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技術 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ

出願人 株式会社リコー
発明者 李洪国永井一清
出願日 2009年8月10日 (10年6ヶ月経過) 出願番号 2009-185458
公開日 2011年2月24日 (8年11ヶ月経過) 公開番号 2011-039212
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における感光体
主要キーワード クラック評価 未反応分子 架橋型ウレタン樹脂 自由運動 分子間引力 熱架橋型 反応性シロキサン 状態評価
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年2月24日)のものです。
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図面 (3)

課題

長期的使用における耐クラック性耐摩耗性、優れたクリーニング性耐傷性、画像安定性に優れた電子写真感光体画像形成装置プロセスカートリッジ及び画像形成方法を提供することを目的とする。

解決手段

導電性支持体上に少なくとも電荷発生層電荷輸送層を順次設けた積層型電子写真感光体において、該電荷輸送層が少なくとも化合物A(トリアリールアミン構造を含有しないポリオール化合物)と化合物B(イソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物)と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)と化合物D(水酸基を有する反応性シリコーン化合物)の架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に化合物E(水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物)を含有し、且つ、化合物Cの含有率Dcと化合物Eの含有率Deが、Dc≦Deである電子写真感光体。

概要

背景

近年、無機感光体に代って有機感光体(OPC)が、良好な性能や様々な利点を有することから、複写機ファクシミリレーザープリンタ及びこれらの複合機に多く用いられている。このようにOPCが多用される理由としては、例えば、(1)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等の性能や利点が挙げられる。

このような情勢の中で、画像形成装置の小型化に伴って感光体の小径化が進み、機械高速化やメンテナンスフリー要請も加わり、感光体の高耐久化が切望されるようになっている。
しかしながら、前記有機感光体は、表面層低分子電荷輸送材料と不活性高分子を主成分として構成されているため、一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点を有している。また、高画質化を達成するため、トナー粒子小粒径化するのに伴って、クリーニング性を向上させる必要が生じている。その対策として、クリーニングブレードゴム硬度を高めて当接圧力を上昇させることが避けられず、これによって感光体の摩耗が促進される要因となっている。このような感光体の摩耗は、感度劣化帯電性の低下などの電気的特性を劣化させて、画像濃度の低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。更に、摩耗が局所的に発生した傷は、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらす。そして、現状では感光体の寿命はこの摩耗や傷が律速となり、交換に至っている。

上記のように、電子写真方式画像形成方法においては、その主要部材である有機感光体の耐久性向上、即ち長寿命化努力が続けられている。これまで有機感光体の寿命は、繰り返し使用による静電的な要因による劣化、感光体面に接触する紙、クリーニングブレード、分離爪などによって引き起こされる表面の傷、感光層機械的強度に依存した摩耗により左右されてきた。近年、感光体材料の改良により静電的な耐久性は改善されてきているが、機械的強度については表面層のバインダーとして用いられているポリカーボネートを凌ぐ素材が見いだされておらず、未だ有効な技術手段はほとんど提案されていないのが現状である。

そこで、感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、例えば、(a)表面層に硬化性バインダーを用いる方法(特許文献1参照)、(b)高分子型電荷輸送物質を用いる方法(特許文献2参照)、(c)表面層に無機フィラーを分散させる方法(特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、及び特許文献9参照)などが提案されている。

しかし、前記(a)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いこと、あるいは重合開始剤、未反応残基などの不純物によって残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向がある。また、前記(b)の高分子型電荷輸送物質を用いたもの、及び前記(c)の無機フィラーを分散させたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められる耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。また、前記(c)の無機フィラーを分散させたものは、無機フィラーとバインダーの間に直接的な結合を有していないので、無機フィラー表面に存在するトラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にあり、更に無機フィラーの光散乱が避けられないので、高画質の実現も困難である。したがって、上記(a)、(b)、及び(c)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性について十分満足できるものではない。

また、最近熱硬化性ウレタン樹脂を主成分とする保護膜を有する感光体が多数提案されていた(例えば、特許文献10〜15)。これらの技術は架橋したウレタン樹脂の優れる耐摩耗性で感光体の使用寿命をある程度延長させたが、得られた感光体の表面エネルギーが高く、トナーのクリーニング不良が発生しやすいので、実用性に至っていない。

一方で、有機感光体へのトナー付着防止や優れたクリーニング性、転写性を付与させるための有機感光体の低表面エネルギー化に対する技術として、電荷輸送層を含む最表面層潤滑剤を含有させる方法が開示されている(特許文献16〜17参照)。しかしながら、これらの感光体はバインダーと反応性を有しない潤滑剤が含有されているため、初期的には各種物質の付着抑制に効果が認められるものの、その長期持続性に関しては不充分である。

概要

長期的使用における耐クラック性、耐摩耗性、優れたクリーニング性、耐傷性、画像安定性に優れた電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法を提供することを目的とする。導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を順次設けた積層型電子写真感光体において、該電荷輸送層が少なくとも化合物A(トリアリールアミン構造を含有しないポリオール化合物)と化合物B(イソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物)と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)と化合物D(水酸基を有する反応性シリコーン化合物)の架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に化合物E(水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物)を含有し、且つ、化合物Cの含有率Dcと化合物Eの含有率Deが、Dc≦Deである電子写真感光体。なし

目的

本発明は、長期的使用における耐クラック性、耐摩耗性、優れたクリーニング性、耐傷性、画像安定性に優れた電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びそれらを用いた画像形成方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

導電性支持体上に少なくとも電荷発生層電荷輸送層を順次設けた積層型電子写真感光体において、該電荷輸送層が少なくとも化合物Aと化合物Bと化合物Cと化合物Dの架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に化合物Eを含有し、且つ、化合物Cの含有率Dcと化合物Eの含有率Deが下記関係式を満たすことを特徴とする電子写真感光体。Dc≦Deただし、上述の化合物Aはトリアリールアミン構造を含有しないポリオール化合物であり、化合物Bはイソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物であり、化合物Cは水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物であり、化合物Dは水酸基を有する反応性シリコーン化合物であり、化合物Eは水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物である。

請求項2

上述化合物Aのポリオール化合物は少なくともスチレン構造体を主成分として含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。

請求項3

上述化合物Bのイソシアネート化合物は芳香族イソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子写真感光体。

請求項4

上述化合物Cは下記一般式(1)或いは一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。(式中、R1は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基を有していても良いアルキル基を表し、R2、R3は、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基を1つ以上含有するアルコキシ基、水酸基を1つ以上含有するポリアルキレンオキシ基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar1、Ar2、Ar3は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。)(式中、R4、R5は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基を有していても良いアルキル基を表し、R6、R7は、水素原子、水酸基を1つ以上含有するアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、Ar8は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。)

請求項5

上述化合物Dの反応性シリコーン化合物が水酸基を2以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。

請求項6

上述化合物Eの電荷輸送性化合物は下記一般式(3)で示される電荷輸送性化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。(式中、R8、R9は、水酸基以外の置換基を有していても良い芳香族炭化水素基、水酸基以外の置換基を有していても良いアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R8、R9は互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。Ar9は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表し、Ar10は置換もしくは無置換の芳香族2価基または芳香族1価基を表す。l′、m′はそれぞれ0〜3の整数を表す。ただし、l′、m′が同時に0となることはない。n′は1〜3の整数を表す。)

請求項7

請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電画像露光現像転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法

請求項8

請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置

請求項9

請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ

技術分野

0001

本発明は、電子写真方式において使用される電子写真感光体並びにこれを使用した画像形成方法画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。

背景技術

0002

近年、無機感光体に代って有機感光体(OPC)が、良好な性能や様々な利点を有することから、複写機ファクシミリレーザープリンタ及びこれらの複合機に多く用いられている。このようにOPCが多用される理由としては、例えば、(1)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等の性能や利点が挙げられる。

0003

このような情勢の中で、画像形成装置の小型化に伴って感光体の小径化が進み、機械高速化やメンテナンスフリー要請も加わり、感光体の高耐久化が切望されるようになっている。
しかしながら、前記有機感光体は、表面層低分子電荷輸送材料と不活性高分子を主成分として構成されているため、一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点を有している。また、高画質化を達成するため、トナー粒子小粒径化するのに伴って、クリーニング性を向上させる必要が生じている。その対策として、クリーニングブレードゴム硬度を高めて当接圧力を上昇させることが避けられず、これによって感光体の摩耗が促進される要因となっている。このような感光体の摩耗は、感度劣化帯電性の低下などの電気的特性を劣化させて、画像濃度の低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。更に、摩耗が局所的に発生した傷は、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらす。そして、現状では感光体の寿命はこの摩耗や傷が律速となり、交換に至っている。

0004

上記のように、電子写真方式の画像形成方法においては、その主要部材である有機感光体の耐久性向上、即ち長寿命化努力が続けられている。これまで有機感光体の寿命は、繰り返し使用による静電的な要因による劣化、感光体面に接触する紙、クリーニングブレード、分離爪などによって引き起こされる表面の傷、感光層機械的強度に依存した摩耗により左右されてきた。近年、感光体材料の改良により静電的な耐久性は改善されてきているが、機械的強度については表面層のバインダーとして用いられているポリカーボネートを凌ぐ素材が見いだされておらず、未だ有効な技術手段はほとんど提案されていないのが現状である。

0005

そこで、感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、例えば、(a)表面層に硬化性バインダーを用いる方法(特許文献1参照)、(b)高分子型電荷輸送物質を用いる方法(特許文献2参照)、(c)表面層に無機フィラーを分散させる方法(特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、及び特許文献9参照)などが提案されている。

0006

しかし、前記(a)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いこと、あるいは重合開始剤、未反応残基などの不純物によって残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向がある。また、前記(b)の高分子型電荷輸送物質を用いたもの、及び前記(c)の無機フィラーを分散させたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められる耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。また、前記(c)の無機フィラーを分散させたものは、無機フィラーとバインダーの間に直接的な結合を有していないので、無機フィラー表面に存在するトラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にあり、更に無機フィラーの光散乱が避けられないので、高画質の実現も困難である。したがって、上記(a)、(b)、及び(c)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性について十分満足できるものではない。

0007

また、最近熱硬化性ウレタン樹脂を主成分とする保護膜を有する感光体が多数提案されていた(例えば、特許文献10〜15)。これらの技術は架橋したウレタン樹脂の優れる耐摩耗性で感光体の使用寿命をある程度延長させたが、得られた感光体の表面エネルギーが高く、トナーのクリーニング不良が発生しやすいので、実用性に至っていない。

0008

一方で、有機感光体へのトナー付着防止や優れたクリーニング性、転写性を付与させるための有機感光体の低表面エネルギー化に対する技術として、電荷輸送層を含む最表面層潤滑剤を含有させる方法が開示されている(特許文献16〜17参照)。しかしながら、これらの感光体はバインダーと反応性を有しない潤滑剤が含有されているため、初期的には各種物質の付着抑制に効果が認められるものの、その長期持続性に関しては不充分である。

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、長期的使用における耐クラック性、耐摩耗性、優れたクリーニング性、耐傷性、画像安定性に優れた電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びそれらを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明は上記従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、感光体の電荷輸送層が少なくとも化合物Aと化合物Bと化合物Cと化合物Dの架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に化合物Eを含有し、且つ、化合物Cの含有率Dcと化合物Eの含有率Deが下記関係式を満たすことを特徴とする電子写真感光体であることによって、前記目的が達成できることを発見して本発明を成すに至った。
Dc≦De
上述の化合物Aはトリアリールアミン構造を含有しないポリオール化合物であり、化合物Bはイソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物であり、化合物Cは水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物であり、化合物Dは水酸基を有する反応性シリコーン化合物であり、化合物Eは水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物である。
すなわち以下の構成要件を満足することにより、長期的使用における耐クラック性、耐摩耗性、優れたクリーニング性、耐傷性、画像安定性に優れた電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びそれらを用いた画像形成方法が提供できる。

0011

(1)導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を順次設けた積層型電子写真
感光体において、該電荷輸送層が少なくとも化合物Aと化合物Bと化合物Cと化合物Dの架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に化合物Eを含有し、且つ、化合物Cの含有率Dcと化合物Eの含有率Deが下記関係式を満たすことを特徴とする電子写真感光体である。
Dc≦De
ただし、上述の化合物Aはトリアリールアミン構造を含有しないポリオール化合物であり、化合物Bはイソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物であり、化合物Cは水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物であり、化合物Dは水酸基を有する反応性シリコーン化合物であり、化合物Eは水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物である。

0012

積層型感光体の電荷輸送層の耐摩耗性が高くなれば、感光体の使用寿命は延長できる。ポリカーボネートのような熱可塑樹脂に比べ、化合物Aと化合物Bと化合物Cと化合物Dの架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂は優れる耐摩耗性と低表面エネルギーを有するので、電荷輸送層のバインダーとして使えば、感光体の耐摩耗性と耐傷性とも向上できる。また、該熱硬化型ウレタン樹脂にトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物を含有することにより、得られた樹脂膜電荷輸送機能を持ち、電荷輸送層として機能できる。化合物Aがトリアリールアミン構造を含有しないポリオール化合物であることにより、得られた該熱硬化型ウレタン樹脂の強度を確保できる。化合物Bがイソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物であるので、化合物Aのポリオール化合物と架橋反応によって、強固な3次元架橋樹脂が形成できる。化合物Cが水酸基とトリアリールアミン構造を含有するので、イソシアネートとの架橋反応ができる同時に、トリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物の化合物Eとの間にベンゼン環同士由来分子間の吸引力を持つことにより、熱架橋型ウレタン樹脂と電荷輸送性化合物との相溶化剤の機能を果たして、相分離が生じない安定な熱架橋型ウレタン樹脂の電荷輸送層が形成できる。化合物Dは水酸基を有する反応性シリコーン化合物であるので、イソシアネートとの化学反応により、架橋樹脂中に固定される。さらに、化合物Dがジメチルシロキサン構造を繰り返し単位として有すると、ジメチルシロキサン構造由来の低表面エネルギーの効果が長期間にわたっても維持できる。化合物Eが水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物であり、イソシアネートとの架橋反応が起こらなく、相溶化剤の効果がある化合物Cを介して、熱架橋型ウレタン樹脂に均一に分散できる。化合物Eがバインダー中に遊離し、十分な分子運動能力を持ちながら、分子間引力で化合物Cと緊密に繋がれていて、強固且つ電荷輸送能力富む電荷輸送層が実現できる。
また、化合物Eの含有率Deが化合物Cの含有率Dc以上であることは、化合物Eの電荷輸送機能がより果たせ、優れる電気特性を持つ電荷輸送層が形成できる。

0013

(2)上述化合物Aのポリオール化合物は少なくともスチレン構造体を主成分として含有することを特徴とする(1)記載の電子写真感光体である。
化合物Aのポリオール化合物がスチレン構造体を含有するので、得られた架橋型ウレタン樹脂は電荷輸送性化合物の化合物Dとの相溶性が良く、化合物Dの分散安定性に有利である。また、スチレン構造体を含有するポリオール化合物の誘電率が低くて、得られた架橋型ウレタン樹脂の電荷輸送層の電気特性に優れる。

0014

(3)上述化合物Bのイソシアネート化合物は芳香族イソシアネート化合物であることを特徴とする(1)または(2)記載の電子写真感光体である。
化合物Bのイソシアネート化合物が芳香族イソシアネート化合物であることから、得られた架橋型ウレタン樹脂は電荷輸送性化合物の化合物Dとの相溶性が良く、化合物Dの分散安定性に有利である。

0015

(4)上述化合物Cは下記一般式(1)或いは一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真感光体である。



(式中、R1は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基を有していても良いアルキル基を表し、R2、R3は、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基を1つ以上含有するアルコキシ基、水酸基を1つ以上含有するポリアルキレンオキシ基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar1、Ar2、Ar3は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。)



(式中、R4、R5は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基を有していても良いアルキル基を表し、R6、R7は、水素原子、水酸基を1つ以上含有するアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、Ar8は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。)

0016

上述化合物Cが上記一般式(1)或いは一般式(2)で示される、水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物であるので、イソシアネート化合物の化合物Bとの架橋反応ができると同時に、電荷輸送性化合物Dとの相溶性を持つことから、熱架橋樹脂と電荷輸送性化合物Dとの相溶化剤の機能が果たせ、安定均一な電荷輸送層が実現できる。

0017

(5)上述化合物Dの反応性シリコーン化合物が水酸基を2以上含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真感光体である。
反応性シリコーン化合物Dは水酸基を2つ以上含有すれば、架橋反応を阻害しなくて、低表面エネルギー性があり且つ強靭な硬化膜が実現できる。

0018

(6)上述化合物Eの電荷輸送性化合物は下記一般式(3)で示される電荷輸送性化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真感光体である。



(式中、R8、R9は、水酸基以外の置換基を有していても良い芳香族炭化水素基、水酸基以外の置換基を有していても良いアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R8、R9は互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。Ar9は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表し、Ar10は置換もしくは無置換の芳香族2価基または芳香族1価基を表す。l′、m′はそれぞれ0〜3の整数を表す。ただし、l′、m′が同時に0となることはない。n′は1〜3の整数を表す。)
トリアリールアミン構造が優れる電荷輸送機能を持つので、トリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物をバインダー樹脂に添加することによって、電気特性が良好な電荷輸送層が形成できる。

0019

(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電画像露光現像転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法である。
(8)(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置である。
(9)(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジである。

発明の効果

0020

以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明によれば、感光体の電荷輸送層が少なくとも特定のポリオール化合物とイソシアネート化合物と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)と反応性シリコーン化合物との架橋反応により生成した熱硬化性ウレタン樹脂と電荷輸送性化合物を含有することによって、耐クラック性、耐傷性、優れたクリーニング性、耐摩耗性に優れ、従来の電子写真感光体の高耐久化を阻害する要因となっていた機械的耐久のレベルを、大幅に改善することが出来る。又、これを用いた長期間の使用においても終始高濃度、高画質の画像が安定して得られる画像形成装置及び画像形成方法を提供することが出来る。

図面の簡単な説明

0021

本発明の電子写真感光体の断面図である。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。

0022

以下、本発明について詳細に説明する。
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を順次設けた積層型電子写真感光体において、感光体の電荷輸送層が少なくとも化合物Aと化合物Bと化合物Cと化合物Dの架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂中に化合物Eを含有し、且つ、化合物Cの含有率Dcと化合物Eの含有率Deが下記関係式を満たすことを特徴とする電子写真感光体となる。
Dc≦De
上述の化合物Aはトリアリールアミン構造を含有しないポリオール化合物であり、化合物Bはイソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物であり、化合物Cは水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物であり、化合物Dは水酸基を有する反応性シリコーン化合物であり、化合物Eは水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物である。

0023

電荷輸送層を上記構造の膜とすることにより、長期的使用における感光体の耐摩耗性、クリーニング性及び静電特性が向上し、画像安定性に優れた電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ、画像形成方法を提供することができる。

0024

イソシアネートとポリオールと反応性シロキサン架橋重合したウレタン樹脂は、機械的耐久性且つ低表面摩擦性に優れる。しかし、このウレタン樹脂は、電荷輸送機能を持っていないために、電荷輸送材料を添加しなければならない。水酸基を含有しない電荷輸送性化合物のみを添加する場合、相分離が発生しやすく均一な膜が形成できない。一方、イソシアネートと反応できる水酸基等の官能基を含有する電荷輸送性化合物のみを添加する場合、架橋反応により均一な膜ができるが、電荷輸送機能を持つ構造体が固定され、分子の自由運動拘束されて電荷輸送効率が悪く、良い電荷輸送層は作れない。
本発明では、電荷輸送性化合物と熱硬化型ウレタン樹脂を相溶化させる化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)を電荷輸送層に含有させることにより、本来のウレタン樹脂が持つ膜の弾性及び強靱性を低下させることなく、機械的耐久性と低表面摩擦性が良好であり、且つ静電特性が向上した電荷輸送層とすることが可能となった。

0025

次に、本発明の構成材料について説明する。
イソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物(化合物B)としては、次のようなイソシアネート材料が用いられる。トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネートキシレンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネートイソホロンジイソシアネートビス(イソシアネートメチルシクロヘキサントリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、HDIイソシアネート体、HDIビウレット体、XDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIイソシアヌレート体等が挙げられる。耐摩耗性及び電荷輸送性化合物との相溶性を考慮した場合、2官能以上の芳香族のイソシアネート化合物が好適である。これらのイソシアネート化合物は、単独もしくは混合して使用することができる。

0026

本発明の電荷輸送層に用いられるポリオール化合物(化合物A)としては、トリアリールアミン構造を含有しなく、官能基数が2以上であればよく、電荷輸送性化合物と相溶性が良いことから、ヒドロキシエチル基が導入されたスチレン系共重合体が好適である。このようなポリオール化合物の例として、例えば、FR4941、FR4942、FR4943、FR4944、FR−4946(三菱レイヨン社製)、アクディックA−801、A−807(DIC社製)、LZR−170(化成社製)が挙げられる。

0027

またはジオールや3価以上のポリオールが用いられる。下記にポリオールを例示する。
ジオールとしては、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコールトリエチレングリコールジプロピレングリコールポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。

0028

3価以上のポリオールとしては、多価脂肪族アルコール(例えば、グリセリントリメチロールエタントリメチロールプロパンペンタエリスリトールソルビトールなど);3価以上のフェノール類(例えば、フェノールノボラッククレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類アルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
これらのポリオール材料は、単独もしくは混合して使用することができる。

0029

前記イソシアネート化合物(化合物B)のNCO基数とポリオール化合物(化合物A)のOH基数の比(NCO/OH比)は、1.0〜1.5程度が望ましい。

0030

本発明の電荷輸送層に用いられる化合物Cとしては、水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物であれば、用いられる。電荷輸送性化合物と熱硬化型ウレタン樹脂を相溶化させることを考慮し、下記一般式(1)或いは一般式(2)で示される化合物がより好ましい。



(式中、R1は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基を有していても良いアルキル基を表し、R2、R3は、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基を1つ以上含有するアルコキシ基、水酸基を1つ以上含有するポリアルキレンオキシ基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar1、Ar2、Ar3は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。)



(式中、R4、R5は水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基、水酸基以外の置換基を有していても良いアルキル基を表し、R6、R7は、水素原子、水酸基を1つ以上含有するアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、Ar8は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表す。)

0031

下記の例示化合物が挙げられる。

0032

0033

0034

0035

0036

これらの化合物Cは、単独または2種以上の混合物として用いることができる。

0037

本発明の電荷輸送層に用いられる水酸基を有する反応性シリコーン化合物(化合物D)としては、水酸基を末端に有するシリコーン化合物が好ましく、架橋反応をより進めるため、水酸基を2つ以上有するシリコーン化合物が好ましい。具体例として、一般式(4)に示す。



(上記一般式(4)中のR12、R13は、水素原子、水酸基、水酸基を1つ以上含有するアルキル基を表すが、同時に水素原子となることはない。R14、R15、R16、R17は互いに同一又は異種の水素原子または炭素数1〜12のアルキル基又はアリール基を表し、R10、R11は炭素数2〜6のアルキレン基または単結合を表す。nは2以上の整数である。)

0038

前記反応性シリコーン化合物としては、水酸基を有し且つジメチルシロキサン構造を繰り返し単位として有するものがより好ましい。一般式(4)中のR14、R15、R16、R17がメチル基である場合、市販品として、X−22−160AS(信越化学工業株式会社製)、KF−6001(信越化学工業株式会社製)、KF−6002(信越化学工業株式会社製)、KF−6003(信越化学工業株式会社製)、X−22−4272(信越化学工業株式会社製)、X−22−4952(信越化学工業株式会社製)、X−22−170BX(信越化学工業株式会社製)、X−22−170DX(信越化学工業株式会社製)、X−22−176DX(信越化学工業株式会社製)、X−22−176F(信越化学工業株式会社製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。

0039

これらの反応性シリコーン化合物は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。反応性シリコーン化合物の含有量は、硬化型電荷輸送層を形成する塗工液固形分に対して0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20重量%である。反応性シリコーン化合物の含有量が0.01重量%以下の場合、電荷輸送層中の潤滑剤が占める割合が少なすぎるために充分な低表面エネルギーが実現されず、良好なクリーニング性を示さない。また反応性シリコーン化合物の含有量が30重量%を超える場合には、潤滑剤の量が多くなりすぎるために、電荷輸送層のマトリックス中に化学的に取り込まれない未反応分子が生じ、これが電子写真プロセス繰り返し時の電気的特性変動等の不具合を引き起し画像濃度の低下や文字細りといった現象を招く。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると0.05〜20重量%の範囲が最も好ましい。

0040

本発明の電荷輸送層に用いられる水酸基を含有しなくトリアリールアミン構造を含有する電荷輸送性化合物の化合物Eとしては、以下に表される電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。前記電荷輸送性化合物としては、イソシアネートと反応できないオキサゾール誘導体オキサジアゾール誘導体イミダゾール誘導体モノアリールアミン誘導体ジアリールアミン誘導体トリアリールアミン誘導体スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体ジアリールメタン誘導体トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体ピラゾリン誘導体ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体インデン誘導体ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。熱架橋型ウレタン樹脂との相溶性及び電荷輸送効率を考慮すれば、下記一般式(3)で示される電荷輸送性化合物がより好ましい。



(式中、R8、R9は、水酸基以外の置換基を有していても良い芳香族炭化水素基、水酸基以外の置換基を有していても良いアルキル基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、R8、R9は互いに結合し窒素原子を含む複素環を形成してもよい。Ar9は置換もしくは無置換の芳香族2価基を表し、Ar10は置換もしくは無置換の芳香族2価基または芳香族1価基を表す。l′、m′はそれぞれ0〜3の整数を表す。ただし、l′、m′が同時に0となることはない。n′は1〜3の整数を表す。)

0041

下記の例示化合物が挙げられる。

0042

0043

0044

0045

0046

これらの電荷輸送性化合物は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。

0047

本発明の電荷輸送層に電荷輸送性化合物Eの含有率Deが相溶化剤の機能をしている化合物Cの含有率Dc以上であることが好ましい。電荷輸送性化合物の含有率Deは化合物Cの含有率Dcを下回ると、得られた電荷輸送層の電荷輸送機能低下の恐れがある。

0048

以下、本発明をその層構造に従い説明する。
<電子写真感光体の層構造について>
本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生機能を有する電荷発生層と、電荷輸送機能を有する電荷輸送層とが積層された積層構造の感光体である。該電荷輸送層がポリオール化合物とイソシアネート化合物と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)と反応性シリコーン化合物との架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂と電荷輸送性化合物からなる。

0049

<導電性支持体について>
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウムニッケルクロムニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ酸化インジウムなどの金属酸化物蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法素管化後、切削超仕上げ研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルトエンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。

0050

この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラックアセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体ポリエステルポリ塩化ビニル塩化ビニル酢酸ビニル共重合体ポリ酢酸ビニルポリ塩化ビニリデンポリアリレート樹脂フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂エチルセルロース樹脂ポリビニルブチラールポリビニルホルマールポリビニルトルエンポリN−ビニルカルバゾールアクリル樹脂シリコーン樹脂エポキシ樹脂メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂アルキッド樹脂などの熱可塑性熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフランジクロロメタンメチルエチルケトントルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。

0051

さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン塩化ゴムテフロン登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。

0052

<電荷発生層について>
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレンアモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子ターミネートしたものや、ホウ素原子リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。

0053

一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料アズレニウム塩顔料スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料アントラキノン系または多環キノン系顔料キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。

0054

電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミドポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格ベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料ポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。

0055

電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法グロー放電分解法イオンプレーティング法スパッタリング法反応性スパッタリング法CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサンジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼンジクロロエタンシクロヘキサノンシクロペンタノンアニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン酢酸エチル酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミルアトライター、サンドミルビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイルメチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法スプレーコートビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。

0056

<電荷輸送層について>
電荷輸送層は電荷輸送機能を有する層で、本発明の電荷輸送層は化合物A(ポリオール化合物)と化合物B(イソシアネート化合物)と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)と化合物D(反応性シリコーン)との架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂と化合物E(電荷輸送性化合物)からなる。電荷発生層上に本発明のポリオール化合物とイソシアネート化合物と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)と反応性シリコーン化合物と電荷輸送性化合物を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、加熱により熱架橋反応を開始させ、電荷輸送層が形成される。熱架橋反応の際に好ましい温度は、80℃〜180℃である。80℃より低くなると、架橋反応が遅くなり、完全に終了しない恐れがある。180℃より高くなると、電荷輸送性化合物の化合物Eが劣化する恐れがある。より好ましい温度は100℃〜150℃である。架橋反応時間について、設定温度に応じ変わるが、好ましい時間は30分〜180分である。
このとき、電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
5μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、40μmより厚いと硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなる。

0057

電荷輸送化合物(化合物E)の量は結着樹脂(ポリオール化合物とイソシアネート化合物と反応性シリコーン化合物の合計)100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは30〜150重量部が適当である。
なお、電化輸送層機械強度と電気特性のバランスをよく取るため、化合物Cの含有率Dcと化合物Eの含有率Deが、0.2≦Dc/De≦1であることが好ましい。

0058

<画像形成方法及び装置について>
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とは、本発明の特定の電荷輸送層を有する感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。
場合により、静電潜像直接転写体に転写し現像する画像形成方法等では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。

0059

図2は、画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ(3)が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイススコロトロンデバイス、固体放電素子針電極デバイスローラー帯電デバイス導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、均一に帯電された感光体(1)上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)が用いられる。この光源には、蛍光灯タングステンランプハロゲンランプ水銀灯ナトリウム灯発光ダイオードLED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルターバンドパスフィルター近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター干渉フィルター色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。

0060

次に、感光体(1)上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット(6)が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像転写体(9)上に転写するために転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式磁気転写方式利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。

0061

次に、転写体(9)を感光体(1)より分離する手段として分離チャージャ(11)、分離爪(12)が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送曲率分離等が用いられる。分離チャージャ(11)としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後の感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。

0062

次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
本発明は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形成装置である。

0063

この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図3に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
図3に例示される装置による画像形成プロセスについて示すと、感光体(101)は、矢印方向に回転しながら、帯電手段(102)による帯電、露光手段(103)による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段(104)でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(106)により、転写体(105)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段(107)によりクリーニングされ、さらに除電手段(図示せず)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。

0064

本発明は、ポリオール化合物とイソシアネート化合物と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)との架橋反応により生成した熱硬化型ウレタン樹脂と電荷輸送性化合物からなる電荷輸送層を有した感光体と帯電、現像、転写、クリーニング、除電手段の少なくとも一つを一体化した画像形成装置用プロセスカートリッジを提供するものである。
以上の説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンターLEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。

0065

次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、すべて重量部を表わす。

0066

実施例1
Al製支持体(外径30mmφ)に、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
下引き層用塗工液
アルキッド樹脂6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製
メラミン樹脂4部
スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン(CR−EL:石原産業) 40部
メチルエチルケトン50部

0067

この下引き層上に下記構造のビスアゾ顔料を含む電荷発生層塗工液に浸漬塗工し、加熱乾燥させ、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生層用塗工液
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部



ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
シクロヘキサノン200部
メチルエチルケトン80部

0068

この電荷発生層上に下記構造の電荷輸送層用塗工液を用いて、乾燥膜厚25μmになるように浸積塗工した後、130℃で90分加熱処理し、透明な電荷輸送層を設け、本発明の電子写真感光体を得た。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 6.1部



l=25、m=2、n=9
重量平均分子量約74000、数平均分子量約27000)
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 1.7部
テトラヒドロフラン36.4部
例示化合物D3−7 2.0部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物3.0部

0069

実施例2
実施例1において電荷輸送性化合物を例示化合物E−15に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
実施例3
実施例1において電荷輸送性化合物を例示化合物E−16に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。

0070

実施例4
実施例1において電荷輸送性化合物を下記化学式で表されるものに変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。

0071

実施例5
実施例1において反応性シリコーンをX−22−170BX(水酸基を1つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。

0072

実施例6
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(BA−P8、日本乳化剤社製) 2.9部



粘度1500〜2000mpa・s(30℃)
トリレンジイソシアネートのアダクト体
コロネートL、日本ポリウレタン社製) 5.7部
テトラヒドロフラン43.8部
例示化合物D3−7 2.4部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物3.6部

0073

実施例7
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 5.1部
ジフェニルメタンジイソシアネート(東京化成社製) 2.1部
テトラヒドロフラン36.6部
例示化合物D3−7 2.0部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物3.0部

0074

実施例8
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 5.3部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 1.9部
テトラヒドロフラン36.6部
例示化合物D2−7 2.0部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物3.0部

0075

実施例9
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 4.4部
デュラネート(24A−100、旭化成ケミカル社製) 2.7部



テトラヒドロフラン36.3部
例示化合物D3−7 2.0部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物3.0部

0076

実施例10
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 6.1部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 1.8部
テトラヒドロフラン39.9部
例示化合物D3−7 2.7部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物2.7部

0077

比較例1
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記のものに変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート10部
下記構造の低分子電荷輸送物質7部



テトラヒドロフラン80部

0078

比較例2
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記のものに変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 6.1部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 2.5部
テトラヒドロフラン43.8部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物D3−7 6.0部

0079

比較例3
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記のものに変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 6.1部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 1.0部
テトラヒドロフラン36.3部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物5.0部

0080

比較例4
実施例1において電荷輸送層用塗工液を下記の処方に変えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
・電荷輸送層用塗工液
ポリオール化合物(FR4944、三菱レイヨン社製) 5.3部
トリレンジイソシアネート(東京化成社製) 1.8部
テトラヒドロフラン36.3部
例示化合物D3−7 3.0部
X−22−160AS
(水酸基を2つ有する反応性シリコーン化合物、信越化学工業株式会社製)
0.4部
例示化合物E−21の電荷輸送性化合物2.0部

0081

比較例5
実施例1において電荷輸送層塗工液に含有された反応性シリコーン化合物を下記の材料に変更した以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
水酸基を有しないメチルフェニルシリコーンオイル
(KF50—100CS、信越シリコーン製

0082

実施例1〜10、比較例1〜5で得られた電子写真感光体を、リコー製imagioMF2200改造機(画像露光光源として655nmの半導体レーザー)にセットして、5万枚の実機通紙試験(A4、NBSリコー製Mypaper、スタート時帯電電位−700V)を実施し、感光体の摩耗特性、耐クラック性、実機機内電位及び画像評価を行った。その中、耐クラック評価は実機通紙試験を終えた感光体を30℃、85%Rh環境下で2週間保管し、感光体表面にクラックの有無が目視で判断する。また、感光体最表層の膜状態評価は目視で感光体表面を視察し、透明均一に成膜できているかを評価する。
これらの結果をそれぞれ表7、8に示す。さらに実施例と比較例の感光体について、初期と5万枚通紙試験後協和界面科学社製自動接触角計CA−W型にて純水に対する接触角測定を行なった結果を表9に示す。

0083

耐クラック性:○→発生なし、△→1〜4箇所以内、×→4箇所以上
スジ画像:○→良好、△→局部的に発生、×→画像全面に発生
画像濃度:○→良好、△→わずかに画像濃度定価、×→画像濃度低下

0084

0085

0086

比較例1は感光体の電荷輸送層にウレタン樹脂を含有しないので、膜の機械強度が低く、摩耗量が大きかった。耐クラック性も悪かった。
比較例2は感光体の電荷輸送層にイソシアネートと反応しない電荷輸送性化合物を含有しないので、電荷輸送機能が十分に発揮できなくて、感光体は摩耗量が少なかったが、スジ画像も出てしまったし、明部電位の異常上昇も激しかった。
比較例3は感光体の電荷輸送層に電荷輸送性化合物を含有するが、化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)を有しないので、電荷輸送性化合物がウレタン樹脂との相溶性が欠けて、架橋反応を阻害し、強固な電荷輸送層は形成できなかった。感光体の摩耗量も大きかったし、電荷輸送性化合物の析出による画像濃度低下も発生した。
比較例4は感光体の電荷輸送層に電荷輸送性化合物と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)を有するが、化合物Cの含有率が電荷輸送性化合物より多いため、電荷輸送機能が不十分で、感光体は摩耗量が少なかったが、スジ画像も出てしまったし、明部電位の異常上昇も発生した。

実施例

0087

比較例5は感光体の電荷輸送層にシリコーン化合物を有するが、シリコーン化合物が水酸基を含有しないので、硬化膜中に固定できず、初期段階に低い表面エネルギー(純水接触角が高い)を示したが、持続性はなかった。5万枚通紙後のスジ画像が出てしまった。
したがって、本発明の感光体の電荷輸送層が少なくとも特定のポリオール化合物とイソシアネート化合物と化合物C(水酸基とトリアリールアミン構造を含有する化合物)と反応性シリコーン化合物との架橋反応により生成した熱硬化性ウレタン樹脂と電荷輸送性化合物を含有することによって、良好な画像を長期間維持できる長寿命で且つ高性能な感光体を提供できることが判明した。また併せて、本発明の感光体を用いた画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが高性能、高信頼性を有していることが判明した。

0088

1感光体
2除電ランプ
3帯電チャージャ
イレーサ
5画像露光部
6現像ユニット
7転写前チャージャ
レジストローラ
9転写紙
10転写チャージャ
11分離チャージャ
12分離爪
13クリーニング前チャージャ
14ファーブラシ
15クリーニングブレード
101感光ドラム
102帯電装置
103露光
104現像装置
105転写体
106転写装置
107 クリーニングブレード

先行技術

0089

特開昭56−48637号公報
特開昭64−1728号公報
特開平4−281461号公報
特開昭61−132954号公報
特開平2−240655号公報
特開平7−261440号公報
特開平5−306335号公報
特開平6−32884号公報
特開平6−282094号公報
特開2003−316055号公報
特許第3060866号公報
特許第3818585号公報
特許第3818589号公報
特許第3936628号公報
特開2008−26694号公報
特開2003−043721号公報
特開2003−316055号公報

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