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技術 水耕システム鉢

出願人 原周作
発明者 原周作
出願日 2009年6月18日 (11年5ヶ月経過) 出願番号 2009-164238
公開日 2011年1月6日 (9年10ヶ月経過) 公開番号 2011-000112
状態 特許登録済
技術分野 潅水 水耕栽培
主要キーワード 円弧状側面 竹ヒゴ 成型ローラー 門型架台 ボトル蓋 接続レール 公開実用新案公報 平面状側面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年1月6日)のものです。
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図面 (14)

課題

大量生産栽培毎日潅水作業と神経を使う施肥管理を単純省力化する。

解決手段

大型雨樋16を緩傾斜状に設け、その全長の内側上面に水耕システム鉢1のアーチ底網4の出入り口を傾斜と平行になりかつ一定の株間間隔に並べるために、硬質プラスチックシートに窪んだ動水座18等を有するように成型した中敷成型シート20を雨樋16の内側底に敷いて接着固定し、上流から培養液7を循環的に掛け流し、その流路に添って配置された沢山の水耕システム鉢1に一斉に均等給水して、そこに植栽された鉢花を省力的にかつ斉一旺盛に発育させる。

概要

背景

公開実用新案広報昭60−168363 公開実用新案広報 平1−167154 公開特許公報 特開平10−150870 Howard M.Resh,ph.D著並木和訳野菜水耕栽培」昭和56年2月10日養賢堂発行

概要

大量生産栽培毎日潅水作業と神経を使う施肥管理を単純省力化する。大型雨樋16を緩傾斜状に設け、その全長の内側上面に水耕システム鉢1のアーチ底網4の出入り口を傾斜と平行になりかつ一定の株間間隔に並べるために、硬質プラスチックシートに窪んだ動水座18等を有するように成型した中敷成型シート20を雨樋16の内側底に敷いて接着固定し、上流から培養液7を循環的に掛け流し、その流路に添って配置された沢山の水耕システム鉢1に一斉に均等給水して、そこに植栽された鉢花を省力的にかつ斉一旺盛に発育させる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下方外形が直線平面状となる部分と、鉢内下方のアーチ状の底網開口部を擁する円弧状部分とにはめあわせ対応する形状の内側壁を備えた窪んだ多数の鉢座を、硬質塩化ビニールシート等で成型してこれを緩傾斜状に設けた大型雨樋内に敷き固めた花鉢2列の大量生産床として、上流端から培養液循環的に掛け流して鉢内をロックウールなどを満たした培地に吸収させ、省力的に大量生産栽培を行うが、同時に2列の大量生産床を被覆したトンネル栽培床として小規模ながら確実に冷房室として供用させられる。このような水耕栽培環境に於いて、蔓性植物には鉢内の三日月状平坦段に口の字ワッカを介して乗せたあんどん状に組み立てた支柱に絡ませる。また叢生仕立て支柱は、6ミリ径のステンレスパイプの3〜4センチ長程度の下端に太いステンレス針金一本とやや太いステンレス針金4本を溶接し、パイプ下端の高さを鉢の上縁すれすれから上に立てた状態で太い針金が鉢底に達する長さで切断して、太い針金が底網の頂部に逹する処でループ状曲げ加工したものを底網の目に突き立てて下部の固定をし、やや太い針金は溶接箇所から水平に鉢の四隅張り出してつっかい棒の役割を果たして前後左右に傾かないように安定させる。この様なステンレスパイプの上側にはやや細い20〜30センチ長のステンレスの針金を3又は4の倍数本を溶接して斜め上方開張するように3または4組毎に立てて、その先端には小さいループ状の曲げ加工を施して、そのループの輪の中にピアノ線を通して全体で輪状になるように電線突き合せ接続子でかしめる。これと下部構造は全く同じながら上部へステンレスパイプのみを25〜40センチ伸ばして立てた直立一本仕立ての植物を誘引させて支える支柱等を、鉢の形状と機能に基づいて形成する。このような鉢花は消費者対応の3点セットに於いて花の種類や発育度によって要水量差異が生ずる。これを克服するには一つの水耕システム鉢に対して給水ボトルを増加させる受け皿構成変化によって対応させる。このように一定基準水耕鉢によって大量生産システムをもたらし、鉢の形状や機能が特殊な支柱問題を解決させ、どんな草花をも一つの型鉢で栽培をこなせる事より、消費者段階に移った大型草花には必要に応じて給水ボトルの増加で対応する等の特徴を備えた水耕システム鉢である。

技術分野

0001

本発明は、無栄養の淡水植物生育に必須の人工栄養素を配した培養液で植物を育成する養液栽培に関するものであり、栽培培地の関係から特に水耕栽培と称せられるものに関するものである。ここで使用する肥料は一般に養液栽培で広く使用されている市販の硝酸カルシュウムと、微量要素にまでわたるそれ以外の植物に必要なすべての栄養素を配した市販の配合肥料とを、低濃度での混合によって作られる培養液を用いた。これらの事は野菜の水耕栽培として非特許文献1に詳しくのべられている。培地は本来水だけで良いが、植物が根を張り自身を支持し、根に対する太陽光線遮蔽する必要からロックウールハイドロボール混合培地を用いた。

背景技術

0002

公開実用新案広報昭60−168363 公開実用新案広報 平1−167154 公開特許公報 特開平10−150870 Howard M.Resh,ph.D著並木和訳「野菜の水耕栽培」昭和56年2月10日養賢堂発行

発明が解決しょうとする課題

0003

従来からの花の栽培では、植木鉢内に根から植物が吸収する栄養分を潤沢に含んだ土壌培養土して用いてこれに草花苗などを植え付け生産栽培においては施設内外において、その時の環境や植物の生長に併せて毎日潅水が必要でこの作業によって発育を促し、必要に応じて肥料などを追加補充して開花維持促進させるが、通常の消費観賞栽培に至ってもこの潅水作業は1日たりとも手抜きすることは出来ない。
しかし本願の水耕方式を用いると生産栽培では、植物の発育に必須の栄養分をあらかじめ必要割合で溶解した培養液を循環しながら掛け流しをしている栽培ベッド上の一定型となる鉢座に植栽した水耕システム鉢を載置してやりさえすれば、毎日の潅水や施肥に煩わせられずに土耕鉢栽培よりも省力的に遥かに旺盛な発育開花させる事が出来るし、消費者の手に渡ってからの観賞栽培も、貯水ボトルを組み合わせた栽培装置に乗せ替えて水耕栽培を続けることが出来るので、植物にとってショックとなる移植過程が無くて、順調に発育を継続させ、植物による水の消費量を目で確かめながら何日目かに一回の培養液の補充と言う単純な作業だけで、プロの園芸家に負けない立派な植物を育てて開花させ、心ゆくまで楽しむことかできる。 培養液は大量生産栽培でも、消費者の手に渡ってからの観賞栽培に於いても全く同じものを同じ手法で調製して対応する。すなわち低濃度での混合作業の原則さえ守られれば女性や子供でも容易に取り扱える技術に変換することが出来る。

課題を解決するための手段

0004

上記で述べた本願の生産栽培における著しい省力的生産設備は、工場屋根に使用される幅26センチ、長さ4mの鉄芯入り硬質塩化ビニール製の大型雨樋現実には電工製)を、栽培施設中段に緩傾斜状に設けて大量花鉢生産ベッドとし、この樋内に同じく硬質塩化ビニール製の長尺シートで後述する水耕栽培鉢の鉢底が挿入して収まる窪み状の多数の鉢座を2列に成型したものを底内面接着し、樋の両端には水の「止まり」板を接着するが、下流端止まり板には穴をあけて水密状排水エルボを装着する。この排水エルボには貯水タンク落水させるための排水配管として設ける。 一方貯水タンク内の培養液は、マグネットポンプなどで生産ベッドの上流側に循環的に連続して送水され、ベッド上に並んで配置された多数の花鉢の底側面から培養液は鉢内培地に吸収されて、培地全体を毛管作用的に浸潤して植物の発育を支える。

0005

このように省力的に大量生産された花鉢は、流通を通じて販売されて消費者の手に渡ってからも、水耕栽培方式はそのまま受け継がれて、消費者が花鉢購入時に取得することとなる開花始めの「花鉢」「給水ボトル」及びこれらの「受け皿」などの水耕3点セットと1号と2号とに分割された肥料を入手することとなり、2種類の肥料の希釈と混合を説明書通りに丁寧に実行すれば、一度も発育に支障をもたらす事無く順調にすこぶる好調に発育を継続させる事が出来る。なおついでながら鉢および受け皿の材質は高密度発泡スチロールであるが、梱包材料に多用されている低密度のものに比べて著しく耐候性が高くて強度や軽さや成型のし易さなど本願発明の材料としては申し分がない。

発明の効果

0006

多くの草花などの鉢植え栽培において、本願発明による水耕栽培システムの効果は極めて顕著であるが、ここに一例としてペチュニアによる比較栽培試験データー図1として掲げるが、ここで供したのは後述の図11に掲げた二つのシステム鉢1を載置する受皿46に一つの給水ボトル51を配した本願の消費者対応タイプの水耕セットである。
4月5日に播種して育苗したを5月12日に、ロックウールとハイドロボールを容量で半々に混和した培地を本願の鉢に約1リットル入れた2鉢を標準仕様として受け皿の両側に載置し、この受け皿の中央部には培養液で満たした給水ボトルを上下逆転して立てたもので、比較栽培試験用として2セット(4鉢)準備して水耕システム鉢区とし、これに対して同等容量の土壌が入る素焼きの植木鉢4個を土耕素焼鉢区として通常栽培の対照区として設け、それぞれには同じ程度に発育した苗を植え付けて日中は日当り100%の屋上に置いて試験栽培スタートさせた。水耕試験区先述の完全培養液を供して給水ボトルの液が亡くなる迄の通常は4〜10日目毎にに補充し、一方の土耕素焼鉢区には十分で正常の肥料成分を含む有機質肥料化成肥料を含む培養土を供し、この土耕区への潅水は毎日夕方に鉢底の穴から余水が滴り落ちるまで十分にジョウロで行った。
発育程度を検証するのに累積開花数をもって行い、調査の都度開花している花を摘花してその数量を調べた。グラフ図によると、6月11日より7月上旬までは両区の差異は殆どなかったが、それ以後は本願の水耕システム鉢区が俄然発育開花を増大せしめて行き、最終調査日の8月26日には土耕区の142花に対して水耕区は544花と3.8倍にも達した。土耕区は初期分岐してた蔓が長々と伸びているだけあるのに対して、水耕区の蔓は太くて各葉の付け根より沢山の分岐が生じて花を着けてまだまだ旺盛な発育をする様相を呈していた。このような発育差の傾向は他の草花に関しても同様に見られた。この事を考察すると、土耕区では毎日夕方一回の潅水では給水された時には用土満水状態となるものの、時間経過とともに次第に用土中の水分は失われてゆき、次回夕方の潅水時には植物体にはしおれなどの異常は見られないものの植物は生理的に可成りの水分不足状態となっているものと考えられる。すなわち鉢植え土耕の土中水分の状態はグラフとして表現したとすると、毎日豊水水不足ぎみ状態を繰り返すのこぎり刃状のカーブを描いている事となるが、これに対して水耕区の水分は常に植物に必要な横一線状の一様な豊水状態で経過することとなるから、水耕区は植物の発育に衰えを知らない結果をもたらすからであろうと推察される。

発明を実施するための最良の形態および手法

0007

下図面にもとずいて詳しく説明する。本願発明のシステム鉢1を斜め下方より見上げたものが図2であり、その下方側面が円弧状2になている場合と、直線平面状3となっているのと2通りの形状となている。そして円弧状となっている側には必ず鉢底のアーチ状の底網4の開口部が位置するようになっている。この底網4は4ミリ角目の硬質プラスチックで形成されていて、アーチの高さは鉢底より45ミリにもなって平常水位のほぼ2倍近く高くなっていて、根に対する空気接触は申し分無く良好である。
この底網4の効用は、鉢内に入れた培地5の崩落を防ぎながら落下を遮断して同時に水と空気とは良く通すから、図3の鉢底部の設置状況を示す断面図の水位線の位置まで水を入れてもそれより上部の根と培地25は空気によく触れるから、根腐れを起こすこと無く培養液を存分に吸収して根は健全な発育を全うすることが出来る。鉢底網4は図3に示すように底網挿入溝5に嵌め込まれるが、底網4のアーチの両端は上側より鉢1の駆体によって押さえられるから溝から抜け出すことなくしっかりと鉢底に固定される。なお底網4を鉢1にセットする時は真横から溝5に添って挿入する。しかし特開平10−150870ではその隔壁9の保持機構が明確に記述されいおらずまた文献図1図2および図12図13では、本願での底網4を挿入する底網挿入溝5のような表現が無い。これでは通気通水性の隔壁9は正確に保持されないし、文献で切欠溝11が上下方向に貫通されているとの3頁左32行目の記述は不可解であり不明瞭である。一方公開実用新案公報平1−167154でも網篭5を栽培鉢1に対して固定的に設定するのでなければ、岩綿6と粘土焼結粒7を配合した培地を入れたり植物を植え付けたりする際の動揺で培地が網篭5内に侵入したり、網篭5が姿勢を変えたり培地のなかを浮き上がったりするから、イラスト絵には描けても実際には使い物にならない。
上記したように本願システム鉢1の側方底が円弧状2と直線平面状3との異なった形状をしているのに対応して、後述する動水鉢座18の形状も円弧と直線平面状となっていて、大量生産栽培においてアーチ状底網4が培養液の流れに添うようにしたものであり、作業者が鉢1のアーチ状の底網4を誤って流路に直角なるように置いて培養液の流れを混乱させて草花の斉一な発育を妨害することが無いように、この栽培床には最初から流れに直角方向には置けない構造としている。図4はその水耕栽培装置の全体概要であり、栽培床6は一方向に緩傾斜となる水路を形成しており、上流側に供給された培養液7は栽培床6上に配列された培地を満たして植栽されたシステム鉢1の底を浸潤させながらアーチ内下を乱れを起こすことなく率直に流下し、最下端の止水板8に取り付けた排水エルボ9から貯留タンク10へ落下して貯えられる。この培養液7はマグネットポンプ11などで再び連続して汲み上げられ、送水管12を介して栽培床6の上流側に送られて培養液7の循環が繰り返される。図中で13は栽培床を支える架台であり、14はその下のコンクリートブロック製基礎であり15は地面である。

0008

図5は栽培床の構成を示すが、工場の屋根などに使用される鉄芯入りで幅26センチの大型雨樋16を緩傾斜に設置し、この樋中に左右2流路となり各流路には図示するように一定間隔窪地となる動水鉢座18を設けるがこの動水鉢座18は左右の流路で互い違いにとなっていて植え付けられた各鉢の植物への採光十分にし、かつ左右の流路水が独立して流れるように樋16の全長にわたって流路仕切り19を設けた中敷成型シート20を嵌め込んで接着剤コーキング剤で固定する。大型雨樋16は輸送の関係で通常4mが定尺であるから中敷成型シート20も4mを定尺とするが、それ以上の長い栽培床6としたい場合には雨樋16側での部品として“つなぎ”が準備されていることから接着剤を用いて幾らでも長い栽培床6を構築することが出来る。そしてこの内部上面に敷かれる中敷成型シート20は平面の硬質塩化ビニールのロールシートから加熱した二つの成型ローラーにょつて容易に成型加工することが出来る。図中A−B線の断面は栽培床6のトンネル被覆断面の図6として掲げているが、トンネル被覆に関しての詳細は後述するので、ここでは動水鉢座18とそれが無い鉢間平面部21における浅い溝水路22の水位の状態を比較して見て頂きたい。本願での特色は動水鉢座18の部分で流水峰状になったその上を培養液7が淀んだり溢れたりすることなく一気にが流下することであり、普通一般の常識での水路では開渠式の場合は溝状に窪んだ通路を指す。しかし本願で鉢1を据え付ける部分となる動水鉢座18に於ける水路23は正に凸部の上を培養液が流下している。この現象を支えるのは図6で示すように、両側から挟んで装填されているシステム鉢1の下部の培地25が水に浸っていて潜在的な水位を構成していることに依る。すなわち鉢間平面部21に於ける浅い溝水路22に続いて動水鉢座18に於ける峰水路23はほとんど同じ水位でつながって峰部をも続いて培養液7が勢い良く流下してエアレーション効果を完璧に果たし、根に著しい活力を与える。そして培地の一方であるロックウールは親水性濡れやすく鉢1内では毛管作用が良く働いて培養液7は、鉢1内を満たした培地25の全体から上表面にまで十分に達するから、鉢1に植栽された植物17は極めて旺盛な発育を全うすることが出来る。水路における鉢1のこのような独特な構成は特開平10−150870公報には見られないものである。
なお図−6の24は一般にはアングルと称されている鋼鉄等辺山形鋼であり、適当な間隔で立てられた門型架台13の間を繋ぎながら栽培床6を受け支えるレールの役目を果たしている。

0009

このように樋16上をシステム鉢1が2列で配列された栽培床6の温度環境はとてもコントロールし易い要件を備えている。すなわち図−5の大型雨樋16の縁に適当な間隔でトンネル被覆用のビア線支柱立穴26に、図6のようにトンネル栽培ピアノ線支柱27を立て、その外側を透明プラスチックフイルム28で被覆する。そのフイルムの裾は、電線屋内配線をするときに壁や柱に使用するケーシング棒(市販品ではモールと称する)29の身の部分を小ねじで大型雨樋16の両縁の膨らみ部に取り付け、その上からフイルムの裾をあてがい、更にその上からケーシング棒29の蓋を当てて押し込んでフイルムを気密状に取り付けて固定する。こうすることによつて長い樋16上に透明フイルムによる細長いトンネル栽培施設を容易に作ることが出来るので、一方の端から冷気を吹き込んでやれば栽培床6の相当の長さを局所的に冷房栽培施設として活用することが出来る。このような事は大量生産的に展開する特開平10−150870では何も述べられていない。
冷気の造成には専用の農業用冷房機もあるが、家電として大量生産されて普及している家庭用エアコンからのダクトを用いた利用が簡易で比較的安価に局所冷房の目的を逹する。高温夏日にこのような局所冷房の効果を更に向上するにはこの装置を有するハウスガラス室などの屋根上には半遮光ネットを張ったり、その内部には更にミスト冷房装置を取り付けて冷房に対する負荷を極力軽減してやれば効果的である。このような栽培施設は実際には平坦地で2度目越しで苦労するシクラメン中小規模栽培に好影響をもたらすし、その他にはプリムラの夏越しにも期待がもたれる。すなわち大規模農家ではシクラメンの夏越しは高冷地農家と契約して大型トラックで大量の栽培鉢を運ぶリレー栽培の実現に頼っているから、専ら中小規模農家対策としての冷房意義が大きい。

0010

植物の形態は様々であるが、基本的には花を支える花梗主茎は自力でしっかり立ち上がっているものであるが、例えばクレマチスグロリオーサ、アサガオなどの蔓性植物では何らかの形にまとわりつかせなければ観賞に堪えられない。江戸時代の昔から行われてきた方法として“あんどん仕立て”の技法があり、あんどん仕立ての朝顔鉢を行商している浮世絵が残っている。それは細竹数本を鉢内の土壌に突き刺して立て、その上方2〜3段箇所を竹ヒゴ針金等を渡してくくり付けてあんどん形状の絡ませ台を設けて蔓性植物を誘引していた。この場合土壌が柔らかかったり、用土量が少ない小鉢のときにはあんどん支柱が不安定で傾いたり倒れたりするものであるから土壌を培地とするあんどん仕立てとする場合にはある程度以上の用土量がある中鉢以上が使用された。
本願の水耕システム鉢は小〜中鉢程度とさほど大きい鉢ではなく、また培地は綿状のロックウールに粘土を粒状にして焼いたハイドロボールとの混合物であって軽量であり、その培地は支柱の支えとしての強固性にも劣ることから“あんどん仕立て”には特別な工夫を必要とした。
図7は本願あんどん仕立ての取り付け構造を示す斜視図であるが、鉢内構成がよく見えるように鉢の一部を欠載してある。そして通常培地は鉢内を充満しているものであるが、これを描くと構造が見えなくなるので培地は一部を象徴的に描くに止めた。他の各図も同じである。また図8は鉢中の本願あんどん仕立の下部の一部を示すシステム鉢1の平面図であり、特に本願あんどん仕立て構築物最下端の口の字ワッカ30の構成が重要である。すなわち口の字ワッカ30はステンレス薄板等を鉢1内の中段4カ所にある三日月状の平面段31にぴったり合って乗せられるサイズに切り抜き、その4隅に4ミリ径の穴をあける。この穴に4ミリ径で長さ20ミリ程度の木ねじを通しておく。次いで市販のトンネル栽培用支柱(長さ1m、外径6ミリ、内径4ミリ)を半分の50センチに切りそろえてあんどん仕立て支柱32とし、その一端から5ミリ処と、そこから16センチ間隔のところと、更に28センチ間隔の処にマークをつけ、その3か所に1,5ミリの横穴32を貫通させる。この場合の横穴は全て同じ向きとして揃えておき準備段階を終える。
ついで組み立て段階では先ずねじ部ステンレス薄板を貫通させ立ち上がらせた木ねじ部に接着剤を塗布し、このねじ部にあんどん仕立支柱32の横穴が開いていない側を接着剤を塗布した木ねじの上から、かぶせるようにして立てるのであるが、図7のように鉢内側壁の傾きに添うように上開きとし、同時に1,5ミリの小穴が全てその場所における鉢上縁と平行するように設定する。文章にすると長々となるが熟練すればほぼ一動作で取り付けを完了させられる。この後は横穴33に三段となる径1ミリのあんどん用ピアノ線34を通して張れば接着剤の硬化とともに完成である。ピアノ線34の両端末は電線突き合せ接続子35内を相互に突き合せて専用ペンチでかしめてやれば円形の輪として完成させられる。なお36は鉢の下部側壁、37は鉢底である。
口の字ワッカ30はステンレス製の場合を述べたが、これを硬質プラスチック製とすれば木ねじの部分までを一度に成型して作ることが出来るから、いっそう安価に大量生産できて資材部品として容易に調達することが可能となる。
このように一度あんどん状に組み立てると意外なほど強固になって簡単には倒れたり捩じれたりすることは起こらない。このあんどん仕立て支柱32は蔓性植物苗を植え込むときに鉢1内に一緒にセットして茎葉が伸びるにつれて巻き付かせて行く。

0011

一般の植物は主幹があって立ち上がり、これの各葉の付け根から小枝が一次分枝して矢張り立ち上がってきて、花は主幹を含めてそれらの先端に開花してくるものが多い。草姿は主幹が強いか分枝した小枝が強いかと言うことと更に二次分枝や三次分枝の如何などで決まってくる。
カーネーションやゴデチアなどは一次分枝の先端に開花するが、細長く伸びた枝先に可成り大きく重い花を咲かせる。この草姿は“ほうき”を逆さまに立てたような叢生と言われるもので、品種改良が進み花が大きくなった割にはが剛直でないために開花茎の支えを必要とする。
図9はこのような叢生的草花を支える支柱であり、本願叢生仕立ての取り付け構造を示す斜視図である。径6ミリ長さ2〜3センチの短いステンレスパイプ38の下端は鉢縁の高さと一致する処で仮支え状に保持し、太いステンレスの針金39を1本と、やや太いステンレスの針金40を4本とを下から差し込んで半田ろう付け溶接して固定する。太い針金39の下端は鉢底に達する長さで切断し、底網4の頂部と同高となる図の位置でループ状曲げ加工41してアーチ状の底網4の目の中に突き立てるが、ループ加工部があるためにその位置の一定の深さで立ち上がり前後左右には動かない。一方やや太い針金40は水平に各々が直角となるように開張し、先端がシステム鉢の上端角内側となる位置で下向きに培地25の中へと曲げてつっかえ棒とする。この構成によって支柱下部はびくともしない構成を作り上げる。
更に短いステンレスパイプ38の上側には、やや細い15〜28センチ長のステンレスの針金42を図では7本であるが4〜8本を上記と同様に溶接して固定する。使用時には図のように斜め上方に開張し、その先端部は小さいループ状の曲げ加工43を施しそのループの中へ叢生支え用ピアノ線44を通して細い電線突き合せ接続子35で輪状なるようにかしめる。ピアノ線は植物の性状に併せて輪の大きさを変えたり、針金42ノ長さを調節して輪を2段式としてもよい。ここで針金にステンレスのものを使用するのは錆びないことも重要であるがそれとともに堅さも鉄のものより大であることと、ステンレスパイプと同質であることから半田などによる溶接が容易である事にもよる。

0012

植物の種類の中にはあまり側枝を出さずに一本の主幹だけが上へと高く伸びて行くものがある。代表的なものとしてはデルヒニュウム、ヒマワリなどがあり本来は切り花としての大きい需要がある。このような植物の茎はしっかりしているものの本願のように柔らかいロックウール主体の培地では真っすぐに支えてやれなくなる。そこでどうしてもしっかりした直立形の支柱を添えてやる必要が生じる。図10は本願直立一本仕立て柱の斜視図である。
下部の構造は図−9と全く同じでびくともしないが、その上部は、直径6ミリの長いステンレスパイプ45で直立してあるだけであるが、雨水の浸入を防いだり外観を良くするために頂部には目立たない蓋栓をはめる。このパイプの長さは植物の種類にもよるが25〜40センチ程度であり、最終成長予定高さの1/3から長くとも1/2までとして、後は植物が自力で立つ姿とするのが好ましい。すなわち支柱への誘引箇所は2〜3段程度が手頃である。

0013

本願による水耕システム鉢1によつて育てられた花鉢の最終需要者は消費者である。このことから水耕栽培で生産された花鉢はそのまま消費者の手に渡った後も素晴らしい発育をする水耕形式がそのまま引き継がれなければならない。
土耕栽培の鉢花では潅水は欠かすことの出来ない毎日の作業であり、施肥はその量と質に関しては誰もが悩む処である。本願はこの厄介な毎日の水やり作業の省力と施肥の悩みを培養液の作成と自動補給で一気に解決することが出来るのである。
植物がどれだけの水分と栄養分を欲しているかはプロの園芸家ですら正確に知ることは出来ない。しかし消費者の手に渡ってからの水耕花鉢は必要な水量の自動給水であり、その植物が消費しただけの水量は減水量のかたちで表示されるからその分を超える培養液でボトル51が満水となるように補給すればよく、栄養素については常時最適な種類を適量配合で供給する事となるから、この事についての悩みは全く生じない。そして根に対する酸素の供給も大きいアーチ状の底網4から十分に供給されるからこれも全く問題とはならない。生産栽培床と消費者の手に渡ってからの違いは、培養液が流動しているか否かの違いだけであり、受け皿の導水路水深はわずか27ミリの浅い水位である事から空気中の酸素は根およびその周辺の培地に含まれる培養液に十分に供給される。このことは図−1の成果を見れば明らかであるし、消費者の手に渡ってからの評判も非常によい。

0014

最後は水耕鉢一個に対する培養液を供給する給水ボトル51の容量関係であるが、図11は受皿46上で一つの給水ボトルで二つの鉢1を養って行く消費者標準タイプを示した。この様式で殆どの草花はうまく栽培できるが、なお発育旺盛で独立単独鉢として観賞したい場合や給水間隔を空けたい時などでは図12のように1鉢1対1ボトル52とすれば培養液は消費者標準の2倍となり、更に図13のように給水ボトル52を2個に増設すれば消費者標準の4倍の培養液量となる。発育最盛期のデルヒニュウムは正に4倍量の培養液を必要とした。
図11は消費者対応の標準構成として、二つの鉢1、受皿46、給水ボトル51の3点セットとして本願の要点を示した。47は受皿46の靜水鉢座47であり、大量生産栽培床6における動水鉢座18と同じように、鉢1の下方の形状である円弧状側面2と直線平面状側面3に対応するように受皿46にも円弧形状と直線平面形状を有する。すなはち給水ボトル51からの培養液7は導水溝48を介して底網4の開口部分が常にそこに当面して液7の給水を円滑に受けられるようにしている。このことは公開実用新案公報平1−167154や公開特許公報特開平10−150870には記述されていない本願の特色である。この図11において受皿46の中央部分にある給水ボトル座50に対し培養液7で満たした給水ボトル51をセッテイングするのであるが、まず蓋52をしめ、蓋52中央にある二つのボトル給水孔53を二本の指で塞いで上下逆転させて給水ボトル座50に嵌め込む。この座50は二段になっており、ボトル51は中段のボトル受段49で止められて培養液7は中段の高さに至るまで排出されるが、水面がボトル給水孔53に達すると大気の圧力が働いてボトル51内培養液は宙吊りとなって給水が止まる。このようにして植栽植物17が必要として吸水した分だけが補給されるのでボトル内の減水量を見てその都度満水となるように培養液を補充してやればよい。ボトル51は相当量貯水が出来るので毎日の潅水作業から省力でき、水やりや施肥作業単純化させて老人や女性や子供でも扱える簡易な方法とした。
このようにして本願水耕システム鉢1はその独特な形状により、大型雨樋を利用した鉢花の大量生産栽培を支え、この栽培方式は列状にトンネル被覆を可能とすることから局所的な冷房などを行えて高度な栽培環境を整えられる。また本願のように比較的小さい鉢容量であっても、あんどん仕立てや、叢生仕立てや、直立一本仕立てに対応しての鉢物による支柱問題を解決させ、同時に給水容量を必要に応じて増加する事によって、小さい鉢花から長大に成長する鉢花に至るまで一つの水耕システム鉢1によって充足させることが出来る。この様な事は公開実用新案公報昭60−168363、公開実用新案公報平1−167154、公開特許公報特開平10−150870などの特許文献に見当たらず、本願の特徴を示すものである。

図面の簡単な説明

ペチュニアの累積開花数 下方から見た水耕システム鉢鉢底部設置状況を示す断面図水耕装置の全体概要栽培床の構成とシステム鉢の対応トンネル状被覆の断面図 本願あんどん仕立ての取り付け構造を示す斜視図鉢中の本願あんどん仕立ての下部の一部を示すシステム鉢の平面図 本願叢生仕立の取り付け構造を示す斜視図 本願直立一本仕立て柱の斜視図 2鉢1ボトルの消費者標準形受皿に載置した3点セット1鉢1ボトルの消費者2倍量形受皿 1鉢2ボトルの消費者4倍量形受皿

1,水耕システム鉢
2,円弧状側面
3,直線平面状側面
4,底網
5,底網挿入溝
6,栽培床
7,培養液
8,止水板
9,排水エルボ
10,貯留タンク
11,マグネットポンプ
12,送水管
13,栽培床の架台
14,架台の基礎
15,地面
16,大型雨樋
17,植栽植物
18,動水鉢座
19,流路仕切り
20,中敷き成型シート
21,鉢間平面部
22,溝水路
23,峰水路
24,架台上接続レール
25,培地
26,トンネル被覆ピアノ線支柱立穴
27,トンネル用ピアノ線支柱
28,透明プラスチックフイルム
29,電線ケーシング棒
30,口の字ワッカ
31,三日月状の平面段
32,あんどん仕立て支柱
33,横穴
34,あんどん用ピアノ線
35,電線突き合せ接続子
36,鉢下部側壁
37,鉢底
38,短いステンレスパイプ
39,太いステンレスの針金
40,やや太いステンレスの針金
41,ループ状曲げ加工部
42,やや細いステンレスの針金
43,小さいループ状の曲げ加工部
44,叢生支え用ピアノ線
45,長いステンレスパイプ
46,受皿
47,靜水鉢座
48,導水溝
49,ボトル受段
50,給水ボトル座
51,給水ボトル
52,ボトル蓋
53,ボトル給水孔
54,転倒防止の受皿突起

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