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技術 表示装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 和泉望
出願日 2009年6月23日 (11年6ヶ月経過) 出願番号 2009-149054
公開日 2011年1月13日 (9年11ヶ月経過) 公開番号 2011-008969
状態 特許登録済
技術分野 要素組合せによる可変情報用表示装置2 エレクトロルミネッセンス光源
主要キーワード バンク端 水分浸入経路 封止構成 離間領域 分断領域 異物起因 浸入経路 パターニング工程後
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

外部から表示領域への水分の浸入を防止するとともに、平坦化膜剥れを防止し、表示装置信頼性を向上する。

解決手段

回路基板上に有機発光素子が配置された表示領域を有する表示装置において、バンク分断するバンク分断分断を平坦化膜を分断する平坦化膜分断領域内に設けて平坦化膜の端部をバンクで覆うと共に、表示領域を覆う有機保護膜の端部をバンク分断領域よりも外側にある平坦化膜およびバンクとは離間して設け、無機保護膜で有機保護膜および表示領域のバンク端部までを覆う。

概要

背景

省電力化薄型化の観点から、近年は自発光型有機発光素子を用いた表示装置が注目されている。表示装置の表示領域には、一対の電極に挟まれた有機発光層を有する有機発光素子が複数配置されている。

有機発光素子は水分や酸素に極めて弱く、素子内に水分が存在すると劣化し、ダークスポットと呼ばれる非発光領域が発生したり、発光効率が低下したりする。このような劣化は表示機能の低下を招くため、防湿性の高い封止基板基板接着して表示領域を覆い、有機発光素子に水分や酸素等の侵入するのを防ぐ封止構成が用いられる。

また、光取り出し面積率を高めるため、トップエミッション型有機発光表示装置の開発が進められている。トップエミッション型の場合、TFT等からなる駆動回路の上に有機発光素子が形成される。有機発光素子を構成する膜は非常に薄く、駆動回路の凹凸によって段切れが生じ易い。そこで、表面を有機材料からなる平坦化膜で覆い、駆動回路の凹凸を平坦化しておくのが一般的である。

平坦化膜は、回路をプロセス中に受けるダメージから保護する役割も有している。基板面内の無駄なスペースを省くため、駆動回路は基板全体にわたって設けられ、平坦化膜も基板全体に形成されることが多い。

ところが、平坦化膜が基板全体に連続して形成されていると、封止基板の外に露出した平坦化膜から水分等が浸入する。そして平坦化膜を透過して有機発光素子へ到達し、素子の劣化を引き起こしてしまう。そこで、表示領域の周囲に平坦化膜が除去された分断領域を設け、分断領域の外側で封止基板を基板に接着する方法が特許文献1に開示されている(図5参照)。平坦化膜に設けた分断領域により、平坦化膜を介する水分浸入経路を断ち、有機発光素子が水分等で劣化するのを防ぐことが可能となる。

有機発光素子を水分から保護する別の方法として、特許文献2には、有機材料からなる有機保護膜で表示領域を覆い、前記有機保護膜とその縁部、およびその周囲を無機保護膜で覆う封止構成が開示されている。有機保護膜で表示領域表面にプロセス中に付着する異物起因の凹凸を平坦化した後、防湿性の高い無機保護膜で覆うため、表面の凹凸に起因する無機保護膜の欠陥を低減することができ、保護膜の防湿性を高める事ができる。

概要

外部から表示領域への水分の浸入を防止するとともに、平坦化膜の剥れを防止し、表示装置の信頼性を向上する。回路基板上に有機発光素子が配置された表示領域を有する表示装置において、バンク分断するバンク分断分断を平坦化膜を分断する平坦化膜分断領域内に設けて平坦化膜の端部をバンクで覆うと共に、表示領域を覆う有機保護膜の端部をバンク分断領域よりも外側にある平坦化膜およびバンクとは離間して設け、無機保護膜で有機保護膜および表示領域のバンク端部までを覆う。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

駆動回路の設けられた回路基板と、前記駆動回路を覆う有機材料からなる平坦化膜と、前記平坦化膜の上に配置された複数の有機発光素子と、前記複数の有機発光素子を含む表示領域と、前記平坦化膜の上に設けられ、前記複数の有機発光素子のそれぞれの発光領域に対応した複数の開口を有する、有機材料からなるバンクと、前記表示領域を覆う有機材料からなる有機保護膜と、前記有機保護膜を覆う無機材料からなる無機保護膜と、を備える表示装置であって、前記平坦化膜を前記表示領域とその周辺領域とに分ける平坦化膜分断領域と、前記バンクを前記表示領域とその周辺領域とに分けるバンク分断領域とを有しており、前記バンク分断領域は前記平坦化膜分断領域の中に設けられ、前記バンク分断領域に沿って前記平坦化膜の端部は前記バンクによって覆われており、前記有機保護膜は、前記周辺領域の平坦化膜およびバンクと離間して設けられ、前記無機保護膜は、前記有機保護膜の端部および前記表示領域のバンクの端部までを覆っていることを特徴とする表示装置。

請求項2

前記有機保護膜の端部の位置を決める立体構造を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。

請求項3

前記立体構造が、前記平坦化膜もしく前記バンクを構成する材料からなることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。

請求項4

前記表示領域の有機発光素子と前記有機保護膜との間に、無機下地膜が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表示装置。

技術分野

0001

本発明は有機発光素子を用いた表示装置に関する。

背景技術

0002

省電力化薄型化の観点から、近年は自発光型の有機発光素子を用いた表示装置が注目されている。表示装置の表示領域には、一対の電極に挟まれた有機発光層を有する有機発光素子が複数配置されている。

0003

有機発光素子は水分や酸素に極めて弱く、素子内に水分が存在すると劣化し、ダークスポットと呼ばれる非発光領域が発生したり、発光効率が低下したりする。このような劣化は表示機能の低下を招くため、防湿性の高い封止基板基板接着して表示領域を覆い、有機発光素子に水分や酸素等の侵入するのを防ぐ封止構成が用いられる。

0004

また、光取り出し面積率を高めるため、トップエミッション型有機発光表示装置の開発が進められている。トップエミッション型の場合、TFT等からなる駆動回路の上に有機発光素子が形成される。有機発光素子を構成する膜は非常に薄く、駆動回路の凹凸によって段切れが生じ易い。そこで、表面を有機材料からなる平坦化膜で覆い、駆動回路の凹凸を平坦化しておくのが一般的である。

0005

平坦化膜は、回路をプロセス中に受けるダメージから保護する役割も有している。基板面内の無駄なスペースを省くため、駆動回路は基板全体にわたって設けられ、平坦化膜も基板全体に形成されることが多い。

0006

ところが、平坦化膜が基板全体に連続して形成されていると、封止基板の外に露出した平坦化膜から水分等が浸入する。そして平坦化膜を透過して有機発光素子へ到達し、素子の劣化を引き起こしてしまう。そこで、表示領域の周囲に平坦化膜が除去された分断領域を設け、分断領域の外側で封止基板を基板に接着する方法が特許文献1に開示されている(図5参照)。平坦化膜に設けた分断領域により、平坦化膜を介する水分浸入経路を断ち、有機発光素子が水分等で劣化するのを防ぐことが可能となる。

0007

有機発光素子を水分から保護する別の方法として、特許文献2には、有機材料からなる有機保護膜で表示領域を覆い、前記有機保護膜とその縁部、およびその周囲を無機保護膜で覆う封止構成が開示されている。有機保護膜で表示領域表面にプロセス中に付着する異物起因の凹凸を平坦化した後、防湿性の高い無機保護膜で覆うため、表面の凹凸に起因する無機保護膜の欠陥を低減することができ、保護膜の防湿性を高める事ができる。

先行技術

0008

特開2004−335267号公報
特開2003−282240号公報

発明が解決しようとする課題

0009

有機保護膜と無機保護膜とを積層した保護膜による封止は、薄型化、軽量化、低コスト化の点で、封止基板を用いた封止よりも好ましい。ところが、基板全体に連続した平坦化膜を有する表示装置を封止する場合、特許文献2をそのまま適用しても十分にな封止性能は得られない。なぜなら、表示領域を有機保護膜で覆い、有機保護膜の縁部とその周辺を無機保護膜で覆っただけでは、平坦化膜を透過して表示領域内へ水分等が浸入してしまうからである。

0010

一方、特許文献1のように平坦化膜に分断領域を設けた基板を封止する場合、有機保護膜が分断領域を越えて形成されると、水分等が平坦化膜と有機保護膜とを介して表示領域内へ浸入してしまう。また、分断領域に接する平坦化膜の端部からエッチャントが染み込んで平坦化膜が剥がれ易くなり、十分に駆動回路を保護できず、表示装置の表示性能保証できないという課題も生じる。

課題を解決するための手段

0011

前記課題を解決するため、本発明にかかる表示装置は、
駆動回路の設けられた回路基板と、
前記駆動回路を覆う有機材料からなる平坦化膜と、
前記平坦化膜の上に配置された複数の有機発光素子と、
前記複数の有機発光素子を含む表示領域と、
前記平坦化膜の上に設けられ、前記複数の有機発光素子のそれぞれの発光領域に対応した複数の開口を有する、有機材料からなるバンクと、
前記表示領域を覆う有機材料からなる有機保護膜と、
前記有機保護膜を覆う無機材料からなる無機保護膜と、
を備える表示装置であって、
前記平坦化膜を前記表示領域とその周辺領域とに分ける平坦化膜分断領域と、
前記バンクを前記表示領域とその周辺領域とに分けるバンク分断領域とを有しており、
前記バンク分断領域は前記平坦化膜分断領域の中に設けられ、前記バンク分断領域に沿って前記平坦化膜の端部は前記バンクによって覆われており、
前記有機保護膜は、前記周辺領域の平坦化膜およびバンクと離間して設けられ、
前記無機保護膜は、前記有機保護膜の端部および前記表示領域のバンクの端部までを覆っていることを特徴とする。

発明の効果

0012

本発明の表示装置によれば、平坦化膜の端部をバンクで覆うことにより、バンクのエッチャントなどが平坦化膜の端部からしみ込んで平坦化膜が剥れ易くなるのを防止し、駆動回路を十分に保護することが可能となる。さらに、有機保護膜の端部を、水分遮断領域よりも外側にある平坦化膜およびバンクと離間して設けるため、有機材料からなる部材を介した水分の浸入経路遮断することができる。その結果、水分による有機発光素子の劣化が抑制された、信頼性の高い表示装置を作製することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の実施例1にかかる表示装置の平面図および部分断面図。
本発明にかかる平坦化膜のレイアウト例。
本発明の実施例2にかかる表示装置の平面図および部分断面図。
本発明の比較例にかかる表示装置の部分断面図。
従来技術にかかる表示装置の部分断面図。

0014

本発明の実施形態について、図1を用いて構成要素ごとに説明した後、それらの製造方法について説明する。

0015

図1(a)は本発明の実施形態に係る表示装置の平面図、図1(b)は図1(a)のD−D’線における断面図である。表示装置は、有機発光素子が複数配置された表示領域Aを有している。

0016

(回路基板)
本発明では、ガラス等の絶縁性支持基板101には、絶縁性支持基板101に含まれる不純物がTFTに悪影響を与えないように無機材料からなるアンダーコート層(不図示)を設ける。そしてアンダーコート層の上に、有機発光素子を動作させるための駆動回路および外部接続端子112を形成する。本発明において、駆動回路は、表示領域内に有機発光素子ごとに設けられる画素回路102、もしくは画素回路102を駆動するための周辺回路103、もしくはその両方を意味している。画素回路102と周辺回路103とは不図示の配線により電気的に接続されている。駆動回路には、多結晶シリコン(以下p−Si)、或いは非晶質シリコン(以下a−Si)等からなるTFTを有するアクティブマトリクス回路を好適に用いることができる。TFTは、シリコン膜の他に、ゲート酸化膜層間絶縁膜、などを有する公知の構成を採用することができる。以下、駆動回路が設けられた絶縁性支持基板を、単に回路基板と呼ぶ。回路基板を、さらに窒化珪素或いは酸化珪素等の無機絶縁膜で覆うと、TFTの信頼性を高めることができる。

0017

(平坦化膜)
駆動回路が形成された側の回路基板面には、アクリル樹脂ポリイミド樹脂等の有機材料からなる平坦化膜104が形成する。表示領域Aの周囲であって、かつ駆動回路の設けられていない領域の平坦化膜を除去することにより、平坦化膜104を表示領域Aと周辺領域Cとに分ける平坦化膜分断領域Bが形成される。

0018

例えば、図2(a)に示すように、画素回路102と周辺回路103との間に平坦化膜分断領域Bを設けると良い。また、図2(b)に示すように、一部の周辺回路103を表示領域Aに含め、残りの周辺回路を周辺領域Cに含めるように平坦化膜分断領域を設けても良い。図2(c)のように、周辺回路が表示領域Aの全周ではなく周囲の一部分に配置されている場合、周辺回路が配置されていない領域には平坦化膜を形成する必要はない。言い換えると、図2(b)や図2(c)の場合は、平坦化膜分断領域Bは表示領域Aの周囲の必要な部分にだけに形成すればよい。ただし、周辺回路が配置されていない領域にも平坦化膜を形成し、表示領域Aの全周に平坦化膜分断領域を設けても構わない。

0019

平坦化膜分断領域Bをパターニング形成する際、表示領域Aの平坦化膜104には、後に形成する第一電極105と画素回路102とを電気的に接続するためのコンタクトホール111を複数パターニングしておく。

0020

(第一電極)
平坦化膜上には、コンタクトホール111を介して画素回路102に接続する第一電極105が、有機発光素子ごとに設けられる。第一電極105には、Al、Ag、Au、ITO、IZO、ZnOなど、有機発光素子の電極として公知の材料を用いることができる。

0021

(バンク)
平坦化膜104、及び第一電極105上には、有機発光素子の発光領域に応じた開口を有するバンク106が形成される。バンク106は、第一電極105の端部とその周囲を覆い、後に堆積する有機化合物層が第一電極の膜厚による段差部で段切れしないようにするとともに、有機発光素子の発光領域を規定する役割がある。そして、平坦化膜と同様に、表示領域Aの周囲にバンクを除去した領域が設けられる。

0022

バンクを除去する領域を平坦化膜分断領域B内に設け、かつ、バンクを除去する幅を平坦化膜分断領域の幅よりも小さくしておくと、平坦化膜分断領域Bに沿って平坦化膜の端部はバンクで覆われる。そして、バンク分断領域領域は、平坦化膜およびバンクが共に除去されているため、回路基板もしくは回路基板を覆う無機絶縁膜が表面に露出する。以下、バンクを除去した領域を、バンク分断領域(図中のB’)と呼ぶ。

0023

分断領域B’に沿って平坦化膜端部がバンクによって覆われるため、平坦化膜端部からバンクパターニング時にエッチャントが浸入して平坦化膜が剥離し易くなる不具合を防止し、駆動回路を保護する機能を高めることができる。

0024

バンク106の材料には有機絶縁材料が好ましく、具体的には、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料が好適に用いられる。バンク106が平坦化膜104と同一の材料からなる場合は、バンク106をエッチングする際に平坦化膜104までエッチングしてしまうため、バンク106を平坦化膜104を覆うように保護するのが望ましい。

0025

(有機化合物層)
第一電極105上には有機発光層を含む有機化合物層107が形成される。有機化合物層107は前記有機発光層の他に、ホール注入層ホール輸送層電子注入層電子輸送層等の機能を持つ層を有しても良い。有機化合物層107の各層には、公知の材料を用いることができる。

0026

(第二電極)
有機化合物層107上に第二電極108を形成して、有機発光層が一対の電極に挟まれた有機発光素子が形成される。第二電極108には第一電極105と同様の材料を用いることが出来る。ただし、有機発光素子で発光した光を取り出すため、第一電極105もしくは第二電極108の少なくとも一方を透明にしておかなければならない。そのため、光取り出し側に形成する電極には、ITOやIZOなどの酸化物導電膜や、Ag、Alなどの金属薄膜からなる半透過導電膜、あるいはそれらを積層した膜が好適に用いられる。

0027

(保護膜)
第二電極108上に、有機保護膜109と無機保護膜110からなる保護膜を形成する。

0028

保護膜の形成工程までに、複数回のパターニング工程や真空成膜工程を経て、基板の上には複数の有機発光素子が形成される。これらの工程で生じるエッチング残渣や、真空装置内壁から剥がれた膜等の付着により、保護層を形成する面には凹凸ができてしまう。この凹凸段差は、プロセスや真空装置等の作成条件により異なるが、5μm以下のものが一般的である。このような凹凸表面を無機保護膜だけで保護しようとすると、膜厚が薄い場合は、凹凸を覆いきれずに無機保護膜に欠陥ができて水分が浸入する。凹凸を充分に覆うために凹凸段差以上の厚い無機保護膜を形成すると、膜応力が大きくなって亀裂が入り易くなる上に、製造のタクト及びコストが増大する。

0029

そこで、無機保護膜を形成する前に、有機保護膜109を形成して保護層形成面の凹凸を平坦化しておく。有機保護膜109は、表示領域に生じる凹凸段差と同等以上の膜厚に形成する。一般的な製造工程による凹凸段差と製造コストとを考慮すると、5〜30μmの膜厚が好ましい。

0030

有機保護膜109の端部は、分断領域B’もしくは表示領域に、周辺領域の平坦化膜およびバンクとは離間して配置する。有機保護膜109が周辺領域の平坦化膜もしくはバンク106と接すると、平坦化膜104もしくはバンク106を伝って、外部から浸入した水分が有機保護膜109を介して表示領域Aに浸入し、有機発光素子の劣化を引き起こすからである。

0031

有機保護膜109の表面は凹凸が小さく滑らかであることが好ましいため、液状で基板上に塗布ができ、その後硬化して固体にできる材料が好適に用いられる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂ポリエーテル樹脂エポキシ系樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。

0032

次に、防湿性の高い無機保護膜110で有機保護膜109の表面を覆う。無機保護膜110は、有機保護層109よりも広い領域に形成して、バンク分断領域B’で露出している回路基板もしくは無機絶縁膜と接触させる。このようにバンク分断領域B’で無機材料同士を接触させて有機材料による水分浸入経路が断たつことにより、有機発光素子に水分が浸入するのを防止することができる。無機保護膜110には、窒化珪素、酸化珪素、もしくはその混合物もしくは積層が好適に用いられる。有機保護膜109の表面は滑らかで平坦であるため、0.5〜3μmの膜厚の無機保護膜110で、水分の浸入を防ぐことができる。

0033

ここで図3(b)に示すように、少なくとも有機保護膜109形成前の表示領域Aに、機械的強度の高い材料からなる無機下地膜201を形成しておいてもよい。無機下地膜を形成しておけば、有機保護膜109材料が硬化する際の硬化収縮や硬化後の膜応力が有機発光素子に伝わらず、膜剥がれ等の不良を防止することができる。無機下地膜201を設けると、有機保護膜として使用できる有機保護膜材料硬化収縮率や膜膜応力の幅が広がり、使用できる樹脂材料の種類を増やすことができるという利点もある。

0034

無機下地膜201には、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化珪素等を用いることができる。また、無機下地膜201には、無機保護膜110のような水分等の浸入を防止する機能は必要でないため、膜厚は0.1〜1μm程度で良い。

0035

無機下地膜201は、表示領域Aだけでなく、バンク分断領域B’および周辺領域Cに設けても良い。バンク分断領域B’に無機下地膜201を設けた場合、バンク分断領域B’には、無機下地膜201は回路基板もしくは無機絶縁膜と接し、無機保護膜110は無機下地膜201と接する領域が形成される。この場合も、バンク分断領域B’に有機材料がなく無機材料が互いに接する領域ができるため、表示領域への水分の侵入を防止することができる。

0036

(製造方法)
本発明にかかる表示装置の製造方法について説明する。

0037

TFT、駆動回路、および無機絶縁膜は、従来の方法でガラス等の絶縁性基板上に形成することができる。

0038

駆動回路を形成した側の基板面に、大気中で有機材料をスピンコーターで塗布した後に硬化し、平坦化膜104とする。続いてフォトリソグラフィを用いて表示領域Aの周囲の平坦化膜104の一部を除去し、平坦化膜分断領域Bをパターニングする。この時、同時に表示領域内の平坦化膜に、画素回路102毎にコンタクトホール111を形成しておく。

0039

第一電極105の形成には、スパッタリング法蒸着法など、平坦化膜に影響を与えない温度で形成可能な方法を用いる。例えばAlとITOの積層膜をスパッタリング法で形成し、フォトリソグラフィにて有機発光素子に対応したパターンを形成する。第一電極105は平坦化膜104に形成したコンタクトホール111を介して画素回路102に電気的に接続される。

0040

バンク106は、平坦化膜104と同様に、スピンコーターで基板全体に形成した後、フォトリソグラフィにてパターニングされる。バンク106には、第一電極105の端部を覆いかつ有機発光素子の発光領域に対応する開口と、バンク分断領域B’とを形成する。バンク分断領域を平坦化膜分断領域内に設けることにより、表示領域Aの周囲には平坦化膜およびバンクが除去された領域が形成され、バンク分断領域B’に沿って平坦化膜104の端部はバンクで覆われる。パターニング工程後は、アニールして平坦化膜104やバンク106に含まれる水分を除去し、後に形成する有機発光素子が平坦化膜やバンクに含まれる水分で劣化するのを防ぐ。

0041

有機化合物層107は従来の材料を用いて、蒸着法、レーザー転写法インクジェットを用いた塗布法等で形成することが出来る。蒸着法において、有機化合物層107を有機発光素子ごとに膜厚や材料を変えて形成する場合は、メタルマスクを用いて形成する。有機化合物層107を形成した後、無機保護膜110を形成するまでは露点管理した雰囲気中で工程を行い、工程中に水分が有機発光素子へ浸入するのを防止する。

0042

有機保護膜109は周辺領域の平坦化膜およびバンクとは離間して形成する。バンク分断領域B’が設けられた辺では、有機保護膜109の端部は分断領域B’の外端よりも表示領域側に位置するように形成する。有機保護膜109の端部を所定の位置に形成するには、描画可能なディスペンサースクリーン印刷法等を用い、あらかじめ塗布手段の塗布精度を考慮して広い幅に分断領域B’を形成する方法がある。分断領域B’の幅が広くなると、その分出来上がった表示装置の額縁が広くなってしまうため、塗布精度の高い塗布手段を採用し、分断領域B’の幅を20〜200μmとするのが好ましい。

0043

有機保護膜109の端部位置を決める別の方法として、有機部保護膜109の端部位置に立体構造を設けても良い。立体構造として、溝や土手、若しくはそれらの組み合わせが挙げられる。立体構造を設けることにより、塗布後の材料が塗布面を伝って広がる際の抵抗となり、所定の位置で広がりを止めることができ、粘度の低い樹脂材料を有機保護膜に用いることが可能となる。粘度の低い材料を有機保護膜に用いる場合は、立体構造を複数設けると良い。

0044

立体構造を、表示装置を構成するバンク材料や平坦化膜材料で形成すると、バンク106や平坦化膜104の形成と同時に立体構造を形成することができるため、プロセスや材料を追加が不要となり好ましい。

0045

塗布した有機保護膜材料は、加熱、或いはUV照射により硬化する。

0046

無機保護膜110や図4に示した無機下地膜201の形成には、プラズマCVD法、スパッタリング法等の成膜法を好適に用いることができる。

0047

図1(a)、図1(b)を用いて、本実施例を説明する。

0048

まず、縦100mm、横100mm、厚さ0.5mmのガラス基板上に、p−SiからなるTFTを備える駆動回路を形成し、回路基板を得た。複数の画素回路102を表示領域Aに、画素回路102を駆動するための周辺回路103を表示領域Aを囲む周辺領域Cに形成した。回路基板の上には、SiNからなる無機絶縁膜を形成した。

0049

続いて、無機絶縁膜の上にフォトレジタイプの紫外線硬化性アクリル樹脂をスピンコーターを用いて塗布し、コンタクトホール111と平坦化膜の平坦化膜分断領域Bのパターンを有するフォトマスクを載せて、1800mWの照度露光した。さらに現像液現像し、200℃でポストベークして、コンタクトホール111と平坦化膜分断領域Bを有する膜厚2μmの平坦化膜104を形成した。平坦化膜分断領域Bは、表示領域Aの外周より350μm外側の位置から幅を200μmで形成した。

0050

次に、膜厚100nmのAlと膜厚50nmのIZOとの積層膜からなる第一電極105を、スパッタリング法により形成した。第一電極105は、平坦化膜が形成された基板の全面に形成した後、フォトリソグラフィにて画素回路102に対応してパターニングした。第一電極105は前記コンタクトホール111を通じて各画素回路102に電気的に接続された。

0051

第一電極105までが形成された回路基板の表面全体に、スピンコーターでポリイミド樹脂を厚さ1.6μmに塗布した後、各画素の発光領域とバンク分断領域B’とに形成されたポリイミド樹脂をフォトリソグラフィで除去し、バンク106を形成した。分断領域B’は、平坦化膜分断領域Bの幅方向の両端から5μmずつ平坦化膜分断領域Bの内側の位置にバンク端部が形成されるように、幅190μmで形成した。

0052

バンク106までが形成された基板を、圧力10−2Pa、150℃雰囲気下で10分加熱した後、表示領域Aの第一電極105上に有機化合物層107を形成した。有機化合物層107には、公知の有機材料からなるホール輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層を、抵抗加熱蒸着法を用いて積層形成した。

0053

続いて、積層した有機化合物層107上にはIZOからなる第二電極108を、スパッタリング法により50nmの膜厚で表示領域A全体に形成した。

0054

次に、表示領域に無機下地膜202としてCVD法にて窒化珪素を0.3μm形成した。その後、露点温度60℃の窒素雰囲気下で、粘度3000mPa・sの熱硬化性エポキシ樹脂精密描画が可能なディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製SHOTMINI SL)を用いて塗布した。エポキシ樹脂の端部は、ディスペンサー吐出口の描く外周がバンク分断領域B’の幅方向の中心線をなぞるようにして塗布したところ、幅190μmのバンク分断領域B’内に配置することができた。塗布後のエポキシ樹脂は、真空環境下で100℃の温度で15分間加熱して硬化させ、膜厚30μmの有機保護膜109とした。

0055

さらに、窒化珪素からなる無機保護膜110を、SiH4ガス、N2ガス、H2ガスを用いたプラズマCVD法で成膜した。無機保護膜110の膜厚は1μmとし、有機保護膜の端部を含む全面およびバンク分断領域、および周辺領域を連続して覆うように形成した。

0056

以上のようにして作製した表示装置に対して、温度60℃、湿度90%環境下での保存試験を行ったところ、1000時間の保存試験の結果においても、ダークスポットは発生しなかった。

0057

本実施例の表示装置の断面を図3に示す。図3(a)は平面図、図3(b)はD−D’ラインで切断した断面図である。

0058

本実施例は、平坦化膜分断領域Bを実施例1と同様に形成し、バンクを二重に分断し、バンク分断領域B’1とB’2との間に残したバンクを、有機保護膜の端部位置を決める立体構造201として利用した点が実施例1と異なっている。無機下地膜は、SiN膜をCVD法にて0.2μm形成した。なお、図1と共通の番号を付した構成は、実施例1と同じ部材を表しており、同様に形成した。

0059

バンク分断領域B’1およびB’2は、幅40μmで20μmの間隔をおいて二重に形成した。塗布した有機保護膜の材料は、表示領域側に形成されたバンク分断領域B’1で止まり、バンク分断領域B’2にまで広がることは無かった。

0060

出来上がった表示装置を、温度60℃、湿度90%環境下での保存試験を行ったところ、1000時間の保存試験の結果においても、ダークスポットは発生しなかった。

実施例

0061

〈比較例〉
図4に示すように、有機保護膜109の端部をバンクのバンク分断領域B’の外側に形成した以外は実施例1と同様にして表示装置を作製し、温度60℃、湿度90%環境下で1000時間の保存試験を行った。保存試験の結果、約20ヶ所でダークスポットの拡大が確認された。

0062

101基板
102画素回路
103周辺回路
104平坦化膜
106バンク
109有機保護膜
110無機保護膜
A 表示領域
B 平坦化膜分断領域
B’ バンク離間領域
C周辺領域
201立体構造
202無機下地膜
B’1表示領域側離間領域(立体構造)
B’2 外側離間領域

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