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技術 親水性ポリマーを含む現像液による平版印刷版の処理

出願人 イーストマンコダックカンパニー
発明者 シュトレーメル,ベルントシンプソン,クリストファーピーステルト,オリファーバウマン,ハラルト
出願日 2008年8月21日 (12年4ヶ月経過) 出願番号 2010-521423
公開日 2010年12月2日 (10年0ヶ月経過) 公開番号 2010-537238
状態 未登録
技術分野 感光性樹脂・フォトレジストの処理
主要キーワード 箔状材料 アルカリ添加物 トップアップ 推算法 漬タイプ 熱可塑特性 ヘキサシアノフェレート 酸素バリヤ層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年12月2日)のものです。
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課題・解決手段

現像液親水性ポリマーを含み、当該親水性ポリマーが、(m1)第1級、第2級及び/又は第3級アミノ基と、(m2)−COOH、−SO3H、−PO2H2および−PO3H2から選ばれる酸基と、(m3)任意選択的に、アルキレンオキシド単位−(CHR1−CH2−O)p−(式中、R1はH又は−CH3 を表し、pは1〜50の整数である)、を含む、画像形成された平版印刷版の製造方法を記載する。

概要

背景

平版印刷は、油と水との不混和性に基づき、油性材料又は印刷インクは、好ましくは画像領域によって受容され、水又は湿し水は、好ましくは非画像領域によって受容される。適切に生成された表面を水で湿らせて印刷インクを適用すると、背景又は非画像領域が水を受容し、印刷インクをはじくのに対して、画像領域は印刷インクを受容し、水をはじく。画像領域における印刷インクは、次に例えば紙や布地などの材料の画像を形成すべき表面に転写される。しかし、一般的には、印刷インクは先ずブランケットと呼ばれる中間材料に転写し、この中間材料は次いで印刷インクを、画像形成すべき材料の表面上に転写する。この技術はオフセットと呼ばれる。

よく使用されるタイプの平版印刷版前駆体は、アルミニウムを基にする基材上に適用された感光性コーティングを含む。このコーティング輻射線に対して反応することができ、これにより露光部分は可溶性になるので、この部分は現像プロセス中に除去される。このような版はポジ型と呼ばれる。他方、コーティングの露光部分が輻射線によって硬化される場合には、版はネガ型と呼ばれる。両方の場合において、残りの画像領域は印刷インクを受容し(すなわち親油性)、そして非画像領域(バックグラウンド)は水を受容する(すなわち親水性)。画像領域と非画像領域との分化(differentiation)は、露光中に起こる。この露光に際して、良好な接触状態保証するために印刷版前駆体フィルム真空下で取り付けられる。その後、一部が紫外線(UV)からなる輻射線源に版を露光する。ポジ型版が使用される場合、版上の画像に対応するフィルム上の領域は光が版に到達しないほどに不透明であるのに対し、非画像領域に対応するフィルム上の領域は透明であり、光がコーティングを透過するのを可能にし、その溶解性が高まる。ネガ型版の場合には、その反対のことが起こる。すなわち、版上の画像に対応するフィルム上の領域が透明であるのに対して、非画像領域は不透明である。透明フィルム領域の下側に位置するコーティングは、入射光により硬化(例えば光重合)されるのに対し、光による影響を受けない領域は、現像中に除去される。ネガ型版の光硬化された表面は、従って親油性であり、印刷インクを受容するのに対して、現像液によって除去されるコーティングで被覆された非画像領域は減感され、従って親水性である。

代わりに、版を、フィルムなしで、例えばレーザーによってデジタル像様露光することもできる。最近の開発によれば、感熱層を有する版前駆体が使用され、直接的な加熱、又は熱に変換されるIR線の像様照射により、コーティングの加熱された領域と加熱されなかった領域との現像液溶解度の差が生じる。

光重合性コーティングのような酸素感受性コーティングを有する平版印刷版前駆体上の一時的なコーティング(「オーバーコート」(overcoat)と呼ばれることがある)として、水溶性ポリマーが使用されることがある。水溶性ポリマーは、貯蔵中、露光中、及び、特に露光と更なる処理(現像など)との間の時間中、大気中の酸素からコーティングを保護する機能を有する。その時間中、一時的なコーティングは、層の引き裂けなしに安全な取り扱い(製造、包装輸送、露光など)を確保するのに十分な、感光性基材に対する付着力を示さなければならない。現像前に、オーバーコートは、好ましくは水による洗浄によって取り除かれるか、あるいは、オーバーコートは、非画像部分と一緒現像液中で溶解する。

通常、輻射線感受性コーティングが適用される前に、基材、特に酸化アルミニウム層を有するアルミニウム基材に、親水性保護層(「中間層」とも呼ばれる)が設けられる。この親水性層は、平版印刷版の(非印刷)背景領域の水受容性を改善し、そしてこれらの領域における印刷インクの反発を改善する。好適な親水性保護層はまた、現像中に輻射線感受性層可溶性部分が容易に除去され、そして基材に残留物がないようにするので、印刷中にクリーンな背景領域が得られる。このような残留物なしの除去が行われないと、トーニング(toning)と呼ばれるものが印刷中に発生し、すなわち、背景領域が印刷インクを受容することになる。

クリーンな印刷画像のために、画像領域(すなわち像様に残っているコーティング)は印刷インクを良く受容し、これに対して非画像領域(すなわち、像様に露出した基材、例えばアルミニウム基材)は印刷インクを受容しないことが必要である。像様に露出した基材、例えばアルミニウム基材を、印刷版印刷機械に装着するときの指紋酸化アルミニウムの形成、腐食及び機械的な攻撃、例えば引掻き傷から保護するために、すなわち、非画像領域の親水特性を維持し、場合によっては改善するために、現像された印刷版に、通常「ガム引き」処理(「仕上げ」(finishing)とも呼ばれる)が施される。版の貯蔵前、又は印刷機の長い静止時間前に版をガム引き処理することにより、非画像領域が親水性を保つことが保証される。また、印刷が開始されるときに、画像領域がインクを即座に受容できるように、ガム引き溶液を湿し水で素早く版から洗い落とすことができなければならない。ガム引き溶液は以前から知られており、例えばドイツ国特許第29 26 645号明細書、ドイツ国特許出願公開第20 42 217号明細書、米国特許第4,880,555号、第4,033,919号及び第4,162,920号明細書に開示されている。

ドイツ国特許出願公開第25 04 594号明細書には、リン酸、及びアクリルアミドから誘導された構造単位カルボン酸基を有する構造単位とを含むコポリマーを含むガム引き溶液が開示されている。このガム引き溶液は、疎水性コーティング(例えば中間層なしの基材)に対して高い付着力を有する平版印刷基材には適さない。なぜならば、このような版の場合に印刷機上のトーニングが観察されるからである。

ドイツ国特許出願公開第29 25 363号明細書には、水性相油性相とを含むガム引き組成物が記載されており、水性相は親水性ポリマーを含み、油性相は有機溶剤HLB<14の非イオン性アルキルフェニル界面活性剤脂肪酸エステル界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を含む。この組成物は、中間層を有する版に良好な減感作用を提供するが、疎水性コーティングに対する高い付着力を有する平版印刷基材(例えば中間層なしの基材)には適さない。なぜならば、このような版の場合にトーニングが観察されるからである。別のエマルジョンタイプ平版印刷版用表面保護剤が欧州特許出願公開第943 967号明細書に開示されており、この表面保護剤も、トーニングの問題により、中間層なしの版には適さない。

米国特許第4,143,021号、第414,531号、第4,266,481号及第5,736,256号明細書に開示されたガム引き組成物も、疎水性コーティングに対する高い付着力を有する平版印刷基材には適さない。なぜならば、印刷機上のトーニングが観察されるからである。

欧州特許出願公開第985 546号明細書には、エチレンオキシドプロピレンオキシドとの特定のコポリマーである平版印刷版用表面保護剤が開示されている。ガム引き溶液におけるかかる保護剤の使用は、疎水性コーティングに対して高い付着力を示す平版印刷基材(中間層なしの基材)を用いた印刷中にトーニングを防止することができない。

欧州特許出願公開第1 199 606号明細書には、ネガ型平版印刷版の製造方法が開示されており、この方法において、現像液は、無機アルカリ剤と、ポリオキシアルキレンエーテル基を有する非イオン性界面活性剤とを含有する。疎水性コーティングに対して高い付着力を示す平版印刷基材(例えば中間層なしの基材)のクリーンアップ挙動が不十分であり、かかる現像液が使用された場合に、強いトーニングが観察されることが判った。

欧州特許出願公開第1 600 820号明細書には、(a)シリケートを含まないか最大で0.1質量%までしか含まない現像液により像様露光された版を現像すること、および(b)現像された版を、リン酸化合物を含む保護液で40〜90℃の温度で処理することを含む平版印刷版の処理方法が記載されている。

欧州特許出願公開第1 260 866号明細書には、像様露光された平版印刷版を処理する方法であって、(a)現像液を適用し、(b)現像された版を、水溶性皮膜形成性ポリマーおよびリン酸誘導体を含むすすぎ水すすぐことを含む方法が開示されている。この方法は、さらなるガム引き工程を不要とするが、印刷機上でのトーニングが観察されるために親水性中間層を持たない版には適さない。

ドイツ国特許出願公開第25 30 502号明細書には、印刷版の現像およびガム引きを同時に行う方法が記載されている。この方法において使用される液体は、水に加えて、少量の有機溶剤と、デキストリンのような水溶性コロイドと、塩とを含む。この方法は、しかしながら、親水性中間層を有する版の場合にだけうまくいく。

国際公開第2006/056439号公報には、酸基により修飾されたアミノ基を含むポリマー、および平版印刷方法で使用される湿し水にそれらを使用することが記載されている。

平版印刷版の優れた性能のためには、基材の良好な親水特性、及び基材に対する(コーティングの)画像領域の良好な付着力の両方を有することが必要である。基材の良好な親水特性は、印刷中のトーニングを回避するために必要である。従って、基材の親水性を改善するために、基材に中間層が極めて頻繁に適用される。残念ながら、中間層は通常、印刷画像領域と基材との付着力を弱くし、このことは、印刷連続運転時間(print run length)を短くする。

印刷された画像の品質(例えば解像度)を改善するために、30μm以下のドットサイズFMスクリーンFM周波数変調型)が開発されている。このスクリーンの場合、ドットは、サイズが著しく小さくなり、その結果、付着力が弱くなる。従って、FMスクリーンを用いて版前駆体に画像を形成するためには、優れた付着力があることが重要であるが、それでもなお、トーニングが大きな問題にならない(すなわち基材の親水性が優れている)ことが望ましい。

概要

現像液が親水性ポリマーを含み、当該親水性ポリマーが、(m1)第1級、第2級及び/又は第3級アミノ基と、(m2)−COOH、−SO3H、−PO2H2および−PO3H2から選ばれる酸基と、(m3)任意選択的に、アルキレンオキシド単位−(CHR1−CH2−O)p−(式中、R1はH又は−CH3 を表し、pは1〜50の整数である)、を含む、画像形成された平版印刷版の製造方法を記載する。

目的

本発明の目的は、親水性中間層が基材上に存在しない場合でも、トーニングの問題がなく、同時に、基材に対する画像領域の良好な付着力を示す、画像形成された平版印刷版を製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

(a)像様露光された平版印刷版前駆体水性現像液により処理する工程であって、前記水性現像液が、6を超えるpH値を有し、かつ、(i)水と、(ii)少なくとも1種の親水性ポリマーであって、(m1)第1級、第2級及び/又は第3級アミノ基と、(m2)−COOH、−SO3H、−PO2H2及び−PO3H2から選ばれた酸基と、(m3)任意選択的に、アルキレンオキシド単位−(CHR1−CH2−O)p−(式中、R1は独立にH又は−CH3 を表し、pは1〜50の整数である)、を含む少なくとも1種の親水性ポリマーと、(iii)任意選択的に、界面活性剤アルカリ剤水溶性フィルム形成性親水性ポリマー;並びに有機溶剤殺生物剤錯化剤緩衝剤物質フィルター染料消泡剤腐食防止剤及びラジカル阻害剤から選ばれた添加剤、から選ばれた少なくとも1つ、を含む、像様露光された平版印刷版を処理する工程;及び(b)任意選択的に、水ですすぐこと、乾燥すること及びベーキングすることから選ばれた少なくとも1つの工程、を含む、画像形成された平版印刷版の製造方法。

請求項2

前記前駆体が、基板上に中間層なしで存在する、1つ又は2つ以上の層を含んで成る輻射線感受性コーティングを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記輻射線感受性コーティングが、250〜750nmの範囲から選ばれた波長輻射線に対して感受性であり、像様露光が、250〜750nmの範囲から選ばれた波長の輻射線を用いて行われる、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記輻射線感受性コーティングが、750超〜1200nmの範囲から選ばれた波長の輻射線に対して感受性であり、前記像様露光が、750超〜1200nmの範囲から選ばれた波長の輻射線を用いて行われる、請求項2に記載の方法。

請求項5

アミノ基がポリマー主鎖炭素原子に直接又はスペーサーを介して結合しているか、あるいは、酸基がポリマー主鎖の炭素原子に直接又はスペーサーを介して結合しているか、あるいは両方の種類の基がポリマー主鎖の炭素原子に直接又はスペーサーを介して結合している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記アミノ基の窒素原子がポリマー主鎖の一部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記酸基がアミノ基の窒素原子にスペーサーを介して結合している、請求項1〜4及び6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

親水性ポリマー(ii)が、主鎖中に下記の構造単位:(式中、Zは直鎖又は分岐C1−C3アルキレン基であり、R2はH、C1−C4アルキルフェニル又は−X−AG[Xは2価の直鎖又は分岐炭化水素基であり、−AGは請求項1において定義したとおりの酸基である]である)を含む、請求項6に記載の方法。

請求項9

前記酸基が−COOH基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記親水性ポリマー(ii)が、現像液の総質量に基づいて0.01〜15質量%の量で現像液中に存在する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記現像液が10〜13.5のpHを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記現像液が、界面活性剤及び/又はアルカリ剤を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

前記現像液が、デキストリン及び糖アルコールから選ばれた水溶性の皮膜形成性親水性ポリマーを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記前駆体が、工程(a)の前に任意選択的に除去されるオーバーコートを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

前記方法が、工程(a)の前に予熱工程をさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

前記前駆体がオーバーコートを含み、工程(a)によって、1つの単独工程で、当該オーバーコートの除去並びに輻射線感受性コーティングの非画像領域の除去及び保護ガム引きをもたらす、請求項1〜13及び15のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、像様露光された平版印刷版を一プロセス工程で現像シーリングする方法であって、現像液水溶性親水性コポリマーを含む方法に関する。

背景技術

0002

平版印刷は、油と水との不混和性に基づき、油性材料又は印刷インクは、好ましくは画像領域によって受容され、水又は湿し水は、好ましくは非画像領域によって受容される。適切に生成された表面を水で湿らせて印刷インクを適用すると、背景又は非画像領域が水を受容し、印刷インクをはじくのに対して、画像領域は印刷インクを受容し、水をはじく。画像領域における印刷インクは、次に例えば紙や布地などの材料の画像を形成すべき表面に転写される。しかし、一般的には、印刷インクは先ずブランケットと呼ばれる中間材料に転写し、この中間材料は次いで印刷インクを、画像形成すべき材料の表面上に転写する。この技術はオフセットと呼ばれる。

0003

よく使用されるタイプの平版印刷版前駆体は、アルミニウムを基にする基材上に適用された感光性コーティングを含む。このコーティング輻射線に対して反応することができ、これにより露光部分は可溶性になるので、この部分は現像プロセス中に除去される。このような版はポジ型と呼ばれる。他方、コーティングの露光部分が輻射線によって硬化される場合には、版はネガ型と呼ばれる。両方の場合において、残りの画像領域は印刷インクを受容し(すなわち親油性)、そして非画像領域(バックグラウンド)は水を受容する(すなわち親水性)。画像領域と非画像領域との分化(differentiation)は、露光中に起こる。この露光に際して、良好な接触状態保証するために印刷版前駆体フィルム真空下で取り付けられる。その後、一部が紫外線(UV)からなる輻射線源に版を露光する。ポジ型版が使用される場合、版上の画像に対応するフィルム上の領域は光が版に到達しないほどに不透明であるのに対し、非画像領域に対応するフィルム上の領域は透明であり、光がコーティングを透過するのを可能にし、その溶解性が高まる。ネガ型版の場合には、その反対のことが起こる。すなわち、版上の画像に対応するフィルム上の領域が透明であるのに対して、非画像領域は不透明である。透明フィルム領域の下側に位置するコーティングは、入射光により硬化(例えば光重合)されるのに対し、光による影響を受けない領域は、現像中に除去される。ネガ型版の光硬化された表面は、従って親油性であり、印刷インクを受容するのに対して、現像液によって除去されるコーティングで被覆された非画像領域は減感され、従って親水性である。

0004

代わりに、版を、フィルムなしで、例えばレーザーによってデジタル像様露光することもできる。最近の開発によれば、感熱層を有する版前駆体が使用され、直接的な加熱、又は熱に変換されるIR線の像様照射により、コーティングの加熱された領域と加熱されなかった領域との現像液溶解度の差が生じる。

0005

光重合性コーティングのような酸素感受性コーティングを有する平版印刷版前駆体上の一時的なコーティング(「オーバーコート」(overcoat)と呼ばれることがある)として、水溶性ポリマーが使用されることがある。水溶性ポリマーは、貯蔵中、露光中、及び、特に露光と更なる処理(現像など)との間の時間中、大気中の酸素からコーティングを保護する機能を有する。その時間中、一時的なコーティングは、層の引き裂けなしに安全な取り扱い(製造、包装輸送、露光など)を確保するのに十分な、感光性基材に対する付着力を示さなければならない。現像前に、オーバーコートは、好ましくは水による洗浄によって取り除かれるか、あるいは、オーバーコートは、非画像部分と一緒現像液中で溶解する。

0006

通常、輻射線感受性コーティングが適用される前に、基材、特に酸化アルミニウム層を有するアルミニウム基材に、親水性保護層(「中間層」とも呼ばれる)が設けられる。この親水性層は、平版印刷版の(非印刷)背景領域の水受容性を改善し、そしてこれらの領域における印刷インクの反発を改善する。好適な親水性保護層はまた、現像中に輻射線感受性層可溶性部分が容易に除去され、そして基材に残留物がないようにするので、印刷中にクリーンな背景領域が得られる。このような残留物なしの除去が行われないと、トーニング(toning)と呼ばれるものが印刷中に発生し、すなわち、背景領域が印刷インクを受容することになる。

0007

クリーンな印刷画像のために、画像領域(すなわち像様に残っているコーティング)は印刷インクを良く受容し、これに対して非画像領域(すなわち、像様に露出した基材、例えばアルミニウム基材)は印刷インクを受容しないことが必要である。像様に露出した基材、例えばアルミニウム基材を、印刷版印刷機械に装着するときの指紋酸化アルミニウムの形成、腐食及び機械的な攻撃、例えば引掻き傷から保護するために、すなわち、非画像領域の親水特性を維持し、場合によっては改善するために、現像された印刷版に、通常「ガム引き」処理(「仕上げ」(finishing)とも呼ばれる)が施される。版の貯蔵前、又は印刷機の長い静止時間前に版をガム引き処理することにより、非画像領域が親水性を保つことが保証される。また、印刷が開始されるときに、画像領域がインクを即座に受容できるように、ガム引き溶液を湿し水で素早く版から洗い落とすことができなければならない。ガム引き溶液は以前から知られており、例えばドイツ国特許第29 26 645号明細書、ドイツ国特許出願公開第20 42 217号明細書、米国特許第4,880,555号、第4,033,919号及び第4,162,920号明細書に開示されている。

0008

ドイツ国特許出願公開第25 04 594号明細書には、リン酸、及びアクリルアミドから誘導された構造単位カルボン酸基を有する構造単位とを含むコポリマーを含むガム引き溶液が開示されている。このガム引き溶液は、疎水性コーティング(例えば中間層なしの基材)に対して高い付着力を有する平版印刷基材には適さない。なぜならば、このような版の場合に印刷機上のトーニングが観察されるからである。

0009

ドイツ国特許出願公開第29 25 363号明細書には、水性相油性相とを含むガム引き組成物が記載されており、水性相は親水性ポリマーを含み、油性相は有機溶剤HLB<14の非イオン性アルキルフェニル界面活性剤脂肪酸エステル界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を含む。この組成物は、中間層を有する版に良好な減感作用を提供するが、疎水性コーティングに対する高い付着力を有する平版印刷基材(例えば中間層なしの基材)には適さない。なぜならば、このような版の場合にトーニングが観察されるからである。別のエマルジョンタイプ平版印刷版用表面保護剤が欧州特許出願公開第943 967号明細書に開示されており、この表面保護剤も、トーニングの問題により、中間層なしの版には適さない。

0010

米国特許第4,143,021号、第414,531号、第4,266,481号及第5,736,256号明細書に開示されたガム引き組成物も、疎水性コーティングに対する高い付着力を有する平版印刷基材には適さない。なぜならば、印刷機上のトーニングが観察されるからである。

0011

欧州特許出願公開第985 546号明細書には、エチレンオキシドプロピレンオキシドとの特定のコポリマーである平版印刷版用表面保護剤が開示されている。ガム引き溶液におけるかかる保護剤の使用は、疎水性コーティングに対して高い付着力を示す平版印刷基材(中間層なしの基材)を用いた印刷中にトーニングを防止することができない。

0012

欧州特許出願公開第1 199 606号明細書には、ネガ型平版印刷版の製造方法が開示されており、この方法において、現像液は、無機アルカリ剤と、ポリオキシアルキレンエーテル基を有する非イオン性界面活性剤とを含有する。疎水性コーティングに対して高い付着力を示す平版印刷基材(例えば中間層なしの基材)のクリーンアップ挙動が不十分であり、かかる現像液が使用された場合に、強いトーニングが観察されることが判った。

0013

欧州特許出願公開第1 600 820号明細書には、(a)シリケートを含まないか最大で0.1質量%までしか含まない現像液により像様露光された版を現像すること、および(b)現像された版を、リン酸化合物を含む保護液で40〜90℃の温度で処理することを含む平版印刷版の処理方法が記載されている。

0014

欧州特許出願公開第1 260 866号明細書には、像様露光された平版印刷版を処理する方法であって、(a)現像液を適用し、(b)現像された版を、水溶性の皮膜形成性ポリマーおよびリン酸誘導体を含むすすぎ水すすぐことを含む方法が開示されている。この方法は、さらなるガム引き工程を不要とするが、印刷機上でのトーニングが観察されるために親水性中間層を持たない版には適さない。

0015

ドイツ国特許出願公開第25 30 502号明細書には、印刷版の現像およびガム引きを同時に行う方法が記載されている。この方法において使用される液体は、水に加えて、少量の有機溶剤と、デキストリンのような水溶性コロイドと、塩とを含む。この方法は、しかしながら、親水性中間層を有する版の場合にだけうまくいく。

0016

国際公開第2006/056439号公報には、酸基により修飾されたアミノ基を含むポリマー、および平版印刷方法で使用される湿し水にそれらを使用することが記載されている。

0017

平版印刷版の優れた性能のためには、基材の良好な親水特性、及び基材に対する(コーティングの)画像領域の良好な付着力の両方を有することが必要である。基材の良好な親水特性は、印刷中のトーニングを回避するために必要である。従って、基材の親水性を改善するために、基材に中間層が極めて頻繁に適用される。残念ながら、中間層は通常、印刷画像領域と基材との付着力を弱くし、このことは、印刷連続運転時間(print run length)を短くする。

0018

印刷された画像の品質(例えば解像度)を改善するために、30μm以下のドットサイズFMスクリーンFM周波数変調型)が開発されている。このスクリーンの場合、ドットは、サイズが著しく小さくなり、その結果、付着力が弱くなる。従って、FMスクリーンを用いて版前駆体に画像を形成するためには、優れた付着力があることが重要であるが、それでもなお、トーニングが大きな問題にならない(すなわち基材の親水性が優れている)ことが望ましい。

先行技術

0019

ドイツ国特許第29 26 645号明細書
ドイツ国特許出願公開第20 42 217号明細書
米国特許第4,880,555号明細書
米国特許第4,033,919号明細書
米国特許第4,162,920号明細書
ドイツ国特許出願公開第25 04 594号明細書
ドイツ国特許出願公開第29 25 363号明細書
米国特許第4,143,021号明細書
米国特許第414,531号明細書
米国特許第4,266,481号明細書
米国特許第5,736,256号明細書
欧州特許出願公開第985 546号明細書
欧州特許出願公開第1 199 606号明細書
欧州特許出願公開第1 600 820号明細書
欧州特許出願公開第1 260 866号明細書
ドイツ国特許出願公開第25 30 502号明細書
国際公開第2006/056439号

発明が解決しようとする課題

0020

従って、本発明の目的は、親水性中間層が基材上に存在しない場合でも、トーニングの問題がなく、同時に、基材に対する画像領域の良好な付着力を示す、画像形成された平版印刷版を製造する方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、追加のプロセス工程を必要とせずにかかる方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0021

この目的は、驚くべきことに、
(a)像様露光された平版印刷版前駆体を水性現像液により処理する工程であって、水性現像液が、6を超えるpH値を有し、かつ、
(i)水と、
(ii)少なくとも1種の親水性ポリマーであって、
(m1)第1級、第2級および/または第3級アミノ基と、
(m2)−COOH、−SO3H、−PO2H2および−PO3H2から選ばれた酸基と、
(m3)任意選択的に、アルキレンオキシド単位−(CHR1−CH2−O)p−(式中、R1はHまたは−CH3 を表し、pは1〜50の整数である)、
を含む少なくとも1種の親水性ポリマーと、
(iii)任意選択的に、界面活性剤;アルカリ剤;水溶性の皮膜形成性親水性ポリマー;並びに有機溶剤、殺生物剤錯化剤緩衝剤物質フィルター染料消泡剤腐食防止剤およびラジカル阻害剤から選ばれた添加剤、から選ばれた少なくとも1つ、
を含む、像様露光された平版印刷版を処理する工程;及び
(b)任意選択的に、水ですすぐこと、乾燥することおよびベーキングすることから選ばれた少なくとも1つの工程、
を含む方法により達成される。

発明の効果

0022

本発明の方法は、ポジ型前駆体並びにネガ型前駆体を処理するために用いることができ、これらの前駆体のそれぞれは、紫外線(UV)、可視光(Vis)又は赤外線(IR)に対して感受性であることができる。

0023

前駆体
本発明の方法は、ネガ型前駆体並びにポジ型前駆体を処理するのに適しており、前駆体は、紫外線/可視光又は赤外線に対して感受性であることができる。一般的に、平版印刷版前駆体は、(i)基材、(ii)1つまたは2つ以上の層を含む輻射線感受性コーティング、(iii)任意選択的に、酸素不透過性オーバーコートを含む。
好適な前駆体の例を以下に説明する。

0024

基材
前駆体のために使用される基材は、好ましくは、印刷材料のための基材として既に使用されているもののような、寸法安定性を有するプレート状又は箔状材料である。このような基材の例としては、紙、プラスチック材料(例えばポリエチレンポリプロピレンポリスチレン)で被覆された紙、金属プレート又は箔、例えばアルミニウム(アルミニウム合金を含む)、亜鉛及び銅プレート、例えばセルロースジアセテートセルローストリアセテートセルロースプロピオネートセルロースアセテートセルロースアセテートブチレートセルロースニトレートポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート及びポリビニルアセテートから形成されたプラスチックフィルム、及び紙又はプラスチックフィルムと上述の金属のうちの1種とから形成された積層材料、又は蒸着により金属化された紙/プラスチックフィルムが挙げられる。これらの基材のうち、アルミニウムプレート又は箔が特に好ましい。なぜなら、アルミニウムプレート又は箔は卓越した寸法安定性を示し、安価であり、さらに輻射線感受性コーティングに対する優れた付着力を示すからである。さらに、アルミニウム箔がプラスチックフィルム、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム又は紙上にラミネートされている複合フィルム、あるいは、アルミニウムが蒸着によってプラスチックフィルム上に適用されている複合フィルムを使用することもできる。好ましい基材は金属基材であり、ここで、本明細書中で使用する「金属基材」という用語は、最上層金属層又は金属箔である複合材料包含する。

0025

金属基材、特にアルミニウム基材を、表面処理、例えば、乾燥状態でのブラッシング又は研磨懸濁液を用いてブラッシングすることによるグレイニング、あるいは、電気化学的グレイニング(例えば塩酸電解液又はHNO3による)にかけられ、次いで、任意選択的に、陽極酸化(例えば硫酸又はリン酸で)にかけらるのが好ましい。好ましい実施態様によれば、金属基材は、Al2O3層、ZnO層、SiO2層又はTiO2層を含む。

0026

本発明の方法を用いると、酸化物層欠陥を有していてもトーニングを示さない平版印刷版を製造することも可能である。

0027

好ましくは厚さ0.1〜0.7mm、より好ましくは0.15〜0.5mmのアルミニウム箔が特に好ましい基材である。箔がグレイニング処理(好ましくは電気化学的、例えば塩酸または硝酸中で)され、平均粗さ0.2〜1μm、特に好ましくは0.3〜0.8μmを示すことが好ましい。

0028

特に好ましい実施態様によれば、グレイニング処理されたアルミニウム箔はさらに陽極酸化処理(例えばスルホン酸中で)された。その結果得られる酸化アルミニウムの層質量は好ましくは1.5〜5g/m2、特に好ましくは2〜4g/m2である。

0029

金属基材に、さらに、例えばアルカリ金属ケイ酸塩フッ化カルシウムジルコニウムヘキサフルオロケイ酸リン酸塩フッ化物ポリビニルホスホン酸ビニルホスホン酸コポリマー又はホスホン酸水溶液による後処理(いわゆる「シーリング」)を施すことができ、これにより基材の表面上に親水性化層(「中間層」とも呼ばれる)が提供される。本発明の好ましい実施態様によれば、基材は中間層を含まない。本発明の利点は、中間層なしの基材、すなわち疎水性コーティングに対する高い付着力を有する基材が、本発明に従って現像される場合に印刷機上でトーニングの問題がないということである。

0030

上記の基材の処理についての詳細は当業者によく知られている。

0031

ネガ型輻射線感受性要素
ネガ型コーティングは多くの文献に記載されており、例えば、ネガティブジアゾ樹脂に基づくUV感受性コーティングが欧州特許第0 752 430号明細書に記載されており、405nmに対して感受性のフォトポリマー層がドイツ国特許第103 07 451号明細書に記載されており、VISに対して感受性のフォトポリマー層が欧州特許第0 684 522号明細書に記載されており、IR感受性の重合可能な系がドイツ国特許第199 06 823号明細書に記載されており、ノボラックレゾールの酸により誘発される架橋に基づくIR感受性の系が欧州特許出願公開第625 728号明細書に記載されており、欧州特許出願公開第1 079 972号明細書には近IRに感受性のラジカルフォトポリマー系が記載されている。

0032

光重合(UV/VIS及びIR)
基材上に適用されたネガ型コーティングの1つのタイプは、(a)波長250〜1,200nmの輻射線を吸収してラジカル重合を開始することができる光開始剤及び増感剤共開始剤系から選ばれた少なくとも1種の吸収剤成分、(b)フリーラジカル重合性モノマーオリゴマー及び/又はプレポリマー、並びに、任意選択的に、(c)少なくとも1種の高分子バインダーを含む。

0033

吸収剤成分
輻射線感受性コーティングは、さらに、光開始剤及び増感剤/共開始剤系から選ばれた少なくとも1種の吸収剤成分を含む。

0034

この吸収剤成分は、後で画像形成中に使用される輻射線源が発する範囲において有意な吸収を行うことができるように選ばれ、好ましくは、吸収剤は、その範囲内で吸収極大を示す。そのため、輻射線感受性要素がIRレーザーによって画像形成される場合には、吸収剤は、基本的に、約750〜1,200nmの範囲内の輻射線を吸収するのがよく、好ましくは、その範囲において吸収極大を示す。一方、画像形成がUV/VIS線によって行われる場合、吸収剤は、基本的に、約250〜750nmの輻射線を吸収するのがよく、好ましくは、その範囲において吸収極大を示す。好適な光開始剤及び/又は増感剤が当業者に知られており、有意な吸収が望ましい波長範囲内で起こるかどうかを単純な試験(例えば吸収スペクトルの記録)により容易に求めることができる。

0035

本発明において、光開始剤は、露光されると輻射線を吸収することができ、そしてそれ自体が、すなわち共開始剤の添加無しに、フリーラジカルを形成することができる化合物である。UV又はVIS線を吸収する好適な光開始剤の例としては、1〜3つのCX3基を有するトリアジン誘導体(全てのXが独立に塩素又は臭素原子から選ばれ、好ましくは塩素原子である)、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物ベンゾインエーテルベンジルケタールオキシムエーテルオキシムエステル、α−ヒドロキシ−又はα−アミノ−アセトフェノンアシホスフィンアシルホスフィンオキシド、アシルホスフィンスルフィドメタロセン過酸化物などが挙げられる。好適なトリアジン誘導体の例としては、2−フェニル−4,6−ビストリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン及び2−[4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが挙げられる。好適なオキシムエーテル及びオキシムエステルは、例えばベンゾインから誘導されたものである。好ましいメタロセンは、例えば2つの5員シクロジエニル基、例えばシクロペンタジエニル基と、少なくとも1つのオルトフッ素原子及び任意選択的に1つのピリル基をも有する1つ又は2つ以上の6員芳香族基とを含むチタノセンであり、最も好ましいメタロセンは、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス−[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニル]チタニウム及びジシクロペンタジエン−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−チタニウム又はジルコニウムである。

0036

本発明において、1種の光開始剤、あるいは2種又は3種以上の光開始剤の混合物を使用することができる。

0037

光開始剤は、単独で、又は1種又は2種以上の共開始剤との組み合わせで使用することができ、共開始剤が添加されると、光開始の効果を増大させることができる。

0038

光開始剤の量は特に制限されないが、光開始剤が存在する場合、光開始剤の量は、乾燥層質量を基準として、好ましくは0.2〜25質量%、特に好ましくは0.5〜15質量%である。

0039

本発明において言及する増感剤は、露光されると輻射線を吸収することができるが、それ自体では、すなわち共開始剤の添加無しでは、フリーラジカルを形成することはできない化合物である。

0040

光酸化可能又は光還元可能であるか、或いは、それらの励起エネルギー受容体分子に移すことができる全ての光吸収化合物が、本発明における使用に適した増感剤である。このような色素の例としては、シアニン色素メロシアニン色素オキソノール色素ジアリールメタン色素、トリアリールメタン色素キサンテン色素クマリン誘導体ケトクマリン色素アクリジン色素フェナジン色素、キノキサリン色素、ピリリウム色素又はチアピリリウム色素、アザアヌレン色素(例えばフタロシアニン及びポルフィリン)、インディゴ色素、アントラキノン色素ポリアリーレンポリアリールポリエン、2,5−ジフェニルイソベンゾフラン、2,5−ジアリールフラン、2,5−ジアリールチオフラン、2,5−ジジアリールピロール、2,5−ジアリールシクロペンタジエン、ポリアリールフェニレン、ポリアリール−2−ピラゾリンカルボニル化合物、例えば芳香族ケトン又はキノン、例えばベンゾフェノン誘導体ミヒラーケトンチオキサントン誘導体アントラキノン誘導体、及びフルオレノン誘導体が挙げられる。

0041

式(I)のクマリン増感剤が、例えば、電磁スペクトルのUV範囲に好適である:

0042

0043

上記式中、
R1、R16、R17及びR18は、−H、ハロゲン原子、C1−C20アルキル、−OH、−O−R4及び−NR5R6から独立に選ばれ、R4はC1−C20アルキル、C5−C10アリール又はC6−C30アラルキル(好ましくはC1−C6アルキル)であり、R5及びR6は水素原子及びC1−C20アルキルから独立に選ばれ、
或いは、R1とR16、R16とR17、又はR17とR18が一緒になって、式(I)に示したフェニル環に隣接する一方又は両方の位置において、N及びOから選ばれたヘテロ原子を有する5又は6員複素環を形成しており、
或いは、R16又はR17は、その2つの隣接する置換基のそれぞれと一緒に、式(I)に示したフェニル環に隣接する一方又は両方の位置において、N及びOから選ばれたヘテロ原子を有する5又は6員複素環を形成しており、
形成されたそれぞれの5又は6員複素環は独立に1つ又は2つ以上のC1−C6アルキル基置換されていてもよく、
但し、R1、R16、R17及びR18のうちの少なくとも1つは、水素及びC1−C20アルキルとは異なり、
R2は、水素原子、C1−C20アルキル、C5−C10アリール又はC6−C30アラルキルであり、
R3は、水素原子であるか、あるいは−COOH、−COOR7、−COR8、−CONR9R10、−CN、C5−C10アリール、C6−C30アラルキル、又は5若しくは6員複素環の、任意選択的にベンゾ縮合型の基、基−CH=CH−R12、及び

0044

0045

から選ばれた置換基であり、
上記式中、R7はC1−C20アルキルであり、R8はC1−C20アルキル又は5若しくは6員複素環式基であり、R9及びR10は水素原子及びC1−C20アルキルから独立に選ばれ、R11はC1−C12アルキル又はアルケニル複素環式非芳香族環、又は任意選択的にO、S及びNから選ばれたヘテロ原子を有するC5−C20アリールであり、R12は、C5−C10アリール、又は5若しくは6員複素環式の、任意選択的に芳香族の環であり;
或いは、R2及びR3は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、5又は6員の、任意選択的に芳香族の環である。
これらは、例えば国際公開第2004/049068号に、より詳細に記載されている。

0046

さらに、国際公開第2004/074929号により詳細に記載されているような、式(II):

0047

0048

(上記式中、
Xは、複素環と共役した少なくとも1つのC−C二重結合を含むスペーサー基であり、
Y及びZは独立に、任意選択的に置換されていてもよい縮芳香環を表し、
V及びWはO、S及びNRから独立に選ばれ、Rは任意選択的にモノ置換又は多置換されていてもよいアルキル、アリール及びアラルキル基である)
により表されるビスオキサゾール誘導体及び類似体、並びに国際公開第2004/074930号により詳細に記載されているような式(III):

0049

0050

(上記式中、
各R1、R2及びR3は、ハロゲン原子、任意選択的に置換されていてもよいアルキル基、縮合されてもよい任意選択的に置換されていてもよいアリール基、任意選択的に置換されていてもよいアラルキル基、基−NR4R5及び基−OR6から独立に選ばれ、
ここで、R4及びR5は水素原子、アルキル、アリール又はアラルキル基から独立に選ばれ、
R6は、任意選択的に置換されていてもよいアルキル、アリール若しくはアラルキル基又は水素原子であり、k、m及びnは独立に0又は整数1〜5である)
により表されるオキサゾール化合物がUV範囲に適する。

0051

国際公開第2004/111731号に記載された式(IV)の1,4−ジヒドロピリジン化合物は、UV範囲に適する別の部類の増感剤の例である:

0052

0053

上記式中、
R1は、水素原子、−C(O)OR7、任意選択的に置換されていてもよいアルキル基、任意選択的に置換されていてもよいアリール基、及び任意選択的に置換されていてもよいアラルキル基から選ばれ、
R2及びR3は任意選択的に置換されていてもよいアルキル基、任意選択的に置換されていてもよいアリール基、CN及び水素原子から独立に選ばれ、
R4及びR5は−C(O)OR7、−C(O)R7、−C(O)NR8R9及びCNから独立に選ばれ、
又は、R2及びR4は一緒になって、任意選択的に置換されていてもよいフェニル環又は5〜7員炭素環若しくは複素環を形成し、ここで、単位

0054

0055

は、ジヒドロピリジン環の5位に隣接して炭素環式又は複素環式環内に存在し、当該炭素環式又は複素環式環は任意選択的に追加の置換基を含んでいてもよく、
又は、R2及びR4、並びにR3及びR5の両方は、任意選択的に置換されていてもよいフェニル環又は5〜7員炭素環若しくは複素環を形成し、ここで、単位

0056

0057

は、ジヒドロピリジン環の3及び5位に隣接して炭素環式又は複素環式環内に存在し、当該炭素環式又は複素環式環は任意選択的に追加の置換基を含んでいてもよく、
又は、R2/R4対、及びR3/R5対のうちの一方が、5〜7員炭素環式又は複素環式環を形成し、ここで、単位

0058

0059

は、ジヒドロピリジン環の5又は3位に隣接して炭素環式又は複素環式環内に存在し、当該炭素環式又は複素環式環は任意選択的に追加の置換基を含んでいてもよく、他方の対は、任意選択的に置換されていてもよいフェニル環を形成し、
或いは、R2及びR1、又はR3及びR1が、任意選択的に1つ又は2つ以上の置換基を含んでいてもよい5〜7員複素環式環を形成し、当該複素環式環は、1,4−ジヒドロピリジン環と共有する窒素原子に加えて、任意選択的に、追加の窒素原子、−NR13基、−S−又は−O−を含んでいてもよく、
R13は、水素原子、アルキル基、アリール基及びアラルキル基から選ばれ、
R6は、任意選択的にハロゲン原子又は−C(O)基で置換されていてもよいアルキル基、任意選択的に置換されていてもよいアリール基、任意選択的に置換されていてもよいアラルキル基、任意選択的に置換されていてもよい複素環式基、及び基

0060

0061

(Yはアルキレン又はアリーレン基である)から選ばれ、
R7は、水素原子、アリール基、アラルキル基又はアルキル基であり、アルキル基及びアラルキル基のアルキル単位は、任意選択的に、1つ又は2つ以上のC−C二重結合及び/又はC−C三重結合を含み、
R8及びR9は、水素原子、任意選択的に置換されていてもよいアルキル基、任意選択的に置換されていてもよいアリール基、及び任意選択的に置換されていてもよいアラルキル基から独立に選ばれる。

0062

式(V)、(VI)、(VII)、及び(VIII)の増感剤も、UV感光性要素に適する。これらの増感剤は、30μm(及びより低い)FMスクリーニング(FM=周波数変調型)によって画像形成される版に特に適する:

0063

0064

(上記式中、

0065

0066

は、独立に芳香族又は複素芳香族単位を表し、
各R1及びR2は、ハロゲン原子、アルキル、アリール若しくはアラルキル基、基−NR4R5又は基−OR6から独立に選ばれ、
R4、R5及びR6はアルキル、アリール及びアラルキル基から独立に選ばれ、
nは、少なくとも2の整数であり、
k及びmは独立に0又は1〜5の整数を表す);

0067

0068

(上記式中、

0069

0070

は、共役π系が構造(I)内の2つの基Zの間に存在するような芳香族若しくは複素芳香族単位又はこれら2つの単位の組み合わせであり、
各Zは独立に、スペーサーASと共役系とを連結するヘテロ原子を表し、
各R1及びR2は、ハロゲン原子、アルキル、アリール、アルキルアリール若しくはアラルキル基、基−NR3R4又は基−OR5から独立に選ばれ、
各R3、R4及びR5は、アルキル、アリール、アルキルアリール及びアラルキル基から独立に選ばれ、
a及びbは独立に0又は1〜4の整数を表し、
nは1を超える値であり、
ASは脂肪族スペーサーである)
(ドイツ国特許10 2004 055 733号においてより詳細に説明されている);

0071

0072

(上記式中、
XはO、S及びSeから選ばれ;
nは0又は正の整数を表し;
m、p及びqは独立に0又は正の整数であり;
π単位

0073

0074

は独立に、それぞれが共役π電子系を有する不飽和単位であり、これらの不飽和単位は、複素環式単位

0075

0076

共有結合されており、この単位と一緒にさらに共役π電子系を形成し、
各R1、R2及びR3基は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、基−NR4R5及び基−OR6から独立に選ばれ、
R4、R5及びR6は、アルキル基、アリール基及びアラルキル基から独立に選ばれる)
(ドイツ国特許10 2004 022 137号においてより詳細に説明されている);

0077

0078

(上記式中、
R1及びR2基は、水素、非置換及び置換アリール、非置換及び置換ヘテロアリール、並びに非置換及び置換アルキルから成る群から独立に選ばれ、前記アリール又はヘテロアリールは、5員又は6員N−ヘテロアリール環を形成するようにR3及びR4に結合しているか、又はR3及びR4に結合されておらず;但し、基R1及びR2のうちの少なくとも一方が非置換及び置換アリール又はヘテロアリール基であることを条件とし;
或いは、R1及びR2は、それらが結合している窒素原子と一緒に、1つ又は2つ以上の縮合ベンゼン環を呈するか又は縮合ベンゼン環を呈さないN−ヘテロアリール基を形成し;
R3及びR4基は、水素、CN、ハロゲン、非置換及び置換アルキル、アラルキル、アルキルアリール及びアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2、NR2、NR3+、及び−PO3R2から成る群から独立に選ばれ、各Rは、H、アルキル、アリール、アラルキル及びアルキルアリールから選ばれ、或いは、R3又はR4は、5員又は6員N−ヘテロアリール環を形成するように、R1又はR2により表されるアリール又はヘテロアリール基に結合され;
R5及びR6基は、水素、CN、ハロゲン、非置換及び置換アルキル、アラルキル、アルキルアリール及びアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2、NR2、NR3+、及び−PO3R2から成る群から独立に選ばれ、各Rは、H、アルキル、アリール、アラルキル及びアルキルアリールから成る群から選ばれ、或いは、R3及びR4がそれぞれR1及びR2に結合されていない場合には、R5とR3、及び/又は、R6とR4は、5員又は6員縮合芳香族環を形成し;
R7及びR8基は、水素、CN、ハロゲン、非置換及び置換アルキル、アルキルアリール、アラルキル、及びアリールから成る群から独立に選ばれ;
nは0、1及び2から選ばれ;
ZはO、S、Se又はNRを表し、Rは、水素、アルキル、アリール、アラルキル及びアルキルアリールから成る群から選ばれ;
R9〜R12基は、水素、ハロゲン、CN、非置換及び置換アルキル、アラルキル、アルキルアリール及びアリール、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、−COOR、−SOR、−SO2R、−SO3R、−NO2、NR2、NR3+、及び−PO3R2から成る群から独立に選ばれ、各Rは、H、アルキル、アリール、アラルキル、及びアルキルアリールから成る群から選ばれ、但し、R9〜R12基のうちの少なくとも1つが、少なくとも55Å3のファンンデルワール容積を有する嵩高い基であることを条件とする)。

0079

輻射線感受性要素が可視光レーザーダイオードで露光される場合、国際公開第03/069411号に記載されたシアノピリドン誘導体が、例えば増感剤として適する。

0080

IR感受性要素の場合、増感剤は、例えば、カーボンブラックフタロシアニン顔料染料、及びポリチオフェンスクアリリウム、チアゾリウムクロコネート、メロシアニンシアニンインドリジン、ピリリウム又は金属ジチオリンの部類の顔料/染料から、特に好ましくはシアニンの部類から選ばれる。例えば米国特許第6,326,122号明細書の表1において述べられた化合物が、好適なIR吸収剤である。更なる例は、米国特許第4,327,169号明細書、米国特許第4,756,993号明細書および米国特許第5,156,938号明細書、国際公開第00/29214号、米国特許第6,410,207号明細書、及び欧州特許出願公開第1 176 007号明細書に見いだすことができる。

0081

一実施態様によれば、式(IX):

0082

0083

のシアニン色素が使用される。ここで、各Z1は独立に、S、O、NRa又はC(アルキル)2を表し;
各R’は独立に、アルキル基、アルキルスルホネート基又はアルキルアンモニウム基を表し;
R''はハロゲン原子、SRa、ORa、SO2Ra又はNRa2を表し;
各R'''は独立に、水素原子、アルキル基、−COORa、ORa、−SRa、−NRa2、又はハロゲン原子を表し;R'''はベンゾ縮合環であってもよく;
A-はアニオンを表し;
Rb及びRcは両方とも水素原子を表すか、或いはこれらが結合している炭素原子と一緒に炭素環式5員又は6員環を形成しており;
Raは、水素原子、アルキル又はアリール基を表し;
各bは独立に、0、1、2又は3である。

0084

R’がアルキルスルホネート基を表す場合、アニオンA-が必要でないように内部塩を形成することができる。R’がアルキルアンモニウム基を表す場合、A-と同じ又はA-とは異なる第2の対イオンが必要である。

0085

式(IX)のIR染料のうち、対称的な構造を有する染料が特に好ましい。特に好ましい染料の例としては:
2−[2−[2−フェニルスルホニル−3−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]−エテニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムクロリド
2−[2−[2−チオフェニル−3−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]−エテニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムクロリド、
2−[2−[2−チオフェニル−3−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロペンテン−1−イル]−エテニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムトシレート
2−[2−[2−クロロ−3−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−ベンゾ[e]−インドール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]−エテニル]−1,3,3−トリメチル−1H−ベンゾ[e]−インドリウムトシレート、及び
2−[2−[2−クロロ−3−[2−エチル−(3H−ベンズチアゾール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]−エテニル]−3−エチル−ベンズチアゾリウムトシレート
が挙げられる。

0086

下記化合物も、本発明に好適のIR吸収剤である:

0087

0088

0089

0090

0091

0092

0093

0094

本発明において、1種の増感剤、或いは2種又は3種以上の増感剤の混合物を使用することができる。
増感剤は1種又は2種以上の共開始剤と組み合わせて使用される。さらに、光開始剤を使用することができるが、これは好ましくない。
増感剤の量は特に制限されないが、増感剤が存在する場合には、増感剤の量は、乾燥層質量を基準として、好ましくは0.2〜15質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%である。光開始剤及び増感剤の両方がコーティング中に存在する場合には、これらの総量は、乾燥層質量を基準として、好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜15質量%である。

0095

本発明において言及する共開始剤は、露光されると本質的に吸収することができないが、しかし、本発明において使用される輻射線吸収増感剤と一緒にフリーラジカルを形成する化合物である。共開始剤は、例えば、オニウム化合物、例えばオニウムカチオンヨードニウム(例えばトリアリールヨードニウム塩)、スルホニウム(例えばトリアリールスルホニウム塩)、ホスホニウムオキシスルホキソニウム、オキシスルホニウム、スルホキソニウム、アンモニウムジアゾニウムセレノニウム、アルノニウム、及びN−置換N−複素環式オニウムカチオン(Nは、任意選択的に置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールで置換されている)から選ばれたもの;N−アリールグリシン及びこれらの誘導体(例えばN−フェニルグリシン);芳香族スルホニルハロゲン化物トリハロメチルアリールスルホンイミド、例えばN−ベンゾイルオキシフタルイミドジアゾスルホネート;9,10−ジヒドロアントラセン誘導体;少なくとも2つのカルボキシ基を有し、それらのカルボキシ基のうちの少なくとも1つがアリール単位窒素、酸素又は硫黄原子に結合されているN−アリール、S−アリール又はO−アリールポリカルボン酸(例えばアニリン二酢酸及びその誘導体、及び米国特許第5,629,354号明細書に記載された他の共開始剤):ヘキサアリールビイミダゾールチオール化合物(例えばメルカプトベンゾチアゾールメルカプトベンゾイミダゾール及びメルカプトトリアゾール);1〜3つのCX3基を有する1,3,5−トリアジン誘導体(全てのXが塩素又は臭素原子から独立に選ばれ、好ましくは塩素原子である)、例えば2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン及び2−[4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン;オキシムエーテル及びオキシムエステル、例えばベンゾインから誘導されたもの;メタロセン(好ましくはチタノセン、特に好ましくは、2つの5員シクロジエニル基、例えばシクロペンタジエニル基と、少なくとも1つのオルトフッ素原子及び任意選択的にピリル基をも有する1つ又は2つ以上の6員芳香族基とを含むチタノセン、例えばビス(シクロペンタジエニル)−ビス−[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニル]チタニウム及びジシクロペンタジエン−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−チタニウム又はジルコニウム);アシルホスフィンオキシド、ジアシルホスフィンオキシド及びジアシルホスフィンペルオキシド(例えば有機過酸化物のタイプのアクチベータとして欧州特許出願公開第1 035 435号明細書に列挙されたもの)、α−ヒドロキシ又はα−アミノアセトフェノン、アシルホスフィン、アシルホスフィンスルフィド、カルボニル化合物、例えば芳香族ケトン又はキノン、例えばベンゾフェノン誘導体、ミヒラーケトン、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、並びにフルオレノン誘導体から選ばれる。

0096

好適な2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサアリールビイミダゾール(以下、単にヘキサアリールビイミダゾールと呼ぶ)は、下記式(X)によって表される:

0097

0098

上記式中、A1〜A6は、互いに同じ又は異なる置換又は非置換C5−C20アリール基であり、当該基の環内において、1つ又は2つ以上の炭素原子は、任意選択的に、O、N及びSから選ばれたヘテロ原子によって置換されていてもよい。アリール基のための好適な置換基は、トリアリールイミダゾリルラジカルへの光誘解離を妨げない置換基、例えばハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素ヨウ素)、−CN、C1−C6アルキル(任意選択的に、ハロゲン原子、−CN及び−OHから選ばれた1つ又は2つ以上の置換基を含んでいてもよい)、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、(C1−C6アルキル)スルホニルである。

0099

好ましいアリール基は、置換及び非置換フェニルビフェニルナフチルピリジルフリル及びチエニル基である。特に好ましいのは、置換及び非置換フェニル基であり、特に好ましいのは、ハロゲン置換フェニル基である。

0100

例としては:
2,2’−ビス(ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール
2,2’−ビス(p−カルボキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジメトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−エトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(m−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ヘキソキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ヘキシルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス[m−(ベータフェノキシ−エトキシフェニル)]ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−メトキシフェニル)−4,4’−ビス(o−メトキシフェニル)−5,5’−ジフェニルビイミダゾール
2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−フェニルスルホニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(p−スルファモイルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,5−トリメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−4−ビフェニリル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−1−ナフチル−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ジ−9−フェナントリル−4,4’,5,5’−テトラキス(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ジフェニル−4,4’,5,5’−テトラ−4−ビフェニリルビイミダゾール、
2,2’−ジフェニル−4,4’,5,5’−テトラ−2,4−キシリルビイミダゾール、
2,2’−ジ−3−ピリジル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−3−チエニル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−o−トリル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−p−トリル−4,4'−ジ−o−トリル−5,5’−ジフェニルビイミダゾール、
2,2’−ジ−2,4−キシリル−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサキス(p−フェニルチオフェニル)ビイミダゾール、
2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサ−1−ナフチルビイミダゾール、
2,2’,4,4’,5,5’−ヘキサフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−ニトロ−5−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、及び
2,2’−ビス(2−クロロ−5−スルホフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
が挙げられ、特に好ましいのは、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、又は
2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール
であるが、本発明は、これらの化合物に制限されるものではない。

0101

好適なヘキサアリールビイミダゾールは、周知の方法(例えば米国特許第3,445,232号明細書参照)に従って調製することができる。好ましいプロセスは、アルカリ溶液中で、対応するトリアリールイミダゾールを、鉄−(III)−ヘキサシアノフェレート(II)で酸化二量化することである。

0102

ヘキサアリールビイミダゾール異性体(又は異性体の混合物)を使用する(例えば1,2’−、1,1’−、1,4’−、2,2’−、2,4’−、及び4,4’−異性体)ことは、これが光解離性であり、且つプロセスにおいてトリアリールイミダゾリル・フリーラジカルを提供する限り、本発明の目的には支障ない。

0103

共開始剤として適するトリハロゲンメチル化合物は、フリーラジカルを形成することができる。トリハロゲンメチル置換トリアジン及びトリハロゲンメチル−アリールスルホンが好ましい。下記のものを例として挙げることができる(本発明はこれらの化合物に限定されない):
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス−(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2,4,6−トリス−(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2,4,6−トリス−(トリブロモメチル)−s−トリアジン、及び
トリブロモメチルフェニルスルホン

0104

多くの共開始剤が、吸収帯内で露光されたときに光開始剤として機能することもできる。このように、光開始剤又は増感剤は長波長スペクトル範囲(IR及び/又は可視範囲)を対象とし、そして共開始剤は短波長スペクトル範囲(例えばUV範囲)を対象とするので、例えば幅広いスペクトル範囲にわたって感光性である感光性層を得ることができる。この効果は、消費者が種々異なる輻射線源で同じ材料を照射することを望む場合には、有利であり得る。この場合、共開始剤は、IR又は可視範囲に対しては、上記定義の意味における実際の共開始剤として機能する一方、UV範囲に対しては光開始剤として機能する。

0105

本発明において、1種の共開始剤、又は共開始剤の混合物を使用することができる。
共開始剤の量は特に制限されないが、乾燥層質量を基準として、好ましくは0.2〜25質量%、特に好ましくは0.5〜15質量%である。
IR感受性コーティングに対して好適な増感剤及び共開始剤の更なる例は、国際公開第2004/041544号、国際公開第2000/48836号、及びドイツ国特許第10 2004 003143号にも記載されている。

0106

フリーラジカル重合性成分
少なくとも1つのC−C二重結合を含む全てのモノマー、オリゴマー及びポリマーをラジカル重合性モノマー、オリゴマー及びポリマーとして使用することができる。C−C三重結合を有するモノマー/オリゴマー/ポリマーも使用できるが、これらは好ましくない。当業者には好適な化合物がよく知られており、これらを本発明において、いかなる特別な制限なしに使用できる。モノマー、オリゴマー又はプレポリマーの形態にある、1つ又は2つ以上の不飽和基を有するアクリル酸及びメタクリル酸イタコン酸クロトン酸イソクロトン酸マレイン酸及びフマル酸エステルが好ましい。これらは固体又は液体の形態で存在してよく、固体及び高粘性形態が好ましい。モノマーとして適する化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート及びトリメタクリレートペンタエリトリトールトリアクリレート及びトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレート及びペンタメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート及びヘキサメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート及びテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート及びテトラメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレートトリエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレート、又はテトラエチレングリコールジアクリレート及びジメタクリレートが挙げられる。好適なオリゴマー及び/又はプレポリマーは、例えばウレタンアクリレート及びメタクリレート、エポキシドアクリレート及びメタクリレート、ポリエステルアクリレート及びメタクリレート、ポリエーテルアクリレート及びメタクリレート、又は不飽和ポリエステル樹脂である。モノマー及び/又はオリゴマーに加えて、主鎖又は側鎖中にラジカル重合性C−C二重結合を含むポリマーを使用することもできる。その例としては、無水マレイン酸オレフィンコポリマーヒドロキシアルキルメタ)アクリレートとの反応生成物(例えばドイツ国特許第4 311 738号明細書参照);アリルアルコールで部分又は完全エステル化された(メタ)アクリル酸ポリマー(例えばドイツ国出願公開第3 332 640号明細書参照);高分子ポリアルコールイソシアナト(メタ)アクリレートとの反応生成物;不飽和ポリエステル;(メタ)アクリレート末端ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド;フリーラジカル重合性基を含むエポキシドで部分又は完全エステル化された(メタ)アクリル酸ポリマー;及び、例えば、アリル(メタ)アクリレートの重合(任意選択的に更なるコモノマーと)により得ることができるアリル側鎖を有するポリマーが挙げられる。

0107

本発明において使用することができるラジカル重合性化合物としては、分子量3,000以下であり、ジイソシアネートを、(i)1つのヒドロキシ基を有するエチレン系不飽和化合物と、そして同時に(ii)1つのNH基及び1つのOH基を有する飽和有機化合物と反応させることにより得られる反応生成物である化合物が挙げられる。反応物質は下記条件:
イソシアネート基モル数≦OH基プラスNH基のモル数
に基づく量で使用される。

0108

ジイソシアネートの例は下記式によって表され:

0109

0110

上記式中、a及びbは独立に0又は整数1〜3を表し、各R9はH及びC1−C3アルキルから独立に選ばれ、Dは、任意選択的に2つのイソシアネート基に加えて更なる置換基を含むことができる飽和又は不飽和スペーサーである。Dは鎖状又は環状の単位であることが可能である。本発明において使用される「ジイソシアネート」という用語は、2つのイソシアネート基を含むがOH基を含まず、また第2級及び第1級アミノ基も含まない有機化合物を意味する。

0111

Dは例えばアルキレン基(CH2)wであることが可能であり、ここで、wは整数1〜12、好ましくは1〜6であり、1つ又は2つ以上の水素原子は、任意選択的に、置換基、例えばアルキル基(好ましくはC1−C6)、シクロアルキレン基、アリーレン基、あるいは、飽和又は不飽和複素環式基で置換されていてもよい。

0112

ヒドロキシ基を含むエチレン系不飽和化合物(i)は、末端基であることが好ましい少なくとも1つの非芳香族C−C二重結合を含む。ヒドロキシ基は、好ましくは、二重結合炭素原子に結合しておらず、ヒドロキシ基はカルボキシ基の部分ではない。1つのOH基に加えて、エチレン系不飽和化合物(i)は、イソシアネートと反応することができる更なる官能基、例えばNHを含まない。

0113

エチレン系不飽和化合物(i)の例としては、ヒドロキシ(C1−C12)アルキル(メタ)アクリレート(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−、3−又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート)、ヒドロキシ(C1−C12)アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、2−、3−又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド)、オリゴマー又はポリマーのエチレングリコール又はプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート)、アリルアルコール、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ(C1−C12)アルキルスチレン(例えば4−ヒドロキシメチルスチレン)、4−ヒドロキシスチレンヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。

0114

発明全体を通して使用される「(メタ)アクリレート」という用語は、メタクリレート及びアクリレートの両方などを意味することを示す。
飽和有機化合物(ii)は、1つのOH基及び1つのNH基を有する化合物である。
飽和有機化合物(ii)は、例えば下記式(XII)又は(XIII)により表すことができる。

0115

0116

0117

上記式中、R10は直鎖(好ましくはC1−C12、特に好ましくはC1−C4)、分岐(好ましくはC3−C12、特に好ましくはC3−C6)、又は環状(好ましくはC3−C8、特に好ましくはC5−C6)のアルキル基であり、
Eは、直鎖(好ましくはC1−C6、特に好ましくはC1−C2)、分岐(好ましくはC3−C12、特に好ましくはC3−C6)、又は環状(好ましくはC3−C8、特に好ましくはC5−C6)のアルキレン基であり、

0118

0119

は、任意選択的に上記窒素原子に加えてS、O及びNR12から選ばれた別のヘテロ原子を含んでいてもよい環原子数5〜7の飽和複素環式環を表し、ここで、R12は、任意選択的にOH基で置換されていてもよいアルキル基であり、
R11は、OH、又はOH基で置換された直鎖、分岐又は環状アルキル基であり、
複素環がNR12を含み、且つ、R12がOHで置換されたアルキル基である場合にはz=0であり、
飽和複素環がNR12を含んでいない場合、又は飽和複素環がNR12を含み、且つR12が非置換アルキル基である場合にはz=1である。

0120

イソシアネート基のモル数は、OH基とNH基との合計モル数を超えてはならない。なぜなら、生成物は、これ以上遊離イソシアネート基を含むべきではないからである。
さらなる好適なC−C不飽和ラジカル重合性化合物は、欧州特許出願公開第1 176 007号明細書に記載されている。

0121

異なる種類のモノマー、オリゴマー又はポリマーを混合物で使用することがもちろん可能であり、さらに、モノマー及びオリゴマー及び/又はポリマーの混合物、並びにオリゴマーとポリマーとの混合物を、本発明において使用することもできる。
ラジカル重合性成分は好ましくは、乾燥層質量を基準として、5〜95質量%、特に好ましくは10〜85質量%の量で使用される。

0122

バインダー
好適なバインダーは、水性アルカリ性現像液中に可溶性又は分散性のポリマー/コポリマー、例えばノボラック及びレゾールなどのフェノール樹脂、並びに(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド及び(メタ)アクリルアミドなどのコポリマーである(ドイツ国特許第199 36 331号参照)。

0123

さらなる好適なバインダーは「反応性バインダー」、すなわち、ラジカル重合性基を含む側鎖を有するポリマーバインダーである。例えば、反応性側基は、アクリルメタクリル、スチリル、アリル、及びこれらのうちの2種又は3種以上のものの混合物から選ばれる。ポリマー主鎖は限定されることはなく、例えば、アクリル主鎖、メタクリル主鎖、アセタール主鎖、ウレタン主鎖及びスチレン主鎖から選ばれ、前述のコポリマーも可能である。好適な反応性バインダーが、多くの特許出願、例えば国際公開第2004/014652号、国際公開第89/06659号、ドイツ国特許出願公開第29 03 270号明細書、国際公開第95/12147号、欧州特許第410 242号明細書、及び米国特許第4,035,321号明細書に開示されている。
バインダーの総量は、乾燥層質量を基準として、好ましくは5〜95質量%、特に好ましくは10〜85質量%である。

0124

ネガ型ジアゾ系(UV感受性)
基材上に適用される別のタイプのネガ型UV感光性コーティングは、ジアゾニウム重縮合生成物を含む。
当業者に知られたジアゾニウム重縮合生成物をジアゾニウム重縮合生成物として使用することができる。かかる縮合生成物は、例えば、欧州特許出願公開第0 104 863号明細書に記載されたジアゾモノマーを、縮合剤、例えばホルムアルデヒドアセトアルデヒドプロピオンアルデヒドブチルアルデヒドイソブチルアルデヒド又はベンズアルデヒドと縮合することにより、公知の方法に従って調製することができる。さらに、ジアゾニウム塩単位に加えて、感光性ではなくしかも縮合性化合物、特に芳香族アミンフェノール類フェノールエーテル、芳香族チオールエーテル、芳香族炭化水素芳香族複素環式化合物及び有機酸アミドから誘導された他の単位をも含む共重縮合生成物が使用される。ジアゾニウム重縮合生成物の特に都合の良い例としては、ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩(任意選択的に、ジアゾ基を有しているフェニル基メトキシ基を含んでいてもよい)と、ホルムアルデヒド又は4,4’−ビスメトキシメチルジフェニルエーテルとの反応生成物が挙げられる。芳香族スルホネート、例えば4−トリルスルホネート又はメシチレンスルホネート、テトラフルオロボレートヘキサフルオロホスフェートヘキサフルオロアンチモネート、及びヘキサフルオロアルセネートが、これらのジアゾ樹脂のアニオンとして特に適する。ジアゾニウム重縮合生成物は、好ましくは、感光性組成物中に3〜60質量%の量で存在する。

0125

ネガ型輻射線感受性コーティング中に、ジアゾニウム重縮合生成物と上記UV感光性のフリーラジカル重合可能な系とのハイブリッド系を使用することもできる。

0126

このような系に好適なバインダーは、水性アルカリ性現像液中に可溶性又は分散性のポリマー/コポリマー、例えばノボラック及びレゾールなどのフェノール樹脂、並びに(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド及び(メタ)アクリルアミドのコポリマーである(ドイツ国特許第199 36 331参照)。バインダーの総量は、乾燥層質量を基準として、好ましくは5〜95質量%、特に好ましくは10〜85質量%である。

0127

単層ネガ型IR感受性要素
別のタイプのネガ型単層IR感受性要素は、基材上の輻射線感受性層が、IR線への暴露によって水性アルカリ現像液中に不溶性になるか又は水性アルカリ性現像液が浸透できないものとなり、
(i)加熱により酸を形成する少なくとも1種の化合物(以下、「潜伏性ブレンステッド酸」とも呼ぶ)、及び
(ii)酸により架橋可能な成分(以下、「架橋剤」とも呼ぶ)又はそれらの混合物、並びに
(iii)少なくとも1種のIR吸収剤、
を含む要素である。
この原理に基づく系は、例えば欧州特許第0 625 728号明細書及び欧州特許第0 938 413号明細書に記載されている。
IR範囲(750超〜1,200nm)からの輻射線を吸収する全ての上記増感剤をIR吸収剤として使用することもできる。

0128

イオン性及び非イオン性ブレンステッド酸を、潜伏性ブレンステッド酸として使用することができる。イオン性潜伏性ブレンステッド酸の例としては、オニウム塩、特にヨードニウム、スルホニウム、オキシスルホキソニウム、オキシスルホニウム、ホスホニウム、セレノニウム、テルロニウム、ジアゾニウム及びアルソニウム塩が挙げられる。具体例は、ジフェニルヨードニウム−ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム−ヘキサフルオロアンチモネート、フェニルメチル−オルト−シアノベンジルスルホニウム−トリ−フルオロメタンスルホネート及び2−メトキシ−4−アミノフェニル−ジアゾニウム−ヘキサフルオロホスフェートである。
非イオン性潜ブレンステッド酸の例としては、RCH2X、RCHX2、RCX3、R(CH2X)2、及びR(CH2X)3が挙げられ、ここで、Xは、Cl、Br、F又はCF3SO3を表し、Rは芳香族基脂肪族基、又は芳香族脂肪族基である。
式:

0129

0130

により表されるイオン性潜伏性ブレンステッド酸も好適である。Xがヨウ素を表す場合には、R1c及びR1dは遊離電子対であり、R1a及びR1bはアリール基又は置換アリール基であり、
XがS又はSeを表す場合には、R1dは遊離電子対であり、R1a、R1b及びR1cは、アリール基、置換アリール基、脂肪族基又は置換型脂肪族基から独立に選ばれ、
XがP又はAsを表す場合には、R1dはアリール基、置換アリール基、脂肪族基又は置換脂肪族基であることが可能であり、
Wは、BF4、CF3SO3、SbF6、CCl3CO2、ClO4、AsF6又はPF6から選ばれる。

0131

C1−C5−アルキルスルホネート、アリールスルホネート(例えばベンゾイントシレート、2−ヒドロキシメチルベンゾイントシレート及び2,6−ジニトロベンジルトシレート)及びN−C1−C5−アルキル−スルホニルスルホンアミド(例えばN−メタンスルホニル−p−トルエン−スルホンアミド及びN−メタンスルホニル−2,4−ジメチルベンゼン−スルホンアミド)も好適である。
具体的な好適なオニウム化合物は、例えば米国特許第5,965,319号明細書において、式(I)〜(III)として詳細に挙げられている。
潜伏性ブレンステッド酸は好ましくは、乾燥層質量を基準として、0.5〜50質量%、特に好ましくは3〜20質量%の量で使用される。

0132

架橋剤は、例えば、レゾール、C1−C5−アルコキシメチルメラミン、C1−C5−アルコキシメチルグリコルリル樹脂、ポリ(C1−C5−アルコキシ−メチル−スチレン)、及びポリ(C1−C5−アルコキシメチルアクリルアミド)、エポキシ化ノボラック樹脂、及び尿素樹脂から選ばれた樹脂であることが可能である。特に、芳香族環に結合された、ヒドロキシメチル、アルコキシメチル、エポキシ及びビニルエーテル基から選ばれた少なくとも2つの基を分子内に含む化合物を架橋剤として使用することができ、これらのうち、米国特許第5,965,319号明細書の第31〜37欄に挙げられているように、ベンゼン環に結合された、ヒドロキシメチル及びアルコキシメチル基から選ばれた少なくとも2つの基を有し、ベンゼン環数が3〜5であり、分子量1,200以下であるフェノール誘導体が好ましい。

0133

架橋剤は好ましくは、乾燥層質量を基準として、5〜90質量%、特に好ましくは10〜60質量%の量で使用される。
このタイプの輻射線感受性層は、例えばアルカリ可溶性又は分散性(コ)ポリマー、例えばノボラック、アセトンピロガロール樹脂ポリヒドロキシスチレン、及び米国特許第5,965,319号明細書に成分(C)として挙げられているようなヒドロキシスチレン−N−置換型マレイミド−コポリマー、米国特許第5,919,601号明細書にバインダー樹脂として記載されているようなポリマー、及びドイツ国特許第199 36 331に記載されているようなコポリマーから選ばれたバインダーを含有することができる。
好ましくは、バインダーは、乾燥層質量を基準として、5〜95質量%、特に好ましくは5〜60質量%の量で存在する。
原理的には、例えば米国特許第5,919,601号明細書及び国際公開第00/17711号に記載されているような、公知の、単層構造を有するIR感受性要素を、本発明に従って処理することができる。

0134

ポジ型輻射線感受性要素
UV感受性
ポジ型UV要素は、例えば、米国特許第4,594,306号明細書に記載されているように、キノンジアジド(好ましくは、ナフトキノンジアジド)及びノボラックを基剤とすることができる。
このようなコーティングに好適なバインダーは、例えば、水性アルカリ性現像液中に可溶性又は分散性のポリマー/コポリマー、例えばノボラック及びレゾールなどのフェノール樹脂、並びに(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド及び(メタ)アクリルアミドのコポリマーである(ドイツ国特許第199 36 331参照)。バインダーの総量は、乾燥層質量を基準として、好ましくは5〜95質量%、特に好ましくは10〜85質量%である。

0135

IR感受性
ポジ型IR感受性要素の多くの例があり、これらは2つの群、すなわち1つの層を有する要素と、2つの層を有する要素とに分けることができる。

0136

単層版
通常、単層ポジ型IR感受性要素は、
(a)任意選択的に前処理された基材、
(b)ポジ型感熱性層であって、
(i)水性アルカリ性現像液中に可溶性の少なくとも1種のポリマー、例えばノボラック樹脂
(ii)現像液可溶性ポリマー(例えばノボラック)の水性アルカリ現像液溶解度を低減(前記溶解度低減は加熱されると逆転される)する少なくとも1種の成分(「不溶化剤」)、及び
(iii)任意選択的にIR吸収剤(すなわち、IR線を吸収し、それを熱に変換する化合物)
を含むポジ型感熱性層、
を含み、上記成分(i)及び(ii)は別個物質として存在する必要はなく、相応官能化されたノボラックの形態で使用することができる。不溶化剤としても作用するIR吸収剤を使用することも可能である。このような単層IR感受性ポジ型要素は、例えば欧州特許第825 927号明細書に記載されている。

0137

水性アルカリ性現像液中に可溶性のポリマーとしては、ヒドロキシルカルボン酸、アミノ、アミド及びマレイミド基を有するポリマーを例えば使用することができる。特に、これらの化合物としては、フェノール樹脂、4−ヒドロキシスチレンと3−メチル−4−ヒドロキシスチレン又は4−メトキシスチレンとのコポリマー、(メタ)アクリル酸とスチレンとのコポリマー、マレイミドとスチレンとのコポリマー、ヒドロキシ又はカルボキシ官能化セルロース、無水マレイン酸とスチレンとのコポリマー、及び無水マレイン酸の部分加水分解ポリマーが挙げられる。フェノール酸、特にノボラックが、特に好ましい。

0138

好適なノボラック樹脂は、フェノール、例えばフェノール自体、C−アルキル置換フェノールクレゾールキシレノール、p−tert−ブチルフェノールp−フェニルフェノール及びノニルフェノールなど)、及びジフェノール(例えばビスフェノールA)と、好適なアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びフルフルアルデヒドとの縮合生成物である。触媒のタイプ及び反応物質のモル比は、分子構造、ひいては樹脂の物理的特性を決定する。「ノボラック」として知られ、そして熱可塑特性を有するフェノール樹脂を生成するために、約0.5:1〜1:1、好ましくは0.5:1〜0.8:1のアルデヒド/フェノール比、及び酸触媒が使用される。しかしながら、本出願において使用される「ノボラック樹脂」という用語は、より高いアルデヒド/フェノール比で、またアルカリ触媒の存在において得られる「レゾール」として知られるフェノール樹脂も含むものとする。

0139

乾燥層質量を基準として、ノボラック樹脂は好ましくは、少なくとも40質量%、より好ましくは少なくとも50質量%、さらにより好ましくは少なくとも70質量%、及び特に好ましくは少なくとも80質量%の量で存在する。通常、この量は95質量%を超えず、より好ましくは85質量%を超えない。

0140

IR吸収剤の化学構造は、それが吸収した輻射線を熱に変換できる限り、特に制限されない。光重合性IR感受性要素と関連して先に述べたIR吸収材料を使用することができる。IR吸収剤は、好ましくは、乾燥層質量を基準として、少なくとも0.1質量%、より好ましくは少なくとも1質量%、特に好ましくは少なくとも2質量%の量で存在する。通常、IR吸収剤の量は25質量%を超えず、より好ましくは20質量%を超えず、特に好ましくは15質量%を超えない。単独のIR吸収剤、又は2種又は3種以上のIR吸収剤の混合物が存在することができ、後者の場合、与えられた量は、全てのIR吸収剤の総量を意味する。

0141

使用されるIR吸収剤の量も、コーティングの乾燥層厚に照らして考慮されなければならない。これは好ましくは、コーティングの光学濃度が、例えば透明ポリエステルフィルム上で測定した場合に、好ましくは、コーティングを照射するIR線の波長で0.4〜1.0の値を示すように選ばれるべきである。

0142

IR感受性コーティングは、さらに、ノボラックのようなポリマーの水性アルカリ現像液溶解度を低減する少なくとも1種の物質を含み、この場合、この溶解度の低減は加熱によって逆転する。以下、この物質を簡単に「不溶化剤」と呼ぶ。不溶化剤はポリマーに共有結合されてもされなくてもよい。
従来技術において既述された不溶化剤又は種々異なる不溶化剤を使用することができる。

0143

好適な不溶化剤は、例えば、感光性ではなく、ノボラック樹脂のフェノールOH基との水素結合に加わることができる官能基を含む、国際公開第98/42507号及び欧州特許出願公開第0 823 327号に記載された化合物を含む。国際公開第98/42507号には、スルホン、スルホキシドチオン、ホスフィンオキシド、ニトリル、イミド、アミド、チオール、エーテル、アルコール尿素ニトロソ、アゾ、アゾキシ及びニトロ基、ハロゲン、及び具体的にはケト基が好適な官能基として述べられている。キサントンフラバノンフラボン、2,3−ジフェニル−1−インデノン、ピロン、チオピロン及び1’−(2’−アセトナフトニルベンゾエートが、好適な化合物の例として述べられている。

0144

国際公開第99/01795号には、好ましくはジアジド基、酸基又は酸形成基を含まない特定の官能基Qを有するポリマーが不溶化剤として使用され、そして好ましい実施態様によれば、Qは、アミノ、モノアルキルアミノジアルキルアミノ、アミド、モノアルキルアミド、ジアルキルアミド基、フッ素原子、塩素原子、カルボニルスルフィニル、又はスルホニル基から選ばれる。これらの高分子不溶化剤は本発明において使用することもできる。

0145

国際公開第99/01795号に記載された不溶化剤、この場合はジアジド単位を有する化合物を本発明においても使用することができる。

0146

本発明において使用するのに適した不溶化剤の別のグループが、国際公開第97/39894号に記載されている。これらは、少なくとも1つの窒素原子が第四級化され複素環部分を形成する例えば窒素含有化合物であり、例えばキノリニウム化合物、ベンゾチアゾリウム化合物及びピリジニウム化合物、具体的にはカチオン性トリメチルメタン染料、例えばビクトリア・ブルーCIベーシック・ブルー7)、クリスタルバイオレット(CIベーシック・バイオレット3)及びエチル・バイオレット(CIベーシック・バイオレット4)が挙げられる。さらに、カルボニル官能基を有する化合物、例えばN−(4−ブロモブチル)−フタルイミド、ベンゾフェノン及びフェナントレンキノンが挙げられている。式Q1−S(O)n−Q2の式(Q1=任意選択的に置換されていてもよいフェニル又はアルキル基;n=0、1又は2;Q2=ハロゲン原子又はアルコキシ基)、アクリジン・オレンジベース及びフェロセニウム化合物を使用することもできる。
IR吸収剤が国際公開第97/39894号において述べられている構造要素を含む場合、これらも不溶化剤として機能する。

0147

米国特許第6,320,018号明細書に記載された官能化ノボラックも、本発明の感熱性要素において使用できる。これらのノボラックは、ポリマー分子間に2−又は4−中心水素結合(好ましくは、四極子水素結合QHBとも称される4−中心水素結合)を可能にする置換基を含有する。これも元となるノボラックの水性アルカリ性現像液溶解度を減少させる。このような水素結合は、加熱によって切断され、そしてノボラックの元の溶解度が回復する。このような官能化ノボラックが使用される場合、このことは、上記のような相応の官能基及び/又は不溶化剤を含まないノボラックの追加の使用は必要ではないが、排除もされないような、感熱性組成物の成分(i)及び(ii)の機能を想定する。

0148

官能化ノボラックは、少なくとも1つの共有結合単位と、少なくとも1つの非共有結合単位とを含み、非共有結合は熱的に不安定であり、これらのノボラックは基本的に全ての非共有結合単位に2−又は4−中心水素結合を有する。同時不溶化機能を有するノボラックとして使用することができるこのような官能化ノボラックの好ましいグループは、下記式(XIV)で記述することができ:

0149

0150

上記式中、R及びR’は、水素原子、及び好ましくは炭素原子数1〜22の環状又は直鎖状又は分枝状の飽和又は不飽和炭化水素基から独立に選ばれ(好ましくは水素及びC1−C4アルキル)、R''は、ノボラックR''(OH)pから誘導されたフェノール基であり、Yは、式Y(NCO)2のジイソシアネートから誘導された、好ましくは炭素原子数1〜22の二価の環状又は直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和炭化水素基(例えばイソホロンジイソシネート、トルエン−1,2−ジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート)であり、mは少なくとも1であり、pは1又は2である。
式(XIV)の官能化ノボラックの調製は、米国特許出願公開第2002/0,150,833号明細書から推察することができる。

0151

好適な官能化樹脂の別の部類、例えば官能化フェノール樹脂及び具体的には官能化ノボラックは、米国特許第6,537,735号明細書に開示されている。非官能化樹脂が水性アルカリ性現像液中に可溶性であるのに対して、官能化樹脂は現像液中に不溶性であるが、加熱すると(例えば赤外線によって熱を発生させる)これは現像液中に可溶性になる。好ましくは、非官能化樹脂は、官能化樹脂中では少なくとも部分的に共有結合官能基Qに変換されるOH又はSH基を含み、好ましくは、官能基QはOH基のエステル化反応を介して形成され、そして好ましくは−O−SO2−トリル、−O−ダンシル、−O−SO2−チエニル、−O−SO2−ナフチル及び−O−CO−フェニルから選ばれる。官能基QとOH基との比は、好ましくは1:100〜1:2、より好ましくは1:50〜1:3である。ノボラック樹脂、レゾール、フェノール側鎖及び上記ヒドロキシスチレンを有するアクリル樹脂は、例えば、非官能化樹脂として使用できる。この部類の特に好ましい官能化樹脂は、トルエンスルホン酸又はスルホン酸塩化物で部分(例えば10〜20%)エステル化されたフェノール樹脂(好ましくはノボラック)であるが、米国特許第6,537,735号明細書に記載された他の官能化樹脂も本発明において使用できる。

0152

上記不溶化剤の全てを本発明の感熱性コーティングにおいて使用することもできるが、下記のもの、すなわち:シアニン染料トリアリールメタン染料、キノリニウム化合物、ケト基を有する上記不溶化剤、及びスルホン基を有する上記不溶化剤、並びに4−中心水素結合を形成することができる置換基で官能化されたノボラック、が好ましい。シアニン色素、トリアリールメタン色素、キノリニウム化合物、ケトン、及びスルホンは低分子物質として使用するか、又はポリマーに結合することができる。
単独の不溶化剤、又は2種又は3種以上の化合物の混合物を、本発明の感熱性要素において使用することができる。

0153

不溶化剤の量は、ノボラックの水性アルカリ性現像液溶解度を減少させる限り、特に制限されない。しかし、溶解度の減少は、水性アルカリ現像液が使用されると、コーティングの加熱領域が非加熱領域よりもかなり速く除去されるような程度に行われなければならない。
不溶化剤はこれがIR吸収剤として機能するか否かとは無関係に、好ましくは、乾燥層質量を基準として、少なくとも0.1質量%、より好ましくは少なくとも0.5質量%、特に好ましくは少なくとも1質量%、そして具体的に好ましくは少なくとも2質量%の量で存在する。好ましくは25質量%以下、より好ましくは15質量%が使用される。
任意のバインダーは例えば、水性アルカリ性現像液中に可溶性又は分散性のポリマー/コポリマー、例えばノボラック及びレゾールのようなフェノール樹脂、並びに(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド及び(メタ)アクリルアミドのコポリマーである(ドイツ国特許第199 36 331号参照)。バインダーの総量は好ましくは、乾燥層質量を基準として、1〜99質量%、特に好ましくは10〜98質量%である。

0154

二重層
本発明により処理されるIR感受性要素は、ポジ型二重層要素であることも可能であり、この場合、基材の親水性表面上に、水性アルカリ現像液中に可溶性の第1層が設けられており、第1層の上側には上層(「マスキング層」)が設けられていて、この上層は、水性アルカリ現像液中に分散性又は可溶性でなく、しかも水性アルカリ性現像液が浸透することもできず、IR線によって、現像液中に可溶性又は分散性にするか、又は現像液が浸透可能なものにする。

0155

かかる二重層ポジ型IR感受性要素の第1の(「下側」)の層に適するバインダーは、例えば、水性アルカリ性現像液中に可溶性又は分散性のポリマー/コポリマー、例えばノボラック及びレゾールのようなフェノール樹脂、並びに(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド及び(メタ)アクリルアミドのコポリマーである(ドイツ国特許第199 36 331号参照)。バインダーは、好ましくは、乾燥層質量を基準として、5〜99質量%、特に好ましくは10〜98質量%の量で存在する。
IR吸収剤(光熱変換材料)は第1層、若しくは上層(top layer)、又は両層中に存在し、IR吸収剤は別個の「吸収剤層」中に存在してもよい。好ましくは、IR吸収剤は第1層中に存在する。

0156

IR吸収剤の化学構造は、それが吸収したIR線を熱に変換することができる限り、特に制限されない。光重合性IR感受性要素と関連して先に述べたIR吸収剤を使用することができる。IR吸収剤は、好ましくは、これが存在する層の乾燥層質量を基準として、少なくとも1質量%、より好ましくは少なくとも2質量%、特に好ましくは少なくとも5質量%の量で存在する。通常、IR吸収剤の量は、これが存在する層の35質量%を超えず、より好ましくは30質量%を超えず、特に好ましくは25質量%を超えない。IR吸収剤が第1層中にのみ存在する場合、当該層におけるその量は好ましくは、第1層の乾燥層質量を基準として10〜20質量%である。単独のIR吸収剤、又は2種又は3種以上のIR吸収剤の混合物が存在することができ、後者の場合には、与えられた量は、1つの層中に存在する全てのIR吸収剤の総量を意味する。

0157

上層は、水性アルカリ現像液によって溶解されることから第1層を保護する。従って、上層自体が水性アルカリ現像液中に可溶性又は分散性でなく、又は水性アルカリ現像液が浸透可能でないことが必要である。「水性アルカリ現像液中に可溶性でなく、又は水性アルカリ現像液中に分散性ではなく、又は水性アルカリ現像液が浸透可能でない」という文言は、上層が、少なくとも2分間にわたって、pHが少なくとも8の水性アルカリ現像液の攻撃に抵抗することができることを意味する。しかしながら、IR線への暴露によって、上層は、水性アルカリ現像液により除去可能になる(所要滞留時間:2分未満)。

0158

種々の二重層版が当業者に知られているが、IR線への暴露に起因する溶解度/分散性/浸透性の変化メカニズムは、まだ完全には理解されていない。このような二重層は、例えば米国特許第6,352,812号、米国特許第6,352,811号、米国特許第6,358,699号、米国特許出願公開第2002/0,150,833号、米国特許第6,320,018号、米国特許第6,537,735号、及び国際公開第02/14071号に記載されている。

0159

原則的には、下記タイプの上層が知られている:
a)上層は、それ自体は水性アルカリ現像液中に可溶性/分散性であるノボラックのようなポリマーと、この層が現像条件下で可溶性又は浸透可能ではないほど高い程度に溶解度/分散性を低減する「不溶化剤」とを含む。ポリマーと抑制剤との相互作用は、層の露光された(加熱された)領域が現像液中に可溶性/分散性にされるか、又は現像液が浸透可能であるような程度に、IR線によって弱くなると考えられる。このような系は、例えば米国特許第6,352,811号明細書及び米国特許第6,358,669号明細書に記載されている。ポリマー/不溶化剤系は、単層版に関して上述したものと同じであることが可能である。
b)上層は、それ自体は水性アルカリ現像液中に可溶性/分散性であるが、水性アルカリ現像液によって可溶性/分散性/浸透可能でないように(例えば「不溶化剤」と化学的に結合することによって)化学的に変性されているノボラックのようなポリマーを含む。このような官能化樹脂(例えば官能化ノボラック)は、例えば米国特許出願公開第2002/0,150,833号、米国特許第6,320,018号、米国特許第6,537,735号の各明細書に記載されている。

0160

上層は、通常の現像条件で水性アルカリ現像液中に可溶性/分散性ではないポリマーを含むこともできる(すなわち上層は少なくとも2分間にわたる現像液の攻撃に抵抗することができる)。

0161

IR線により弱くなった上層内部の何らかの相互作用があるか、或いは、露光された領域内の現像液によって、可溶性下層と一緒に、最初は不溶性/浸透不能である上層を除去するのを可能にするIR線(及びこれにより形成された熱)に暴露されることにより、上層中、又は第1層と上層との間の界面に、微小クラック及び/又は気泡が形成されることが想定される。

0162

上述のタイプ(a)の上層には、フェノールOH基を有するポリマー及びコポリマー、すなわちフェノール樹脂が使用されるのが好ましい。好適なフェノール樹脂としては、ノボラック、レゾール、例えばフェノール側鎖を有するアクリル樹脂、及びポリビニルフェノール樹脂が挙げられ、ノボラックが特に好ましい。

0163

本発明に適するノボラック樹脂は、好適なフェノール類、例えばフェノール自体、C−アルキル置換フェノール(クレゾール、キシレノール、p−tert−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール及びノニルフェノールなど)、及びジフェノール類(例えばビスフェノールA)と、好適なアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、及びフルフルアルデヒドとの縮合生成物である。触媒のタイプ、及び反応物質のモル比は、分子構造、ひいては樹脂の物理的特性を決定する。「ノボラック」として知られ、そして熱可塑特性を有するフェノール樹脂を生成するために、約0.5:1〜1:1、好ましくは0.5:1〜0.8:1のアルデヒド/フェノール比、及び酸触媒が使用される。しかしながら、本出願において使用される「ノボラック樹脂」という用語は、より高いアルデヒド/フェノール比で、またアルカリ触媒の存在において得られる「レゾール」として知られるフェノール樹脂も包含する。

0164

上記タイプ(a)の上層中の不溶化剤の量は、ノボラックの水性アルカリ現像液溶解度を低減する限り、特に制限されない。しかし、溶解度低減は、水性アルカリ性現像液が使用されると、コーティングの加熱領域が非加熱領域よりもかなり速く除去されるような程度に行われなければならない。

0165

不溶化剤は、好ましくは、乾燥層質量を基準として、少なくとも0.1質量%、より好ましくは少なくとも0.5質量%、特に好ましくは少なくとも2質量%、さらに好ましくは少なくとも5質量%の量で存在する。好ましくは40質量%以下、より好ましくは25質量%以下が使用される。

0166

タイプ(b)の上層に有用なポリマーは、例えば、上記式(XII)のもののような官能化ノボラック、及び米国特許第6,537,735号明細書に記載されているような官能化フェノール樹脂(例えばトシル化ノボラック)である。また、見出し「単層版」の下の箇所も参照されたい。変性アルキルフェノール樹脂(例えば商品名SP 1077及びHPJ 302でSchenectadyから商業的に入手可能であるもの)、並びにキシレノール及びクレゾールを基剤とするノボラック(例えば商品名SPN-572でAZ-Electronicsから商業的に入手可能であるもの)も、タイプ(b)の上層にとって有用である。

0167

任意成分
要素がUV/VIS感光性であるかIR感受性であるかとは無関係に、輻射線感受性コーティングは、必須成分に加えて、下記任意選択の成分のうちの1種又は2種以上を含むことができる。コーティングがいくつかの層から成る場合、任意成分は、層のうちの1つ、いくつか、又は全てに存在することができる。コントラストを高めるために、可視スペクトル範囲において高吸収率を有する染料又は顔料が存在できる(「コントラスト色素及び顔料」)。特に好適な染料及び顔料は、コーティングのために使用される溶媒又は溶媒混合物中によく溶けるか又は顔料の分散形態中に容易に導入される染料及び顔料である。好適なコントラスト染料としては、特に、ローダミン染料、トリアリールメタン染料、例えばビクトリア・ブルーR及びビクトリア・ブルーBO、クリスタル・バイオレット及びメチル・バイオレット、アントラキノン顔料、アゾ顔料、及びフタロシアニン染料及び/又は顔料が挙げられる。着色剤は、好ましくは、乾燥層質量を基準として、0〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1.5〜7質量%の量で存在する。

0168

さらに、層は界面活性剤(例えばアニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物)を含むことができる。好適な例としては、フッ素含有ポリマー、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド基を有するポリマー、ソルビトール−トリ−ステアレート及びアルキル−ジ−(アミノエチル)−グリシンが挙げられる。これらは、好ましくは、乾燥層質量を基準として、0〜10質量%、特に好ましくは0.2〜5質量%の量で存在する。

0169

層はさらに、プリントアウト染料、例えばクリスタル・バイオレット・ラクトン又はフォトクロミック染料(例えばスピロピラン他)を含むこともできる。これらは好ましくは、乾燥層質量を基準として、0〜15質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%の量で存在する。

0170

また、流動性向上剤、例えばポリ(グリコール)エーテル変性シロキサンが層中に存在することができ、これらは好ましくは、乾燥層質量を基準として、0〜1質量%の量で存在する。
層は、さらに、抗酸化剤、例えばメルカプト化合物(2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール及び3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール)、及びトリフェニルホスフェートを含むことができる。これらは好ましくは、乾燥層質量を基準として、0〜15質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%の量で使用される。

0171

オーバーコート
貯蔵中、露光中、及び具体的には露光と更なる処理との間の時間中、大気中の酸素からコーティングを保護するために、光重合性コーティング上にオーバーコートを適用することができる。その時間中、オーバーコートは、層の引き裂けなしに安全な取り扱い(製造、包装、輸送、露光など)が保証されるのに十分な、感光性基材に対する付着力を示さなければならない。酸素バリヤ層としてその機能に加えて、オーバーコートはまた、指紋、及び引掻き傷のような機械的損傷から光重合性コーティングを保護する。

0172

数多くの水溶性ポリマーが、このようなオーバーコートに適しているものとして文献に記載されている。好適な例は、ポリビニルアルコールビニルエーテル単位ビニルアセタール単位とを含有していてもよい部分鹸化ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、及びビニルアセテート及びビニルエーテルとのそのコポリマー、ヒドロキシアルキルセルロースゼラチンポリアクリル酸アラビアゴムポリアクリルアミド、デキストリン、シクロデキストリンアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマーであり、また、分子量5,000超のエチレンオキシドの水溶性高分子ポリマーが特に好適である。ポリビニルアルコールが好ましいオーバーコートポリマーである。国際公開第99/06890号に記載されているような、ポリ(1−ビニルイミダゾール)又は1−ビニル−イミダゾールと少なくとも1種の更なるモノマーとのコポリマーと組み合わされたポリビニルアルコールを使用することもできる。

0173

ポリビニルアルコールは、接着剤としてポリビニルピロリドンと組み合わせて使用することもできる。
オーバーコートは、米国特許第3,458,311号、米国特許第4,072,527号、米国特許第4,072,528号、欧州特許出願公開第275 147号、欧州特許出願公開第403 096号、欧州特許出願公開第354 475号、欧州特許出願公開第465 034号、及び欧州特許出願公開第352 630号の各明細書にも記載されている。
好ましい実施態様において、オーバーコートは、ポリビニルアルコール、又はポリ(1−ビニルイミダゾール)と組み合わされたポリビニルアルコール(又はそのコポリマー)を含む。

0174

好適なポリビニルアルコールは、安価で商業的に入手可能である。これらは通常アセテート基残留含量を0.1〜30質量%の範囲で有する。特に好ましいのは、残留アセテート含量1.5〜22質量%のポリビニルアセテートから得られるポリビニルアルコールである。使用されるポリビニルアセテートの分子量によって、オーバーコートの付着力及び水溶性を制御することができる。分子量が低いほど、水溶液によるオーバーコートの除去を促進する。

0175

水溶性オーバーコートは、当業者に知られている表面塗布法、例えばドクターブレード塗布、ローラ塗布スロット塗布、カーテン塗布噴霧塗布、又は浸漬塗布の方法によって適用することができる。0.05〜10g/m2、より好ましくは0.2〜3g/m2、最も好ましくは0.3〜1g/m2の乾燥層質量が好適である。
多くの場合、水溶性オーバーコートを水溶液で適用することが好ましい。環境及び人体に対するその有害な影響は最小限である。

0176

しかし、用途によっては、有機溶剤を使用することが好ましいこともある。いくつかの基材において、水性コーティング溶液に0.5〜60質量%の有機溶剤を添加すると、付着力が改善される。オーバーコートされるべき表面をわずかに溶媒和することにより、本発明によるオーバーコートのポリマーの付着効果はさらに高まる。溶剤に対するこのような添加剤は例えばアルコール又はケトンであることができる。
コーティングされるべき表面の均一且つ迅速な濡れのために、コーティング溶液にアニオン性、カチオン性、非イオン性湿潤剤を添加することができる。オーバーコートはさらに、安定剤、保存剤、着色剤、泡分離剤及びレオロジー添加剤を含んでもよい。

0177

像様露光
光重合性コーティング中に使用される吸収剤成分がUV/VIS線を吸収する場合、前駆体は、波長250〜750nmのUV/VIS線で、当業者に知られた形式で像様露光される。これを目的として、一般的なランプ、例えば炭素アークランプ水銀ランプキセノンランプ及び金属ハロゲン化物ランプ、又はレーザー又はレーザーダイオードを使用することができる。約405nm(例えば405±10nm)の範囲のUV線を放出するUVレーザーダイオード、可視範囲(488nm又は514nm)で放出するアルゴンイオンレーザー、及びほぼ532nmで放出する周波数二重化fd:Nd:YAGレーザーが、輻射線源として特に重要である。レーザー線は、コンピュータを介してデジタル制御することができ、すなわち、レーザー線は、コンピュータに記憶されたデジタル化情報を介して版の像様露光を行うことができるように、オン又はオフすることができ、このようにして、いわゆるコンピュータ・トゥ・プレート(ctp)印刷版を得ることができる。

0178

増感剤がIR線を吸収する場合、すなわち、波長750超〜1,200nmの範囲内の波長の輻射線を顕著に吸収し、そして好ましくは、吸収スペクトルのこの範囲内で吸収極大を示す場合、像様露光はIR線源によって実施することができる。好適な輻射線源は、例えば750〜1,200nmの版で放出する半導体レーザー又はレーザーダイオード、例えばNd:YAGレーザー(1,064nm)、790〜990nmで放出するレーザーダイオード、及びTi:サファイヤレーザーである。レーザー線は、コンピュータを介してデジタル制御することができ、すなわち、レーザー線は、コンピュータに記憶されたデジタル化情報を介して版の像様露光を行うことができるように、オン又はオフすることができ、このようにして、いわゆるコンピュータ・トゥ・プレート(ctp)印刷版を得ることができる。当業者に知られたIRレーザーを備えたいかなるイメージセッターをも使用することができる。
像様露光された前駆体は、露光されたコーティング領域と、露光されていないコーティング領域とを含む。

0179

露光された前駆体の処理
露光後に、非画像領域内のコーティングを除去し、これにより当該領域において基材を露出させるために、前駆体を現像液で処理する。前駆体がポジ型である場合、非画像領域は露光された領域に相当するのに対して、ネガ型前駆体の場合、非画像領域は非露光領域に相当する。一実施態様によれば、露光と、現像液による処理との間に予熱工程が実施される。

0180

前駆体が、輻射線感受性コーティングを保護するオーバーコートを含む場合、オーバーコートは、現像液を適用する前に水による洗浄/すすぎによって除去できる。一実施態様によれば、オーバーコートは別個の工程では除去されず、本発明に従う現像液で露光された前駆体を処理することにより、単一工程で、輻射線感受性コーティングの非画像領域と一緒に除去される。

0181

現像液によってコーティングの非画像領域(及び任意選択的にオーバーコート)を除去した後、処理された前駆体を乾燥させることができる。
一実施態様によれば、本発明による現像液で露光された前駆体を処理する結果、(1)露光された領域内及び非露光領域内のオーバーコートが除去され(オーバーコートが存在する場合、又は現像液による処理の前に除去されなかった場合)、(2)輻射線感受性コーティングの非画像領域が除去され、そして(3)1つの単独工程で保護ガム引きが提供される。

0182

別の実施態様によれば、現像液で非画像コーティング領域(及び任意選択的にオーバーコート)を除去した後、処理された前駆体を水ですすぐことができる。
別の実施態様によれば、現像液で非画像コーティング領域(及び任意選択的にオーバーコート)を除去し、そして前駆体を水ですすいだ後、親水性仕上げガムの適用が可能である。

0183

典型的には、現像液を含むアプリケーター画像形成性層を擦るか又は拭うことにより、露光された前駆体を現像液と接触させる。或いは、露光された前駆体を現像液でブラッシングしてもよく、又は噴霧により現像液を前駆体に適用してもよい。露光された前駆体を現像液浴中浸すことにより、現像液による処理を実施することもできる。一実施態様によれば、処理は、商業的に入手可能な処理装置、例えば、現像液のための唯1つの浴及び乾燥区分を含むTDP60(Horsell)内で実施することができる。加えて、この処理装置内導電率測定ユニットを組み込むことができる。

0184

別の実施態様によれば、浸漬タイプの現像浴と、水によるすすぎセクションと、ガム引きセクションと、乾燥セクションとを備えたコンベンショナルな処理装置を使用することができる。さらに、現像液の現像液活性を制御するために、処理装置内に導電率測定ユニットを組み込みこともできる。
露光された前駆体は、典型的には、18℃〜約28℃の温度の現像液で約5秒〜約60秒の時間処理される。

0185

或る程度の数の露光された前駆体を処理した後、現像液浴の現像活性(例えば滴定又は導電率測定により測定する)は所定のレベルを下回る。そのときは、浴に新鮮な現像液を追加する(「トップアップ(top-up)」プロセスとも呼ばれる)。現像液の容積及びその活性/導電率値の両方を一定に保つために、処理される前駆体1m2当たり、通常約20mL〜約200mL、典型的には約30〜120mLの新鮮な現像液が必要である。処理された平版印刷版は、画像形成性層が除去されて下側の親水性基材表面が露出した領域と、画像形成性層が除去されなかった相補的な領域とを含む。画像形成性層が除去されなかった領域がインク受容性である。

0186

現像液浴の活性を一定に保つために新鮮な現像液を追加する代わりに、補充液を添加することができる。補充液は好適には、アルカリ剤の濃度が、使用される新鮮な現像液中のアルカリ剤の濃度と比べて高いこと、また、他の成分の濃度が新鮮な現像液中の濃度と同じであるかこれよりも高くてよい点で、新鮮な現像液とは異なる。

0187

前駆体を現像液と接触させた後、前駆体上に残った過剰な前記現像液が除去される(例えば絞りローラ;水などのような液体による前駆体の洗浄/すすぎによって)。後続の任意の乾燥工程後、処理された前駆体を印刷機に移すことができる。印刷機上で、処理された前駆体を、湿し水溶液及び印刷インクと同時又は順次(任意の順序であるが、好ましくは最初に湿し水、その後にインク)接触させる。前駆体を湿し水及びインクと接触させ、そのあとに紙と接触させることにより、現像液を用いた処理によってまだ除去されていない望ましくないコーティング(非画像領域内の輻射線感受性コーティング及び/又はオーバーコート)の残りを除去する。

0188

現像液
本発明の方法において使用される現像液は、pH値が6を超える、好ましくはpHが7.5〜13.5、より好ましくはpHが10〜13.5である水溶液である。

0189


水道水脱イオン水又は蒸留水を使用することができる。水の量は、好ましくは、現像液の総質量を基準として、45〜98質量%、特に好ましくは50〜95質量%、さらに好ましくは80〜95質量%である。

0190

親水性ポリマー
本発明による現像液中に使用される親水性ポリマーは、
(m1)第1級、第2級および/または第3級アミノ基と、
(m2)−COOH、−SO3H、−PO2H2および−PO3H2から選ばれた酸基と、
(m3)任意選択的に、アルキレンオキシド単位−(CHR1−CH2−O)p−(式中、各R1は独立にHまたは−CH3 を表し、pは1〜50の整数である)、
を含む。

0191

親水性ポリマー中に存在する酸性官能基は、全て遊離酸の形態を成すことができ、或いは、前記基の全てが塩の形態を成すか、又は前記基の一部が遊離酸の形態を成し、そして残りの部分は塩の形態を成す。親水性ポリマーとの関連において酸性官能基が言及されるときには、この酸性官能基は、特に断らない限り、遊離酸性基、これらの塩及び混合物を含むものとする。
親水性ポリマーがアミノ基と酸基の両方を含むことが必須である。

0192

任意選択的に、親水性ポリマーは、アルキレンオキシド単位−(CHR1−CH2−O)p−(式中、各R1は独立にHまたは−CH3 を表し、pは1〜50の整数である)を含む。アルキレンオキシド単位は、ポリマー主鎖または側鎖に存在することができる。一実施態様によると、アルキレンオキシド単位は、主鎖と酸基及び/又はアミノ基との間のスペーサーとして側鎖に存在する。
酸基は、−COOH、−SO3H、−PO2H2および−PO3H2から選ばれ、好ましい酸基は−COOHである。1つのポリマー分子中に異なる酸基が混在することも可能である。

0193

親水性ポリマーが非画像領域において基材を親水性化して印刷機上のトーニングを防止する能力を有する限り、エステル基を導入することも可能である。1つの代表例は、スルホベタイン、すなわち、水酸化[2−(メタクリロイルオキシ)−エチル]−ジメチル−(3−スルホプロピル)−アンモニウムである。

0194

1つのポリマー分子は、第1級、第2級および/または第3級アミノ基を含むことができる。1つのポリマー分子に、第1級アミノ基と第2級アミノ基、第1級アミノ基と第3級アミノ基、第2級アミノ基と第3級アミノ基、又は第1級アミノ基と第2級アミノ基と第3級アミノ基が混在することも本発明の範囲内である。さらに、第4級化されたアミノ基も可能であり、そのような場合、適切な対イオンアニオンが必要である。非画像領域の基材表面がその親水性を維持する限り多くの可能なアニオンが存在する。好ましいアニオンは、ハロゲン化物、ホスフェート類、ホスホネート類サルフェート類、テトラフルオロボレート類、ヘキサフルオロホスフェート類などである。有機酸との半エステルが使用される場合には、アニオンが過度疎水性にならないような鎖長を選択することが推奨される。

0195

一実施態様によると、アミノ基はポリマー主鎖に直接又はスペーサーを介して結合し、適切なスペーサーは例えばC1−C4アルキレン基である。この実施態様では、アミノ基がポリマー主鎖の炭素原子に直接結合していることが好ましく、一実施態様において、親水性ポリマーは下記式:

0196

0197

(式中、R1 はHまたはCH3であり、R4及びR5 は独立にH、アルキル、アリールおよびアルキルアリールから独立に選ばれる)により表されるアミノ基を有する構造単位を含む。置換基の性質は、ポリマーの親水性が、印刷機上トーニングを防ぐために非画像領域の有効な親水性化にとって十分に高いように選ばれる。適切な基の導入に関して良い見当を与えるものは溶解パラメーターであり、溶解パラメーターは、D. W. van Krevelen, "Properties of Polymers: Their Correlation with Chemical Structure; Their Numerical Estimaion and Prediction From Additive Group Contributions", Elsevier, 2003, 3rd Edition, ISBN 044482877Xにより詳しく記載されている。

0198

本発明において使用される親水性ポリマーは、印刷版のトーニングを防止するのに十分に高い親水性を有するべきである。親水性を規定する1つの実行可能な手段は、溶解パラメーターδを計算することである。溶解パラメーターδは、成分B中の成分Aの溶解度を規定する量である。Aはポリマーであることができ、一方、Bは溶媒である。これは、D. W. van Krevelen, Properties of Polymers, Elsevier, 3rd Edition, 2003に詳しく概説されている。

0199

Hansenの推算法によると、

0200

0201

である、ここで、
t=合計、
d=分散力
p=極性力、
h=水素結合
である。
HoftyzerおよびVan Krevelenの方法によると、

0202

0203

であり、ここで、Fdi(J1/2・cm3/2・mol-1単位)はモル引力定数分散成分Fdに対する基の寄与分であり、Fpi(J1/2・cm3/2・mol-1単位)はモル引力定数の極性成分Fpに対する基の寄与分であり、Ehi(J・mol-1単位)は構造基あたりの水素結合エネルギーであり、Vm(cm3・mol-1単位)はモル容積である。

0204

本発明の場合には、極性溶媒中での溶解度に関係し、親水性についての目安を与えるδh に集中すれば十分であると考えられる。以下の表に水素結合エネルギーEhを示す。この表から、極性基がδh に強く寄与するのに対し、疎水性置換基の導入はδh に影響を及ぼさないがδの全体的な変化をもたらすだけであることが判る。従って、全溶解パラメーターδが大きく減少しない限り、さらなる置換基(疎水性を有するものでも)の適切な導入を行うことができる。

0205

本発明の範囲内で、上記のように計算されたポリマーのδh が少なくとも10J0.5/cm1.5である場合には、当該ポリマーは親水性であると見なす。

0206

0207

別の実施態様によれば、アミノ基の窒素原子は側鎖の一部でないが、ポリマー主鎖の一部である。この実施態様の親水性ポリマーは、主鎖中に、例えば、下記の構造単位(A1)を含むことができる:

0208

0209

ここで、Zは直鎖または分岐鎖のC1−C3(好ましくはC1−C2)アルキレン基であり、各R2は独立にH、C1−C4アルキル、フェニルまたは−X−AG[Xは2価の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素(例えばC2−C6アルキレンおよびアリーレン)、ポリアルキレンオキシドなどのアルキレンオキシド、およびポリエチレンイミンなどのエチレンイミンから独立に選ばれ、各−AGは上記の酸基を独立に表す]を表す。(A1)中のアミノ基が末端アミノ基である場合には、先に定義したとおりの第2のR2が存在する。さらなる第3のR2が結合して第4級化窒素原子を生じていることも可能である。

0210

スペーサーXは好ましくはポリ(アルキレン)オキシドまたはポリ(エチレンイミンである。
ポリマー分子中に1個よりも多くの単位(A1)が存在する場合には、各Z及び各R2は上記の選択肢から独立に選ばれる。

0211

一実施態様によると、酸基はポリマー主鎖の炭素原子に直接またはスペーサーを介して結合している。適切なスペーサーは、例えばC1−C4アルキレン基である。例えば、酸基を含むポリマーの構造単位は、下記式により表される:

0212

0213

ここで、R1はHまたはCH3であり、Yは単結合またはスペーサーであり、AGは−COOH、−SO3H、−PO2H2および−PO3H2から選ばれた酸基であり、好ましくは−COOHである。

0214

好ましいスペーサーYはアルキレンオキシド、ポリ(アルキレン)オキシド、ポリ(エチレン)イミン、開環ラクトン、開環ラクタム、開環した酸無水物及びカルボン酸、並びにCx2x(x=1〜6)であり、特に好ましいものはポリ(アルキレン)オキシドスペーサーである。

0215

別の実施態様によると、酸基はスペーサーを介してアミノ基の窒素原子に結合されている。この場合には、当該窒素原子が上記の単位(A1)で示したようにポリマー主鎖の一部であり、さらに単位(A1’)で例示されることが特に好ましい。

0216

0217

ここで、Z、X及びAGは先に定義したとおりである。

0218

親水性ポリマーは、適切なモノマーを重合させることにより調製できる。例えば、1又は2つ以上のアミノ基を含むモノマー(c1)と1又は2つ以上の酸基を含むモノマー(c2)を共重合させて側鎖に酸基及びアミノ基(すなわち、ポリマー主鎖に直接またはスペーサーを介して結合した酸基及びアミノ基)を有する親水性ポリマーを生じさせることができる。酸基を有する適切なモノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、C1〜C6アルコールで開環された無水マレイン酸、ビニル安息香酸、ビニルホスホン酸、ビニルスルホン酸ビニルベンゼンスルホン酸、ヒドロキシエチルメタクリレートヒドロキシエチルアクリレート又はアリルアルコールとリン酸とのモノエステル、エチレングリコールメタアクリレート又はエチレングリコールアクリレートとリン酸とのモノエステル、ポリエチレングリコールメタアクリレート又はエチレングリコールアクリレートとリン酸とのモノエステル、水酸化スルホプロピル(メタ)アクリロイルエチルジアルキルアンモニウムである。

0219

(c2)の好ましい例は、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルホスホン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はポリエチレングリコール(メタ)アクリレートとリン酸とのモノエステル、水酸化(メタ)アクリロイルジメチル−(3−スルホプロピル)−アンモニウム、マレイン酸、ビニルホスホン酸、及びビニルスルホン酸である。
アミノ基を有する適切なモノマー(c1)は例えばエチレンイミン、プロピレンイミン及びビニルイミンである。

0220

任意選択的に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ラクトン、ラクタム、ビニルアルコール及びビニルメチルエーテルのようなさらなるコモノマー(c3)を、酸基含有モノマー(c2)及びアミノ基含有モノマー(c1)と共重合させることができる。pHが6を超える水溶液に好ましくは可溶であるという親水性特性を有するポリマーを得るために、かかる任意のコモノマーの量は、モノマーの総量を基準にして15質量%以下、好ましくは5質量%以下であるべきである。

0221

構造単位(A1”):

0222

0223

(式中、X及びAGは先に定義したとおり)を有する親水性ポリマーは、ビニルアミンまたはエチレンイミン(任意選択的に他のモノマーと)を重合させ、その後、(メタ)アクリル酸のような不飽和酸との反応の代わりに−COOH、−SO3H、−PO2H2および−PO3H2から選ばれた酸基を含む不飽和モノマーマイケル付加させることによって調製できる。得られたポリ(エチレン)イミン又はポリ(ビニル)アミンホモポリマー、あるいはアクリレート又はメタクリレートコモノマーとのそれらのコポリマーを、2−クロロ酢酸のようなハロゲン化酸または無水マレイン酸のような分子内環状酸無水物と反応させることができる。

0224

ポリ(エチレンイミン)及びポリ(ビニルアミン)のリン酸誘導体及びスルホン酸誘導体の合成は欧州特許出願公開第490 231号明細書に開示されている。
一実施態様によると、親水性ポリマーは水溶性である。

0225

ビニルアミンの場合に、親水性ポリマーの分子量は、アルキルメルカプト化合物のような連鎖移動剤の存在下での重合のような周知のラジカル重合法により調節できる。さらに、K. MatyjaszewskiらによりJ. Phys. Org. Chem. 8 (1995) pp. 306-315に記載されたいわゆる「リビング・制御(living and controlled)」ラジカル重合によって、分子量、多分散性及び末端官能基の良好な制御が可能である。

0226

親水性ポリマーは、一般的に、現像液の総質量を基準として少なくとも0.01質量%の量で存在する。親水性ポリマーの量の上限は、ポリマー中疎水性基の量に依存する。しかしながら、親水性ポリマーの量はより多いことができ、実際的な上限は15質量%である。
現像液は、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、最も好ましくは0.3〜3質量%の親水性ポリマーを含む。

0227

アルカリ成分
本発明において使用される現像液は、任意選択的に、アルカリ成分を含む。
アルカリ成分は、アルカリケイ酸塩アルカリ水酸化物、Na3PO4、K3PO4、NR4OHから選ばれ、ここで、各Rは、C1−C4アルキル基及びC1−C4ヒドロキシアルキル基、及びこれらのうちの2種又は3種以上の混合物から独立に選ばれる。

0228

アルカリ成分の量、又は混合物の場合にはアルカリ成分の総量は、現像液のpH値が6超〜14になるように、好ましくはpHが7.5〜13.5、より好ましくは10〜13.5になるように選ばれる。
本発明に使用される「アルカリケイ酸塩」という用語は、メタケイ酸塩及び水ガラスをも包含する。ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムが好ましいケイ酸塩である。アルカリケイ酸塩が使用される場合、ケイ酸塩の量は好ましくは、現像液を基準として少なくとも1質量%(SiO2としてケイ酸)である。
アルカリ水酸化物のうち、NaOH及びKOHが特に好ましい。

0229

通常、アルカリメタケイ酸塩を使用することにより、更なるアルカリ添加物、例えばアルカリ水酸化物なしで、12を超えるpH値が容易に提供される。水ガラスが使用される場合、12を超えるpH値が所望される場合、アルカリ水酸化物が付加的に使用される。
好ましい水酸化第4級アンモニウムNR4OHとしては、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルエタノールアンモニウム、水酸化メチルトリエタノールアンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられ、特に好ましい水酸化アンモニウムは水酸化テトラメチルアンモニウムである。
好適なアミンは、第1級、第2級及び第3級アミンである。例は、モノアルカノールアミン及びジアルカノールアミン、例えばモノエタノールアミン及びジエタノールアミンである。

0230

界面活性剤
本発明において使用される現像液の更なる任意選択の成分は界面活性剤である。
界面活性剤は、これが現像液の他の成分と適合性があり、またpH>7の水性アルカリ溶液中に可溶性である限り、特に制限されない。界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、両性又は非イオン性界面活性剤であることができる。

0231

アニオン性界面活性剤の例としては、ヒドロキシアルカンスルホネート、アルキルスルホネート、ジアルキルスルホスクシネート直鎖アルキルベンゼンスルホネート、分岐アルキルベンゼンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテルの塩、ナトリウムN−メチル−N−オレイルタウレートモノアミドジナトリウムN−アルキルスルホスクシネート石油スルホネート、硫酸化ひまし油、硫酸化タロー油、脂肪族アルキルエステルの硫酸エステルの塩、アルキル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル、脂肪族モノグリセリドの硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルの硫酸エステルの塩、アルキルリン酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸エステルの塩、スチレン無水マレイン酸コポリマーの部分鹸化化合物、オレフィン無水マレイン酸コポリマーの部分鹸化化合物、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、ナトリウムドデシルフェノキシベンゼンジスルホネートアルキル化ナフタレンスルホネートのナトリウム塩、ジナトリウムメチレン−ジナフタレン−ジスルホネート、ナトリウムドデシル−ベンゼンスルホネート、(ジ)スルホン化アルキルジフェニルオキシド、アンモニウム又はカリウムペルフルオロアルキルスルホネート、及びナトリウムジオクチル−スルホスクシネートが挙げられる。

0232

これらのアニオン性界面活性剤の中で特に好ましいのは、アルキルナフタレンスルホネート、ジスルホン化アルキルジフェニルオキシド、及びアルキルスルホネートである。

0233

非イオン性界面活性剤の好適な例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレン2−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーグリセリン脂肪酸部分エステルソルビタン脂肪酸の部分エステル、ペンタエリトリトール脂肪酸の部分エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステルスクロース脂肪酸の部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸の部分エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸の部分エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸の部分エステル、ポリオキシエチレン化ひまし油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸の部分エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミンポリオキシエチレンアルキルアミントリエタノールアミン脂肪酸エステル、及びトリアルキルアミンオキシドが挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤の中で特に好ましいものは、ポリオキシエチレンフェニルエーテル及びポリオキシエチレン−2−ナフチルエーテルである。

0234

さらに、フッ素系及びケイ素系のアニオン性及び非イオン性界面活性剤を同様に使用することもできる。
両性界面活性剤は、例えば、N−アルキルアミノ酸トリエタノールアンモニウム塩コカミドプロピルベタインコカミドアルキルグリシアネート単鎖アルキルアミノカルボキシレートのナトリウム塩、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−カルボキシエチル脂肪酸アミドエチルアミンナトリウム塩、及びカルボン酸アミドエーテルプロピオネートであり、好ましくはコカミドプロピルベタインである。

0235

カチオン性界面活性剤の例は、塩化テトラブチルアンモニウム及び塩化テトラメチルアンモニウムのような塩化テトラアルキルアンモニウム、及びプリプロキシル化塩化第四級アンモニウムである。
非イオン性、アニオン性、及び両性界面活性剤、並びにこれらの混合物が好ましい。
本発明において使用される現像液が、界面活性剤及びアルカリ成分から選ばれた少なくとも1種のものを含むことが好ましい。
上記界面活性剤のうちの2種又は3種以上を組み合わせて使用することができる。界面活性剤の量(2種以上を使用する場合には界面活性剤の総量)は、特に制限されないが、現像液の総量を基準として好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは2〜8質量%である。

0236

水溶性の皮膜形成親水性ポリマー
現像液の1つの任意選択の成分は水溶性の皮膜形成親水性ポリマーである。
好適なポリマーの例は、アラビアゴム、プルランセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロースカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、又はメチルセルロース、(シクロ)デキストリンのような澱粉誘導体、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、多糖のようなポリヒドロキシ化合物、アクリル酸、メタクリル酸又はアクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー、ビニルメチルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー、ビニルアセテートと無水マレイン酸とのコポリマー、又はスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーである。好ましいポリマーは、カルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸基又はこれらの塩を含むモノマー、例えば(メタ)アクリル酸、ビニルアセテート、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸及びアクリルアミドプロパンスルホン酸のホモポリマー又はコポリマー、、ポリヒドロキシ化合物及び澱粉誘導体である。

0237

ポリヒドロキシ化合物及び澱粉誘導体が特に好ましい。澱粉誘導体は、水溶性、好ましくは冷水可溶性であるべきであり、澱粉加水分解生成物、例えばデキストリン及びシクロデキストリン、澱粉エステル、例えばリン酸エステル及びカルバミン酸エステル澱粉エーテル、例えばカチオン澱粉エーテル及びヒドロキシプロピルエーテルカルボキシメチル澱粉、及びアセチル化澱粉から選ばれ、上記誘導体のうち、デキストリン(四ホウ酸ナトリウムを含み、Emsland Staerke GmbHからホウ砂デキストリンとして入手可能なデキストリンなど)が好ましい。

0238

澱粉誘導体のための出発生成物として使用される澱粉は、種々の起源のものであることができ、例えばトウモロコシジャガイモライ麦小麦、米、マニオカ、タピオカクリ又はドングリから得ることができ、トウモロコシ澱粉及びジャガイモ澱粉が好ましい。
好適な水溶性ポリヒドロキシ化合物は、下記構造によって表すことができる:

0239

0240

上記式中、nは4〜7であり;
(i)R1は水素、アリール、又はCH2OHであり;R2は水素、炭素原子数1〜4のアルキル基、CH2OR3(R3は水素、又は炭素原子1〜4のアルキル基である)、CH2N(R4R5)(R4及びR5はそれぞれ独立に、水素、又は炭素原子1〜4のアルキル基である)、又はCO2Hであるか、或いは
(ii)R1及びR2が一緒に炭素−炭素単結合を形成している。

0241

1つのポリヒドロキシ化合物群において、R1は水素又はCH2OHであり、R2は水素である。これらのポリヒドロキシ化合物の好ましい群において、nは5又は6である。この群は糖アルコール、構造H(CHOH)nHの化合物であり、これらの化合物は遊離アルデヒド又はケトン基を持たず、還元特性も示さない。糖アルコールは、天然源から得るか、又は還元糖の水素化によって調製できる。好ましい糖アルコールとしては、マンニトール、ソルビトール、キシリトールリビトール、及びアラビトールが挙げられる。他の糖アルコールとしては、例えばタリトールズルシトール及びアロズルシトールが挙げられる。

0242

別のポリヒドロキシ化合物群において、R1及びR2は一緒に炭素−炭素単結合を形成する。構造(CHOH)n(式中、nは4〜7である)の炭素環式化合物が包含される。これらのポリヒドロキシ化合物の好ましい群において、nは5又は6、より好ましくは6である。1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロシシクロヘキサンの9種の立体異性体が考えられ、これらのうちのいくつかが天然に産出するものである。好ましいポリヒドロキシ化合物はメソイノシトール(シス−1,2,3,5−トランス−4,6−ヘキサヒドロキシシクロヘキサン)である。メソイノシトールはトウモロコシ浸出液から単離することできる。

0243

別のポリヒドロキシ化合物群において、R1は水素、アリール又はCH2OHであり、R2は炭素原子数1〜4のアルキル基、CH2OR3(R3は炭素原子1〜4のアルキル基である)、CH2N(R4R5)(R4及びR5はそれぞれ独立して、H、又は炭素原子1〜4のアルキル基である)、又はCO2Hである。

0244

別のポリヒドロキシ化合物群において、R1は水素、又はCH2OHであり、R2はCO2Hである。より好ましくは、R1はHであり、そしてnは4又は5である。この群としては、構造H(CHOH)nCO2H(nは4又は5である)のポリヒドロキシ化合物が挙げられる。概念的には、これらのポリヒドロキシ化合物は、対応するヘキソース又はペントース糖の酸化、すなわちヘキソース糖、例えばグルコースガラクトースアロースマンノースなどのアルデヒド基の酸化、又はペントース糖、例えばアラビノースリボースキシロースなどのアルデヒドの酸化によって生成することができる。
特に好ましいポリヒドロキシ化合物は、ソルビトールのような上記糖アルコールである。
皮膜形成ポリマーの量は具体的に制限されることはなく、好ましくは、現像液の総質量を基準として1〜30質量%であり、より好ましくは5〜20質量%である。

0245

現像液の更なる任意選択の成分
必須成分及び上記任意選択の成分の他に、本発明において使用される現像液は、更なる添加剤、例えば有機溶剤、殺生物剤、錯化剤、緩衝剤物質、色素、消泡剤、着臭剤、腐食防止剤、及びラジカル抑制剤を含有してよい。

0246

消泡剤:
好適な消泡剤としては、例えば、商業的に入手可能なSilicone Antifoam Emulsion SE57 (Wacker)、TRITON(登録商標)CF32 (Rohm & Haas)、AKYPO(登録商標)LF(エーテルカルボン酸Chem Y)、Agitan 190 (Muenzing Chemie)、TEGO(登録商標)Foamese 825 (変性ポリシロキサン、TEGO Chemie Service GmbH、ドイツ国)が挙げられる。シリコーン系消泡剤が好ましい。これらは水中に分散性又は可溶性である。現像液中の消泡剤の量は、現像液の質量を基準として、好ましくは0〜1質量%であり、特に好ましくは0.01〜0.5質量%である。1種の消泡剤、又は2種又は3種以上のものから成る混合物を使用することができる。

0247

緩衝剤
緩衝剤物質としては、例えばトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(TRIS)、リン酸水素塩、グリシン、3−(シクロヘキシルアミノ)−プロパンスルホン酸(CAPS)、炭酸水素塩、ホウ砂などのホウ酸塩2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールAMP)、3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパン−スルホン酸(CAPSO)、及び2−(N−シクロヘキシルアミノ)エタン−スルホン酸(CHES)が挙げられる。

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