回動軸は、その軸線が前記示指機構の中手指節関節と前記中指機構の中手指節関節との間を通って延びるように配設されていることを特徴とする多指ハンド装置。

請求項2

請求項1記載の多指ハンド装置において、前記拇指機構の手根中手関節の第2の回動軸は、その軸線が前記示指機構の中手指節関節と前記中指機構の中手指節関節との間における中央を通って延びるように配設されていることを特徴とする多指ハンド装置。

請求項3

請求項1又は2記載の多指ハンド装置において、前記拇指機構の前記第2の回動軸は中空に形成されて前記基部に配設され、該第2の回動軸の内部に、前記第1の回動軸の回動を駆動する駆動シリンダが設けられていることを特徴とする多指ハンド装置。

技術分野

0001

本発明は、少なくとも3つの指機構を備える多指ハンド装置に関する。

背景技術

0002

近年、人間の手を模倣した多指ハンド装置が知られている。この種の多指ハンド装置は、基部と複数の指機構とを備えている。各指機構は、複数の関節を備えて各関節毎回動自在となっており、これにより、屈伸動作を行うことができるようになっている(例えば特許文献1参照)。

0003

ところで、この種の多指ハンド装置は、人間の手における拇指に対応する拇指機構を備えるが、人間の拇指の動きに近い動作を行わせるために、他の指機構とは異なる構成とする必要がある。

0004

具体的には、人間の拇指は、手根中手関節により手を開いたときに他の指に並ぶ側に位置し、物体把持するときには、手の平に対向する側に回動する。この動作を多指ハンド装置において行うために、拇指機構は、他の指機構の各関節とは異なる方向に軸線を有する回動軸が必要となる。そして、特許文献1記載のものにおいては、拇指機構の開き動作を行う回転軸の軸線が中指機構の延ばし状態の延長線上に位置している。

先行技術

0005

特開2008−183629号公報

発明が解決しようとする課題

0006

人間の手において、拇指、示指、及び中指の3つの指で円柱状の物体をつまみ上げる動作を行う場合には、示指の指先と中指の指先とを物体の一方側に当接させ、その反対側から拇指の指先を当接させる。しかし、これと同様の動作を上記特許文献1記載の多指ハンド装置によって行うと、物体の一方側に当接した示指機構の指先と中指機構の指先との中央位置の反対側から拇指機構の指先を当接させようとしたとき、拇指機構の開き動作を行う回転軸の軸線が中指機構の延ばし状態の延長線上に位置していることによって、当該回転軸回りに不要なモーメントが生じて物体を安定して把持することができない不都合がある。

0007

かかる不都合を解消して、本発明は、拇指機構、示指機構及び中指機構を用いて物体の安定した把持状態を実現することができる多指ハンド装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、基部と、該基部に連結された少なくとも3つの指機構を備え、3つの指機構が、夫々、人間の手における示指の動きを模倣した屈伸機能を有する示指機構、中指の動きを模倣した屈伸機能を有する中指機構、及び拇指の動きを模倣した屈伸機能を有する拇指機構とされている多指ハンド装置において、前記示指機構と前記中指機構とは、その夫々に、1軸で回動する遠位指節間関節と、該遠位指節間関節の回動軸に平行の軸線回りに1軸で回動する近位指節間関節と、該近位指節間関節の回動軸に平行の軸線回りとこの軸線に交差する方向に沿って延びる軸線回りに2軸で回動する中手指節関節とを備え、前記拇指機構は、1軸で回動する拇指指節間関節と、該拇指指節間関節の回動軸に平行の軸線回りに1軸で回動する拇指中手指節関節と、該拇指中手指節関節の回動軸に平行の軸線を有する第1の回動軸及び該第1の回動軸の軸線に交差する方向に沿って延びる軸線を有する第2の回動軸の2軸で回動する手根中手関節とを備え、前記拇指機構の手根中手関節の第2の回動軸は、その軸線が前記示指機構の中手指節関節と前記中指機構の中手指節関節との間を通って延びるように配設されていることを特徴とする。

0009

本発明による多指ハンド装置に備える拇指機構は、1軸の拇指指節間関節と、1軸の拇指中手指節関節と、2軸の手根中手関節とを備えているので、人間の拇指と同じ屈伸作動を行うことができる。しかも、本発明は、上記構成により拇指機構の手根中手関節の第2の回動軸(即ち、拇指機構の開き動作を行う回転軸)が、示指機構の中手指節関節と中指機構の中手指節関節との間を通って延びる軸線を有している。これによれば、物体をつまみ上げる動作を行う際に、拇指機構の指先を示指機構の指先と中指機構の指先との中央に対向させるとき、手根中手関節の第2の回動軸回り回転動作を小さくすることができ、該第2の回動軸回りの不要なモーメントを抑えて物体を安定して把持することができる。

0010

更に、本発明において、第2の回動軸を、その軸線が前記示指機構の中手指節関節と前記中指機構の中手指節関節との間における中央を通って延びるように配設することで、拇指機構の指先を、示指機構の指先と中指機構の指先との何れにもバランスよく対向させることができ、極めて安定した物体の把持状態を得ることができる。

0011

また、本発明においては、前記拇指機構の前記第2の回動軸は中空に形成されて前記基部に配設され、該第2の回動軸の内部に、前記第1の回動軸の回動を駆動する駆動シリンダが設けられていることが好ましい。これによれば、手根中手関節の第1の回動軸を回動させる駆動シリンダを第2の回動軸の内部に収納して、手根中手関節の円滑な作動を得ながら拇指機構をコンパクトに構成することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の一実施形態の多指ハンド装置を示す概略構成図。
ハンド本体の各関節を模式的に示す説明図。
ハンド本体の内部構造を手の甲側から示す説明図。
ハンド本体に備える指機構の一つを示す説明的断面図
ハンド本体に備える拇指機構を示す説明的断面図。
本実施形態における駆動手段の一部の構成を模式的に示す説明図。
駆動手段の作動を模式的に示す説明図。

実施例

0013

本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の多指ハンド装置1は、図1に示すように、人間の手を模倣したハンド本体2と、ハンド本体2を駆動する駆動手段3とにより構成され、所謂ヒューマノイドロボットに好適に用いることができるものである。

0014

ハンド本体2は、基部4と、5本の指に夫々対応する屈伸機能を有した5つの指機構である拇指機構5、示指機構6、中指機構7、環指機構8、及び小指機構9とを備えている。基部4は、各指機構を連結支持するフレーム10を備え、基部4の表側が手のとされ裏側が手の平とされる。図1は、ハンド本体2の手の平側を示している。

0015

各指機構は、各関節を露出させて指表皮部材11により被覆され、基部4は基部表皮部材12により被覆されている。

0016

各指機構は、図2に模式的に示すように、複数の指節及び関節を備えている。示指機構6、中指機構7、環指機構8、及び小指機構9は、夫々、指先側から順に、DIP関節13(遠位指節間関節)、PIP関節14(近位指節間関節)、MP1関節15、及びMP2関節16を備えて、各関節毎に回動自在とされている。

0017

DIP関節13は1軸で回動し、PIP関節14はDIP関節13と平行の軸線回りに1軸で回動する。MP1関節15及びMP2関節16は2軸で回動する中手指節関節を構成するものであって、MP1関節15はPIP関節14と平行の軸線回りに回動し、MP2関節16はMP1関節15に交差する軸線回りに回動する。

0018

DIP関節13と、PIP関節14と、MP1関節15とは、基部4の手の平側に向かう方向に回動して握り動作等の屈伸運動が行えるようになっている。MP2関節16は、各指機構同士が近接・離間する方向に各指機構を揺動させ、例えば手を広げる動作等が行えるようになっている。

0019

拇指機構5は、図2に模式的に示すように、指先側から順に、IP関節17(拇指指節間関節)、MP関節18(拇指中手指節関節)、CM1関節19、及びCM2関節20を備えて、各関節毎に回動自在とされている。

0020

IP関節17は1軸で回動し、MP関節18はIP関節17と平行の軸線回りに1軸で回動する。CM1関節19及びCM2関節20は2軸で回動する手根中手関節を構成するものであって、CM1関節19はMP関節18と平行の軸線回りに回動し、CM2関節20はCM1関節19に交差する軸線回りに回動する。

0021

IP関節17と、MP関節18と、CM1関節19とは、基部4の手の平側或いは他の4つの指機構6,7,8,9の何れかの指腹側に向かう方向に回動して握り動作等の屈伸運動が行えるようになっている。CM2関節20は、拇指機構5を手の平側或いは他の4つの指機構6,7,8,9の何れかの指腹側に対向するように回動させる。

0022

5つの指機構のうち、拇指機構5、示指機構6、及び中指機構7は本発明の3つの指機構に相当するもので、後述するように指先でのつまみ動作を含む器用動作を行う器用指とされ、環指機構8及び小指機構9は、器用指の動作に応じて握り動作を含む力動作を行う力指とされている。

0023

器用指とされる拇指機構5、示指機構6、及び中指機構7は、図3及び図4に示すように、力センサである6軸力センサ21を備えている。6軸力センサ21は、拇指機構5、示指機構6、及び中指機構7の各指先部材22に傾斜する姿勢取付けられている。6軸力センサ21は、器用指の指先部材22に作用する6軸力、即ち、互いに直交する3軸(x軸、y軸、z軸)方向の並進力各軸周りのモーメントとを測定する。そして、6軸力センサ21から出力される6軸力の測定値に基づいて器用指における指先力の制御が行なわれる。

0024

示指機構6の構成を説明すれば、図4に示すように、示指機構6は、MP1関節15の回動軸151を回動させる第1の従動流体圧シリンダ23と、PIP関節14の回動軸141を回動させる第2の従動流体圧シリンダ24とを備えている。

0025

第1の従動流体圧シリンダ23のシリンダ本体231は、人間の中手骨に相当し、MP2関節16の回動軸161により回動自在に前記基部4のフレーム10(図1参照)に支持されている。第2の従動流体圧シリンダ24のシリンダ本体241は、人間の基節骨に相当し、MP1関節15の回動軸151を介して第1の従動流体圧シリンダ23に回動自在に連結されている。

0026

第2の従動流体圧シリンダ24のシリンダ本体241に流体を供給する配管244は、MP1関節15の回動軸151の内部に収容されている。これにより、MP1関節15の回動時に配管244が邪魔にならず、示指機構6の屈伸動作を円滑に行うことができる。

0027

また、第2の従動流体圧シリンダ24のシリンダ本体241を示指機構6の長手方向に沿ってMP1関節15とPIP関節14との間に配設することにより、示指機構6をコンパクトに構成することができる。

0028

PIP関節14には、人間の中節骨に相当する連結部材25を介してDIP関節13が連結されている。DIP関節13の回動軸131には、前記指先部材22に連設された6軸力センサ21を支持する支持部材26が回動自在に連結されている。連結部材25は、その一端がPIP関節14の回動軸141に回動自在に連結され、他端がDIP関節13の回動軸131に連結されている。

0029

更に、PIP関節14とDIP関節13との間には、リンク部材27が設けられている。リンク部材27は、第2の従動流体圧シリンダ24のシリンダ本体241と指先部材22の6軸力センサ21を支持する支持部材26とを連結する。

0030

第1の従動流体圧シリンダ23は、シリンダ本体231内部に流体が供給されることによりピストン232が摺動し、ピストンロッド233が伸縮してMP1関節15を回動させる。これにより、示指機構6がMP1関節15を介して屈伸する。

0031

第2の従動流体圧シリンダ24は、シリンダ本体241内部に流体が供給されることによりピストン242が摺動し、ピストンロッド243が伸縮してPIP関節14を回動させる。このとき、PIP関節14とDIP関節13とが、連結部材25とリンク部材27とにより連結されているので、第2の従動流体圧シリンダ24によるPIP関節14の回動に追従してDIP関節13が回動する。

0032

DIP関節13は、第2の従動流体圧シリンダ24によるPIP関節14の回動に連動するように構成されているので、人間の指の動きに近い動作が得られるだけでなく、DIP関節13を駆動するためのシリンダ等が不要となり、示指機構6を軽量に構成することができる。

0033

以上の構成により、示指機構6は、第1の従動流体圧シリンダ23及び第2の従動流体圧シリンダ24のピストンロッド231,241を伸長させることにより折り曲げ状態となり、ピストンロッド231,241を収縮させることにより延ばし状態となる。

0034

示指機構6のMP2関節16は、図3に示すように、各指機構の配列方向に沿ってピストンロッド283が伸縮する第3の従動流体圧シリンダ28により回動される。第3の従動流体圧シリンダ28は、ピストンロッド283を伸長させることにより示指機構6を中指機構7に近接する方向に揺動させ、ピストンロッド283を収縮させることにより示指機構6を中指機構7から離反する方向に揺動させる。

0035

図4に示すように、PIP関節14、MP1関節15及びMP2関節16の夫々にはコイルばね14s,15s,16s(ねじりばね)が設けられている。PIP関節14及びMP1関節15の各コイルばね14s,15sは、示指機構6を延ばし方向に付勢する。MP2関節16のコイルばね16sは、示指機構6を中指機構7から離反させる方向に付勢する。言い換えれば、各コイルばね14s,15s,16sの付勢方向は、3つの従動流体圧シリンダ23,24,28のピストンロッド233,243,283の収縮方向と同じ方向とされている。

0036

以上、示指機構6の構成を詳しく述べたが、中指機構7の構成も示指機構6と同じであるので説明を省略する。

0037

力指とされる環指機構8及び小指機構9は、示指機構6の上述した構成のうち、6軸力センサ21と第3の従動流体圧シリンダ28とを備えないこと以外は、示指機構6と同じ構成である。環指機構8及び小指機構9は、第3の従動流体圧シリンダ28を備えないことにより、MP2関節16が力動作に応じて自在に回動し、MP2関節16のコイルばね16sの付勢により所定位置に自然復帰するようになっている。

0038

次に、器用指とされる拇指機構5の構成を説明する。図5に示すように、拇指機構5は、CM1関節19の回動軸191(手根中手関節の第1の回動軸)を回動させる第1の従動流体圧シリンダ29(駆動シリンダ)と、MP関節18の回動軸181を回動させる第2の従動流体圧シリンダ30とを備えている。

0039

第1の従動流体圧シリンダ29のシリンダ本体291は、CM2関節20の回動軸(手根中手関節の第2の回動軸)とされており、回動自在に前記基部4のフレーム10に支持されている。

0040

そして、図2及び図3に示すように、CM2関節20の回動軸(第1の従動流体圧シリンダ29のシリンダ本体291)の軸線aは、示指機構6の中手指節関節と中指機構7の中手指節関節との間であって好ましくは中央を通って、延ばし状態の示指機構6及び中指機構7の指先方向に延びるように配設されている。これによれば、物体のつまみ動作を行う際に、拇指機構5の指先を示指機構6の指先と中指機構7の指先との中央に対向させ、CM2関節20回りの回転動作を小さくすることがでる。しかも、拇指機構5の指先を示指機構6の指先と中指機構7の指先との何れにもバランスよく対向させることができる。これにより、CM2関節20回りの不要なモーメントを抑えて物体を安定して把持することができ、しかも、各6軸力センサ21による測定値の精度が向上し、器用指における指先力の制御を高精度に行なうことができる。

0041

更に、第1の従動流体圧シリンダ29のシリンダ本体291をCM2関節20回動軸として兼用することにより、第1の従動流体圧シリンダ29とCM2関節20の回動軸とを別々に設けた場合に比べてコンパクトとなる。しかも、CM2関節20の回動に伴う第1の従動流体圧シリンダ29の揺動は全くなく、その揺動スペースが不要となるので極めてコンパクトに構成することができる。

0042

第2の従動流体圧シリンダ30のシリンダ本体301は、CM1関節19の回動軸191を介して第1の従動流体圧シリンダ29に回動自在に連結されている。

0043

第2の従動流体圧シリンダ30のシリンダ本体301に流体を供給する配管304は、CM1関節19の回動軸191の内部に収容されている。これにより、CM1関節19の回動時に配管304が邪魔にならず、拇指機構5の屈伸動作を円滑に行うことができる。

0044

MP関節18には、連結部材31を介してIP関節17が連結されている。IP関節17の回動軸171には、指先部材22が回動自在に連結されている。連結部材31は、その一端がMP関節18の回動軸181に回動自在に連結され、他端がIP関節17の回動軸171に連結されている。

0045

更に、MP関節18とIP関節17との間には、リンク部材32が設けられている。リンク部材32は、第2の従動流体圧シリンダ30のシリンダ本体301と指先部材22の6軸力センサ21を支持する支持部材33とを連結する。

0046

第1の従動流体圧シリンダ29は、シリンダ本体291内部に流体が供給されることによりピストン292が摺動し、ピストンロッド293が伸縮してCM1関節19を回動させる。これにより、示指機構6がCM1関節19を介して屈伸する。

0047

第2の従動流体圧シリンダ30は、シリンダ本体301内部に流体が供給されることによりピストン302が摺動し、ピストンロッド303が伸縮してMP関節18を回動させる。このとき、MP関節18とIP関節17とが、連結部材31とリンク部材32とにより連結されていることにより、第2の従動流体圧シリンダ30によるMP関節18の回動に追従してIP関節17が回動する。

0048

IP関節17は、第2の従動流体圧シリンダ30によるMP関節18の回動に連動するように構成されているので、人間の指の動きに近い動作が得られるだけでなく、IP関節17を駆動するためのシリンダ等が不要となり、拇指機構5を軽量に構成することができる。

0049

以上の構成により、拇指機構5は、第1の従動流体圧シリンダ29及び第2の従動流体圧シリンダ30のピストンロッド293,303を伸長させることにより折り曲げ状態となり、ピストンロッド293,303を収縮させることにより延ばし状態となる。

0050

拇指機構5のCM2関節20は、図3に示すように、各指機構の配列方向に沿ってピストンロッド343が伸縮する第3の従動流体圧シリンダ34により前記軸線a回りに回動される。

0051

拇指機構5は、第3の従動流体圧シリンダ34のピストンロッド343を伸長させることにより、基部4の手の平側に回動し、第3の従動流体圧シリンダ34のピストンロッド343を収縮させることにより示指機構6に隣り合う方向に回動する。

0052

図5に示すように、第1の従動流体圧シリンダ29のシリンダ本体291への流体の供給は、CM2関節20の回動軸である第1の従動流体圧シリンダ29のシリンダ本体291の軸受け部101の内部に形成された流体路294を介して行われる。これにより、第1の従動流体圧シリンダ29のシリンダ本体291を円滑に回動させることができ、CM2関節20による拇指機構5の回動を円滑に行うことができる。

0053

図3及び図5に示すように、MP関節18、CM1関節19及びCM2関節20の夫々にはコイルばね18s,19s,20s(ねじりばね)が設けられている。MP関節18及びCM1関節19の各コイルばね18s,19sは、拇指機構5を延ばし方向に付勢する。CM2関節20のコイルばね20sは、第1の従動流体圧シリンダ29のシリンダ本体291の外周を包囲するようにして設けられ、拇指機構5を示指機構6に隣り合う方向に回動する方向に付勢する。言い換えれば、各コイルばね18s,19s,20sの付勢方向は、3つの従動流体圧シリンダ29,30,34の各ピストンロッド293,303,343の収縮方向と同じ方向とされている。

0054

そして図示しないが、ハンド本体2の指腹側を覆う指表皮部材11や手の平側を覆う基部表皮部材12には、所定位置に複数の接触センサが設けられている。

0055

以上、ハンド本体2の構成について説明したが、次に、ハンド本体2の各指機構を駆動するための駆動手段3について説明する。

0056

駆動手段3は、図1に示すように、ハンド本体2の外部に設けられた駆動シリンダユニット35と、この駆動シリンダユニット35を介してハンド本体2を制御するコントローラ36と、前述した各従動流体圧シリンダ23,24,28,29,30,34とにより構成される。

0057

駆動シリンダユニット35は、図1に示すように、複数の駆動流体圧シリンダ37を備えている。駆動流体圧シリンダ37は、図6に示すように、内部に流体を収容するシリンダ本体371と、シリンダ本体371の内部を摺動するピストン372と、ピストン372に連設された中空のピストンロッド373とを備えている。更に、駆動流体圧シリンダ37は、ピストンロッド373の軸線に沿ってピストンロッド373内に挿入されるボールねじ38と、ピストンロッド373の内部に固設されてボールねじ38に螺合するナット39と、ボールねじ38を回転駆動することによりナット39を介してピストンロッド373を進退させるモータ40と、モータ40の作動量を検出するためのエンコーダ41とを備えている。

0058

モータ40は、回転伝達手段としてのプーリ42,43に掛けわたされたベルト44を介してボールねじ38を回転駆動する。これにより、モータ40の出力軸401とピストンロッド373との軸線が平行となり、モータ40をシリンダ本体371に隣設することができてコンパクトに形成される。

0059

駆動シリンダユニット35の各駆動流体圧シリンダ37は、ハンド本体2に内蔵されている前述の従動流体圧シリンダ23,24,28,29,30,34に、1つずつ対応して計13個設けられている。図1に概略を示しているが、駆動シリンダユニット35の各駆動流体圧シリンダ37とハンド本体2の各従動流体圧シリンダ23,24,28,29,30,34とは夫々が流体圧伝達管45を介して各別に接続される。

0060

この構成により、図7(a)及び(b)に模式的に示すように、駆動流体圧シリンダ37の内部に流体を送出吸入すれば、それに対応して各従動流体圧シリンダ23(24,28,29,30,34)では流体が圧入・排出され、従動流体圧シリンダ37による指機構6(7,8,9,5)の駆動が行われる。このとき、コントローラ36がモータ40を介して駆動流体圧シリンダ37における流体の送出量及び吸入量を制御することにより、従動流体圧シリンダ23(24,28,29,30,34)によって指機構6(7,8,9,5)に所望の屈伸作動を行わせることができる。そして、駆動シリンダユニット35をハンド本体2の外部に設けたことにより、ハンド本体2を小型軽量として、例えば人間の標準的な手と同等の大きさのハンド本体2を得ることができる。更に、各駆動流体圧シリンダ37及び各従動流体圧シリンダ23,24,28,29,30,34の流体圧により各指機構5,6,7,8,9を作動させるので、小型であっても十分な把持力を得ることができる。

0061

また、図1に示すように、コントローラ36は、信号線46を介して駆動シリンダユニット35に接続され、各駆動流体圧シリンダ37から各従動流体圧シリンダ23,24,28,29,30,34に伝達される作動用流体圧を調節することにより各指機構の屈伸を制御する。更に、コントローラ36は、信号線47を介してハンド本体2に接続され、器用指とされている拇指機構5、示指機構6、及び中指機構7の各6軸力センサ21や前記接触センサから得られる情報に基づいて、各駆動流体圧シリンダ37の制御を行う。これによって、コントローラ36は、前述した構成のハンド本体2の各指機構により人間の動作を模倣した把持動作を行うように制御する。

0062

コントローラ36は、例えば、ハンド本体2の各指機構により円柱状の物体(図示せず)をつかみ上げる動作を行うとき、次のようにして指機構を制御する。

0063

先ず、器用指とされている拇指機構5、示指機構6、及び中指機構7の指先で物体をつまむ動作を行う。このとき、CM2関節20の回動軸(シリンダ本体291)の軸線a(図2参照)が、示指機構6の中手指節関節と中指機構7の中手指節関節との中央を通って延びるように設けられているので、示指機構6の指先と中指機構7の指先との間に拇指機構5の指先が円滑に対向するので、物体のつまみ状態が極めて安定する。

0064

次いで、拇指機構5、示指機構6、及び中指機構7により手の平側の基部表皮部材12に接触するまで物体を把持する。このとき、コントローラ36は、各6軸力センサ21、及び指腹側の指表皮部材11や手の平側の基部表皮部材12に設けられている接触センサの情報に基づき、物体の位置・大きさ・姿勢等を演算する。コントローラ36は、その演算結果に基づいて拇指機構5、示指機構6、及び中指機構7を動作させるので、つまむ動作から把持する動作に連続的に移行する際に物体のバランスを取りながら物体の姿勢を器用に操ることができる。しかも、CM2関節20の回動軸(シリンダ本体291)の軸線aが、示指機構6の中手指節関節と中指機構7の中手指節関節との中央にあるので、不要なモーメーンとが生じず、把持する動作に移行する際にも物体の姿勢を安定させることができる。

0065

続いて、コントローラ36は、環指機構8及び小指機構9を作動させ、力指とされる環指機構8及び小指機構9により比較的強い力で物体を握り込み、その後、拇指機構5、示指機構6、及び中指機構7により比較的強い力で物体を握り込む。このような動作がコントローラ36の制御により行われることにより、人間を模倣して物体の把持動作を行うことができる。

0066

なお、前記実施形態では、人の手を模した5つの指機構を備える多指ハンド装置1について説明したが、例えば、拇指機構5、示指機構6及び中指機構7の3つとしてもよい。

0067

1…多指ハンド装置、4…基部、5…拇指機構、6…示指機構、7…中指機構、13…DIP関節(遠位指節間関節)、14…PIP関節(近位指節間関節)、15…MP1関節(中手指節関節)、16…MP2関節(中手指節関節)、17…IP関節(拇指指節間関節)、18…MP関節(拇指中手指節関節)、19…CM1関節(手根中手関節)、20…CM2関節(手根中手関節)、29…第1の従動流体圧シリンダ(駆動シリンダ)、191…回動軸(第1の回動軸)、291…シリンダ本体(第2の回動軸)。

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