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技術 1つ以上の臓器の経時的生理的パラメータ変動を監視するための方法および装置

出願人 オタワホスピタルリサーチインスティチュート
発明者 アンドリュージェイ.イーシーリー
出願日 2008年10月1日 (12年4ヶ月経過) 出願番号 2010-527300
公開日 2010年12月24日 (10年1ヶ月経過) 公開番号 2010-540127
状態 拒絶査定
技術分野 診断用測定記録装置
主要キーワード 測定データポイント 正規曲線 瞬間表示 実時間解析 領域変動 周波数領域解析 携帯用ユニット 変動グラフ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

変動監視を使用して取得した基礎的データのいくつかの徴候を含む、標準的変動データファイルを部分的に作成することによって、一貫して分散型システムにわたって変動解析を取り扱うことのできる基礎的なフレームワークを使用する、経時的な変動の解析能力活用するためのシステムを提供する。一貫した、標準的データファイルは、中央エンティティが、分散環境への接続性を提供することができ、一貫したおよび関連した解析を確実とするように、設備およびソフトウェア更新する方途を提供することができる一方で、基礎的なフレームワークとともに、ユーザが1組の便利な表示ツールを利用することを可能にする。システムは、入院患者外来患者および完全に移動性の/独立したユーザを含む、多くの環境に拡大することができる。

概要

背景

細菌感染は、特に宿主防御能の低下した患者において、依然として苦痛および死の主要な原因である。臓器機能不全をもたらす恐れのある重症感染症に対する宿主反応に関与する、メカニズム経路メディエータ転写因子受容体ベル、および遺伝子活性化に関する広範囲にわたる知識が存在するが、一斉に作用する全体のシステムの理解には、典型的に限界がある。

臨床的背景において、現行監視技術は、生命徴候の監視、研究室、および種々の放射線学細菌学および病理学検査を伴う、高いレベルの高度化を達成している。これらの検査は、感染症を確実に診断するために概して適しているが、感染症を診断するための基準は、明確でない。しばしば、個々に非特異的な臨床的徴候および症状のゲシュタルトは、感染症の診断および抗生物質治療の開始につながる。したがって、診断のタイミングは不明確で繊細さに欠け判断力に左右され、これが遅延につながる可能性がある。感染しやすさが高まっているか、または予備能障害のある患者集団において、診断の遅延は、たとえ数時間内であっても、悲惨な結果となる可能性がある。認識および対処の前に、臨床症状の悪化が、かなり進行している可能性がある。感染症の診断の遅さ、急速な臨床症状の悪化、ICUに入ること、および臓器機能不全は、危篤状態の患者の病歴において、珍しいものではない。

例えば、危篤状態の患者において、重度敗血症および敗血症ショックは、集中治療室への入室の10%(Brun−Buisson C.The epidemiology of the systemic inflammatory response.Intensive Care Med.2000;26 Suppl 1:S64−74)およびすべての入院の2.9%を占める(Angus DC,Linde−Zwirble WT,Lidicker J,Clermont G,Carcillo J,PinskyMR.Epidemiology of severe sepsis in the United States:analysis of incidence, outcome,and associated costs of care.Crit Care Med.2001 JuI;29(7):1303−10)最も一般的な死因である。敗血症における早期蘇生の実証済みの利点を考慮すると、生命を救う可能性を有する、感染症をより早く診断する方法を開発するための、追加的な緊急な必要性がある。

別の例では、好中球減少症は、悪性血液病コントロールにおいて、最も一般的には白血病およびリンパ腫において、一般的に採用される、骨髄機能廃絶化学療法の意図した医原性副作用である。その結果として、宿主の免疫系に欠陥が生じ、日和見感染の危険が高まることにつながる(Neth OW,Bajaj−Elliott M,Turner MW,Klein NJ.Susceptibility to infection in patients with neutropenia: the role of the innate immune system.Br J Haematol.2005 Jun;129(6):713−22)。好中球減少中の熱性疾患は、しばしば感染症の最初の現れである。これは、入院の可能性のある、迅速な抗菌療法を必要とする。したがって、療法により、好中球減少症患者は不安定な発熱の危険を経験するが、発熱した場合には、それは患者の大多数において、感染症と同義である。

好中球減少症感染の予後は、死亡の危険性を伴って、全身性炎症反応症候群(SIRS)の重症度、および敗血症症候群への臨床的進展重篤な敗血症ショックおよび臓器不全による影響を大いに受ける。全体的に、全身性炎症反応症候群を伴って集中治療室に入室する発熱性好中球減少症患者は、20%の死亡危険を示し、敗血症ショックがある場合には、死亡危険が90%に上昇する(Regazzoni CJ,Khoury M,Irrazabal C,Myburg C,Galvalisi NR,O’Flaherty M,et al.Neutropenia and the development of the systemic inflammatory response syndrome.Intensive Care Med.2003 Jan;29(1):135−8)。回帰分析は、死亡率は、年齢悪性度、または血液培養陽性によって変わらないことを実証し、転帰を決定する際の宿主反応の重要性浮き彫りにした。これらの結果は、発熱性好中球減少症患者の管理において、早期診断および病気の重症度の早期発見の重要さを強調するものである。

複合システムとは、可変的に相互接続された多くの要素の動的ウェブを含むシステムのことである。部品(例えば、蜜蜂ニューロン)の複合的な相互接続およびその環境(すなわち、非平衡性)に起因して、独特の体系的または創発的特性(例えば、蜂蜜を作る、認知する、記憶する能力)を所有する、複合システム(例えば、蜜蜂のCNS)と呼ばれる新しいエンティティが生じる。その体系的特性が、部品の特性とはまったく相違することから、複合システムは、その部品を理解することのみによっては、その理解がいかに徹底したものであったとしても、完全には理解することができない(Gallagher R,Appenzeller T.Beyond Reductionism.Science.1999;284:79)。期待できる洞察力に加え、説得力のある証拠から、臓器機能不全につながる可能性のある、重症感染症または損傷に対する宿主反応は、確かに複合的非線形システムであることが報告されている(Seely AJ,Christou NV.Multiple organ dysfunction syndrome:exploring the paradigm of complex nonlinear systems.Crit Care Med.2000 Jul;28(7):2193−200)。

重度の発作に対する宿主反応を複合システムとして特定することは、両者とも頻繁に発生する、感染症患者における予測不能な急速な悪化、および特定できる原因のない予期しない臨床改善が、不確実性と驚きとして、複合システム内の至る所に存在するのかを説明するために役立つ。重症疾患が、変化した、予測不能な複合システムの反応によって特徴つけられる場合、システムの軌跡を追跡するために、全システムを全体として、経時的に監視する緊急な必要性がある。部品の一時的な変動が、システム全体の整合性および複雑性からもたらされる場合、変動提供の連続的な監視は、システム全体を経時的に監視することを意味するということが仮定されている(Seely and Christou)。

最も一般的には変動解析と呼ばれる、リズムの特性化の科学は、非線形力学、カオス理論、および数理物理学に基づく一連線形および非線形変動解析技術を利用して、それによって生体信号の時系列総合的に特徴付けられる手段を表す(Seely AJ,Macklem PT.Complex systems and the technology of variability analysis. Crit Care.2004 Dec;8(6):R367−84)。各技術は、変動のパターンを特徴付けるための、異なった相補的手段を提供する。複合システムのパラダイム内において、変動解析は、力学を発生する基礎的なシステムをより直接的に監視するための技術を提示する。

時間領域、周波数領域、エントロピーおよびスケール不変解析を含む、変動を経時的に定量化し、特徴付けるための種々の技術が存在する。簡潔に述べると、時間領域解析は、経時的に測定された生データ、全体の変動の解析(標準偏差および範囲)、および標準化された分布(例えば、正規対数正規)によってデータが適合する程度を伴う。周波数領域解析は、経時的に観測される信号の周波数スペクトルを評価する。相違した周波数を持つ正則振幅の和として任意の時系列を表すことができ、時間領域から周波数領域解析への変換(および逆変換)は、フーリエ変換と呼ばれる数学的変換を用いることで実現される。ウェーブレット解析は、時間と周波数領域変動情報とを組み合わせ、時間領域解析と周波数領域解析とのハイブリッドを提供する。エントロピー解析は、生体信号の中の情報、ゆらぎ不規則、または複雑性の程度の測度を提供する。数学上の計算は、ゆらぎまたは複雑性の程度を反映する、単一の(例えば、近似またはサンプルエントロピー)または複数の値(例えば、マルチスケールエントロピー)を生じさせる。スケール不変解析は、すべての時間スケールにわたって現れる、変動の共通パターンの測度を提供する。

変動解析技術のこのパネルは、生体信号を特徴付けるために役立てるために開発された。これらは、心拍数呼吸数血圧好中球数、温度等に適応され、調査一貫して、以下を実証した。(1)変動のパターンは、そのパラメータの絶対値に関する、追加的な臨床的に有用な情報を提供する、(2)変化したばらつきは、年齢および病気に関連して現れる、および(3)変化の程度は、病気の重症度と相関する。

心拍数変動(HRV)の低下は、心臓疾患罹患する成人患者の死亡危険の標識として使用されてきたことに加え、胎児仮死を特定するための手段として長年使用されてきた。最近になって、感染症がある場合のHRV評価が実施され、敗血症、敗血症ショック、および臓器機能不全患者におけるHRVの再現性のある変化を示した。集中治療専門医にとって貴重であることに、感染症がある場合にHRVが変化した程度は、病気の重症度に相関する。多くの最近の研究結果によれば、変化したHRVは、成人における感染症の早期発見の未利用の手段を提供するという仮説を強く裏付けている。

別の環境では、2つ以上の臓器不全を有することによって定義される多臓器不全症候群(MODS)は、慢性的に危篤状態の患者に特徴的な、臨床的な症候群である。MODSは、集中治療室(ICU)の患者の死亡の主要な原因である。MODSは、可能な限り最も先進のICU生命維持技術に依存する患者に発生する可能性がある、通常死亡につながる臓器機能の順次的な悪化を表す。これらの患者は、ICUにおける観血的監視一対一看護、複数の輸血人工呼吸器透析心臓補助デバイス昇圧剤等を含む、相当の人的資源および病院資源を必要とする。

患者パラメータの変動の評価は、ごく最近になって医学における調査の対象となったもので、普通の臨床業務においては、一般的には使用されていない。前述のとおり、変動は、パラメータが経時的に上下する程度および特徴を説明する。これは、経時的な変化のパターンを示す、変動の力学の主成分である。パラメータは、変動の程度の低さを示して比較的一定であることも、高い変動とともに激しく上下することも、ゆらぎまたは複雑性の低下、または高頻度変動の低下を示すこともある。

概して、変動および複雑性の縮小は、疾病の状態と相関するが、しかしながら、個々の患者パラメータの変動の上昇および低下は、両者とも病状に関係する。これらの個々の変数の評価の肯定的な臨床的有意性は、複数の患者パラメータの評価が臨床的に有用な情報を提供するであろうことを示す。

2006年5月2日に出願された、Seelyの米国特許第7,038,595号には、複数の患者パラメータ変動解析のためのシステムおよび表示について記載されている。Seelyによって記載されたシステムは、ベッドサイドモニタによって各患者について経時的に監視される、複数の患者パラメータの変動の解析および表示を提供する。それぞれの監視される患者パラメータは実時間で測定され、不自然なデータは削除され、変動解析は選択された観測期間に基づいて実施される。時間の各間隔の変動解析は、患者パラメータの変動を生じ、これは他にもある用途の中でも特に、MODSの検知、予防、および治療において特に有用な診断情報を提供するために、ある時間間隔にわたって患者パラメータが変化する程度を示す。

かかるシステムは、経時的な変動解析の能力とともに、複数の患者パラメータの変動データ臨床医に同時に提供するが、特にICU環境における構成は別として、複数の取得施設からのデータを好都合に取り扱うための、取得されたデータの利用法を整理するための完全な解決法はいまだ存在しない。

概要

変動監視を使用して取得した基礎的データのいくつかの徴候を含む、標準的変動データファイルを部分的に作成することによって、一貫して分散型システムにわたって変動解析を取り扱うことのできる基礎的なフレームワークを使用する、経時的な変動の解析の能力を活用するためのシステムを提供する。一貫した、標準的データファイルは、中央エンティティが、分散環境への接続性を提供することができ、一貫したおよび関連した解析を確実とするように、設備およびソフトウェア更新する方途を提供することができる一方で、基礎的なフレームワークとともに、ユーザが1組の便利な表示ツールを利用することを可能にする。システムは、入院患者外来患者および完全に移動性の/独立したユーザを含む、多くの環境に拡大することができる。

目的

各技術は、変動のパターンを特徴付けるための、異なった相補的手段を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

複数の施設で経時的に行われる変動解析支援するための方法であって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、前記方法は、−中央サービスと前記複数の施設との間に、接続を提供するステップと、−前記中央サービスが、前記複数の施設のそれぞれから、前記複数の施設のうちのそれぞれの1つで行われた、1つ以上の変動解析の結果を表す、1つ以上のデータファイルを含むデータパッケージ入手するステップと、−前記中央サービスが、中央データベースの中に前記データパッケージを格納し、かつ、さらなる処理のために、前記データベース使用可能にするステップと、−前記中央サービスが、前記複数の施設のうちの少なくとも1つに、閾値データを提供するステップであって、前記閾値データは、前記変動解析のパラメータに関する情報を含み、かつ、前記中央データベースの内容に由来するステップと、−前記中央サービスが、前記複数の施設のうちの少なくとも1つに、更新データを提供するステップであって、前記更新データは、前記複数の施設の前記操作間の一貫性を維持するための情報を含むステップと、を含む、方法。

請求項2

各施設は、病院施設、臨床施設、または移動施設である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記中央サービスは、前記複数の施設から遠隔にあり、前記データパッケージは、前記中央サービスに送り出されるか、または前記中央サービスから引き出され、かつ、前記閾値データおよび前記更新データは、前記複数の施設に送り出されるか、または前記中央サービスから引き出される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記中央データベースと交信するための管理インターフェースを、前記中央サービスに提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

研究者が前記データベースと交信することを可能にするための、研究プログラムインターフェースをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記閾値データは、前記変動解析を行う際に、前記複数の施設によって使用されることになる閾値に関する情報を含み、前記閾値は、1つ以上の警報をトリガするために使用されるように構成される、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記更新データは、前記複数の施設で作動しているソフトウェアに対する更新を含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法を実施するための、コンピュータが実行可能な命令を含む、コンピュータ可読媒体

請求項9

複数の施設で経時的に行われる変動解析を支援するためのシステムであって、プロセッサと、メモリと、請求項8に記載のコンピュータ可読媒体と、を含む、システム。

請求項10

複数の施設で経時的に行われる変動解析を支援するための方法であって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、前記複数の施設の各々について、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、前記方法は、−前記施設と中央サービスとの間に、接続を提供するステップと、−前記施設で行われた1つ以上の変動解析の結果を表す、1つ以上のデータファイルを含む、データパッケージを準備するステップと、−前記中央サービスが、前記データパッケージを、他のデータパッケージとともに中央データベース内に格納することを可能にするために、および前記データベースをさらなる処理のために利用可能にするために、前記中央サービスが前記データパッケージを利用可能であるようにするステップと、−前記中央サービスから、前記変動解析のパラメータに関し、かつ前記中央データベースの内容に由来する情報を含む、閾値データを入手するステップと、−前記中央サービスから、前記施設の、前記複数の施設の他のものとの一貫性を維持するための情報を含む、更新データを入手するステップと、を含む、方法。

請求項11

各施設は、病院施設、臨床施設、または移動施設である、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記病院施設は、少なくとも1つの患者インターフェースに接続された、少なくとも1つの変動解析サーバであって、各患者インターフェースは、患者のそれぞれのパラメータを測定するために、少なくとも1つのセンサに接続される、変動解析サーバと、前記病院施設の内部の既存システムへの、1つ以上の追加的インターフェースと、を含む、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記臨床施設は、少なくとも1つの患者インターフェースに接続された、少なくとも1つの変動解析サーバであって、各患者インターフェースは、患者のそれぞれのパラメータを測定するために、少なくとも1つのセンサに接続された、変動解析サーバと、前記少なくとも1つの変動解析サーバに接続された監視センタと、を含む、請求項11に記載の方法。

請求項14

前記移動施設は、少なくとも1つの患者インターフェースに接続された、少なくとも1つの変動解析サーバであって、各患者インターフェースは、患者のそれぞれのパラメータを測定するために、少なくとも1つのセンサに接続された、変動解析サーバを含み、前記解析サーバおよび前記患者インターフェースは、モバイルデバイスによってホストされる、請求項11に記載の方法。

請求項15

前記中央サービスは、前記複数の施設から離れており、前記データパッケージは、前記中央サービスに送り出されるか、または前記中央サービスから引き出され、かつ、前記閾値データおよび前記更新データは、前記複数の施設に送り出されるか、または前記中央サービスから引き出される、請求項10に記載の方法。

請求項16

前記閾値データは、前記変動解析を行う際に、前記複数の施設によって使用されることになる閾値に関する情報を含み、前記閾値は、1つ以上の警報をトリガするために使用されるように構成される、請求項10に記載の方法。

請求項17

前記更新データは、前記複数の施設で作動しているソフトウェアに対する更新を含む、請求項10に記載の方法。

請求項18

請求項10〜17のいずれか1項に記載の方法を実施するための、コンピュータが実行可能な命令を含む、コンピュータ可読媒体。

請求項19

複数の施設で経時的に行われる変動解析を支援するためのシステムであって、プロセッサと、メモリと、請求項18に記載の前記コンピュータ可読媒体と、を含む、システム。

請求項20

複数の施設で経時的に行われる変動解析を支援するための方法であって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、前記方法は、−中央サービスと前記複数の施設との間に接続を提供するステップと、−前記複数の施設のそれぞれが、それぞれの施設で行われた、1つ以上の変動解析の結果を表す、1つ以上のデータファイルを含む、データパッケージを準備するステップと、−前記複数の施設が、前記中央サービスが前記データパッケージを利用可能であるようにするステップと、−前記中央サービスが前記複数の施設のそれぞれから、1つ以上のデータファイルを含む、データパッケージを入手するステップと、−前記中央サービスが、中央データベースの中に前記データパッケージを格納し、かつ、さらなる処理のために、前記データベースを使用可能にするステップと、−前記中央サービスが、閾値データを提供するステップであって、前記閾値データは、前記変動解析のパラメータに関する情報を含み、かつ、前記中央データベースの内容に由来するステップと、−前記複数の施設が、前記中央サービスから前記閾値データを入手するステップと、−前記中央サービスが、更新データを提供するステップであって、前記更新データは、前記複数の施設の間の一貫性を維持するための方法を含むステップと、−前記複数の施設が、前記中央サービスから前記更新データを入手するステップと、を含む、方法。

請求項21

各施設は、病院施設、臨床施設、または移動施設である、請求項20に記載の方法。

請求項22

前記病院施設は、少なくとも1つの患者インターフェースに接続された、少なくとも1つの変動解析サーバであって、各患者インターフェースは、患者のそれぞれのパラメータを測定するために、少なくとも1つのセンサに接続された、変動解析サーバと、前記病院施設の内部の既存システムへの、1つ以上の追加的インターフェースと、を含む、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記臨床施設は、少なくとも1つの患者インターフェースに接続された、少なくとも1つの変動解析サーバであって、各患者インターフェースは、患者のそれぞれのパラメータを測定するために、少なくとも1つのセンサに接続された、変動解析サーバと、前記少なくとも1つの変動解析サーバに接続された監視センタと、を含む、請求項21に記載の方法。

請求項24

前記移動施設は、少なくとも1つの患者インターフェースに接続された、少なくとも1つの変動解析サーバであって、各患者インターフェースは、患者のそれぞれのパラメータを測定するために、少なくとも1つのセンサに接続された、変動解析サーバを含み、前記解析サーバおよび前記患者インターフェースは、モバイルデバイスによってホストされる、請求項21に記載の方法。

請求項25

前記中央サービスは、前記複数の施設から離れており、前記データパッケージは、前記中央サービスに送り出されるか、または前記中央サービスから引き出され、かつ、前記閾値データおよび前記更新データは、前記複数の施設に送り出されるか、または前記中央サービスから引き出される、請求項20に記載の方法。

請求項26

前記中央サービスに、前記中央データベースと交信するための管理的インターフェースを提供するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。

請求項27

研究者が、前記データベースと交信することを可能にするための、研究プログラムインターフェースをさらに含む、請求項20に記載の方法。

請求項28

前記閾値データは、前記変動解析を行う際に、前記複数の施設によって使用されることになる閾値に関する情報を含み、前記閾値は、1つ以上の警報をトリガするために使用されるように構成される、請求項20に記載の方法。

請求項29

前記更新データは、前記複数の施設で作動しているソフトウェアに対する更新を含む、請求項20に記載の方法。

請求項30

請求項20〜29のいずれか1項に記載の方法を実行するための、コンピュータが実行可能な命令を含む、コンピュータ可読媒体。

請求項31

複数の施設で経時的に行われる変動解析を支援するためのシステムであって、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリと、請求項30に記載の前記コンピュータ可読媒体と、を含み、前記コンピュータ可読媒体は、別個の場所に、コンピュータ可読の命令の一部を含んでもよい、システム。

請求項32

それぞれの施設で経時的に行われる、1つ以上の変動解析の結果を表す、データパッケージを準備するための方法であって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度をコンピュータで計算するステップを含み、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、前記方法は、−前記複数の時間間隔を含む、ある期間にわたって、パラメータのための波形を入手するステップと、−前記波形を使用して、生の時系列を含む、生センサデータを入手するステップと、−前記生センサデータを平滑化して、平滑化センサデータを入手するステップと、−前記平滑化センサデータを使用して、変動解析を行い、生変動データを入手するステップと、−前記生変動データを平滑化して、平滑化変動データを入手するステップと、−タイムスタンプデータを、前記生センサデータと、前記平滑化センサデータと、前記生変動データと、前記平滑化変動データと、に関連付けるステップと、−前記生センサデータと、前記平滑化センサデータと、前記生変動データと、前記平滑化変動データと、前記タイムスタンプデータとを使用して、変動データファイルを生成するステップと、−前記データパッケージの中に、前記変動データファイルを含めるステップと、を含む、方法。

請求項33

波形データファイルを準備するために、前記波形を使用するステップと、前記データパッケージの中に、前記波形データファイルを含むステップと、をさらに含む、請求項32に記載の方法。

請求項34

追加的パラメータについて、前記方法を1回以上繰り返すステップと、前記データパッケージの中に、追加的変動データファイルを含むステップと、をさらに含む、請求項32または請求項33に記載の方法。

請求項35

前記期間中に、前記パラメータに関連付けられた1組の1つ以上の臨床事象を入手するステップをさらに含む、請求項32〜34のいずれか1項に記載の方法。

請求項36

前記変動解析と関係する、追加的データを付加するステップをさらに含む、請求項32〜35のいずれか1項に記載の方法。

請求項37

前記追加的データは、患者データを含む、請求項36に記載の方法。

請求項38

前記データパッケージに関するファイル情報を追加するステップをさらに含む、請求項32〜37のいずれか1項に記載の方法。

請求項39

請求項32〜38のいずれか1項に記載の方法を実施するための、コンピュータが実行可能な命令を含む、コンピュータ可読媒体。

請求項40

経時的に行われる変動解析を実施するための方法であって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、前記方法は、−前記変動解析中に記録された臨床事象を入手するステップと、−前記変動解析中に入手したデータと相関させるために、1つ以上のタイムスタンプを、前記臨床事象に関連付けるステップと、−1つ以上の変動解析の結果を表す、データパッケージの中の前記臨床事象を、前記1つ以上のパラメータと関連付けるステップと、を含む、方法。

請求項41

前記臨床事象は、患者と交信する1つ以上のセンサから、センサデータを入手するようにも構成される、患者インターフェースを通して入手される、請求項40に記載の方法。

請求項42

前記臨床事象は、外部的事象を検出することにより、自動的に記録される、請求項40に記載の方法。

請求項43

前記臨床事象は、検出された際に、ユーザが前記臨床事象を手動で記録することを可能にするために、ディスプレイを有する事象記録装置を使用して記録される、請求項40に記載の方法。

請求項44

請求項40〜43のいずれか1項に記載の方法を実施するための、コンピュータが実行可能な命令を含む、コンピュータ可読媒体。

請求項45

請求項44の前記コンピュータ可読媒体を含む、経時的に行われる変動解析を実施するためのシステム。

請求項46

経時的に行われる変動解析中に検出された臨床事象を記録するためのシステムであって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップであって、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、前記システムは、前記臨床事象を捕捉するための事象記録装置であって、ユーザにインターフェースを提供するためのディスプレイを備える、事象記録装置と、前記変動解析中に記録された臨床事象を入手するための、コンピュータが実行可能な命令を備えるコンピュータ可読媒体と、を備え、前記変動解析中に入手したデータと相関させるために、1つ以上のタイムスタンプを、前記臨床事象に関連付ける、システム。

請求項47

前記臨床事象は、患者と交信する1つ以上のセンサから、センサデータを入手するようにも構成される、患者インターフェースを通して入手される、請求項46に記載のシステム。

請求項48

前記臨床事象は、外部的事象を検出することにより、自動的に記録される、請求項46に記載のシステム。

請求項49

前記臨床事象は、検出された際に、ユーザが前記臨床事象を手動で記録することを可能にするために、ディスプレイを有する事象記録装置を使用して記録される、請求項46に記載のシステム。

請求項50

経時的に行われる変動解析中に入手されたデータを表示するためのシステムであって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、前記システムは、表示ツールキットと、前記データを格納するためのデータ記憶装置と、を備え、前記表示ツールキットは、時系列データに関連付けられた変動データとともに、センサデータから抽出された前記時系列データを同一の画面上に表示するための、コンピュータが実行可能な命令を有する、コンピュータ可読媒体として具体化される、システム。

請求項51

前記時系列を、時間について前後にスクロールするための命令をさらに含む、請求項50に記載のシステム。

請求項52

前記センサデータにおける前記時系列データの検出を訂正するための命令をさらに含む、請求項50または請求項51に記載のシステム。

請求項53

前記時系列または変動データから動画を生成するための命令をさらに含む、請求項50〜52のいずれか1項に記載のシステム。

請求項54

前記時系列または変動データを表示するための、1組の表示形式をさらに含む、請求項50〜53のいずれか1項に記載のシステム。

請求項55

ユーザが前記表示ツールキットと交信することを可能にするための、入力インターフェースをさらに備える、請求項50〜54のいずれか1項に記載のシステム。

請求項56

ディスプレイをさらに含む、請求項50〜55のいずれか1項に記載のシステム。

技術分野

0001

以下は、概して医療監視に関し、1つ以上の臓器の経時的生理的パラメータ変動の監視において特定の有用性を有する。

背景技術

0002

細菌感染は、特に宿主防御能の低下した患者において、依然として苦痛および死の主要な原因である。臓器機能不全をもたらす恐れのある重症感染症に対する宿主反応に関与する、メカニズム経路メディエータ転写因子受容体ベル、および遺伝子活性化に関する広範囲にわたる知識が存在するが、一斉に作用する全体のシステムの理解には、典型的に限界がある。

0003

臨床的背景において、現行の監視技術は、生命徴候の監視、研究室、および種々の放射線学細菌学および病理学検査を伴う、高いレベルの高度化を達成している。これらの検査は、感染症を確実に診断するために概して適しているが、感染症を診断するための基準は、明確でない。しばしば、個々に非特異的な臨床的徴候および症状のゲシュタルトは、感染症の診断および抗生物質治療の開始につながる。したがって、診断のタイミングは不明確で繊細さに欠け判断力に左右され、これが遅延につながる可能性がある。感染しやすさが高まっているか、または予備能障害のある患者集団において、診断の遅延は、たとえ数時間内であっても、悲惨な結果となる可能性がある。認識および対処の前に、臨床症状の悪化が、かなり進行している可能性がある。感染症の診断の遅さ、急速な臨床症状の悪化、ICUに入ること、および臓器機能不全は、危篤状態の患者の病歴において、珍しいものではない。

0004

例えば、危篤状態の患者において、重度敗血症および敗血症ショックは、集中治療室への入室の10%(Brun−Buisson C.The epidemiology of the systemic inflammatory response.Intensive Care Med.2000;26 Suppl 1:S64−74)およびすべての入院の2.9%を占める(Angus DC,Linde−Zwirble WT,Lidicker J,Clermont G,Carcillo J,PinskyMR.Epidemiology of severe sepsis in the United States:analysis of incidence, outcome,and associated costs of care.Crit Care Med.2001 JuI;29(7):1303−10)最も一般的な死因である。敗血症における早期蘇生の実証済みの利点を考慮すると、生命を救う可能性を有する、感染症をより早く診断する方法を開発するための、追加的な緊急な必要性がある。

0005

別の例では、好中球減少症は、悪性血液病コントロールにおいて、最も一般的には白血病およびリンパ腫において、一般的に採用される、骨髄機能廃絶化学療法の意図した医原性副作用である。その結果として、宿主の免疫系に欠陥が生じ、日和見感染の危険が高まることにつながる(Neth OW,Bajaj−Elliott M,Turner MW,Klein NJ.Susceptibility to infection in patients with neutropenia: the role of the innate immune system.Br J Haematol.2005 Jun;129(6):713−22)。好中球減少中の熱性疾患は、しばしば感染症の最初の現れである。これは、入院の可能性のある、迅速な抗菌療法を必要とする。したがって、療法により、好中球減少症患者は不安定な発熱の危険を経験するが、発熱した場合には、それは患者の大多数において、感染症と同義である。

0006

好中球減少症感染の予後は、死亡の危険性を伴って、全身性炎症反応症候群(SIRS)の重症度、および敗血症症候群への臨床的進展重篤な敗血症ショックおよび臓器不全による影響を大いに受ける。全体的に、全身性炎症反応症候群を伴って集中治療室に入室する発熱性好中球減少症患者は、20%の死亡危険を示し、敗血症ショックがある場合には、死亡危険が90%に上昇する(Regazzoni CJ,Khoury M,Irrazabal C,Myburg C,Galvalisi NR,O’Flaherty M,et al.Neutropenia and the development of the systemic inflammatory response syndrome.Intensive Care Med.2003 Jan;29(1):135−8)。回帰分析は、死亡率は、年齢悪性度、または血液培養陽性によって変わらないことを実証し、転帰を決定する際の宿主反応の重要性浮き彫りにした。これらの結果は、発熱性好中球減少症患者の管理において、早期診断および病気の重症度の早期発見の重要さを強調するものである。

0007

複合システムとは、可変的に相互接続された多くの要素の動的ウェブを含むシステムのことである。部品(例えば、蜜蜂ニューロン)の複合的な相互接続およびその環境(すなわち、非平衡性)に起因して、独特の体系的または創発的特性(例えば、蜂蜜を作る、認知する、記憶する能力)を所有する、複合システム(例えば、蜜蜂のCNS)と呼ばれる新しいエンティティが生じる。その体系的特性が、部品の特性とはまったく相違することから、複合システムは、その部品を理解することのみによっては、その理解がいかに徹底したものであったとしても、完全には理解することができない(Gallagher R,Appenzeller T.Beyond Reductionism.Science.1999;284:79)。期待できる洞察力に加え、説得力のある証拠から、臓器機能不全につながる可能性のある、重症感染症または損傷に対する宿主反応は、確かに複合的非線形システムであることが報告されている(Seely AJ,Christou NV.Multiple organ dysfunction syndrome:exploring the paradigm of complex nonlinear systems.Crit Care Med.2000 Jul;28(7):2193−200)。

0008

重度の発作に対する宿主反応を複合システムとして特定することは、両者とも頻繁に発生する、感染症患者における予測不能な急速な悪化、および特定できる原因のない予期しない臨床改善が、不確実性と驚きとして、複合システム内の至る所に存在するのかを説明するために役立つ。重症疾患が、変化した、予測不能な複合システムの反応によって特徴つけられる場合、システムの軌跡を追跡するために、全システムを全体として、経時的に監視する緊急な必要性がある。部品の一時的な変動が、システム全体の整合性および複雑性からもたらされる場合、変動提供の連続的な監視は、システム全体を経時的に監視することを意味するということが仮定されている(Seely and Christou)。

0009

最も一般的には変動解析と呼ばれる、リズムの特性化の科学は、非線形力学、カオス理論、および数理物理学に基づく一連線形および非線形変動解析技術を利用して、それによって生体信号の時系列総合的に特徴付けられる手段を表す(Seely AJ,Macklem PT.Complex systems and the technology of variability analysis. Crit Care.2004 Dec;8(6):R367−84)。各技術は、変動のパターンを特徴付けるための、異なった相補的手段を提供する。複合システムのパラダイム内において、変動解析は、力学を発生する基礎的なシステムをより直接的に監視するための技術を提示する。

0010

時間領域、周波数領域、エントロピーおよびスケール不変解析を含む、変動を経時的に定量化し、特徴付けるための種々の技術が存在する。簡潔に述べると、時間領域解析は、経時的に測定された生データ、全体の変動の解析(標準偏差および範囲)、および標準化された分布(例えば、正規対数正規)によってデータが適合する程度を伴う。周波数領域解析は、経時的に観測される信号の周波数スペクトルを評価する。相違した周波数を持つ正則振幅の和として任意の時系列を表すことができ、時間領域から周波数領域解析への変換(および逆変換)は、フーリエ変換と呼ばれる数学的変換を用いることで実現される。ウェーブレット解析は、時間と周波数領域変動情報とを組み合わせ、時間領域解析と周波数領域解析とのハイブリッドを提供する。エントロピー解析は、生体信号の中の情報、ゆらぎ不規則、または複雑性の程度の測度を提供する。数学上の計算は、ゆらぎまたは複雑性の程度を反映する、単一の(例えば、近似またはサンプルエントロピー)または複数の値(例えば、マルチスケールエントロピー)を生じさせる。スケール不変解析は、すべての時間スケールにわたって現れる、変動の共通パターンの測度を提供する。

0011

変動解析技術のこのパネルは、生体信号を特徴付けるために役立てるために開発された。これらは、心拍数呼吸数血圧好中球数、温度等に適応され、調査一貫して、以下を実証した。(1)変動のパターンは、そのパラメータの絶対値に関する、追加的な臨床的に有用な情報を提供する、(2)変化したばらつきは、年齢および病気に関連して現れる、および(3)変化の程度は、病気の重症度と相関する。

0012

心拍数変動(HRV)の低下は、心臓疾患罹患する成人患者の死亡危険の標識として使用されてきたことに加え、胎児仮死を特定するための手段として長年使用されてきた。最近になって、感染症がある場合のHRV評価が実施され、敗血症、敗血症ショック、および臓器機能不全患者におけるHRVの再現性のある変化を示した。集中治療専門医にとって貴重であることに、感染症がある場合にHRVが変化した程度は、病気の重症度に相関する。多くの最近の研究結果によれば、変化したHRVは、成人における感染症の早期発見の未利用の手段を提供するという仮説を強く裏付けている。

0013

別の環境では、2つ以上の臓器系不全を有することによって定義される多臓器不全症候群(MODS)は、慢性的に危篤状態の患者に特徴的な、臨床的な症候群である。MODSは、集中治療室(ICU)の患者の死亡の主要な原因である。MODSは、可能な限り最も先進のICU生命維持技術に依存する患者に発生する可能性がある、通常死亡につながる臓器機能の順次的な悪化を表す。これらの患者は、ICUにおける観血的監視一対一看護、複数の輸血人工呼吸器透析心臓補助デバイス昇圧剤等を含む、相当の人的資源および病院資源を必要とする。

0014

患者パラメータの変動の評価は、ごく最近になって医学における調査の対象となったもので、普通の臨床業務においては、一般的には使用されていない。前述のとおり、変動は、パラメータが経時的に上下する程度および特徴を説明する。これは、経時的な変化のパターンを示す、変動の力学の主成分である。パラメータは、変動の程度の低さを示して比較的一定であることも、高い変動とともに激しく上下することも、ゆらぎまたは複雑性の低下、または高頻度変動の低下を示すこともある。

0015

概して、変動および複雑性の縮小は、疾病の状態と相関するが、しかしながら、個々の患者パラメータの変動の上昇および低下は、両者とも病状に関係する。これらの個々の変数の評価の肯定的な臨床的有意性は、複数の患者パラメータの評価が臨床的に有用な情報を提供するであろうことを示す。

0016

2006年5月2日に出願された、Seelyの米国特許第7,038,595号には、複数の患者パラメータ変動解析のためのシステムおよび表示について記載されている。Seelyによって記載されたシステムは、ベッドサイドモニタによって各患者について経時的に監視される、複数の患者パラメータの変動の解析および表示を提供する。それぞれの監視される患者パラメータは実時間で測定され、不自然なデータは削除され、変動解析は選択された観測期間に基づいて実施される。時間の各間隔の変動解析は、患者パラメータの変動を生じ、これは他にもある用途の中でも特に、MODSの検知、予防、および治療において特に有用な診断情報を提供するために、ある時間間隔にわたって患者パラメータが変化する程度を示す。

0017

かかるシステムは、経時的な変動解析の能力とともに、複数の患者パラメータの変動データ臨床医に同時に提供するが、特にICU環境における構成は別として、複数の取得施設からのデータを好都合に取り扱うための、取得されたデータの利用法を整理するための完全な解決法はいまだ存在しない。

0018

疾病の状態と相関し得る、経時的な変動における変化は、ユーザが複数の間隔で取得された変動データの一般表示を設定可能な表示ツールキットにおいて、操作することを可能にする、追加的変動表示ツールを提供することにより、より好都合に表示することができる、ということが認識されている。また、各変数(例えば、各臓器)について一貫した変動データファイルを使用し、変動データファイルを対応する波形データファイルおよびユーザまたは患者に関係する他のデータと統合すると、1つ以上の変数(例えば、臓器)を監視する能力のある別個の変動解析装置を用いて、各データを並行して取得している複数の施設を通じて、複数の時間間隔についての変動データを取得することができる、分配されたフレームワークの配置を可能にするということも認識されている。また、かかる分配されたフレームワークは、閾値情報に加えて、ソフトウェアおよび操作上の更新が、中央サービスによって複数の施設に分配され、したがって変動解析を行うための一貫したおよび標準化されたアプローチを提供することを可能にするということも認識されている。

0019

変化した変動が感染症患者において立証されており、また臓器不全の重症性との相関から、分配されたフレームワークを通じて経時的に変動解析を行うための以下のシステムが、感染症の早期診断および臓器不全の実時間予後診断を可能にするために設計された。

0020

一態様では、複数の施設で経時的に行われる変動解析を支援するための方法であって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、該方法は、中央サービスと複数の施設との間に、接続を提供するステップと、中央サービスが、複数の施設のそれぞれから、複数の施設のうちのそれぞれの1つで行われた、1つ以上の変動解析の結果を表す、1つ以上のデータファイルを含むデータパッケージ入手するステップと、中央サービスが、中央データベースの中にデータパッケージを格納し、かつ、さらなる処理のために、データベース使用可能にするステップと、中央サービスが、複数の施設のうちの少なくとも1つに、閾値データを提供するステップであって、閾値データは、変動解析のパラメータに関する情報を含み、かつ、中央データベースの内容に由来する、ステップと、中央サービスが、複数の施設のうちの少なくとも1つに、更新データを提供するステップであって、更新データは、複数の施設の間の一貫性を維持するための情報を含む、ステップと、を含む、方法が提供される。

0021

別の態様では、複数の施設で経時的に行われる変動解析を支援するための方法であって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、複数の施設について、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、該方法は、施設と中央サービスとの間に、接続を提供するステップと、施設で行われた1つ以上の変動解析の結果を表す、1つ以上のデータファイルを含む、データパッケージを準備するステップと、中央サービスが、データパッケージを、他のデータパッケージとともに中央データベース内に格納することを可能にするため、およびデータベースをさらなる処理のために利用可能にするために、中央サービスがデータパッケージを利用可能であるようにするステップと、中央サービスから、変動解析のパラメータに関し、かつ中央データベースの内容に由来する情報を含む、閾値データを入手するステップと、中央サービスから、施設の、複数の施設の他のものとの一貫性を維持するための情報を含む更新データを入手するステップと、を含む、方法が提供される。

0022

また別の態様では、複数の施設で経時的に行われる変動解析を支援するための方法であって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、該方法は、中央サービスと複数の施設との間に接続を提供するステップと、複数の施設のそれぞれが、それぞれの施設で行われた、1つ以上の変動解析の結果を表す、1つ以上のデータファイルを含む、データパッケージを準備するステップと、複数の施設が、中央サービスがデータパッケージを利用可能であるようにするステップと、中央サービスが複数の施設の各々から1つ以上のデータファイルを含むデータパッケージを入手するステップと、中央サービスが、中央データベースの中にデータパッケージを格納し、かつ、さらなる処理のために、データベースを使用可能にするステップと、中央サービスが、閾値データを提供するステップであって、閾値データは、変動解析のパラメータに関する情報を含み、かつ、中央データベースの内容に由来する、ステップと、複数の施設が、中央サービスから閾値データを入手するステップと、中央サービスが、更新データを提供するステップであって、更新データは、複数の施設の操作の間の一貫性を維持するための方法を含む、ステップと、複数の施設が、中央サービスから更新データを入手する、ステップと、を含む、方法が提供される。

0023

また別の態様では、それぞれの施設で経時的に行われる、1つ以上の変動解析の結果を表す、データパッケージを準備するための方法であって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、該方法は、複数の時間間隔を含む、ある期間にわたって、パラメータのための波形を入手するステップと、波形を使用して、生の時系列を含む、生センサデータを入手するステップと、生センサデータを平滑化して、平滑化センサデータを入手するステップと、平滑化センサデータを使用して、変動解析を行い、生変動データを入手するステップと、生変動データを平滑化して、平滑化変動データを入手するステップと、タイムスタンプデータを、生センサデータと、平滑化センサデータと、生変動データと、平滑化変動データとに関連付けるステップと、生センサデータと、平滑化センサデータと、生変動データと、平滑化変動データと、タイムスタンプデータとを使用して、変動データファイルを生成するステップと、データパッケージの中に、変動データファイルを含める、ステップと、を含む、方法が提供される。

0024

また別の態様では、経時的に行われる変動解析を実施するための方法であって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、該方法は、変動解析中に記録された臨床事象を入手するステップと、変動解析中に入手したデータと相関させるために、1つ以上のタイムスタンプを、臨床事象に関連付けるステップと、1つ以上の変動解析の結果を表す、データパッケージの中の臨床事象を、1つ以上のパラメータと関連付けるステップと、を含む、方法が提供される。

0025

また別の態様では、経時的に行われる変動解析中に検出された臨床事象を記録するためのシステムであって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、該システムは臨床事象を捕捉するための事象記録装置を含み、事象記録装置は、ユーザにインターフェースを提供するためのディスプレイを含み、コンピュータ可読媒体は、変動解析中に記録された臨床事象を入手するための、コンピュータが実行可能な命令を含み、かつ、変動解析中に入手したデータとの相関のために、1つ以上のタイムスタンプを、臨床事象に関連付けるシステムが提供される。

0026

また別の態様では、経時的に行われる変動解析中に入手されたデータを表示するためのシステムであって、各変動解析は、1つ以上のパラメータについて、複数の時間間隔で、変動の尺度を計算するステップを含み、変動の各尺度は、ある時間間隔にわたって、それぞれのパラメータが変化する程度および特徴を示し、該システムは表示ツールキットおよびデータを格納するための、データ記憶装置を含み、表示ツールキットは、時系列データに関連付けられた変動データとともに、センサデータから抽出された時系列データを同一の画面上に表示するための、コンピュータが実行可能な命令を有する、コンピュータ可読媒体として具体化する、システムが提供される。

0027

これらの方法は、コンピュータが実行可能な命令としてコンピュータ可読媒体上に実装されてもよく、種々のシステムは、以下に記載する方法に従って動作するように構成されてもよいことを理解されたい。

図面の簡単な説明

0028

本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、単に例としてのみここに説明する。

0029

1つ以上の変動解析監視施設から取得されたデータを取り扱うための集中型サービスを示す、略ブロック図である。
図1に示す、病院施設の略ブロック図である。
図1に示す、臨床施設の略ブロック図である。
図1に示す、移動施設の略ブロック図である。
図2図4に示す、患者インターフェースの略ブロック図である。
図2図4に示す、変動解析サーバの略ブロック図である。
図1〜6に示す、変動および波形データファイルの略ブロック図である。
図5に示す、表示ツールキットの略ブロック図である。
個別の変動についての例示的ディスプレイを説明するブロック図である。
例示的変動ヒストグラムを説明する図である。
図10Aの変動ヒストグラムについての変動ヒストグラムデータポイントに相関する例示的プロットを説明する図である。
変動ヒストグラムの例示的レビュー表示を説明する図である。
図7に示すデータファイルの構成を説明するフロー図である。
中央サービス図1に示す略ブロック図である。
運動付加試験中のウェーブレットを用いた経時的な変動を示す図解である。
図13に示す、ウェーブレットを用いた変動の相関を説明する図解である。
多重パラメータ呼吸数および心拍数変動解析を示す図である。
図15に対応する、多重パラメータ多臓器呼吸数および心拍数変動解析を示す図である。
複数の患者の平滑化心拍数変動を示す図である。
図8に示す、Vcamツールの出力ディスプレイを示す図である。
図8に示す、Vcorrectorツールの出力ディスプレイを示す図である。
図8に示す、Vcorderツールの出力ディスプレイを示す図である。
図8に示す、Vmovieツールの出力ディスプレイを示す図である。
自発呼吸試験の呼吸数変動(RRV)結果を示す図である。
HRVとRRV時間曲線との組み合わせを示してRRV対HRVの軌跡曲線を提供する出力ディスプレイである。
変動解析と関連する臨床事象を入力するためのインターフェースの例を示す、出力ディスプレイである。
変動解析の種類を選択するためのインターフェースの例を示す、出力ディスプレイである。
変動解析サーバを使用して、波形データを遡及的に解析するためのプロセスを示す、略ブロック図である。

0030

複数の時間間隔にわたる変動の解析(例えば、持続的変動解析)の背後の基礎的な理論は、例えば、治療、早期診断、および総合的な健康管理のための多くの環境において、広範囲に及ぶ用途を有するということが認識されている。

0031

また、経時的な変動の解析が、種々の臨床的応用に対して可能であるということも認識されている。かかる臨床的応用の1つは、変動を複数の時間間隔にわたって監視することによって検知される、変動における個々の変化である、患者自身の変動の評価である。以下で説明されるように、患者の変動の評価には、例えば、実時間および遡及の両方において、発病の開始を検知するなどの、多くの利用法がある。別のかかる臨床的応用は、治療介入に反応する変動の変化の評価である。例えば、これは、以下に記載のシステムおよび/またはその部品が、安全性および危篤状態の患者における人工呼吸器等の医療機器からの解放のタイミングについて臨床医を補佐することを可能にする。

0032

前述のおよびさらに多くの理由のために、経時的な変動解析の能力を利用するために、複数の時間間隔にわたって、分散型システム全域で一貫した形で、複数の変動解析を扱うことのできる、基礎的なフレームワークが開発された。これは、部分的には、解析される各変動のための別個の変動データファイルに加えて、変動監視を使用して取得された基礎的データの総合的な特徴付けを含む、標準波形データファイルを作成および格納することによって達成される。一貫した、標準的データファイルは、中央エンティティが、分散環境への接続性を提供することができ、一貫および関連した解析を確実とするように、設備およびソフトウェアを更新する方途を提供することができる一方で、基礎的なフレームワークとともに、ユーザが1組の便利な変動表示ツールを利用することを可能にする。システムは、入院患者外来患者および完全に移動性の/独立したユーザを含む、多くの環境に拡大することができる。

0033

ここで、図を参照して、特に図1を参照すると、測定データを入手し、データパッケージ18を生成するために、1つ以上のパラメータの複数の時間間隔にわたる変動の解析を実施する監視施設16である、1つ以上の変動解析監視施設16から入手される、データパッケージ18を入手し、取り扱い、処理するための中央サービス10が示される。「経時的な変動解析」または「変動解析」は、概して、以下では各患者パラメータ、変数、臓器等についての、複数の時間間隔についての変動の測定の計算を指すということを理解されたい。変動の各尺度は、それぞれの患者パラメータがある時間の間隔にわたって変化する程度および特徴を示し、各変動解析は、患者パラメータの変動の変化が、ある期間にわたって観測されることを可能にする。本願に記載される変動解析は、1つ以上の患者パラメータ、すなわち、単一のパラメータおよび/または多重パラメータ(例えば、単一の臓器または多臓器)に対して実施することができ、間欠、連続等の任意の適したパターンに従って、変動の複数の尺度を入手することができる。

0034

サービス10は、分散データファイル管理システム12の一部であり、これはまた、相互接続媒体またはネットワーク、本実施例ではインターネット14、および1つ以上の変動解析監視施設16を含むかまたは利用する。本実施例では、3つの監視施設16a〜16cが示され、それぞれが異なる環境において異なる役割を有する。本実施例には、病院監視施設16a、臨床施設16bおよび移動施設16cを示し、これらはそれぞれ、以下でより詳細に説明される。

0035

システム12全体によって必要とされるとおり、任意のトポロジーを使用した任意の組み合わせで、任意の数の、任意の種類の監視施設16(すなわち、16a、16bまたは16c)があってもよい。したがって、それぞれの種類のうちの1つである、3つの施設16の提供は、説明のみを目的として示される。さらに、ネットワーク14は、任意の適した構造で無線または有線アクセス通信を提供する、ローカルエリアネットワーク(LAN)でも、広域ネットワークWAN)でも、その他でもよい、任意ネットワークであることができるということが理解されよう。本実施例では、多くの地理的な場所が受け入れられることができるように、中央サービス10と監視施設16との間に接続性を提供するためには、インターネット14が特に適した媒体であるが、しかしながら、例えば、閉鎖システムにおける直接接続を含む、任意の他の媒体または中間物であっても十分である。実施例には、世界のどこかに位置するICUのネットワーク、または骨髄移植センタのネットワークを含む場合がある。各ネットワークは、その必要に応じた、単一のまたは多臓器変動解析を実施するための個別の実施形態を有する。

0036

図1に示すとおり、インターネット14は、中央サービス10と監視施設16との間でデータを転送するための媒体を提供する。監視施設16で作成されるデータパッケージ18は、図示されるように監視施設16によって中央サービス10にアップロードされるか、またはダウンロードされてもよく、または例えば、周期的なポーリング、転送またはバッチ処理を使用して、中央サービス10によって、監視施設16から「引き出され」る。どちらの場合でも、データパッケージ18は、インターネット14を使用する場合、例えば、1つ以上のデータパケット電子メール添付ストリーミングデータ等の中間ネットワークを通して転送されるために適した方式である。データパッケージ18は、テキストファイルであってもよく、または、テキスト、画像、音声等のいくつかのファイル形式の組み合わせであってもよい。データパッケージ18は、伝送中に別々の部分またはパケットとして具体化される必要はないが、その代わり、中央サービス10で受信され処理される連続または半連続データストリームとして送信されてもよいことを理解されよう。したがって、図1に示すデータパッケージ18は、概して監視施設16から中央サービス10へのデータの流れを表すことがわかる。任意のネットワークまたは信号は、データパッケージ18によって表されるデータを運搬するためのコンピュータ可読媒体を提供する。以下でさらに説明されるように、各データパッケージ18は、概して1つ以上の変動データファイル103の組および対応する波形データファイル104を含むデータの特定の伝送を表し、各組は、特定のパラメータに関連付けられる。「臓器」という用語は、本明細書においては説明の目的のためのみに使用され、経時的な変動の解析を測定することができる、任意のパラメータ、変数、機能または項目を表すことがあることを理解されたい。

0037

2つの他の種類のすなわち閾値データ20および更新またはアップグレードデータ22のためのデータ転送図1に示す。閾値データ20は、変動解析を行う際に監視施設16によって使用される可能性があり、かつ警報がいつ鳴動するべきか決定するための、種々の閾値に関する情報を含有する。変動解析において、閾値は、相違する臨床的応用に加えて、相違する患者集団に特有生理学と病理学との区別を表す。言い換えれば、例えば、手術後の患者またはうっ血性心不全で入院している患者と比べて、閾値は、骨髄移植患者については異なる場合がある。以下でより詳細に説明されるように、閾値データ20は、典型的に、分散型システム全体12にわたる複数の患者またはユーザから取得されたデータの融合に基づき、これは異なる臨床環境および患者集団について異なる閾値が特定されることを可能にする。したがって、閾値データ20は、変動の影響のより完全な検討と、および図1に示す構造および接続性なしではほかでは利用できない、変動解析の結果を考察する方途とを提示する。

0038

加えて、変動データが融合され、生理学に対する病理学の全体的な決定を行うことによって、使用される方法が存在し得る。

0039

更新データ22は、アップグレード、更新、およびシステム全体12にわたる一貫性を維持するために必要な、任意の他の有用な情報を含有する。したがって、図1の接続性はまた、閾値データ20によって提示されるデータの協調に加えて、変動解析が実施される一貫および標準化した方途を可能にする。したがって、図1に示すシステム12によって提供される構造および接続性は、中央サービス10が、すべての接続された監視施設16で実施される変動解析の質および一貫性に対する制御を維持することを可能にすることがわかる。また、すべての監視施設16からデータパッケージ18を集めることにより、中央サービス10は、閾値データ20および更新22を通じたフィードバックとしてのみでなく、以下で説明されるように、研究および/または学習のための、有用な情報を提供するための、より広範囲な結果へのアクセスを有する。閾値データ20および更新データ22は、データパッケージ18と類似の性質を所有することができ、したがってかかる詳細は繰り返される必要がないということを理解されたい。

0040

病院監視施設16aの実施例を図2に示す。図2に示す要素は、病院施設16aにおいて互いに交信し得るいくつかの可能性のあるコンポーネントを説明することを意図するが、しかしながら、病院施設16aに存在する実際の設備および/または職員ならびに患者26および職員のニーズに応じて、特定の病院施設16aにおいてこれらの要素のうちの任意の数(またはすべて)が使用されても、または使用されなくてもよい。加えて、監視されるパラメータ(およびモニタ自体)は、ネットワーク毎に異なる場合がある。以下で説明するように、図2に示す病院施設16aを含む各監視施設16は、取得されたデータを使用して経時的に変動解析を行い、かつその施設において閲覧でき、中央サービス10に提供されるデータパッケージ18を生成するための、少なくとも1つの変動解析サーバ24である。しかしながら、図示されるように、各変動解析サーバ24は、複数の患者26と連動することができ、したがって、各監視施設16において、典型的にただ1つの変動解析サーバ24が必要とされる。変動解析サーバ24は、個々の患者インターフェース28を通じて1つ以上の患者26から取得されたデータを集め、1つ以上の患者パラメータについて変動の尺度を計算し(すなわち、変動解析を実施し)、データパッケージ18、閾値データ20および更新データ22の伝送および/または受信を容易にするための、インターネット14を通じて中央サーバ10に接続する。図示されるように、ICUに収容されている者、または普通の病棟にいる者などの、異なる種類の患者26が存在する場合がある。

0041

患者インターフェース28は、1つ以上のセンサ30を使用して、患者26の生理学的パラメータを監視する。データまたは患者パラメータには、実時間または間欠的に正確に測定されることのできる、任意の変数を含むことができる。データは、連続する波形(例えば、CO2カプノグラフでは100Hz、EKGでは500Hz等の特定の周波数レベルで)から入手され得るか、または、例えば、温度測定等の絶対測定として、特定の間隔で採取され得る。センサ30および患者インターフェース28は、例えば、心電図(ECG)、CO2カプノグラフ、温度センサ、比例補助換気光電子プレチスモグラフィ尿比重計肺動脈カテーテル動脈経路、O2飽和デバイス等を含んでもよい。センサ30を通じて取得されたデータにさらに有意性を提供するために、臨床事象はこのデータに関連付けられ、これはタイムスタンプが付された事象32を記録する行為を通じて、典型的に、病院(ベッドサイド)環境にいる医療従事者34によって入力される。臨床(タイムスタンプが付された)事象は、身体的活動投薬、診断、生命維持、洗浄寝返り、血液吸引等である可能性がある。臨床事象は、特定の時間と関連付けられ、これは次に、センサ30を使用して、また同一の特定の時間に取得されたデータと関連付けられる。臨床事象はまた、例えば、電子的に事象を検知し、臨床事象またはノイズとして指定するために、かかる事象を処理するアルゴリズムを利用することにより、自動的に記録することができるということが理解されるであろう。本実施例では、患者インターフェース28は、センサデータ30とともにタイムスタンプが付された事象データ32を集めるように構成され、さらなる詳細は以下に記載される。追加的なタイムスタンプが付されていない情報(例えば、人口統計)もまた各患者のために記録することができるということに留意されたい。

0042

図2からわかるように、変動解析サーバ24は、患者インターフェース28およびインターネット14だけでなく、病院施設16a内のいくつかの他のコンポーネント/エンティティにも接続する。例えば、サーバ24は、中央監視および警報システム36に加えて、ナースステーション等の病院監視システム38と連動することができる。中央監視および警報システム36は、かかる変動解析から明白な危機的なまたは潜在的に危機的な状況を検知するために、変動解析サーバ24によって実施される変動解析を監視し、警報または医療専門家42に対する警報を提供する能力があり、医療専門家42はまた、変動解析サーバ24からデータを直接受信することができる。変動解析サーバ24は、固定式ユニットとして具体化されるか、または複数の場所にいる複数の患者26にサービスを提供するために、病院施設16aの周囲における移動を容易にするために、カート上等の可動式ユニットであることができる。同様に、変動解析サーバ24は、専用の装置とするか、またはスペースを最小限に抑えるために、アドオンとして既存の傍らに、もしくは集中型の設備として具体化することができる。

0043

変動解析サーバ24はまた、ベッドサイドで患者26を監視する看護士または他の職員に利用可能とされるか、そうでなければまたは看護士または他の職員に相当するように、ベッドサイドモニタ40と交信することができる。同様に、変動解析サーバ24はまた、ECG、血圧センサ、温度センサ等の他の医療機器に関連付けられる、センサディスプレイ44と交信することができる。前述のとおり、変動解析サーバ24は、別個の、独立したユニットであることができるが、この場合既存のベッドサイド監視設備、ディスプレイおよびセンサとともに使用されるか一体化される、プラグインまたは追加的モジュールとして一体化されてもよい。図2はまた、有用な医療データまたは患者データを提供することができるか、または変動解析サーバ24によって取得されたデータから恩恵を受けるであろう任意の他の監視システムまたは設備を含むことができる、他のモニタ46を示す。例えば、電子患者データベース(図示せず)によって提供されるか、または手動で入力される患者データ48はまた、変動解析サーバ24と交信することができる。以下に記載されるように、患者データ48は、データパッケージ18に付加されるか、または含まれて、そこに包含されるデータについてのさらなるコンテキストを提供することができる。これは、データを人口統計にまとめることを補佐するために、年齢、相対的な健康、性別等の患者の詳細が、取得されたデータにリンクされることを可能にする。やはり図2に示すように、変動解析サーバ24は、変動の含意または影響に関心を持つ、または携わっている、現地科学者50のためのデータまたはほかの有用な情報を提供することができる。患者のプライバシーおよび他の懸念には、必要に応じて、データ機密保護または他のID取り消し措置を追加することによって、対処することができることを理解されよう。

0044

次に図3を参照すると、臨床施設16bが示される。臨床施設16bの実施例aは、骨髄移植診療所である。前述の病院施設16aに類似して、臨床施設16bは、1つ以上の患者インターフェース28からデータを入手し、データ転送を容易にするために、インターネット14に接続する、変動解析サーバ24を含む(すなわち、データパッケージ18を送信し、閾値データ20および更新データ22を受信する)。臨床施設16bにおいて、患者26は、入院していないため、外来患者と呼ばれる。センサ30、タイムスタンプが付された事象32として記録される臨床事象、患者データ48が取得され、前述のものと類似の手法で使用されるので、さらなる詳細を繰り返す必要はない。同様に、変動解析サーバ24は、、妥当な場合、現地の科学者50に加え、臨床施設16bの医療専門家42にデータを提供し、交信することができる。臨床施設16bは、1つ以上の変動解析サーバ24を含んでもよく、典型的には、種々の外来患者26の解析を監視し、必要に応じて警報を提供する、監視センタ52を含む。監視センタ52は、診療所の変動解析サーバ24が離れた場所から監視されることを可能にし、診療所にいくつかのサーバ24が存在する場合、職員がいくつかのサーバ24を監視できるようにする。このように、中央監視センタ52は、いくつかの臨床施設16bにサービスを提供するために使用することができる。

0045

移動施設16cを図4に示す。移動施設16cは、変動解析サーバ24の機能が病院および臨床環境の外で使用されることを可能にし、したがって、本実施形態では、移動施設16cは、任意の「ユーザ」または「対象」にサービスを提供する。一貫性を保つため、以下「患者」という用語は、集合的にあらゆるユーザまたは対象を示す。このように、変動解析は、運動選手消防士警察官、または1つ以上の生理学的パラメータの変動を監視することによって利益を得ることのできる任意の他の人物を含む、任意のユーザに対して実施することができるということが理解されるであろう。したがって、これは、変動が潜在的に危機的な状況を示し得る、火災時、採掘の中、救援任務中等の極限環境における実時間監視を提供することにまで及ぶことができる。すべての場合において、変動は、経時的に監視され、結果として得たデータがその個人に特定のものであるように、あらゆる患者26に対して個別に解析することができる。より広範囲にわたるシステム12を使用すれば、中央サービス10が多くの患者26の個別の結果を利用し、さらなる、より完全な情報を確認することが可能となる。移動施設16cは、概して中央サービス10に接続し、従来の意味における患者であっても、別の種類のユーザであっても、1人以上の患者26と交信することのできる変動解析サーバ24を含む、任意の施設を表す。

0046

図4に示す実施例では、ユーザ26は、概して、モバイルデバイス54を含み、変動解析サーバ24と通信している多くのセンサ30を有する。モバイルデバイス54はまた、パラメータを入力するために、またはセンサ30によって取得されるおよび/またはサーバ24によって処理される表示データ60を閲覧するために、ユーザ26にディスプレイを提供することに加えて、例えば、タイムスタンプが付された事象データ32のための入力を提供するために使用することができる。モバイルデバイス54とサーバ24との間の接続は、センサ30と患者インターフェース28との間の接続と同様に、有線でも無線でもよく、変動解析サーバ24は、基地局にある固定ユニットでも、監視センタにあるカート上のもの等の携帯用ユニットであってもよい。モバイルデバイス54は、入力デバイス、ディスプレイ、および変動解析サーバ24と交信するためのある種の接続性を、好ましくは完全に移動できる態様で提供することのできる、携帯情報端末(PDA)、携帯電話ラップトップコンピュータパソコン、または任意の他のデバイスであることができる。

0047

前述のように、各監視施設16は、変動解析サーバ24を含む。既存の変動解析装置および構造の種々の実施形態の詳細は、Seelyの米国特許第7,038,595号に記載されており、その内容は参照によって本願に組み込まれる。以下図5および図6とあわせて説明されるように、Seelyの文献に記載の装置は、一貫した手順および一貫した形式を使用して、データを集め、表示し、転送するための機能性および機能を追加することにより、システム12内で作動するように変更することができる。まず、以下は、センサ30および患者インターフェース28によるデータの取得についてのさらなる詳細および実施例を提供する。

0048

データ取得には、調査中の患者パラメータのそれぞれについての、連続するデータの順次的記録を含む。例としては、心臓血管パラメータデータの連続的な記録、呼吸パラメータデータの連続的な記録、および他の患者パラメータの規定の時間間隔での(例えば、血糖値を30分毎)記録が挙げられる。

0049

前述のとおり、変動解析のために取得されるデータは、それから時系列がサンプリングされる連続波形から取得するか、または絶対測定として間欠的に取ることができる。

0050

患者パラメータは、患者の監視および治療介入を容易にするために、臓器系にグループ化されてもよい。表1は、臓器系によってグループ化された患者パラメータを示し、イタリック体で示すパラメータは、波形から取られるものを表す。

0051

0052

心臓血管系の整合性を評価するために使用されてもよい患者パラメータは、心臓および血管の機能を反映する、一定の間隔で(絶対測定から、または波形からのどちらか)正確に測定することができる任意のパラメータを含む。心臓血管系内での経時的な変動解析に適している多数の潜在的変数が存在する。これは、その変動の広範囲な評価を受けた最初の患者パラメータである心拍数を含む。心拍の間の間隔は、心電図によって精密に測定することができ、R−R1間隔として知られている。心臓血管系の一部分であり、実時間の正確な測定の対象となる他のパラメータは、血圧、心拍出量中心静脈圧体血管抵抗等を含む。血圧は、標準的な動脈留置カテーテルを用いて、または自動上腕動脈血圧計を用いて測定されてもよい。心拍出量は、経食道心エコー検査または胸部インピーダンス測定を用いて連続的に測定されてもよい。中心静脈圧は、近位上大静脈内に設置されるカテーテルによって測定されてもよい。他のデバイスがより信頼でき、正確であると判明する場合がある。監視デバイスの選択にとって重要なことは、不自然な結果がないこと、迅速な測定の容易さ、および患者の安全である。それでもなお、連続的な、正確な測定の対象となる任意のパラメータは、短期間のみであれば、変動解析のためのデータおよび経時的な表示を提供することができる。

0053

呼吸器系の整合性を表すパラメータは、血液および組織の十分な酸素化、適切な換気、動脈pH、呼吸数および呼吸機構を示すものを含む。パラメータの測定が正確であるほど、経時的な変動解析はより有用となる。

0054

患者が人工呼吸器を装着した状況については、特記に値する。最新の人工呼吸器は、呼吸毎に同一の圧または体積を患者に送る。これは、正常な呼吸機能の成因である正規変動を制限するが、完全には無効としない。例えば、患者が圧補助換気法を受けている場合、その換気を補助するために同一の圧が存在するようにしているにもかかわらず、呼吸毎の1回換気量において、わずかな変動がある。同様に、体積調整換気の圧は、わずかに変化する場合がある。したがって、かかる人工呼吸器を使用して呼吸変動の情報を抽出することが可能となり得る。しかしながら、圧および体積の両者の動的変化を提供する他の人工呼吸器が存在し、これは呼吸変動の有意性を向上させる。具体的には、比例補助換気は、気道抵抗肺コンプライアンス、1回換気量、ピーク気道内圧を含む、呼吸毎の変化および複数の呼吸パラメータの測定を可能にする。したがって、比例補助換気の1つの利用法は、呼吸変動を評価するための有用なデータが提供されるところにある。

0055

表1(上記)に示すとおり、多数の他のパラメータが測定されてもよく、得られるデータは、それに続く変動解析のために格納される。記載の患者パラメータは、変動解析サーバ24を使用して解析することができる、患者パラメータの排他的一覧を形成しないことに留意することが重要である。そうではなく、変動解析サーバ24は、実時間の正確な測定の対象となる、任意の数の患者パラメータを収容することができる。したがって、他の患者パラメータを測定するために技術が利用可能となった場合、生理学的または病理学的変動のさらに完全な解析を提供するために、記載された変数とあわせて関連するデータが入力され得る。

0056

変動解析サーバ24において、各患者の生理学的パラメータについて、変動時系列が作成される。まず、ユーザは、ある期間にわたるデータ監視のための間隔およびステップを設定することができる。つまり、変動解析は、ある間隔で実施され、データを通じて時間内に段階的に動く。データの収集は、例えば、患者インターフェース28によって取得された測定データポイントを読み取るステップおよび受理するステップ、およびそれに続く解析のためにデータポイントを格納するステップを伴う。データ収集のステップはまた、収集されるデータの量を監視するステップを含む。例えば、初期解析は、およそ1000データポイント(例えば15分間の心拍数測定)が収集された後に開始され得る。各患者パラメータvkについて、ユーザ、典型的に担当医は、変動解析を実施するために収集するデータポイントmkの数を選択してもよい。推奨される設定は、中央サービス10によっても提供され得る。

0057

本方法は、選択された数のデータポイントによって表される期間を計算する。その後、すべてのそれに続く計算は、mkデータポイントを収集するために必要な期間に基づく。データ更新は、好ましくは可能な限り頻繁に起こるが、好ましくはそれぞれの間隔に起こる。間隔は、個々の患者パラメータについての変動解析を実施するために必要な時間として定義される。次のステップの反復に続いて、変動は、最後の解析が実施されたとき(すなわち、次のステップ)から収集されたデータに基づいて再評価される。例えば、間隔がおよそ1分間である場合、各間隔において約100データポイントの心拍数データが収集される。収集されたデータは、以前に格納された最も古い100データポイントに取って代わり、新規の変動解析が最新のmkデータポイントに基づいて実施されることを可能にする。この処理は、解析の動的発展を可能にする。データを特定の期間に相関させるため、タイムスタンプは、前述のとおり、データに関連付けられる。

0058

次に図5を参照すると、システム12内で使用されるように修正された患者インターフェース28が、より詳細に示される。患者26(またはユーザ26)からデータを集めるセンサ30は、取得されたデータを患者インターフェース28内のデータ収集モジュール80に送るか、またはほかの形で利用可能にする。データ収集モジュール80は、ソフトウェア、ハードウェア、または両方に統合することができ、また、タイムスタンプが付された事象データ32を受信することができる。センサ30とデータ収集モジュール80との間では、それに続く処理のために、アナログセンサデータをデジタルデータに変換するためのアナログデジタル(A/D)変換が、典型的に実施されるということが理解されよう。本実施形態では、タイムスタンプが付された事象32は、タイムスタンプが付された事象記録装置82を通じて捕捉される。タイムスタンプが付された事象記録装置82は、例えば、医療従事者34が、特定の事象を特定の時間に関連付ける、臨床事象を記録するためのインターフェースを提供する。これは次に、その時にセンサ30から取得されたデータと関連付けられることができる。レコーダ82は、好ましくは、別個のコンポーネントであることができるか、または両方ともタッチスクリーン等の単一の機構を通じて提供することができる、入力機構とディスプレイ84の両方を提供する。図24は、タイムスタンプが付された事象記録装置82のための臨床事象32を入手する1つの方途を説明する、インターフェース300の実施例である。データが変動解析サーバ24にアップロードされる前に、臨床事象データが記録されることを可能にするために、いくつかの選択ボックス302を提供することができるということがわかる。波形データおよび臨床データを同時に「アップロードする」能力は、とりわけ臨床データと変動データとの比較、臨床および変動の両データを包含する「レポート」の提供、および変動が標準臨床基準と比較される、標準化された多施設研究試験の実施を可能にする。レコーダ82はまた、音声またはビデオ入力を受信するように構成することができ、また、別の機械によってまたは自動化された視覚処理によってトリガされたもの等の事象を自動で観測し記録するように構成することができるということを理解されたい。

0059

データ収集モジュール80によって収集された、いくつかの、またはすべてのデータは、ディスプレイ73上にユーザ/患者についての生データを表示するために、表示ツールキット71とともに使用することができる。データはまた、現場でデータ記憶装置86の中に格納することができるか、または、データ転送モジュール88を通して直接転送することができる。データ転送モジュール88とは、患者インターフェース28とサーバ24との間に接続性を提供するために使用されるソフトウェアおよび/またはハードウェアを表し、したがって典型的に、有線または無線のどちらかの伝送のために構成される送信機を含む。データ転送モジュール88はまた、必要に応じて、データ圧縮復元またはファイル変換のステップを実施するために使用することができる。

0060

概して、Seelyの米国特許第7,038,595号に記載されるように、患者インターフェースによって収集されたデータは格納され、次にかかるデータは、個々の患者変動解析を実施するための処理が利用可能であり、その出力は表示することができる。いくつかの実施形態では、装置は、例えば、ICUにおけるナースステーションに集中させることができる。個々の患者インターフェースは、複数の患者データ収集のため、データを中央プロセッサに通信する。収集されたデータは、次に格納され、かつ複数の患者変動解析ルーチンによって処理されるために利用可能であり、その出力は、表示することができる。ユーザが複数の患者の変動表示をフォーマットし、制御することを可能にするために、ユーザインターフェースを装置に提供することができる。これは、例えば、ナースステーションの看護士が、ICU等の内の複数の患者を監視することを可能にする。別の実施形態では、個々の患者および複数の患者の両方の構造を使用することができる。次に図6を参照すると、システム12内で動作するように構成される、変動解析サーバ24に関するさらなる詳細が示される。

0061

図6からわかるように、患者インターフェース28によって収集されたデータは、サーバ24に伝送され、生データビルダ64に入力される。生データビルダ64は、それぞれのセンサ30から生成された波形62から、生データを抽出する。生データビルダ64は、波形から時系列を抽出することができ、これは次に、例えば、脈拍間の間隔時系列が心電図から抽出され、呼吸間の間隔がカプノグラフから抽出される等の変動解析を受ける。波形62はまた、好ましくは、後にデータパッケージ18を構築する際に使用するために、データファイル記憶デバイス76の中に格納され、ディスプレイ74上に波形62を出力するために、表示ツールキット72によって使用することができる。サーバ24もまた、それとともに交信するために、好ましくはユーザインターフェース75を含む。例えば、図25に示すように、変動解析の種類306および他のパラメータを構成するために、インターフェース75を使用して、GUI304を提供することができる。GUI304は、特定の試験もしくは研究用にカスタマイズすることができるか、または、汎用インターフェースを提供することができることが理解されよう。生データビルダ64からの出力は、データパッケージ18を作成する変動データファイルビルダ70に送られ、任意の他のファイルまたはそれに関連するデータを付加する。また、この出力は、ディスプレイ74上に生データを出力することができる表示ツールキット72に送られ、これはまた、データクリーナ66に送られる。データクリーナ66は、変動解析モジュール68による使用に適したものとなるように、不自然な結果および生データからの他のノイズを特定し、削除する。

0062

データ中の各間隔で不自然な結果を定量化するために使用することができる、例えば、ポアンカレプロット等の多くの技術があるということに留意されたい。また、異なる変動解析技術(例えば、ウェーブレット周波数領域等)は、変動解析を損なうことなく、どれくらいの不自然な結果に対処することができるかについて、異なる閾値を有する。例えば、データクリーナ66はまず、どれくらいの不自然な結果が存在するかを判定し、次にどの技術がその量の不自然な結果に対処することができるかを判定する。例えば、特定のデータ組は、高速フーリエ変換を実施するには多すぎる不自然な結果を有する場合があるが、ウェーブレット解析によって対処することができる。これらの技術のさらなる議論は、下に記載される。

0063

変動解析モジュール68は、変動解析を実施し、変動解析を実施するために必要な、更新データ22および任意の他の入力を受信し処理する。また、図からわかるように、閾値データ20は、変動解析サーバ24によって入手され、必要に応じて使用される。変動解析モジュール68は、所望される場合、変動データを(すなわち、データパッケージ18から分離して)出力し、これは、表示ツールキット72によって使用され、ディスプレイ74上に出力することができる。変動データファイルビルダ70はまた、データパッケージ18の変動部分を構築するための入力として、変動解析の結果を受信し、適用可能な場合、追加的な患者情報48を受信する。データパッケージ18を中央サービス10に伝送する前に、フィルタリング増幅圧縮、およびほかの形で伝送のためのデータを準備するために、データ調整段階78が使用される。任意の段階において、出力データは、後で、または変動解析中に、アクセス、処理、または閲覧することができるように、好ましくはデータ記憶装置76の中に格納されるということが、図6からわかる。

0064

変動解析モジュール68は、任意の種類の変動解析を実施するように構成し、プログラムすることができるということに留意されたい。同様に、データクリーナ66は、任意の所望のデータクリーニングまたは調整を実施するようにプラグラムすることができる。以下に、データクリーニングおよび変動解析がどのように実施され得るかについてのさらなる詳細を提供する。

0065

変動解析における第1のステップは、典型的に、データポイントを選択することである。これは、データクリーニング段階66で、または変動解析モジュール68の実行時に行われることができる。実データ測定システムは、必要とされる解析と関係のないスプリアス信号をしばしば取得する。前述のとおり、これらのスプリアスデータポイントは不自然な結果と呼ばれ、解析をより意義のあるものとするために、これらを除去することが望ましい。多種多様医療装置から収集される一連のデータから、不自然な結果を発見し、除去するための、多くの容認可能な方法がある。複数の方法が使用されても良い。やはり前述のとおり、1つの技術は、ポアンカレプロットを使用するものである。ポアンカレプロットは、連続するデータポイント間の差を表す。データポイント間の差の絶対値および先行するデータポイント(Xi−Xi-1)は、x軸上にプロットされ、同一のデータポイントとそれに続くデータポイントと間の差の絶対値|Xi−Xi+1|は、y軸上にプロットされる。不自然なデータを排除するために、目視評価が使用されてもよい。

0066

現在のデータポイントおよび前のデータポイントは、収集されて、同一のグラフ上に表示され、クラウド外観を与えてもよい。ユーザは、ユーザインターフェース75と、例えば、ポインティングデバイスとを通じた、利用可能なツールを使用して、データポイントの周りゲートを描くことができ、したがって、大きく相違する、不自然なデータポイントを除外することができる。ポアンカレプロットの利点は、進行中のデータの動的表示があること、およびゲートを動的に変化させる能力があることである。加えて、ゲートの外となるデータの割合が高すぎる場合には、好ましくは警報信号が作動する。

0067

繰り返すが、不自然なデータを除去するために、他の方法が使用されてもよい。パラメータの絶対値は、データの迅速な検閲と、不自然な結果の除去を可能にするように、時間スケール進行プロット上に連続してプロットされてもよい。心拍数のためのR−R’間隔であろうと、血圧透写等であろうと、元の測定は、データクリーナ66、またはユーザが、個々の点が廃棄されるべきか追加されるべきか判定することを可能にするために利用可能である。したがって、データの格納は、データを解析するためだけではなく、以前に記録されたデータをレビューおよび解析するためにも有用である。データの不自然な結果は、このように、元のデータ測定を検閲することにより、除去することができる。

0068

データの選択には、いくつかの方法が使用されても良い。異なるデータの組には、独特のデータ収集技術を用いた異なる方法が適用されてもよい。したがって、ユーザは、ユーザインターフェース75を通して利用可能なツールを使用して、それによってデータの不自然な結果が除去される方法を選択することができる。データを選択する一定の方法は、特定の種類のデータ測定にとって理想的である。例えば、ポアンカレプロットは、心拍数解析のために適していることが判明している。

0069

いくつかの場合においては、いくつかの変動尺度(以下に例示される)は、著しい非定常性に直面すると、信憑性消失する場合があることを理解されたい。したがって、欠陥を補正するために、変動に加えて非定常性を監視することが有益である。

0070

変動解析における第2のステップは、それぞれの患者パラメータのそれぞれについてすべての変動パラメータを計算することである。変動は、特定の患者パラメータが経時的に上下する、程度の尺度および特徴を表す。変動解析を実施するための多くの方法がある。科学文献において、変動解析の単一の方法がすべての患者パラメータについて優れているというコンセンサスはない。心拍数変動(HRV)は、最も広範囲に研究されてきており、相当の調査にもかかわらず、変動の判定について他のものよりも一貫してより優良である方法というものはない。実際は、多数の著者が異なる方法を使用したHRVの評価の臨床的有用性を実証している。異なる患者パラメータは、それぞれの患者パラメータの度数分布の修正された統計的特性等の差のために、変動の評価のために異なる方法を必要とする場合がある。

0071

一実施形態では、ユーザに向けて変動解析のためのいくつかのオプションをディスプレイ74上に表示するように、およびユーザインターフェース75および/またはディスプレイ74を通じて、特定の患者パラメータに推奨される方法について、データ組を評価するためのアルゴリズムに基づいて、ユーザに助言を与えるために、変動解析サーバ24が適合される。

0072

現在のところ、変動パラメータを計算するための最も単純な方法は、選択されたデータ組の度数分布の平均および標準偏差の計算を伴う。この情報は、経時的に更新することができ(例えば、連続的に)、およびグラフとして視覚的に表示することができる。度数分布の統計的解釈は、分布が正規であるか対数正規であるかによって左右される。分布が正規または対数正規曲線によって正確に表されるかどうかを評価する、標準化された手段があり、これには度および歪度の評価を含む。尖度および歪度を計算することにより、ユーザは、適切な分布を選択するように誘導される。度数分布を評価することにより、平均および標準偏差は、評価段階にある特定の患者パラメータの変動パラメータを表す。

0073

度数分布の平均および標準偏差に加えて、変動パラメータを計算するための多数の他の方法が存在する。変動を評価するための方法は、スペクトルおよび非スペクトル解析時間周波数解析(ウェーブレット解析)、リアプノフ指数の計算、近似エントロピー等を含む(Seely and Macklem、2004、上記に引用)。好ましくは、ユーザインターフェース75を通じていくつかの方法の選択肢がユーザに示され、特定の方法の選択において支援される。変動解析の結果は、評価段階にある各患者パラメータの変動パラメータをもたらす。変動パラメータは、次に表示され、経時的に更新されてもよい。各サイクルにおいて、更新された変動が表示される。

0074

図9に示すとおり、変動解析過程は、好ましくは、それぞれの患者パラメータの実時間表示512、532、一実施例では、心拍数512および血圧532で開始する。ポアンカレプロット514、534は、例えば、516、536を開設することにより、データの不自然な結果を排除するために使用される。度数分布ヒストグラム518、538は、ポアンカレプロットの平均から二乗差を使用して計算される。この方法は、1/fノイズを示すデータ組に適している。これは、すべての値が正である場合の、分散の度数分布を平均から生成するためのツールである。データは、度数ビンにプロットされ、各ビンは、平均からの二乗差によって測定される、変動の比例量を表す。ビンは、y軸上の度数、およびx軸上の増加する変動を持つヒストグラムで表される。左のビンは、非常によくある、小さい変動を示しているため、通常はほとんど一杯である。右にある、拡大するx軸を持つビンは、大きい度数変動を表し、通常はより少ない。それぞれのサイクル毎に、ヒストグラムは更新される。log−logプロット520、540は、度数対変動のlog−logプロット上の度数分布ヒストグラム518、538の、単なる線形表現である。点の直線分布は、1/fノイズの特徴である。データポイントを通る直線の最良適合は、標準線形回帰分析を使用して導かれてもよく、この特定の技術の妥当性に関してユーザに知らせるためにも役立つこともできる。変動解析モジュール68は、log−logプロットの線522、542の勾配およびx切片524、544を計算する。これらの値は、一対の動的変動パラメータヒストグラム526、546として表示することができる。勾配は、一方のヒストグラム528、548によって、切片は、他方のヒストグラム530、550によって表される。

0075

概して、変動の表示は、それによりユーザによって選択された変動解析方法によって計算される患者パラメータの変動に、ユーザがアクセスすることができる方途を伴う。変動パラメータを表示するための1つの方途は、患者パラメータの経時的な変動における変化に基づいて、高さが上下するカラムとして表される、動的変動ヒストグラム526、546(図9)である。

0076

各患者についての各患者パラメータの変動の「正常」範囲は、経時的に解析によって判定することができる。継続的な研究もまた、この分野における指針を提供することとなろう。変動ヒストグラムが正常範囲内にある場合、ある一色(例えば緑)で表示されるように、警報を設定することができる。ヒストグラムの値が正常範囲を超えて上昇したり、またはそれ以下に下降したりすると、これは異なる色(例えば赤)で表示される。ヒストグラム526、546は、サイクル毎に更新される。

0077

図10Aは、図9に示すものと類似する例示的変動ヒストグラムを説明する。心拍数602、血圧604および心拍出量606の実施例が説明される。表示することができる別の有用な値は、直前に選択された変動解析の期間の標準偏差である。これは、「I」バー620、622、624、626、630、632として変動ヒストグラム上に挿入することができる。

0078

前述のとおり、複数のパラメータの経時的な変動解析の臨床的治療的可能性は、複数の患者パラメータの変動における変化のパターンを監視することによる、病理学的特性を生理学的体系的特性と区別する能力である。したがって、表示は、そのシステムに固有のパラメータの変動を追跡することにより、個別の臓器系の生理学的および病理学的性質を評価するために、任意の個々の患者の現在の段階を最良に表すように調整することができる。

0079

異なる臓器系は相互に関連し、相互に依存しているということが理解されよう。しかしながら、治療上の治療介入は、一般的に個別の臓器を対象にするため、臓器系を区別することが有益である。臓器系の例としては、心臓血管系、呼吸器系、血液系中央神経系、肝臓および代謝系、腎臓および廃物排泄系が挙げられる。

0080

したがって、複数のパラメータの変動の表示における柔軟性が提供されるべきである。ユーザは、臓器系または相互依存の臓器系の組み合わせを分析するために、さまざまな表示オプションを選択してもよい。加えて、ユーザは、個々の患者についてのすべての監視されたパラメータの変動を表示するように適合された、個々の患者表示、個々の患者についての選択された臓器系を表示することができる、個々の患者臓器指定の表示、監視されるICUにおけるすべての患者についての患者パラメータの変動を同時に表示することができる、複数の患者表示、ユーザ選択された患者パラメータの変動を表示することができる、ユーザ指定の変動表示のうちの任意の1つを選択してもよい。

0081

経時的に患者パラメータの変動における変化をレビューする能力は、これらの技術を使用して実施される変動解析の臨床的有用性を高める。図10Bは、3つの選択された変動パラメータ602、604、606の視覚表示である、変動レビュー表示634、636を説明する。一方のグラフ634は、選択されたパラメータ608、612、616の勾配値を表す。もう一方のグラフ636は、選択されたパラメータ610、614、618の切片値を表す。図10Bに示す実施例では、各グラフについて、心拍数値は、x軸646、652上にプロットされ、血圧値は、y軸648、654上にプロットされ、心拍出量値は、z軸(奥行き)650、656上にプロットされる。あるいは、z軸(奥行き)は、色の濃さで表することができる。現在の変動値は、好ましくは、大きい点638、640によって表され、設定された期間にわたって計算された最新の変動値は、小さい点642、644によって表される。これは、ユーザが、選択されたパラメータ間の任意の相関に加えて、「データのクラウド」の移動を経時的に観測できるようにするための、データの視覚表示を可能にする。

0082

継続的な研究およびユーザの観測は、変動の望ましい生理学的パターンの定義に役立つ。データのクラウドの特異的な動きが望ましい場合があり、治療的治療介入を使用して刺激される場合がある。したがって、変動レビュー表示は、積極的な治療介入を容易にするために使用することができる。

0083

患者および臓器特有の表示に加えて、変動の表示はまた、3つの基本モードである、瞬間表示、レビュー表示または混合表示に整理されてもよい。

0084

瞬間表示モードは、現在の変動パラメータの実時間表示、それによってデータ選択が行われる処理、および個々の患者パラメータに使用される、変動解析の特定の方法に関連するグラフを提供する。このモードは、4つのユーザによって選択された表示(個々の患者表示、個々の患者臓器指定の表示、複数の患者表示、およびユーザ指定の変動表示)のいずれかにおいて使用されてもよい。

0085

レビュー表示(図10C)は、選択された期間にわたり、選択された個々のまたは複数の患者パラメータについて、ユーザが変動パラメータにおける変化のパターンを特定することを可能にする。レビュー表示は、選択された患者パラメータの変動の、データが存在する任意の選択された期間中の、時間圧縮された動画表示をユーザに提供する。この表示モードは、経時的な変動のビデオに類似している。この表示は、ユーザが個々の患者の患者パラメータの変動の進行を判定することを可能にする。これはまた、ユーザが治療介入に対する応答、全体的な病気の進行、またはさらなる治療介入の必要を判定することを可能にする。特定の期間について計算される(例えば、治療介入の4時間時間前および4時間後)患者パラメータにおける変動の平均は、レビュー表示に含めることができる。

0086

混合表示モードは、以前の(規定の)期間の表示に加えて、現在の患者パラメータの実時間表示の組み合わせを提供する。

0087

図10Cは、レビュー表示の3つの実施例を示す。図10Cの1行目は、24時間前の患者パラメータの変動(658)が1時間前の変動(660)の横に表示され、実時間の変動(662)が表示される、混合表示の実施例を示す。

0088

図10Cの2行目は、48時間(664)、24時間(666)および1時間(668)からの変動の進行を示す患者パラメータについての変動の進行が表示される、レビュー表示を説明する。

0089

図10Cの最後の行は、X日(670)、Y時間(672)およびZ分(674)の患者パラメータの変動が表示される、別のレビュー表示を示す。

0090

以下でより詳細に説明されるように、表示ツールキット72は、ユーザが上記の一般表示機能をより高度で好都合なユーザインターフェース(UI)に拡張することを可能にする。拡張表示機能は、部分的に、取得された変動および波形データの整理によって実現することができる。

0091

上述の実施例は、患者インターフェース28と変動解析サーバ24との間を直接インターフェースで接続する経時的な変動の実時間解析を説明するが、図26に示すとおり、種々の他の構造が可能であることに留意されたい。次に図26を参照すると、患者またはユーザ26から入手された波形データは、任意の時間に、波形データファイル104として取得され、格納され、そのユーザ26についての臨床データ310に関連付けられることができるということがわかる。臨床データ310は、ユーザ、その疾病の性質、人口統計、臨床事象等に関する任意のデータを表すことができる。また別の時間に、遡及的な分析を実施するために、波形データファイル104および臨床データ310を次に使用することができる。本実施例では、症例報告書312ユーザインターフェースは、データが変動解析サーバ24にアップロードされることを可能にする、ワークステーション310にて提供することができる。変動解析サーバ24はローカルまたは遠隔であることができ、したがって取得施設は、アップロードされるデータを受信および/または格納および/または処理する能力のある任意の場所またはエンティティに相当することができることに留意されたい。変動解析サーバ24は次に、上記に例示された原理およびアップロードされたデータの変動解析に関して生成されたレポート314に従い、データを遡及的に処理してもよい。図26に示すとおり、レポート314はまた、中央サービス10に送信されるか、中央サービス10によってダウンロードされてもよく、中央データベース96格納されてもよいということが理解されよう(図12もまた参照)。同様に、データファイルを含むデータパッケージ18もまた、その詳細は以下に提供するが、変動解析サーバ24によって中央サービス10に提供することができる。したがって、患者データの取得、それに続く変動解析および記録、処理および結果のレポートは、任意の適した物理的構造において達成することができ、適切な場合、示される段階は一時的に空白とすることができるということがわかる。

0092

前述のとおり、変動解析サーバ24は、データパッケージ18の変動データファイル103を最終的に作成するために、患者インターフェース28から送信された波形データ62を処理し、これは中央サービス10に送信されてもよい。図7は、データパッケージ18の一般データ構造を図示する。前述のとおり、各データパッケージ18は、変動データファイル103および各臓器、パラメータまたは変数に対応する波形データファイル104を含んでもよい。変動データファイル103は、各パラメータのための、共通の時間スケールにそれぞれが関連付けられる、いくつかのデータの組を含む。図7に示すとおり、変動データファイル103は、例えば、タイムスタンプ事象記録装置82を使用して入力される際に、タイムスタンプが付された事象データ32から入手される、1組の臨床事象106を含む。変動データファイル103はまた、波形62から抽出される生センサデータ108、生センサデータ108から作成される平滑化センサデータ110、変動解析段階68の間に生成される生変動データ112、および生変動データ112から作成される平滑化変動データ114を含む。これらの平滑化バージョン(110および114)は、生バージョン(108および112)のデータの遊動する平均から、一定の間隔およびステップで作成される。すべてのデータの組106〜114は、互いに関してタイムスタンプデータ116を通じてタイムスタンプが付されていることがわかる。タイムスタンプデータ116は、センサ30によって取得された任意のデータがタイムスタンプに関連付けられるように、波形および臨床事象と合わせて取得される。ユーザが多臓器変動についての波形および他の表示出力を同時に閲覧することを可能にするために、共通時間スケールが使用される。共通時間スケールは、別個のパラメータからのデータの曲線適合、次に時間点に対応するデータの選択、および各曲線上の値を見つける等の任意の周知の技術を使用して適用することができる。

0093

変動データファイル103はまた、相補的または対応する波形ファイル104に関連付けられるか、またはそれに付加されることによって、対応する波形62に関連付けられる。波形ファイル104はまた、波形104が対応するデータの組106〜114と一致する/整列することを可能にする、タイムスタンプデータ116を含む。データパッケージ18はまた、1組のファイル情報118を含み、これはヘッダフッタフラグ等の形であってもよい。概して、ファイル情報118は、データパッケージ18の構造および特性に関する任意の情報である。前述のとおり、典型的に監視される患者に関連付けられる他のデータもまた、データパッケージ18に付加されることができる。したがって、データパッケージ18は、1組の付加データ120を任意選択的に含み、これは、元は変動解析サーバ24に入力されたか、変動解析サーバ24から入手された患者データ48を含んでもよい。図7に示す実施例では、ファイル情報118および付加データ120は、変動データファイル103に含まれるように示されるが、かかるデータ118、120はまた、波形ファイル104、自らの予備として、または付加データファイル(図示せず)に含まれることもできることが理解されよう。また、共通ファイル情報118および付加データ120は、データパッケージ18の中のすべての変動データファイル103および波形データファイル104に関連付けられることができるということも理解されよう。したがって、これらのデータ要素を整理するために、任意の適したデータ構造を使用することができ、図7に示されるものは、単なる実例であるということがわかる。

0094

図11は、データパッケージ18がどのように構成されるかを説明するフロー図を示す。各新規データファイルルーチン199について(すなわち、各パラメータについて)、200で、波形62がセンサ30から入手され、206で、波形データファイル104が作成され、および利用可能な場合、新規データパッケージ18を作成するように、新規変動データファイル103に添付される。波形62が取得される一方で、202で、例えば、タイムスタンプが付された事象記録装置82を使用して、臨床事象が記録される。したがって、事象が記録される際に、新規変動データファイル103内の臨床事象データ106が更新される。204で、生センサデータ108をもたらすように、生の時系列が記録される。生センサデータ108は、次に平滑化時系列(すなわち、生センサデータ108の平滑化バージョン)を作成するために208で使用され、平滑化センサデータ110として新規変動データファイル103に追加される。210では、データの変動解析が実施される。214では、210で変動解析から生成された生変動データ112が記録され、新規変動データファイル103に追加される。これは、適切な変動解析技術を使用して実施され、複数のタイムスタンプが付された変動値を生じる。ここから、平滑化変動データ114が生成され、新規変動データファイル103に格納される。218では、新規変動データファイル103を作成するために、適切なタイムスタンプとあわせて、先行する段階において作成されたデータの組のすべてが融合されることがわかる。同時に、利用可能な場合、波形データファイル104が添付される。

0095

219では、別の変数またはパラメータが監視される場合、ステップ200〜218を繰り返すことにより、そのパラメータのための別の新規データファイルが生成される。いったんすべてのパラメータが解析されると、すべての変動データファイル103および対応する波形データファイル104を融合することにより、データパッケージ18が生成される。患者データ220および他のファイル情報118(図示せず)は、各変動データファイル103に追加されてもよく、またはデータパッケージ18毎の共通の識別データ組として存在してもよい。

0096

次に図8を参照すると、表示ツールキット72が示される。図5に示す患者インターフェース28の中のツールキット71は、同一のまたは類似のコンポーネントを含んでもよいということが理解されよう。ツールキット72に含有されるツールは、図に例示され以下で説明されるように、一般表示の実施例を表す。ツールは、最大限に設定可能であり、ユーザにとって使い勝手がよいように、すなわち、それにより時間の中で間隔が移動するステップに加えて、変動が考慮される全体的な時系列および間隔の長さを変更することができるように設計される。したがって、ユーザは、変動解析の種類に加えて、データの長さおよび間隔およびステップを設定することができる。

0097

ツールキット72は、ツールキット72に含まれるツールを使用して表示され、解析されることになるデータパッケージ18を格納し、キャッシュするための一時データファイル記憶装置124を含む。ツールキット72はまた、ツールが図7に示す特定のデータ方式を取り扱うこと、および表示目的のために、データがどのように処理されるかについて特異的な、任意の更新22を取り扱うことを可能にするために、表示形式モジュール126を含む。本実施例ではVcamツール128を含むツールキット72は、変動を計算するために使用される元の生データを閲覧するために、ユーザが変動データ組を拡大することを可能にする。これは、例えば、生変動データを平滑化変動データと比較するために、ユーザが異なるデータ組(例えば、106〜114)を一緒に閲覧することも可能にする。また、例えば、かかる時間にわたり、変動がどのように変化したかを示すために、時間に関して前進および後退することにより、ユーザが経時的にデータパッケージ18を走査することを可能にする、Vcorderツール130も含まれる。Vcamツール128およびVcorderツール130はまた、同一のツールに統合されてもよい。ツールキット72はまた、Vcorrectorツール132を含み、これは、理解および/またはその正確さを向上させるために、改正注釈付け、およびほかの形で特定の波形データファイル104に格納されるデータを変更するために使用される表示ツールである。また、Vmovieツール133が含まれ、これは、経時的な1組のデータが構成され、異なる間隔で連続的に変化する変動を閲覧するためのさらなる方途を提供するために、動画のように動いているように閲覧されることを可能にする。図からわかるように、ツールキット72は、好ましくは、ユーザがツールキット72に含まれるツールと交信し、このツールを使用することを可能にするために、入力インターフェースと交信する。

0098

前述のとおり、ツールキット72の中のツール(およびそれによって提供されるディスプレイ)は、一般表示の実施例を表す。Vmovieツール133は、例えば、変動解析のために使用されるデータの間隔と合わせて、動画が再生されると、上記で言及した間隔を反映して変動グラフが変化するように、上記の生データと合わせて任意の種類の変動グラフを表示することができる(下記で説明される図21を参照)、汎用形式のディスプレイを表す。

0099

次に図12を参照すると、中央サービス10のさらなる詳細が示される。中央サービス10は、インターネット14上で送信されるか、またはインターネット14上からダウンロードされるデータパッケージ18を入手するための、データ収集モジュール90を含み、これは次に、データパッケージ18を中央データベース96の中に格納する。中央データベース96とは、概して中央サービス10によって実施される任意のおよびすべてのデータ記憶を表し、任意の数の記憶装置コンポーネント、データベース、フォーマット等に制限されるべきでない。中央サービス10はまた、好ましくは、示されるように外付けで、または内蔵で、管理職員が中央サービス10を操作することを可能にする、管理的インターフェース92を含む。中央データベース96の中に格納されるデータパッケージ18は、さまざまな人口統計からのデータの評価を行うために、または特定の症状、トレンド異常値等を標的とするために、統計エンジン100によって使用することができる。統計エンジン100および中央データベース96はまた、研究者の管理下にあり、複数の患者にわたって変動解析を行うために、中央データベース96に格納されたデータを使用する、外部調査プログラム94と交信してもよい。各データパッケージ18は、ある個人に特異的であり、したがって、中央データベース96は、さらに徹底的な、および詳細な解析を行うために、多くの個人からのデータに経時的にアクセスすることができるツールを研究者に提供することを理解されたい。

0100

中央サービス10はまた、変動解析サーバ24が一貫した解析を行うことを可能にするために、統計エンジン100からの入力および中央データベース96に格納されたデータを使用して1組の閾値を生成する、ソフトウェアモジュールまたはルーチンである、閾値エンジン102を含む。したがって、閾値エンジン102は、種々の監視施設16にインターネット14上で送信することができる閾値データ20を生成する。同様に、管理的インターフェース92からの入力を得て更新データ22の形でシステム更新を生成する、ソフトウェアモジュールまたはルーチンである更新エンジン98が含まれる。更新エンジン98は、更新データ22を生成し、インターネット14を通してかかるデータ22を種々の監視施設16に分配する。

0101

更新データ22は、システム12内で変動解析を実施するソフトウェアに対する任意の更新を含む。上記で説明されたとおり、各監視施設16は、変動解析を実施するための解析サーバ24を含む。図1に示すシステム12によって提供される接続性を考慮すると、中央サービス10は、各監視施設16のための更新を準備し、更新データ22を各変動解析サーバ24に分配することにより、常に最新のソフトウェアを維持することができる。変動技術は進化し続け、さらに高度となってきているため、新技術およびツールが開発されると、サーバ24は、技術者が監視施設16を訪問したり、変動解析サーバ24をサービスセンタに運んだりする必要なしに、遠隔的に更新することができる。さらに、中央サービス10は、フィードバックまたは定期的なポーリング等を要求することにより、データ収集の有用性を維持するために、すべての監視施設が正しく更新されることを確実とすることができる。中央サービス10はまた、収入の流れを作成するために、加入サービス料または使用毎/更新毎の料金を徴収するために、システム12によって提供される接続性を使用してもよい。したがって、システム12の接続性が、更新データ22がソフトウェア処理再同期および標準化し、完全にフォーマットすることを可能にするということがわかる。

0102

更新データ22はまた、各臨床的応用および患者集団のために推奨される変動技術が使用されることに加えて、最良の間隔およびステップを含むべきであるということに留意されたい。したがって、分散型システム12は、各監視施設16に一貫した情報を提供するように活用することができる。

0103

閾値データ20は、変動解析を実施する際に、警報を発するか、または検知される状況にある、概して、最良の閾値を表す。閾値データ20は、データパッケージ18を集めることによって取得されたデータと、おそらく研究者、科学者および医療専門家の入力との協調に基づく、発展するデータ組であることができる。閾値データ20は、中央サーバ20が動作および警報閾値をシステム全体12にわたって、および前述のとおり、特定の診療環境および異なる患者集団について、連続的に精密化および更新することを可能にする。

0104

再び図8を参照すると、表示ツールキット72に含まれるツールのためのユーザインターフェースがここでより詳細に説明される。変動解析モジュール68を使用して生成された変動データは、時系列センサデータ108、110と、波形データファイル104を関連付けた、変動データファイル103の中の臨床事象とに好都合に融合される。変動データおよび波形データは、サーバ24のディスプレイ74に出力することができ、表示ツールキット72は、任意の適した利用可能な技術を使用して、経時的に変動を解析するための拡張機能を提供する。

0105

例えば、心肺変動(CPV)の全体的な尺度を提供することと同時に、HR変動(HRV)およびRR変動(RRV)の個々の尺度を提供するための心拍数(HR)および呼吸数(RR)を別個に査定するために、一連の変動解析技術が使用することができる。使用されるかかる技術は、典型的にHRV、RRV、およびCPVを実時間で査定する。使用されることになる主要技術は以下のとおりである。

0106

1)時間領域:標準偏差および変動係数の統計が、信号変動を評価するために計算される。時間領域尺度はまた、査定する変動のための尖度および歪度等の統計値をもたらすことになる、確率分布曲線(度数ヒストグラム)の計算を伴う。

0107

2)周波数領域技術:HRおよびRR信号のスペクトル周波数成分の解析は、高速フーリエ変換(FFT)を利用することによって行われる。

0108

3)時間周波数領域非定常およびノイズ等の問題を克服するために、ウェーブレット解析を使い、信号は時間および周波数領域を同時に解析することができる。

0109

4)複雑性領域:解析された信号の中のエントロピーの量または複雑性または情報は、サンプルエントロピー(SampEn)およびマルチスケールエントロピー(MSE)尺度を使用して査定することができる。

0110

5)スケール不変フラクタル領域:HRVおよびRRV信号の固有のフラクタル性は、トレンド除去ゆらぎ解析(DFA)および冪乗則解析等の技術を用いて吟味することができる。これらの技術は、信号変動を査定する際に役立つだけでなく、冪乗則方程式から算出される勾配および切片に基づいて、生理学的状態と病理学状態とを区別する際にも役立つことになる。

0111

例示的研究の変動転帰を下記の表2にまとめる。

0112

0113

ここで図13および図14を参照して、健康な対照患者における運動負荷試験の、ウェーブレットを用いたHRV、RRVおよびCPV査定の第1段階の初期結果を示す。図13では、上段の時系列は呼吸中の毎分のRRを示し、中段の時系列は脈拍中の毎分のHRを示し、両者は同一の患者に取り付けたセンサ30を使用して同時に測定される。各時系列のデータが、時間スケールに関連付けられることがわかる。これらの時間スケールは、図9および10に関して前述のとおり、多臓器変動を表示するために、標準的な曲線適合技術を使用してともにそろえて並べられることができる。図13下段の時系列は、RRおよびHR信号の個々のウェーブレットを用いた変動を表示する。実線はRRVを描画し、破線はHRVを描画する。下段のプロットにおけるウェーブレットを用いたHRVとRRVとの間の、およそ91%に相関が存在し、すなわち、両変動曲線は段階1の試験の後に、同時に下降する傾向があるということがわかる。図14は、各時点でHRVおよびRRV信号を線形に回帰することにより、より綿密に相関を検討し、よってCPVを特徴付ける。図14から、運動のレベルを上げることにより、CPVは第2象限(高HRV、高RRV)から第4象限(低HRV、低RRV)へと下降することがわかる。ディスプレイ74および表示ツールキット72は、ユーザが図13および14に示すもの等のようにプロットを視覚化することを可能にし、これは次に、より高度で厳格な様式で、データを検討し解析する機会を提供する。

0114

図15は、運動試験中の同一の段階1の、多重パラメータRRVおよびHRV解析を示す。図13に示すウェーブレットと区間の相関に加えて、図15は、スケール不変冪乗則解析、および標準偏差プロット、およびDFAも提供する。すべての技術について、RRVとHRVとの間に十分な相関が存在することがわかる。繰り返すが、データパッケージ18および表示ツールキット72は、図15に示すもの等の、変動解析を行うことから生じるプロットを表示するために使用することができる。かかる好都合なデータの表示は、ユーザが研究毎および患者毎のデータの相関および有意性をよりよく実感することを可能にする。図16は、図14に示すとおり、各時点でHRVおよびRRV信号を線形に回帰することにより、各統計的方法についての相関を説明する。概して、CPVは、検討されるすべての統計について、類似の様式で落ちる傾向があるということがわかる。図23は、軌跡曲線308の脇に心拍数変動時系列310および呼吸変動時系列312を好都合に表示した、標準偏差軌跡曲線308を使用して、HRVとRRVとの間の別の相関を説明する。ある期間にわたる2つの臓器変動における変化の同時の描画は、特に連続的多臓器変動解析を実施するための、システム12の視覚化機能の実施例を提供することに留意されたい。

0115

前述のとおり、各変動解析サーバ24は、監視施設16にいる複数の患者からデータを取得することができる。これは、図17に示すとおり、ユーザ(例えば、医師)が複数の患者に対して行われた変動解析を同一のディスプレイ上で閲覧することを可能にする。中央サービス10が多くの患者についてのデータパッケージ18(変動ファイル103を含む)へのアクセスを有することから、類似の出力がユーザに対して中央サービス10において、または中央サービス10へのアクセスを有することによって、利用可能であることに留意されたい。これは、閾値データ20が判定され精密化されることを可能にする。

0116

図17では、平滑化(ウェーブレット)HRVを、患者#1を上の時系列、患者#2を中間の時系列、および患者#3を下の時系列に示す。基線変動は、水平の灰色の線で示し、これは−1日目から2日目までの平滑化HRV曲線のそれぞれの平均である。基線変動における10%下落が第1の縦の破線の組で描画され(A1、A2、A3と表示)、変動における20%下落が第2の縦の破線の組で描画され(B1、B2、B3と表示)る。抗生物質投与開始が、縦の実践(C1、C2、C3と表示)で描画される。患者#1について、基線変動における10%下降が抗生物質の投与開始のおよそ16時間前に発生し(A1C1〜16h)、基線変動における20%下降が抗生物質の投与開始のおよそ5時間前に発生した(B1C1〜5h)。患者#2は、基線変動における10%下降が抗生物質の投与開始のおよそ36時間前に発生し(A2C2〜36h)、基線変動における20%下降が抗生物質の投与開始のおよそ23時間前に発生した(B2C2〜23h)。患者#3は、基線変動における10%下降が抗生物質の投与開始のおよそ114時間前に発生し(A3C3〜114h)、基線変動における20%下降が抗生物質の投与開始のおよそ52時間前に発生した(B3C3〜52h)。複数の患者についてのデータを比較することができ、変動における%下降等のパラメータは、変動データから(この場合、平滑化変動データ114から)直接特定することができるということがわかる。図17に示す注釈は、ディスプレイ出力プリントアウトに記載してもよく、またはタッチスクリーンまたはタブレット等の適したインターフェースデバイスを提供することにより、変動データファイル103に直接保存されてもよい。かかる注釈は次に、後の研究または解析を補佐するために、変動データファイル103に付加することができる。

0117

図22は、図17と類似した、RRVについての実施例を図示する。成功した自発呼吸試験(SBT)において、RRVに認められる変化がないことがわかる。しかしながら、SBTは成功であったが抜管に失敗した場合において、RRVに認められる低下が存在した。失敗したSBTは、RRVの低下を示すこともわかる。これらの所見の臨床的有意性のうちのいくつかは、SBT中に変化した変動は、SBT中に増加したストレスまたは作業の尺度を提示し、SBT中の変動に大きな変化を示す患者は、抜管に失敗する可能性がより高い、というものである。これらの所見は、人工呼吸器からの解放に成功した患者を予測する際にも役立ち、それ自体が生命にかかわる事象である、抜管の失敗および関連する急な再挿管の必要性を防ぐ。さらに、SBT中の心臓または呼吸変動における孤立した変化は、なぜ患者が抜管に失敗する可能性があるかについての原因を予測し、抜管の失敗を避けるための予防的な方策をもたらす場合がある。

0118

図22に示す結果に関して、人工呼吸器からの迅速かつ安全な解放は、危篤状態の者の介護において、決定的に重要であるということに留意されたい。長期の人工呼吸器は、院内の5年死亡率、および心臓手術後の費用の上昇(Rajakaruna C,Rogers CA,AngeliniGD,Ascione R:Risk factors for and economic implications of prolonged ventilation after cardiac surgery. Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery 2005,130:1270−1277)、および小児患者発育遅延(Campbell C, Sherlock R,Jacob P,Blayney M:Congenital Myotonic Dystrophy: Assisted Ventilation Duration and Outcome. Pediatrics 2004,113:811−816)に関連付けられる。集中治療室(ICU)に収容されている、抜管後の再挿管を必要とする内科患者は、抜管の失敗に部分的に起因して病院での死亡率が上昇する(EpsteinSKCiubotaru RL:Independent Effects of Etiology of Failure and Time to Reintubation on Outcome for Patients Failing Extubation. American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 1998,158:489−493;Epstein SK,Ciubotaru RL,WongJB:Effect of failed extubation on the outcome of mechanical ventilation.Chest 1997,112(186−192);Epstein SK,Nevins ML,Chung J:Effect of Unplanned Extubation on Outcome of Mechanical Ventilation.American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 2000,161:1912−1916;and Esteban A, Alia I, Gordo F, Fernandez R, Solsona JF, I. V, S. M, M. AJ, J. B, D. C et al: Extubation outcome after spontaneous breathing trials with T−tube or pressure support ventilation. American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 1997,156:459−465)。

0119

患者が人工呼吸器から離脱されることと、それに続く換気補助からの解放の両方の準備ができているかどうかを検知するために、多くの離脱パラメータが特定され、研究されてきた(MacIntyre NR:Evidence−Based Guidelines for Weaning and Discontinuing Ventilatory Support:A Collective Task Force Facilitated by the American College of Chest Physicians; the American Association for Respiratory Care;and the American College of Critical Care Medicine.Chest 2000,120:375−396)。それにもかかわらず、一般的に「抜管」とよばれる、人工呼吸器からの解放の成功の科学は、抜管する患者の選択(誰を?)および抜管の適切な時間の特定(いつ?)の両方について、いまだ日常的な課題のままである。

0120

この問題に対処するために、システム12は、臨床医の抜管の失敗を予測する能力を向上させるために、生理学的パラメータの運動学に包含される隠された情報を用いることを目指す。変動解析は、時間間隔にわたり生理学的パラメータの程度およびパターンの変化を文書化し、標準的なポイントインタイムの監視を補足する。

0121

変動の解析は、生理学的データを取得するための共通点のない方法、不自然な結果を特定し除去するための異なる方法、および変動を計算するためのわずかに異なる手段を使用して、多領域学問的優秀さを持つ分離されたセンタにおいて実施されてきた。現在のところ、変動の監視に関心のある臨床医のために利用可能な解決策は存在しない。本明細書に記載のシステム12は、本明細書の全体において記載したかかる変動監視を可能にする。

0122

持続的変動監視は、治療介入または発作への反応として発生する変動における変化を測定する能力を提供する。例えば、HRVおよびRRVの両者における変化は、患者の抜管のための用意のでき具合の査定、すなわち、自発呼吸試験(SBT)を実施するために、標準的なICU治療介入の結果として評価することができる。HRVおよびRRVは、心肺予備力または適応性の連続的な尺度を提供し、したがって、SBTの間中、安定した心肺変動(CPV)を維持することは、人工呼吸器からの分離の成功を予測する可能性があり、反対に、SBT中のCPV徴候の低下は、抜管の失敗を予測することが判明している。

0123

前述のとおり、センサ30は、波形データファイル104として格納される波形62を生成する。波形データ104は次に、例えば、生センサデータ108である、RRおよびHRのそれぞれについての呼吸間または脈拍間の時系列等の時系列を生成するために処理される。これらの時系列は、次に平滑化センサデータ110を作成するために平滑化される。平滑化センサデータ110を解析して、変動データ112を生成することができ、これは次に、平滑化され、平滑化変動データ114を生成することができる。図18は、変動データファイル103に格納される、4つの種類のデータのスナップショットを示す、Vcamツール138によって、同一のディスプレイ画面150上に生成される表示の実施例を示す。これは、ユーザが生データと平滑化データの両方を、変動解析が行われる前と後の両方において、共通時間スケールに沿って閲覧することを可能にする。これは、変動データファイル103の中に格納される、タイムスタンプデータ116を使用することによって可能である。図18では、平滑化時系列が画面の下に、および生データが上に、ともに示されるが、しかしながら、時系列は、対をなす、すなわちそれぞれの生と平滑化で対をなす、1つだけに集中するために、特定のものは抑えられる、または特定のユーザによって、要望どおりに再配列することができるということが理解されよう。Vcamディスプレイ150は、既知であり、かつよく知られている機能性を有する標準的な表示ウィンドウを使用するか、または適切な場合に専用の表示インターフェースを使用する等の任意の適した方途において実装することができる。拡大および/またはウィンドウ機能が、ディスプレイの特定の領域に焦点を当てるために使用されることもできる。ディスプレイ73および74等の表示インターフェースは、カスタムディスプレイであってもよく、または市販の設備を利用してもよいということに留意されたい。

0124

次に図19を参照すると、Vcorrector132ツールを利用するためのディスプレイ画面160が示される。Vcorrector132は、2つ以上の任意の組み合わせ、またはすべてが、携帯性およびモジュール性のために、同一のコンピュータ環境(例えば、単一のツールに組み込まれる)において同時に使用することができるように、他のツールと同一の画面160、またはインターフェースを利用することができ、または本明細書に記載されるように、別個のディスプレイを利用してもよいということを理解されたい。ディスプレイ画面160は、UIにおいて一般的に使用される、左右スクロールボタン164、166およびスクロールバー168を含む、スクロールツール162を含む。ディスプレイ160は、ユーザが、波形データ104および変動データ103の両方のデータを通して、経時的に、双方向にスクロールすることを可能にする。これは、ユーザが関心のあるスナップショットを見るだけでなく、特定の臨床事象にリンクされる可能性のある、前述のとおり、格納され、各患者についてデータパッケージ18と関連付けられる、経時的なパターンまたは他のスプリアス事象を探すことも可能にする。図19は、呼吸を検出するための呼気終末CO2読取値を示す、CO2センサの波形62を例示する。波形62は、各呼吸を検出するために呼吸検出アルゴリズムを使用して処理され、したがって呼吸間の、生センサデータ108を作成する。

0125

波形の上部のマーク160は、アルゴリズムが呼吸を検出した場所を示し、ユーザは、データ間をスクロールしてスプリアスデータあるいは不正確に検出された呼吸を除去することができる。一実施形態では、呼吸マーカを追加するために左クリックを、呼吸マーカを削除するために右クリックを使用することができる。このように、ユーザは、波形データ104間をパンして、呼吸検出アルゴリズムが正しく動作しているかどうかを判定することができる。これは、生センサデータ108が形成される前に、または誤った、または疑わしい結果の検出に応答して、新規の補正された生センサデータ108を生成するために、後に行われてもよい。Vcorrectorツール132は、全体の解析における任意選択的なステップであり、特定の研究においては、必要とされないこともある。主に図13図17に描画したもの等の解析を行うために、変動データファイル103に格納された変動データの間をパンするために、同一のツールを使用することができるということを理解されたい。

0126

図20は、Vcorderツール130のディスプレイ画面180を示す。Vcorderツール130は、好ましくは、ユーザに、Vcorrector132において使用される、追加的なスクロールバー162を持つVcam128(図18を参照)を使用して、示したものに類似した出力を提供することがわかる。したがって、ツール128〜132は、拡張として、または、各変形についての利用可能な特別の機能を持つことが所望される場合、複合ツールにおける互いの変形として、内蔵されてもよい。Vcorderツール130は、ユーザが、時間についてデータ間をスクロールすることを可能にすることが、図20からわかる。このように、例えば、ユーザは、Vcam128を使用して一連のデータを表示し、次に経時的にデータを調べることを決定することができる。より多くのデータを読み込み、前述のスクロール機能を提供するVcorderツール130を次に選択することができる。ユーザは次に、Vmovieツール133を使用して、データの一部分を集約して動画のような出力とする選択肢を有してもよい。

0127

Vmovieツール133のディスプレイ画面190を図21に示す。Vmovie133は、本実施例では、変動解析のために使用されるデータの間隔を示す間隔マーカ194とともに生の心拍数データを上部に示す、進行中の時系列192を提供するということがわかる。下は、間隔マーカ194によって上に示す間隔を反映して変化する、変動グラフ196である。

0128

画面150、160、180および190は、一用途および/または連結されたディスプレイ画面(図示せず)において任意選択的に提供することができ、これは、ユーザが異なるツール間を速く移動し、波形データ104および変動データ103の両方を読み込ませ、同時にユーザに対して利用可能にすることを可能にする。Vmovie133およびVcam128ツールは、好ましくは、ユーザがデータを拡大またはパンし、領域を選択し、図18に示すとおり、時系列の任意の時点で、4つのプロットを表示することができるように、または、一定の時間間隔内の経時的な変動における変化の動画を生成することができるように、Vcorderツール130に対する拡張として提供されるということを理解することができる。これは、ユーザの利便性のために、すべての機能を単一のアプリケーションで提供する、より直感的なマスタツールを提示するために行われることができる。表示ツールキット72内のツールの機能性は、定期的な更新データ22を各監視施設16の各サーバ24に送信することにより、アップグレードされ、精密化することができる。

0129

ここで、前述の図を参照して、中央サービス10と監視施設16との間の典型的なデータフローを示す実施例について記載する。

0130

動作中、中央サービス10は、1つ以上の監視施設16からデータパッケージ18を入手し、適切な時に更新データ22および閾値データ20を準備し分配する。次の実施例は、病院施設16aのICU患者から中央サービス10へのデータフローを例示するが、必要に応じて、他の監視施設16による類似の原理およびステップが講じられることが理解されよう。

0131

病院施設16aにて、ICU患者26には種々のセンサが装着され、これらは、本実施例では、HRおよびRRデータを入手する。センサ30によって取得されたデータ、すなわち、波形は、患者インターフェース28に伝送される。本実施例では、患者26は、自身の患者インターフェース28を有するが、共有の患者インターフェースが使用されてもよいことを理解されたい。患者インターフェース28は、データ収集モジュール80によって収集される、多臓器データを取得することが可能である。ICUにおいて、波形62は、現場の表示ツールキット71を使用して、医療従事者のために、ディスプレイ73上に表示することができる。医療従事者は、タイムスタンプが付された事象記録装置82を使用して、センサ30によって取得されたデータと関連付けられることが可能な、臨床事象を記録する。データ収集モジュール80は、波形62およびタイムスタンプが付された事象データ32を集め、必要であれば、サーバ24への後の転送のために、データをデータ記憶装置86に格納するか、またはデータ転送モジュール88を使用して、データをサーバ24に直ちに送信する。

0132

図6からわかるように、波形62は、変動解析を行うために、変動解析モジュール68によって使用される時系列を作成するために、生データビルダ64の中に送られることに加え、サーバ24のデータ記憶装置76に、その天然型で格納される。変動データファイル103が、例えば、図11に示すように、次に構築され、データ調整モジュール78は、変動データファイル103と対応する波形データファイル104とを、中央サービス10に伝送されるために適した複合データパッケージ18として融合する。

0133

しかしながら、前述のとおり、表示ツールキット72は、ユーザが波形データ(例えば、呼吸または心拍数検出)を補正し、変動解析の転帰をさまざまな方途で閲覧、注釈付け、および解析することを可能にする。これは、データパッケージ18が中央サービス10に送信される前に行われることができ、データパッケージ18の複製は、後の利用のために、典型的に現場で格納されるということが理解されよう。データパッケージ18は、ユーザによってリリースされると、中央サービス10にアップロードされるか、または送信される。中央サービス10は次に、データ収集モジュール90を使用してデータパッケージ18を受信または入手し、かつデータファイルを中央データベース96の中に格納する。いったんデータパッケージ18が格納されると、これらは前述のとおり、変動解析技術、および閾値のさらなる研究および精錬のために、新規の更新データ20を作成することにより、サーバでソフトウェアへのアップグレードを開発するために使用することができる。このように、このICU患者26から取得されたデータは、地理的に距離のある場所等にある、他の施設16にいる可能性のある他の患者と比較することができる。

0134

中央サービス10は、閾値データ20および更新データ22を、上に記載されるように、定期的にまたは必要があり次第いつでも、準備し、かつ分配することができる。データ20、22は、任意の適したおよび周知のデータ転送機構を使用して、監視施設16に送り出されるか、または引き出されることができ、いかなる特定のものにも限定されるべきでないことを理解されたい。同様に、研究プログラム94および統計エンジン100は、「オフライン」で利用することができるか、または定期的な精密化もしくはデータマイニングセッションを行うために、厳格に管理される。管理的インターフェース92もまた、定期的にまたは必要があり次第使用することができる。更新データ22および閾値データ20は、手動で、準備されたアルゴリズムを使用して自動で、またはその両方の組み合わせにより構築することができる。また、システム12によって提供される接続性は、例えば、電子メールの形で、監視施設間で警報を送信するためのフレームワークを提供する。これは、外来患者が病院施設16aから臨床施設16bへまたは移動施設16cへ移動する場合に有用となる場合があり、情報は普段の開業医と共有されるべきである。

0135

上記のデータフローは、実時間で、または特定の用途および環境に適した任意の間隔で行われてもよい。このように、定期的な監視が施設で行われ、かつ現場で警報を作成することができ、これは次に付加データとして特定の患者についてのデータパッケージ18に追加され、次に大容量交換にてアップロードされるか伝送される。これは、データを直ちに中央サービス10に直接送信するのではなく、適切なときに、データパッケージ18が現場で解析され、かつ注釈付けされることを可能にする。しかしながら、例えば、特定の移動施設などの特定の環境が現場の監視を有しない場合、監視を行うか、またはデータを適切な監視センタ(臨床施設16bの配置に類似)にリダイレクトするかのどちらかのために、中央サービス10を使用することができる。

0136

したがって、経時的な変動解析の背景にある基礎的な理論は、例えば、治療、早期診断、実時間予後診断および全体的な健康管理のための、多くの環境における広範囲な用途を有するということがわかる。変動解析の能力を利用するために、前述の基礎的なフレームワークは、経時的な変動監視を使用して取得された基礎的データのいくつかの徴候を含む、標準的変動データファイルを構築することによって、部分的に分散型システム全域で一貫した形で変動解析を取り扱うことができる。中央エンティティが分散環境に接続性を提供し、一貫し、かつ関連した解析を確実とするために、設備およびソフトウェアを更新するための方途を提供することができる一方で、一貫した標準的データファイルは、基礎的なフレームワークとともに、ユーザが1組の好都合な表示ツールを活用することを可能にする。本システムは、入院患者、外来患者および完全に移動であるもの/独立したものを含む多くの環境に拡張することができる。

0137

本発明は、特定の具体的な実施形態を参照して説明されたが、その種々の変形は、添付の請求項に記載されるとおり、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者には明白である。

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