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技術 5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ遺伝子をターゲッティングする改変ジンクフィンガータンパク質

出願人 ダウ・アグロサイエンス・エル・エル・シーサンガモセラピューティクス,インコーポレイテッド
発明者 グプタ,マンジュパルタ,アシャエム.ノバク,スティーブンウルノフ,フョードルゴパラン,スニタ
出願日 2008年9月25日 (12年8ヶ月経過) 出願番号 2010-526939
公開日 2010年12月24日 (10年5ヶ月経過) 公開番号 2010-539930
状態 特許登録済
技術分野 ペプチド又は蛋白質 微生物、その培養処理 酵素・酵素の調製 植物の育種及び培養による繁殖 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード 重ね入れ 付加的素子 近接縁 超音波穿孔 隣接フィンガ 各三つ組 妥当化 応答素子
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図面 (20)

課題・解決手段

本発明の開示は、植物中の5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼEPSPS)遺伝子をターゲッティングする改変ジンクフィンガータンパク質に、ならびに遺伝子発現、遺伝子不活性化および標的化遺伝子修飾変調するに際してのこのようなジンクフィンガータンパク質の使用方法に関する。特に本開示は、EPSPS遺伝子の標的化切断および変更のためのジンクフィンガーヌクレアーゼに関する。

概要

背景

農業における主要領域は、特に多数の植物ゲノムの完全ヌクレオチド配列の決定にかんがみて、遺伝子発現の標的化調節および遺伝子配列の変更である。特に、遺伝子発現を変調する、または内因性植物配列を修飾する能力は、多数の用途、例えば、栄養価収穫高ストレス耐性病原体耐性、油品質、ならびに農業用化学薬品に対する耐性、および/または薬学的化合物または工業用化学物質の製造のための生物学的工場としての使用のための植物の適応に影響を及ぼす農産物形質の最適化を促す。

改変ジンクフィンガータンパク質(ZFP)は、植物における遺伝子発現を選択的に変調するために、そして遺伝子配列の標的化変更のために有益に用いられてきた(例えば米国特許第7,262,054号、第7,235,354号、第7,220,719号、第7,001,768号および第6,534,261号;ならびに米国特許出願番号60/874,911参照)。ジンクフィンガータンパク質(ZFP)は、ジンクフィンガーとして知られている金属安定化ドメインに基づいて、配列特異的方法で、DNA、RNAおよび/またはタンパク質と結合するタンパク質である。例えば、Miller et al. (1985)EMBO J. 4: 1609-1614;Rhodes et al (1993) Sci. Amer. 268(2): 56-65;およびKlug (1999) J. Mol. Biol. 293: 215-218を参照されたい。ZFPは、一般に、転写因子中に見出され、現在まで、10,000を超えるジンクフィンガー配列が数千の既知のまたは推定上の転写因子において同定されている。

選択遺伝子標的の調節および変更は、所望の生物学的活性を有する予定DNA配列特異性のZFPの設計により理論的に達成され得る。ジンクフィンガードメインは、例えば、遺伝子調節を制御するための改変ジンクフィンガー転写因子を産生するために調節ドメインと、融合タンパク質中で組合されてきた(例えば米国特許第6,534,261号参照)。ジンクフィンガードメインは、修飾(例えば、欠失突然変異相同組換えまたは外因性配列の挿入)が所望されるゲノムの領域への二本鎖切断の特異的ターゲッティングのためのジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を産生するためにヌクレアーゼ切断ドメインとも組合されてきた(例えば、米国特許出願公開番号2007/0134796および2005/0064474参照)。改変ZFPは、植物における特定標的部位での外因性配列の挿入または内因性配列の修飾を大いに促し、慣用的方法より高い効率を有する植物ゲノムの標的化変更を提供する(例えば、7,262,054号、第7,235,354号、第7,220,719号、第7,001,768号および第6,534,261号参照)。

しかしながら、ゲノム重複は植物では普通であり、植物ゲノムにおけるこのようなパラロガス遺伝子の標的化変更ならびに植物におけるパラロガス遺伝子の発現の修飾のための組成物および方法に対する必要性が依然として存在する。

概要

本発明の開示は、植物中の5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼEPSPS)遺伝子をターゲッティングする改変ジンクフィンガータンパク質に、ならびに遺伝子発現、遺伝子不活性化および標的化遺伝子修飾を変調するに際してのこのようなジンクフィンガータンパク質の使用方法に関する。特に本開示は、EPSPS遺伝子の標的化切断および変更のためのジンクフィンガーヌクレアーゼに関する。

目的

改変ZFPは、植物における特定標的部位での外因性配列の挿入または内因性配列の修飾を大いに促し、慣用的方法より高い効率を有する植物ゲノムの標的化変更を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
11件

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請求項1

当該EPSPS標的ゲノム領域と結合する非天然ジンクフィンガータンパク質(ZFP)であって、1つまたは複数の改変ジンクフィンガー結合ドメインを含むZFP。

請求項2

1つまたは複数の機能的ドメインを含む融合タンパク質である請求項1記載のZFP。

請求項3

転写抑制因子エンドヌクレアーゼメチルトランスフェラーゼヒストンデアセチラーゼ転写活性因子およびヒストンアセチルトランスフェラーゼからなる群から選択される1つまたは複数の機能的ドメインを含む請求項2記載のZFP。

請求項4

当該EPSPS標的ゲノム領域を切断するジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)である請求項3記載のZFPであって、前記ZFNが1つまたは複数の改変ジンクフィンガー結合ドメインおよびヌクレアーゼ切断ドメインを含むZFP。

請求項5

1つまたは複数のEPSPSパラロガスまたはオルソロガ遺伝子配列を切断する請求項4記載のZFN。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載の1つまたは複数のジンクフィンガータンパク質(ZEP)をコードするポリヌクレオチド

請求項7

請求項6記載の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む植物宿主細胞

請求項8

1つまたは複数のポリヌクレオチドで安定的にトランスフェクトされる請求項7記載の植物宿主細胞。

請求項9

1つまたは複数のポリヌクレオチドで一時的にトランスフェクトされる請求項7記載の植物宿主細胞。

請求項10

植物細胞中の1つまたは複数のEPSPS遺伝子切断方法であって、以下の:植物細胞中に請求項6記載の1つまたは複数のポリヌクレオチドを導入すること;そして細胞中で1つまたは複数のZFNを発現すること(この場合、ZFNは1つまたは複数のEPSPS遺伝子を切断する)を包含する方法。

請求項11

少なくとも1つのポリヌクレオチドが植物細胞中に安定的にトランスフェクトされる請求項10記載の方法。

請求項12

少なくとも1つのポリヌクレオチドが一時的に植物細胞中にトランスフェクトされる請求項10記載の方法。

請求項13

植物細胞中のすべてのEPSPSパラロガス遺伝子が切断される請求項10〜12のいずれかに記載の方法。

請求項14

植物細胞中の1つまたは複数のEPSPSパラロガス遺伝子が切断される請求項10〜12のいずれかに記載の方法。

請求項15

第一および第二DNA配列を含むドナーベクターであって、前記第一配列が第三配列と相同であり、前記第二配列が第四配列と相同であり;そして前記第三および第四配列が染色体EPSPSDNA配列であるドナーベクター。

請求項16

第三および第四配列の近接縁が連続している請求項15記載のドナーベクター。

請求項17

第三および第四配列の近接縁が少なくとも1つのヌクレオチド対により分離される請求項15記載のドナーベクター。

請求項18

第三および第四配列が外因性配列である請求項15〜17のいずれかに記載のベクター

請求項19

第三および第四配列が内因性配列である請求項15〜17のいずれかに記載のベクター。

請求項20

第五配列をさらに含む請求項15〜19のいずれかに記載のベクターであって、前記第五配列が、以下の:(a)第一および第二配列間に差し挟まれ;そして(b)外因性核酸配列であるベクター。

請求項21

第五配列が選択可能マーカーをコードする配列を含む請求項20記載のベクター。

請求項22

選択可能マーカーが、緑色蛍光タンパク質(GFP)、β−グルクロニダーゼ(GUS)、ホスフィノトリシンN−アセチルトランスフェラーゼ(PAT、BAR)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、β−ラクタマーゼカテコールジオキシゲナーゼα−アミラーゼチロシナーゼβ−ガラクトシダーゼルシフェラーゼイクオリンEPSPシンターゼニトリラーゼアセトラクターゼシンターゼALS)、ジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)、ダラポンデハロゲナーゼおよびアントラニレトシンターゼからなる群から選択される請求項21記載のベクター。

請求項23

第五配列が、選択可能マーカー以外のタンパク質をコードする配列;1つまたは複数の転写調節配列;タンパク質ターゲッティングを増強するかまたは低減する1つまたは複数の配列;タンパク質の一部をコードする1つまたは複数の配列;低分子干渉RNA;およびマイクロRNAからなる群から選択される配列を含む請求項20記載のベクター。

請求項24

第五配列が、除草剤グリホサートに対する植物の耐性を増大する突然変異体EPSPS染色体配列をコードする配列を含む請求項23記載のベクター。

請求項25

植物細胞ゲノム中への外因性核酸配列の導入方法であって、以下の:請求項15〜24のいずれかに記載のドナーベクターの存在下で、細胞中で1つまたは複数のジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を発現するステップ;を包含し;この場合、ZFNが第三または第四配列のいずれかの3キロ塩基対内の染色体DNA中のEPSPS遺伝子を切断し;したがって、ステップ(b)における染色体DNAの切断が相同組換えによるゲノム中へのドナーベクターの組入れを刺激すること包含する方法。

請求項26

植物細胞中の外因性核酸配列の生成物発現方法であって、以下の:外因性配列の生成物が植物細胞中で発現されるよう、請求項25記載の方法に従って外因性配列を導入するステップを包含する方法。

請求項27

請求項25または26記載の方法に従って得られるトランスジェニック植物細胞またはトランスジェニック植物

請求項28

植物細胞のゲノムにおける分子内相同組換え刺激方法であって、以下の:ZFNがDNAセグメントを切断し、分子内相同組換えを刺激するよう、植物細胞においてEPSPS遺伝子および第二配列と相同である第一配列を含むDNAセグメントの存在下で植物細胞中に請求項4〜6のいずれかに記載のZFNを導入するステップを包含する方法。

請求項29

相同組換えが内因性DNAセグメント内の欠失を生じる請求項28記載の方法。

請求項30

欠失配列が、EPSPS遺伝子の全部または一部をコードする配列および選択可能マーカーの全部または一部をコードする配列からなる群から選択される請求項29記載の方法。

請求項31

欠失DNAが外因性配列に取って代わられる請求項29記載の方法であって、以下の:細胞中にポリヌクレオチドを導入するステップであって、前記ポリヌクレオチドが、以下の:(a)第四および第五配列(ここで、前記第四配列は第一配列に近接した非欠失配列と相同であり、前記第五配列は第二配列に近接した非欠失配列と相同である);ならびに(b)外因性配列を含むステップをさらに包含する方法。

請求項32

外因性配列が選択可能マーカーである請求項31記載の方法。

請求項33

選択可能マーカーが、緑色蛍光タンパク質(GFP)、β−グルクロニダーゼ(GUS)、ホスフィノトリシンN−アセチルトランスフェラーゼ(PAT、BAR)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、β−ラクタマーゼ、カテコールジオキシゲナーゼ、α−アミラーゼ、チロシナーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、イクオリン、EPSPシンターゼ、ニトリラーゼ、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、ジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)、ダラポンデハロゲナーゼおよびアントラニレートシンターゼからなる群から選択される請求項32記載の方法。

請求項34

外因性配列がEPSPS遺伝子配列である請求項31記載の方法。

請求項35

EPSPS遺伝子配列が突然変異を含む請求項34記載の方法。

請求項36

突然変異が除草剤グリコサートに対する植物の耐性を増大する請求項35記載の方法。

請求項37

植物細胞のゲノムからのEPSPS遺伝子配列の欠失方法であって、以下の:細胞中で請求項4記載の第一および第二ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を発現するステップであって、前記第一ZFNがESPS遺伝子中の第一切断部位で切断し、前記第二ZFNがESPS遺伝子中の第二切断部位で切断し、前記EPSPS遺伝子配列が前記第一切断部位および前記第二切断部位間に位置し、前記第一および第二切断部位の切断が前記EPSPS遺伝子配列の欠失を生じるステップを包含する方法。

請求項38

EPSPS遺伝子配列が第一および第二切断部位の非相同末端結合により欠失される請求項37記載の方法。

請求項39

第一および第二切断部位が少なくとも100ヌクレオチドにより分離される請求項37または38記載の方法。

請求項40

植物細胞が外因性ESPS配列を含むトランスジェニック植物細胞である請求項37記載の方法。

請求項41

EPSPS遺伝子の発現の変調方法であって、以下の:請求項1〜3のいずれかに記載の細胞中のZFPを発現するステップであって、前記ZFPがEPSPS遺伝子中の標的部位と結合し、それによりEPSPS遺伝子の発現を変調するステップを包含する方法。

請求項42

ZFPがEPSPS遺伝子の転写を増大する請求項41記載の方法。

請求項43

ZFPが除草剤グリホサートに対する植物の耐性を増大する請求項42記載の方法。

請求項44

ZFPがEPSPS遺伝子の転写を低減する請求項41記載の方法。

請求項45

ZFPが除草剤グリホサートに対する植物の耐性を低減する請求項44記載の方法。

技術分野

0001

本開示は、一般的に、ゲノム工学遺伝子ターゲッティング、標的化染色体組込み、および植物中でのタンパク質発現の分野に関する。特に本発明の開示は、5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼEPSPS)遺伝子をターゲッティングする改変ジンクフィンガータンパク質に、ならびに遺伝子発現、遺伝子不活性化および標的化遺伝子修飾変調するに際してのこのようなジンクフィンガータンパク質の使用方法に関する。さらに特定的には、本開示は、EPSPS遺伝子の標的化切断および変更のための改変ジンクフィンガーヌクレアーゼに関する。

背景技術

0002

農業における主要領域は、特に多数の植物ゲノムの完全ヌクレオチド配列の決定にかんがみて、遺伝子発現の標的化調節および遺伝子配列の変更である。特に、遺伝子発現を変調する、または内因性植物配列を修飾する能力は、多数の用途、例えば、栄養価収穫高ストレス耐性病原体耐性、油品質、ならびに農業用化学薬品に対する耐性、および/または薬学的化合物または工業用化学物質の製造のための生物学的工場としての使用のための植物の適応に影響を及ぼす農産物形質の最適化を促す。

0003

改変ジンクフィンガータンパク質(ZFP)は、植物における遺伝子発現を選択的に変調するために、そして遺伝子配列の標的化変更のために有益に用いられてきた(例えば米国特許第7,262,054号、第7,235,354号、第7,220,719号、第7,001,768号および第6,534,261号;ならびに米国特許出願番号60/874,911参照)。ジンクフィンガータンパク質(ZFP)は、ジンクフィンガーとして知られている金属安定化ドメインに基づいて、配列特異的方法で、DNA、RNAおよび/またはタンパク質と結合するタンパク質である。例えば、Miller et al. (1985)EMBO J. 4: 1609-1614;Rhodes et al (1993) Sci. Amer. 268(2): 56-65;およびKlug (1999) J. Mol. Biol. 293: 215-218を参照されたい。ZFPは、一般に、転写因子中に見出され、現在まで、10,000を超えるジンクフィンガー配列が数千の既知のまたは推定上の転写因子において同定されている。

0004

選択遺伝子標的の調節および変更は、所望の生物学的活性を有する予定DNA配列特異性のZFPの設計により理論的に達成され得る。ジンクフィンガードメインは、例えば、遺伝子調節を制御するための改変ジンクフィンガー転写因子を産生するために調節ドメインと、融合タンパク質中で組合されてきた(例えば米国特許第6,534,261号参照)。ジンクフィンガードメインは、修飾(例えば、欠失突然変異相同組換えまたは外因性配列の挿入)が所望されるゲノムの領域への二本鎖切断の特異的ターゲッティングのためのジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を産生するためにヌクレアーゼ切断ドメインとも組合されてきた(例えば、米国特許出願公開番号2007/0134796および2005/0064474参照)。改変ZFPは、植物における特定標的部位での外因性配列の挿入または内因性配列の修飾を大いに促し、慣用的方法より高い効率を有する植物ゲノムの標的化変更を提供する(例えば、7,262,054号、第7,235,354号、第7,220,719号、第7,001,768号および第6,534,261号参照)。

0005

しかしながら、ゲノム重複は植物では普通であり、植物ゲノムにおけるこのようなパラロガス遺伝子の標的化変更ならびに植物におけるパラロガス遺伝子の発現の修飾のための組成物および方法に対する必要性が依然として存在する。

課題を解決するための手段

0006

本発明の開示は、植物細胞における1つまたは複数のパラロガス遺伝子(例えば、EPSPS遺伝子)の発現を変調するための、ならびに標的化変更のための組成物および方法を提供する。植物細胞は、単子葉単子葉類)または双子葉(双子葉類植物種からであり得るし、培養細胞、発生の任意の段階での植物中の細胞、ならびに全体植物から取り出された植物細胞(これらの細胞は(またはそれらの子孫)は植物に戻される)も包含する。植物細胞は、1つまたは複数の相同またはパラロガス遺伝子配列を含有し得るし、その任意数またはその全部が、本明細書中に開示される方法により修飾のために標的化され得る。

0007

一態様において、当該EPSPS標的ゲノム領域と結合するジンクフィンガータンパク質(ZFP)であって、1つまたは複数の改変ジンクフィンガー結合ドメインを含むZFPが本明細書中で開示される。ある実施形態では、ジンクフィンガー結合ドメインは、表Aに示されるような配列を含む。ある実施形態では、ZFPにより標的化されるEPSPS遺伝子は、配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列、あるいはそれと少なくとも約80〜100%の配列同一性、例えば、これらの範囲内の任意の%の同一性、例えば81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有する配列を含む。ある実施形態では、ZFPは、1つまたは複数の調節ドメインを含む融合タンパク質である。一実施形態では、1つまたは複数の調節ドメインは、転写抑制因子エンドヌクレアーゼメチルトランスフェラーゼヒストンデアセチラーゼ転写活性因子およびヒストンアセチルトランスフェラーゼからなる群から選択される。一実施形態では、ZFPは、EPSPS遺伝子の標的配列と結合し、この場合、EPSPSの発現は、増大されるかまたは低減される。一実施形態では、ZFPは、EPSPS遺伝子の転写調節配列と結合する。別の実施形態では、ZFPはEPSPS遺伝子の転写開始部位上流で結合する。別の実施形態では、ZFPは、EPSPS遺伝子の転写開始部位に隣接して結合する。別の実施形態では、ZFPはEPSPS遺伝子の転写開始部位の下流で結合する。一実施形態では、ZFPは、EPSPS遺伝子の転写開始部位の下流のRNAポリメラーゼ休止部位に隣接して結合する。

0008

一実施形態では、ZFPは、当該EPSPS標的ゲノム領域を切断するジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)であって、この場合、ZFNは1つまたは複数の改変ジンクフィンガー結合ドメインおよびヌクレアーゼ切断ドメインを含む。ある実施形態では、ZFNは、EPSPS遺伝子配列に関する特異性を有する改変ジンクフィンガー結合ドメインおよび切断ドメインを含む1つの融合ポリペプチド、および/または改変ジンクフィンガー結合ドメインおよび切断半ドメインを含む1つまたは複数の融合ポリペプチドを包含する。ある実施形態では、ジンクフィンガー結合ドメインは、表Aに示される認識ドメインを含むジンクフィンガータンパク質からなる群から選択される配列を含む。切断ドメインおよび切断半ドメインは、例えば、種々の制限エンドヌクレアーゼおよび/またはホーミングエンドヌクレアーゼから得られる。一実施形態では、切断半ドメインは、IIS型制限エンドヌクレアーゼ(例えば、Fok I)に由来する。ZFNは、特定の一EPSPS遺伝子配列を特異的に切断し得る。代替的には、ZFNは、EPSPSパラロガスまたはオルソロガス遺伝子配列を包含し得る2つまたはそれ以上の相同EPSPS遺伝子配列を切断し得る。

0009

ある実施形態では、ZFNにより標的化されるEPSPS遺伝子は、配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列、あるいはそれと少なくとも約80〜100%の配列同一性、例えば、これらの範囲内の任意の%の同一性、例えば81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有する配列を含む。

0010

ZFNは、当該遺伝子のコード領域内で、あるいは遺伝子内または遺伝子に隣接する非コード配列、例えばリーダー配列トレーラー配列またはイントロンにおいて、あるいはコード領域の上流または下流の非転写領域内で、EPSPS遺伝子と結合し、および/またはそれを切断し得る。ある実施形態では、ZFNは、EPSPS遺伝子のコード配列または調節配列と結合し、および/またはそれを切断する。ある実施形態では、ZFNは、配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなる領域内でEPSPS遺伝子と結合し、切断する。

0011

別の態様では、1つまたは複数のZFNを含み得る1つまたは複数のZFPを含む組成物が本明細書中で記載される。植物細胞は、1つの独自のEPSPS遺伝子または多数のパラロガスEPSPS遺伝子を含有し得る。したがって、組成物は、植物細胞中の1つまたは複数のEPSPS遺伝子、例えば植物細胞中に存在する1、2、3、4、5または任意数までのEPSPSパラログあるいはすべてのEPSPSパラログを標的にする1つまたは複数のZFPを含み得る。一実施形態では、組成物は、植物細胞中のすべてのEPSPSパラロガス遺伝子を標的にする1つまたは複数のZFPを含む。別の実施形態では、組成物は、植物細胞中の1つの特定EPSPSパラロガス遺伝子を特異的に標的にする1つのZFPを含む。例えば、組成物は、植物細胞中の1つの特定EPSPSパラロガス遺伝子と特異的に結合し、切断する1つのZFN、あるいは植物細胞中の2またはそれ以上のEPSPSパラロガス遺伝子と結合し、切断する多数のZFNを含み得る。さらに、組成物は、1つまたは複数のEPSPSパラロガス遺伝子の転写調節を変更する非ヌクレアーゼZFPを含有し得る。

0012

別の態様では、本明細書中に記載される1つまたは複数のZFPをコードするポリヌクレオチドが本明細書中で記載される。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのZFNをコードする。例示的ポリヌクレオチドは、表Aに示されるようなジンクフィンガータンパク質のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含む。

0013

別の態様では、プロモーターと操作可能的に連結される本明細書中に記載される1つまたは複数のZFPをコードするポリヌクレオチドを含むZFP発現ベクターが本明細書中で記載される。一実施形態では、ZFPのうちの1つまたは複数がZFNである。

0014

別の態様では、1つまたは複数のZFP発現ベクターを含む植物宿主細胞が本明細書中で記載される。植物宿主細胞は、1つまたは複数のZFP発現ベクターで安定的に形質転換され得るかまたは一時的にトランスフェクトされ得るか、あるいはその組合せであり得る。一実施形態では、1つまたは複数のZFP発現ベクターは、植物宿主細胞中で1つまたは複数のZFNを発現する。

0015

別の態様では、植物細胞中での1つまたは複数のパラロガス遺伝子の切断方法であって、(a)ZFN(単数または複数)が発現され、1つまたは複数のパラロガス遺伝子が切断されるような条件下で、1つまたは複数のパラロガス遺伝子中の標的部位と結合する1つまたは複数のZFNをコードする1つまたは複数の発現ベクターを、植物細胞中に導入することを包含する方法が本明細書中で記載される。ある実施形態では、標的部位は、EPSPS遺伝子中にある。一実施形態では、植物細胞中の1つの特定EPSPSパラログ遺伝子が切断される。別の実施形態では、1つより多いEPSPSパラログが切断され、例えば植物細胞中に存在する、2、3、4、5または任意数までのEPSPSパラログあるいはすべてのEPSPSパラログが切断される。

0016

別の態様では、第一および第二DNA配列を含むドナーベクターであって、(i)第一配列が第三配列と相同であり、第二配列が第四配列と相同であり;そして(ii)第三および第四配列が染色体DNA配列であるドナーベクターが本明細書中で記載される。ある実施形態では、第三および第四配列の近接縁は少なくとも1つのヌクレオチド対により分離される。一実施形態では、第三および第四配列は内因性配列である。別の実施形態では、第三および第四配列は外因性配列である。ドナーベクターのいずれかにおいて、標的化染色体DNA配列はEPSPS配列であり得る。ある実施形態では、染色体EPSPS DNA配列は、配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列、あるいはそれと少なくとも約80〜100%の配列同一性、例えば、これらの範囲内の任意の%の同一性、例えば81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有する配列を含むEPSPS遺伝子に属する。

0017

ある実施形態では、ドナーベクター中の第一または第二配列のうちの少なくとも1つは100ヌクレオチドまたはそれ未満の長さを有する。さらに、本明細書中に記載されるベクターのいずれかは、第五配列をさらに含み得るが、この場合、第五配列は、(a)第一および第二配列間に差し挟まれ;そして(b)外因性配列である。ある実施形態では、第五配列は少なくとも1塩基対のサイズを有するが、しかし22キロ塩基対またはそれ以上という大きさであり得る。

0018

ドナーベクター(例えば第五配列)は、タンパク質またはタンパク質の部分をコードする配列も含み得る。ある実施形態では、タンパク質コード配列は、選択可能マーカー(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、β−グルクロニダーゼ(GUS)、ホスフィノトリシンN−アセチルトランスフェラーゼ(PAT、BAR)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、β−ラクタマーゼカテコールジオキシゲナーゼα−アミラーゼチロシナーゼβ−ガラクトシダーゼルシフェラーゼイクオリンEPSPシンターゼニトリラーゼアセトラクターゼシンターゼALS)、ジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)、ダラポンデハロゲナーゼおよびアントラニレトシンターゼ)をコードする。他の実施形態では、タンパク質コード配列(例えば、第五配列)、例えば染色体配列と相同である配列は、タンパク質またはタンパク質の部分をコードする。

0019

さらに他の実施形態では、ドナーベクター(例えば、第五配列)は、1つまたは複数の転写調節配列を含む。例えば、ドナーベクターは、パラロガス遺伝子(EPSPS)の発現を増大するかまたは低減する1つまたは複数の転写調節配列を含み得る。ある実施形態では、ドナーベクターは、タンパク質輸送を増強するかまたは縮小する1つまたは複数のタンパク質ターゲッティング配列を含む。

0020

さらなる実施形態では、ドナーベクター(例えば、第五配列)は、突然変異体染色体配列の野生型同等物(例えば、EPSPS)、あるいは代替的には、野生型染色体配列の突然変異体同等物(例えば、EPSPS)を含み得る。ある実施形態では、突然変異体染色体配列は、点突然変異置換、欠失および挿入からなる群から選択される1つまたは複数の突然変異を含む。一実施形態では、ドナーベクターは、除草剤グリホサートに対する植物の耐性を増大する突然変異体EPSPS染色体配列を含む。

0021

本明細書中に記載されるドナーベクターのいずれかにおいて、第一配列は、第三配列と少なくとも35%の相同性を有し得る。同様に、本明細書中に記載されるベクターのいずれかにおいて、第二配列は、第四配列と少なくとも35%の相同性を有し得る。いくつかの実施形態では、第一配列は、第三配列と少なくとも35%〜50%、少なくとも50%〜70%、少なくとも70%〜80%、少なくとも80%〜85%、少なくとも85%〜90%、少なくとも90%〜95%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する。いくつかの実施形態では、第二配列は、第四配列と少なくとも35%〜50%、少なくとも50%〜70%、少なくとも70%〜80%、少なくとも80%〜85%、少なくとも85%〜90%、少なくとも90%〜95%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する。

0022

さらに別の態様では、植物細胞のゲノム中への外因性配列の導入方法であって、(a)本明細書中に記載されるドナーベクターのいずれかと細胞を接触させるステップ;ならびに(b)細胞中で1つまたは複数のジンクフィンガーヌクレアーゼを発現するステップ(この場合、1つまたは複数のジンクフィンガーヌクレアーゼは、第三または第四配列のいずれかの0.4〜3キロ塩基対内の染色体DNAを切断する)を包含し;したがって、ステップ(b)における染色体DNAの切断が相同組換えによるゲノム中へのドナーベクターの組入れを刺激することを包含する方法が、本明細書中で記載される。ある実施形態では、1つまたは複数のヌクレアーゼは、IIS型制限エンドヌクレアーゼの切断ドメインと改変ジンクフィンガー結合ドメインとの間の融合物である。

0023

ある実施形態では、ジンクフィンガーヌクレアーゼは、配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列、あるいはそれと少なくとも約80〜100%の配列同一性、例えば、これらの範囲内の任意の%の同一性、例えば81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有する配列を含むEPSPS遺伝子を切断する。

0024

別の態様では、植物細胞中での外因性核酸配列生成物発現方法であって、(a)細胞を外因性核酸配列を含むドナーベクターと接触させるステップ;ならびに(b)細胞中でジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を発現するステップ(この場合、ZFNは、第三または第四配列のいずれかの3キロ塩基対内の染色体DNA中の1つまたは複数のパラロガス遺伝子(例えば、1つまたは複数のEPSPS遺伝子)を切断する)を包含する方法が、本明細書中で記載される。ステップ(b)における染色体DNAの切断は、外因性核酸配列の生成物の相同組換えおよび発現によるゲノム中へのドナーベクターの組入れを生じる。

0025

ある実施形態では、ジンクフィンガーヌクレアーゼは、配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列、あるいはそれと少なくとも約80〜100%の配列同一性、例えば、これらの範囲内の任意の%の同一性、例えば81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%の配列同一性を有する配列を含むEPSPS遺伝子を切断する。

0026

別の態様では、植物細胞のゲノム中の分子内相同組換えのための方法であって、(a)標的遺伝子の配列を含み、さらに第二配列と相同である第一配列を含むDNAセグメントを提供するステップ;ならびに(b)上記DNAセグメントを本明細書中に記載されるようなZFNと接触させるステップ(この場合、ZFNは標的遺伝子配列でDNAセグメントを切断し、それにより分子内相同組換えを刺激する)を包含する方法が、本明細書中で記載される。ある実施形態では、DNAセグメントは細胞に対して内因性である。他の実施形態では、DNAセグメントは細胞に対して外因性である。ある実施形態では、標的遺伝子は細胞に独自のものである。他の実施形態では、標的遺伝子はパラロガス遺伝子である。これらの方法のいずれかにおいて、標的遺伝子は独自のまたはパラロガスなEPSPSを含み得るし、ZFNは表Aに示される配列のいずれかを含む。ある実施形態では、相同組換えは染色体中で起こり得る。一実施形態では、第一および第二配列間のDNAが染色体から欠失される。一実施形態では、染色体から欠失される配列は、標的遺伝子の全部または一部をコードし得る。別の実施形態では、染色体から欠失される配列は、選択可能マーカー、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)、β−グルクロニダーゼ(GUS)、ホスフィノトリシンN−アセチルトランスフェラーゼ(PAT、BAR)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、β−ラクタマーゼ、カテコールジオキシゲナーゼ、α−アミラーゼ、チロシナーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、イクオリン、EPSPシンターゼ、ニトリラーゼ、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、ジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)、ダラポンデハロゲナーゼおよびアントラニレートシンターゼの全部または一部をコードし得る。

0027

ある実施形態では、欠失DNAは外因性配列に取って代わられ、当該方法はさらに、細胞中にポリヌクレオチドを導入することを包含するが、この場合、ポリヌクレオチドは(i)第四および第五配列(ここで、第四配列は第一配列に近接する非欠失配列と相同であり、第五配列は第二配列に近接する非欠失配列と相同である);ならびに(ii)外因性配列を含む。

0028

ある実施形態では、欠失DNAは、野生型遺伝子配列の突然変異体同等物を含み得る遺伝子配列に取って代わられる。ある実施形態では、突然変異体遺伝子配列は、点突然変異、置換、欠失および挿入からなる群から選択される1つまたは複数の突然変異を含む。一実施形態では、欠失DNAはEPSPS遺伝子配列に取って代わられ、例えばEPSPS遺伝子配列は、除草剤グリホサートに対する植物の耐性を増大する突然変異を含む。

0029

別の実施形態では、外因性配列は、選択可能マーカー、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)、β−グルクロニダーゼ(GUS)、ホスフィノトリシンN−アセチルトランスフェラーゼ(PAT、BAR)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、β−ラクタマーゼ、カテコールジオキシゲナーゼ、α−アミラーゼ、チロシナーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、イクオリン、EPSPシンターゼ、ニトリラーゼ、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、ジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)、ダラポンデハロゲナーゼおよびアントラニレートシンターゼであり得る。

0030

別の実施形態では、植物細胞のゲノムから遺伝子配列を欠失するための方法であって、(a)遺伝子配列を含む植物細胞を提供するステップ;ならびに(b)細胞中で第一および第二ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を発現するステップ(ここで、第一ZFNは第一切断部位を切断し、第二ZFNは第二切断部位を切断する)を包含する方法であって、遺伝子配列が第一切断部位および第二切断部位間に配置され、第一および第二切断部位の切断が遺伝子配列の欠失を生じる方法が、本明細書中で記載される。ある実施形態では、遺伝子配列はEPSPS遺伝子である。遺伝子配列中の欠失のサイズは、第一および第二切断部位間の距離により確定される。したがって、任意のサイズの欠失が、当該する任意のゲノム領域において、得られる。25、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000ヌクレオチド対、またはこの範囲内の任意の整数値のヌクレオチド対の欠失が得られる。さらに、1,000ヌクレオチド対より多い任意の整数値のヌクレオチド対の配列の欠失が、本明細書中に開示される方法および組成物を用いて得られる。一実施形態では、第一および第二切断部位は、少なくとも100ヌクレオチドにより分離される。一実施形態では、全遺伝子(例えば、EPSPS)が欠失される。別の実施形態では、遺伝子(例えば、EPSPS)の一部が欠失される。一実施形態では、遺伝子配列(例えば、EPSPS遺伝子配列)がトランスジェニック植物細胞から欠失される。遺伝子配列(例えば、EPSPS)は、内因性または外因性配列であり得る。

0031

別の態様では、植物遺伝子の調節を変調するための方法であって、(a)標的遺伝子配列を含む植物細胞を提供するステップ;ならびに(b)細胞中でZFPを発現するステップ(ここで、ZFPは標的遺伝子の調節配列と結合し、それにより、標的遺伝子の調節を変調する)を包含する方法が、本明細書中で記載される。ある実施形態では、遺伝子配列はEPSPS遺伝子である。ZFPの調節配列との結合は、標的(例えば、EPSPS)遺伝子の転写を増大するかまたは低減し得る。ある実施形態では、ZFPはさらにまた、除草剤グリホサートに対する植物の耐性を増大するかまたは低減する。

0032

さらなる態様では、本明細書中に記載される方法のいずれかに従って得られるトランスジェニック植物細胞も提供される。

0033

別の態様では、本明細書中に記載されるようにして得られるトランスジェニック細胞を含む植物が本明細書中で提供される。

0034

本明細書中に記載される方法のいずれかにおいて、除草剤グリホサートに対する植物の耐性を増大するかまたは低減するために、標的植物遺伝子配列(例えば、転写調節配列またはEPSPSコード配列)の修飾が用いられ得る。

0035

したがって、本開示は、以下の番号付けした実施形態を包含するが、これらに限定されない:
1.当該EPSPS標的ゲノム領域と結合するジンクフィンガータンパク質(ZFP)であって、1つまたは複数の改変ジンクフィンガー結合ドメインを含むZFP。
2.標的ゲノム領域が双子葉植物の細胞中にある実施形態1のZFP。
3.標的ゲノム領域がキャノーラ種植物の細胞中にある実施形態2のZFP。
4.標的ゲノム領域がアブラナ属植物の細胞中にある実施形態2のZFP。
5.当該EPSPS標的ゲノム領域が配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも95%同一である配列を含むEPSPS遺伝子に属する実施形態1のZFP。
6.ZFPが1つまたは複数の機能的ドメインを含む融合タンパク質である実施形態1のZFP。
7.転写抑制因子、エンドヌクレアーゼ、メチルトランスフェラーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、転写活性因子およびヒストンアセチルトランスフェラーゼからなる群から選択される1つまたは複数の機能的ドメインを含む実施形態6のZFP。
8.EPSPS遺伝子の転写調節配列と結合する実施形態1〜7のいずれかのZFP。
9.EPSPS遺伝子の転写開始部位の上流に結合する実施形態1〜7のいずれかのZFP。
10.EPSPS遺伝子の転写開始部位に隣接して結合する実施形態1〜7のいずれかのZFP。

0036

11.EPSPS遺伝子の転写を増大する実施形態1〜10のいずれかのZFP。
12.EPSPS遺伝子の転写を低減する実施形態1〜10のいずれかのZFP。
13.当該EPSPS標的ゲノム領域を切断するジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)である実施形態1のZFPであって、上記ZFNが1つまたは複数の改変ジンクフィンガー結合ドメインおよびヌクレアーゼ切断ドメインを含むZFP。
14.切断ドメインが2つの切断半ドメインを含む実施形態13のZFN。
15.切断半ドメインが同一ヌクレアーゼに由来する実施形態14のZFN。
16.切断半ドメインがIIS型制限エンドヌクレアーゼに由来する実施形態15のZFN。
17.IIS制限エンドヌクレアーゼがFok Iである実施形態16のZFN。
18.当該EPSPS標的ゲノム領域が配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも95%同一である配列を含むEPSPS遺伝子に属する実施形態13のZFN。
19.EPSPS遺伝子のコード領域中の配列と結合する実施形態13のZFN。
20.EPSPS遺伝子の非コード領域中の配列と結合する実施形態13のZFN。

0037

21.EPSPS遺伝子の調節配列と結合する実施形態20のZFN。
22.1つまたは複数のEPSPSパラロガスまたはオルソロガス遺伝子配列を切断する実施形態13のZFN。
23.1つのEPSPSパラロガスまたはオルソロガス遺伝子配列を特異的に切断する実施形態13のZFN。
24.表Aに示されるような配列を含むジンクフィンガー結合ドメインを含む実施形態13のZFN。
25.配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなる領域内のEPSPS遺伝子と結合し、切断する実施形態13のZFN。
26.以下の:
(a)第一ジンクフィンガー結合ドメインおよび第一切断半ドメインを含む第一融合タンパク質(この場合、第一ジンクフィンガー結合ドメインは第一ヌクレオチド配列と結合する);ならびに
(b)第二ジンクフィンガー結合ドメインおよび第二切断半ドメインを含む第二融合タンパク質(この場合、第二ジンクフィンガー結合ドメインは第二ヌクレオチド配列と結合する)
を含む実施形態13のZFN。
27.第二ジヌクレオチド配列が第一ヌクレオチド配列から2〜50ヌクレオチドに位置する実施形態26のZFN。
28.切断が第一および第二ヌクレオチド配列間で起こる実施形態26のZFN。
29.実施形態1〜28のいずれかによる1つまたは複数のジンクフィンガータンパク質(ZFP)を含む組成物。
30.1つまたは複数のZFPがジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)である実施形態29の組成物。

0038

31.植物細胞中の1つまたは複数のEPSPS遺伝子を標的にする1つまたは複数のZFPを含む実施形態29の組成物。
32.組合せて植物細胞中のすべてのEPSPSパラロガス遺伝子を標的にする2またはそれより多くのZFPを含む実施形態29の組成物。
33.植物細胞中の1つのEPSPSパラロガス遺伝子と特異的に結合し、切断する1つのZFNを含む実施形態30の組成物。
34.植物細胞中の2つまたはそれより多くのEPSPSパラロガス遺伝子と結合し、切断する2つまたはそれより多くのZFNを含む実施形態30の組成物。
35.植物細胞中のすべてのEPSPSパラロガス遺伝子と結合し、切断する1つまたは複数のZFNを含む実施形態30の組成物。
36.実施形態1〜28のいずれかによる1つまたは複数のジンクフィンガータンパク質(ZFP)をコードするポリヌクレオチド。
37.表Aに示されるようなジンクフィンガータンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む実施形態36のポリヌクレオチド。
38.プロモーターと操作可能的に結合される実施形態36または37のいずれかのポリヌクレオチドを含むZFP発現ベクター。
39.実施形態38による1つまたは複数のZFP発現ベクターを含む植物宿主細胞。
40.細胞が1つまたは複数のZFP発現ベクターで安定的にトランスフェクトされる実施形態39の植物宿主細胞。

0039

41.細胞が1つまたは複数のZFP発現ベクターで一時的にトランスフェクトされる実施形態39の植物宿主細胞。
42.植物細胞中の1つまたは複数のEPSPS遺伝子の切断方法であって、以下の:
(a)実施形態10による1つまたは複数のZFNをコードする1つまたは複数のZFP発現ベクターで植物細胞をトランスフェクトすること;そして
(b)細胞中で1つまたは複数のZFNを発現すること(この場合、ZFNは1つまたは複数のEPSPS遺伝子を切断する)
を包含する方法。
43.少なくとも1つのZFP発現ベクターが植物細胞中に安定的にトランスフェクトされる実施形態42の方法。
44.少なくとも1つのZFP発現ベクターが一時的に植物細胞中にトランスフェクトされる実施形態42の方法。
45.少なくとも2つのZFP発現ベクターが細胞中にトランスフェクトされる実施形態42〜44の方法。
46.少なくとも2つのZFP発現ベクターが細胞中に同時トランスフェクトされる実施形態45の方法。
47.少なくとも2つのZFP発現ベクターが細胞中に逐次的にトランスフェクトされる実施形態45の方法。
48.植物細胞中のすべてのEPSPSパラロガス遺伝子が切断される実施形態42〜47のいずれかの方法。
49.植物細胞中の1つのEPSPSパラロガス遺伝子が切断される実施形態42〜47のいずれかの方法。
50.植物細胞中の少なくとも2つのEPSPSパラロガス遺伝子が切断される実施形態42〜47のいずれかの方法。

0040

51.第一および第二DNA配列を含むドナーベクターであって;
第一配列が第三発現と相同であり、第二配列が第四配列と相同であり;そして
第三および第四配列が染色体EPSPS DNA配列である
ドナーベクター。
52.第三および第四配列の近接縁が連続している実施形態51のドナーベクター。
53.第三および第四配列の近接縁が少なくとも1つのヌクレオチド対により分離される実施形態51のドナーベクター。
54.実施形態51〜53のいずれかのベクター(この場合、染色体EPSPS DNA配列は、配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列またはそれと少なくとも95%同一である配列を含むEPSPS遺伝子に属する)。
55.第三および第四配列が外因性配列である実施形態51〜54のいずれかのベクター。
56.第三および第四配列が内因性配列である実施形態51〜54のいずれかのベクター。
57.第一または第二配列のうちの少なくとも1つが100ヌクレオチドまたはそれ未満の長さを有する実施形態51〜56のいずれかのベクター。
58.第五配列をさらに含む実施形態51〜57のいずれかのベクターであって、第五配列が:
(a)第一および第二配列間に差し込まれ;そして
(b)外因性核酸配列である
ベクター。
59.第五配列が少なくとも1塩基対のサイズを有する実施形態58のベクター。
60.第五配列が選択可能マーカーをコードする配列を含む実施形態58または59のベクター。

0041

61.選択可能マーカーが、緑色蛍光タンパク質(GFP)、β−グルクロニダーゼ(GUS)、ホスフィノトリシンN−アセチルトランスフェラーゼ(PAT、BAR)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、β−ラクタマーゼ、カテコールジオキシゲナーゼ、α−アミラーゼ、チロシナーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、イクオリン、EPSPシンターゼ、ニトリラーゼ、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、ジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)、ダラポンデハロゲナーゼおよびアントラニレートシンターゼからなる群から選択される実施形態60のベクター。
62.第五配列が、選択可能マーカー以外のタンパク質をコードする配列を含む実施形態58のベクター。
63.第五配列が1つまたは複数の転写調節配列を含む実施形態58〜62のいずれかのベクター。
64.第五配列が、タンパク質ターゲッティングを増強するかまたは縮小する1つまたは複数の配列を含む実施形態58〜63のいずれかのベクター。
65.1つまたは複数の転写調節配列がEPSPSの発現を増大する実施形態63のベクター。
66.1つまたは複数の転写調節配列がEPSPSの発現を低減する実施形態63のベクター。
67.第五配列がタンパク質の一部をコードする1つまたは複数の配列、あるいは小干渉RNAまたはミクロRNAを含む実施形態58〜66のいずれかのベクター。
68.タンパク質の部分をコードする配列がEPSPS染色体配列と相同である配列を含む実施形態67のベクター。
69.第五配列が突然変異体EPSPS染色体配列の野生型同等物を含む実施形態58のベクター。
70.第五配列が野生型EPSPS染色体配列の突然変異体同等物を含む実施形態58のベクター。

0042

71.突然変異体EPSPS染色体配列が除草剤グリホサートに対する植物の耐性を増大する実施形態70のベクター。
72.第一配列が第三配列と少なくとも35%の相同性を有する実施形態51〜71のいずれかのベクター。
73.第二配列が第四配列と少なくとも35%の相同性を有する実施形態51〜72のいずれかのベクター。
74.植物細胞のゲノム中への外因性核酸配列の導入方法であって、以下の:
(a)細胞を実施形態51〜73のいずれかによるドナーベクターと接触させるステップ;ならびに
(b)細胞中でジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を発現するステップ(この場合、ZFNは第三または第四配列のいずれかの3キロ塩基対内の染色体DNA中のEPSPS遺伝子を切断し;
したがって、ステップ(b)における染色体DNAの切断が相同組換えによるゲノム中へのドナーベクターの組入れを刺激する
こと包含する方法。
75.EPSPS遺伝子が配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも95%同一である配列を含む実施形態74の方法。

0043

76.植物細胞中の外因性核酸配列の生成物の発現方法であって、以下の:
(a)細胞を実施形態58〜73のドナーベクターと接触させるステップ;ならびに
(b)細胞中でジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を発現するステップ(この場合、ZFNは第三または第四配列のいずれかの3キロ塩基対内の染色体DNA中のEPSPS遺伝子を切断し;
したがって、ステップ(b)における染色体DNAの切断が、相同組換えによるゲノム中へのドナーベクターの組入れならびに外因性核酸配列の生成物の発現を生じる
こと包含する方法。
77.EPSPS遺伝子が配列番号10〜14からなる群から選択されるヌクレオチド配列、またはそれと少なくとも95%同一である配列を含む実施形態76の方法。
78.実施形態74または75のいずれかの方法により得られるトランスジェニック植物細胞。
79.実施形態78によるトランスジェニック植物細胞を含む植物。
80.植物細胞のゲノム中の分子内相同組換えのための方法であって、以下の:
(a)EPSPS遺伝子を含み、さらに第二配列と相同である第一配列を含むDNAセグメントを提供するステップ;ならびに
(b)上記DNAセグメントを実施形態14〜28のいずれかのZFNと接触させるステップ(この場合、ZFNはEPSPS遺伝子配列でDNAセグメントを切断し、それにより分子内相同組換えを刺激する)
を包含する方法。

0044

81.DNAセグメントが細胞に対して内因性である実施形態80の方法。
82.相同組換えが染色体中で起きる実施形態80または81の方法。
83.第一および第二配列間のDNAが染色体から欠失される実施形態82の方法。
84.EPSPS遺伝子がゲノムにおいて独自である実施形態80〜83のいずれかの方法。
85.EPSPS遺伝子の1つまたは複数のパラログがゲノム中に存在する実施形態80〜83のいずれかの方法。
86.ZFNが一対の融合タンパク質を含み、各融合タンパク質がIIS型制限エンドヌクレアーゼの切断ドメインと改変ジンクフィンガー結合ドメインとの間の融合物である実施形態80〜85のいずれかの方法。
87.第二配列が第一配列から少なくとも100塩基対にある実施形態80〜86のいずれかの方法。
88.EPSPS遺伝子配列が第一および第二配列から少なくとも100塩基対にある実施形態80〜86のいずれかの方法。
89.EPSPS遺伝子配列が第一および第二配列間にある実施形態80〜86のいずれかの方法。
90.第一または第二配列の一方が生物体に対して外因性である実施形態80〜89のいずれかの方法。

0045

91.第一または第二配列の両方が生物体に対して外因性である実施形態80〜90のいずれかの方法。
92.染色体から欠失される配列がEPSPS遺伝子の全部または一部をコードする実施形態83の方法。
93.染色体から欠失される配列が選択可能マーカーの全部または一部をコードする実施形態83の方法。
94.選択可能マーカーが、緑色蛍光タンパク質(GFP)、β−グルクロニダーゼ(GUS)、ホスフィノトリシンN−アセチルトランスフェラーゼ(PAT、BAR)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、β−ラクタマーゼ、カテコールジオキシゲナーゼ、α−アミラーゼ、チロシナーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、イクオリン、EPSPシンターゼ、ニトリラーゼ、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、ジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)、ダラポンデハロゲナーゼおよびアントラニレートシンターゼからなる群から選択される実施形態93の方法。
95.欠失DNAが外因性配列に取って代わられる実施形態83の方法であって、以下の:
細胞中にポリヌクレオチドを導入するステップであって、ポリヌクレオチドが、以下の:
(a)第四および第五配列(ここで、第四配列は第一配列に近接した非欠失配列と相同であり、第五配列は第二配列に近接した非欠失配列と相同である);ならびに
(b)外因性配列
を含むステップ
をさらに包含する方法。

0046

96.外因性配列が選択可能マーカーである実施形態95の方法。
97.選択可能マーカーが、緑色蛍光タンパク質(GFP)、β−グルクロニダーゼ(GUS)、ホスフィノトリシンN−アセチルトランスフェラーゼ(PAT、BAR)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、β−ラクタマーゼ、カテコールジオキシゲナーゼ、α−アミラーゼ、チロシナーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、イクオリン、EPSPシンターゼ、ニトリラーゼ、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、ジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)、ダラポンデハロゲナーゼおよびアントラニレートシンターゼからなる群から選択される実施形態96の方法。
98.外因性配列がEPSPS遺伝子配列である実施形態95の方法。
99.EPSPS遺伝子配列が突然変異を含む実施形態98の方法。
100.突然変異が除草剤グリコサートに対する植物の耐性を増大する実施形態99の方法。

0047

101.植物細胞のゲノムからのEPSPS遺伝子配列の欠失方法であって、以下の:
(a)EPSPS遺伝子配列を含む植物細胞を提供するステップ;そして
(b)細胞中で第一および第二ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を発現するステップであって、第一ZFNが第一切断部位で切断し、第二ZFNが第二切断部位で切断し、EPSPS遺伝子配列が第一切断部位および第二切断部位間に位置し、第一および第二切断部位の切断がEPSPS遺伝子配列の欠失を生じるステップ
を包含する方法。
102.EPSPS遺伝子配列が第一および第二切断部位の非相同末端結合により欠失される実施形態101の方法。
103.第一および第二切断部位が少なくとも100ヌクレオチドにより分離される実施形態101または102の方法。
104.植物細胞がトランスジェニック植物細胞である実施形態101または102の方法。
105.EPSPS遺伝子配列が外因性配列である実施形態101または102の方法。
106.EPSPS遺伝子配列が内因性配列である実施形態101または102の方法。
107.EPSPS遺伝子の調節の変調方法であって、以下の:
(a)EPSPS遺伝子配列を含む植物細胞を提供するステップ;ならびに
(b)細胞中のZFPを発現するステップであって、上記ZFPがEPSPS遺伝子中の標的部位と結合し、それによりEPSPS遺伝子の調節を変調するステップ
を包含する方法。
108.標的部位がEPSPS遺伝子の調節配列である実施形態107の方法。
109.標的部位がEPSPS遺伝子の転写開始部位の上流にある実施形態107の方法。
110.標的部位がEPSPS遺伝子の転写開始部位に隣接する実施形態107の方法。

0048

111.標的部位がEPSPS遺伝子の転写開始部位の下流にある実施形態107の方法。
112.ZFPがEPSPS遺伝子の転写を増大する実施形態107の方法。
113.ZFPが除草剤グリホサートに対する植物の耐性を増大する実施形態112の方法。
114.ZFPがEPSPS遺伝子の転写を低減する実施形態107の方法。
115.ZFPが除草剤グリホサートに対する植物の耐性を低減する実施形態114の方法。

0049

本開示のこれらのおよびその他の実施形態は、本明細書中の開示にかんがみて、当業者は容易に理解する。

図面の簡単な説明

0050

セイヨウアブラナ(B. napus)変種Nex710、カブ類(B. rapa)およびキャベツ類(B. oleracea)ゲノム中のEPSPS遺伝子の数の概算を提供するサザンブロットを示す(標準マーカーはPromega解析用DNA広範囲マーカーである)。

0051

図2A〜図2Cは、ZFN発現構築物を生成するために用いられるクローニング戦略の模式図を示す。段階的クローニング戦略を用いた:個々のZFNコード遺伝子をベクターならびにpVAX−C2A-NLSop2−EGFP−FokMono(図2A)およびpVAX−N2A-NLSop2−EGFP−FokMono(図2B)中にクローン化して、二重タンパク質カセットを作製した(図2C)。

0052

図2D〜図2Eは、ZFN発現構築物を生成するために用いられるクローニング戦略の模式図を示す。このカセットをpDAB3731に結紮して、ZFNへテロ二量体の発現のための最終プラスミド(図2D)を生成した。次にZFNカセットをGateway技法バイナリーベクターに移して、アグロバクテリウム媒介性セイヨウアブラナ形質転換のための構築物(図2E)を作製した。ZFN d2=10654−CH3−v2;ZFN rb2=10657−CH3−v2。

0053

図3A図3Dは、EPSPS遺伝子のパラログ特異的増幅を示す。図3A〜3Dは、それぞれ、パラログA、B、CおよびD特異的PCR検定を表す。レーン1〜6は、以下のDNAを含有した。レーン1:無DNA PCR対照;レーン2:セイヨウアブラナ変種Nex710DNA(10ng/μl);レーン3、4、5および6は、1ng/μlの濃度で陽性対照としてパラログD、C、BおよびAの増幅DNA(1570bp)を含有した。PCR産物を2%E−GEL96(Invitrogen, Carlsbad, CA)上で動かして、GELDOC2000ゲル撮影ステム(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いて可視化した。画像を獲得し、QUANTITY ONEソフトウェア(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いて解析し、E-EDITORソフトウェア(Invitrogen, Carlsbad, CA)を用いてさらに処理した。断片サイズは塩基対(bp)で示されている。

0054

セイヨウアブラナEPSPSパラログに関するZFNの結合および切断部位を示す。DNAの二本鎖ds)切断を実行するためには、2つのZFNタンパク質が必要とされる。下向き矢印で示される切断部位の上流で、1つのタンパク質(10657または10658)を下線を付したヌクレオチドと結合させたが、この場合、別のタンパク質(10654)は、図示したように、下線を付した配列に対して下流に結合された。両方のタンパク質がそれらのそれぞれの部位に結合された場合のみ、切断が起きる。5つのパラログ(以下で示す)の間の一対のうちの一方または両方のZFNの結合部位における小配列差(下線)は、配列特異性を提供し、パラログの選択的二本鎖切断を生じた。

0055

EPSPSパラログDにおけるZFN媒介性欠失を示す。2bp欠失は、EPSPSパラログDセイヨウアブラナ中に存在するZFN媒介性二本鎖DNA切断の非相同末端結合(NHEJ)修復に起因した。ZFN pDAB7151に関する切断標的はCAGTTであったが、これは2bpGT欠失に対応する。下段予測野生型配列上段:SEQUENCHERソフトウェアを用いたパラログDクローンの26配列のアラインメント(2bp欠失を示す)。これらの配列を、13のクローンの順方向および逆方向プライマーシーケンシングから得た。

0056

セイヨウアブラナEPSPSパラログDにおいてNHEJを生じるZFN媒介性二本鎖切断を示す。野生型DNA中の予測切断部位(上部)に関する多重NHEJ欠失のアラインメントを示す。右手側括弧内の数字は、アラインメント中で観察される同一分子の数を示す。

0057

セイヨウアブラナのEPSPSパラログCおよびDにおいてNHEJを生じるZFN媒介性二本鎖切断を示す。野生型および処理試料中の予測切断部位(上部)に関する多重NHEJ欠失のアラインメントを示す。試料数は、表5に示したものに対応する。

0058

セイヨウアブラナのEPSPSパラログCおよびDにおいてNHEJを生じるZFN媒介性二本鎖切断を示す。野生型および処理試料中の予測切断部位(上部)に関する多重NHEJ欠失のアラインメントを示す。試料数は、表5に示したものに対応する。

0059

セイヨウアブラナのEPSPSパラログAおよびBにおいてNHEJを生じるZFN媒介性二本鎖切断を示す。野生型およびトランスジェニック試料中の予測切断部位(上部)に関する多重NHEJ欠失のアラインメントを示す。試料数は、表6に示したものに対応する。

0060

セイヨウアブラナのEPSPSパラログAおよびBにおいてNHEJを生じるZFN媒介性二本鎖切断を示す。野生型およびトランスジェニック試料中の予測切断部位(上部)に関する多重NHEJ欠失のアラインメントを示す。試料数は、表6に示したものに対応する。

0061

セイヨウアブラナのEPSPSパラログAおよびBにおいてNHEJを生じるZFN媒介性二本鎖切断を示す。野生型およびトランスジェニック試料中の予測切断部位(上部)に関する多重NHEJ欠失のアラインメントを示す。試料数は、表6に示したものに対応する。

0062

(配列番号10)は、セイヨウアブラナEPSPSパラログA配列のヌクレオチド配列を示す。

0063

(配列番号11)は、セイヨウアブラナEPSPSパラログB配列のヌクレオチド配列を示す。

0064

(配列番号12)は、セイヨウアブラナEPSPSパラログC配列のヌクレオチド配列を示す。

0065

(配列番号12)は、セイヨウアブラナEPSPSパラログC配列のヌクレオチド配列を示す。

0066

(配列番号13)は、セイヨウアブラナEPSPSパラログD配列のヌクレオチド配列を示す。

0067

(配列番号13)は、セイヨウアブラナEPSPSパラログD配列のヌクレオチド配列を示す。

0068

(配列番号14)は、セイヨウアブラナEPSPSパラログE配列のヌクレオチド配列を示す。

0069

(配列番号14)は、セイヨウアブラナEPSPSパラログE配列のヌクレオチド配列を示す。

0070

パネルA〜Eは、腎臓293レポーター細胞中の例示的EPSPS ZFN(実施例3も参照)の遺伝子修正活性を示すグラフである。図14Aは、ZFN対10654および10658を用いた遺伝子修正を示す。

0071

パネルA〜Eは、腎臓293レポーター細胞中の例示的EPSPS ZFN(実施例3も参照)の遺伝子修正活性を示すグラフである。図14Bは、ZFN対10654および10658の遺伝子修正活性を示す。

0072

パネルA〜Eは、腎臓293レポーター細胞中の例示的EPSPS ZFN(実施例3も参照)の遺伝子修正活性を示すグラフである。図14Cは、ZFN対9875および10275をの遺伝子修正を示す。

0073

パネルA〜Eは、腎臓293レポーター細胞中の例示的EPSPS ZFN(実施例3も参照)の遺伝子修正活性を示すグラフである。図14Dは、ZFN対10740/10741および10749/10742の遺伝子修正活性を示す。

0074

パネルA〜Eは、腎臓293レポーター細胞中の例示的EPSPS ZFN(実施例3も参照)の遺伝子修正活性を示すグラフである。図14Eは、各棒の下に示されたZFN対に関する遺伝子修正活性を示す。

0075

植物中の遺伝子、特に植物中のパラロガス遺伝子の発現の変調、ならびに標的化切断および変更に有用な組成物および方法が、本明細書中で開示される。パラロガス遺伝子の調節は、例えば、改変ZFP転写因子を用いるかまたは遺伝子調節領域を修飾することにより変調され得る。遺伝子は、例えば標的化切断とその後の染色体内相同組換えにより、あるいは標的化切断とその後の外因性ポリヌクレオチド(遺伝子ヌクレオチド配列との相同性を有する1つまたは複数の領域を含む)とゲノム配列との間の相同組換えにより、変更され得る。植物中のパラロガス遺伝子の非限定例は、EPSPS遺伝子である。

0076

ゲノム配列は、染色体、エピソーム細胞小器官ゲノム(例えばミトコンドリア葉緑体)、人工染色体、および細胞中に存在する任意のその他の型の核酸中に存在するもの、例えば増幅配列二重微小染色体、ならびに内因性または感染性細菌およびウイルスのゲノムを包含する。ゲノム配列は、正常(すなわち、野生型)または突然変異体であり得る;突然変異体配列は、例えば挿入、欠失、転座再編成および/または点突然変異を含み得る。ゲノム配列は、多数の異なる対立遺伝子のうちの1つも含み得る。

0077

本明細書中に開示される組成物は、改変ジンクフィンガー結合ドメイン、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ならびにZFPおよびZFPコードポリヌクレオチドの組合せからなる1つまたは複数のZFPを含む。ジンクフィンガー結合ドメインは、1つまたは複数のジンクフィンガー(例えば2、3、4、5、6、7、8、9またはそれより多くのジンクフィンガー)を含み得るし、任意のEPSPSゲノム配列と結合するよう改変され得る。

0078

本明細書中に記載されるようなZFPは、遺伝子転写の活性化または抑制により、EPSPS遺伝子発現を調節するために用いられ得る。調節ドメインに連結されるジンクフィンガードメインの融合物を含むZFPは、転写を活性化するかまたは抑制するキメラ転写因子を作製するよう構築され得る。ZFPは、ジンクフィンガードメインをヌクレアーゼ切断ドメイン(または切断半ドメイン)と連結して、ジンクフィンガーヌクレアーゼを生じることにより、当該EPSPSゲノム領域の標的化切断のためにも用いられ得る。したがって、遺伝子調節、切断または組換えが所望される当該標的EPSPSゲノム領域を同定することにより、本明細書中に開示される方法に従って、そのゲノム領域中のEPSPS遺伝子配列を認識するよう改変されたジンクフィンガードメインと連結される1つまたは複数の調節ドメインおよび/または切断ドメイン(切断半ドメイン)を含む1つまたは複数の融合タンパク質を含むジンクフィンガータンパク質を構築し得る。細胞中の融合タンパク質(単数または複数)を含むこのようなZFPの存在は、融合タンパク質(単数または複数)とその(それらの)結合部位(単数または複数)との結合、ならびにゲノム領域内または付近での調節または切断の変更を生じる。さらに、EPSPSゲノム領域が切断され、そのEPSPSゲノム領域と相同である外因性ポリヌクレオチドも細胞中に存在する場合、相同組換えは、EPSPSゲノム領域と外因性ポリヌクレオチドとの間で高率で起きる。

0079

植物細胞は1つまたは複数の相同またはパラロガスEPSPS遺伝子配列を含有し、その任意数またはそのすべてが、本明細書中に開示される方法により修飾のための標的にされ得る。したがって、本明細書中に記載される組成物は、植物細胞中の1つまたは複数のEPSPS遺伝子を、例えば植物細胞中に存在する1、2、3、4、5または任意数までのEPSPSパラログまたはすべてのEPSPSパラログを標的にし得る。いくつかのZFPは、植物細胞中の1つの特定EPSPSパラロガス遺伝子と特異的に結合し得る。他のZFPは、植物細胞中の多数のEPSPSパラロガス遺伝子と結合し得る。したがって、1つまたは複数のZFPまたは異なる特異性を有するZFPをコードする発現ベクターは、植物中の当該する所望のEPSPS遺伝子を標的にするよう組合され得る。

0080

概要
本明細書中に開示される方法の実行、ならびに本明細書中に開示される組成物の調製および使用は、別記しない限り、分子生物学生化学クロマチン構造および解析、計算化学細胞培養組換えDNA、ならびに当該技術分野の技術内であるような関連分野を用いる。これらの技法は、文献中で十分に説明されている。例えば、Sambrook et al. MOLECULAR CLONING: A LABORATORYMANUAL, Second edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989 and Third edition, 2001;Ausubel et al.、CURRENTPROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, New York, 1987 and periodic updates;the series METHODS IN ENZYMOLOGY, Academic Press, San Diego;Wolffe, CHROMATIN STRUCTURE AND FUNCTION, Third edition, Academic Press, San Diego, 1998;METHODS IN ENZYMOLOGY, Vol. 304, “Chromatin” (P.M. Wassarman and A. P. Wolffe, eds.), Academic Press, San Diego, 1999;およびMETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, Vol. 119, “Chromatin Protocols” (P. B. Becker, ed.) Humana Press, Totowa, 1999を参照されたい。

0081

定義
「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は互換的に用いられ、線状または環状立体配座での、ならびに一本鎖または二本鎖形態での、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指す。本開示の目的のために、これらの用語はポリマーの長さに関して限定するよう意図されるべきでない。本用語は、天然ヌクレオチドの既知の類似体、ならびに塩基、糖および/またはリン酸部分(例えば、ホスホロチオエート主鎖)で修飾されるヌクレオチドを包含し得る。概して、特定のヌクレオチドの類似体は、同一の塩基対合特異性を有する;すなわち、Aの類似体は、Tと塩基対合する。

0082

「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために互換的に用いられる。本用語は、1つまたは複数のアミノ酸が対応する天然アミノ酸化学的類似物または修飾誘導体であるアミノ酸ポリマーにも当てはまる

0083

「結合」は、高分子物質間(例えば、タンパク質および核酸間)の配列特異的非共有的相互作用を指す。全体としての結合相互作用が配列特異的である限り、相互作用の構成成分すべてが配列特異的である(例えばDNA主鎖中のリン酸残基との接触)必要はない。このような相互作用は、一般的に、10-6M-1またはそれより低い解離定数(Kd)により特徴づけられる。「親和性」は、結合の強度を指す:結合親和性増大は、低Kdと相関する。

0084

結合タンパク質」は、別の分子と非共有的に結合し得るタンパク質である。結合タンパク質は、例えばDNA分子DNA結合タンパク質)、RNA分子RNA結合タンパク質)および/またはタンパク質分子タンパク質結合タンパク質)と結合し得る。タンパク質結合タンパク質の場合、それはそれ自体と結合し(ホモ二量体ホモ三量体等を形成し)得るし、および/またはそれは異なる単数または複数のタンパク質のうちの1つまたは複数の分子と結合し得る。結合タンパク質は、1つより多くの型の結合活性を有し得る。例えば、ジンクフィンガータンパク質は、DNA結合、RNA結合およびタンパク質結合活性を有する。

0085

「ジンクフィンガーDNA結合タンパク質」(または結合ドメイン)は、その構造が亜鉛イオン配位により安定化される結合ドメイン内のアミノ酸配列の領域である1つまたは複数のジンクフィンガーにより配列特異的方式でDNAを結合するタンパク質、または大型タンパク質内のドメインである。ジンクフィンガーDNA結合タンパク質という用語は、しばしば、ジンクフィンガータンパク質またはZFPと短縮して表される。

0086

ジンクフィンガー結合ドメインは、予定ヌクレオチド配列(例えば、EPSPS遺伝子配列)と結合するよう「改変」され得る。ジンクフィンガータンパク質を改変するための方法の非限定例は、設計および選択である。設計されたジンクフィンガータンパク質は、天然には生じないタンパク質であり、その設計/組成は、主に合理的判定基準に起因する。設計のための合理的判定基準としては、現存するZFP設計および結合データの情報を保存するデータベース中の情報を処理するための置換規則およびコンピュータアルゴリズムの適用が挙げられる。例えば米国特許第6,140,081号;第6,453,242号;第6,534,261号;および第6,785,613号を参照されたい;WO 98/53058;WO 98/53059;WO 98/53060;WO 02/016536;およびWO 03/016496;ならびに米国特許第6,746,838号;第6,866,997号;および第7,030,215号も参照されたい。したがって、「改変」ジンクフィンガータンパク質または「非天然」ジンクフィンガータンパク質は、構成成分ジンクフィンガーDNA結合ドメイン(認識らせん)のうちの1つまたは複数が天然ではなく、予備選択標的部位と結合するよう改変されているものである。

0087

「選択された」ジンクフィンガータンパク質は、その産生が主に経験的プロセス、例えばファージ表示、相互作用トラップまたはハイブリッド選択に起因する。例えば米国特許第5,789,538号;米国特許第5,925,523号;米国特許第6,007,988号;米国特許第6,013,453号;米国特許第6,200,759号;米国特許第6,733,970号;米国特許RE39,229号;ならびにWO 95/19431;WO 96/06166;WO 98/53057;WO 98/54311;WO 00/27878;WO 01/60970;WO 01/88197およびWO 02/099084を参照されたい。

0088

「配列」という用語は、DNAまたはRNAであり得る;線状、環状または分枝鎖であり得る、そして一本鎖または二本鎖であり得る任意の長さのヌクレオチド配列を指す。「ドナー配列」という用語は、ゲノム中に挿入されるヌクレオチド配列を指す。ドナー配列は、任意の長さ、例えば2〜25,000ヌクレオチド長(またはその間のまたはそれ以上の任意の整数値)、好ましくは約100〜5,000ヌクレオチド長(またはその間の任意の整数)、さらに好ましくは約200〜2,500ヌクレオチド長を有し得る。

0089

相同配列」は、第二配列とある程度の配列同一性を共有する第一配列を指し、その配列は第二配列のものと同一である。「相同、非同一配列」は、第二配列とある程度の配列同一性を共有する第一配列を指すが、その配列は第二配列のものと同一ではない。例えば、突然変異体遺伝子の野生型配列を含むポリヌクレオチドは、突然変異体遺伝子の配列と相同で且つ非同一である。ある実施形態では、2つの配列間の相同性の程度は、正常細胞機序を利用して、その間の相同組換えを可能にするのに十分である。2つの相同、非同一配列は任意の長さであり、それらの非相同度は単一ヌクレオチドと同じくらい小さい(例えば、標的化相同組換えによるゲノム点突然変異の修正に関して)か、あるいは10キロ塩基またはそれ以上の大きさ(例えば、染色体中の予定部位での遺伝子の挿入に関して)であり得る。相同非同一配列を含む2つのポリヌクレオチドは、同一長である必要はない。例えば、20〜10,000ヌクレオチドまたはヌクレオチド対の外因性ポリヌクレオチド(すなわちドナーポリヌクレオチド)が用いられ得る。

0090

核酸およびアミノ酸配列同一性を確定するための技法は、当該技術分野で既知である。典型的には、このような技法としては、遺伝子に関するmRNAのヌクレオチド配列を確定すること、および/またはそれによりコードされるアミノ酸配列を確定し、これらの配列を第二のヌクレオチドまたはアミノ酸配列と比較することが挙げられる。ゲノム配列も、このようにして確定され、比較され得る。概して、同一性は、それぞれ2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の正確なヌクレオチド−ヌクレオチドまたはアミノ酸−アミノ酸対応を指す。2またはそれより多い配列(ポリヌクレオチドまたはアミノ酸)は、それらの同一性%を確定することにより比較され得る。2つの配列の同一性%は、核酸配列であれ、アミノ酸配列であれ、2つの一列に並んだ配列間の正確な整合数を短い方の配列の長さで割って、100を掛けた値である。核酸配列に関するおよそのアラインメントは、Smith and Waterman, Advances in Applied Mathematics 2: 482-489 (1981)の局所相同性アルゴリズムにより提供される。このアルゴリズムは、Dayhoff, Atlas of Protein Sequences and Structure, M.O. Dayhoff ed., 5 suppl. 3: 353-358, National Biomedical Research Foundation, Washington, D.C., USAにより開発され、Gribskov, Nucl. AcidsRes. 14(6): 6745-6763 (1986)により、正規化されたスコアマトリックスを用いることにより、アミノ酸配列に適用され得る。配列の同一性%を確定するためのこのアルゴリズムの例示的手段は、「BestFit」ユーティリティアプリケーションにおいてGenetics Computer Group (Madison, WI)により提供される。この方法に関するデフォルトパラメーターは、Wisconsin Sequence Analysis Package Program Manual, Version 8 (1995)(Genetics Computer Group, Madison, WIから入手可能)に記載されている。本開示の状況で同一性%を確立する好ましい方法は、エジンバラ大学により著作権所有され、John F. Collins and Shane S. Sturrokにより開発され、IntelliGenetics, Inc. (Mountain View, CA)により配給されるプログラムのMPSRCHパッケージを用いることである。この一続きのパッケージから、デフォルトパラメーターがスコア表に関して用いられる場合(例えば、ギャップ開始ペナルティ12、ギャップ伸長ペナルティ 1、およびギャップ 6)、Smith-Watermanアルゴリズムが用いられ得る。生成されたデータから、「整合」値は配列同一性を反映する。配列間の同一性または類似性の%を算定するためのその他の適切なプログラムは当該技術分野で一般的に知られており、例えば、別のアラインメントプログラムはBLASTであり、デフォルトパラメーターとともに用いられる。例えば、BLASTNおよびBLASTPは、以下のデフォルトパラメーターを用いて使用され得る:遺伝暗号標準フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;期待値=10;マトリックス=BLOSUM62;説明=50配列;並べ替え=高スコア順;データベース=非冗長GenBankEMBLDDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+スイス・タンパク質+Spupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、インターネット上で見出され得る。本明細書中に記載される配列に関して、所望程度の配列同一性の範囲は、約35%〜100%、ならびにその間の任意の整数値である。典型的には、配列間の同一性%は、少なくとも35%〜40%;40%〜45%;45%〜50%;50%〜60%;60%〜70%;70%〜75%、好ましくは80〜82%、さらに好ましくは85〜90%、さらに好ましくは92%、さらに好ましくは95%、最も好ましくは98%の配列同一性である。

0091

代替的には、ポリヌクレオチド間の配列同一性の程度は、相同領域間の安定二重鎖の形成を可能にする条件下でポリヌクレオチドをハイブリダイズ氏、その後、一本鎖特異的ヌクレアーゼ(単数または複数)で消化し、消化断片のサイズを確定することにより、確定され得る。2つの核酸または2つのポリペプチド配列は、上記の方法を用いて確定されるように、限定長の分子全体で配列が少なくとも約70%〜75%、好ましくは80%〜82%、さらに好ましくは85%〜90%、さらに好ましくは92%、さらに好ましくは95%、最も好ましくは98%の配列同一性を示す場合に、互いに実質的に相同である。本明細書中で用いる場合、実質的に相同とは、特定DNAまたはポリペプチド配列との完全同一性を示す配列も指す。実質的に相同であるDNA配列は、その特定の系に関して限定されるように、例えば緊縮条件下で、サザンハイブリダイゼーション実験で同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件を限定することは、当該技術分野の技術の範囲内である(例えば、Sambrook et al.、上記;Nucleic Acid Hybridization: A Practical Approach, editors B.D. Hames and S.J. Higgins, (1985) Oxford;Washington, DC; IRL Press参照)。

0092

2つの核酸断片の選択的ハイブリダイゼーションは、以下のように確定され得る。2つの核酸分子間の配列同一性の程度は、このような分子間のハイブリダイゼーション事象の効率および強度に影響を及ぼす。部分的に同一の核酸配列は、完全同一配列と標的分子とのハイブリダイゼーションを少なくとも部分的に抑制する。完全同一配列のハイブリダイゼーションの抑制は、当該技術分野でよく知られているハイブリダイゼーション検定(例えば、サザン(DNA)ブロットノーザン(RNA)ブロット、溶液ハイブリダイゼーション等。Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, (1989) Cold Spring Harbor, N.Y.参照)を用いて査定され得る。このような検定は、種々の程度の選択性を用いて、例えば低緊縮から高緊縮まで変化する条件を用いて、実行され得る。低緊縮条件が用いられる場合、非特異的結合非存在は、部分的配列同一性さえ欠く第二プローブ(例えば、標的分子と約30%未満の配列同一性を有するプローブ)を用いて査定され得るので、したがって、非特異的結合事象の非存在下では、第二プローブは標的とハイブリダイズしない。

0093

ハイブリダイゼーションベースの検出系を利用する場合、参照核酸配列相補的である核酸プローブが選択され、次に、適切な条件の選択により、プローブおよび参照配列は互いに選択的にハイブリダイズし、または結合して、二重鎖分子を形成する。中等度の緊縮ハイブリダイゼーション条件下で参照配列と選択的にハイブリダイズし得る核酸分子は、典型的には、選択核酸プローブの配列と少なくとも約70%の配列同一性を有する少なくとも約10〜14ヌクレオチド長の標的核酸の検出を可能にする条件下でハイブリダイズする。緊縮ハイブリダイゼーション条件は、典型的には、選択核酸プローブの配列と約90〜95%より高い配列同一性を有する少なくとも約10〜14ヌクレオチド長の標的核酸配列の検出を可能にする。プローブおよび参照配列が特定程度の配列同一性を有するプローブ/参照配列ハイブリダイゼーションに有用なハイブリダイゼーション条件は、当該技術分野で知られているように確定され得る(例えば、Nucleic Acid Hybridization: A Practical Approach, editors B.D. Hames and S.J. Higgins, (1985) Oxford;Washington, DC; IRL Press参照)。

0094

ハイブリダイゼーションのための条件は、当業者によく知られている。ハイブリダイゼーション緊縮度は、ハイブリダイゼーション条件が、不整合ヌクレオチドを含有するハイブリダイズの形成を退ける程度を指す。ハイブリダイゼーションの緊縮度に影響を及ぼす因子は当業者によく知られており、例としては温度、pH、イオン強度および有機溶媒、例えばホルムアミドおよびジメチルスルホキシドの濃度が挙げられるが、これらに限定されない。当業者に知られているように、ハイブリダイゼーション緊縮度は、温度が高いほど、イオン強度が低いほど、そして溶媒濃度が低いほど増大される。

0095

ハイブリダイゼーションのための緊縮条件に関して、例えば以下の因子:配列の長さおよび性質、種々の配列の塩基組成、塩およびその他のハイブリダイゼーション溶液構成成分の濃度、ハイブリダイゼーション溶液中の遮断剤(例えば、硫酸デキストリンおよびポリエチレングリコール)の存在または非存在、ハイブリダイゼーション反応温度および時間パラメーター、ならびに種々の洗浄条件を変えることにより、特定緊縮度を確立するための多数の等価の条件が用いられ得る、ということが当該技術分野でよく知られている。特定組のハイブリダイゼーション条件の選択は、当該技術分野における標準方法に従って選択される(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, (1989) Cold Spring Harbor, N.Y.参照)。

0096

「組換え」は、2つのポリヌクレオチド間の遺伝情報交換プロセスを指す。この開示の目的のために、「相同組換え(HR)」は、例えば細胞における二本鎖切断の修復中に起きるこのような交換の特殊形態を指す。このプロセスは、ドナーから標的への遺伝情報の移動をもたらすため、ヌクレオチド配列相同性を必要とし、「標的」分子(すなわち、二本鎖切断を経たもの)の鋳型修復のための「ドナー」分子を用い、そして「非交差遺伝子変換」または「短い領域の遺伝子変換」として様々に知られている。任意の特定の理論に縛られることなく考えると、このような移動は、切断標的とドナーとの間に生じるヘテロ二重鎖DNAの不整合修正、および/または標的および/または関連プロセスの一部になる遺伝情報を再合成するためにドナーが用いられる「合成依存性アニーリング」を包含し得る。このような特殊HRは、しばしば、ドナーポリヌクレオチドの配列の一部または全部が標的ポリヌクレオチド中に組入れられるよう、標的分子の配列の変更を生じる。

0097

「切断」は、DNA分子の共有的主鎖の破損を指す。切断は、種々の方法、例えばホスホジエステル結合酵素的または化学的加水分解(これらに限定されない)により開始され得る。一本鎖切断および二本鎖切断がともに可能であり、二本鎖切断は2つの異なる一本鎖切断事象の結果として生じ得る。DNA切断は、平滑末端または付着末端の生成を生じ得る。ある実施形態では、融合ポリペプチドは標的化二本鎖DNA切断のために用いられる。

0098

「切断ドメイン」は、DNA切断のための触媒的活性を保有する1つまたは複数のポリペプチド配列を含む。切断ドメインは、単一ポリペプチド鎖中に含入され得るし、あるいは切断活性は2つ(またはそれより多く)のポリペプチドの会合に起因し得る。

0099

「切断半ドメイン」は、第二ポリペプチド(同一のまたは異なる)と協力して、切断活性(好ましくは二本鎖切断活性)を有する複合体を形成するポリペプチド配列である。

0100

クロマチン」は、細胞ゲノムを含む核タンパク質構造である。細胞クロマチンは、核酸、主にDNA、およびタンパク質、例えばヒストンおよび非ヒストン染色体タンパク質を含む。真核生物細胞クロマチンの大部分はヌクレオソームの形態で存在し、この場合、ヌクレオソームコアは、ヒストンH2A、H2B、H3およびH4のうちの各々2つを含む八量体と会合される約150塩基対のDNAを含み;リンカーDNA(生物体によって可変性の長さを有する)はヌクレオソームコア間伸びる。ヒストンH1の分子は、一般的に、リンカーDNAと会合される。本開示の目的のために、「クロマチン」という用語は、原核生物および真核生物の両方のすべての型の細胞核タンパク質を包含するよう意図される。細胞クロマチンは、染色体およびエピソームクロマチンの両方を包含する。

0101

「染色体」は、細胞のゲノムの全部または一部を含むクロマチン複合体である。細胞のゲノムは、しばしば、細胞のゲノムを含む染色体すべての収集物であるその核型により特徴づけられる。細胞のゲノムは、1つまたは複数の染色体を含み得る。

0102

「エピソーム」は、複製核酸、核タンパク質複合体、または細胞の染色体核型の一部でない核酸を含む他の構造物である。エピソームの例としては、プラスミドおよびある種のウイルスゲノムが挙げられる。

0103

アクセス可能領域」は、核酸中に存在する標的部位が標的部位を認識する外因性分子により結合され得る細胞クロマチン中の部位である。任意の特定の理論に縛られずに考えると、アクセス可能領域は、ヌクレオソーム構造中に包まれないものである。アクセス可能領域の異なる構造はしばしば、化学的および酵素的プローブ、例えばヌクレアーゼに対するその感受性により検出され得る。

0104

「標的部位」または「標的配列」は、結合分子が結合する核酸の一部を限定する核酸配列であるが、但し、結合のために十分な条件が存在する。例えば、配列5’−GAATTC−3’は、EcoRI制限エンドヌクレアーゼのための標的部位である。

0105

「外因性」分子は、細胞中に通常は存在しないが、しかし1つまたは複数の遺伝的、生化学的またはその他の方法により細胞中に導入され得る分子である。「細胞中の通常の存在」は、細胞の特定の発生段階および環境条件に関して確定される。したがって、例えば筋肉胚発生中にのみ存在する分子は、成体筋肉細胞に関しては外因性分子である。同様に、熱ショックにより誘導される分子は、非熱ショック細胞に関しては外因性分子である。外因性分子は、例えば機能性バージョン機能不全内因性分子または機能不全バージョンの正常機能内因性分子を含み得る。

0106

内因性分子は、特に、小分子(例えば、組合せ化学工程により生成される)、あるいは高分子、例えばタンパク質、核酸、炭水化物、脂質、糖タンパク質リポタンパク質多糖、上記の分子の任意の修飾誘導体、または上記分子のうちの1つまたは複数を含む任意の複合体であり得る。核酸はDNAおよびRNAを包含し、一本鎖または二本鎖であり得るし;線状、分枝鎖または環状であり得るし;任意の長さを有し得る。核酸は、二重鎖を形成し得るもの、ならびに三重鎖形成核酸を包含する。例えば米国特許第5,176,996号および第5,422,251号を参照されたい。タンパク質としては、DNA結合タンパク質、転写因子、クロマチン再構築因子メチル化DNA結合タンパク質、ポリメラーゼメチラーゼデメチラーゼアセチラーゼデアセチラーゼキナーゼホスファターゼインテグラーゼリコンビナーゼリガーゼトポイソメラーゼギラーゼおよびヘリカーゼが挙げられるが、これらに限定されない。

0107

外因性分子は、内因性分子、例えば外因性タンパク質または核酸と同型の分子であり得る。例えば外因性核酸は、感染性ウイルスゲノム、アグロバクテリウム・ツメファシエンスT鎖、細胞中に導入されるプラスミドまたはエピソーム、細胞中に通常は存在しない染色体を含み得る。細胞中への外因性分子の導入のための方法は当業者に知られており、例としては、脂質媒介性運搬(すなわち、リポソーム、例えば中性および陽イオン性脂質)、電気穿孔直接注入細胞融合粒子衝突リン酸カルシウム共沈DEAEデキストラン媒介性運搬およびウイルスベクター媒介性運搬が挙げられるが、これらに限定されない。外因性分子は、非植物分子、例えば哺乳類(例えば、ヒトまたはヒト化)抗体であり得る。

0108

それに比して、「内因性」分子は、特定環境条件下の特定発生段階で特定細胞中に普通に存在するものである。例えば、内因性核酸は、染色体、ミトコンドリア、葉緑体またはその他の細胞小器官のゲノム、あるいは天然エピソーム核酸を含み得る。付加的内因性分子としては、タンパク質、例えば転写因子および酵素が挙げられる。

0109

「融合」分子は、2つまたはそれより多くの分子が、好ましくは共有的に連結される分子である。サブユニット分子は、同一化学型の分子であるか、または異なる化学型の分子であり得る。第一の型の融合分子の例としては、融合タンパク質(例えばZFPDNA結合ドメインと切断ドメインとの間の融合を含むZFN)および融合核酸(例えば、上記の融合タンパク質をコードする核酸)が挙げられるが、これらに限定されない。第二の型の融合分子の例としては、三重鎖形成核酸とポリペプチドとの間の融合物、ならびに副溝結合物質および核酸間の融合物が挙げられるが、これらに限定されない。

0110

細胞中の融合タンパク質の発現は、細胞への融合タンパク質の送達から、または細胞への融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの送達により生じ得るが、この場合、ポリヌクレオチドは転写され、転写物は翻訳されて、融合タンパク質を生成する。トランススプライシング、ポリペプチド切断およびポリペプチド結紮も、細胞中のタンパク質の発現に関与し得る。細胞へのポリヌクレオチドおよびポリペプチド送達のための方法は、本開示の別の箇所に示されている。

0111

本開示の目的のための「遺伝子」としては、遺伝子産物をコードするDNA領域(下記参照)、ならびに遺伝子産物の産生を調節するすべてのDNA領域(このような調節配列がコードおよび/または転写配列に隣接するか否かにかかわらず)が挙げられる。したがって、遺伝子としては、プロモーター配列ターミネーター翻訳調節配列、例えばリボソーム結合部位および内部リボソーム進入部位エンハンサーサイレンサーインスレーター境界素子複製開始点、マトリックス結合部位および遺伝子座制御領域が挙げられるが、これらに限定されない。

0112

「遺伝子発現」は、遺伝子中に含入される情報の遺伝子産物中への変換を指す。遺伝子産物は、遺伝子の直接転写産物(例えば、mRNA、tRNArRNAアンチセンスRNAリボザイム、shRNA、ミクロRNA、構造RNAまたは任意のその他の型のRNA)、あるいはmRNAの翻訳により産生されるタンパク質であり得る。遺伝子産物としては、キャッピングポリアデニル化、メチル化および編集のようなプロセスにより修飾されるRNA、ならびに例えばメチル化、アセチル化リン酸化ユビキチン化ADPリボシル化ミリスチル化およびグリコシル化により修飾されるタンパク質も挙げられる。

0113

遺伝子発現の「変調」は、遺伝子の活性における変化を指す。発現の変調としては、遺伝子活性化および遺伝子抑制が挙げられるが、これらに限定されない。

0114

「植物」細胞としては、単子葉(単子葉類)または双子葉(双子葉類)植物の細胞が挙げられるが、これらに限定されない。単子葉類の非限定例としては、穀類植物、例えばトウモロコシ、コメ、オオムギオートムギコムギモロコシライムギサトウキビパイナップルタマネギバナナおよびココナツが挙げられる。双子葉類の非限定例としては、タバコトマトヒマワリワタテンサイジャガイモレタスメロンダイズアブラナナタネ)およびアルファルファが挙げられる。植物細胞は、植物の任意の部分から、および/または植物発生の任意の段階からであり得る。

0115

「当該領域」は、細胞クロマチンの任意の領域、例えば外因性分子を結合することが望ましい遺伝子、あるいは遺伝子内のまたは遺伝子に隣接する非コード配列である(例えば、当該EPSPSゲノム領域は、EPSPS遺伝子内のまたはそれに隣接する領域を包含する)。結合は、標的化DNA切断および/または標的化組換えの目的のためであり得る。当該領域は、染色体、エピソーム、細胞小器官ゲノム(例えばミトコンドリア、葉緑体)または感染性ウイルスゲノム中に存在し得る。当該領域は、遺伝子のコード領域、転写非コード領域、例えばリーダー配列、トレーラー配列またはイントロン内、あるいはコード領域の上流または下流の非転写領域内であり得る。当該領域は、単一ヌクレオチド対と同じくらい小さいか、または25,000ヌクレオチド対長まで、あるいは任意の整数値のヌクレオチド対であり得る。

0116

「操作性連結」および「操作的に連結される」(または「操作可能的に連結される」)という用語は、2つまたはそれより多くの構成成分(例えば配列素子)の並置に関して互換的に用いられ、この場合、構成成分は、両方の構成成分が正常に機能し、そして構成成分のうちの少なくとも1つが他の構成成分のうちの少なくとも1つで発揮される機能を媒介し得る実現性を可能にするよう、整列される。例証として、転写調節配列、例えばプロモーターは、転写調節配列が1つまたは複数の転写調節因子の存在または非存在に応答して、コード配列の転写のレベルを制御する場合、コード配列と操作的に連結される。転写調節配列は、一般的に、コード配列とシスで操作的に連結されるが、しかしそれと直接隣接する必要はない。例えば、エンハンサーは、それらが連続していなくても、コード配列と操作的に連結される転写調節配列である。

0117

融合ポリペプチドに関して、「操作的に連結される」という用語は、構成成分の各々が、他の構成成分との連結に際して、それがそのように連結されていない場合と同一の機能を実施する、という事実を指す。例えば、ZFPDNA結合ドメインが切断ドメインと融合される融合ポリペプチドに関して、ZFP DNA結合ドメインおよび切断ドメインは、融合ポリペプチドにおいて、ZFP DNA結合ドメイン部分がその標的部位および/またはその結合部位を結合し得るが、一方、切断ドメインが標的部位の近くでDNAを切断し得る場合、操作性連結状態である。

0118

タンパク質、ポリペプチドまたは核酸の「機能的断片」は、その配列が全長タンパク質、ポリペプチドまたは核酸と同一でないが、依然として全長タンパク質、ポリペプチドまたは核酸と同一の機能を保持するタンパク質、ポリペプチドまたは核酸である。機能的断片は、対応するネイティブ分子より多いか、少ないかまたは同一の数の残基を保有し得るし、および/または1つまたは複数のアミノ酸またはヌクレオチド置換を含有し得る。核酸の機能(例えば、コード機能、別の核酸とハイブリダイズする能力)を確定するための方法は、当該技術分野でよく知られている。同様に、タンパク質機能を確定するための方法はよく知られている。例えば、ポリペプチドのDNA結合機能は、例えばフィルター結合、電気泳動移動度シフトまたは免疫沈降検定により確定され得る。DNA切断は、ゲル電気泳動により検定され得る(上記のAusubel et al.参照)。別のタンパク質と相互作用するタンパク質の能力は、例えば共免疫沈降、2−ハイブリッド検定または相補性(遺伝的および生化学的の両方)により確定され得る。例えば、Fieldset al. (1989) Nature 340: 245-246;米国特許第5,585,245号およびPCT WO 98/44350を参照されたい。

0119

標的部位
開示される方法および組成物は、調節ドメインまたは切断ドメイン(または切断半ドメイン)およびジンクフィンガードメインを含む融合タンパク質を含むZFPを包含し、この場合、ジンクフィンガードメインは、細胞クロマチン中の配列(例えば、EPSPS遺伝子標的部位または結合部位)と結合することにより、調節ドメインまたは切断ドメイン(または切断半ドメイン)の活性を配列の付近に向けて、それゆえ、標的配列の近くで転写を変調するかまたは切断を誘導する。この開示の他の箇所に記述されているように、ジンクフィンガードメインは、事実上任意の所望の配列と結合するよう改変され得る。したがって、遺伝子調節、切断または組換えが所望される配列を含有する当該領域を同定後、1つまたは複数のジンクフィンガー結合ドメインは、改変されて、当該領域中の1つまたは複数の配列と結合し得る。

0120

ジンクフィンガードメインによる結合のための細胞クロマチン中の当該EPSPSゲノム領域(例えば標的部位)の選択は、例えば共有米国特許第6,453,242号(2002年9月17日)(これは、選択配列と結合するようZFPを設計するための方法も開示する)に開示された方法に従って成し遂げられ得る。標的部位の選択のためにヌクレオチド配列の簡易視覚検査も用いられ得るということは、当業者に明らかである。したがって、標的部位選択の任意の手段が、特許請求される方法に用いられ得る。

0121

標的部位は、一般的に、複数の隣接標的サブサイトで構成される。標的サブサイトは、個々のジンクフィンガーにより結合される配列(通常は、隣接四つ組と1つのヌクレオチドにより重複し得るヌクレオチド三つ組またはヌクレオチド四つ組)を指す(例えばWO 02/077227参照)。ジンクフィンガータンパク質が最も多く接触する鎖が標的鎖「第一認識鎖」または「第一接触鎖」と呼ばれる場合、いくつかのジンクフィンガータンパク質は標的鎖中の3塩基三つ組ならびに非標的鎖上の第四の塩基と結合する。標的部位は、一般的に、少なくとも9ヌクレオチドの長さを有し、したがって、少なくとも3つのジンクフィンガーを含むジンクフィンガー結合ドメインにより結合される。しかしながら、例えば、4-フィンガー結合ドメインの12−ヌクレオチド標的部位との、5−フィンガー結合ドメインの15−ヌクレオチド標的部位との、または6−フィンガー結合ドメインの18−ヌクレオチド標的部位との結合も可能である。明らかになるように、より大きい結合ドメイン(例えば、7−、8−、9−フィンガーおよびそれ以上)のより長い標的部位との結合も可能である。

0122

標的部位が3つのヌクレオチドの倍数である必要はない。例えば、交差鎖相互作用が起きる場合(例えば米国特許第6,453,242号およびWO 02/077227参照)、多フィンガー結合ドメインの個々のジンクフィンガーのうちの1つまたは複数が重複四つ組みサブサイトと結合し得る。その結果、3−フィンガータンパク質は10−ヌクレオチド配列を結合し得るが、この場合、第10ヌクレオチドは末端フィンガーにより結合される四つ組の一部であり、4-フィンガータンパク質は13−ヌクレオチド配列と結合し得るが、この場合、第13ヌクレオチドは末端フィンガーにより結合される四つ組の一部である、ということである。

0123

多フィンガー結合ドメイン中の個々のジンクフィンガー間のアミノ酸リンカー配列の長さおよび性質も、標的配列との結合に影響を及ぼす。例えば、多フィンガー結合ドメイン中の隣接ジンクフィンガー間のいわゆる「非正準リンカー」、「ロングリンカー」または「構造化リンカー」の存在は、それらのフィンガーに、直接隣接しないサブサイトを結合させ得る。このようなリンカーの非限定例は、例えば米国特許第6,479,626号およびWO 01/53480に記載されている。したがって、ジンクフィンガー結合ドメインに関する標的部位中の1つまたは複数のサブサイトは、1、2、3、4、5またはそれより多くのヌクレオチドにより互いから分離され得る。一例を挙げると、4-フィンガー結合ドメインは、配列中に、2連続3−ヌクレオチドサブサイト、1つの介在ヌクレオチドおよび2連続三つ組サブサイトを含む13−ヌクレオチド標的部位と結合し得る。異なる数のヌクレオチドにより分離される標的部位と結合するよう人工ヌクレアーゼを連結するための組成物および方法に関しては、米国特許出願61/130,099号も参照されたい。配列(例えば、標的部位)間の距離は、互いに最も近い配列の縁から測定した場合の、2つの配列間に介在するヌクレオチドまたはヌクレオチド対の数を指す。

0124

ある実施形態では、転写因子機能を有するZFPが意図される。転写因子機能に関しては、簡単な結合とプロモーターに十分に近いということが、一般的に必要とされることのすべてである。プロモーター、配向、ならびにその範囲内での距離に関しての正確な位置決めは、重大事というわけではない。この特徴は、人工転写因子を構築するための標的部位を選択するに際してかなりの柔軟性を可能にする。したがって、ZFPにより認識される標的部位は、任意に調節ドメインに連結されるZFPによる遺伝子発現の活性化または抑制を可能にする標的遺伝子中の任意の適切な部位であり得る。好ましい標的部位としては、転写開始部位に隣接する領域、転写開始部位の下流の領域または上流の領域が挙げられる。さらに、エンハンサー領域に位置する標的部位、レプレッサー部位、RNAポリメラーゼ休止部位、ならびに特異的調節部位(例えば、SP−1部位、低酸素状態応答素子核内受容体認識素子、p53結合部位)、cDNAコード領域におけるまたは発現配列タグ(EST)コード領域における部位。

0125

他の実施形態では、細胞中での、ヌクレアーゼ活性を有するZFPが意図される。ジンクフィンガー結合ドメインおよび切断ドメインを含む融合タンパク質を含む(またはおのおのがジンクフィンガー結合ドメインおよび切断半ドメインを含む2つの融合タンパク質の)ZFNの発現は、標的配列に近接して切断を実行する。ある実施形態では、切断は、2つのジンクフィンガードメイン/切断半ドメイン融合分子の、別個の標的部位との結合に依っている。2つの標的部位は、反対DNA鎖上にあるか、代替的には、両方の標的部位が同一DNA鎖上に存在し得る。

0126

ジンクフィンガー結合ドメイン
ジンクフィンガー結合ドメインは、1つまたは複数のジンクフィンガーを含む(Miller et al. (1985)EMBO J. 4: 1609-1614;Rhodes (1993) Scientific American Feb.:56-65;米国特許第6,453,242号)。典型的には、単一ジンクフィンガードメインは、約30アミノ酸長である。各ジンクフィンガードメイン(モチーフ)は、2つのβシート(2つの不変システイン残基を含有するβターン中に保持される)およびαらせん(2つの不変ヒスチジン残基を含有する)を含有し、これらは、2つのシステインおよび2つのヒスチジンにより亜鉛原子の配位により特定立体配座で保持される、ということを、構造試験は実証した。

0127

ジンクフィンガーは、正準C2H2ジンクフィンガー(すなわち、亜鉛イオンが2つのシステインおよび2つのヒスチジン残基により配位結合されるもの)ならびに非正準ジンクフィンガー、例えばC3Hジンクフィンガー(亜鉛イオンが3つのシステイン残基および1つのヒスチジン残基により配位結合されるもの)およびC4ジンクフィンガー(亜鉛イオンが4つのシステイン残基により配位結合されるもの)の両方を包含する。WO 02/057293も参照されたい。

0128

ジンクフィンガー結合ドメインは、えり抜きの配列と結合するよう改変され得る。例えば、Beerli et al. (2002) Nature Biotechnol. 20: 135-141;Pabo et al. (2001) Ann. Rev. Biochem. 70: 313-340;Isalan et al. (2001) Nature Biotechnol. 19: 656-660;Segal et al. (2001) Curr. Opin. Biotechnol. 12: 632-637;Choo et al. (2002) Curr. Opin. Struct. Biol. 10: 411-416を参照されたい。改変ジンクフィンガー結合ドメインは、天然ジンクフィンガータンパク質と比較して、新規の結合特異性を有し得る。改変方法としては、合理的設計および種々の型の選択が挙げられるが、これらに限定されない。合理的設計としては、例えば三つ組(または四つ組)ヌクレオチド配列および個々のジンクフィンガーアミノ酸配列を含むデータベースの使用(この場合、各三つ組または四つ組ヌクレオチド配列は、特定の三つ組または四つ組配列を結合するジンクフィンガーの1つまたは複数のアミノ酸配列と会合される)が挙げられる。例えば共有米国特許第6,453,242号および第6,534,261号参照。付加的設計方法は、例えば米国特許第6,746,838号;第6,785,613号;第6,866,997号および第7,030,215号に開示されている。

0129

例示的選択方法、例えばファージ表示および2−ハイブリッド系は、米国特許第5,789,538号;第5,925,523号;第6,007,988号;第6,013,453号;第6,410,248号;第6,140,466号;第6,200,759号;および第6,242,568号;ならびにWO 98/37186;WO 98/53057;WO 00/27878;WO 01/88197およびGB 2,338,237に開示されている。

0130

ジンクフィンガー結合ドメインに関する結合特異性の増強は、例えば共有米国特許第6,794,136号に記載されている。

0131

個々のジンクフィンガーは3−ヌクレオチド(すなわち三つ組)配列(または一ヌクレオチドにより、隣接ジンクフィンガーの4−ヌクレオチド結合部位と重複し得る4−ヌクレオチド配列)と結合するため、ジンクフィンガー結合ドメインが改変されて結合する配列(例えば、標的配列)の長さは、改変ジンクフィンガー結合ドメイン中のジンクフィンガーの数を確定する。例えば、フィンガーモチーフが重複サブサイトと結合しないZFPに関して、6−ヌクレオチド標的配列は、2−フィンガー結合ドメインにより結合される;9−ヌクレオチド標的配列は、3−フィンガー結合ドメインにより結合される等である。本明細書中で特に言及されるように、標的部位における個々のジンクフィンガーに関する結合部位(すなわち、サブサイト)は連続している必要はないが、しかし、多フィンガー結合ドメイン中のジンクフィンガー間のアミノ酸配列(すなわち、フィンガー間リンカー)の長さおよび性質によって、1つまたはいくつかのヌクレオチドにより分離され得る。

0132

多フィンガージンクフィンガー結合ドメインでは、隣接ジンクフィンガーは約5アミノ酸のアミノ酸リンカー配列(いわゆる「正準」フィンガー間リンカー)により、代替的には、1つまたは複数の非正準リンカーにより、分離され得る(例えば米国特許第6,453,242号および第6,534,261号参照)。3つより多くのフィンガーを含む改変ジンクフィンガー結合ドメインに関して、ジンクフィンガーのうちのいくつかの間のより長い(「非正準」)フィンガー間リンカーの挿入は、それが結合ドメインによる結合の親和性および/または特異性を増大し得る場合、選択され得る(例えば米国特許第6,479,626号およびWO 01/53480参照)。したがって、多フィンガージンクフィンガー結合ドメインは、非正準フィンガー間リンカーの存在および位置に関しても特徴づけられ得る。例えば、3つのフィンガー(2つの正準フィンガー間リンカーにより連結される)、長いリンカーおよび3つの付加的フィンガー(2つの正準フィンガー間リンカーにより連結される)を含む6−フィンガージンクフィンガー結合ドメインは、2×3立体配置で示される。同様に、2つのフィンガー(その間に正準リンカーを有する)、長いリンカーおよび2つの付加的フィンガー(正準リンカーにより連結される)を含む結合ドメインは、2×2立体配置で示される。3つの2−フィンガー単位(その各々において、2つのフィンガーは正準リンカーにより連結される)を含むタンパク質(この場合、各2−フィンガー単位は長いリンカーにより隣接する2つのフィンガーに連結される)は、3×2タンパク質として言及される。

0133

多フィンガー結合ドメイン中の2つの隣接ジンクフィンガー間の長いまたは非正準リンカー−フィンガーリンカーは、しばしば、2つのフィンガーを、標的配列中では密着して連続しないサブサイトと結合させる。したがって、標的部位中のサブサイト間に1つまたは複数のヌクレオチドのギャップが存在し得る;すなわち、標的部位は、ジンクフィンガーにより接触されない1つまたは複数のヌクレオチドを含有し得る。例えば2×2ジンクフィンガー結合ドメインは、1つのヌクレオチドにより分離される2つの6−ヌクレオチド配列と結合し得る;すなわち、それは13−ヌクレオチド標的部位と結合する。Moore et al. (2001a) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 1432-1436;Moore et al. (2001b) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98: 1437-1441およびWO 01/53480も参照されたい。

0134

前記のように、標的サブサイトは、単一ジンクフィンガーにより結合される3−または4-ヌクレオチド配列である。ある目的のために、2−フィンガー単位は結合モジュールで示される。結合モジュールは、例えば特定の6−ヌクレオチド標的配列を結合する多フィンガータンパク質(一般的には3つのフィンガー)の状況で2つの隣接フィンガーに関して選択することにより得られる。代替的には、モジュールは、個々のジンクフィンガーの集合により構築され得る(WO 98/53057およびWO 01/53480も参照)。

0135

ジンクフィンガー結合ドメインは、1つまたは複数の相同(例えば、オルソロガスまたはパラロガス)EPSPS標的ゲノム配列を結合するよう意図される。例えば、ジンクフィンガー結合ドメインは、1つの独自のEPSPS標的配列と特異的に結合するよう意図され得る。代替的には、ジンクフィンガー結合ドメインは、多数のオルソロガスまたはパラロガスEPSPSゲノム配列を結合するよう意図され得る。

0136

一実施形態では、表Aに示されるようなアミノ酸配列を含むジンクフィンガー結合ドメインが本明細書中で記載される。別の実施形態では、本開示は、ジンクフィンガー結合ドメインをコードするポリヌクレオチドを提供し、この場合、ジンクフィンガー結合ドメインは表Aに示されるようなアミノ酸配列を含む。

0137

調節ドメイン
本明細書中に記載されるZFPは、任意に、遺伝子発現の変調のために調節ドメインと会合され得る。ZFPは、1つまたは複数の調節ドメイン、代替的には2つまたはそれより多くの調節ドメインと、共有的にまたは非共有的に会合され得るし、2つまたはそれより多くのドメインは、同一ドメインの2つのコピー、または2つの異なるドメインである。調節ドメインは、ZFPと共有的に、例えば、融合タンパク質の一部としてアミノ酸リンカーを介して、連結され得る。ZFPは、非共有的二量体化ドメイン、例えばロイシンジッパー、STATタンパク質N末端ドメインまたはFK506結合タンパク質を介しても、調節ドメインと会合され得る(例えば、O’Shea, Science 254: 539 (1991), Barahmand-Pour et al, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 211: 121-128 (1996);Klemm et al., Annu. Rev. Immunol. 16: 569-592 (1998);Klemm et al., Annu. Rev. Immunol. 16: 569-592 (1998);Ho et al., Nature 382: 822-826 (1996);およびPomeranz et al., Biochem. 37: 965 (1998)参照)。調節ドメインは、任意の適切な位置で、例えばZFPのC−またはN−末端で、ZFPと会合され得る。

0138

ZFPへの付加のための一般的調節ドメインとしては、例えば転写因子(活性化因子制御因子活性化補助因子、制御補助因子)、サイレンサー、核ホルモン受容体癌遺伝子転写因子(例えばmyc、jun、fos、myb、max、mad、rel、ets、bcl、myb、mosファミリー成員等);DNA修復酵素ならびにそれらの会合因子および修飾因子;DNA再編成酵素ならびにそれらの会合因子および修飾因子;クロマチン会合タンパク質およびそれらの修飾因子(例えばキナーゼ、アセチラーゼおよびデアセチラーゼ);そしてDNA修飾酵素(例えばメチルトランスフェラーゼ、トポイソメラーゼ、ヘリカーゼ、リガーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、ポリメラーゼ、エンドヌクレアーゼ)ならびにそれらの会合因子および修飾因子からのエフェクタードメインが挙げられる。

0139

調節ドメインを得ることが出来る転写因子ポリペプチドとしては、調節および基本転写に関与するものが挙げられる。このようなポリペプチドとしては、転写因子、それらのエフェクタードメイン、活性化補助因子、サイレンサー、核ホルモン受容体が挙げられる(例えば、転写に関与するタンパク質および核酸素子の検討に関しては、Goodrich et al., Cell 84: 825-30 (1996)を参照;転写因子は、概して、Barnes & Adcock, Clin. Exp. Allergy 25 Suppl. 2: 46-9 (1995)およびRoeder, MethodsEnzymol. 273: 165-71 (1996)で検討されている)。転写因子専用のデータベースが知られている(例えばScience 269: 630 (1995)参照)。核ホルモン受容体転写因子は、例えばRosen et al., J Med. Chem. 38: 4855-74 (1995)に記載されている。転写因子のC/EBPファミリーは、Wedel et al., Immunobiology 193: 171-85 (1995)で検討されている。核ホルモン受容体により転写調節を媒介する活性化補助因子および制御補助因子は、例えばMeier, Eur. J Endocrinol. 134(2): 158-9 (1996);Kaiser et al., Trends Biochem. Sci. 21: 342-5 (1996);およびUtley et al., Nature 394:498-502 (1998)で検討されている。造血の調節に関与するGATA転写因子は、例えばSimon, Nat. Genet. 11: 9-11 (1995);Weiss et al., Exp. Hematol. 23: 99-107に記載されている。TATAボックス結合タンパク質(TBP)およびその会合TAPポリペプチド(TAF30、TAF55、TAF80、TAF10、TAFI50およびTAF250を包含する)は、Goodrich & Tjian, Curr. Opin. Cell Biol. 6: 403-9 (1994)およびHurley, Curr. Opin. Struct. Biol. 6: 69-75 (1996)に記載されている。転写因子のSTATファミリーは、例えばBarahmand-Pour et al., Curr. Top. Microbiol. Immunol. 211: 121-8 (1996)で検討されている。疾患に関与する転写因子は、Aso et al., J Clin. Invest. 97: 1561-9 (1996)で検討されている。

0140

一実施形態では、ヒトKOX−1タンパク質からのKRAB抑制ドメインは、転写レプレッサーとして用いられる(Thiesen et al., New Biologist 2: 363-374 (1990);Margolin et al., PNAS 91: 4509-4513 (1994);Pengue et al., Nucl. AcidsRes.22: 2908-2914 (1994);Witzgall et al., PNAS 91: 4514-4518 (1994))。別の実施形態では、KAP−1(KRAB制御補助因子)は、KRABとともに用いられる(Friedman et al., Genes Dev. 10: 2067-2078 (1996))、代替的には、KAP−1はZFPとだけで、用いられ得る。転写レプレッサーとして作用する他の好ましい転写因子および転写因子ドメインとしては、MAD(例えばSommer et al., J. Biol. Chem. 273: 6632-6642 (1998);Gupta et al., Oncogene 16: 1149-1159 (1998);Queva et al., Oncogene 16: 967-977 (1998);Larsson et al., Oncogene 15: 737-748 (1997);Laherty et al., Cell 89: 349-356 (1997);およびCultraro et al., Mol Cell. Biol.17: 2353-2359 (19977)参照);FKHR(横紋筋肉腫遺伝子におけるフォークヘッド;Ginsberg et al., Cancer Res. 15: 3542-3546 (1998);Epstein et al., Mol. Cell. Biol. 18: 4118-4130 (1998));EGR−1(初期増殖応答遺伝子産物−1;Yan et al., PNAS 95: 8298-8303 (1998);およびLiu et al., Cancer Gene Ther. 5: 3-28 (1998));ets2レプレッサー因子レプレッサードメイン(ERD;Sgouras et al.,EMBO J 14: 4781-4793 (19095));ならびにMADsmSIN3相互作用ドメイン(SID;Ayer et al., Mol. Cell. Biol. 16: 5772-5781 (1996))が挙げられる。

0141

一実施形態では、HSVVP16活性化ドメインは、転写活性因子として用いられる(例えばHagmann et al., J. Virol. 71: 5952-5962 (1997)参照)。活性化ドメインを供給し得る他の好ましい転写因子としては、VP64活性化ドメイン(Seipelet al.,EMBO J. 11: 4961-4968 (1996));核ホルモン受容体(例えばTorchia et al., Curr. Opin. Cell. Biol. 10: 373-383 (1998)参照);核因子κBのp65サブユニット(Bitko & Barik, J. Virol. 72: 5610-5618 (1998)およびDoyle & Hunt, Neuroreport 8: 2937-2942 (1997));ならびにEGR−1(初期増殖応答遺伝子産物−1;Yan et al., PNAS 95: 8298-8303 (1998);およびLiu et al., Cancer Gene Ther. 5: 3-28 (1998))が挙げられる。

0142

キナーゼ、ホスファターゼおよび遺伝子調節に関与するポリペプチドを修飾するその他のタンパク質も、ZFPに関する調節ドメインとして有用である。このような修飾因子は、しばしば、例えばホルモンにより媒介される転写のスイッチオンまたはオフに関与する。転写調節に関与するキナーゼは、Davis, Mol. Reprod. Dev. 42: 459-67 (1995)、Jackson et al., Adv. Second Messenger Phosphoprotein Res. 28: 279-86 (1993)およびBoulikas, Crit. Rev. Eukaryot. Gene Expr. 5: 1-77 (1995)で検討されているが、一方、ホスファターゼは、例えばSchonthal & Semin, Cancer Biol. 6: 239-48 (1995)で検討されている。核チロシンキナーゼは、Wang, TrendsBiochem. Sci. 19: 373-6 (1994)に記載されている。

0143

記載されたように、有用なドメインは、癌遺伝子(例えばmyc、jun、fos、myb、max、mad、rel、ets、bcl、myb、mosファミリー成員)の遺伝子産物ならびにそれらの会合因子および修飾因子からも得られる。癌遺伝子は、例えばCooper, Oncogenes, 2nd ed., The Jones and Bartlett Series in Biology, Boston, Mass., Jones and Bartlett Publishers, 1995に記載されている。ets転写因子は、Waslylk et al., Eur. J. Biochem. 211: 7-18 (1993)およびCrepieux et al., Crit. Rev. Oncog. 5: 615-38 (1994)で検討されている。myc癌遺伝子は、例えばRyan et al., Biochem. J. 314: 713-21 (1996)で検討されている。junおよびfos転写因子は、例えばThe Fos and Jun Families of Transcription Factors, Angel & Herrlich, eds. (1994)に記載されている。max癌遺伝子は、Hurlin et al., Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol. 59: 109-16で検討されている。myb遺伝子ファミリーは、Kanei-Ishii et al., Curr. Top. Microbiol. Immunol. 211: 89-98 (1996)で検討されている。mosファミリーは、Yew et al., Curr. Opin. Genet. Dev. 3: 19-25 (1993)で検討されている。

0144

ZFPは、DNA修復酵素およびそれらの会合因子および修飾因子から得られる調節ドメインを包含し得る。DNA修復系は、例えばVos, Curr. Opin. Cell Biol. 4: 385-95 (1992);Sancar, Ann. Rev. Genet. 29: 69-105 (1995);Lehmann, Genet. Eng. 17: 1-19 (1995);およびWood, Ann. Rev. Biochem. 65: 135-67 (1996)で検討されている。DNA再編成酵素ならびにそれらの会合因子および修飾因子も、調節ドメインとして用いられ得る(例えばGangloff et al., Experientia 50: 261-9 (1994);Sadowski,FASEB J. 7: 760-7 (1993)参照)。

0145

同様に、調節ドメインは、DNA修飾酵素(例えばDNAメチルトランスフェラーゼ、トポイソメラーゼ、ヘリカーゼ、リガーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、ポリメラーゼ)ならびにそれらの会合因子および修飾因子に由来し得る。ヘリカーゼは、Matson et al., Bioessays, 16: 13-22 (1994)で検討されており、メチルトランスフェラーゼは、Cheng, Curr. Opin. Struct. Biol. 5: 4-10 (1995)に記載されている。クロマチン会合タンパク質およびそれらの修飾因子(例えばキナーゼ、アセチラーゼおよびデアセチラーゼ)、例えばヒストンデアセチラーゼ(Wolffe, Science 272: 371-2 (1996))も、選ばれたZFPへの付加のためのドメインとして有用である。好ましい一実施形態では、調節ドメインは、転写レプレッサーとして作用するDNAメチルトランスフェラーゼである(例えばVan den Wyngaert et al., FEBSLett. 426: 283-289 (1998);Flynn et al., J. Mol. Biol. 279: 101-116 (1998);Okano et al., Nucleic AcidsRes. 26: 2536-2540 (1998);およびZardo & Caiafa, J. Biol. Chem. 273: 16517-16520 (1998)参照)。別の好ましい実施形態では、エンドヌクレアーゼ、例えばFok1は、遺伝子切断により作用する転写レプレッサーとして用いられ得る(例えばWO95/09233;およびPCT/US94/01201参照)。

0146

クロマチンおよびDNAの構造、動きおよび局在化を制御する因子、ならびにそれらの会合因子および修飾因子;微生物(例えば原核生物、真核生物およびウイルス)由来の因子ならびにそれらと会合するかまたはそれらを修飾する因子も、キメラタンパク質を得るために用いられ得る。一実施形態では、リコンビナーゼおよびインテグラーゼが調節ドメインとして用いられる。一実施形態では、ヒストンアセチルトランスフェラーゼは転写活性因子として用いられる(例えばJin & Scotto, Mol. Cell. Biol. 18: 4377-4384 (1998);Wolffe, Science 272: 371-372 (1996);Taunton et al., Science 272: 408-411 (1996);およびHassig et al., PNAS 95: 3519-3524 (1998)参照)。別の実施形態では、ヒストンデアセチラーゼは転写レプレッサーとして用いられる(例えばJin & Scotto, Mol. Cell. Biol. 18: 4377-4384 (1998);Syntichaki & Thireos, J. Biol. Chem. 273: 24414-24419 (1998);Sakaguchi et al., Genes Dev. 12: 2831-2841 (1998);およびMartinez et al, J. Biol. Chem. 273: 23781-23785 (1998)参照)。

0147

ポリペプチドドメイン間、例えば2つのZFP間、またはZFPおよび調節ドメイン間のリンカードメインが含まれ得る。このようなリンカーは、典型的には、ポリペプチド配列、例えば約5〜200アミノ酸間のポリgly配列である。好ましいリンカーは、典型的には、組換え融合タンパク質の一部として合成される可変長アミノ酸亜配列である。例えば米国特許第6,534,261号;Liu et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95: 5525-5530 (1997);Pomerantz et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 9752-9756 (1995);Kim et al., Proc. Nat. Acad. Sci. USA 93: 1156-1160 (1996)(これらの記載内容は参照により本明細書中で援用される)を参照されたい。代替的には、可変長リンカーは、DNA結合部位およびペプチドそれ自体をともにモデリングし得るコンピュータプログラムを用いて(Desjarlais & Berg, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 90: 2256-2260 (1993)、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 91: 11099-11103 (1994))、あるいはファージ表示法により、合理的に設計され得る。

0148

他の実施形態では、化学リンカーを用いて、合成的または組換え的産生ドメイン配列を連結する。このような可変長リンカーは、当業者に既知である。例えば、ポリ(エチレングリコール)リンカーは、Shearwater Polymers, Inc. Huntsville, Alaから入手可能である。これらのリンカーは、任意に、アミド結合スルフヒドリル結合またはheteroflnctional結合を有する。調節ドメインとのZFPの共有結合のほかに、非共有的方法を用いて、調節ドメインと会合されるZFPを有する分子を産生し得る。

0149

切断ドメイン
本明細書中に開示される融合タンパク質の切断ドメイン部分は、任意のエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼから得られる。切断ドメインが由来するエンドヌクレアーゼの例としては、制限エンドヌクレアーゼおよびホーミングエンドヌクレアーゼが挙げられるが、これらに限定されない。例えば2002-2003 Catalogue, New England Biolabs, Beverly, MA;およびBelfort et al. (1997) Nucleic AcidsRes. 25: 3379-3388を参照されたい。DNAを切断するさらなる酵素が知られている(例えばS1ヌクレアーゼ緑豆ヌクレアーゼ;膵臓DNアーゼI;小球菌ヌクレアーゼ酵母HOエンドヌクレアーゼ;Linn et al. (eds.) Nucleases, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1993も参照)。これらの酵素(またはその機能的断片)のうちの1つまたは複数は、切断ドメインおよび切断半ドメインの供給源として用いられ得る。

0150

同様に、切断半ドメイン(例えば、ジンクフィンガー結合ドメインおよび切断半ドメインを含む融合タンパク質)は、切断活性のために二量体化を要する、上記のような任意のヌクレアーゼまたはその一部に由来し得る。概して、2つの融合タンパク質は、切断半ドメインを含む場合、切断のために必要とされる。代替的には、2つの切断半ドメインを含む単一タンパク質が用いられ得る。2つの切断半ドメインは、同一エンドヌクレアーゼ(またはその機能的断片)に由来し得るか、あるいは各切断半ドメインは異なるエンドヌクレアーゼ(またはその機能的断片)に由来し得る。さらに、2つの融合タンパク質とそれらのそれぞれの標的部位との結合が、例えば二量体化することにより切断半ドメインに機能的切断ドメインを形成させる互いに対する空間的配向で切断半ドメインを配置するよう、2つの融合タンパク質に関する標的部位は、好ましくは、互いに関して配置される。したがって、ある実施形態では、標的部位の近接縁は、5〜8ヌクレオチドにより、または15〜18ヌクレオチドにより分離される。しかしながら、任意の整数値のヌクレオチドまたはヌクレオチド対が、2つの標的部位間に入る(例えば2〜50ヌクレオチドまたはそれ以上)。概して、切断点は、標的部位間にある。

0151

制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)は多数の種において存在し、DNAと配列特異的に結合し(認識部位で)、結合の部位でまたはその近くでDNAを切断し得る。ある制限酵素(例えばIIS型)は、認識部位から除去された部位でDNAを切断し、分離可能な結合および切断ドメインを有する。例えばIIS型酵素Fok Iは、1つの鎖上のその認識部位から9ヌクレオチド、ならびに他方の上のその認識部位から13ヌクレオチドで、DNAの二本鎖切断を触媒する。例えば米国特許第5,356,802号;第5,436,150号および第5,487,994号;ならびにLi et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 4275-4279;Li et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 2764-2768;Kim et al. (1994a) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 883-887;Kim et al. (1994b) J. Biol. Chem. 269: 31,978-31,982を参照されたい。したがって、一実施形態では、融合タンパク質は、少なくとも1つのIIS型制限酵素および1つまたは複数のジンクフィンガー結合ドメイン(改変され得ることもされ得ないこともある)からの切断ドメイン(または切断半ドメイン)を含む。

0152

その切断ドメインが結合ドメインから分離可能である例示的IIS制限酵素は、Fok Iである。この特定酵素は、二量体として活性である(Bitinaite et al. (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95: 10,570-10,575)。したがって、本開示の目的のために、開示される融合タンパク質に用いられるFok I酵素の一部分は、切断半ドメインと考えられる。したがって、ジンクフィンガー−Fok I融合物を用いた細胞性配列の標的化二本鎖切断および/または標的化置換のために、各々がFok I切断半ドメインを含む2つの融合タンパク質を用いて、触媒的に活性名切断ドメインを再構成し得る。代替的には、ジンクフィンガー結合ドメインおよび2つのFok I切断半ドメインを含有する単一ポリペプチド分子も用いられ得る。ジンクフィンガー−Fok I融合物を用いた標的化切断および標的化配列変更のためのパラメーターが、この開示中の他の箇所で提供される。

0153

切断ドメインまたは切断半ドメインは、切断活性を保持する、または多量体化(例えば二量体化)する能力を保持して機能的切断ドメインを形成するタンパク質の任意の部分であり得る。

0154

IIS型制限酵素の例は、表1に列挙されている。付加的制限酵素も分離可能な結合および切断ドメインを含有し、これらは、本開示により意図される。例えばRoberts et al. (2003) Nucleic AcidsRes. 31: 418-420を参照されたい。

0155

0156

ジンクフィンガー融合タンパク質
融合タンパク質(およびそれをコードするポリヌクレオチド)の設計および構築のための方法は、当業者に既知である。例えば、ジンクフィンガードメインおよび調節または切断ドメイン(または切断半ドメイン)を含む融合タンパク質ならびにこのような融合タンパク質をことするポリヌクレオチドの設計および構築のための方法は、共有米国特許第6,453,242号および第6,534,261号、ならびに米国特許出願公告2007/0134796および2005/0064474(これらの記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されている。ある実施形態では、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが構築される。これらのポリヌクレオチドはベクター中に挿入され、ベクターは細胞中に導入され得る(細胞中にポリヌクレオチドを導入するためのベクターおよび方法に関する付加的開示に関しては、下記を参照されたい)。

0157

本明細書中に記載される方法のある実施形態では、ジンクフィンガーヌクレアーゼは、ジンクフィンガー結合ドメインならびにFok I制限酵素からの切断半ドメインを含む融合タンパク質を含み、2つのこのような融合タンパク質が細胞中で発現される。細胞中の2つの融合タンパク質の発現は、細胞への2つのタンパク質の送達;細胞への1つのタンパク質およびタンパク質のうちの1つをコードする1つの核酸の送達;各々がタンパク質のうちの1つをコードする2つの核酸の細胞への送達から;あるいは両タンパク質をコードする単一核酸の細胞への送達により、生じ得る。付加的実施形態では、融合タンパク質は、2つの切断半ドメインおよびジンクフィンガー結合ドメインを含む単一ポリペプチドを含む。この場合、単一融合タンパク質は細胞中で発現され、理論に縛られずに考えると、切断半ドメインの分子内二量体の形成の結果としてDNAを切断する。

0158

ある実施形態では、融合タンパク質(例えばZFP−Fok I融合物)の構成成分は、ジンクフィンガードメインが融合タンパク質のアミノ末端に最も近く、切断半ドメインがカルボキシ末端に最も近いよう、並べられる。これは、切断ドメイン、例えばFok I酵素由来のものを天然に二量体化するに際しての切断ドメインの相対的配向を反映し、この場合、DNA結合ドメインはアミノ末端に最も近く、切断半ドメインはカルボキシ末端に最も近い。これらの実施形態では、機能的ヌクレアーゼを形成するための切断半ドメインの二量体化は、反対DNA鎖上の部位への融合タンパク質の結合によりもたらされ、結合部位の5’末端は互いに近位にある。

0159

付加的実施形態では、融合タンパク質(例えばZEP−Fok I融合物)の構成成分は、切断半ドメインが融合タンパク質のアミノ末端に最も近く、ジンクフィンガードメインがカルボキシ末端に最も近いよう、並べられる。これらの実施形態では、機能的ヌクレアーゼを形成するための切断半ドメインの二量体化は、反対DNA鎖上の部位への融合タンパク質の結合によりもたらされ、結合部位の3’末端は互いに近位にある。

0160

さらなる付加的実施形態では、第一融合タンパク質は、融合タンパク質のアミノ末端に最も近い切断半ドメインならびにカルボキシ末端に最も近いジンクフィンガードメインを含有し、そして第二融合タンパク質は、ジンクフィンガードメインが融合タンパク質の網の末端に最も近く、切断半ドメインがカルボキシ末端に最も近いように並べられる。これらの実施形態では、両融合タンパク質は同一DNA鎖に結合され、第一融合タンパク質の結合部位は、アミノ末端に最も近いジンクフィンガードメインを含有する大に融合タンパク質の結合部位の5’側に配置されるカルボキシ末端に最も近いジンクフィンガードメインを含有する。

0161

開示融合タンパク質のある実施形態では、ジンクフィンガードメインおよび切断ドメイン(または切断半ドメイン)間のアミノ酸配列は、「ZCリンカー」を示す。ZCリンカーは、上記のフィンガー間リンカーとは区別されるべきものである。切断を最適化するZCリンカーの獲得についての詳細に関しては、例えば米国特許第20050064474A1号および第20030232410号、ならびに国際特許公報WO05/084190を参照されたい。

0162

一実施形態では、当該開示は、表Aに示されている認識らせんアミノ酸配列を有するジンクフィンガータンパク質を含むZFNを提供する。別の実施形態では、表Aに示される認識らせんを有するZFPをコードするヌクレオチド配列を含むZFP発現ベクターが、本明細書中で提供される。

0163

遺伝子発現の調節
種々の検定を用いて、ZFPが遺伝子発現を変調するか否かを確定し得る。特定ZFPの活性は、例えば、イムノアッセイ(例えばELISAおよび免疫組織化学的検定(抗体を用いる))、ハイブリダイゼーション検定(例えばRNアーゼ保護、ノーザン、in situハイブリダイゼーション、オリゴヌクレオチドアレイ試験)、比色検定、増幅検定、酵素活性検定、表現型検定等を用いて、例えばタンパク質またはmRNAレベル、生成物レベル、酵素活性;レポーター遺伝子転写活性化または抑制を測定することにより、種々のin vitroおよびin vivo検定を用いて査定され得る。

0164

ZFPは、典型的には、ELISA検定を用いて、次に腎臓細胞を用いて、in vitroでの活性に関して先ず試験される。ZFPはしばしば、レポーター遺伝子を伴う一過性発現系を用いて先ず試験され、次に、標的内因性遺伝子の調節が、細胞でおよび植物体全体で、in vivoとex-vivoの両方で、試験される。ZFPは、細胞中で組換え的に発現され、植物中に移植された細胞中で組換え的に発現され、あるいはトランスジェニック植物中で組換え的に発現され得るし、ならびに下記の送達ビヒクルを用いて、植物または細胞にタンパク質として投与され得る。細胞は、固定され、溶液中に存在し、植物中に注入され、あるいはトランスジェニックまたは非トランスジェニック植物中に天然に存在し得る。

0165

遺伝子発現の変調は、本明細書中に記載されるin vitroまたはin vivo検定のうちの1つを用いて試験される。試料または検定はZFPで処理され、試験化合物を有さない対照試料と比較されて、変調の程度を調べる。内因性遺伝子発現の調節に関して、ZFPは、典型的には、200nM以下、さらに好ましくは100nM以下、さらに好ましくは50nM、最も好ましくは25nM以下のKdを有する。

0166

ZFPの作用は、上記のパラメーターのいずれかを調べることにより測定され得る。任意の適切な遺伝子発現、表現型または生理学的変化を用いて、ZFPの影響を査定し得る。機能的結果が無傷細胞または植物を用いて確定される場合、植物成長、既知の且つ非特性化遺伝子マーカーに対する転写的変化(例えばノーザンブロットまたはオリゴヌクレオチドアレイ試験)、細胞代謝における変化、例えば細胞の増殖またはpHの変化、ならびに細胞内二次メッセンジャー、例えばcGMPにおける変化のような種々の作用を測定し得る。

0167

内因性遺伝子発現のZFP調節に関する好ましい検定は、in vitroで実施され得る。好ましい一in vitro検定フォーマットでは、培養細胞中の内因性遺伝子発現のZFP調節は、ELISA検定を用いてタンパク質産生検査することにより、測定される。試験試料は、空ベクターで、あるいは別の遺伝子に対して標的化される無関係なZFPで処理された対照細胞と比較される。

0168

別の実施形態では、内因性遺伝子発現のZFP調節は、標的遺伝子mRNA発現のレベルを測定することにより、in vitroで確定される。遺伝子発現のレベルは、増幅を用いて、例えばPCR、LCRまたはハイブリダイゼーション検定、例えばノーザンハイブリダイゼーション、RNアーゼ保護、ドットブロッティングを用いて測定される。RNアーゼ保護は、一実施形態で用いられる。タンパク質またはmRNAのレベルは、本明細書中に記載されるように、直接的にまたは間接的に標識された検出作用物質、例えば蛍光的にまたは放射能的に標識された核酸、放射能的または酵素的に標識された抗体等を用いて検出される。

0169

代替的には、レポーター遺伝子系は、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質、CATまたはβ−galのようなレポーター遺伝子と操作可能的に連結される標的遺伝子プロモーターを用いて考案され得る。レポーター構築物は、典型的には、培養細胞中に同時トランスフェクトされる。選ばれたZFPでの処理後、当業者に知られている標準技法に従って、レポーター遺伝子の転写、翻訳または活性の量が測定される。

0170

トランスジェニックおよび非トランスジェニック植物も、in vivoでの内因性遺伝子発現の調節を検査するための好ましい実施形態として用いられる。トランスジェニック植物は、選ばれたZFPを安定的に発現し得る。代替的には、選ばれたZFPを一時的に発現するか、またはZFPが送達ビヒクル中で投与された植物が、用いられ得る。内因性遺伝子発現の調節は、本明細書中に記載される検定のうちのいずれか1つを用いて試験される。

0171

標的化切断のための方法
開示される方法および組成物を用いて、細胞クロマチン中の当該領域(例えば突然変異体または野生型の、EPSPS遺伝子内のまたはそれに隣接するゲノム中の所望のまたは予定の部位)でDNAを切断し得る。このような標的化DNA切断に関して、ジンクフィンガー結合ドメインは、予定切断部位でまたはその付近で、標的を結合するよう改変され、改変ジンクフィンガー結合ドメインおよび切断ドメインを含む融合タンパク質は細胞中で発現される。融合タンパク質のジンクフィンガー部分の、標的部位との結合時に、DNAは、切断ドメインにより標的部位付近で切断される。切断の正確な部位は、ZCリンカーの長さに依っている。

0172

代替的には、各々がジンクフィンガー結合ドメインおよび切断半ドメインを含む2つの融合タンパク質は、細胞中で発現され、機能的切断ドメインが再構成され、DNAが標的部位に近接して切断されるような方法で並置される標的部位と結合される。一実施形態では、切断は、2つのジンクフィンガー結合ドメインの標的部位間で起きる。ジンクフィンガー結合ドメインの一方または両方が、改変され得る。

0173

ジンクフィンガー結合ドメイン−切断ドメイン融合ポリペプチドを用いる標的化切断に関して、結合部位は切断部位を包含するか、あるいは結合部位の近縁は、切断部位から1、2、3、4、5、6、10、25、50またはそれより多くのヌクレオチド(あるいは1〜50の任意の整数値のヌクレオチド)であり得る。結合部位の正確な位置は、切断部位に関しては、特定切断ドメインに、ならびにZCリンカーの長さに依っている。各々がジンクフィンガー結合ドメインおよび切断半ドメインを含む2つの融合ポリペプチドが用いられる方法に関して、結合部位は一般的に切断部位をまたぐ。したがって、第一結合部位の近縁は切断部位の一側上の1、2、3、4、5、6、10、25またはそれより多いヌクレオチド(または1〜50の任意の整数値のヌクレオチド)であり得るし、第二結合部位の近縁は切断部位の他側上の1、2、3、4、5、6、10、25またはそれより多いヌクレオチド(または1〜50の任意の整数値のヌクレオチド)であり得る。切断部位をin vitroおよびin vivoでマッピングするための方法は、当業者に知られている。

0174

したがって、本明細書中に記載される方法は、切断ドメインと融合された改変ジンクフィンガー結合ドメインを用い得る。これらの場合、結合ドメインは、切断が所望される箇所またはその近くで、標的配列と結合するよう改変される。融合タンパク質またはそれをコードするポリヌクレオチドは、植物細胞中に導入される。一旦細胞中に導入されるかまたは細胞中で発現されると、融合タンパク質は標的配列と結合し、標的配列で、またはその近くで切断する。切断の正確な部位は、切断ドメインの性質、ならびに/あるいは結合ドメインと切断ドメインとの間のリンカー配列の存在および/または性質に依っている。各々が切断半ドメインを含む2つの融合タンパク質が用いられる場合、結合部位の近縁間の距離は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、25またはそれより多いヌクレオチド(または1〜50の任意の整数値のヌクレオチド)であり得る。切断の最適レベルは、2つの融合タンパク質の結合部位間の距離(例えばSmith et al. (2000) Nucleic AcidsRes. 28: 3361-3369;Bibikova et al. (2001) Mol. Cell. Biol. 21: 289-297参照)と、各融合タンパク質中のZCリンカーの長さの両方にもより得る。米国特許公報第20050064474A1号、ならびに国際特許公報WO05/084190、WO05/014791およびWO03/080809も参照されたい。

0175

ある実施形態では、切断ドメインは、その両方が結合ドメインを含む単一ポリペプチドの一部である2つの切断半ドメイン(第一切断ハンドメインおよび第二切断半ドメイン)を含む。切断半ドメインは、それらがDNAを切断するよう機能する限り、同一アミノ酸配列を有し得るし、あるいは異なるアミノ酸配列を有し得る。

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