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技術 熱電変換材料

出願人 住友化学株式会社
発明者 廣山雄一岸田寛
出願日 2009年7月31日 (11年3ヶ月経過) 出願番号 2009-178997
公開日 2011年2月17日 (9年9ヶ月経過) 公開番号 2011-035117
状態 拒絶査定
技術分野 酸化物セラミックスの組成1 熱電素子
主要キーワード 焼結体粉 メカニカルプレス 熱電変換発電 樹脂ポット 熱電特性評価装置 実測密度 水酸化ガリウム ダイナミックミル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

極めて大きい性能指数の値を示すことのできる熱電変換材料を提供する。

解決手段

Zn、GaおよびInを含有する複合酸化物からなることを特徴とする熱電変換材料。Alをさらに含有する複合酸化物からなることを特徴とする前記の熱電変換材料。相対密度が80%以上である前記の熱電変換材料。表面の少なくとも一部が、皮膜コーティングされている前記熱電変換材料。複数のn型熱電変換材料および複数のp型熱電変換材料と、前記複数のp型熱電変換材料及び複数のn型熱電変換材料をp型n型交互に電気的に直列に接続させる複数の電極とを備える熱電変換モジュールであって、前記n型熱電変換材料が、前記熱電変換材料であることを特徴とする熱電変換モジュール。

概要

背景

熱電変換発電とは、熱電変換材料において、温度差を設けた際に、電圧熱起電力)が発生する現象、すなわちゼーベック効果を利用して、熱エネルギー電気エネルギーに変換することによる発電である。熱電変換発電は、地熱焼却炉の熱などの種々の排熱を熱エネルギーとして利用できることから、実用化可能な環境保全型の発電として期待されている。

熱電変換材料の、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する効率(以下、「エネルギー変換効率」ということがある。)は、熱電変換材料の性能指数の値(Z)に依存する。性能指数の値(Z)は、熱電変換材料のゼーベック係数の値(α)、電気伝導度の値(σ)および熱伝導度の値(κ)を用いて、以下の式で求まる値であり、この性能指数の値(Z)が大きい熱電変換材料ほど、エネルギー変換効率が良好な熱電変換材料とされている。また、式中のα2×σは出力因子と呼ばれ、この出力因子の値も、熱電変換特性を示す指標として用いられている。
Z=α2×σ/κ

熱電変換材料にはゼーベック係数が正の値であるp型熱電変換材料と、ゼーベック係数が負の値であるn型熱電変換材料とがある。通常、熱電変換発電には、複数のp型熱電変換材料および複数のn型熱電変換材料と、これらをp型n型交互に電気的に直列に接続させる複数の電極とを備える熱電変換モジュールが使用されている。

また、これら熱電変換材料は、特に、金属からなる材料と酸化物からなる材料とに大別され、高温雰囲気のもとで用いるには酸化物からなる材料の方が適しているとされている。また、金属材料としてはβ−FeSi2などシリサイド系の材料等が挙げられ、酸化物材料としては酸化亜鉛系の材料等が挙げられる。

酸化亜鉛系の熱電変換材料としては、ZnOにおけるZnの一部がAlで置換された熱電変換材料が、特許文献1に開示されており、実施例においては、ZnOおよびAl2O3の混合、成形後に、1400℃付近焼成して、熱電変換材料を得ている。さらに、非特許文献1では、ZnOにおけるZnの一部をGaまたはInで置換することによっては、得られる熱電変換材料の電気伝導度の値は小さく、性能指数の値の増大は望めないとして、ZnOにおけるZnの一部をAlおよびGaで共置換する検討がなされている。

概要

極めて大きい性能指数の値を示すことのできる熱電変換材料を提供する。Zn、GaおよびInを含有する複合酸化物からなることを特徴とする熱電変換材料。Alをさらに含有する複合酸化物からなることを特徴とする前記の熱電変換材料。相対密度が80%以上である前記の熱電変換材料。表面の少なくとも一部が、皮膜コーティングされている前記熱電変換材料。複数のn型熱電変換材料および複数のp型熱電変換材料と、前記複数のp型熱電変換材料及び複数のn型熱電変換材料をp型n型交互に電気的に直列に接続させる複数の電極とを備える熱電変換モジュールであって、前記n型熱電変換材料が、前記熱電変換材料であることを特徴とする熱電変換モジュール。なし

目的

本発明は、極めて大きい性能指数の値を示すことのできる熱電変換材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

Zn、GaおよびInを含有する複合酸化物からなることを特徴とする熱電変換材料

請求項2

Zn、GaおよびInの総モル量を1としたときのGaのモル量が0.001以上0.1以下である請求項1記載の熱電変換材料。

請求項3

Zn、GaおよびInの総モル量を1としたときのInのモル量が0.001以上0.3以下である請求項1または2記載の熱電変換材料。

請求項4

相対密度が80%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の熱電変換材料。

請求項5

Alをさらに含有する複合酸化物からなることを特徴とする請求項1記載の熱電変換材料。

請求項6

Zn、Ga、AlおよびInの総モル量を1としたときのAlのモル量が0.001以上0.1以下である請求項5記載の熱電変換材料。

請求項7

Zn、Ga、AlおよびInの総モル量を1としたときのGaのモル量が0.001以上0.1以下である請求項5または6記載の熱電変換材料。

請求項8

Zn、Ga、AlおよびInの総モル量を1としたときのInのモル量が0.001以上0.3以下である請求項5〜7のいずれかに記載の熱電変換材料。

請求項9

相対密度が80%以上である請求項5〜8のいずれかに記載の熱電変換材料。

請求項10

表面の少なくとも一部が、皮膜コーティングされている請求項1〜9のいずれかに記載の熱電変換材料。

請求項11

複数のn型熱電変換材料および複数のp型熱電変換材料と、前記複数のp型熱電変換材料及び複数のn型熱電変換材料をp型n型交互に電気的に直列に接続させる複数の電極とを備える熱電変換モジュールであって、前記n型熱電変換材料が、請求項1〜10のいずれかに記載の熱電変換材料であることを特徴とする熱電変換モジュール。

技術分野

0001

本発明は、熱電変換材料に関する。より詳しくは酸化物からなる熱電変換材料に関する。

背景技術

0002

熱電変換発電とは、熱電変換材料において、温度差を設けた際に、電圧熱起電力)が発生する現象、すなわちゼーベック効果を利用して、熱エネルギー電気エネルギーに変換することによる発電である。熱電変換発電は、地熱焼却炉の熱などの種々の排熱を熱エネルギーとして利用できることから、実用化可能な環境保全型の発電として期待されている。

0003

熱電変換材料の、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する効率(以下、「エネルギー変換効率」ということがある。)は、熱電変換材料の性能指数の値(Z)に依存する。性能指数の値(Z)は、熱電変換材料のゼーベック係数の値(α)、電気伝導度の値(σ)および熱伝導度の値(κ)を用いて、以下の式で求まる値であり、この性能指数の値(Z)が大きい熱電変換材料ほど、エネルギー変換効率が良好な熱電変換材料とされている。また、式中のα2×σは出力因子と呼ばれ、この出力因子の値も、熱電変換特性を示す指標として用いられている。
Z=α2×σ/κ

0004

熱電変換材料にはゼーベック係数が正の値であるp型熱電変換材料と、ゼーベック係数が負の値であるn型熱電変換材料とがある。通常、熱電変換発電には、複数のp型熱電変換材料および複数のn型熱電変換材料と、これらをp型n型交互に電気的に直列に接続させる複数の電極とを備える熱電変換モジュールが使用されている。

0005

また、これら熱電変換材料は、特に、金属からなる材料と酸化物からなる材料とに大別され、高温雰囲気のもとで用いるには酸化物からなる材料の方が適しているとされている。また、金属材料としてはβ−FeSi2などシリサイド系の材料等が挙げられ、酸化物材料としては酸化亜鉛系の材料等が挙げられる。

0006

酸化亜鉛系の熱電変換材料としては、ZnOにおけるZnの一部がAlで置換された熱電変換材料が、特許文献1に開示されており、実施例においては、ZnOおよびAl2O3の混合、成形後に、1400℃付近焼成して、熱電変換材料を得ている。さらに、非特許文献1では、ZnOにおけるZnの一部をGaまたはInで置換することによっては、得られる熱電変換材料の電気伝導度の値は小さく、性能指数の値の増大は望めないとして、ZnOにおけるZnの一部をAlおよびGaで共置換する検討がなされている。

0007

特開平8−186293号公報

先行技術

0008

山本清司ら、「第5回日本熱電学会学術講演会(TSJ2008)予稿集」第18頁(2008年)

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、ZnOにおけるZnの一部がAlおよびGaで共置換された熱電変換材料においても、性能指数は未だ十分なものではない。本発明は、極めて大きい性能指数の値を示すことのできる熱電変換材料を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記事情に鑑み、種々検討した結果、ZnOにおけるZnの一部がAlおよびGaで共置換された熱電変換材料においては、その熱伝導度の値が大きいことが性能指数の値を小さくしている原因となっているという知見を得た。さらに、本発明者らは、意外にも次の発明が、熱伝導度の値が小さく、しかも、極めて大きい性能指数の値を示すことができることを見出し、本発明に至った。すなわち本発明は、以下の発明を提供する。
<1>Zn、GaおよびInを含有する複合酸化物からなることを特徴とする熱電変換材料。
<2>Zn、GaおよびInの総モル量を1としたときのGaのモル量が0.001以上0.1以下である前記<1>記載の熱電変換材料。
<3>Zn、GaおよびInの総モル量を1としたときのInのモル量が0.001以上0.3以下である前記<1>または<2>記載の熱電変換材料。
<4>相対密度が80%以上である前記<1>〜<3>のいずれかに記載の熱電変換材料。
<5>Alをさらに含有する複合酸化物からなることを特徴とする前記<1>記載の熱電変換材料。
<6>Zn、Ga、AlおよびInの総モル量を1としたときのAlのモル量が0.001以上0.1以下である前記<5>記載の熱電変換材料。
<7>Zn、Ga、AlおよびInの総モル量を1としたときのGaのモル量が0.001以上0.1以下である前記<5>または<6>記載の熱電変換材料。
<8>Zn、Ga、AlおよびInの総モル量を1としたときのInのモル量が0.001以上0.3以下である前記<5>〜<7>のいずれかに記載の熱電変換材料。
<9>相対密度が80%以上である前記<5>〜<8>のいずれかに記載の熱電変換材料。
<10>表面の少なくとも一部が、皮膜コーティングされている前記<1>〜<9>のいずれかに記載の熱電変換材料。
<11>複数のn型熱電変換材料および複数のp型熱電変換材料と、前記複数のp型熱電変換材料及び複数のn型熱電変換材料をp型n型交互に電気的に直列に接続させる複数の電極とを備える熱電変換モジュールであって、前記n型熱電変換材料が、前記<1>〜<10>のいずれかに記載の熱電変換材料であることを特徴とする熱電変換モジュール。

発明の効果

0011

本発明によれば、熱伝導度の値が小さく、しかも極めて大きい性能指数の値を示す熱電変換材料を得ることができる。この熱電変換材料を熱電変換モジュールにおけるn型熱電変換材料として用いれば、効率的な熱電発電に供することができ、本発明は工業的に極めて有用である。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施形態に係る熱電変換材料を用いた熱電変換モジュールの一例における断面図である。
本発明の実施形態に係る熱電変換材料を用いた熱電変換モジュールの他の一例における断面図である。

0013

本発明の熱電変換材料は、Zn、GaおよびInを含有する複合酸化物からなることを特徴とする。この複合酸化物は、ZnOにおけるZnの一部が、GaおよびInの2元素で置換されてなる複合酸化物であることが好ましい。

0014

前記のZn、GaおよびInを含有する複合酸化物において、電気伝導度の値をより大きくする観点で、Zn、GaおよびInの総モル量を1としたときのGaのモル量が0.001以上0.1以下であることが好ましく、より好ましくは、0.002以上0.02以下である。

0015

また、熱伝導度の値をより小さくする観点で、Zn、GaおよびInの総モル量を1としたときのInのモル量が0.001以上0.3以下であることが好ましく、より好ましくは、0.01以上0.2以下である。

0016

また、本発明においては、Alをさらに含有する複合酸化物からなる熱電変換材料、すなわち、Zn、Ga、AlおよびInを含有する複合酸化物からなる熱電変換材料であることも、好ましい形態である。この場合、ZnOにおけるZnの一部が、Ga、AおよびInの3元素で置換されてなる複合酸化物であることが好ましい。

0017

前記のZn、Ga、AlおよびInを含有する複合酸化物において、電気伝導度の値をより大きくする観点で、Zn、Ga、AlおよびInの総モル量を1としたときのAlのモル量が0.001以上0.1以下であることが好ましく、より好ましくは、0.002以上0.02以下である。

0018

また、電気伝導度の値をより大きくする観点で、Zn、Ga、AlおよびInの総モル量を1としたときのGaのモル量が0.001以上0.1以下であることが好ましく、より好ましくは、0.002以上0.02以下である。

0019

また、熱伝導度の値をより小さくする観点で、Zn、Ga、AlおよびInの総モル量を1としたときのInのモル量が0.001以上0.3以下であることが好ましく、より好ましくは、0.01以上0.2以下である。

0020

本発明の熱電変換材料は、主に粉体焼結体薄膜の形状で用いられ、特に、焼結体として用いられる。本発明の熱電変換材料を焼結体として用いる場合、その形及び寸法は、熱電変換モジュールにおける適切な形に加工して用いればよい。具体的には、直方体のような角柱状、板状、円柱状等の形で用いることができる。また、通常、焼結体からなる熱電変換材料は、その端面、すなわち、後述の熱電変換モジュールにおける電極と対向する表面を研磨して用いる。

0021

(熱電変換材料の製造方法)
本発明における熱電変換材料は、原料化合物の混合物焼結することにより製造することができる。具体的には、本発明における複合酸化物に対応するZn、Ga、Al、Inのそれぞれを含有するそれぞれの原料化合物を所定の組成となるように量、混合して得られる混合物を焼結することにより製造することができる。なお、Zn、Ga、Inのそれぞれを含有するそれぞれの原料化合物を用いる場合には、Zn、GaおよびInを含有する複合酸化物からなる熱電変換材料が得られ、Zn、Ga、Al、Inのそれぞれを含有するそれぞれの原料化合物を用いる場合には、Zn、Ga、AlおよびInを含有する複合酸化物からなる熱電変換材料が得られる。

0022

前記の原料化合物としては、Zn、Ga、Al、Inの元素を含有する化合物で、例えば、酸化物を用いるか、または水酸化物炭酸塩硝酸塩ハロゲン化物硫酸塩、有機酸塩など、高温で分解および/または酸化して酸化物になる化合物もしくは単金属が使用される。Znを含有する化合物としては、酸化亜鉛(ZnO)、水酸化亜鉛(Zn(OH)2)、炭酸亜鉛(Zn(CO3))等が挙げられ、特に、酸化亜鉛(ZnO)が好ましい。Alを含有する化合物としては、酸化アルミニウム(Al2O3)、水酸化アルミニウムAl(OH)3等が挙げられ、特に、酸化アルミニウム(Al2O3)が好ましい。Gaを含有する化合物としては、酸化ガリウム(Ga2O3)、水酸化ガリウム(Ga(OH)3)等が挙げられ、特に、酸化ガリウム(Ga2O3)が好ましい。Inを含有する化合物としては、酸化インジウム(In2O3)、硫酸インジウム(In2(SO4)3)等が挙げられ、特に、酸化インジウム(In2O3)が好ましい。

0023

前記の混合は、乾式混合法、湿式混合法のいずれによってもよいが、原料化合物をより均一に混合できる方法によることが好ましく、この場合、混合装置としては、例えばボールミルV型混合機振動ミルアトライター、ダイノーミルダイナミックミル等の装置が挙げられる。また、上記混合のほかに、共沈法水熱法水溶液蒸発乾固させるドライアップ法、ゾルゲル法などによって、混合物を得ることもできる。

0024

前記混合物を、例えば、窒素などの不活性ガス雰囲気中において1100℃以上1500℃以下の範囲の温度にて5〜15時間保持して焼結することにより、熱電変換材料を得ることができる。焼結の温度は、好ましくは1300℃以上1400℃以下の範囲の温度である。焼結温度が1000℃未満では焼結し難く、電気伝導度の値(σ)が低下することがある。また、焼結温度が1400℃を超えるときは、亜鉛蒸発することもあり得る。

0025

また、前記焼結の前に、前記混合物を焼成してもよい。例えば、前記混合物を窒素などの不活性ガス雰囲気中において1000℃以上1300℃以下の範囲の温度で保持して焼成して得られる焼成品を成形して成形体を得て、これを焼結することによっても焼結体を製造することができる。このように焼成することにより、焼結体の組成の均一性、焼結体の結晶構造の均一性を向上させたり、焼結体の変形を抑制することができる。また焼成品について粉砕を行って粉砕品とし、これを焼結することもできる。この粉砕は、例えばボールミル、振動ミル、アトライター、ダイノーミル、ダイナミックミル等の通常工業的に用いられている粉砕装置により行うことができる。

0026

焼結の前には、前記混合物、前記焼成品または前記粉砕品について成形を行うことが好ましい。また、成形および焼結を同時に行ってもよい。成形は、直方体のような角柱状、板状、円柱状等の熱電変換モジュールにおける適切な形となるように成形すればよく、成形方法としては、例えば、一軸プレス冷間静水圧プレスCIP)、メカニカルプレスホットプレス、熱間等方圧プレスHIP)などが挙げられる。また、前記混合物、前記焼成品または前記粉砕品は、バインダー分散剤離型剤等を含有してもよい。

0027

上記に述べた本発明の熱電変換材料の製造方法は、本発明の熱電変換材料を焼結体の形状で用いる場合の製造方法であるが、大きな電気伝導度の値を得る意味で、焼結体の密度は相対密度で80%以上であることが好ましい。本発明においては、80%〜95%程度という比較的低い相対密度であっても、意外にも大きな電気伝導度の値を得ることができるのである。焼結体の密度は、前記混合物、焼成品または粉砕品の粒子サイズ、成形体を製造するときの成形圧力、焼結の温度、焼結の時間等により、制御することができる。また、上記の焼結により得られる焼結体を粉砕して、焼結体粉砕品を製造して、該焼結体粉砕品について、再度上記の焼結を行ってもよい。

0028

また、相対密度は、熱電変換材料の理論密度をβ(g/cm3)、熱電変換材料の実測密度をγ(g/cm3)として、次式により求めることができる。実測密度は、アルキメデス法により測定することができる。
相対密度(%)=γ/β×100

0029

(皮膜)
また、本発明の熱電変換材料の表面の少なくとも一部は、皮膜でコーティングされていてもよい。皮膜でコーティングされることにより、高温雰囲気下において、熱電変換材料におけるZnの蒸発を抑制することができ、また、例えば、雰囲気ガス大気等の酸化性ガスである場合のように、熱電変換材料が酸化しやすい雰囲気下であっても、熱電変換材料の特性低下を抑制することができる。皮膜は、シリカアルミナ、又は炭化珪素のうち少なくとも1つを主材料とすることが好ましい。

0030

また、熱電変換材料の皮膜の厚みは0.01μm〜1mmであることが好ましく、0.1μm〜300μmであることがより好ましく、1μm〜100μmであることがさらに好ましい。皮膜の厚みが小さすぎると上記の皮膜の効果を得ることができず、皮膜の厚みが大きすぎると皮膜にクラックが生じやすくなる傾向がある。

0031

(熱電変換モジュール)
次に、熱電変換モジュールについて説明する。本発明の熱電変換モジュールは、複数のn型熱電変換材料および複数のp型熱電変換材料と、前記複数のp型熱電変換材料及び複数のn型熱電変換材料をp型n型交互に電気的に直列に接続させる複数の電極とを備え、前記n型熱電変換材料として、上記の本発明の熱電変換材料を用いる。

0032

熱電変換材料を用いた熱電変換モジュールの一実施形態について説明する。図1は、熱電変換材料10を用いた熱電変換モジュール1の断面図である。図1に示されるように、熱電変換モジュール1は、第1の基板2、第1の電極8、熱電変換材料10、第2の電極6及び第2の基板7を備える。

0033

第1の基板2は、例えば矩形状をなし、電気的絶縁性で、かつ熱伝導性を有し、複数の熱電変換材料10の一端を覆うものである。この第1の基板の材料としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウムマグネシア等が挙げられる。

0034

第1の電極8は、第1の基板2上に設けられ、互いに隣接する熱電変換材料10の一端面同士を電気的に接続するものである。この第1の電極8は、第1の基板2上の所定位置に、例えば、スパッタ蒸着等の薄膜技術スクリーン印刷、めっき、溶射等の方法を用いて形成することができる。また、所定形状の金属板等を例えば、はんだロウ付け等で第1の基板2上に接合させてもよい。第1の電極8の材料としては、導電性を有するものであれば特に制限されないが、電極の耐熱性耐食性、熱電変換材料への接着性を向上させる観点から、チタンバナジウムクロムマンガン、鉄、コバルトニッケル、銅、モリブデン、銀、パラジウム、金、タングステン及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として含む金属が好ましい。ここで、主成分とは、電極材料中に50体積%以上含有されている成分を言う。

0035

第2の基板7は、例えば矩形状をなし、熱電変換材料10の他端側を覆うものである。また、第2の基板7は、第1の基板2と平行に対向配置されている。第2の基板7は、第1の基板2と同様に、電気的絶縁性で、かつ熱伝導性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、マグネシア等の材料を用いることができる。

0036

第2の電極6は、互いに隣接する熱電変換材料10の他端面同士を電気的に接続するものであり、第2の基板7の下面に、例えば、スパッタや蒸着等の薄膜技術、スクリーン印刷、めっき、溶射等の方法を用いて形成することができる。そして、この第2の電極6と、熱電変換材料10の下端面側に設けられた第1の電極8とにより、熱電変換材料10は電気的に直列に接続されている。

0037

p型熱電変換材料3及びn型熱電変換材料4は、第1の基板2及び第2の基板7間に交互に並んで配置されると共に、これらの両面が対応する第1の電極8及び第2の電極6の表面に対して、例えば、AuSb、PbSb系のはんだや銀ペースト等の接合材9により固定され、全体として電気的に直列に接続されている。この接合材は、熱電変換モジュールとしての使用時に固体であるものが好ましい。

0038

そして、熱電変換モジュール1を構成する複数のp型熱電変換材料3及びn型熱電変換材料4において、各熱電変換材料10の端面a1,a2は、電極6、8に対向しており、例えば接合材9を介して電極6、8と接合される。

0039

本発明の熱電変換材料は、熱電変換モジュールにおいてn型熱電変換材料4として用いることができる。また、p型熱電変換材料3としては、NaCo2O4、Ca3Co4O9等の複合酸化物、MnSi1.73、Fe1−xMnxSi2、Si0.8Ge0.2、β−FeSi2等のシリサイド、CoSb3、FeSb3、RFe3CoSb12(RはLa、Ce又はYbを示す)等のスクテルイト、BiTeSb、PbTeSb、Bi2Te3、PbTe等のTeを含有する合金等が挙げられるが、これらの中でも、複合酸化物を含むことが好ましい。

0040

なお、熱電変換モジュールは、上述の実施形態に限られるわけではない。ここで、図2に、熱電変換材料10を用いたいわゆるスケルトン型の熱電変換モジュール1の一例における断面図を示す。図2図1と異なる点は、熱電変換モジュール1における互いに対向する1対の基板2、7がなく、代わりに、複数の熱電変換材料10の間に介在し各熱電変換材料10の高さ方向の中央部を取り囲むように保持して各々の熱電変換材料を適切な位置に固定するための支持枠12を備える点であり、それ以外の構成は図1における熱電変換モジュールと同様である。

0041

支持枠12は、熱的絶縁性及び電気的絶縁性を有し、この支持枠12には、熱電変換材料10が配置されるべき位置に、それぞれ複数の挿通孔12aが形成されている。この挿通孔12aは、熱電変換材料3、4の断面形状に対応する正方形、矩形状等の形状をなしている。

0042

この挿通孔12aには、各熱電変換材料10が嵌合されている。そして、挿通孔12aの内壁面と熱電変換材料10の側面との間は非常に狭いため、支持枠12は複数の熱電変換材料10を保持し固定することができる。また、必要に応じて、例えば、挿通孔12aの内壁面には接着剤等を充填し、より強固に熱電変換材料10を固定することもできる。このようにして、熱電変換材料10は、支持枠12により保持されている。

0043

この支持枠12の材料としては、熱的絶縁性及び電気的絶縁性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、樹脂材料セラミック材料を用いることができる。支持枠12の材料は、熱電変換モジュール1の作動温度溶融しない材料から適宜選択すればよく、例えば、作動温度が室温程度の場合には、ポリプロピレン、ABSポリカーボネイト等を、また作動温度が室温〜200℃程度の場合には、ポリアミドポリイミドポリアミドイミドポリエーテルケトン等のスーパーエンジニアリングプラスチック等を、また作動温度が200℃程度以上である場合には、アルミナ、ジルコニアコージェライト等のセラミックス材料を用いればよい。これらの材料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。

0044

上記スケルトン型の熱電変換モジュールは、図1に示す熱電変換モジュールのように、複数の熱電変換材料10及び複数の電極6、8が基板2、7に挟まれていないため、各熱電変換材料10に作用する熱応力を低減させることができるとともに、接触熱抵抗を低減させることができる点で有用である。

0045

以下、本発明を実施例により更に詳しく説明する。

0046

実施例1(Zn:Ga:In=0.98:0.01:0.19、焼結温度1200℃)
ZnO粉末(株式会社高純度化学研究所製)とGa2O3粉末(株式会社高純度化学研究所製)とIn2O3粉末(株式会社高純度化学研究所製)を用いて、Zn:Ga:Inが、モル比で、0.98:0.01:0.19となるように秤量し、エタノールおよびZrO2ボールとともに樹脂ポットに入れ、ボールミルにて20時間混合して、乾燥して、混合物を得た。この混合物について、金型を用いて、一軸プレスで直方体状に成形し、さらにプレス機(コベルコ製CIP)を用いて、静水圧プレスを1800kgf/cm2の圧力で1分間行って得られた成形体を、窒素雰囲気において焼結温度1200℃で10時間保持して焼結を行い、焼結体1を得た。

0047

熱電特性評価装置アルバック理工株式会社製、ZEM−3)を用いて、焼結体1のゼーベック係数(α)と電気伝導度(σ)の値を求めた。760℃におけるゼーベック係数の値(α)は115μV/K、電気伝導度の値(σ)は1.3×104(S/m)であり、出力因子(α2×σ)の値は、1.8×10−4W/mK−2であった。また、熱伝導度の値(κ)は、レーザーフラッシュ法により求めた熱拡散率(γ)と比熱(Cp)の値を用いて、次の式により、算出した。
κ=γ×Cp×ρ(ρは焼結体の相対密度)
焼結体1の相対密度は86.2%であり、熱伝導度の値(κ)は0.9W/mKとなった。以上のα、σ、κの値から求めた性能指数の値(Z)は2.0×10−4K−1であり、極めて大きな値であった。

0048

実施例2(Zn:Ga:In=0.98:0.01:0.19、焼結温度1300℃)
焼結温度を1300℃とした以外は実施例1と同様にして、焼結体2を得た。焼結体2について、実施例1と同様にして、ゼーベック係数(α)と電気伝導度(σ)の値を求めた。ゼーベック係数の値(α)は130μV/K、電気伝導度の値(σ)は9.6×103(S/m)であり、出力因子(α2×σ)の値は、1.6×10−4W/mK−2であった。また、実施例1と同様にして、焼結体2の熱伝導度の値(κ)を求めた。焼結体2の相対密度は86.6%であり、熱伝導度の値(κ)は0.8W/mKとなった。以上のα、σ、κの値から求めた性能指数の値(Z)は2.0×10−4K−1であり、極めて大きな値であった。

0049

実施例3(Zn:Ga:In=0.98:0.01:0.19、焼結温度1400℃)
焼結温度を1400℃とした以外は実施例1と同様にして、焼結体3を得た。焼結体3について、実施例1と同様にして、ゼーベック係数(α)と電気伝導度(σ)の値を求めた。ゼーベック係数の値(α)は120μV/K、電気伝導度の値(σ)は1.8×104(S/m)であり、出力因子(α2×σ)の値は、2.6×10−4W/mK−2であった。また、実施例1と同様にして、焼結体3の熱伝導度の値(κ)を求めた。焼結体3の相対密度は82.4%であり、熱伝導度の値(κ)は0.8W/mKとなった。以上のα、σ、κの値から求めた性能指数の値(Z)は3.1×10−4K−1であり、極めて大きな値であった。

0050

実施例4(Zn:Al:Ga:In=0.900:0.002:0.002:0.096、焼結温度1200℃)
ZnO粉末(株式会社高純度化学研究所製)とAl2O3粉末(株式会社高純度化学研究所製)とGa2O3粉末(株式会社高純度化学研究所製)とIn2O3粉末(株式会社高純度化学研究所製)を用いて、Zn:Al:Ga:Inが、モル比で、0.900:0.002:0.002:0.096となるように秤量し、エタノールおよびZrO2ボールとともに樹脂ポットに入れ、ボールミルにて20時間混合して、乾燥して、混合物を得た。この混合物について、金型を用いて、一軸プレスで直方体状に成形し、さらにプレス機(コベルコ製CIP)を用いて、静水圧プレスを1800kgf/cm2の圧力で1分間行って得られた成形体を、窒素雰囲気において焼結温度1200℃で10時間保持して焼結を行い、焼結体4を得た。

0051

焼結体4について、実施例1と同様にして、ゼーベック係数(α)と電気伝導度(σ)の値を求めた。ゼーベック係数の値(α)は156μV/K、電気伝導度の値(σ)は1.0×104(S/m)であり、出力因子(α2×σ)の値は、2.4×10−4W/mK−2であった。また、実施例1と同様にして、焼結体4の熱伝導度の値(κ)を求めた。焼結体4の相対密度は92.8%であり、熱伝導度の値(κ)は2.0W/mKとなった。以上のα、σ、κの値から求めた性能指数の値(Z)は1.2×10−4K−1であり、極めて大きな値であった。

0052

実施例5(Zn:Al:Ga:In=0.900:0.002:0.002:0.096、焼結温度1300℃)
焼結温度を1300℃とした以外は実施例4と同様にして、焼結体5を得た。焼結体5について、実施例1と同様にして、ゼーベック係数(α)と電気伝導度(σ)の値を求めた。ゼーベック係数の値(α)は173μV/K、電気伝導度の値(σ)は2.0×104(S/m)であり、出力因子(α2×σ)の値は、5.9×10−4W/mK−2であった。また、実施例1と同様にして、焼結体5の熱伝導度の値(κ)を求めた。焼結体5の相対密度は90.6%であり、熱伝導度の値(κ)は2.0W/mKとなった。以上のα、σ、κの値から求めた性能指数の値(Z)は2.9×10−4K−1であり、極めて大きな値であった。

0053

実施例6(Zn:Al:Ga:In=0.900:0.002:0.002:0.096、焼結温度1400℃)
焼結温度を1400℃とした以外は実施例4と同様にして、焼結体6を得た。焼結体6について、実施例1と同様にして、ゼーベック係数(α)と電気伝導度(σ)の値を求めた。ゼーベック係数の値(α)は137μV/K、電気伝導度の値(σ)は2.0×104(S/m)であり、出力因子(α2×σ)の値は、3.7×10−4W/mK−2であった。また、実施例1と同様にして、焼結体6の熱伝導度の値(κ)を求めた。焼結体6の相対密度は93.1%であり、熱伝導度の値(κ)は1.8W/mKとなった。以上のα、σ、κの値から求めた性能指数の値(Z)は2.0×10−4K−1であり、極めて大きな値であった。

0054

比較例1(Zn:Al:Ga=0.996:0.002:0.002、焼結温度1200℃)
ZnO粉末(株式会社高純度化学研究所製)とAl2O3粉末(株式会社高純度化学研究所製)とGa2O3粉末(株式会社高純度化学研究所製)を用いて、Zn:Al:Gaが、モル比で、0.996:0.002:0.002となるように秤量し、エタノールおよびZrO2ボールとともに樹脂ポットに入れ、ボールミルにて20時間混合して、乾燥して、混合物を得た。この混合物について、金型を用いて、一軸プレスで直方体状に成形し、さらにプレス機(コベルコ製CIP)を用いて、静水圧プレスを1800kgf/cm2の圧力で1分間行って得られた成形体を、窒素雰囲気において1200℃で10時間保持して焼結を行い、焼結体R1を得た。

0055

焼結体R1について、実施例1と同様にして、ゼーベック係数(α)と電気伝導度(σ)の値を求めた。ゼーベック係数の値(α)は113μV/K、電気伝導度の値(σ)は6.2×104(S/m)であり、出力因子(α2×σ)の値は、7.8×10−4W/mK−2であった。また、実施例1と同様にして、焼結体R1の熱伝導度の値(κ)を求めた。焼結体R1の相対密度は98.0%であり、熱伝導度の値(κ)は45.5W/mKとなった。以上のα、σ、κの値から求めた性能指数の値(Z)は1.7×10−5K−1であり、小さな値であった。

実施例

0056

比較例2(Zn:Al:Ga=0.96:0.01:0.01、焼結温度1200℃)
Zn:Al:Gaのモル比を0.96:0.01:0.01とした以外は、比較例1と同様にして、焼結体R2を得た。焼結体R2について、実施例1と同様にして、ゼーベック係数(α)と電気伝導度(σ)の値を求めた。ゼーベック係数の値(α)は100μV/K、電気伝導度の値(σ)は8.1×104(S/m)であり、出力因子(α2×σ)の値は、8.0×10−4W/mK−2であった。また、実施例1と同様にして、焼結体R2の熱伝導度の値(κ)を求めた。焼結体R2の相対密度は98.2%であり、熱伝導度の値(κ)は36.5W/mKとなった。以上のα、σ、κの値から求めた性能指数の値(Z)は2.2×10−5K−1であり、小さな値であった。

0057

1・・・熱電変換モジュール、2・・・第1の基板、3・・・p型熱電変換材料、4・・・n型熱電変換材料、6・・・第2の電極、7・・・第2の基板、8・・・第1の電極、9・・・接合材、10・・・熱電変換材料、12・・・支持枠、12a・・・挿通孔、a1,a2・・・電極と対向する熱電変換材料の端面

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