図面 (/)
課題・解決手段
概要
背景
SOFC燃料電池システム(SOFC:“固体酸化物型燃料電池”)は、複数の構成部品から構成されており、これら構成部品には、特に改質器、再燃焼装置、及びSOFC燃料電池スタックが含まれている。前記構成部品は、約900℃の温度において動作可能とされる。
公知のように、SOFC燃料電池スタックは、所定の要件に従って製造される。前記要件は、製造中における一時的な要件、格納中における一時的な要件、及びシステム内に固定されている際における一時的な要件によって確実に規定される。例えば特許文献1には、燃料電池スタックのための実施可能な要件が開示されている。
しかし、現在に至るまでの実施可能な要件は、要件を確立する要素が移動可能(滑動可能)でないか又は不十分に移動可能(摺動可能)であるにすぎないように、前記要素が支持されているという欠点を有している。従って、公知の実施可能な要件では、燃料電池システムをその動作温度に至るまで加熱する間における、燃料電池スタックの長さの熱変化が補償されないので、結果的に、燃料電池スタックが修復不能な機械的損傷、特にコーナー領域及び燃料電池スタックの縁部にスタックが発生し、著しい熱損失及び性能低下の原因となる場合がある。
さらに、現在に至るまでの拘束オプションは、拘束によって、一定の力が燃料電池スタックに対してプリテンションとして作用しないという欠点を有している。その結果として、燃料電池スタックに対してプリテンションとして作用させる力は、燃料電池スタックの温度状態及び該温度状態に関連する長さの変化に依存する。
概要
本発明は、少なくとも1つの燃料電池スタック(24)を収容するためのハウジングであって、燃料電池スタック(24)の積層方向がハウジング壁(12)と交わる少なくとも一方のハウジング壁(12)の箇所に開口部(22)が設けられるハウジングに関する。本発明によれば、開口部(22)に締付ブロック(30)を配置可能であり、締付け装置(40、42、44)によって燃料電池スタック(24)の積層方向に締付ブロックに力を及ぼし、燃料電池スタック(24)を締付けることができることを特徴とする。
目的
本発明は、少なくとも1つの燃料電池スタックを収容するためのハウジングを提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
少なくとも1つの燃料電池スタック(24)を収容するためのハウジングであって、少なくとも1つのハウジング壁(12)に、且つ、前記燃料電池スタック(24)の積層方向が前記ハウジング壁(12)と交わる位置に、開口部(22)が設けられており、締付ブロック(30)が、前記開口部(22)に配置可能とされ、前記締付ブロック(30)が、締付装置(40,42,44)によって前記燃料電池スタック(24)の積層方向に力を再び作用させ、これにより前記燃料電池スタック(24)を締め付けることができることを特徴とするハウジング。
請求項2
前記ハウジングが、立方体状とされ、独立したハウジング壁(10,12,14,16,18,20)から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のハウジング。
請求項3
前記ハウジング壁(10,12,14,16,18,20)が係合可能とされることを特徴とする請求項3に記載のハウジング。
請求項4
前記締付装置(40,42,44)が、前記ハウジングを囲む締付フレームであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のハウジング。
請求項5
前記ハウジング壁(14,16,18,20)の表面が前記燃料電池スタックの前記積層方向に対して平行に延在している前記ハウジング壁が、保持ベルトによって互いに締め付け可能とされることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のハウジング。
請求項6
前記ハウジングの材料が、断熱材料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のハウジング。
請求項7
前記ハウジングが、断熱層を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のハウジング。
請求項8
請求項9
請求項10
請求項1〜9のいずれか一項に記載のハウジングと、燃料電池スタック(24)とを備えていることを特徴とするシステム。
技術分野
背景技術
0002
SOFC燃料電池システム(SOFC:“固体酸化物型燃料電池”)は、複数の構成部品から構成されており、これら構成部品には、特に改質器、再燃焼装置、及びSOFC燃料電池スタックが含まれている。前記構成部品は、約900℃の温度において動作可能とされる。
0003
公知のように、SOFC燃料電池スタックは、所定の要件に従って製造される。前記要件は、製造中における一時的な要件、格納中における一時的な要件、及びシステム内に固定されている際における一時的な要件によって確実に規定される。例えば特許文献1には、燃料電池スタックのための実施可能な要件が開示されている。
0004
しかし、現在に至るまでの実施可能な要件は、要件を確立する要素が移動可能(滑動可能)でないか又は不十分に移動可能(摺動可能)であるにすぎないように、前記要素が支持されているという欠点を有している。従って、公知の実施可能な要件では、燃料電池システムをその動作温度に至るまで加熱する間における、燃料電池スタックの長さの熱変化が補償されないので、結果的に、燃料電池スタックが修復不能な機械的損傷、特にコーナー領域及び燃料電池スタックの縁部にスタックが発生し、著しい熱損失及び性能低下の原因となる場合がある。
0005
さらに、現在に至るまでの拘束オプションは、拘束によって、一定の力が燃料電池スタックに対してプリテンションとして作用しないという欠点を有している。その結果として、燃料電池スタックに対してプリテンションとして作用させる力は、燃料電池スタックの温度状態及び該温度状態に関連する長さの変化に依存する。
先行技術
0006
独国特許第10308382号明細書
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
0008
前記目的は、請求項1に規定するハウジングによって解決される。
0010
目的を解決するために、本発明は、少なくとも1つの燃料電池スタックを収容するためのハウジングを提供する。ハウジングには、少なくとも一方のハウジング壁に、燃料電池スタックの積層方向がハウジング壁と交わる位置において開口部が設けられ、開口部に締付ブロックを配置可能であり、この締付ブロックに対し、締付け装置によって燃料電池スタックの積層方向に次に力を加えて、燃料電池スタックを拘束することができる。このハウジングは、燃料電池スタックが、締付ブロックを介して任意の動作状態でかつ任意の温度で常に最適に拘束されるという利点を有する。締付ブロックは別個の構成要素であるので、締付ブロックは、ハウジング壁と無関係に燃料電池スタックの長さの変化に対しそれ自体を調整できる摺動拘束を可能にする。締付ブロックを介して、規定の力を燃料電池スタックに加えることができ、前記力は、任意の動作状態でかつ燃料電池スタックの長さの関連する変化にもかかわらず、予め規定された力で締付ブロックを拘束する。高温耐性の断熱ハウジングが使用される場合、ハウジングは、圧力下で及び高温において収縮する可能性がある。本発明に従って、燃料電池スタックが、シフト可能に開口部に挿入される締付ブロックを介して拘束されるという事実のため、拘束を担う締付ブロックをハウジングに対し移動させることができるので、ハウジングの収縮は拘束に対し影響を及ぼさないであろう。さらに、このようにして、収容機能及び拘束機能を組み合わせ、これにもかかわらず、非常に簡単かつ複雑でない方法で装着できるハウジングが提供される。このようにして、取付けの複雑さ又は取付けコストのみならず、製造コストも低減することが可能である。ハウジングのさらなる利点は、汚れ及び損傷に対する収容された要素の保護である。
0011
さらに、ハウジングは、それが立方形でありかつ別個のハウジング壁から構成されるように設計可能である。これにより、簡単かつ費用効果的な製造及びハウジングの簡単な脱着の利点、ならびにハウジングに収容された構成要素の簡単な取付け及びアクセス性が提供される。
0012
さらに、ハウジング壁がかみ合い可能であると有利に意図することが可能である。このことは、ハウジング内に収容された要素の外側への熱放射を著しく低減できること、従って、ハウジングにより外側への熱伝導、対流及び熱放射が低減されるので、ハウジングが熱損失に関し優れた特性を有することで有利である。
0013
本発明におけるハウジングは、締付け装置が、ハウジングを包む締付フレームであるように、有利にさらに発展させることが可能である。締め付けフレームは、高い拘束力を有する頑丈な拘束の可能性を提供する。
0014
さらに、本発明におけるハウジングは、ハウジング壁の表面が燃料電池積層方向に対し平行に延在する当該ハウジング壁が、保持ベルトによって互いに拘束可能であるようにさらに発展させることが可能である。従って、相互の取付けを可能にする装置をハウジング壁自体に設ける必要はない。これにより、ハウジング壁の製造コストが低減され、簡単な設計がもたらされる。
0016
代わりに、前記利点は、ハウジングに断熱層を設けることによっても獲得可能である。
0017
さらに、本発明におけるハウジングは、ハウジングが、燃料電池システムの改質器及び/又は再燃焼装置を少なくとも部分的に収容できるようにさらに発展させることが可能である。このようにして、燃料電池システム全体をハウジングに収容する可能性が提供される。これによっても、非常に簡単かつ費用効果的な取付けオプションを実現できるという利点が提供される。
0018
本実施形態は、改質器及び/又は再燃焼装置を収容するためのハウジングが、取り付け済み装置オリフィスを備えるように、有利にさらに発展させることが可能である。このようにして、簡単な取付けが確実にされ、同時に、ハウジングの2つの面を通して管状の改質器及び/又は再燃焼装置を通過させる可能性が提供される。
0019
さらに、本発明は、先行請求項のいずれか一項に記載のハウジングと、燃料電池スタックとを備えるシステムを提供する。前記システムは、表意の意味で上記の利点を提供する。
0020
本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して一例として説明する。
図面の簡単な説明
実施例
0022
図1は、本発明におけるハウジングの分解図である。ハウジングは、1つの底壁10、1つのカバー壁12、2つの側壁14,16、及び2つの正面壁18,20と以下において呼称される、6つのハウジング壁から形成されている。底壁10及びカバー壁12は、それぞれ一体部品とされる。しかしながら、前記底壁及びカバー壁は、それぞれ2つの立方体状のプレートが互いに同心状に重ね合された形状を有している。一方のプレートは、底壁10及びカバー壁12が自身の縁部の周囲に延在しているブリッジを有するように、他方のプレートよりも大きな表面を有している。カバー壁12には、2つの開口部22が形成されている。互いの上部に配置された2つのプレートの形状を再び参照すると、小さいプレートに開口部22を形成するための凹所が、大きいプレートに形成された開口部よりも大きな開口領域を有しているので、その結果として、開口部22それぞれには、自身の縁部の周囲に延在しているブリッジが形成されている。側壁14,16も、それぞれ一体部品とされる。しかしながら、側壁は、2つのプレートが互いに重ね合わされた形状を有している。大きいプレートにおいて、2つの長縁部それぞれには突出部が形成されており、これら突出部は、後の取付時における位置あわせに関連して、側壁14,16の全厚さに対応する程度にハウジングの内部に延在している。側壁14,16の断面形状は、以下においてU字状と呼称される。側壁14,16の形状に関しては、大きいプレートが、U字状の小さいプレートの形状をさらに採用している。前記小さいプレートは、大きいプレート上に同心状に配置されている。小さいプレートの形状は、凹所が小さいプレートの縁部の周囲に形成されるように、且つ、大きいプレートの形状が底壁10及びカバー壁12に係合可能なようになっている。正面壁18、20は、正面壁18,20の長手方向における両端部の断面領域(すなわち長手方向に対する横断方向の断面領域)がU字状でなく長方形状であること、言い換えれば、側壁14、16の厚さに対応する長さに亘って突出部が形成されていないことを除いて、側壁14,16の形状を有している(本明細書では、“長手方向(longitudinal direction)”という用語は、説明される各構成部品のうち、より長い寸法を有する方向を示す)。大きいプレート及び小さいプレートに関する当該説明は、ハウジング壁10,12,14,16,18,20の形状を示すことを意図するにすぎない。実際には、ハウジング壁10,12,14,16,18,20は一体的に形成されていることが望ましいが、多数の構成部品から成る実施形態も原理的には実施可能である。さらなる2つの取付機構であるオリフィス38それぞれが正面壁18,20に形成されているので、以下に説明する構成部品が正面壁を貫通することができる。従って、上述したハウジング壁10,12,14,16,18,20は、自身に隣り合うハウジング壁10,12,14,16,18,20それぞれと共にセレーション部分を形成する形状とされる。ハウジング壁10,12,14,16,18,20は、断熱材料から製造されることが好ましい。代替的には、ハウジング壁10,12,14,16,18,20の内側及び/又は外側には断熱材料が設けられている。底壁10には、2つの燃料電池スタック24、改質器26、及び再燃焼装置28が設けられている。これら構成部品が底壁10に取り付けられており、構成部品に至る、対応する供給配管のためのボア(図示せず)が底壁10に設けられている場合がある。開口部22の構成に、2つの締付ブロック30が、開口部22内に配置されるように設けられている。締付ブロック30は、耐熱性を有している弾性材料から形成されており、該締付ブロックそれぞれが、ブリッジが形成された開口部22に対する相手部品になっていることが好ましい。(締付ブロック30が取り付けられた状態において)燃料電池スタック24が積層された方向における締付ブロック30の寸法は、前記締付ブロックが積層方向において突出した状態で(with an over-dimension)で燃料電池スタック24上に載置され、これにより燃料電池スタックの積層高さが最小である場合であっても、前記締付ブロックが前記燃料電池スタックを積層方向に締め付けることができるように調整される。
0023
図2は、図1に示した本発明におけるハウジングの閉鎖状態を表わす。閉鎖状態とするためには、ハウジング壁10,12,14,16,18,20のセレーション部分は、立方体状のハウジングが形成されるように互いに挿入される。燃料電池スタック24の積層方向に対して平行に延在している4つのコーナーには、4つのコーナーアングル32が、ハウジング壁14,16,18,20を保護するために設けられている。ハウジング壁の平面が燃料電池スタック24の積層方向に対して平行に延在している前記ハウジング壁、すなわち側壁14,16及び正面壁18,20が、ハウジング壁14,16,18,20を互いに固定するために、且つ、前記ハウジング壁を安定化させるために、据付状態において2つの保持ベルト34によって囲まれている。保持ベルト34は、それぞれ個々の部分に分割されており、個々の部分は、保持ネジ36によって互いに接続可能とされる。保持ベルト34は、保持ネジ36を使用することによって、さらに締め付けられている場合がある。据付状態においては、改質器26の端部及び再燃焼装置28の端部が、取付機構であるオリフィス38を貫通している。
0024
図3は、図1に示した本発明におけるハウジングの閉鎖された状態及び容易に装着された状態を表わす。この状態では、本発明におけるハウジングには、保持フレームプレート40と、2つの保持フレームレール42と、8つの保持フレームピン44とから実質的に構成されている締付フレームが設けられている。保持フレームレール42には、補強のために、長手方向に延在している補強リブ46が設けられている。さらに、保持フレームレールは、開口部22に挿入された締付ブロック30が保持フレームレールの下に直接配置されるようにカバー壁12の上方に配置されている。保持フレームプレート40及び保持フレームレール42がハウジングを越えて突出しており、突出部には開口部が形成されている。保持フレームピン44は前記開口部を貫通している。保持フレームピン44の貫通端部には、ネジが、保持フレームレール42に対して保持フレームプレート40を保持するように位置決めされている。保持フレームレール42と付設されたネジとの間に、及び/又は保持フレームプレート40と付設されたネジとの間に、保持フレームピン44に差し込み可能なバネが設けられているので、締付フレームが燃料電池スタック24に対して弾性的なプリテンションを作用させ、燃料電池スタック24の温度に依存した形状変化に追従する従うことができる。
0025
上述の説明に、図面ならびに特許請求の範囲に開示した本発明の特徴は、個別にならびに任意の組み合わせで本発明の実現に重要であり得る。
0026
10底壁
12カバー壁
14側壁
16 側壁
18正面壁
20 正面壁
22 開口部
24燃料電池スタック
26改質器
28再燃焼装置
30締付ブロック
32コーナーアングル
34保持ベルト
36保持ネジ
38 取り付け済み装置オリフィス
40保持フレームプレート
42保持フレームレール
44 保持フレームピン
46 補強リブ