図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2010年11月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題・解決手段

本発明は、線維症にかかっている患者インターロイキン−17(IL−17)(例えばIL−17A又はIL−17F、又はそのムテイン)関連疾患を、IL−17拮抗薬を用いて治療するための方法及び組成物に関し、このIL−17拮抗薬は、小分子IL−17拮抗薬又はタンパク質IL−17拮抗薬、例えば、少なくとも1つのIL−17タンパク質、ムテイン、又はその断片に対して特異性を有する抗体(特定の部分又は変異体を含む)などであり、治療用製剤投与及びデバイスを含む。

概要

背景

腎線維症急性発作(例えば移植虚血/再潅流)(フリース(Freese)ら、Nephrol Dial Transplant、2001年、第16号、2401〜2406頁)又は慢性疾患症状(例えば糖尿病)(リッツ(Ritz)ら、Nephrol Dial Transplant、1996年、第11号、補遺9、38〜44頁)のいずれかから発現し得る。その病因は通常、腎糸球体濾過器官及び尿細管間質に最初に炎症反応が起こった後、線維化が持続することとして特徴づけられる(リウY(Liu Y)、Kidney Int、2006年、第69号、213〜217頁)。尿細管間質線維症は、末期腎不全に対する腎損傷の病因において重要な役割を果たしていることが示されており、近位細管細胞が中心的媒介物質であることが明らかにされている(フィリップス(Phillips)及びステッドマン(Steadman)、Histol Histopathol、2002年、第17号、247〜52頁)(フィリップス(Phillips)、Chang Gung Med J、2007年、第30(1)号、2〜6頁)。尿細管間質区画における線維化は、部分的に、常在線維芽細胞活性化により媒介され、この常在線維芽細胞は、炎症促進性サイトカイン分泌し、これが近位細管上皮刺激して、局所的な炎症及び線維化の媒介物質を分泌する。更に、走化性サイトカインが線維芽細胞及び上皮細胞によって分泌され、単核白血球マクロファージ及びT細胞を尿細管間質へと湿潤させるよう導く方向付け勾配を供給する。炎症性湿潤により、更に線維化及び炎症性のサイトカインが生成され、更に線維芽細胞及び上皮サイトカインの放出を活性化し、同時に上皮も刺激して表現型移行を起こし、これにより細胞が過剰な細胞外マトリックス成分沈積させる(シモンソンMS(Simonson MS)、Kidney Int、2007年、第71号、846〜854頁)。

インターロイキン−17(IL−17)はT細胞誘導炎症促進性サイトカインであり、ヒトの腎臓同種移植拒絶反応の際に上方制御される(ヴァン・クーテン(Van Kooten)ら、J Am Soc Nephrol、1998年、第9号、1526〜1534頁)(ルング(Loong)ら、J Path、2002年、第197号、322〜332頁)。IL−17は、近位細管上皮からの炎症促進性媒介物質IL−6、IL−8、補体成分C3、IL−17及びRANTESの産生を刺激する(ヴァン・クーテン(Van Kooten)ら、J Am Soc Nephrol、1998年、第9号、1526〜1534頁)(ウォルトマン(Woltman)ら、J Am Nephrol、2000年、第11号、2044〜55頁)。これらの因子が次に、他の炎症性細胞タイプの間質への補充を媒介し、これが炎症/免疫反応の維持に寄与し、抑制されない場合には線維症及び慢性同種移植腎症発症に寄与する(ラクセン(Racusen)ら、Kidney Int、1999年、第55号、713〜23頁)(マノン(Mannon)、Am J Transpl、2006年、第6号、867〜75頁)。しかしながら、IL−17が上皮細胞機能に単に、有害な自己分泌又はパラ分泌活性を有する可溶性媒介物質の分泌誘発により間接的に影響を与えているのか、それともIL−17が近位細管上皮に対して直接的な受容体媒介の線維形成促進影響を有しているのかは不明である。

概要

本発明は、線維症にかかっている患者のインターロイキン−17(IL−17)(例えばIL−17A又はIL−17F、又はそのムテイン)関連疾患を、IL−17拮抗薬を用いて治療するための方法及び組成物に関し、このIL−17拮抗薬は、小分子IL−17拮抗薬又はタンパク質IL−17拮抗薬、例えば、少なくとも1つのIL−17タンパク質、ムテイン、又はその断片に対して特異性を有する抗体(特定の部分又は変異体を含む)などであり、治療用製剤投与及びデバイスを含む。

目的

本発明の方法は、少なくとも1つの線維症の形態にかかっている患者において少なくともインターロイキン−17(IL−17)を阻害するため、少なくとも1つのIL−17拮抗薬をIL−17阻害に有効な量投与することを含む、少なくとも1つのIL−17拮抗薬を用いる方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくとも1つのヒトインターロイキン−17(IL−17)拮抗薬のIL−17阻害効果量を投与することを含んでなる、少なくとも1つのIL−17拮抗薬を用いることにより、少なくとも1つの形態の線維症にかかっている患者における少なくとも1つのIL−17の阻害方法であって、前記IL−17が、IL17A、IL−17F、又はこれらのムテインから選択される上記の方法。

請求項2

前記IL−17拮抗薬が、小分子及びタンパク質から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記小分子が、少なくとも1つのIL−17受容体に対してIL−17を遮断する能力を有する、インドール誘導体環状アミン誘導体ウレイド誘導体複素環式化合物アニリド類、又は機能性ピロール類から選択される、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記タンパク質が、可溶性受容体、抗体、ペプチド、それらの断片、又はそれらの融合タンパク質から選択される、請求項2に記載の方法。

請求項5

前記タンパク質が、前記タンパク質の血清半減期延長させる化合物又はタンパク質を更に含む、請求項4に記載の方法。

請求項6

前記抗体が、少なくとも1つの重鎖可変領域及び少なくとも1つの軽鎖を含む少なくとも1つの可変領域を含み、前記IL−17抗体が、配列番号1〜4の少なくとも1つと結合する、請求項4に記載の方法。

請求項7

前記抗体が、少なくとも10-9M、少なくとも10-10M、少なくとも10-11M、又は少なくとも10-12Mから選択される少なくとも1つの親和性でIL−17と結合する、請求項4に記載の方法。

請求項8

前記抗体が、少なくとも1つのIL−17ポリペプチドの少なくとも1つの活性を実質的に調節する、請求項4に記載の方法。

請求項9

前記小分子又はタンパク質が、少なくとも1つの製薬上許容できる担体又は希釈剤を更に含む組成物として供給される、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記方法が、検出可能な標識又はリポーター、TNF拮抗薬、抗感染薬循環器CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、呼吸器薬、胃腸GI)管薬、ホルモン薬体液又は電解質平衡薬、血管系作用薬抗腫瘍薬免疫調整薬、眼、又は鼻用薬、局所薬栄養製品サイトカイン、又はサイトカイン拮抗薬から少なくとも1つ選択された、少なくとも1つの(at least one at least one)化合物又はポリペプチドを投与することを更に含む、請求項1に記載の方法。

請求項11

前記の阻害効果量が、前記細胞組織器官又は動物キログラム当たり0.001〜50mgである、請求項1に記載の方法。

請求項12

前記投与が、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、関節包内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内結腸内、頚管内、胃内肝臓内心筋内骨内骨盤内、心膜内腹腔内、胸膜内前立腺内肺臓内、直腸内、腎臓内網膜内、脊髄内、液嚢内胸郭内子宮内膀胱内病巣内ボーラス内、直腸、口腔内下、鼻腔内、又は経皮から選択される少なくとも1つの方法による、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記線維症が器官特異性線維症又は全身性線維症である、請求項1に記載の方法。

請求項14

前記器官特異性線維症が、肺線維症肝臓線維症腎臓線維症又は腎線維症心臓線維症血管線維症皮膚線維症、眼線維症、骨髄線維症、又はその他の線維症の少なくとも1つに関連する、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記肺線維症が、薬剤誘発性肺線維症、喘息サルコイドーシス、又は慢性閉塞性肺疾患の少なくとも1つに関連する、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記肝臓線維症が、肝硬変住血吸虫症、又は胆管炎の少なくとも1つに関連する、請求項14に記載の方法。

請求項17

前記肝硬変が、C型肝炎後肝硬変、原発性胆汁性肝硬変の少なくとも1つから選択される、請求項16に記載の方法。

請求項18

前記胆管炎が、硬化性胆管炎である、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記腎臓線維症が、狼瘡性糸球体硬化症に関連する、請求項14に記載の方法。

請求項20

前記心臓線維症が、心筋梗塞の少なくとも1つの種類に関連する、請求項14に記載の方法。

請求項21

前記血管線維症が、血管形成術動脈再狭窄、又はアテローム性動脈硬化の少なくとも1つに関連する、請求項14に記載の方法。

請求項22

前記皮膚線維症が、ケロイド、又は腎性線維形成性皮膚症の少なくとも1つに関連する、請求項14に記載の方法。

請求項23

前記眼線維症が、後眼窩線維症、白内障手術後又増殖性硝子網膜症の少なくとも1つに関連する、請求項14に記載の方法。

請求項24

前記骨髄線維症が、特発性骨髄線維症又は薬剤誘発性骨髄線維症の少なくとも1つに関連する、請求項14に記載の方法。

請求項25

前記の他の線維症が、ペイロニー病デュピュイトラン拘縮、又は皮膚筋炎から選択される、請求項14に記載の方法。

請求項26

前記全身性線維症が、全身性硬化症及び移植片対宿主病から選択される、請求項13に記載の方法。

技術分野

0001

(関連出願の相互参照
優先権.本出願は、米国特許仮出願第60/951,270号(2008年7月23日出願)及び同第60/955,414号(2007年8月13日出願)に対し優先権を主張し、これらの出願はそれぞれ、全文を参照により本明細書に組み込まれる。

0002

(発明の分野)
本発明は、小分子インターロイキン−17(IL−17)拮抗薬又はタンパク質IL−17拮抗薬、例えば少なくとも1つのIL−17タンパク質、ムテイン、又はその断片に対して特異性を有する抗体(特定の部分又は変異体を含む)のような、IL−17拮抗薬を用いて、線維症にかかっている患者のIL−17関連症状治療するための方法及び組成物に関し、治療用製剤投与及びデバイスを含む。

背景技術

0003

腎線維症急性発作(例えば移植虚血/再潅流)(フリース(Freese)ら、Nephrol Dial Transplant、2001年、第16号、2401〜2406頁)又は慢性疾患症状(例えば糖尿病)(リッツ(Ritz)ら、Nephrol Dial Transplant、1996年、第11号、補遺9、38〜44頁)のいずれかから発現し得る。その病因は通常、腎糸球体濾過器官及び尿細管間質に最初に炎症反応が起こった後、線維化が持続することとして特徴づけられる(リウY(Liu Y)、Kidney Int、2006年、第69号、213〜217頁)。尿細管間質線維症は、末期腎不全に対する腎損傷の病因において重要な役割を果たしていることが示されており、近位細管細胞が中心的媒介物質であることが明らかにされている(フィリップス(Phillips)及びステッドマン(Steadman)、Histol Histopathol、2002年、第17号、247〜52頁)(フィリップス(Phillips)、Chang Gung Med J、2007年、第30(1)号、2〜6頁)。尿細管間質区画における線維化は、部分的に、常在線維芽細胞活性化により媒介され、この常在線維芽細胞は、炎症促進性サイトカイン分泌し、これが近位細管上皮刺激して、局所的な炎症及び線維化の媒介物質を分泌する。更に、走化性サイトカインが線維芽細胞及び上皮細胞によって分泌され、単核白血球マクロファージ及びT細胞を尿細管間質へと湿潤させるよう導く方向付け勾配を供給する。炎症性湿潤により、更に線維化及び炎症性のサイトカインが生成され、更に線維芽細胞及び上皮サイトカインの放出を活性化し、同時に上皮も刺激して表現型移行を起こし、これにより細胞が過剰な細胞外マトリックス成分沈積させる(シモンソンMS(Simonson MS)、Kidney Int、2007年、第71号、846〜854頁)。

0004

インターロイキン−17(IL−17)はT細胞誘導炎症促進性サイトカインであり、ヒトの腎臓同種移植拒絶反応の際に上方制御される(ヴァン・クーテン(Van Kooten)ら、J Am Soc Nephrol、1998年、第9号、1526〜1534頁)(ルング(Loong)ら、J Path、2002年、第197号、322〜332頁)。IL−17は、近位細管上皮からの炎症促進性媒介物質IL−6、IL−8、補体成分C3、IL−17及びRANTESの産生を刺激する(ヴァン・クーテン(Van Kooten)ら、J Am Soc Nephrol、1998年、第9号、1526〜1534頁)(ウォルトマン(Woltman)ら、J Am Nephrol、2000年、第11号、2044〜55頁)。これらの因子が次に、他の炎症性細胞タイプの間質への補充を媒介し、これが炎症/免疫反応の維持に寄与し、抑制されない場合には線維症及び慢性同種移植腎症発症に寄与する(ラクセン(Racusen)ら、Kidney Int、1999年、第55号、713〜23頁)(マノン(Mannon)、Am J Transpl、2006年、第6号、867〜75頁)。しかしながら、IL−17が上皮細胞機能に単に、有害な自己分泌又はパラ分泌活性を有する可溶性媒介物質の分泌誘発により間接的に影響を与えているのか、それともIL−17が近位細管上皮に対して直接的な受容体媒介の線維形成促進影響を有しているのかは不明である。

発明が解決しようとする課題

0005

したがって、IL−17関連線維症の症候を軽減又は除去するための治療に使用するためのヒトIL−17に特異的なヒト抗体、並びに既知の抗体又はその断片に対する改良を供給する必要が存在する。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、小分子IL−17拮抗薬又はタンパク質IL−17拮抗薬、例えば、少なくとも1つのヒトインターロイキン−17(IL−17)タンパク質(IL−17A、IL−17F、又はそのムテイン(例えば配列番号1〜4の1つが挙げられるが、これらに限定されない))、又はその断片に対して特異性を有する抗体(特定の部分又は変異体を含む)のような、IL−17拮抗薬を用いて、線維症にかかっている患者のIL−17関連症状を治療するための方法及び組成物に関するものであり、治療用製剤、投与及びデバイスを含む。

0007

本発明の方法は、少なくとも1つの線維症の形態にかかっている患者において少なくともインターロイキン−17(IL−17)を阻害するため、少なくとも1つのIL−17拮抗薬をIL−17阻害に有効な量投与することを含む、少なくとも1つのIL−17拮抗薬を用いる方法を提供する。IL−17拮抗薬は、小分子及びタンパク質から選択することができる。小分子は、任意のIL−17拮抗薬から選択することができる。

0008

本発明は、IL−17が、腎臓近位細管上皮に対して直接作用することができる線維形成促進因子であり、線維形成促進表現型への移行を誘発することを開示する。線維形成促進性の可溶性媒介物質を、IL−17誘発により分泌することで、腎臓線維形成を間接的に媒介するIL−17の機能についても、ここに示される。IL−17は、線維形成促進遺伝子CTGF、CD44及びTGFβR1の発現を刺激し、これと平行して、上皮形成促進マーカーであるe−カドヘリンの発現を低下させる。e−カドヘリンの下方制御によって示される上皮表現型の喪失は、腎臓線維症の発症における顕著な出来事としてこれまでに示されており、一方、CTGF、CD44及びTGFβR1は病因においてアクティブな役割を果たしていることが明らかにされている(トマス(Thomas)ら、Adv Chr Kid Dis、2005年、第12(2)号、177〜86頁)(アイトナー(Eitner)及びフロージ(Floege)、Curr Op Invest Drugs、2005年、第6(3)号、255〜61頁)(フロークイン(Florquin)及びローショップ(Rouschop)、Kid Int Suppl、2003年10月、第(86)号、S15〜20頁)。更に、IL−17は炎症促進性サイトカイン(IL−6及びIL−8)、並びに、常在上皮との免疫細胞相互作用免疫細胞化学誘因物質及び媒介物質として作用するいくつかの因子(フラクタルカインGMCSF及びG−CSF)の、分泌を刺激する(スティエバーノL(Stievano L)ら、Crit Rev Immunol、2004年、第24(3)号、205〜28頁)(ガッソンJC(Gasson JC)ら、Prog Clin Biol Res、1990年、第352号、375〜84頁)(アイルズJL(Eyles JL)ら、Nat Clin Pract Rheumatol、2006年9月、第2(9)号、500〜10頁)。腎臓線維化及び腎臓機能低下の主要な原因の構成要素は、正常な上皮構造を破壊することである(トマスMC(Thomas MC)ら、Adv Chron Kid Dis、2005年、第12(2)号、177〜86頁)。IL−17は、密着結合タンパク質である閉鎖帯−1(ZO−1)の減少によって示される、コンフルエントな上皮単層における、細胞間結合の破壊と上皮一体性の低下を実質的に起こす。予備的データでは、前述の、炎症促進性/線維形成促進性媒介物質のIL−17誘発分泌及びZO−1の下方制御は、ヒトIL−17に特異性を有する中和抗体同時投与によって抑制することができることが示されている。よって我々は、IL−17活性の中和が、炎症性及び/又は線維形成構成要素を表わす腎臓病状の治療に有益であり得ることを提案する。

0009

タンパク質は、可溶性受容体、抗体、ペプチド、それらの断片、又はそれらの融合タンパク質から選択することができる。タンパク質は更に、そのタンパク質の血清半減期を増大させる化合物又はタンパク質を含み得る。

0010

このような1つの方法において、抗体は、少なくとも1つの重鎖可変領域及び少なくとも1つの軽鎖可変領域を含む、少なくとも1つの可変領域を含み得、そのIL−17抗体は、配列番号1〜3の少なくとも1つと結合する重鎖及び軽鎖可変領域の両方を含む。

0011

このような1つの方法において、抗体は、少なくとも10-9M、少なくとも10-10M、少なくとも10-11M、又は少なくとも10-12Mから選択される少なくとも1つの親和性でIL−17と結合する。抗体は、少なくとも1つのIL−17ポリペプチドの少なくとも1つの活性を実質的に調節することができる。小分子又はタンパク質は、少なくとも1つの製薬上許容できる担体又は希釈剤を更に含む組成物として提供することができる。

0012

この方法は更に、検出可能な標識又はリポーター、TNF拮抗薬、抗感染薬心臓血管CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、呼吸器薬、胃腸GI)管薬、ホルモン薬体液又は電解質平衡薬、血管系作用薬抗腫瘍薬免疫調整薬、眼、又は鼻用薬、局所薬栄養製品、サイトカイン、又はサイトカイン拮抗薬の少なくとも1つから選択された、少なくとも1つの化合物又はポリペプチドを投与することを含む。

0013

このような1つの方法において、その阻害有効量は、その細胞、組織器官又は動物に対し0.001〜50mg/kgであり得、例えば0.01〜20mg/kg、1〜10、1〜3、1〜5、0.1〜1、0.2〜2mg/kgなどであるがこれらに限定されない。

0014

このような1つの方法において、その投与が、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、関節包内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内結腸内、頚管内、胃内肝臓内心筋内骨内骨盤内、心膜内腹腔内、胸膜内前立腺内肺臓内、直腸内、腎臓内網膜内、脊髄内、液嚢内胸郭内子宮内膀胱内病巣内ボーラス内、直腸、口腔内下、鼻腔内、又は経皮から選択される少なくとも1つの方法によって行うことができる。

0015

このような1つの方法において、線維症は器官特異性線維症又は全身性線維症のいずれであってもよい。器官特異性線維症は、肺線維症肝臓線維症、腎臓線維症(又は腎線維症)、心臓線維症血管線維症皮膚線維症、眼線維症、骨髄線維症、又はその他の線維症のうち少なくとも1つに関連し得る。肺線維症は、特発性肺線維症薬剤誘発性肺線維症、喘息サルコイドーシス、又は慢性閉塞性肺疾患のうち少なくとも1つに関連し得る。肝臓線維症は、肝硬変住血吸虫症、又は胆管炎のうち少なくとも1つに関連し得る。肝硬変は、アルコール性肝硬変C型肝炎後肝硬変、原発性胆汁性肝硬変の中から選択され得る。胆管炎は硬化性胆管炎である。腎臓線維症は、糖尿病性腎症IgA腎症、移植腎症、又は狼瘡腎炎のうち少なくとも1つに関連し得る。心臓線維症は、心筋梗塞の少なくとも1つの種類に関連し得る。血管線維症は、血管形成術動脈再狭窄、又はアテローム性動脈硬化の少なくとも1つに関連し得る。皮膚線維症は、火傷瘢痕化肥厚性瘢痕化ケロイド、又は腎性線維症皮膚症の少なくとも1つに関連し得る。眼線維症は、後眼窩線維症、白内障手術後又増殖性硝子網膜症の少なくとも1つに関連し得る。骨髄線維症は、特発性骨髄線維症又は薬剤誘発性骨髄線維症の少なくとも1つに関連し得る。他の線維症は、ペイロニー病デュピュイトラン拘縮又は皮膚筋炎から選択され得る。全身性線維症は、全身性硬化症及び移植片宿主病から選択され得る。

0016

本発明は、当該技術分野において既知のものと組合せた形で、本明細書に記載され、可能にされた通りに、単離ヒト、霊長類、ゲッ歯類哺乳動物キメラヒト化及び/又はCDR移植型抗IL−17抗体、並びにその他の免疫グロブリン由来のタンパク質、断片、分解産物及びそれらの、その他の特定の部分及び変異体、並びに抗IL−17抗体組成物、コードしている核酸又は相補的核酸ベクター宿主細胞、組成物、処方物、デバイス、トランスジェニック動物トランスジェニック植物並びにその製造及び使用方法を提供する。本明細書に記載されているような本発明の抗体の組成物に加えて、本発明の抗体は、ヒトIL−17に対するその親和性、ヒトIL−17に対する特異性、及びヒトIL−17の生物活性遮断する能力により定義される。

0017

本発明は、本明細書に記載されているような少なくとも1つの抗体、抗体融合タンパク質、又は断片などの(ただしこれらに限定されない)少なくとも1つの単離抗IL−17抗体もまた、提供する。本発明に従った抗体には、免疫グロブリン分子の少なくとも一部分を含むあらゆるタンパク質又はペプチド含有分子が含まれ、この免疫グロブリンには例えば、少なくとも1つのリガンド結合ドメインが含まれ(ただしこれらに限定されない)、このリガンド結合ドメインには例えば、重鎖又は軽鎖可変領域、重鎖又は軽鎖相補性決定領域(CDR)又はそのリガンド結合部が含まれ(ただしこれらに限定されない)、更に所望により、ヒト免疫グロブリンの少なくともCH1、ヒンジ、CH2又はCH3が含まれ得る。少なくとも1つの抗体のアミノ酸配列は更に、所望により、本明細書に記載されているか又は当該技術分野において既知のような、少なくとも1つの特定の置換、挿入又は欠失を含み得る。

0018

本発明は、1つの態様において、少なくとも1つの特定の配列、ドメイン、部分又はその変異体を含む、特定の抗IL−17抗体をコードするポリヌクレオチドを含むか、これに対し相補的か、又はこれとハイブリダイズする単離核酸分子を提供する。本発明は更に、前記抗IL−17抗体核酸分子を含む組換えベクター、このような核酸及び/又は組換えベクターを含有する宿主細胞、並びにこのような抗体核酸、ベクター及び/又は宿主細胞の製造及び/又は使用方法をも提供する。

0019

本発明の少なくとも1つの抗体は、配列番号1〜3の少なくとも1つ中に提供されているもののような、少なくとも1つのIL−17タンパク質又は変異体又は誘導体に対して特異的な、少なくとも1つの特定のエピトープに結合する。この少なくとも1つのエピトープは、前記タンパク質の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの抗体結合領域を含むことができ、このエピトープは好ましくは、前記タンパク質の少なくとも1つの機能的、細胞外、可溶性、親水性、外部若しくは細胞質ドメイン又はその任意の部分といった(ただしこれらに限定されない)その少なくとも一部分の少なくとも1〜5個のアミノ酸で構成されている。

0020

少なくとも1つの抗体は、所望により、少なくとも1つの相補的決定領域(CDR)(例えば、重鎖又は軽鎖可変領域のCDR1、CDR2、又はCDR3)の少なくとも1つの特定部分を含み得;かつ所望により更に、少なくとも1つの定常若しくは可変フレームワーク領域又はその任意の部分を含み、ここにおいてその抗体は、IL−17の細胞表面の受容体への結合、IL−17受容体インターナリゼーション、IL−17刺激によるCa2+可動化、又はその他任意の好適な既知IL−17アッセイのような(ただしこれらに限定されない)活性のうち、少なくとも1つを遮断、阻害又は防止する。このように抗IL−17抗体は、既知の方法によって、IL−17タンパク質に対する少なくとも1つの生物学的活性など(これに限定されない)の対応する活性によってスクリーニングすることができる。

0021

本発明は更に、本発明の少なくとも1つのIL−17抗体に対する少なくとも1つのIL−17抗イディオタイプ抗体を提供する。この抗イディオタイプ抗体は、本発明の抗イディオタイプ抗体の中に取込むことのできる、重鎖若しくは軽鎖の相補性決定領域(CDR)若しくはそのリガンド結合部、重鎖若しくは軽鎖可変領域、重鎖若しくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、又はその任意の部分などの(ただしこれらに限定されない)、少なくとも1つのリガンド結合部(LBP)などの(ただしこれらに限定されない)、免疫グロブリン分子の少なくとも一部分を含む、あらゆるタンパク質又はペプチド含有分子を包含する。本発明の抗イディオタイプ抗体は、ヒト、マウスウサギラット、ゲッ歯類、霊長類などといった(ただしこれらに限定されない)あらゆる哺乳動物を含むか、又はこれらに由来し得る。

0022

本発明は、一態様において、少なくとも1つの特定の配列、ドメイン、部分又はその変異体を含む、少なくとも1つのIL−17抗イディオタイプ抗体をコードするポリヌクレオチドを含むか、これに対し相補的か、又はこれとハイブリダイズする単離核酸分子を提供する。本発明は更に、核酸分子をコードする前記IL−17抗イディオタイプ抗体を含む組換えベクター、このような核酸及び/又は組換えベクターを含有する宿主細胞、並びに、このような抗イディオタイプ抗体核酸、ベクター及び/又は宿主細胞の製造及び/又は使用方法を提供する。

0023

本発明はまた、少なくとも1つの抗IL−17抗体が検出可能かつ/又は回収可能な量で発現する条件下で、本明細書に記載されたような宿主細胞を培養する工程を含んでなる、宿主細胞中で少なくとも1つの抗IL−17抗体又はIL−17抗イディオタイプ抗体を発現させるための少なくとも1つの方法をも提供する。

0024

本発明はまた、(a)本明細書に記載されているような核酸及び/又は抗体をコードする単離抗IL−17抗体;並びに(b)適切な担体又は希釈剤を含む、少なくとも1つの組成物をも提供する。担体又は希釈剤は所望により製薬上許容できるものであってよく、既知の担体又は希釈剤に準じる。組成物は所望により、更に少なくとも1つの更なる化合物、タンパク質又は組成物を含むことができる。

0025

本発明は更に、当該技術分野で既知のような及び/又は本明細書に記載されているような、関連する症状の前後若しくはその間に、及び/又は細胞、組織、器官、動物若しくは患者の中の少なくとも1つのIL−17に関連する症状を調節若しくは治療するべく、治療上有効な量を投与するための、少なくとも1つの抗IL−17抗体方法又は組成物を提供する。

0026

本発明はまた、本発明に従った治療的若しくは予防的有効量の少なくとも1つの抗IL−17抗体の少なくとも1つの組成物、デバイス及び/又は送達用方法をも提供する。

0027

本発明は更に、当該技術分野で既知のような及び/又は本明細書に記載されているような、関連する症状の前後若しくはその間に、及び/又は細胞、組織、器官、動物若しくは患者の中の少なくとも1つのIL−17関連に関連する症状について診断を下すための、少なくとも1つの抗IL−17抗体方法又は組成物を提供する。

0028

本発明はまた、本発明に従った少なくとも1つの抗IL−17抗体を診断するための少なくとも1つの組成物、デバイス及び/又は送達用方法をも提供する。

0029

少なくとも1つの抗体は所望により更に、少なくとも10-9M、少なくとも10-10M、少なくとも10-11M、又は少なくとも10-12Mから選択される少なくとも1つの親和性でIL−17に結合することと、少なくとも1つのIL−17タンパク質の少なくとも1つの活性を実質的に中和することのうちの、少なくとも1つのことを行うことができる。同様に提供されるのは、少なくとも1つの単離された哺乳動物抗IL−17抗体をコードする単離核酸、単離核酸を含む単離核酸ベクター及び/又は単離核酸を含む原核生物宿主若しくは真核生物宿主細胞である。該宿主細胞は、所望により、NSO、COS−1、COS−7、HEK293、BHK21、CHO、BSC−1、Hep G2、YB2/0、SP2/0、HeLa、骨髄腫若しくはリンパ腫細胞、又はそのあらゆる誘導体、それらの不死化若しくは形質転換細胞から選択される、少なくとも1つのものであり得る。同様に提供されるのは、IL−17抗体が検出可能な又は回収可能な量で発現するように、インビトロインビボ又はインサイチュ条件下で核酸をコードする抗体を翻訳することを含んでなる、少なくとも1つの抗IL−17抗体の産生方法である。

0030

同様に提供されるのは、少なくとも1つの単離された哺乳動物抗IL−17抗体及び少なくとも1つの製薬上許容できる担体又は希釈剤を含む組成物である。

0031

同様に提供されるのは、細胞、組織、器官又は動物内のIL−17に関連する症状を診断又は治療するための方法であって、(a)前記細胞、組織、器官又は動物を、有効量の本発明の少なくとも1つの単離された哺乳動物抗IL−17抗体を含む組成物と接触させること又はそれらに対しこのような組成物を投与することを含んでなる方法である。

0032

同様に提供されるのは、本発明の少なくとも1つの単離された哺乳動物抗IL−17抗体を含む医療デバイスであって、前記デバイスは、非経口、皮下、筋内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、関節包内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑液嚢内、胸郭内、子宮内、膀胱内、病巣内、ボーラス、膣内、直腸、口腔内、舌下、鼻腔内又は経皮から選択される少なくとも1つの様式により、少なくとも1つの抗IL−17抗体を接触させる又は投与することに適する。

0033

同様に提供されるのは、本発明の少なくとも1つの単離された哺乳動物抗IL−17抗体を溶液微粒子又は凍結乾燥形態で含む包装材料及び容器を含む、ヒトの製薬又は診断用途向けの製造品である。

0034

同様に提供されるのは、抗体を回収可能な量で発現する能力をもつ宿主細胞又はトランスジェニック動物又はトランスジェニック植物又は植物細胞を提供することを含んでなる、本発明の少なくとも1つの単離された哺乳動物抗IL−17抗体の産生方法である。本発明で更に提供されるのは、上述の方法により産生された少なくとも1つの抗IL−17抗体である。

0035

本発明は更に、本明細書に記載する任意の発明を提供する。

図面の簡単な説明

0036

ヒト腎臓近位細管上皮細胞の線維形成促進遺伝子発現に対するIL−17の影響。IL−17(10ng/mL)は上皮促進遺伝子e−カドヘリンの発現を顕著に低下させ(2.04倍、P<0.05)、かつ線維形成促進遺伝子CTGF及びCD44の発現を顕著に増加させた(それぞれ、2.67倍、P<0.0001、及び1.57倍、P<0.001)。

0037

IL−17(100ng/mL)はまた、TGFβR1発現を顕著に増加させた(1.49倍、P<0.05)。これらのデータは、IL−17がヒト腎臓近位細管上皮において線維形成促進反応を引き出す能力があることを示す。

0038

ヒト腎臓近位細管上皮細胞における可溶性の線維形成促進媒介物質の分泌に対するIL−17の影響。IL−17はすべての濃度において、IL−6(A)、IL−8(B)、VEGF(C)、フラクタルカイン(D)、GM−CSF(E)及びG−CSF(F)の分泌を顕著に増加させた(1、10、100ng/mL、P<0.05)。比較のため、TGF−β1(特徴がよく知られた強力な線維化因子)の影響が調べられた。TGF−β1はすべての濃度においてVEGF及びGM−CSFの分泌を顕著に刺激したが、IL−17刺激の強さほどではなかった。TGF−β1は1ng/mLでIL−8の分泌を、及び10ng/mLでG−CSFの分泌を、それぞれ増加させた。IL−6分泌に対する影響はなかった。興味深いことに、TGF−β1はすべての濃度においてフラクタルカイン分泌を阻害した。これらのデータから、IL−17は、直接的な線維形成促進の表現型移行に加え、上皮による可溶性炎症/線維形成促進媒介物質の分泌を媒介することにより、腎臓の炎症/線維化を推進するが、他の線維形成促進媒介物質とは異なる影響を有する可能性もある。

0039

IL−17刺激による線維形成促進因子分泌の抗体媒介による中和。この予備的研究は、炎症/線維形成促進媒介物質のIL−17媒介による分泌が、中和抗体治療によって阻害される可能性があることを示している。IL−17(10ng/mL)をモノクローナル抗IL−17抗体(120ng/mL)と共にプレインキュベーションすることにより、上皮によるIL−6(A)、IL−8(B)、VEGF(C)、フラクタルカイン(D)及びGM−CSF(E)の分泌のIL−17刺激が、未処理の対照標準に近いレベルにまで低下した。これらのデータは、炎症/線維形成促進因子の分泌に対するIL−17の刺激影響が容易に阻害されることを示唆し、これはIL−17が腎臓の炎症/線維症の減衰のための実行可能な標的であることを示している。

0040

ヒト腎臓近位細管上皮細胞におけるIL−17誘導によるZO−1の下方制御と、中和抗IL−17抗体による阻害。IL−17(50ng/mL)は、未処理の対照標準細胞(A)に比べ、ZO−1免疫活性(B)を実質的に低下させた。IL−17を、中和抗IL−17抗体(0.6mg/mL)と共にプレインキュベーションすると、IL−17誘導によるZO−1(C)の下方制御が防止された。IL−17をIgGイソタイプ対照標準と共にプレインキュベーションしたところ、ZO−1の下方制御(D)の阻害に失敗し、これは、IL−17の作用と抗体阻害の両方の特異性を示している(倍率約×200)。

0041

本発明は、小分子インターロイキン−17(IL−17)拮抗薬又はタンパク質IL−17拮抗薬、例えば少なくとも1つのIL−17タンパク質(IL−17A、IL−17F、又はそのムテイン(例えば配列番号1〜4の1つが挙げられるが、これらに限定されない))、又はその断片に対して特異性を有する抗体(特定の部分又は変異体を含む)のような、IL−17拮抗薬を用いて、少なくとも1つの形態の線維症にかかっている患者のIL−17関連症状を治療するための方法及び組成物に関し、治療用製剤、投与及びデバイスを含む。

0042

本発明は、少なくとも1つの精製、単離、組換え及び/又は合成の、抗IL−17ヒト抗体、霊長類抗体、ゲッ歯類抗体、哺乳動物抗体、キメラ抗体ヒト化抗体改変抗体、又はCDR移植抗体、及びそれらに対するIL−17抗イディオタイプ抗体、並びに少なくとも1つの抗IL−17抗体又は抗イディオタイプ抗体をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む組成物及びコードする核酸分子を提供する。本発明は更に、このような核酸並びに抗体及び抗イディオタイプ抗体の製造並びに使用方法を含むが、これらに限定されない、診断用及び治療用組成物、方法及びデバイスを含む。

0043

引用:本明細書で引用される全ての刊行物又は特許は、本発明の時点の当該技術分野の状態を示すため、参考として本明細書に全体が組み入れられ、及び/又は本発明の説明及び使用可能性を提供する。発行物とは、任意の科学的又は特許公開、又は全ての記録、電子、又は印刷形式を含む任意のメディア形式入手可能な任意の他の情報を意味する。以下の参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:オースベル(Ausubel)ら編、「分子生物学最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」、ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)(ニューヨーク州ニューヨーク)、(1987〜2004年);サムルック(Sambrook)ら、「分子クローニング実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」第2版、コールドスプリングハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク、(1989年);ハーロー(Harlow)及びレーン(Lane)、「抗体、実験室マニュアル(antibodies, a Laboratory Manual)」、コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク、(1989年);コリガン(Colligan)ら編、「免疫学の最新プロトコル(Current Protocols in Immunology)」、ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)ニューヨーク(1994〜2007年);コリガン(Colligan)ら、「タンパク質科学の最新プロトコル(Current Protocols in Protein Science)」ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)(ニューヨーク州ニューヨーク)(1997〜2007年)。

0044

略記
aa:アミノ酸;BSA:ウシ血清アルブミン;CDR:相補性決定領域;ECL電気化学発光;HuCAL登録商標):ヒトコンビナトリアル抗体ライブラリHSAヒト血清アルブミン;IL−17:インターロイキン−17;Ig:免疫グロブリン;IPTG:イソプロピルβ−D−チオガラクトシド;mAb:モノクローナル抗体PBSリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4);SET溶液平衡滴定;VH:免疫グロブリン重鎖可変領域;VL:免疫グロブリン軽鎖可変領域

0045

定義
本明細書で使用するとき、「抗CCL2抗体」、「抗IL−17抗体」、「抗IL−17抗体部分」若しくは、「抗IL−17抗体断片」及び/又は「抗IL−17抗体変異体」などは、本発明の抗体の中に取り込むことのできる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部分を含むあらゆるタンパク質又はペプチド含有分子を含み、これには例えば、重鎖若しくは軽鎖の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)又はそのリガンド結合部、重鎖又は軽鎖可変領域、重鎖又は軽鎖定常領域、フレームワーク領域又はその任意の一部分、又はIL−17受容体若しくは結合タンパク質の少なくとも一部分が挙げられるが、これらに限定されない。このような抗体は所望により、更に、特定のリガンドに影響を及ぼし、例えばこのような抗体は、インビトロ、インサイチュ及び/又はインビボで、少なくとも1つのIL−17活性若しくは結合、又はIL−17受容体活性若しくは結合を、調節、低減、増大、拮抗、作動、軽減、緩和、遮断、阻害、無効化、及び/又は干渉するが、これらに限定されない。非限定的な例として、本発明の好適な抗IL−17抗体、その特定部分、又は変異体は、少なくとも1つのIL−17又はその特定部分、変異体若しくはドメインを結合することができる。IL−17タンパク質の非限定的な例としては、IL−17A、IL−17F、又はそのムテインが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、配列番号1〜4の1つ、若しくは断片、又はそれらのムテインであるが、これらに限定されない)。

0046

本明細書で使用するとき、「エピトープ」とは、抗体に特異的に結合することができるタンパク質のセグメント又は特性を意味する。エピトープは通常、アミノ酸又は糖側鎖などの化学的に活性な分子表面基から成り、通常、特定の3次元構造特性並びに特定の電荷特性を有する。立体構造的エピトープ及び非立体構造的エピトープは、変性溶媒の存在下で、立体構造エピトープに対する結合が失われるが、非立体構造的エピトープに対する結合は失われないという点で区別される。IL−17の線形配列の様々な部分からのアミノ酸が3次元空間内でごく近接して集まるときに発生する、IL−17分子の立体構造的折り畳みの結果としてもたらされるタンパク質エピトープが含まれる。

0047

本明細書で使用するとき「ヒト抗体」という用語は、そのタンパク質の実質的に全ての部分(例えば、CDR、フレームワーク、CL、CHドメイン(例えばCH1、CH2、CH3)、ヒンジ、(VL、VH))がヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子配列の組換え事象に由来、又は、成熟ヒト抗体配列に由来する抗体を意味する。ヒトから単離された抗体に加えて、このようなヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン生殖細胞系遺伝子との免疫反応を開始する能力をもつトランスジェニックマウス免疫付与することによって得ることができ(ロンバーグ(Lonberg)ら、Int Rev Immunol、13(1):65〜93頁(1995年)、及びフィッシュウォルド(Fishwald)ら、Nat Biotechnol、14(7):845〜851頁(1996年))、又は、本明細書に記載されているようなヒト抗体レパートリーライブラリから選択することができる。このようなヒト遺伝子配列の供給源は、任意の適切なライブラリ内見出すことができ、例えばヒト抗体遺伝子データベースであるVBASE(http://www.mrc−cpe.cam.ac.uk/imt−doc)若しくはその翻訳産物、又はヒト抗体をそのアミノ酸配列類似性に基づいた群に分類しているhttp://people.cryst.bbk.ac.uk/〜ubcg07s/に見出すことができる。この定義の範囲に入るのは、1つ又はそれ以上のヒト抗体配列からのフレームワーク領域、及び2つの異なるヒト又は非ヒト供給源からのCDR領域を含む、複合抗体又はヒト複合抗体の機能的断片である。「ヒト抗体」の定義には、生殖細胞系及び再構成されたヒト抗体配列の両方からのフレームワーク領域、並びに2つの異なる供給源抗体からのCDR領域を含有する、複合抗体又はヒト複合抗体の機能的断片が含まれる。本開示に従ったヒト複合抗体又はヒト複合抗体の機能的断片は、1つ又はそれ以上のヒト抗体配列からのフレームワーク領域、及びヒト若しくは非ヒト抗体配列由来のCDR領域を含み、又は完全に合成であってもよい。このように、ヒト抗体は、キメラ又はヒト化抗体とは区別される。ヒト抗体が、機能的に再構成されたヒト免疫グロブリン(例えば重鎖及び/又は軽鎖)遺伝子を発現する能力をもつ非ヒト動物又は原核若しくは真核細胞により産生され得るということが指摘されている。更に、ヒト抗体が1本鎖抗体である場合、これはネイティブのヒト抗体の中に見出されないリンカーペプチドを含む可能性がある。例えば、Fvは、重鎖の可変領域及び軽鎖の可変領域を連結する2〜約8個のグリシン又はその他のアミノ酸残基などのリンカーペプチドを含み得る。このようなリンカーペプチドはヒト由来のものと見なされる。

0048

非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」形態とは、非ヒト免疫グロブリンに由来する、実質的に置換された配列部分を有するキメラ抗体である。通常、ヒト化抗体は、レシピエントのCDR(超可変領域としても知られている相補性決定領域)残基が、望ましい特異性、親和性及び能力をもつマウス、ラット、ウサギ又は非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)からのCDR残基で置換されている、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒト残基により置換される。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体内に見出されない残基を含むことがある。これらの改変は、抗体性能を更に高めるように行われる。一般にヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、このドメインにおいては、超可変領域の全て又は実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FRの全て又は実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体はまた、所望により、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分、典型的にはヒトIgG免疫グロブリンの一部分を含むことになる。更なる詳細については、ジョーンズ(Jones)ら、Nature、第321号、522〜525頁(1986年);ライヒマン(Reichmann)ら、Nature、第332号、323〜329頁(1988年);及びプレスタ(Presta)、Curr.Op.Struct.Biol.、第2号、593〜596頁(1992年)を参照のこと。

0049

本明細書で使用するとき、抗体のKdとは、既定抗原についての抗体の解離定数KDを意味し、特異的標的に対する抗体の親和性の尺度である。高親和性抗体は、既定の抗原について、10-8M以下、より好ましくは10-9M以下、更により好ましくは10-10M以下であるKDを有する。本明細書で使用するとき、「Kdis」若しくは「KD」又は「Kd」という用語は、特定の抗体−抗原相互作用の解離速度を意味するよう意図されている。「KD」は、結合速度(k1)又は「オン速度(kon)」に対する、解離速度(k2)(「オフ速度(koff)」とも呼ばれる)の比である。よってKDはk2/k1又はkoff/konに等しく、モル濃度(M)で表わされる。当然、KDが小さくなるほど、結合は強くなる。よって、KDが10-6M(又は1マイクロM)とは、10-9M(又は1nM)に比べ、弱い結合を表わす。

0050

本明細書で使用するとき、用語「〜に対する特異性」及び「特異的結合」及び「特異的に結合する」は、他の抗原又はタンパク質に対するよりも大きな親和性をもって、既定の抗原に抗体が結合することを意味する。典型的には、抗体は、解離定数(KD)が10-7M以下で結合し、既定の抗原以外の非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン、又はその他任意の特定のポリペプチド)に結合するためのKDに比べ、少なくとも2分の1のKDで、既定の抗原に結合する。「抗原を認識する抗体」及び「抗原に特異的な抗体」という語句は、ここでは「抗原に対し特異的に結合する抗体」又は「抗原特異的抗体」、例えばMCP特異的抗体、という用語と互換的に用いられる。

0051

本明細書で使用するとき、用語「IL−17拮抗薬小分子」とは、IL−17活性を阻害し、治療用に可能性のあるものとして用いることができる、任意の適切な化学的化合物を意味する。このような化合物は当該技術分野において既知であり、例えばインドール誘導体環状アミン誘導体ウレイド誘導体複素環式化合物アニリド、及び機能性ピロールであって、CCR2Bに対するCCL2結合を遮断する能力を有するもの、並びに/又はCCR1若しくはCCL2自体の阻害が挙げられ、これらは国際特許公開第9905279号(1999年)、同第9916876号(1999年)、同第9912968号、同第9934818号、同第9909178号、同第9907351号、同第9907678号、同第9940913号、同第9940914号、同第0046195号、同第0046196号、同第0046197号、同第0046198号、同第0046199号、同第9925686号、同第0069815号、同第0069432号、同第9932468号、同第9806703号、同第9904770号、同第99045791号に開示されており、これらはそれぞれ、参照により全体が本明細書に組み込まれる。

0052

1.本発明の抗体の調製
単離及び/又はIL−17タンパク質若しくはその一部分(合成ペプチドなどの合成分子を含む)のような、ヒトIL−17タンパク質又はその断片に対して特異的なヒト抗体の調製は、当該技術分野において既知のあらゆる適切な技術を用いて実施可能である。ヒト抗体は、当該技術分野において既知のさまざまな技術を用いて産生可能である。1つの実施形態において、ヒト抗体は、1つのファージライブラリから選択することができ、ここでそのファージライブラリはヒト抗体を発現するものである(ヴォーン(Vaughan)ら(et Io al.)Nature Biotechnology、第14号、309〜314頁(1996年);シーツ(Sheets)ら、PITAS(USA)、第95号、6157〜6162頁(1998年));フーゲンブーム(Hoogenboom)及びウィンター(Winter)、J.Mol.Biol、第227号、381頁(1991年);マークス(Marks)ら、J.Mol.Biol、第222号、581頁(1991年))。

0053

ヒト抗体は、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的に又は完全に不活性化されているトランスジェニック動物(例えばマウス)の中に、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を導入することによって作成することもできる。例えば、機能的に再構成されたヒト免疫グロブリン重鎖導入遺伝子、及び機能的再構成を受けることのできるヒト免疫グロブリン軽鎖遺伝子座からのDNAを含む導入遺伝子を含む、トランスジェニックマウスは、ヒトIL−17又はその断片で免疫付与され、抗体の産生を引き起こすことができる。所望により、本明細書に記載されているように、及び/又は当該技術分野において既知のように、抗体産生細胞を単離し、ハイブリドーマ又はその他の不死化抗体産生細胞を調製することができる。別の方法として、抗体、特定の部分、又は変異体を、適切な宿主細胞内で、コードする核酸又はその一部分を用いて発現させることができる。

0054

適当な抗原に曝露したとき、遺伝子再構成組立て及び抗体レパートリーを含む全ての面で、ヒトについて見られるものに非常に似ているヒト抗体の産生が観察される。このアプローチは、例えば米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,016号、及びマークス(Marks)ら、Bio/Technology、第10号、779〜783頁(1992年);ロンバーグ(Lonberg)ら、Nature、第368号、856〜859頁(1994年);モリソン(Morrison)、Nature、第368号、812〜13頁(1994年);フィッシュワイルド(Fishwild)ら、Nature Biotechnology、第14号、845〜51頁(1996年);ニューバーガー(Neuberger)、Nature Biotechnology、第14号、826頁(1996年);ロンバーグ(Lonberg)及びヒューザー(Huezar)、Intern.Rev.Immunol.、第13号、65〜93頁(1995年)といった科学刊行物に記載されている。別の方法としては、ヒト抗体は、標的抗原に対応する抗体を産生するヒトBリンパ球の不死化によって調製可能である(このようなBリンパ球は、個体から回収しても、又はインビトロで免疫してもよい)。例えばコール(Cole)ら、「モノクローナル抗体と癌治療(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)」、アランR.リス(Alan R. Liss)、77頁(1985年);ベーナー(Boerner)ら、J.Immunol、第147(1)号、86〜95頁(1991年);及び米国特許第5,750,373号を参照されたい。抗体産生細胞は、対象とする抗原で免疫されたヒト又はその他の適切な動物の末梢血、又は好ましくは脾臓若しくはリンパ節から得ることもできる。その他の任意の適切な宿主細胞を使用して、本発明の抗体、特定の断片、又はその変異体をコードする異種の又は内因性の核酸を発現させることも可能である。選択的培養条件又はその他の適切な既知の方法を用いて、融合細胞(ハイブリドーマ)又は組換え細胞を単離し、限界希釈法若しくは細胞選別、又はその他の既知の方法によりクローニングすることができる。望ましい特異性をもつ抗体を産生する細胞を、適切なアッセイ(例えばELISA)により選択することができる。

0055

1つのアプローチにおいて、適切な不死細胞株(例えばSp2/0、Sp2/0−AG14、NSO、NSl、NS2、AE−I、L.5、>243、P3X63Ag8.653、Sp2 SA3、Sp2 MAI、Sp2SSl、Sp2 SA5、U937、MLA 144、ACT IV、MOLT4、DA−I、JURKAT、WEHI、K−562、COS、RAJI、NIH 3T3、HL−60、MLA 144、NAMAIWA、NEURO 2Aなどの骨髄腫細胞株があるが、これらに限定されない)若しくはヘテロ骨髄腫、その融合産物、又は任意の細胞若しくはそれらから誘導された融合細胞、又は当該技術分野において既知の任意のその他の適切な細胞株を融合させることによって、ハイブリドーマが作製される。例えばwww.atcc.org、又はwww.lifetech.comなどにおいて、単離若しくはクローニングされた脾臓、末梢血、リンパ液扁桃腺、又はその他の免疫細胞若しくはB細胞含有細胞、又は、内因性若しくは異種核酸のいずれとしてであれ、又は、組換え若しくは内因性のいずれとしてであれ、重鎖若しくは軽鎖の、定常若しくは可変若しくはフレームワーク若しくはCDR配列を発現するあらゆるその他の細胞、ウイルス、細菌、藻類、原核生物、両生類昆虫爬虫類魚類、哺乳動物、ゲッ歯類、ウマヒツジ類、ヤギ、ヒツジ、霊長類、真核生物ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNA若しくはRNA、葉緑体DNA若しくはRNA、hnRNAmRNAtRNA、1本鎖、2本鎖若しくは3本鎖、ハイブリダイズされたものなど、又はこれらの組合せなどであるが、これらに限定されない、抗体産生細胞について、参照されたい。例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれているオースベル(Ausubel)上掲書及びコリガン(Colligan)上掲書、Immunology、第2章を参照されたい。

0056

ヒトIL−17に結合し、定義された重鎖又は軽鎖可変領域を含むヒト抗体は、ファージディスプレイなどの適切な方法を用いて調製可能である(カツベ、Y(Katsube, Y.)ら、MJ Mol.Med、第1(5)号、863〜868頁(1998年))。用いることができる必要な特異性を有する抗体を産生する又は単離する、他の適切な方法としては、ペプチド又はタンパク質ライブラリ(例えばバクテリオファージリボソームオリゴヌクレオチド、RNA、cDNAなどであるが、これらに限定されない、ディスプレイライブラリ;例えば、Cambridge antibody Technologies(イギリスケンブリッジシャー(Cambridgeshire));MorphoSys(ドイツ・マルティスリート/プラネック(Martinsreid/Planegg));Biovation(英国スコトランド、アバディーン(Aberdeen));Biolnvent(スウェーデンルンド(Lund));Dyax Corp.,Enzon,Affymax/Biosite;Xoma(カリフォルニアバークリー(Berkeley));Ixsysから入手可能なものから組み換え抗体を選択する方法が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、欧州特許第368,684号、国際出願PCT/GB91/01134号;国際出願PCT/GB92/01755号;国際出願PCT/GB92/002240号;国際出願PCT/GB92/00883号;国際出願PCT/GB93/00605号;米国特許出願第08/350260号(5/12/94);国際出願PCT/GB94/01422号;国際出願PCT/GB94/02662号;国際出願PCT/GB97/01835号;(CATMRC);国際公開第90/14443号;国際公開第90/14424号;国際公開第90/14430号;国際出願PCT/US94/1234号;国際公開第92/18619号;国際公開第96/07754号;(Scripps);国際公開第96/13583号、国際公開第97/08320号(MorphoSys);国際公開第95/16027号(Biolnvent);国際公開第88/06630号;国際公開第90/3809号(Dyax);米国特許第4,704,692号(Enzon);国際出願PCT/US91/02989号(Affymax);国際公開第89/06283号;欧州特許第371 998号;欧州特許第550 400号;(Xoma);欧州特許第229 046号;国際出願PCT/US91/07149号(Ixsys);又は確率論的に産生されたペプチド又はタンパク質−米国特許第5723323号、同第5763192号、同第5814476号、同第5817483号、同第5824514号、同第5976862号、国際公開第86/05803号、欧州特許第590 689号(Ixsys、現在はApplied Molecular Evolution(AME)、それぞれ全体が参照により本明細書に組み込まれる)、又はトランスジェニック動物の免疫付与(例えばSCIDマウス、グエン(Nguyen)ら、Microbiol.Immunol.、第41号、901〜907頁(1997年);サンドゥ(Sandhu)ら、Crit.Rev.Biotechnol.、第16号、95〜118頁(1996年);エレン(Eren)ら、Immunol.、第93号、154〜161頁(1998年)を参照(それぞれ全体が参照により本明細書に組み込まれる))に依存しているものを参照されたい。

0057

抗体を生産するその他の適切な方法
当該技術分野で既知であり、及び/又は本明細書に記載されている通り、ヒト抗体のレパートリーを産生することができる、本発明の抗体を産生するためのその他の方法。このような技術としては、リボソームディスプレイ(ヘインズ(Hanes)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第94号、4937〜4942頁(1997年5月);(ヘインズ(Hanes)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第95号、14130〜14135頁(1998年11月));単一細胞抗体産生技術(例えば、選択リンパ球抗体方法(「SLAM」)(米国特許第5,627,052号、ウェン(Wen)ら、J.Immunol.、第17号、887〜892頁(1987年);バブコック(Babcook)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第93号、7843〜7848頁(1996年));ゲル微液滴とフローサイトメトリーパウエル(Powell)ら、Biotechnol.、第8号、333〜337頁(1990年);ワンセルステムズ(One Cell Systems)(マサチューセッツ州ケンブリッジ);グレイ(Gray)ら、J.Imm.Meth.、第182号、155〜163頁(1995年);ケニー(Kenny)ら、Bio/Technol.、第13号、787〜790頁(1995年));B細胞選択(B-cell selection)(スティーンバッカーズ(Steenbakkers)ら、Molec.Biol.Reports、第19号、125〜134頁(1994年);ジョナク(Jonak)ら、「プログレスバイオテック(Progress Biotech)、第5巻、「ハイブリドーマ技術におけるインビトロ免疫(In Vitro Immunization in Hybridoma Technology)」、バレベック(Borrebaeck)編、エルゼビアサイエンスパブリッシャーズB.V.(Elsevier Science Publishers B.V.)(オランダ・アムステルダム)(1988年))が挙げられるが、これらに限定されない。

0058

非ヒト抗体又はヒト抗体を改変又はヒト化するための方法も同様に使用でき、当該技術分野において周知である。一般に、ヒト化又は改変された抗体は、例えばマウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類又はその他の哺乳動物などの(ただしこれらに限定されない)ヒト以外の供給源からの1つ又はそれ以上のアミノ酸残基を有する。これらのヒトアミノ酸残基は、しばしば「インポート」残基と呼ばれ、典型的には既知のヒト配列の「インポート」可変領域、定常領域又はその他のドメインから取られる。既知のヒトIg配列は当該技術分野において周知であり、任意の既知の配列であり得る。改変されたヒト化抗体の結合、立体構造、及び減少した免疫原性を最適化するためのさまざまな戦略が、例えばプレスタ(Presta)ら、J Immunol.、第151号、2623〜2632頁、1993年、国際公開第200302019号及び国際公開第2005080432号で記述されている。

0059

このようなインポートされた配列は、免疫原性を減少させるため、又は、当該技術分野において既知のように、結合、親和性、オン速度、オフ速度、結合活性、特異性、半減期、又はその他の適切な任意の特性を低減、増強又は改変するために使用することができる。一般的に、可変領域及び定常領域の非ヒト配列がヒト又はその他のアミノ酸に置き換えられている一方で、非ヒト又はヒトCDR配列の一部分又は全てが維持されている。抗体は、所望により、抗原に対する高い親和性及びその他の有利な生物学的特性を伴い、ヒト化することもできる。この目的を達成するため、所望により、ヒト化抗体を、親配列及びヒト化配列の3次元モデルを使用した、親配列及びさまざまな概念的ヒト化産物の分析プロセスによって調製することが可能である。3次元免グロブリンモデルが一般的に利用可能であり、当業者によく知られている。選択された候補の免疫グロブリン配列について、可能性の高い3次元立体構造を図示及び表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示を調べることにより、候補の免疫グロブリン配列の機能における残基の役割として可能性の高いものの分析、すなわち候補の免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の分析が可能となる。このようにして、標的抗原に対する親和性の増大など、望ましい抗体特性が達成されるように、コンセンサス配列及びインポート配列から、FR残基を選択し組合せることができる。一般的に、CDR残基は抗原結合に対する影響において、直接的かつ最も実質的に関与している。本発明の抗体のヒト化又は改変は、任意の既知の方法を使用して実施することができ、例えばウィンター(Winter)(ジョーンズ(Jones)ら、Nature、第321号、522頁(1986年);ライヒマン(Riechmann)ら、Nature、第332号、323頁(1988年);ヴァーホイエン(Verhoeyen)ら、Science、第239号、1534頁(1988年))、シムズ(Sims)ら、J.Immunol.、第151号、2296頁(1993年);チョシア(Chothia)及びレスク(Lesk)、J.Mol.Biol.、第196号、901頁(1987年)、カーター(Carter)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、第89号、4285頁(1992年);プレスタ(Presta)ら、J.Immunol.、第151号、2623頁(1993年)、米国特許第5723323号、同第5976862号、同第5824514号、同第5817483号、同第5814476号、同第5763192号、同第5723323号、同第5,766886号、同第5714352号、同第6204023号、同第6180370号、同第5693762号、同第5530101号、同第5585089号、同第5225539号、同第4816567号、国際出願PCT/US98/16280号、US96/18978号、US91/09630号、US91/05939号、US94/01234号、GB89/01334号、GB91/01134号、GB92/01755号;国際公開第90/14443号、同第90/14424号、同第90/14430号、欧州特許第229246号が挙げられ(これらに限定されない)、これらはそれぞれ、その中に引用されている参考文献を含め、全文が参照によって本明細書に組み込まれる。

0060

ヒト抗原に結合するヒト抗体のレパートリーを産生できるトランスジェニックマウスは、既知の方法で産生可能である(例えば、ロンバーグ(Lonberg)らの米国特許第5,770,428号、同第5,569,825号、同第5,545,806号、同第5,625,126号、同第5,625,825号、同第5,633,425号、同第5,661,016号、及び同第5,789,650号;ジャコボヴィッツ(Jakobovits)らの国際公開第98/50433号、ジャコボヴィッツ(Jakobovits)らの国際公開第98/24893号、ロンバーグ(Lonberg)らの国際公開第98/24884号、ロンバーグ(Lonberg)らの国際公開第97/13852号、ロンバーグ(Lonberg)らの国際公開第94/25585号、クチェラパテ(Kucherlapate)ら、国際公開第96/34096号、クチェルラパテ(Kucherlapate)ら、欧州特許第0463 151(B1)号、クチェルラパテ(Kucherlapate)ら、欧州特許公開第0710 719(A1)号、スラニ(Surani)ら、米国特許第5,545,807号、ブリュッゲマン(Bruggemann)ら、国際公開第90/04036号、ブリュッゲマン(Bruggemann)ら、欧州特許第0438 474(B1)号、ロンバーグ(Lonberg)ら、欧州特許公開第0814 259(A2)号、ロンバーグ(Lonberg)ら、英国特許公開第2 272 440(A)号、ロンバーグ(Lonberg)ら、Nature、第368号、856〜859頁(1994)、テイラー(Taylor)ら、Int.Immunol.、第6(4)号、579〜591頁(1994年)、グリーン(Green)ら、Nature Genetics、第7号、13〜21頁(1994年)、メンデス(Mendez)ら、Nature Genetics、第15号、146〜156頁(1997年)、テイラー(Taylor)ら、Nucleic AcidsResearch、第20(23)号、6287〜6295頁(1992年)、ツアイロン(Tuaillon)ら、Proc Natl Acad Sd USA、第90(8)号、3720〜3724頁(1993年)、ロンバーグ(Lonberg)ら、Int Rev Immunol、第13(1)号、65〜93頁(1995年)及びフィッシュウォルド(Fishwald)ら、Nat Biotechnol、14(7)号、845〜851頁(1996年)が挙げられ(これらに限定されない)、それぞれ参照により全体が本明細書に組み込まれる。)一般に、これらのマウスは、機能的に再構成されているか、又は機能的に再構成され得る、少なくとも1つのヒト免疫グロブリン遺伝子座からのDNAを含む少なくとも1つの導入遺伝子を含む。このようなマウスの内因性免疫グロブリン遺伝子座を分断又は欠失させて、内因性遺伝子によりコードされた抗体を産生する動物の能力を除去することができる。

0061

類似タンパク質又は断片への特異的結合に関する抗体のスクリーニングは、ペプチドディスプレイライブラリを使用して、便利に達成することができる。この方法は、望ましい機能又は構造をもつ個々のメンバーについてペプチドの大規模コレクションをスクリーニングすることを含む。ペプチドディスプレイライブラリの抗体スクリーニングは、当該技術分野において周知である。ディスプレイされたペプチド配列の長さは、3〜5000個又はそれ以上のアミノ酸、しばしば5〜100個のアミノ酸、更にしばしば約8〜25個のアミノ酸であり得る。ペプチドライブラリを作成するための直接的な化学合成方法に加えて、複数の組換えDNA方法も記述されている。1つのタイプには、バクテリオファージ又は細胞の、表面上のペプチド配列のディスプレイが関与している。各バクテリオファージ又は細胞は、特定のディスプレイされたペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含有する。このような方法は、国際公開第91/17271号、同第91/18980号、同第91/19818号、及び同第93/08278号に記載されている。ペプチドのライブラリを作成するためのその他のシステムは、インビトロ化学合成及び組換え方法の両方の特徴を有している。国際公開第92/05258号、同第92/14843号、及び同第96/19256号を参照されたい。また、米国特許第5,658,754号及び同第5,643,768号も参照されたい。ペプチドディスプレイライブラリ、ベクター及びスクリーニングキットインビトロジェン(Invitrogen)(カリフォルニア州カールスバッド(Carlsbad))及びケンブリッジ・アンチディテクノロジーズ(Cambridge antibody Technologies)(英国ケンブリッジシャー(Cambridgeshire))などの供給業者から市販されている。例えば、エンゾン(Enzon)の所有する米国特許第4704692号、同第4939666号、同第4946778号、同第5260203号、同第5455030号、同第5518889号、同第5534621号、同第5656730号、同第5763733号、同第5767260号、同第5856456号;ディアックス(Dyax)の所有する米国特許第5223409号、同第5403484号、同第5571698号、同第5837500号、アフィマックス(Affymax)の所有する米国特許第5427908号、同第5580717号;ケンブリッジ・アンチボディ・テクノロジーズ(Cambridge antibody Technologies)の所有する米国特許第5885793号;ジェネンティック(Genentech)の所有する米国特許第5750373号、ゾーマ(Xoma)の所有する米国特許第5618920号、同第5595898号、同第5576195号、同第5698435号、同第5693493号、同第5698417号、コリガン(Colligan)(上掲書);オースベル(Ausubel)(上掲書);又はサムブルック(Sambrook)(上掲書)を参照されたい(上述の特許及び刊行物はそれぞれ、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。

0062

2.本発明の核酸
本明細書に提供されている情報を用いて、少なくとも1つの抗IL−17抗体をコードする本発明の核酸分子は、本明細書に記述される方法又は当該技術分野において既知の方法を用いて入手することができる。本発明の単離核酸分子には、本明細書に記載されているように、及び/又は当該技術分野において既知のように、1つ又はそれ以上のイントロン(例えば、少なくとも1つの重鎖又は軽鎖のCDR1、CDR2及び/又はCDR3といった少なくとも1つのCDRの少なくとも1つの特定の部分であるが、これらに限定されない)を所望により伴う読取り枠(ORF)を含む核酸分子;抗IL−17抗体又は可変領域のためのコード配列を含む核酸分子;及び、上記に説明されているものとは実質に異なるヌクレオチド配列を含むものでありながら、遺伝コード縮退に起因して、少なくとも1つの抗IL−17抗体を依然としてコードする、核酸分子が含まれ得る。当然のことながら、遺伝コードは、当該技術分野においてよく知られている。したがって、当業者には、本発明の特異的な抗IL−17抗体をコードする、これらの変性核酸変異体を作製することは、日常的であるだろう。例えばオースベル(Ausubel)ら上掲書を参照されたく、このような核酸変異体は、本発明に含まれる。

0063

本明細書に記されているように、抗IL−17抗体をコードする核酸を含む本発明の核酸分子には、単独で抗体断片のアミノ酸配列をコードするもの;全抗体又はその一部分についてのコード配列;1つの抗体、断片又は一部分についてのコード配列並びに付加的配列、例えばスプライシング及びポリアデニル化シグナルを含む、転写、mRNAプロセッシングにおいて役割を果たす転写された非翻訳配列(例えばリボソーム結合及びmRNAの安定性)といった非コード5’及び3’配列を含むが、これらに限定されない、付加的な非コード配列を伴う、少なくとも1つのイントロンなどの、前述の付加的なコード配列を伴うか否かを問わない、少なくとも1つのシグナルリーダー又は融合ペプチドのコード配列;付加的なアミノ酸(例えば付加的な機能を提供するものなど)についてコードする付加的なコード配列、が含まれる可能性があるが、これらに限定されない。したがって、抗体をコード化する配列は、抗体断片又は部分を含む融合された抗体の精製を促進するペプチドをコードする配列などのマーカー配列に融合させることができる。

0064

本明細書に記載されているポリヌクレオチドに対して選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチド:本発明は、選択的ハイブリダイゼーション条件下で、本明細書に開示されているポリヌクレオチドにハイブリダイズする単離核酸を提供する。したがって、本実施形態のポリヌクレオチドは、このようなポリヌクレオチドを含む核酸を単離、検出、及び/又は定量するために使用することができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドを使用して、蓄積されたライブラリにおける部分又は全長クローンを同定、単離、又は増幅することができる。一部の実施形態においては、ポリヌクレオチドは、単離された、又はそうでなければヒト若しくは哺乳動物の核酸ライブラリからのcDNAに相補的な、ゲノム配列又はcDNA配列である。

0065

好ましくは、cDNAライブラリは全長配列の少なくとも80%、好ましくは全長配列の少なくとも85%又は90%、及びより好ましくは全長配列の少なくとも95%を含む。cDNAライブラリは、稀な配列の発現量を増大させるために正規化され得る。ストリンジェンシーが低度又は中程度のハイブリダイゼーション条件が、典型的であり(ただし排他的ではなく)、相補的な配列に対して低い配列同一性をもつ配列を伴い、利用される。ストリンジェンシーが中程度及び高度の条件は、所望により、より高い同一性をもつ配列について利用することができる。低ストリンジェンシー条件は、約70%の配列同一性をもつ配列の選択的ハイブリダイゼーションを可能にし、オルソロガス又はパラロガス配列を同定するために利用できる。

0066

所望により、本発明のポリヌクレオチドは本明細書に記載されているポリヌクレオチドによってコードされる抗体の少なくとも一つの部分をコードすることになる。本発明のポリヌクレオチドは、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドに対する選択的ハイブリダイゼーションのために利用可能な核酸配列を包含する。例えば、オースベル(Ausubel)上掲書、コリガン(Colligan)上掲書を参照されたい。これらはそれぞれ参照により全体が本明細書に組み込まれる。

0067

核酸の構築:本発明の単離核酸は、当該技術分野において周知のように、(a)組換え方法、(b)合成技術、(c)精製技術、又はこれらの組合せを用いて作ることができる。

0068

核酸を構築するための組換え方法:例えば、RNA、cDNA、ゲノムDNA、又はこれらの任意の組合せのような、本発明の単離核酸組成物は、当業者に既知の任意の数のクローニング手順を用いて生物学的な供給源から得ることができる。いくつかの実施形態において、本発明のポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下で選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブが、cDNA又はゲノムDNAライブラリ内の望ましい配列を同定するために使用される。RNAの単離、並びにcDNA及びゲノムライブラリの構築は、当業者にとって周知である(例えば、オースベル(Ausubel)上掲書又はサムブルック(Sambrook)上掲書を参照されたい)。

0069

核酸スクリーニング及び単離方法:本明細書で開示されているような、本発明のポリヌクレオチドの配列に基づいたプローブを用いて、cDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングすることができる。同じ又は異なる生体内相同遺伝子を単離するため、ゲノムDNA又はcDNA配列とハイブリダイズするためにプローブを使用することができる。当業者であれば、アッセイ中でさまざまな度合のハイブリダイゼーションストリンジェンシーを用いることができ、ハイブリダイゼーション又は洗浄媒質のいずれかがストリンジェントであり得るということは明らかだろう。ハイブリダイゼーションのための条件がストリンジェントになるにつれて、二重鎖形成が生じるための、プローブと標的の間に必要な相補性の程度は大きくなるはずである。ストリンジェンシーの程度は、温度、イオン強度、pH、及びホルムアミドのような部分的な変性溶媒の存在のうちの、1つ又はそれ以上によって制御され得る。例えば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、例えば0%〜50%の範囲内のホルムアミド濃度の操作を通して反応溶液極性を変えることにより都合良く変更される。検出可能な結合のために必要な相補性(配列同一性)の程度は、ハイブリダイゼーション媒質及び/又は洗浄媒質のストリンジェンシーに従って変化する。相補性の程度は、最適には100%、又は70〜100%、又はその中の任意の範囲若しくは値である。しかしながら、プローブ及びプライマー内のわずかな配列変動は、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄媒質のストリンジェンシーを低減させることで補償できるということを理解すべきである。

0070

RNA又はDNAの増幅方法は、当該技術分野において周知であり、本明細書中紹介する教示及び指針に基づいて、過度実験なしに、本発明に従って使用可能である。DNA又はRNA増幅の既知の方法には、ポリメラーゼ連鎖反応PCR)及び関連する増幅プロセスが含まれるが、これらに限定されない(マリス(Mullis)ら、米国特許第4,683,202号(1987年);及びイニス(Innis)ら、「PCRプロトコル方法及び適用ガイド(PCR Protocols A Guide to Methodsand Applications)、編、アカミック・プレス社(Academic Press Inc.)(カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego))(1990年)。

0071

核酸を構築するための合成方法:本発明の単離核酸は、既知の方法による直接化学合成によっても調製可能である(例えば、オースベル(Ausubel)ら上掲書を参照)。化学合成は、一般に、相補的配列とのハイブリダイゼーション、又は単鎖テンプレートとして使用するDNAポリメラーゼでの重合によって、2本鎖DNAに変換可能な単鎖オリゴヌクレオチドを生成する。当業者であれば、DNAの化学合成が約100以上の塩基の配列に限定され得る一方で、より長い配列は、より短い配列の連結によって得ることができることを認識するであろう。コード配列の化学的合成のための特に好ましい方法が、米国特許第6521427号及び同第6670127号に教示されている。

0072

3.ベクターと発現系
本発明は、抗IL−17抗体をコードする核酸を含有するか、又は、様々な抗体HC若しくはLC遺伝子又はそれらの一部分を含有するプラスミドを得るために使用可能なベクター、好ましくは発現ベクターを提供する。本明細書で使用するとき、用語「ベクター」は、連結された別の核酸を輸送する能力をもつ核酸分子を意味する。ベクターの一種である「プラスミド」は、環状2本鎖DNAループを意味し、追加のDNAセグメントがこれに連結され得る。別の種類のベクターは、ウイルスベクターであり、追加のDNAセグメントが、このウイルスゲノムに連結され得る。本発明は、本発明の単離核酸分子を含むベクター、組換えベクターで遺伝子組換えされている宿主細胞、及び当該技術分野において周知であるような組換え技術による少なくとも1つの抗IL−17抗体の産生にも関連する。例えばサムブルック(Sambrook)ら上掲書;オースベル(Ausubel)ら上掲書を参照されたい。これらはそれぞれ参照により全体が本明細書に組み込まれる。

0073

抗体又はその抗体断片の発現のためには、部分的な又は全長の軽鎖及び重鎖をコードするDNAを、遺伝子が転写及び翻訳制御配列に、機能的に連結されるような形で発現カセット又はベクター内に挿入することができる。抗体をコードするカセットは、1つの構築物として組み立てることができる。当該技術分野において既知の方法を用いて、構築物を調製することができる。より大きなプラスミドの一部として、構築物を調製することができる。このような調製は、適正な構築物のクローニング及び選択を効率良い方法で可能にする。この構築物は、それらを残りのプラスミド配列から容易に単離できるような形で、プラスミド又はその他のベクター上の都合の良い制限酵素認識部位の間に配置することができる。

0074

一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物のような沈殿物内、又はDEAEデキストラン荷電脂質との錯体内に導入される。ベクターがウイルスである場合は、適切なパッケージング細胞株を用いてインビトロでこれをパッケージングし、その後、宿主細胞内に形質導入することができる。宿主細胞内へのベクター構築物の導入は、電気穿孔法又はその他の既知の方法により行うこともできる。このような方法については、サムブルック(Sambrook)上掲書、第1〜4及び16〜18章;オースベル(Ausubel)上掲書、第1、9、13、15、16章などのように、当該技術分野において記述されている。

0075

この文脈において、「機能的に連結される」という用語は、抗体遺伝子がベクターに連結されて、ベクター内の転写及び翻訳制御配列が、抗体遺伝子の転写及び翻訳を調節するというそれらの意図される機能を果たすことを意味することが意図される。発現ベクター及び発現制御配列は、使用される発現宿主細胞と適合するように選択される。抗体軽鎖遺伝子及び抗体重鎖遺伝子は、個別のベクターに挿入することができるが、又はより典型的には、両遺伝子は、同一の発現ベクターに挿入される。抗体遺伝子は、標準的な方法(例えば、抗体遺伝子断片及びベクター上の相捕的制限酵素認識部位の連結、又は制限酵素認識部位が存在しない場合には平滑末端連結)によって発現ベクターに挿入される。

0076

本明細書に記載される抗体の軽鎖及び重鎖可変領域を使用し、望ましいアイソタイプ重鎖定常領域及び軽鎖定常領域を既にコード化している発現ベクターにそれらを挿入することによって、任意の抗体アイソタイプの全長抗体遺伝子を形成して、VHセグメントが、ベクター内のCHセグメントに機能的に連結され、VIセグメントがベクター内のCLセグメントに機能的に連結されるようにする。更に又はあるいは、組み換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗体鎖の分泌を促進する、シグナルペプチドをコードすることができる。抗体鎖遺伝子は、ベクターにクローン化されて、シグナルペプチドが抗体鎖遺伝子のアミノ末端インフレームで連結されるようにすることができる。シグナルぺプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチドであるか、又は異種シグナルぺプチド(すなわち、非免疫グロブリンタンパク質からのシグナルペプチド)であり得る。

0077

原核又は真核宿主細胞のいずれかにおいて本発明の抗体を発現することは理論的に可能であるが、真核細胞及び最も好ましくは哺乳動物宿主細胞における抗体の発現は、原核細胞よりも、適切に折り畳まれ免疫学的に活性である抗体を、組み立てて分泌する可能性が高いため、このような真核細胞、及び特に哺乳動物細胞が、最も好適である。

0078

一般に、哺乳動物発現ベクターは、(1)通常、ウイルスプロモーター又はエンハンサー配列の形をしており、広い範囲の宿主及び組織により特徴づけられる調節エレメント;(2)プラスミドベクター内部の抗体コード配列を含むDNA断片の挿入を促進する「ポリリンカー」配列;及び(3)mRNA転写産物のイントロンスプライシング及びポリアデニル化に対応する配列、を含有する。プロモーター・ポリリンカー・ポリアデニル化部位の隣接領域は、一般に転写単位と呼ばれる。ベクターは、(4)大腸菌(E. coli)内の初期陽性形質転換体の選択を可能にする、抗生物質(例えばアンピシリン)に対する耐性をしばしば付与する、選択可能なマーカー遺伝子(例えばベータラクタマーゼ遺伝子);及び(5)細菌宿主及び哺乳動物宿主の両方において、ベクターの複製を促進する配列、をも含む可能性が高くなる。プラスミド複製起点が、大腸菌内での発現構築物の増殖のために含まれており、Cos細胞内の一過性発現のために、SV40複製起点が発現プラスミド中に含まれている。

0079

プロモーターは、SV40プロモーター(例えば後期又は初期SV40プロモーター)、CMVプロモーター(米国特許第5,168,062号;同第5,385,839号)、HSVtkプロモーター、pgk(ホスホグリセラートキナーゼ)プロモーター、EF−1アルファプロモーター(米国特許第5,266,491号)、少なくとも1つのヒト免疫グロブリンプロモーターから選択され得る。

0080

発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択可能なマーカーを含むが、これは任意である。このようなマーカーとしては、例えば、メトトレキサートMTX)、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR、米国特許第4,399,216号;同第4,634,665号;同第4,656,134号;同第4,956,288号;同第5,149,636号;同第5,179,017号)、アンピシリン、ネオマイシン(G418)、ミコフェノール酸、又は真核細胞培養に耐性のあるグルタミン合成酵素(GS、米国特許第5,122,464号;同第5,770,359号;同第5,827,739号)、並びに、大腸菌及び他の細菌又は原核生物において培養するためのテトラサイクリン又はアンピシリン耐性遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない(上記の特許は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる)。上記の宿主細胞に対して適切な培養培地及び条件は、当該技術分野において知られている。適切なベクターは、当事者にとって容易に明白となる。

0081

真核宿主細胞が利用されるとき、通常、ベクター内にポリアデニル化又は転写ターミネーター配列が組み込まれる。ターミネーター配列の一例は、ウシ成長ホルモン遺伝子からのポリアデニル化配列である。転写の正確なスプライシングのための配列も、同様に含めることができる。スプライシング配列の一例としては、SV40由来のVP1イントロンがある(スプラーグ(Sprague)ら、J.Virol.、第45号、773〜781頁(1983年))。更に、宿主細胞内の複製を制御するための遺伝子配列を、当該技術分野において既知の通りに、ベクター内に組み込むことができる。また、重鎖分子の高い表面発現を回避するためには、膜貫通ドメイン変異体スプライスを排除するような発現ベクターを使用する必要があり得る。

0082

付加的な要素としては、エンハンサーコザック配列、及びRNAスプライシングのためのドナー及びアクセプター部位により隣接された介在配列が挙げられる。高効率の転写は、SV40からの初期及び後期プロモーターレトロウイルスからの長末端反復LTRS)、例えばRSV、HTLVI、HIVI、及びサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターで達成可能である。しかしながら、細胞要素も同様に使用可能である(例えばヒトアクチンプロモーター)。本発明を実践する上で使用するための適切な発現ベクターとしては例えば、pIRES1neo、pRetro−Off、pRetro−On、PLXSN、又はpLNCX(クローンテックラブズ(Clonetech Labs)、カリフォルニア州パロアルト(Palo Alto))、pcDNA3.1(+/−)、pcDNA/Zeo(+/−)若しくはpcDNA3.1/Hygro(+/−)(Invitrogen)、PSVL及びPMSG(ファルマシア(Pharmacia)、スウェーデン、ウプサラ(Uppsala))、pRSVcat(ATCC37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)及びpBC12MI(ATCC 67109)といったベクターが含まれる。

0083

別の方法としては、染色体内に組み込まれた遺伝子を含む安定した細胞株において、抗体配列をコードする核酸を発現させることができる。dhfr、gpt、ネオマイシン又はハイグロマイシンなどの選択可能なマーカーでの同時トランスフェクションにより、コードされた抗体を大量に発現するトランスフェクショトされた細胞の同定及び単離が可能となる。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)マーカーは、対象とする遺伝子の数百またあ数千ものコピーを擁する細胞株を開発するのに有用である。もう1つの有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(マーフィー(Murphy)ら、Biochem.J.、第227号、277〜279頁(1991年);ベビントン(Bebbington)ら、Bio/Technology、第10号、169〜175頁(1992年))。これらのマーカーを用いて、哺乳動物細胞を選択培地内で増殖させ、最高の耐性をもつ細胞を選択する。これらの細胞株は、染色体内に組み込まれた増幅遺伝子を含有する。抗体の産生には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)及びNSO細胞がしばしば用いられる。

0084

本発明の抗体の生産において用いられるDNA構築物は、所望により、少なくとも1つのインシュレーター配列を含むことができる。「インシュレーター」、「インシュレーター配列」及び「インシュレーター要素」という用語は本明細書では互換的に使用される。インシュレーター要素は、その活動範囲内に置かれた遺伝子の転写を遮断するものの、遺伝子発現をマイナス又はプラスのいずれにも動揺させない制御要素である。好ましくは、インシュレーター配列は、転写されるべきDNA配列のいずれかの側に挿入される。例えば、インシュレーターは、対象とする遺伝子の3’末端でプロモーターから少なくとも約1kb〜5kb、プロモーターから5’で、約200bp〜約1kbのところに配置することができる。プロモーター及び対象とする遺伝子の3’末端からのインシュレーター配列の距離は、対象とする遺伝子の相対的サイズ、構築物中で用いられるプロモーター及びエンハンサーに応じて、当業者が決定することができる。更に、2つ以上のインシュレーター配列をプロモーターから5’の位置、又は導入遺伝子の3’末端に配置することができる。例えば、プロモーターから5’の位置に2つ又はそれ以上のインシュレーター配列を配置することができる。導入遺伝子の3’末端にあるインシュレーターは、対象とする遺伝子の3’末端又は3’調節配列の3’末端、例えば3’非翻訳領域(UTR)又は3’隣接配列に配置することが可能である。

0085

適切な誘発性非融合大腸菌発現ベクターの例としては、pTrc(アマン(Amann)ら、(1988年)Gene、第69号、301〜315頁)及びpET 11d(スタディア(Studier)ら、「遺伝子発現技術:酵素学における手法(Gene Expression Technology: Methodsin Enzymology)」第185号、アカデミック・プレス(Academic Press)、カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)(1990年)60〜89頁)が挙げられる。pTrcベクターからの標的遺伝子発現は、ハイブリッドtrp−lac融合プロモーターからの宿主RNAポリメラーゼ転写に依存している。pET 11dベクターからの標的遺伝子発現は、同時発現したたウイルスRNAポリメラーゼ(T7gn1)により媒介されたT7 gn10−lac融合プロモーターからの転写に依存する。このウイルスポリメラーゼは、lacUV 5プロモーターの転写制御下で、T7 gn1遺伝子を擁する常在lプロファージからの宿主菌株BL21(DE3)又はHMS174(DE3)によって供給される。

0086

別の実施形態において、発現ベクターは、酵母発現ベクターである。酵母S.cerevisiaeにおける発現のためのベクターの例としては、pYepSec1(バルダリ(Baldari)ら、(1987年)EMBO J.、第6号、229〜234頁)、pMFa(クルヤン(Kurjan)及びヘルスウィッツ(Herskowitz)、(1982年)Cell、第30号、933〜943頁)、pJRY88(シュルツ(Schultz)ら、(1987年)、Gene、第54号、113〜123頁)、pYES2(インビトロジェン社(Invitrogen Corporation)、カリフォルニア州サンディエゴ)、及びpPicZ(インビトロジェン社(Invitrogen Corporation)、カリフォルニア州サンディエゴ)が挙げられる。

0087

あるいは、発現ベクターは、バキュロウイルス発現ベクターである。培養された昆虫細胞(例えばSf9細胞)内でのタンパク質の発現のために利用可能なバキュロウイルスベクターには、pAcシリーズスミス(Smith)ら、(1983年)Mol.CellBiol.、第3号、2156〜2165頁)及びpVLシリーズ(ラクロウ(Lucklow)及びサマーズ(Summers)(1989年)Virology、第170号、31〜39頁)が挙げられる。

0088

更に別の実施形態において、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを用いて哺乳動物細胞内で発現する。哺乳動物発現ベクターの例としては、pCDM8(シード(Seed)(1987年)、Nature、第329号、840頁)及びpMT2PC(カウフマン(Kaufman)ら、(1987年)EMBO J.、第6号、187〜195頁)が挙げられる。哺乳動物細胞内で使用される場合、発現ベクターの制御機能はしばしば、ウイルスの調節要素により提供される。例えば、一般的に使用されるプロモーターは、ポリオーマアデノウイルス2、サイトメガロウイルス、及びシミアンウイルス40に由来する。原核と真核の両方の細胞の他の好適な発現系については、サムブルック(Sambrook)ら、上掲書の第16章及び17章を参照のこと。

0089

別の実施形態において、組換え哺乳動物発現ベクターは、リンパ腫細胞(例えばマウス骨髄腫細胞)などの特定の細胞型の中で優先的に核酸の発現を導く能力を有する。特定の細胞型においては、核酸を発現するために、組織特異的調節要素が使用される。組織特異的調節要素は、当該技術分野において既知である。適切な組織特異的プロモーターの、非制限的な例としては、アルブミンプロモーター(肝臓特異的ピンカート(Pinkert)ら、(1987年)Genes Dev.、第1号、268〜277頁)、リンパ系特異的プロモーター(カラム(Calame)及びイートン(Eaton)、(1988年)Adv.Immunol.、第43号、235〜275頁)、特に、T細胞受容体のプロモーター(ウィノト(Winoto)及びボルチモア(Baltimore)、(1989年)EMBO J.、第8号、729〜733頁)、及び免疫グロブリン(バナージ(Banerji)ら、(1983年)Cell、第33号、729〜740頁;クイーン(Queen)及びボルチモア(Baltimore)(1983年)Cell、第33号、741〜748頁)、ニューロン特異的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター;バーン(Byrne)及びラドル(Ruddle)、(1989年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第86号、5473〜5477頁)、膵臓特異的プロモーター(エドルンド(Edlund)ら、(1985年)Science、第230号、912〜916頁)、並びに乳腺特異的プロモーター(例えば乳清プロモーター;米国特許第4,873,316号及び欧州特許出願公報第264,166号)が挙げられる。例えば、マウスhoxプロモーター(ケッセル(Kessel)及びグルス(Gruss)(1990年)Science、第249号、374〜379頁)及びa−フェトタンパク質プロモーター(キャンプス(Campes)及びティルマン(Tilghman)(1989年)Genes Dev.、第3号、537〜546頁)などにより、発生学的に調節されているプロモーターも包含されている。

0090

本発明は更に、アンチセンス配向で発現ベクター内にクローニングされたDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。すなわち、DNA分子は、ポリペプチドをコードするmRNAに対しアンチセンスであるRNA分子の(DNA分子の転写による)発現を可能にするような形で、調節配列に機能的に連結されている。さまざまな細胞型内でアンチセンスRNA分子の連続的発現を導くような、アンチセンス配向でクローニングされた核酸に機能的に連結された調節配列を、選択することができる。例えば、アンチセンスRNAの構成性、組織特異的又は細胞型特異的発現を導くような、ウイルスプロモーター及び/若しくはエンハンサー、又は調節配列を選択することができる。アンチセンス発現ベクターは、組換えプラスミドファージミド、又は弱毒化ウイルスの形をしている可能性があり、これらにおいては、高効率調節領域の制御下でアンチセンス核酸が生成され、ベクターが導入される細胞型によって活性が決定され得る。アンチセンス遺伝子を用いた遺伝子発現の調節の議論については、ワイントローブ(Weintraub)ら(「レビュー−遺伝子学のトレンド(Reviews-Trendsin Genetics)」第1(1)巻、1986年)を参照されたい。

0091

骨髄腫細胞のクローニング及び発現
M−T412として知られている、ヒトCD4に対するキメラマウス/ヒトIgG1kモノクローナル抗体(欧州特許第0511308号、参照によりその全体が組み込まれる)が、トランスフェクトされたマウス骨髄腫細胞内で高レベルに発現することが観察された(ルーニー(Looney)ら、1992年、Hum Antibodies Hybridomas、第3(4)号、191〜200頁)。1990年、セントコア社(Centocor, Inc.)(ペンシルニア州マルヴァン(Malvern))で、培養条件を最適化するのに多大な努力払うことなく、500mg/Lを超える生成レベル(pg/細胞/日に基づく具体的な生産性は不明)が、容易に得られている。これらの発現ベクターの構成要素に基づき、遺伝子プロモーター転写開始核酸配列、5’非翻訳配列及び翻訳開始核酸配列、シグナル配列をコードする核酸配列、シグナルイントロン及びJ−Cイントロンのためのイントロン/エキソンスプライスドナー配列、並びにJ−Cイントロンエンハンサー核酸配列を含む、HC及びLCクローニングに有用な抗体クローニングベクターが開発された。

0092

pUC19プラスミドであるプラスミドp139は、全マウスM−T412Abを分泌するC123ハイブリドーマ細胞からクローニングされた5.8kbのEcoRI−EcoRIゲノム断片を含む。この断片は、cM−T412HC遺伝子のプロモーター及びV領域部分を含有する。LC V領域ベクター改変用の出発材料は、C123ハイブリドーマ細胞からクローニングされた3kbのHindIII−HindIIIゲノム断片を含有するpUCプラスミドである、プラスミドp39であった。この断片は、cM−T412LC遺伝子のプロモーター及びV領域部分を含有する。P139及びp39由来の改変されたベクターは、1)V領域ベクター内の特別に調製された制限酵素認識部位間で対象とする配列をコードするDNAをクローニングし、これにより、V領域コード配列をベクターにコードされたシグナル配列のすぐ下流側、並びに遺伝子プロモーターの一部分又は全部の下流側に配置する工程と;2)V領域ベクターからC領域ベクターまで好適な配向で挿入された配列を擁する断片を移動させ、これにより、結果として得られたプラスミドが細胞内での発現に適した最終的発現プラスミドを構成する工程とを伴う、2段階プロセスにおいて、哺乳動物宿主細胞内で発現するのに適したHC又はLC遺伝子の好都合な組立てを可能にするように設計された(スキャロン(Scallon)ら、1995年、Cytokine、第7(8)号、759〜769頁)。

0093

CHO細胞内でのクローニング及び発現
プラスミドpC4は、プラスミドpSV2−dhfr(ATCCアクセッション番号37146)の誘導体である。このプラスミドは、SV40初期プロモーターの制御下でマウスDHFR遺伝子を含む。これらのプラスミドでトランスフェクトされるチャイニーズハムスター卵巣又はその他の細胞で、ジヒドロ葉酸活性が欠如したものを、化学療法剤メトトレキサートを添加した選択培地(例えば、アルファマイナスMEMライフテクノロジーズ(Life Technologies)、メリーランド州ゲイザーズバーグ(Gaithersburg))の中で細胞を増殖させることによって選択することができる。メトトレキサート(MTX)に対する耐性をもつ細胞内のDHFR遺伝子の増幅は、文献により充分に知られている(例えば、F.W.オルト(F.W. Alt)ら、J.Biol.Chem.、第253号、1357〜1370頁(1978年);L.L.ハムリン(L.L. Hamlin)及びC.マ(C. Ma)、Biochem.et Biophys.Acta、第1097号、107〜143頁(1990年);及びM.L.ページ(M.L. Page)及びM.A.シデンハム(M.A. Sydenham)、Biotechnology、第9号、64〜68頁(1991年)を参照されたい)。MTXの濃度の増加の中で増殖した細胞は、DHFR遺伝子の増幅の結果として、標的酵素であるDHFRを過剰産生することにより、薬物に対する耐性を生じる。第2の遺伝子がDHFR遺伝子に連結されている場合は、通常、同時増幅され、かつ過剰発現する。当該技術分野において、増幅遺伝子の1,000コピー以上を擁する細胞株を発生させるために、このアプローチを使用できることが知られている。その後、メトトレキサートが除去された時点で、宿主細胞の1つ又はそれ以上の染色体の中に組み込まれた増幅遺伝子を含有する細胞株が得られる。

0094

プラスミドpC4は、対象とする遺伝子を発現するために、ラウス肉腫ウイルスの長末端反復(LTR)の強力なプロモーター(カレン(Cullen)ら、Molec.Cell.Biol.、第5号、438〜447頁(1985年))と、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)の前初期遺伝子のエンハンサーから単離された断片(ボシャート(Boshart)ら、Cell、第41号、521〜530頁(1985年))とを含有している。このプロモーターの下流側には、遺伝子の組み込みを可能にするBamHI、XbaI、及びAsp718制限酵素切断部位がある。このプラスミドは、これらのクローニング部位後ろに、ラットプレプロインスリン遺伝子の3’イントロン及びポリアデニル化部位を有している。発現のためには、例えばヒトb−アクチンプロモーター、SV40初期若しくは後期プロモーター、又は例えばHIV及びHTLVIなどの他のレトロウイルスからの長末端反復といった、その他の高効率プロモーターを使用することもできる。哺乳動物細胞内で制御された方法でIL−17抗体を発現するためには、クローンテック(Clontech)社のテットオフ(Tet-Off)及びテットオン(Tet-On)遺伝子発現系及び類似の系を使用することができる(M.ゴッセン(M. Gossen)及びH.ブジャード(H. Bujard)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第89号、5547〜5551頁(1992年))。mRNAのポリアデニル化のためには、例えばヒト成長ホルモン又はグロビン遺伝子からの他のシグナルを同様に使用することもできる。

0095

4.抗体産生用の宿主細胞
本発明の少なくとも1つの抗IL−17抗体は、所望により、当該技術分野において周知の細胞株、混合細胞株、不死化細胞又は不死化細胞のクローン集団によって産生され得る。例えばオースベル(Ausubel)ら編、「分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)」、ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)(ニューヨーク州ニューヨーク)、(1987〜2004年);サムブルック(Sambrook)ら、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」第2版、コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク、(1989年);ハーロー(Harlow)及びレーン(Lane)、「抗体、実験室マニュアル(antibodies, a Laboratory Manual)」、コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク、(1989年);コリガン(Colligan)ら編、「免疫学の最新プロトコル(Current Protocols in Immunology)」、ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)ニューヨーク(1994〜2004年);コリガン(Colligan)ら、「タンパク質科学の最新プロトコル(Current Protocols in Protein Science)」ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)(ニューヨーク州ニューヨーク)(1997〜2004年)を参照されたい。これらはそれぞれ、参照により全体が本明細書に組み込まれている。

0096

生物薬剤製品を生産するためには、組換えポリペプチドを効率良く、再現可能に発現する能力がある生産細胞株が必要とされる。この細胞株は、安定していて確かなものである。さまざまな宿主細胞株を、この目的で利用することができる。細胞機構がどのように生物学的薬物製品の最終的な量及び組成に影響を及ぼすのかという複雑さを理解するにつれて、製品の生産及び組成に対し必要な属性を付与することになる宿主細胞株の選択は、より明白なものとなる。

0097

連続的ゲノムDNA配列から転写される大部分の遺伝子とは異なり、抗体遺伝子は、生殖系列内で広く分離され得る遺伝子セグメントから組立てられる。特に、抗体の可変(V)、多様性(D)及び連結(J)/定常(C)領域をコードする3つのゲノムセグメントの組合せにより、重鎖遺伝子が形成される。機能的軽鎖遺伝子は、V領域をコードするものとJ/C領域をコードするものとの2つの遺伝子セグメントを接合することにより、形成される。重鎖及びカッパ軽鎖遺伝子座の両方が、全長が1000kbをはるかに超えると推定される数多くのV遺伝子セグメント(推定値は100s〜1000sの間で変動)を含む。これとは対照的に、ラムダ遺伝子座ははるかに小さく、マウス内の16番染色体上で全長が約300kbであることが示されている。これは、2つの可変遺伝子セグメントと4つの連結/定常(J/C)領域遺伝子セグメントから成る。機能的遺伝子の形成には、V及びJ/C要素の間の組換えが必要である。

0098

抗体が自然に産生されるB細胞の中では、再構成重鎖とカッパ軽鎖遺伝子の両方の転写の制御が、V領域の上流側の組織特異的プロモーター及びJ−Cイントロン内に位置づけられる組織特異的エンハンサーの両方の活性に依存する。これらの要素は相乗的に作用する。また、第2のB細胞特異的エンハンサーが、カッパ軽鎖遺伝子座内で同定されている。この更なるエンハンサーは、Ckappaの下流側9kbに位置している。したがって、抗体発現遺伝子を不死化するハイブリドーマ方法は、親B細胞結合の内因性プロモーター及びエンハンサー配列に依存している。別の方法としては、本発明の核酸は、本発明の抗体をコードする内因性DNAを含む宿主細胞内で、(操作により)オン切換えすることにより、宿主細胞中で発現させることができる。このような方法は、米国特許第5,580,734号、同第5,641,670号、同第5,733,746号、及び同第5,733,761号に記載されているように、当該技術分野において周知である。これらは参照により全体が本明細書に組み込まれる。

0099

人工ベクター内への抗体ゲノムDNAのクローニングは、抗体発現能力をもつ宿主細胞を作製するもう1つの方法である。しかしながら、強力なプロモーターによるモノクローナル抗体の発現は、高生産性細胞株を同定しモノクローナル抗体のより高い収量を得る確率を増大させる。本発明の抗体は、例えば、当該技術分野において周知のように、組み換えDNA技術と遺伝子トランスフェクション方法の組み合わせを使用して、宿主細胞トランスフェクトーマにおいて産生することもできる(例えばモリソンS.(Morrison, S.)(1985年)Science、第229号、1202頁)。

0100

さまざまな異なる宿主細胞における、抗体を含む生物薬剤のクローニング及び発現のための系が周知である。適切な宿主細胞としては、細菌、哺乳動物細胞、植物細胞、酵母及びバキュロウイルス系、並びにトランスジェニック植物及び動物が挙げられる。非相同ポリペプチドのインタクトグリコシル化タンパク質の発現のための当該技術分野において利用可能な哺乳動物細胞株としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞仔ハムスター腎細胞(BHK)、NSOマウス黒色腫細胞及び派生細胞株、例えばSP2/0、YB2/0(ATCCRL−1662)ラット骨髄腫細胞、ヒト胚腎臓細胞(HEK)、ヒト網膜細胞PerC.6細胞、hepG2細胞、BSC−1(例えばATCCCRL−26)、及び例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection、バージニア州マナサス(Manassas))(www.atcc.org)から入手可能なその他の数多くのものが挙げられる。一般的な好ましい細菌宿主は、大腸菌である。

0101

非相同遺伝子の安定した発現のためには、CHO細胞、骨髄腫細胞、HEK293細胞、BHK細胞(BHK21、ATCCCRL−10)、マウスLtk−細胞及びNIH3T3細胞といったような哺乳動物細胞がしばしば用いられている。これとは対照的に、組換えタンパク質の一時的な発現のためには、Cos(COS−1 ATCC CRL1650;COS−7、ATCC CRL−1651)及びHEK293などの細胞株が、日常的に用いられる。

0102

本発明の組換え抗体を発現するための好ましい哺乳動物宿主細胞としては、その高い発現速度のため、Sp2/0、YB2/0(ATCCRL−1662)、NSO、及びP3X63.Ag8.653(例えば、SP2/0−Ag14)といったような骨髄腫細胞が挙げられる。特に、NSO骨髄腫細胞に使用するための、別の好ましい発現系は、国際公開第87/04462号、国際公開第89/01036号及び欧州特許第338,841号において開示されているGS遺伝子発現系である。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターが哺乳動物宿主細胞内に導入されると、宿主細胞内での抗体の発現を可能にするのに、又はより好ましくはその宿主細胞が増殖する培養培地内への抗体の分泌を可能にするのに充分な時間、宿主細胞を培養することによって、抗体が産生される。抗体は、標準的なタンパク質精製方法を使用して、培養培地から回収することができる。

0103

抗体、その特定の部分又は変異体の産生にとって有用な細胞培養の一例としては哺乳動物細胞がある。哺乳動物細胞系は、しばしば細胞の単層の形をとるが、哺乳動物細胞の懸濁液又はバイオリアクターも使用可能である。

0104

インタクトなグリコシル化タンパク質を発現可能な多数の適切な宿主細胞株が当該技術分野において開発されており、これにはCOS−1(例えばATCCCRL 1650)、COS−7(例えばATCC CRL−1651)、HEK293、BHK21(例えばATCC CRL−10)、CHO(例えばATCC CRL 1610)及びBSC−1(例えばATCC CRL−26)細胞株、Cos−7細胞、CHO細胞、hepG2細胞、P3X63Ag8.653、SP2/0−Ag14、293細胞、HeLa細胞などを含み、これらは例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection、バージニア州マナサス(Manassas))(www.atcc.org)から容易に入手できる。好適な宿主細胞には、骨髄腫及びリンパ腫細胞などのリンパ系起源の細胞が挙げられる。特に好ましい宿主細胞はP3X63Ag8.653細胞(ATCCアクセッション番号CRL−1580)及びSP2/0−Ag14細胞(ATCCアクセッション番号CRL−1851)である。

0105

CHO−K1及びDHFR−CHO細胞DG44及びDUK−B11(G.ウルラウブ(G.Urlaub)、L.A.チェーシン(L.A. Chasin)、1980年、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、第77号、4216〜4220頁)が、高レベルのタンパク質産生のために使用されるが、これは、対象とする遺伝子の増幅が、例えば薬物メトトレキサート(MTX)を用いた選択可能かつ増幅可能なマーカーDHFRの取込みによって可能になるためである(RJ.カウフマン(R.J. Kaufman)、1990年、MethodsEnzymol.、第185号、537〜566頁)。高レベルで組換えmAbを産生するためには、DHFR−CHO細胞を使用するとうまくいく。DHFR−CHOは80〜110mg 106細胞-1日-1の速度で、又は200mg 106細胞-1日-1を超える速度で、抗IL−17抗体を産生し得る。これらCHO細胞内のH鎖及びL鎖の発現を得るために、例えば、b−アクチンプロモーター、ヒトCMVMIEプロモーター、Adウイルス主要後期プロモーター(MLP)、RSVプロモーター、及びマウス白血病ウイルスLTRなど、さまざまな種類のプロモーターが用いられている。mAb発現のための数多くのベクターが文献に記述されており、その中で、独立した選択可能/増幅可能なマーカーとともに2つの異なるプラスミドにより2つのIg鎖が保有されている。DHFRマーカーに連結された1つの抗体鎖(H鎖など)、及びNeorマーカーを伴うL鎖発現カセット、又はその反対を含んでいるベクターを用いて、スピナーフラスコ内で、最高180mgL-17日-1のヒト化mAbを得ることができる。初期選択及びその後の増幅のために用いられる方法は変えることができ、当業者にとって周知である。一般に、以下の工程を用いて、高レベルのmAb発現を得ることができる:候補クローンの初期選択及びその後の増幅、同時選択(例えばH鎖及びL鎖発現ベクターの両方がDHFR発現単位を保有している場合)及び増幅、様々な増幅可能マーカーを用いた同時増幅、並びに大量培養中の初期選択及び増幅とそれに続く個々の高発現クローンを同定するための希釈クローニング。組み込み部位がH鎖及びL鎖の発現及び全体的なmAb発現の効率に影響を及ぼし得ることから、2つのIg鎖発現単位が縦一列に並んでいる単一のベクターが作り出されている。これらのベクターはまた、Neor及びDHFR発現カセットといったような優性選択可能マーカーを保有している。検討のために、ギャングリー,S.(Ganguly, S)及びA.シャツマン(A. Shatzman)、「発現システム哺乳類細胞(Expression Systems, mammalian cells)」、バイオプロセス技術百科:発酵生物触媒、及びバイオセパレーション(Encyclopedia of Bioprocess Technology: Fermentation, Biocatalysis, and Bioseparation)、1999年、ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)を参照されたい。

0106

コケット(Cockett)ら、(1990年、Bio/Technology、第8号、662〜667頁)は、CHO細胞中での非相同遺伝子の高レベル発現のためのGS系を開発した。CHO−K1細胞内へのcDNA(hCMVプロモーターの転写制御下)及びGSミニ遺伝子(SV40後期プロモーターの制御下)を含む発現ベクターのCHO−K1細胞へのトランスフェクション(及びそれに続く20mM〜500mMのMSXでの選択)を用いて、DHFR−CHO系のものに相当する収率で本発明の抗体を発現するクローンを得ることができる。GS系については欧州特許第0 216 846号、同第0 256 055号、及び同第323 997号、並びに欧州特許出願第89303964.4号に関連して、全体的に又は部分的に論述されている。

0107

非限定例として、組み換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉は、例えば、誘導プロモーターを使用して、大量の組み換えタンパク質を提供するためにうまく使用されている。例えばクレーマー(Cramer)ら、Curr.Top.Microbiol.Immunol.、第240号、95〜118頁(1999)、及びその中で引用された参考文献を参照のこと。またトランスジェニックトウモロコシは、他の組み換え系において産生されるか、又は天然源から精製されるものと同等の生物活性で、商業生産レベルで哺乳類タンパク質を発現させるために使用されている。例えばフッド(Hood)ら、Adv.Exp.Med.Biol.、第464号、127〜147頁(1999年)及びその中で引用された参考文献を参照されたい。また単鎖抗体(scFv)等の抗体断片を含む抗体は、タバコの種及びジャガイモ塊茎等のトランスジェニック植物の種から大量に産生されている。例えばコンラッド(Conrad)ら、Plant Mol.Biol.、第38号、101〜109頁(1998)及びその中で引用された参考文献を参照されたい。したがって、本発明の抗体は、周知の方法に基づいて、トランスジェニック植物を使用して産生することもできる。例えばフィッシャー(Fischer)ら、Biotechnol.Appl.Biochem.、第30号、99〜108頁(1999年10月)、マ(Ma)ら、TrendsBiotechnol.、第13号、522〜7頁(1995年);マ(Ma)ら、Plant Physiol.、第109号、341〜6頁(1995年);ホワイトラム(Whitelam)ら、Biochem.Soc.Trans.、第22号、940〜944頁(1994年);及びその中で引用された参考文献を参照されたい。同様に、抗体の植物発現について一般的には(ただし制限するものではないが)、米国特許第5959177号を参照されたい。上述の参考文献のそれぞれは参照により全体が本明細書に組み込まれる。

0108

5.抗体の精製
抗IL−17抗体は、プロテインA精製、硫酸アンモニウム又はエタノール沈殿、酸抽出、アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィーホスホセルロースクロマトグラフィー疎水性相互作用クロマトグラフィー親和性クロマトグラフィーヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、及びレクチンクロマトグラフィーが挙げられるが、これらに限定されない、周知の方法により、組換え細胞培養から、回収し精製することができる。高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)を精製に利用することもできる。例えばコリガン(Colligan)、「免疫学の最新プロトコル(Current Protocols in Immunology)」又は「タンパク質科学の最新プロトコル(Current Protocols in Protein Science)」、ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)ニューヨーク州ニューヨーク、(1997〜2001年)の、例えば第1、4、6、8、9、10章を参照されたい。これらはそれぞれ参照により全体が本明細書に組み込まれる。

0109

本発明の抗体には、天然に精製された産物、化学合成手順の産物、及び例えば酵母、高等植物、昆虫及び哺乳動物細胞を含む真核生物宿主から組換え技術により産生された産物が含まれる。組み換え生産手順において利用される宿主に応じて、本発明の抗体は、グリコシル化されていてもよく又はグリコシル化されていなくてもよいが、グリコシル化されていることが好ましい。このような方法については数多くの標準的な実験室マニュアル、例えばサムブルック(Sambrook)上掲書、第17.37〜17.42章;オースベル(Ausubel)上掲書、第10、12、13、16、18、及び20章、コリガン「タンパク質の科学(Protein Science)」上掲書、第12〜14の中で記載されており、これらはそれぞれ参照により全体が本明細書に組み込まれる。

0110

6.発明の抗体
本発明の方法及び組成物において有用な抗IL−17抗体(抗インターロイキン−H抗体又はIL−17抗体とも呼ばれる)は、所望により、IL−17に対する高い親和性結合、IL−17に対するきわめて特異的な結合、IL−17に関連する生物活性のうち1つ又はそれ以上のものを阻害する能力、及び所望によりかつ好ましくは低い毒性を有すること、によって特徴づけられ得る。

0111

本発明の抗体は、広範な親和性(KD)を持つヒトIL−17に結合することができる。好適な実施形態においては、本発明の少なくとも1つのヒトmAbは、ヒトIL−17と高い親和性で任意に結合することができる。例えば、ヒトmAbは、KDが約10-7M以下で、ヒトIL−17と結合することができ、例えば0.1〜9.9(又はその中の任意の範囲若しくは値)×10-7、10-8、10-9、10-10、10-11、10-12、10-13又はその中の任意の範囲若しくは値などであるが、これらに限定されない。

0112

ある抗原についてのある抗体の親和性又は結合活性は、任意の適切な方法を用いて実験的に決定可能である(例えば、ベルゾフスキー(Berzofsky)ら、「抗体−抗原相互作用(Antibody-Antigen Interactions)」ポールW.E.(Paul, W. E.)編、レイブン・プレス(Raven Press)、ニューヨーク州ニューヨーク(1984年);カビー,ジャニス(Kuby, Janis)、「免疫学(Immunology)」W.H.フリーマン社(W.H. Freeman and Company)ニューヨーク州ニューヨーク(1992年);及び本明細書中に記載されている方法を参照されたい)。特定の抗体抗原相互作用の測定される親和性は、異なる条件(例えば、塩濃度、pH)下で測定される場合に異なり得る。よって、親和性及びその他の抗原結合パラメータ(例えばKD、Ka、Kd)の測定は好ましくは、抗体及び抗原の標準化溶液、及び標準緩衝液、例えば本明細書中に記述された標準溶液及び緩衝液を用いて行われる。

0113

本発明の単離された抗体は、任意の適切なポリヌクレオチドによってコードされた本明細書で開示されている抗体アミノ酸配列、又は任意の単離若しくは調製された抗体を含む。好ましくは、ヒト抗体又は抗原結合断片はヒトIL−17と結合し、これにより、部分的又は実質的に、このタンパク質の少なくとも1つの生物活性を中和する。少なくとも1つのIL−17タンパク質又は断片の少なくとも1つの生物活性を、部分的に又は好ましくは実質的に中和する抗体又はその特定の部分若しくはそれらの変異体は、このタンパク質又は断片に結合し、これによりIL−17のIL−17受容体に対する結合を通して、又はその他のIL−17依存性又は媒介型機序を通して、媒介される活性を阻害することができる。本明細書で使用するとき、「中和抗体」という用語は、アッセイに応じて約20〜120%、好ましくは少なくとも約10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%又はそれ以上、IL−17依存活性を阻害できる抗体を意味する。IL−17依存性活性を阻害する抗IL−17抗体の能力は、好ましくは、本明細書に記載されているように及び/又は当該技術分野において既知のように、少なくとも1つの適切なIL−17タンパク質又は受容体アッセイによって評価される。本発明のヒト抗体は、あらゆるクラス(IgG、IgAIgMIgEIgDなど)又はアイソタイプのものであり得、カッパ又はラムダ軽鎖を含み得る。1つの実施形態において、ヒト抗体はIgG重鎖又は画定された断片、例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4などの少なくとも1つのアイソタイプを含む。このタイプの抗体は、トランスジェニックマウス、又は、本明細書に記載されている及び/若しくは当該技術分野において既知のような少なくとも1つのヒト軽鎖(例えば、IgG、IgA及びIgM(例えばγ1、γ2、γ3、γ4)導入遺伝子を含む、その他のトランスジェニック非ヒト哺乳動物を利用することによって調製可能である。別の実施形態において、抗ヒトIL−17ヒト抗体はIgG1重鎖及びIgG1軽鎖を含む。

0114

本発明の少なくとも1つの抗体は、少なくとも1つのIL−17タンパク質、その断片、一部分又はそれらの任意の組合せに特異的な、少なくとも1つの特定のエピトープと結合する。この少なくとも1つのエピトープは、タンパク質の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの抗体結合領域を含むことが可能であり、このエピトープは好ましくは、配列番号1〜3の隣接するアミノ酸の少なくとも1〜3個のアミノ酸から特定の部分全体で構成されている。

0115

一般に、本発明のヒト抗体又は抗原結合断片は、少なくとも1つのヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2及びCDR3)又は少なくとも1つの重鎖可変領域の変異体及び少なくとも1つのヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2及びCDR3)又は少なくとも1つの軽鎖可変領域の変異体を含む抗原結合領域を含むようになる。非限定的な例として、抗体又は抗原結合部分若しくは変異体は、少なくとも1つの重鎖、及び/又は軽鎖CDR3を含み得る。ある特定の実施形態において、この抗体又は抗原結合断片は、対応するCDR1、2、及び/又は3のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの重鎖CDR(すなわちCDR1、CDR2及び/又はCDR3)の少なくとも一部分を含む、抗原結合領域を有し得る。別の特定の実施形態において、抗体又は抗原結合部分若しくは変異体は、対応するCDR1、2、及び/又は3のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの軽鎖CDR(すなわちCDR1、CDR2及び/又はCDR3)の少なくとも一部分を含む、抗原結合領域を有し得る。そのような抗体は、従来の技法を用いて抗体の様々な部分(CDR及びフレームワーク)を化学的に互いに結合させることにより、組換えDNA技術の従来技法を用いて抗体をコードする核酸分子の調製と発現を行うことにより、又は他の任意の好適な方法を用いることにより、調製することができる。

0116

抗IL−17抗体は、フレームワーク領域内に画定されたアミノ酸配列を有する重鎖又は軽鎖可変領域のうちの少なくとも1つを含み得る。例えば、好ましい実施形態において、抗IL−17抗体は少なくとも1つの重鎖可変領域及び/又は少なくとも1つの軽鎖可変領域のうち少なくとも1つを含む。

0117

抗体のクラス又はアイソタイプ(IgA、IgD、IgE、IgG、又はIgM)は、重鎖定常領域遺伝子によりコードされる定常領域によって付与される。ヒトIgGクラスの中には、血清中天然存在度の順に命名されたIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4(最高のものから順に最低まで)という4つのサブクラス又はサブタイプが存在する。IgA抗体は、IgA1及びIgA2という2つのサブクラスとして見出される。本明細書で使用するとき、用語「アイソタイプスイッチング」も、IgGサブクラス又はサブタイプの間での変更を意味している。

0118

本発明は更に、本明細書に記載されているアミノ酸配列と実質的に同じである配列内のアミノ酸を含む抗体、抗原結合断片、免疫グロブリン鎖及びCDRにも関連する。好ましくは、このような抗体又は抗原結合断片及びこのような鎖若しくはCDRを含む抗体は、高い親和性(例えばKDが約10-9M以下)で、ヒトIL−17と結合することができる。本明細書に記載されている配列と実質的に同じであるアミノ酸配列は、保存的アミノ酸置換、並びにアミノ酸欠失及び/又は挿入を含む、配列を有する。保存的アミノ酸置換とは、第1のアミノ酸に類似した化学的及び/又は物理的特性(例えば電荷、構造、極性、疎水性/親水性)をもつ第2のアミノ酸で、第1のアミノ酸を置換することを意味する。保存的置換としては、あるアミノ酸を、リジン(K)、アルギニン(R)及びヒスチジン(H);アスパラギン酸(D)及びグルタミン酸(E);アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、チロシン(Y)、K、R、H、D及びE;アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)及びグリシン(G);F、W及びY;C、S及びTという群の中の別のアミノ酸で置換することが挙げられる。

0119

本発明の抗IL−17抗体は、天然の突然変異又は人間による操作のいずれかに由来する、1つ又はそれ以上のアミノ酸置換、欠失又は付加を含んでよく、この人間による操作は、本明細書で特定されている通り、又はナピック(Knappik)らの米国特許第6828422号で教示されている、ヒト生殖系列遺伝子配列に由来し、配列類似性によりVH1A、VH1B、VH2などとして称されるファミリーに分類され、かつカッパ又はラムダサブグループのような軽鎖により分類される可変領域についてのものである。これらの配列及び本発明において使用可能なその他の配列としては、表1に提示された立体配置が含まれるがこれらに限定されず、より詳しくは、国際公開第05/005604号の図1〜42及び米国特許第10/872,932号(2004年6月21日出願)に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれ、その参照された図1〜42では、本明細書で教示されている通り、本発明のIg由来タンパク質の中でその一部分を使用することのできる、重鎖及び軽鎖の可変及び定常ドメイン配列、フレームワーク、サブドメイン、領域、並びに置換の例を示す。

0120

0121

当業者が行い得るアミノ酸置換の数は、上記のものを含む数多くの要因に依存する。一般的に言えば、所与の抗IL−17抗体、断片又は変異体について、そのアミノ酸置換、挿入又は欠失の数は、本明細書に記載されているように、例えば1〜30又はその中の任意の範囲又は値といったように、40、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1を超えない。

0122

機能上不可欠である本発明の抗IL−17抗体内のアミノ酸は、部位特異的突然変異誘発又はアラニン走査突然変位誘発などの、当該技術分野において既知の方法により同定可能である(例えば、オースベル(Ausubel)上掲書、第8章、15頁;カニンガム(Cunningham)及びウェルズ(Wells)、Science、第244号、1081〜1085頁(1989年))。後者の手順は、分子内の全ての残基において単一アラニン突然変異を導入する。得られた突然変異分子は、例えば(ただしこれに制限されない)少なくとも1つのIL−17中和活性などの生物活性について、次にテストされる。抗体結合にとってきわめて重要である部位もまた、結晶化、核磁気共鳴又は光親和性標識などの構造分析によって同定することができる(スミス(Smith)ら、J.Mol.Biol.、第224号、899〜904頁(1992年)及びドゥヴォス(de Vos)ら、Science、第255号、306〜312頁(1992年))。

0123

当業者には明らかなように、本発明には、本発明の少なくとも1つの生物的に活性である抗体が含まれている。生物活性抗体は、ネイティブ(非合成)、内因性又は関連する、及び既知の抗体の、少なくとも20%、30%、又は40%、及び好ましくは少なくとも50%、60%、又は70%、及び最も好ましくは少なくとも80%、90%又は95%〜1000%の比活性を有する。酵素活性及び基質特異性のアッセイ及び定量測定の方法は、当業者にとって周知であり、本明細書中に記載されている。

0124

別の態様において、本発明は、有機部分共有結合により改変される、本明細書に記載されているような、ヒト抗体及び抗原結合断片に関するものである。このような改変は、改善された薬物動態特性(例えば、増大した、インビボでの血清半減期)を持つ抗体又は抗原結合断片を産生することができる。この有機部分は、直線状又は分岐した親水性ポリマー基、脂肪酸基、又は脂肪酸エステル基であり得る。特定の実施形態においては、親水性ポリマー基は、約800〜約120,000ダルトンの分子量を有し、ポリアルカングリコール(例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG))、炭水化物ポリマーアミノ酸ポリマー又はポリビニルピロリドンであり得、脂肪酸又は脂肪酸エステル基は、約8〜約40の炭素原子を含み得る。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

新着 最近 公開された関連が強い 技術

この 技術と関連性が強い 技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する挑戦したい社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ