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技術 高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法

出願人 株式会社竹中工務店竹本油脂株式会社
発明者 河野貴穂米澤敏男佐藤英二吉田智憲木之下光男玉木伸二
出願日 2009年6月9日 (11年6ヶ月経過) 出願番号 2009-137994
公開日 2010年12月24日 (10年0ヶ月経過) 公開番号 2010-285465
状態 特許登録済
技術分野 セメント、コンクリート、人造石、その養生 土壌改良剤および土壌安定剤
主要キーワード 山留工事 ローム層 解体コンクリート 製造エネルギー 偏心ロータ エネルギー消費効率 ブレーン法 アルカリ刺激材
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重要な関連分野

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課題

地盤改良工事において良好な施工性を確保しつつ、また得られる地盤硬化体が必要な強度を有するものになることを前提として、高炉スラグ微粉末を現在よりも高い割合で使用することにより二酸化炭素の発生を抑制することができる地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリー調製方法を提供する。

解決手段

結合材として下記の高炉セメント組成物を用いて水/該高炉セメント組成物の質量比を40〜250%に調製し、また該高炉セメント組成物100質量部当たり混和剤を0.1〜5質量部の割合で含有して成るものを地盤改良用スラリー組成物とした。 高炉セメント組成物:粉末度が3000〜8000cm2/gの高炉スラグ微粉末を60〜90質量%、石膏を5〜20質量%及びポルトランドセメントを5〜35質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、解体コンクリートから分離した水酸化カルシウム含有率が3〜15質量%の再生コンクリート微粉末を10〜30質量部の割合で添加した高炉スラグ組成物

概要

背景

従来、地盤改良ポルトランドセメントを用いる場合の影響について、ポルトランドセメントは水と接すると水酸化カルシウムを生じるためアルカリ性を呈し、これを地盤改良に用いると、地盤のpHが10程度まで上昇して植物の生育等に悪影響を及ぼすこと、またローム層のような含水比が低い地盤の改良にポルトランドセメントを用いると、ポルトランドセメント中に含まれる六価クロム溶出し易くなって、環境に悪影響を及ぼすこと等が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。別に、地盤改良に用いるセメントスラリー流動性を改善する提案(例えば、特許文献1〜3参照)や、地盤改良にも適用できる高炉スラグ等を用いた水硬性組成物についての提案(例えば、特許文献4〜8参照)等もあるが、二酸化炭素の排出量の低減に寄与するような具体的な報告や提案はされていない。

概要

地盤改良工事において良好な施工性を確保しつつ、また得られる地盤硬化体が必要な強度を有するものになることを前提として、高炉スラグ微粉末を現在よりも高い割合で使用することにより二酸化炭素の発生を抑制することができる地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリー調製方法を提供する。結合材として下記の高炉セメント組成物を用いて水/該高炉セメント組成物の質量比を40〜250%に調製し、また該高炉セメント組成物100質量部当たり混和剤を0.1〜5質量部の割合で含有して成るものを地盤改良用スラリー組成物とした。 高炉セメント組成物:粉末度が3000〜8000cm2/gの高炉スラグ微粉末を60〜90質量%、石膏を5〜20質量%及びポルトランドセメントを5〜35質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、解体コンクリートから分離した水酸化カルシウム含有率が3〜15質量%の再生コンクリート微粉末を10〜30質量部の割合で添加した高炉スラグ組成物。なし

目的

本発明が解決しようとする課題は、地盤改良工事において施工性を確保しつつ、地盤硬化体が必要な強度を有するものになることを前提として、高炉スラグ微粉末を現在よりも高い割合で使用することにより二酸化炭素の発生を抑制した地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
3件

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請求項1

少なくとも、結合材、水及び混和剤を含有する地盤改良用スラリー組成物であって、結合材として下記の高炉セメント組成物を用いて水/該高炉セメント組成物の質量比を40〜250%に調製し、また該高炉セメント組成物100質量部当たり混和剤を0.1〜5質量部の割合で含有して成ることを特徴とする高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。高炉セメント組成物:粉末度が3000〜13000cm2/gの高炉スラグ微粉末を60〜90質量%、石膏を5〜20質量%及びポルトランドセメントを5〜35質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、解体コンクリートから分離した水酸化カルシウム含有率が3〜15質量%の再生コンクリート微粉末を10〜30質量部の割合で添加した高炉セメント組成物。

請求項2

石膏が無水石膏である請求項1記載の高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。

請求項3

高炉スラグ微粉末が、その粉末度が3500〜6500cm2/gのものである請求項1又は2記載の高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。

請求項4

再生コンクリート微粉末が、その水酸化カルシウム含有率が6〜12質量%のものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載の高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。

請求項5

ポルトランドセメントが普通ポルトランドセメントである請求項1〜4のいずれか一つの項記載の高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。

請求項6

混和剤の少なくとも一部として、α−オレフィン無水マレイン酸との共重合物アルカリ加水分解した質量平均分子量が2000〜70000の水溶性ビニル共重合体アルカリ金属塩からなる流動化剤を含有する請求項1〜5のいずれか一つの項記載の高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。

請求項7

混和剤の少なくとも一部として、質量平均分子量が1500〜50000のポリアクリル酸のアルカリ金属塩からなる流動化剤を含有する請求項1〜6のいずれか一つの項記載の高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。

請求項8

混和剤の少なくとも一部として、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルからなる消泡剤を含有する請求項1〜7のいずれか一つの項記載の高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。

請求項9

水/高炉セメント組成物の質量比を45〜230%に調製した請求項1〜8のいずれか一つの項記載の高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物。

請求項10

請求項1〜9のいずれか一つの項記載の高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物を、土1m3当たり300〜1200kgの割合で用いることを特徴とするソイルセメントスラリー調製方法

技術分野

0001

本発明は高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリー調製方法に関する。近年、二酸化炭素排出量の削減やエネルギー消費効率の改善についての要求が益々強くなっている。かかる事情に鑑み、山留工事、地下止水工事、軟弱地盤改良工事等においても、製鉄所から副産する高炉水砕スラグが、高炉スラグ微粉末の形で高炉セメント原料として有効利用されている。一般に前記のような地盤改良を行なう場合には、地盤中にセメント系固化材と水とを混合したセメントスラリーセメントミルク)を地盤に注入し、削孔混練機械を用いて原位置で土と撹拌混合しており、ここではセメント系固化材として高炉セメントが用いられている。高炉セメントは、普通ポルトランドセメントに高炉スラグ微粉末を混合して造られ、JIS−R5211の規格では、高炉スラグ微粉末の分量によって、A種(5%超〜30%)、B種(30%超〜60%)及びC種(60%超〜70%)の3種類に分けられているが、実際の地盤改良を行なう分野では、性能バランスの良い高炉セメントB種が多用されている。地盤改良において高炉セメントB種は、地盤1m3中に100〜400kgの割合で混入するのが一般的であるが、高炉セメントB種1トン工場で製造するために約400kgの二酸化炭素を排出しているので、高炉セメントB種を用いて地盤1m3を改良するためには、施工機械運転や材料の運搬等により発生する二酸化炭素の排出を除き、40〜160kgの二酸化炭素を排出していることになる。そのため、地盤改良を行なう分野では、施工性を確保しつつ、改良した地盤が必要な強度を有するものになることを前提として、高炉スラグ微粉末をもっと高い割合で使用することにより二酸化炭素の発生を抑制する技術の出現が要求されている。本発明は、かかる要求に応える高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法に関する。

背景技術

0002

従来、地盤改良にポルトランドセメントを用いる場合の影響について、ポルトランドセメントは水と接すると水酸化カルシウムを生じるためアルカリ性を呈し、これを地盤改良に用いると、地盤のpHが10程度まで上昇して植物の生育等に悪影響を及ぼすこと、またローム層のような含水比が低い地盤の改良にポルトランドセメントを用いると、ポルトランドセメント中に含まれる六価クロム溶出し易くなって、環境に悪影響を及ぼすこと等が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。別に、地盤改良に用いるセメントスラリーの流動性を改善する提案(例えば、特許文献1〜3参照)や、地盤改良にも適用できる高炉スラグ等を用いた水硬性組成物についての提案(例えば、特許文献4〜8参照)等もあるが、二酸化炭素の排出量の低減に寄与するような具体的な報告や提案はされていない。

0003

特開平11−256161号公報
特開2000−169209号公報
特開2006−298726号公報
特開昭62−158146号公報
特開昭63−2842号公報
特開平1−208354号公報
特開平10−114555号公報
特開2002−241152号公報

先行技術

0004

「セメント系固化材による地盤改良マニュアル」、セメント協会編、1984年、頁42−44.

発明が解決しようとする課題

0005

本発明が解決しようとする課題は、地盤改良工事において施工性を確保しつつ、地盤硬化体が必要な強度を有するものになることを前提として、高炉スラグ微粉末を現在よりも高い割合で使用することにより二酸化炭素の発生を抑制した地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法を提供する処にある。

課題を解決するための手段

0006

しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、高炉スラグ微粉末を高い割合で含有し、ポルトランドセメントの含有割合が少ない特定の高炉セメント組成物を混和剤と共に用いた地盤改良用スラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法が正しく好適であることを見出した。

0007

すなわち本発明は、少なくとも、結合材、水及び混和剤を含有して成る地盤改良用スラリー組成物であって、結合材として下記の高炉セメント組成物を用いて水/該高炉セメント組成物の質量比を40〜250%に調製し、また該高炉セメント組成物100質量部当たり混和剤を0.1〜5質量部の割合で含有して成ることを特徴とする高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物に係る。

0008

高炉セメント組成物:粉末度が3000〜13000cm2/gの高炉スラグ微粉末を60〜90質量%、石膏を5〜20質量%及びポルトランドセメントを5〜35質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、解体コンクリートから分離した水酸化カルシウム含有率が3〜15質量%の再生コンクリート微粉末を10〜30質量部の割合で添加した高炉セメント組成物。

0009

また本発明は、本発明に係る高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物を、土1m3当たり300〜1200kgの割合で用いることを特徴とするソイルセメントスラリーの調製方法に係る。

0010

本発明に係る高炉セメント組成物を用いた地盤改良用スラリー組成物(以下、本発明のスラリー組成物という)は、少なくとも、結合材、水及び混和剤を含有して成るものである。本発明のスラリー組成物は結合材として特定の高炉セメント組成物を用いたものであり、かかる高炉セメント組成物は、粉末度が3000〜13000cm2/gの高炉スラグ微粉末を60〜90質量%、石膏を5〜20質量%及びポルトランドセメントを5〜35質量%(合計100質量%)の割合で含有する混合物100質量部当たり、解体コンクリートから分離した水酸化カルシウム含有率が3〜15質量%の再生コンクリート微粉末を10〜30質量部の割合で添加したものである。

0011

前記の高炉スラグ微粉末は、粉末度が3000〜13000cm2/gのものを使用するが、好ましくは3000〜8000cm2/gのものを使用し、より好ましくは3500〜6500cm2/gのものを使用する。粉末度が3000〜13000cm2/gの範囲を外れたものを使用すると、調製したスラリー組成物の流動性が悪くなったり、これを用いた地盤の強度発現が低下したりする。尚、本発明において粉末度はブレーン法による比表面積で表したものである。

0012

また石膏としては、無水石膏二水石膏半水石膏が挙げられるが、無水石膏が好ましい。無水石膏としては、それを90質量%以上の純度で含有するものであれば使用でき、天然無水石膏や副産無水石膏等が使用できる。粉末度は、2500〜8000cm2/gのものが好ましく、3000〜6500cm2/gのものがより好ましい。

0013

更にポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント中庸熱ポルトランドセメント低熱ポルトランドセメント等が挙げられるが、普通ポルトランドセメントが好ましい。

0014

そして再生コンクリート微粉末としては、粉末度が2000〜7000cm2/gのものを使用するのが好ましい。また水酸化カルシウム含有率が3〜15質量%のものを使用するが、好ましくは6〜12質量%のものを使用する。解体コンクリートから分離する方法は特に限定されず、これには例えば、破砕機を用いて破砕する方法や破砕物どうしを機械すりもむ方法が挙げられる。解体コンクリートから分離された再生コンクリート微粉末は、例えば、解体コンクリートから粗骨材細骨材を取り除くことにより得ることができる。このとき解体コンクリートから分離された粗骨材や細骨材も再生品として使用することができる。解体コンクリートから分離した再生コンクリート微粉末であって、水酸化カルシウムを上記の含有率で含む再生コンクリート微粉末を得る手段としては、機械擦りもみ方式が好ましく、機械擦りもみ方式のなかでは偏心ロータ方式がより好ましい。以下、このような再生コンクリート微粉末の製造方法について説明する。本発明における好ましい再生コンクリート微粉末は、加熱を行わない機械擦りもみ方式により製造されることが、製造時の二酸化炭素の削減及び得られる微粉末品質にばらつきがないという観点から好適である。特に、偏心ロータ方式や遊星ミル等の機械擦りもみ装置で製造する際に、機械すりもみプロセスを密閉された空間内で行い、空間内の空気中のCO2を除去する方法、或いは、チッソガスなどの不活性ガス封入する方法をとることで、処理中の炭酸化による水酸化カルシウム含有率の減少を抑制した再生コンクリート微粉末は本発明における如き、アルカリ刺激材として使用するのに最適な水酸化カルシウム含有率の微粉末を得ることができる。他方、解体コンクリート塊ジョークラッシャーインペラーブレーカー等の破砕機を用いて破砕する方法においては、骨材モルタル・ぺーストが同時に破砕されるため、再生コンクリート微粉末中に骨材粉が多くなり易く、また、微粉中の骨材粉とモルタル・ぺースト粉の比率コンクリートの配(調)合によっては相当変化することとなり、高炉スラグ微粉末のアルカリ刺激材として用いるには、品質のコントロールが極めて困難であり、また、加熱と機械擦りもみによって骨材を取り出す加熱すりもみ方式で製造した微粉末は骨材粉が少なく、アルカリ刺激材として適しているものの、加熱によって解体コンクリート中の水和物が変化する懸念があり、また、製造エネルギーが大きくなり、セメント製造時の二酸化炭素を削減するという観点からも好適とは言い難い。

0015

本発明のスラリー組成物では、水/高炉セメント組成物の質量比を40〜250%に調製するが、好ましくは45〜230%に調製する。かかる質量比が250%より大きいと、地盤の強度の低下が大きくなり、逆にかかる質量比が40%より小さいと、ソイルセメントスラリーの流動性が低下する。また本発明のスラリー組成物では、高炉セメント組成物100質量部当たり、混和剤を0.1〜5質量部の割合で含有させて用いる。尚、本発明において水/高炉セメント組成物の質量比は、(用いた水の質量/用いた高炉セメント組成物の質量)×100で求められるものである。

0016

本発明のスラリー組成物において、混和剤としては、従来公知のソイルセメント用に用いられるものが挙げられる。これには例えば、流動化剤消泡剤等が挙げられる。

0017

流動化剤としては、特に限定されるものではないが、α−オレフィン無水マレイン酸との共重合物アルカリ加水分解した質量平均分子量(GPC法プルラン換算、以下同じ)が2000〜70000の水溶性ビニル共重合体アルカリ金属塩からなるものが好ましく、なかでも炭素数3〜8のα−オレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩からなるものがより好ましく、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩からなるものが特に好ましい。

0018

流動化剤としては、質量平均分子量1500〜50000のポリアクリル酸のアルカリ金属塩からなるものも好ましく、これは前記の水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩と組み合わせて使用することもできる。以上説明した流動化剤の使用量としては、高炉セメント組成物100質量部当たり、0.1〜5質量部の割合とするが、0.3〜4質量部の割合とするのが好ましい。

0019

消泡剤としては、特に限定されるものではないが、ポリアルキレングリコールモノアルケニル(又はアルキルエーテル変性ポリジメチルシロキサンリン酸トリアルキル等の消泡剤が挙げられる。なかでも、経済性及び効果の発現程度の点から、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルから成る消泡剤が好ましい。消泡剤は、本発明のスラリー組成物を調製する際の泡立ちによるトラブルを無くし、同時に該スラリー組成物を地盤に注入して掘削撹拌する際の空気の巻き込みを抑えて得られる地盤硬化体の強度発現性を高めるために用いる。消泡剤の使用量としては、高炉セメント組成物100質量部当たり、0.001〜0.1質量部の割合とするのが好ましく、0.002〜0.01質量部の割合とするのがより好ましい。

0020

本発明のスラリー組成物は公知の方法で調製できる。例えば、高炉セメント組成物と混和剤と水の各所定量をミキサー投入して練り混ぜる方法で調製することができる。この際、本発明の効果を損なわない範囲内で必要に応じて、ベントナイト、繊維等の添加材凝結遅延剤硬化促進剤等の添加剤を添加することもできる。

0021

本発明に係るソイルセメントスラリーの流動化方法では、以上説明した本発明のスラリー組成物を、求められるソイルセメントスラリーの流動性や地盤硬化体の強度に応じて、土と混合してソイルセメントスラリーとする。この際、本発明のスラリー組成物は、土1m3当たり300〜1200kgの割合となるように用いるが、400〜1100kgの割合となるように用いるのが好ましい。

発明の効果

0022

本発明によると、地盤改良工事において、結合材として特定の高炉セメント組成物を混和剤と共に用いることにより、二酸化炭素の排出量を抑制しつつ、調製したソイルセメントスラリーの経時的な流動性の低下を抑えて良好な施工性を確保することができ、同時に地盤硬化体に必要な強度を発現させることができるという効果がある。

0023

以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。

0024

試験区分1(混和剤としての流動化剤の調製)
撹拌機を備えたフラスコに水145g及び30%濃度の苛性ソーダ470gを投入した後、内温を60℃に保ちつつ撹拌しながら、イソブチレンと無水マレイン酸の共重合物(クラレ社製商品イソバン600)395gを徐々に加えながら加水分解し、共重合物のアルカリ金属塩を得た。これをGPCで分析したところ、質量平均分子量が23000、イソブチレンと無水マレイン酸の共重合物のナトリウム塩からなる水溶性ビニル共重合体のナトリウム塩(p−1)であった。同様な方法で、流動化剤(p−2)及び(p−3)を調製した。

0025

前記の流動化剤を含み、本発明で使用した混和剤としての流動化剤及び消泡剤を表1にまとめて示した。

0026

0027

試験区分2(高炉セメント組成物の調製)
表2に記載の調合条件で、高炉スラグ微粉末、無水石膏、ポルトランドセメント及び再生コンクリート微粉末を用いて高炉セメント組成物を調製し、高炉セメント組成物(S−1)〜(S−5)及び(R−1)〜(R−6)を得た。

0028

0029

表2において、
sg−1:粉末度が4100cm2/gの高炉スラグ微粉末
sg−2:粉末度が5900cm2/gの高炉スラグ微粉末
sg−3:粉末度が1020cm2/gの高炉スラグ微粉末
gp−1:粉末度が4150cm2/gの無水石膏
gp−2:粉末度が5800cm2/gの無水石膏
pc−1:普通ポルトランドセメント
pc−2:早強ポルトランドセメント
rc−1:粉末度が5860cm2/g且つ水酸化カルシウム含有率が9.2%の再生コンクリート微粉末
rc−2:粉末度が4620cm2/g且つ水酸化カルシウム含有率が6.5%の再生コンクリート微粉末
rc−3:粉末度が4350cm2/g且つ水酸化カルシウム含有率が1.5%の再生コンクリート微粉末
rc−4:粉末度が1200cm2/g且つ水酸化カルシウム含有率が6.1%の再生コンクリート微粉末

0030

試験区分3(地盤改良用スラリー組成物の調製)
実施例1〜10及び比較例1〜10
表3に記載の配合条件で、パン強制練りミキサーに、表2に記載の高炉セメント組成物及び練り混ぜ水(水道水)の各所定量を投入し、また混和剤として表1に記載の流動化剤及び消泡剤の各所定量を投入して練り混ぜ、各例の地盤改良用スラリー組成物を調製した。

0031

0032

表3において、
高炉セメント組成物の種類:表2に記載したもの
流動化剤及び消泡剤の種類:表1に記載したもの
流動化剤及び消泡剤の使用量:高炉セメント組成物(比較例8〜10は高炉セメントB種)100質量部当たりの固形分としての質量部
*1:高炉セメントB種(密度=3.04g/cm3、ブレーン値3850cm2/g、ポルトランドセメントを50%含有)

0033

試験区分4(ソイルセメントスラリーの調製及び評価)
実施例11〜20及び比較例11〜21
・ソイルセメントスラリーの調製
試験区分3で調製した各例の地盤改良用スラリー組成物を用いて、次のようにソイルセメントスラリーを調製し、評価した。目標一軸圧縮強度材齢28日で5N/mm2以上に想定して、土1m3当たりの地盤改良用スラリー組成物の含有量(kg)の調合を定めた。試験区分3で調製した地盤改良用スラリー組成物の所定量をホバートミキサーに投入した後、表4に記載の物性値を有する土(地盤を掘削して得られた粘性土珪砂=3/1(質量比)で混合した混合土)を加えて混合し、表5に記載の各例のソイルセメントスラリーを調製した。各例のソイルセメントの調合条件は表5に記載した。

0034

0035

・調製したソイルセメントスラリーの物性評価
調製した各例のソイルセメントスラリーについて、練り混ぜ直後のフロー値、練り混ぜてから90分経過後のフロー値、空気量及び一軸圧縮強度をつぎのように求め、結果を表5にまとめて示した。また二酸化炭素の排出量についても併せて示した。
・フロー値:JIS−R5201に準拠し、練り混ぜ直後及び90分経過後にフロー試験を行い、15回落差後のフロー値(mm)を測定した。
・空気量:JIS−A6201(1977年版)に準拠して求めた。
一軸圧縮強度試験:JIS−A1108に準拠し、直径50mm×高さ100mmの型枠を用いて成形した成形品について、材齢28日の圧縮強度(N/mm2)を測定した。

0036

0037

表5において、
注入量:土1m3当たりの地盤改良用スラリー組成物の注入量(kg)
注入率:土1m3当たりの地盤改良用スラリー組成物の注入割合(容積%)
結合材の含有量:土1m3当たりの高炉セメント組成物又は高炉セメントB種の含有量(kg)
二酸化炭素の排出量:土1m3を改良するときの二酸化炭素の排出量(kg)。但し、石膏及び再生コンクリート微粉末の製造に必要なエネルギー由来する二酸化炭素の排出量を除いてポルトランドセメントの使用量から計算した値。

0038

表5からも明らかなように、各実施例で調製したソイルセメントスラリーは、従来から使用されてきた高炉セメントB種を用いた比較例18〜21に比べて、土1m3を改良する場合の炭酸ガスの排出量が少ないことが特徴であり、しかもフロー値がいずれも200mm以上の良好な流動性及び流動保持性が得られ、同時に目標の一軸圧縮強度も十分満足する結果が得られている。

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    【課題】剥離が生じにくいコンクリート、特に覆工コンクリートおよび寒中コンクリートを提供する。【解決手段】単位水量が155kg/m3以下、かつ、空気量が8%以上であるコンクリートであり、好ましくはペース... 詳細

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