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技術 経口用ドライアイ改善剤、ならびに前記経口用ドライアイ改善剤を含む食品組成物および医薬品組成物

出願人 キユーピー株式会社
発明者 谷野壮介金光智行
出願日 2009年8月24日 (10年2ヶ月経過) 出願番号 2009-192824
公開日 2011年3月3日 (8年8ヶ月経過) 公開番号 2011-042632
状態 特許登録済
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 食品の着色及び栄養改善 多糖類及びその誘導体 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 微生物発酵法 細断機 プロテアーゼ処理物 繰り返し構成単位 レーシック さい帯 精製ヒアルロン酸 非還元末端糖
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

ドライアイ症状の改善に有効な経口用ドライアイ改善剤、ならびに前記経口用ドライアイ改善剤を含む食品組成物および医薬品組成物を提供。

解決手段

平均分子量が50万〜300万のヒアルロン酸および/またはその塩35〜95%と、平均分子量が1,000〜10万のヒアルロン酸および/またはその塩5〜65%とを混合して得られる経口用ドライアイ改善剤、及び改善剤を含む食品組成物、医薬品組成物。

概要

背景

現代視覚優位社会であり、現代人は目を酷使する機会が多く、ドライアイに悩む患者の数は一昔前よりも増加している。

ドライアイの原因は多岐にわたっている。例えば、パソコンモニターテレビ画面携帯電話画面を見続けることにより、まばたきが減少して眼の表面が乾きやすくなる。さらに、冷暖房などの空調により眼の表面が乾きやすくなる。また、分泌副交感神経に支配されており、交感神経優位の状態(緊張時)では涙量が減少するため、ストレスによって交感神経優位の状態になることが原因でドライアイが発症することもある。

また、加齢により涙量が減少することが知られている。さらには、コンタクトレンズの長時間使用によって目の表面が荒れることが原因でドライアイを発症する例や、レーシックなどの目の手術後にドライアイを発症する例も報告されている。あるいは、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患スティーブンスジョンソン症候群などの病気が原因で重篤なドライアイが発症する例が報告されている。

ドライアイの改善に関しては、特許文献1にヒアルロン酸蓄積促進組成物が開示されている。しかしながら、同公報では、ヒアルロン酸自体を経口摂取してドライアイを改善することについて実証されていない。

また、特許文献2には、眼精疲労用飲食品組成物が開示されている。しかしながら、同公報は、眼精疲労および眼精疲労が原因による肩・凝り又は頭が重い等の症状の改善に関するものであり、ドライアイについては言及されていない。

概要

ドライアイ症状の改善に有効な経口用ドライアイ改善剤、ならびに前記経口用ドライアイ改善剤を含む食品組成物および医薬品組成物を提供。平均分子量が50万〜300万のヒアルロン酸および/またはその塩35〜95%と、平均分子量が1,000〜10万のヒアルロン酸および/またはその塩5〜65%とを混合して得られる経口用ドライアイ改善剤、及び改善剤を含む食品組成物、医薬品組成物。なし

目的

本発明は、ドライアイ症状の改善に有効な経口用ドライアイ改善剤、ならびに前記経口用ドライアイ改善剤を含む食品組成物および医薬品組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

ヒアルロン酸および/またはその塩を有効成分として含有する経口用ドライアイ改善剤

請求項2

前記ヒアルロン酸および/またはその塩の平均分子量は20万〜300万である、請求1に記載の経口用ドライアイ改善剤。

請求項3

前記ヒアルロン酸および/またはその塩は、平均分子量が50万〜300万のヒアルロン酸および/またはその塩35〜95%と、平均分子量が1,000〜10万のヒアルロン酸および/またはその塩5〜65%とを混合して得られる、請求項2に記載の経口用ドライアイ改善剤。

請求項4

請求項1ないし3のいずれか1項に記載の経口用ドライアイ改善剤を含有する食品組成物

請求項5

請求項1ないし3のいずれか1項に記載の経口用ドライアイ改善剤を有効成分として含有する医薬品組成物

技術分野

0001

本発明は、ドライアイ症状の改善に有効な経口用ドライアイ改善剤、ならびに前記経口用ドライアイ改善剤を含む食品組成物および医薬品組成物に関する。

背景技術

0002

現代視覚優位社会であり、現代人は目を酷使する機会が多く、ドライアイに悩む患者の数は一昔前よりも増加している。

0003

ドライアイの原因は多岐にわたっている。例えば、パソコンモニターテレビ画面携帯電話画面を見続けることにより、まばたきが減少して眼の表面が乾きやすくなる。さらに、冷暖房などの空調により眼の表面が乾きやすくなる。また、分泌副交感神経に支配されており、交感神経優位の状態(緊張時)では涙量が減少するため、ストレスによって交感神経優位の状態になることが原因でドライアイが発症することもある。

0004

また、加齢により涙量が減少することが知られている。さらには、コンタクトレンズの長時間使用によって目の表面が荒れることが原因でドライアイを発症する例や、レーシックなどの目の手術後にドライアイを発症する例も報告されている。あるいは、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患スティーブンスジョンソン症候群などの病気が原因で重篤なドライアイが発症する例が報告されている。

0005

ドライアイの改善に関しては、特許文献1にヒアルロン酸蓄積促進組成物が開示されている。しかしながら、同公報では、ヒアルロン酸自体を経口摂取してドライアイを改善することについて実証されていない。

0006

また、特許文献2には、眼精疲労用飲食品組成物が開示されている。しかしながら、同公報は、眼精疲労および眼精疲労が原因による肩・凝り又は頭が重い等の症状の改善に関するものであり、ドライアイについては言及されていない。

先行技術

0007

特開2005−89454号公報
特開2005−287376号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、ドライアイ症状の改善に有効な経口用ドライアイ改善剤、ならびに前記経口用ドライアイ改善剤を含む食品組成物および医薬品組成物を提供する。

課題を解決するための手段

0009

本発明の一態様に係る経口用ドライアイ改善剤は、上記ヒアルロン酸および/またはその塩を有効成分として含有する。

0010

上記経口用ドライアイ改善剤において、前記ヒアルロン酸および/またはその塩の平均分子量は20万〜300万であることができる。

0011

上記経口用ドライアイ改善剤において、前記ヒアルロン酸および/またはその塩は、平均分子量が50万〜300万のヒアルロン酸および/またはその塩35〜95%と、平均分子量が1,000〜10万のヒアルロン酸および/またはその塩5〜65%とを混合して得ることができる。

0012

本発明の他の一態様に係る食品組成物は、上記経口用ドライアイ改善剤を含有する。

0013

本発明のさらに他の一態様に係る医薬品組成物は、上記経口用ドライアイ改善剤を有効成分として含有する。

発明の効果

0014

上記経口用ドライアイ改善剤によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩を含有することにより、ドライアイ症状を効果的に改善することができる。

0015

特に、上記経口用ドライアイ改善剤において、前記ヒアルロン酸および/またはその塩の平均分子量が20万〜300万である場合、医師にドライアイであると診断された患者のドライアイ症状を効果的に改善することができ、かつ、ドライアイ症状の改善効果を長期的に持続させることができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施例4において撮影された、蛍光標識ヒアルロン酸経口投与したウサギ角膜表面蛍光顕微鏡写真を示す。

実施例

0017

以下、本発明の一実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。

0018

1.経口用ドライアイ改善剤
本発明の一実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤はヒアルロン酸および/またはその塩を有効成分として含有することを特徴とする。

0019

1.1.ヒアルロン酸および/またはその塩
ここで、「ヒアルロン酸」とは、グルクロン酸N−アセチルグルコサミンとの二糖からなる繰り返し構成単位を1以上有する多糖類をいう。また、「ヒアルロン酸の塩」としては、特に限定されないが、食品または薬学上許容しうる塩であることが好ましく、例えば、ナトリウム塩カリウム塩カルシウム塩亜鉛塩マグネシウム塩アンモニウム塩等が挙げられる。

0020

ヒアルロン酸は、基本的にはβ−D−グルクロン酸の1位とβ−D−N−アセチルグルコサミンの3位とが結合した2糖単位を少なくとも1個含む2糖以上のものでかつβ−D−グルクロン酸とβ−D−N−アセチル−グルコサミンとから基本的に構成され、2糖単位が複数個結合したもの、またはそれらの要素が結合した糖であってもよく、またこれらの誘導体、例えば、アシル基等の加水分解性保護基を有したもの等も使用し得る。該糖は不飽和糖であってもよく、不飽和糖としては、非還元末端糖、通常、グルクロン酸の4,5位炭素間が不飽和のもの等が挙げられる。

0021

ヒアルロン酸および/またはその塩は、動物等の天然物(例えば鶏冠さい帯、皮膚、関節液などの生体組織など)から抽出されたものでもよく、または、微生物もしくは動物細胞を培養して得られたもの(例えばストレプトコッカス属の細菌等を用いた発酵法)、化学的もしくは酵素的に合成されたものなどいずれも使用することができる。

0022

1.1.1.分子量
本実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤で使用されるヒアルロン酸および/またはその塩の平均分子量は、ドライアイ症状の改善を持続的に行なうことができる点で、20万〜300万であることが好ましい。この場合、前記ヒアルロン酸および/またはその塩は例えば、平均分子量が50万〜300万のヒアルロン酸(以下「高分子ヒアルロン酸」ともいう。)および/またはその塩35〜95%と、平均分子量が1,000〜10万のヒアルロン酸(以下「低分子ヒアルロン酸」ともいう。)および/またはその塩5〜65%とを混合して得ることができる。また、本実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤で使用されるヒアルロン酸および/またはその塩の平均分子量は、20万〜160万であることがより好ましい。この場合、前記ヒアルロン酸および/またはその塩は例えば、高分子ヒアルロン酸および/またはその塩45〜85%と、低分子ヒアルロン酸および/またはその塩15〜55%とを混合して得ることができる。

0023

1.1.2.分子量の測定方法
本発明で規定される平均分子量の測定方法について説明する。

0024

即ち、約0.05gの精製ヒアルロン酸を精密に量り、0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液に溶かし、正確に100mLとした溶液及びこの溶液8mL、12mL並びに16mLを正確に量り、それぞれに0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液を加えて正確に20mLとした溶液を試料溶液とする。この試料溶液及び0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液につき、日本薬局方(第十四改正一般試験法の粘度測定法(第1法毛細管粘度測定法)により30.0±0.1℃で比粘度を測定し(式(1))、各濃度における還元粘度を算出する(式(2))。還元粘度を縦軸に、本品換算した乾燥物に対する濃度(g/100mL)を横軸にとってグラフを描き、各点を結ぶ直線と縦軸との交点から極限粘度を求める。ここで求められた極限粘度をLaurentの式(式(3))に代入し、平均分子量を算出する(T.C. Laurent, M. Ryan, A. Pietruszkiewicz,:B.B.A., 42, 476-485(1960))。

0025

(式1)
比粘度= {(試料溶液の所要流下秒数)/(0.2mol/L塩化ナトリウム溶液の所要流下秒数)}−1

0026

(式2)
還元粘度(dL/g)=比粘度/(本品の換算した乾燥物に対する濃度(g/100mL))

0027

(式3)
極限粘度(dL/g)=3.6×10−4M0.78
M:平均分子量

0028

1.1.3.ヒアルロン酸の製造
本実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤で使用されるヒアルロン酸は、市販品を使用することができるが、例えば、以下の製造法1および2に従って製造することもできる。

0029

(i)製造法1(鶏冠からの抽出)
まず、鶏冠に加熱処理を施す。これは、鶏冠に含まれる蛋白質熱変性させたり、酵素失活させたりするためである。加熱処理は如何なる方法をとってもよいが、熱水中に鶏冠を浸漬する方法をとると効率よく行なうことができる。加熱温度や時間は、鶏冠中の蛋白質が変性したり、酵素失活したりする範囲内であれば、特に制限がなく、熱水による加熱法を採用する場合は、60〜100℃の熱水中に原料を20〜90分間浸漬するとよい。

0030

なお、凍結した鶏冠を用いる場合には、鶏冠をそのまま加熱してもよいが、凍結鶏冠を流水中等に入れ緩慢解凍した後、加熱処理を施したほうが一定品位のものが得られやすく、好ましい。

0031

次に、加熱処理した鶏冠をペースト化する。このペースト化によりヒアルロン酸の収率が向上する。ペースト化に先立ち加熱処理後の鶏冠を細断機により薄く切断したり、または肉挽き用チョッパー等で細断したりしておくと、ペースト化がしやすくなる。ペースト化の一例を示すと、鶏冠に対して約1〜5倍量の清水を加え、ホモゲナイザーにて10〜60分間ホモゲナイズを行なうことで、鶏冠は破砕微粒子化され、ペースト仕上げることができる。なお、ペースト化には、ホモゲナイザーの他に、高速撹拌機や擂潰機を用いてもよい。

0032

次に、ペースト化した鶏冠に、塩酸硫酸等の酸剤、または水酸化ナトリウム水酸化カリウム等のアルカリ剤を添加し酸処理またはアルカリ処理してヒアルロン酸を低分子化し、処理後のヒアルロン酸の平均分子量を調整する。調整方法としては、酸剤あるいはアルカリ剤の濃度、添加量および処理時間等を適宜組み合わせて、処理後のヒアルロン酸が所望の分子量となるようにすればよいが、アルカリ処理による方法がヒアルロン酸の分子量をコントロールし易く好ましい。アルカリ処理による一例を示すと、ペースト化した鶏冠に、鶏冠に対し10〜30%濃度のアルカリ水溶液を約1〜5%添加し、25〜70℃で約15〜90分間処理を行った後、塩酸等で中和し、分子量を調整する。

0033

次に、分子量を調整した原料に蛋白分解酵素を添加して、プロテアーゼ処理する。使用する蛋白分解酵素は、市販しているものであれば種類を問わず使用することができ、例えば、ペプシントリプシンパパイン、プロメリン等が挙げられる。蛋白分解酵素の添加量は、鶏冠に対して0.01〜1%が適当である。また、プロテアーゼ処理の温度と時間は、35〜65℃で1〜10時間の範囲が適当である。

0034

最後に、得られたプロテアーゼ処理物からヒアルロン酸を分取して、粗製のヒアルロン酸を得た後、このヒアルロン酸を精製することにより純度90%以上のヒアルロン酸が得られる。

0035

ここで、ヒアルロン酸の分取・精製は、常法に従って行なうことができる。例えば、まず、プロテアーゼ処理した原料を濾過して固形物を除去して、粗製のヒアルロン酸を含有した濾液を得る。なお、濾過に先立ち、脱臭・脱色や一部の蛋白分解物を除去する目的で、プロテアーゼ処理物に活性炭を添加し処理してもよい。そして得られた濾液に食塩を溶解させた後、エタノールを添加してヒアルロン酸を沈殿させ、沈殿物を分取する。その後、この沈殿物にエタノール濃度約80〜95容量%の含水エタノールを添加し、ホモゲナイザーで洗浄し、沈殿物を分取する。この含水エタノールによる洗浄を2〜10回程度繰り返し、分取した沈殿物を乾燥することで、製造法1のヒアルロン酸を得ることができる。

0036

(ii)製造法2(微生物発酵法
ヒアルロン酸産出ストレプトコッカス属の微生物(Streptococcus Zoopidemicus)の培養液に活性炭を添加して脱臭・脱色処理を行った後、濾過処理する。得られた濾液に食塩を溶解させた後、エタノールを添加してヒアルロン酸を沈殿させ、沈殿物を分取する。その後、この沈殿物にエタノール濃度約80〜95容量%の含水エタノールを添加し、ホモゲナイザーで洗浄し、沈殿物を分取する。この含水エタノールによる洗浄を2〜10回程度繰り返し、分取した沈殿物を乾燥することで、製造法2のヒアルロン酸を得ることができる。

0037

なお、本発明において使用するヒアルロン酸の純度は、飲食品に使用できるレベルであればよく、好ましくは90%以上であればよく、より好ましくは95%以上であればよい。この純度は乾燥物換算で100%よりヒアルロン酸以外の不純物を除いた値として定義される。ここで、不純物としては、蛋白分解物、脂肪分粗脂肪)、コンドロイチン硫酸等が挙げられる。具体的に鶏冠を原料とするヒアルロン酸の純度は、以下式(4)で求めることができる。

0038

(式4)
ヒアルロン酸の純度(%)=100−蛋白分解物(%)−粗脂肪(%)−コンドロイチン硫酸(%)
式4中、蛋白分解物(%)はLowry法により求めた値であり、粗脂肪(%)は新・食品分析法(光琳(株)発行)「第1章一般成分および関連成分、1−4脂質、1−4−2エーテル抽出法」により求めた値であり、また、コンドロイチン硫酸(%)は、以下に説明する方法により得た値である。

0039

まず、ヒアルロン酸を乾燥し、その50mgを精密に量り、精製水を加えて溶かし、正確に100mLとして試験溶液とし、その試験溶液4mLを試験管にとり、0.5mol/L濃度の硫酸1mLを加えて混和し、水浴中で10分間加熱し、その後冷却して得られた溶液に0.04mol/L濃度の臭化セチルトリメチルアンモニウムを0.2mL加えて混和し、室温で1時間放置し、層長10mm、波長660nmにおける吸光度を測定する。

0040

次に、得られた吸光度データをコンドロイチン硫酸の検量線に適用して精製ヒアルロン酸中のコンドロイチン硫酸量(%)を求める。ここで、その検量線は、クジラ軟骨由来コンドロイチン硫酸Aナトリウム塩(SG(Special Grade)、生化学工業株式会社製)を乾燥(減圧五酸化リン、60℃、5時間)させたものを精密に量り、精製水を加えて溶かし、1mL中に10μg、20μg、30μg、40μgのコンドロイチン硫酸Aナトリウム塩を含む溶液をそれぞれ調製し、それぞれの溶液4mLについて、0.5mol/L濃度の硫酸1mLを加えて混和した後、0.04mol/L濃度の臭化セチルトリメチルアンモニウムを0.2mL加えて混和し、室温で1時間放置した後、同様に吸光度を測定し、その吸光度を縦軸に、対応するコンドロイチン硫酸Aナトリウム塩溶液(μg/mL)を横軸にプロットすることによって作成したものである。

0041

1.1.4.剤型、用量およびその他の成分
本実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤はヒアルロン酸および/またはその塩を有効成分として通常5%以上含有するものであり、好ましくは10%以上含有する。

0042

本実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤を経口摂取することによって、ドライアイの症状の改善を図ることができる。

0043

ヒアルロン酸および/またはその塩は生体物質であるため、多量に摂取しても副作用がない、またはきわめて低いと考えられるが、本実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤として摂取するヒアルロン酸および/またはその塩の量は、一日当たり1〜1000mg、好ましくは15〜300mgを目安とすることができる。また、本発明のヒアルロン酸および/またはその塩を含有する飲料の場合は、本実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤が飲料である場合、該飲料中にヒアルロン酸および/またはその塩を0.001〜1%、好ましくは0.01〜0.5%含有させることができる。

0044

本実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤は、ヒアルロン酸および/またはその塩以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含むことができる。そのような成分の例としては水、賦形剤抗酸化剤防腐剤湿潤剤粘稠剤、緩衝剤吸着剤溶剤乳化剤安定化剤界面活性剤滑沢剤水溶性高分子甘味料矯味剤酸味料アルコール類等が挙げられる。

0045

本実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤の態様は特に限定されないが、例えば、上記経口用ドライアイ改善剤を含有する食品組成物であることができる。この場合、ガムキャンディーグミキャンディートローチ様食品、ゼリー飲料米飯加工食品製パン類、レトルト缶詰冷凍食品惣菜乾燥食品マヨネーズ調味料、飲料、菓子デザート類サプリメント類等の一般食品全般、生理機能表現することを許可された特定保健用食品全般が挙げられ、このうち、利便性に優れている点で、サプリメント類が好ましい。

0046

サプリメント類の形態としては、例えば、錠剤状散剤状、細粒状顆粒状、カプセル状ハードカプセルソフトカプセル)等の固形状、液状、懸濁液状、ゼリー状シロップ状等の流動状が挙げられる。

0047

また、本実施形態に係る経口用ドライアイ改善剤の他の態様として、例えば、上記経口用ドライアイ改善剤を有効成分として含有する医薬組成物が挙げられる。この場合、該医薬組成物は例えば、上述のサプリメント類として例示した形態と同様の形態をとることができる。

0048

2.実施例
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。

0049

2.1.実施例1(試験食の製造)
まず、経口用ドライアイ改善剤として、以下の配合にて処方例1〜3の試験食(ソフトカプセル)を製造した。

0050

なお、処方例1〜3において使用した高分子ヒアルロン酸は、上記製造法2に準じて平均分子量が150万となるよう調製したものであり、低分子ヒアルロン酸は、上記製造法1に準じて平均分子量が6,000となるよう調製したものである。

0051

すなわち、処方例1の試験食に含まれるヒアルロン酸の平均分子量は75.3万であり、平均分子量が150万の高分子ヒアルロン酸と、平均分子量が6,000の低分子ヒアルロン酸とを混合したものである。すなわち、後述するように、処方例1の試験食に含まれるヒアルロン酸は、平均分子量が150万(50万〜300万)のヒアルロン酸50%と、平均分子量が6,000(1,000〜10万)のヒアルロン酸50%とを混合して得られたものである。

0052

また、処方例2の試験食は、平均分子量が150万の高分子ヒアルロン酸を配合したものである。

0053

また、処方例3の試験食は、平均分子量が6,000の低分子ヒアルロン酸を配合したものである。

0054

2.1.1.処方例1
ソフトカプセル内容物の配合)
高分子ヒアルロン酸44mg
低分子ヒアルロン酸44mg
オリーブ油202mg
ミツロウ10mg
—————————————————
合計 300mg/粒

0055

2.1.2.処方例2
(ソフトカプセル内容物の配合)
高分子ヒアルロン酸88mg
オリーブ油227mg
ミツロウ15mg
—————————————————
合計 300mg/粒

0056

2.1.3.処方例3
(ソフトカプセル内容物の配合)
低分子ヒアルロン酸88mg
オリーブ油190mg
ミツロウ22mg
—————————————————
合計 300mg/粒

0057

2.2.実施例2(ドライアイ改善効果の評価)
実施例1の処方例1〜3で得られた試験食(ヒアルロン酸の摂取量:264mg/日)を、ドライアイの自覚症状がある被験者(24名/群)に1日3粒、4週間連用摂取させた。

0058

2.2.1.評価方法
試験開始前(試験食の摂取前)、試験開始2週間後、4週間後および6週間後(摂取終了から2週間後)にドライアイの症状である下記の12項目についてアンケート調査を行い、下記度合いによって点数化し、合計点スコアとして評価を行った。その結果を表1に示す。

0059

アンケート項目
(1)眼の疲れ
(2)めやにが出る
(3)眼がごろごろする
(4)眼が重たい
(5)眼が乾く
(6)眼の不快感がある
(7)眼の痛み
(8)涙が多く出る
(9)ものがかすんで見え
(10)眼のかゆみ
(11)光を見るとまぶし感じ
(12)眼が赤い(充血
(各症状の度合いの点数)
かなりある:3点
多少ある :2点
あまりない:1点
全くない :0点

0060

2.2.2.評価結果

0061

0062

表1によれば、試験開始前のスコアおよび試験開始後のスコアについて、有意差検定を行った結果、全ての群で、試験開始前のスコアに比べて試験開始後のスコアは有意に(p<0.001/3)減少した。

0063

以上の結果から、ヒアルロン酸を含有する経口用ドライアイ改善剤は、ドライアイ症状を改善できることが確認された。

0064

2.3.実施例3(ドライアイ改善効果の評価)
実施例1で調製された処方例1〜3の試験食(ヒアルロン酸の摂取量:264mg/日)を、ドライアイと医師に診断された被験者(9名/群)に1日3粒、4週間連用摂取させた。評価方法および評価項目は実施例2と同様であった。その結果を表2に示す。

0065

0066

表2によれば、試験開始前のスコアおよび試験開始後のスコアについて、有意差検定を行った結果、処方例1(高分子ヒアルロン酸+低分子ヒアルロン酸)摂取群および処方例2(高分子ヒアルロン酸)摂取群において、試験開始前のスコアに比べて試験開始後のスコアは有意に(p<0.05/3)減少した。

0067

一方、処方例3(低分子ヒアルロン酸)摂取群では、試験開始前のスコアと比べ、試験開始後のスコアが減少する傾向が見られたものの、有意な減少は認められなかった。

0068

また、処方例1(高分子ヒアルロン酸+低分子ヒアルロン酸)摂取群は、試験開始から6週間後のスコアが、試験開始から4週間後のスコアと比較して増加しなかった。このことから、処方例1(高分子ヒアルロン酸+低分子ヒアルロン酸)摂取群では、試験食の摂取を終了した後でもドライアイ改善効果が継続する傾向があることが確認された。

0069

以上の結果から、平均分子量20万〜300万(処方例1:75.3万および処方例2:150万)のヒアルロン酸を含有する経口用ドライアイ改善剤は、医師にドライアイであると診断された患者のドライアイ症状を改善でき、特に、平均分子量が50万〜300万のヒアルロン酸および/またはその塩35〜95%と、平均分子量が1,000〜10万のヒアルロン酸および/またはその塩5〜65%とを混合して得られる処方例1のヒアルロン酸が特に、ドライアイ改善効果が高いことが理解できる。

0070

2.4.実施例4(蛍光標識ヒアルロン酸の角膜への移行の評価)
本実施例では、被験物質(蛍光標識ヒアルロン酸)をウサギに経口投与した後、角膜を採取して蛍光標識ヒアルロン酸の検出を蛍光顕微鏡にて行った。

0071

2.4.1.蛍光標識ヒアルロン酸の調製
本実施例では、2種類のヒアルロン酸を用いて、蛍光標識ヒアルロン酸(試作品Aおよび試作品B)を調製した。試作品Aの調製に用いたヒアルロン酸は、上記製造法2に準じて平均分子量が70万となるよう調製したものであり、試作品Bに用いたヒアルロン酸は、上記製造法2に準じて平均分子量が2.6万となるよう調製したものである。

0072

標識法は、Belder等の方法に準拠し(de Belder A.N., and Wik K.O., Carbohydr. Res. 44, 251-257, 1975)、Fluorescein-Amine isomer I (Sigma-Aldrich製) を用いて標識した。

0073

具体的には、試作品Aの場合、平均分子量70万のヒアルロン酸を0.2%になるように精製水に溶解し、その半分の体積のdimethyl sulfoxide(DMSO;和光純薬、特級を加えた。次いで、ヒアルロン酸の1/2の重量のFluorescein-Amine isomer I(MP Biomedicals; Mw 347.3)をヒアルロン酸溶液の1/100量のDMSO/ acetaldehyde (Fluka)/cyclohexyl isocyanide(Fluka)(450:25:25)に溶かし、ヒアルロン酸溶液に加えた。

0074

次に、25℃で5時間インキュベートした後、4倍体積の塩化ナトリウム飽和エタノールを加えてヒアルロン酸を沈殿させた。この沈殿を水に再溶解し、塩化ナトリウム飽和エタノールによるエタノール沈殿を2回繰り返した後、沈殿物を精製水に溶解させて水溶液を調製し、排除分子量1万の透析膜を用いてこの水溶液に対して透析を行い、凍結乾燥することで蛍光標識ヒアルロン酸(試作品A)を得た。

0075

また、試作品Bの場合、平均分子量2.6万のヒアルロン酸を用い、25℃で5時間インキュベートした後、エタノール沈殿を行わずにそのまま透析を行った以外は試作品Aと同様の方法で蛍光標識ヒアルロン酸(試作品B)を得た。

0076

2.4.2.評価方法
ウサギの体重1kgに対し200mgの被験物質(試作品AおよびB、投与用量:20mL/kg、投与液濃度:被験物質の1%水溶液(10mg/mL))をウサギ(Japanese White種、山ラベス社製)に単回経口投与(注射筒およびゾンデを用いて胃内強制経口投与)した後、24時間目に採取した角膜を0.5%CPCホルマリンにて固定した後、スクロース60%溶液で置換OCTコンパウンド包埋し、ドライアイスで凍結させた。次に、凍結した角膜をクリオスタットにて約10μmに薄切した後、蛍光標識ヒアルロン酸の検出を蛍光顕微鏡にて行なった。

0077

2.4.3.評価結果
上記評価方法にしたがって処理された角膜の蛍光顕微鏡写真を図1に示す。図1において、特に蛍光の強いところを*(白色)で示している。

0078

図1によれば、蛍光標識ヒアルロン酸の投与後0.5時間経過時では、試作品Bの方が試作品Aより蛍光が強く、角膜上皮に強い蛍光が認められた。一方、蛍光標識ヒアルロン酸の投与後24時間経過時では、試作品Aの方が試作品Bよりも若干強い蛍光が確認された。

0079

以上の結果から、試作品B投与群では、経口投与後0.5時間以内に蛍光標識ヒアルロン酸が涙液に移行したと推察される。また、試作品A投与群および試作品B投与群ともに、経口投与後24時間経過時に角膜表面に蛍光が確認されたことから、蛍光標識ヒアルロン酸が角膜に存在していることが明らかになった。これにより、試作品Aで用いた平均分子量20万〜300万(試作品A:70万)のヒアルロン酸および試作品Bで用いた平均分子量1,000〜10万(試作品B:2.6万)のヒアルロン酸は長時間の持続性に優れているといえる。

0080

また、試作品A投与群は試作品B投与群と比較して、経口投与後24時間経過時における蛍光が強かったことから、試作品A投与群は試作品B投与群と比較して、角膜に存在する蛍光標識ヒアルロン酸の量が多いことが明らかになった。これにより、試作品Aで用いた平均分子量20万〜300万(試作品A:70万)のヒアルロン酸は、長時間の持続性により優れているといえる。

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