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技術 ニックまたはギャップの入った核酸分子およびそれらの使用

出願人 エムディーアールエヌエー,インコーポレイテッド
発明者 クウェイ,スティーブン,シー.マクスヴィッゲン,ジェイムズヴァイシュ,ナレンドラ,ケイ.アーマディアン,モハマド
出願日 2007年10月18日 (13年1ヶ月経過) 出願番号 2009-533539
公開日 2010年3月4日 (10年8ヶ月経過) 公開番号 2010-506598
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 ナノ構造物 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 突然変異または遺伝子工学 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬
主要キーワード ろ過管 非オーバーラップ領域 ステム部位 クローバー型 擬回転 三分岐 保護水 整数範囲
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重要な関連分野

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図面 (12)

課題・解決手段

本開示は、標的遺伝子発現を減少またはサイレンスするメロデュープレックスニックまたはギャップの入った)リボ核酸分子(mdRNA)を提供する。本開示のmdRNAは、結合してニックまたはギャップで分離された2つの非重複二本鎖領域を形成し、ここで、1本の鎖が標的遺伝子RNAに相補的である。さらに、メロデュープレックスは、ヌクレオチド塩基、糖、末端キャップ構造、ヌクレオチド間結合、またはそのような修飾の任意の組み合わせ等の、1つ以上の修飾または置換を有してよい。標的遺伝子の発現の変動に関連する疾病治療のために、細胞中または被験体において標的遺伝子の発現を減少させる方法もまた、提供する。

概要

背景

RNA干渉(RNAi)とは、標的メッセンジャーRNAの一部に相同二本鎖RNAdsRNA)等の阻害核酸分子によって仲介される、動物における配列特異性転写後の遺伝子サイレンシング細胞プロセスに関する(Fire et al.,Nature 391:806,1998;Hamilton et al.,Science 286:950−951,1999)。RNAiは、哺乳類を含む種々の生物で観察されている(Fire et al.,Nature 391:806,1998;Bahramian and Zarbl,Mol.Cell.Biol.19:274−283,1999;Wianny and Goetz,Nature Cell Biol.2:70,1999)。RNAiは、培養哺乳類細胞に、外因性で21ヌクレオチドの合成RNA二重鎖を導入することにより誘導できる(Elbashir et al.,Nature 411:494,2001a)。

dsRNAが標的遺伝子サイレンシングを仲介するメカニズムは、2つの段階を含むものとして記述できる。第1段階は、21〜23ヌクレオチドを有し約19の塩基対二本鎖域を含む短干渉RNA(siRNAs)への、ダイサー(Dicer)と呼ばれるRNA分解酵素III型様の酵素による、長いdsRNAの分解を含む(Berstein et al.,Nature 409:363,2001;Elbashir et al.,Genes Dev.15:188,2001b;and Kim et al., Nature Biotech.23(2):222,2005)。RNAi遺伝子サイレンシングの第2段階は、siRNAからの鎖(ガイド鎖またはアンチセンス鎖)を1本およびアルノートタンパク質を有する多成分ヌクレアーゼ活性化し、RNA誘導サイレンシング複合体(「RISC」)を形成することを含む(Elbashir et al.,Genes Dev.15:188,2001)。Argonauteはまず二本鎖siRNAと結合し、次いで非導入鎖(non−incorporated鎖)(パッセンジャー鎖またはセンス鎖)をヌクレオチド鎖切断(endonucleolytically cleave)し、その遊離を、結果として生じる、切断した二重鎖の熱力学不安定性によって促進する(Leuschner et al.,EMBO 7:314,2006)。活性化RISC中のガイド鎖は、相補的な標的mRNAに結合し、そのmRNAを切断して遺伝子サイレンシングを促進する。標的RNAの切断は、ガイド鎖に相補的な標的領域の中央で生じる(Elbashir et al.,2001b)。

標的特有の遺伝子サイレンシングは、外因的にsiRNAを付加することで達成できるが、非標的遺伝子の非特異的サイレンシング(オフターゲット効果(off−target effect)と称される)は難題となり得る(例えば、Jackson et al.,Nat.Biotechnol.21:635,2003;Du et al.,Nucleic AcidsRes.33:1671,2005 参照)。したがって、遺伝子サイレンシングを仲介する代替dsRNA分子および方法に対する当分野における需要が、依然存在する。本開示はそのような需要を満たし、さらにその他の関連する利点も提供するものである。

概要

本開示は、標的遺伝子の発現を減少またはサイレンスするメロデュープレックスニックまたはギャップの入った)リボ核酸分子(mdRNA)を提供する。本開示のmdRNAは、結合してニックまたはギャップで分離された2つの非重複二本鎖領域を形成し、ここで、1本の鎖が標的遺伝子RNAに相補的である。さらに、メロデュープレックスは、ヌクレオチド塩基、糖、末端キャップ構造、ヌクレオチド間結合、またはそのような修飾の任意の組み合わせ等の、1つ以上の修飾または置換を有してよい。標的遺伝子の発現の変動に関連する疾病治療のために、細胞中または被験体において標的遺伝子の発現を減少させる方法もまた、提供する。なし

目的

本開示は、遺伝子サイレンシングが可能な二本鎖核酸分子を提供し、より具体的には、例えば、RNA干渉および標的遺伝子の発現もしくは標的遺伝子に影響される遺伝子に関連する疾患の治療または予防のためのそのような二本鎖RNAの使用により、標的遺伝子の発現を減少させる鎖を少なくとも3本含むニックの入った二本鎖RNA(dsRNA)またはギャップの入った二本鎖RNAを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
5件

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請求項1

15〜30ヌクレオチドの長さを有し標的RNAに相補的なA鎖と、5〜25ヌクレオチドの長さを有するS1鎖と、5〜25ヌクレオチドの長さを有するS2鎖と、を含むリボ核酸であって、ここで:(a)前記S1鎖と前記A鎖がアニールして、長さ5〜13塩基対の第一の二本鎖領域を形成し;(b)前記S2鎖と前記A鎖がアニールして、第二の二本鎖領域を形成し;(c)前記第一の二本鎖領域がギャップによって前記第二の二本鎖領域と分離されて、前記ギャップは前記A鎖の1〜10の不対ヌクレオチドであり、前記ギャップは前記第一の二本鎖領域と前記第二の二本鎖領域の間に存在し;そして、(d)前記リボ核酸が、0、1、または2つのオーバーハングを有し、ここで、前記オーバーハングは前記ギャップ中になく、それぞれが独立して、1〜5ヌクレオチドの長さである;リボ核酸。

請求項2

A鎖と、S1鎖と、S2鎖とを含むリボ核酸であって、ここで:前記A鎖が、18〜25ヌクレオチドの長さを有するアンチセンス鎖であり;前記S1鎖が、5〜15ヌクレオチドの長さを有し;前記S2鎖が、3〜13ヌクレオチドの長さを有し;前記S1鎖と前記S2鎖の長さの合計が、18〜25ヌクレオチドで;前記A鎖、S1鎖、およびS2鎖が、第一の二本鎖領域と第二の二本鎖領域とを形成し;前記第一の二本鎖領域が、ギャップによって前記第二の二本鎖領域と分離されて、前記ギャップは前記第一の二本鎖領域と前記第二の二本鎖領域の間の前記A鎖の単鎖領域であり、ここで、前記ギャップは1〜10ヌクレオチドの長さであり;そして、前記リボ核酸が、0、1、または2つのオーバーハングを有し、ここで、前記オーバーハングは前記ギャップ中になく、それぞれが独立して、1〜4ヌクレオチドの長さである;リボ核酸。

請求項3

16〜30ヌクレオチドの長さを有し標的RNAに相補的なA鎖と、5〜25ヌクレオチドの長さを有するS1鎖と、15〜25ヌクレオチドの長さを有するS2鎖と、を含むリボ核酸であって、ここで:(a)前記S1鎖と前記A鎖がアニールして、第一の二本鎖領域を形成し;(b)前記S2鎖と前記A鎖がアニールして、第二の二本鎖領域を形成し;(c)1つ以上の二本鎖領域が、5塩基対〜13塩基対の長さであり;(d)前記第一の二本鎖領域が、ギャップによって前記第二の二本鎖領域と分離されて、前記ギャップは前記A鎖の1〜10ヌクレオチドであり、前記ギャップは前記第一の二本鎖領域と前記第二の二本鎖領域の間にあり;そして、(e)前記リボ核酸が、0、1、または2つのオーバーハングを有し、ここで、前記オーバーハングは前記ギャップ中になく、それぞれが独立して、1〜5ヌクレオチドの長さである;リボ核酸。

請求項4

15〜30ヌクレオチドの長さを有し標的RNAに相補的なA鎖と、6〜25ヌクレオチドの長さを有するS1鎖と、6〜25ヌクレオチドの長さを有するS2鎖と、を含むリボ核酸であって、ここで:(a)前記S1鎖と前記A鎖がアニールして、長さ5〜13塩基対の第一の二本鎖領域を形成し;(b)前記S2鎖と前記A鎖がアニールして、第二の二本鎖領域を形成し;(c)前記リボ核酸が、前記第一の二本鎖領域と前記第二の二本鎖領域の間にニックを有し;そして、(d)前記リボ核酸が、0、1、または2つのオーバーハングを有し、ここで、前記オーバーハングは前記ギャップ中になく、それぞれが独立して、1〜5ヌクレオチドの長さである;リボ核酸。

請求項5

A鎖と、S1鎖と、S2鎖とを含むリボ核酸であって、ここで:前記A鎖が、18〜25ヌクレオチドの長さを有するアンチセンス鎖であり;前記S1鎖が、5〜15ヌクレオチドの長さを有し;前記S2鎖が、3〜13ヌクレオチドまたはそれ未満の長さを有し;前記S1鎖と前記S2鎖の長さの合計が、18〜25ヌクレオチドであり;前記A鎖、S1鎖、およびS2鎖が、第一の二本鎖領域と第二の二本鎖領域とを形成し;前記リボ核酸が、前記第一の二本鎖領域と前記第二の二本鎖領域の間にニックを有し;そして、前記リボ核酸が、0、1、または2つのオーバーハングを有し、ここで、前記オーバーハングは前記ギャップ中になく、それぞれが独立して、1〜4ヌクレオチドの長さである;リボ核酸。

請求項6

16〜30ヌクレオチドの長さを有し標的RNAに相補的なA鎖と、5〜25ヌクレオチドの長さを有するS1鎖と、15〜25ヌクレオチドの長さを有するS2鎖と、を含むリボ核酸であって、ここで:(a)前記S1鎖と前記A鎖がアニールして、第一の二本鎖領域を形成し;(b)前記S2鎖と前記A鎖がアニールして、第二の二本鎖領域を形成し;(c)1つ以上の二本鎖領域が、5塩基対〜13塩基対の長さで;(d)前記リボ核酸が、前記第一の二本鎖領域と前記第二の二本鎖領域の間にニックを有し;そして、(e)前記リボ核酸が、0、1、または2つのオーバーハングを有し、ここで、前記オーバーハングは前記ギャップ中になく、それぞれが独立して、1〜5ヌクレオチドの長さである;リボ核酸。

請求項7

前記ギャップが1〜6不対ヌクレオチドの長さを有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項8

前記ギャップが1不対ヌクレオチドの長さを有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項9

前記オーバーハングが3’オーバーハングであり、各オーバーハングが1〜4ヌクレオチドの長さを有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項10

前記リボ核酸の前記ギャップの一部ではない3’−末端平滑末端である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項11

前記A鎖が19〜25ヌクレオチドの長さを有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項12

前記A鎖が25〜30ヌクレオチドの長さを有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項13

前記第一の二本鎖領域と前記第二の二本鎖領域の長さの合計が19〜25塩基対である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項14

前記第一の二本鎖領域と前記第二の二本鎖領域の長さの合計が25〜30塩基対である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項15

1つ以上のヌクレオチドが修飾された糖を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項16

1つ以上のヌクレオチドが2’糖架橋を有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項17

1つ以上のヌクレオチドが修飾されたヌクレオシド間結合を有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項18

1つ以上のヌクレオチドがロック核酸ヌクレオチドを有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項19

1つ以上のヌクレオチドがロック核酸ヌクレオチドである、あるいは1つ以上のヌクレオチドが2’糖架橋を有する、あるいは1つ以上のヌクレオチドがG形クランプを有する、あるいは1つ以上のヌクレオチドが修飾されたヌクレオシド間結合を有する、あるいは1つ以上のヌクレオチドが末端キャップ置換基を有する、1つ以上のヌクレオチドが2’−メトキシもしくはフルオロ修飾を有する、あるいは1つ以上のヌクレオチドがホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する、またはこれらの任意の組み合わせである請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項20

前記リボ核酸のピリミジンの1つ以上が、式Iまたは式IIに記載のピリミジンヌクレオシドを含む:式中、R1とR2は、それぞれ独立して、−H、−OH、−OCH3、−OCH2OCH2CH3、−OCH2CH2OCH3、ハロゲン置換もしくは非置換C1−C10アルキルアルコキシアルコキシアルキルヒドロキシアルキルカルボキシアルキルアルキルスルホニルアミノアミノアルキルジアルキルアミノアルキルアミノアルキルジアルキルアミノアルキルハロアルキルトリフルオロメチルシクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、置換もしくは非置換C2−C10アルケニル、置換もしくは非置換−O−アリル、−O−CH2CH=CH2、−O−CH=CHCH3、置換もしくは非置換C2−C10アルキニルカルバモイルカルバミルカルボキシカルボニルアミノ、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アラルキル、−NH2、−NO2、−C≡N、またはヘテロシクロ基であり,R3とR4は、それぞれ独立して、水酸基保護水酸基リン酸、またはヌクレオシド間結合基であり、およびR5とR8は、独立して、OまたはSである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のリボ核酸。

請求項21

1つ以上のヌクレオシドが、R1がメチルでR2が−OHである式Iに記載の請求項20に記載のリボ核酸。

請求項22

1つ以上のヌクレオシドが、R2が−OCH3またはフルオロである式Iに記載の請求項20に記載のリボ核酸。

請求項23

請求項1乃至22のいずれか一項に記載のリボ核酸および薬学的に許容できる担体希釈剤賦形剤アジュバント乳化剤緩衝剤、安定剤、または保存剤を含む医薬組成物

請求項24

請求項25

標的遺伝子mRNA発現する細胞中において、前記標的遺伝子の発現を低減させる方法であって、請求項1乃至22のいずれか一項に記載のリボ核酸を細胞投与することを含む方法。

請求項26

前記細胞がヒト細胞である請求項25に記載の方法。

請求項27

標的RNAの発現を低減させることによる、過増殖性疾病または炎症性疾病の治療方法であって、請求項1乃至22のいずれか一項に記載のリボ核酸を、前記標的RNAを発現しているヒト対象に投与することを含む治療方法。

請求項28

請求項1乃至22のいずれか一項に記載のリボ核酸を、感染したヒト対象に投与することを含み、ここで前記リボ核酸が、前記ヒト対象に感染している微生物の標的遺伝子の発現を低減させる感染症の治療方法。

請求項29

ヒト対象中での、過増殖性疾病、炎症性疾病、または感染症の治療における薬剤としての請求項1乃至22のいずれか一項に記載のリボ核酸の使用。

請求項30

過増殖性疾病、炎症性疾病、または感染症のヒト対象の治療における使用のための薬剤の製造における請求項1乃至22のいずれか一項に記載のリボ核酸の使用。

技術分野

0001

本開示は、遺伝子サイレンシングが可能な二本鎖核酸分子を提供し、より具体的には、例えば、RNA干渉および標的遺伝子発現もしくは標的遺伝子に影響される遺伝子に関連する疾患の治療または予防のためのそのような二本鎖RNAの使用により、標的遺伝子の発現を減少させる鎖を少なくとも3本含むニックの入った二本鎖RNA(dsRNA)またはギャップの入った二本鎖RNAを提供する。

背景技術

0002

RNA干渉(RNAi)とは、標的メッセンジャーRNAの一部に相同な二本鎖RNA(dsRNA)等の阻害核酸分子によって仲介される、動物における配列特異性転写後の遺伝子サイレンシングの細胞プロセスに関する(Fire et al.,Nature 391:806,1998;Hamilton et al.,Science 286:950−951,1999)。RNAiは、哺乳類を含む種々の生物で観察されている(Fire et al.,Nature 391:806,1998;Bahramian and Zarbl,Mol.Cell.Biol.19:274−283,1999;Wianny and Goetz,Nature Cell Biol.2:70,1999)。RNAiは、培養哺乳類細胞に、外因性で21ヌクレオチドの合成RNA二重鎖を導入することにより誘導できる(Elbashir et al.,Nature 411:494,2001a)。

0003

dsRNAが標的遺伝子サイレンシングを仲介するメカニズムは、2つの段階を含むものとして記述できる。第1段階は、21〜23ヌクレオチドを有し約19の塩基対二本鎖域を含む短干渉RNA(siRNAs)への、ダイサー(Dicer)と呼ばれるRNA分解酵素III型様の酵素による、長いdsRNAの分解を含む(Berstein et al.,Nature 409:363,2001;Elbashir et al.,Genes Dev.15:188,2001b;and Kim et al., Nature Biotech.23(2):222,2005)。RNAi遺伝子サイレンシングの第2段階は、siRNAからの鎖(ガイド鎖またはアンチセンス鎖)を1本およびアルノートタンパク質を有する多成分ヌクレアーゼ活性化し、RNA誘導サイレンシング複合体(「RISC」)を形成することを含む(Elbashir et al.,Genes Dev.15:188,2001)。Argonauteはまず二本鎖siRNAと結合し、次いで非導入鎖(non−incorporated鎖)(パッセンジャー鎖またはセンス鎖)をヌクレオチド鎖切断(endonucleolytically cleave)し、その遊離を、結果として生じる、切断した二重鎖の熱力学不安定性によって促進する(Leuschner et al.,EMBO 7:314,2006)。活性化RISC中のガイド鎖は、相補的な標的mRNAに結合し、そのmRNAを切断して遺伝子サイレンシングを促進する。標的RNAの切断は、ガイド鎖に相補的な標的領域の中央で生じる(Elbashir et al.,2001b)。

0004

標的特有の遺伝子サイレンシングは、外因的にsiRNAを付加することで達成できるが、非標的遺伝子の非特異的サイレンシング(オフターゲット効果(off−target effect)と称される)は難題となり得る(例えば、Jackson et al.,Nat.Biotechnol.21:635,2003;Du et al.,Nucleic AcidsRes.33:1671,2005 参照)。したがって、遺伝子サイレンシングを仲介する代替dsRNA分子および方法に対する当分野における需要が、依然存在する。本開示はそのような需要を満たし、さらにその他の関連する利点も提供するものである。

0005

本開示は、本明細書においてA、S1、およびS2(A:S1S2)と指定する鎖を少なくとも3本含むdsRNA分子を提供し、ここでS1とS2は、Aの非重複領域に対して相補的であり、Aの非重複領域と塩基対(bp)を形成する。したがって、本明細書で記載のsiRNA分子については、S1とAのアニーリングにより形成された二本鎖領域は、S2とAのアニーリングにより形成された二本鎖領域とは異なる。A:S1二重鎖とA:S2二重鎖の間に位置し、A鎖、S1鎖、および/もしくはS2鎖のいずれかまたは両鎖の3’−末端での、任意の1つ以上の不対ヌクレオチドとは異なるA鎖中の、少なくとも1つの不対ヌクレオチドに起因する「ギャップ」によって、A:S1二重鎖とA:S2二重鎖が分離されている場合がある。代わりに、A:S1二重鎖とA:S2二重鎖の間に位置するA鎖中に不対ヌクレオチドが存在しないような、もしくは、もしある場合、不対ヌクレオチドが1つだけ、A鎖、S1鎖、および/もしくはS2鎖のいずれかまたは両鎖の3’−末端に存在するような「ニック」によって、A:S1二重鎖とA:S2二重鎖が分離されてもよい。

0006

ある局面においては、本開示は、標的RNAに相補的な第1の鎖ならびにそれぞれが第1の鎖の非重複領域に相補的な第2および第3の鎖を含むメロデュープレックス(meroduplex)RNA(mdRNA)であり、ここで前記第2および第3の鎖が、前記第1の鎖とアニールして10ヌクレオチド以下のギャップにより分離されている少なくとも2つの二本鎖領域を形成可能であり、ここで(a)少なくとも1つの二本鎖領域が約5〜13塩基対、または(b)二本鎖領域の合計が約15〜約40塩基対でありmdRNA分子平滑末端を有する、メロデュープレックスRNA(mdRNA)を提供する。特定の態様においては、第1の鎖は約15〜約40ヌクレオチドの長さであり、第2および第3の鎖はそれぞれ独立に、約5〜約20ヌクレオチドであり、ここで第2と第3の鎖の合計の長さは、約15〜約40ヌクレオチドである。別の態様においては、mdRNAはRISCアクチベータ(例えば、第1の鎖は約15〜約25ヌクレオチドを有する)またはダイサー基質(例えば、第1の鎖は約26〜約40ヌクレオチドを有する)である。いくつかの態様においては、ギャップは、第2と第3の鎖が第1の鎖にアニールされた際に形成する二本鎖領域間に位置する第1の鎖中に、少なくとも1〜10の不対ヌクレオチドを含み、またはギャップは、ニックを含む。特定の態様においては、ニックまたはギャップは、第1の(アンチセンス)鎖の5’−末端から10ヌクレオチドまたはアルゴノート切断部位に位置する。別の態様においては、異なる位置にニックまたはギャップを有するようなメロデュープレックスの熱安定性と比較して、第1と第2の鎖の二重鎖および第1と第3の鎖の二重鎖において熱安定性が最大限になるように、メロデュープレックスのニックまたはギャップが位置する。

0007

別の局面においては、本開示は、標的RNAに相補的な第1の鎖ならびにそれぞれが第1の鎖の非重複領域に相補的な第2および第3の鎖を含むmdRNA分子であり、ならびにそれぞれが第1の鎖の非重複領域に相補的な第2および第3の鎖を含むmdRNAであり、ここで前記第2および第3の鎖が、前記第1の鎖とアニールして10ヌクレオチド以下のギャップにより分離されている少なくとも2つの二本鎖領域を形成可能であり、ここで(a)少なくとも1つの二本鎖領域が約5〜13塩基対、または(b)二本鎖領域の合計が約15〜約40塩基対でありmdRNA分子が平滑末端を有し、mdRNAのピリミジンの少なくとも1つが式Iまたは式IIに記載のピリミジンヌクレオシドを含む、mdRNAを提供する:

0008

(式中、R1とR2はそれぞれ独立して、−H、−OH、−OCH3、−OCH2OCH2CH3、−OCH2CH2OCH3、ハロゲン、C1−C10の置換もしくは非置換アルキルアルコキシアルコキシアルキルヒドロキシアルキルカルボキシルアルキルアルキルスルホニルアミノアミノアルキルジアルキルアミノアルキルアミノアルキルジアルキルアミノアルキルハロアルキルトリフルオロメチルシクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、C2−C10の置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換−O−アリル、−O−CH2CH=CH2、−O−CH=CHCH3、C2−C10の置換もしくは非置換アルキニルカルバモイルカルバミルカルボキシカルボニルアミノ、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換アラルキル、−NH2、−NO2、−C≡N、またはヘテロシクロ基であり;R3とR4はそれぞれ独立して、ヒドロキシル保護ヒドロキシルリン酸、またはヌクレオシド間結合基であり;R5とR8は独立してOまたはSである)。特定の態様においては、少なくとも1つのヌクレオシドが、R1がメチルでR2が−OHである式Iのヌクレオシドである。特定の関連する態様においては、dsRNA分子のウリジンの少なくとも1つが、R1がメチルでR2が−OH、またはR1がメチル、R2が−OH、そしてR8がSである式Iのヌクレオシドで置換される。いくつかの態様においては、少なくとも1つのR1は、メチル等のC1−C5のアルキルである。いくつかの態様においては、少なくとも1つのR2は、2’−O−(C1−C5)アルキル、2’−O−メチル、2’−OCH2OCH2CH3、2’−OCH2CH2OCH3、2’−O−アリル、またはフルオロから選択される。いくつかの態様においては、mdRNA分子のピリミジンの少なくとも1つが、二環式の糖の形態のロックされた核酸(LNA)であり、ここでR2が酸素であり、2’−Oと4’−Cがオキシメチレン架橋を同一のリボース環上(例えば、5−メチルウリジンLNA)に形成するか、G形クランプである。別の態様においては、1つまたは複数のヌクレオシドは、R1がメチルであり、R2が2’−O−メチル等の2’−O−(C1−C5)アルキルである、式Iに記載のものである。いくつかの態様においては、ギャップは、第2と第3の鎖が第1の鎖にアニールされた際に形成する二本鎖領域間に位置する第1の鎖中に、不対ヌクレオチドを少なくとも1つ含み、またはギャップは、ニックを含む。特定の態様においては、ニックまたはギャップは、第1の鎖の5’−末端から10ヌクレオチドまたはアルゴノート切断部位に位置する。別の態様においては、異なる位置にニックまたはギャップを有するようなメロデュープレックスの熱安定性と比較して、第1と第2の鎖の二重鎖および第1と第3の鎖の二重鎖において熱安定性が最大限になるように、メロデュープレックスのニックまたはギャップが位置する。

0009

本明細書において開示する組成物および方法は、標的遺伝子または標的遺伝子ファミリーの一部である1つもしくは複数の遺伝子の、細胞中での発現の低減において、または過増殖性疾患(例えば、癌)、炎症性の状態(例えば、関節炎)、呼吸器疾病肺疾病循環器系疾病自己免疫疾病アレルギー性疾患、神経系疾病、感染症(例えば、インフルエンザ等のウイルス感染)、腎臓疾病、移植拒絶、標的遺伝子もしくは遺伝子ファミリーの調節に応答するいずれの他の疾病や状態等の、1つ以上の標的遺伝子ファミリーメンバーの発現と関連する疾病や疾患の治療もしくは予防において、有用である。

0010

特定の態様においては、本開示のdsRNAは、要約すると、約15塩基対〜約40塩基対;または約18〜約35塩基対;または約20〜30塩基対;または21、22、23、24、25、26、27、28、もしくは29塩基対、を含む。特定の態様の範囲内では、siRNAは、1ヌクレオチド〜5ヌクレオチドの一本鎖3’−オーバーハングを含んでもよい。特定の態様においては、そのような一本鎖3’−オーバーハングは、1、2、3、または4ヌクレオチドである。

0011

別の局面においては、本開示のdsRNAは、Aセンス鎖またはAアンチセンス鎖のいずれかを含み、ここで、前記A鎖の長さは約15ヌクレオチド〜約50ヌクレオチド;または前記A鎖の長さは約18ヌクレオチド〜約40ヌクレオチド;または前記A鎖の長さは約20ヌクレオチド〜約32ヌクレオチド;または前記A鎖の長さは21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくは31ヌクレオチド、である。

0012

別の局面においては、本開示のsiRNAはさらに、本明細書において例えばS1およびS2と指定するS鎖を2本以上含み、ここで、S鎖はそれぞれ、同族(cognate)A鎖の非重複領域に相補的であり、ここで、1つのニックまたは1つもしくは複数のヌクレオチドギャップによって、第1のS鎖(S1)と第2のS鎖(S2)は分離されている。前記同族A鎖がセンス鎖であるかアンチセンス鎖であるかに応じて、各々のS鎖はアンチセンス鎖またはセンス鎖にそれぞれなるであろう。本明細書に記載のS鎖(S1、S2など)は、それぞれ独立して、約1ヌクレオチド〜約25ヌクレオチドの長さ;より典型的には約4ヌクレオチド〜約20ヌクレオチドの長さ;さらにより典型的には約5ヌクレオチド〜約16ヌクレオチドの長さ;最も典型的には6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチドの長さである。

0013

意図する詳細な用途によっては、第1のS鎖(S1)は、ニックまたはギャップによって、第2のS鎖(S2)と分離されている場合がある。S1とS2がギャップによって分離されているこれらの態様においては、該ギャップは、約1ヌクレオチド〜約25ヌクレオチド;または約1ヌクレオチド〜約15ヌクレオチド;または約1ヌクレオチド〜約10ヌクレオチド;または該ギャップは、1、2、3、4、5、6、7、8、もしくは9ヌクレオチド、である。S鎖は、それぞれ独立して、5’ヒドロキシル(例えば、5’−OH)を末端としてよく、または5’リン酸基(例えば、5’−PO4)を末端としてよい。

0014

本明細書のいずれの局面においても、第1、第2、もしくは第3の鎖上の少なくとも1つのウリジンの代わりに、または第1、第2、もしくは第3の鎖上のあらゆる全てのウリジンの代わりに、5−メチルウリジン(リボチミジン)または2−チオリボチミジンを有するmdRNAを提供する。さらなる態様においては、mdRNAは、5−メチルウリジン(リボチミジン)、2−チオリボチミジン、デオキシウリジン、ロックされた核酸(LNA)分子、2’−Oメチルで修飾された糖、もしくはG形クランプのいずれか1つ、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。特定の態様においては、mdRNA分子は、2’−O−メチル、2’−O−メトキシエチル、2’−O−2−メトキシエチル、2’−O−アリル、またはハロゲン(例えば、2’−フルオロ)等の、2’−糖置換を含む。特定の態様においては、mdRNA分子は、第1、第2、もしくは第3の鎖の片末端または両末端上に、独立して、アルキル、無塩デオキシ(abasicdeoxyl)、無塩基グリセリルジヌクレオチド非環式ヌクレオチド、逆位デオキシヌクレオチド(inverted)部分等の、少なくとも1つの末端キャップ置換基(terminal cap substituents)を、さらに含む。別の態様においては、mdRNA分子は、独立して、ホスホロチオエートキラル(chiral)ホスホロチオエート、ホスホジチオエート、リン酸トリエステル、アミノアルキルリン酸トリエステル、メチルホスホン酸アルキルホスホン酸、3’−アルキレンホスホン酸、5’−アルキレンホスホン酸、キラルホスホン酸、ホスホノアセテート、チオホスホノアセテート、ホスフィン酸塩ホスホラミデート、3’−アミノホスホラミデート、アミノアルキルホスホラミデート、チオノホスホラミデート、チオノアキルホスホン酸、チオノアルキルリン酸トリエステル、セレノリン酸、ボラノ(borano)リン酸結合等の、修飾されたヌクレオシド間結合を、少なくとも1つさらに含む。

0015

本開示のいずれの局面においても、いくつかの態様においては、少なくとも1つのデオキシリボヌクレオチド、2デオキシリボヌクレオチド(例えば、チミジン)等の、ギャップの一部ではない3’末端の少なくとも1つに1〜4ヌクレオチドのオーバーハングを含むmdRNA、を提供する。いくつかの態様においては、二本鎖領域内の第2の鎖の少なくとも1または2の5’−末端リボヌクレオチドが、2’−糖置換を含む。関連する態様においては、二本鎖領域内の第1の鎖の少なくとも1または2の5’−末端リボヌクレオチドが、2’−糖置換を含む。別の関連する態様においては、二本鎖領域内の、第2の鎖の少なくとも1または2の5’−末端リボヌクレオチドおよび第1の鎖の少なくとも1または2の5’−末端リボヌクレオチドが、独立の2’−糖置換を含む。別の態様においては、mdRNA分子は、少なくとも3つの5−メチルウリジンを少なくとも1つの二本鎖領域内に含む。いくつかの態様においては、mdRNA分子は、片末端または両末端上に平滑末端を有する。別の態様においては、第3の鎖の5’−末端はヒドロキシルまたはリン酸である。

0016

本開示の方法においては、ギャップの入ったdsRNAまたはニックの入ったdsRNAの標的となる、全ての可能な遺伝子変異形のヌクレオチド配列事前知識が、要求されないことが理解されるであろう。はじめに、siRNAのヌクレオチド配列が、標的遺伝子の保存領域から選択されてよい。

図面の簡単な説明

0017

図1は、RISCアクチベータLacZdsRNA(21ヌクレオチドセンス鎖/21ヌクレオチドアンチセンス鎖;21/21)、ダイサー基質LacZ dsRNA(25ヌクレオチドセンス鎖/27ヌクレオチドアンチセンス鎖;25/27)、および、27ヌクレオチドアンチセンス鎖にアニールされた際に、1ヌクレオチドのギャップが13ヌクレオチドセンス鎖と11ヌクレオチドセンス鎖の間に残されるように、センス鎖に1ヌクレオチドが不足している、メロデュープレックスLacZ mdRNA(13ヌクレオチドセンス鎖と11ヌクレオチドセンス鎖/27ヌクレオチドアンチセンス鎖;13、11/27へのノックダウン活性を示す。ノックダウン活性は、QnegコントロールdsRNAに標準化され、Qnegの標準化値として示される(例えば、Qnegは、100%または「標準遺伝子発現レベルを示す)。より小さな値がより大きなノックダウン効果を表す。
図2は、100nMでのRISCアクチベータインフルエンザdsRNA G1498(21/21)およびニックの入ったdsRNA(10、11/21)のノックダウン活性を示す。「野生型」という指定は、非置換RNA分子を表し;「rT」は、各ウリジンがリボチミジンで置換されているRNAを表し;そして、「p」はその鎖の5’−ヌクレオチドがリン酸化されていることを表す。G1498の21ヌクレオチドセンス鎖およびアンチセンス鎖は、5’−末端から測定してヌクレオチド10と11の間で個別にニックされ、それぞれ11、10/21および21/10、11と称される。コントロールとして、G1498一本鎖21ヌクレオチドアンチセンス鎖が単独で(AS−のみ、と指定)使用された。
図3は、8〜14の位置のそれぞれの1つにニックを有し、センス鎖の(5’−末端から数えて)13の位置に1ヌクレオチドのギャップを有する、LacZダイサー基質(25/27)のノックダウン活性を示す。ジデオキシグアノシン(ddG)は、ニックの入ったセンス配列またはギャップの入ったセンス配列の最も3’側の5’−末端で、13の位置で導入された。
図4は、センス鎖の8〜14の位置のそれぞれの1つでニックされた配列の、ダイサー基質インフルエンザdsRNA G1498DS(25/27)を示し、リン酸化もされているか、ロックされた核酸置換を有する、これらのニックの入った分子の活性を示す。
図5は、センス鎖の13の位置でニックされた配列の、ダイサー基質インフルエンザdsRNA G1498DS(25/27)の用量依存性のノックダウン活性を示す。
図6は、センス鎖の8〜12の位置のいずれか1つの位置で始まる、1〜6ヌクレオチドのニックまたはギャップを有する、ダイサー基質インフルエンザdsRNA G1498DSのノックダウン活性を示す。
図7は、センス鎖の8〜14の位置のいずれか1つの位置で始まる、1〜6ヌクレオチドのニックまたはギャップを有する、LacZ RISC dsRNAの活性を示す。
図8は、センス鎖の8〜14の位置のいずれか1つの位置で始まるニックを有し、センス鎖1本につき1または2つのロックされた核酸をさらに有する、インフルエンザRISC dsRNAのノックダウン活性を示す。
図9は、ロックされた核酸置換を有する同様のニックの入ったダイサー基質と比較して、センス鎖の8〜14の位置のいずれか1つの位置でニックを有する、LacZダイサー基質dsRNAのノックダウン活性を示す。
図10は、インフルエンザ特異性のmdRNA使用し、TCID50(50%培養細胞感染量)で測定した、WSNインフルエンザウイルス力価における用量依存的な低下を示す。
図11は、インフルエンザWSN株に特異的なmdRNAを使用して、インフルエンザウィルス力価におけるノックダウン%率を示す。
図12は、インフルエンザ特異性のmdRNA使用し、TCID50(50%培養細胞感染量)で測定した、PR8インフルエンザウイルス力価におけるインビボでの低下を示す。

0018

本開示は、ダイサーの基質として、またはRISCとの結合に適している鎖を少なくとも3本含み、それゆえ、例えばRNA干渉(RNAi)経路を介する遺伝子サイレンシングに有利に利用できる、ギャップの入った二本鎖RNA(dsRNA)を提供する。すなわち、本明細書に記載の部分的に二重鎖のdsRNA分子(少なくとも1本の鎖中にニックもしくはギャップを有するメロマー(meromers)またはメロデュープレックスとも称される)は、標的メッセンジャーRNA(mRNA)または関連の標的mRNAファミリーの発現を修飾(例えば、低減)するRNAiカスケード惹起が可能である。そのような構造の遺伝子サイレンシングの機能性は、(インタクトのdsRNAと比較して)熱力学的に安定性が低いニックの入ったdsRNAパッセンジャー鎖またはギャップの入ったdsRNAパッセンジャー鎖が、いずれかの遺伝子サイレンシングが生じる前に崩壊すると想定されるだろうことから、予測不可能である(例えば、Leuschner et al.,EMBO 7:314,2006;Bramsen et al.,Nucleic Acids Res.35:5886,2007参照)。

0019

本明細書に記載のメロデュープレックスリボ核酸(mdRNA)分子は、標的mRNAに相補的な第1の(アンチセンス)鎖を、それぞれが第1の鎖の非重複領域に相補的な第2および第3の鎖(ともにギャップの入ったセンス鎖を形成)と一緒に含み、ここで、第2および第3の鎖は、第1の鎖とアニールしギャップで分離される二本鎖領域を少なくとも2つ形成することが可能であり、ここで、少なくとも1つの二本鎖領域が約5塩基対〜15塩基対であるか、または二本鎖領域を合わせた合計が約15塩基対〜約40塩基対でありmdRNAは平滑末端を有する。

0020

ギャップは、0ヌクレオチド(すなわち、2つのヌクレオチド間のリン酸ジエステル結合のみが、ポリヌクレオチド分子中で切断されているニック)〜約10ヌクレオチド以下(すなわち、第1の鎖が非末端不対ヌクレオチドを少なくとも有するであろう)であり得る。特定の態様においては、ニックまたはギャップは、第1の(アンチセンス)鎖の5’−末端から約10ヌクレオチドまたはアルゴノート切断部位に位置する。別の態様においては、異なる位置にニックまたはギャップを有するようなメロデュープレックスの熱安定性と比較して、第1と第2の鎖の二重鎖および第1と第3の鎖の二重鎖において熱安定性が最大限になるように、メロデュープレックスのニックまたはギャップが位置する。

0021

本明細書においてはまた、上記のようなdsRNAを使用して、標的遺伝子または標的遺伝子ファミリーの一部である1つもしくは複数の遺伝子の、細胞中での発現を低減する方法、または過増殖性疾患(例えば、癌)、炎症性の状態(例えば、関節炎)、呼吸器系疾病、肺疾病、循環器系疾病、自己免疫疾病、アレルギー性疾患、神経系疾病、感染症(例えば、インフルエンザ等のウイルス感染)、腎臓疾病、移植拒絶、標的遺伝子もしくは遺伝子ファミリーの調節に応答するいずれの他の疾病や状態等の、1つ以上の標的遺伝子ファミリーメンバーの発現と関連する疾病や疾患を治療もしくは予防する方法も開示する。

0022

本開示にさらなる詳細を挿入するのに先がけ、その正しい認識にとって、本明細書で使用する特定の用語の定義を提供することが有益であろう。

0023

本記載においては、特に断りのない限り、任意の濃度範囲百分率範囲、比率範囲、または整数範囲が、詳述の範囲内の任意の整数値、そして適切な場合にはそれらの分数(ある整数の10分の1、100分の1等)を含むことが、理解されるべきである。加えて、ポリマーサブユニット数、大きさ、厚さ等の、物理的特徴に関連する本明細書に詳述の任意の数範囲が、特に断りのない限り、詳述の範囲内の任意の整数を含むことが、理解されるべきである。本明細書で使用の通り、「約」または「本質的に成る」とは、他に断わりのない限り、表示の範囲、値、または構造の±20%を意味する。本明細書で使用の通り、「有する」および「含む」という表現は、特に制限がなく同義的に使用されるものである。本明細書で使用の「a」および「an」という表現は、列挙の成分の「1つ以上」に関することが理解されるべきである。選択語の使用(たとえば、「または/もしくは」)は、どちらか一方、両方、またはそれら選択語の任意の組み合わせ、を意味することが理解されるべきである。

0024

本明細書で使用の通り、「相補的な」とは、従来のワトソンクリック型塩基対または相補的なヌクレオシドもしくはヌクレオチド間での他の特殊なタイプの対形成(例えば、フーグスティーン水素結合または逆フーグスティーン水素結合)のいずれかによって、他の核酸分子またはそれ自身と水素結合を形成可能な核酸に関する。本開示の核酸分子に関すると、核酸分子とその相補的配列の結合自由エネルギーは、RNAi活性等の核酸分子の関連機能を進行させるのに十分であり、特異的結合が要求される条件下において、すなわち、インビボアッセイもしくは治療上処置の場合における生理学的条件下、またはインビトロアッセイ(例えば、ハイブリダイゼーションアッセイ)の場合においてアッセイが行われる条件下において、非標的配列への核酸(例えば、dsRNA)の非特異的結合を回避するのに十分な相補度が存在する。当該分野において、核酸分子における結合自由エネルギーの決定は既知である(例えば、Turner et al.,CSH Symp.Quant.Biol.LII:123,1987;Frier et al.,Proc.Nat.Acad.Sci USA 83:9373,1986;Turner et al.,J.Am.Chem.Soc.109:3783,1987参照)。したがって、「相補的な」または「特異的にハイブリダイズ可能」または「特異的に結合」とは、安定かつ特異的な結合が、核酸分子(例えば、dsRNA)とDNAもしくはRNA標的の間で生じるような、十分な相補度または正確な対形成を表す表現である。当該分野においては、特異的にハイブリダイズ可能または特異的に結合するのに、核酸分子が標的核酸配列に100%相補的でなくてもよいことが、理解されている。すなわち、2つ以上の核酸分子は、十分に満たない相補的であってよく、第2の核酸分子と水素結合を形成可能な核酸分子中近接残基(contiguous residue)の百分率で表わされる。

0025

例えば、第1の核酸分子が10ヌクレオチドを有してよく、第2の核酸分子が10ヌクレオチドを有していよく、その場合、第1と第2の核酸分子間の塩基対は5、6、7、8、9または10ヌクレオチドであり、これは近接二本鎖領域を形成してもしなくてもよく、それぞれ、50%、60%、70%、80%、90%、および100%の相性を示す。特定の態様においては、相補的核酸分子が誤った塩基対を有する場合があり、これはすなわち、塩基が従来のワトソン・クリック型塩基対または他の特殊なタイプの対(すなわち、「ミスマッチ」塩基対)を形成できないということである。例えば、十分に相補的な核酸分子は、0〜約1、約2、約3、約4、または約5等の、特定の「ミスマッチ」数を有しているものとして同定されてよい。

0026

「完全に」または「十分に」相補的な核酸分子とは、第1の核酸分子の特定数のヌクレオチドが、第2の核酸分子中の同じ数の基と水素結合(アニール)し、近接二本鎖領域を形成する核酸、を意味する。例えば、2本以上の十分に相補的な核酸分子鎖は、同数のヌクレオチド(すなわち、同じ長さを有し、オーバーハング有りもしくは無しの二本鎖領域を1つ形成する)または異なる数のヌクレオチド(例えば、一本の鎖は第2の鎖より短く第2の鎖内に完全に含まれてよく、もしくは一本の鎖は第2の鎖上にオーバーハングしてもよい)を有し得る。

0027

本明細書で使用の通り、「リボ核酸」または「RNA」は、少なくとも1つのリボヌクレオチド分子を含む核酸分子を意味する。「リボヌクレオチド」は、β−D−リボフラノース部分の2’−位にヒドロキシル基を有するヌクレオチドに関することが、理解されるべきである。RNAという用語には、二本鎖(ds)RNA、一本鎖(ss)RNA、単離されたRNA(例えば、精製RNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組み換えによって作成されたRNA)、(1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換もしくは改変により、天然のRNAとは異なる)変化した(altered)RNA、またはこれらの任意の組み合わせ、が含まれる。例えば、そのような改変RNAは、RNA分子の片末端もしくは両末端に、RNAの1つ以上のヌクレオチドにおいて内部的に、またはこれらの任意の組み合わせ等で、非ヌクレオチド物質の付加を含むことができる。本開示のRNA分子中のヌクレオチドはまた、天然ヌクレオチド非天然ヌクレオチド化学的に修飾されたヌクレオチド、デオキシヌクレオチド、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。これらの改変RNAは、アナログまたは標準ヌクレオチド(すなわち、本明細書で使用の通り、標準ヌクレオチドはアデニンシチジングアニジン、チミジン、およびウリジンであると考えられる)のアナログと称されてよい。

0028

「dsRNA」という用語は、本明細書で使用の通り、「mdRNA」と可換であり、少なくとも1つのリボヌクレオチドを含む任意の核酸分子に関し、例えば、RNA干渉(「RNAi」)または遺伝子サイレンシングを配列に特異的な様式で促進することにより、遺伝子発現を阻害またはダウンレギュレーション可能である。本開示のdsRNA(mdRNA)は、RNAiによる遺伝子サイレンシングを仲介するダイサーまたはRISCとの対合用の適宜の基体であってもよい。dsRNAの1本の鎖または両方の鎖は、5’−リン酸もしくは5’,3’−二リン酸等の末端リン酸基を、さらに含み得る。本明細書で使用の通り、dsRNA分子は、少なくとも1つのリボヌクレオチドに加えて、置換、化学的に修飾されたヌクレオチド、および非ヌクレオチドを、さらに含み得る。特定の態様においては、dsRNA分子は、ヌクレオチド位置の約100%までリボヌクレオチドを含む。

0029

加えて、本明細書で使用の通り、dsRNAという用語は、例えば、メロデュープレックスRNA(mdRNA),ニックの入ったdsRNA(ndsRNA),ギャップの入ったdsRNA(gdsRNA),短(short)干渉核酸(siNA)、siRNA、マイクロ−RNA(miRNA)、短ヘアピンRNA(shRNA),短干渉オリゴヌクレオチド、短干渉置換オリゴヌクレオチド、短干渉修飾オリゴヌクレオチド、化学的に修飾されたdsRNA、転写後の遺伝子サイレンシングRNA(ptgsRNA)等、配列に特異的なRNAiを仲介可能な核酸分子を記述するのに使用される他の用語に相当することが意図される。「長二本鎖(large double−stranded)(ds)RNA」という用語は、約40塩基対(bp)〜約100bpまたはそれを超えるものより長い、具体的には約300bp〜約500bp以下の、任意の二本鎖RNAに関する。長dsRNAの配列は、mRNAの断片またはmRNAの全体を表してよい。二本鎖構造は、自己相補的な核酸分子(self−complementary nucleic acid molecule)または2本以上の異なる相補的な核酸分子鎖のアニーリングによって形成されてよい。

0030

ある局面においては、dsRNAは、2つの別々のオリゴヌクレオチドを含み、第1の鎖(アンチセンス)および第2の鎖(センス)を含み、ここで、アンチセンス鎖とセンス鎖は自己相補的であり(すなわち、それぞれの鎖はもう一方の鎖中のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、これら別々の2本の鎖は二重鎖または二本鎖構造を形成し、例えばここで、二本鎖領域は約15〜約24もしくは25塩基対、もしくは約25もしくは26〜約40塩基対である);アンチセンス鎖は、標的核酸分子中のヌクレオチド配列またはその一部に相補的なヌクレオチド配列を含み;そしてセンス鎖は、標的核酸配列に相当する(すなわち、相同の)ヌクレオチド配列またはその一部を含む(例えば、約15〜約25ヌクレオチドもしくは約26〜約40ヌクレオチドのセンス鎖が、標的核酸またはその一部に相当する)。

0031

別の局面においては、dsRNAは、dsRNAの自己相補的なセンス鎖およびアンチセンス鎖が、核酸系リンカー(nucleic acid based−linker)または非核酸系リンカー(non−nucleic acid based−linker)によって共に連結されることで、単独のオリゴヌクレオチドから構築される。特定の態様においては、dsRNA分子の第1の(アンチセンス)鎖および第2の(センス)鎖は、本明細書に記載の通り、そして当該分野で既知の通り、ヌクレオチドリンカーまたは非ヌクレオチドリンカーによって、共有結合的に連結される。別の態様においては、第1のdsRNA分子は、当該分野で既知のヌクレオチドリンカーまたは非ヌクレオチドリンカーによって、少なくとも1つの第2のdsRNA分子に共有結合的に連結され、ここで、第1のdsRNA分子は、同じでも異なってもよい他の複数のdsRNA分子またはそれらの任意の組み合わせに、連結され得る。別の態様においては、連結されたdsRNAは、該連結されたdsRNAとメロデュープレックスを形成する第3の鎖を含んでいる場合がある。

0032

さらに別の局面においては、本明細に記載のdsRNA分子は、例えば「A」(第1の、またはアンチセンス)鎖、「S1」(第2の)鎖、および「S2」(第3の)鎖等の、3本以上の鎖を有するメロデュープレックスRNA(mdRNA)を形成し、「S1」鎖と「S2」鎖は、「A」鎖の非重複領域に相補的であり塩基対(bp)を形成する(例えばmdRNAは、A:S1S2の形態を有し得る)。S1、S2、またはさらなる鎖は共に、「A」鎖に対するセンス鎖を本質的に含む。「S1」鎖と「A」鎖のアニーリングによって形成される二本鎖領域は、「S2」鎖と「A」鎖のアニーリングで形成される二本鎖領域とは異なり、非重複である。mdRNA分子は「ギャップ」分子であり、0ヌクレオチド〜約10ヌクレオチド以下の範囲の「ギャップ」を意味する。ある態様においては、A:S1二重鎖は、A:S1二重鎖とA:S2二重鎖の間に位置し、「A」、「S1」または「S2」鎖の1本以上の3’−末端における任意の1つ以上の不対ヌクレオチドとは異なる、「A」鎖中の1つ以上の不対ヌクレオチド(約10不対ヌクレオチド以下)に起因するギャップによって、A:S2二重鎖と分離される。別の態様においては、A:S1二重鎖は、A:S1二重鎖とA:S2二重鎖間の0ヌクレオチドのギャップ(すなわち、2つのヌクレオチド間のリン酸ジエステル結合のみが、ポリヌクレオチド分子中で切断されている、または欠失しているニック)によってA:S2二重鎖と分離され、ニックの入ったdsRNA(ndsRNA)とも称され得る。例えば、A:S1S2は、合わせた合計が約14塩基対〜約40塩基対の少なくとも2つの二本鎖領域を有し、二本鎖領域は約0〜約10ヌクレオチドのギャップにより分離されていて、平滑末端を有していてもよいdsRNAから構成されてよく、または、A:S1S2は、10以下のヌクレオチドのギャップで分離されている少なくとも2つの二本鎖領域を有するdsRNAを含んでよく、ここで、二本鎖領域の少なくとも1つは、約5塩基対〜13塩基対を含む。

0033

dsRNAまたは長dsRNAは、リン酸骨格結合(backbone bond)、糖、塩基、もしくはヌクレオシド中にあってよい置換または修飾を含む場合がある。そのようなヌクレオシド置換は、天然の非標準ヌクレオシド(例えば、5−メチルウリジンまたは5−メチルシチジンまたは2−チオリボチミジン)を含み得、そのような骨格、糖、またはヌクレオシド修飾は、メチル、アルコキシアルキル、ハロゲン、窒素もしくは硫黄等のアルキルもしくはヘテロ原子の置換または付加、あるいは当該分野で既知の他の修飾を含み得る。

0034

特定の態様においては、dsRNAまたはmdRNAは単離されるであろう。本明細書で使用の通り、「単離された」という用語は、自然環境中(例えば、自然環境は細胞であってよい)で共存している物質の一部または全てから分離されているように、言及の分子がその本来の環境から取り除かれることを意味する。

0035

本明細書で使用の通り、「RNAi」という用語は、転写後の遺伝子サイレンシング、翻訳阻害、または遺伝子の後成的発現(epigenetics)等の、配列に特異的なRNA干渉を記述するのに使用される他の用語に相当することが意図される。例えば、本開示のdsRNA分子は、転写後の段階または転写前の段階またはそれらの任意の組み合わせで、後成的(epigenetically)に遺伝子をサイレンシングするのに使用可能である。

0036

本明細書で使用の通り、「標的核酸」とは、その発現または活性が改変される任意の核酸配列に関する。標的核酸は、DNA、RNA、またはそれらのアナログであり得て、一本鎖、二本鎖、および複数鎖の形態を含む。「標的部位」または「標的配列」とは、RNAiによる切断における「標的」であり、標的部位または標的配列に相補的なアンチセンス鎖内の配列を含む本開示のdsRNA構築物に仲介される、標的核酸(例えば、mRNA)内の配列を意味する。

0037

本明細書で使用の通り、「オフターゲット効果」または「オフターゲットプロファイル(profile)」とは、mdRNAまたはdsRNAによる遺伝子サイレンシングにおける、直接的にまたは非直接的に標的とされていない細胞中または他の生体試料中の、1つ以上の遺伝子の観察される改変された発現パターンに関する。例えば、DNAマイクロアレイを使用して、候補mdRNAまたはdsRNAまたは1つ以上のmRNA等の標的配列に特異的なこれらのアナログの存在下で、約2倍かそれを超える発現レベルの改変を有する非標的遺伝子数を決定し、オフターゲット効果を定量化することが可能である。「最小限のオフターゲット効果」とは、約25%〜約1%の試験した非標的遺伝子の約2倍かそれを超えて、mdRNAまたはdsRNAが発現に作用することを意味し、または、置換もしくは修飾されたmdRNAまたはdsRNA(例えば、5−メチルウリジンか2−チオリボチミジンで置換されたウリジンを少なくとも1つ有し、2’−位置で修飾されたヌクレオチドを少なくとも1つ有していてもよい)が、非置換もしくは非修飾のmdRNAまたはdsRNAの非標的遺伝子への作用と比較して、少なくとも約1%〜約80%、またはそれ以上低減されることを意味する。

0038

センス領域」または「センス鎖」とは、dsRNA分子のアンチセンス領域の1つ以上に相補性を有する、dsRNA分子の1つ以上のヌクレオチド配列を意味する。さらに、dsRNA分子のセンス領域は、標的配列に対して相同性または同一性を有する核酸配列を含む。「アンチセンス領域」または「アンチセンス鎖」とは、標的核酸配列に相補性を有する、dsRNAのヌクレオチド配列を意味する。さらに、dsRNA分子のアンチセンス領域は、dsRNA分子のセンス鎖の1本以上に相補性を有する、核酸配列領域を含み得る。

0039

「アナログ(analog)」は、本明細書で使用の通り、親化合物(例えば、核酸分子)と構造的に同様だが、組成が僅かに異なる(例えば、1つの原子または官能基が、異なるか、付加しているか、除去されている)化合物に関する。アナログは、元の化合物と異なる化学的特性または物理的特性を有していてもいなくてもよく、改善された生物活性または化学的活性を有していてもいなくてもよい。例えば、アナログはより親水性でよく、または親化合物と比較して改変された活性を有していてもよい。アナログは、親化合物の化学的活性もしくは生物活性を模倣してもよく、または、場合によっては、増加した活性もしくは減少した活性を有する場合がある。アナログは、元の化合物の天然のまたは非天然の(例えば、化学的に修飾されたもしくは組み換えの)変異体であってよい。RNAアナログの1つの例は、特定の望ましい特性(例えば、改善された安定性、バイオアベイラビリティ、最小限のオフターゲット効果またはインターフェロン応答)を付与する場合のある、5−メチルウリジンまたは5−メチルシチジンまたは2−チオリボチミジン等の非標準ヌクレオチドを有するRNA分子である。

0040

「ピリミジン」という用語は、本明細書で使用の通り、標準のピリミジン塩基であるウラシルおよびシトシンを含む、従来のピリミジン塩基に関する。さらに、ピリミジンという用語は、例えば、5−メチルウラシル、2−チオ−5−メチルウラシル、4−チオウラシル、擬ウラシル(pseudouracil)、ジヒドロウラシルオロト酸塩5−メチルシトシン等の天然の非標準ピリミジン塩基または酸、ならびに、本開示の核酸分子内で標準ピリミジンを置換するのに使用可能な、化学的に修飾された塩基または「万能塩基(universal bases)」を包括的に含むことが意図される。

0041

プリン」という用語は、本明細書で使用の通り、標準のプリン塩基であるアデニンおよびグアニンを含む、従来のプリン塩基に関する。さらに、プリンという用語は、例えば、N2−メチルグアニンイノシン等の天然の非標準プリン塩基または酸、ならびに、本開示の核酸分子内で標準プリンを置換するのに使用可能な、化学的に修飾された塩基または「万能塩基」を包括的に含むことが意図される。

0042

本明細書で使用の通り、「万能塩基」という用語は、標準DNA/RNA塩基の各々と、それらの区別無く塩基対を形成し、細胞内酵素によって認識される、ヌクレオチド塩基アナログに関する(例えば、Loakes et al.,J.Mol.Bio.270:426−435,1997参照)。万能塩基の限定されない例には、当該分野で既知の通り、C−フェニル、C−ナフチルおよびその他の芳香族誘導体、イノシン、アゾールカルボキサミド、ならびに、3−ニトピロール、4−ニトロインドール、5−ニトロインドール、および6−ニトロインドール等のニトロアゾール誘導体が含まれる(例えば、Loakes,Nucleic AcidsRes.29:2437−2447,2001参照)。

0043

「遺伝子」という用語は、本明細書で使用の通り、特にRNAiにおける「標的遺伝子」または「遺伝子標的」との関連において、メッセンジャーRNA(mRNA、ポリペプチドをコードする構造遺伝子とも称される)、そのような遺伝子のmRNAスプライスバリアント機能遺伝子(fRNA)、もしくは、小時間性RNA(stRNA:small temporal RNA)、マイクロRNA(miRNA)、小核RNA(snRNA),短干渉RNA(siRNA)、小核小体RNA(snRNA),リボソームRNArRNA),トランスファーRNA(tRNA)およびそれらの前駆体RNA等の非コーディングRNA(ncRNA)を含む、RNAまたはそのような遺伝子の転写産物をコードする核酸、を意味する。そのような非コーディングRNAは、機能的細胞プロセス(functional cellular process)もしくは調節細胞プロセス(regulatory cellular process)に関与するfRNAまたはncRNAの活性を改変する、dsRNAに仲介されるRNAiのための、標的核酸分子として機能することが可能である。標的遺伝子は、内在性遺伝子導入遺伝子、または、その感染後に細胞中に存在する病原体(例えば、ウイルス遺伝子)からの遺伝子を含む外因性遺伝子等の、細胞由来の遺伝子であり得る。標的遺伝子を含む細胞は、植物、動物、原生生物ウイルス、細菌、もしくは菌類等の、任意の生物に由来し得るか、または含まれ得る。

0044

さらに、1つ以上のdsRNAを、標的mRNAまたは関連のmRNAスプライスバリアントの発現のノックダウンに使用してもよい。この際、標的遺伝子が2つ以上のmRNAスプライスバリアントに転写されてもよいことが、注目される。特定の態様においては、1つの標的mRNAスプライスバリアントが、1つ以上の他の標的mRNAスプライスバリアントに影響せずにノックダウンされることが望ましい場合があり、逆もまた同様である。あるいは、1つ以上の標的ファミリー遺伝子の全ての転写産物のノックダウンが、本明細書において意図される。

0045

本明細書で使用の通り、「遺伝子サイレンシング」とは、細胞中の遺伝子発現の標的阻害を介する、部分的または完全な機能喪失に関し、RNAi「ノックダウン」、「阻害」、「ダウンレギュレーション」または標的遺伝子の発現の「低減」とも称される。検討されるべき状況および生物学的問題によっては、遺伝子発現を部分的に低減するのが好ましい場合がある。あるいは、可能な限り遺伝子発現を低減するのが望ましい場合があるかもしれない。サイレンシングの程度は、本明細書に記載の方法によって決定されてよく、当該分野で既知の場合もあり、そのいくつかは国際特許公開第99/32619号で要約されている。アッセイによっては、遺伝子発現の定量化によって、mRNAレベルまたはタンパク質レベルもしくは活性に関して、例えば、基準(すなわち、標準)または、特定の疾病状態もしくは治療のための他の状態と関連する場合のある増加した発現レベル等の他のコントロールレベルの、10%、30%、50%、75%、90%、95%、もしくは99%に等しいかそれを超える標的遺伝子の発現のノックダウンが可能になるであろう予防方法および治療方法を含む、本開示の特定の態様において望ましい場合のある、種々の阻害量の検出が可能になる。

0046

被験体」とは、移植細胞(explanted cells)もしくは細胞自身のドナーまたはレシピエントである生物を意味する。「被験体」とは、本開示の核酸分子を投与する生物にも関する。ある態様においては、被験体は哺乳動物または哺乳類細胞である。別の態様においては、被験体はヒトまたはヒト細胞である。

0047

本明細書で使用の通り、「治療上有効量」という用語は、投与する被験体において(例えば、哺乳類またはヒト)、病徴重症度の減少、病徴が無い時期の頻度もしくは期間の増加、または疾病が原因の機能障害もしくは身体障害の予防に、結果としてつながるのに十分な量のdsRNA意味する。例えば、標的mRNAに向けられる治療上有効量のdsRNAは、効果的に標的をコードするmRNAをダウンレギュレーションし、それによって、感染、炎症、代謝障害自己免疫状態、癌等の標的に関連する疾患の1つ以上を低減または予防する。当業者であれば、被験体の大きさ、症状の重症度、および選択する投与の特定の組成または経路といった要素に基づき、そのような治療上有効な量を決定することができるであろう。例えば、化合物の治療上有効量は、被験体において、腫瘍の大きさを減少させることができ、またはさもなければ、特定の疾患に関連する症状を寛解することができる。本開示のdsRNA分子は、個別にもしくは組み合わせで、または他の薬物との組み合わせで、治療に適した条件下で被験体に投与または特定の細胞に投与することにより、本明細書で考察する疾病または病状の治療に使用できる。

0048

加えて、本明細書で記載の構造および置換基の種々の組み合わせに由来の、個々の化合物または化合物の群は、まるで各々の化合物または化合物の群が個別に説明されるかのような程度と同程度に、本出願によって開示される。したがって、特定の構造または特定の置換基の選択は、本開示の範囲内である。本明細書に記載の通り、全ての数値範囲は、表示する範囲に渡って包括的である。したがって、C1−C4の範囲は、1、2、3、および4という値を含み、C1、C2、C3およびC4を含むことがことが理解されるであろう。

0049

「アルキル」という用語は、本明細書で使用の通り、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜8、そして最も好ましくは炭素数1〜4の飽和の直鎖または分岐鎖脂肪族基に関する。この定義は同様に、アルコキシ、アルカノイル、およびアラルキル基のアルキル部分にも適用する。アルキル基は、置換されていても非置換でもよい。特定の態様においては、アルキルは(C1−C4)アルキルまたはメチルである。

0050

「シクロアルキル」という用語は、本発明で使用の通り、任意に置換されてもよい炭素数3〜12の飽和環式炭化水素環系(hydrocarbon ring system)に関する。態様の例には、以下に限定されるものではないが、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれる。特定の態様においては、シクロアルキル基はシクロプロピルである。別の態様においては、(シクロアルキル)アルキル基は、環部分中に3〜12の炭素を含み、アルキル部分中に1〜6の炭素を含む。特定の態様においては、(シクロアルキル)アルキル基はシクロプロピルメチルである。アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、およびアミノから成る群から選択される、1〜3の置換基で置換されてもよい。

0051

「アルカノイル」および「アルカノイルオキシ(alkanoyloxy)」という用語は、本明細書で使用の通り、それぞれ、−C(O)−アルキル基および−O−C(=O)−アルキル基に関し、それぞれは2〜10の炭素を含んでいてよい。アルカノイル基およびアルカノイルオキシ基の具体的な態様は、それぞれ、アセチルアセトキシである。

0052

アルケニル」という用語は、炭素数2〜15を有し、親アルケンの1個の炭素から水素1個が除去されることに由来の炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有する、非飽和の分岐鎖、直鎖、または環式のアルキル基、に関する。この基は、二重結合についてシスまたはトランスコンホメーションのいずれかでよい。特定の態様には、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、1−オクテニル、2−オクテニル、1,3−オクタジエニル、2−ノネニル、1,3−ノナジエニル、2−デセニルなど等が含まれる。アルケニル基は置換されていても非置換でもよい。

0053

アルキニル」という用語は、本明細書で使用の通り、炭素数2〜10を有し、親アルキンの1個の炭素から水素1個が除去されることに由来の炭素−炭素三重結合を少なくとも1つ有する、非飽和の分岐鎖、直鎖、または環式のアルキル基、に関する。アルキニルの例には、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、4−ペンチニル、1−オクチニル、6−メチル−1−ヘプチニル、2−デシニル等が含まれる。アルキニル基は置換されていても非置換でもよい。

0054

「ヒドロキシアルキル」という用語は、単独でまたは組み合わせで、既に定義の通り1つもしくは数個の水素が、好ましくは一つの水素がヒドロキシ基ですでに置換されている、アルキル基に関する。例として、ヒドロキシメチルヒドロキシエチル、および2−ヒドロキシエチルが含まれる。

0055

「アミノアルキル」という用語は、本明細書で使用の通り、RとR’が独立して水素または(C1−C4)アルキルでよい、−NRR’基に関する。

0056

「アルキルアミノアルキル」という用語は、アルキル基(すなわち、−アルキル−NH−アルキルまたは−アルキル−N(アルキル)(アルキル)の一般構造を有する基)を介して連結される、アルキルアミノ基に関する。そのような基には、以下に限定されないが、各アルキルが同じでも異なってもよい、モノ−およびジ−(C1−C8アルキル)アミノC1−C8アルキルが含まれる。

0057

「ジアルキルアミノアルキル」という用語は、アルキル基に付属のアルキルアミノ基に関する。例として、以下に限定されないが、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルアミノプロピル等が含まれる。ジアルキルアミノアルキルという用語にはまた、架橋アルキル部分(bridging alkyl moiety)が置換されていてもよい基も含まれる。

0058

「ハロアルキル」という用語は、例えば、クロロメチル、2−ブロモエチル、3−イオドプロピル、トリフルオロメチル、ペルフルオロプロピル、8−クロノニル等の、1つ以上のハロ基で置換されたアルキル基に関する。

0059

カルボキシアルキル」という用語は、本発明で使用の通り、R10がアルキレンである−RZ−COOH置換基に関し、炭素アルコキシアルキル(carbalkoxyalkyl)とは、R10とR11がそれぞれ、アルキレンとアルキルである−R10−C(=O)OR11に関する。特定の態様においては、アルキルとは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルn−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−メチルペンチルn−ヘキシルなどの、飽和の直鎖または分岐鎖の炭素数1〜6のヒドロカルビル(hydrocarbyl)ラジカル(radical)に関する。アルキレンは、二価であること以外は、アルキルと同じである。

0060

「アルコキシ」という用語には、酸素原子に共有結合的に結合した、置換および非置換アルキル、アルケニル、ならびにアルキニル基が含まれる。ある態様においては、アルコキシ基は、1〜10個の炭素原子を含む。アルコキシ基の態様には、以下に限定されないが、メトキシエトキシイソプロピロキシプロポキシブトキシ、およびペントキシ基が含まれる。置換アルコキシ基の態様には、ハロゲン化アルコキシ基が含まれる。さらなる態様においては、アルコキシ基は、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキルカルボニロキシ、アリールカルボニロキシ、アルコキシカルボニロキシ、アリールオキシカルボニロキシ、カルボキシレートアルキルカルボニルアリールカルボニルアルコキシカルボニルアミノカルボニルアルキルアミノカルボニルジアルキルアミノカルボニルアルキルチオカルボニルアルコキシル、リン酸、ホスホナート(phosphonato)、ホスフィナート(phosphinato)、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノアルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、およびウレイドを含む)、アミジノイミノスルフヒドリル(sulfhydryl)、アルキルチオ、アリールチオチオカルボキシレート、硫酸塩、アルキルスルフィニルスルホナート(sulfonato)、スルファモイル(sulfamoyl)、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジドヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくは複素環式芳香族部分等の基で、置換され得る。典型的なハロゲンで置換されたアルコキシ基には、以下に限定されないが、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシトリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、およびトリクロロメトキシが含まれる。

0061

「アルコキシアルキル」という用語は、アルコキシ基で置換されたアルキレン基に関する。例えば、メトキシエチル(CH3OCH2CH2−)およびエトキシメチル(CH3CH2OCH2−)は共に、炭素数3のアルコキシアルキル基である。

0062

「アリール」という用語は、本明細書で使用の通り、例えば、アルキル;上記で定義の置換アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、カルバモイル、およびアリールオキシ等の1〜4個の置換基でそれぞれ置換されてもよい、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニルならびにジフェニルといった、環部分中に炭素原子を6〜12有する、単環式または二環式の芳香族炭化水素基に関する。本開示に記載のアリール基の具体的な態様には、フェニル、置換フェニル、ナフチル、ビフェニル、およびジフェニルが含まれる。

0063

本明細書で単独または組み合わせで使用される「アロイル」という用語は、任意に置換されている安息香酸またはナフトエ酸等の芳香族カルボン酸に由来の、アリールのラジカルに関する。

0064

アラルキル」という用語は、本明細書で使用の通り、好ましくは1〜10の炭素原子を含むアルキル基を介して、2−ピリジニル環または4−ピリジニル環に結合しているアリール基、に関する。好ましいアラルキル基はベンジルである。

0065

「カルボキシ」という用語は、本明細書で使用の通り、式、−C(=O)OHまたは−C(=O)O−の基を表す。

0066

「カルボニル」という用語は、本明細書で使用の通り、酸素が炭素に二重結合している基(−C=O)に関する。

0067

「トリフルオロメチル」という用語は、本明細書で使用の通り、−CF3に関する。

0068

「トリフルオロメトキシ」という用語は、本明細書で使用の通り、−OCF3に関する。

0069

「ヒドロキシル」という用語は、本明細書で使用の通り、−OHまたは−O−に関する。

0070

ニトリル」または「シアノ」という用語は、本明細書で使用の通り、−CN基に関する。

0071

「ニトロ」という用語は、本明細書で使用の通り、単独または組み合わせで使用されるように、−NO2基に関する。

0072

「アミノ」という用語は、本明細書で使用の通り、R9が独立して水素、アルキル、アリール、アルコキシ、またはヘテロアリールでよい、−NR9R9基に関する。「アミノアルキル」という用語は、本明細書で使用の通り、「アミノ」と比較してより詳細な選択を表し、R’が独立して水素または(C1−C4)アルキルであってよい、−NR’R’基に関する。「ジアルキルアミノ」という用語は、同一または異なってもよいアルキル基を2個有するアミノ基に関する。

0073

アルカノイルアミノ」という用語は、例えばアセチルアミノプロパノイルアミノ、およびブタノイルアミノ等、−N(H)−が続く−C(=O)−基を含むアルキル、アルケニル、またはアルキニル基に関する。

0074

「カルボニルアミノ」という用語は、R’が独立して、水素または(C1−C4)アルキルから選択される、−NR’−CO−CH2−R’基に関する。

0075

「カルバモイル」という用語は、本明細書で使用の通り、−O−C(O)NH2に関する。

0076

「カルバミル」という用語は、本明細書で使用の通り、すなわち、R’が独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロ、もしくはヘテロアリールであってよい−NR’C(=O)R’または−C(=O)NR’R’のように、窒素原子がカルボニルに直接結合している官能基に関する。

0077

「アルキルスルホニルアミノ」という用語は、R12がアルキルである、−NHS(O)2R12基に関する。

0078

「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用の通り、臭素塩素フッ素、またはヨウ素に関する。ある態様においては、ハロゲンはフッ素である。別の態様においては、ハロゲンは塩素である。

0079

「ヘテロシクロ」という用語は、炭素原子を含む少なくとも1つの環中に少なくとも1個のヘテロ原子を有する、4〜7員環の単環式の、または7〜11員環の二環式の環系である、置換、非置換、部分飽和、もしくは完全飽和であってよい、芳香族基または非芳香族環基、に関する。ヘテロシクロ環上の置換基は、アリール基に関して上で記載の置換基から選択されてよい。ヘテロ原子を含むヘテロシクロ基の各環は、窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有してよい。任意のヘテロシクロ環中の複数のヘテロ原子は、同一でも異なってもよい。

0080

典型的な単環式ヘテロシクロ基には、ピロリジニル(pyrrolidinyl)、ピロリル、インドリルピラゾリルイミダゾリルオキサゾリルイソオキサゾリルチアゾリル(thiazolyl)、フリルテトラヒドロフリルチエニル、ピぺリジニル、ピペラジニル、アゼピニル(azepinyl)、ピリミジニル(pyrimidinyl)、ピリダジニル(pyridazinyl)、テトラヒドロピラニルモルホリニル(morpholinyl)、ジオキサニルトリアジニルおよびトリアゾリル、が含まれる。好ましい二環式ヘテロシクロ基には、ベンゾチアゾリルベンゾオキサゾリルベンゾチエニル、キノリニル(quinolinyl)、テトラヒドロイソキノリニル、ベンジミダゾリル(benzimidazolyl)、ベンゾフリル、インダゾリル(indazolyl)、ベンジソチアゾリル(benzisothiazolyl)、イソインドリニルおよびテトラヒドロキノリニル、が含まれる。より詳細な態様においては、ヘテロシクロ基は、インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル(pyrrolidyl)、ピリジルおよびピリミジル、を含んでよい。

0081

「置換された」とは、1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、同一のまたは異なる置換基で置換されている基、に関する。代表的な置換基には、−X、−R6、−O−、=O、−OR、−SR6、−S−、=S、−NR6R6、=NR6、−CX3、−CF3、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−S(=O)2O−、−S(=O)2OH、−S(=O)2R6、−OS(O)2O−、−OS(=O)2OH、−OS(=O)2R6、−P(=O)(O−)2、−P(=O)(OH)(O−)、−OP(=O)2(O−)、−C(−O)R6、−C(=S)R6、−C(=O)OR6、−C(=O)O−、−C(=S)OR6、−NR6−C(=O)−N(R6)2、−NR6−C(=S)−N(R6)2、および−C(=NR6)NR6R6が含まれ、ここで、各Xは独立してハロゲンであり;そして各R6は独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアリール、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、NR7R7、−C(=O)R7、および−S(=O)2R7であり;そして各R7は独立して、水素、アルキル、アルカニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、アリールアリール、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである。アリールを含む置換基は、1つ以上の置換基を有するか有しないかに関わらず、パラ(p−)、メタ(m−)もしくはオルト(o−)コンホメーション、またはこれらの任意の組み合わせで、付属されてよい。

0082

ギャップまたはニックの入ったdsRNA分子
本開示は、小核酸分子を使用するRNA干渉(RNAi)によって標的遺伝子の発現または活性を改変することにおいて有用な、化合物、組成物、および方法を提供する。より詳細な態様においては、本開示は、ニックまたはギャップを少なくとも1つ有し、標的遺伝子または遺伝子のファミリーの発現を改変し、被験体(例えば、ヒト)における疾病もしくは疾患の症状を予防、治療、または軽減する、短干渉核酸(siNA)、短干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、ニックの入った二本鎖RNA(ndsRNA)、ギャップの入った二本鎖RNA(gdsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、短ヘアピンRNA(shRNA)分子、またはこれらの組み合わせ等の小核酸分子を提供する。これらおよび関連する治療用組成物ならびに方法内において、ニックまたはギャップの入ったdsRNA(すでに置換されているか修飾されていてもよい)の使用はしばしば、天然のdsRNA分子の特性と比較して、dsRNA分子の特性を改善し、これにより低減したオフターゲット効果、低減したインターフェロン応答、インビボでのヌクレアーゼ分解に対する増加した抵抗性、改善した細胞摂取、増加した作用強度(potency)、またはこれらの任意の組み合わせが得られるであろう。

0083

特定の態様においては、本開示のギャップの入ったdsRNA(mdRNA)分子を、単独で、または補助的治療との組み合わせで、標的遺伝子に特異的なRNAiを活性化するのに十分な量で投与することにより、細胞中もしくは組織中の標的核酸分子(例えば、mRNA)のレベルに関係するか応答する等の遺伝子発現に関連する疾病、疾患、もしくは状態の治療または予防の方法が提供される。ある態様においては、標的遺伝子に特異的なRNAiが可能なdsRNA分子を投与することにより、疾病もしくは疾患を治療または予防する方法が提供され、このdsRNAは、本明細書に記載の置換または修飾を少なくとも1つ有し、低減したまたは最低限のオフターゲット効果を有する。

0084

2つ以上の核酸配列間での「パーセント同一性(percent identity)」は、ギャップ数および2つ以上の配列のアライメントを最適化するために導入される必要のある各ギャップの長さを考慮し、それら配列に共通の同一な位置の数(すなわち、%同一性=同一な位置の数/位置の合計数x 100)の関数である。配列の比較および2つ以上の配列間のパーセント同一性の決定は、BLASTおよびGapped BLASTプログラム等の数学アルゴリズム初期設定パラメータにて使用することで、達成可能である(例えば、Altschul et al.,J. Mol Biol. 215:403、1990;BLASTN at www.ncbi.nlm.nih.gov/BLASTも参照)。

0085

ある局面においては、本開示は、標的mRNAに相補的な第1の鎖、および第1の鎖の非重複領域にそれぞれ相補的な第2と第3の鎖を含むメロデュープレックスリボ核酸(mdRNA)分子を提供し、ここで、前記第2の鎖と第3の鎖は、前記第1の鎖とアニールして10ヌクレオチド以下のギャップで分離されている二本鎖領域を少なくとも2つ形成することができ、ここで、(a)少なくとも1つの二本鎖領域が約5塩基対〜13塩基対を含み、または(b)ここで、前記の二本鎖領域の合計が約15〜約40塩基対であり、mdRNA分子は平滑末端を含み;ここで、前記mdRNAのピリミジンの少なくとも1つが、式Iまたは式IIに記載のピリミジンヌクレオシドで置換されている。

0086

(式中、R1とR2は、それぞれ独立して、−H、−OH、−OCH3、−OCH2OCH2CH3、−OCH2CH2OCH3、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1−C10アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルキルスルホニルアミノ、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロアルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、置換もしくは非置換のC2−C10アルケニル、置換もしくは非置換の−O−アリル、−O−CH2CH=CH2、−O−CH=CHCH3、置換もしくは非置換のC2−C10アルキニル、カルバモイル、カルバミル、カルボキシ、カルボニルアミノ、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、−NH2、−NO2、−C≡、またはヘテロシクロ基であり;R3とR4は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、リン酸、またはヌクレオシド間結合基であり;R5とR8は独立して、OまたはSである。特定の態様においては、少なくとも1つのヌクレオシドが式Iに記載で、R1がメチルでR2が−OH、あるいはR1がメチル、R2が−OHでR8がSである。

0087

別の態様においては、ヌクレオシド間結合基は、約5〜約40ヌクレオシドで共有結合的に連結する。いくつかの態様においては、ギャップは、第2と第3の鎖が第1の鎖にアニールされた際に形成する二本鎖領域間に位置する第1の鎖中に、少なくとも1つの不対ヌクレオチドを含み、またはギャップは、ニックを含む。特定の態様においては、ニックまたはギャップは、第1の鎖の5’−末端から10ヌクレオチドまたはアルゴノート切断部位に位置する。別の態様においては、異なる位置にニックまたはギャップを有するようなメロデュープレックスの熱安定性と比較して、第1と第2の鎖の二重鎖および第1と第3の鎖の二重鎖において熱安定性が最大限になるように、メロデュープレックスのニックまたはギャップが位置する。すなわち、2本以上のニックの入った鎖またはギャップの入った鎖のそれぞれが、第1の鎖にアニールされた際に最高融解温度を有する(すなわち、ニックの入った鎖またはギャップの入った鎖の1つの50%が第1の鎖にアニールされるTmもしくは温度)位置に位置する。

0088

本明細書で提供の通り、本明細書で開示のいかなる局面または態様も、過増殖性疾病(例えば、子宮頚癌卵巣癌)、脈管形成疾患(例えば、腫瘍脈管形成)、または炎症性疾患(例えば、関節リウマチ、関節リウマチ、慢性閉塞性腸疾病、アステローム性動脈硬化症)、呼吸器系疾病、肺疾病、循環器系疾病、自己免疫疾病、アレルギー性疾患、神経系疾病、感染症(例えば、インフルエンザ等のウイルス感染)、腎臓疾病、移植拒絶、標的遺伝子もしくは遺伝子ファミリーの調節に応答するいずれの他の疾病や状態等の、標的遺伝子と関連する疾病や疾患の治療において、有用であろう。本開示の特定の態様においては、単独のdsRNAが、1つもしくは複数の遺伝子ファミリーメンバーmRNA発現をノックダウンするのに使用され得る。

0089

いくつかの態様においては、dsRNAは、第1の鎖が約5ヌクレオチドから約40ヌクレオチドを含み、そして第2と第3の鎖が、それぞれ別々に、約5ヌクレオチド〜約20ヌクレオチドを含む、少なくとも3本の鎖を含み、ここで、第2と第3の鎖の合計の長さは、約15ヌクレオチド〜約40ヌクレオチドである。別の態様においては、dsRNAは、第1の鎖が約15ヌクレオチド〜約24ヌクレオチドもしくは約25ヌクレオチド〜約40ヌクレオチドを含む、少なくとも2本または3本の鎖を含む。さらなる態様においては、第1の鎖は、第2の鎖に、または第2と第3の鎖に、または複数の鎖に相補的であろう。さらなる実施例においては、第1の鎖とその相補体は、少なくとも1つの標的遺伝子mRNAに相補的な第1の鎖の約19〜約25ヌクレオチドと共に、本開示のdsRNAまたはmdRNAを形成することが可能であろう。

0090

例えば、ダイサー基質dsRNAは、約25ヌクレオチド〜約40ヌクレオチドを有し得、アンチセンス(第1の)鎖の19ヌクレオチドのみが、標的遺伝子ファミリーのmRNAの少なくとも1つに相補的である。さらなる態様においては、第1の鎖は、約19ヌクレオチド〜約25ヌクレオチドにおいて標的遺伝子ファミリーのmRNAと相補性を有し得、標的遺伝子ファミリーのmRNAもしくはそれらの任意の組み合わせと1、2もしくは3つのミスマッチ、またはそれらの任意の組み合わせを有し得、または、(例えば、RISC中への添加(loading into)もしくはRISCとの結合を活性化する、または可能な)約19ヌクレオチド〜約25ヌクレオチドの第1の鎖は、標的遺伝子ファミリーのmRNAの少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせ中にある、相当するヌクレオチドと少なくとも80%の同一性を有し得る。

0091

置換および修飾されたニックまたはギャップの入ったdsRNA分子
本開示のmdRNAおよびdsRNA分子への置換および修飾ヌクレオチドの導入は、外因的に送達される天然のRNA分子に固有な、インビボでの安定性とバイオアベイラビリティの潜在的な制限を克服するための手段を提供する。特定の態様においては、dsRNA分子が、被験体中もしくは生物試料中(例えば、血清)で増加した融解温度もしくは半減期を有するように設計されてもよいことから、本開示の置換および修飾されたdsRNA分子は、任意の治療効果のための特定の核酸分子の投与量を少なくさせることが可能である。さらに、特定の置換または修飾は、特定の細胞もしくは組織を標的とすること、またはdsRNAの細胞摂取を改善することにでdsRNAのバイオアベイラビリティを改善するために使用され得る。したがって、天然のRNA分子と比較して、本開示のdsRNA分子の活性がたとえ低減したとしても、分子の改善した安定性または送達によって、置換または修飾されたdsRNA分子の全般的な活性は、天然のRNA分子のそれよりも大きくなり得る。mdRNA構造は、低減したインターフェロン応答につながる場合があり、そして置換および修飾されたdsRNAは、例えばヒトにおいて、インターフェロン応答の活性化の可能性を最小限にすることもできる。

0092

特定の態様においては、本開示のdsRNA分子は、5−メチルウリジンもしくは2−チオリボチミジンで置換もしくは置き換えられたdsRNAの第1の(アンチセンス)鎖の、少なくとも1つのウリジン、少なくとも3つのウリジン、またはありとあらゆるウリジン(すなわち、全てのウリジン)を有する。関連する態様においては、本開示のdsRNA分子もしくはそのアナログは、5−メチルウリジンもしくは2−チオリボチミジンで置換もしくは置き換えられたdsRNAの第2の(センス)鎖の、少なくとも1つのウリジン、少なくとも3つのウリジン、またはありとあらゆるウリジンを有する。さらなる別の態様においては、本開示のdsRNA分子もしくはそのアナログは、5−メチルウリジンもしくは2−チオリボチミジンで置換もしくは置き換えられたdsRNAの第1(アンチセンス)と第2(センス)の両鎖の、少なくとも1つのウリジン、少なくとも3つのウリジン、またはありとあらゆるウリジンを有する。いくつかの態様においては、dsRNA分子の二本鎖領域は、少なくとも3つの5−メチルウリジンまたは2−チオリボチミジンを有する。特定の態様においては、dsRNA分子は、1本の鎖、両鎖、またはそれらの任意の組み合わせにおけるヌクレオチド位置の約5%〜約95%で、リボヌクレオチドを含む。

0093

さらなる態様においては、本開示に記載のRNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させるdsRNA分子は、1つ以上の天然または合成の非標準ヌクレオシドをさらに含む。関連する態様においては、非標準ヌクレオシドは、1つ以上のデオキシウリジン、L−もしくはD−ロックされた核酸(LNA)分子(例えば、5−メチルウリジンLNA)もしくは置換LNA(例えば、ピレンを有する)、または万能結合性(universal−binding)ヌクレオチド、またはG形クランプ、またはこれらの任意の組み合わせである。特定の態様においては、万能結合性ヌクレオチドは、C−フェニル、C−ナフチル、イノシン、アゾールカルボキサミド、1−β−D−リボフラノシル−4−ニトロインドール、1−β−D−リボフラノシル−5−ニトロインドール、1−β−D−リボフラノシル−6−ニトロインドール、または1−β−D−リボフラノシル−3−ニトロピロールであり得る。

0094

dsRNA分子中に存在する、好ましくはアンチセンス鎖中に存在する、しかしながらまたセンス鎖中もしくはアンチセンス鎖とセンス鎖の両鎖中に存在してもよい置換または修飾ヌクレオチドは、本開示に記載の修飾されたまたは置換されたヌクレオチドを含み、天然もしくは標準リボヌクレオチドと同様の特性または特徴を有する。例えば、本開示は、ノーザンコンホメーション(Northern conformation)(例えば、ノーザン擬回転サイクル、例えば、Saenger,Principles of Nucleic Acid Structure,Springer−Verlag ed.,1984参照)を有するヌクレオチドを含むdsRNA分子を特している。それ自体、本開示のdsRNA分子中に存在する、好ましくはアンチセンス鎖中に存在する、しかしながらまたセンス鎖中もしくはアンチセンス鎖とセンス鎖の両鎖中に存在してもよい置換または修飾ヌクレオチドは、ヌクレアーゼ分解に耐性である一方で同時に、RNAiを仲介する能力を維持している。ノーザン構造(Northern configuration)を有するヌクレオチドの例には、ロックされた核酸(LNA)ヌクレオチド(例えば、2’O,4’−C−メチレン−(D−リボフラノシル)ヌクレオチド)、2’−メトキシエチル(MOE)ヌクレオチド、2’メチル−チオ−エチル、2’デオキシ−2’フルオロヌクレオチド、2’デオキシ−2’クロロヌクレオチド、2’アジドヌクレオチド、5−メチルウリジン、または2’O−メチルヌクレオチドが含まれる。特定の態様においては、LNAは、5−メチルウリジンLNAまたは2−チオリボチミジンLNAである。これらのいずれの態様においても、1つ以上の置換または修飾ヌクレオチドが、G形クランプであり得る(例えば、9−(アミノエトキシフェノキサジン等のグアニンにさらなる水素結合を結合するシトシンアナログ;例えば、Lin and Mateucci,J.Am.Chem.Soc.120:8531,1998参照)。

0095

本明細書に記載の通り、本開示が提供するdsRNA分子またはそのアナログの、第1の鎖および1本以上の第2の鎖は、共にアニールまたはハイブリダイズして(すなわち、鎖間の相補性により)、約4〜約10塩基対、約5〜約13塩基対、または約15〜約40塩基対の長さを有する二本鎖領域を少なくとも1つ形成することができる。いくつかの態様においては、dsRNAは、約15〜約24塩基対または約19〜約23塩基対の長さ範囲の二本鎖領域を、少なくとも1つ有する。別の態様においては、dsRNAは、約26〜約40塩基対または約27〜約30塩基対または約30〜約35塩基対の長さ範囲の二本鎖領域を、少なくとも1つ有する。別の態様においては、本開示のdsRNA分子の2本以上の鎖は、ヌクレオチドまたは非ヌクレオチドリンカー分子よって、共有結合的に連結されてよい。

0096

特定の態様においては、dsRNA分子またはそのアナログは、1つのデオキシリボヌクレオチドまたは2つのデオキシリボヌクレオチド(例えば、チミジン、アデニン)を含むオーバーハング等の、1〜4ヌクレオチドのオーバーハングを、dsRNAの3’−末端の片末端もしくは両末端上に含む。特定の態様においては、1つ以上のデオキシリボヌクレオチドを含む3’−末端は、mdRNA分子中にあり、ギャップ中、ギャップ外、またはそれらの任意の組み合わせのいずれかにある。特定の態様においては、dsRNA分子またはそのアナログは、dsRNAの片末端または両末端に、平滑末端を有する。特定の態様においては、第1の鎖または第2の鎖の5’−末端がリン酸化されている。本明細書で記載のdsRNA分子のいずれの態様においても、3’−末端ヌクレオチドのオーバーハングは、核酸の糖、塩基、もしくは骨格で化学的に修飾されている、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドを含み得る。本明細書に記載のdsRNA分子のいずれの態様においても、3’−末端ヌクレオチドのオーバーハングは、万能塩基(universal base)リボヌクレオチドを1つ以上含み得る。本明細書に記載のdsRNA分子のいずれの態様においても、3’−末端ヌクレオチドのオーバーハングは、非環式ヌクレオチドを1つ以上含み得る。本明細書に記載のdsRNA分子のいずれの態様においても、dsRNAはさらに、5’リン酸(Martinez et al.,Cell 110:563,2002;および Schwarz et al.,Molec.Cell 10:537,2002を参照のこと)または5’3’二リン酸等の末端リン酸基を含み得る。

0097

本明細書で説明の通り、1つ以上の標的遺伝子の発現を、例えばRNAiによって減少させる、本開示のdsRNAの末端構造は、平滑末端または1つ以上のオーバーハングのいずれかを有してよい。特定の態様においては、オーバーハングは、3’末端または5’末端にあってよい。オーバーハングを有するdsRNAの合計の長さは、対形成した二本鎖部分の長さとオーバーハングしているヌクレオチドとの合計として表わされる。例えば、19塩基対のdsRNAが両末端に2つのヌクレオチドオーバーハングを有する場合、全長は21−merと表わされる。さらに、オーバーハング配列は標的遺伝子の1つ以上に対して低い特異性を有する場合があるため、標的遺伝子配列に相補的(アンチセンス)または同一(センス)である必要はない。さらなる態様においては、RNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させる、本開示のdsRNAはさらに、例えばdsRNAのオーバーハング部分の1つ以上において、低分子量の構造(例えば、tRNA、rRNAもしくはウイルスRNA等の天然RNA分子、または人工RNA分子)を含んでよい。

0098

さらなる態様においては、本開示に記載のRNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させるdsRNA分子は、例えば2’−デオキシ、2’−O−2−メトキシエチル、2’−O−メトキシエチル、2’−O−メチル、ハロゲン、2’−フルオロ、2’−O−アリル等、またはこれらの任意の組み合わせといった、2’−糖置換を含む。なおさらなる態様においては、本開示に記載のRNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させるdsRNA分子は、第1の鎖の片末端もしくは両末端、または第2の鎖の片末端もしくは両末端上に、アルキル、無塩基デオキシ、無塩基グリセリル、ジヌクレオチド非環式ヌクレオチド、逆位デオキシヌクレオチド部分もしくはそれらの任意の組み合わせ等の、末端キャップ置換基をさらに含む。特定の態様においては、二本鎖領域内のセンス鎖の少なくとも1つまたは2つの5’−末端リボヌクレオチドが、2’−糖置換を有する。特定の別の態様においては、二本鎖領域内のアンチセンス鎖の少なくとも1つまたは2つの5’−末端リボヌクレオチドが、2’−糖置換を有する。特定の態様においては、二本鎖領域内のセンス鎖およびアンチセンス鎖の少なくとも1つまたは2つの5’−末端リボヌクレオチドが、2’−糖置換を有する。

0099

別の態様においては、本開示に記載のRNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させるdsRNA分子は、リボシル、2’−デオキシリボシル、テトロフラノシル(例えば、L−α−トレオフラノシル)、ヘキソピラノシル(例えば、β−アロピラノシル、β−アルトロピラノシル、およびβ−グルコピラノシル)、ペントピラノシル(例えば、β−リボピラノシル、α−リキソピラノシル、β−キシロピラノシル、およびα−アラビノピラノシル)、炭素環式の(炭素のみの環)アナログ、ピラノースフラノースモルフォリノ、またはそれらのアナログもしくは誘導体の、任意の組み合わせを含む、糖骨格中に、1つ以上の置換を含む。

0100

さらなる別の態様においては、本開示に記載のRNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させるdsRNA分子は、独立して、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、リン酸トリエステル、アミノアルキルリン酸トリエステル、メチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、3’−アルキレンホスホン酸、5’−アルキレンホスホン酸、キラルホスホン酸、ホスホノアセテート、チオホスホノアセテート、ホスフィン酸塩、ホスホラミデート、3’−アミノホスホラミデート、アミノアルキルホスホラミデート、チオノホスホラミデート、チオノアルキルホスホン酸、チオノアルキルリン酸トリエステル、セレノリン酸、ボラノリン酸結合、またはそれらの任意の組み合わせ等の、修飾されたヌクレオシド間結合を少なくとも1つ含む。

0101

修飾されたヌクレオチド間結合は、本明細書で記載の通り、例えば、センス鎖中、アンチセンス鎖中、両鎖中、または複数の鎖中(例えば、mdRNA中)といった、本開示のdsRNA分子の1本以上の鎖中に存在し得る。本開示のdsRNA分子は、センス鎖の、もしくはアンチセンス鎖の、もしくは両鎖の、3’−末端、5’−末端、もしくは3’−と5’−の両末端に、1つ以上の修飾されたヌクレオチド間結合を含み得る。ある態様においては、RNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させることが可能なdsRNA分子は、3’−末端に、ホスホロチオエート結合等のヌクレオチド間結合を1つ有する。例えば、本開示は、1本のdsRNA鎖中に約1〜約8またはそれ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有する、RNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させることが可能なdsRNA分子を提供する。さらに別の態様においては、本開示は、両方のdsRNA鎖中に約1〜約8またはそれ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有する、RNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させることが可能なdsRNA分子を提供する。別の態様においては、本開示の典型的なdsRNA分子は、センス鎖、アンチセンス鎖、両鎖、もしくは複数の鎖の5’−末端に、約1〜約5またはそれ以上の連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み得る。別の実施例においては、本開示の典型的なdsRNA分子は、センス鎖中、アンチセンス鎖中、2本の鎖中、または複数の鎖中に、1つ以上のピリミジンホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み得る。さらに別の実施例においては、本開示の典型的なdsRNA分子は、センス鎖中、アンチセンス鎖中、2本の鎖中、または複数の鎖中に、1つ以上のプリンホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み得る。

0102

本開示のdsRNAにおいて有用な、多くの典型的な修飾されたヌクレオチド塩基またはそれらのアナログは、5−メチルシトシン;5−ヒドロキシメチルシトシンキサンチンヒポキサンチン;2−アミノアデニン;アデニンおよびグアニンの、6−メチル、2−プロピル、もしくはその他のアルキル誘導体;8−置換アデニンおよびグアニン(例えば、8−アザ、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル等);7−メチル、7−デアザ、および3−デアザアデニンならびにグアニン;2−チオウラシル;2−チオチミン;2−チオシトシン;5−メチル、5−プロピニル、5−ハロ(例えば、5−ブロモもしくは5−フルオロ)、5−トリフルオロメチル、またはその他の5−置換ウラシルおよびシトシン;ならびに、6−アゾウラシルを含む。さらなる有用なヌクレオチド塩基は、Kurreck,Eur.J.Biochem.270:1628,2003;Herdewijn,Antisense Nucleic Acid Develop.10:297,2000;Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,pages 858−859,Kroschwitz,J.I.,ed.John Wiley & Sons,1990;米国特許第3,687,808号、および同様の参考文献に見出すことができる。

0103

特定のヌクレオチド塩基部分は、本開示のdsRNA分子の、相補的なする標的に対する結合親和性の増加において、特に有用である。これら塩基部分には、5−置換ピリミジン;6−アゾピリミジン;ならびにN−2、N−6、またはO−6置換プリン(2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシルおよび5−プロピニルシトシン等)が含まれる。さらに、例えば、5−メチルウリジンおよび5−メチルシトシン置換は、核酸二重鎖の安定性を増加させることが知られており、修飾もしくは置換dsRNAに対して所望のヌクレアーゼ耐性を提供する、2’−糖置換(例えば、2’−メトキシもしくは2’−メトキシエチル)またはヌクレオチド間結合(例えば、ホスホロチオエート)と組み合わされ得る。

0104

本開示の別の局面においては、標的遺伝子のmRNAに相補的な第1の鎖、またはそれらの任意の組み合わせ、および第1の鎖に相補的な第2の鎖を含む、1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させるdsRNAが提供され、ここで、第1と第2の鎖は、約15〜約40塩基対の二本鎖領域を形成し、ここで、dsRNAのピリミジンの少なくとも1つが、式Iまたは式IIに記載のピリミジンヌクレオシドで置換される。

0105

式中、R1とR2は、それぞれ独立して、−H、−OH、−OCH3、−OCH2OCH2CH3、−OCH2CH2OCH3、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1−C10アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル,アルキルスルホニルアミノ、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロアルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、置換もしくは非置換のC2−C10アルケニル、置換もしくは非置換の−O−アリル、−O−CH2CH=CH2、−O−CH=CHCH3、置換もしくは非置換のC2−C10アルキニル、カルバモイル、カルバミル、カルボキシ、カルボニルアミノ、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、−NH2、−NO2、−C≡、またはヘテロシクロ基であり;R3とR4は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、またはヌクレオシド間結合基であり;R5とR8は独立して、OまたはSである。特定の態様においては、少なくとも1つのヌクレオシドが式Iに記載で、R1がメチルでR2が−OH、あるいはR1がメチル、R2が−OHでR8がSである。別の態様においては、ヌクレオシド間結合基は、約5〜約40ヌクレオシドで共有結合的に連結する。

0106

特定の態様においては、RNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させ、かつ式Iまたは式IIに記載のピリミジンヌクレオシドで置換されているピリミジンを少なくとも1つ有する、dsRNAの第1の鎖および1本以上の第2の鎖は、共にアニールまたはハイブリダイズして(すなわち、鎖間の相補性により)、1つの長さもしくは合計の長さが約15〜約40塩基対を有する二本鎖領域を少なくとも1つ形成することができる。いくつかの態様においては、dsRNAは、約4〜約10塩基対または約5〜約13塩基対または約15〜約25塩基対または約19〜約23塩基対の長さ範囲の二本鎖領域を、少なくとも1つ有する。別の態様においては、dsRNAは、約26〜約40塩基対または約27〜約30塩基対または約30〜約35塩基対の長さ範囲の二本鎖領域を、少なくとも1つ有する。特定の態様においては、dsRNA分子またはそのアナログは、1つのデオキシリボヌクレオチドまたは2つのデオキシリボヌクレオチド(例えば、チミジン)を含むオーバーハング等の、1〜4ヌクレオチドのオーバーハングを、3’−末端の片末端もしくは両末端上に含む。いくつかの態様においては、dsRNA分子またはそのアナログは、dsRNAの片末端または両末端に平滑末端を有する。特定の態様においては、第1の鎖のまたは第2の鎖の5’−末端は、リン酸化されている。

0107

特定の態様においては、R1の少なくとも一つが、メチルまたはエチル等のC1−C5アルキルである。本開示の別の典型的な態様の範囲内においては、式Iの化合物は5−アルキルウリジン(すなわち、R1はアルキル、R2は−OH、そしてR3、R4、ならびにR5は本明細書で定義の通り)であり、あるいは、式IIの化合物は5−アルキルシチジン(すなわち、R1はアルキル、R2は−OH、そしてR3、R4、ならびにR5は本明細書で定義の通り)である。関連する態様においては、5−アルキルウリジンは5−メチルウリジン(リボチミジンまたは「t」もしくは「T」とも称される。すなわち、R1はメチルでR2は−OHである)であり、5−アルキルシチジンは5−メチルシチジンである。別の態様においては、dsRNAの第1の鎖のウリジンの、少なくとも1つ、少なくとも3つ、もしくは全てが、5−メチルウリジンで置換され、または、dsRNAの第2の鎖のウリジンの、少なくとも1つ、少なくとも3つ、または全てが、5−メチルウリジン、で置換され、あるいはこれらの任意の組み合わせ(たとえば、そのような変更が両鎖において行われる)である。特定の態様においては、式Iまたは式IIのピリミジンヌクレオシドの少なくとも1つが、SであるR5またはSであるR8を有する。

0108

さらなる態様においては、dsRNAのピリミジンヌクレオシドの少なくとも1つは、二環式の糖の形態でロックされた核酸(LNA)であり、ここで、R2は酸素で、2’Oと4’Cは同じリボース環上に、1つのオキシメチレン架橋を形成する。ある関連する態様においては、LNAは、5−メチルウリジンLNAまたは2−チオ−5−メチルウリジン等の、塩基置換を含む。別の態様においては、dsRNAの第1の鎖のウリジンの、少なくとも1つ、少なくとも3つ、もしくは全てが、5−メチルウリジンもしくは2−チオリボチミジンもしくは5−メチルウリジンLNAまたは2−チオ−5−メチルウリジンLNAで置換され、または、dsRNAの第2の鎖のウリジンの、少なくとも1つ、少なくとも3つ、もしくは全てが、5−メチルウリジン、2−チオリボチミジン、5−メチルウリジンLNA、2−チオ−5−メチルウリジンLNA、またはそれらの任意の組み合わせで置換される(例えば、そのような変更が両鎖において行われる、または、いくつかの置換が、5−メチルウリジンのみ、2−チオリボチミジンのみ、5−メチルウリジンLNAのみ、2−チオ−5−メチルウリジンLNAのみ、または1つ以上の5−メチルウリジンもしくは2−チオリボチミジンと1つ以上の5−メチルウリジンLNAもしくは2−チオ−5−メチルウリジンLNAを含む)。

0109

さらなる態様においては、ピリミジンヌクレオシドまたはヌクレオシド間結合のリボースは、任意に修飾され得る。例えば、式Iまたは式IIの化合物が提供され、ここで、R2は2’O−メチル置換等(例えば、それぞれ、5−アルキルウリジンまたは5−アルキルシチジンに追加され得る)のアルコキシである。特定の態様においては、R2は、2’O−(C1−C5)アルキル、2’O−メチル、2’OCH2OCH2CH3、2’OCH2CH2OCH3、2’O−アリル、または2’−フルオロから選択される。さらなる態様においては、1つ以上のピリミジンヌクレオシドは式Iに記載で、R1はメチルでR2は2’O−(C1−C5)アルキル(例えば、2’O−メチル)であり、あるいは、R1はメチル、R2は2’O−(C1−C5)アルキル(例えば、2’O−メチル)、そしてR5もしくはR8はS、またはそれらの任意の組み合わせ、である。別の態様においては、式Iまたは式IIに記載のピリミジンヌクレオシドの1つ以上もしくは少なくとも2つが、−Hまたは−OHでないR2を有し、3’−末端または5’−末端で導入されて、これはdsRNA分子の二本鎖領域内の1本以上の鎖のギャップ内ではない。

0110

さらなる態様においては、dsRNA分子またはそのアナログは、R2が−Hもしくは−OHでない式Iまたは式IIに記載のピリミジンヌクレオシドおよびオーバーハングを含み、dsRNA分子の二本鎖領域内の1本の鎖または2本の鎖の、3’−末端もしくは5’−末端もしくは両末端のいずれかで導入されるピリミジンヌクレオシドを少なくとも2つ、さらに含む。ある関連する態様においては、R2が−Hもしくは−OHでない、少なくとも2つのピリミジンヌクレオシドの少なくとも1つは、dsRNA分子の少なくとも1本の鎖の二本鎖領域内の3’−末端または5’−末端に位置し、ここで、R2が−Hもしくは−OHでない、少なくとも2つのピリミジンヌクレオシドの少なくとも1つは最初に、dsRNA分子の1本の鎖内に位置する。なおさらなる態様においては、オーバーハングを有するdsRNA分子またはそのアナログは、dsRNA分子のセンス鎖の二本鎖領域内の5’−末端に導入される、R2が−Hもしくは−OHでない2つ以上のピリミジンヌクレオシドの第1のピリミジンヌクレオシド、およびdsRNA分子のアンチセンス鎖の二本鎖領域内の5’−末端に導入される、R2が−Hもしくは−OHでない2つ以上のピリミジンヌクレオシドの第2のピリミジンヌクレオシド、を有する。これらのいずれの態様においても、置換または修飾ヌクレオチドの1つ以上は、G形クランプであり得る(例えば、9−(アミノエトキシ)フェノキサジン等のグアニンにさらなる水素結合を形成する、シトシンアナログ;例えば、Lin and Mateucci,1998参照)。これらのいずれの態様においても、提供される1つ以上のピリミジンヌクレオシドはギャップ内にない。

0111

さらに別の態様においては、本開示に記載の式Iまたは式IIの、オーバーハングを有するdsRNA分子またはそのアナログは、4つ以上の独立したピリミジンヌクレオシドまたはR2が−Hもしくは−OHでない4つ以上の独立したピリミジンヌクレオシドを含み、ここで、(a)第1のピリミジンヌクレオシドは、dsRNAのセンス(第2の)鎖の二本鎖領域内の3’−末端に導入され、(b)第2のピリミジンヌクレオシドは、センス(第2の)鎖の二本鎖領域内の5’−末端に導入され、(c)第3のピリミジンヌクレオシドは、dsRNAのアンチセンス(第1の)鎖の二本鎖領域内の3’−末端に導入され、そして(d)第4のピリミジンヌクレオシドは、アンチセンス(第1の)鎖の二本鎖領域内の5’−末端に導入される。これらのいずれの態様においても、提供される1つ以上のピリミジンヌクレオシドはギャップ内にない。

0112

さらなる態様においては、R2が−Hもしくは−OHでなく平滑末端である、式Iまたは式IIに記載のピリミジンヌクレオシドを含むdsRNA分子またはそのアナログは、dsRNA分子の1本の鎖または2本の鎖の、3’−末端もしくは5’−末端もしくは両末端のいずれかで導入されるピリミジンヌクレオシドを少なくとも2つ、さらに含む。ある関連する態様においては、R2が−Hもしくは−OHでない、少なくとも2つのピリミジンヌクレオシドの少なくとも1つは、dsRNA分子の1本以上の鎖の二本鎖領域内の3’−末端または5’−末端に位置し、ここで、R2が−Hもしくは−OHでない、少なくとも2つのピリミジンヌクレオシドの少なくとも1つは最初に、dsRNA分子の1本の鎖内に位置する。なおさらなる態様においては、平滑末端であるdsRNA分子またはそのアナログは、dsRNA分子のセンス鎖の5’−末端で導入される、R2が−Hもしくは−OHでない少なくとも2つのピリミジンヌクレオシドの第1のピリミジンヌクレオシド、およびdsRNA分子のアンチセンス鎖の5’−末端で導入される、少なくとも2つのピリミジンヌクレオシドの第2のピリミジンヌクレオシド、を有する。これらのいずれの態様においても、提供される1つ以上のピリミジンヌクレオシドはギャップ内にない。

0113

さらに別の態様においては、式Iまたは式IIに記載のピリミジンヌクレオシドを含み、平滑末端であるdsRNA分子は、4つ以上の独立したピリミジンヌクレオシドまたはR2が−Hもしくは−OHでない4つ以上の独立したピリミジンヌクレオシドを含み、ここで、(a)第1のピリミジンヌクレオシドは、dsRNAのセンス(第2の)鎖の二本鎖領域内の3’−末端に導入され、(b)第2のピリミジンヌクレオシドは、センス(第2の)鎖の二本鎖領域内の5’−末端に導入され、(c)第3のピリミジンヌクレオシドは、dsRNAのアンチセンス(第1の)鎖の二本鎖領域内の3’−末端に導入され、そして(d)第4のピリミジンヌクレオシドは、アンチセンス(第1の)鎖の二本鎖領域内の5’−末端に導入される。これらのいずれの態様においても、提供される1つ以上のピリミジンヌクレオシドはギャップ内にない。

0114

なおさらなる態様においては、本開示に記載の式Iまたは式IIのdsRNAもしくはそのアナログは、第1の鎖または第2の鎖の片末端もしくは両末端に、アルキル、無塩基デオキシ、無塩基グリセリル、ジヌクレオチド、非環式ヌクレオチド、逆位デオキシヌクレオチド部分、またはそれらの任意の組み合わせ等の末端キャップ置換基を、さらに含む。さらなる態様においては、少なくとも1つのヌクレオシド間結合が任意に修飾され得る。例えば、本開示に記載の式IまたはIIのdsRNA分子もしくはそのアナログ、ここで、少なくとも1つのヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、リン酸トリエステル、アミノアルキルリン酸トリエステル、メチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、3’−アルキレンホスホン酸、5’−アルキレンホスホン酸、キラルホスホン酸、ホスホノアセテート、チオホスホノアセテート、ホスフィン酸塩、ホスホラミデート、3’−アミノホスホラミデート、アミノアルキルホスホラミデート、チオノホスホラミデート、チオノアルキルホスホン酸、チオノアルキルリン酸トリエステル、セレノリン酸、ボラノリン酸結合、またはそれらの任意の組み合わせ、に修飾される。

0115

さらなる別の態様においては、RNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させる、標的遺伝子のmRNAに相補的な第1の鎖、またはそれの任意の組み合わせ、および第1の鎖に相補的な2本以上の第2の鎖を含む、ニックまたはギャップの入ったdsRNA分子(それぞれ、ndsRNAまたはgdsRNA)が提供され、ここで、第1の鎖と少なくとも1本の第2の鎖は、約5〜約13塩基対の非重複二本鎖領域を形成する。前述の置換または修飾のいずれも、同様に、本態様の範囲内であると意図される。

0116

本開示の別の典型例においては、少なくとも2つの置換ピリミジンヌクレオシドを含むdsRNAは、それぞれ独立して選択され得て、ここでR1は、アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、アルカノイル、アルカノイロキシ、アリール、アロイル、アラルキル、二トリル、ジアルキルアミノ、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシ、カルボニル、アルカノイルアミノ、カルバモイル、カルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、またはヘテロシクロ基等の、本明細書で意図する任意の化学修飾または置換を含む。2つ以上の修飾リボヌクレオチドが存在する場合、修飾リボヌクレオチドはそれぞれ独立して、R1もしくはR2において、同一のもしくは異なる修飾または置換を有するように修飾され得る。

0117

別の詳細な態様においては、式Iまたは式IIに記載の1つ以上のピリミジンヌクレオシドは、本開示のdsRNA分子のセンス鎖とアンチセンス鎖のいずれかまたは両鎖上で、上記の1つもしくは複数の末端位置または複数の非末端(「内部的」)位置のいずれかもしくは組み合わせを含む、任意のヌクレオチド位置またはリボヌクレオチド位置の任意の組み合わせにおいて、位置し得る。これに関して、センス鎖とアンチセンス鎖のそれぞれは、約1〜約6またはそれ以上の置換ヌクレオチドを導入し得る。

0118

特定の態様においては,2つ以上の置換ミリミジンヌクレオシドが本開示のdsRNA内に導入される場合、該置換ピリミジンヌクレオシドの少なくとも1つは、片鎖もしくは両鎖の3’−末端または5’−末端で存在し、特定の態様においては、該置換ピリミジンヌクレオシドの少なくとも1つは、片鎖もしくは両鎖の5’−末端で存在するであろう。別の態様においては、置換ピリミジンヌクレオシドは、本明細書に記載の通り、同族mRNAを標的とするための相同配列として構築される修飾されていないdsRNA中のピリミジンの位置に相当する位置にある。

0119

加えて、本開示のdsRNAの末端構造は、dsRNA分子の片側の末端がリンカー核酸(例えば、リンカーRNA)で接続されるステムループ構造(stem−loop structure)を有してもよい。二本鎖領域(ステム−ループ部位)の長さは、例えば、約15〜約49塩基対(bp)、約15〜約35bp、または約21〜約30bpの長さであり得る。代わりに、標的細胞中で発現されるdsRNAの最終転写産物である二本鎖領域の長さは、例えば、およそ約15〜約49bp、約15〜約35bp、または約21〜約30bpの長さであり得る。リンカー断片が用いられる場合、ステム−ループ構造のステム部位における対形成を妨げない限り、リンカーの長さに具体的な限定はない。例えば、ステム部位の安定した対形成およびこの部をコードするDNA間の組み換えの抑制のためには、リンカー部位クローバー型のtRNA構造を有してもよい。仮にリンカーがステム部位の対形成を妨げるであろう長さを有する場合でも、例えば、前駆体RNAから成熟RNAへのプロセス中にイントロン切除され、これによりstem部位の対形成が可能となるように、イントロンを含むリンカー部位を構築することが可能である。ステム−ループ型dsRNA場合、ループ構造を持たないRNAのいずれかの末端(ヘッド(head)またはテール(tail))は、低分子量RNAを有してよい。上に記載の通り、これらの低分子量RNAは、tRNA,rRNAもしくはRNA等の天然のRNA分子または人工のRNA分子を含んでよい。

0120

dsRNA分子は、1つの環状核酸分子で構成されてよく、ここでdsRNAは、約18〜約23塩基対(例えば、約19〜約21)を有する、長さ約38〜約70ヌクレオチドであり、ここで環状オリゴヌクレオチドは、約19塩基対と2つのループを有するダンベル型構造(dumbbell shaped structure)を形成する。特定の態様においては、環状dsRNA分子は2つのループモチーフを含み、ここで、dsRNA分子の一方のまたは両方のループ部位は、生分解性である。たとえば、本開示のある環状dsRNA分子は、インビボでのdsRNA分子のループ部位の分解が、約1〜約4の(不対)ヌクレオチドを含む3’末端ヌクレオチドオーバーハング等の3’末端オーバーハングを備える二本鎖dsRNA分子を生成できるように設計されている。

0121

本開示に記載のdsRNAへ置換するピリミジンヌクレオシドは、例えば、5’エキソ核酸分解または3’エキソ核酸分解等のエキソ核酸分解(exonucleolytic degradation)の、酵素的分解に対する耐性を増加させるように選択可能である。本明細書に記載のdsRNAは、それ自体として、標準ヌクレオチドを有する相当するdsRNAと比較して、酵素的分解に対して有意な耐性を示し、それによって、生理的環境(例えば、真核標的細胞に導入された場合)において、より優れた安定性、増加した半減期、およびより優れたバイオアベイラビリティを保有するであろう。エキソ核酸分解に対する置換または修飾dsRNAの増加した耐性に加えて、式Iまたは式IIに記載の1つ以上のピリミジンヌクレオシドの組み入れは、これらの分子を、他の置換もしくは修飾を含まない同一のdsRNAよりもより安定でバイオベイラブル(bioavailable)にさせるdsRNAを提供するであろう。本開示の関連する局面においては、本明細書に記載のdsRNAの置換または修飾は、修飾dsRNAを生物試料と、例えば哺乳類細胞、細胞内区画、血清もしくはその他の細胞外液、組織、あるいは他のインビトロもしくはインビボの生理区画または環境と接触させる、研究、診断および治療方法内で使用する修飾dsRNAの安定性を、改善させるように選択される。ひとつの態様においては、診断は単離された生物試料に行われる。別の態様においては、診断方法はインビトロで行われる。さらなる態様においては、診断方法は人体または動物体で(直接的に)行われない。

0122

置換または修飾dsRNAの安定性の増加に加えて、遺伝子サイレンシング用に設計されたdsRNA中での式Iまたは式IIに記載の1つ以上のピリミジンヌクレオシドの組み入れは、相当する非修飾のdsRNAに比較して、置換または修飾dsRNAの融点の上昇を含む、さらなる所望の機能的結果をもたらすために使用可能である。dsRNAのかように上昇した融点により、対象の置換または修飾はしばしば、(通常起こるであろう、そしてdsRNAを特定のエキソヌクレアーゼによる分解に対してより脆弱にさせるであろう)置換または修飾dsRNAの部分的デハイブリダイゼーション(dehybridization)の発生もしくは程度を、遮断または低減し、それにより、置換または修飾dsRNAの安定性を増加させるであろう。

0123

本開示の別の局面においては、mdRNA構造は、mdRNAを生物試料と接触させる際(例えば、潜在的な特異的および非特異的標的として存在する、特異的および非特異的mRNA種を有する標的真核細胞に導入する際)、本明細書に記載の置換または修飾で改善可能な、オフターゲット効果を低減するのために使用可能である。同様に、mdRNA構造は、mdRNAを生物試料と接触させる際、例えば真核細胞に導入する際、本明細書に記載の置換または修飾で改善可能な、インターフェロン活性を低減するために使用可能である。したがって、本開示に記載の置換または修飾dsRNA(mdRNA)は、遺伝子サイレンシングの方法で用いられ、ここでは、置換または修飾dsRNAが、ニックもしくはギャップもしくは修飾が欠如している相当するdsRNAと比較して、低減されたもしくは検出不可能なオフターゲット効果、または低減されたインターフェロン応答を示す。

0124

さらなる態様においては、本開示のdsRNAは、標的遺伝子の配列に相同もしくは相当するセンス(第2の)鎖を1本以上と、標的遺伝子のセンス鎖および配列に相補的はアンチセンス(第1の)鎖とを含み得る。典型的な態様においては、dsRNAの少なくとも1本の鎖は、式Iまたは式IIに記載の置換された1つ以上ピリミジン組み入れる(例えば、ここでピリミジンは、1つ以上の5−メチルウリジンまたは2−チオリボチミジンで置換され、リボースは修飾されて2’−O−メチル置換を1つ以上組み入れ、もしくはそれら任意の組み合わせ)。式Iまたは式IIに記載の、これらおよびその他の複数の置換または修飾は、dsRNAがRNAi活性を保持する限り、dsRNAの片鎖もしくは両鎖に存在する、1つ以上のピリミジンまたはそれら任意の組み合わせおよび全てのピリミジンにも、導入可能である。

0125

本明細書で記載のいずれの態様においても、dsRNAは複数の修飾を含んでよい。例えば、少なくとも1つのリボチミジンまたは2−チオリボチミジンを有するdsRNAは、少なくとも1つのLNA、2’−メトキシ、2’−フルオロ、2’−デオキシ、ホスホロチオエート結合、逆位塩基末端キャップ(inverted base terminal cap)、またはこれらの任意の組み合わせ、をさらに含んでよい。特定の態様においては、dsRNAは、ウリジンの1つ〜全てがリボチミジンで置換されていて、約75%以下のLNA置換を有するであろう。別の態様においては、dsRNAは、ウリジンの1つ〜全てがリボチミジンで置換されていて、約75%以下の2’−メトキシ置換を(そしてアルゴノート切断部位においてではなく)有するであろう。さらに別の態様においては、dsRNAは、ウリジンの1つ〜全てがリボチミジンで置換されていて、約100%以下の2’−フルオロ置換を有するであろう。さらに別の態様においては、dsRNAは、ウリジンの1つ〜全てがリボチミジンで置換されていて、約75%以下の2’−デオキシ置換を有するであろう。さらに別の態様においては、dsRNAは、約75%以下のLNA置換を有し、約75%以下の2’−メトキシ置換を有するであろう。さらに別の態様においては、dsRNAは、約75%以下のLNA置換を有し、約100%以下の2’−フルオロ置換を有するであろう。さらに別の態様においては、dsRNAは、約75%以下のLNA置換を有し、約75%以下の2’−デオキシ置換を有するであろう。さらに別の態様においては、dsRNAは、約75%以下の2’−メトキシ置換を有し、約100%以下の2’−フルオロ置換を有するであろう。さらに別の態様においては、dsRNAは、約75%以下の2’−メトキシ置換を有し、約75%以下の2’−デオキシ置換を有するであろう。さらに別の態様においては、dsRNAは、約100%以下の2’−フルオロ置換を有し、約75%以下の2’−デオキシ置換を有するであろう。

0126

さらなる複数の修飾の態様においては、dsRNAは、1つ〜全てのウリジンがリボチミジンで置換されていて、約75%以下のLNA置換および75%以下の2’−メトキシ置換を有するであろう。なおさらなる態様においては、dsRNAは、1つ〜全てのウリジンがリボチミジンで置換されていて、約75%以下のLNA置換および約100%以下の2’−フルオロ置換を有するであろう。さらなる態様においては、dsRNAは、1つ〜全てのウリジンがリボチミジンで置換されていて、約75%以下のLNA置換および約75%以下の2’−デオキシ置換を有するであろう。さらなる態様においては、dsRNAは、1つ〜全てのウリジンがリボチミジンで置換されていて、約75%以下の2’−メトキシ置換および約75%以下の2’−フルオロ置換を有するであろう。さらなる態様においては、dsRNAは、1つ〜全てのウリジンがリボチミジンで置換されていて、約75%以下の2’−メトキシ置換および約75%以下の2’−デオキシ置換を有するであろう。さらなる態様においては、dsRNAは、1つ〜全てのウリジンがリボチミジンで置換されていて、約100%以下の2’−フルオロ置換および約75%以下の2’−デオキシ置換を有するであろう。なおさらなる態様においては、dsRNAは、1つ〜全てのウリジンがリボチミジンで置換されていて、約75%以下のLNA置換、約75%以下の2’−メトキシ、約100%以下の2’−フルオロ、および約75%以下の2’−デオキシ置換を有するであろう。別の態様においては、dsRNAは、約75%以下のLNA置換、約75%以下の2’−メトキシ置換、および約100%以下の2’−フルオロ置換を有するであろう。さらなる態様においては、dsRNAは、約75%以下のLNA置換、約75%以下の2’−メトキシ置換、および約75%以下の2’−デオキシ置換を有するであろう。さらなる態様においては、dsRNAは、約75%以下のLNA置換、約100%以下の2’−フルオロ置換、および約75%以下の2’−デオキシ置換を有するであろう。なおさらなる態様においては、dsRNAは、約75%以下の2’−メトキシ、約100%以下の2’−フルオロ、および約75%以下の2’−デオキシ置換を有するであろう。

0127

これら複数の修飾の態様のいずれにおいても、dsRNAは、100%以下のホスホロチオエートのヌクレオチド間結合、1〜10もしくはそれ以上の逆位塩基末端キャップ、またはそれらの任意の組み合わせ、をさらに含んでよい。加えて、これら複数の修飾の態様のいずれも、1本の鎖、2本の鎖、3本の鎖、複数の鎖、または全ての鎖上に、これら複数の修飾を有してよい。最後に、これら複数の修飾dsRNAのいずれにおいても、dsRNAは遺伝子サイレンシングの活性を保持しなければならない。

0128

特定の局面の範囲内では、本開示は、RNAiによって1つ以上の標的遺伝子の発現を減少させるdsRNA、およびdsRNAを1つ以上含む組成物を提供し、ここで、少なくとも1つのdsRNAが、dsRNA二重鎖のアンチセンス鎖のアンチコドン中の第1の、第2の、もしくは第3の位置において、1つ以上の万能結合ヌクレオチドを含み、さらにここで、dsRNAは、標的細胞よって発現されるRNA等の1つ以上の標的配列に特異的に結合することができる。ここで標的RNAの配列が1つ以上の単独のヌクレオチド置換を含む場合、万能結合ヌクレオチドを含むdsRNAは、標的RNAに特異的に結合する能力を保持し、それによって遺伝子サイレンシングを仲介し、結果として、dsRNAに仲介される遺伝子サイレンシングからの標的の逸脱を克服する。本明細書で開示される組成物および方法において好適に用いられてもよい万能結合ヌクレオチドの限定されない例には、イノシン、1−β−D−リボフラノシル−5−ニトロインドール、および1−β−D−リボフラノシル−3−ニトロピロールが含まれる。本開示の目的のためには、万能結合ヌクレオチドは、1種類以上のヌクレオチドと水素結合されたヌクレオチド対を形成できるヌクレオチドである。

0129

上記の組成物の限定されない例として、dsRNA分子のアンチセンス鎖のアンチコドン内において、チロシン(AUA)もしくはフェニルアラニン(AAAかGAA)、システイン(ACAかGCA)、ヒスチジン(AUGかGUG)、アスパラギン(AUUかGUU)、イソロイシン(UAU)およびアスパラギン酸(AUCかGUC)のためのアンチコドンを修飾することが含まれる。

0130

例えば、特定の態様の範囲内において、AUAが同族コドンであるイソロイシンのアンチコドンUAUは、第3位置のウリジン(U)ヌクレオチドが万能結合ヌクレオチドであるイノシンIで置換されてアンチコドンUAIを作成するように、修飾されてよい。イノシンは、アデノシン(A)、ウリジン(U)、およびシチジン(C)ヌクレオチドと対形成できるが、グアノシン(G)とは対形成しない、典型的な万能結合ヌクレオチドである。この修飾されたアンチコドンUAIは、dsRNA分子の特異的結合能力を増加させ、したがって、コードする鎖の相当する位置にAUA、UUA、およびCUAのいずれか1つを有するmRNAとdsRNAの対形成を可能にし、それによってdsRNAが特異的に結合してもよい、有用なRNA分解標的の数を増大させる。

0131

代わりに、アンチコドンAUAはまたもしくは選択的に、UAI(第3の位置の置換)またはUIU(第2の位置の置換)で表わされるアンチコドンが、AUA、CUAおよびUUA、ならびに、AAA、ACAおよびAUAに特異的結合が可能なdsRNAを生成するように、アンチコドンの第3もしくは第2の位置で、万能結合ヌクレオチドの置換によって修飾されてもよい。

0132

特定の局面においては、本明細書で開示のdsRNAは、約1個の万能結合ヌクレオチド〜約10個の万能結合ヌクレオチドを含み得る。特定の局面の範囲内においては、本開示のdsRNAは、他の相補的なdsRNA二重鎖のアンチセンス鎖の、1以上のヌクレオチドが、1つ以上の万能結合ヌクレオチドで置換されるという条件で、少なくとも1つの標的遺伝子の1つの配列に相同なセンス鎖およびセンス鎖に相補的なアンチセンス鎖を含んでよい。

0133

背景技術として、サイレンシング複合体内において、dsRNA分子は、標的RNAと相互作用または結合できるように位置する。RISCは、あらゆる任意の時点において典型的な細胞中にある何千もの異なるRNAと遭遇するであろう。しかしながら、RISC中に装填されたdsRNAは、dsRNA分子のアンチセンス鎖と近い相補性を有する標的RNAと、特異的にアニールするだろう。したがって、ウイルス感染に対するインターフェロン応答とは異なり、サイレンシング複合体は、標的RNAの同定において非常に選択的である。RISCは、捕えた標的RNA鎖を切断し、RNAの2つの断片をリリースし(この時点でタンパク質合成方向付けることがが不可能になる)、次へと進む。RISCそれ自身は無傷のままで、さらなる標的RNA分子を見つけて切断することが可能である。

0134

1つ以上の万能結合ヌクレオチドが置換される位置に関わらず、dsRNA分子は標的遺伝子およびその1つ以上の変異体に結合が可能であり、それによって、ダイサーまたはRISCを介して標的遺伝子もしくはその変異体の分解を促進できることが、理化されるであろう。したがって、本開示のdsRNAは、細胞に導入し、1つ以上の標的遺伝子またはそれらの変異体の、標的とされる転写後の遺伝子サイレンシングを仲介するのに好適である。dsRNAが細胞に挿入される際、dsRNA二重鎖はその後巻き戻され、アンチセンス鎖はmRNAとアニールしてダイサー基質を形成し、あるいは、アンチセンス鎖はタンパク質の集合へと装填されてRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)を形成する。

0135

ギャップまたはニックの入ったdsRNA分子の合成
本開示の代表的な分子は、組み換え技術によって生成される、化学的に合成される、またはこれらの組み合わせである。オリゴヌクレオチド(例えば、特定の修飾されたオリゴヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを欠いているオリゴヌクレオチドの一部)は、例えば、Caruthers et al.,Methodsin Enzymol.211:3,1992,Thompsonらによる国際特許公開第99/54459号、Wincott et al.,Nucleic Acids Res.23:2677,1995、Wincott et al.,Methods Mol.Bio.74:59,1997、Brennan et al.,Biotechnol Bioeng.61:33−45,1998およびBrennanによる米国特許第6,001,311号に記載されているように、当該技術分野において既知であるプロトコルを用いて合成される。本開示の特定のdsRNA分子およびそのアナログを含むRNAの合成は、Usman et al.,J.Am.Chem.Soc.109:7845,1987、Scaringe et al.,Nucleic Acids Res.18:5433,1990、およびWincott et al.,Nucleic Acids Res.23:2677−2684,1995、Wincott et al.,Methods Mol.Bio.74:59,1997に記載されているような手順を用いて行うことができる。

0136

特定の態様では、本開示の核酸分子は、別々に合成し、例えばライゲーション(Moore et al.,Science 256:9923,1992、Draperらによる国際特許公開第93/23569号、Shabarova et al.,Nucleic AcidsRes.19:4247,1991、Bellon et al.,Nucleosides&Nucleotides 16:951,1997、Bellon et al.,Bioconjugate Chem.8:204,1997)または合成若しくは脱保護後のハイブリダイゼーションにより、合成後結合させることができる。

0137

更なる態様では、RNAiにより1または2個以上の標的ファミリー遺伝子の発現を低下させる本開示のdsRNAは、1または2種以上のdsRNAをコードし、宿主細胞内にそれらの発現を方向づけるポリヌクレオチドベクターにより発現する、単一または複数の転写産物として作製することができる。これらの態様では、標的細胞内で発現すべきdsRNAの最終転写産物の二本鎖部分は、例えば、約5〜約40bp、約15〜約24bp、または約25〜40bpの長さであり得る。代表的な態様では、2または3本以上の鎖が対をなしているdsRNAの二本鎖部分は、完全に対をなすヌクレオチド断片に限定されず、ミスマッチ(対応するヌクレオチドが相補的ではない)、バルジ(1本の鎖上に、対応する相補的なヌクレオチドが欠損している)、オーバーハング等による非対部分を含有してよい。dsRNA形成および機能を妨げない程度であれば、非対部分が含有されていてよい。特定の態様では、「バルジ」は、1〜2個の非対ヌクレオチドを含んでよく、2本の鎖が対をなしているdsRNAの二本鎖部分は約1〜7または約1〜5箇所のバルジを含有してよい。更に、dsRNAの二本鎖部分に含有された「ミスマッチ」部分は、約1〜7または約1〜5箇所のミスマッチを含んでよい。他の態様では、本開示のdsRNAの二本鎖領域は、およそ本明細書で特定する数値範囲のバルジおよびミスマッチ部分を含有してよい。

0138

本開示のdsRNAまたはそのアナログは、更に、ヌクレオチド、非ヌクレオチドまたはdsRNAのセンス領域をdsRNAのアンチセンス領域に結合させる混合ヌクレオチド/非ヌクレオチドリンカーを含んでよい。ひとつの態様では、ヌクレオチドリンカーは、長さ約2ヌクレオチド超、約10ヌクレオチド以下のリンカーであり得る。別の態様では、ヌクレオチドリンカーは、核酸アプタマーであり得る。本明細書で使用するとき、「アプタマー」または「核酸アプタマー」とは、核酸分子が、自然環境で標的分子に認識される配列を含む配列を有する、標的分子に特異的に結合する核酸分子を意味する。あるいは、アプタマーは、自然には核酸に結合しない標的分子に結合する核酸分子である場合がある。標的分子は、いかなる対象分子であってもよい。例えば、アプタマーを用いて、タンパク質のリガンド結合ドメインに結合させ、それによりタンパク質と天然リガンドとの相互作用を防ぐことができる。これは非限定的な例であり、当業者は、当該技術分野において周知である技術(例えば、Gold et al.,Annu.Rev.Biochem.64:763,1995、Brody and Gold,J.Biotechnol.74:5,2000、Sun,Curr.Opin.Mol.Ther.2:100,2000、Kusser,J. Biotechnol.74:27,2000、Hermann and Patel,Science 287:820,2000およびJayasena,ClinicalChem.45:1628,1999参照)を用いて他の態様を容易に作りだせることを理解するであろう。

0139

非ヌクレオチドリンカーは、脱塩基ヌクレオチドポリエーテルポリアミンポリアミドペプチド炭水化物、脂質、ポリ炭化水素(polyhydrocarbon)または他の高分子化合物(例えば、2〜100個のエチレングリコールユニットを有するもののようなポリエチレングリコール類)を含んでよい。具体例としては、Seela and Kaiser,Nucleic AcidsRes.18:6353,1990、Seela and Kaiser,Nucleic Acids Res.15:3113,1987、Cload and Schepartz,J.Am.Chem.Soc.113:6324,1991、Richardson and Schepartz,J.Am.Chem.Soc.113:5109,1991、Ma et al.,Nucleic Acids Res.21:2585,1993、Ma et al.,Biochemistry 32:1751,1993、Durand et al., Nucleic Acids Res. 18:6353, 1990、McCurdy et al., Nucleosides & Nucleotides 10:287, 1991、Jaschke et al.,Tetrahedron Lett.34:301,1993、Ono et al.,Biochemistry 30:9914,1991、Arnoldらによる国際特許公開第89/02439号、Usmanらによる国際特許公開第95/06731号、Dudyczらによる国際特許公開第95/11910号およびFerentz and Verdine,J.Am.Chem.Soc.113:4000,1991に記載されているものが挙げられる。更に修飾されていてもよい、本開示のdsRNA分子の合成は、(a)dsRNA分子の2本の相補鎖を合成する工程と、(b)dsRNA分子を得るのに好適な条件下で2本の相補鎖をアニーリングする工程を含む。別の態様では、dsRNA分子の2本の相補鎖の合成は、固相オリゴヌクレオチド合成による。更に別の態様では、dsRNA分子の2本の相補鎖の合成は、固相タンデムオリゴヌクレオチド合成による。

0140

置換または修飾(塩基、糖、リン酸またはこれらの任意の組み合わせ)を有する核酸分子を化学合成すると、血清リボヌクレアーゼによる核酸分子の分解を妨げることができ、これは効力を高める可能性がある。例えば、Ecksteinらによる国際特許公開第92/07065号、Perrault et al.,Nature 344:565,1990、Pieken et al., Science 253:314,1991、Usman and Cedergren,Trendsin Biochem.Sci.17:334,1992、Usman et al.,Nucleic Acids Symp.Ser.31:163,1994、Beigelman et al.,J.Biol Chem.270:25702,1995、Burgin et al.,Biochemistry 35:14090,1996、Burlina et al.,Bioorg.Med.Chem.5:1999−2010,1997、Thompson et al.,Karpeisky et al.,Tetrahedron Lett.39:1131,1998、Earnshaw and Gait,Biopolymers(Nucleic Acid Sciences)48:39−55,1998、Verma and Eckstein,Annu.Rev.Biochem.67:99−134,1998、Herdewijn,Antisense Nucleic Acid Drug Dev.10:297,2000、Kurreck,Eur.J.Biochem.270:1628,2003、Dorsett and Tuschl,Nature Rev.Drug Discov.3:318,2004、Rossiらによる国際特許公開第91/03162号、Usmanらによる国際特許公開第93/15187号、Beigelmanらによる国際特許公開第97/26270号、Woolfらによる国際特許公開第98/13526号、Sproatによる米国特許第5,334,711号、Usmanらによる米国特許第5,627,053号、Beigelmanらによる米国特許第5,716,824号、Otvosらによる米国特許第5,767,264号、Goldらによる米国特許第6,300,074号を参照のこと。上記参考文献はそれぞれ、核酸分子の塩基、リン酸または糖部分への様々な置換および化学修飾について開示しており、これらは本明細書に記載のdsRNAで用いることができる。例えば、オリゴヌクレオチドの糖部分を修飾し、ヌクレアーゼ耐性を上昇させることにより、安定性を強化するまたは生物活性を延長することができる。このような糖修飾の代表例としては、2’アミノ、2’C−アリル、2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−O−アリルまたは2’−デオキシが挙げられる。したがって、本開示のdsRNA分子を修飾し、修飾していないdsRNAと比較したとき、実質的に強化されたRNAi活性を保持しながらまたは有しながら、ヌクレアーゼ耐性または二重鎖安定性を上昇させることができる。

0141

ヌクレアーゼ安定性および有効性の著しく強化された核酸分子に導入することができる糖、塩基およびリン酸修飾について記載している、当該技術分野における例が幾つか存在する。例えば、オリゴヌクレオチドを修飾し、例えば2’アミノ、2’C−アリル、2’フルオロ、2’O−メチル、2’O−アリル、2’−H、ヌクレオチド塩基修飾等の、ヌクレアーゼ耐性基で修飾することにより安定性または生物活性を強化する。Usman and Cedergren,TIBS17:34,1992、Usman et al.,Nucleic AcidsSymp.Ser.31: 163,1994、Burgin et al.,Biochemistry 35:14090,1996を参照のこと。核酸分子の糖修飾については、当該技術分野において広く記載されている(Ecksteinらによる国際特許公開第92/07065号、Perrault et al.,Nature 344:565−568,1990、Pieken et al.,Science 253:314−317,1991、Usman and Cedergren,Trends in Biochem.Sci.17:334−339,1992、Usmanらによる国際特許公開第93/15187号、Sproatによる米国特許第5,334,711号およびBeigelman et al.,J.Biol.Chem.270:25702,1995、Beigelmanらによる国際特許公開第97/26270号、Beigelmanらによる米国特許第5,716,824号、Usmanらによる米国特許第5,627,053号、Woolfらによる国際特許公開第98/13526号、Thompson et al.,Karpeisky et al.,Tetrahedron Lett.39:1131,1998、Earnshaw and Gait,Biopolymers(Nucleic Acid Sciences)48:39−55,1998、Verma and Eckstein,Annu.Rev.Biochem.67:99−134,1998並びにBurlina et al.,Bioorg.Med.Chem.5:1999−2010,1997を参照のこと)。このような刊行物には、触媒を調節することなく、核酸分子に糖、塩基またはリン酸修飾等を導入する位置を決定するための一般的な方法およびストラテジーが記載されている。このような教示を考慮して、dsRNA分子の細胞内におけるRNAiを促進する能力が著しく阻害されない限り、本開示のdsRNA分子を修飾するために、本明細書に記載されているような同様の修飾を使用することができる。

0142

ひとつの態様では、本開示は、1または2個以上のホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホン酸、リン酸トリエステル、モルホリノカルバミン酸アミデートカルボキシメチルアセトアミデート、ポリアミド、スルホネート、スルホンアミド、スルファメート、ホルムアセタル、チオホルムアセタル、またはアルキルシリルを含むリン酸骨格修飾、置換のような、置換または修飾されたdsRNA分子を特徴とする。オリゴヌクレオチド骨格修飾については、Hunziker and Leumann, Nucleic Acid Analogues:Synthesis and Properties,in Modern Synthetic Methods,VCH,331−417,1995およびMesmaeker et al.,ACS,24−39,1994参照。

0143

別の態様では、コンジュゲート分子は、所望により、RNAiにより1または2個以上の標的遺伝子の発現を低下させるdsRNAまたはそのアナログに結合することができる。例えば、このようなコンジュゲート分子は、ポリエチレングリコールヒト血清アルブミン、または、例えば細胞取り込みを仲介することができる細胞受容体リガンドであってよい。本開示のdsRNAまたはそのアナログに結合することができる、本開示により検討されるコンジュゲート分子の具体例は、Vargeeseらによる米国特許出願公開第2003/0130186号(2003年7月10日公開)および米国特許出願公開第2004/0110296号(2004年6月10日公開)に記載されている。別の態様では、コンジュゲート分子は、生分解性リンカーを介してRNAiにより1または2個以上の標的遺伝子の発現を低下させるdsRNAまたはそのアナログに共有結合する。特定の態様では、コンジュゲート分子は、本明細書で提供されるdsRNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖または両方の鎖のいずれかの3’末端に結合することができる。別の態様では、コンジュゲート分子は、dsRNAまたはそのアナログのセンス鎖、アンチセンス鎖または両方の鎖のいずれかの5’末端に結合することができる。更に別の態様では、コンジュゲート分子は、dsRNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖若しくは両方の鎖のいずれかの3’末端および5’末端の両方に結合する、またはこれらの任意の組み合わせである。更なる態様では、本開示のコンジュゲート分子は、dsRNAまたはそのアナログの、細胞のような生物学的システムへの送達を促進する分子を含む。当業者は、様々なコンジュゲートを有する本開示のdsRNAをスクリーニングし、dsRNA−コンジュゲート複合体が、例えば本明細書で記載するまたは当該技術分野において周知であるような動物モデルにおいてRNAiを仲介する能力を維持しながら、改善された特性(例えば、薬物動態プロファイル、バイオアベイラビリティ、安定性)を有するかどうかを決定することができる。

0144

標的配列に特異的なdsRNA分子を選択する方法
上記のように、本開示はまた、1または2個以上の標的遺伝子に特異的に結合することができるが、一方非標的遺伝子には特異的に結合しないまたは最低限しか結合しないdsRNAまたはそのアナログを選択する方法も提供する。本明細書で開示される選択プロセスは、例えば、1または2個以上の非標的遺伝子への非特異的な結合とその後の分解に起因して細胞毒性であるdsRNAアナログを排除するのに有用である。

0145

本開示の方法は、dsRNAまたはそのアナログにより標的化される、可能な全ての遺伝子変異体塩基配列に関する先験的知識を必要としない。ひとつの態様では、dsRNAの塩基配列は、1または2個以上の標的遺伝子の保存領域または共通配列から選択される。別の態様では、dsRNAの塩基配列は、標的遺伝子のmRNAスプライス変異体内に含有される特定の配列を、選択的にまたは優先的に標的とすることができる。

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