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課題・解決手段

うま味調節物質スクリーニングに機能的な新規キメラタンパク質、対応する核酸配列発現ベクタートランスフェクトした宿主細胞、ならびに前記のものを採用したうま味応答の調節物質および増強物質スクリーニング方法を提供する。

概要

背景

うま味グルタミン酸塩、特にグルタミン酸モノナトリウム塩(MSG)、および他のアミノ酸またはその塩によって誘発され、おいしい食品(savory food)のフレーバー特質に重要である。うま味は食事中のアミノ酸の存在を検出するのに重要であり、ヒトの栄養上の健康にとって重大である。しかしながら、一般的な人間集団の一部は、加工食品中の添加MSGによって悪影響を受け得、したがって本来、MSGでないまたはアミノ酸でないうま味物質好む。現在、グルタミン酸塩のうま味は、自然発生プリンヌクレオチドIMPおよびGMPの添加によって増強することができるが、それらは精製が難しくまたは産生が高価であり、したがってその広範囲の使用は制限される。グルタミン酸、IMPまたはGMPの代わりとして使用可能な、より安価なうま味調節物質および特にうま味物質またはその増強物質は、商用食品製品において有用である。特に興味深いのは、コスト低下およびあらゆる健康への潜在的悪影響を最小化するために、非常に低い濃度で使用可能なうま味物質またはその増強物質である。

うま味物質(うま味受容体アゴニスト)、うま味増強物質およびうま味阻害物質を含むうま味調節物質のための知られたスクリーニングにおいて、野生型T1R1/T1R3ヘテロマーうま味受容体が採用される。T1R1/T1R3うま味受容体ヘテロマーダイマーに基づく機能アッセイが、例えばUS20040175793に記載されている。

しかしながら、知られたスクリーニングの不利点は、野生型T1R1/T1R3受容体がいくつかの結合ドメイン、特にグルタミン酸塩、MSG、アミノ酸および潜在的に他のうま味物質と結合するビーナスフライトラップドメイン(VFT)を含む細胞外アミノ末端ドメインを含むことである。したがって、特異的リガンドの特異的調節物質、および特にT1R1および/またはT1R3膜貫通ドメイン(「TMD(s)」)のリガンド、のスクリーニングおよびこれに限定されるものではないがMSGを含むVFTリガンドの排除は、知られたスクリーニング方法では不可能である。知られたT1R1/T1R3ヘテロダイマーの使用は、VFTにもまた結合してグルタミン酸と結合について競合する剤の同定を可能にし、したがって後に食品製品中でうま味増強物質として無効であると証明され得る剤を同定可能である。

したがって、依然として上記の問題、特に受容体との結合においてグルタミン酸塩と競合し得る剤の同定を回避し、VFTドメインと物理的に異なる領域、および特にTMD、に結合するうま味受容体調節物質(アゴニスト、増強物質、阻害物質を含む)を同定することができる代替的スクリーニング方法の必要性がある。
提供されるスクリーニング方法および結合アッセイは、上記問題を回避し、新規CSR::T1Rキメラタンパク質を使用することにより改善された結果が得られる。

さらに、本明細書に記載されたCSR::T1Rキメラタンパク質は、グルタミン酸/MSGなどのうま味物質の代わりに、カルシウム受容体活性化のリガンド/アゴニストとして使用可能であり、MSG結合領域の外に結合する調節物質(アゴニスト、増強物質、阻害物質を含む)の同定が可能である。

概要

うま味調節物質のスクリーニングに機能的な新規キメラタンパク質、対応する核酸配列発現ベクタートランスフェクトした宿主細胞、ならびに前記のものを採用したうま味応答の調節物質および増強物質のスクリーニング方法を提供する。

目的

他の側面において、味覚細胞中のうま味シグナリングを調節する剤を同定する方法であって、該方法が、
(i)うま味刺激およびカルシウム刺激から選択される刺激に応答する、CSR::T1Rキメラタンパク質を発現する細胞と剤とを接触し、それによって、任意に他の剤の存在下で、機能応答を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

うま味物質、うま味物質増強物質およびうま味物質阻害物質を含むうま味調節物質から選択される少なくとも1つの化合物と結合可能なCSR::T1Rキメラタンパク質であって、配列番号2と、少なくとも90%以上の配列同一性を有する、実質的に相同なCSR::T1R1ポリペプチド、および配列番号4と、少なくとも90%以上の配列同一性を有する、実質的に相同なCSR::T1R3ポリペプチド、から選択される1または2以上のCSR::T1Rを含み、CSR::T1R1ホモマーキメラタンパク質、CSR::T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質、CSR::T1R1/T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質およびT1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質からなる群から選択される、前記CSR::T1Rキメラタンパク質。

請求項2

CSR::T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質、CSR::T1R1/T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質およびT1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質からなる群から選択されるヘテロダイマー性タンパク質の形態の2つのポリペプチドサブユニットを含み、ヘテロダイマーの該T1R1サブユニットが、配列番号8と、少なくとも90%以上の配列同一性を有する、本質的に相同なポリペプチドを含み、ヘテロダイマーの該T1R3サブユニットが、配列番号10と、少なくとも90%以上の配列同一性を有する、本質的に相同なポリペプチドを含む、請求項1に記載のCSR::T1Rキメラタンパク質。

請求項3

CSR::T1R1ホモマー性キメラタンパク質である、請求項1に記載のCSR::T1Rキメラタンパク質。

請求項4

CSR::T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質である、二つのポリペプチドサブユニットを含む請求項2に記載のCSR::T1Rキメラタンパク質。

請求項5

うま味物質、うま味物質増強物質およびうま味物質阻害物質を含むうま味調節物質から選択される少なくとも1つの化合物と結合可能なCSR::T1R1キメラタンパク質をコードする核酸であって、1または2以上の、配列同一性によって決定された、配列番号1(CSR::T1R1)と実質的に相同な核酸、ハイブリダイゼーションによって決定された、配列番号1(CSR::T1R1)と実質的に相同な核酸、請求項1において定義されたCSR::T1R1キメラタンパク質をコードする核酸配列と実質的に相同な核酸、を含み、配列同一性によって決定された実質的に相同な核酸は、少なくとも90%の配列同一性を有し、ハイブリダイゼーションによって決定された実質的に相同な核酸は、50%のホルムアミド、5×SSC、および1%のSDSからなる溶液中の42℃の温度、および0.2×SSCおよび0.1%のSDSからなる溶液中での65℃での洗浄というストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、該核酸が、任意に配列番号6(HSVタグ)を末端またはその近傍に含んで、対応するタンパク質のC末端を形成する、前記核酸。

請求項6

請求項5において定義される核酸を含む、発現ベクター

請求項7

請求項6において定義される発現ベクターをトランスフェクトされた、宿主細胞

請求項8

請求項1において定義されたCSR::T1Rキメラタンパク質およびGタンパク質を安定的に発現し、Gタンパク質は任意にGaq−ガストデューシンと実質的に相同である、請求項6に記載の宿主細胞。

請求項9

請求項1において定義されたCSR::T1Rキメラタンパク質およびGタンパク質を一時的に発現し、Gタンパク質は任意にGaq−ガストデューシンと実質的に相同である、請求項6に記載の宿主細胞。

請求項10

請求項1、2、3または4のいずれかにおいて定義されたCSR::T1Rキメラタンパク質を産生する方法であって、CSR::T1Rキメラタンパク質をコードする発現ベクターを含む宿主細胞を、発現に十分な条件下で培養し、それによってCSR::T1Rキメラタンパク質を形成し、任意に細胞からそれを回収するステップを含む、前記方法。

請求項11

味覚細胞中のうま味シグナリングを調節する剤を同定する方法であって、該方法が、(i)うま味刺激およびカルシウム刺激から選択される刺激に応答する、CSR::T1Rキメラタンパク質を発現する細胞と剤とを接触し、それによって、任意に他の剤の存在下で、機能応答を提供すること、および(ii)少なくとも1つの剤が、前記細胞中の前記CSR::T1Rキメラタンパク質の機能応答に影響するかどうかを、前記細胞中の少なくとも1つの機能応答によって決定すること、のステップを含み、前記CSR::T1Rキメラタンパク質が請求項1、2、3または4において定義される、前記方法。

請求項12

細胞が、Gタンパク質もまた発現する、請求項10に記載の方法。

請求項13

Gタンパク質が、Gaq−ガストデューシンと実質的に相同なキメラGタンパク質である、請求項11に記載の方法。

請求項14

Gタンパク質が、キメラGタンパク質Gアルファ16−ガストデューシン44である、請求項12に記載の方法。

請求項15

ステップ(ii)が、細胞内メッセンジャーの変化または細胞内メッセンジャーに起因する変化を計測することによって行われる、請求項11に記載の方法。

請求項16

機能応答が、IP3およびカルシウム2+から選択される細胞内メッセンジャーの変化を計測することによって決定される、請求項12に記載の方法。

請求項17

細胞が、細菌細胞真核細胞酵母細胞昆虫細胞哺乳類細胞両生類細胞、ぜん虫細胞およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。

請求項18

細胞が、哺乳類細胞である、請求項17に記載の方法。

請求項19

細胞が、CHO、COS、HeLaおよびHEK−293細胞からなる群から選択される哺乳類細胞である、請求項18に記載の方法。

請求項20

ステップ(i)が、CSR::T1Rキメラタンパク質と剤とをカルシウムの存在下で接触させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。

請求項21

カルシウムが、塩化カルシウムの形態で提供される、請求項20に記載の方法。

請求項22

試験剤をCSR::T1Rキメラタンパク質の調節物質として同定するために組み合わせて利用される、(i)請求項1、2、3および4のいずれか1つにおいて定義されるCSR::T1Rキメラタンパク質を発現する組換え細胞、および(ii)CSR::T1Rキメラタンパク質のアゴニスト、を含むキット

請求項23

請求項22に記載のキットを使用する方法であって、(i)CSR::T1Rキメラタンパク質を発現する組換え細胞を成長させること、(ii)アゴニストの存在下、適切な濃度で試験剤を添加すること、および(iii)試験剤の存在下および非存在下での応答を比較することにより、細胞の機能応答の変化を決定し、その結果、試験剤が請求項1、2、3および4のいずれか1つにおいて定義されるCSR::T1Rキメラタンパク質の調節物質であることが同定されることを含む、前記方法。

請求項24

請求項1、2、3および4のいずれかにおいて定義されるCSR::T1Rキメラタンパク質を調節する剤を同定する方法であって、該方法が、(i)リガンドのCSR::T1Rキメラタンパク質への結合に応答して変化するパラメータを計測すること、および(ii)任意にリガンドの存在下で、試験剤に応答したパラメータの、ネガティブコントロールと比較した変化を決定し、それによりリガンドを含む調節物質を同定することのステップを含む、前記方法。

請求項25

リガンドが、カルシウム、カルシウムイオン、および塩化カルシウムからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。

請求項26

ステップ(i)が、蛍光分光法、NMR分光法、1または2以上の吸収、屈折率の計測、流体力学法クロマトグラフィ、溶解度計測、生物化学的方法からなる群より選択される方法で行われ、該方法が、溶液、二重膜固相への連結、単脂質膜中、膜上への結合、および小胞内からなる群より選択される適切な環境においてCSR::T1Rキメラタンパク質の特性を計測する、請求項24および25のいずれかに記載の方法。

技術分野

0001

新規核酸およびタンパク質構築物およびそれらを含む細胞ならびにそれらの核酸、タンパク質、構築物および細胞を採用した方法が提供される

背景技術

0002

うま味グルタミン酸塩、特にグルタミン酸モノナトリウム塩(MSG)、および他のアミノ酸またはその塩によって誘発され、おいしい食品(savory food)のフレーバー特質に重要である。うま味は食事中のアミノ酸の存在を検出するのに重要であり、ヒトの栄養上の健康にとって重大である。しかしながら、一般的な人間集団の一部は、加工食品中の添加MSGによって悪影響を受け得、したがって本来、MSGでないまたはアミノ酸でないうま味物質好む。現在、グルタミン酸塩のうま味は、自然発生プリンヌクレオチドIMPおよびGMPの添加によって増強することができるが、それらは精製が難しくまたは産生が高価であり、したがってその広範囲の使用は制限される。グルタミン酸、IMPまたはGMPの代わりとして使用可能な、より安価なうま味調節物質および特にうま味物質またはその増強物質は、商用食品製品において有用である。特に興味深いのは、コスト低下およびあらゆる健康への潜在的悪影響を最小化するために、非常に低い濃度で使用可能なうま味物質またはその増強物質である。

0003

うま味物質(うま味受容体アゴニスト)、うま味増強物質およびうま味阻害物質を含むうま味調節物質のための知られたスクリーニングにおいて、野生型T1R1/T1R3ヘテロマーうま味受容体が採用される。T1R1/T1R3うま味受容体ヘテロマーダイマーに基づく機能アッセイが、例えばUS20040175793に記載されている。

0004

しかしながら、知られたスクリーニングの不利点は、野生型T1R1/T1R3受容体がいくつかの結合ドメイン、特にグルタミン酸塩、MSG、アミノ酸および潜在的に他のうま味物質と結合するビーナスフライトラップドメイン(VFT)を含む細胞外アミノ末端ドメインを含むことである。したがって、特異的リガンドの特異的調節物質、および特にT1R1および/またはT1R3膜貫通ドメイン(「TMD(s)」)のリガンド、のスクリーニングおよびこれに限定されるものではないがMSGを含むVFTリガンドの排除は、知られたスクリーニング方法では不可能である。知られたT1R1/T1R3ヘテロダイマーの使用は、VFTにもまた結合してグルタミン酸と結合について競合する剤の同定を可能にし、したがって後に食品製品中でうま味増強物質として無効であると証明され得る剤を同定可能である。

0005

したがって、依然として上記の問題、特に受容体との結合においてグルタミン酸塩と競合し得る剤の同定を回避し、VFTドメインと物理的に異なる領域、および特にTMD、に結合するうま味受容体調節物質(アゴニスト、増強物質、阻害物質を含む)を同定することができる代替的スクリーニング方法の必要性がある。
提供されるスクリーニング方法および結合アッセイは、上記問題を回避し、新規CSR::T1Rキメラタンパク質を使用することにより改善された結果が得られる。

0006

さらに、本明細書に記載されたCSR::T1Rキメラタンパク質は、グルタミン酸/MSGなどのうま味物質の代わりに、カルシウム受容体活性化のリガンド/アゴニストとして使用可能であり、MSG結合領域の外に結合する調節物質(アゴニスト、増強物質、阻害物質を含む)の同定が可能である。

0007

第1の側面において、うま味物質、うま味物質増強物質およびうま味物質阻害物質を含むうま味調節物質から選択される少なくとも1つの化合物と結合可能なCSR::T1Rキメラタンパク質であって、 配列番号2と、少なくとも90%以上の配列同一性を有する、実質的に相同なCSR::T1R1ポリペプチド、および
配列番号4と、少なくとも90%以上の配列同一性を有する、実質的に相同なCSR::T1R3ポリペプチド、
から選択される1または2以上のCSR::T1Rを含む、前記CSR::T1Rキメラタンパク質が提供される。
かかるCSR::T1Rキメラタンパク質は、うま味物質、うま味物質増強物質、およびうま味物質阻害物質を含むうま味調節物質から選択される少なくとも1つの化合物と結合可能であり、うま味物質阻害物質は、特にCSR::T1R1ホモマーキメラタンパク質、CSR::T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質、CSR::T1R1/T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質およびT1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質である。

0008

他の側面において、上記で定義されるCSR::T1Rキメラタンパク質であって、
CSR::T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質、
CSR::T1R1/T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質、
T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質、
からなる群から選択されるヘテロダイマー性タンパク質の形態の二つのポリペプチドサブユニットを含み、ここでヘテロダイマーのT1R1サブユニットが配列番号8と少なくとも90%以上の配列同一性を有する、本質的に相同なポリペプチドを含み、およびヘテロダイマーのT1R3サブユニットが配列番号10と少なくとも90%以上の配列同一性を有する、本質的に相同なポリペプチドを含む、前記CSR::T1Rキメラタンパク質が提供される。

0009

他の側面において、CSR::T1R1ホモマー性キメラタンパク質である、上記で定義されたCSR::T1Rキメラタンパク質が提供される。
他の側面において、CSR::T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマー性キメラタンパク質である、上記で定義された二つのポリペプチドサブユニットを含むCSR::T1Rキメラタンパク質が提供される。

0010

他の側面において、うま味物質、うま味物質増強物質およびうま味物質阻害物質を含むうま味調節物質から選択される少なくとも一つの化合物と結合可能なCSR::T1Rキメラタンパク質をコードする核酸であって、1または2以上の
配列同一性によって決定された、配列番号1(CSR::T1R1)および配列番号3(CSR::T1R3)からなる群から選択される核酸配列と実質的に相同な核酸、
ハイブリダイゼーションによって決定された、配列番号1(CSR::T1R1)および配列番号3(CSR::T1R3)からなる群から選択される核酸配列と実質的に相同な核酸、
上記で定義されたCSR::T1Rキメラタンパク質をコードする核酸配列と実質的に相同な核酸、
を含み、
ここで配列同一性によって決定された実質的に相同な核酸は、少なくとも90%の配列同一性を有し;
ハイブリダイゼーションによって決定された実質的に相同な核酸は、50%のホルムアミド、5×SSC、および1%のSDSからなる溶液中の42℃の温度、および0.2×SSCおよび0.1%のSDSからなる溶液中での65℃での洗浄というストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし;
該核酸が、任意に配列番号6(HSVタグ)を末端またはその近傍に含んで、対応するタンパク質のC末端を形成する、前記核酸が提供される。

0011

他の側面において、うま味物質、うま味物質増強物質およびうま味物質阻害物質を含むうま味調節物質から選択される少なくとも1つの化合物と結合可能なCSR::T1R1キメラタンパク質をコードする核酸であって、1または2以上の、
配列同一性によって決定された、配列番号1(CSR::T1R1)と実質的に相同な核酸、
ハイブリダイゼーションによって決定された、配列番号1(CSR::T1R1)と実質的に相同な核酸、
請求項1において定義されたCSR::T1R1キメラタンパク質をコードする核酸配列と実質的に相同な核酸、
を含み、
ここで配列同一性によって決定された実質的に相同な核酸は、少なくとも90%の配列同一性を有し;
ハイブリダイゼーションによって決定された実質的に相同な核酸は、50%のホルムアミド、5×SSC、および1%のSDSからなる溶液中の42℃の温度、および0.2×SSCおよび0.1%のSDSからなる溶液中での65℃での洗浄というストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし;
該核酸が、任意に配列番号6(HSVタグ)を末端またはその近傍に含んで、対応するタンパク質のC末端を形成する、前記核酸が提供される。

0012

他の側面において、上記で定義された核酸を含む、発現ベクターが提供される。
他の側面において、上記で定義された発現ベクターをトランスフェクトされた、宿主細胞が提供される。
他の側面において、上記で定義されたCSR::T1Rキメラタンパク質およびGタンパク質を安定的に発現し、Gタンパク質は任意にGaq−ガストデューシンと実質的に相同である、上記で定義された宿主細胞が提供される。

0013

他の側面において、上記で定義されたCSR::T1Rキメラタンパク質およびGタンパク質を一時的に発現し、Gタンパク質は任意にGaq−ガストデューシンと実質的に相同である、上記で定義された宿主細胞が提供される。
他の側面において、上記で定義されたCSR::T1Rキメラタンパク質を産生する方法であって、CSR::T1Rキメラタンパク質をコードする発現ベクターを含む宿主細胞を、発現に十分な条件下で培養し、それによってCSR::T1Rキメラタンパク質を形成し、任意に細胞からそれを回収するステップを含む、前記方法が提供される。

0014

他の側面において、味覚細胞中のうま味シグナリングを調節する剤を同定する方法であって、該方法が、
(i)うま味刺激およびカルシウム刺激から選択される刺激に応答する、CSR::T1Rキメラタンパク質を発現する細胞と剤とを接触し、それによって、任意に他の剤の存在下で、機能応答を提供すること、および
(ii)少なくとも1つの剤が、前記細胞中の前記CSR::T1Rキメラタンパク質の機能応答に影響するかどうかを、前記細胞中の少なくとも1つの機能応答によって決定すること、
のステップを含み、ここで前記CSR::T1Rキメラタンパク質が上記に定義されたものである、前記方法が提供される。

0015

他の側面において、細胞がGタンパク質もまた発現する、上記で定義された方法が提供される。
他の側面において、Gタンパク質が、Gaq−ガストデューシンと実質的に相同なキメラGタンパク質である、上記で定義された方法が提供される。
他の側面において、Gタンパク質が、キメラGタンパク質Gアルファ16−ガストデューシン44である、上記で定義された方法が提供される。
他の側面において、ステップ(ii)が、細胞内メッセンジャーの変化または細胞内メッセンジャーに起因する変化を計測することによって行われる、上記で定義された方法が提供される。

0016

他の側面において、機能応答が、IP3およびカルシウム2+から選択される細胞内メッセンジャーの変化を計測することによって決定される、上記で定義された方法が提供される。
他の側面において、前記細胞が、細菌細胞真核細胞酵母細胞昆虫細胞哺乳類細胞両生類細胞、ぜん虫細胞およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記で定義された方法が提供される。
他の側面において、細胞が、哺乳類細胞である、上記で定義された方法が提供される。

0017

他の側面において、細胞が、CHO、COS、HeLa、HEK−293細胞およびそれらの組み合わせからなる群から選択される哺乳類細胞である、上記で定義された方法が提供される。
他の側面において、ステップ(i)が、CSR::T1Rキメラタンパク質と剤とをカルシウムの存在下で接触させることをさらに含む、上記で定義された方法が提供される。
他の側面において、カルシウムが、塩化カルシウムの形態で提供される、上記で定義された方法が提供される。

0018

他の側面において、試験剤をCSR::T1Rキメラタンパク質の調節物質として同定するために組み合わせて利用される、
(i)上記で定義されたCSR::T1Rキメラタンパク質を発現する組換え細胞、および
(ii)CSR::T1Rキメラタンパク質のアゴニスト、
を含むキットが提供される。

0019

他の側面において、上記で定義されたキットを使用する方法であって、
(i)CSR::T1Rキメラタンパク質を発現する組換え細胞を成長させること、
(ii)アゴニストの存在下、適切な濃度で試験剤を添加すること、および
(iii)試験剤の存在下および非存在下での応答を比較することにより、細胞の機能応答の変化を決定し、その結果、試験剤が上記で定義されたCSR::T1Rキメラタンパク質の調節物質であることが同定されること
を含む、前記方法が提供される。
試験剤は適切な濃度、例えば約1nMから100mMまたはそれ以上、で添加されてよい。

0020

他の側面において、上記で定義されたCSR::T1Rキメラタンパク質を調節する剤を同定する方法であって、該方法が、
(i)リガンドのCSR::T1Rキメラタンパク質への結合に応答して変化するパラメータを計測すること、および
(ii)任意にリガンドの存在下で、試験剤に応答したパラメータの、ネガティブコントロールと比較した変化を決定し、それによりリガンドを含む調節物質を同定すること
のステップを含む、前記方法が提供される。
他の側面において、リガンドが、カルシウム、カルシウムイオン、塩化カルシウムおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記で定義された方法が提供される。

0021

他の側面において、ステップ(i)が、蛍光分光法、NMR分光法、1または2以上の吸収、屈折率の計測、流体力学法クロマトグラフィ、溶解度計測、生物化学的方法からなる群より選択される方法で行われ、該方法が、溶液、二重膜固相への連結、単脂質膜中、膜上への結合、および小胞内からなる群より選択される適切な環境においてCSR::T1Rキメラタンパク質の特性を計測する、上記で定義された方法が提供される。

実施例

0022

本明細書で使用される、CSR::T1RまたはCSR::T1Rキメラタンパク質という語は、CSR::T1R1ホモマー(すなわちT1R3を有しない)、またはCSR::T1R1とCSR::T1R3とのもしくは野生型T1R3とのヘテロダイマー性複合体(CSR::T1R1/CSR::T1R3またはCSR::T1R1/T1R3)、またはCSR::T1R3とCSR::T1R1とのもしくは野生型T1R1とのヘテロダイマー性複合体(CSR::T1R1/CSR::T1R3またはT1R1/CSR::T1R3)を表す。

0023

より一般的に、in vivoおよび多くのin vitro手法において、受容体はGタンパク質と結合しているので、CSR::T1Rはまた、「GPCR」とも称される。
「ホモマー」/「ホモマー性」は、他のサブユニットを有さない関連するサブユニット、すなわちT1R3を有さないT1R1、またはT1R1を有さないT1R3のどちらか、を意味する。各サブユニットはおそらくホモマー/ホモオリゴマーを形成するだろうと考えられているが、必ずしもそうとは限らず、例えばモノマーとして作動し得る。

0024

同様に、「ヘテロダイマー」は、2つの関連するサブユニットの組み合わせ、すなわちあらゆる形態におけるT1R3を有するT1R1を意味する。実際のヘテロダイマーが形成され得るが、必ずしもそうとは限らず、例えば受容体は、2つのサブユニットが1コピー以上存在する複合体を含むヘテロオリゴマーの形態で作用し得る。

0025

キメラタンパク質は、2つまたは3つ以上のオリジナルタンパク質の断片の接合体であり、時として望まれる特性を組み合わせたり、望まれない特性を取り除いたりできる。3次元空間におけるタンパク質のフォールディングは重大であり、アミノ酸位置はフォールディングに影響するため、あらゆる2つの断片が接合できるわけではない。例え重大なドメインおよびアミノ酸が知られていても、発現の成功、正しいフォールディングおよび望まれる特性の損傷のない機能性は、非常に予測不可能である。例えば、本出願人は、様々なGABA::T1Rキメラタンパク質変異体が働かないことを見出している。

0026

新規なキメラホモマーCSR::T1R1およびCSR::T1R3は、機能的であり、機能応答を提供する機能性CSR::T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマーを形成できることが見出された。
「機能応答」は、CSR::T1Rが、直接的または間接的(例えば付属タンパク質を経由して)に調節物質(例えばアゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、増強物質または阻害物質)と結合することができ、うま味受容体への自然な細胞応答または各in vitroもしくはin vivoにおける前記応答の代わりの、前記調節物質による調節(例えば前記リガンドによる活性化)を示すことができる。これは当然ながら使用する方法に依存する。例において、これはカルシウムシグナルの変化であり、他の方法においては、活性化マップキナーゼシグナルまたはアレスチン転送もしくは受容体の内面化であろう。

0027

機能応答の決定は、生理的、物理的および化学的パラメーターを含むパラメータにおけるあらゆる変化の決定を含む。計測され得るかかるパラメータは、選択される方法に依存し、例えば放射線蛍光酵素活性イオンフラックスにおける変化、膜電位電流転写、濃度、特に二次メッセンジャーの濃度(例えば、cAMPcGMP、IP3または細胞内カルシウム)、神経伝達物質またはホルモン放出における変化を含む。機能応答は、例えば分光特性(例えば蛍光、吸光度、屈折率など)、流体力学的(例えば形状)、クロマトグラフィーもしくは溶解度特性、パッチクランプ法膜電位感受性色素ホールセル電流、放射性同位体流出、誘導可能マーカー卵母細胞遺伝子発現組織培養細胞遺伝子発現、遺伝子の転写活性リガンド結合アッセイ電圧、膜電位およびコンダクタンス変化、イオンフラックスアッセイ、cAMP、cGMPおよびイノシトール三リン酸(IP3)などの細胞内二次メッセンジャーにおける変化、細胞内カルシウムレベルにおける変化、神経伝達物質放出、立体配座アッセイなど、当業者に知られたあらゆる適した方法によって測定することができる。

0028

機能応答およびそれらをどのように計測するかのさらなる例は、以下に記載されている方法に含まれる。
本出願人による実験は、CSR::T1R1ホモマー性サブユニットもまた、ヘテロダイマーを形成することなく、それ自身が機能性うま味受容体として機能することを示唆している。
予備実験は、ホモマー性CSR::T1R3サブユニットが、あるGタンパク質との関与および/またはその活性化において困難性を有し得るものの、CSR::T1R3は、Gタンパク質を活性化する能力を必要としない結合アッセイにおいて、依然として有用であることを示唆する。キメラタンパク質と野生型タンパク質との共発現(CSR::T1R1/T1R3およびT1R1/CSR::T1R3)を含むヘテロダイマーもまた機能するだろう。

0029

CSR::T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマーにおいて、ヘテロダイマー複合体のそれぞれのCSR::T1Rサブユニットは、2つの給源タンパク質に起因する配列を含んでいる。2つの給源タンパク質は、ヒトカルシウム感受性受容体(hCaSR)およびT1Rタンパク質(T1R1またはT1R3)である。両サブユニットに共通するhCaSR由来断片(CSR)は、hCaSRの細胞外ドメイン(ECD)を含む。T1R由来断片はT1R配列の膜貫通ドメイン(TMD)を含み、T1R1またはT1R3のどちらに由来するかによって変わる。

0030

本明細書に記載されるCSR::T1Rキメラタンパク質は、T1R1またはT1R3のどちらか、あるいはT1R1およびT1R3両方のVFTドメインを有しておらず、したがってT1R1および/またはT1R3のTMDドメインおよび/またはシステインリッチドメインに結合する化合物(うま味物質、うま味物質増強物質およびうま味物質阻害物質を含むうま味調節物質)を特異的に同定することができる。
これらのうま味調節物質は、それらがうま味受容体のVFT部位に結合すると考えられるMSGなどのアミノ酸またはその塩と競合する化合物を含まない点で、特に興味深く、CSR::T1Rを採用するスクリーニングは、したがって、潜在的に相乗的なより興味深い化合物を同定する傾向がある。

0031

提供される新規キメラCSR::T1R構築物(DNA、ベクター形質転換細胞、タンパク質)は、これに限定するものではないが、うま味応答の調節物質(うま味アゴニスト、うま味増強物質、およびうま味阻害物質を含む)をスクリーニングする場合に有用である。伝統的なスクリーニング方法および結合アッセイは、新規なキメラCSR::T1Rタンパク質を用いた、調節物質および増強物質についてのスクリーニングに使用され得る。かかるスクリーニング方法論は当該技術分野においてよく知られており、以下に概説する。うま味物質を同定するため、本明細書に記載されているCSR::T1R受容体タンパク質の結合および/または活性化と連結するシグナルを、候補うま味物質の存在下および非存在下において監視する。

0032

うま味増強物質または阻害物質を同定または特定するため、通常は、潜在的増強物質/阻害物質を有するおよび有さないサンプル(両サンプルはさらに1または2以上のカルシウム、グルタミン酸、MSGまたは他のうま味物質、例えば(受容体と結合しおよび活性化する)他のアミノ酸など、を含む)の結果を比較する。

0033

例えばMSGのようなリガンドの代わりにカルシウム(例えば、これに限定するものではないが、塩化カルシウムの形態で)を利用することは、あらゆるネガティブな効果/アーティファクト(例えば高い塩分による)または実際のリガンド/アゴニスト(MSG)と試験化合物との間の競合を回避するというさらなる有利点を有する。

0034

アッセイに利用される細胞
トランスフェクトされたまたは内在性のT1R3およびT1R1は、CSR::T1R1および/またはCSR::T1R3のアゴニスト応答を決定する方法それぞれ、または他の調節物質に依存する前記応答の変化に、否定的に影響し得る。T1R3およびT1R1の欠失は、CSR::T1R1および/またはCSR::T1R3活性化の決定のためのヌルバックグラウンドを提供し、観察されたシグナルがCSR::T1R1および/またはCSR::T1R3活性化に直接結びつく。これにより、CSR::T1R1および/またはCSR::T1R3を特異的に調節する剤の同定が可能となり、野生型T1R1およびT1R3を活性化する剤を除外し、ここで、T1R3の場合、T1R3は、甘味およびうま味のヘテロダイマー両方の一部であるから、甘味物質もまた含む。

0035

内在性の野生型T1R1および/またはT1R3の存在はいくつかのバックグラウンドシグナルの原因となり、それは望ましくない。内在性T1R1および/またはT1R3を有する細胞は、十分に低いバックグラウンドの結果を獲得するのに依然として有用ではあるが、よりよい選択は内在性T1R1およびT1R3を含まない細胞である。CSR::T1R1/T1R3キメラタンパク質を利用するときは、バックグラウンドに不都合効果なしで野生型T1R3を含むことができ、またはT1R1/CSR::T1R3キメラタンパク質を利用するときは、バックグラウンドに不都合な効果なしで野生型T1R1を含むことができるという例外が発生する。

0036

下に列挙した細胞は、内在性/野生型T1R3または内在性野生型T1R1を含まない点で特に有用である。
しかし、代替的な細胞もまた本明細書に記載されている方法において有用である。

0037

適切な真核細胞は、例えば、限定することなく、哺乳類細胞、酵母細胞、または昆虫細胞(Sf9を含む)、両生類細胞(メラニン保有細胞を含む)、またはシノラブディス(Caenorhabditis)(Caenorhabditis elegansを含む)細胞を含むぜん虫細胞などの真核細胞を含む。
適切な哺乳類細胞は、例えば、限定することなく、COS細胞(Cos−1およびCos−7を含む)、CHO細胞、HEK293細胞、HEK293T細胞、HEK293T−RexTM細胞、または他のトランスフェクト可能な真核細胞セルラインを含む。
適切な細菌細胞は限定することなくE. coliを含む。

0038

細胞は、当該技術分野において周知のように、GPCRおよびGタンパク質(受容体をホスホリパーゼCシグナル伝達経路に連結する)を一過性にまたは安定的にトランスフェクトされてもよい。味覚GPCRとの増強されたカップリングを提供するキメラGタンパク質であるGアルファ16−ガストデューシン44(G.sub..alpha.16 gust(ducin)44、G.sub.alpha.16gust(ducin)44、Gα16gust(ducin)44、Ga16gust(ducin)44、Gα16−ガストデューシン 44、または以下で使用されているように「Gα16gust44」としても知られている)を採用する優れた異種発現系は、WO2004/055048に詳細に記載されている。代替的に、WO2004/055048に記載されているGaq−ガストデューシンに基づいた他のキメラGタンパク質、または、例えばG16またはG15などの、他のGタンパク質もまた利用してよい。

0039

CSR::T1Rは、受容体を、例えばホスホリパーゼCシグナル伝達経路などの、シグナル伝達経路、または例えば後述のものを含むシグナル伝達経路に連結するGタンパク質とともに、細胞内で発現させることが可能である:アデニル酸シクラーゼグアニル酸シクラーゼ、ホスホリパーゼC、IP3、GTPase/GTP結合、アラキドン酸、cAMP/cGMP、DAG、プロテインキナーゼc(PKC)、MAPキナーゼチロシンキナーゼ、またはERKキナーゼ。

0040

代替的に、以下に詳述するように、いかなる適切なリポーター遺伝子もCSR::T1R活性化応答プロモーターに連結し、CSR::T1R活性の決定に利用することができる。

0041

上述の細胞に利用されるベクター構築物
かかる細胞中でGPCRおよび/またはGタンパク質を発現するベクター構築物は、ポリメラーゼ連鎖反応を利用する、それ自体が周知なやり方によって産生され得る。配列の確認後、cDNA断片は、例えばpcDNA3.1哺乳類細胞用哺乳類発現ベクターなど、適切なベクター内へサブクローニングされてよく、正しい遺伝子の発現を可能にするために対応する宿主細胞に一過性にトランスフェクトされてよい。

0042

例えば48時間の、トランスフェクト後期間の後、タンパク質の正しい発現を確認するために細胞溶解物を調製し、ウェスタンブロットによって解析してもよい。一度正しいタンパク質の発現が確認されれば、例えばHEK293T細胞およびHEK T−RexTMを含む哺乳類細胞などの適切な細胞は、当該技術分野において周知の技術に従って、安定してタンパク質を発現する細胞を生成するためにトランスフェクトされてよい。

0043

代替的に、様々な非哺乳類発現ベクター/宿主ステムが、Gタンパク質共役受容体(GPCR)CSR::T1Rをコードする配列の含有および発現に利用可能である。これらは、例えば組換えバクテリオファージプラスミド、またはコスミドDNA発現ベクター形質転換された細菌を含む微生物酵母発現ベクターで形質転換された酵母ウィルス発現ベクター(例えばバキュロウィルス)、または細菌発現ベクター(例えばpBR322プラスミド)で感染させた昆虫細胞システムなどを含む。

0044

以上に記載された系とともに利用することができる特定のベクターの例は、「G-protein coupled receptors (Signal Transduction Series)」、編者:Tatsuya Haga and Gabriel Berstein、第1版、CRCPress - Boca RatonFL; September 1999に記載されている。

0045

細菌系において、多くのクローニングおよび発現ベクターが、GPCRをコードするポリヌクレオチド配列について意図する利用に応じて選択し得る。例えば、GPCRをコードするポリヌクレオチド配列のルーチンのクローニング、サブクローニング、および増殖が、pBLESCRIPT(Stratagene, La Jolla Calif.)またはpSPORT1プラスミド(Life Technologies)などの多機能性大腸菌ベクターを利用して行える。GPCRをコードする配列の、ベクターのマルチクローニングサイトへのライゲーションはlacZ遺伝子を妨害し、組換え分子を含む形質転換細菌の同定のための比色スクリーニング手法を利用可能にする。加えて、これらベクターはインビトロ転写ジデオキシシークエンシングヘルパーファージによる一本鎖レスキュー(single strand rescue)、およびクローニングされた配列内のネストされた欠失の作出にも有用であり得る。例えば抗体の産生など、多量のGPCRが必要なとき、GPCRの高発現を導くベクターが利用し得る。例えば強い、誘導可能なSP6またはT7バクテリオファージプロモーターを含むベクターなどが利用し得る。

0046

酵母発現系はGPCRの産生に利用されてよい。アルファファクターアルコールオキシダーゼ、およびPGHプロモーターなどの構成的または誘導プロモーターを含む多数のベクターが酵母Saccharomyces cerevisiaeまたはPichia pastorisに利用し得る。加えて、かかるベクターは、発現タンパク質分泌または細胞内の保持を導き、安定的増殖のための外来性配列の宿主遺伝子への統合を可能にする。

0047

異種タンパク質を昆虫細胞セルラインで発現するために、例えば、鱗翅目昆虫のバキュロウィルスであるAutographia californicaマルチカプシドヌクレオウィルス(AcMNPV)の誘導体が利用可能である。このシステムにおいて、外来性遺伝子発現は、ポリドリンまたはp10プロモーターのいずれかの、非常に強い後期ウィルスプロモーターに導かれ、多様なベクターが、組換えタンパク質の発現および回収の最適化に利用可能である。これらのベクターは膜結合型および分泌型タンパク質の両方を高度に発現することが可能であり、また哺乳類システム中で起こることが知られる、N−およびO−連結糖鎖付加リン酸化アシル化タンパク質分解および分泌ワクチン成分を含む多くの翻訳後修飾も可能である。例えばInvitrogenのInsectSelectTMなどの多くのベクターが商業的に入手可能である。

0048

発現系
求めるタンパク質(GPCR(CSR::T1R)およびGタンパク質)をコードするcDNAを発現するために、典型的には、適切なcDNAを、転写を導く強力なプロモーター、転写/翻訳ターミネーターおよび翻訳開始のためのリボソーム結合領域を含む発現ベクターにサブクローニングする。例えばE.coli、Bacillus sp.、およびSalmonellaなど、適切な細菌プロモーターは当該技術分野においてよく知られており、かかる発現系のためのキットが商業的に入手可能である。同様に、哺乳類細胞、酵母、および昆虫細胞のための真核細胞発現系も商業的に入手可能である。真核細胞発現ベクターは、例えばアデノウィルスベクターアデノ随伴ベクター、またはレトロウィルスベクターなどであってよい。

0049

プロモーターに加えて、発現ベクターは典型的に、宿主細胞においてタンパク質をコードする核酸を発現するのに必要な付加的要素の全てを含む、転写ユニットまたは発現カセットを含む。典型的な発現カセットはしたがって、タンパク質をコードする核酸配列に作動可能に連結したプロモーターおよび、転写の効率的なポリアデニレーションに必要なシグナル、リボソーム結合領域、および翻訳ターミネーションを含む。タンパク質をコードする核酸配列は典型的に、組換えタンパク質の効率的な細胞表面発現推進するために、ラットソマトスタチン−3受容体配列のN末端45アミノ酸などの、細胞表面受容体に有用な膜標的化シグナルに連結していてよい。付加的なベクター要素は、例えばエンハンサーなどを含んでもよい。

0050

発現カセットはまた、構造遺伝子の下流に、効果的なターミネーションを提供するための転写終止領域も含むべきである。終止領域はプロモーター配列と同じ遺伝子から得てもよく、また異なる遺伝子から得てもよい。
タンパク質の発現のために、真核細胞または原核細胞における発現のために当該技術分野においてよく知られた、慣用のベクターを利用してよい。ベクターの例は、例えばpBR322ベースのプラスミド、pSKF、およびpET23Dを含むプラスミドなどの細菌発現ベクター、および例えばGSTおよびLacZなどの融合発現系を含む。

0051

真核ウィルス由来の制御要素を含む発現ベクター、例えばSV40ベクター、サイトメガロウィルスベクター、パピローマウィルスベクター、およびエプスタイン・バーウィルス由来のベクターなどは、典型的に真核発現ベクターとして利用される。他の真核ベクターの例には、pMSG、pAV009/A+、pMTO10/A+、pMAMneo−5、バキュロウィルスpDSVE、pcDNA3.1、pIRES、およびSV40早期プロモーター、SV40後期プロモーターメタロチオネインプロモーター、マウス乳腺腫瘍ウィルスプロモーター、ラウス肉腫ウィルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、または真核細胞内での発現に効果を示す他のプロモーターの指揮下でタンパク質を発現させられる他のいかなるベクターも含む。

0052

いくつかの発現系は、チミジンキナーゼハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼジヒドロ葉酸リダクターゼなどの遺伝子増幅を提供するマーカーを有する。

0053

典型的に発現ベクターに含まれる要素には、E. coli中で機能するレプリコン組換えプラスミドを取り込んだ細菌の選別を可能にする薬剤耐性をコードする遺伝子、および真核配列の挿入を可能にするプラスミドの本質的でない領域のユニークな制限部位なども含んでよい。選択される特定の薬剤耐性遺伝子は重大ではなく、当該技術分野で知られたあらゆる多くの薬剤耐性遺伝子が適している。必要ならば原核配列は、真核細胞内でのDNAの複製を妨害しないように任意に選択される。

0054

細菌系において、GPCRのcDNA断片は、単独で、または、対象となるGPCRが、E. coliペリプラズムマルトース結合タンパク質(MBP)であって、そのシグナルペプチドを含むMBPがGPCRのアミノ末端に連結しているものに融合した融合タンパク質として発現されてよい。野生型GPCRのcDNAまたはMBP:GPCR融合cDNAは、例えばE. coli中でGPCRの発現がlac野生型プロモーターによって駆動されるpBR322など、適切なプラスミドへサブクローニングされる。E. coliにおけるGPCRの発現方法は、例えば「G-protein coupled receptors(Signal Transduction Series)」, 編者:Tatsuya Haga and Gabriel Berstein, 第1版, pp. 265〜280,CRCPress - Boca RatonFL; September 1999などに記載されている。

0055

内在性GPCRを欠損した遺伝子操作酵母システムおよび昆虫細胞システムは、CSR::T1R活性化スクリーニングに対してヌルバックグラウンドであるという利点を提供する。
遺伝子操作酵母システムはヒトGPCRおよびGαタンパク質を、対応する内在性酵母フェロモン受容体経路の成分と代替するものである。下流シグナル経路はまた、通常の酵母シグナル応答選択培地上でのプラス成長またはレポーター遺伝子発現転換するように、改変される(Broach, J. R. and J. Thorner, 1996, Nature, 384 (supp.):14〜16に記載)。

0056

遺伝子操作昆虫システムは、受容体をホスホリパーゼCシグナル経路に連結できるヒトGPCRおよびGαタンパク質を組み込んでいる(例えばKnight and Grigliatti, (2004) J. Receptors and Signal Transduction, 24: 241〜256参照)。
両生類細胞システム、特にメラニン含有細胞は、例えばGPCR発現系について記載したWO92/01810などに記載されている。

0057

CSR::T1Rの過剰発現
CSR::T1Rは、例えばCMV早期プロモーターなどの強力な構成的プロモーターの制御下に置くことにより過剰発現することができる。代替的に、保存的なGPCRアミノ酸またはアミノ酸ドメインのある変異を導入し、利用するGPCRを構成的に活性化させることが可能である。代替的に、過剰発現は、以下に記載されているT−Rexシステムなどの誘導可能なプロポーターの制御下において行ってもよい。

0058

CSR::T1R発現ベクター構築物の細胞内へのトランスフェクション
タンパク質を大量に発現する細菌、哺乳類、酵母または昆虫の細胞系を作出するために、標準的なトランスフェクション法が利用可能である。

0059

核酸配列を宿主細胞に導入するために知られたいかなる方法も利用してよい。用いる特定の遺伝子操作手順は、対象となるタンパク質を発現できる宿主細胞中に関係する遺伝子を首尾良く導入できさえすればそれでよい。これらの方法は、クローニングされたゲノムDNA、cDNA、合成DNAまたは他の外来性遺伝物質を宿主細胞中に導入することを伴ってもよく、リン酸カルシウムトランスフェクション、ポリブレンプロトプラスト融合エレクトロポレーションリポソームマイクロインジェクションプラズマベクター、ウィルスベクターなどを含む。

0060

例えば、限定することなく、T−RexTM発現系(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)を用いることができる。T−RexTMシステムは、E. coli Tn10にコードされたテトラサイクリン(Tet)耐性オペロン由来の調節エレメントを利用したテトラサイクリン制御哺乳類発現系である。T−RexTMシステム中のテトラサイクリン調節は、テトラサイクリンのTetリプレッサーへの結合および対象となる遺伝子の発現を制御するプロモーターの抑制解除に基づいている。

0061

細胞培養
トランスフェクト後、トランスフェクトされた細胞は、当該技術分野において周知の標準的な培養条件で培養することができる。異なる細胞は、適切な温度および細胞培養培地を含む、異なる培養状態を要求することは、当業者に明らかである。

0062

CSR::T1R受容体タンパク質回収
所望の場合、タンパク質を標準的な技術を利用して細胞培養から回収することができる。例えば、沈殿およびクロマトグラフィ工程に供する前に細胞を機械的にまたは浸透圧ショックによって破裂させてよく、その種類と順序は回収される特定の組換え物質次第である。あるいは、組換えタンパク質を、組換え細胞が培養された培養培地から回収することもできる。

0063

本明細書のアッセイによって同定され得る味覚調節物質
CSR::T1R受容体活性の調節物質(リガンド、アゴニスト、部分的アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト、阻害物質、増強物質を含む様々なタイプ)は、下述のように同定可能である。
調節物質のタイプは同時に1以上のタイプを含んでもよく、濃度に依存し得る。例えば、剤がある濃度範囲においてアゴニストとして作用するが、別の濃度範囲においては他のアゴニスト(例えばうま味物質)の調節物質または増強物質として作用することもある。したがって、剤はその調節活性の決定のために異なる濃度で試験されるべきである。
これから本明細書に記載された方法において同定可能な剤の定義について述べる。

0064

調節物質は、1または2以上の後述のものの増大または減少を引き起こす剤である:受容体の細胞表面発現、リガンドの受容体への結合、または受容体の活性化形態によって開始される細胞内応答(アゴニストの存在下または非存在下における)。調節物質はそれ自身が受容体に結合し、それを活性化し、それによって細胞内応答の増大を調節するアゴニストであり得る。

0065

調節物質は、小分子、ペプチド、タンパク質、核酸、抗体またはその断片を含む様々なタイプの化合物を含む。それらは、合成または天然物質天然材料抽出物を含む様々な給源、例えば動物、哺乳類、昆虫、植物、細菌または真菌細胞材料または培養細胞、あるいはかかる細胞の馴化培地などに由来し得る。
リガンドは受容体と結合する剤であり、アゴニスト、部分的アゴニスト、増強物質、アンタゴニスト、または逆アゴニストであってもよい。

0066

アゴニストは、受容体に結合したときに、アゴニストの非存在下での細胞内応答と比較して、受容体を活性化し、細胞内応答を増大させるCSR::T1Rキメラタンパク質受容体のリガンドである。付加的にまたは代替的に、アゴニストは、アゴニストの非存在下で細胞表面に存在する細胞表面受容体の数と比較して、受容体の細胞表面発現を増大させるように、細胞表面受容体の内在化を減少させ得る。
CSR::T1Rのアゴニストは、例えばカルシウムおよびN−(2−メトキシ−4−メチルベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イルエチルオキサルアミドなどを含む。

0067

CSR::T1Rキメラタンパク質のリガンドは、キメラタンパク質のCSR部分に結合するCSRドメインリガンド(カルシウム)、またはキメラタンパク質のT1R部分に結合するTSRドメインリガンド(うま味応答の調節物質)の2つのタイプに分類することができる。
部分的アゴニストは、受容体を最大限活性化する他のアゴニストと比べて、部分的にしか作用しないアゴニストである。

0068

アンタゴニストは、アゴニストと同じ(競合的アンタゴニスト)または異なる(アロステリックアンタゴニスト)受容体の部位に結合するが、受容体の活性化形態によって起こる細胞内応答を活性化せず、それゆえアゴニストの存在下およびアンタゴニストの非存在下と比較して、アゴニストによって誘導される細胞内応答を阻害するリガンドである。
受容体と結合する逆アゴニストは、受容体によって媒介される構成的細胞内応答を、逆アゴニストの非存在下における細胞内応答と比較して減少させる。

0069

阻害物質は、阻害物質の非存在下におけるアゴニストの結合と比較して、アゴニストと受容体との結合を減少させ、および/またはアゴニストによって誘導される細胞内応答を減少させる。
増強物質は、アゴニストの受容体への結合を、増強物質の非存在下におけるアゴニストの結合と比較して増大させ、および/またはアゴニストによって誘導される細胞内応答を増大させる。

0070

リガンドを結合し、例えばGタンパク質(すなわち調節物質との種々の相互作用に起因して)などによりシグナルを伝達する受容体の活性または活性の変化は、以下に記載されるアッセイによって決定可能である。

0071

CSR::T1R受容体の調節物質同定のためのアッセイ
調節物質は、機能的効果/パラメータを決定および比較するための、多種多様インビトロおよびインビボアッセイを利用して、または代替的に結合アッセイによって、同定可能である。受容体の機能上の試験剤の効果は適切な機能的パラメータを分析することで計測可能である。受容体活性に影響するあらゆる生理学的変化は、調節物質の同定のために利用可能である。

0072

かかる機能的アッセイは、例えば動物から単離された無傷の細胞または組織を利用した、濃度、活性またはそれらの二次メッセンジャーの変化(例えば細胞内カルシウム(Ca2+)、cAMP、cGMP、イノシトールリン酸(IP3)、ジアシルグリセロール/DAG、アラキドン酸、MAPキナーゼまたはチロシンキナーゼなどを含む)、イオンフラックス、リン酸化レベル転写レベル、神経伝達物質レベルの計測に基づいたアッセイ、およびGTP結合性、GTP分解酵素、アデニル酸シクラーゼ、リン脂質分解、ジアシルグリセロール、イノシトール三リン酸、アラキドン酸放出、PKC、キナーゼおよび転写レポーターに基づいたアッセイなど、当該技術分野において周知である。いくつかの適切なアッセイが、例えばWO 01/18050に記載されている。

0073

受容体活性化は、典型的には例えば、例えば細胞内に貯蔵されたカルシウムイオンを放出するIP3などの二次メッセンジャーの増大など、後続する細胞内イベントの起点となる。いくつかのGタンパク質共役受容体活性化は、ホスホリパーゼC媒介ホスファチジルイノシトール加水分解を通したイノシトール三リン酸(IP3)の形成を刺激する。IP3は次に細胞内に貯蔵されたカルシウムイオンの放出を刺激する。したがって、細胞内カルシウムイオンレベルの変化、またはIP3などの二次メッセンジャーレベルの変化は、Gタンパク質共役受容体活性の決定に利用可能である。

0074

全ての機能的アッセイは、例えば受容体をその表面または単離細胞膜画分上に発現する細胞を含有するサンプルで行うことができる。有用な細胞は上述されている。また、分離細胞または細胞膜を有するサンプルの代わりに、遺伝子組換え動物からの組織を利用してもよい。
本明細書に記載されたスクリーニング方法は、うま味応答の調節物質、例えばうま味増強物質、を同定するのに特に有用である。

0075

それ自身がアゴニストではない調節物質(例えば、アンタゴニスト、部分的アゴニスト、逆アゴニスト、阻害物質、または増強物質)を同定するため、いずれもアゴニストを含有する、試験剤を含むサンプルおよび含まないサンプルを比較する。アゴニストとして、例えばカルシウムを用いることができる。カルシウムの使用は、両方のTMDがアクセス可能となる利点を有する。他の知られたまたは同定されたアゴニスト、例えば、N−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミドなどもまた利用可能であるが、同定される調節物質の調節物質結合部位と一致し得るリガンド/アゴニスト結合部位を部分的にふさぎ、低シグナルの原因となり得る。

0076

例えば、コントロール(アゴニストを含むが調節物質は含まない)の相対的受容体活性値を100とする。コントロールに対する活性の減少により阻害物質、アンタゴニストまたは逆アゴニストが同定され、一方、増大により増強物質が同定される。通常、試験剤を含まないサンプルと比べて、または試験剤を含むが、CSR::T1Rを発現しない細胞(モックトランスフェクション細胞)に基づいたサンプルと比べて、試験剤を含むサンプルにおいて計測された活性における、10%またはそれ以上の増大または減少は、有意であると考えられる。

0077

うま味増強物質を同定するため、試験剤を含むサンプルおよび含まないサンプルを比較する。例えば、コントロール(例えば塩化カルシウムなどのアゴニストを含むが、調節物質は含まない)の相対的受容体活性値を100とする。増大により増強物質が同定される。通常、試験剤を含まないサンプルと比べて、または試験剤を含むが、CSR::T1Rを発現しない細胞(モックトランスフェクション細胞)に基づいたサンプルと比べて、試験剤を含むサンプルにおいて計測された活性における、10%またはそれ以上の増大または減少は、有意であると考えられる。

0078

CSR::T1Rキメラタンパク質を採用するスクリーニングのために、カルシウムがアゴニストとして利用可能である。代替的に、CSR::T1RのT1R1および/またはT1R3断片の関連部分に結合するアゴニストを利用してもよい。これらのアゴニストは、例えばhT1R1/hT1R3野生型うま味受容体の知られた合成アゴニストであるN−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミド、Cas番号745047−97−6を含む。該化合物およびその調製は、WO2005041684およびその関連出願US2006045953(例132)に記載されている。

0079

アゴニストまたは部分的アゴニストの同定
VFTドメインに結合しないアゴニストまたは部分的アゴニストを同定するために、試験剤を有するサンプルを、アゴニスト(例えば塩化カルシウム、N−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミド、または他の同定されたリガンド/アゴニスト)を有するポジティブコントロールと比較する。代替的に/付加的に、試験剤を有するおよび有さないサンプルが、そのCSR::T1Rキメラタンパク質の活性について比較される。

0080

例えば、アゴニストまたは部分的アゴニストは、アゴニストまたは部分的アゴニストが100mMまたはそれ以下で存在しているとき、ポジティブコントロールうま味アゴニストの最大生物学的活性の少なくとも10%に相当する生物学的活性を有しており、例えばアゴニストの最大生物学的活性に匹敵するまたはそれ以上の最大生物学的活性を有し得る。最大生物学的活性は、与えられた受容体アッセイフォーマット内で達成可能なアゴニスト、例えば塩化カルシウム、N−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミドなどアッセイに対する最大達成可能な受容体応答であって、その応答が、同じアゴニストの濃度を増大させて適用してもさらに増大できないものと定義される。

0081

上述のアゴニストは、異なる濃度において、CSR::T1Rキメラタンパク質のアゴニストの増強物質としても働き得る。これは、アゴニスト−試験剤をうま味増強効果を示すシグナルについて試験するために、カルシウムまたは他のアゴニストを利用したスクリーニング法で試験することができる。
代替的に、試験剤を有するサンプルにおける、例えば10%またはそれ以上の計測活性の増大が、試験剤を有さないサンプルまたは試験剤を有するがCSR::T1Rを発現しない細胞(モックトランスフェクション細胞)に基づくサンプルと比較される。

0082

アンタゴニストを同定するために、知られたアゴニストの存在下における、試験剤の存在下および非存在下での受容体活性が比較される。アンタゴニストは、例えば少なくとも10%の、アゴニスト刺激性受容体活性の減少を示す。
逆アゴニストを同定するために、試験剤の存在下および非存在下での受容体活性が、上述のように、受容体を過剰発現する動物/細胞/膜を含有するサンプルで比較される。逆アゴニストは、例えば少なくとも10%の、受容体の構成的活性の減少を示す。

0083

上述のアッセイにおけるCSR::T1R受容体活性を計測する適切な検出法の様々な例を以下に記載する。
多くのスクリーニングはカルシウム活性に頼っており、これらについては、細胞、受容体、酵素またはリポーター遺伝子を非特異的に刺激することを回避するために、カルシウムの少ない緩衝系を利用すべきである。

0084

細胞質イオン濃度または膜電位の変化の決定:
「G-protein coupled receptors (Signal Transduction Series)」,CRCPress 1999; 第1版, Haga and Berstein編に詳述されているように、受容体活性を報告するために、細胞にイオン感受性色素負荷することができる。細胞質または膜電位におけるイオン濃度の変化は、それぞれイオン感受性または膜電位蛍光指標を利用して計測される。

0085

カルシウムフラックス
GPCRの活性化によって誘導される細胞内カルシウム放出は、カルシウムに結合する細胞持続性(cell-permanent)色素を利用して決定される。カルシウム結合性色素は、細胞内のカルシウム上昇に比例する蛍光シグナルを発生する。この方法は、受容体活性の迅速かつ定量的な計測を可能にする。

0086

用いる細胞は、上述のようにホスホリパーゼC経路に連結できるようにするために、CSR::T1R GPCRとGタンパク質とを共発現するトランスフェクト細胞である。ネガティブコントロールは、候補化合物の可能な非特異的効果を排除するために、CSR::T1Rを発現しない細胞またはその膜(モックトランスフェクションしたもの)を含む。
カルシウムフラックス検出手順は、「G-protein coupled receptors (Signal Transduction Series)」; 編者:Tatsuya Haga and Gabriel Berstein, 第1版, 424pp.CRCPress - Boca RatonFL; September 1999に詳述されており、適合させたバージョンの概略を以下に記載する。

0087

0日目:96ウェルプレートに、1ウェルあたり8.5K個の細胞を播種し、栄養成長培地中、一晩37℃で維持する。
1日目:1ウェルあたり合計150ngのGPCRDNAおよび0.3μlのリポフェクタミン2000(Invitrogen)を利用して、細胞をトランスフェクトする。トランスフェクトされた細胞は栄養成長培地中、一晩37℃で維持する。

0088

2日目:成長培地を捨て、細胞を、1.5μMのFluo-4 AM(Molecular Probes)および2.5μMのプロベニシドを、37℃で130mMのNaCl、5mMのKCl、10mMのHepes、0.5mMのCaCl2および10mMのグルコースを含有する、低カルシウムC1緩衝液(pH7.4)に溶かしたものからなる50μlのカルシウムアッセイ溶液で1時間(室温にて暗所で)インキュベートする。125μlの低カルシウムC1緩衝溶液をそれぞれのウェルに加え、プレートをさらに30分室温にて暗所でインキュベートする。
緩衝溶液を捨て、プレートを100μlの低カルシウムC1緩衝溶液を洗浄緩衝液として5回洗浄し、細胞を200μlの低カルシウムC1緩衝液中で再構成する。

0089

プレートを、例えばFlexstation(Molecular Devices)またはFLIPR(Molecular Devices)などの蛍光マイクロプレートリーダーに設置し、20μlの10倍濃縮リガンドストック溶液を加えて受容体活性化を開始する。蛍光は、リガンドを加える15秒前からリガンドを加えた後45〜110秒後まで継続的に監視する。受容体活性化レベルは以下の3つの方程式で定義される:活性化の%=(最大蛍光基準蛍光/基準蛍光)×100、または蛍光増加=最大蛍光−基準蛍光、式中基準蛍光はリガンド添加前の平均蛍光レベルを表す、または基準蛍光(F0)によって標準化されたピーク蛍光(F)の増大の決定による。データは以下の方程式を用いて標準化される:ΔF/F=(F−F0)/F0、式中Fはピーク蛍光シグナルおよびF0は基準蛍光シグナルであり、基準蛍光はリガンド添加前の最初の10から15秒の間について計算される平均蛍光を表す。

0090

有用な細胞は、これに限定するものではないが、例えばHEK293T細胞およびHEK293T−RexTM細胞などの上述した哺乳類細胞である。細胞は、当該技術分野で周知のとおりに、GPCRとGタンパク質で一過性にまたは安定的にトランスフェクトすることができる。優れた異種発現系は、WO2004/055048に詳述されている。
カルシウムフラックスアッセイは、例えば後述の例1に記載されているように行うことができる。

0091

調節物質の同定は、上述の方法を以下のように変更して行われる。シグナルは、アゴニストの存在下だが試験剤の非存在下でCSR::T1Rを発現する遺伝子組換え細胞から得られた、CSR::T1R活性の基準レベルと比較される。CSR::T1R活性の増大または減少、例えば、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも100倍、またはそれ以上など、により調節物質を同定する。

0092

代替的に、同定は、調節物質が存在しないサンプルと比較したとき、または調節物質は存在するがCSR::T1Rポリペプチドを発現しない細胞(モックトランスフェクションした細胞)のサンプルと比較したとき、例えば10%またはそれ以上の、蛍光強度の増大または減少を伴う。

0093

アデニル酸シクラーゼ活性
アデニル酸シクラーゼ活性のためのアッセイは、例えばKenimer & Nirenberg, 1981, Mol. Pharmacol. 20: 585〜591に詳述されているように行われる。反応混合物は通常37℃で10分より短くインキュベートされる。インキュベーション後、反応混合物は0.9mlの冷6%トリクロロ酢酸を添加して除タンパクする。チューブ遠心し、それぞれの上清をDowex AG50w−X4カラムに加える。カラムからのcAMP画分を、アゴニストによる受容体活性化を受けて発生したcAMPレベルを計測するために、4mlの0.1mMイミダゾール−HCl(pH7.5)で計数バイアル中に溶出する。コントロール反応もまた、T1R1−TMDまたはCSR::T1Rポリペプチドを発現しない細胞のタンパク質ホモジネートを利用して行うべきである。

0094

IP3/Ca2+シグナル
Gタンパク質を発現している細胞中で、イノシトール三リン酸(IP3)/Ca2+およびその結果としての受容体活性に相当するシグナルを、蛍光を利用して決定可能である。GPCRを発現している細胞は、細胞内貯蔵およびイオンチャネルの活性化経由の寄与の結果、細胞質カルシウムレベルの増大を見せ得、必須ではないが、カルシウムフリー緩衝液中でかかるアッセイを実施し、内在ストアからのカルシウム放出の結果による蛍光応答と区別するために、随意EDTAなどのキレート剤補完することが望ましいだろう。

0095

ホスホリパーゼC/細胞内Ca2+シグナル
CSR::T1Rは、受容体とホスホリパーゼCシグナル伝達経路を連結するGタンパク質を有する細胞で発現される。細胞内Ca2+濃度の変化は、例えば蛍光Ca2+指示色素および/または蛍光イメージングなどを利用して、計測する。

0096

GTPase/GTP結合
CSR::T1Rを含むGPCRにとって、受容体活性の指標はCSR::T1Rを含む細胞膜によるGTPの結合である。本方法は、標識GTPの結合を決定することで膜と連結するGタンパク質を計測する。
受容体を発現する細胞から単離された膜は、35S−GTPγSおよび未標識GDPを含有する緩衝液中でインキュベートされる。活性を有するGTPaseは無機リン酸塩として標識を放出し、これは20mMのH3PO4中の活性炭5%懸濁液中遊離無機リン酸塩を分離した後にシンチレーションカウンティングによって決定される。混合物をインキュベートし、未結合標識GTPをGF/Bフィルターでろ過して取り除く。結合した標識GTPを液体シンチレーションカウンティングで計測する。コントロールは、試験剤の非特異的効果の可能性を排除するために、CSR::T1Rを発現しない細胞(モックトランスフェクションしたもの)から単離した膜を利用するアッセイを含む。方法はTraynor and Nahorski, 1995, Mol. Pharmacol., 47: 848〜854に詳述されている。

0097

調節物質を同定するために、上述の、GTP結合またはGTPase活性などの、10%またはそれ以上の変化(増大または減少)は通常十分である。しかしながら、アゴニストを同定するためには、上述のアッセイは以下のように変更して実施する。剤は、化合物が100mMまたはそれ以下、例えば10μMから500μMの範囲など、例えば約100μMで存在したときに、活性が、知られたアゴニスト(例えばN−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミド)のそれの少なくとも50%であった場合、または知られたアゴニストによって誘導されるレベルと同じまたはそれ以上のレベルを誘導する場合、通常アゴニストとして同定される。

0098

マイクロフィジオメーターまたはバイオセンサー
かかるアッセイはHafner, 2000, Biosens. Bioelectron. 15: 149〜158に詳述されているように行うことができる。
アラキドン酸
アラキドン酸の細胞内レベルは受容体活性の指標として採用される。かかる方法はGijon et al., 2000, J. Biol. Chem., 275:20146-20156に詳述されている。

0099

cAMP/cGMP
細胞内または細胞外cAMPは、cAMPラジオイムノアッセイRIA)または、例えばHorton & Baxendale, 1995, MethodsMol. Biol. 41: 91〜105に記載されているような、cAMP結合タンパク質を利用して計測可能である。代替的に、例えばLJL BiosystemsおよびNENLife Science Productsの高効率蛍光偏光ベースホモニアスアッセイなど、複数のcAMP計測のためのキットもまた商業的に入手可能である。代替的に、cGMPの細胞内または細胞外レベルもまた、イムノアッセイを利用して計測可能である。例えば、Felly-Bosco et al., Am. J. Resp. Cell and Mol. Biol., 11:159-164(1994)に記載の方法などが、cGMPレベルを決定するのに利用され得る。代替的に、米国特許第4,115,538号に記載されているcAMPおよび/またはcGMPを計測するアッセイキットもまた利用可能である。
試験剤の非特異的効果の可能性を排除するためのモックトランスフェクションされた細胞またはその抽出物を有するネガティブコントロールが利用され得る。

0100

DAG/IP3
例えばPhospholipid Signaling Protocols, Ian M. Bird, Totowa, N.J.編, Humana Press, 1998に記載のように、受容体活性に起因するリン脂質分解によって放出される、二次メッセンジャーのジアシルグリセロール(DAG)および/またはイノシトール三リン酸(IP3)をGPCR(CSR::T1R)活性の指標として検出しおよび利用することが可能である。例えばPerkin Elmer andCisBio Internationalから商業的に入手可能な、イノシトール三リン酸の計測のためのキットもまた利用可能である。
試験剤の非特異的効果の可能性を排除するためのモックトランスフェクションされた細胞またはその抽出物を有するネガティブコントロールが利用され得る。

0101

PKC活性
成長因子受容体チロシンキナーゼは、リン脂質およびカルシウム活性化タンパク質キナーゼファミリーの、タンパク質キナーゼC(PKC)の活性化を伴う経路を通してシグナリング可能である。
PKCに誘導される遺伝子産物の増大は、PKCの活性化およびその結果としての受容体の活性化を示す。これらの遺伝子産物は、例えばガン遺伝子転写因子コード遺伝子(c−fos、c−mycおよびc−junを含む)、プロテアーゼプロテアーゼ阻害物質コラーゲナーゼタイプIおよびプラズミノーゲン活性化因子阻害物質を含む)、および接着分子(細胞内接着因子I(ICAM I)を含む)などを含む。

0102

PKC活性はKikkawa et al., 1982, J. Biol. Chem., 257: 13341に記載されているように、その後ホスホセルロースペーパーに結合することによって分離されるPKC基質ペプチドのリン酸化を計測することで、直接計測し得る。これは精製キナーゼまたは粗細胞抽出物中の活性の計測に利用可能である。タンパク質キナーゼCサンプルは20mMHEPES/2mM DTTでアッセイ直前希釈可能である。
代替的なアッセイは、PanVeraから商業的に入手可能なタンパク質キナーゼCアッセイキットを利用して行うことも可能である。

0103

上述のPKCアッセイは、GPCR(CSR::T1R)を発現する細胞からの抽出物に対して行う。
活性はまた、PKC活性化によって活性化される遺伝子の制御配列によって駆動するリポーター遺伝子構築物の利用を通して計測可能である。
試験剤の非特異的効果の可能性を排除するためのモックトランスフェクションされた細胞またはその抽出物を有するネガティブコントロールが利用され得る。

0104

MAPキナーゼ活性
MAPキナーゼ活性は、例えばNew England Biolabsのp38MAPキナーゼアッセイキット、またはPerkin-Elmer Life ScienceのFlashPlateTM MAPキナーゼアッセイなど、商業的に入手可能なキットを利用して計測可能である。p42/44MAPキナーゼまたはERK1/2は、GqおよびGi結合GPCRを発現する細胞を利用しているとき、GPCR(CSR::T1R)活性を示すために計測可能であり、GPCR活性化に続く内在性ERK1/2キナーゼのリン酸化を計測するERK1/2アッセイキットはTGR Biosciencesから商業的に入手可能である。

0105

代替的に、知られた合成または天然チロシンキナーゼ基質および標識リン酸塩を通したチロシンキナーゼ活性の直接計測は周知であり、他のタイプのキナーゼ(例えばセリンスレオニンキナーゼ)の活性も同様に計測可能である。

0106

全てのキナーゼアッセイは、精製キナーゼまたは1または2以上のCSR::T1Rポリペプチドを発現する細胞から調製した粗抽出物で行うことができる。利用するキナーゼの基質は、全長タンパク質または基質の代わりとなる合成ペプチドであり得る。Pinna & Ruzzene(1996, Biochem. Biophys. Acta 1314: 191-225)は、キナーゼ活性の検出に有用な複数のリン酸化基質部位を列挙している。複数のキナーゼ基質ペプチドが商業的に入手可能である。特に有用なものは、多くの受容体および非受容体チロシンキナーゼの基質である、「Src−関連ペプチドRRIEAEYAARG(Sigmaから商業的に入手可能)である。いくつかの方法は、ペプチド基質のフィルターへの結合を必要とし、そこでペプチド基質は、結合を促進するために、正味で正に荷電しているべきである。一般的に、ペプチド基質は少なくとも2つの塩基性残基および遊離アミノ末端を有しているべきである。反応は一般的に、0.7〜1.5mMのペプチド濃度を利用する。
試験剤の非特異的効果の可能性を排除するためのモックトランスフェクションされた細胞またはその抽出物を有するネガティブコントロールが利用され得る。

0107

転写レポーター/CSR::T1R応答性プロモーターレポーター遺伝子
レポーター遺伝子アッセイで調節物質を同定するためには、シグナルにおける、少なくとも2倍の増大または10%の減少が有意である。アゴニストは、試験剤の存在下および非存在下における活性を比較したとき、例えば少なくとも2倍、5倍、10倍またはそれ以上刺激する。
CSR::T1Rへのアゴニストの結合によって開始される細胞内シグナルは、細胞内事象カスケードを作動させ、最終結果として1または2以上の遺伝子の転写または翻訳における迅速かつ検出可能な変化をもたらす。
受容体の活性はしたがって、CSR::T1R活性化に応答するプロモーターによって駆動されるレポーター遺伝子の発現の計測によって決定される。

0108

本明細書で使用される「プロモーター」は、遺伝子発現の受容体媒介制御に必要な1または2以上の転写制御エレメントまたは配列であり、これは受容体調節発現に必要な1または2以上の基本プロモーター、エンハンサーおよび転写因子結合部位を含む。CSR::T1Rへのアゴニストの結合の結果もたらされる細胞内シグナルに応答するプロモーターは、選択され、発現または遺伝子産物活性が容易に検出および計測可能な、対応するプロモーター制御レポーター遺伝子に作動可能に連結される。

0109

レポーター遺伝子は、例えばルシフェラーゼCAT、GFP、β−ラクタマーゼβ−ガラクトシダーゼ、およびいわゆる「前初期」遺伝子、c−fosガン原遺伝子、転写因子CREB、血管作動性腸ペプチド(VIP)遺伝子、ソマトスタチン遺伝子、プロエンケファリン遺伝子、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)遺伝子、NF−κBに応答する遺伝子、およびAP−1応答遺伝子(FosおよびJun、Fos関連抗原(Fra)1および2、IκBα、オルニチンデカルボキシラーゼ、およびアネキシンIおよびIIの遺伝子を含む)から選択されてよい。

0110

プロモーターは、当業者には明らかなように、選択されたレポーター遺伝子に応じて選択される。
ルシフェラーゼ、CAT、GFP、β−ラクタマーゼ、β−ガラクトシダーゼおよびその産物の検出のためのアッセイは当該技術分野で周知である。さらなるレポーター遺伝子の例は以下に記載されている。

0111

「前初期」遺伝子は好適であり、速やかに誘導される(例えば受容体とエフェクタータンパク質またはリガンドとの接触から数分以内)。レポーター遺伝子の好ましい特性には、次の1または2以上のものが含まれる:リガンド結合に対する速やかな応答性休眠細胞における低発現または検出できない発現、新たなタンパク質合成の一過性かつ独立した誘導、後続する転写の遮断に新たなタンパク質合成が必要であること、およびこれらの遺伝子から転写されたmRNAが数分から数時間の短い半減期を有すること。同様に、プロモーターも好ましくは、これらの特性を1つ、数個、または全て有している。

0112

c−fosガン原遺伝子は、複数の異なる刺激に応答し、速やかな誘導を有する遺伝子の例である。c−fos調節エレメントは、転写開始に必要なTATAボックス、基本転写のための2つの上流エレメント、および、二回対称性を有するエレメントを含み、TPA、血清、EGF,およびPMAによる誘導に必要なエンハンサーを含む。c−fosのmRNAキャップ部位の上流−317〜−298bpの間に位置する20bpのc−fos転写エンハンサーエレメントは、血清枯渇NIH3T3細胞の血清誘導に不可欠である。2つの上流エレメントのうちの1つは−63〜−57に位置し、cAMP調節のためのコンセンサス配列に類似する。

0113

転写因子CREB(サイクリックAMP応答エレメント結合タンパク質)は細胞内cAMPのレベルに応答する。したがって、cAMPレベルの調節を通してシグナルする受容体の活性化は、転写因子の結合か、またはCREB結合エレメント(CRE、またはcAMP応答エレメントと称する)に連結されたレポーター遺伝子の発現を検出することで決定可能である。CREのDNA配列はTGACGTCAである。CREB結合活性に応答するレポーター構築物は米国特許第5,919,649号に記載されている。

0114

他の好適なレポーター遺伝子およびそのプロモーターは、血管作動性腸ペプチド(VIP)遺伝子およびcAMP応答性のそのプロモーター、ソマトスタチン遺伝子およびcAMP応答性のそのプロモーター、プロエンケファリンおよびcAMP、ニコチンアゴニスト、およびホルボールエステルに応答性のそのプロモーター、およびホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)遺伝子およびcAMP応答性のそのプロモーターを含む。

0115

GPCR活性の変化に応答するレポーター遺伝子およびそのプロモーターのさらなる例は、AP−1転写因子およびNF−κBを含む。AP−1プロモーターは、回文配列TGA(C/G)TCAであるコンセンサスAP−1結合部位により特徴付けられる。AP−1はまた、ホルボールエステル12−O−テトラデカノイルホルボール−β−アセテート(TPA)を含む腫瘍プロモーターによる誘導の媒介に関与しており、したがって、TPA応答性エレメントとして、TREと呼ばれることもある。AP−1は、増殖刺激に対する細胞の早期の応答に関与する複数の遺伝子を活性化する。AP−1応答性遺伝子の例は、FosおよびJun(タンパク質それ自体がAP−1活性を組成する)、Fos関連抗原(Fra)1および2、IκBα、オルニチンデカルボキシラーゼ、およびアネキシンIおよびIIの遺伝子を含む。

0116

NF−κBプロモーター/結合エレメントはコンセンサス配列GGGGACTTTCCを有する。多くの遺伝子がNF−κB応答性であると同定されていて、その制御エレメントをリポーター遺伝子と連結し、GPCR活性を監視することが可能である。NF−κBに応答する遺伝子は、例えばIL−1β、TNF−α、CCR5、P−セレクチン、Fasリガンド、GMCSFおよびIκBαをコードするものを含む。NF−κB応答性レポーターをコードするベクターは当該技術分野で知られているか、または当該技術分野の通常の技術、例えば合成NF−κBエレメントおよび最小プロモーターを用いて、またはNF−κB制御に従うことが知られる遺伝子のNF−κB応答性配列を用いて容易に形成可能である。さらに、NF−κB応答性レポーター構築物は、例えばCLONTECHから商業的に入手可能である。

0117

与えられたプロモーター構築物は、構築物をトランスフェクトしたGPCR(CSR::T1R)発現細胞を、アゴニスト(例えばN−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミド)に曝露することで簡単に試験することができる。アゴニストに応答するレポーター遺伝子の発現における、少なくとも2倍の増大は、レポーターがGPCR(CSR::T1R)活性を計測するのに適していることを示す。
転写アッセイのためのコントロールは、GPCR(CSR::T1R)を発現しないがレポーター構築物を保持している細胞、およびプロモーターのないレポーター構築物を有する細胞の両方を含む。

0118

レポーター遺伝子の活性化によって示されるGPCR(CSR::T1R)活性を調節する剤は、他のプロモーターおよび/または他の受容体を用いて、シグナルのGPCR(CSR::T1R)特異性立証し、およびその活性範囲を決定することによって立証可能であり、これにより、あらゆる非特異的シグナル、例えばレポーター遺伝子経路経由の非特異的シグナルなどを排除する。

0119

イノシトールリン酸(IP)計測
ホスファチジルイノシトール(PI)加水分解は、少なくとも48時間またはそれ以上の3H−ミオイノシトールによる細胞標識を伴う、米国特許第5,436,128号に記載されているように決定されてよい。標識細胞は試験剤に1時間接触させ、次いでそれらの細胞を溶解し、クロロホルムメタノール−水に抽出する。その後、イノシトールリン酸をイオン交換クロマトグラフィで分離し、シンチレーションカウンティングで定量する。アゴニストに関して、刺激比(fold stimulation)は、試験剤の存在下における計数毎分cpm)の、緩衝液コントロールの存在下でのcpmに対する比を計算して決定される。同じように、阻害物質、アンタゴニストおよび逆アゴニストに関して、阻害比は、試験剤の存在下における計数毎分(cpm)の、緩衝液コントロール(アゴニストを含有してもしなくてもよい)の存在下でのcpmに対する比を計算して決定される。

0120

結合アッセイ
リガンド結合に対する機能的応答に起因するパラメータ変化を計測する上述の機能的アッセイに代えて、リガンド結合を、CSR::T1R受容体へのリガンドの結合を計測する結合アッセイで決定してもよい。
結合アッセイは当該技術分野で周知であり、溶液中、任意に固相に付着した二重膜中、脂質単層中、または小胞中で試験可能である。CSR::T1Rポリペプチドへの調節物質の結合は、例えば分光特性(例えば蛍光、吸収、または屈折率)の変化の計測、水力学的手法(例えば外見の採用)、およびクロマトグラフィ、CSR::T1Rポリペプチドの可溶特性の計測等によって決定可能である。1つの態様において、結合アッセイは生物化学的であり、組換えCSR::T1Rポリペプチドを発現する細胞/組織からの膜抽出物を利用する。結合アッセイは、例えば、T1RについてAdler et al.によってUS20050032158の段落[0169]から[0198]に記載されているように実施することができる。

0121

CSR::T1R受容体ポリペプチドおよび核酸、ならびに実質的に相同なポリペプチドおよび核酸
本明細書に記載されている方法に有用なCSR::T1Rキメラタンパク質は、配列番号2、配列番号4、配列番号2および配列番号4のキメラヘテロダイマー、配列番号2と野生型T1R3とのヘテロダイマー、および配列番号4と野生型T1R1とのヘテロダイマーから選択されるポリペプチドからなる群から選択されてよい。

0122

あるいは、CSR::T1Rキメラタンパク質(またはCSR::T1Rをコードする核酸配列)は、上記ポリペプチドと実質的に相同であって、依然として機能的である(すなわちリガンドと結合するおよび/またはリガンドによって活性化される、またはかかる受容体をコードしている)レセプター(またはかかるCSR::T1R受容体をコードする核酸配列)であってよい。

0123

実質的に相同なCSR::T1Rキメラタンパク質は、T1R1またはT1R3部分が、対立遺伝子変異体またはマウス、ラット、ハムスターサル、およびイヌ由来のT1R1および/またはT1R3を含む、異なる種の関連する部分に置き変えられているかかるタンパク質を含む。
さらに、実質的に相同なCSR::T1R核酸またはポリペプチド配列は、保存的変異および/または点変異により形成されてもよく、下記のあらゆる保存的に改変された変異体を含む。

0124

核酸配列について、保存的に改変された変異体は、同一のまたは本質的に同一のアミノ酸配列(保存的に置換されたアミノ酸、すなわちアルギニン差し替えられたリシンおよび下記に説明されているさらなる例など)をコードする核酸を意味する。

0125

遺伝コード縮重によって、配列は異なるが機能的に同一な複数の核酸が任意の与えられたポリペプチド/タンパク質をコードする。かかる核酸変異は「サイレント変異」であり、保存的に改変された変異の1種である。ポリペプチドをコードするそれぞれの核酸配列はまた、全ての可能な核酸のサイレント変異を記載している。したがって、それぞれの核酸中のコドン(通常メチオニン唯一のコドンであるAUG、および通常トリプトファンの唯一のコドンであるTGGを除く)は、同一のポリペプチドを産生する機能的に同一の核酸配列を得るために改変し得る。したがって、ポリペプチドをコードする核酸のそれぞれのサイレント変異は、それぞれの与えられた核酸配列に内在する。

0126

アミノ酸配列について、アミノ酸置換は、かかる変化をCSR::T1R配列に導入するのに利用することができる、PCR、遺伝子クローニング、cDNAの部位特異的突然変異誘発法、宿主細胞のトランスフェクション、およびインビトロ転写を含む、遺伝子組換え技術の知られた手順を利用して導入することができる。次いで、変異体を、味覚細胞特異的GPCR機能活性についてスクリーニングすることができる。機能的に類似しているアミノ酸を提供する保存的置換表は当該技術分野で周知である。例えば、保存的置換を選択する1つの典型的な指針は(オリジナルの残基の後に典型的な置換が続く):ala/glyまたはser、arg/lys、asn/glnまたはhis、asp/glu、cys/ser、gln/asn、gly/asp、gly/alaまたはpro、his/asnまたはgln、ile/leuまたはval、leu/ileまたはval、lys/argまたはglnまたはglu、met/leuまたはtyrまたはile、phe/metまたはleuまたはtyr、ser/thr、thr/ser、trp/tyr、tyr/trpまたはphe、val/ileまたはleuを含む。

0127

代替的な典型的な指針は、お互いが保存的置換であるアミノ酸をそれぞれ含有する後続の6群:1)アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T)、2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、4)アルギニン(R)、リシン(K)、5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、および6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)を利用する。
他の代替的な指針は、全ての荷電アミノ酸を、正であるか負であるかで、相互の保存的置換を認めるものである。加えて、コードされた配列における単一のアミノ酸または小さい割合(例えば26%まで、20%まで、10%まで、または5%まで)のアミノ酸を変化させ、追加し、または削除する個別の置換、欠失または付加もまた保存的に改変された変異とみなされる。

0128

実質的に相同なヌクレオチドまたはポリペプチド配列は、以下に示す配列同一性の度合いを有するか、または以下に示すある一定のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。

0129

%配列同一性
実質的に相同なヌクレオチド配列は、例えば少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%の%配列同一性を有する。
実質的に相同なポリペプチド配列は、例えば少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%の%配列同一性を有する。

0130

配列同一性の計算は、後述のように決定される。
BLAST(Basic Local Alignment Serch Tool)は、http://www.ncbi.nlm.nih.govで利用可能なプログラムblastnに使用されているヒューリスティック検索アルゴリズムである。他のヌクレオチド配列に対するヌクレオチドクエリー配列の%同一性を決定するために、10のEXPECT(データベース配列に対する一致を報告するための統計学的に有意な閾値)、およびDUSTフィルタリングを含む、BLASTバージョン2.2.1.3のデフォルトパラメーターを用いて、Blastnが利用される。他のポリペプチド配列に対するポリペプチドクエリー配列の%同一性を決定するために、10のEXPECT、およびDUSTフィルタリングを含む、BLASTバージョン2.2.1.3のデフォルトパラメーターを用いて、Blastpが利用される。

0131

ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件
ヌクレオチド配列は、本明細書で提示するヌクレオチド配列、またはその相補体と、以下に詳述するストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で選択的にハイブリダイズできた場合、実質的に相同であると考えられる。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、50%のホルムアミド、5×SSC、および1%のSDSからなる溶液中の42℃の温度、および0.2×SSCおよび0.1%のSDS(1×SSC=0.15MのNaCl、0.015Mのクエン酸ナトリウム、pH7.0)からなる溶液中での65℃での洗浄である。

0132

バックグラウンドハイブリダイゼーションは、他のヌクレオチド配列が、例えばスクリーニングされるcDNAまたはゲノムDNA中に存在するために起こり得る。
標的DNAで観察された特異的相互作用の2倍以下の強度または任意に10倍以下の強度のシグナルは、バックグラウンドであると考えられる。相互作用の強度は、例えば、プローブを、例えば32Pによって放射性標識して計測することができる。

0133

調節物質を同定するためのキット
キットは、例えば、CSR::T1R、もしくはそれと実質的に相同な配列を発現する組換え細胞を含み、かつ、CSR::T1Rのアゴニスト、例えば、限定することなく、塩化カルシウム、N−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミドCAS番号745047−97−6などを含む、スクリーニングキットまたはハイスループットスクリーニングキットである。
カルシウムを含むキットの利用は、野生型受容体またはキメラタンパク質のT1R1およびT1R3部分ではなく、キメラタンパク質のみに結合し、それを活性化するという利点を有する。

0134

任意に、細胞はさらに例えばカルシウムシグナリングのためのGタンパク質を含む。好適なGタンパク質は既知であり、上述されており、当業者は必要な場合にそれをどのように細胞に導入すればよいかを承知している。非常に有用なキメラGタンパク質は、WO2004/055048に記載されているGアルファ16−ガストデューシン44である。
アゴニストは、例えば1nM〜10mM、または0.1マイクロM〜1ミリM、例えば0.1マイクロM〜100マイクロMなどの好適な濃度で提供される。
好適な濃度は、例えば、塩化カルシウムについては0.2〜20mM、N−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミドについては5〜500μMである。

0135

キットの任意構成要素は、提供される組換え細胞を培養するための好適な培地、および、細胞をその上で成長させるための固体支持体、例えば細胞培養皿またはマイクロタイタープレートなどを含んでよく、これらの任意構成要素は当業者が容易に入手できる。
キットは以下のように利用されてよい:
(i)CSR::T1Rキメラタンパク質を発現する組換え細胞を固体支持体上で成長させる。
(ii)約1nMから100mMまたはそれ以上までの濃度の試験剤を、所定のプレートまたはウェルの培養培地に好適な濃度のアゴニストの存在下で加える。
(iii)細胞の機能的応答の変化が、試験剤の存在下および非存在下での応答を比較することで決定され、その結果試験剤が調節物質であり得るかどうかが決定される。

0136

例えば、(iii)は上述のアッセイのいずれかに従い、上述の受容体活性を報告する検出方法のいずれかと組合せて行うことができる。これは、同じく上述された、特別に選択したまたは適応させた組換え細胞を必要とすることがある。好適なアッセイは、例えば、CSR::T1Rの活性化および試験剤に応答したその変化を決定するためのカルシウムフラックスアッセイである。

0137

キットは増強物質を同定するために以下のように利用することができる:
(i)CSR::T1Rキメラタンパク質を発現する組換え細胞を固体支持体上で成長させる。
(ii)約1nMから100mMまたはそれ以上の濃度の試験剤を、所定のプレートまたはウェルの培養培地に好適な濃度のカルシウムアゴニスト(例えば、限定することなく、塩化カルシウムの形態のもの)の存在下で加える。
(iii)カルシウムに対する細胞の機能的応答の変化が、試験剤の存在下および非存在下での応答を比較することで決定され、その結果試験剤が増強物質であると決定される。
好適な塩化カルシウムの濃度は、例えば、約0.2〜20mM、または0.5〜10mM、または約1mMである。

0138

同定された増強物質の確認
上述の方法によって同定された増強物質は、フレーバリストパネルまたは試験者に同定された調節物質をテイスティングさせる単純な官能試験によって簡単に確認し得る。化合物は、例えば、うま味を確認するために水中で、またはうま味を増強する調節物質であることを確認するためにうま味物質と一緒に、調節物質のないネガティブコントロールと比較してテイスティングする。

0139

規模スクリーニングアッセイ
上述の転写レポーターアッセイおよびほとんどの細胞ベースのアッセイは、ライブラリーをCSR::T1R活性を調節する剤についてスクリーニングするのに適している。
アッセイは、アッセイ工程の自動化および、典型的には平行して実行される(例えばロボットアッセイにおけるマイクロタイタープレート上のマイクロタイター形式など)、任意の好都合な給源からの化合物のアッセイへの供給によって、巨大化学的ライブラリをスクリーニングするように設計され得る。

0140

アッセイは、多くの潜在的調節物質を含むコンビナトリアルケミカルまたはペプチドライブラリーの提供を伴う、ハイスループットスクリーニング法で実行されてもよい。かかるライブラリーは、次いで、上述の活性を呈するライブラリー剤(特に化学種またはサブクラス)を同定するために、上述の1またはそれ以上のアッセイでスクリーニングされる。こうして同定された調節物質は直接利用でき、または、誘導体を製造および試験することでさらなる調節物質を同定するためのリードとして利用することができる。
合成化合物ライブラリは、Maybridge Chemical Co.(Trecillet, Cornwall, UK)、Comgenex(Princeton, N.J.)、Brandon Associates(Merrimack, N.H.)、およびMicrosource(New Milford, Conn.)を含む多くの企業から商業的に入手可能である。

0141

試験剤のライブラリ
コンビナトリアルケミカルライブラリは、試薬などの多くの化学的「ビルディングブロック」の組合せることにより、化学合成または生物学的合成のいずれかによって生成された様々な化学化合物コレクションである。例えば、ポリペプチドライブラリなどのリニアコンビナトリアルケミカルライブラリは、所定の化合物長(すなわち、ポリペプチド化合物中のアミノ酸の数)について、化学的ビルディングブロック(アミノ酸)のセットをあらゆる可能な方法で組合せることによって形成される。何百万もの化学的化合物が、かかる化学的ビルディングブロックの組合せ混合を通して合成可能である。
レアケミカルライブラリはAldrich(Milwaukee, Wis.)から入手可能である。

0142

細菌、真菌、植物および動物抽出物の形態の天然化合物のライブラリは、例えばPan Laboratories(Bothell, Wash.)またはMycoSearch(NC)から商業的に入手可能であり、あるいは、当該技術分野で周知の方法で容易に生成可能である。さらに、天然および合成的に産生されたライブラリおよび化合物は、慣用の化学的、物理的および生化学的手法で容易に改変される。
他のライブラリとしては、タンパク質/発現ライブラリ、例えば食物、植物、動物、細菌を含む天然給源からのcDNAライブラリ、1または2以上のポリペプチドをランダムにまたは体系的に変異させた変異体を発現するライブラリ、および1つの細胞または組織のmRNA内容を発現させるのに利用されるウィルスベクターでのゲノムライブラリを含む。

0143

ハイスループットアッセイでは、数千の異なる調節物質またはリガンドを1日でスクリーニングすることが可能である。特に、マイクロタイタープレートの各ウェルは、選択された潜在的調節物質に対する別個のアッセイの実施に利用でき、または、濃度またはインキュベーション時間の効果を観察すべき場合、各5〜10ウェルで1つの調節物質を試験可能である。したがって、1つの標準的なマイクロタイタープレートは約100の調節物質をアッセイ可能である。1536ウェルプレートを利用した場合、1つのプレートは、約100から約1500の異なる化合物を、簡単にアッセイ可能である。1日にいくつかの異なるプレートをアッセイ可能なので、約6,000〜20,000の異なる化合物のためのアッセイスクリーニングが可能である。

0144

本アッセイ方法でCSR::T1Rの調節効果を試験し得る試験剤のタイプ
試験剤は、小化学化合物、化学ポリマー、生物ポリマー、ペプチド、タンパク質、糖、炭水化物、核酸および脂質を含む任意の剤であってもよい。剤は、合成化合物、化合物の混合物、天然産物または天然サンプル、例えば植物抽出物培養上清、または組織サンプルなどであり得る。

0145

うま味を調節し得る、例えばうま味を引き起こしまたは増強し得る化合物の例としては、グルタミン酸塩またはグルタミン酸モノナトリウム(MSG)を含むその塩の1つ、イノシンモノリン酸(IMP)、およびグアノシンモノリン酸(GMP)を含む。
同定されたうま味物質の調節物質は、例えばN−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)—N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミドを含む。うま味物質の調節物質はうま味感覚を引き起こし(アゴニスト)、増強しまたは阻害することができる。合成うま味アゴニストおよび/またはうま味調節物質の他の例はまた、WO2005041684または関連出願US2006045953に見出すことができる。

0146

消費材食料製品、飲料、口腔ケア製品、およびかかる製品に混合するための組成物、特にフレーバー組成物を含む。フレーバー組成物は、加工食品または飲料にその加工の最中に添加することができ、またはそれら自身が、例えばソースなどの調味料などの消費材となり得る。おいしい消費材は通常塩または塩の代替物を含み、かかるおいしい消費材の例は、これに限定するものではないが、ポテト製品チップスクリスプシリアル製品、コメ製品、タピオカ製品、サゴ製品、パン屋製品、ペストリー製品パン製品酵母製品、塩および香辛料製品、マスタード製品、酢製品、ソース(調味料)、加工食品、調理果物および野菜製品、肉および肉製品卵製品ミルクおよび乳製品ヨーグルトチーズ製品バターおよび代替バター製品、代替乳製品、大豆製品食用油および油脂製品、飲料、アルコール飲料ビールソフトドリンク錠剤トローチドロップ乳剤エリキシル剤シロップおよび飲料を製造するための他の調製物食品抽出物、植物抽出物、肉抽出物、調味料およびそれらの組み合わせを含む。

0147

核酸およびタンパク質の配列
本明細書に記載の構築物および方法に用いた配列は、後述の配列表に見出すことができる。
配列番号1はCSR::T1R1キメラタンパク質をコードするヌクレオチド/核酸配列に対応し、配列番号2はCSR::T1R1キメラタンパク質のポリペプチド/アミノ酸配列に対応している。
配列番号3はCSR::T1R3キメラタンパク質をコードするヌクレオチド/核酸配列に対応し、配列番号4はCSR::T1R3キメラタンパク質のポリペプチド/アミノ酸配列に対応している。

0148

2つのサブユニットを含む複合体として一緒になって、CSR::T1R1キメラタンパク質およびCSR::T1R3キメラタンパク質は機能的キメラうま味受容体を形成する。
トランスフェクトされた構築物において、新規なキメラタンパク質をコードする核酸(配列番号1または3)のC末端に、HSVタグを後続させる(配列番号5)。
得られるタンパク質はしたがって次のアミノ酸を含有する:配列番号5が後続する配列番号1、配列番号5が後続する配列番号3のアミノ酸。

0149

T1R1/T1R3受容体複合体の、既知のT1R1およびT1R3サブユニットの既知の全長核酸及びタンパク質配列は、T1R1については配列番号7+8に、T1R3については配列番号9+10に与えられている。
既知の全長hCaSR受容体核酸およびタンパク質配列は配列番号11+12に与えられている。

0150

配列番号1+2:CSR::T1R1核酸+タンパク質
配列番号3+4:CSR::T1R3核酸+タンパク質
配列番号5+6:C末端のHSVタグ核酸+タンパク質
配列番号7+8:T1R1(全長コード配列)核酸+タンパク質
配列番号9+10:T1R3(全長コード配列)核酸+タンパク質
配列番号11+12:hCaSR核酸+タンパク質
配列番号13〜18:プライマー配列、例2および例3を比較

0151

これより以下に、上述の方法を例証する一連の例が続く。以下の例は単なる例示であって、いかようにも本ポリペプチド、核酸、発現ベクター、宿主細胞、方法またはキットを限定すると解すべきではない。

0152

実施例
全ての例は、ヒトT1R1、T1R3およびhCaSRに由来するDNA配列を用いる。
例1
Fluo−4カルシウムアッセイ
Fluo−4は、細胞内カルシウムの蛍光指示薬であり、細胞内カルシウム濃度の変化、特にリガンド添加後に起こる受容体活性化に応答した増加の決定を可能にする。
Gα16−ガストデューシン44を安定発現するHEK293細胞を宿主細胞として利用し、例4に記載のとおりに様々な構築物でトランスフェクトした。

0153

黒く、底が透明な96ウェルプレートを全てのアッセイで利用した。アッセイの前日、プレートに、ウェル毎に8500個のトランスフェクト細胞を播種し、用いた細胞に適した成長培地中、37℃で一晩維持した。HEK293細胞については、高グルコース、L−グルタミン、塩酸ピロキシジンを含有し、10%ウシ胎仔血清を添加したダルベッコ改変イーグル培地をHEK293細胞の成長および維持に利用した。

0154

アッセイの際に成長培地を廃棄し、細胞を1時間(37℃にて暗所で)、低カルシウムC1緩衝溶液に溶解した1.5μMのFluo−4AM(Molecular ProbesTM, Invitrogen, US)および2.5μMのプロベニシド(Sigma-Aldrich)からなる50μlのカルシウムアッセイ溶液でインキュベートした。低カルシウムC1緩衝溶液は130mMのNaCl、5mMのKCl、10mMのHepes、0.5mMのCaCl2(2mMから減じてある)および10mMのグルコース(pH7.4)を含有する。

0155

最初の1時間の負荷期間の後、プレートをウェルあたり100μlの低カルシウムC1緩衝液で5回、自動プレート洗浄機(BioTek)を利用して洗浄し、洗浄の後、Fluo−4−AMの完全な脱エステル化をもたらすために、プレートを室温にて30分間暗所でさらにインキュベートした。緩衝溶液を廃棄し、プレートを100μlの低カルシウムC1洗浄緩衝液で5回洗浄し、最終的に細胞を180μlの低カルシウムC1洗浄緩衝液中に入れた。
アッセイの読み取りのため、プレートをFLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR-Tetra, Molecular Devices))中に置き、受容体活性化を、低カルシウムC1緩衝液中で調製した20μlの10×濃縮リガンドストック溶液の添加後に開始させた。
蛍光は、リガンド添加前15秒間およびリガンド添加後105秒間で継続的に監視した(45〜105秒で十分であろう)。

0156

受容体活性化は基準蛍光(F0)で標準化されたピーク蛍光(F)の増大によって決定される。データは次の方程式を用いて標準化される:
ΔF/F=(F−F0)/F0
式中、Fはピーク蛍光シグナルであり、F0は基準蛍光シグナルであり、ここで基準蛍光はリガンド添加前の最初の10〜15秒について計算した平均蛍光を表す。この値はトランスフェクトされた受容体の直接的または間接的な相互作用に応答した細胞のカルシウム増加(「シグナル」)に対応して得られた。

0157

ネガティブコントロールとして、モックトランスフェクションした細胞を同濃度のリガンドに曝露し、シグナルに対応しない微量のカルシウム濃度を決定した。
活性化された受容体を有する細胞は、ネガティブコントロールを有意に上回るシグナル(ΔF/F)によって同定した。

0158

例2
CSR::T1R1ベクター構築物の調製
CSR::T1R1キメラcDNAベクター構築物は、PCRによって生成された2つのDNA断片を、両方のPCR産物、すなわちhCaSRの細胞外アミノ末端ドメイン(ATD)およびシステインリッチドメイン(CRD)(1−Lys601)を含むPCR産物と膜貫通ドメイン(TMD)およびThr610から始まるC末端を含むT1R1断片を表すPCR産物、にある共通の制限酵素部位を介して連結することによって作出した。

0159

CSR::T1R1キメラDNAの作製を容易にするために、BsiWI部位を、上述の2つの断片を形成するために利用したプライマーに導入した。これらの導入部位および適した制限酵素を当該技術分野で周知のバッファーおよび条件下で利用し、断片を酵素ライゲーションによって連結した。

0160

形成されたPCR産物/断片中のこれらのBsiWI部位は、hCaSRのATD断片のC末端およびT1R1断片のN末端にそれぞれ位置し、キメラDNAの2つのPCR産物/断片のライゲーションを可能にする。このBsiWI部位の組み込みは、本来のhT1R1配列を、本来のhT1R1配列のThr609/Var610が得られた配列においてArg609/Thr610に変換された配列に変換する。CSR::T1R1キメラcDNA断片を含む断片を、以下に与えられる配列番号13〜16の特異的プライマーを用いて、Platinum Taq High Fidelity Polymeraseを用いたPCRを利用して増幅した。Fはフォワードプライマーを示し、Rはリバースプライマーを示す。
下線文字は、後続するPCR産物のサブクローニングのための、プライマー内に存在する制限部位を示す。

0161

hCaSR−ATDプライマーF(配列番号13)
ACCAAGCTATGCATTTTATAGCTGC
hCaSR−ATDプライマーR(配列番号14)
ATATCGTACGCTTGGCAATGCAGGAGGT
TAS1R1−断片プライマーF(配列番号15)
ATATCGTACGGTGTTTTTGGCTTTGCGT
TAS1R1−断片プライマーR(配列番号16)
ATATGCGGCCGCAGGTGGAGCCGCAGCGCCT

0162

PCR増幅のための鋳型は、ヒトCaSRをコードする全長cDNA(Origene Inc., USAから商業的に入手可能)、またはヒト茸状乳頭味覚組織から作出したcDNAライブラリーから単離したヒトT1R1をコードする全長cDNAであった。PCR反応パラメータは、94℃で5分の後、94℃で45秒、54℃で15秒および72℃で2分を35サイクル、その後最終伸張サイクルとして72℃で10分であった。

0163

得られた核酸断片ゲル電気泳動によって分離し、精製し、およびpCR−Topo−IIベクター(Invitrogen)にサブクローニングし、PCR増幅によって起こった変異が無いことを保証するために、得られたクローンをDNAシークエンシングによって確認した。
シークエンシングの後、挿入物をpcDNA4/TO(Invitrogen, USAから購入)に基づく発現カセットベクター構築物に3ピースライゲーションによりサブクローニングし、ベクター構築物においてCSR::T1R1キメラcDNA断片のアッセンブリを可能にした。

0164

得られた形成ベクター構築物のC末端は単純ヘルペスウィルス(HSV)糖タンパク質エピトープをコードしており、このエピトープに結合する特異抗体を利用した免疫細胞化学研究に利用可能である。CSR:T1R1cDNAを有する得られたCSR:T1R1ベクター構築物は、(アミノ末端からC末端方向に)配列番号6(HSVエピトープ)が後続する配列番号2(CSR:T1R1)の連結アミノ酸配列であるCSR:T1R1:HSVタンパク質の発現を可能にする。

0165

例3
CSR::T1R3ベクター構築物の調製
CSR::T1R3キメラcDNAベクター構築物は、PCRによって生成された2つのDNA断片を、両方のPCR産物にある共通の制限酵素部位を介して連結、すなわちhCaSRの細胞外アミノ末端ドメイン(ATD)およびシステインリッチドメイン(CRD)(1〜Lys601)を含むPCR産物とその膜貫通ドメイン(TMD)およびArg609から始まるそのC末端を含むT1R3の断片のPCR産物とを連結することによって作出した。
CSR::T1R3キメラDNAの作製を容易にするために、BsiWI部位を、上述の2つの断片を形成するために利用したプライマーに導入した。

0166

形成されたPCR産物/断片中のこれらのBsiWI部位は、hCaSRのATD断片のC末端およびT1R3断片のN末端にそれぞれ位置し、2つの断片のライゲーションを可能にする。BsiWI部位の組み込みは、前のhT1R3のArg609/Ser610をArg609/Thr610に変換された配列を含むベクター構築物をもたらす。導入されたライゲーション部位および適した制限酵素を当該技術分野で周知のバッファーおよび条件下で利用し、断片を酵素ライゲーションによって連結した。

0167

CSR::T1R3キメラcDNA断片を含む断片を、以下に列挙した配列番号17および配列番号18の特異的プライマーを用いて、Platinum Taq High Fidelity Polymeraseを用いたPCRを利用して増幅した。その後、T1R3の増幅PCR産物およびhCaSRの増幅PCR産物(後者は上記例2に記載されているように形成)を、以下に列挙されているプライマー内に導入された制限酵素部位を介してライゲーションした。Fはフォワードプライマーを示し、Rはリバースプライマーを示す。下線文字は、後続するPCR産物のサブクローニングのための、プライマー内に存在する制限部位を示す。

0168

hCaSR−ATD FおよびhCaSR−ATD R
上記例2に示されている配列番号13および配列番号14
TAS1R3−断片プライマーF(配列番号17)
ATATCGTACGCGGTTCCTGGCATGGGGC
TAS1R3−断片プライマーR(配列番号18)
ATATGCGGCCGCACTCATGTTTCCCCTGATT

0169

PCR増幅のための鋳型は、hCaSRをコードする全長cDNA(Origene Inc., USAから購入)、またはヒト茸状乳頭味覚組織から作出したcDNAライブラリーから単離したhT1R3をコードする全長cDNAであった。PCR反応パラメータは、94℃で5分の後、94℃で45秒、54℃で15秒および72℃で2分を35サイクル、その後最終伸張サイクルとして72℃で10分であった。

0170

得られたPCR産物(ライゲーションはPCR産物が確認された後に行われる)はゲル電気泳動によって分離し、精製し、およびpCR−Topo−IIベクター(Invitrogen,USA)にサブクローニングした。PCR増幅によって起こった変異が無いことを保証するために、得られたクローンをDNAシークエンシングによって確認した。

0171

シークエンシングの後、挿入物をpcDNA4/TOベクター(Invitrogen, USAから購入)に基づく発現カセットベクター構築物に3ピースライゲーションによりサブクローニングし、CSR::T1R3ベクター構築物を形成した。形成されたベクター構築物のC末端は単純ヘルペスウィルス(HSV)糖タンパク質Dエピトープをコードしており、このエピトープに結合する特異抗体を利用した免疫細胞化学研究に利用可能である。得られたベクター構築物は、(アミノ末端からC末端方向に)配列番号6(HSVエピトープ)が後続する配列番号4(CSR::T1R3)の連結アミノ酸配列であるCSR::T1R3::HSVタンパク質の発現を可能にする。

0172

例4
CSR::T1R1/CSR::T1R3のトランスフェクション
トランスフェクトされたベクター構築物は、上記のとおりに形成した例2および3に記載されているものを利用した。hCaSRについては、全長cDNAに基づく、商業的に入手可能なpCMVベースのベクター構築物を利用した(TRUECLONE collection, Origene Inc., USA)。

0173

安定的にGα16−ガストデューシン44を発現するHEK293T細胞(WO2004/055048に記載されているように形成した)に、CSR::T1R1、CSR::T1R3ベクター構築物、またはhCaSRを次のようにトランスフェクトした:
0日目に、HEK293T/Gα16−ガストデューシン44細胞を96ウェルの黒い、透明底のプレートに、ウェルあたり8500細胞の密度で播種し、選択的成長培地で一晩成長させた。1日目に、培地を抗生物質不含かつ血清不含の成長培地に変更し、細胞をそれぞれ75ngのCSR:T1R1およびCSR:T1R3(合計150ng)、T1R1およびT1R3(合計150ng)、または75ngのhCaSRベクター構築物DNAおよび0.3μlのリポフェクタミン2000(Invitrogen)を利用してトランスフェクトした。

0174

hCaSRベクターは、カルシウムに感受性であり、カルシウム結合部位が、キメラのVFTが由来するこの受容体のVFT(ビーナスフライトラップドメイン)に存在するため、カルシウムに感受性のGPCRのポジティブコントロールとして利用した。
CSR:T1R1/CSR:T1R3ヘテロダイマーのいずれかのトランスフェクションのため、それぞれ75ngのベクター構築物を、ペア毎に合計150ngになるように組み合わせ、0.3μlのリポフェクタミン2000と一緒に利用した。75ngのhCaSRベクターDNAを、このカルシウム感受モノマーGPCRに利用した。

0175

上述のリポフェクタミン/DNA混合物を細胞上で3〜4時間インキュベートし、その後抗生物質不含の血清含有成長培地に交換した。細胞は一晩成長させ、Fluo−4カルシウムアッセイを例1に記載したように行った。
上記ベクター構築物のうちの1つを一過性にトランスフェクトした細胞を、例1に記載したように蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR-Tetra, Molecular Devices)を利用して同定した。

0176

例5
合成うま味アゴニストによるCSR::T1R1ホモマーおよびCSR::T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマーの活性化
様々なリガンドによる刺激後の細胞内カルシウム応答は、Gα16−ガストデューシン44を安定して発現し、かつCSR::T1R1および/またはCSR::T1R3キメラ構築物をトランスフェクトされたHEK293T細胞において決定した。結果を、モックトランスフェクション細胞または(モノマーhCaSRを形成するために)例5に記載のhCaSRベクター構築物をトランスフェクトされた細胞から得られた結果と比較した。

0177

トランスフェクションは例4に記載されているように実施した。結果は例1に記載されているように計算した(データは刺激後の蛍光における基準値以上の標準化された増大(ΔF/F)を示し、6回の反復実験の平均(AVG)および±標準偏差STD)が与えられている)。トランスフェクトされた細胞を刺激するために次のリガンドを、括弧内に示された濃度で用いた:塩化カルシウム(2mM)、N−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミド(「745047−97−6」)(25μM)、およびグルタミン酸モノナトリウム(2.5mM)とイノシンモノリン酸(0.2mM)との組合せ(下表では「MSG+IMP」と記載)。

0178

得られたカルシウム可動化シグナルは、基準蛍光(F0)によって標準化されたピーク蛍光(F)における増大である。データは次の方程式を用いて標準化される:ΔF/F=(F−F0)/F0、式中Fはピーク蛍光シグナルであり、F0はリガンド添加の前に計測される平均蛍光シグナルによって決定される基準蛍光シグナルである。得られたΔF/F値は、トランスフェクトされた受容体との直接的または間接的な相互作用に応答した細胞のカルシウム増加(「シグナル」)に対応する。

0179

うま味受容体を発現しない、構築物なしでトランスフェクトされた、モックトランスフェクションHEK293T/Gα16−ガストデューシン44細胞は、単にバックグラウンドに対応するシグナルを決定するためにネガティブコントロールとして利用した。
トランスフェクト細胞は、示されたうま味アゴニストおよびカルシウム感知ドメインを含むタンパク質のポジティブコントロール(カルシウム)、およびネガティブコントロール(C1緩衝液)に曝露した。

0180

結果は下表に示されている。
AVG欄は平均ΔF/Fを与え、STD欄は標準偏差を与える。下表は、試験した様々なベクター構築物の各々における、6回の反復実験におけるΔF/F+/−STDの平均変化を示す。

0181

0182

ネガティブコントロール/モックトランスフェクションはバックグラウンドシグナルに対応するシグナルレベルを示す。
ポジティブコントロール(カルシウム)が示すように、カルシウム感知ドメインを有する全てのトランスフェクト細胞はカルシウムに反応した(CSR::T1R1ホモマー、CSR::T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマーおよびhCaSR)。

0183

MSG+IMPの混合物による刺激に対するCSR::T1R1キメラホモマーの反応は観察されなかった。MSG+IMPについて、CSR::T1R1キメラの応答の欠如は、T1R1由来のVFTドメイン、CSR::T1R1キメラに欠損しているドメインであり、理論に束縛されるものではないが、MSGおよびIMPの結合領域を含むと考えられているドメイン、の欠損によるものと考えられる。
hCaSRタンパク質は塩化カルシウムにのみ応答し、試験されたいずれのうま味物質によっても活性化されることができなかった。

0184

塩化カルシウムおよびN−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミド(745047−97−6)について、CSR::T1R1キメラホモマーおよびCSR::T1R1/CSR::T1R3キメラヘテロダイマーを発現する細胞内において顕著なシグナルの増大が観察された。モックトランスフェクションネガティブコントロールまたはC1緩衝液ネガティブコントロールのいずれにおいても応答は観察できなかった。

0185

キメラCSR::T1R1/CSR::T1R3ヘテロダイマーをトランスフェクトした細胞中で検出された塩化カルシウムおよびN−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミド(745047−97−6)シグナルは、ネガティブコントロール(モックトランスフェクトしたHEK293T/Gα16−ガストデューシン44細胞)中で得られた基準シグナルよりも顕著に高く、hCaSR受容体をトランスフェクトした細胞中で得られたシグナルの約50%のシグナル強度であった。

0186

この結果は、CSR::T1R1キメラホモマーおよびCSR::T1R1/CSR::T1R3キメラヘテロダイマーがカルシウムおよびN−(2−メトキシ−4−メチル−ベンジル)−N’−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−オキサルアミド(745047−97−6)によって活性化されることを明示している。

0187

受容体、核酸、ポリペプチド、発現ベクター、宿主細胞、方法およびキットは、上記においてある例示的な態様に関して記載されているが、同様の機能を実施するために、他の同様の態様が利用されてよく、または記載の態様に改変および付加が加えられてもよいと理解されるべきである。さらに、全ての開示された態様は必ずしも互いに排他的ではなく、様々な態様は必要な特性を提供するために組み合わせてもよい。当業者は、本開示の精神と範囲から離れることなく変更を加えることができる。したがって、本受容体、核酸、ポリペプチド、発現ベクター、宿主細胞、方法およびキットは、いかなる単一の態様に限定されるべきではなく、むしろ請求項の記載にしたがった幅および範囲をもって解釈されるべきである。

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