図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2010年8月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題・解決手段

対象とする発明は、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性大腸炎を含む、酸化的ストレスまたは不全還元環境に関係した病状の予防および/または治療のための材料および方法に関する。対象とする発明の別の態様は、浣腸剤として投与するために製剤された組成物に関する。1つの実施の形態では、浣腸剤としての投与に適した組成物は、有効量の5−ASA、およびブデソニドまたはヒドロコルチゾンなどのステロイドを含む。対象とする発明はまた、経口投与用に製剤された組成物にも関する。1つの実施の形態では、組成物は、アルファリポ酸、および/またはN−アセチル−L−システイン(N−A−C)、および/またはL−グルタミン酸を含む。アルファリポ酸は、ラセミ体のアルファリポ酸、R−リポ酸、またはR−ジヒドロリポ酸でありうる。本発明の方法は、本発明の化合物または組成物の投与を含む。1つの実施の形態では、本発明の化合物または組成物は、患者直腸注入される。別の実施の形態では、化合物または組成物は経口投与される。対象とする発明はまた、潰瘍性大腸炎および他の炎症性腸疾患などの酸化的ストレスに関連した病状の発現の危険性を評価および/または診断するためのスクリーニング方法に関する。

概要

背景

潰瘍性大腸炎は、直腸出血および出血性下痢再発発作によって特徴付けられる炎症性大腸炎である。最初の炎症反応は、95%を超える症例において直腸粘膜から始まり、結腸全体にわたって連続的に拡がりうる(非特許文献1)。

組織学的には、潰瘍性大腸炎は主として結腸粘膜陰窩内への好中球浸潤によって現れ、好中球腺窩炎(neutrophilic cryptitis)および極小膿瘍の形成に至り、これが融合して出血性の巨大粘膜潰瘍を形成する。好中球による組織破壊性のサイトカイン分泌および酸素ラジカルは、結腸全体にわたりうる慢性の腺窩破壊性大腸炎を引き起こす(非特許文献2)。

治療法はほとんどなく、不満足なものであり、初期治療ではアミノサリチル酸誘導体および抗炎症性コルチコステロイドの範囲にとどまるが、難治性の疾患では強力な免疫抑制剤へと進行し、内科的治療に反応しない患者では、最終的に結腸切除術へと進行する。軽度〜中等度の疾患を有するほとんどの患者は、その進行を予測することが困難である。重篤な疾患を有する個人は、患者のおよそ20%を構成する。重篤な疾患または劇症疾患を有する患者の約85%は、1年以内に結腸全摘除術を受けることになる。25年までに結腸切除術を必要とする累積尤度は約32%である。データベース:NGC(National Guidelines Clearinghouse:http://www.ngc.gov “Management of Ulcerative Colitis”)。

潰瘍性大腸炎の治療戦略は、浸潤性の好中球によって産生される1種類以上のサイトカインを中和するか、またはサイトカインの起源、すなわち好中球自体を排除することに向けられてきた。潰瘍性大腸炎の内科治療歴は、一生繰り返し発症する疾患によって特徴付けられることから、現在利用可能な内科治療のモダリティは、存在する基本的疾患の解決に向けて対処できるものではなく、したがって現在の治療はこの病状の自然経過を変えることはできないと思われる。

今までに発生した最も高度に発達した免疫システムが、細胞1個分の厚さの薄層組織のみによって隔てられた地球上の最も高濃度の細菌を取り囲むと同時に、摂動を受けずにいられることは、恐らく進化の最大の生理学的不思議の1つである。

このありそうもないような休止(truce)は、管腔における潜在的病原菌の濃度が結腸の内容物の1gあたりの結腸に形成される構成単位生存する細菌細胞)で1012(1兆)と推定される、正常なヒト結腸生活環境を説明している(非特許文献3)。消化管における細菌の原核細胞の数(1014)(100兆)は、ヒト体内の細胞の総数に等しい(非特許文献4〜5)。排出される糞便の重量の半分近くは細菌で構成され、正常なヒト結腸には、400種を超える既知の細菌が存在し、その多くは腸以外の他の体腔移行すると非常に有毒かつ化膿性である。

消化管の粘膜の免疫システムは、概念上、通常は非還元性または耐性表面成分と、潜在的に反応性表層下の成分に分けることができる。結腸上皮細胞散在するT細胞で構成される表面成分は、結腸細菌に対して耐性になっている。正常な管腔の細菌フローラへの、このアネルギー性表面のT細胞の応答は、生まれたときから存在している。目的論的には、これらのT細胞は、粘膜自体を感染させる異質な細菌を認識するための、防御最前線としての役割を果たしうる。

表面下の免疫システムの反応性成分は、マクロファージB細胞および追加のT細胞から構成され、これらは、固有層における結腸の上皮基底膜の真下の通常は無菌環境内に存在する。これらの免疫細胞は、3つの異なる物理的な保護障壁によって、管腔の細菌性抗原と物理的に隔てられている。これらの障壁は、管腔の側面から始まり、保護粘液層無傷の結腸粘膜の内膜、およびその下にある基底膜で構成される。この程度の隔離が上皮下無菌環境を維持し、そうでなければ免疫反応および遊走反応を開始する結腸細菌性産生物との接触から固有層の免疫細胞および脈管構造を保護している。

結腸上皮細胞/基底膜(表面)障壁の完全性は、結腸組織内での免疫の休止の維持、および、結腸免疫システムが、通常の上皮下の無菌環境に浸透しようとする高濃度の細菌性抗原に対して免疫反応を増大させることの防止を最優先する。

したがって、結腸の表面障壁機能の完全性の維持に関与する細胞機構は、潰瘍性大腸炎の病原において、早期のうちに機能不全に陥る場合がある。したがって、粘膜の完全性を維持するために必要とされる生活過程機能障害は、連続した事象の早期かつ必要部分でなければならず、固有層への抗原性の浸透に続いて起こる粘膜の免疫活性化を伴って、最終的には上皮の障壁機能の悪化につながる。

言い換えれば、通常の生化学的経路に集中した異常細胞のストレス因子相加効果は、結腸の表面障壁の完全性の維持に必要とされる必須の機能を与える細胞内の生化学過程崩壊するために協同的に作用する。

潰瘍性大腸炎に見られる自然回復および再発の高い発生率(50%を超える)(非特許文献6)は、可逆的な崩壊と、粘膜の完全性に必要とされる重要な要素に作用する自己修復性喪失症候群の可能性を示唆している。

有毒化学物質直腸投与を用いたヒト潰瘍性大腸炎の動物モデルを作り出そうとする実験的な試みは、ヒトにおけるこの病状の病因先行し、一因をなす、複雑な心理的、生理学的、遺伝的、環境的、および免疫学的相互作用のため、疾患を忠実再生する能力に本質的に限られる(非特許文献3)。インビボにおけるヒト結腸の有毒化学物質への曝露は、今のところ、臨床症状には推奨されていない。しかしながら、必ずしもそうとは限らない。

20世紀には長年にわたって、過酸化水素浣腸剤日常的に用いられ、宿便の排出用に内科医に推奨されていた。つい1980年までは、主要な看護教本では、過酸化水素の浣腸剤が宿便の治療に推奨されていた(非特許文献7)。しかしながら、1930年代には、過酸化水素の浣腸剤の使用後の直腸出血および結腸炎発現に関して表面化し始めた(非特許文献8)。過酸化水素の浣腸剤の使用後の結腸炎の死亡例は、最初は1948年に記録された(非特許文献9)。この事例では、著者は宿便の除去のために過酸化水素の浣腸剤を自分で投与した5日後に死亡した41白人女性について報告している。解剖所見は、「過酸化水素の浣腸剤の作用を原因とする」急性の潰瘍性大腸炎であると言及している。それからずっと、過酸化水素の浣腸剤の使用した後の結腸炎の発現に続く致命的転帰が報告されている。1951年には、Pumphreyは、2人の患者について、過酸化水素の浣腸剤の使用後の重篤な潰瘍性直腸S状結腸炎について報告している(非特許文献10)。1967年には、Shawは、過酸化水素で詰まった胎便を排出した後の、数人の乳児の死亡について報告した(非特許文献11)。1981年には、Meyerらは、過酸化水素の浣腸剤の投与後の急性の潰瘍性大腸炎の3つの事例を報告し、「急性の潰瘍性大腸炎は、過酸化水素の浣腸剤後に生じることが相当に予測できると思われる」と述べた(非特許文献12)。1989年には、BilottaおよびWayeは、彼らの機関における胃腸管内視鏡検査ユニットでの過酸化水素誘発性の結腸炎の蔓延について述べている。これは、結腸鏡検査の際の過酸化水素の故意ではない投与によるものであった。過酸化水素が結腸粘膜に接触する際に、それらは、彼らが「のように白い(snow white)」徴候と述べている瞬時の粘膜の白化および泡立ち視覚化した(非特許文献13)。1995年には、結腸鏡検査の際に、過酸化水素の故意ではない結腸投与で、同一の粘膜反応を生じた(非特許文献14)。2001年には、直腸出血は、再度、過酸化水素の浣腸剤の合併症であることが指摘された(非特許文献15)。

彼らの古典的な実験では、SheehanおよびByrnjolfsson(非特許文献16)は、ラットへの過酸化水素の3%溶液直腸注入によって、急性および慢性の潰瘍性大腸炎を生じさせた。殺処分したラットの顕微鏡検査は、「隣接した正常な粘膜とははっきりと線引き」された、結腸の粘膜潰瘍および好中球浸潤を明らかにした。注入5時間後、肛門の上5cmに達する粘膜の炎症は、1週間で9cm近くに拡大した。さらには、著者は、生存ラットでは、一部の例外を除き、「ほとんどの場合、肛門の上数cmの左結腸に位置する」、結腸の粘膜潰瘍の大部分が10週後には治癒したことを指摘した。

過酸化水素は、無色の、重い、強い酸化液体であり、強力な漂白剤であり、殺菌剤として排水処理にも使用され、ロケット燃料における酸化剤としても使用される。過酸化水素(H2O2)はまた、細胞内に広範囲に存在し、細胞質ゾル内、および、ペルオキシソーム小胞体、および細胞核を含む幾つかの異なる細胞より小さい細胞小器官で、さまざまな酸化酵素および酸素添加酵素(すなわち、キサンチンオキシダーゼチトクロームP450オキシゲナーゼ)によって、連続的に産生される(非特許文献17)。しかしながら、ほとんどの細胞では、過酸化水素のおよそ90%はミトコンドリア電子伝達系呼吸活動の毒性の副生成物として生成する(非特許文献18)。

ミトコンドリアの電子伝達系(ETC)は、内部の液体マトリクスに面している、ミトコンドリアの内膜内に埋め込まれた、5種類の異なるタンパク質成分で構成される。これらの成分のうち3つは、大きい、膜に固定されたタンパク質複合体複合体I、IIIおよびIV)であり、マトリクスから内膜を通って膜間部分にプロトンを受け渡す作用をするプロトンポンプに連結した膜貫通型酸化還元反応レドックス)としての役割をする(非特許文献19)。これら3つの複合体は、複合体間を電子往復する、2つのより小さい輸送担体(複合体IIおよびシトクロムc)と相互作用する。複合体II(コハク酸デヒドロゲナーゼ、EC1.3.5.1)は、複合体I(NADHデヒドロゲナーゼ、EC1.6.5.3)および複合体III(ユビキノール−シトクロムcレダクターゼ、EC1.10.2.2)の間の電子を移動し、一方、シトクロムc(小さいヘム含有タンパク質)は、複合体IIIから複合体IV(チトクロームcオキシダーゼ、EC1.9.3.1)へと電子を移動させる。これらのレドックス電子伝達は、内膜結合タンパク質複合体(I、IIおよびIII)の立体構造を変化させ、マトリクスから内膜を通じて膜間部分までのプロトンの流れを推進する。結果的に膜間部分内にプロトンが蓄積すると電気化学的勾配が生じ、膜貫通型の酵素ATPシンターゼ、EC3.6.1.34または複合体V)を通して、マトリクス内にこれらのプロトンの流れを戻す。それは、このプロトンの逆流がその電気化学的勾配を低下させることによって与えられるエネルギーであり、これがATPシンターゼにエネルギーを提供して、ATPを合成する(非特許文献19)。連鎖における電子の最終受容体は2原子酸素分子)であって、反応においてシトクロムcオキシダーゼ(複合体IV)によって完全に水へと還元され、ここで、酸素分子(O2)は4つの電子(e-)および4つのプロトン(H+)と結合して、2分子の水(H2O)を生成する。複合体IおよびIIIは電子漏れ発生源であり、結果的に細胞内に過酸化水素を発生させることにつながる(非特許文献20〜21)。

ミトコンドリアのクリスタのマトリクスの態様を好むこれらの電子伝達系のタンパク質複合体は、何千も存在し、これが、アデノシンリン酸(ATP)の合成を推進する膜間部分にプロトンの化学浸透圧勾配創出するために必要とされる電気化学ポテンシャル構築するため、酸素を連続的に還元する。

しかしながら、電子伝達系を通じた電子の移動は完全ではなく、最大5%の電子は連鎖を通じては生じず、酸素と結合して水を生成することができない(非特許文献22〜24)。ETCを通じた電子伝達は、必要不可欠な立体構造の変化、および、電子が連鎖において隣のタンパク質に移動する前に生じなければならないプロトンの移動に依存する。これらの変化に障害が生じると、電子漏れと称される電子伝達の分断につながる(非特許文献19)。電子伝達系の複合体IおよびIIIに由来する「漏れ」たこれらの電子は、連鎖において隣の担体の代わりにごく周辺の酸素分子と直接結合し、酸素分子の第1の(単一の電子)不完全還元生成物であるスーパーオキサイド(O2-・)を形成する(非特許文献25)。その外側の原子価軌道に存在する余分の不対電子は、スーパーオキサイド、すなわち一般には活性酸素代謝物(ROM)または活性酸素種(ROS)とも称されるラジカルを生じる。利用可能な酸素の2%は、電子伝達系の「漏れ」によってスーパーオキサイドに転換されると推測されている(非特許文献26)。生理学的なpHでは、スーパーオキサイドはアニオン・ラジカルとして存在し、還元剤として選択的に作用する(電子を供与する)(非特許文献24)。スーパーオキサイドは、蓄積すると細胞に重大な損傷を生じうる。

しかしながら、スーパーオキサイドは、その負電荷に起因して生体膜を通過することができず、ミトコンドリア内に含まれる。スーパーオキサイドは、過酸化水素へと自発的に不均化するか、または酵素スーパーオキサイド・ジスムターゼ(SOD)(EC1.15.1.1)によってミトコンドリア内の生成部位において過酸化水素(H2O2)へと酵素の不均化を受けうる(非特許文献27、非特許文献24)。この酵素反応では、2つのスーパーオキサイド分子が2つのプロトンと結合し、1分子の過酸化水素と1分子の2原子酸素へと転換される(O2-・ + O2-・ → SOD,2H+ → H2O2 + O2)。スーパーオキサイドはミトコンドリアの過酸化水素の化学量論的な前駆体であると考えられており(非特許文献17;非特許文献28)、ミトコンドリアの全酸素消費量の2%がスーパーオキサイドを介してH2O2の形成に導かれると同時に、ミトコンドリアで産生される実質的にすべてのスーパーオキサイドラジカルが過酸化水素に転換される(非特許文献28;非特許文献29)。

スーパーオキサイドおよび過酸化水素は、主要な活性酸素代謝物と考えられている。他のラジカルはすべて、これらの最初に形成された活性酸素代謝物の二次反応を経由して生成される(非特許文献24)。したがって、ミトコンドリア内では、スーパーオキサイドは過酸化水素の形成における仲介物質である。

過酸化水素は、活性酸素代謝物のなかでも独特である。過酸化水素は不対電子を有さないのでラジカルではない;しかしながら、ヒドロキシルラジカル(・OH)であることが知られているほとんどの損傷している化学反応性ラジカルの直接前駆体であることから、ROMとみなされている。過酸化水素は、1電子の還元を受けてヒドロキシルラジカルを形成しうる。還元剤(電子供与種)は、遷移金属イオンフェントン反応)またはスーパーオキサイドラジカルでありうる(ハーバーイス反応)。

鉄および銅イオン(組織に存在する)は、過酸化水素のヒドロキシルラジカルおよび水酸化物アニオンへの均一開裂における、フェントン反応(Fe+2 + H2O2 → Fe+3 + HO- + HO・)または(Cu+ + H2O2 → Fe+3 + HO- + HO・)における還元剤として作用することができる。

ハーバーワイス反応(O2-・ + H2O2 → O2 + HO- + HO・)はまた、鉄触媒を用いるハーバーワイス反応(O2-・ + Fe+3 → O2 + Fe+2)において鉄が存在する場合には、インビボで加速されて、上記の古典的なフェントン反応が生じる(非特許文献24)。細胞内における産生に加えて、スーパーオキサイドは、線維芽細胞内皮細胞、および腸に寄生する細菌を含むさまざまな起源から、細胞外コンパートメントにも放出される(非特許文献30〜34)。しかしながら、生体系では、鉄触媒を用いるハーバーワイス反応は、高反応性のヒドロキシルラジカルを生じる主要な機構とみなされている(非特許文献35)。

ヒドロキシルラジカルは、並外れて強力な酸化剤であり、拡散律速の速度で他の分子を攻撃し、接触するすべてを無差別的に破壊する(非特許文献24;非特許文献36〜37)。ヒドロキシルラジカルは、細胞代謝において形成される最も多い化学反応性の酸素種であり、主に、動物における酸素の細胞傷害効果に関与する(非特許文献37)。生物学的作用の著しい損傷にもかかわらず、ヒドロキシルラジカルは、比較的容易に連続して産生される(非特許文献36)。これは多分、その前駆体(H2O2)の構成的な性質、その発生に必要な遷移金属触媒(鉄および銅)の広範な分布、および、最初に電子供与(還元)する種としての役割をする豊富なスーパーオキサイドラジカルを原因とする。

拡散律速の速度での反応は、ヒドロキシルラジカルが他の分子にぶつかるたびに、あらゆる衝突において反応することを意味する。極端な反応性のせいで、ヒドロキシルラジカルは、付加および分離を介した部位特異的な方法でほとんどの分子と反応し、したがって、ほとんどの分子はヒドロキシルラジカルのスカベンジャーとしての役割をする(非特許文献24)。

ヒドロキシルラジカルと相互作用する分子は、ヒドロキシルラジカルがその発生部位からごくわずかな原子直径ナノメートル)に位置する多糖核酸、およびタンパク質を破壊可能なほどの重度の損傷を受ける(非特許文献37)。

ヒドロキシルラジカルの拡散律速の反応速度は、ヒドロキシルラジカルに、任意の反応性の酸素代謝産物(1ナノ秒)の最短半減期を与える(非特許文献35)。この極めて短い反応時間では、ヒドロキシルラジカルを任意の特定の抗酸化剤分子で除去することは困難である。したがって、ヒドロキシルラジカルの直接前駆体である過酸化水素の解毒化は、正常な細胞の機能および生存にとって不可欠である。その結果として、過酸化水素が細胞内コンパートメント内に蓄積される前に、過酸化水素を中和するために、非常に洗練された細胞内の酵素の抗酸化剤の機構が、その発生部位に備わっている。抗酸化酵素を中和するこれらのH2O2は、カタラーゼ(E.C.1.11.1.6)およびグルタチオンペルオキシダーゼ(E.C.1.11.1.9)である。H2O2の中和には2つの酵素系が存在するという事実は、過酸化水素の除去が細胞の生存にとって絶対不可欠であることを示唆している。

グルタチオン・ペルオキシダーゼが細胞質およびミトコンドリアに認められる一方で、カタラーゼは、主にペルオキシソーム内に存在する(非特許文献24の286頁;非特許文献38;非特許文献25)。カタラーゼのコンパートメント化は、H2O2についての低いKmおよびH2O2濃度に厳密に比例した一次接触反応と相まって、H2O2の除去にとってはグルタチオン・ペルオキシダーゼがカタラーゼよりも重要であることを示唆している(非特許文献24の125頁)。

H2O2についての分解プロファイルは、ヒトJurkat T細胞で確立されている。この研究により、グルタチオン・ペルオキシダーゼ活性がH2O2の消費の91%に関与し、一方カタラーゼは9%の小さい役割しか寄与しないことが判明した(非特許文献39)。これらの酵素の相対的重要度は、それぞれの欠乏状態の結果によって明らかにされる。ヒトにおける無カタラーゼ血液症は、比較的良性病気であり、この病状を有するほとんどの患者は深刻な病理を有しない。

同様に、実験的無カタラーゼ血液症のマウスは自発的な健康障害を有しない(非特許文献40)。対照的に、グルタチオン・ペルオキシダーゼの完全欠損は、恐らくは、この不可欠な酵素の欠如胚形成を妨げることから、ヒトにおいては報告されていない。

集団ベルでは、グルタチオン・ペルオキシダーゼの人種差が、ユダヤ人または地中海人を起源とする個人について記録されている(非特許文献41)。潰瘍性大腸炎の発生率と有病率における2〜4倍の増加も、これらの人種群で報告されている(非特許文献42)。

概要

対象とする発明は、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性大腸炎を含む、酸化的ストレスまたは不全還元環境に関係した病状の予防および/または治療のための材料および方法に関する。対象とする発明の別の態様は、浣腸剤として投与するために製剤された組成物に関する。1つの実施の形態では、浣腸剤としての投与に適した組成物は、有効量の5−ASA、およびブデソニドまたはヒドロコルチゾンなどのステロイドを含む。対象とする発明はまた、経口投与用に製剤された組成物にも関する。1つの実施の形態では、組成物は、アルファリポ酸、および/またはN−アセチル−L−システイン(N−A−C)、および/またはL−グルタミン酸を含む。アルファリポ酸は、ラセミ体のアルファリポ酸、R−リポ酸、またはR−ジヒドロリポ酸でありうる。本発明の方法は、本発明の化合物または組成物の投与を含む。1つの実施の形態では、本発明の化合物または組成物は、患者の直腸に注入される。別の実施の形態では、化合物または組成物は経口投与される。対象とする発明はまた、潰瘍性大腸炎および他の炎症性腸疾患などの酸化的ストレスに関連した病状の発現の危険性を評価および/または診断するためのスクリーニング方法に関する。

目的

診断アッセイは、酸化的危険性(潰瘍性大腸炎の誘導期に入る危険性)、酸化的ストレス(誘導期における)、および酸化的損傷増幅期前)の証拠を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ヒトまたは動物における浣腸剤または坐剤として、直腸投与用に製剤された組成物であって、前記組成物がアミノサリチル酸およびステロイドを含む、組成物。

請求項2

前記アミノサリチル酸が5−ASA、または4−ASA、またはアミノサリチル酸の類似体または誘導体であることを特徴とする請求項1記載の組成物。

請求項3

前記組成物がさらに乳化剤および/または肥満細胞の安定剤を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。

請求項4

前記乳化剤がポリソルベート−80であることを特徴とする請求項3記載の組成物。

請求項5

前記肥満細胞の安定剤がクロモリンナトリウムまたはネドクロミル・ナトリムであることを特徴とする請求項3記載の組成物。

請求項6

前記組成物が、約500mg〜約5000mgの5−ASA;または約750mg〜約3000mgの5−ASA;または約2000mgの5−ASAを含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。

請求項7

前記ステロイドがコルチコステロイドであることを特徴とする請求項1記載の組成物。

請求項8

前記ステロイドが、ヒドロコルチゾンプレドニゾンプレドニゾロンベタメタゾンベクロメタゾン、チキソコルトール、またはブデソニド、またはそれらの類似体または誘導体であることを特徴とする請求項1記載の組成物。

請求項9

前記組成物がさらに短鎖脂肪酸を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。

請求項10

前記脂肪酸が、酪酸プロピオン酸、または酢酸ナトリウム塩であることを特徴とする請求項9記載の組成物。

請求項11

前記組成物が、約5〜約50ミリモル酪酸ナトリウム;または約15ミリモルの酪酸ナトリウムを含むことを特徴とする請求項10記載の組成物。

請求項12

前記組成物が、約1mg〜約10mgのブデソニド;または約2.5mg〜約7.5mgのブデソニド;または約5mgのブデソニドを含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。

請求項13

前記組成物が、約10〜約1000mgのクロモリン・ナトリウム;または約100mgのクロモリン・ナトリウムを含むことを特徴とする請求項5記載の組成物。

請求項14

前記組成物が、5−ASA、またはそれらの類似体または誘導体;ブデソニド;およびクロモリン・ナトリウムを含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。

請求項15

前記組成物が酪酸ナトリウムをさらに含むことを特徴とする請求項14記載の組成物。

請求項16

ヒトまたは動物への経口投与用に製剤された組成物であって、前記組成物がアルファリポ酸、および/またはN−アセチル−L−システイン(N−A−C)、および/またはL−グルタミン酸を含む、組成物。

請求項17

前記組成物がさらに5−ASAを含むことを特徴とする請求項16記載の組成物。

請求項18

前記組成物が、組織壊死因子(TNF)を阻害する化合物をさらに含むことを特徴とする請求項16記載の組成物。

請求項19

前記TNFを阻害する化合物が、レスベラトロルイラクサ葉抽出物、およびベルベリンからなる群より選択されることを特徴とする請求項18記載の組成物。

請求項20

前記組成物が、直接的にH2O2を中和する組成物、酸化および/または分解からのタンパク質の保護を補助する組成物、および核酸を保護する組成物からなる群より選択される1種類以上の化合物をさらに含むことを特徴とする請求項16記載の組成物。

請求項21

前記直接的にH2O2を中和する組成物がピルビン酸カルシウムであり、前記酸化および/または分解からのタンパク質の保護を補助する組成物がL−カルノシンであり、前記核酸を保護する組成物がD−グルカ酸カルシウムであることを特徴とする請求項20記載の組成物。

請求項22

前記組成物が、セレンビタミンB2、ビタミンB12、葉酸、またはビオチンのうち1種類以上をさらに含むことを特徴とする請求項16記載の組成物。

請求項23

前記アルファリポ酸が、ラセミ体のアルファリポ酸、R−リポ酸、またはR−ジヒドロリポ酸であることを特徴とする請求項16記載の組成物。

請求項24

前記組成物が、約100mg〜約1000mgのR−ジヒドロリポ酸;または約250mg〜約750mgのR−ジヒドロリポ酸;または約300mgのR−ジヒドロリポ酸を含むことを特徴とする請求項16記載の組成物。

請求項25

ヒトまたは動物における炎症性腸疾患の予防または治療の方法であって、前記方法が、a)ヒトまたは動物における浣腸剤または坐剤として直腸投与用に製剤された請求項1〜15いずれか1項記載の組成物;および/またはb)ヒトまたは動物への経口投与用に製剤された請求項16〜24いずれか1項記載の組成物を、有効量で投与することを含む、方法。

請求項26

前記炎症性腸疾患が、潰瘍性大腸炎クローン病過敏性腸疾患、または放射線誘発性直腸炎であることを特徴とする請求項25記載の方法。

請求項27

前記経口組成物が、1日1または2回を毎日、または1日1または2回を1日おきに投与されることを特徴とする請求項25記載の方法。

請求項28

前記浣腸剤または坐剤組成物が、1日1回、2日毎に1回、3日毎に1回、4日毎に1回、5日毎に1回、6日毎に1回、または7日以上毎に1回投与されることを特徴とする請求項25記載の方法。

請求項29

前記経口組成物が毎日投与され、前記浣腸剤または坐剤組成物が、1日1回、2日毎に1回、3日毎に1回、4日毎に1回、5日毎に1回、6日毎に1回、または7日以上毎に1回投与されることを特徴とする請求項25記載の方法。

請求項30

前記経口組成物および前記浣腸剤または坐剤組成物が投与されることを特徴とする請求項25〜29いずれか1項記載の方法。

請求項31

1つ以上の容器に、i)アミノサリチル酸;および/またはii)ステロイド;および/またはiii)肥満細胞の安定剤;および/またはiv)短鎖脂肪酸;および/またはv)乳化剤を含む、キット

請求項32

前記アミノサリチル酸が5−ASA、または4−ASA、またはそれらの類似体または誘導体であることを特徴とする請求項31記載のキット。

請求項33

前記乳化剤がポリソルベート−80であることを特徴とする請求項31記載のキット。

請求項34

前記肥満細胞の安定剤がクロモリン・ナトリウムまたはネドクロミル・ナトリムであることを特徴とする請求項31記載のキット。

請求項35

前記ステロイドが、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、ベクロメタゾン、チキソコルトール、またはブデソニド、またはそれらの類似体または誘導体であることを特徴とする請求項31記載のキット。

請求項36

前記脂肪酸が、酪酸、プロピオン酸、または酢酸のナトリウム塩であることを特徴とする請求項31記載のキット。

請求項37

前記キットが、浣腸剤または坐剤の投与効果をもたらすための材料および/または物品をさらに含むことを特徴とする請求項32〜36いずれか1項記載のキット。

関連出願の相互参照

0001

本願は、2007年6月13日出願の米国仮特許出願第60/934,505号および2008年2月6日出願の米国仮特許出願第61/063,745号の利益を主張するものである。本願はまた、現在は米国特許第7,312,243号である、2004年8月27日出願の米国特許出願第10/927,742号の一部継続出願である、2005年4月15日出願の米国特許出願第11/107,179号の一部継続出願である、2006年9月28日出願の米国特許出願第11/540,864号の一部継続出願であり、2003年8月29日出願の米国仮特許出願第60/499,152号の利益を主張するものであり、これらの各々は、参照することにより、図、表、核酸配列アミノ酸配列、および図面を含む全体が本明細書に援用される。

技術分野

0002

本発明は、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性大腸炎を含む、酸化的ストレスまたは不全還元環境に関係した病状の予防および/または治療のための材料および方法に関する。

背景技術

0003

潰瘍性大腸炎は、直腸出血および出血性下痢再発発作によって特徴付けられる炎症性大腸炎である。最初の炎症反応は、95%を超える症例において直腸粘膜から始まり、結腸全体にわたって連続的に拡がりうる(非特許文献1)。

0004

組織学的には、潰瘍性大腸炎は主として結腸粘膜陰窩内への好中球浸潤によって現れ、好中球腺窩炎(neutrophilic cryptitis)および極小膿瘍の形成に至り、これが融合して出血性の巨大粘膜潰瘍を形成する。好中球による組織破壊性のサイトカイン分泌および酸素ラジカルは、結腸全体にわたりうる慢性の腺窩破壊性大腸炎を引き起こす(非特許文献2)。

0005

治療法はほとんどなく、不満足なものであり、初期治療ではアミノサリチル酸誘導体および抗炎症性コルチコステロイドの範囲にとどまるが、難治性の疾患では強力な免疫抑制剤へと進行し、内科的治療に反応しない患者では、最終的に結腸切除術へと進行する。軽度〜中等度の疾患を有するほとんどの患者は、その進行を予測することが困難である。重篤な疾患を有する個人は、患者のおよそ20%を構成する。重篤な疾患または劇症疾患を有する患者の約85%は、1年以内に結腸全摘除術を受けることになる。25年までに結腸切除術を必要とする累積尤度は約32%である。データベース:NGC(National Guidelines Clearinghouse:http://www.ngc.gov “Management of Ulcerative Colitis”)。

0006

潰瘍性大腸炎の治療戦略は、浸潤性の好中球によって産生される1種類以上のサイトカインを中和するか、またはサイトカインの起源、すなわち好中球自体を排除することに向けられてきた。潰瘍性大腸炎の内科治療歴は、一生繰り返し発症する疾患によって特徴付けられることから、現在利用可能な内科治療のモダリティは、存在する基本的疾患の解決に向けて対処できるものではなく、したがって現在の治療はこの病状の自然経過を変えることはできないと思われる。

0007

今までに発生した最も高度に発達した免疫システムが、細胞1個分の厚さの薄層組織のみによって隔てられた地球上の最も高濃度の細菌を取り囲むと同時に、摂動を受けずにいられることは、恐らく進化の最大の生理学的不思議の1つである。

0008

このありそうもないような休止(truce)は、管腔における潜在的病原菌の濃度が結腸の内容物の1gあたりの結腸に形成される構成単位生存する細菌細胞)で1012(1兆)と推定される、正常なヒト結腸生活環境を説明している(非特許文献3)。消化管における細菌の原核細胞の数(1014)(100兆)は、ヒト体内の細胞の総数に等しい(非特許文献4〜5)。排出される糞便の重量の半分近くは細菌で構成され、正常なヒト結腸には、400種を超える既知の細菌が存在し、その多くは腸以外の他の体腔移行すると非常に有毒かつ化膿性である。

0009

消化管の粘膜の免疫システムは、概念上、通常は非還元性または耐性表面成分と、潜在的に反応性表層下の成分に分けることができる。結腸上皮細胞散在するT細胞で構成される表面成分は、結腸細菌に対して耐性になっている。正常な管腔の細菌フローラへの、このアネルギー性表面のT細胞の応答は、生まれたときから存在している。目的論的には、これらのT細胞は、粘膜自体を感染させる異質な細菌を認識するための、防御最前線としての役割を果たしうる。

0010

表面下の免疫システムの反応性成分は、マクロファージB細胞および追加のT細胞から構成され、これらは、固有層における結腸の上皮基底膜の真下の通常は無菌環境内に存在する。これらの免疫細胞は、3つの異なる物理的な保護障壁によって、管腔の細菌性抗原と物理的に隔てられている。これらの障壁は、管腔の側面から始まり、保護粘液層無傷の結腸粘膜の内膜、およびその下にある基底膜で構成される。この程度の隔離が上皮下無菌環境を維持し、そうでなければ免疫反応および遊走反応を開始する結腸細菌性産生物との接触から固有層の免疫細胞および脈管構造を保護している。

0011

結腸上皮細胞/基底膜(表面)障壁の完全性は、結腸組織内での免疫の休止の維持、および、結腸免疫システムが、通常の上皮下の無菌環境に浸透しようとする高濃度の細菌性抗原に対して免疫反応を増大させることの防止を最優先する。

0012

したがって、結腸の表面障壁機能の完全性の維持に関与する細胞機構は、潰瘍性大腸炎の病原において、早期のうちに機能不全に陥る場合がある。したがって、粘膜の完全性を維持するために必要とされる生活過程機能障害は、連続した事象の早期かつ必要部分でなければならず、固有層への抗原性の浸透に続いて起こる粘膜の免疫活性化を伴って、最終的には上皮の障壁機能の悪化につながる。

0013

言い換えれば、通常の生化学的経路に集中した異常細胞のストレス因子相加効果は、結腸の表面障壁の完全性の維持に必要とされる必須の機能を与える細胞内の生化学過程崩壊するために協同的に作用する。

0014

潰瘍性大腸炎に見られる自然回復および再発の高い発生率(50%を超える)(非特許文献6)は、可逆的な崩壊と、粘膜の完全性に必要とされる重要な要素に作用する自己修復性喪失症候群の可能性を示唆している。

0015

有毒化学物質直腸投与を用いたヒト潰瘍性大腸炎の動物モデルを作り出そうとする実験的な試みは、ヒトにおけるこの病状の病因先行し、一因をなす、複雑な心理的、生理学的、遺伝的、環境的、および免疫学的相互作用のため、疾患を忠実再生する能力に本質的に限られる(非特許文献3)。インビボにおけるヒト結腸の有毒化学物質への曝露は、今のところ、臨床症状には推奨されていない。しかしながら、必ずしもそうとは限らない。

0016

20世紀には長年にわたって、過酸化水素浣腸剤日常的に用いられ、宿便の排出用に内科医に推奨されていた。つい1980年までは、主要な看護教本では、過酸化水素の浣腸剤が宿便の治療に推奨されていた(非特許文献7)。しかしながら、1930年代には、過酸化水素の浣腸剤の使用後の直腸出血および結腸炎発現に関して表面化し始めた(非特許文献8)。過酸化水素の浣腸剤の使用後の結腸炎の死亡例は、最初は1948年に記録された(非特許文献9)。この事例では、著者は宿便の除去のために過酸化水素の浣腸剤を自分で投与した5日後に死亡した41白人女性について報告している。解剖所見は、「過酸化水素の浣腸剤の作用を原因とする」急性の潰瘍性大腸炎であると言及している。それからずっと、過酸化水素の浣腸剤の使用した後の結腸炎の発現に続く致命的転帰が報告されている。1951年には、Pumphreyは、2人の患者について、過酸化水素の浣腸剤の使用後の重篤な潰瘍性直腸S状結腸炎について報告している(非特許文献10)。1967年には、Shawは、過酸化水素で詰まった胎便を排出した後の、数人の乳児の死亡について報告した(非特許文献11)。1981年には、Meyerらは、過酸化水素の浣腸剤の投与後の急性の潰瘍性大腸炎の3つの事例を報告し、「急性の潰瘍性大腸炎は、過酸化水素の浣腸剤後に生じることが相当に予測できると思われる」と述べた(非特許文献12)。1989年には、BilottaおよびWayeは、彼らの機関における胃腸管内視鏡検査ユニットでの過酸化水素誘発性の結腸炎の蔓延について述べている。これは、結腸鏡検査の際の過酸化水素の故意ではない投与によるものであった。過酸化水素が結腸粘膜に接触する際に、それらは、彼らが「のように白い(snow white)」徴候と述べている瞬時の粘膜の白化および泡立ち視覚化した(非特許文献13)。1995年には、結腸鏡検査の際に、過酸化水素の故意ではない結腸投与で、同一の粘膜反応を生じた(非特許文献14)。2001年には、直腸出血は、再度、過酸化水素の浣腸剤の合併症であることが指摘された(非特許文献15)。

0017

彼らの古典的な実験では、SheehanおよびByrnjolfsson(非特許文献16)は、ラットへの過酸化水素の3%溶液直腸注入によって、急性および慢性の潰瘍性大腸炎を生じさせた。殺処分したラットの顕微鏡検査は、「隣接した正常な粘膜とははっきりと線引き」された、結腸の粘膜潰瘍および好中球浸潤を明らかにした。注入5時間後、肛門の上5cmに達する粘膜の炎症は、1週間で9cm近くに拡大した。さらには、著者は、生存ラットでは、一部の例外を除き、「ほとんどの場合、肛門の上数cmの左結腸に位置する」、結腸の粘膜潰瘍の大部分が10週後には治癒したことを指摘した。

0018

過酸化水素は、無色の、重い、強い酸化液体であり、強力な漂白剤であり、殺菌剤として排水処理にも使用され、ロケット燃料における酸化剤としても使用される。過酸化水素(H2O2)はまた、細胞内に広範囲に存在し、細胞質ゾル内、および、ペルオキシソーム小胞体、および細胞核を含む幾つかの異なる細胞より小さい細胞小器官で、さまざまな酸化酵素および酸素添加酵素(すなわち、キサンチンオキシダーゼチトクロームP450オキシゲナーゼ)によって、連続的に産生される(非特許文献17)。しかしながら、ほとんどの細胞では、過酸化水素のおよそ90%はミトコンドリア電子伝達系呼吸活動の毒性の副生成物として生成する(非特許文献18)。

0019

ミトコンドリアの電子伝達系(ETC)は、内部の液体マトリクスに面している、ミトコンドリアの内膜内に埋め込まれた、5種類の異なるタンパク質成分で構成される。これらの成分のうち3つは、大きい、膜に固定されたタンパク質複合体複合体I、IIIおよびIV)であり、マトリクスから内膜を通って膜間部分にプロトンを受け渡す作用をするプロトンポンプに連結した膜貫通型酸化還元反応レドックス)としての役割をする(非特許文献19)。これら3つの複合体は、複合体間を電子往復する、2つのより小さい輸送担体(複合体IIおよびシトクロムc)と相互作用する。複合体II(コハク酸デヒドロゲナーゼ、EC1.3.5.1)は、複合体I(NADHデヒドロゲナーゼ、EC1.6.5.3)および複合体III(ユビキノール−シトクロムcレダクターゼ、EC1.10.2.2)の間の電子を移動し、一方、シトクロムc(小さいヘム含有タンパク質)は、複合体IIIから複合体IV(チトクロームcオキシダーゼ、EC1.9.3.1)へと電子を移動させる。これらのレドックス電子伝達は、内膜結合タンパク質複合体(I、IIおよびIII)の立体構造を変化させ、マトリクスから内膜を通じて膜間部分までのプロトンの流れを推進する。結果的に膜間部分内にプロトンが蓄積すると電気化学的勾配が生じ、膜貫通型の酵素ATPシンターゼ、EC3.6.1.34または複合体V)を通して、マトリクス内にこれらのプロトンの流れを戻す。それは、このプロトンの逆流がその電気化学的勾配を低下させることによって与えられるエネルギーであり、これがATPシンターゼにエネルギーを提供して、ATPを合成する(非特許文献19)。連鎖における電子の最終受容体は2原子酸素分子)であって、反応においてシトクロムcオキシダーゼ(複合体IV)によって完全に水へと還元され、ここで、酸素分子(O2)は4つの電子(e-)および4つのプロトン(H+)と結合して、2分子の水(H2O)を生成する。複合体IおよびIIIは電子漏れ発生源であり、結果的に細胞内に過酸化水素を発生させることにつながる(非特許文献20〜21)。

0020

ミトコンドリアのクリスタのマトリクスの態様を好むこれらの電子伝達系のタンパク質複合体は、何千も存在し、これが、アデノシンリン酸(ATP)の合成を推進する膜間部分にプロトンの化学浸透圧勾配創出するために必要とされる電気化学ポテンシャル構築するため、酸素を連続的に還元する。

0021

しかしながら、電子伝達系を通じた電子の移動は完全ではなく、最大5%の電子は連鎖を通じては生じず、酸素と結合して水を生成することができない(非特許文献22〜24)。ETCを通じた電子伝達は、必要不可欠な立体構造の変化、および、電子が連鎖において隣のタンパク質に移動する前に生じなければならないプロトンの移動に依存する。これらの変化に障害が生じると、電子漏れと称される電子伝達の分断につながる(非特許文献19)。電子伝達系の複合体IおよびIIIに由来する「漏れ」たこれらの電子は、連鎖において隣の担体の代わりにごく周辺の酸素分子と直接結合し、酸素分子の第1の(単一の電子)不完全還元生成物であるスーパーオキサイド(O2-・)を形成する(非特許文献25)。その外側の原子価軌道に存在する余分の不対電子は、スーパーオキサイド、すなわち一般には活性酸素代謝物(ROM)または活性酸素種(ROS)とも称されるラジカルを生じる。利用可能な酸素の2%は、電子伝達系の「漏れ」によってスーパーオキサイドに転換されると推測されている(非特許文献26)。生理学的なpHでは、スーパーオキサイドはアニオン・ラジカルとして存在し、還元剤として選択的に作用する(電子を供与する)(非特許文献24)。スーパーオキサイドは、蓄積すると細胞に重大な損傷を生じうる。

0022

しかしながら、スーパーオキサイドは、その負電荷に起因して生体膜を通過することができず、ミトコンドリア内に含まれる。スーパーオキサイドは、過酸化水素へと自発的に不均化するか、または酵素スーパーオキサイド・ジスムターゼ(SOD)(EC1.15.1.1)によってミトコンドリア内の生成部位において過酸化水素(H2O2)へと酵素の不均化を受けうる(非特許文献27、非特許文献24)。この酵素反応では、2つのスーパーオキサイド分子が2つのプロトンと結合し、1分子の過酸化水素と1分子の2原子酸素へと転換される(O2-・ + O2-・ → SOD,2H+ → H2O2 + O2)。スーパーオキサイドはミトコンドリアの過酸化水素の化学量論的な前駆体であると考えられており(非特許文献17;非特許文献28)、ミトコンドリアの全酸素消費量の2%がスーパーオキサイドを介してH2O2の形成に導かれると同時に、ミトコンドリアで産生される実質的にすべてのスーパーオキサイドラジカルが過酸化水素に転換される(非特許文献28;非特許文献29)。

0023

スーパーオキサイドおよび過酸化水素は、主要な活性酸素代謝物と考えられている。他のラジカルはすべて、これらの最初に形成された活性酸素代謝物の二次反応を経由して生成される(非特許文献24)。したがって、ミトコンドリア内では、スーパーオキサイドは過酸化水素の形成における仲介物質である。

0024

過酸化水素は、活性酸素代謝物のなかでも独特である。過酸化水素は不対電子を有さないのでラジカルではない;しかしながら、ヒドロキシルラジカル(・OH)であることが知られているほとんどの損傷している化学反応性ラジカルの直接前駆体であることから、ROMとみなされている。過酸化水素は、1電子の還元を受けてヒドロキシルラジカルを形成しうる。還元剤(電子供与種)は、遷移金属イオンフェントン反応)またはスーパーオキサイドラジカルでありうる(ハーバーイス反応)。

0025

鉄および銅イオン(組織に存在する)は、過酸化水素のヒドロキシルラジカルおよび水酸化物アニオンへの均一開裂における、フェントン反応(Fe+2 + H2O2 → Fe+3 + HO- + HO・)または(Cu+ + H2O2 → Fe+3 + HO- + HO・)における還元剤として作用することができる。

0026

ハーバーワイス反応(O2-・ + H2O2 → O2 + HO- + HO・)はまた、鉄触媒を用いるハーバーワイス反応(O2-・ + Fe+3 → O2 + Fe+2)において鉄が存在する場合には、インビボで加速されて、上記の古典的なフェントン反応が生じる(非特許文献24)。細胞内における産生に加えて、スーパーオキサイドは、線維芽細胞内皮細胞、および腸に寄生する細菌を含むさまざまな起源から、細胞外コンパートメントにも放出される(非特許文献30〜34)。しかしながら、生体系では、鉄触媒を用いるハーバーワイス反応は、高反応性のヒドロキシルラジカルを生じる主要な機構とみなされている(非特許文献35)。

0027

ヒドロキシルラジカルは、並外れて強力な酸化剤であり、拡散律速の速度で他の分子を攻撃し、接触するすべてを無差別的に破壊する(非特許文献24;非特許文献36〜37)。ヒドロキシルラジカルは、細胞代謝において形成される最も多い化学反応性の酸素種であり、主に、動物における酸素の細胞傷害効果に関与する(非特許文献37)。生物学的作用の著しい損傷にもかかわらず、ヒドロキシルラジカルは、比較的容易に連続して産生される(非特許文献36)。これは多分、その前駆体(H2O2)の構成的な性質、その発生に必要な遷移金属触媒(鉄および銅)の広範な分布、および、最初に電子供与(還元)する種としての役割をする豊富なスーパーオキサイドラジカルを原因とする。

0028

拡散律速の速度での反応は、ヒドロキシルラジカルが他の分子にぶつかるたびに、あらゆる衝突において反応することを意味する。極端な反応性のせいで、ヒドロキシルラジカルは、付加および分離を介した部位特異的な方法でほとんどの分子と反応し、したがって、ほとんどの分子はヒドロキシルラジカルのスカベンジャーとしての役割をする(非特許文献24)。

0029

ヒドロキシルラジカルと相互作用する分子は、ヒドロキシルラジカルがその発生部位からごくわずかな原子直径ナノメートル)に位置する多糖核酸、およびタンパク質を破壊可能なほどの重度の損傷を受ける(非特許文献37)。

0030

ヒドロキシルラジカルの拡散律速の反応速度は、ヒドロキシルラジカルに、任意の反応性の酸素代謝産物(1ナノ秒)の最短半減期を与える(非特許文献35)。この極めて短い反応時間では、ヒドロキシルラジカルを任意の特定の抗酸化剤分子で除去することは困難である。したがって、ヒドロキシルラジカルの直接前駆体である過酸化水素の解毒化は、正常な細胞の機能および生存にとって不可欠である。その結果として、過酸化水素が細胞内コンパートメント内に蓄積される前に、過酸化水素を中和するために、非常に洗練された細胞内の酵素の抗酸化剤の機構が、その発生部位に備わっている。抗酸化酵素を中和するこれらのH2O2は、カタラーゼ(E.C.1.11.1.6)およびグルタチオンペルオキシダーゼ(E.C.1.11.1.9)である。H2O2の中和には2つの酵素系が存在するという事実は、過酸化水素の除去が細胞の生存にとって絶対不可欠であることを示唆している。

0031

グルタチオン・ペルオキシダーゼが細胞質およびミトコンドリアに認められる一方で、カタラーゼは、主にペルオキシソーム内に存在する(非特許文献24の286頁;非特許文献38;非特許文献25)。カタラーゼのコンパートメント化は、H2O2についての低いKmおよびH2O2濃度に厳密に比例した一次接触反応と相まって、H2O2の除去にとってはグルタチオン・ペルオキシダーゼがカタラーゼよりも重要であることを示唆している(非特許文献24の125頁)。

0032

H2O2についての分解プロファイルは、ヒトJurkat T細胞で確立されている。この研究により、グルタチオン・ペルオキシダーゼ活性がH2O2の消費の91%に関与し、一方カタラーゼは9%の小さい役割しか寄与しないことが判明した(非特許文献39)。これらの酵素の相対的重要度は、それぞれの欠乏状態の結果によって明らかにされる。ヒトにおける無カタラーゼ血液症は、比較的良性病気であり、この病状を有するほとんどの患者は深刻な病理を有しない。

0033

同様に、実験的無カタラーゼ血液症のマウスは自発的な健康障害を有しない(非特許文献40)。対照的に、グルタチオン・ペルオキシダーゼの完全欠損は、恐らくは、この不可欠な酵素の欠如胚形成を妨げることから、ヒトにおいては報告されていない。

0034

集団ベルでは、グルタチオン・ペルオキシダーゼの人種差が、ユダヤ人または地中海人を起源とする個人について記録されている(非特許文献41)。潰瘍性大腸炎の発生率と有病率における2〜4倍の増加も、これらの人種群で報告されている(非特許文献42)。

先行技術

0035

Hendrickson, 2002
Carpenter, 2000
Farrell and Peppercorn, 2002
Blaut, 2000
Guyton and Hall, 1997
Meyers and Janowitz, 1989
Brunner and Suddarth, 1980
Benson and Bargen, 1939
Sheenan and Brynjolfsson, 1960
Pumphery, 1951
Shaw et al., 1967
Meyer et al., 1981
Bilotta and Waye, 1989
Schwartz et al., 1995
Thibaud et al., 2001
Sheehan and Byrnjolfsson(1960)
Chance et al., 1979
Eaton and Qian, 2002
Schultz and Chan, 2001
Lemasters and Nieminen, 2001
St.-Pierre et. al., 2002
Liu, 1997
Turrens, 1997
Eberhardt, 2001
Cadenas and Davies, 2000
Boveris and Chance, 1973
Chance 1979
Han et al., 2001
Boveris et al., 1972
O’Donnell et al., 1996
Souchard et al., 1998
Huycke et al., 2002
Huycke and Moore, 2002
Huycke et al., 2001
Kehrer, 2000
Fridovich, 1998
Chen and Schopfer, 1999
Davies, 2000
Boveris and Cadenas, 2000
Eaton and Ma, 1995
The Metabolic and Molecular Basis of Inherited Disease, 2001, 8th ed., p. 4650
Roth et al., 1989

発明が解決しようとする課題

0036

上記から理解されるように、当技術分野では、潰瘍性大腸炎などの炎症性大腸炎を治療するための治療方法が依然として必要とされている。

課題を解決するための手段

0037

対象とする発明は、酸化的ストレスまたは不全な還元環境に関連する病状の予防および治療のための材料および方法に関する。本発明の1つの態様は、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の治療のための方法および組成物に関する。1つの実施の形態では、本発明の治療組成物は還元剤を含む。還元剤は、細胞内に機能する能力のある薬剤であって差し支えなく、あるいは、細胞外に活性な薬剤またはであるか、その両方でありうる。典型的な実施の形態では、還元剤は5−アミノサリチル酸(5−ASA)および/またはチオ硫酸ナトリウムおよび/またはジヒドロリポ酸および/またはアルファリポ酸(ALA)および/またはピルビン酸である。1つの実施の形態では、本発明の治療組成物は、チオ硫酸ナトリウム、次没食子酸ビスマスビタミンE、およびクロモグリク酸ナトリウムを含む。典型的な実施の形態では、治療組成物は、保持浣腸剤として投与するのに好適な形態で提供される。別の実施の形態では、治療組成物は経口投与に好適な形態で提供される。

0038

対象とする発明の別の態様は、浣腸剤としての投与用に製剤された組成物に関する。本発明の浣腸製剤は、5−ASAおよびステロイド化合物を含む。本発明の範囲内に予定されているステロイド化合物として、コルチコステロイドが挙げられる。1つの実施の形態では、浣腸剤としての投与に好適な組成物は、有効量の5−ASAおよびブデソニドを含む。別の実施の形態では、本発明の組成物は5−ASAおよびCORTNEMAなどのヒドロコルチゾンを含む。本発明に用いられうる他のコルチコステロイドとしては、限定はしないが、プレドニゾンおよびプレドニゾロンが挙げられる。

0039

対象とする発明はまた、炎症性腸疾患を有するヒトまたは動物を治療する方法に関する。対象とする方法の1つの実施の形態では、治療を必要とするヒトまたは動物は、生物学的に適合した形態または組成物で、本発明の組成物を投与される。1つの実施の形態では、投与すべき組成物は、5−ASA、チオ硫酸ナトリウム、ジヒドロリポ酸(R−ジヒドロリポ酸、L−ジヒドロリポ酸、または両方)および/またはアルファリポ酸またはALAなどの還元剤を含む。本発明の浣腸製剤は、5−ASAおよびステロイド化合物を含む。本発明の範囲内に予定されているステロイド化合物には、コルチコステロイドが含まれる。1つの実施の形態では、浣腸剤としての投与に好適な組成物は、有効量の5−ASAおよびブデソニドを含む。別の実施の形態では、本発明の組成物は、5−ASAおよびCORTENEMAなどのヒドロコルチゾンを含む。本発明に用いられうる他のコルチコステロイドとしては、限定はしないが、プレドニゾンおよびプレドニゾロンが挙げられる。典型的な実施の形態では、治療組成物は直腸に投与される。別の実施の形態では、経口投与用の組成物として、アルファリポ酸、N−アセチル−L−システイン(N−A−C)、およびL−−グルタミン酸が挙げられる。

0040

対象とする発明はまた、経口投与用に製剤された組成物に関する。1つの実施の形態では、組成物として、アルファリポ酸、N−アセチル−L−システイン(N−A−C)、およびL−グルタミン酸が挙げられる。アルファリポ酸は、ラセミ体のアルファリポ酸、R−リポ酸、またはR−ジヒドロリポ酸でありうる。本発明の組成物はまた、組織壊死因子(TNF)を阻害する化合物を含みうる。

0041

対象とする発明はまた、本発明の治療組成物または化合物を含むキットおよび容器に関する。容器は、ヒトまたは動物への治療組成物の投与を容易にするために選択されうる。

0042

対象とする発明はまた、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を検出および診断するための方法およびキットにも関する。

図面の簡単な説明

0043

S状結腸鏡検査結果:末端S状結腸図1A);末端S状結腸(図1B);中央部S状結腸(図1C);末端S状結腸(図1D);および直腸(図1E)。
S状結腸鏡検査結果:末端S状結腸(図2A);直腸(図2B);および直腸(図2C)。

0044

対象とする発明は、酸化的ストレスまたは還元環境の悪化に関係する病状の予防および治療のための材料および方法に関する。本発明の1つの態様は、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、および過敏性腸疾患の治療のための方法および/または組成物に関する。過酸化水素の産生(H2O2)およびその産生過剰、および消化管の細胞からの脱出は、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の原因因子であることが見出された。体細胞は、代謝の副産物としての過酸化水素を含む、酸素ラジカルを恒常的に生じる。これらのラジカルは、細胞内の構造に損傷を与えて細胞死を生じる前に、細胞内で中和されなければならない。酸素ラジカルおよび過酸化水素の恒常的な発生は、細胞の還元力によって中和される、酸化的ストレスである。細胞内における最も重要な還元物質はグルタチオンである。したがって、細胞が機能するために必要とする還元環境は、細胞の還元容量(主としてグルタチオン)と酸素ラジカル(主として過酸化水素)との間の微妙なバランスによって維持される。正常な状態下では、細胞内の過酸化水素濃度は、H2O2を中和(還元)するグルタチオンの恒常的な産生によって、非常に低く維持される。このバランスがH2O2の発生の増大、グルタチオンの産生の減少、またはその両方によって乱れると、過酸化水素が細胞内に蓄積され、細胞膜を通じて細胞外空間へと拡散する。これが直腸の組織で生じる場合、管腔の細菌産物に対する結腸の障壁が崩壊し、組織は通常は無菌である結腸の固有層内に抗原性物質を浸透させる。その後の活性化した好中球の浸潤は、非常に大量の組織破壊的なサイトカインおよび過酸化水素を含む追加の酸素ラジカルの分泌を生じさせる。したがって悪循環が生まれ、それによって腺窩の好中球は、糞便物質に曝露される際に細菌の局所環境を除去しようとして、破壊的なサイトカインおよび酸素ラジカルの産生を促し、これがさらに結腸の組織障壁に損傷を与え、結腸全体に広がるまで、免疫反応の増大等と共にさらなる細菌の浸潤を生じる。浸潤性の好中球による過酸化水素の産生は、隣接した正常な結腸の組織内に拡散することができ、その還元力を圧倒し、隣接した結腸の障壁機能および上皮細胞酸化的損傷を生じる。これは、結果的に、直腸における起点から結腸の残りの部分へと炎症の連続的拡張を生じさせる。細胞から拡散または脱出した過酸化水素はヒドロキシルラジカルへと転換され、その後、基底膜および密着結合などの細胞構造を崩壊させうる。これが、潰瘍性大腸炎に関する病状を生じさせる原因となる免疫反応を発生させる。

0045

潰瘍性大腸炎は2つの段階に分けることができる。最初の段階は誘導期と呼ばれ、細胞外環境への過酸化水素の細胞外拡散から始まる。この段階では、上皮層は、肉眼的に損傷はなく、組織学的に正常に見える。損傷は、結腸の上皮の密着結合および基底膜の分子破断に限られ、腸の抗原に対する結腸の浸透性の一時的な増大を生じさせる。この段階では直腸出血はなく、この過程は数ヶ月から数年間続き、一時的な結腸粘膜下の抗原性の浸透に続く断続的な免疫活性化に起因して、結果的に筋肉痛関節痛および筋膜炎(faciitis)など、散発性の特別な腸の徴候を生じさせる。最初の損傷が圧倒的でない場合には、約3日間という結腸の上皮のターンオーバーの速度の高さに起因して、損傷を修復し、結腸の障壁を元に戻すことができる。しかしながら、上皮の障壁を再構築できず、抗原侵襲持続される場合は、好中球浸潤の形態でのさらなる免疫活性化が生じる。

0046

潰瘍性大腸炎の第2期は、結腸組織への好中球の浸潤から始まり、増幅期と呼ばれる。この期では、好中球に由来するサイトカインおよび酸素ラジカルが組織の損傷を開始し、この疾患の特徴である粘膜潰瘍および直腸出血ならびに下痢を引き起こす。

0047

潰瘍性大腸炎の2つの区別される期の重要性は、積極的(炎症誘発性のH2O2産生の増大)または消極的抗炎症性のH2O2産生の減少)でありうる、危険因子の操作を介した、誘導期の間の炎症過程緩和能力にある。増幅期は、名前が示すように、自立性および自動刺激性であり、危険因子の影響を受けない。増幅期では、個人は、過程を逆行させる外部の介入なしに、結腸の組織の破壊を原因とする直腸出血を生じることにより、広範囲に及ぶ結腸の炎症を発現し、結腸切除術に至る結果となる。結腸切除術は、損傷した、透過性の障壁を有する腸の部分と共に、誘発および増殖の起源を排除する。これは、浸透性の抗原の進入路根絶し、炎症過程を終了する。しかしながら、H2O2の産生を促進する危険因子が認識され、排除される場合には、結腸の炎症は誘発の間にいつでも終了されうる。増殖は、本発明の方法および組成物で患者を治療するための適切な介入によっても終了する。

0048

過酸化水素またはその分解生成物(ヒドロキシルラジカルまたは水酸化物アニオン)の中和に使用することができる任意の金属は、本発明の範囲内であることが意図されている。これらとしては、限定はしないが、酸化剤、還元剤、グルタチオン・ペルオキシダーゼおよびカタラーゼなどの酵素、触媒亜鉛粉または他の金属粉末または金属触媒など)、重炭酸塩緩衝剤におけるマンガン、およびアスベスト繊維または過酸化水素を分解する能力のある他の繊維が挙げられる。グルタチオン、またはその前駆体アミノ酸グリシン、システインおよびグルタミン酸)もまた、本発明の組成物および方法に使用することができる。グルタチオン誘導体のモノエステルまたはジエステルは、グルタチオンよりも容易に細胞内に吸収される、エステル基が付加したグルタチオンとして、対象とする発明とともに用いることができる。

0049

1つの実施の形態では、本発明の治療組成物は、少なくとも1種類の還元剤を含む。還元剤は、主として細胞外に、主として細胞内に、または細胞外と細胞内の両方に作用するものでありうる。1つの実施の形態では、本発明の治療組成物は、少なくとも1種類の細胞外の還元剤および少なくとも1種類の細胞内の還元剤を含む。

0050

典型的な実施の形態では、還元剤はチオ硫酸イオンであり、これは、例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムチオ硫酸カルシウムチオ硫酸カリウムチオ硫酸銀、チオ硫酸コリン(choline thiosulfate)、金チオ硫酸ナトリウムチオ硫酸マグネシウム六水和物(hex hydrate)、およびチオ硫酸次亜硫酸などの塩の形態で提供されうる。本発明の範囲内に予定されている他の還元剤の例としては、限定はしないが、金属ホウ化水素ヒドロ亜硫酸ナトリウムジメチルチオ尿素亜硫酸水素ナトリウム二酸化チオ尿素ジエチルヒドロキシルアミン、亜鉛粉、シアノ水素化ホウ素ナトリウム水素化ナトリウムホウ酸トリメチルベンジルトリフェニルホスホニウムクロリドブチルトリフェニルホスホニウムブロミドエチルトリフェニルホスホニウム酢酸錯体、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、エチルトリフェニルホスホニウムヨージド、エチルトリフェニルホスホニウムホスフェート、およびテトラブチルホスホニウム酢酸錯体が挙げられる。使用可能な他の還元剤としては、グルタチオン、またはグルタチオンのモノエステルまたはジエステル、グルタチオンのジエステルまたはグルタチオンのマルチエステルの誘導体が挙げられる。

0051

典型的な実施の形態では、本発明の細胞内の還元剤は、アルファリポ酸(ALA)、ジヒドロリポ酸、またはピルビン酸塩である。これらは細胞内に入り、H2O2と反応する能力がある。ALAは小分子である(分子量206.3、CAS#1077−28−7)。それは、そのレドックス状態(酸化または還元された)および3位の不斉中心(*)の周囲の鏡像異性的立体配置に応じて変化する、さまざまな名前で知られている。DL命名法に基づいた、古い相対(比較)は、絶対的立体配置を示すRおよびSの記号表示に取って代わられつつある。

0052

ALAは、脂肪酸を含む8炭素環状ジスルフィドであり、これは体内のすべての細胞におけるミトコンドリア内に微量で合成される。R−異性体のみが天然で合成される。自然状態では、ALAは、アミド結合における末端カルボキシルを介してリジン残基のε−アミノ基に共有結合し、ミトコンドリア内の生命維持に必要なエネルギー代謝反応を触媒する、複数のサブユニット酵素複合体部分を形成する。細胞質または循環にはごく少量の遊離のALAが存在する。

0053

ALAの、その同族体タンパク質への結合は、酵素の翻訳後修飾として達成される。そのタンパク質結合状態では、それはリポアミドと呼ばれる必須の酵素の共同因子である。ALAを利用する酵素複合体は、ピルビン酸の、クレブスクエン酸回路を介するエネルギー産生のための生命維持に必要な基質であるアセチルCoAへの転換に触媒作用を及ぼす、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体である。他の重要なクレブス回路反応を触媒するαケトグルタル酸複合体、クレブス回路へ入るためのアセチルCoAを生み出す3種類の分岐鎖アミノ酸バリンロイシンおよびイソロイシン)の酸化的脱炭酸反応を触媒する分岐鎖αケト酸デヒドロゲナーゼ複合体、および、核酸の合成における極めて重要な役割を担う5,10−メチレンテトラヒドロ葉酸の形成を触媒するグリシン開裂酵素系の複合体も挙げられる。

0054

ALAの自然機能は、アシル基に結合し、各酵素複合体のサブユニット中の連続した酵素の活性部位へと移動させることである。このアシル転移の過程では、ALAはジヒドロリポ酸へと還元され、その後、次のアシル転移の準備ができた、結合している同族体酵素によって、ALAへと再酸化される。ALAは経口投与後の高度のバイオアベイラビリティを有し、脂溶性水溶性の両方の性質を示す。これにより、細胞内と細胞外の両方のコンパートメントに拡散させることができる。

0055

本発明の治療組成物は、随意的に、次のうちの1種類以上を含みうる:
1)抗菌性であるか、または胃腸の組織また細胞への細菌の付着を防ぐか阻害する、化合物または組成物。1つの実施の形態では、化合物はビスマス塩でありうる。典型的な実施の形態では、化合物は次没食子酸ビスマスでありうる。消化管に存在する細菌に対して活性な抗生物質を含んでもよい。好ましい実施の形態では、化合物はバクテロイデス属に対して活性である。

0056

2)粘性立体障害のため)を加えた、および/または、例えばd−α−トコフェロール(ビタミンE)、カルボキシメチルセルロース、または他の粘性の単糖または多糖の化合物(例えばハチミツ)など、上皮の脂質過酸化反応を阻害する、化合物または組成物。

0057

3)肥満細胞を阻害する、および/または消化管の細胞間の密着結合の封止または修復を助ける、化合物または組成物。1つの実施の形態では、化合物はクロモグリク酸ナトリウムでありうる。

0058

4)ヒドロキシルラジカルを除去する化合物または組成物。1つの実施の形態では、化合物はジメチル・スルホキシドDMSO)、マンニトールメチオナールデオキシリボースまたはDMPO(5,5−ジメチルピロリジン−N−オキサイド)でありうる。

0059

5)DMSOまたはアポシニンなど、NADPHオキシダーゼを阻害または遮断する化合物または組成物。

0060

6)結腸に局在した好中球を殺すか阻害する、あるいは、結腸に入る、または結腸の脈管構造を出る好中球を妨げるか阻害する、化合物または組成物。1つの実施の形態では、セレクチンなどの血管内皮に存在する血管接着分子ICAMS)の抗体または他の遮断薬、またはインテグリンなど、対応する好中球のカウンターリガンドの他の遮断薬が使用されうる。

0061

7)好中球の過酸化水素の産生を停止または阻害する化合物または組成物。例として、DMSOおよびトレタールが挙げられる。

0062

8)過酸化水素のヒドロキシルラジカルへの還元に必要な鉄分子をキレートまたは封鎖する化合物または組成物。1つの実施の形態では、鉄キレート試薬であるデスフェラール(デフェロキサミン)が使用されうる。

0063

9)5−アミノサリチル酸(5−ASA)またはコラザルバルサラジド二ナトリウム)が含まれうる。

0064

10)水酸化物イオンを中和または除去する化合物。1つの実施の形態では、本発明の組成物は、重炭酸ナトリウムを含む、約6.8〜約7.4のpHの緩衝溶液の形態などの弱酸または弱塩基を含みうる。

0065

11)電子伝達系または任意のその成分を阻害するであろう任意の試薬または療法(例えば、シトクロムオキシダーゼ酵素を抑制する試薬または療法)。

0066

1つの実施の形態では、本発明の組成物は、還元剤およびNADPH酸酵素阻害剤を含む。還元剤はチオ硫酸ナトリウムなどのチオ硫酸塩であることが好ましく、NADPH酸化酵素阻害剤はアポシニンであることが好ましい。好ましい実施の形態では、組成物は、結腸に到達するまで溶解を遅延させる、経口投与カプセルで提供される。

0067

本発明の化合物は、単一の組成物として投与されて差し支えなく、あるいは、個別に同時に、または異なる時間に、同一または異なる投与経路(例えば経口、直腸など)で投与されうる。1つの実施の形態では、本発明の組成物は、直腸投与に適した混合物または溶液で提供され、チオ硫酸ナトリウム、次没食子酸ビスマス、ビタミンE、およびクロモグリク酸ナトリウムが挙げられる。1つの実施の形態では、本発明の治療組成物は、坐剤の形態で、酪酸、およびグルタチオン・モノエステル、グルタチオン・ジエチルエステルまたは他のグルタチオン・エステル誘導体を含む。坐剤は、随意的にチオ硫酸ナトリウムおよび/またはビタミンEを含みうる。

0068

対象とする発明は、酸化的ストレスによって生じるまたは悪化する、または細胞内外の還元環境に障害が生じることによって生じるまたは悪化する疾患を予防および/または治療する方法に関する。対象とする発明の1つの実施の形態は、例えば潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を有するヒトまたは動物を予防および/または治療する方法に関する。対象とする発明はまた、前立腺癌および他の病状の放射線療法の結果として生じうる放射線に誘発された直腸炎の予防および治療のための方法に関する。本発明の方法および組成物を使用して予防および/または治療される他の病状としては、限定はしないが、パーキンソン病白内障脳性麻痺、および胃癌および結腸癌などの消化管癌が挙げられる。本発明の組成物はまた、結腸切除術後の回腸嚢炎を治療または予防するために使用されうる。回腸嚢炎とは、結腸が切除された後の小腸の最後の部分から外科的に再建された「J型」のの炎症である。小腸の末端の15.24cm(6インチ)が上に折り曲げられ、小腸上に元通りに縫合される。「J型」の屈曲に穴が形成され、肛門に接続される。この目的は、外部に袋を取り付けることを避けるため、大便用の容器を備えることである。

0069

小腸は、管腔の内容物をさらに透過しやすく、そのような方法でそこに大便を貯蔵することにより、細菌の取り込みが増えて、酸化的ストレスが増大することから、炎症を生じうる。回腸嚢炎を治療または予防するため、浣腸剤としての投与または経口投与用に製剤された組成物を用いることができる。

0070

対象とする発明はまた、を治療する方法に関する。1つの実施の形態では、本発明の液体浣腸製剤は、痔に直接用いられる。特定の実施の形態では、本発明の液体浣腸製剤は、ガーゼまたは吸収パッドなどの適切な材料に置かれ、浣腸剤含有材料を、典型的には約2〜4時間、痔に接触させる。この適用は、典型的には毎日1回または2回、行われる。

0071

対象とする方法の1つの実施の形態では、治療を必要としているヒトまたは動物は、生物学的に適合した形態または組成物で、本発明の治療組成物を有効量で投与される。予防治療では、有効量の本発明の治療組成物は、治療すべき病状の発症前に、ヒトまたは動物に投与される。例えば、放射線誘発性の直腸炎を防止するため、前立腺癌の放射線療法の前に、本発明の治療組成物が有効量で投与される。典型的な実施の形態では、組成物の還元剤は、ALA、および/またはジヒドロリポ酸、および/またはピルビン酸塩、および/または5−ASA、および/または、例えばチオ硫酸ナトリウムなどのチオ硫酸塩である。1つの実施の形態では、治療組成物は、直腸投与、または遅延溶解性の経口カプセルによって投与される。遅延型の溶解投薬形態としては、結腸環境に関係するpHでのみ溶解する、pH依存性のカプセルおよびコーティングが挙げられる。pH依存性の材料の例としては、限定はしないが、メタクリル酸メチルメタクリル酸、および/または、例えばメタクリル酸アンモニオ(ammonio methacrylate)共重合体を含むアクリル酸エチルポリマーが挙げられる。本発明の組成物を結腸に送達するための他の投薬形態としては、例えば、時間依存性の送達システム圧力依存性の送達システム、細菌依存性のシステムが挙げられる(Basit et al., 2003)。酸化電位依存性のシステムを利用する投薬形態もまた予定されている。結腸の内容物は、何倍もの細菌が結腸に存在することから、小腸の内容物よりも酸化能が極めて高い。酸化電位依存性の系は酸化能に対して感受性の送達システムであり、カプセルが結腸において、より高い酸化レベルに晒されると、その内容物を放出するか、活性化する。これは、酸化されると活性薬物へと分解するプロドラッグ、および、結腸において、より高い酸化レベルに晒されると溶解するカプセルの形態でありうる。1つの実施の形態では、特に患者が直腸出血している場合、直腸および経口投与される組成物の組合せが、患者に与えられる。出血の抑制後、直腸の治療は随意的に中断してもよく、必要に応じて経口療法が継続される。チオ硫酸ナトリウムなどのチオ硫酸は、随意的に、経静脈的に投与され、例えば、約10%〜約25%(w/v)のチオ硫酸ナトリウムの溶液が与えられうる。本発明の方法はまた、単独で、または本発明の治療組成物の利用と組み合わせて、本明細書に記載される患者のライフスタイルの変更の設定も意図している。

0072

個別の患者に投与されるさまざまな化合物の用量範囲は、通常の熟練した臨床医によって決定されうる。本明細書で提供される用量範囲の例は指針であって、投与することができる用量については、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。用量範囲は、例えば、
チオ硫酸ナトリウム: 150〜250mg/kg体重
アルファリポ酸: 10〜20mg/kg体重
ジヒドロリポ酸: 10〜20mg/kg体重
ピルビン酸塩: 50〜100mg/kg体重
次没食子酸ビスマス: 2〜4mg/kg体重
ビタミンE: 25〜30IU/kg体重
クロモリンナトリウム: 1〜3mg/kg体重
でありうる。

0073

1つの実施の形態では、チオ硫酸ナトリウム、次没食子酸ビスマス、ビタミンE、およびクロモリン・ナトリウムの成分は、以下に従った滅菌水中の保持浣腸剤の形態で調製することができる:
テップ1:結晶がすべて溶解するまで穏やかに振とうしながら、水にチオ硫酸ナトリウムを溶解させる。
ステップ2:完全に溶解するまでクロモリン・ナトリウムを加える。
ステップ3:完全に懸濁するまで穏やかに振とうしながら、次没食子酸ビスマスを加える。
ステップ4:ビタミンEを加え、懸濁するまで振とうする。

0074

本発明の方法はまた、クロニジンなどの内因性カテコールアミンを低下させる薬物の経口投与も含み、そのような治療は、患者が提示する症状および危険因子によって示唆される。ミトコンドリアのMAOが内因性のカテコールアミンを代謝することを阻害または防止する、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤もまた、患者の治療計画一環として投与されて差し支えなく、本発明の範囲内であることが意図されている。MAO阻害剤は、血液脳関門を通過しないものが好ましい。本発明の1つの実施の形態では、クロニジン(または同様の薬物)およびMAO阻害剤の組合せが患者に投与される。

0075

トレンタール(ペントキシフィリン)およびアポシニンなどのNADPH酸化酵素阻害剤の投与もまた本発明の範囲内に予定されている;これらは、結腸において溶解する遅延溶解性の経口カプセルとして、または直腸溶液として、投与することができる。ペントキシフィリンは抗炎症性の活性を有し、NADPHオキシダーゼおよびアポトーシスを阻害することができる、浸潤性の好中球の表面のアデノシン受容体を介したプリン作動薬として機能しうる。この経口療法は、ライフスタイルの変更と共に、再誘発および再発を予防するための維持療法として継続することができる。

0076

1つの実施の形態では、本発明の組成物は還元剤およびNADPH酸化酵素阻害剤を含む。1つの実施の形態では、還元剤は、チオ硫酸ナトリウム、および/または5−ASAおよび/またはALAおよび/またはジヒドロリポ酸および/またはピルビン酸塩などのチオ硫酸塩であり、NADPH酸化酵素阻害剤はアポシニンである。1つの実施の形態では、組成物は、患者のおよび/または小腸で溶解するカプセルなどの経口投与の形態で提供される。別の実施の形態では、組成物は、結腸に到達するまで溶解を遅延する、経口投与されるカプセルで提供される。溶解遅延型の投薬形態としては、結腸環境に関係するpHでのみ溶解する、pH依存性のカプセルおよびコーティングが挙げられる。pH依存性の材料の例としては、限定はしないが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、および/または、例えばメタクリル酸アンモニオ(ammonio methacrylate)共重合体を含むアクリル酸エチルポリマーが挙げられる。本発明の組成物を結腸に送達するための他の投薬形態としては、例えば、時間依存性の送達システム、圧力依存性の送達システム、細菌依存性のシステムが挙げられる(Basit et al., 2003)。酸化電位依存性のシステムを利用する投薬形態もまた予定されている。

0077

対象とする発明の別の態様は、浣腸剤として投与するための組成物に関する。本発明の浣腸製剤は、還元剤(または同様の作用機序を有する任意の他の薬剤)およびステロイドを含む。1つの実施の形態では、本発明の浣腸製剤は、5−ASA(5−アミノサリチル酸;メサラミンとしても知られる)、または4−ASA(4−アミノサリチル酸)などのアミノサリチル酸、またはサリチル酸の任意の類似体または誘導体、およびステロイド化合物を含む。別の実施の形態では、組成物は、還元剤としてスルファサラジンアザフィジン)を含む。本発明の範囲内に予定されているステロイド化合物としては、コルチコステロイドが挙げられる。典型的な実施の形態では、ステロイドは、ブデソニドまたはそれらの類似体または誘導体を含む。特定の実施の形態では、浣腸剤としての投与に好適な組成物は、有効量の5−ASAおよびブデソニドを含む。他の特定の実施の形態では、本発明の組成物は、5−ASA、およびCORTENEMAなどのヒドロコルチゾン化合物を含む。本発明に用いることができる他のコルチコステロイドとしては、限定はしないが、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾンベクロメタゾン、およびチキソコルトールが挙げられる。浣腸製剤は、随意的に、ポリソルベート−80(または任意の他の適切な乳化剤)、および/または、結腸の上皮のエネルギー源として、酪酸(4炭素)、プロピオン酸(3炭素)、酢酸(2炭素)のナトリウム塩などの任意の短鎖脂肪酸(例えば5、4、3、または2炭素の脂肪酸)、および/またはクロモリン・ナトリウム(GASTOCROM)またはネドクロミル・ナトリム(ALOCRIL)などの任意の肥満細胞安定剤を含みうる。さらなる実施の形態では、本発明の浣腸製剤はALAを含みうる。1つの実施の形態では、ALAは、ALAのR型およびL型異性体のラセミ混合物として提供される。別の実施の形態では、ALAはR−アルファリポ酸として提供される。別の実施の形態では、ALAはR−ジヒドロリポ酸として提供される。1つの実施の形態では、本発明の浣腸製剤は、有効量の5−ASA、ブデソニド、酪酸ナトリウム、クロモリン・ナトリウム、および随意的に、R−ジヒドロリポ酸などのアルファリポ酸を含む。

0078

1つの実施の形態では、組成物は、約200mg〜約3000mg、または約500mg〜約1,500mgの5−ASA、または約750mg〜約1,250mgの5−ASAを含む。特定の実施の形態では、組成物は約1,150mgの5−ASAを含む。別の実施の形態では、組成物は約2,600mgの5−ASAを含む。1つの実施の形態では、5−ASAは30〜40mg/kg体重で適用される。組成物はまた、約1mg〜約10mgのブデソニドまたはヒドロコルチゾンまたは約8mgのヒドロコルチゾン、または約2.5mg〜約7.5mgのブデソニドまたはヒドロコルチゾンまたは約8mgのヒドロコルチゾンを含みうる。特定の実施の形態では、組成物は、約5mgのブデソニドを含む。1つの実施の形態では、ブデソニドは、0.05〜0.15mg/kg体重で適用される。組成物がクロモリン・ナトリウムを含む場合、約10mg〜約200mg、または約20mg〜約100mg、または約30mg〜約70mgの量で存在しうる。特定の実施の形態では、クロモリン・ナトリウムは約40mgの量で提供される。別の実施の形態では、クロモリン・ナトリウムは、約100mgの量で提供される。組成物がポリソルベート−80を含む場合、約1%(v/v)〜約10%(v/v)の濃度で提供されうる。組成物が酪酸ナトリウムを含む場合、約500〜約1500mgの量で存在しうる。1つの実施の形態では、酪酸ナトリウムは4〜6mM/kg体重の量で適用される。特定の実施の形態では、ポリソルベート−80は、約6%(v/v)の濃度で組成物に提供される。典型的な実施の形態では、浣腸剤としての投与に適した組成物は、次のように製剤化される:17ccの5−ASA(約1,150mgの5−ASA)、1ccのブデソニド(5mg/ccで)、2ccのクロモリン・ナトリウム(20mg/ccで)、および6%(v/v)におけるポリソルベート−80。他の特定の実施の形態では、組成物は、10ccのヒドロコルチゾン(合計16.6mg)、30ccの5−ASA(合計2g)、および、随意的に、アルファリポ酸および/またはL−グルタミン酸および/またはN−アセチルシステインおよび/または5ccのクロモリン・ナトリウム(100mg)、および/または12.5ccの酪酸ナトリウム(1.1g)を含む。

0079

特定の実施の形態では、本発明の浣腸製剤は、5−ASA、ブデソニド、クロモリン・ナトリウム、および酪酸ナトリウムを含む。製剤は、例えば、約1〜5gの5−ASA;約1〜10mgのブデソニド;約10〜1000mgのクロモリン・ナトリウム;および約5〜50ミリモルの酪酸ナトリウムを含みうる。さらに特定の製剤では、浣腸剤は、約2.7gの5−ASA(60cc中4gの5−ASAを含む、60ccボトル中40ccの5−ASA);約5mgのブデソニド(1cc中);約100mgのクロモリン・ナトリウム(5cc中);および約15ミリモルの酪酸ナトリウム(水中、1Mの酪酸ナトリウム溶液を15cc)を含むように調製されうる。

0080

本発明の浣腸組成物は、臨床医によって決定される投与量およびスケジュールで患者に投与されうる。1つの実施の形態では、本発明の浣腸剤は、毎日投与されうる。随意的に、1日おきに、例えば5−ASAなどの還元剤を含む浣腸剤、および随意的にクロモリン・ナトリウムおよび/またはポリソルベート−80を交互に投与してもよいが、ステロイドは除く。1つの実施の形態では、患者は、およそ1ヶ月間、毎日、本発明の浣腸剤を与えられる。随意的に、2ヶ月目の治療では、浣腸剤中のステロイド量を経時的に減少させる;例えば、ステロイドは、4週間の治療にわたって、投与される浣腸剤にステロイドがまったく含まれなくなるまで(例えば治療の3ヶ月目の開始時まで)低減されうる。3ヶ月目の治療では、患者に毎日投与される本発明の浣腸剤は、還元剤(例えば5−ASA)および短鎖脂肪酸(例えば酪酸ナトリウム)を含みうるが、ステロイドは除外される。4ヶ月目の治療では、患者に毎日投与されるべき本発明の浣腸剤は還元剤を含みうるが、短鎖脂肪酸およびステロイドは除外される。5ヶ月目の治療では、患者は4ヶ月目と同一の浣腸剤ではあるが、1日おきに、または随意的に必要に応じて、与えられる。

0081

対象とする発明はまた、経口投与用に製剤された組成物に関する。これらの経口組成物は、独立した治療として、または本発明の浣腸製剤と併用して、投与されうる。1つの実施の形態では、本発明の組成物は浣腸剤の治療の間に経口投与され、浣腸剤治療の終了後も継続される。1つの実施の形態では、組成物は、アルファリポ酸などの経口の還元剤または中間メカニズムを通じて直接または非直接的に細胞内のまたは細胞外の還元剤として作用する任意の経口薬剤を含み、細胞内外の過酸化水素または酸素ラジカルの形成を中和するか、妨げる。本発明の範囲内に予定される他の経口の還元剤としては、限定はしないが、チオ硫酸ナトリウム、メルカプトプロピオニルグリシン、N−アセチルシステイン、グルタチオン、メラトニン、CoQ10、エブセレン、および5−アミノサリチル酸(5−ASA)などのアミノサリチル酸が挙げられる。5−ASAは、経口製剤(例えば、アザルフィジン、アサコール、ジペンタム、メサラミン、バルサラジドオルサラジンを含む)としても(浣腸製剤に加えて)利用可能であり、細胞外の過酸化物および酸素ラジカルを中和する能力を有する。アルファリポ酸は、ラセミ体のアルファリポ酸、R−リポ酸、R−ジヒドロリポ酸、L−リポ酸、および/またはL−ジヒドロリポ酸でありうる。1つの実施の形態では、アルファリポ酸は、5〜10mg/kgで投与される。特定の実施の形態では、約100mg〜1000mgまたはそれ以上のアルファリポ酸、好ましくはR−ジヒドロリポ酸が、毎日、患者に経口投与される。さらに特定の実施の形態では、約600mgのアルファリポ酸、好ましくはR−ジヒドロリポ酸が、毎日、患者に経口投与される;随意的に、患者は、約300mgのアルファリポ酸、好ましくはR−ジヒドロリポ酸を、毎日2回、与えられる。

0082

1つの実施の形態では、本発明の経口組成物は、アルファリポ酸、および/またはN−アセチル−L−システイン(N−A−C)、および/またはL−グルタミン酸を含む。本発明の組成物はまた、組織壊死因子(TNF)を阻害する化合物を含みうる。本発明の範囲内に予定されているTNF抑制物質としては、レスベラトロルイラクサ葉抽出物、およびベルベリンが挙げられる。本発明の組成物はまた、随意的に、H2O2を直接中和する化合物(例えばピルビン酸カルシウム)、酸化および分解からタンパク質を保護する補助をする化合物(例えばL−カルノシン)、および/または核酸を保護する化合物(例えばD−グルカ酸カルシウム)を含みうる。組成物はまた、随意的に、次のうち1種類以上を含みうる:セレンビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB12、葉酸、およびビオチン。特定の実施の形態では、本発明の組成物は、300mgのR−ジヒドロリポ酸、500mgのN−A−C、500mgのL−グルタミン酸、200μgのセレン、100mgのビタミンB2、500μgのビタミンB12、800μgの葉酸、2,000μgのビオチン、1,500mgのピルビン酸カルシウム、150mgのレスベラトロル、275mgのイラクサの葉抽出物、および200mgの生のイラクサの葉の粉末ゴールデンシールの根の複合体の形態のベルベリンを150mg、およびゴールデンシール粉末を300mg、1,000mgのL−カルノシン、および250mgのD−グルカ酸カルシウムを含む。

0083

1つの実施の形態では、組成物は、被験者の胃および/または小腸で溶解するカプセルなどの経口投与の形態で提供される。別の実施の形態では、組成物は、結腸にたどり着くまで溶解を遅延する、経口投与されるカプセルで提供される。遅延型の溶解の投薬形態としては、結腸環境に関係するpHでのみ溶解する、pH依存性のカプセルおよびコーティングが挙げられる。pH依存性の材料の例としては、限定はしないが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、および/または、例えば、メタクリル酸アンモニオ(ammonio methacrylate)共重合体を含むアクリル酸エチルポリマーが挙げられる。本発明の組成物を結腸へ送達するための他の投薬形態としては、例えば、時間依存性の送達システム、圧力依存性の送達システム、細菌依存性のシステム(Basit et al., 2003)が挙げられる。酸化電位依存性のシステムの利用する投薬形態もまた予定されている。

0084

本発明の浣腸組成物および経口組成物は、患者の食餌の変更と併用して投与されうる。本発明の範囲内に予定されている食餌の変更としては、ミネラル油、非水溶性繊維水溶性繊維プルーン果汁、およびVSL#3の消費の増加が挙げられる。治療される患者の食餌はアルコールを避けることが好ましい。

0085

本発明の方法および組成物は、ヒトおよび他の動物に用いられうる。本発明の組成物は、本明細書に記載されるように、治療を必要としている動物に投与、すなわち、経口的に、および/または浣腸剤などとして投与されうる。本発明の範囲内に予定されている他の動物としては、家畜、農用動物、または動物園またはサーカスで飼われている動物が挙げられる。家畜としては、例えば、イヌネコウサギフェレットモルモットハムスターブタサルまたは他の霊長類、およびスナネズミが挙げられる。農用動物としては、例えば、ウマラバロバ、小型のロバ(burros)、畜牛乳牛、ブタ、ヒツジ、およびアリゲーターが挙げられる。動物園またはサーカスで飼われている動物としては、例えば、ライオントラクマラクダキリンカバ、およびサイが挙げられる。

0086

上述の通り、本発明の経口および浣腸組成物は、独立して、または併用して、治療を必要としているヒトまたは動物に投与されうる。したがって、1つの実施の形態では、本発明の方法は、有効量の本発明の経口組成物のみ、または有効量の本発明の浣腸組成物のみ、または有効量の本発明の経口および浣腸組成物の両方を、治療を必要としているヒトまたは動物に投与することを含む。1つの実施の形態では、ALA(R−ジヒドロリポ酸など)を含む有効量の経口組成物、および、アミノサリチル酸(5−ASAなど)、および/または任意の好適なステロイド(ブデソニドなど)、および/または任意の肥満細胞安定剤(クロモリン・ナトリウムなど)、および/または任意の短鎖脂肪酸(酪酸ナトリウムなど)、および随意的に乳化剤(ポリソルベート−80など)を含む、有効量の浣腸組成物が、ヒトまたは動物に投与される。経口および浣腸組成物は、通常の熟練した技術者によって、毎日、または1日おきに、または2日おきに、または3日おきになど、または毎週、または適切であると判断された任意の別のスケジュールで、投与されうる。経口および浣腸組成物は、1日おきに、例えば1日目は経口で、2日目は浣腸剤、などのように投与されうる。1つの実施の形態では、経口組成物は毎日投与され、浣腸組成物は、1日おきに、または2日毎に、または3日毎に、または4日毎に、または5日毎に、または6日毎に、または週1回などで投与される。経口および浣腸組成物は、独立して、1日あたり1回以上(例えば、2回、3回、など)投与されうる。

0087

対象とする発明に有用な化合物は、薬学的に有用な組成物を調製するための既知の方法に従って、製剤化されうる。製剤は、当業者によく知られており、容易に利用可能な多くの供給源に詳細に記載されている。例えば、E.W.Martinによるレミントンのファルマスーティカルサイエンス(Remington's Pharmaceutical Science)には、対象とする発明と組み合わせて用いることができる製剤が記載されている。一般には、対象とする発明の組成物は、組成物の友好な投与を促進するため、有効量の化合物を適切な担体と組み合わせて製剤化される。本方法に用いられる組成物はまた、さまざまな形態でありうる。これらとしては、例えば、錠剤丸薬、粉末、溶液または懸濁液、坐剤、注射剤および注入可能な溶液、および噴霧など、固体半固体、および液体の投薬形態が挙げられる。好ましい形態は、意図する投与方法および治療用途によって異なる。組成物はまた、当業者に既知の従来の薬学的に許容される担体および賦形剤を含むことが好ましい。化合物と共に使用するための担体または賦形剤の例としては、エタノール、ジメチル・スルホキシド、グリセロールアルミナデンプン、および同等の担体および賦形剤が挙げられる。所望の治療上の処置のためのこのような容量の投与をもたらすため、本発明の新規医薬組成物は、担体または賦形剤を含む全組成物の重量に基づいて、1種類以上の化合物を合計で約0.1〜45重量%、特には約1〜15重量%含むことが有利であろう。

0088

対象とする発明はまた化合物および本発明の組成物の投薬形態に関する。1つの実施の形態では、化合物および組成物は、経口または直腸に投与される投薬形態で提供される。有効量のi)例えば、5−ASAおよび/またはチオ硫酸ナトリウムおよび/またはAPAおよび/またはジヒドロリポ酸および/またはピルビン酸塩および/またはアルファリポ酸などの還元剤、および、随意的に、ii)例えばアポシニンなどのNADPH酸化酵素阻害剤、を含む、結腸で溶解するカプセルを含めた、経口投与のための投薬形態は、本発明において明確に意図されている。遅延型の溶解投薬形態としては、結腸環境に関係するpHでのみ溶解する、pH依存性のカプセルおよびコーティングが挙げられる。pH依存性の材料の例としては、限定はしないが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、および/または、例えばメタクリル酸アンモニオ(ammonio methacrylate)共重合体を含む、アクリル酸エチルポリマーが挙げられる。本発明の組成物を結腸に送達するための他の投薬形態としては、例えば、時間依存性の送達システム、圧力依存性の送達システム、細菌依存性のシステムが挙げられる(Basit et al., 2003)。酸化電位依存性のシステムを利用する投薬形態もまた予定されている。

0089

対象とする発明の化合物はまた、リポソーム技術、徐放性カプセル、埋め込みポンプ生体分解性の容器、および当技術分野で既知の他の手段を利用して投与することができる。これらの送達媒体および方法は、長期間にわたり、一定用量で提供することが有利でありうる。

0090

対象とする発明はまた、本発明の治療組成物を含む容器に関する。容器は、組成物を保存し、および/またはヒトまたは動物に投与するのが容易になるように選択され、例えば容器は治療組成物の直腸投与に使用するのに適切なものでありうる。容器は、ガラスプラスチックなどを含む任意の好適な材料で構成されて差し支えなく、使い捨ておよび/または再生利用可能であって構わない。本発明の治療組成物は、滅菌容器内に無菌組成物として提供されることが好ましい。対象とする発明はまた、1つ以上の容器内に本発明の治療組成物または化合物を含むキットに関する。1つの実施の形態では、本発明のキットは、1つ以上の容器内に、還元剤、および/またはアミノサリチル酸、および/またはステロイド、および/または短鎖脂肪酸、および/または乳化剤、および/または抗菌剤および/または抗付着剤、および/または増粘剤および/または脂質過酸化反応の抑制剤、および/または肥満細胞阻害剤および/または肥満細胞安定剤、および/または、例えば上皮細胞増殖因子(EGF)など、細胞間の密着結合を修復、封止、または再生する薬剤を含む。典型的な実施の形態では、キットは、チオ硫酸ナトリウム、次没食子酸ビスマス、ビタミンE、およびクロモグリク酸ナトリウムの化合物を含む。別の実施の形態では、キットは、5−ASA、ブデソニド、クロモリン・ナトリウム、および酪酸ナトリウムを含む。本発明の化合物は、キット内に、単一の予混合された投薬形態で、または投与前に混合される個別の投薬単位で、または個別に投与されるように提供されうる。1つの実施の形態では、本発明のキットは、本発明の浣腸製剤化合物、および、浣腸剤の投与効果を高める材料および物品を含む。

0091

対象とする発明は、潰瘍性大腸炎および他の炎症性腸疾患などの酸化的ストレス、およびパーキンソン病に関係する、病状を発現する危険性を評価および/または診断するためのスクリーニング方法に関する。1つの実施の形態では、本発明の方法は、細胞内のレドックスの緩衝能力の維持を補助する、酵素の抗酸化物質ネットワークにおける酵素をコードする遺伝子のSNP(一塩基多型)の存在について、ヒトまたは動物のスクリーニングすることを含み、ここで、SNPは遺伝子の適切な発現に影響を与える変異を生じるか、または酵素の活性を低下または排除する変異を生じる。SNPのスクリーニングのための標準的な方法および材料は、当技術分野で知られている。本発明の範囲内に含まれる酵素としては、限定はしないが、グルタチオン−システイン・リガーゼ、グルタチオン・シンテターゼグルタチオンジスルフィド・レダクターゼ、グルタチオン・ペルオキシダーゼ、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素リンゴ酸酵素グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、およびホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼが挙げられる。1つの実施の形態では、本発明の方法は、ヒトまたは動物において、グルタミン酸−システイン・リガーゼ酵素(EC6.3.2.2)、またはグルタチオンの合成を減少させる酵素活性の低下を生じるSNPを含む、グルタチオン・シンテターゼ酵素(EC6.3.2.3)をコードする任意の遺伝子をスクリーニングまたは特定することを含む。1つの実施の形態では、本発明の方法は、ヒトまたは動物において、NADPHの合成を減少させる酵素活性の低下を生じるSNPを含む、グルタチオンジスルフィド・レダクターゼ(EC1.8.1.7)酵素をコードする任意の遺伝子をスクリーニングまたは特定することを含む。1つの実施の形態では、本発明の方法は、ヒトまたは動物において、過酸化水素の中和を減少させる酵素活性の低下を生じるSNPを含む、グルタチオン・ペルオキシダーゼ(EC1.11.1.9)酵素をコードする任意の遺伝子をスクリーニングまたは特定することを含む。1つの実施の形態では、本発明の方法は、ヒトまたは動物において、グルタチオン・ペルオキシダーゼ(EC1.11.1.9)の阻害を生じるメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(EC1.5.1.20)をコードする任意の遺伝子をスクリーニングまたは特定することを含む。1つの実施の形態では、本発明の方法は、ヒトまたは動物において、NADPHの合成を減少させる酵素活性の低下を生じるSNPを含む、リンゴ酸酵素(EC1.1.1.40)、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.49)またはホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ酵素(EC1.1.1.44)をスクリーニングまたは特定することを含む。遺伝子として知られているSNPは、次のウェブサイト調査および特定することができる:
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?CMD=DisplayFiltered&DB=snp

0092

対象とする発明はまた、潰瘍性大腸炎を検出および診断する方法、および、その診断キットに関する。本明細書に記載される潰瘍性大腸炎の誘導期または増幅期に関連する生理学的パラメータを検出または診断する任意の手段は、本発明の範囲の範囲内にあることが意図されている。1つの実施の形態では、直腸の組織は、過酸化水素レベルの増大、グルタチオンレベルの低下、またはその両方の存在の有無についてスクリーニングされる。過酸化水素およびグルタチオンの検出または定量のための技術および材料は、当技術分野で知られている。別の実施の形態では、結腸組織は、活性化した好中球の浸潤および/または、好中球に由来するサイトカインまたは脂質過酸化反応の生成物の存在についてスクリーニングされる。活性化した好中球および好中球に由来するサイトカインを検出または定量するための技術および材料は、当技術分野で知られている。本発明のアッセイは、随意的に、正または不の制御、および/または、試験試料の結果と共に評価するための他の基準(例えば、正常な直腸の組織または細胞;標準的または正常な濃度の過酸化水素;標準的または正常な濃度のグルタチオンなど)を含みうる。潰瘍性大腸炎に関連する複数の生理学的なパラメータについてスクリーニングするアッセイは、本発明の範囲内に含まれる。本発明のアッセイに使用される組織は、局所的(例えば、直腸の組織)または全身的(例えば、血液、リンパ液など)でありうる。本発明の診断アッセイは、侵襲的または非侵襲的でありうる。診断アッセイは、酸化的危険性(潰瘍性大腸炎の誘導期に入る危険性)、酸化的ストレス(誘導期における)、および酸化的損傷(増幅期前)の証拠を提供することができる。

0093

対象とする発明は、個人の潰瘍性大腸炎の発現の危険性の評価、または、患者が疾患のどの段階にあるかの判断のための方法にも関する。本方法は、H2O2、グルタチオン、および曝露時間のパラメータについて評価し、その後、次の式に基づいて、個人の酸化的危険性(Rox)の指数を決定することを含む:

0094

ここで、
H2O2レベル−直接または間接的に決定されうる結腸の上皮のH2O2レベルのことをいう。
組織曝露時間−結腸の上皮ターンオーバーの速度によって決定される。これは、上皮細胞が、H2O2を含めた損傷を与える酸素ラジカルに曝露される時間である。
グルタチオンレベル−過酸化水素を中和するために結腸上皮細胞で利用可能な細胞を保護する細胞内グルタチオンの腸のことをいう。
Rox−組織または生物が晒される酸化的ストレスレベルの包括的な測定。Roxが高ければ、潰瘍性大腸炎などの酸化介在性の組織の損傷を発現する危険性が高くなる。

0095

式のパラメータのそれぞれを決定するためのアッセイをここに記載する。Roxの値を使用して、個人が、
1)潰瘍性大腸炎の誘導期に入る危険性がある
2)潰瘍性大腸炎の誘導期にある、または
3)潰瘍性大腸炎の増幅期に入る危険性がある
か否かを見極めることができる。

0096

含有H2O2レベルに関するアッセイ:
1.細胞内または細胞外の結腸の過酸化水素、ヒドロキシルラジカルまたは水酸化物イオンを直接または間接的に測定する試験。過酸化水素は、糞便、直腸の生検組織、尿、および血液についてアッセイすることができる。過酸化水素は、組織の損傷の原因となる要素である、すべてのヒドロキシル基(および水酸化物)の形成にとっての最終的な共通の経路である。過酸化水素レベルは酸化的組織損傷の可能性の直接的な指標である。したがって、H2O2を増大させる任意の状態は、Roxを増大させる。

0097

2.結腸のグルタチオン・ペルオキシダーゼ(GPx)酵素の活性を直接または間接的に測定する試験。GPxは過酸化水素を低減する主要な酵素であり、GPxの活性が低下すると過酸化水素が増加する。

0098

3.結腸上皮細胞の脂質膜過酸化反応を直接または間接的に測定する試験。潰瘍性大腸炎における脂質過酸化反応は、結腸上皮細胞のヒドロキシルラジカルの影響に起因する。

0099

4.結腸上皮細胞の増殖を直接または間接的に測定する試験。過酸化水素は、結腸上皮細胞の増殖を誘発する。これは、急速に分裂する細胞に蓄積される、暗い脂質色素である、結腸黒色症の存在によって明らかとなる。それは、結腸の粘膜上の黒点のように見える。したがって、結腸黒色症を測定するアッセイは、本発明によって意図されている。

0100

5.結腸上皮細胞の核DNAの酸化(例えば、8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OHdG))を直接または間接的に測定する試験。過酸化水素は、核内にも拡散し、DNAを酸化する。これらの酸化生成物は測定することができ、酸化的ストレスの評価をもたらしうる。

0101

6.結腸上皮細胞のミトコンドリアDNAの損傷を直接または間接的に測定する試験。過酸化水素はミトコンドリアで産生され、任意の他の構造になる前にミトコンドリアDNAに損傷を与える。

0102

7.過酸化水素はタンパク質を酸化しうることから、タンパク質のカルボニル基を直接または間接的に測定する試験。酸化および損傷される場合、密着結合タンパク質の断片も糞便中に見られるであろう。密着結合および細胞内酵素はタンパク質でできている。

0103

8.結腸上皮細胞のスーパーオキサイドのレベルを直接または間接的に測定する試験。スーパーオキサイドは過酸化水素の直接前駆体である。スーパーオキサイドが上昇すると、過酸化水素が上昇する。

0104

9.結腸上皮細胞のスーパーオキサイド・ジスムターゼ活性を直接または間接的に測定する試験。スーパーオキサイド・ジスムターゼは、スーパーオキサイドを過酸化水素に転換する酵素である。その活性が増大すると、過酸化水素が増加する。

0105

10.電子伝達活性を直接または間接的に測定する試験。電子伝達活性は過酸化水素の生成に関与している。電子伝達活性が測定される場合、これは過酸化水素の生成の間接反射である。電子伝達活性は、主に、個人の基礎代謝率BMR)に関与する。代謝が増大すると電子伝達活性が増大し、さらに過酸化水素が産生される。

0106

11.結腸上皮細胞のアポトーシスを直接または間接的に測定する試験。過酸化水素は、アポトーシスと呼ばれる単細胞の死を引き起こす。これらの細胞は、糞便内に剥がれ落ちる。1つの実施の形態では、アポトーシスは、糞便試料または結腸の生検から測定される。

0107

曝露時間に関するアッセイ:
1.結腸上皮細胞のターンオーバーは約3日である。これは、上皮細胞増殖因子によって加速されうる。結腸上皮細胞上のEGFまたはその受容体を低減させる任意の条件は、結腸の上皮の曝露およびRoxを増大させる。EGFおよびその受容体は、高齢者では減少する。60歳以上の人では、潰瘍性大腸炎も減少する。したがって、EGFおよびその受容体のレベルの測定は、Roxの有用な診断上の指標である。

0108

含有グルタチオン濃度に関するアッセイ:
1. 血中、結腸組織、または糞便の還元型グルタチオン(GSH)の濃度を直接または間接的に測定する試験。GSHが減少すると、過酸化水素は中和されなくなり、増大する。唯一、還元型グルタチオンのみが過酸化水素を中和することができる。

0109

2. 血中、結腸組織、または糞便の酸化型グルタチオンを直接または間接的に測定する試験。酸化型グルタチオン(GSSG)は過酸化水素が中和された後に産生される。過酸化水素が排除するには多すぎる場合、GSSGは増大する。

0110

3.グルタチオンレダクターゼのレベルを直接または間接的に測定する試験。グルタチオンレダクターゼは、酸化型グルタチオン(GSSG)を還元型(GSH)に転換するために必要な酵素である。この酵素の活性が低下すると、過酸化水素が増大し、Roxの増大を引き起こす。

0111

4.NADPHのレベルを直接または間接的に測定する試験。NADPHは、GSSGがGSH(還元型グルタチオン)へと再生されるように、電子をGSSGに供与する、重要な還元剤である。NADPHが低下すると、過酸化水素が増大する。

0112

5.G−6−PD(グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)、H−6−PD(ヘキソース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)および/または6−PGD(6−ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ活性を直接または間接的に測定する試験。酸化型グルタチオン(GSSG)を、過酸化水素を中和するのに必要な、有用な還元型(GSH)へと再生するのに必要とされるほとんどすべてのNADPHは、生化学的経路の1つである、ペントースリン酸経路(PPP)(以前はヘキソース一リン酸側路として知られる)によって産生される。PPP内では、2種類のデヒドロゲナーゼ酵素が、生成されるすべてのNADPHの産生に排他的に関与する。これらは、G−6−PD(グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、EC1.1.1.49)および6−PGD(6−ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ、EC1.1.1.44)である。G−6−PD(「G」型)の遺伝的欠損が報告されており、体内の他の細胞に存在するH−6−PD(ヘキソース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、「H」型)として知られる、通常生じるバックアップ酵素が欠乏した、赤血球溶血を引き起こす。G型およびH型の存在は、第2のNADPH産生酵素である6−PGDの正常な活性が存在することを前提に、PPPに正常な量のNADPHを産生させうる。しかしながら、6−PGD(6−ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ)は効果的なバックアップを有さず、最大50%の活性の低下を伴う、多型の形態で存在しうる。これは、理論的には、全結腸上皮NADPHを25%も低下させうる。NADPHの減少は、過酸化水素をを増大させ、Roxが上昇し、結腸を酸化損傷させやすくする。

0113

6.酪酸濃度を直接または間接的に測定する試験。結腸上皮の酪酸濃度が低いと、グルタチオンが減少する。これは、過酸化水素を増大させる。

0114

7.グリシン、システイン、およびグルタミン酸の濃度を直接または間接的に測定する試験。ルタチオンの産生に必要な3つのアミノ酸(グリシン、システイン、およびグルタミン酸)のいずれかが少ないと、GSHの産生が少なく、過酸化水素が増大する。

0115

炎症性腸疾患の危険性の増大および減少に関連する因子が特定されている。炎症性腸疾患の発現の危険性を増大させる因子としては、ストレス、アルコールの消費、食事および異物代謝が挙げられる。したがって、対象とする方法は、患者の行動の改善を、単独で、または本発明の治療組成物の投与と組み合わせて、含む。

0116

積極的危険因子(誘発の危険性を増大させる):
直腸:
潰瘍性大腸炎にとって最大の危険因子は、直腸の存在である。結腸のこの領域内では、生理学的パラメータの連結が集中し、H2O2の発生および酸化的組織損傷(誘発)の可能性を増大させる。研究は、ラットの腸における還元力(抗酸化能)およびGSHの合成速度遠位で低下し、近位の小腸と比較した場合に遠位の結腸において最低レベルに達することを示した(Blau, 1999)。ヒト消化管の還元力も同様に、胃から結腸へと低下する(Roediger and Babige, 1997)。ヒト結腸の還元力は、主要な抗酸化酵素(カタラーゼ、スーパーオキサイド・ジスムターゼおよびグルタチオン・ペルオキシダーゼ)の濃度がそれぞれ4%、8%、および40%である肝臓と比較した場合、顕著に低下する(Grisham et al., 1990)。しかしながら、直腸の上皮細胞は、アルコールおよび生体異物を含めた異物の代謝に使用する肝臓としての酵素、すなわち、シトクロムオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼなどの同一の相補体を有する(Roediger and Babige, 1997)。この代謝の副産物の1つは過酸化水素であり、これは、過剰に産生された場合、直腸の上皮組織では対処するには不十分である。中和されていない過剰のH2O2は細胞外空間に拡散し、結腸の上皮の障壁に酸化的損傷を誘発し、それによって管腔の細菌性抗原の透過性が増大する。その代謝を通じて、直腸の上皮細胞における過酸化水素の増大を引き起こす、体内に存在する任意の物質は、潰瘍性大腸炎の誘発の積極的危険因子である。

0117

結腸内の細菌濃度は、盲腸の糞便物質における103cfu/gから、直腸における1013cfu/gへと遠位になるにしがって増大する。大部分は、粘膜の粘着性嫌気性細菌の濃度の顕著な増加は、障壁の崩壊事象における抗原暴露の可能性を顕著に増大させる。結腸の糞便の移動を遅延させる任意の状態は、細菌にさらに増殖する時間を与える。この管腔の内部における細菌濃度の増大は、潰瘍性大腸炎を誘発する積極的危険因子である。高濃度の細菌はまた、抗生物質に対する抵抗性および毒性因子を含む、遺伝的な材料の水平伝播の可能性も増大させる。

0118

糞便物質はまた、一部には、糞便のマトリクスおよび、生体異物、毒素、および胆汁酸を含めた他の管腔物質に加え、高濃度の細菌が原因となって、大量の酸素ラジカルを生成させる(Owen et al., 2000, Harris et al., 1992)。糞便を貯蔵する直腸に見られるこれらのラジカルの濃度の増加は、結腸の障壁の崩壊および上皮の酸化的損傷の一因となる。したがって、結腸細菌濃度または代謝を増大させる任意の状態は、管腔の酸素ラジカルの産生を増大し、したがって潰瘍性大腸炎を誘発する積極的危険因子である。

0119

直腸の上皮細胞も電子伝達系を有し、これは、低酸素状態および突然の再酸素化に晒される場合には、過剰のH2O2の供給源になりうる(Li and Jackson, 2002)。その間、直腸は糞便を収容し、直腸の壁は、それらが排出されるまで、繊細な粘膜下の血管を圧縮しうる側圧に晒される。この間に、直腸の上皮細胞は比較的低酸素状態に晒され、その後、糞便物質の排出時に、突然、即座に再潅流される。この低酸素状態および再酸素化の過程は電子伝達系の活性を増大し、過酸化水素の産生の増大をもたらす。便秘を誘発または増大させる任意の状態は、この影響を顕著に拡大し、よって、潰瘍性大腸炎の誘導期に入る危険因子である。潰瘍性大腸炎患者の約10〜16%は宿便を有し、調査員は、結腸の通過の遅延が潰瘍性の直腸炎の原因となりうることを観察した(Allison and Vallance, 1991;Black et al., 1987)。

0120

低酸素状態および再酸素化の間の過酸化水素の産生についての他の要因は、キサンチンオキシダーゼの影響である(Granger and Parks, 1983;Parks et al., 1984;Parks and Granger, 1986)。キサンチンオキシダーゼは、ヒポキサンチン尿酸への転換を触媒し、その過程において、酸素分子を過酸化水素に還元する。低酸素状態の間は、ヒポキサンチンを尿酸に酵素的変換(酸化)するために共同因子を受け入れる電子として必要とされる酸素が利用できないことから、キサンチンオキシダーゼ活性は著しく低下する。酸素が再導入されると、基質の負荷が増大し、ヒポキサンチンの代謝および過酸化水素の産生の増大につながる。便秘および排便の際の結腸の管腔内圧の増大による緊張は、キサンチンオキシダーゼ酵素系における低酸素状態/再酸素化の影響を増進し、その活性、および潰瘍性大腸炎の誘導期に入る危険性を増大させるH2O2の産出を増大させる。キサンチンオキシダーゼの阻害剤であるアロプリノールは、これらの条件下で、結腸上皮細胞によるH2O2の産生を低下させることができる。

0121

ストレス:
ストレスは消化管にさまざまな影響を及ぼす。睡眠障害ストレスは、腸の上皮組織を通じた細菌の移行を増大させる(Everson and Toth, 2000)。ストレスはまた、腸の肥満細胞を増大させ、その後、粘膜の障壁機能の調節により透過性が増大する(Soderholm et al., 2002)。心理的および身体的なストレスが、腸細胞に、生理学的異常、杯細胞の機能障害、粘膜への細菌の付着の増大、および腸の透過性および分泌の増大を生じさせることが報告されている(Soderholm and Perdue, 2001)。

0122

ストレスはまた、セロトニンエピネフリンノルエピネフリンおよびドーパミンなどの生体アミン(カテコールアミン)の循環量を増大させる(Lechin et al., 1996)。ミトコンドリアの外表面に存在する酵素であるモノアミンオキシダーゼ(EC#1.4.3.4)は、生体異物のアミンおよび前述のストレスホルモンのカテコールアミンの療法の酸化的脱アミノ反応を触媒し、その過程において、酸素分子を過酸化水素へと還元する(非特許文献25)。触媒する反応は:
RCH2 + H2O + O2 → RCHO + NH3 + H2O2
である。

0123

したがって、持続性ストレスの任意の状態は、内因性のカテコールアミンの循環濃度を増大させ、直腸の上皮細胞による過酸化水素の産生を促進しうる。これは、潰瘍性大腸炎の誘導期に入る積極的危険因子である。同様に、結腸上皮細胞によるH2O2の産生を低下させると共に、内因性のカテコールアミンの循環を低減する方法は、直腸の上皮の障壁損傷の危険性を低下させる。これに関して、中枢のα2作動薬であるクロニジンが使用され、成功している。したがって、本発明の方法は、患者の行動および/または生理機能を改善し、患者におけるストレスおよび/または患者におけるストレスの影響を低減させることも意図している。

0124

生体異物:
薬物および他の生体異物の酸化反応の大部分は、チトクローム酵素によって行われる。ある研究は、300種を超える試験薬物の56%が、小胞体に存在する酸素添加酵素のチトクロームP450(CYP)群を介して代謝されることを報告している(Bertz and Granneman, 1997)。CYPは、大部分は肝臓に見られるが、腸にも存在する。典型的なCYPの触媒反応は:
NADPH + H+ + O2 + RH → NADP+ + H2O + R−OH
である。

0125

この反応は、還元型グルタチオンの再生にも用いられるNADPHを消費する。グルタチオンは、細胞内の過酸化水素の中和に関与する主要な抗酸化剤である。CYP酵素系に観察される広範囲に及ぶ個人間の多型に起因して、特定の個人は他の人よりも大きい活性を有する場合があり、過程においてさらにNADPHを消費するよりも速い速度で、生体異物を代謝することができる。これらの個人は、代謝速度の速い人(fast metabolizers)と呼ばれる。代謝速度の速い人は、特定の薬物に曝露された場合に、潰瘍性大腸炎の誘導期に入る危険性が高い。

0126

アルコール:
摂取後、アルコールは直腸の上皮細胞を含む体内のすべての細胞に広まる。アルコールは、アルコールデヒドロゲナーゼによってアセトアルデヒドへと酵素的に転換される。アセトアルデヒドは、アルデヒドデヒドロゲナーゼによって酢酸へと酵素的に転換される。これらの細胞質内酵素はNAD+を利用してそれぞれの基質を酸化し、通常は電子伝達系への電子供与体としての役割をする、NADHを生じる。NADHのアベイラビリティの増大は電子伝達系を活性化し、過剰の過酸化水素を生成する(Hoek et al., 2002;Bailey, 1999)。

0127

アルコールはチトクロームP450 2E1によって小胞体で代謝され、グルタチオンの再生に必要なNADPHを消耗する。したがって、アルコールはH2O2を生成し、過酸化水素の中和に必要とされるグルタチオンの産生を低減する。高いH2O2およびグルタチオンの消耗は、潰瘍性大腸炎の誘導期に入る危険性を増大させる。

0128

アルコールは、H2O2を中和し、ミトコンドリアのグルタチオンを消耗する重要な酵素であるグルタチオン・ペルオキシダーゼを阻害する(Hoek et al., 2002)。グルタチオンはミトコンドリア内では合成されず、細胞質からミトコンドリアの膜を通じてミトコンドリア内へと輸送しなければならない。

0129

アルコールは、ミトコンドリア内へのグルタチオンの能動輸送を妨げる(Maher, 1997)。これは、ミトコンドリアにおけるグルタチオンの消耗およびH2O2の蓄積につながる。グルタチオンの消耗およびH2O2濃度の増大は、潰瘍性大腸炎の誘導期に入る危険性を促進する。したがって、本発明の方法は、患者におけるアルコールおよびアルコール性飲料の摂取の改善を意図している。

0130

便秘:
排便習慣の調査に基づいて、便秘は最大で人口の20%に生じる(Drossman et al., 1999;Everhart et al., 1987)。便秘は、潰瘍性大腸炎を有する患者の27%に生じることが報告されている(Rao, 1988)。便秘は一般的であるが、ほとんどの任意の疾患、特に潰瘍性大腸炎に深刻な悪影響を有しうる、見落としがちな症状である。1988年イタリア・ローマにおける第13回胃腸病学国際会議(the 13th International Congress of Gastroenterology)では、内科医のグループが、便秘を含む幾つかの異なる機能性腸疾患をより正確に診断するための基準を定義した。「ローマ基準(Rome Criteria)」として知られるこの一連の指針は、症状を概説し、便秘のさらに正確で規格化された診断を可能にするため、頻度および継続期間などのパラメータを適用する。1999年には、2回目の指針の更新であるローマIIが出版された(Drossman et al., 2000)。ローマIIの機能性の便秘の定義は次のパラメータで構成される:
連続している必要はないが、過去12ヶ月のうち少なくとも12週間、次の2項目以上に該当:
1. 25%を超える排便における緊張;
2. 25%を超える排便における、ゴロゴロした、または硬い便通
3. 25%を超える排便における、不完全な排便の感覚
4. 25%を超える排便における、直腸の閉塞または遮断の感覚;
5. 25%を超える排便における、手動操作(例えば、デジタル式の排出、骨盤底の支持)および/または
6. 週3回未満の排便。
軟便は存在せず、IBSの基準には不十分である。

0131

上述のように、便秘は潰瘍性大腸炎にとって顕著な増悪因子である。潰瘍性大腸炎を有する27%の個人は共存する便秘を有している。便秘は、幾通りかの方法で、潰瘍性大腸炎の誘導期の進行に関与しうる。結腸の通過時間の増大は、細菌の増殖に有利に働き、結腸の上皮の障壁が崩壊すると、抗原刺激を増大させる。便秘はまた、糞便に生成した酸素ラジカと結腸の粘膜との接触時間を多くし、すでに低い、上皮層における抗酸化剤の貯蔵を消耗しうる。

0132

未排出の直腸の糞便物質の蓄積の増大は、直腸粘膜における側圧を増大し、繊細な粘膜下の毛細血管床を崩壊し、結腸の上皮組織への再発する潅流−再潅流の酸化的傷害を生じやすくする。便秘は、近位の結腸の吸収によって直腸の上皮組織に達する酪酸の量を顕著に低減し、さらにグルタチオンの消耗に起因して酸化損傷を悪化させる。したがって、本発明の方法は、患者の食事を治療および/または改善し、便秘を除去および/または最低限に抑え、正常な排便をもたらすことが意図されている。

0133

食事:
酪酸:
食事要因は、潰瘍性大腸炎の誘発に関与しうる。結腸上皮細胞にとって好ましいエネルギー源は、酪酸して知られる4鎖の脂肪酸である。それは、2種類の食事供給源に由来する。ほとんどの酪酸は、結腸における吸収されていない食物繊維の細菌発酵に由来し、食物繊維の単一の最も多い代謝産物である。2番目に重要な食事供給源はバターであり、3%の酪酸を含む。酪酸は短鎖脂肪酸(SCFA)であり、食物繊維の細菌発酵の結果として、2種類の他のSCFA(酢酸およびプロピオン酸)とともに産生される(Toppingand Clifton, 2001)。95%のSCFAは、結腸で産生および/または吸収される。発酵およびSCFAの産生は近位の大腸に多い。糞便の流れの通過の際に、発酵は、利用可能な基質の減少に続いて、低下する。糞塊が直腸に達するまでに、細菌由来のSCFAの5%未満が結腸細胞の摂取に利用可能である。近位の結腸の吸収は、この顕著な低下に関与している。

0134

SCFAは結腸細胞によって急速に代謝され、結腸細胞に必要なエネルギーの70%を供給する主要な呼吸燃料(respiratory fuel)である(Toppingand Clifton, 2001)。結腸細胞は、グルコース、グルタミンおよび他のSCFAなどの競合する基質が存在する場合でも、酪酸の利用を好む。

0135

遠位の結腸および直腸は、酪酸の供給が最も制限され、吸収が最も遅い大腸の領域であり、潰瘍性大腸炎を含む最も病状のある部位である。酪酸の量が結腸上皮細胞に必要なエネルギーを満たすには不十分な場合、代替となるエネルギー源が用いられ、結腸上皮細胞はグルコースおよびアミノ酸であるグルタミンに切り換える。

0136

グルタミンは、その直接前駆体であるグルタミン酸から合成される。グルタミン酸は過酸化水素を中和するのに必要とされるグルタチオンを合成するのにも必要とされる。過剰量のグルタミン酸がエネルギー源としてのグルタミンの形成に転用されると、結腸の上皮のグルタチオンの合成に利用可能なグルタミン酸が減少する。これは、対応する過酸化水素の増大を伴って、細胞内のグルタチオン濃度を減少させうる。したがって、食物繊維の不足は潰瘍性大腸炎の誘導期に入る積極的危険因子である。

0137

より広範囲では、酪酸および他のSCFAの90%は結腸細胞のミトコンドリア内でβ酸化を介して代謝される(10%はペルオキシソーム内)。β酸化を妨げる状態は、グルタミンなどの代替となるエネルギー源の利用を強いる。十分な基質(すなわち酪酸)が直腸の上皮細胞において利用できない場合、β酸化は低下する。直腸の管腔における酪酸が不十分だと、発酵性の食物繊維の不十分な摂取また結腸の通過時間の増大(便秘)を生じうる。酪酸は、50時間を超える全腸の通過時間において、糞便中には検出することができない(Toppingand Clifton, 2001)。
RoedigerおよびNanceは、β酸化の特異的阻害剤の直腸投与後のラットにおける潰瘍性大腸炎の誘発について報告している(Roedinger, 1986)。著者は「β酸化の適切な阻害剤は、結腸上皮細胞のミトコンドリア内にスムーズに侵入するものであろう」と結論付けている。過酸化水素は、細胞膜およびミトコンドリアの内膜および外膜を含む生体膜を浸透可能である。過酸化水素はβ酸化酵素系の酵素を阻害することが示されている(Gulati et al., 1993)。H2O2は、活性化した潰瘍性大腸炎の間に結腸の粘膜内での好中球の活性化の結果として産生され、結腸上皮細胞内に拡散する能力を有し、β酸化の酵素を含めた細胞内のタンパク質への酸化的損傷を生じさせる。これは、鎮静の間には消散する、活性化した潰瘍性大腸炎の間の酪酸の代謝異常を説明するであろう。したがって、本発明の方法は、例えば、治療されている、または炎症性腸疾患の発現の危険性がある患者に十分な食物繊維を提供することを含む、結腸上皮細胞に十分なグルタチオンを提供するための患者の食事の改善も意図している。

0138

脂肪
モノまたは多価不飽和脂肪の高度摂取は、潰瘍性大腸炎の発現の危険性を促進しうる。油または脂肪で調理された通常の食品に見られる過酸化脂質の濃度(hamburger, French fries)は、腸の粘膜と接触すると、粘膜の酸化的ストレスおよびレドックスの不均衡を生じうる(Aw, 1999)。高脂肪食給餌されたラットは対象と比較して、腸におけるスーパーオキサイドの産生が7倍も多かった。腸の脂質過酸化反応およびヒドロキシルラジカルは3.5倍に増大した。腸の粘膜のDNAの断片化は2.4倍に増大した(Bagchi et al., 1998)。酸化的DNA損傷は、細胞質に高い酸化的環境が存在することを示唆している。脂肪の大量摂取は、潰瘍性大腸炎の誘導期に入る積極的危険因子である。したがって、本発明の方法は、脂肪の摂取を低下するために患者の食事を改善することも意図している。

0139

香辛料
香辛料の入った食品は、腸の粘膜に高脂肪食と同様の酸化的ストレスを生じることが見出された。香辛料の入った食品を給餌されたラットにおける腸の粘膜のヒドロキシルラジカルの産生は、通常の4.8倍も多く、高脂肪食を給餌されたラットよりも多いことが分かった(Bagchi et al., 1998)。香辛料の入った食品の摂取は、潰瘍性大腸炎の誘導期に入るための実際の危険因子とみなされるべきである。

0140

肉:
赤身の肉(牛肉)の多い食事は腸のバクテロイデス属の個体群を増大することが報告されている(Maier et al., 1974)。この影響は、牛肉の多い食事を止めて、正常な食事療法にした後も数週間持続した。バクテロイデス属種は、潰瘍性大腸炎における誘発抗原物質としてみなされている(上記参照)。

0141

ビタミンおよびミネラル:
葉酸:
メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)(EC 1.5.1.20)はホモシステイン代謝の主要な調節酵素の1つであり、葉酸の代謝における重要な役割を担っている(Friedman et al., 1999;Goyette et al., 1998)。MTHFRは、NADPHに連関した、メチレンテトラヒドロ葉酸のメチルテトラヒドロ葉酸への還元を触媒する細胞質の酵素である。メチルテトラヒドロ葉酸は、ホモシステインのメチル化のためのメチル基供与体としての役割をする。MTHFRをコードする遺伝子の変異が確認されている。この遺伝的変異は、結果的に、塩基位置677におけるシトシンチミンに転換させ、これは、アミノ酸位置222におけるアラニンをバリンに転換する(A222V)。多型MTHFR酵素(C677T)は、正常な酵素よりも顕著に活性が低く(正常な酵素の35〜50%)、結果的に血清ホモシステイン濃度を上昇させる(Goyette et al., 1998)。

0142

Mahmudらは、対照では7.3%であるのに対し、潰瘍性大腸炎を有する個人では17.5%がMTHFR遺伝子のC677T変異体同型であることを報告している(Mahmud et al., 1999)。

0143

ホモシステインの上昇は、幾つかの機構によって過酸化水素の生成を増大させる。H2O2は、ホモシステインのホモシスチンへの酸化の間に生成する(Friedman et al., 1999;Upchurch, et al., 1997)。ホモシステインはまた、スーパーオキサイド・ジスムターゼ(SOD)の濃度を増大させる(Wilcken et al., 2000)。SODは、スーパーオキサイド・アニオンの過酸化水素への転換を触媒する。この酵素の活性が増大すると、結果的に、H2O2の発生が増大する。ホモシステインは、グルタチオン・ペルオキシダーゼ(GPx)活性を阻害することが報告され(Upchurch et al., 1997)、10倍阻害されることも報告されている(Outinen et al., 1999)。GPxは、細胞内のH2O2を中和する必須の酵素系である。GPxの不活性化はH2O2濃度を増大させ、GPxの阻害は生理的な(9マイクロモル/L)濃度の遊離のホモシステインを生じることが示された(Chen, 2000)。

0144

生物地理学的には、C677Tの多型変異体の世界中への分散は、潰瘍性大腸炎の進行における、この修飾酵素の悪影響についての役割を指摘している。T対立遺伝子は、アメリカでは40%の頻度を有するが、アフリカおよびアジアでは非常に低いことが判明した(The Metabolic and Molecular Basis of Inherited Disease, 2001, 8th ed., Chapter 155, Vol. 3, pp. 3897-3993)。これは、北アメリカではより一般的だがアジアおよびアフリカではあまり一般的ではない、潰瘍性大腸炎の発生と似ている(Whelan, 1990;Farrokhar et al., 2001)。

0145

C677Tの民族分布も、潰瘍性大腸炎における役割を示唆している。Radyらは、非ユダヤ人の母集団では28.7%であるのに対し、アシュケナージ系ユダヤ人の対立遺伝子の中のC677Tの割合が47.7%であることを見出した(Rady et al., 1999)。潰瘍性大腸炎は、ユダヤ人の母集団でより一般的であることも報告されている(非特許文献42;Karlinger, 2000)。

0146

言い換えれば、この変異体MTHFR酵素は、SOD濃度を低下させることによって結腸の上皮細胞内の過酸化水素を増大させ、グルタチオンの合成を阻害するグルタチオン・ペルオキシダーゼを不活性化し、その酸化の間にH2O2を生成するホモシステインの産生を増大する。MTHFRのC677T変異体の生理学的な影響は、追加のH2O2の形態における十分な酸化的ストレスに関与し、潰瘍性大腸炎の誘発過程に入る方向へと向かわせる。

0147

C677Tに関係する酸化的表現型は、特定の民族群および地理学上の母集団に、高い発生率で潰瘍性大腸炎を発現させやすくするのに十分な浸透性を有しうる。したがって、この多型MTHFRの存在は、潰瘍性大腸炎の誘導期に入る積極的危険因子とみなすべきである。

0148

したがって、正常な葉酸の代謝の不足は、アミノ酸システインの前駆体である、必須アミノ酸メチオニンのアベイラビリティを減少させうる。システインは、グルタチオンを合成するのに必要とされる3つのペプチドの1つである。グルタチオンの他の構成要素アミノ酸であるグリシンもまた、その合成に葉酸を必要とする。したがって、葉酸の欠乏または葉酸の代謝の阻害は、グルタチオンの適切な産生を直接的に妨げ、過酸化水素のレベルの増大を介して細胞内の酸化的ストレスの増大に関与しうる。

0149

葉酸を含む複数のビタミンの血清濃度の低さは、潰瘍性大腸炎に関連して報告されている(Fernandez-Banares et al., 1989;Elsborg and Larsen, 1979;Koutroubakis et al., 2000)。この原因は、欠乏食、腸の吸収不良、または誘発薬物の影響にある(Elsborg and Larsen, 1979)。共存する葉酸の欠乏は、上述のMTHFR多型の酸化的効果を悪化させる傾向にあろう。サルでは、実験的に誘発された葉酸の欠乏は、結腸の潰瘍形成を引き起こす(Duncan, 1964)。

0150

ビタミンB6:
ピリドキシン(ビタミンB6)の高摂取は、潰瘍性大腸炎の危険性を促進することが報告されている(Geerling et al., 2000)。ビタミンB6は、体内において、ピリドキシン4−オキシダーゼによって、次の反応を介してピリドキサルへと酸化される:
ピリドキシン + O2 → ピリドキサル + H2O2
これは、主に肝臓で起こるが、消化管などの他の場所においても生じうる。この反応の有毒な副生成物は過酸化水素である。したがって、過剰なピリドキシンは、潰瘍性大腸炎の初期段階に入るための危険因子である。

0151

鉄および銅:
単一の電子の還元は、過酸化水素からのヒドロキシルラジカルの形成につながる、唯一の反応型である。電子供与剤は、スーパーオキサイド(O2-・)などの電子供与ラジカル、または鉄または銅などの生物学的に顕著なレドックス遷移金属でありうる(非特許文献24)。これらのH2O2の一電子還元反応および他の過酸化物は、生体系における最も重要なラジカル形成反応を表し、ヒト細胞におけるヒドロキシル基の発生の大部分に関与する。
Fe+2 + H2O2 → Fe+3 + HO- + HO・フェントン反応
O2-・ + H2O2 → O2 + HO- + HO・ハーバーワイス反応

0152

鉄は中間体として作用することができ、スーパーオキサイドから過酸化水素への単一の電子の移動を促進する。鉄の存在は、鉄触媒を用いるハーバーワイス反応を介した、ヒドロキシルラジカルの、過酸化水素からの発生を加速する(非特許文献24;Graf et al., 1984)。
O2-・ + Fe+3→ O2 + Fe+2鉄イオン(Fe+3)触媒
Fe+2 + H2O2 → Fe+3 + HO- + HO・ ハーバーワイス反応

0153

細胞内では、鉄はタンパク質およびDNAなどの生体高分子に結合する。したがって、ヒドロキシルラジカルの形成はこれらの分子との密着において生じる。ヒドロキシルラジカルの反応性が高いことから、この非常に強力な酸化剤によって生じる損傷は、形成部位において起こる(非特許文献24)。この急速な部位特異的標的酸化は、ラジカル・スカベンジャーがこの反応に干渉することを妨げ、H2O2/HO・系の損傷効果を大幅に増大する。容易に利用可能な反応性に富む表面の鉄原子が存在しない場合でも、スーパーオキサイドは、フェリチンおよび酵素などの貯蔵タンパクから鉄の放出を誘発することができる。この放出された鉄は、次に、過酸化水素と反応することによってヒドロキシルを生成することができる(Keyer and Imlay, 1996;Liochev and Fridovich, 1999)。したがって、生体系内では、スーパーオキサイドは、過酸化水素からヒドロキシルの発生を保ち続けるために必要な独自の鉄触媒の安定供給をもたらすことができる。逆に、鉄の過負荷は、スーパーオキサイドの濃度が最小限であっても組織を損傷することができ、これは、H2O2をレドックス循環させるときに、O2-・に加えて他の還元剤も、鉄を解放するために必要な電子を供給することができることを示唆している(Keyer and Imlay, 1996)。

0154

これらの観察に合致して、鉄の補給は酸素ラジカルの形成を介して胃腸管を損傷し、実験動物において実験的に誘発された結腸炎を悪化させることが報告されている(Srigiridhar et al., 2001;Reifen et al., 2000)。ヒト潰瘍性大腸炎も、貧血症のための硫酸鉄の経口療法の結果として報告されている(Kawai et al., 1992)。逆に、鉄のキレート化が潰瘍性大腸炎を有する患者における反応性の酸素種の生成を低下させることが報告されている(Millar et al., 2000)。

0155

したがって、サプリメントまたは赤身の肉(すなわち牛肉)の形態での鉄の過剰摂取は、(胃腸管の障壁)に損傷を与えるヒドロキシルラジカルの生成を促進し、潰瘍性大腸炎の誘導期から増幅期への移行を促進する。したがって、過剰の鉄は、潰瘍性大腸炎の増幅期に入る、危険因子である。

0156

銅は、報告によると、活性期および鎮静期にあるヒト潰瘍性大腸炎では、正常量よりも多く存在し(Dalekos et al., 1998;Ringstad et al., 1993)、これがヒドロキシルラジカルの形成の要因でありうる。ヒト潰瘍性大腸炎は、異常に高濃度の銅が体内組織に存在するウィルソン病の進行に関係し、その後に生じることが報告されている(Torisu, 2002)。過剰の銅は、鉄と同様に、H2O2の還元を加速し、ヒドロキシルラジカルの発生を増大させうる。したがって、過剰の銅は、潰瘍性大腸炎の増幅期に入る、危険因子とみなすことができる。

0157

ビタミンC
ビタミンC(アスコルビン酸)は、酸素ラジカルと反応する抗酸化剤である。しかしながら、アスコルビルラジカルの連続的酸化は、鉄または銅の存在下でヒドロキシルラジカルを生じさせる過酸化水素を創出しうる(非特許文献24)。アスコルビン酸とミネラルの補助食品の組合せは、潰瘍性大腸炎の誘導期に入る積極的危険因子でありうる。アスコルビン酸は、副生成物として過酸化水素を生成する、L−アスコルビン酸オキシダーゼによっても酸化されうる。ビタミンC自体の過剰摂取は、潰瘍性大腸炎の原因となる危険因子を誘発しうる。

0158

ビタミンB1:
チアミン(ビタミンB1)は、H2O2.を産生するチアミンオキシダーゼによって代謝されうる。過剰のチアミンは、潰瘍性大腸炎の誘導期に入る原因となる危険因子でありうる。

0159

人工甘味料
ソルビトールおよびキシリトールなどの人工甘味料は、キシリトールオキシダーゼによって酸化され、過酸化水素を生じる。大量に摂取した場合は、潰瘍性大腸炎を誘発する危険因子となりうる。

0160

アスパルテームは、清涼飲料水および焼成食品を含む多くの製品幅広く用いられる人工甘味料である。それは、多くのレストランで、砂糖およびサッカリンと共に、通常は小さい青いパッケージ見かけるものである。アスパルテームは、2種類のアミノ酸、すなわちメチルエステルとしてのL−フェニルアラニン(Phe)およびL−アスパラギン酸(Asp)で構成されるジペプチドである。約10重量%のアスパルテームはメタノールとして放出される。メタノールは、メタノールオキシダーゼによって代謝されてアルデヒドとH2O2を形成しうる。アスパラギン酸はH2O2の放出を伴って、アスパラギン酸オキシダーゼによって代謝される。フェニルアラニンはアミノ酸酸化酵素によって代謝され、その後、H2O2を放出する。アスパルテームによって生じる酸化的ストレスの量は、摂取量によって決まる。この生成物は随所に存在することから、結腸の上皮の過酸化水素へのその分布は、一般的なアミノ酸の摂取由来のものを上回り、影響を受けやすい個人における誘発の危険因子でありうる。

0161

グルタミン酸1ナトリウム:
グルタミン酸1ナトリウム(MSG)は、アミノ酸であるグルタミン酸のナトリウム塩である。それは、調味料として高濃度で用いられる。グルタミン酸は、グルタミン酸オキシダーゼによって代謝され、この反応の副産物として過酸化水素が放出される。MSGの酸化的取り込みは、消費量に応じて決まる。大量のMSGを消費する、影響を受けやすい個人には、潰瘍性大腸炎の誘導期に入る危険性があろう。

0162

したがって、本発明の方法は、患者におけるビタミン、人工甘味料、および食品添加物の摂取およびレベルの改善も意図している。

0163

消極的危険因子(誘発の危険性の低下):
特定の因子は、潰瘍性大腸炎の発現の危険性を低下させることが見出されている。中でも重要なのは、紙巻タバコ喫煙に関係し、潰瘍性大腸炎の進行の発生を低下させる(Abraham et al., 2003;Odes, 2001)。一部の調査員は、潰瘍性大腸炎を非喫煙者の疾患と称した(Madretsma, 1996)。潰瘍性大腸炎の発現の危険性は、最近禁煙した個人で最も高く、次に非喫煙者が続く(非特許文献3)。

0164

タバコの煙におけるタール生成物は、電子伝達系を阻害することが示されている。ミトコンドリアの電子伝達活性における紙巻タバコのタールの影響を定量化する研究は、連続する呼吸全体における82%であると報告している(Pryor et al., 1992)。この研究では、ニコチンは電子伝達活性には影響を与えない。ETCの阻害はミトコンドリアの過酸化水素発生を低下させる。紙巻タバコの喫煙者は、モノアミン酸化酵素活性が低下していることも報告されている(Fowler et al., 2003)。ミトコンドリアの外膜に位置するMAOは、内因性のカテコールアミンの代謝に関与する主要な酵素である。この酵素の阻害は、カテコールアミンの酵素の酸化、およびこの反応の副産物である過酸化水素の発生を低下させる。紙巻タバコのタール抽出物は、多くのP450酵素系を阻害することが報告されている(Van Vleet et al., 2001)。過酸化水素はP450の代謝の副産物であり、これらの酵素を阻害することによりH2O2の発生を低下させることができる。

0165

紙巻タバコの煙抽出物は、TNF−αを含むサイトカインの産生を、90%を超えて阻害することも報告されている(Ouyang et al., 2000)。サイトカインは潰瘍性大腸炎における炎症反応の不可欠な構成要素であり、その還元は保護を与える。

0166

したがって、喫煙はH2O2の産生を阻害し、潰瘍性大腸炎の誘導期を予防することによって保護を与える。しかしながら、ETCが喫煙によって阻害され、等価物を還元する間、H2O2産生のための基質は、結腸上皮細胞を含む身体のすべての細胞のミトコンドリア内に蓄積される。電子伝達系の阻害はまた、遮断を克服しようとする酵素についてのETCの上方調節も生じる。H2O2の産生が低いと、細胞は高濃度の抗酸化剤には利用しないことから、ETCの阻害の間、グルタチオンの産生も下方調節される。

0167

個人が突然に喫煙を中止すると、この阻害は唐突に除去され、基質および酵素活性の上昇によって加速された、より大きいETC活性をもたらす。これはまた、余分の過酸化水素の産生につながり、これは、影響を受けやすい個人では、結腸上皮細胞内の利用可能なグルタチオンを圧倒し、誘発の危険性を増大させる。

0168

ETCの阻害に基づいて、誘発の危険性は現役の喫煙者で最も低いと予想される。最近喫煙を止めた喫煙者は、最もH2O2を産生していることから、危険性が最も高いであろう。非喫煙者は危険性が最も低いであろう。これは、潰瘍性大腸炎に関係のある喫煙の統計に基づく危険性に酷似している。

0169

したがって、活性化した潰瘍性大腸炎の間の喫煙の中断は、病状を悪化させると予想される。潰瘍性大腸炎の重症度の悪化は、活性化した潰瘍性大腸炎の間に喫煙を中断した患者について報告されている(Beaugerie et al., 2001)。

0170

ニコチンは、副交感神経作用性であり、主として副交感神経節刺激によって胃腸管にその影響を及ぼす。その影響は、一般に緊張および収縮性を増大させる(National Academy of Sciences, 2001)。紙巻タバコの喫煙におけるニコチンは、腸の蠕動運動を促進し、これが糞便の流れを増加させ、結腸細菌および上皮の酸化ストレスの負荷を増大させうる宿便を妨げる傾向にする。この結腸の蠕動運動への補助を突然中止すると、結腸の内容物の停滞を好み、潰瘍性大腸炎の進行の危険因子である便秘を促進する経口に向かうであろう(上記便秘の項を参照)。したがって、本発明の方法は、患者における喫煙の制限された、漸進的な停止を意図している。

0171

併発状態:
潰瘍性大腸炎は甲状腺機能亢進症と関係がある。1つの事例報告では、二人の患者は潰瘍性大腸炎が進行し、続いて甲状腺機能亢進症も発症した(Modebe, 1986)。これらの患者の1人は、潰瘍性大腸炎の2回目の悪化を示し、彼甲状腺中毒であることを見出すまで抑制することができなかった。潰瘍性大腸炎は、甲状腺機能亢進症の抑制後にのみ、治療に反応した。

0172

他の研究では、実証された潰瘍性大腸炎を有する300人の患者および600人の年齢および性別が適合した正常な対照の甲状腺疾患の頻度を比較した(Jarnerot et al., 1975)。0.8%の対照と比較して3.7%の潰瘍性大腸炎の患者で甲状腺亢進病歴が得られた。潰瘍性大腸炎の患者の70%は、潰瘍性大腸炎の発現前に甲状腺機能亢進症が発現した。潰瘍性大腸炎の患者は、その後に甲状腺機能亢進症を発現しうるが、潰瘍性大腸炎の治療を求める前に、亜臨床的甲状腺機能亢進の病状が発覚したとは考えにくく、したがって、甲状腺機能亢進症の発症前の潰瘍性大腸炎の患者の数は過小評価される可能性がある。

0173

結腸および甲状腺は、両方の疾患の病因としての自己免疫病因の発現にとっての共通の交差反応性の抗原刺激と相反して、発生学的に異なる起源を有する。

0174

甲状腺ホルモンは代謝速度を上昇させることが知られている。それは、ミトコンドリアの電子伝達系の活性を増大させることによってこれを達成する(Venditti et al., 2003;Goglia et al., 2002;Venditti et al., 1997)。過剰の甲状腺ホルモンの影響を受けて、大量の過酸化水素が産生され、加速されたミトコンドリアのETC活性によって放出される(Venditti et al., 2003)。

0175

したがって、ETC活性の増大により、結腸組織を含めた体内のすべての細胞において、細胞内のより多くのH2O2の産生を生じる。適切な条件下では、これは、過剰の中和されていないH2O2が結腸上皮細胞の外に拡散すると、結腸の上皮組織が潰瘍性大腸炎の誘導期に入ることになる。

0176

反対に、化学的に誘発した甲状腺機能低下症は、動物モデルの実験的な結腸炎を顕著に減衰させることが報告されている(Isman et al., 2003;Oren et al., 1997)。これは、甲状腺機能正常状態において構成的に産生されたH2O2が、細胞への主要な酸化剤の負荷を与え、かなりの量の細胞内グルタチオンを消費させることを示唆している。

0177

したがって、本発明の方法は、患者における甲状腺ホルモンのレベルを調節する組成物および方法を意図している。

0178

遺伝的な因子:
潰瘍性大腸炎は一卵性双子の間に約10%の一致率を有する(非特許文献3)。これは、環境的な因子が多様性に富み、疾患の発現において非常に影響力が大きいことを示唆している。同一視できる遺伝子型の欠如は、遺伝的な因子が複数あり(1つではない)、それ自体が疾患を顕在化させるには不十分な浸透率を有することを示唆している。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 国立大学法人金沢大学の「 ヌクレオチド除去修復阻害剤、それを含有する腫瘍治療の増強剤及び抗腫瘍剤」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】大量に入手し易く、簡素な化学構造であって、損傷を受けたヌクレオチドの除去修復を阻害する活性が強くて、毒性が低く安全性が高いヌクレオチド除去修復阻害剤、それを含有し原発巣の癌細胞のような腫瘍細胞... 詳細

  • 株式会社マンダムの「 口臭抑制剤」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】安全性が高く、経口摂取することが可能な口臭抑制剤を提供する。【解決手段】 ジュンサイ抽出物を含むことを特徴とする口臭抑制剤を提供する。前記の口臭抑制剤は、さらに、ルイボス抽出物及びリンゴンベ... 詳細

  • 伊那食品工業株式会社の「 錠剤用基材及びその製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】従来より優れた崩壊性と十分な硬度とを錠剤に付与できる錠剤用基材、及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る錠剤用基材は、単一粒子の平均繊維長が20〜1000μmの繊維状ファイバー10... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ