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技術 直流き電システムおよびその運用方法

出願人 株式会社日立製作所株式会社日立産業制御ソリューションズ
発明者 松尾岳志河野公生佐藤勝
出願日 2009年7月6日 (10年11ヶ月経過) 出願番号 2009-159825
公開日 2011年1月20日 (9年5ヶ月経過) 公開番号 2011-011711
状態 拒絶査定
技術分野 電車への給配電 鉄道交通の監視、制御、保安
主要キーワード 運用パターン エアセクション 投入回数 投入台数 運行条件 累積稼働 判定時刻 切断指令
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

各変電所電源装置投入台数標準運用パターンにしたがって制御される直流き電システムにおいて、無駄な電源装置の稼働を減らすとともに、列車遅延などが生じた場合などの電力不足の発生を回避する。

解決手段

標準運用パターンにしたがって投入台数の更新を行う所定の時刻毎に、運行管理システムから取得した在線情報と列車属性情報とに基づいて、各変電所の総必要電力予測することによって、必要な投入台数を算出し、標準運用パターンの投入台数に過不足が生じる場合に過不足の台数を司令員に提示する機能を備えた。

概要

背景

電鉄用の従来の直流き電システムは、変電所に設置される電源装置送り出し電圧を変電所毎に制御する方式(例えば、特許文献1)と、各変電所には電圧固定の複数の電源装置(整流器)を設置してその投入台数を制御する方式(例えば、特許文献2)とに区分されるが、前者の方式は設備コストが高額となることなどから、多くの路線において後者の投入台数制御方式が採用されている。

この投入台数制御方式では、路線を数キロメートルの単位で分割した各き電区間に個別に設置される変電所には、それぞれのき電区間の最大負荷に基づいて決められた台数の電源装置が設置される。それら全台数を常時投入して稼働させることは電力利用効率の低下や装置寿命の短縮に繋がるため、負荷に応じて必要な台数だけを稼働させることが望ましい。
そこで、1日の運行時間をいくつかの時間帯に分け、変電所毎にそれぞれの時間帯での投入台数を定めた標準的な運用パターンを用意しておき、その標準運用パターンにしたがって電源装置の投入と切断を制御する方法が広く利用されている。

概要

各変電所の電源装置の投入台数が標準運用パターンにしたがって制御される直流き電システムにおいて、無駄な電源装置の稼働を減らすとともに、列車遅延などが生じた場合などの電力不足の発生を回避する。標準運用パターンにしたがって投入台数の更新を行う所定の時刻毎に、運行管理システムから取得した在線情報と列車属性情報とに基づいて、各変電所の総必要電力を予測することによって、必要な投入台数を算出し、標準運用パターンの投入台数に過不足が生じる場合に過不足の台数を司令員に提示する機能を備えた。

目的

本発明は、前記の問題を解決するためになされたものであり、各変電所の電源装置の投入台数が標準運用パターンにしたがって制御される直流き電システムにおいて、無駄な電源装置の稼働を減らすとともに、列車の遅延などが生じた場合などの電力不足の発生を回避することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

直流電鉄の各き電区間に設置される変電所毎の電源装置投入台数を時系列に定めた標準運用パターンにしたがって、処理装置各変電所の電源装置の投入と切断とを制御する直流き電システムにおいて、前記処理装置は、前記標準運用パターンにしたがって前記投入台数の更新を行う所定の時刻毎に、運行管理システムから取得した在線情報列車属性情報とに基づいて、各変電所の総必要電力予測することによって必要な電源装置の投入台数を算出し、算出した前記投入台数と前記標準運用パターンの投入台数との間に過不足が生じる場合にその過不足の台数を司令員に提示する機能を備えることを特徴とする直流き電システム。

請求項2

前記処理装置は、前記標準運用パターンの投入台数に過不足が生じて投入台数の変更を行った場合、前記必要な投入台数が前記標準運用パターンの投入台数に一致するまでの間、一定の周期で前記必要な投入台数の算出を行い、両者が一致した時点で標準運用パターンによる制御に復帰させることを特徴とする請求項1に記載の直流き電システム。

請求項3

前記処理装置は、前記各変電所の総必要電力を、当該変電所が電力を供給するき電区間に在線している全列車の必要電力と、隣接き電区間内に在線しかつ当該き電区間に接近中の全列車の必要電力との両者に基づいて予測することを特徴とする請求項1または2に記載の直流き電システム。

請求項4

前記処理装置は、前記各変電所の電源装置毎の運用開始日時と、累積投入回数と、累積稼働時間とを記録し、決定された投入台数にしたがって電源装置を追加投入するときには、累積投入回数/(現在日時−運用開始日時)で算出される単位運用時間当たりの投入回数が最も小さい装置から順に選択して追加投入し、投入中の電源装置を切断するときには、累積稼働時間/(現在日時−運用開始日時)で算出される稼働率が最も大きい装置から順に選択して切断することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の直流き電システム。

請求項5

直流電鉄の各き電区間に設置される変電所毎の電源装置の投入台数を時系列に定めた標準運用パターンにしたがって、処理装置が各変電所の電源装置の投入と切断とを制御する直流き電システムの運用方法において、前記処理装置は、前記標準運用パターンにしたがって前記投入台数の更新を行う所定の時刻毎に、運行管理システムから取得した在線情報と列車属性情報とに基づいて、各変電所の総必要電力を予測することによって必要な電源装置の投入台数を算出するステップと、算出した前記投入台数と前記標準運用パターンの投入台数との間に過不足が生じる場合にその過不足の台数を司令員に提示するステップとを備えて制御することを特徴とする直流き電システムの運用方法。

技術分野

0001

本発明は、き電系統を介して電車電力を供給する電鉄用の直流き電システムおよび運用方法係り、特に、変電所に設置される複数の電源装置のうち、負荷に応じて必要な台数だけを稼働させる技術に関する。

背景技術

0002

電鉄用の従来の直流き電システムは、変電所に設置される電源装置の送り出し電圧を変電所毎に制御する方式(例えば、特許文献1)と、各変電所には電圧固定の複数の電源装置(整流器)を設置してその投入台数を制御する方式(例えば、特許文献2)とに区分されるが、前者の方式は設備コストが高額となることなどから、多くの路線において後者の投入台数制御方式が採用されている。

0003

この投入台数制御方式では、路線を数キロメートルの単位で分割した各き電区間に個別に設置される変電所には、それぞれのき電区間の最大負荷に基づいて決められた台数の電源装置が設置される。それら全台数を常時投入して稼働させることは電力の利用効率の低下や装置寿命の短縮に繋がるため、負荷に応じて必要な台数だけを稼働させることが望ましい。
そこで、1日の運行時間をいくつかの時間帯に分け、変電所毎にそれぞれの時間帯での投入台数を定めた標準的な運用パターンを用意しておき、その標準運用パターンにしたがって電源装置の投入と切断を制御する方法が広く利用されている。

先行技術

0004

特開平1-132432号公報
特開平5-176457号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、この従来の標準運用パターンを利用する方法では、ダイヤ乱れなどによる列車の集中が発生しても過負荷でのトリップ事故が発生しないように、標準運用パターンには本来の必要台数に比べてかなりのマージンをもたせていることが多い。そのため、標準パターン通りに運用すると、無駄に電源装置を稼働させる結果になる場合があった。
一方、車両故障や事故等によって列車が遅延した場合などには、標準運用パターン通りに運用すると電力不足となってトリップ事故を引き起こす危険性があった。

0006

本発明は、前記の問題を解決するためになされたものであり、各変電所の電源装置の投入台数が標準運用パターンにしたがって制御される直流き電システムにおいて、無駄な電源装置の稼働を減らすとともに、列車の遅延などが生じた場合などの電力不足の発生を回避することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

前記の目的を達成するために、本発明では、直流電鉄の各き電区間に設置される変電所毎の電源装置の投入台数を時系列に定めた標準運用パターンにしたがって、処理装置が各変電所の電源装置の投入と切断を制御する直流き電システムにおいて、前記処理装置は、前記標準運用パターンにしたがって前記投入台数の更新を行う所定の時刻毎に、運行管理システムから取得した在線情報と列車属性情報とに基づいて、各変電所の総必要電力を予測することによって、必要な投入台数を算出し、前記標準運用パターンの投入台数に過不足が生じる場合に過不足の台数を司令員に提示する機能を備えるものとした。

発明の効果

0008

本発明によれば、各変電所の電源装置の投入台数が標準運用パターンにしたがって制御される直流き電システムにおいて、無駄な電源装置の稼働を減らすとともに、列車の遅延などが生じた場合などの電力不足の発生を回避することができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明による直流き電システムの構成例を示すシステム構成図である。
標準運用パターンの設定例を示すタイムチャートである。
当日運用パターン設定処理フローチャートである。
必要台数算出用ヒステリシス曲線の例を示すグラフである。
必要台数算出用テーブルのデータ構成例を示す図である。
標準運用パターンからの投入台数変更例を示すタイムチャートである。
投入台数決定処理メインルーチン)のフローチャートである。
標準運用採否判定サブルーチンのフローチャートである。
標準運用復帰判定サブルーチンのフローチャートである。
必要台数算出サブルーチンのフローチャートである。
電源装置管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
対象装置決定処理のフローチャートである。
対象装置を決定するときの投入率と稼働率の計算例を示す図である。

実施例

0010

以下、本発明を実施するための形態につき、適宜図面を参照しながら詳しく説明する。

0011

図1は、本発明による直流き電システムSの構成を示すシステム構成図である。直流き電システムSは、き電線5を介して電車(列車)7に必要な直流電力を供給するためのシステムであり、路線に沿って数キロメートル間隔で設置される複数の変電所4と、それら各変電所4から供給する電力を統括管理する本発明の処理装置としての中央処理装置1と、電車7の運行状況を管理する運行管理システム3とを備えて構成される。

0012

エアセクション6によって分割される各き電区間のき電線5を介してそのき電区間に在線する電車7に電力を供給する変電所4には、それぞれが同等の電力供給能力を有する複数の電源装置42と、それら電源装置42の投入および切断を制御する投入/切断制御部41とが設置され、中央処理装置1から通信回線8を介して送信される指令にしたがって、各電源装置42の投入または切断が行われる。また各変電所4は、対応するき電区間に在線する上り下りの双方の電車7に同時に電力を供給するものとする。

0013

中央処理装置1には、表示/操作制御部11、当日運用パターン設定部12、投入台数決定部13、対象装置決定部14、運行情報取得部15、必要電力予測部16、必要台数算出部17、および投入/切断指令部18の各機能が備えられる。これら各機能は、中央処理装置1に内蔵される不図示のCPU(Central Processing Unit)が、ハードディスクなどから対応する所定のプログラムを不図示のRAM(Random Access Memory)にロードして実行することによって具現化される。

0014

また、ハードディスクなどに記録される当日属性情報21、標準運用パターンライブラリ22、必要台数算出用テーブル23、電源装置管理テーブル24には、前記各機能によって参照されたり記録されたりする各種情報が格納される。

0015

表示/操作制御部11は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示部と、キーボードマウスなどの操作部とを制御して、司令員に情報を提示したり、司令員からの入力を受け付けたりする機能をもつ。

0016

当日運用パターン設定部12は、当日の列車の運行開始時刻までに、当日適用すべき標準運用パターンを設定する機能をもつ。標準運用パターンとは、図2に例示するように、ほぼダイヤ通りに各列車が運行されているときに必要となる各変電所の電源装置の投入台数を、1日の運行開始から運行終了までをいくつかの時間帯(図2の例では2時間単位)に分けて各時間帯毎に定めたものである。
標準運用パターンは、季節曜日(平日/休日など)に対応した複数のパターンが標準運用パターンライブラリ22に登録され、その中から当日の運行条件適合するパターンが検索されて設定される。

0017

図3は、当日運用パターン設定部12が実行する当日運用パターン設定処理の詳細を示したフローチャートである。
当日運用パターン設定部12が起動されると、まず、ステップS11にて当日属性情報21を取得する。この当日属性情報21には、当日の日付、曜日などの情報が予め格納されているものとする。次に、取得した当日属性情報21のデータをパラメータとして、ステップS12にて標準運用パターンライブラリ22の中から当日に適合するパターンを検索し、ステップS13にて表示/操作制御部11を介して表示部にメッセージを表示するなどして司令員にそのパターンの承認要請する。その結果、キーボードやマウスなどから承認入力があれば(ステップS14で”Yes”)、ステップS15にて、そのパターンの詳細データを標準運用パターンライブラリ22から読み出して各変電所の当日の標準運用パターン(図2参照)を設定する。また、司令員の承認が得られなかった場合は(ステップS14で”No”)、ステップS12に処理を戻して別のパターンを検索し、承認が得られるまで上記の処理を繰り返す。

0018

当日運用パターン設定部12による当日の標準運用パターンの設定が完了すると、投入台数決定部13が起動される。投入台数決定部13は、各変電所の標準運用パターンと列車の在線状況に応じて実際に投入すべき電源装置の台数を決定して制御する機能をもつ。

0019

そのために、投入台数決定部13は、標準運用パターンにしたがって投入台数の更新を行う所定の時刻になると、まず運行情報取得部15に対して運行管理システム3から運行中の列車の在線情報および列車属性情報を取得するよう指示し、運行情報取得部15はそれらの情報を取得する。ここで、列車の在線情報とは、各列車がどのき電区間に在線してしているかを示す情報であり、列車属性情報とは、各列車の必要電力の予測に必要な電車7の型式車両数乗車率、空調使用の有無などの情報である。

0020

運行情報取得部15によって取得された列車属性情報は必要電力予測部16に引き渡され、必要電力予測部16によって各列車毎の必要電力の予測計算が実行される。ここで、計算される必要電力は、列車属性情報に基づいて算出される各列車のピーク電力であり、計算された各列車の必要電力は必要台数算出部17に引き渡される。

0021

必要台数算出部17は、運行情報取得部15によって取得された在線情報と、必要電力予測部16によって算出された各列車の必要電力とに基づいて、各変電所が供給すべき総必要電力を算出し、その供給に必要となる電源装置の投入台数を必要台数として算出する。この必要台数の算出には、図4に示した必要台数算出用ヒステリシス曲線が用いられる。

0022

図4において、横軸は変電所が供給すべき総必要電力を、縦軸は電源装置の必要台数を表す。矢印付きの実線および破線で描かれているグラフは、総必要電力に対する電源装置の必要台数を示すものであり、必要台数が変化する部分にヒステリシス特性を持たせることによって、総必要電力の微小な変化に対する必要台数の安定化が図られる。例えば、必要台数を2台から3台に増やすための基準値P3uは、必要台数を3台から2台に減らすための基準値P2dよりも大きく設定されているので、総必要電力が基準値P3dを超えて必要台数が2台から3台に増加した直後に一時的に基準値P3dを下回っても、その値がP2d以上であれば必要台数は3台のままと算出されるなど、必要台数が増減した直後における安定化を図ることができる。

0023

また、図5は、図4に示した必要台数算出用ヒステリシス曲線をテーブル形式で表した、必要台数算出用テーブル23のデータ構成例を示したものである。必要台数算出用テーブル23は、現投入台数niの値を示す現投入台数欄231を縦軸とし、必要台数xiの値を示す必要台数欄232を横軸とする2次元マトリクスとして構成され、マトリクス部233の各交点には、現投入台数に比べて必要台数が増減するときの基準値が格納される。例えば、マトリクス部233の2行目(ni=2)は、現投入台数が2台であるときの必要台数の算出基準が、必要台数を1台とするときはP1d未満、必要台数を3台とするときはP3u以上、必要台数を4台とするときはP4u以上であることを表している。

0024

なお、必要台数を算出する際には、当該変電所iに対応するき電区間i(図1参照)に在線しているすべての列車に対する総必要電力Piと、その両側の隣接き電区間i−1とi+1とに在線しているすべての接近中列車に対する総必要電力Pjとの大きい方の値を使用する。これは、変電所iは、現時点において、き電区間iに在線中の列車に対して電力を供給する必要があり、かつ、次の時間においては、隣接き電区間から入ってきたすべての列車に対して電力を供給する可能性があるからである。

0025

必要台数算出部17によって算出された必要台数は、投入台数決定部13に引き渡され、投入台数決定部13は、算出された必要台数と標準運用パターンにしたがった計画台数とが一致していればその値を次の時間帯における投入台数として決定し、両者が不一致の場合には、表示/操作制御部11を介して表示部にメッセージを表示するなどして司令員に算出された必要台数を提示してその承認を要請する。

0026

そして、司令員の承認が得られた場合、投入台数決定部13は、対象装置決定部14に対して必要台数分の電源装置の投入を指令し、対象装置決定部14は、各電源装置の運転をできるだけ均等化するように追加投入または切断の対象とする電源装置42を決定し、その決定内容を投入/切断指令部18を通じて当該変電所の投入/切断制御部41に送信させて、各電源装置42の投入または切断の制御を行う。

0027

また、投入台数決定部13は、標準運用パターンにしたがった計画台数とは異なる台数の投入を指令した場合、該当する変電所の在線情報に基づく総必要電力の監視を所定の周期で実行し、計画台数での運用が可能となった時点で投入台数を計画台数に戻すことにより標準運用パターンに復帰させる。

0028

図6は、ある変電所における電源装置の投入台数が、上記の投入台数決定部13によって、標準運用パターンから変更され、再び標準運用パターンに戻った場合の運用例のタイムチャートを示したものである。図6において、細い実線は当日の標準運用パターンを表し、太い実線は実際の投入台数の変化の経緯を表している。

0029

当日の運用開始時刻である午前4:00から午前6:00までの間は、標準運用パターンにしたがって1台の電源装置が投入されている。標準運用パターンでは午前6:00から2台に増やす計画であったが、予想よりも在線数が少なかったり乗車率が低かったりしたことなどにより、投入台数決定部13によって必要台数は1台と算出され、それが承認されて1台での運用が継続されている。その後、時刻t1において、投入台数決定部13によって必要台数が計画台数と同じ2台と算出されたことにより、この時点で標準運用パターンへの復帰が行われている。

0030

時刻t1から標準運用パターンでの運用が行われたのち、標準運用パターンでは午前10:00に3台から2台に減らす計画であったが、予想よりも在線数が多かったり乗車率が高かったりしたことなどにより、投入台数決定部13によって必要台数は3台と算出され、それが承認されて3台での運用が継続されている。その後、時刻t2において、投入台数決定部13によって必要台数が計画台数と同じ2台と算出されたことにより、この時点で標準運用パターンへの復帰が行われている。

0031

上記のように、標準運用パターンによる計画台数が増える場面においては、列車の在線数が増加するまで投入を遅らせることによって無駄な電源装置の稼働を減らすことができ、標準運用パターンによる計画台数が減る場面においては、列車の在線数が減少するまで切断を遅らせることによって電力不足の発生を回避することができる。

0032

以下、図7図10に示したフローチャートを参照して、前記各部において実行される処理の流れ詳しく説明する。

0033

図7は、投入台数決定部13が実行するメインルーチンである投入台数決定処理の流れを示すフローチャートである。なお、この投入台数決定処理から呼び出される標準運用採否判定および標準運用復帰判定の2つのサブルーチンの処理については、図8図9を用いて後記する。

0034

投入台数決定部13が起動されると、まずステップS1にて、標準運用パターンの運用開始時刻の到来を待つ(ステップS1で”No”)。例えば、図6の例のように、当日の運用開始時刻が午前4:00であれば午前4:00まで待つ。そして、運用開始時刻の午前4:00になったら(ステップS1で”Yes”)ステップS2以下の処理を開始する。

0035

ステップS2からS4までの一連の処理は、標準運用パターンにしたがって投入台数の更新が行われる所定の時刻毎(図6の例では午前4:00から2時間毎)に繰り返される。まず、ステップS2にて、運行情報取得部15に、運行中のすべての列車について、各列車の必要電力を予測するために必要な列車属性情報を運行管理システム3から取得させる。次に、ステップS3にて、必要電力予測部16に、取得した列車属性情報に基づいて運行中の全列車について必要電力を予測させる。そして、ステップS4にて、標準運用採否判定サブルーチンを呼び出すことによって、変電所毎に標準運用の採否を判定するとともに各変電所の電源装置の投入または切断の制御を実行させる。

0036

その結果、次の時間帯において標準運用パターンの計画台数が採用された場合(図6の例では午前4:00や午前8:00)は、その計画台数での運用が行われる。また、標準運用パターンの計画台数が採用されず、異なる台数の電源装置が投入された場合(図6の例では午前6:00や午前10:00)は、ステップS5からS7の処理によって、次の判定時刻が到来するまでの間、所定時間毎に標準運用パターンへの復帰可否の判定が行われる。

0037

図8は、図7のステップS4にて呼び出される標準運用採否判定サブルーチンのフローチャートである。
まず、ステップS21にて、運行情報取得部15に、運行中の全列車の在線情報、つまり、どの列車がどのき電区間に在線しているかを示す情報を運行管理システム3から取得させる。次に、ステップS22にて、判定対象の変電所iを選択し、ステップS23からS30の処理をすべての変電所について実行する。

0038

ステップS23では、必要台数算出サブルーチンを呼び出すことにより、必要台数算出部17に必要台数xiを算出させ、ステップS24にてその値が計画台数と等しいかどうかを判定する。必要台数xiと計画台数とが等しい場合は(ステップS24で”Yes”)、ステップS27にて投入指令台数niに計画台数の値を設定し、ステップS30にて対象装置決定部14に対して計画台数分の投入を指令する。

0039

他方、必要台数xiと計画台数とが等しくない場合は(ステップS24で”No”)、ステップS25にて、表示/操作制御部11を介して計画とは異なるxi台を投入することについての承認を司令員に要請し、承認された場合は(ステップS26で”Yes”)、ステップS28にて投入指令台数niに必要台数xiの値を設定し、ステップS29にて変電所iを監視対象に追加し、ステップS30にて対象装置決定部14に対して必要台数分の投入を指令する。承認されなかった場合は(ステップS26で”No”)、計画台数での運用が指示されたものとみなして、ステップS27にて投入指令台数niに計画台数の値を設定し、ステップS30にて対象装置決定部14に対して計画台数分の投入を指令する。
ステップS31では、全変電所の処理が終了していなければ(S31で”No”)ステップS22に処理を戻し、全変電所の処理が終了したら(S31で”Yes”)メインルーチンに処理を戻す。

0040

図9は、図7のステップS6にて呼び出される標準運用復帰判定サブルーチンのフローチャートである。
まず、ステップS41にて、運行情報取得部15に、運行中の全列車の在線情報、つまり、どの列車がどのき電区間に在線しているかを示す情報を運行管理システム3から取得させる。次に、ステップS42にて、監視対象の変電所iを選択し、ステップS43からS51の処理をすべての変電所について実行する。

0041

ステップS43では、必要台数算出サブルーチンを呼び出すことにより、必要台数算出部17に必要台数xiを算出させ、ステップS44にてその値が計画台数と等しいかどうかを判定する。必要台数xiと計画台数とが等しい場合は(ステップS44で”Yes”)、ステップS49にて投入指令台数niに計画台数の値を設定し、ステップS50にて変電所iを監視対象から除外し、ステップS51にて対象装置決定部14に対して計画台数分の投入を指令することで、変電所iを標準運用パターンに復帰させる。

0042

他方、必要台数xiと計画台数とが等しくない場合は(ステップS44で”No”)、さらにステップS45にて必要台数xiが現投入台数niと等しいかどうかを判定する。必要台数xiが現投入台数niと等しくない場合は(ステップS45で”No”)、ステップS46にて、表示/操作制御部11を介して計画とは異なるxi台を投入することについての承認を司令員に要請し、承認された場合は(ステップS47で”Yes”)、ステップS48にて投入指令台数niに必要台数xiの値を設定し、ステップS51にて対象装置決定部14に対して必要台数分の投入を指令する。

0043

また、必要台数xiが現投入台数niと等しい場合(ステップS45で”Yes”)、および、計画とは異なるxi台を投入することについての承認が得られなかった場合(ステップS47で”No”)は、投入台数の変更は不要のためそのままステップS52へ処理を進める。
ステップS52では、全変電所の処理が終了していなければ(S52で”No”)ステップS42に処理を戻し、全変電所の処理が終了したら(S52で”Yes”)メインルーチンに処理を戻す。

0044

図10は、図8のステップS23、および、図9のステップS43にて呼び出される必要台数算出サブルーチンの処理の詳細を示したフローチャートである。
必要台数算出部17は、まず、ステップS61にて、運行情報取得部15によって取得された在線情報と、必要電力予測部16によって算出された各列車の必要電力とを参照して、処理対象の変電所iのき電区間に在線中の全列車の必要電力の総和である総必要電力Piを算出する。

0045

次に、ステップS62にて、同様にして処理対象の変電所iのき電区間に隣接するき電区間i−1とi+1(図1参照)に在線している変電所iのき電区間へ接近中の全列車の必要電力の総和である総必要電力Pjを算出する。

0046

最後に、ステップS63にて、変電所iの電源装置の現投入台数niと、PiとPjとの最大値であるmax(Pi,Pj)とから、図5に示した必要台数算出用テーブル23を参照して必要台数xiを求める。例えば、
ni=2、かつ、P3u≦max(Pi,Pj)<P4u
ならば、求められる必要台数xiは3であり、
ni=2、かつ、max(Pi,Pj)<P1d
ならば、求められる必要台数xiは1である。

0047

続いて、対象装置決定部14が実行する電源装置の運転の均等化の方法について説明する。

0048

図11は対象装置決定部14によって参照される電源装置管理テーブル24のデータ構成例を示したものである。電源装置管理テーブル24には、変電所番号欄241、電源装置番号欄242、最新投入日時欄243、累積投入回数欄244、累積稼働時間欄245、運用開始日時欄246、およびその他欄247から成る電源装置レコードが、電源装置の数だけ格納される。

0049

変電所番号欄241と電源装置番号欄242とには、各電源装置42を識別するための変電所番号と電源装置番号とが登録される。最新投入日時欄243には、当該電源装置が投入中であるときには最新の投入日時が登録され、当該電源装置が切断中であるときにはブランク(図では「−」と表記。)が登録される。累積投入回数欄244と累積稼働時間欄245とには、それぞれ当該電源装置が運用開始されてからの累積投入回数と累積稼働時間とが登録される。運用開始日時欄246には、当該電源装置が運用開始された日時が登録される。また、その他欄247にはその他必要な情報が登録される。

0050

図11のデータ例は、変電所iに電源装置番号1〜4の4台の電源装置があり、電源装置番号1と3との2台が投入中で、他の2台は切断中であるときの様子を示したものである。

0051

図12は、投入台数決定部13によってある変電所で投入すべき台数が決定されたときに、具体的にどの電源装置を投入したり切断したりするかを決定するために、対象装置決定部14が実行する対象装置決定処理の流れを示したフローチャートである。

0052

対象装置決定部14は、まず、ステップS71にて、当該変電所の電源装置の現投入台数を変数k1に、投入台数決定部13によって決定された投入指令台数を変数k2にそれぞれ格納する。
次に、ステップS72にて、変数k1の値と変数k2の値とを比較し、両者が等しい場合は(ステップS72で”=”)、投入台数は変わらないのでそのまま処理を終了する。

0053

また、k1<k2の場合は(ステップS72で”<”)、電源装置を追加投入する必要があるので、ステップS73にて、現在切断中の電源装置(最新投入日時欄243が「−」となっているもの)の投入率を算出し、算出した投入率が小さい順にその中から(k2−k1)台を選択して追加投入を指令し、ステップS74にて、それらの電源装置の累積投入回数をカウントアップするとともに、ステップS75にて、最新投入日時を記録して処理を終了する。ここで、投入率とは、単位運用時間当たりの投入回数であり、累積投入回数を総運用日数で割ることによって算出される。

0054

他方、k1>k2の場合は(ステップS72で”>”)、電源装置を切断する必要があるので、ステップS76にて、現在投入中の電源装置(最新投入日時欄243に日時が記録されているもの)の稼働率を算出し、算出した稼働率が大きい順にその中から(k1−k2)台を選択して切断を指令し、ステップS77にて、それらの電源装置の最新投入日時からの経過時間を累積稼働時間に加えてその値を更新したのちに、ステップS78にて、最新投入日時をクリアして処理を終了する。なお、稼働率は、累積稼働時間を総運用時間(運用開始日時からの経過時間)で割ることによって算出される。

0055

図13は、図11に示した4台の電源装置について、2009年7月1日7:00時点での投入率と稼働率の値の計算例を示したものである。この例のように、前記した対象装置決定処理によれば、同一の変電所内の電源装置間では投入率、稼働率とも、ほぼ同一の値となるように運用が行われるので、電源装置の寿命のばらつきを小さくすることができる。

0056

以上にて、本発明を実施するための形態についての説明を終えるが、これに限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、中央処理装置1の機能は、運行管理システム3のコンピュータに搭載するようにしてもよいし、分散設置される複数のコンピュータに分散して搭載するようにしてもよい。また、変電所に設置される電源装置の容量はすべてが同一でなくてもよく、標準運用パターン以外の投入台数での運用を司令員の承認なしに自動で実行するようにしてもよい。電源装置の運転の均等化を図るための指標として、故障保守の情報などをも考慮するようにしてもよい。

0057

1中央処理装置(処理装置)
3運行管理システム
4変電所
5き電線
6エアセクション
7電車(列車)
8通信回線
11 表示/操作制御部
12 当日運用パターン設定部
13投入台数決定部
14対象装置決定部
15運行情報取得部
16 必要電力予測部
17 必要台数算出部
18投入/切断指令部
21 当日属性情報
22標準運用パターンライブラリ
23 必要台数算出用テーブル
24電源装置管理テーブル
31在線情報、列車属性情報
41 投入/切断制御部
42 電源装置
S直流き電システム

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