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技術 樹脂成形体である被締結部材に形成された締結用の貫通孔に配置される繊維強化複合材である補強部材及び貫通孔に補強部材が配置された被締結部材の締結構造

出願人 株式会社豊田自動織機
発明者 神谷隆太
出願日 2009年6月22日 (11年5ヶ月経過) 出願番号 2009-147369
公開日 2011年1月6日 (9年10ヶ月経過) 公開番号 2011-002069
状態 特許登録済
技術分野 型の被覆による成形、強化プラスチック成形 板の接続 プラスチック等のライニング、接合
主要キーワード 貫通孔周囲 応力軸 圧入精度 樹脂注入通路 三次元織物 減圧通路 折り返し状 積層糸群
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

樹脂成形体である被締結部材に形成された締結用の貫通孔繊維強化複合材である補強部材が配置される場合において、貫通孔周囲クリープ変形を抑制することができる。

解決手段

炭素繊維である芯糸2及び組糸3は組紐状組織に形成されている。繊維強化複合材である補強部材1は、貫通孔4に固定可能な円筒状の円筒部5及び、円筒部5の上端下端から貫通孔4の半径方向外方に形成された円環状の第1フランジ部6及び第2フランジ部7からなる。繊維強化複合材である被締結部材10と金属材12はボルト8により締結されている。ボルトの頭部8aは第1フランジ部6に当接している。貫通孔4の内周面において、ボルト8と接触する領域に円筒部5が隙間なく配置されている。円筒部5において芯糸2は貫通孔4の軸4a方向に向きかつ少なくとも貫通孔4の一方の開口部から他方の開口部に亘って配向されている。

概要

背景

樹脂成形体は軽量の構造材であり、ボルト及びナット等の締結部材により他の部品に取り付けて使用される場合がある。しかし、他の部材に直接取り付けられた樹脂成形体は締結力によりクリープ変形を生じ、締結部材の軸力が低下する。そのために、樹脂成形体と他の部材とを締結した場合、緩みが生じるという問題がある。このような樹脂成形体の取り付け上の問題を解消するため、一般的には、例えば特許文献1に開示されているような金属パイプを用いた取り付け方法が多く用いられている。

特許文献1には、回転検出装置を備えたハウジング車載エンジンに取り付けた構造が開示されている。ハウジングは車載エンジンへ取り付けるためのフランジとともに樹脂成形されている。フランジに形成された貫通孔には、金属パイプがインサート成形により挿入され、一体化されている。ハウジングは金属パイプに通したボルトを車載エンジンの雌ネジに締結することにより取り付けられている。

特許文献2には、樹脂マトリックスとして強化繊維を含有した繊維強化複合材と他の部材との締結構造が開示されている。繊維強化複合材にはボルトが挿入される貫通孔が備えられており、貫通孔の内周面には高弾性率の強化繊維が同心円状に巻きつけられている。

特許文献3には、板状に形成された弾性体の上下に樹脂層が形成されたサンドイッチ構造板に、締結部材が取り付けられた構造が開示されている。サンドイッチ構造板にはボルトが挿入される貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には繊維強化複合材が取り付けられている。繊維強化複合材はマトリックスである樹脂と、貫通孔の軸方向に対して斜めに配向された強化繊維とで構成されている。繊維強化複合材には、貫通孔の両端から側方に突出したフランジ部が形成されており、ボルト及びナットで締結されたサンドイッチ構造板において、フランジ部はボルトの頭部及びナットと樹脂層に挟まれている。

概要

樹脂成形体である被締結部材に形成された締結用の貫通孔に繊維強化複合材である補強部材が配置される場合において、貫通孔周囲のクリープ変形を抑制することができる。炭素繊維である芯糸2及び組糸3は組紐状組織に形成されている。繊維強化複合材である補強部材1は、貫通孔4に固定可能な円筒状の円筒部5及び、円筒部5の上端下端から貫通孔4の半径方向外方に形成された円環状の第1フランジ部6及び第2フランジ部7からなる。繊維強化複合材である被締結部材10と金属材12はボルト8により締結されている。ボルトの頭部8aは第1フランジ部6に当接している。貫通孔4の内周面において、ボルト8と接触する領域に円筒部5が隙間なく配置されている。円筒部5において芯糸2は貫通孔4の軸4a方向に向きかつ少なくとも貫通孔4の一方の開口部から他方の開口部に亘って配向されている。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

締結部材挿入可能な樹脂成形体である被締結部材貫通孔の内部に配置される補強部材であり、樹脂マトリックスとして強化繊維を含有する繊維強化複合材である補強部材において、前記補強部材の少なくとも一部の強化繊維は前記貫通孔の軸方向を向きかつ少なくとも前記貫通孔の一方の開口部から他方の開口部に亘って配向されることを特徴とする補強部材。

請求項2

前記被締結部材は繊維強化複合材であることを特徴とする請求項1に記載の補強部材。

請求項3

前記強化繊維は組紐状組織に形成されることを特徴とする請求項1及び2に記載の補強部材。

請求項4

前記補強部材は前記貫通孔の少なくとも一方の開口部から前記貫通孔の半径方向外方に突出して設けられかつ前記被締結部材と当接するフランジ部を有することを特徴とする請求項3に記載の補強部材。

請求項5

締結部材と、前記締結部材が挿入可能な貫通孔を有する樹脂成形体である被締結部材と、樹脂をマトリックスとして強化繊維を含有する繊維強化複合材である補強部材と、前記被締結部材と締結される他の部材とからなり、前記締結部材により前記被締結部材が前記他の部材に締結される被締結部材の締結構造において、前記補強部材は前記貫通孔の内部に配置され、前記補強部材の少なくとも一部の前記強化繊維は前記貫通孔の軸方向を向きかつ少なくとも前記貫通孔の一方の開口部から他方の開口部に亘って配向されることを特徴とする被締結部材の締結構造。

技術分野

0001

本発明は、樹脂成形体である被締結部材に形成された締結用の貫通孔に配置される繊維強化複合材である補強部材及び貫通孔に補強部材が配置された被締結部材の締結構造に関する。

背景技術

0002

樹脂成形体は軽量の構造材であり、ボルト及びナット等の締結部材により他の部品に取り付けて使用される場合がある。しかし、他の部材に直接取り付けられた樹脂成形体は締結力によりクリープ変形を生じ、締結部材の軸力が低下する。そのために、樹脂成形体と他の部材とを締結した場合、緩みが生じるという問題がある。このような樹脂成形体の取り付け上の問題を解消するため、一般的には、例えば特許文献1に開示されているような金属パイプを用いた取り付け方法が多く用いられている。

0003

特許文献1には、回転検出装置を備えたハウジング車載エンジンに取り付けた構造が開示されている。ハウジングは車載エンジンへ取り付けるためのフランジとともに樹脂成形されている。フランジに形成された貫通孔には、金属パイプがインサート成形により挿入され、一体化されている。ハウジングは金属パイプに通したボルトを車載エンジンの雌ネジに締結することにより取り付けられている。

0004

特許文献2には、樹脂マトリックスとして強化繊維を含有した繊維強化複合材と他の部材との締結構造が開示されている。繊維強化複合材にはボルトが挿入される貫通孔が備えられており、貫通孔の内周面には高弾性率の強化繊維が同心円状に巻きつけられている。

0005

特許文献3には、板状に形成された弾性体の上下に樹脂層が形成されたサンドイッチ構造板に、締結部材が取り付けられた構造が開示されている。サンドイッチ構造板にはボルトが挿入される貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には繊維強化複合材が取り付けられている。繊維強化複合材はマトリックスである樹脂と、貫通孔の軸方向に対して斜めに配向された強化繊維とで構成されている。繊維強化複合材には、貫通孔の両端から側方に突出したフランジ部が形成されており、ボルト及びナットで締結されたサンドイッチ構造板において、フランジ部はボルトの頭部及びナットと樹脂層に挟まれている。

先行技術

0006

特開2006−275270号公報
実開昭63−172628号公報
実開平2−105075号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1では、ボルトの締結力は金属パイプにのみ作用し、樹脂材料成形されたフランジにかからないため、樹脂のクリープによる緩みの問題を解消することができる。 しかし、ボルトが挿入される貫通孔に金属パイプを一体化する方法は金属パイプの高い取り付け精度を必要とする。例えば、金属パイプを前記フランジにインサート成形する場合は、特許文献1の発明のように、金属パイプの端面とボルトの頭部及び車載エンジンとの間に樹脂が介在されないように精度の高い成形技術が必要となる。また、金属パイプを貫通孔に圧入する方法では、貫通孔の精度や金属パイプの圧入精度を高める必要があるため、加工工数が増加し、加工作業も煩雑になる。また、金属パイプの使用は重量増加に繋がり、樹脂材料による軽量化という利点を阻害することにもなる。

0008

特許文献2では、貫通孔に挿入されたボルトを締結した場合、貫通孔の内周面に強化繊維が配向されているため、繊維強化複合材の座屈が防止される。しかし、貫通孔の内周面に配向された強化繊維の隙間には樹脂が存在し、強化繊維の隙間の樹脂がクリープすることでボルトが緩むという問題がある。また、強化繊維を密に配置し樹脂の量を少なくした場合には、強化繊維同士が接触して強化繊維の隙間に樹脂が存在しなくなる。このように強化繊維が樹脂を介さずに配置されると、強化繊維同士が接着されない。

0009

特許文献3では、サンドイッチ構造板の貫通孔に挿入されたボルトを締結した場合、貫通孔の内周面に繊維強化複合材が配置されている。そのため、ボルトの軸力による樹脂層のクリープ変形が抑制される。また、繊維強化複合材で形成されたフランジ部により貫通孔の周囲が補強される。繊維強化複合材が取り付けられたサンドイッチ構造板をボルトで締結した場合、斜めに配向された強化繊維の交差角が広がるために繊維強化複合材が変形され厚みが変化する。特許文献3では繊維強化複合材の厚みをボルトの軸力により変形されたサンドイッチ構造板の厚みと対応させることで、サンドイッチ構造板の締結構造を維持している。そのため、内部に弾性体が存在しないサンドイッチ構造板のような樹脂成形体の貫通孔に特許文献3の繊維強化複合材を適用した場合は、ボルトを締結することによる樹脂成形体の表面のクリープ変形に追随して繊維強化複合材の厚みが減少するという問題がある。

0010

本発明は、樹脂成形体である被締結部材に形成された締結用の貫通孔に繊維強化複合材である補強部材が配置される場合において、貫通孔周囲のクリープ変形を抑制することができる。

課題を解決するための手段

0011

請求項1に記載の本発明は、締結部材が挿入可能な樹脂成形体である被締結部材の貫通孔の内部に配置される補強部材であり、樹脂をマトリックスとして強化繊維を含有する繊維強化複合材である補強部材において、前記補強部材の少なくとも一部の強化繊維は前記貫通孔の軸方向を向きかつ少なくとも前記貫通孔の一方の開口部から他方の開口部に亘って配向されることを特徴とする。

0012

請求項1に記載の本発明によれば、少なくとも一部の強化繊維が貫通孔の軸方向を向きかつ少なくとも貫通孔の一方の開口部から他方の開口部に亘って配向された場合において、補強部材の圧縮弾性率を被締結部材の樹脂の圧縮弾性率よりも大きくすることができる。そのため、貫通孔に締結部材が挿入されて被締結部材が他の部材と締結された場合において、被締結部材の貫通孔周囲におけるクリープ変形を抑制することができる。

0013

なお、補強部材が貫通孔の内部に配置されるとは、少なくとも一部の補強部材が貫通孔の内部において貫通孔の内周面に隙間なく密着している場合に加え、補強部材と貫通孔の内周面との間に隙間が存在し、隙間を介して少なくとも一部の補強部材が貫通孔の内部に配置される場合を含む。

0014

また、強化繊維が真っ直ぐな形状である場合においての、強化繊維が貫通孔の軸方向を向いて配向されるとは、強化繊維が貫通孔の軸と平行に配向される場合に加え、強化繊維の配向方向(繊維軸の方向)が貫通孔の軸(応力軸)に対して少しずれた方向を向いている場合を含む。繊維軸と応力軸のなす角度が0°である場合、強化繊維が含有された繊維強化複合材の圧縮弾性率は最大になる。繊維軸と応力軸のなす角度が小さければ、繊維強化複合材の圧縮弾性率は最大に近い。例えば、繊維軸と応力軸のなす角度が0°の場合における繊維強化複合材の圧縮弾性率を100%としたとき、繊維軸と応力軸のなす角度が10°の場合における繊維強化複合材の圧縮弾性率は80%である。そのため、好ましくは強化繊維の配向方向と貫通孔の軸とのなす角度は10°以内である。

0015

また、束状の強化繊維が組紐状あるいは織物状等に形成される際に、束状の強化繊維同士が接触される箇所に強化繊維に曲がる、折れる等の変形が生じる場合において、強化繊維が貫通孔の軸方向を向いて配向されるとは、強化繊維の長手方向(繊維軸の方向)が貫通孔の軸と平行に配向される場合に加え、強化繊維の長手方向が貫通孔の軸に対して少しずれた方向を向いている場合を含む。好ましくは強化繊維の長手方向と貫通孔の軸とのなす角度は10°以内である。

0016

なお、補強部材の少なくとも一部の強化繊維が少なくとも貫通孔の一方の開口部から他方の開口部に亘って配向されるとは、強化繊維が貫通孔の軸方向に隙間なく配向されることを指し、貫通孔の軸方向の長さより短い強化繊維が貫通孔の軸方向に配向されており、貫通孔の両開口部の間に強化繊維が配向されない領域(隙間)が生じる場合を除く。

0017

請求項2に記載の本発明は、前記被締結部材は繊維強化複合材であることを特徴とする。前記補強部材が配置される被締結部材は強化繊維を含有するため、被締結部材においてクリープの原因である樹脂の量が減少する。そのため、被締結部材が強化繊維を含有しない場合と比べて被締結部材のクリープ抑制効果を高めることができる。

0018

請求項3に記載の本発明は、前記強化繊維は組紐状組織に形成されることを特徴とする。よって、強化繊維を円筒形状に継ぎ目なく形成できるため、補強部材を貫通孔の内部に密着させられる。

0019

請求項4に記載の本発明は、前記補強部材は前記貫通孔の少なくとも一方の開口部から前記貫通孔の半径方向外方に突出して設けられかつ前記締結部材と前記被締結部材に挟まれるフランジ部を有することを特徴とする。そのため、フランジ部により締結部材の応力を分散させることができ、貫通孔の内部に配置された補強部材と被締結部材の間に生じる割れや亀裂が防止される。

0020

請求項5に記載の本発明は、締結部材と、前記締結部材が挿入可能な貫通孔を有する樹脂成形体である被締結部材と、樹脂をマトリックスとして強化繊維を含有する繊維強化複合材である補強部材と、前記被締結部材と締結される他の部材とからなり、前記締結部材により前記被締結部材が前記他の部材に締結される被締結部材の締結構造において、前記補強部材は前記貫通孔の内部に配置され、前記補強部材の少なくとも一部の前記強化繊維は前記貫通孔の軸方向を向きかつ少なくとも前記貫通孔の一方の開口部から他方の開口部に亘って配向されることを特徴とする。そのため、被締結部材を他の部材と締結する際の、締結部材の緩みを抑制することができる。

発明の効果

0021

本発明は、樹脂成形体である被締結部材に形成された締結用の貫通孔に繊維強化複合材である補強部材が配置される場合において、貫通孔周囲のクリープ変形を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の第1の実施形態に係る芯糸2及び組糸3を説明する模式図である。
(a)は本発明の第1の実施形態に係る補強部材1を説明する模式図、(b)は本発明の第1の実施形態に係る補強部材1の端面形状を説明する模式図である。
本発明の第1の実施形態に係る被締結部材10の締結構造を説明する断面模式図である。
本発明の第2の実施形態に係る補強部材15を説明する模式図である。
本発明の第2の実施形態に係る被締結部材18の締結構造を示す断面模式図である。

実施例

0023

(第1の実施形態)
第1の実施形態を図1図3に基づいて説明する。なお、図示の都合上、一部の寸法を誇張して分かり易くしてある。このことは、他の実施形態でも同じである。

0024

図1に示すように、補強部材1は熱硬化性樹脂をマトリックスとして強化繊維としての炭素繊維を含有した繊維強化複合材である。補強部材1において炭素繊維は束状の繊維束に形成されている。芯糸2及び組糸3は炭素繊維からなり、真っ直ぐに配向された芯糸2に対して組糸3が交互にかつ斜めに交わされることにより、組紐状組織に形成されている。

0025

図2(a)に示すように、補強部材1は、後述する図3に示す貫通孔4に固定可能な円筒状に形成された円筒部5及び、円筒部5の上端及び下端から貫通孔4の半径方向外方に形成された第1フランジ部6、第2フランジ部7からなる。第1フランジ部6及び第2フランジ部7は円環状である。円筒部5、第1フランジ部6及び第2フランジ部7において、炭素繊維は芯糸2及び組糸3からなる組紐状組織に形成されている。円筒部5において、芯糸2は円筒部5の高さ方向を向いており、芯糸2は円筒部5の一方の端面から他方の端面に亘って配向されている。

0026

図2(b)は図2(a)における補強部材1の上端側(第1フランジ部6側)の端面である。図2(b)に示すように、第1フランジ部6は中心に後述するボルト8を挿入可能な径である円形孔9を有した円環状である。円形孔9の内径は、補強部材1の円筒部5の内径に一致している。第1フランジ部6は、ボルト8の頭部8aよりも外径が大きく形成されている。なお、第2フランジ部7も第1フランジ部6と同様の円環状である。

0027

次に、補強部材1が配置される被締結部材10を説明する。
図3に示すように、被締結部材10は熱硬化性樹脂である樹脂をマトリックスとして束状の強化繊維である炭素繊維束11を含有し、板状に形成されている。被締結部材10において炭素繊維束11は、互いに直交するX,Y,Z軸方向に配向された三次元構造三次元繊維組織に形成されている。
被締結部材10には締結部材であるボルト8が挿入される貫通孔4が形成されている。貫通孔4の断面はボルト8が挿入可能な径である円形に形成されている。被締結部材10の貫通孔4の内周面(貫通孔4の内部の周面)には補強部材1の円筒部5が隙間なく固定されている。被締結部材10における貫通孔4の上端及び下端には、円筒部5が配置されている。また、補強部材1の円筒部5の上端部から円形孔9の半径方向(貫通孔4の半径方向)外方に形成された第1フランジ部6が、被締結部材10の上面と当接して配置されている。補強部材1の円筒部5の下端部から円形孔9の半径方向(貫通孔4の半径方向)外方に形成された第2フランジ部が、被締結部材10の底面と当接して配置されている。

0028

図3に従って被締結部材10の締結構造を説明する。
被締結部材10は次のように他の部材である金属材12と締結されている。金属材12は締結用の貫通孔13を有している。被締結部材10の下面と金属材12の上面とは対向して配置されており、被締結部材10に形成された締結用の貫通孔4の軸4aと、金属材12に形成された締結用の貫通孔13の軸13aとが一致している。締結部材であるボルト8は被締結部材10に形成された貫通孔4に挿入され、ボルト8の頭部8aにおける座面は第1フランジ部6からはみ出さずに配置されている。貫通孔4の内周面において、ボルト8と接触する領域に補強部材1の円筒部5が配置されており、貫通孔4の内周面は補強部材1の円筒部5が隙間なく固定されている。

0029

円筒部5において、芯糸2は貫通孔4の軸4a方向を向いて配向されている。円筒部5は、被締結部材10の板厚よりも長く形成されており、芯糸2は貫通孔4の一方の開口部から他方の開口部に亘って配向されている。補強部材1の円筒部5の下端部から貫通孔4の半径方向外方に形成された第2フランジ部7は、貫通孔4の下端部から側方に配置されており、被締結部材10の底面(被締結部材10における金属材12側の面)と当接している。第2フランジ部7は被締結部材10と金属材12とに挟まれている。ボルト8の先端は金属材12に形成された貫通孔13を通って金属材12の下方に突出しており、ナット14により締め付けられている。

0030

次に、補強部材1及び被締結部材10の製造方法を説明する。
束状の炭素繊維である炭素繊維束11を準備する。平板状の支持体において、支持体の所定の位置にボルト8の軸が挿入可能な径であるパイプを支持体のなす平面に対し垂直な方向(Z軸方向)に立てて配置する。支持体内に所定のピッチピンを支持体のなす平面に対し垂直な方向(Z軸方向)に立てて配置する。パイプの設けられた領域を除いて、ピンに直交するX,Y軸方向に炭素繊維束11を折り返し状に配列し、炭素繊維束11が層状に形成された強化繊維層を形成する。

0031

次に、強化繊維層を積層してX,Yの2軸配向となる積層糸群を形成する。支持体内のピンを取り除き、積層糸群をなす各糸層と直交する方向(Z軸方向)に配列される厚さ方向糸(垂直糸)と置換する。積層糸群を厚さ方向糸で結合する。支持体内のパイプを取り除き、互いに直交するX,Y及びZ軸方向にそれぞれ伸びる炭素繊維束11からなる三次元繊維組織を形成する。なお、三次元繊維組織とは被締結部材10においてマトリックスである樹脂が含浸される前の三次元構造の炭素繊維束11である。三次元繊維組織にはパイプが取り除かれた領域に、貫通孔4が形成される。

0032

束状の炭素繊維からなる芯糸2及び組糸3を準備する。断面がボルト8の軸心を挿入可能な径である円柱芯材を用意する。組紐状組織を形成する装置である三次元ブレーダー(ロータキャリア方式三次元織物織機)の中心(形成する組紐状組織の軸心)に芯材を配置した状態で、芯材の外周部に補強部材1を構成する組紐状組織を形成する。なお、組紐状組織とは補強部材1においてマトリックスである樹脂が含浸される前の芯糸2及び組糸3からなる集合体である。芯材の軸方向(Z軸方向)に向いて芯糸2を配列し、A,Bの2軸方向に組糸3を配列する。ここでA,B軸は芯糸2の方向(Z軸方向)に対して斜めでありかつ、A軸とB軸が交わる方向である。

0033

三次元ブレーダーにより、芯糸2をZ軸方向に保持しつつ芯糸2と組糸3を組み合せて組紐状組織を形成する。組紐状組織はZ軸方向の長さが貫通孔4の高さに対応した長さに形成される。組紐状組織の外周が貫通孔4の内周に対応する形状に組紐状組織を形成する。組紐状組織から芯材を取り除き、円筒状の組紐状組織である組紐円筒部を得る。なお、組紐円筒部は補強部材1における円筒部5に対応しており、マトリックスである樹脂が含浸される前の組紐状に形成された炭素繊維である。

0034

組紐円筒部の上端及び下端部に、円環状の組紐状組織である組紐フランジ部を組紐円筒部と連続して形成する。なお、組紐フランジ部とは補強部材1における第1フランジ部6及び第2フランジ部7に対応しており、マトリックスである樹脂が含浸される前の組紐状に形成された炭素繊維である。組紐フランジ部は、組紐円筒部の上端及び下端から連続した芯糸2及び組糸3を組み合せて、組紐円筒部と連続して形成される。

0035

三次元繊維組織の貫通孔4に組紐状組織を挿入し、組紐状組織の端部を三次元繊維組織の貫通孔4から突出させて配置する。挿入の際に、組紐フランジ部は貫通孔4の径を通過可能に折り曲げられている。挿入により組紐円筒部が貫通孔4の内周面に対応して配置され、組紐フランジ部が三次元繊維組織における貫通孔4の上端及び下端に配置される。組紐フランジ部は貫通孔4の上端及び下端において、元の形状(円環状)に広げられる。組紐フランジ部は全ての領域で三次元繊維組織と接して配置される。

0036

三次元繊維組織に固定された組紐状組織は成形型を用いて成形体に成形される。成形型は上型下型からなり、型締め状態において型内を減圧にする減圧通路と、型内に樹脂を注入する樹脂注入通路とを備えている。下型には組紐状組織の組紐円筒部の内径に対応する断面である円柱状の凸部が形成されている。上型が開かれた状態で、組紐円筒部が凸部を囲繞しかつ凸部と接するように、組紐状組織を下型に配置する。次に上型を閉じて型内を真空に近い状態まで減圧した状態で、マトリックスとしての熱硬化性樹脂を型内に注入し、三次元繊維組織及び組紐状組織に含浸する。
次に成形型を図示しない加熱手段によって三次元繊維組織及び組紐状組織を樹脂の熱硬化温度以上に加熱し、含浸した樹脂を硬化する。成形型の温度が低下した後に成形型を開き、樹脂が硬化した成形体を下型から取り出す。なお、成形体は三次元繊維組織及び組紐状組織並びにマトリックスとしての樹脂からなる繊維強化複合材であり、被締結部材10及び補強部材1が一体に形成されたものである。

0037

第1の実施形態における補強部材1及び被締結部材10の作用を説明する。
被締結部材10における貫通孔4の内周面に補強部材1が固定されており、補強部材1において芯糸2が貫通孔4の軸4a方向(被締結部材10の板厚方向)を向いてかつ少なくとも貫通孔4の一方の開口部から他方の開口部に亘って連続して配向されており、芯糸2はボルト8の頭部8a及び金属材12と当接している。芯糸2の配向方向は被締結部材10に応力がかかる方向である。すなわち繊維軸と応力軸のなす角度は0°である。被締結部材10の貫通孔4にボルト8が挿入されて、被締結部材10が金属材12と締結された場合、ボルト8の締結による軸力は貫通孔4の内周面において、貫通孔4の軸4a方向を向いて配向された炭素繊維である芯糸2に分担される。被締結部材10のマトリックスである熱硬化性樹脂の圧縮弾性率に比べ、補強部材1において、芯糸2が貫通孔4の軸4a方向に配向された場合(繊維軸と応力軸のなす角度が0°である場合)の圧縮弾性率は40倍程度大きい。そのため、ボルト8の締結力による被締結部材10のマトリックスである樹脂のクリープが抑制され、被締結部材10の変形を防ぐことができる。

0038

被締結部材10において主にクリープを生じるのは、被締結部材10がボルト8と当接された領域(ボルトの頭部8aと当接する領域及び貫通孔4の内部)である。被締結部材10の板厚が十分薄い場合、被締結部材10においてボルト8の頭部8aと当接する任意の点における応力と、貫通孔4の内部における任意の点における応力は同等である。そのため、少なくとも貫通孔4の内部に芯糸2が貫通孔4の軸4a方向を向いて配向されていれば、被締結部材10がボルト8の頭部8aと当接された領域に芯糸2が配向されない場合であっても、貫通孔4の内部にかかるボルト8の応力を芯糸2が分担することで、貫通孔4の内部の被締結部材10への応力集中が低減される。

0039

被締結部材10はマトリックスとしての樹脂に加え、炭素繊維束11を含有する。被締結部材10は炭素繊維束11を含有しない場合に比べてクリープの原因である樹脂の量が少ない。そのため、補強部材1が締結される被締結部材として被締結部材10を用いることで、クリープを抑制する効果を高められる。

0040

貫通孔4の内部に補強部材1を隙間なく密着させるためには、補強部材1における円筒部5の外周を円形に形成する必要がある。反物状の織物に形成された炭素繊維を筒状に形成する場合、織物の端部を縫い合わせて接合する必要があり、継ぎ目が生じる。これに対し、炭素繊維である芯糸2及び組糸3からなる組紐状組織により炭素繊維を筒状に形成する場合では、端部を接合する必要がないため、補強部材1を継ぎ目のない円筒状に形成することができる。従って、補強部材1を貫通孔4の内部に隙間なく密着させることが可能となる。

0041

また、組紐状組織により補強部材1を形成することで、補強部材1の円筒部5と第1フランジ部6及び第2フランジ部7とを連続して形成することができる。

0042

クリープ抑制効果を高めるには、貫通孔4の内部を含む領域において、少なくとも一部の炭素繊維が貫通孔4の軸4a方向を向いて配向される必要がある。そのため、炭素繊維の向きを安定して配置できることが望ましい。炭素繊維である芯糸2及び組糸3を組み上げて組紐状組織が形成される場合では、芯糸2は芯糸2に対して斜めに配向された組糸3により固定されるので、芯糸2の位置及び方向を安定させることができる。従って、補強部材1において芯糸2を貫通孔4の軸4a方向に安定して配置することができ、被締結部材10のクリープ抑制効果を高めることができる。

0043

強化繊維の向きが異なる繊維強化複合材を接合した場合や、樹脂と繊維強化複合材を接合した場合には、接合部である界面において層間剥離が生じる。被締結部材10の貫通孔4の内周面に補強部材1の円筒部5が固定された場合、被締結部材10と補強部材1との界面に応力が集中してかかると亀裂が生じる恐れがある。補強部材1は第1フランジ部6及び第2フランジ部7を有するため、被締結部材10と補強部材1との界面は第1フランジ部6及び第2フランジ部7に覆われる。従って、ボルト8の頭部8aからの応力は界面に直接かからず第1フランジ部6及び第2フランジ部7により分散される。そのため、補強部材1と被締結部材10の間に生じる割れや亀裂を防止することができる。

0044

被締結部材10の貫通孔4の内周面に補強部材1が固定されており、貫通孔4に挿入されたボルト8により被締結部材10が金属材12と締結されている。貫通孔4の内周面に補強部材1が固定されているため、被締結部材10と金属材12をボルト8により締結する場合において、ボルト8の緩みを抑制することができる。

0045

補強部材1における円筒部5の上端及び下端に第1フランジ部6及び第2フランジ部7が設けられる場合、成形後の補強部材1を被締結部材10の貫通孔4に嵌め込むことができない。これに対し、第1の実施形態では三次元繊維組織に組紐状組織が組み合された後に樹脂を含浸することで補強部材1と被締結部材10を一体形成するため、第1フランジ部6及び第2フランジ部7が設けられた補強部材1を被締結部材10の貫通孔4に固定することができる。
さらに、補強部材1を被締結部材10の貫通孔4に圧入する必要がないため、被締結部材10に形成される貫通孔4の加工精度や補強部材1の圧入精度を高めなくてもよく加工が容易になる。

0046

補強部材1はマトリックスとしての樹脂と炭素繊維とからなり、金属製の部材ではない。そのため、特許文献1のように金属パイプを取り付ける場合に生じる、締結構造における重量の増加を防ぐことができる。また、貫通孔4に金属製の別部材を一体化する場合には、精度の高い成形技術が必要となるが、補強部材1を用いた締結構造では、金属製の別部材を一体化する場合と比べて成形が容易である。
また、補強部材1が固定された被締結部材10においては、被締結部材10を廃棄する際に被締結部材10とインサートされた金属製の別部材とを分離する必要がないため、リサイクル時にかかるコストを低減できる。

0047

被締結部材10は、補強部材1の円筒部5に対応した断面形状の円柱である凸部を有する成形型により成形される。成形型に樹脂を注入した場合、成形型の凸部には樹脂が回らないため、被締結部材10の凸部に対応する領域には成形の段階で締結用の貫通孔4が形成されている。そのため、成形後の被締結部材10に締結用の貫通孔4を形成する必要がなく、被締結部材10に工具で貫通孔4を形成する場合に、工具の刃具痛む恐れがない。

0048

前記した第1の実施形態は以下の作用効果を有する。
(1)ボルト8が挿入される貫通孔4を有し被締結部材10のマトリックスとしての熱硬化性樹脂よりも圧縮弾性率が大きい補強部材1は被締結部材10の貫通孔4の内周面に固定され、貫通孔4の内周面において芯糸2は貫通孔4の軸4a方向を向きかつ少なくとも貫通孔4の一方の開口部から他方の開口部に亘って連続して配向されている。貫通孔4の軸4a方向を向いて芯糸2が配向された場合における補強部材1の弾性率は熱硬化性樹脂よりも大きいため、貫通孔4にボルト8が挿入されて被締結部材10が金属材12と締結された場合において、ボルト8の応力による被締結部材10のクリープ変形を抑制することができる。

0049

(2)被締結部材10は炭素繊維である炭素繊維束11を含有するので、炭素繊維束11を含有しない被締結部材と比べてクリープの原因である樹脂の量が少ない。そのため、被締結部材10のクリープ抑制効果を高めることができる。

0050

(3)炭素繊維である芯糸2及び組糸3は組紐状組織に形成されるため、炭素繊維を円筒形状に継ぎ目なく形成でき、補強部材1を貫通孔4の内部に密着させられる。

0051

(4)補強部材1は芯糸2及び組糸3からなる組紐状組織により形成されている。従って、補強部材1において芯糸2を貫通孔4の軸4a方向に安定して配向することができ、被締結部材10のクリープ抑制効果を高めることができる。

0052

(5)被締結部材10の貫通孔4に補強部材1を介してボルト8が挿入されることで被締結部材10を金属材12と締結されているため、被締結部材10を金属材12と締結する際の、ボルト8の緩みを抑制することができる。

0053

(6)被締結部材10の貫通孔4に補強部材1を固定するため、貫通孔4に金属製の部材を取り付けた場合に生じる、重量の増加を防ぐことができる。

0054

(7)貫通孔4に金属材12のような金属製の別部材を一体化する場合には、精度の高い成形技術が必要となるが、補強部材1を用いた締結構造では、金属製の別部材を一体化する場合と比べて成形が容易である。

0055

(8)補強部材1が固定された被締結部材10においては、被締結部材10を廃棄する際に被締結部材10とインサートされた金属製の別部材とを分離する必要がないため、リサイクル時にかかるコストを低減できる。

0056

(10)補強部材1は被締結部材10と一体成形されている。そのため、補強部材1を被締結部材10に圧入する必要がなく、被締結部材10に形成される貫通孔4の加工精度や補強部材1の圧入精度を高めなくてもよい。

0057

(11)被締結部材10には成形時において、成形型の下型の凸部にあたる領域に締結用の貫通孔4が形成されている。そのため、成形後の被締結部材10に締結用の貫通孔4を形成する必要がない。

0058

(12)炭素繊維である芯糸2及び組糸3は組紐状組織に形成されるため、補強部材1の円筒部5と第1フランジ部6及び第2フランジ部7とを連続して形成することができる。

0059

(13)補強部材1は第1フランジ部6及び第2フランジ部7を有するため、第1フランジ部6及び第2フランジ部7によりボルト8の応力を分散させることができ、貫通孔4の内部に配置された補強部材1と被締結部材10の間に生じる割れや亀裂が防止される。

0060

(14)被締結部材10と補強部材1は一体に成形されるため、補強部材1を被締結部材10の貫通孔4に嵌め込む必要がない。従って、補強部材1において第1フランジ部6及び第2フランジ部7が設けられた補強部材1を被締結部材10の貫通孔4の内部に固定することができる。

0061

(第2の実施形態)
図4及び図5に示す第2の実施形態は、第1の実施形態における補強部材1の形状及び補強部材1における芯糸2の配向方向を変更したもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。

0062

図4に示すように、補強部材15は円筒状に形成されている。円筒状の補強部材15は第1の実施形態における補強部材1の円筒部5に対応する。組糸17は芯糸16と同じ太さであり、芯糸16に対して交互にかつ斜めに交わされることにより組紐状組織に形成されている。芯糸16は組糸17と組み合された箇所において一部で図示しない屈曲を生じている。補強部材15において、芯糸16の長手方向が円筒の軸(後述する貫通孔20の軸20a)に対して5°傾いて配向されている。なお、芯糸16の長手方向とは芯糸16において屈曲した箇所を除き、芯糸16が配向されている方向を指す。

0063

被締結部材18は熱硬化性樹脂をマトリックスとし束状の炭素繊維である炭素繊維束19を含有する繊維強化複合材である。被締結部材18は板状に形成されており、炭素繊維束19は互いに直交するX,Y,Z軸方向に配向された三次元構造に形成されている。被締結部材18には締結用の貫通孔20が備えられている。補強部材15の外周面は被締結部材18の貫通孔20の内周面と対応した形状に形成されている。

0064

図5に示すように、成形された補強部材15は被締結部材18における貫通孔20の内周面に装着されている。補強部材15の外周面は、貫通孔20の内部において貫通孔20の内周面との間に嵌め込みに要する図示しない隙間を介して配置されている。被締結部材18の下面と金属材21の上面とは重ね合わせて配置されており、被締結部材18に形成された締結用の貫通孔20の軸20aと金属材21に形成された締結用の貫通孔22の軸22aとが一致している。貫通孔20及び貫通孔22にはボルト23が挿入されており、被締結部材18と金属材21はボルト23及びナット24により締結されている。

0065

従って、この実施形態によれば、第1の実施形態における(1)〜(8)と同様の効果の他に次の効果を得ることができる。

0066

(15)補強部材15には第1フランジ部6及び第2フランジ部7が形成されないため、第1フランジ部6及び第2フランジ部7を形成するのに必要な材料及び加工にかかるコストを削減することができる。

0067

(16)補強部材15には第1フランジ部6及び第2フランジ部7が形成されないため、成形後の補強部材15を被締結部材18の貫通孔20に嵌め込むことができる。

0068

本発明は、前記した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、次のように実施することができる。

0069

○第1の実施形態及び第2の実施形態において、被締結部材10,18及び補強部材1,15を構成する強化繊維は炭素繊維でなくてもよい。例えばガラス繊維であってもよい。被締結部材10,18及び補強部材1,15に用いられる強化繊維の種類は1種類でなくてもよい。例えば補強部材1,15において芯糸2,16が炭素繊維であり、組糸3,17がガラス繊維であるように複数の種類の強化繊維が用いられてもよい。また、例えば補強部材1,15において組糸3,17に芯糸2,16よりも充分に細い糸を使用してもよい。その場合、組糸3,17による芯糸2,16の屈曲を少なくできる。

0070

○第1の実施形態において、ボルト8の頭部8aにおける座面を第1フランジ部6からはみ出さずに配置できる形状であれば、円環状でなくてもよい。第1フランジ部6の径がボルト8の頭部8aの径よりも小さい場合、ボルト8の頭部8aと被締結部材10が接触するために、被締結部材10にクリープ変形が生じる。また、第1フランジ部6の径が大きすぎる場合、重量が増すという問題がある。このため、第1フランジ部6の径はボルト8の頭部8aの径よりわずかに大きい程度であることが望ましい。好ましくは、第1フランジ部6の径は、(第1フランジ部6の径)=(ボルト8の頭部8aの径)+(0.2×(被締結部材10の板厚))であるのがよい。

0071

○第1の実施形態において、補強部材1の第1フランジ部6及び第2フランジ部7は芯糸2及び組糸3により組紐状組織に形成される際に、円筒部5と連続して形成されなくてもよい。例えば、束状の強化繊維により、円筒部5と第1フランジ部6あるいは第2フランジ部7とが別に形成された後に、樹脂により円筒部5と第1フランジ部6あるいは第2フランジ部7とが接合されてもよい。

0072

○第1の実施形態において、補強部材1に必ずしも第1フランジ部6及び第2フランジ部7が設けられていなくても良い。第1フランジ部6及び第2フランジ部7のいずれか一方が設けられていてもよく、第1フランジ部6及び第2フランジ部7が設けられていなくてもよい。また、第2フランジ部7の形状は円環状でなくても良い。例えば、ボルト8の頭部8aより径が小さくてもよい。

0073

○第1の実施形態において、第1フランジ部6及び第2フランジ部7が被締結部材10の表面から突出して配置されなくてもよい。例えば、被締結部材10において貫通孔4の周囲は第1フランジ部6及び第2フランジ部7の厚みの分だけ板厚が薄く成形されており、第1フランジ部6及び第2フランジ部7が貫通孔4の端部に配置されることで、被締結部材10と第1フランジ部6及び第2フランジ部7の表面が平面をなしてもよい。この場合、被締結部材10の貫通孔4の周囲においては、特開2007−268941に開示されるように、繊維体積含有率(Vf)が高くなるため、クリープ抑制効果が高まる。

0074

○第1の実施形態において、第1フランジ部6が当接される締結部材はボルト8でなくてもよい。例えば、ボルト8が金属材12の貫通孔13側から挿入されて、被締結部材10の貫通孔4の上端から突出したボルト8の先端に対してナット14が締結された場合に第1フランジ部6がナット14と当接されてもよい。

0075

○第1の実施形態において、補強部材1と被締結部材10とは一体に成形されなくてもよい。補強部材1と被締結部材10とがそれぞれ別に成形されて、成形後の被締結部材10に形成された貫通孔4に補強部材1が嵌め込まれてもよい。

0076

○第1の実施形態において、補強部材1及び被締結部材10の製造方法は第1の実施形態に記載した方法に限らず、従来の繊維強化複合材の製造方法及び組紐状組織の製造方法並びに三次元織物の製造方法により製造されてもよい。

0077

○第1の実施形態及び第2の実施形態において、補強部材1,15が配置される被締結部材10,18には強化繊維が含有されていなくてもよい。例えば樹脂成形体であってもよい。

0078

○第1の実施形態及び第2の実施形態において、少なくとも貫通孔4,20の内部において炭素繊維が貫通孔4,20の軸4a,20a方向を向いて配向されていれば、炭素繊維が組紐状組織に形成されていなくてもよい。例えば、平織りあるいは袋織り状の織物により形成されていてもよい。また、例えば貫通孔に対応する形状の凸部を有する成形型を用いて補強部材を成形する場合に、凸部の外周面に炭素繊維が貫通孔の軸方向を向いて付着された状態で樹脂を注入して補強部材が成形されることで、貫通孔の内部に束状の炭素繊維が配置される場合であってもよい。

0079

○第1の実施形態及び第2の実施形態において、被締結部材10,18に形成された締結用の貫通孔4,20は、被締結部材10,18を成形する際に形成されなくてもよい。成形後の被締結部材10,18に対してドリル等の工具で孔開けをして形成されてもよい。また、孔開け後に、貫通孔4の周囲のバリ取りや不要部の切断等の外形加工が行われてもよい。

0080

○第1の実施形態及び第2の実施形態において、被締結部材10,18の炭素繊維束11,19は三次元に配向していなくてもよい。例えば炭素繊維束11,19が二次元に配向されている場合であってもよいし、炭素繊維束11,19が一方向に配向されていてもよい。

0081

○第1の実施形態及び第2の実施形態において、被締結部材10,18と締結される他の部材は金属材12,20でなくてもよい。例えば、繊維強化複合材あるいは樹脂成形体であってもよく、壁、床や大地を構成する岩石等であってもよい。また、被締結部材10,20と締結される他の部材は板状である代わりに、棒状、柱状等別の形状であってもよい。

0082

○第1の実施形態及び第2の実施形態において、芯糸2,16と組糸3,17の径が異なってもよい。例えば、組紐3は芯糸2よりも十分細い糸であってもよい。その場合は、芯糸と組糸を組み合せることで組紐状に形成される際に、芯糸と組糸とが接触される箇所において芯糸に曲がる、折れる等の変形が生じる恐れがなく、芯糸を貫通孔の軸方向に真っ直ぐに配向することができる。

0083

○第1の実施形態及び第2の実施形態において、貫通孔4,20の一方の開口部から他方の開口部に亘って連続して配向される芯糸は1本の芯糸でなくてもよい。例えば、複数本の芯糸が貫通孔の軸方向につながることで、芯糸が少なくとも貫通孔4,20の一方の開口部から他方の開口部に亘って隙間なく配置されていてもよい。

0084

○第2の実施形態において、芯糸16は貫通孔20の軸20aに対して5°傾いて配向されていなくてもよい。例えば、芯糸16が貫通孔20の軸20aに対して10°傾いていてもよいし、芯糸16が貫通孔20の軸20a方向(芯糸16の繊維軸と貫通孔20の軸のなす角度が0°となる方向)を向いて配向されていてもよい。好ましくは芯糸16と貫通孔20の軸20aのなす角度は10°以内である。また、芯糸16が屈曲していなくてもよく、例えば、芯糸16が真っ直ぐな形状であってもよい。

0085

○第2の実施形態において、補強部材15と被締結部材18とが別に成形されなくてもよい。例えば、補強部材15と被締結部材18とが一体成形されてもよい。

0086

1補強部材
4貫通孔
4a 軸
6 第1フランジ部
7 第2フランジ部
8ボルト
10被締結部材
12金属材
14ナット
15 補強部材
18 被締結部材
20 貫通孔
20a 軸
21 金属材
23 ボルト
24 ナット

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