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技術 高エピ体濃度ジャスモン酸アルキル類の製造方法

出願人 日本ゼオン株式会社
発明者 竹松稔中野景太近藤佳久
出願日 2010年12月3日 (9年8ヶ月経過) 出願番号 2010-270244
公開日 2011年3月3日 (9年5ヶ月経過) 公開番号 2011-042810
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 脂肪類、香料
主要キーワード メッシュストリップ ジヒドロジャスモン酸 匂い強度 異臭成分 装置内圧力 精製蒸留塔 平均滞在 蒸留濃縮
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

エピ体濃度の低いジャスモン酸アルキル類から、連続的に効率よくエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類を製造する方法を提供する。

解決手段

(iv)エピ体濃度の低いジャスモン酸アルキル類を蒸留してエピ体濃度10%以上の留分と10%未満の留分に分離する蒸留精製工程、(i)エピ体濃度10%未満のジャスモン酸アルキル類留分を原料とし、異性化反応によりエピ体濃度を10%以上に高める異性化工程、(ii)異性化工程(i)で得られた生成物濃縮蒸留してエピ体濃度を20%以上にする濃縮蒸留工程、および(iii)濃縮蒸留工程(ii)で得られた高エピ体濃度の粗精製留分を薄膜蒸留処理して、高沸点不純物含有留分を連続的に取り除く薄膜蒸留工程を含む一連のプロセスを連続的に実施する。

概要

背景

ジヒドロジャスモン酸メチル(以下、「MDJ」と略称する)、ジャスモン酸メチルなどのジャスモン酸アルキル類(本発明において、ジヒドロジャスモン酸アルキルジャスモン酸アルキルを総称して「ジャスモン酸アルキル類」という)は、香料として有用である。特に、エピ体濃度の高いMDJは、優れた匂い強度を示し、香気性化合物組成物)として有用であることが知られている。

従来、エピ体濃度の高いMDJを製造するには、合成で得られたシス体トランス体との混合物を、異性化触媒の存在下に加熱処理してトランス体の一部をシス体に変換してシス体含有率を10%程度にした後、蒸留に付してトランス体を除去することによりシス体含有率を20〜50%程度に高める方法が採用されていた。しかしながら、これまで採用されていた単蒸留では、塔頂から留出する低エピ体濃度留分は、製品価格が低く、殆どが廃棄処分されるため、全体としての製品化率が低く問題であった。また、単蒸留で得られた製品は、ロット毎のエピ体濃度および匂い品質にばらつきがあり、品質上問題があった。

さらに、蒸留塔塔頂部から高エピ体濃度の製品を留出させるためには、塔底部)の温度を高くする必要があり、また、蒸留に長時間を必要とする。このため、蒸留中にMDJの分解および異性化が起こり、収率を低下させると共に、匂い品質を低下させる。また、蒸留後釜残は、高沸点不純物を多く含むために、着色の程度が大きく、匂いなどの品質も悪く、製品とするには、問題があった。

概要

エピ体濃度の低いジャスモン酸アルキル類から、連続的に効率よくエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類を製造する方法を提供する。 (iv)エピ体濃度の低いジャスモン酸アルキル類を蒸留してエピ体濃度10%以上の留分と10%未満の留分に分離する蒸留精製工程、(i)エピ体濃度10%未満のジャスモン酸アルキル類留分を原料とし、異性化反応によりエピ体濃度を10%以上に高める異性化工程、(ii)異性化工程(i)で得られた生成物濃縮蒸留してエピ体濃度を20%以上にする濃縮蒸留工程、および(iii)濃縮蒸留工程(ii)で得られた高エピ体濃度の粗精製留分を薄膜蒸留処理して、高沸点不純物含有留分を連続的に取り除く薄膜蒸留工程を含む一連のプロセスを連続的に実施する。

目的

本発明の目的は、低エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類から、着色や匂い品質の低下という問題を招来することなく、エピ体濃度の高いジャスモン酸アルキル類を連続的に効率よく製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(iv)粗ジャスモン酸アルキル類蒸留して精製蒸留塔塔底からエピ体濃度10重量%以上のジャスモン酸アルキル類留分を抜き出すとともに、精製蒸留塔の塔頂からエピ体濃度10重量%未満のジャスモン酸アルキル類留分を取得する蒸留精製工程、(i)該蒸留精製工程(iv)で取得したエピ体濃度10重量%未満のジャスモン酸アルキル類留分を、連続異性化反応によりエピ体濃度を10%以上に高める異性化工程、(ii)異性化工程(i)で得られた生成物を連続的に濃縮蒸留してエピ体濃度を20%以上に濃縮した高エピ体濃度の粗精製留分を塔底から得る濃縮蒸留工程、および(iii)濃縮蒸留工程(ii)で得られた高エピ体濃度の粗精製留分を薄膜蒸留処理して、高沸点不純物含有留分を薄膜蒸留装置の下部から連続的に取り除くとともに、高エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類を薄膜蒸留装置の上部から連続的に抜き出す薄膜蒸留工程を含んでなることを特徴とするエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法

請求項2

蒸留精製工程(iv)において、精製蒸留塔の塔底からエピ体濃度10重量%以上の留分を抜き出し、その留分を薄膜蒸留処理して高沸点不純物含有留分を薄膜蒸留装置の下部から連続的に取り除くとともに、エピ体濃度10%以上のジャスモン酸アルキル類を薄膜蒸留装置の上部から連続的に抜き出す薄膜蒸留工程(v)を含むことを特徴とする請求項1記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。

請求項3

濃縮蒸留工程(ii)において、濃縮蒸留装置の塔頂から抜き出された低エピ体濃度の留分の少なくとも一部が、異性化工程(i)および/または蒸留精製工程(iv)に戻されることを特徴とする請求項1または2に記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。

請求項4

薄膜蒸留工程(v)および/または薄膜蒸留工程(iii)において、薄膜蒸留装置の下部から抜き出された高沸点不純物含有留分の少なくとも一部が、蒸留精製工程(iv)に戻されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。

請求項5

異性化工程(i)における異性化反応を温度160〜190℃、圧力−90〜−101.3kPaにて行う請求項1〜4のいずれかに記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。

請求項6

濃縮蒸留工程(ii)において、濃縮蒸留装置を用いて圧力−90〜−101.3kPa、塔底温度170〜185℃、塔頂温度100〜110℃にて濃縮蒸留を行う請求項1〜5のいずれかに記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。

請求項7

薄膜蒸留工程(iii)において、圧力−90〜−101.3kPa、処理温度135〜145℃にて薄膜蒸留処理を行う請求項1〜6のいずれかに記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。

請求項8

蒸留精製工程(iv)において、精密蒸留を用いて圧力−90〜−101.3kPa、塔底温度165〜175℃、塔頂温度100〜110℃にて精密蒸留を行う請求項1〜7のいずれかに記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。

技術分野

0001

本発明は、低エピ体濃度ジャスモン酸アルキル類からエピ体濃度の高いジャスモン酸アルキル類を連続的に製造する方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、低エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類から連続的に高純度で匂いなどの品質に優れた高エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類を効率よく製造する方法に関する。

背景技術

0002

ジヒドロジャスモン酸メチル(以下、「MDJ」と略称する)、ジャスモン酸メチルなどのジャスモン酸アルキル類(本発明において、ジヒドロジャスモン酸アルキルジャスモン酸アルキルを総称して「ジャスモン酸アルキル類」という)は、香料として有用である。特に、エピ体濃度の高いMDJは、優れた匂い強度を示し、香気性化合物組成物)として有用であることが知られている。

0003

従来、エピ体濃度の高いMDJを製造するには、合成で得られたシス体トランス体との混合物を、異性化触媒の存在下に加熱処理してトランス体の一部をシス体に変換してシス体含有率を10%程度にした後、蒸留に付してトランス体を除去することによりシス体含有率を20〜50%程度に高める方法が採用されていた。しかしながら、これまで採用されていた単蒸留では、塔頂から留出する低エピ体濃度留分は、製品価格が低く、殆どが廃棄処分されるため、全体としての製品化率が低く問題であった。また、単蒸留で得られた製品は、ロット毎のエピ体濃度および匂い品質にばらつきがあり、品質上問題があった。

0004

さらに、蒸留塔塔頂部から高エピ体濃度の製品を留出させるためには、塔底部)の温度を高くする必要があり、また、蒸留に長時間を必要とする。このため、蒸留中にMDJの分解および異性化が起こり、収率を低下させると共に、匂い品質を低下させる。また、蒸留後釜残は、高沸点不純物を多く含むために、着色の程度が大きく、匂いなどの品質も悪く、製品とするには、問題があった。

発明が解決しようとする課題

0005

従って、本発明の目的は、低エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類から、着色や匂い品質の低下という問題を招来することなく、エピ体濃度の高いジャスモン酸アルキル類を連続的に効率よく製造する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討した結果、(iv)粗ジャスモン酸アルキル類を蒸留して精製蒸留塔の塔底から高エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類留分を抜き出すとともに、精製蒸留塔の塔頂から低エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類留分を抜き出し、その低エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類留分を(i)異性化、(ii)濃縮蒸留および(iii)薄膜蒸留に順次付すことによって連続的に効率よくエピ体濃度の高いジャスモン酸アルキル類が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。

0007

かくして本発明によれば、下記(1)〜(8)のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法が提供される。
(1)(iv)粗ジャスモン酸アルキル類を蒸留して精製蒸留塔の塔底からエピ体濃度10重量%以上のジャスモン酸アルキル類留分を抜き出すとともに、精製蒸留塔の塔頂からエピ体濃度10重量%未満のジャスモン酸アルキル類留分を取得する蒸留精製工程、(i)該蒸留精製工程(iv)で取得したエピ体濃度10重量%未満のジャスモン酸アルキル類留分を、連続異性化反応によりエピ体濃度を10%以上に高める異性化工程、(ii)異性化工程(i)で得られた生成物を連続的に濃縮蒸留してエピ体濃度を20%以上に濃縮して高エピ体濃度の粗精製留分を塔底から得る濃縮蒸留工程、および(iii)濃縮蒸留工程(ii)で得られた高エピ体濃度の粗精製留分を薄膜蒸留処理して、高沸点不純物含有留分を薄膜蒸留装置の下部から連続的に取り除くとともに、高エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類を薄膜蒸留装置の上部から連続的に抜き出す薄膜蒸留工程を含んでなるエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。
(2)蒸留精製工程(iv)において、精製蒸留塔の塔底からエピ体濃度10重量%以上の留分を抜き出し、その留分を薄膜蒸留処理して高沸点不純物含有留分を薄膜蒸留装置の下部から連続的に取り除くとともに、エピ体濃度10%以上のジャスモン酸アルキル類を薄膜蒸留装置の上部から連続的に抜き出す薄膜蒸留工程(v)をさらに含むようにした(1)記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。
(3)濃縮蒸留工程(ii)において、濃縮蒸留装置の塔頂から抜き出された低エピ体濃度の留分の少なくとも一部を、異性化工程(i)および/または蒸留精製工程(iv)に戻すようにした(1)または(2)に記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。
(4)薄膜蒸留工程(v)および/または薄膜蒸留工程(iii)において、薄膜蒸留装置の下部から抜き出された高沸点不純物含有留分の少なくとも一部を、蒸留精製工程(iv)に戻すようにした(1)〜(3)のいずれかに記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。
(5)異性化工程(i)における異性化反応を温度160〜190℃、圧力−90〜−101.3kPaにて行う(1)〜(4)のいずれかに記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。
(6)濃縮蒸留工程(ii)において、濃縮蒸留装置を用いて圧力−90〜−101.3kPa、塔底温度170〜185℃、塔頂温度100〜110℃にて濃縮蒸留を行う(1)〜(5)のいずれかに記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。
(7)薄膜蒸留工程(iii)において、圧力−90〜−101.3kPa、処理温度135〜145℃にて薄膜蒸留処理を行う(1)〜(6)のいずれかに記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。
(8)蒸留精製工程(iv)において、精密蒸留を用いて圧力−90〜−101.3kPa、塔底温度165〜175℃、塔頂温度100〜110℃にて精密蒸留を行う(1)〜(7)のいずれかに記載のエピ体濃度20%以上のジャスモン酸アルキル類の連続的製造方法。

発明の効果

0008

以上のような(iv)蒸留精製工程、(i)異性化工程、(ii)濃縮蒸留工程および(iii)薄膜蒸留工程を含む本発明の連続的高濃度MDJ製造方法によれば、次のような効果が奏される。
(イ)ジャスモン酸アルキル類蒸留精製工程で留出する低エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類から高エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類を効率よく得ることができる。また、塔底から抜き出す留出液は、高エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類であるから、その留出液から高沸点不純物を除去するだけで高エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類を効率よく得ることができる。
(ロ)ジャスモン酸アルキル類蒸留精製工程で留出する低沸点留分原料として用いるため、本発明の精製プロセスで生成する高沸点不純物の量が非常に少ない。
(ハ)連続的に製造されるため高エピ体濃度ジャスモン酸アルキル類製品中のエピ体純度や匂いなどの品質が安定する。

0009

(ニ)エピ体濃縮蒸留工程では、塔底から連続的に抜き出される釜残分を製品化するため、加熱時間が比較的短くてすみ、濃縮時のジャスモン酸アルキル類の分解、異性化や匂い品質の低下を抑えられる。
(ホ)蒸留濃縮後の釜残液に残る微量高沸点不純物や異臭成分などは、薄膜蒸留により簡単に取り除くことができる。
(ヘ)濃縮蒸留工程で大量に留出する低エピ体濃度のジャスモン酸アルキル類留分を再度異性化反応器に戻し、リサイクル使用する場合には、製品化率が大幅に向上する。
(ト)薄膜蒸留で除いた高沸点留分および/または、濃縮蒸留の低沸点留分で低沸分を除くために一部抜き出した留分を再蒸留してリサイクル使用する場合には廃棄物が非常に少ない。

図面の簡単な説明

0010

図1は 本発明の高沸点香料精製プロセスを示す概略説明図である。

0011

以下、本発明の高エピ体濃度ジャスモン酸アルキル類の製造方法を、MDJを例にとって、さらに詳細に説明する。本発明の高エピ体濃度MDJの連続的製造方法は、(iv)エピ体を含むMDJを蒸留して高エピ体濃度のMDJを塔底から抜き出し、低エピ体濃度のMDJを塔頂から抜き出す蒸留精製工程、(i)塔頂から抜き出された低エピ体濃度MDJを原料とする異性化工程、(ii)異性化生成物の濃縮蒸留工程および(iii)濃縮して得られた高エピ体濃度の粗精製MDJの薄膜蒸留工程からなる。

0012

本発明の製造方法において、異性化反応の原料として用いられる低エピ体濃度のMDJとしては、MDJの精製蒸留において、精製蒸留装置の塔頂から抜き出されるエピ体濃度10%未満の留分が用いられる。この低エピ体濃度のMDJ原料は、(i)異性化工程において、連続的異性化反応によりエピ体濃度を10%以上に高められる。

0013

異性化反応は、塩基または酸の存在下に加熱することによって行うことができる。ここで、塩基としては、アルカリ金属アルカリ土類金属炭酸塩炭酸水素塩水酸化物などが好適に使用され、その具体例としては、炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩および炭酸水素塩;炭酸カルシウム炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩;水酸化ナトリウム水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物などを挙げることができる。また、酸としては、酸性イオン交換樹脂無機酸、有機酸などが使用され、その具体例としては、ダイアイオンダウエックスアンバーライトなどのイオン交換樹脂塩酸硫酸リン酸などの無機酸;酢酸トシル酸シュウ酸などの有機酸を挙げることができる。これらの塩基または酸触媒の量は、MDJに対して、10〜1,000ppmである。

0014

異性化反応は、無溶媒で行うことができるが、溶媒を存在させてもよい。反応温度は、通常、160〜190℃程度である。反応系の圧力も特に制限されないが、−90〜−101.3kPa程度である。また、反応時間は、通常、5〜11時間程度である。異性化反応生成物は濃縮蒸留装置へ送られ、濃縮蒸留装置の底部から、エピ体濃度が20%以上に高められた粗精製MDJが連続的に抜き出される〔(ii)濃縮蒸留工程〕。濃縮蒸留装置の上部から留出するエピ体濃度が低いMDJ留分は、上記(i)異性化工程の原料の一部としてリサイクルすることができる。

0015

濃縮蒸留装置の下部から抜き出された高エピ体濃度の粗精製MDJは、次いで、薄膜蒸留装置に送られ、そこで高純度・高エピ体濃度の製品MDJが上部から連続的に抜き出される〔(iii)薄膜蒸留工程〕。高沸点不純物を含有する残部は、薄膜蒸留装置の下部から連続的に抜き出される。

0016

以下、添付図面を参照しつつ、本発明の高エピ体濃度MDJの連続的製造方法をさらに具体的かつ詳細に説明する。
(i)異性化工程の原料である低エピ体濃度のMDJは、例えば、MDJの合成系から送られてきた粗MDJを精製蒸留する際に、蒸留塔の塔頂から留出する留分である。すなわち、MDJの合成系から送られてきた、MDJ含有量97〜98重量%・エピ体濃度9〜11%の粗MDJが精製蒸留塔2の中段に供給される。精製蒸留塔2での蒸留は、高沸点化合物の蒸留であるため、通常、減圧下に行う。具体的には、一般に、減圧度が−90〜−101.3kPa、塔頂温度が100〜110℃、塔底温度が165〜175℃程度である。

0017

精製蒸留塔2の塔頂から、精製蒸留塔への供給量の約10〜20重量%の低沸点留分(MDJ含有量約90重量%・エピ体濃度2〜8%)が抜き出される。低エピ体濃度・低沸点留分3は、原料として本発明の(i)異性化工程へ送給される。所望により、低エピ体濃度・低沸点留分3の一部をリサイクルして精製蒸留装置2への供給原料系へ戻すことができる。他方、精製蒸留塔2の塔底からは、MDJ含有量99.0〜99.5重量%・エピ体濃度10〜12%にまで高められた高沸点成分5が精製蒸留塔への供給量の約90〜80重量%の割合で抜き出され、引き続いて、薄膜蒸留装置6に連続的に供給される。

0018

薄膜蒸留により、薄膜蒸留装置6の頂部からはMDJ含有量99.5重量%以上・エピ体濃度10〜12%の製品MDJが連続的に精製蒸留塔などへの供給量の約77〜87重量%の割合で得られ、薄膜蒸留装置6の底部からは高沸点不純物を含有する釜残7が連続的に精製蒸留塔などへの供給量の約3〜13重量%の割合で抜き出される。この釜残7は、必要に応じて、系外に抜き出すほか、再び、精製蒸留塔2への供給系4に戻すことができる。薄膜蒸留装置6で採用される具体的な温度および圧力は、一般に、減圧度が−90〜−101.3kPa以下、処理温度が135〜145℃程度である。

0019

異性化反応器9からはエピ体濃度が10%以上、通常、10〜12%に高められたガス状生成物10が精製蒸留塔への供給量の約10〜20重量%の割合で連続的に抜き出され、濃縮蒸留装置11へ送られる。濃縮蒸留は一般に、圧力−90〜−101.3kPa、塔底温度170〜185℃、塔頂温度100〜110℃にて行われる。濃縮蒸留によってエピ体濃度が20%以上、通常30〜45%に高められた粗精製MDJが塔底から濃縮蒸留装置への供給量の約10〜20重量%の割合で抜き出される。

0020

濃縮蒸留装置11の上部からは低エピ体濃度、例えばエピ体濃度が2〜7%の留分13が濃縮蒸留装置への供給量の約80〜90重量%の割合で連続的に抜き出される。抜き出された低エピ体濃度の留分13は、好ましくは、その一部15が精製蒸留装置2の供給原料の一部4として戻され、残部14が異性化反応器9への供給系へ戻される。濃縮蒸留装置11の塔底から抜き出された高エピ体濃度の粗精製MDJは薄膜蒸留装置16へ送られ、薄膜蒸留される。薄膜蒸留装置16での処理条件は、通常、圧力が−90〜−101.3kPa、処理温度が135〜145℃程度である。

0021

薄膜蒸留装置16の上部からは、エピ体濃度が20%以上、通常30〜45%の高純度MDJ17が製品として濃縮蒸留装置への供給量の約9.5〜18.5重量%の割合で抜き出される。薄膜蒸留装置16の下部からは高沸点不純物を含有する釜残18が濃縮蒸留装置への供給量の約0.5〜1.5重量%の割合で抜き出され、この釜残18は、所望により、精製蒸留装置2への供給原料の一部4として戻される。

0022

以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、実施例中の「%」および「部」は特にことわりのない限り、それぞれ「重量%」および「重量部」を示す。
〔実施例〕
図1に示す異性化装置および精製装置を用いて粗MDJの異性化および精製を行った。

0023

合成工程から送られてきた純度97.5%・エピ体濃度9〜11%のMDJを時間あたり100重量部の割合で精製蒸留塔上部中段へ供給した。精製蒸留塔2は、スルザーパッキングステンレスワイアで構成したメッシュストリップを平行に並べて一体構成に構成したパイ充填物)をした充填塔(住友重機械工業社製スルザーパックドカラム)である。精製蒸留塔2は、塔頂温度105〜107℃、塔底温度171〜173℃、圧力−101.1kPa以下にて運転した。精製蒸留塔2の塔頂からは低沸点留分3を毎時15重量部の割合で連続的に抜出した。この抜出し留分中のMDJ含有量は約90%、エピ体濃度は2〜4%であった。この塔頂留分は、その一部(毎時7重量部)を精製蒸留塔2への供給原料系へリサイクルし、残部(毎時8重量部)を異性化工程へ送った。

0024

精製蒸留塔2の塔底からはエピ体濃度10〜12%のMDJを連続的に抜出し、毎時85重量部の割合で薄膜蒸留器6へ導いた。薄膜蒸留により留出する蒸気の温度は140℃、装置内圧力は−101.1kPaであった。薄膜蒸留器6の頂部から純度99.7%・エピ体濃度約11%の製品MDJ81重量部を得た。蒸留器底部からは釜残7を連続的に毎時4重量部の割合で抜出し、精製蒸留塔2への供給原料系へリサイクルした。

0025

異性化反応は、MDJに対し100ppmの炭酸ナトリウム触媒の存在下に温度175〜177℃、圧力−95〜−101.1kPa、平均滞在時間約8時間で行った。なお、異性化反応は、後述する濃縮蒸留装置の上部からの戻り33重量部と合わせて行った。異性化反応器9から抜き出されたガス状生成物10は毎時41重量部の割合で連続的に濃縮蒸留塔11へ送った。ガス状生成物10中のエピ体濃度は10〜12.5%であった。異性化反応器9からのガス状生成物10は濃縮蒸留装置11で塔底温度175〜178℃、塔頂温度105〜107℃、圧力−95〜−101.1kPaにて濃縮蒸留された。

0026

濃縮蒸留装置11の上部からは低沸点留分13が毎時35重量部の割合で抜き出された。低沸点留分13中のエピ体濃度は約3%であった。低沸点留分13は、その一部15(毎時2重量部)を精製蒸留器2への供給原料系4へ戻し、残部14(毎時33重量部)は異性化反応器9への供給系へ戻した。濃縮蒸留装置11の塔底からは濃縮物12を毎時6重量部の割合で抜き出し、薄膜蒸留器16へ送った。濃縮物12中のエピ体濃度は38〜43%であった。薄膜蒸留により留出する蒸気の温度は140℃、器内圧力は−95〜−101.1kPaであった。薄膜蒸留器底部からは釜残18を毎時0.3重量部の割合で連続的に抜き出し、精製蒸留塔2への供給原料系へリサイクルした。薄膜蒸留開始から10時間の間に、薄膜蒸留器16の頂部から目的とする高エピ体濃度の製品MDJを毎時5.7重量部の割合で得た。製品MDJの純度は99.7%、エピ体濃度は40.5%であった。

0027

(製品の評価)
薄膜蒸留装置16の頂部から得られた、純度99.7%、エピ体濃度40.5%のMDJ(サンプルA)について、ASTMD1209−1980に準じて、a値を測定したところ、0.1〜0.3であった。これに対して、濃縮蒸留装置の底部から抜き出したエピ体濃度38〜43%の濃縮物(サンプルB)のa値は、0.5〜1.0であった。また、サンプルAおよびBについて、下記方法により、匂いの評価を行ったところ、サンプルAについて4.8、サンプルBについては4.0であった。

実施例

0028

[匂いの評価方法]
5人のパネラーにより、標準サンプルとの比較官能試験を行い、5人の評点を平均して匂いの評価とした。なお、標準サンプルおよびその点数は、下記のとおり。
1:異臭のあるもの3:やや異臭のあるもの5:問題がない

0029

1 MDJ粗原料
2精製蒸留塔
3塔頂からの低エピ体濃度・低沸点留分
4リサイクルされた留分
5塔底からの抜出し液
6薄膜蒸留器
7 底部から抜出された高沸点留分
8製品MDJ
9異性化反応器
10ガス状異性化反応生成物
11濃縮蒸留装置
12濃縮物(高エピ体濃度・粗精製MDJ)
13 低エピ体濃度・低沸点留分
14 異性化反応器へ戻される低エピ体濃度留分
15精製蒸留器へ戻される低エピ体濃度留分
16 薄膜蒸留器
17 高エピ体濃度の製品MDJ
18 精製蒸留器へ戻される高沸点留分

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