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技術 機能性成形体および機能性成形体の製造方法

出願人 ポリマテック株式会社
発明者 中尾根海中西豊
出願日 2009年7月14日 (10年8ヶ月経過) 出願番号 2009-166182
公開日 2011年2月3日 (9年1ヶ月経過) 公開番号 2011-020313
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2)
主要キーワード アクリル粘着層 金属製繊維 磁性体ピン 熱伝導面 取付け性 離型コーティング 加熱硬化炉 加熱固化
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年2月3日)のものです。
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図面 (20)

課題

シリコーンゴムでなる本体部の表面に、電気電子機器への組付け固着性を付与する粘着部を設けた機能性成形体について、電気、電子機器などの被着体や本体部に対して良好な粘着力を維持、発揮できる技術を提供すること。

解決手段

シリコーンゴムの本体部12の表面に、本体部12側にアクリル粘着層13bが、露出面13a側にジエンゴム粘着層が積層する粘着部13を設けた。シリコーンゴムの熱硬化によってもアクリル粘着層13bの本体部12に対する接着力を保持したまま、被着体に対するジエンゴム粘着層13cの高い粘着力を発揮することができる。

概要

背景

従来からシリコーンゴムは、耐熱性耐寒性耐候性耐水性耐薬品性、および電気絶縁性などの性質に優れていることから、電気電子部品の材料として広く利用されている。こうしたシリコーンゴムを用いた電気、電子部品には、電気、電子機器の内部に取付け易いように表面に粘着剤を設けた構成が採用されている。

例えば、特開2007−294161号公報(特許文献1)は、シリコーンゴムと導電性材料とを組み合わせた異方導電性シートに関し、シリコーンゴムで形成されたベース部の表面に導電部粘着部とを露出させた技術を開示している。
また、特開2007−283509号公報(特許文献2)は、シリコーンゴムと熱伝導性材料とを組み合わせた熱伝導性シートに関し、シリコーンゴムで形成されたシート本体の表面に備える粘着剤が包装体切欠から露出する技術を開示している。

これらの異方導電性シートや熱伝導性シートなどの機能性成形体は、小型化・薄型化が進む電気、電子機器の中で、機能性成形体自体の粘着性を小さくすることで取り扱い性(作業性)を良好なものとしつつ、粘着剤により、電気、電子機器(被着体)への取付け性を高める構成となっている。その粘着剤は、当該機能性成形体が持つ機能を損なわないように部分的に付着されており、異方導電性シートであれば、導電部に粘着剤が付かないように形成され、熱伝導性シートであれば、熱伝導面を減らさないように最小限に設けられている。

また、機能性成形体は、電気、電子機器などの被着体と接触させて用いるため、機能性成形体の表面とそこに設けられる粘着剤の表面との間に段差を生じさせず、両者が面一な表面を形成することが好ましい。例えば、異方導電性シートでは、導電部が確実に基板等の電極部に接触することができるように、粘着剤の厚みが厚くなりすぎないようにする必要がある。また、熱伝導性シートでは、その本体部が熱伝導性能の乏しい粘着剤により覆われるため粘着剤の厚さを可能な限り薄くする必要がある。

ところが、こうした粘着剤を設ける工程を、機能性成形体を成形した後に粘着剤を塗布する方法で行うと、機能性成形体の表面とそこに形成された粘着剤の表面との間に段差が生じることになる。そこで、両者の表面を面一に形成する方法として、機能性成形体に粘着剤が収まる収容凹部を予め設けておくことが考えられるが、粘着剤の塗布位置の制御や、凹部の深さに対応する粘着剤の厚み制御等が必要となり、実質上は面一に形成することが困難である。
そこで、本発明者らは種々の検討を加えた結果、機能性成形体を成形する金型内に予め粘着剤を配置しておき、そこへシリコーンゴムを充填して一体成形することで、容易に樹脂成形体の表面と粘着剤の表面とを面一に形成することができることを見出した。

概要

シリコーンゴムでなる本体部の表面に、電気、電子機器への組付け固着性を付与する粘着部を設けた機能性成形体について、電気、電子機器などの被着体や本体部に対して良好な粘着力を維持、発揮できる技術を提供すること。シリコーンゴムの本体部12の表面に、本体部12側にアクリル粘着層13bが、露出面13a側にジエンゴム粘着層が積層する粘着部13を設けた。シリコーンゴムの熱硬化によってもアクリル粘着層13bの本体部12に対する接着力を保持したまま、被着体に対するジエンゴム粘着層13cの高い粘着力を発揮することができる。

目的

本発明の目的は、粘着剤を表面に有するシリコーンゴムを用いた機能性成形体において、被着体および機能性成形体自体に対して良好な粘着力(接着力)を維持できる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

シリコーンゴムでなる本体部に、電気電子機器への組付け固着性を付与する粘着部を備える機能性成形体の製造方法であって、離型シート上に、ジエンゴム系粘着剤アクリル系粘着剤とを順次塗布形成して、これらの粘着剤積層体を設けた転写シートを形成する工程と、この転写シートを本体部成形用金型インサートし、前記積層体と離型シートの上にシリコーンゴムを注入熱硬化してシリコーンゴムと積層体を一体化し、本体部に粘着部を形成する工程と、離型シートを剥離する工程と、を実行する機能性成形体の製造方法。

請求項2

平ら金型面上で前記積層体とシリコーンゴムとを一体にし、粘着部の表面を本体部の表面と面一に形成する請求項1記載の機能性成形体の製造方法。

請求項3

離型シート上に設けたジエンゴム系粘着剤の表面全体をアクリル系粘着剤で覆って前記積層体を形成する請求項1または請求項2記載の機能性成形体の製造方法。

請求項4

シリコーンゴムでなる本体部の表面に、電気、電子機器への組付けに固着性を付与する粘着部を設けた機能性成形体において、アクリル系粘着剤でなるアクリル粘着層とジエンゴム系粘着剤でなるジエンゴム粘着層との積層体でなる粘着部が、本体部の表面に設けられた収容凹部に収められ、その収容凹部の本体部側にアクリル粘着層が、露出面側にジエンゴム粘着層がそれぞれ位置することを特徴とする機能性成形体。

請求項5

粘着部と本体部が面一の表面を形成する請求項4記載の機能性成形体。

請求項6

ジエンゴム粘着層の露出面以外をアクリル粘着層で覆い、粘着部の本体部との接触面をアクリル粘着層で形成する請求項4または請求項5記載の機能性成形体。

請求項7

本体部が絶縁性ベース部であり、該ベース部の厚み方向に貫通する導電部を備える異方性導電体である請求項4〜請求項6何れか1項記載の機能性成形体。

請求項8

本体部が熱伝導性充填材を含有する熱伝導性成形体である請求項4〜請求項6何れか1項記載の機能性成形体。

技術分野

0001

本発明は、電気電子機器に用いられるシリコーンゴムを使った異方性導電体熱伝導性成形体緩衝部材などの機能性成形体であって、その表面に露出した粘着部を有する機能性成形体とその製造方法に関する。

背景技術

0002

従来からシリコーンゴムは、耐熱性耐寒性耐候性耐水性耐薬品性、および電気絶縁性などの性質に優れていることから、電気、電子部品の材料として広く利用されている。こうしたシリコーンゴムを用いた電気、電子部品には、電気、電子機器の内部に取付け易いように表面に粘着剤を設けた構成が採用されている。

0003

例えば、特開2007−294161号公報(特許文献1)は、シリコーンゴムと導電性材料とを組み合わせた異方導電性シートに関し、シリコーンゴムで形成されたベース部の表面に導電部と粘着部とを露出させた技術を開示している。
また、特開2007−283509号公報(特許文献2)は、シリコーンゴムと熱伝導性材料とを組み合わせた熱伝導性シートに関し、シリコーンゴムで形成されたシート本体の表面に備える粘着剤が包装体切欠から露出する技術を開示している。

0004

これらの異方導電性シートや熱伝導性シートなどの機能性成形体は、小型化・薄型化が進む電気、電子機器の中で、機能性成形体自体の粘着性を小さくすることで取り扱い性(作業性)を良好なものとしつつ、粘着剤により、電気、電子機器(被着体)への取付け性を高める構成となっている。その粘着剤は、当該機能性成形体が持つ機能を損なわないように部分的に付着されており、異方導電性シートであれば、導電部に粘着剤が付かないように形成され、熱伝導性シートであれば、熱伝導面を減らさないように最小限に設けられている。

0005

また、機能性成形体は、電気、電子機器などの被着体と接触させて用いるため、機能性成形体の表面とそこに設けられる粘着剤の表面との間に段差を生じさせず、両者が面一な表面を形成することが好ましい。例えば、異方導電性シートでは、導電部が確実に基板等の電極部に接触することができるように、粘着剤の厚みが厚くなりすぎないようにする必要がある。また、熱伝導性シートでは、その本体部が熱伝導性能の乏しい粘着剤により覆われるため粘着剤の厚さを可能な限り薄くする必要がある。

0006

ところが、こうした粘着剤を設ける工程を、機能性成形体を成形した後に粘着剤を塗布する方法で行うと、機能性成形体の表面とそこに形成された粘着剤の表面との間に段差が生じることになる。そこで、両者の表面を面一に形成する方法として、機能性成形体に粘着剤が収まる収容凹部を予め設けておくことが考えられるが、粘着剤の塗布位置の制御や、凹部の深さに対応する粘着剤の厚み制御等が必要となり、実質上は面一に形成することが困難である。
そこで、本発明者らは種々の検討を加えた結果、機能性成形体を成形する金型内に予め粘着剤を配置しておき、そこへシリコーンゴムを充填して一体成形することで、容易に樹脂成形体の表面と粘着剤の表面とを面一に形成することができることを見出した。

先行技術

0007

特開2007−294161号公報
特開2007−283509号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、シリコーンゴムでなる機能性成形体の表面に設けられる粘着剤は、シリコーンゴムに対して相性が良く、シリコーンゴムとの密着力を確保する観点から、シリコーン系粘着剤が一般的に用いられる。しかしながら、上述の如く一体成形の手法でシリコーン系粘着剤を設けた場合、その粘着剤の粘着力が、粘着剤自体が本来有する粘着力よりも低下してしまうという問題が生じることもわかってきた。この問題が生じる理由として、予め金型内に設けておいた粘着剤がシリコーンゴム成形時の熱で変性してしまうか、もしくは粘着剤の内部にシリコーンゴムの成分や含有されている可塑剤等が浸透してしまうためと考えられる。

0009

こうした背景のもとになされたのが本発明である。すなわち、本発明の目的は、粘着剤を表面に有するシリコーンゴムを用いた機能性成形体において、被着体および機能性成形体自体に対して良好な粘着力(接着力)を維持できる技術を提供することにある。
また、機能性成形体表面に設けられた粘着剤がその機能性成形体の表面と面一な表面を形成する技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。
シリコーンゴムでなる本体部に、電気、電子機器への組付け固着性を付与する粘着部を備える機能性成形体の製造方法であって、離型シート上に、ジエンゴム系粘着剤アクリル系粘着剤とを順次塗布形成して、これらの粘着剤の積層体を設けた転写シートを形成する工程と、この転写シートを本体部成形用金型インサートし、前記積層体と離型シートの上にシリコーンゴムを注入熱硬化してシリコーンゴムと積層体を一体化し、本体部に粘着部を形成する工程と、離型シートを剥離する工程と、を実行する機能性成形体の製造方法を提供する。

0011

シリコーンゴムでなる本体部に、電気、電子機器への組付けに固着性を付与する粘着部を備える機能性成形体の製造方法について、離型シート上に、ジエンゴム系粘着剤とアクリル系粘着剤とを順次塗布形成して、これらの粘着剤の積層体を設けた転写シートを形成する工程を設けたため、離型シート側にジエンゴム系粘着剤、そしてその上にアクリル系粘着剤が積層するように粘着剤の積層体を形成することができる。
そして、この転写シートを本体部成形用の金型にインサートし、前記積層体と離型シートの上にシリコーンゴムを注入し熱硬化してシリコーンゴムと積層体を一体化し、本体部に粘着部を形成する工程を設けたため、粘着部の部分にその収容凹部を形成する本体部を粘着部と密着させて形成することができる。
そして、離型シートを剥離する工程を設けたため、離型シートの表面形状に沿った本体部と粘着部の表面が得られる。

0012

ここで、平ら金型面上で前記積層体とシリコーンゴムとを一体にし、粘着部の表面を本体部の表面と面一に形成することができる。平らな金型面上で積層体とシリコーンゴムとを一体に形成したため、その平らな金型面に対応する平らな面を得ることができる。即ち、粘着部と本体部とを金型に沿って形成し、粘着部の表面を本体部の表面と面一に形成することができる。
そして、粘着部と本体部が面一の表面を形成したため、電気、電子部品などの被着体に対し、粘着部と本体部の双方の表面を被着体に対して密着させることができる。そのため、機能性成形体の有する機能に優れ、被着体との粘着性にも優れた機能性成形体を得ることができる。

0013

また、積層体の形成工程において、離型シート上に設けたジエンゴム系粘着剤の表面全体をアクリル系粘着剤で覆って前記積層体を形成することができる。離型シート上に設けたジエンゴム系粘着剤の表面全体をアクリル系粘着剤で覆って前記積層体を形成すれば、離型シートを剥離した際にジエンゴム粘着層が露出する面以外の部分をアクリル粘着層で覆うことができる。それにより、本体部との粘着部の接触面をアクリル粘着層で形成する機能性成形体を得ることができる。

0014

さらに、シリコーンゴムでなる本体部の表面に、電気、電子機器への組付けに固着性を付与する粘着部を設けた機能性成形体について、アクリル系粘着剤でなるアクリル粘着層とジエンゴム系粘着剤でなるジエンゴム粘着層との積層体でなる粘着部が、本体部の表面に設けられた収容凹部に収められ、その収容凹部の本体部側にアクリル粘着層が、露出面側にジエンゴム粘着層がそれぞれ位置することを特徴とする機能性成形体を提供する。

0015

シリコーンゴムでなる本体部の表面に、電気、電子機器への組付けに固着性を付与する粘着部を設けた機能性成形体について、アクリル系粘着剤でなるアクリル粘着層とジエンゴム系粘着剤でなるジエンゴム粘着層との積層体でなる粘着部としたため、アクリル粘着層とジエンゴム粘着層のそれぞれの特徴を備える粘着部を得ることができる。即ち、一つの粘着部において2つの異なる粘着剤の機能を発揮させることができる。
そして、粘着部を本体部の表面に設けられた収容凹部に収めたため、収容凹部に収まるだけの粘着剤量を確保し被着体に対する粘着力を高めるとともに、粘着部の本体部との接触面を多くとることができ、粘着部の本体部との接着力を高めることもできる。
さらに、その収容凹部の本体部側にアクリル粘着層が、露出面側にジエンゴム粘着層がそれぞれ位置するように粘着部を設けたため、シリコーンゴムでなる本体部との接着をアクリル粘着層で担い、被着体との粘着をジエンゴム粘着層で担うことができる。本体部側にアクリル粘着層が位置するため、シリコーンゴムの熱硬化時にシリコーンゴムの成分等がアクリル粘着層に浸透しにくく粘着性の低下を起こしにくい。そのため、アクリル粘着層の有する粘着力を保持したままシリコーンゴムと接着することができる。また、シリコーンゴムとの接着力が良好であるため、本体部からの粘着部の抜けを防止することができる。露出面側にジエンゴム粘着層が位置するため、被着体に対してアクリル粘着層を用いるよりも高い粘着力を発揮することができる。即ち、被着体に対して優れた粘着性を有する機能性成形体とすることができる。よって、シリコーンゴムとの接着性と、被着体に対する粘着性の両者に優れた粘着部を備えた機能性成形体とすることができる。

0016

粘着部と本体部が面一の表面を形成する機能性成形体とすることができる。粘着部の表面と本体部の表面とが面一であるため、電気、電子部品などの被着体に対し、粘着部と本体部の双方の表面を密着させることができる。そのため、本来備える機能に優れた機能性成形体とすることができる。また、本体部と被着体との間に隙間(空隙)を無くすことができ、薄型化を実現した機能性成形体とすることができるとともに、無作為の剥がれや脱落を生じ難い機能性成形体とすることができる。

0017

ジエンゴム粘着層の露出面以外をアクリル粘着層で覆い、粘着部の本体部との接触面をアクリル粘着層で形成する機能性成形体とすることができる。ジエンゴム粘着層の露出面以外をアクリル粘着層で覆い、粘着部の本体部との接触面をアクリル粘着層で形成すれば、粘着部の露出面を、ジエンゴム粘着層と、その外周を環状に囲むアクリル粘着層の外縁と、で形成することができる。このようにすれば、本体部との接触面を全てアクリル粘着層で形成でき、本体部と粘着部の接着性を高めることができる。そのため、本体部と粘着部との一体性に優れ、粘着部の脱落が生じにくい機能性成形体とすることができる。

0018

そして、こうした機能性成形体は、本体部が絶縁性のベース部であり、該ベース部の厚み方向に貫通する導電部を備える異方性導電体とすることができる。本体部が絶縁性のベース部であり、該ベース部の厚み方向に貫通する導電部を備える異方性導電体とすれば、被着体との密着性導電性に優れ、粘着部による導通不良を起こしにくい異方性導電体とすることができる。
異方性導電体の粘着部は、導電部が露出するベース部の表面と同一の表面であって、この露出した導電部から離れた位置に設けることが好ましい。導電部が露出して形成する電極面を被着体側の電極面と固着するためには、電極面を有する面に粘着部を設けた方が異方性導電体と被着体との粘着性が高まるからである。

0019

さらに、こうした機能性成形体は、本体部が熱伝導性充填材を含有する熱伝導性成形体とすることができる。本体部が熱伝導性充填材を含有する熱伝導性成形体とすれば、被着体との密着性と熱伝導性に優れ、無作為の剥がれや脱落を生じにくい熱伝導性成形体とすることができる。

発明の効果

0020

本発明の機能性成形体によれば、電気、電子部品や電気、電子機器などの被着体に対して強い粘着力を有する異方性導電体や熱伝導性成形体などの機能性成形体とすることができる。
本発明の機能性成形体の製造方法によれば、粘着部が異種の粘着剤の積層体でなる機能性成形体を製造することができる。また、機能性成形体の表面と粘着部の表面とが面一であって、被着体に対する粘着力に優れ粘着剤の脱落が起きにくい機能性成形体を製造することができる。

図面の簡単な説明

0021

第1実施形態の機能性成形体を示す斜視図。
図1のSA−SA線断面図。
第1実施形態の機能性成形体の製造方法であって離型シートにジエンゴム粘着層を印刷した際の説明図。
第1実施形態の機能性成形体の製造方法であって離型シートにアクリル粘着層を印刷した際の説明図。
第1実施形態の機能性成形体の製造方法であって転写シートを金型にインサートした際の説明図。
第1実施形態の機能性成形体の製造方法であって転写シートと本体部とを一体化した際の説明図。
第1実施形態の機能性成形体の製造方法であって本体部から離型シートを剥がす際の説明図。
第1実施形態の変形例の機能性成形体を示す斜視図。
図8のSB−SB線断面図。
図8の機能性成形体の製造方法であって離型シートにジエンゴム粘着層を印刷した際の説明図。
図8の機能性成形体の製造方法であって離型シートにアクリル粘着層を印刷した際の説明図。
第2実施形態の機能性成形体を示す底面図。
図12のSC−SC線断面図。
第2実施形態の機能性成形体の製造方法であって離型シートにジエンゴム粘着層を印刷した際の説明図。
第2実施形態の機能性成形体の製造方法であって離型シートにアクリル粘着層を印刷した際の説明図。
第2実施形態の機能性成形体の製造方法であって転写シートを金型にインサートした際の説明図。
第2実施形態の機能性成形体の製造方法であって転写シートと本体部とを一体化した際の説明図。
第3実施形態の機能性成形体を示す斜視図。
図18のSD−SD線断面図。
第3実施形態の機能性成形体の製造方法であって転写シートの説明図。
第3実施形態の機能性成形体の製造方法であって転写シートと本体部とを一体化する際の説明図。
第3実施形態の機能性成形体の製造方法であって一体化した転写シートと本体部とを切断する際の説明図。

0022

本発明について図面を参照してさらに詳しく説明する。本発明の機能性成形体は、例えば、粘着剤付き異方導電性シートなどの異方性導電体、粘着剤付き熱伝導性シートなどの熱伝導性成形体、粘着剤付き緩衝部材、粘着剤付き防振部材、粘着剤付き外観部材などとして適用することができ、各種電気、電子機器の内部や外部に貼着固定することができる。なお、各実施形態で共通する構成については同一の符号を付している。また、各実施形態で共通する構成や、材質作用効果については、重複説明を省略する。

0023

第1実施形態〔図1図7〕:
本実施形態で示す機能性成形体は、例えばノートブックタイプパーソナルコンピュータのような情報処理装置に収容するハードディスク装置などの外部記憶装置を、衝撃や振動から保護する緩衝部材に関するものである。
その緩衝部材11と緩衝部材11の製造方法を図1図7に示す。図1は緩衝部材11の斜視図、図2は緩衝部材11のSA−SA線断面図、図3図7は緩衝部材11の製造方法を示す説明図である。

0024

緩衝部材11は、振動や衝撃を吸収し緩和するゴム状弾性を有する本体部12と、情報処理装置や外部記憶装置への固着を容易にする粘着部13とを備えている。
本体部12は、矩形平板状に形成されている。そして、底面12aの略中央には矩形状に開口した収容凹部12bが設けてあり、その中には後述する粘着部13が収められている。この本体部12の材質はシリコーンゴムである。シリコーンゴムは、主鎖がオルガノシロキサン結合からなる合成ゴムであり、過酸化物加硫付加反応硬化縮合反応硬化などの硬化反応で硬化して成形体を形成する。その成形体の硬度は、JIS K 6253のタイプAで0〜90が好ましく、また、可塑剤、安定剤、老化防止剤顔料などの各種添加剤を配合していても良い。

0025

粘着部13は、本体部12の収容凹部12bに収められており、その露出面13aと本体部12の底面12aとは面一に形成されている。この粘着部13は、本体部12側の粘着層13bと露出面13a側の粘着層13aとで異なる粘着剤が積層した積層体13を形成しており、それぞれの層13a,13bの外形は略同形状である。こうした粘着部13の本体部12側の粘着層13bがアクリル系粘着剤で形成され、露出面13a側の粘着層13aがジエンゴム系粘着剤で形成されることに特徴がある。
各粘着層13a,13bの厚みは、形状を維持し易いように10μm〜200μmが好ましく、さらに粘着力確保の観点から20μm〜200μmであることがより好ましい。

0026

アクリル粘着層13bを形成するアクリル系粘着剤は、主にアクリル酸メタクリル酸アルキルエステルで構成されたポリマーであり、部分架橋したアクリル酸エステル共重合体でなる。そしてこのアクリル粘着剤には、溶剤タイプエマルジョンタイプホットメルトタイプなどがある。溶剤タイプは、架橋剤と、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルとが架橋反応してアクリル酸エステル共重合体となりアクリル粘着層13bを形成する。エマルジョンタイプは、すでに架橋しているアクリル酸エステル共重合体が水などの分散媒体中に存在し、分散媒体が蒸発することにより、アクリル粘着層13bを形成する。こうしたアクリル系粘着剤の中では、シリコーンゴムとの接触に際し十分な粘着力を発揮する凝集力が大きなタイプが好ましい。
ジエンゴム粘着層13cを形成するジエンゴム系粘着剤は、ジエンゴムを主成分とする粘着剤であり、シリコーンゴム、アクリルゴムウレタンゴムを主成分とする粘着剤とは別に分類される。具体的には、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ポリイソブチレン(PIB)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴムSBR)、スチレン−イソプレンスチレンブロック共重合ゴム(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム(SBS)、SBSを水素添加したスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合ゴム(SEBS)、SISを水素添加したスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合ゴム(SEPS)などが挙げられる。これら主成分のゴムに、粘着性付与樹脂オイルなどの添加剤が配合されている。

0027

本体部12側にアクリル系粘着剤を用いたため、シリコーンゴムの熱硬化の際に、シリコーンゴムの低分子成分やシリコーンゴムに含まれる可塑剤などがアクリル系粘着剤に浸透し難い。そのため、アクリル粘着層の粘着力の低下を抑えることができ、シリコーンゴム製の本体部12に対してアクリル粘着層が本来有する粘着力を維持することができる。また、シリコーンゴムとの接着力も比較的良好である。こうした点で本体部12側にシリコーン系粘着剤を用いたり、ジエンゴム系粘着剤を用いたりするより好ましい。シリコーン系粘着剤では、シリコーンゴムの熱硬化の際に、シリコーンゴムからの成分等が浸透し易いと考えられ本来有するシリコーン系粘着剤の粘着力の低下が甚だしい。また、ジエンゴム系粘着剤では、シリコーンゴムとの接着力が弱く、収容凹部12bから容易に粘着部13が剥がれる可能性があるからである。

0028

そして、露出面13a側にジエンゴム系粘着剤を用いるため、金属や樹脂などの被着体に対して高い粘着力を発揮させることができる。すなわち、アクリル系粘着剤単独で用いるよりも被着体との粘着力を強固にすることができる。アクリル系粘着剤よりもジエンゴム系粘着剤の方が被着体に対する粘着力が強い粘着剤を選択できるからである。
こうして、本体部12側にアクリル粘着層13bを設け露出面13a側にジエンゴム粘着層13cを設けた積層体とした粘着部13を形成したため、本体部12と粘着部13との接着性を高めつつ、粘着部13と被着体との粘着性も高めることができる。

0029

緩衝部材11の製造方法について説明する。
先ず、図3で示すように、離型シート1上にジエンゴム系粘着剤(ジエンゴム粘着層13c)をスクリーン印刷法で形成した後、図4で示すように、そのジエンゴム系粘着剤の上にアクリル系粘着剤(アクリル粘着層13b)をスクリーン印刷法で塗布し、異種の粘着層の積層体13を設けた転写シート14を製造する。
次に、図5で示すように、この転写シート14を本体部12を成形する金型2のキャビティ2a内に載置する。この際、転写シート14の離型シート1をキャビティ2aの金型面に接触させて粘着層の積層体13をキャビティ2a内に向ける。その後本体部12となるシリコーンゴム組成物15を金型内に投入して、キャビティ2aを金型3で閉じる。そして、図6で示すように、シリコーンゴム組成物15を加熱し固化して、このシリコーンゴム組成物15と積層体13とを一体成形する。こうしてシリコーンゴムでなる本体部12と積層体13でなる粘着部13とが一体となった緩衝部材11を得る。最後に、図7で示すように、離型シート1を矢示方向へ剥離すれば、本体部12と粘着部13とが面一に形成された緩衝部材11を得ることができる。

0030

なお、離型シート1上に粘着層の積層体13を設ける方法としては、種々の印刷法塗装法、または転写法などが挙げられるが、各粘着層の厚さや形状を制御し易いため、スクリーン印刷法が好ましい。そして粘着層の積層体13を形成する際に、ジエンゴム系粘着剤の乾燥後にアクリル系粘着剤を塗布すれば、アクリル系粘着剤を塗布し易くすることができ、アクリル粘着層13bの厚さや形状を制御し易くすることができる。
また、離型シート1は本体部12や粘着部13から剥離し易いように、ポリテトラフルオロエチレン製フィルムや、ポリエステル系フィルムの表面にフッ素系ポリマー離型処理コーティングしたものが好ましい。

0031

緩衝部材11では、本体部12側にアクリル粘着層13bを有する粘着部13を設けたため、本体部12からシリコーンゴムの成分やシリコーンゴムの可塑剤などが粘着部13に浸透し難いと考えられる。そのため、シリコーンゴム組成物15の加熱固化によってもアクリル系粘着剤の粘着力を低下し難くすることができ、シリコーンゴムでなる本体部12に対してアクリル粘着層13bが本来有する粘着力を維持することができる。
そして、露出面13a側にはアクリル粘着層13bより高い粘着力を発揮することがあるジエンゴム粘着層13cを備えるため、アクリル粘着層13bによって本体部12と粘着部13との粘着性を高めつつ、ジエンゴム粘着層13cによって粘着部13と被着体との粘着性を高めることができる。よって本体部12と粘着部13、および粘着部13と被着体の両固着面において優れた粘着性を発揮することができる。

0032

上記緩衝部材11の製造方法によれば、離型シート1の剥離面に本体部12の底面12aと粘着部13の露出面13aとを形成することができ、本体部12の底面12aと粘着部13の露出面13aとが面一な緩衝部材11を容易に製造することができる。また、粘着層の積層体13をスクリーン印刷法で形成するため、先に塗布したジエンゴム粘着層13cをアクリル粘着層13bの印刷版で破損し難くすることができる。
そして、本体部12の底面12aと粘着部13の露出面13aとを面一に形成したため、電気、電子部品などの被着体に対して固定する際に、粘着部13の露出面13aと本体部12の底面12aとを被着体に対して密着させることができ、緩衝部材11の緩衝機能を高めることができる。そして、本体部12と被着体との間の隙間を無くし緩衝部材11の薄型化に繋がるとともに、無作為な緩衝部材11の剥がれや脱落を生じ難くすることができる。

0033

第1実施形態の変形例〔図8図11〕:
本実施形態では、先の実施形態の緩衝部材11と比較して粘着部23の形状が異なる緩衝部材21について説明する。緩衝部材21と緩衝部材21の製造方法を図8図11に示す。図8は緩衝部材21の斜視図、図9は緩衝部材21のSB−SB線断面図、図10図11は緩衝部材21の製造方法を示す説明図である。

0034

緩衝部材21は、本体部22の収容凹部22bの側面に段差22cが形成されている点で、先の実施形態で説明した緩衝部材11と相違している。換言すると、粘着部23の形状について、本体部22側のアクリル粘着層23bの外形が、ジエンゴム粘着層23cの外形より大きく形成されている。こうして、ジエンゴム粘着層23cと、そのジエンゴム粘着層23cの外周を環状に囲むアクリル粘着層23bの外縁とが露出して、粘着部23の露出面23aを形成している。

0035

緩衝部材21の製造方法について説明する。先ず、図10で示すように、離型シート1上にジエンゴム系粘着剤でなるジエンゴム粘着層23cをスクリーン印刷法で形成し、図11で示すように、そのジエンゴム粘着層23c上にアクリル系粘着剤をスクリーン印刷法で塗布してジエンゴム粘着層23cの外形より大きい外形でジエンゴム粘着層23cを覆うアクリル粘着層23bを形成し、粘着層の積層体23を設けた転写シート24を製造する。その後は、先の実施形態で示した緩衝部材11と同様にして、本体部22と粘着層の積層体23である粘着部23とを一体成形して緩衝部材21を得る。

0036

緩衝部材21では、粘着部23の本体部22との接触面について、ジエンゴム粘着層23cと本体部22との接触面を無くし、全てアクリル粘着層23bと本体部22との接触面としたため、本体部22と粘着部23の固着性をさらに高めることができる。

0037

第2実施形態〔図12図17〕:
本実施形態で示す機能性成形体は、例えば基板どうし電気的接続や基板と電子部品との電気的接続に用いられる異方性導電体に関するものである。この異方性導電体31とその製造方法を図12図17に示す。図12は異方性導電体31の底面図、図13は異方性導電体31のSC−SC線断面図、図14図17は異方性導電体31の製造方法を示す説明図である。

0038

異方性導電体31は、その母体となる「本体部」であって絶縁性のベース部32と、所定方向に導電性をもたらす導電部36とを備え、基板や電子部品への固着を容易にする粘着部33を有している。
ベース部32は、矩形の平板状に形成されている。このベース部32における底面32aには格子状の収容凹部32bが形成されており、この収容凹部32bには後述する粘着部33が収められる。さらにベース部32の厚み方向に貫通する円形開口貫通孔32dが複数形成されており、この貫通孔32dの孔内には後述する導電部36が備えられている。ベース部32の底面32a側において各貫通孔32dの開口は、格子状の収容凹部32bの各区画内ごとに収容凹部32bから離間して設けられている。粘着部33はベース部32の収容凹部32bに収められており、その露出面33aとベース部32の底面32aとは面一に形成されている。
導電部36は、図13で示すように、導電体36aがベース部32の厚み方向(導通方向)に連鎖して配向するものであり、略円柱形に形成されている。そしてこの導電部36の両端はベース部32から露出してそれぞれ電極面36bを形成している。この電極面36bの一方とベース部32の底面32aとは面一に形成されている。

0039

ベース部32の材質は、第1実施形態で示した緩衝部材11の本体部12と同様にシリコーンゴムである。
粘着部33も、先の実施形態で示した粘着部13,23と同様に、アクリル系粘着剤でなるアクリル粘着層33bと、ジエンゴム系粘着剤でなるジエンゴム粘着層33cとを備える積層体33で形成されている。
導電体36aの材質としては、電気抵抗が1Ω以下である金属、セラミックカーボンなどの導電材料を用いることができる。導電体36aを磁性導電体で形成すれば、ニッケルコバルト、鉄、フェライト、またはそれらを多く含む合金などが挙げられる。他にも良導電性の金、銀、白金アルミニウム、ニッケル、銅、鉄、パラジウム、コバルト、クロムなどの金属類ステンレス真鍮などの合金類、樹脂、絶縁性セラミックなどを磁性導電体でめっきしたもの、あるいは磁性導電体に良導電性の金属をめっきしたものなどを用いることができる。導電体36aの形状は、粒子状、繊維状、細線状、あるいは鱗片状などを用いることができる。さらに導電体36aの表面には、導電体36aとシリコーンゴムとの接着性を高めるために表面処理を行うことが好ましい。例えば、導電体36aの表面をシランカップリング剤などのカップリング剤で処理することができる。具体的な方法としては、導電体36aに対し予めカップリング剤を分散処理する方法(湿式法乾式法)や、導電体36aをシリコーンゴムに混ぜる際にカップリング剤を添加する方法(インテグラルブレンド法)などがある。

0040

異方性導電体31の製造方法について説明する。
先ず、図14で示すように、離型シート1上にジエンゴム系粘着剤でなるジエンゴム粘着層33cをスクリーン印刷法で格子状に形成した後、図15で示すように、そのジエンゴム粘着層33c上にアクリル系粘着剤をスクリーン印刷法で塗布して略同形状のアクリル粘着層33bを形成し、粘着層の積層体33を設けた転写シート34を製造する。次に、この転写シート34をベース部32を成形する金型2のキャビティ2a内に載置する。この際には、転写シート34の離型シート1をキャビティ2aの金型面に接触させて粘着層の積層体33をキャビティ2a内に向ける。そして、図16で示すように、ベース部32と導電部36を成形するシリコーンゴム組成物35をディスペンサー4にて注入する。このシリコーンゴム組成物35は、未硬化の液状シリコーンゴムに導電体36aを分散したものである。その後、金型3でキャビティ2aを閉じる。本実施形態で用いる金型2,3には、図17で示すように、それぞれ対向する位置に磁性体ピン2b,3bが埋め込まれている。次に、金型2,3に磁場を印加し、シリコーンゴム組成物35の導電体36aを磁性体ピン2bと磁性体ピン3bとの間に連鎖して配向させ導電部36を形成する。そしてこの状態で液状のシリコーンゴムを加熱硬化させてベース部32を成形し、粘着層の積層体33を粘着部33としてベース部32と一体成形する。最後に、ベース部32から離型シート1を剥離する(図7参照)。こうして異方性導電体31を得ることができる。

0041

異方性導電体31の製造方法によれば、離型シート1の剥離面にベース部32の底面32aと粘着部33の露出面33aと導電部36の電極面36bを形成することができ、ベース部32の底面32aと粘着部33の露出面33aと導電部36の電極面36bが面一な異方性導電体31を容易に製造することができる。
このようにベース部32の底面32aと粘着部33の露出面33aとが面一に形成された異方性導電体31によれば、粘着部33の露出面33aとベース部32の底面32aとを被着体に密着し、かつ、導電部36の電極面36bを被着体の電極に密着させることができるため、導通性が高く、確実な導通性能に優れた異方性導電体31である。

0042

ジエンゴム粘着層33cなどの粘着部33が電極面36bから離間する収容凹部32bに収められていることから、被着体間でベース部32が強く圧縮されても粘着部33が電極面36bを覆うことを妨げ、粘着部33による導通不良を起こし難くすることができる。

0043

第2実施形態の変形例:
第2実施形態の異方性導電体31は複数の導電部36を有する例を示したが、この異方性導電体31を切り取って、基板や電子部品などの被着体に合わせて適宜の個数の導電部36を有するものとすることができる。さらに導電部36が一つのものとすることもできる。

0044

第3実施形態〔図18図22〕:
本実施形態で示す機能性成形体は、例えば電気製品に使用される半導体素子電源光源などの部品から発生する熱を効果的に放散させることができる熱伝導性シートなどの熱伝導性成形体に関するものである。
この熱伝導性成形体41とその製造方法を図18図22に示す。図18は熱伝導性成形体41の斜視図、図19は熱伝導性成形体41のSD−SD線断面図、図20図22は熱伝導性成形体41の製造方法を示す説明図である。

0045

熱伝導性成形体41は、その母体となる「本体部」であって熱伝導性を有する基材部42と、電子部品への固着を容易にする粘着部43とを備えている。
基材部42は、矩形の平板状に形成されている。この基材部42における底面42aの外縁には枠状の収容凹部42bが形成されており、この収容凹部42bには粘着部43が収められている。そして、基材部42の底面42a側に露出する露出面43aと基材部42の底面42aとは面一に形成されている。この粘着部43は、先の実施形態と同様に、アクリル系粘着剤でなるアクリル粘着層43bと、ジエンゴム系粘着剤でなるジエンゴム粘着層43cとの積層体43となっている。

0046

基材部42は、シリコーンゴムでなり、そのシリコーンゴム中に熱伝導性充填材が均一に分散している。熱伝導性充填材の材質としては、熱伝導率の良い粉末状充填材繊維状充填材を用いることができる。例えば、粉末状充填材としては、酸化アルミニウム水酸化アルミニウム窒化ホウ素窒化アルミニウム炭化ケイ素、および二酸化ケイ素が挙げられ、繊維状充填材としては、ピッチやPANを原料とする炭素繊維高分子繊維炭化乃至は黒鉛化した繊維、金属製繊維などが挙げられる。繊維状充填材を用いる場合には、磁場により繊維状充填材を基材部42中で一定方向に配向させることができ、繊維状充填材の配向方向に熱伝導率が高いものを得ることができる。さらに熱伝導性充填材の表面には、熱伝導性充填材とシリコーンゴムとの接着性を高めるために表面処理を行うことが好ましい。例えば、熱伝導性充填材の表面をシランカップリング剤などのカップリング剤で処理することができる。具体的な方法としては、熱伝導性充填材に対し予めカップリング剤を分散処理する方法(湿式法、乾式法)や、熱伝導性充填材をシリコーンゴムに混ぜる際にカップリング剤を添加する方法(インテグラルブレンド法)などがある。

0047

熱伝導性成形体41の製造方法について説明する。
他の実施形態で示した方法と同様に、離型シート1上にジエンゴム系粘着剤とアクリル系粘着剤を順次スクリーン印刷法で塗布して枠状の粘着層43を形成した転写シート44を製造する(図20参照)。次に、この転写シート44をバーコーター塗布機(図示せず)のコンベアー6に載置する。この際には、転写シート44の離型シート1をコンベアー6面に接触させて粘着層の積層体43を上方に向ける。そして、図21で示すように、熱伝導性充填材を配合した基材部42成形用のシリコーンゴム組成物45をバーコーター5にて離型シート1上に均一厚さで塗布する。均一塗布されたシリコーンゴム組成物45はコンベアー6上を矢示方向に移動して図外の加熱硬化炉に搬送され、加熱硬化炉内で硬化して、粘着層の積層体43を粘着部43として基材部42と一体成形する。その後、図22で示すように、カット刃7を用いて基材部42を粘着部43の外縁で切断する。最後に、基材部42から離型シート1を剥離する(図7参照)。こうして熱伝導性成形体41を得ることができる。
シリコーンゴム組成物45の塗布方法としては、ドクターブレード法カレンダー成形法、Tダイを用いた押出成形法などを行うこともできる。
なお、熱伝導性成形体41を離型シート1を備えた形態にしておけば、離型シート1で熱伝導性成形体41の形状を保持し易くすることができ、搬送、梱包、及び納入などの取扱い作業を容易にすることができる。

0048

上記熱伝導性成形体41の製造方法によれば、基材部42の底面42aと粘着部43の露出面43aとが面一な熱伝導性成形体41を容易に製造することができる。
熱伝導性成形体41によれば、基材部42と粘着部43の表面が面一に形成されているため、粘着部43と被着体と基材部42とを被着体に密着させることができ、伝熱効率を高めることができる。そして、基材部42と被着体との間の隙間(空隙)を無くし薄型化に繋がるとともに、無作為の剥がれや脱落を起こし難くすることができる。

0049

各実施形態の共通の変形例:
上述の機能性成形体11,21,31,41では、本体部12,22、ベース部32、基材部42の一方側の表面にのみ粘着部13,23,33,43を設ける例を示したが、本体部、ベース部、基材部の他方側の表面にも同様の粘着部を備える構成、即ち本体部の両面に粘着部を備える構成とすることもできる。
本体部の両面に粘着部を備える機能性成形体の製造方法としては、上述した転写シートを2枚使用し、本体部を成形する対の金型のそれぞれに転写シートを配置して製造する方法が挙げられる。

0050

前述の各実施形態おける粘着部13,23,33,43の位置、形状は例示であり、シリコーンゴムに対する他の位置や他の形状とすることができる。例えば、シリコーンゴムの表面に、枠状、点状、線状、帯状などの粘着部を露出させることができる。
また、各実施形態間で異なる構成要素について、その機能性成形体の機能を損なわない範囲で適宜変更が可能である。例えば、第1実施形態の変形例として示した粘着部の形状は、第1実施形態以外の実施形態における機能性成形体の変更例として適用可能である。

0051

実験例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
以下に示す実験例は、シリコーンゴムでなる本体部に形成した収容凹部に、種々の種類の粘着剤を収容した試料を製造し、被着体に対する粘着性能、本体部に対する粘着部の接着性を検討したものである。

0052

1.試料の製造:
フッ化シリコーン離型コーティング処理が施された厚さ188μmのPETフィルム(東レ株式会社製、商品ルミラー)を離型シートとし、この離型シート上に粘着剤を設け、幅25mm、長さ50mmの粘着層を備える種々の転写シートを用意した。この転写シートについては以下に詳述する。次に、この転写シートを、粘着層がキャビティ内に向くようにしてシリコーンゴム試験片成形金型にインサートした後、シリコーンゴム組成物(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、商品名ELASTIL、LR3303/30)を成形金型内に注入し、加熱圧縮して粘着層とシリコーンゴムとを一体化した。最後に、シリコーンゴム試験片から離型シートを剥離してシリコーンゴム試験片を得た。こうして得られたシリコーンゴム試験片の大きさは、幅25mm、長さ100mm、厚さ1mmであり、粘着層はシリコーンゴム試験片における長尺側の端部から中央にまで備えられている。
この各種シリコーンゴム試験片は、離型シートの剥離面側を被着体としてのアルミニウム板に密着させ、ロールにより1500gの荷重をかけて貼り合わせた。こうして試料1〜試料11を得た。

0053

試料1の転写シート:
粘着層はアクリル粘着層とジエンゴム粘着層の積層体である。先ず、ジエンゴム系粘着剤(KIWO社製、商品名KIWOWPRINT、TC—2000)を離型シート上に塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのジエンゴム粘着層を形成した。次に、このジエンゴム粘着層の上に、硬化剤としてトリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名コロネート)を1重量部含む2液アクリル系粘着剤(東亜合成株式会社製、商品名S−3452NR、溶剤タイプ)を塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのアクリル粘着層を形成し、転写シートとした。このような粘着層の積層体を備える転写シートを用いた試料1では、シリコーンゴム試験片とアクリル粘着層が接触し、ジエンゴム粘着層と被着体が接触する。

0054

試料2の転写シート:
粘着層はアクリル粘着層とジエンゴム粘着層の積層体である。先ず、試料1と同様のジエンゴム系粘着剤を離型シート上に塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのジエンゴム粘着層を形成した。次に、このジエンゴム粘着層の上に、水性アクリル系粘着剤(株式会社スリボンド製、商品名TB−1555D、エマルジョンタイプ)を塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのアクリル粘着層を形成し、転写シートとした。このような粘着層の積層体を備える転写シートを用いた試料2では、シリコーンゴム試験片とアクリル粘着層が接触し、ジエンゴム粘着層と被着体が接触する。

0055

試料3の転写シート:
粘着層はアクリル粘着層の単体である。試料1と同様のアクリル系粘着剤を塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのアクリル粘着層を形成し、転写シートとした。このような単体の粘着層を備える転写シート用いた試料3では、シリコーンゴム試験片とアクリル粘着層が接触し、アクリル粘着層と被着体が接触する。

0056

試料4の転写シート:
粘着層はアクリル粘着層の単体である。試料2と同様のアクリル系粘着剤を塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのアクリル粘着層を形成し、転写シートとした。このような単体の粘着層を備える転写シート用いた試料4では、シリコーンゴム試験片とアクリル粘着層が接触し、アクリル粘着層と被着体が接触する。

0057

試料5の転写シート:
粘着層はシリコーン粘着層の単体である。硬化剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名SRX212)0.9重量部含むシリコーン系粘着剤(東レダウコーニング株式会社製、商品名SD4580)を離型シート上に塗布して、80℃で10分間熱処理し、厚さ約50μmのシリコーン粘着層を形成し、転写シートとした。このような単体の粘着層を備える転写シート用いた試料5では、シリコーンゴム試験片とシリコーン粘着層が接触し、シリコーン粘着層と被着体が接触する。

0058

試料6の転写シート:
粘着層はジエンゴム粘着層の単体である。ジエンゴム系粘着剤(KIWO社製、商品名KIWOWPRINT、TC—2500)を離型シート上に塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのジエンゴム粘着層を形成し、転写シートとした。このような単体の粘着層を備える転写シート用いた試料6では、シリコーンゴム試験片とジエンゴム粘着層が接触し、ジエンゴム粘着層と被着体が接触する。

0059

試料7の転写シート:
粘着層はシリコーン粘着層とアクリル粘着層の積層体である。先ず、試料1と同様のアクリル系粘着剤を離型シート上に塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのアクリル粘着層を形成した。次に、このアクリル粘着層の上に、試料5と同様のシリコーン系粘着剤を塗布して、300℃で10分間熱処理し、厚さ約50μmのシリコーン粘着層を形成し、転写シートとした。このような粘着層の積層体を備える転写シートを用いた試料7では、シリコーンゴム試験片とシリコーン粘着層が接触し、アクリル粘着層と被着体が接触する。

0060

試料8の転写シート:
粘着層はシリコーン粘着層とジエンゴム粘着層の積層体である。先ず、試料1と同様のジエンゴム系粘着剤を離型シート上に塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのジエンゴム系粘着剤を形成した。次に、このジエンゴム系粘着剤の上に、試料5と同様のシリコーン系粘着剤を塗布して、80℃で10分間熱処理し、厚さ約50μmのシリコーン粘着層を形成し、転写シートとした。このような粘着層の積層体を備える転写シートを用いた試料8では、シリコーンゴム試験片とシリコーン粘着層が接触し、ジエンゴム系粘着剤と被着体が接触する。

0061

試料9の転写シート:
粘着層はアクリル粘着層とシリコーン粘着層の積層体である。先ず、試料5と同様のシリコーン系粘着剤を離型シート上に塗布して、80℃で10分間熱処理し、厚さ約50μmのシリコーン粘着層を形成した。次に、このシリコーン粘着層の上に、試料1と同様のアクリル系粘着剤を塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのアクリル粘着層を形成し、転写シートとした。このような粘着層の積層体を備える転写シートを用いた試料9では、シリコーンゴム試験片とアクリル粘着層が接触し、シリコーン粘着層と被着体が接触する。

0062

試料10の転写シート:
粘着層はジエンゴム粘着層とシリコーン粘着層の積層体である。先ず、試料5と同様のシリコーン系粘着剤を離型シート上に塗布して、80℃で10分間熱処理し、厚さ約50μmのシリコーン粘着層を形成した。次に、このシリコーン粘着層の上に、試料1と同様のジエンゴム系粘着剤を塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのジエンゴム粘着層を形成し、転写シートとした。このような粘着層の積層体を備える転写シートを用いた試料10では、シリコーンゴム試験片とジエンゴム系粘着剤が接触し、シリコーン粘着層と被着体が接触する。

0063

試料11の転写シート:
粘着層はジエンゴム粘着層とアクリル粘着層の積層体である。先ず、試料1と同様のアクリル系粘着剤を離型シート上に塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのアクリル粘着層を形成した。次に、このアクリル粘着層の上に、試料1と同様のジエンゴム系粘着剤を塗布して、80℃で30分間熱処理し、厚さ約50μmのジエンゴム粘着層を形成し、転写シートとした。このような粘着層の積層体を備える転写シートを用いた試料11では、シリコーンゴム試験片とジエンゴム系粘着剤が接触し、アクリル粘着層と被着体が接触する。

0064

2.試験方法
以上の試料1〜試料11について、「180°引き剥がし試験」を行い、各試料の粘着力について評価した。これらの結果を表1に示す。

0065

「180°引き剥がし試験」;
アルミニウム板を貼り合わせてから24時間放置した後に、JIS Z0237に準拠して、シリコーン試験片とアルミニウム板とを、300mm/minで180°方向(反対方向)に引張り、各試料が引き剥がれた時の荷重を剥離強度として測定した。

0066

3.試験結果:
試料1、試料2は、高い剥離強度を示し優れた粘着力を有していた。そして、試料1、試料2において、剥離箇所は粘着部と被着体の固着面であり、シリコーンゴム試験片とアクリル粘着層の粘着力は剥離強度以上に高いと考えられる。
試料3、試料4は、剥離箇所が粘着部と被着体の固着面であるが、試料1、試料2に比べて剥離強度が小さい。これはアクリル粘着層の被着体に対する粘着力がジエンゴム粘着層の被着体に対する粘着力より小さいためである。
試料5、試料9は、剥離箇所が粘着部と被着体の固着面であるが、試料1、試料2に比べて剥離強度が小さい。これはシリコーン粘着層の被着体に対する粘着力が小さいためである。さらに試料5は著しく剥離強度を落としている。これはシリコーンゴム試験片に含まれているシリコーンゴムの成分やシリコーンゴムの可塑剤などがシリコーン粘着層に浸透し粘着力を低下させたものと考えられる。
試料6、試料10、試料11は、剥離箇所がシリコーンゴム試験片と粘着部の固着面であり、剥離強度も小さい。これはジエンゴム粘着層のシリコーンゴム試験片に対する粘着力が小さいためである。
試料7、試料8は、剥離箇所が積層体の層分かれである。これらはシリコーンゴム試験片に含まれているシリコーンゴムの成分やシリコーンゴムの可塑剤などがシリコーン粘着層に浸透し、シリコーン粘着層の粘着力を低下させたものと考えられ、経時的にはさらに粘着力が低下するおそれもある。さらに試料8は著しく剥離強度を落としている。これはジエンゴム粘着層のシリコーンに対する粘着力が小さいためである。

実施例

0067

0068

1離型シート
2金型
2aキャビティ
2b磁性体ピン
3 金型
3b 磁性体ピン
4ディスペンサー
5バーコーター
6カット刃
11緩衝部材(第1実施形態の機能性成形体)
12 本体部
12a 底面
12b収容凹部
13粘着部(積層体)
13a露出面
13bアクリル粘着層
13cジエンゴム粘着層
14転写シート
15シリコーンゴム組成物
21 緩衝部材(第1実施形態の変形例の機能性成形体)
22 本体部
22a 底面
22b 収容凹部
22c段差
23 粘着部(積層体)
23a 露出面
23b アクリル粘着層
23c ジエンゴム粘着層
24 転写シート
31 異方性導電体(第2実施形態の機能性成形体)
32ベース部(本体部)
32a 底面
32b 収容凹部
32d貫通孔
33 粘着部(積層体)
33a 露出面
33b アクリル粘着層
33c ジエンゴム粘着層
34 転写シート
35 シリコーンゴム組成物
36導電部
36a導電体
36b電極面
41熱伝導性成形体(第3実施形態の機能性成形体)
42基材部(本体部)
42a 底面
42b 収容凹部
43 粘着部(積層体)
43a 露出面
43b アクリル粘着層
43c ジエンゴム粘着層
44 転写シート
45 シリコーンゴム組成物

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