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課題・解決手段

本発明は、試料を含む容器が、共振器に対して配置され、共振器に、共振器の共振モード励起するための高周波信号入力結合され、共振器の共振電界が、容器内における試料の一部を通過し、試料を含めて及び試料を持たずに、少なくとも1つの共振モードの共振曲線が測定され、試料のない測定と比較して共振周波数の検出された変化から、試料が識別される:ステップを有する、容器内における試料を識別する方法に関する。そのための測定装置が開示されている。

概要

背景

特許文献1によれば、物質の存在によって引き起こされる高周波共振器離調を評価することによって物質の複素誘電率を測定する方法及び装置は公知であり、その際、高周波共振器に可変周波数を有する高周波電磁界を送信するための高周波送信装置共振器電磁界のための受信装置、及び受信装置に結合された測定回路が存在し、その際、測定回路によって、受信された高周波信号振幅が判定可能である。

典型的には、誘電率εr及び損失角tan(δ)として又は複素誘電率ε=ε’−iε”として表示される物質の誘電体特性を判定するための種々の方法が周知である。このような方法は、たとえば物質の湿気を判定する際に適用される。これらの方法は、物質中における水の大きな誘電率及び大きな損失係数に基づいており、かつ工業的な分野において、たとえば化学物質食料品タバココーヒー等の湿気の測定において大きな意味を有する。

マイクロ波により湿気を判定するための共振方法において、検査すべき物質は、空胴共振器内に持ち込まれ、かつ入射される周波数の変化により共振曲線巡回しかつすべて測定することによって、物質の存在によって引き起こされる空胴共振器の離調が測定される。共振周波数シフト、及び共振半値幅の大きさ又は共振器のQ値の変化から、既知物質組成及び密度において、誘電率、したがって物質の水の含有量を導き出すことができる。そのために通常は校正曲線が必要であり、これらの校正曲線は、種々の既知の湿度を有するそれぞれの物質の前の測定によって取得される。その上ほとんどの周知の方法において、材料密度別個の測定が必要である。

特許文献2によれば、空胴共振器によって材料の湿気を判定する方法が公知であり、この方法は、検査すべき試料の範囲において空胴共振器の電磁界経過を所定のように選択することによって、構成曲線を利用して既知の材料に対して材料の湿度及び材料の密度を互いに独立して判定することを可能にし、その際、共振曲線の巡回によって検出される共振周波数、及び共振曲線の半値幅が判定され、かつ評価される。ここでも、試料の形の検査すべき材料を空胴共振器内に持ち込むことが必要である。

非特許文献1によれば、前記の公知のものと同様な方法が公知であり、この方法において試料の誘電率は、試料によってマイクロ波領域において動作する空胴共振器に負荷をかけることによって判定される。空胴共振器内における試料の存在によって引き起こされる共振周波数及びQ値の変化は、空胴共振器内に試料を持ち込んだ後に共振曲線を測定することによって判定される。

特許文献3によれば、誘電体の板の複素誘電率を測定する方法が公知であり、これらの板は、一方の側において金属被覆されている。測定のために板の金属被覆されていない側に、誘電体の共振器が当てられ、かつ共振器においてTE011モードが励起される。板の金属被覆された側は、共振可能なシステム終端部として作用する。誘電体共振器が、金属板に当てられた場合に対する共振周波数の変化から、既知の厚さにおいて板材料の誘電率を判定することができる。

現在では産業入手可能な湿気センサは、ミリ秒範囲においてセンサによる試料のスキャンを可能にする。その際、密度及び重量に関係なく連続的に製品の湿度を検出することができ、その際、製品温度における変化は、自動的に補償される。これらの方法は、たとえばセラミック工業において製品を製造する際に使用して成功している。

高周波技術に基づく前記の方法は、既知の寸法を有する試料の複素誘電率の判定にとどまっていることは不利である。このことは、測定されたQ値及び周波数シフトから複素誘電率の実部及び虚部を判定するために、試料の幾何学的構造及び正確な寸法がわかっていなければならないことを意味する。

誘電率を判定するために、センサを試料に接触させなければならないことはさらに不利であり、このことは、ちょうどたとえばアセトン又はその他の燃焼可能な液体のような危険な試料において避けるようにする。

概要

本発明は、試料を含む容器が、共振器に対して配置され、共振器に、共振器の共振モードを励起するための高周波信号が入力結合され、共振器の共振電界が、容器内における試料の一部を通過し、試料を含めて及び試料を持たずに、少なくとも1つの共振モードの共振曲線が測定され、試料のない測定と比較して共振周波数の検出された変化から、試料が識別される:ステップを有する、容器内における試料を識別する方法に関する。そのための測定装置が開示されている。

目的

本発明の課題は、必ずしも容器をそのために開く必要なく、容器内における試料を識別することができる方法及び装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

試料を含む容器が、共振器に対して配置され、−共振器に、共振器の共振モード励起するための高周波信号入力結合され、−少なくとも1つの共振モードの共振曲線が測定され、かつ−試料の容器のない測定と比較して共振周波数の検出された変化から、試料が識別される:ステップを有することを特徴とする容器内における試料を識別する方法。

請求項2

追加的にQ値が検出され、かつ共振周波数に関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項3

逆数のQ値が、共振周波数に関連付けられることを特徴とする請求項2に記載の方法。

請求項4

液体の試料を選択することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

固体の試料を選択することを特徴とする請求項1〜3にいずれか1項に記載の方法。

請求項6

誘電体の共振器を選択することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

共振器のTE01σ−モード及び/又はTE0モード及び/又はホイスパリングギャラリーモードが励起されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

部分的な金属被覆を有する又は持たない及びラベルを有する又は持たないガラス又はプラスチック又はセラミックからなる試料の容器を選択することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

測定の間に試料の容器が閉じられたままであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

金属製のハウジング内に共振器が配置されており、かつ励起されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

共振器のために金属製のハウジングを選択し、このハウジングが開口を有するので、電磁界が、外部空間内に侵入することができることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。

請求項12

金属製のハウジングの開口が、試料の容器の方向に整列されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項13

試料を識別するために、共振器の共振周波数及び場合によってはQ値の変化を検出するために共振曲線の複数回の測定が行なわれることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。

請求項14

共振器に対する試料のそれぞれ異なった間隔を置いて複数回の測定が行なわれることを特徴とする請求項13に記載の方法。

請求項15

試料の容器に対する間隔を変化するために、その際に共振器の位置を動かし、又はその逆に動かすことを特徴とする請求項14に記載の方法。

請求項16

複数回の測定が行なわれ、これらの測定の際に共振器の異なった共振モードが励起されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項17

複数のモードの共振周波数及びQ値を検出することによって、識別の際における一義性及び選択性が高められることを特徴とする請求項16に記載の方法。

請求項18

1つの共振器よりも多くの共振モードが励起されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。

請求項19

同じ構成の共振器において異なった共振モードが励起されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。

請求項20

同じでない構成の共振器において同じ共振モードが励起されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。

請求項21

少なくとも1つの共振器及び試料の容器のための保持体、及び少なくとも1つの共振器の共振モードを励起するための第1の手段が設けられており、その際、共振器の共振モードを励起した後に、共振器の共振電界が、試料の容器内における試料を少なくとも一部通過することができるように、共振器及び試料の容器のための保持体が、互いに配置されており、かつ試料によって変化した共振器の共振曲線を測定するための第2の手段が設けられている、試料の容器内における試料を識別する装置において、装置が、共振周波数を検出するための第3の手段を含むことを特徴とする装置。

請求項22

第3の手段が、試料によって変化した共振器のQ値も検出することができるように構成されていることを特徴とする請求項21に記載の装置。

請求項23

第3の手段が、共振器の検出された共振周波数及びQ値を互いに関連付けることができるように構成されていることを特徴とする請求項21又は22に記載の装置。

請求項24

第3の手段が、試料に基づいて変化した共振器のQ値を逆数に変換することができかつ共振周波数に関連付けることができるように構成されていることを特徴とする請求項21〜23のいずれか1項に記載の装置。

請求項25

第3の手段が、共振器に対する試料の容器の間隔に依存する共振周波数、共振周波数及びQ値からなる関連及び/又は共振周波数及び逆数のQ値からなる関連を表示することができるように構成されていることを特徴とする請求項21〜24のいずれか1項に記載の装置。

請求項26

第3の手段としてソフトウエアが設けられていることを特徴とする請求項21〜25のいずれか1項に記載の装置。

請求項27

共振器に対する試料の容器のための保持体の間隔を変化するための手段が設けられていることを特徴とする請求項21〜26のいずれか1項に記載の装置。

請求項28

共振モードを励起するための第1の手段として、マイクロ波発振器、とくに可変周波数マイクロ波発振器又は帰還回路に共振器を有する広帯域増幅器が設けられていることを特徴とする請求項21〜27のいずれか1項に記載の装置。

請求項29

共振周波数及び共振器のQ値を測定するための第2の手段として、検波器ダイオード又はボロメータ電力検出器又はヘテロダイン受信機が設けられていることを特徴とする請求項21〜28のいずれか1項に記載の装置。

請求項30

ネットワーク解析器が設けられていることを特徴とする請求項21〜29のいずれか1項に記載の装置。

請求項31

共振器が、少なくとも1つの開口を有する金属製ハウジング内に配置されていることを特徴とする請求項21〜30のいずれか1項に記載の装置。

請求項32

容器のほうに向けられたハウジングの開口が、共振器の電磁界に対して透過性であることを特徴とする請求項21〜31のいずれか1項に記載の装置。

請求項33

試料の容器のための保持体が、少なくとも2つのV形の溝を有することを特徴とする請求項21〜32のいずれか1項に記載の装置。

請求項34

シリンダ形の誘電体の共振器が設けられていることを特徴とする請求項21〜33のいずれか1項に記載の装置。

請求項35

共振器が、金属製ハウジング内に中心対称に配置されていることを特徴とする請求項21〜34のいずれか1項に記載の装置。

請求項36

金属製ハウジングが、シリンダ状に構成されていることを特徴とする請求項21〜35のいずれか1項に記載の装置。

請求項37

金属製ハウジング内に開口として、中心の円筒形絞りが設けられていることを特徴とする請求項21〜36のいずれか1項に記載の装置。

請求項38

容器のいちばん低い点が、ハウジング又は共振器の開口の中心より上に配置されているように、試料のための容器及びハウジングが、互いに配置されていることを特徴とする請求項21〜37のいずれか1項に記載の装置。

請求項39

複数の共振器が設けられており、これらの共振器が、種々の試料の容器を収用するために、多数の同じ構造の及び/又は異なった構造の共振器を有する測定位置を形成していることを特徴とする請求項21〜38のいずれか1項に記載の装置。

請求項40

複数の共振器が、試料の容器の形を模写するように配置されていることを特徴とする請求項21〜39のいずれか1項に記載の装置。

請求項41

ここに配置された試料の容器が、この試料の容器の長手軸線に関して水平線に対して斜めに配置されているように、試料の容器のための保持体が、装置内に配置されていることを特徴とする請求項21〜40のいずれか1項に記載の装置。

請求項42

保持体内に配置された試料の容器が、この試料の容器の長手軸線に関して水平線とほぼ20ないし50度の角度をなしていることを特徴とする請求項41に記載の装置。

技術分野

0001

本発明は、容器内における試料識別する方法及びそのための装置に関する。

背景技術

0002

特許文献1によれば、物質の存在によって引き起こされる高周波共振器離調を評価することによって物質の複素誘電率を測定する方法及び装置は公知であり、その際、高周波共振器に可変周波数を有する高周波電磁界を送信するための高周波送信装置共振器電磁界のための受信装置、及び受信装置に結合された測定回路が存在し、その際、測定回路によって、受信された高周波信号振幅が判定可能である。

0003

典型的には、誘電率εr及び損失角tan(δ)として又は複素誘電率ε=ε’−iε”として表示される物質の誘電体特性を判定するための種々の方法が周知である。このような方法は、たとえば物質の湿気を判定する際に適用される。これらの方法は、物質中における水の大きな誘電率及び大きな損失係数に基づいており、かつ工業的な分野において、たとえば化学物質食料品タバココーヒー等の湿気の測定において大きな意味を有する。

0004

マイクロ波により湿気を判定するための共振方法において、検査すべき物質は、空胴共振器内に持ち込まれ、かつ入射される周波数の変化により共振曲線巡回しかつすべて測定することによって、物質の存在によって引き起こされる空胴共振器の離調が測定される。共振周波数シフト、及び共振半値幅の大きさ又は共振器のQ値の変化から、既知物質組成及び密度において、誘電率、したがって物質の水の含有量を導き出すことができる。そのために通常は校正曲線が必要であり、これらの校正曲線は、種々の既知の湿度を有するそれぞれの物質の前の測定によって取得される。その上ほとんどの周知の方法において、材料密度別個の測定が必要である。

0005

特許文献2によれば、空胴共振器によって材料の湿気を判定する方法が公知であり、この方法は、検査すべき試料の範囲において空胴共振器の電磁界経過を所定のように選択することによって、構成曲線を利用して既知の材料に対して材料の湿度及び材料の密度を互いに独立して判定することを可能にし、その際、共振曲線の巡回によって検出される共振周波数、及び共振曲線の半値幅が判定され、かつ評価される。ここでも、試料の形の検査すべき材料を空胴共振器内に持ち込むことが必要である。

0006

非特許文献1によれば、前記の公知のものと同様な方法が公知であり、この方法において試料の誘電率は、試料によってマイクロ波領域において動作する空胴共振器に負荷をかけることによって判定される。空胴共振器内における試料の存在によって引き起こされる共振周波数及びQ値の変化は、空胴共振器内に試料を持ち込んだ後に共振曲線を測定することによって判定される。

0007

特許文献3によれば、誘電体の板の複素誘電率を測定する方法が公知であり、これらの板は、一方の側において金属被覆されている。測定のために板の金属被覆されていない側に、誘電体の共振器が当てられ、かつ共振器においてTE011モードが励起される。板の金属被覆された側は、共振可能なシステム終端部として作用する。誘電体共振器が、金属板に当てられた場合に対する共振周波数の変化から、既知の厚さにおいて板材料の誘電率を判定することができる。

0008

現在では産業入手可能な湿気センサは、ミリ秒範囲においてセンサによる試料のスキャンを可能にする。その際、密度及び重量に関係なく連続的に製品の湿度を検出することができ、その際、製品温度における変化は、自動的に補償される。これらの方法は、たとえばセラミック工業において製品を製造する際に使用して成功している。

0009

高周波技術に基づく前記の方法は、既知の寸法を有する試料の複素誘電率の判定にとどまっていることは不利である。このことは、測定されたQ値及び周波数シフトから複素誘電率の実部及び虚部を判定するために、試料の幾何学的構造及び正確な寸法がわかっていなければならないことを意味する。

0010

誘電率を判定するために、センサを試料に接触させなければならないことはさらに不利であり、このことは、ちょうどたとえばアセトン又はその他の燃焼可能な液体のような危険な試料において避けるようにする。

0011

ドイツ連邦共和国特許第4342505号明細書
ドイツ連邦共和国特許出願公開第4004119号明細書
ドイツ民主共和国特許第138468号明細書

先行技術

0012

E.ヴェールスドルファー他著クリスタル・ウント・テヒニク、第10巻、第6号、1975年、第695〜700頁:における論文、“アイン・ディエレクトリツィテーツコンスタテンメスラッツ・ツール・ウンターズーフンク・オプティシャークリスタレ・イム・ミクロヴェレンベライヒ”

発明が解決しようとする課題

0013

本発明の課題は、必ずしも容器をそのために開く必要なく、容器内における試料を識別することができる方法及び装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

この課題は、主特許請求の範囲に記載の方法によって、及び従属特許請求の範囲に記載の装置によって解決される。有利な構成は、これらをそれぞれ引用する特許請求の範囲から明らかである。

0015

容器内における試料を識別する本発明による方法は、次に記載するステップの実施を考慮している:すなわち
−共振器の共振電界が容器内における試料の少なくとも一部を通過することができるように、試料を含む容器が、共振器に対して配置され、
−共振器に、共振器の共振モードを励起するための高周波信号が入力結合され、
−試料を含めて及び試料なしで、少なくとも1つの共振モードの共振曲線が測定され、かつ
−共振周波数の検出された変化から、試料が識別される。

発明の効果

0016

本発明による方法によれば、そのために試料のための容器を開く必要なく、簡単かつきわめて迅速な方法で試料が識別される。たとえば酸又はアセトンのような危険な試料によって人間及び対象物危険にさらすリスクを最小にすることは、それにより未知の試料においてとくに有利である。識別のために試料に接触する必要はないので、方法が非接触方法であるということは、この意味においてとくに有利である。

0017

試料は、試料の容器のない、したがって空気に対する測定と比較して共振周波数の検出された変化から識別される。

0018

本発明による方法が、摂取可能な液体及び固体から摂取不可能なものを区別する際に確実であるということはまったくとくに有利である。このことは、旅行手続きの際における“チェックイン”範囲にとって、方法をとくに興味あるものにする。

0019

非金属製の材料の特性は、交番電磁界に対して一般に複素誘電率εr=ε1+iε2によって記述される。実部及び虚部は、一般に周波数及び温度に依存する。所定のεrを有する物質を共振器の交番電界内に持ち込んだ場合、実部(ε1)は、共振周波数のシフトを引き起こし、虚部(ε1)は、Q値の減少を引き起こす。

0020

とくにマイクロ波領域における液体の吸収特性は、入力結合された電磁波の交番電界による平衡位置からの外れの際における分子緩和によって記述される。公式により特性は、交番電磁界の周波数fに依存する複素誘電率ε(f)によって記述することができる。
ε(f)=ε1(f)+iε2(f)={εs−ε∞}/{1+i2πfτ} (1)
その際、εs=静的な誘電率;
ε∞=光学的な誘電率;τ=緩和時間;f=励起周波数

0021

前記の式によれば、種々の液体は、静的な誘電率εs及び緩和時間τの値によって際立って区別される。f=1/2πτの周波数より上において、εの実部は大幅に減少し、かつ虚部は最大値を有する。

0022

このとき、前記の方法によれば、その際に容器を開く必要なく、任意の非金属製の容器内における液体を、εs、ε∞及びτの種々の値に基づく容器の特性によってほぼ100ミリ秒の期間内に識別することは成功する。その際、容器の直径は、共振器の直径よりもずっと小さいわけではないので、場合によっては生じることがあるすべてのびんの大きさをカバーするために、種々の直径を有する複数の共振器を利用することができる。

0023

方法を実施するために、とくに液体の試料が選択され、かつ識別されるが、その際、固体の試料は除外されているわけではない。ガス状の試料を検査することも考えることができる。

0024

そのために試料の容器は、共振器の外において望ましくは共振器に対して既知の間隔を置いて保持体内に配置される。

0025

共振器の材料の所定の幾何学的構造及び種類の際に、共振器の共振モードを励起するための周波数はわかっている。それ故に共振器の共振モードを励起するためのこの周波数の信号は、この共振器内に入力結合することができる。

0026

共振モードを励起するためのマイクロ波は、望ましくは1GHzないし30GHzの範囲内において選択される。この範囲において、試料として種々の液体がその複素誘電率の明らかに異なった値を有することは有利である。さらにこの周波数範囲内において、大きなQ値を有するコンパクトな誘電体共振器を実現することができる。共振器の1つのモードの共振電界は、本発明による方法を実施する際に、容器内における試料の少なくとも一部を通過する。

0027

共振周波数の及び場合によってはQ値の値は、試料の容器を含む及び含まない方法の間に、測定された共振曲線から検出される。

0028

このとき、区別すべき試料の、とくに液体の一義的な識別のために、共振器に対する試料の間隔に依存して容器内における試料によって結果として生じる共振器のQ値の変化を単独で考察することは、共振器に対する試料の容器の間隔を変化し、かつ改めて測定した場合にも、不十分であると思われることがわかった。

0029

さらに本発明によれば試料を識別するために、共振周波数の変化の知識が、試料の識別のために十分であることがわかった。

0030

共振周波数の単独の測定の際に、試料の識別は、共振器から試料までの間隔の知識を必要とすることを考慮することができる。このことは、保持体内に挿入される種々の形成の容器のために、間隔を測定技術的に検出しなければならず、かつ所定の値に設定することができることを意味する。したがって共振周波数の単独の測定は、標準化された試料の容器の際に十分である。種々の形成の容器において、容器壁の種々の厚さに基づいて誤解釈が生じることがある。

0031

本発明の有利な構成において、方法の間に、Q値も検出され、まったくとくに有利にはとくに逆数のQ値が検出され、かつ共振周波数に関連付けられ、かつ表示される。このようにして試料の識別の際における一義性及び選択性が高められ、しかも試料の容器を有する及び試料の容器を持たない(空気に対する)共振曲線の単独の測定によって高められることが、まったくとくに有利に引き起こされ、その際、共振器に対する試料の容器の間隔は、ささいなことである。さらに結果の表示によって、未熟な人に対しても危険な試料から危険でないものをきわめて簡単かつ確実に区別することが可能になることが、まったくとくに有利に引き起こされる。

0032

それ故に一義的及び選択的な識別のために、両方のパラメータは、すなわち共振周波数及びQ値の変化は、互いに関連付けられるようにする。このとき、共振器から試料の容器までの間隔の正確な知識がなくとも、試料を有する及び持たない単独の測定は、試料の識別のために十分である。

0033

その際、試料によって変化する逆数のQ値及び共振周波数の検出、及び逆数のQ値及び共振周波数からなる関係の表示は、試料の容器の種類に関係なく試料の識別を極めて迅速に行なうために、とくに適している。

0034

とくにこの関係によって、摂取可能な液体から摂取不可能なものを、又は一般的に述べれば、危険のない試料から危険なものを、有利に区別することができる。

0035

両方の量を測定する際に共振周波数と逆数のQ値との間の線形の関係に基づいて、試料と共振器との間における間隔に関係のない試料の識別が可能である。このことは、間隔の正確な知識なしですべての容器の形に対して液体の識別を行うことができることに通じる。このことは、任意の形の容器内における液体又は試料を識別するために、共振器に対して固定の間隔を置いて試料の容器のための保持体を選択することができることを意味する。

0036

したがって共振器の共振周波数の変化と逆数のQ値の変化とからなる比が、かなりの程度まで容器の幾何学的構造に及び共振器に対する容器の間隔に無関係であるということは、妨害理論的な考察の枠内に引きとどめることができる。

0037

したがってとくに逆数のQ値及び共振周波数の変化の結果として生じる比は、試料の識別のために適している。

0038

この考察の結果として次のことが生じる:
{Δ(1/Q)}/{Δf/fr}=一定 (2)

0039

このことは、種々の間隔の際に測定された逆数のQ値が、共振周波数にかなりの程度まで線形に依存しており、かつその結果生じる直線の勾配が、物質に対して特徴的であることを意味する。

0040

それ故に小さな及び大きな、滑らかな及び粗い、角張った及び膨らんだ、又はますます異なった種類の閉じた容器、びん、かんプラスチック容器等は、これらを開く必要なく、かつこれらを共振器に対して種々の間隔にして測定する必要なく、きわめて有利にその内容物をテストすることができる。

0041

試料の容器の壁が、共振器のすぐ近くにおいて金属被覆されておらず、又は共振器の共振電界が、容器内における試料を少なくとも一部通過することができるということが保証される限り、部分的な金属被覆を有する又は持たない及びラベルを有する又は持たないガラス又はプラスチック又はセラミックからなる試料の容器又は対象物は、それ以上の制限なく検査することができる。

0042

本発明の構成において、試料を識別するために、共振曲線は、複数回測定され、かつそれぞれ共振曲線から共振器の共振周波数及び場合によってはQ値も検出され、かつ互いに関連付けられる。

0043

これらの測定は、本発明の別の構成において、共振器に対する試料のそれぞれ種々の間隔を置いて行うことができる。その際、望ましくは試料に対する間隔を変更するために1つ又は複数の共振器の位置は移動させられる。

0044

しかしながら同じ共振器の種々の共振モードを互いに順に励起し、かつこのようにして高められた選択度において試料の識別を行うことも可能である。種々の周波数における測定によって、方法は、多くの液体の複素誘電率の強力な周波数依存性に基づいて、もう一度一義性及び選択性を高める。

0045

種々の共振モードの励起によってそれぞれのモードに所属の共振器の共振曲線が有利に測定される。

0046

1つより多くの共振器の共振モードを励起する方法は、とくに有利に実行される。このようにして方法の間に、たとえば同じ構造の共振器の種々の共振モードを励起することができる。しかし同じ構造の共振器の同じ共振モードを、まさしく良好に励起することができる。

0047

複数回の測定の際に、次のものからなるパラメータの任意の組み合わせによって、
−共振器に対する試料の異なった間隔、
−1つ又は複数の共振器の適当な選択、
−共振器の種々の共振モードの順に行なわれる励起、
−及び/又は異なった共振モードを励起する同じ構造の複数の共振器の配置から、
−及び/又は同一の共振モードを励起する同じ構造の複数の共振器の配置から、
大きな変形能力が提供され、この変形能力において方法を実施することができる。

0048

方法の間における、とくに同様に共振器に対する試料の容器の間隔を変化した後における複数回の測定は、試料の正確な識別に至り、かつこのようにして摂取可能な又は摂取不可能な、又は一般的に述べれば、危険な又は危険でない試料又は液体に試料を支障なく分類することに至る。

0049

方法を実施する本発明による装置には、少なくとも1つの共振器及び試料の容器のための保持体、及び少なくとも1つの共振器の共振モードを励起するための第1の手段が設けられており、その際、共振器の共振モードを励起した後に、共振器の共振電界が、試料の容器内における試料を少なくとも一部通過することができるように、共振器及び保持体が、互いに配置されており、かつ共振器の共振曲線を測定するための第2の手段が設けられている。装置は、この装置が共振周波数を検出するための第3の手段を含むことを特徴としている。

0050

試料又は試料の容器は、明らかに本発明による装置の構成部分をなしているわけではない。

0051

共振周波数は、望ましくは第3の手段によって共振器に対する試料の容器の間隔に依存してたとえば画像スクリーン上に表示される。

0052

試料の容器と共振器との間の間隔は、方法の間に、100と1000との間のQ値が結果として生じるように選択することができる。この値範囲におけるQ値は、容易に測定可能であり、かつ特別の液体を区別する際の選択性は、きわめて良好である。これに関連して間隔は、0ミリメートルと5ミリメートルとの間の範囲内にある。それにしたがって試料の容器のための保持体は、装置内に構想することができ、かつ共振器に対して配置することができる。

0053

本発明の別の構成において、共振器に対する試料の容器のための保持体の間の間隔は、望ましくはミリメートルの間隔において変更することができる。

0054

共振器に対する試料の容器の種々の間隔における複数回の測定によって、たとえばQ値の変化のような別のパラメータを考慮する必要なく、試料の識別が保証されていることが、とくに有利に引き起こされる。共振器に対する試料の間隔に依存するこのようにして得られた共振周波数曲線は、曲線の勾配を介して試料の識別を可能にする。

0055

本発明による構成において装置は、共振器の共振モードを励起するための第1の手段として、マイクロ波発振器、とくに可変周波数マイクロ波発振器又は帰還回路内に共振器を有する広帯域増幅器を有する。

0056

本発明の別の構成において装置は、それぞれの共振周波数及び場合によってはQ値を検出する1つ又は複数の振動モードの共振器曲線を測定するための第2の手段として、検波器ダイオード又はボロメータ電力検出器又はヘテロダイン受信機を有する。

0057

本発明の別のとくに有利な構成において装置は、ネットワーク解析器、とくにベクトルネットワーク解析器を含む。本発明の意図においてネットワーク解析は、装置の第1又は第2の手段として、可変周波数マイクロ波発振器及びヘテロダイン受信機を含む。

0058

装置は、適当なソフトウエアを有するPCを含む。ソフトウエアは、共振曲線から共振周波数を検出する。

0059

ソフトウエアは、有利にはPCの又はネットワーク解析器の構成部分であり、かつ有利には試料の容器と共振器との間の間隔に依存して共振周波数を、画像スクリーン上に出力する。

0060

とくに有利に第3の手段は、試料を有する及び持たない共振器のQ値を検出する。その際、共振周波数は、共振振幅の最大値が生じる周波数に相当する。Q値は、共振曲線の共振周波数と半値幅との比から得られる。

0061

本発明のまったくとくに有利な別の構成において装置の第3の手段は、測定された逆数のQ値の関数として検出された共振周波数を表わしているので、高い選択度において試料の迅速な識別が行われる。

0062

第3の手段としてソフトウエアは、これらのステップを自動的に順に実行する。

0063

ソフトウエアは、とくに有利には試料を識別するために、測定された共振曲線から試料の容器を有する及び持たないQ値、とくに逆数のQ値及び共振周波数を計算するように構成することができる。ソフトウエアは、これに続いて試料の容器を持たない値に関して共振周波数の変化と逆数のQ値の変化とからなる比を検出する。この数値は、直線の勾配を記述している。

0064

ソフトウエアは、最も簡単な場合、もっぱら検出された直線の勾配を介して試料の摂取可能なこと又は摂取不可能なことを判定する。

0065

望ましくはこのとき、ソフトウエアは、望ましくはメッセージを介して画像スクリーンに結果を出力することができる。

0066

望ましくはソフトウエアは、画像スクリーン又はプリンタのような出力装置において、適当なグラフ表示、及び摂取可能な及び摂取不可能な試料への試料の割り当て能力を可能にするようになっている。そのために望ましくはソフトウエアは、試料を持たないゼロ値から出発して、摂取可能な液体又は固体に対して特徴的な勾配における範囲を記述する。この範囲の外における液体又は固体が識別されるとすぐに、このことは、適当な方法で、たとえば光学的に表示される。

0067

装置内において共振器は、少なくとも1つの開口を有する金属製のハウジング内に配置されていることを考慮することができる。共振器のためのハウジングの開口は、試料の容器のほうに向けられている。ハウジングの開口は、共振器の電磁界に対して透過性である。

0068

大きな相対誘電率εrを有する損失の少ないマイクロ波セラミックをベースにしたとくに誘電体の共振器は、一部開いた幾何学的構造の際に大きなQ値を有する。方位に関して回転するEフィールド及び軸線方向のダイポーラHフィールドによって特徴付けられるTE01δ共振は、シリンダ状のセラミックの大きな誘電率の場合に、一般にきわめて安定である。同じことは、大きな誘導TE0共振についても当てはまり、これらの共振のフィールド分布は、回転対称に同様に回転対称を有する。金属製のハウジングにおける開口によって、共振器の電界が、試料を一部通過することができることが保証される。

0069

大きな方位モードインデックスn(典型的にはn=8より大きい)を有しかつきわめてわずかな放射損失を有しかつそれどころか一部完全に容器なしで動作することができるいわゆる“ホイスパリングギャラリー共振”、すなわちハイブリッド共振を使用することも、本発明の枠内において提示することができる。

0070

共振器に対する試料の容器のための保持体の間隔は、試料の容器の寸法、幾何学的構造及び共振器の選択されたモードに応じて、数ミリメートルないし数センチメートルとすることができる。

0071

試料の容器の正確な整列のために、試料の容器のための保持体は、少なくとも2つのV形の溝を有する。このときたとえばびん又はかん又はプラスチック容器のような容器は、その長手軸線に対して正確に水平方向に整列することができるので、共振器の軸線は、容器の軸線に直角に交差する。

0072

しかしながら本発明による装置は、この構成に限定されるものではない。

0073

試料の容器が保持体の斜めになった面上に置かれ、かつ容器の位置がこの斜めになった面上においてこれに対して垂直になった保持体の載せ面によって固定される装置は、とくに有利である。この場合、一方が保持体の斜めになった面に対して平行に絞りを有し、第2のものがこれに対して垂直に試料の容器の底部の下に配置されるので、試料の容器の側壁によって及び試料の容器の底部によって試料の識別が行われる、2つの共振器は、とくに有利である。

0074

それにより一方において一部だけ試料の材料によって満たされた試料の容器において、斜めになった面の下に取り付けられた共振器が、試料のできるだけ大きな容積を検出することが、とくに有利に引き起こされ、このことは、測定の精度及び再現能力を高めるために貢献する。他方において試料の容器の底部の下に配置された共振器は、わずかな直径を有する容器内における試料を識別するためにとくに有利に使われる。

0075

水平線に対する保持体の斜めになった面の角度は、したがって水平線に対して試料の容器がなす角度は、望ましくは20度と50度との間にあるようにする。

0076

有利なように装置は、シリンダ状の誘電体共振器を有する。それにより高度の対称性に基づいて、多くのモードが大きなQ値を有することが、とくに有利に引き起こされる。同様に大きなQ値が生じる球又は半球とは相違して、シリンダ状の誘電体共振器は容易に製造することができ、かつ加えて市販によって入手することができる。

0077

本発明の別の構成において、装置は、共振器が、金属製のハウジング内に中心対称に配置されていることを特徴とすることができる。

0078

金属製のハウジングは、シリンダ状に構成することができる。

0079

共振器のハウジング内における開口は、中心の円筒形の絞りによって実現することができる。

0080

容器のいちばん低い点が、ハウジング又は共振器の開口の中心より上に配置されているように、有利なように試料の容器及び共振器のためのハウジングが、互いに配置されている。この配置の高度な対称性は、共振器の生じることがある放射損失を最小にし、かつそれにより逆数のQ値と共振周波数との間の直線関係からの偏差を最小にするようになっている。

0081

装置は、有利なように共振器内にマイクロ波を入力結合しかつ共振モードを励起するために、可変周波数マイクロ波発振器を含む。それにより有利なようにここでも共振周波数及びQ値の複数回の測定が可能である。

0082

本発明のとくに有利な構成において、装置は、マイクロ波を発生するため及び共振曲線を記録するためにネットワーク解析器を含み、この共振曲線から共振周波数及びQ値が判定される。

0083

本発明の別の構成において、装置は、複数の共振器を含むことができ、したがって多数の同じ構造の及び/又は異なった構造の共振器を有する測定位置を形成することができる。

0084

本発明の意図において同じ構造の共振器は、たとえば異なった直径を有する共振器である。

0085

その際、有利なように装置は、複数の共振器を含み、これらの共振器は、試料の容器の形を模写するように互いに配置されている。たとえば試料としての一部の内容物を識別するために方法を実施しようとする場合、たとえば靴ヒールのために2つの共振器、靴先端のために1つの共振器及びたとえば靴底の残りのために別の2つの共振器を、測定位置に配置することができる。その際、靴の着用者としての人は、検査のためにこの靴を脱ぐ必要はない。有利なようにこのようにしてたとえば旅行客の手続きをするための“チェック−イン”範囲において脱いだ靴をレントゲン検査する代わりに、定性的な表現が可能な本発明による方法に置き換えることができる。

0086

さらに実施例及び添付の図面によって本発明を詳細に説明する。ここでは:

図面の簡単な説明

0087

本発明による装置の実施例を示す図である。
液体によって満たされた載せられたびんを有する誘電体共振器の伝送スペクトルを示す図である。
種々の液体及び種々のびんタイプに対して蓋絞りからびんまでの間隔zに関する測定された共振曲線から検出されたQ値を示す図である。
種々の液体及び種々のびんタイプに対して蓋絞りからびんまでの間隔zに関する測定された共振曲線から検出された共振周波数を示す図である。
種々の間隔、種々の液体及び種々のびんタイプに対して逆数のQ値に関して測定された共振周波数からなる本発明の関係を示す図である。空のPETびんに対する測定点は、空のガラスびんに対する測定点の後に隠れている。
本発明による装置の別の実施例を示す図である。

0088

本発明の第1の実施例によれば、本発明による装置は、誘電体共振器8を含み、この共振器は、少なくとも一方の側から開いた金属製のアルミニウムからなるハウジング6内に配置されている(図1)。

0089

誘電体共振器8は、εr=28を有するマイクロ波セラミック、バリウムジルコニウムチタネート(BZT)からなる。それによりシリンダ状の誘電体マイクロ波共振器が実現されており、このマイクロ波共振器は、半分開いた金属ハウジング6内に配置されている。マイクロ波のためのシリンダ状の特殊セラミック(半径a=15mm,高さH=21mm,穴4mm)は、テフロン保持体7上に配置されており、このテフロン保持体は、半分開いたアルミニウムシリンダ外径100mm,内径80mm,高さ54mm)内にねじ込まれている。共振器は、1mmの厚さのテフロンフィルムからなる蓋9によって覆われる。それによりハウジング6内における共振器8の有意義な固定、及び汚れに対する共振器8の保護が生じる。共振器8の半分開いたシリンダ状のアルミニウムハウジング6は、共振器のQ値を高めるために、90mmの外径及び50mmの内径を有するアルミニウム蓋絞り10によって追加的に覆われている。共振器セラミックの両側に、軸線方向における面の垂線を有するほぼ3mmの大きさの入力結合ループを備えた局所的な入力結合及び出力結合ガイド4,5がある。左側に、ほぼ3mmの大きさの入力結合ループ(面の垂線はz方向)を備えた同軸入力結合ガイドがあり、右側に、出力結合のために同じ大きさの及び同じ配向のループがある。セラミックシリンダのTE01デルタモードの共振周波数は、近似的に次の式によって
f0[GHz]=34{a/H+3.45}/a[mm]√(εr) (3)
検出される。その際、表示された幾何学的なパラメータは次のとおりである:
f0=1.78GHz、共振器の励起周波数として。
試料として液体3を含むびん2は、蓋絞り10から可変の間隔z(破線の円)を置いて測定される。

0090

共振器8は、この共振器の両方の同軸結合ガイド4,5によって、ベクトルネットワーク解析器1(ヒュレットパッカード8752A)の反射及び伝送ポートに接続されている。周波数に依存した伝送は、0dBm高周波出力電力によって測定された。測定を行なうために、共振器から種々の間隔zを置いて液体によって満たされたびんが配置された。良好に定義されたかつ既知の間隔に依存した測定を行なうために、PVCからなる2つのV形の溝11を有する双腕保持体が製造され、この保持体のうち図1には、図平面の外にあるものが示されている。したがって両方のV形の溝11内に、種々の形の及び表面特性のびん2を挿入することができる。びん2は、共振器8の金属蓋絞り10の上にびんの壁が載るように、三脚によって調節された。その際、びん2のいちばん低い点は、できるだけ誘電体共振器8の中心の上方にある。

0091

しかしながらもちろん装置は、90度だけ転向することができ、その際、共振器とびんの縁との間のできるだけわずかな間隔の範囲において、びんの壁にまで液体が到達するので、電界が液体を通過するように注意する。

0092

びん2は、共振器軸線がびん軸線に直角に交差するように、共振器8に対して対称的に配置されている。それからびん2は、マイクロメータねじによって、共振器8に対して垂直に1mmのステップで動かされた。それぞれの位置において、共振周波数及びQ値のそれぞれ1つの判定が行なわれた。

0093

したがってびん内容物の識別のために、励起されるモードのQ値及び共振周波数が測定される。共振器8からびん2までの種々の間隔に対する測定値の複数回の上昇によって、種々の液体のさらに一義的な識別が行われる。

0094

図2は、液体によって満たされたびんの典型的な測定された反射スペクトルを示している。HP8752Aのスイープ帯域幅は、共振の幅に応じて10MHz、20MHz又は50MHzに選択された。

0095

図3及び図4は、共振器8に対するびん2の間隔に関して、検出された逆数のQ値及び検出された共振周波数に関するそれぞれ生じた測定値を示しいている。その際、間隔zは、対数表示で記載されている。

0096

そのためにPETびんとして、図示したすべての結果に対して銘柄コカコーラ商標名)の通常市販の1リットルびんが選択された。

0097

ガラスびんとして、別に何も表示しない限り、粗い表面を有する通常市販の0.7リットルの水のびんが利用された。

0098

図3及び図4において、それぞれ完全に塗りつぶした円及び正方形により、共振器からびんまでの間隔に関して、ポリエチレン(PETびん;正方形)及びガラス(円)からなる空気によって満たされたびんが示されている。しかしながら本来の基準は、ここでも空気に対する測定を表わしており、すなわち試料の容器のない測定を表わしている。

0099

水道水(空の正方形:PETびん;空の円:ガラスびん)の他に、2プロパノール(正方形の中に垂直の十字:PETびん;円の中に垂直の十字:ガラスびん)、アセトン(正方形の中に斜めの十字:PETびん;円の中に斜めの十字:ガラスびん)、アーモンドリキュール(黒く塗りつぶした8角形の円、図3及び図4における線は、区別することができるようにするために“*”によってマークした、大幅な表面粗さを有する銘柄、ヴェネツィア(商標名)の通常市販の四角形のガラスびん)、3.5%の脂肪を含有するミルク(塗りつぶしていないひし形)のQ値及び共振周波数が測定され、かつ共振周波数を測定するために追加的にスパークリングワイン(下方に向いた塗りつぶしていない三角形)も測定された。スパークリングワイン及びミルクによる測定は、前記のようにここでも通常市販の0.7リットルの水のびんおいて行なわれた。

0100

両方の大きさ、すなわち共振周波数及びQ値は、びんと共振器との間の間隔の増加とともに減少している。

0101

摂取可能な飲み物(水、リキュール、ミルク、スパークリングワイン)は、摂取不可能な化学物質、すなわち2プロパノール及びアセトンよりもそれぞれ高い共振周波数を有する(図4)。

0102

しかしながら類似の表示は、共振のQ値の場合には(図3)、的確にとらえることができない。共振器に対する試料の容器(びんの下側の縁)の間隔に関して逆数のQ値が図示されている。この場合、摂取可能及び摂取不可能な液体から見境のないように思われる順序が生じる。

0103

図5は、共振器から試料の容器までの種々の間隔において、逆数のQ値1/Qに関する共振周波数の最終的な表示を含むとくに有利な方法を示している。図5は、逆数のQ値係数が試料による共振周波数の測定された変化に対してかなりの程度まで比例しており、かつそれ故に種々の間隔値における測定が、共振周波数と逆数のQ値との間のかなりの程度まで直線的な関係に通じることを、はっきりと示している。実際にこのことは、液体のきわめて迅速及び正確な識別を意味している。

0104

望ましくは試料の容器と共振器との間の間隔は、0ミリメートルと5ミリメートルとの間の範囲にあるようにする。このことは、図5に示された直線において、それぞれきわめて大きな逆数のQ値及び共振周波数を有する6つの値に相当する。ほとんどの液体に対してほぼ100と1000との間のQ値が、その結果生じる(図5)。この値範囲におけるQ値は、容易に測定することができ、かつ種々の液体において区別する際に、選択性はきわめて良好である。

0105

その際、灰色にされた範囲は、摂取可能な液体の範囲を表わしている。図3及び4に示された液体の他に、図5において追加的なアルコール飲料として、ベルノ、ジン、又は任意の香水が図示されている。その他に、追加的な化学物質として、エタノールクロロフォルム及び酸、すなわち塩酸びりん酸が測定されている。

0106

結果は、次の推論を可能にする:すなわち
1.摂取可能な液体の範囲は狭い。それ故に未知の液体は、迅速かつ確実に摂取可能又は摂取不可能、又は危険及び危険のないものに分類することができる。
2.摂取可能な液体の範囲は、正の勾配を有する直線を有する。
3.摂取可能な液体において曲線の勾配は、かなりの程度までびんの材料(ガラス、プラスチック)に無関係、かつ正確な形に無関係であり、かつ紙又は合成物質のラベルによっても影響を受けることがない。
4.燃焼可能な液体は、はっきりと異なった勾配を有し、これらの勾配は、明確な区別を可能にする。
5.摂取可能な液体の範囲の外において、酸も正の勾配を有する。そのために検出された直線は、摂取可能な液体よりも大きな勾配を有する。
6.摂取可能な液体の範囲の外において、ガラス内におけるアセトン及び合成物質内におけるエタノールも、正の勾配を有する。そのために検出された直線は、摂取可能な液体よりも小さな勾配を有する。
7.負の勾配は、別のすべての摂取不可能な液体において、及びPET及びガラスからなる空のびんにおいて生じる。

0107

それ故に本発明の一般的な結果として、明確な物理的なパラメータ及びその表示が存在し、これらのパラメータ及び表示は、閉じた容器内における試料の迅速及び確実な識別を可能にすることを確認することができる。

0108

燃焼可能な液体において観察されるびんの材料に関する曲線の関係、及び負の勾配の発生は、定性的に次のように説明することができる。水において、大きな誘電率を有する媒体内に電界エネルギーが増大するように再分配されることによって、びんの接近によって共振周波数の観察される増大が生じ、それにより電界エネルギーの増大が生じる(正の勾配)。その際、磁界エネルギーは、明らかにわずかな役割しか演じない。それより小さな誘電率を有する液体において、びんにおける部分反射によって電界容積の実効的な減少の効果が支配的であり、それにより共振周波数の増大が生じる(負の勾配)。それ故に空のびんに対して負の勾配も観察される。どの効果が支配的であるかに応じて、勾配の符号は、アセトンにおいて観察されるように、びんの材料に依存することがある。

0109

マイクロ波周波数範囲において液体に対するεの強力な周波数依存性に基づいて、別の周波数において別の画像が生じることを予測することができる。このようにしてたとえば5〜10GHzの範囲における励起周波数の際に、そのアルコール含有量にしたがってアルコール飲料の明確な区別が生じることを予測することができる。

0110

図5に示した曲線が、1つの点において(すなわちびんを持たない共振器のf及び1/Q値において)交差する直線であるということに基づいて、それぞれの液体は、1つだけの間隔値における測定によって完全に特徴付けることができる。このような測定は、ほぼ100ミリ秒の期間内に実施することができる。これらのことに基づいて、非金属製のびんの内容物を識別する方法は、空港における“チェック−イン”の際に適している。

0111

図6は、本発明による装置の別の有利な構成を概略的に示している。

0112

ここにおいて保持体の斜めになった部分61bの上に配置された試料の容器、ここではびん62の長手軸線が水平線Xとともに30度の角度をなしているように、保持体61a,61bは、本発明による装置60内に配置されている。

0113

びん62は、保持体の斜めになった面61b上におかれ、かつこのびんの位置は、下からこれに対して垂直になった載せ面61aによって固定される。この場合、2つの共振器68a,68b、すなわち斜めになった面に対して平行に絞りを有する一方のもの(68a)、びんの底においてこれに対して垂直な第2のもの(68b)が配置されている。

0114

びん内容物、したがって試料63の識別は、それぞれのびんの側壁を通してかつびんの底を通して行なわれる。その下に共振器があるびん62のための保持体の載せ面61a,61bは、消失するマイクロ波フィールドに対して透過性の材料から、たとえばテフロンからなる。

0115

一方において一部だけ満たされたびん62において保持体の斜めにされた面61bの下に取り付けられた共振器68aが、できるだけ多くの容積の試料63を検出し、このことが測定の精度及び再現能力を高めるために貢献することは、この装置60において有利である。他方においてびんの底部の下に配置された共振器68bは、わずかな直径を有するびん内における試料を識別するために有利に使われる。図6に示された場合に、水平線Xに対する斜めになった載せ面61bの間の角度は、30度である。共振器68a、68bは、ハウジング66内に収納されている。

0116

現在ネットワーク解析器によって行なわれる測定は、移動無線及びマイクロエレクトロニクスのための標準部品に基づいて開発すべき電子回路によって実現することができる。このことは、極端にコンパクトなかつ望ましいコストのテスト装置を構成することを可能にする。

0117

ハウジング内におけるこのような電子装置及び共振器の統合は、いわゆるハンドスキャナを構成するための前提条件を提供する。このようなハンドスキャナは、たとえばバッテリーによって動作させることができ、かつ試料を検査するために移動装置として使用することができる。

0118

別の適用分野は、たとえば木材の貯蔵時間を管理するための建築材料水含有量の判定である。包装した食料品を検査するために方法を使用することもできる。農業のために、穀物粒子における水含有量を判定するために方法を利用することができる。医療用の適用の分野において、皮膚の水含有量(水和)の測定を考えることができる。

0119

利用される振動モードに対して金属ハウジングにおける開口の直径をそれぞれ最適化することができることは明らかである。共振器は、それぞれわずかな放射損失を有する振動モードにおいて励起される。

0120

ここに述べたものとは別の用途に対して、試料の一義的な識別のために、共振周波数の検出の代わりにQ値の検出でも十分であることを考えることができる。

実施例

0121

このとき、容器内における試料を識別する方法は、次のステップを考慮している。すなわち:
−試料を含む容器が、共振器に対して配置され、
−共振器に、共振器の共振モードを励起するための高周波信号が入力結合され、
−少なくとも1つの共振モードの共振曲線が測定され、かつ
−試料の容器のない測定と比較してQ値の検出された変化から、試料が識別される。試料の容器内における試料を識別する本発明による装置には、少なくとも1つの共振器及び試料の容器のための保持体、及び少なくとも1つの共振器の共振モードを励起するための第1の手段が設けられており、その際、共振器の共振モードを励起した後に、共振器の共振電界が、試料の容器内における試料を少なくとも一部通過することができるように、共振器及び試料の容器のための保持体が、互いに配置されており、かつ試料によって変化した共振器の共振曲線を測定するための第2の手段が設けられている。装置が、共振周波数を検出するための第3の手段を有する。

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