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技術 ウエビング巻取装置

出願人 株式会社東海理化電機製作所
発明者 前久保義明
出願日 2010年6月7日 (10年5ヶ月経過) 出願番号 2010-130323
公開日 2011年1月27日 (9年9ヶ月経過) 公開番号 2011-016516
状態 特許登録済
技術分野 車両用シートベルト
主要キーワード セレーション形状 スプリングハウジング プレート体 荷重変形 渦巻き方向 中心軸線周り 荷重吸収 軸周り方向
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年1月27日)のものです。
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図面 (6)

課題

荷重エネルギー)吸収のための部品点数を増やすことなくエネルギーの吸収量を大きくできるウエビング巻取装置を得る。

解決手段

本ウエビング巻取装置10では、ロックベース84を構成する雄ねじ部88の雄ねじがスプール20のロックベース装着部36を構成する雌ねじ孔40の雌ねじ螺合しており、ロックベース84に対してスプール20が引出方向に回転すると、スプール20に対してロックベース84が離間するようにスプール20の軸方向に沿ってロックベース84が変位する。しかしながら、このロックベース84の変位はトーションシャフト50によって規制されているため、ロックベース84に対してスプール20が引出方向に回転すると、トーションシャフト50では捩じり変形に加えて引っ張り変形が生じる。これにより、トーションシャフト50が吸収するエネルギー量を増やすことができる。

概要

背景

下記特許文献1に開示されているウエビング巻取装置(特許文献1ではシートベルトリトラクタと称している)では、ロック機構が作動した状態でウエビングベルト(特許文献1ではウエビングと称している)に作用する引っ張り力が所定の大きさ越えた場合には、スプール(特許文献1では巻取ドラムと称している)の内側でスプールとロッキングベースとを繋ぐトーションシャフト(特許文献1ではトーションバーと称している)に捩じれ変形を生じさせ、この上記の引っ張り力のエネルギーの一部をトーションシャフトの変形で吸収している。

概要

荷重(エネルギー)吸収のための部品点数を増やすことなくエネルギーの吸収量を大きくできるウエビング巻取装置を得る。本ウエビング巻取装置10では、ロックベース84を構成する雄ねじ部88の雄ねじがスプール20のロックベース装着部36を構成する雌ねじ孔40の雌ねじ螺合しており、ロックベース84に対してスプール20が引出方向に回転すると、スプール20に対してロックベース84が離間するようにスプール20の軸方向に沿ってロックベース84が変位する。しかしながら、このロックベース84の変位はトーションシャフト50によって規制されているため、ロックベース84に対してスプール20が引出方向に回転すると、トーションシャフト50では捩じり変形に加えて引っ張り変形が生じる。これにより、トーションシャフト50が吸収するエネルギー量を増やすことができる。

目的

本発明は、上記事実を考慮して、荷重(エネルギー)吸収のための部品点数を増やすことなくエネルギーの吸収量を大きくできるウエビング巻取装置を得ることが目的である

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

ウエビングベルト長手方向基端側係止されて、軸周り方向一方である巻取方向へ回転することで前記ウエビングベルトを長手方向基端側から外周部に巻き取るスプールと、一部が前記スプールに係合して前記スプールと共に一体的又は前記スプールに連動して回転可能に設けられ、所定の大きさの第1の荷重で前記一部に対して他の一部が変位することにより第1の変形態様で変形すると共に、前記第1の荷重とは向きが異なる第2の荷重で前記一部に対して他の一部が変位することにより前記第1の変形態様とは異なる第2の変形態様で変形する荷重吸収手段と、車両急減速状態又は前記スプールが所定の大きさ以上の加速度で前記巻取方向とは反対の引出方向に回転した際に前記荷重吸収手段の前記他の一部に係合して、前記引出方向への前記スプールの回転を間接的に規制するロック手段と、前記ロック手段が前記荷重吸収手段の前記他の一部に係合した状態で前記第1の荷重に対応する前記引出方向の回転力が前記スプールに付与されることで、前記荷重吸収手段に前記第1の荷重を付与して前記荷重吸収手段に前記第1の変形態様による変形を生じさせる第1変形強制手段と、前記第1変形強制手段と共に作動して、前記第2の荷重に対応する前記引出方向の回転力が前記スプールに付与されることで、前記荷重吸収手段に前記第2の荷重を付与して前記荷重吸収手段に前記第2の変形態様による変形を生じさせる第2変形強制手段と、を備えるウエビング巻取装置。

請求項2

前記荷重吸収手段の前記一部を前記他の一部に対して前記引出方向に回転させる回転力を前記第1の荷重とし、前記荷重吸収手段の前記一部を前記他の一部に対して前記引出方向に捩じる捩じり変形を前記第1の変形態様とした請求項1に記載のウエビング巻取装置。

請求項3

前記荷重吸収手段の前記一部を前記他の一部に対して前記スプールの軸方向に変位させる引っ張り力又は圧縮力を前記第2の荷重とし、前記第2の荷重による前記荷重吸収手段の引っ張り変形又は圧縮変形を前記第2の変形態様とした請求項1又は請求項2に記載のウエビング巻取装置。

請求項4

前記荷重吸収手段の前記他の一部に対して前記スプールの軸方向一方への向きに変位不能な状態で前記荷重吸収手段の前記他の一部に取り付けられて、前記荷重吸収手段を介して前記スプールに機械的且つ前記スプールに対して相対回転不能な状態で繋げられ、前記スプールと共に一体的に回転可能で前記ロック手段が作動した際には前記引出方向への回転が規制されるロックベースを含めて前記ロック手段を構成して前記ロックベースを含めて前記第1変形強制手段を構成すると共に、前記スプール及び前記ロックベースの何れかの一方に形成された雌ねじ螺合可能で、前記ロックベースに対して前記スプールが前記引出方向に回転することで前記雌ねじに対して回転しつつ前記スプールの軸方向に変位して、前記スプールの軸方向一方へ前記ロックベースを変位させる雄ねじを前記スプール及び前記ロックベースの何れかの他方に形成し、前記雄ねじ及び前記雌ねじを含めて前記第2変形強制手段を構成した請求項3に記載のウエビング巻取装置。

技術分野

0001

本発明は、車両のシート着座した乗員の身体を拘束するウエビングベルトを巻き取って格納するウエビング巻取装置に関する。

背景技術

0002

下記特許文献1に開示されているウエビング巻取装置(特許文献1ではシートベルトリトラクタと称している)では、ロック機構が作動した状態でウエビングベルト(特許文献1ではウエビングと称している)に作用する引っ張り力が所定の大きさ越えた場合には、スプール(特許文献1では巻取ドラムと称している)の内側でスプールとロッキングベースとを繋ぐトーションシャフト(特許文献1ではトーションバーと称している)に捩じれ変形を生じさせ、この上記の引っ張り力のエネルギーの一部をトーションシャフトの変形で吸収している。

先行技術

0003

特開2007−161001の公報

発明が解決しようとする課題

0004

さらに、この特許文献1に開示されているウエビング巻取装置では、ロッキングベースに対してスプールが引出方向に回転した際にスプールと共に回転するワイヤを備えている。ロッキングベースがロックされてスプールがロッキングベースに対して引出方向に回転すると、スプールと共に回転するワイヤがロッキングベースと一体のプレート体に設けられた屈曲路により案内されつつしごかれ、この際のワイヤの変形でも上記の引っ張り力のエネルギーの一部を吸収している。

0005

このように、特許文献1に開示された構成では、ワイヤの変形によるエネルギー吸収をトーションシャフトの変形によるエネルギー吸収に重畳させることで大きなエネルギー吸収を実現している。しかしながら、このように大きなエネルギーの吸収を実現するためにワイヤを別途設けることで部品点数が増加する。

0006

本発明は、上記事実を考慮して、荷重(エネルギー)吸収のための部品点数を増やすことなくエネルギーの吸収量を大きくできるウエビング巻取装置を得ることが目的である。

課題を解決するための手段

0007

請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、ウエビングベルトの長手方向基端側係止されて、軸周り方向一方である巻取方向へ回転することで前記ウエビングベルトを長手方向基端側から外周部に巻き取るスプールと、一部が前記スプールに係合して前記スプールと共に一体的又は前記スプールに連動して回転可能に設けられ、所定の大きさの第1の荷重で前記一部に対して他の一部が変位することにより第1の変形態様で変形すると共に、前記第1の荷重とは向きが異なる第2の荷重で前記一部に対して他の一部が変位することにより前記第1の変形態様とは異なる第2の変形態様で変形する荷重吸収手段と、車両急減速状態又は前記スプールが所定の大きさ以上の加速度で前記巻取方向とは反対の引出方向に回転した際に前記荷重吸収手段の前記他の一部に係合して、前記引出方向への前記スプールの回転を間接的に規制するロック手段と、前記ロック手段が前記荷重吸収手段の前記他の一部に係合した状態で前記第1の荷重に対応する前記引出方向の回転力が前記スプールに付与されることで、前記荷重吸収手段に前記第1の荷重を付与して前記荷重吸収手段に前記第1の変形態様による変形を生じさせる第1変形強制手段と、前記第1変形強制手段と共に作動して、前記第2の荷重に対応する前記引出方向の回転力が前記スプールに付与されることで、前記荷重吸収手段に前記第2の荷重を付与して前記荷重吸収手段に前記第2の変形態様による変形を生じさせる第2変形強制手段と、を備えている。

0008

請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、車両が急減速状態になり、又は、スプールが所定の大きさ以上の加速度で引出方向に回転するとロック手段が作動する。作動したロック手段は、一部がスプールに係合した荷重吸収手段の他の一部に係合する。荷重吸収手段はスプールと共に一体的又はスプールに連動して回転可能に設けられているが、ロック手段が荷重吸収手段の他の一部に係合することでスプールの引出方向への回転に伴う荷重吸収手段の回転が規制される。これにより、間接的にスプールの引出方向への回転が規制される。

0009

この状態で、更にウエビングベルトが引っ張られ、これによりスプールに付与された引出方向への回転力によって、荷重吸収手段の一部に付与される荷重が第1の荷重に達し、この状態で荷重吸収手段の他の一部がロック手段により回転規制されていると、第1変形強制手段の作動が可能になる。この状態で第1変形強制手段が作動すると、荷重吸収手段に第1の変形態様による変形を生じさせる。この第1の変形態様による変形が荷重吸収手段に生じると、スプールに付与された回転力の一部、すなわち、ウエビングベルトを引っ張る引っ張り力の一部が荷重吸収手段における第1の変形態様による変形に供され、このウエビングベルトを引っ張る引っ張り力のエネルギーの一部が吸収される。

0010

さらに、第1変形強制手段が作動した状態で、スプールに付与された引出方向への回転力によって荷重吸収手段の一部に付与される第1の荷重とは異なる向きの荷重が第2の荷重に達すると、第2変形強制手段が作動する。第2変形強制手段が作動すると、荷重吸収手段に第1の変形態様とは異なる第2の変形態様による変形を生じさせる。この第2の変形態様による変形が荷重吸収手段に生じると、スプールに付与された回転力の一部、すなわち、ウエビングベルトを引っ張る引っ張り力の一部が荷重吸収手段における第2の変形態様による変形に供され、このウエビングベルトを引っ張る引っ張り力のエネルギーの一部が吸収される。

0011

ここで、第2変形強制手段は第1変形強制手段と共に作動する。したがって、荷重吸収手段の一部には、第1の荷重と、この第1の荷重とは向きが異なる第2の荷重とが付与されて、第1及び第2の双方の変形態様による変形を荷重吸収手段に生じさせることができなければ第1変形強制手段及び第2変形強制手段が作動せず、荷重吸収手段では第1及び第2の何れの変形態様による変形が生じない。

0012

したがって、本発明に係るウエビング巻取装置では、荷重吸収手段に第1及び第2の双方の変形態様の変形を生じさせるのに必要な大きさの引出方向への回転力に対応する荷重を吸収でき、荷重吸収手段を特に大型化したり、多くの荷重吸収手段を用いたりしなくても、大きな荷重を吸収できる。

0013

請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1に記載の本発明において、前記荷重吸収手段の前記一部を前記他の一部に対して前記引出方向に回転させる回転力を前記第1の荷重とし、前記荷重吸収手段の前記一部を前記他の一部に対して前記引出方向に捩じる捩じり変形を前記第1の変形態様としている。

0014

請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、ロック手段の作動状態で更にウエビングベルトが引っ張られ、これによりスプールに付与された引出方向への回転力によって荷重吸収手段の一部に付与される荷重が、荷重吸収手段に第1の変形態様による変形と第2の変形態様の変形とを生じさせるだけの大きさに達すると、第1変形強制手段及び第2変形強制手段の双方が作動する。

0015

これにより、第2の変形態様による変形が荷重吸収手段に生ずると共に、第1の変形態様による変形である捩じり変形が荷重吸収手段の一部と他の一部との間で生じる。この荷重変形手段の捩じり変形に対応した角度だけスプールは引出方向に回転でき、スプールからウエビングベルトを引き出すことができる。このように、スプールからの引き出しが許容されたウエビングベルトの長さ分だけ乗員の身体は車両前方側へ慣性移動できる。

0016

請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記荷重吸収手段の前記一部を前記他の一部に対して前記スプールの軸方向に変位させる引っ張り力又は圧縮力を前記第2の荷重とし、前記第2の荷重による前記荷重吸収手段の引っ張り変形又は圧縮変形を前記第2の変形態様としている。

0017

請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、ロック手段の作動状態で更にウエビングベルトが引っ張られ、これによりスプールに付与された引出方向への回転力によって荷重吸収手段の一部に付与される荷重が、荷重吸収手段に第1の変形態様による変形と第2の変形態様の変形とを生じさせるだけの大きさに達すると、第1変形強制手段及び第2変形強制手段の双方が作動する。

0018

これにより、第1の変形態様による変形が荷重吸収手段に生ずると共に、荷重吸収手段の一部と他の一部との間で引っ張り力又は圧縮力が作用して、第2の変形態様による引っ張り変形又は圧縮変形が荷重吸収手段に生じる。この荷重吸収手段における引っ張り変形又は圧縮変形と、第1の変形態様による変形とに要する荷重に対応したスプールの引出方向への回転力を吸収できる。

0019

請求項4に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項3に記載の本発明において、前記荷重吸収手段の前記他の一部に対して前記スプールの軸方向一方への向きに変位不能な状態で前記荷重吸収手段の前記他の一部に取り付けられて、前記荷重吸収手段を介して前記スプールに機械的且つ前記スプールに対して相対回転不能な状態で繋げられ、前記スプールと共に一体的に回転可能で前記ロック手段が作動した際には前記引出方向への回転が規制されるロックベースを含めて前記ロック手段を構成して前記ロックベースを含めて前記第1変形強制手段を構成すると共に、前記スプール及び前記ロックベースの何れかの一方に形成された雌ねじ螺合可能で、前記ロックベースに対して前記スプールが前記引出方向に回転することで前記雌ねじに対して回転しつつ前記スプールの軸方向に変位して、前記スプールの軸方向一方へ前記ロックベースを変位させる雄ねじを前記スプール及び前記ロックベースの何れかの他方に形成し、前記雄ねじ及び前記雌ねじを含めて前記第2変形強制手段を構成している。

0020

請求項4に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、ロック手段を構成すると共に第1変形強制手段を構成するロックベースが荷重吸収手段の他の一部に繋げられており、更に、ロックベースは荷重吸収手段を介してスプールに対して相対回転が不能な状態で繋がっている。車両が急減速状態になり、又は、スプールが所定の大きさ以上の加速度で引出方向に回転するとロック手段が作動すると、ロック手段は引出方向への回転に連動したロックベースの回転を規制する。このように、ロックベースの回転が規制されることで、スプールの回転が規制される。

0021

一方、ロックベース及びスプールの何れかの一方には雄ねじが形成されており、ロックベース及びスプールの何れかの他方には何れかの一方に形成された雄ねじの螺合が可能な雌ねじが形成されている。ロックベースの回転が規制された状態で、ウエビングベルトが引っ張られることによりスプールが引出方向へ回転すると、雌ねじに螺合する雄ねじが雌ねじに対して回転しつつ雌ねじの軸方向に変位する。この雌ねじの軸方向に沿った変位によりロックベースがスプールの軸方向一方の側へスプールに対して相対的に変位する。

0022

ここで、ロックベースは、荷重吸収手段の他の一部に対してスプールの軸方向一方への向きに相対的に変位不能な状態で荷重吸収手段の他の一部に繋げられているため、雄ねじが雌ねじに対して回転しつつ雌ねじの軸方向一方へ変位すると、スプールに繋がった荷重吸収手段の一部がロックベースに繋がった荷重吸収手段の他の一部に対して引出方向に回転するように変形しつつ(すなわち、第1の変形態様による変形が荷重吸収手段に生じつつ)、更に、スプールに繋がった荷重吸収手段の一部がロックベースに繋がった荷重吸収手段の他の一部に対してスプールの軸方向に変位するように荷重吸収手段が引っ張り変形又は圧縮変形する(すなわち、第2の変形態様による変形が荷重吸収手段に生じつつ)
このようにして本発明に係るウエビング巻取装置では、荷重吸収手段に第1の変形態様による変形と第2の変形態様による変形を生じさせるが、第2変形強制手段を構成する雄ねじと雌ねじは、相対的に回転することで相対的に軸方向へ変位する構成である。このため、ロックベースに対するスプールの引出方向への相対回転に連動してスプールに対してロックベースを軸方向に変位させるための複雑な連動機構を用いなくても、簡単な構成で荷重吸収手段に第2の変形態様による変形(すなわち、引っ張り変形又は圧縮変形)を生じさせることができる。しかも、雄ねじはスプール及び荷重吸収手段の何れか一方に形成され、雌ねじはスプール及び荷重吸収手段の何れか一方に形成されるので、第2変形強制手段を設けるにしても実質的に部品点数が増加せず、コストも安価である。

発明の効果

0023

以上説明したように、本発明に係るウエビング巻取装置では、荷重吸収手段における荷重(エネルギー)の吸収量を、部品点数を増やすことなく大きくできる。

図面の簡単な説明

0024

本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成を概略的に示す正面断面図である。
荷重吸収手段が変形した状態を示す図1に対応した正面断面図である。
スプール及び荷重吸収手段の分解斜視図である。
本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成を概略的に示す正面断面図である。
荷重吸収手段が変形した状態を示す図4に対応した正面断面図である。

実施例

0025

<第1の実施の形態の構成>
図1には本発明の第1の実施の形態に係るウエビング巻取装置10の構成の概略が正面断面図により示されている。この図に示されるように、ウエビング巻取装置10はフレーム12を備えている。フレーム12は平板状の背板14を備えており、この背板14が車両の座席の近傍で、図示しないボルト等の締結手段により車体の所定部位締結固定されることでウエビング巻取装置10が車体に取り付けられる。

0026

背板14の幅方向一方の側(図1の左側)の端部からは、平板状の脚板16が背板14の厚さ方向一方へ向けて延出されている。これに対して、背板14の幅方向他方の側(図1の右側)の端部からは、平板状の脚板18が背板14の幅方向に沿って脚板16と対向するように背板14の厚さ方向一方へ向けて延出されている。また、背板14の厚さ方向一方の側にはスプール20が配置されている。スプール20はスプール本体22を備えている。

0027

スプール本体22は脚板16と脚板18との対向方向に沿って軸方向とされた略円柱形状とされている。このスプール本体22には長尺帯状のウエビングベルト24の長手方向基端側が係止されており、ウエビングベルト24の長手方向基端側からスプール本体22の外周部に層状に巻き取られた状態で格納されている。スプール本体22の軸方向一端側(脚板16の側)にはフランジ部26が形成されている。フランジ部26は外径寸法がスプール本体22の外径寸法よりも大きな円板状とされている。

0028

フランジ部26の外径寸法はスプール本体22の外径寸法よりも大径の円板状とされてスプール本体22に対して同軸的且つ一体的に形成されている。また、脚板16にはスプール本体22の軸方向一端部に対応して略円形の孔部28が形成されている。この孔部28の内径寸法は、スプール本体22の外径寸法よりは大きいが、フランジ部26の外径寸法よりは小さい。したがって、フランジ部26よりも一端側でスプール本体22はこの孔部28を通過することができるものの、フランジ部26は孔部28を通過できない。すなわち、孔部28の近傍で脚板16にフランジ部26が当接することで、脚板16の側へのそれ以上のスプール本体22の変位が規制されている。

0029

一方、スプール本体22の軸方向他端側(脚板18の側)にはフランジ部30が形成されている。フランジ部30は外径寸法がスプール本体22の外径寸法よりも大きな円板状とされており、スプール本体22に対して同軸的且つ一体的にスプール本体22に形成されている。フランジ部30に対応して脚板16には孔部32が形成されている。孔部32はフランジ部30よりも内径寸法が大きく、フランジ部30の軸方向中間部よりも一方の側(すなわち、スプール本体22とは反対側)が孔部32を貫通している。

0030

また、図1及び図3に示されるように、スプール本体22には貫通孔34が形成されている。図9に示されるように、貫通孔34は断面形状がスプール本体22に対して略同軸の円形とされている。貫通孔34の脚板16側にはロックベース装着部36が形成されている。ロックベース装着部36は嵌挿孔38を備えている。嵌挿孔38は内径寸法が貫通孔34の内径寸法よりも大きな円形とされており、しかも、嵌挿孔38は貫通孔34に対して略同軸的に形成されている。

0031

貫通孔34の脚板18側の端部は嵌挿孔38の底部にて開口している。この嵌挿孔38の貫通孔34とは反対側には貫通孔34と共にロックベース装着部36を構成して更に第2変形強制手段を構成する雌ねじ孔40が形成されている。雌ねじ孔40は内径寸法が嵌挿孔38の内径寸法よりも大きく、しかも、雌ねじ孔40は嵌挿孔38に対して同軸的に形成されている。嵌挿孔38の貫通孔34とは反対側の端部は雌ねじ孔40にて開口し、更に、雌ねじ孔40の嵌挿孔38とは反対側の端部はフランジ部30の脚板18と対向する側の端部にて開口している。

0032

これに対して、貫通孔34のロックベース装着部36とは反対側には嵌挿孔42が形成されている。嵌挿孔42は内周形状セレーション形状星形六角形八角形等の非円形(本実施の形態ではセレーション形状)とされており、貫通孔34の脚板16側の端部は嵌挿孔42の底部にて開口している。

0033

また、図1に示されるように、この貫通孔34の内側には、荷重吸収手段としてのトーションシャフト50が配置されている。図1及び図3に示されるように、トーションシャフト50はシャフト本体52を備えている。シャフト本体52は軸方向がスプール20の軸方向に沿った棒状とされている。シャフト本体52の脚板16側の端部にはスプール側連結部54(特許請求の範囲で言うところの「荷重吸収手段の一部」に相当する構成)が形成されている。上記のスプール側連結部54の外周形状は嵌挿孔42の内周形状に略等しく、嵌挿孔42にスプール側連結部54が嵌挿されることで、スプール20に対するスプール側連結部54の相対回転が不能とされている。

0034

一方、スプール20及びトーションシャフト50の側方には軸部60が設けられている。軸部60のスプール20側には外周形状が嵌挿孔42よりも大きく、且つ、厚さ方向がスプール20の軸方向に沿ったストッパ62が軸部60に対して一体的に形成されている。さらに、ストッパ62の軸部60とは反対側には雄ねじ部64がストッパ62に対して一体的で且つ軸部60に対して同軸的に形成されている。この雄ねじ部64に対応して上記のスプール側連結部54には雌ねじ孔66が形成されている。

0035

図1に示されるように、雌ねじ孔66はシャフト本体52に対して同軸的に形成されており、スプール側連結部54のシャフト本体52とは反対側の端部にて開口している。雌ねじ孔66はスプール側連結部54に対して引出方向に回転することで雌ねじ孔66に雄ねじ部64に螺合して雌ねじ孔66がスプール側連結部54に締結されるように雄ねじ部64及び雌ねじ孔66のねじの形状が設定されている。この雌ねじ孔66に雄ねじ部64が螺合して軸部60がトーションシャフト50に固定されると、スプール20の軸方向にストッパ62の端面とスプール20の脚板16側の端面とが対向して当接する。

0036

一方、脚板16の外側(すなわち、脚板16の脚板18とは反対側)では、スプリングハウジング70が脚板16に取り付けられている。雌ねじ孔66はスプール20の中心軸線方向を軸方向とする軸周りに回転自在にスプリングハウジング70に直接又は間接的に支持されている。また、スプリングハウジング70の内側には図示しないスプール付勢手段としての渦巻きばねが収容されている。渦巻きばねは、その渦巻き方向外側の端部がスプリングハウジング70に係止されており、渦巻き方向内側の端部が軸部60に直接又は間接的に係止されている。渦巻きばねは軸部60が引出方向に回転することで巻き締まり、軸部60を巻取方向に付勢する。

0037

一方、脚板18の外側(すなわち、脚板18の脚板16とは反対側)では、ロック手段としてのロック機構80のハウジング82が脚板16に取り付けられている。ロック機構80は第1変形強制手段を構成するロックベース84を備えている。ロックベース84は嵌挿部86を備えている。嵌挿部86は外形寸法が上記のロックベース装着部36の内径寸法に略等しい円柱形状とされており、スプール20に対して同軸的に相対回転自在にロックベース装着部36に嵌挿されている。嵌挿部86の軸方向一端(脚板18側の端部)には、雌ねじ孔40と共に第2変形強制手段を構成する雄ねじ部88が嵌挿部86に対して同軸的に一体形成されている。

0038

雄ねじ部88の外周部には雌ねじ孔40に螺合可能な雄ねじが形成されており、嵌挿部86の先端側を嵌挿孔38に嵌挿させた状態でロックベース84をスプール20に対して引出方向に回転させると雄ねじ部88の雄ねじが雌ねじ孔40の雌ねじに螺合して雄ねじ部88が雌ねじ孔40に締め込まれる。この雄ねじ部88の嵌挿部86とは反対側の端部には、ラチェット部90が雄ねじ部88に対して同軸的且つ一体的に形成されている。ラチェット部90は外径寸法が雄ねじ部88の外径寸法よりも十分に大きく、その外周部にはラチェット歯が形成されている。

0039

ラチェット部90に対応してロック機構80はロックパウル96を備えている。ロックパウル96はスプール20の中心軸線と同じ向きを軸方向とする軸周りに回動可能にフレーム12やハウジング82に支持されている。ロックパウル96の先端側はラチェット部90の外周部に対向しており、ロックパウル96は回動することで先端側がラチェット部90の外周部に対して接離する。

0040

このロックパウル96の先端側にはラチェット歯が形成されており、ラチェット部90の外周部にロックパウル96の先端側が接近すると、ロックパウル96のラチェット歯がラチェット部90の外周部に形成されたラチェット歯に噛み合う。このようにロックパウル96のラチェット歯がラチェット部90のラチェット歯に噛み合った状態ではラチェット部90、すなわち、ロックベース84の引出方向への回転が規制される。

0041

上記のハウジング82の内側には、ロックベース84やロックパウル96と共にロック機構80を構成する各種部品が収容されている。ハウジング82内の各種部品は、例えば、車両が急減速状態になった場合に作動してロックパウル96の先端側をロックベース84の外周部へ接近させるように回動させる所謂「VSIR機構」や、ロックベース84が所定の大きさ以上の加速度で引出方向に回転した際に作動してロックパウル96の先端側をロックベース84の外周部へ接近させるように回動させる所謂「WSIR機構」を構成している。

0042

一方、上記のロックベース84にはラチェット部90に対して同軸の円孔102が形成されている。円孔102の内周部にはスプライン溝が形成されていると共に、ラチェット部90の雄ねじ部88とは反対側の端部にて開口している。円孔102の雄ねじ部88側には嵌合孔104が形成されている。嵌合孔104は内径寸法が円孔102の内径寸法よりも小さく、その一端は円孔102の底部にて開口していると共に他端は嵌挿部86の雄ねじ部88とは反対側の端部にて開口している。この嵌合孔104にはシャフト本体52のスプール側連結部54とは反対側の端部近傍入り込んでいる。シャフト本体52のスプール側連結部54とは反対側の端部には嵌合部112(特許請求の範囲で言うところの「荷重吸収手段の他の一部」に相当する構成)が形成されている。嵌合部112は複数の嵌合突起114が形成されている。

0043

図3に示されるように、これらの嵌合突起114はシャフト本体52の中心軸線周りに一定角度毎に形成されており、シャフト本体52の中心軸線を中心として放射状に突出するように形成されている。これらの嵌合突起114に対応して嵌合孔104の内周部には複数の規制突起116が形成されている。これらの規制突起116はロックベース84の中心軸線周りに一定角度毎に嵌合孔104の内周部から突出形成されている。嵌合孔104の内側にトーションシャフト50が入り込んだ状態では、ロックベース84の中心軸線周りに隣り合う規制突起116の間に嵌合突起114が入り込む。このロックベース84の中心軸線周りに隣り合う規制突起116の間隔はシャフト本体52の中心軸線周り方向の嵌合突起114の寸法に略等しく、隣り合う規制突起116の間に嵌合突起114が入り込むことで、ロックベース84に対する嵌合部112の相対回転が不能となる。

0044

また、嵌合部112は当接壁118を備えている。当接壁118は嵌合突起114のシャフト本体52とは反対側に形成されており、隣り合う規制突起116の間に嵌合突起114が入り込んだ状態では、規制突起116のシャフト本体52とは反対側から規制突起116と対向する。このため、規制突起116に当接壁118が当接した状態では、スプリングハウジング70に対して背板14の側へのトーションシャフト50の相対変位が規制される。

0045

このような構成の嵌合部112のシャフト本体52とは反対側の端部からは軸部122がシャフト本体52に対して同軸的に突出形成されている。軸部122の先端側はハウジング82に直接又は間接的に回動自在に支持されている。

0046

<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本ウエビング巻取装置10の機能面での作用並びに効果について説明する。

0047

本ウエビング巻取装置10では、車両が急減速状態になるとロック機構80のVSIR機構が作動してロックパウル96の先端側がラチェット部90の外周部へ接近させられる。また、例えば、車両が急減速状態になった場合に乗員が車両前方側へ慣性移動しようとすると、乗員の身体に装着されたウエビングベルト24が引っ張られ、これにより、スプール20が通常の引き出し時よりも大きな加速度で引出方向に回転させられる。このように、スプール20が所定の大きさ以上の加速度で引出方向に回転すると、トーションシャフト50を介してスプール20に対して相対回転不能に繋がっているロックベース84が所定の大きさ以上の加速度で引出方向に回転させられる。ロック機構80のWSIR機構が作動してロックパウル96の先端側がラチェット部90の外周部へ接近させられる。

0048

このように、ロック機構80のVSIR機構又はWSIR機構が作動することでロックパウル96の先端側がラチェット部90の外周部へ接近すると、ラチェット部90の外周部に形成されたラチェット歯にロックパウル96の先端側に形成されたラチェット歯が噛み合い、これにより、ラチェット部90、すなわち、ロックベース84の引出方向への回転が規制される。ロックベース84はトーションシャフト50を介してスプール20に対して相対回転不能に繋がっているため、ロックベース84の引出方向への回転が規制されることでスプール20の引出方向への回転が規制され、スプール20からのウエビングベルト24の引き出しが規制される。これにより、ウエビングベルト24を装着した乗員の身体が車両前方側へ慣性移動することを防止又は抑制できる。

0049

一方、上記のように、ロックパウル96がラチェット部90の引出方向への回転を規制した状態でウエビングベルト24が引っ張られると、スプール側連結部54には引出方向への回転力が作用する。このようにスプール側連結部54に作用する引出方向への回転力が、シャフト本体52の軸方向一端側に対して他端側が捩じられるように変形する捩じり荷重に対する機械的強度を上回ると(すなわち、請求項1及び請求項2に記載の本発明で言う「第1の荷重」がスプール側連結部54に付与されると)、シャフト本体52の嵌合部112側に対してスプール側連結部54側が引出方向に回転するように捩じれる捩じり変形(すなわち、請求項1及び請求項2に記載の本発明で言う「第1の変形態様による変形」)が生じる。

0050

このため、スプール20を引出方向へ回転させる引出方向への回転力、すなわち、ウエビングベルト24を引っ張る力の一部は、シャフト本体52における捩じり変形に供され、ウエビングベルト24を引っ張るエネルギーのうちシャフト本体52の捩じり変形に要する大きさのエネルギーが吸収される。さらに、このシャフト本体52にて生じた捩じれに応じた角度だけスプール20は引出方向に回転でき、このスプール20の引出方向への回転量に応じた長さのウエビングベルト24がスプール20から引き出され、このようにスプール20から引き出されたウエビングベルト24の長さ分だけ乗員の身体は車両前方側へ慣性移動できる。

0051

ところで、本ウエビング巻取装置10では、ロックベース84を構成する雄ねじ部88の雄ねじがスプール20のロックベース装着部36を構成する雌ねじ孔40の雌ねじに螺合しており、上記のようにロックベース84に対してスプール20が引出方向に回転すると、ロックベース装着部36からロックベース84の嵌挿部86及び雄ねじ部88が抜け出る方向、すなわち、スプール20の軸方向に沿ってラチェット部90がスプール20から離間する向き(図1及び図2の右側)へスプール20に対してロックベース84が移動する。

0052

ここで、ロックベース84のラチェット部90がスプール20の脚板18側の端部から離間する向きに移動しようとすると、嵌合孔104の内周部から突出形成されている規制突起116が嵌合部112の当接壁118を押圧してトーションシャフト50を共に移動させようとする。

0053

これに対して、トーションシャフト50のスプール側連結部54では雄ねじ部64に雌ねじ孔66が螺合しており、雄ねじ部64にはストッパ62が一体に形成されている。したがって、トーションシャフト50が脚板18側(図1及び図2の右側)へ移動しようとすると、軸部60が共に脚板18側へ移動しようとする。ここで軸部60に形成されたストッパ62は、スプール20の軸方向にストッパ62の端面とスプール20の脚板16側の端面とが対向して当接している。このため、トーションシャフト50と共に軸部60が脚板18側へ移動しようとするとストッパ62がスプール20を脚板18側へ押圧する。

0054

すなわち、本ウエビング巻取装置10では、トーションシャフト50によりスプール20の脚板18側の端部からラチェット部90が離間するようなロックベース84の移動が規制されている。このため、スプール20の脚板18側の端部からラチェット部90が離間するようにロックベース84が移動するためには、図2に示されるように、シャフト本体52を引っ張り変形(すなわち、請求項1及び請求項3に記載の本発明で言う「第2の変形態様による変形」)させなくてはならず、このようにシャフト本体52を引っ張り変形させる大きさの引っ張り荷重(すなわち、請求項1及び請求項3に記載の本発明で言う「第2の荷重」)が必要となる。

0055

したがって、本ウエビング巻取装置10では、ロックパウル96によって引出方向へのロックベース84の回転が規制されている状態でスプール20を引出方向へ回転させるには、シャフト本体52を捩じり変形させるのに必要な大きさの捩じり荷重に対応する引出方向への回転力のみならず、更にシャフト本体52を引っ張り変形させるのに必要な大きさの引っ張り荷重に応じた引出方向への回転力が必要になる。

0056

このため、単にシャフト本体52を捩じり変形させることができる回転力でスプール20の引出方向への回転が許容される構成に比べて、大きな荷重(エネルギー)を吸収できる。しかも、1つのシャフト本体52(トーションシャフト50)に捩じり変形及び引っ張り変形の2つの態様で変形させることで、吸収する荷重(エネルギー)量を増やすことができるので、トーションシャフト50以外のエネルギー吸収部材を増やすことなく、しかも、シャフト本体52(トーションシャフト50)を特に大型化することなく吸収する荷重(エネルギー)量を増やすことができる。

0057

しかも、本実施の形態では、雄ねじ部88と雌ねじ孔40とで第2変位強制手段を構成している。このため、ロックベース84に対してスプール20が引出方向に回転した際に、ロックベース84をスプール20に対してスプール20の軸方向に変位させる構成を簡単にでき、しかも、実質的な部品点数の増加を招くこともない。

0058

<第2の実施の形態の構成>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態を説明するに際して、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。

0059

図4には本実施の形態に係るウエビング巻取装置160の構成の概略が正面断面図により示されている。この図に示されるように、ウエビング巻取装置160はスプール20を備えておらず代わりにスプール162を備えている。スプール162はフランジ部26やフランジ部30を備えていると言う点ではスプール20と同じであるがスプール本体22を備えておらず、代わりにスプール本体164を備えている。

0060

スプール本体164にはスプール20のスプール本体22と同様に貫通孔34が形成されているものの嵌挿孔42が形成されておらず、代わりに、底壁166が形成されており、貫通孔34の脚板16側が閉止されている。この底壁166には前記第1の実施の形態における嵌挿孔42に対応する嵌挿孔168が形成されている。嵌挿孔168の内周形状は嵌挿孔42の内周形状と同様に六角形や八角形等の多角形又は星形等の非円形とされているが、嵌挿孔168は貫通孔34を閉止している底壁166に形成されていることから嵌挿孔168は貫通孔34よりも小さい。

0061

一方、本ウエビング巻取装置160はトーションシャフト50を備えておらず、代わりに荷重吸収手段としてのトーションシャフト172を備えている。トーションシャフト172はスプール側連結部54を備えており、このスプール側連結部54が上記の嵌挿孔168に嵌挿されている。また、スプール側連結部54よりもシャフト本体52の軸方向中央側ではシャフト本体52の外周部からフランジ部174が延出されている。フランジ部174は外周形状がスプール側連結部54の外周形状よりも大きく、スプール20の軸方向に沿って嵌挿孔168と対向している。

0062

また、トーションシャフト172は嵌合部112を備えておらず、代わりに嵌合部182(特許請求の範囲で言うところの「荷重吸収手段の他の一部」に相当する構成)を備えている。この嵌合部182は前記第1の実施の形態におけるトーションシャフト50の嵌合部112と同様に複数の嵌合突起114と当接壁118とを含めて構成されている。但し、嵌合部112では嵌合突起114よりもトーションシャフト50の軸方向外側に当接壁118が形成されていたが、嵌合部182では嵌合突起114よりもトーションシャフト172の軸方向中央側に当接壁118が形成されている。このため、嵌合孔104に嵌合部182が嵌挿された状態では、規制突起116が当接壁118よりもトーションシャフト172の軸方向中央側で当接壁118と対向する。

0063

さらに、本ウエビング巻取装置160のロック機構80はロックベース84を備えておらず、代わりにロックベース192を備えている。ロックベース192は嵌挿部86及びラチェット部90を備えている点でロックベース84と同じであるが雄ねじ部88を備えておらず、代わりに第2変形強制手段を構成する雄ねじ部194を備えている。雄ねじ部194は雄ねじ部88と同様に外周部に雄ねじが形成されているものの、雄ねじ部88とは逆向きのねじとされている。

0064

また、スプール162にはロックベース装着部36が形成されておらず、代わりにロックベース装着部202が形成されている。ロックベース装着部202は嵌挿孔38が形成されているものの雌ねじ孔40が形成されておらず、上記の雄ねじ部194の螺合が可能な第2変形強制手段を構成する雌ねじ孔204が形成されており、初期状態では雌ねじ孔204の一部に雄ねじ部194が螺合している。

0065

<第2の実施の形態の作用、効果>
次に、本ウエビング巻取装置160の機能面での作用並びに効果について説明する。

0066

本ウエビング巻取装置160では、前記第1の実施の形態と同様にロックパウル96の先端側に形成されたラチェット歯がラチェット部90の外周部に形成されたラチェット歯に噛み合うことでロックベース192の引出方向への回転が規制された状態でウエビングベルト24が引っ張られる、これによってスプール側連結部54に作用する引出方向への回転力が、シャフト本体52の軸方向一端側に対して他端側が捩じられるように変形する捩じり荷重に対する機械的強度を上回ると(すなわち、請求項1及び請求項2に記載の本発明で言う「第1の荷重」がスプール側連結部54に付与されると)、シャフト本体52の嵌合部182側に対してスプール側連結部54側が引出方向に回転するように捩じれる捩じり変形(すなわち、請求項1及び請求項2に記載の本発明で言う「第1の変形態様による変形」)が生じる。

0067

ところで、本ウエビング巻取装置160では、ロックベース192を構成する雄ねじ部194の雄ねじがスプール162のロックベース装着部202を構成する雌ねじ孔204の雌ねじに螺合しており、上記のようにロックベース192に対してスプール162が引出方向に回転すると、ロックベース装着部202からロックベース192の嵌挿部86及び雄ねじ部194に入り込む方向、すなわち、スプール162の軸方向に沿ってラチェット部90がスプール162へ接近する向き(図4及び図5の左側)へスプール162に対してロックベース192が移動する。

0068

ここで、ロックベース192のラチェット部90がスプール162の脚板18側の端部へ接近する向きに移動しようとすると、嵌合孔104の内周部から突出形成されている規制突起116が嵌合部182の当接壁118を押圧してトーションシャフト172を共に移動させようとする。

0069

これに対して、トーションシャフト172に形成されているフランジ部174は貫通孔34の脚板16側の端部を閉止している嵌挿孔168に対してスプール20の軸方向に対向しているため、トーションシャフト172が脚板16側(図4及び図5の左側)へ移動しようとすると、フランジ部174が嵌挿孔168を押圧する。

0070

すなわち、本ウエビング巻取装置160では、トーションシャフト172によりスプール162の脚板18側の端部にラチェット部90を接近させるようなロックベース192の移動が規制されている。このため、スプール162の脚板18側の端部にラチェット部90が接近するようにロックベース192が移動するためには、図5に示されるように、シャフト本体52を圧縮変形(すなわち、請求項1及び請求項3に記載の本発明で言う「第2の変形態様による変形」)させなくてはならず、シャフト本体52を圧縮変形させる大きさの圧縮荷重(すなわち、請求項1及び請求項3に記載の本発明で言う「第2の荷重」)が必要となる。

0071

したがって、本ウエビング巻取装置160では、ロックパウル96によって引出方向へのロックベース192の回転が規制されている状態でスプール162を引出方向へ回転させるには、シャフト本体52を捩じり変形させるのに必要な大きさの捩じり荷重に対応する引出方向への回転力のみならず、更にシャフト本体52を圧縮変形させるのに必要な大きさの圧縮荷重に応じた引出方向への回転力が必要になる。

0072

このため、単にシャフト本体52を捩じり変形させることができる回転力でスプール162の引出方向への回転が許容される構成に比べて、大きな荷重(エネルギー)を吸収できる。しかも、1つのシャフト本体52(トーションシャフト172)に捩じり変形及び圧縮変形の2つの態様で変形させることで、吸収する荷重(エネルギー)量を増やすことができるので、トーションシャフト172以外のエネルギー吸収部材を増やすことなく、しかも、シャフト本体52(トーションシャフト172)を特に大型化することなく吸収する荷重(エネルギー)量を増やすことができる。

0073

なお、上記の各実施の形態では、第1の変形態様を捩じり変形とし、第2の変形態様を引っ張り変形又は圧縮変形としたが、第1の変形態様及び第2の変形態様はこのような捩じり変形、引っ張り変形、及び圧縮変形の何れかに限定されるものではなく、曲げ変形せん断変形等の他の変形態様を第1の変形態様又は第2の変形態様としてもよい。

0074

また、上記各実施の形態では、荷重吸収手段をトーションシャフト50、172としたが、荷重吸収手段の態様がこのようなトーションシャフト50、172に限定されるものではなく、例えば、上記特許文献1に開示されたワイヤのような構成であってもよい。

0075

10ウエビング巻取装置
20スプール
24ウエビングベルト
40雌ねじ孔(雌ねじ、第2変形強制手段)
50トーションシャフト(荷重吸収手段)
54スプール側連結部(荷重吸収手段の一部)
80ロック機構(ロック手段)
82ハウジング
84ロックベース(第1変形強制手段)
86 嵌挿部
88雄ねじ部(雄ねじ、第2変形強制手段)
112 嵌合部(荷重吸収手段の他の一部)
160 ウエビング巻取装置
162 スプール
172 トーションシャフト(荷重吸収手段)
182 嵌合部(荷重吸収手段の他の一部)
192 ロックベース(第1変形強制手段)
194 雄ねじ部(雄ねじ、第2変形強制手段)
204 雌ねじ孔(雌ねじ、第2変形強制手段)

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