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図面 (8)

課題

機関出力低下制御が実行不能であるときに、内燃機関から過大な駆動力自動変速機に入力されて自動変速機の摩擦係合要素が損傷することを抑制できる自動変速機の制御装置を提供すること。

解決手段

変速制御用ECU27は、ガレージシフトがなされたことを検知すると、実機関トルク要求トルクよりも大きい、機関水温が低い、機関制御用ECU26との間の相互通信途絶している、触媒温度が高いという各種条件が全て成立しなければ、第1クラッチや第2,第3ブレーキ係合許可する。そして、変速制御用ECU27は、上述した各種条件のいずれか一つでも満たせば、フューエルカット制御が実行不能であるとして、第1クラッチや第2,第3ブレーキの係合を禁止する。

概要

背景

自動変速機は、シフト位置が非駆動位置に位置していると内燃機関から車両駆動系への駆動力の伝達を遮断する遮断状態に設定され、シフト位置が駆動位置に位置していると内燃機関の駆動力を車両駆動系に伝達する伝達状態に設定される。そして、車庫出し車庫入れ時には、シフト位置の非駆動位置から駆動位置への切り替え、すなわちガレージシフトが行われる。ここで、内燃機関から自動変速機に対して入力される機関出力の大きい状態で上述したガレージシフトが行われると、自動変速機の摩擦係合要素係合する際に大きな摩擦が生じて同摩擦係合要素が損傷するおそれがあった。

そこで、特許文献1に記載された自動変速機の制御装置では、自動変速機を遮断状態から伝達状態に切り替えるためにシフト位置が非駆動位置から駆動位置に切り替えられたとき、機関出力が大きければ、機関出力を低下させる機関出力低下制御を実施するようにしている。すなわち、特許文献1に記載の自動変速機の制御装置では、ガレージシフトが行われたことを検知すると、タービン回転速度と所定のしきい値とを比較する処理を行う。そして、この自動変速機の制御装置では、タービン回転速度がしきい値以上である場合には、フューエルカット制御を行って機関出力を低下させ、タービン回転速度が所定のしきい値を下回ったことを条件に摩擦係合要素の係合を開始して、自動変速機を伝達状態に切り替えている。

概要

機関出力低下制御が実行不能であるときに、内燃機関から過大な駆動力が自動変速機に入力されて自動変速機の摩擦係合要素が損傷することを抑制できる自動変速機の制御装置を提供すること。変速制御用ECU27は、ガレージシフトがなされたことを検知すると、実機関トルク要求トルクよりも大きい、機関水温が低い、機関制御用ECU26との間の相互通信途絶している、触媒温度が高いという各種条件が全て成立しなければ、第1クラッチや第2,第3ブレーキの係合を許可する。そして、変速制御用ECU27は、上述した各種条件のいずれか一つでも満たせば、フューエルカット制御が実行不能であるとして、第1クラッチや第2,第3ブレーキの係合を禁止する。

目的

本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、機関出力低下制御が実行不能であるときに、内燃機関から過大な駆動力が自動変速機に入力されて自動変速機の摩擦係合要素が損傷することを抑制できる自動変速機の制御装置を提供する

効果

実績

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請求項1

自動変速機シフト位置が、内燃機関から車両駆動系への駆動力の伝達を遮断する遮断状態に自動変速機を設定する非駆動位置から前記内燃機関の駆動力を車両駆動系に伝達する伝達状態に前記自動変速機を設定する駆動位置切り替えられたときに、前記自動変速機を前記遮断状態から前記伝達状態に切り替えるための切り替え制御を実行する自動変速機の制御装置において、前記自動変速機のシフト位置が前記非駆動位置から前記駆動位置に切り替えられた際、前記内燃機関の機関出力を低下させる機関出力低下制御が実行不能である場合には機関出力が低下するまで前記切り替え制御の実行を禁止する禁止手段を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。

請求項2

前記内燃機関の機関水温を検出する機関水温検出手段を備え、前記禁止手段は、前記機関水温検出手段により検出される機関水温が所定温度以下であるときに前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断する請求項1に記載の自動変速機の制御装置。

請求項3

前記機関出力低下制御を実行する機関制御装置と、前記機関制御装置とは別体であって、前記機関制御装置と相互に通信可能に構成されるとともに、前記シフト位置が前記非駆動位置から前記駆動位置に切り替えられた際、前記機関出力低下制御を実行させるための制御指令を前記機関制御装置に出力する変速制御装置と、を備え、前記禁止手段は、前記変速制御装置と前記機関制御装置との間の通信状態途絶状態にあるときに前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断する請求項1又は請求項2に記載の自動変速機の制御装置。

請求項4

前記内燃機関に対して目標とするトルク要求を設定するトルク要求手段と、前記内燃機関の実機関トルクを算出する実機関トルク算出手段と、を備え、前記禁止手段は、前記実機関トルクが前記トルク要求まで低下しない場合には、前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の自動変速機の制御装置。

請求項5

前記内燃機関の排気系に設けられた排気浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段を備え、前記機関出力低下制御は、前記内燃機関に対する燃料供給中断する燃料カット制御及び機関運転状態に基づいて設定される点火時期を遅角補正する点火時期遅角制御のうちの少なくともいずれか一方を含み、前記禁止手段は、前記触媒温度検出手段により検出される排気浄化触媒の温度が所定温度以上であるときに前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の自動変速機の制御装置。

請求項6

スロットルアクチュエータにより正常にスロットルバルブを駆動することができない異常状態が起きたことを検知する異常検知手段を備え、前記機関出力低下制御は、前記スロットルバルブのスロットル開度減少補正するスロットル開度減少補正制御を含み、前記禁止手段は、前記異常検知手段により異常状態が検知されるときに前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断する請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の自動変速機の制御装置。

請求項7

前記自動変速機の入力側回転速度を検出可能な回転速度検出手段を備え、前記禁止手段は、前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断した場合、前記入力側回転速度が予め設定された判定値まで低下したことを契機として前記切り替え制御の実行禁止解除する請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の自動変速機の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、自動変速機制御装置に関する。

背景技術

0002

自動変速機は、シフト位置が非駆動位置に位置していると内燃機関から車両駆動系への駆動力の伝達を遮断する遮断状態に設定され、シフト位置が駆動位置に位置していると内燃機関の駆動力を車両駆動系に伝達する伝達状態に設定される。そして、車庫出し車庫入れ時には、シフト位置の非駆動位置から駆動位置への切り替え、すなわちガレージシフトが行われる。ここで、内燃機関から自動変速機に対して入力される機関出力の大きい状態で上述したガレージシフトが行われると、自動変速機の摩擦係合要素係合する際に大きな摩擦が生じて同摩擦係合要素が損傷するおそれがあった。

0003

そこで、特許文献1に記載された自動変速機の制御装置では、自動変速機を遮断状態から伝達状態に切り替えるためにシフト位置が非駆動位置から駆動位置に切り替えられたとき、機関出力が大きければ、機関出力を低下させる機関出力低下制御を実施するようにしている。すなわち、特許文献1に記載の自動変速機の制御装置では、ガレージシフトが行われたことを検知すると、タービン回転速度と所定のしきい値とを比較する処理を行う。そして、この自動変速機の制御装置では、タービン回転速度がしきい値以上である場合には、フューエルカット制御を行って機関出力を低下させ、タービン回転速度が所定のしきい値を下回ったことを条件に摩擦係合要素の係合を開始して、自動変速機を伝達状態に切り替えている。

先行技術

0004

特開2005−42809号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところが、次に述べるような理由により、こうした機関出力低下制御を実行できない場合がある。例えば、排気浄化触媒は、その雰囲気温度高温でかつ空気濃度も大きい場合には、劣化するという特性を有するため、触媒温度が高い場合、排気浄化触媒の保護が優先され、フューエルカット制御が禁止される。したがって、このようにフューエルカット制御等、機関出力低下制御が実行不能な場合には、機関出力が大きいまま自動変速機を遮断状態から伝達状態に切り替えることになるため、摩擦係合要素を損傷してしまうおそれがあった。

0006

本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、機関出力低下制御が実行不能であるときに、内燃機関から過大な駆動力が自動変速機に入力されて自動変速機の摩擦係合要素が損傷することを抑制できる自動変速機の制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、自動変速機のシフト位置が、内燃機関から車両駆動系への駆動力の伝達を遮断する遮断状態に自動変速機を設定する非駆動位置から前記内燃機関の駆動力を車両駆動系に伝達する伝達状態に前記自動変速機を設定する駆動位置に切り替えられたときに、前記自動変速機を前記遮断状態から前記伝達状態に切り替えるための切り替え制御を実行する自動変速機の制御装置において、前記自動変速機のシフト位置が前記非駆動位置から前記駆動位置に切り替えられた際、前記内燃機関の機関出力を低下させる機関出力低下制御が実行不能である場合には機関出力が低下するまで前記切り替え制御の実行を禁止する禁止手段を備えたことを要旨とする。

0008

この発明では、自動変速機のシフト位置が非駆動位置から駆動位置に切り替えられた際に、機関出力低下制御を実行不能である場合、切り替え制御の実行を禁止して、機関出力が低下してから自動変速機を伝達状態に切り替える。したがって、非駆動位置から駆動位置に切り替えられた際に機関出力低下制御が実行不能であっても、内燃機関から過大な駆動力が自動変速機に入力されて自動変速機の摩擦係合要素が損傷することを抑制できる。

0009

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記内燃機関の機関水温を検出する機関水温検出手段を備え、前記禁止手段は、前記機関水温検出手段により検出される機関水温が所定温度以下であるときに前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断することを要旨とする。

0010

内燃機関の冷間運転時、燃焼室内における混合気燃焼は不安定になるため、このような場合に燃料カット制御点火時期角制御等の機関出力低下制御を実行すると、燃焼状態不安定化を助長する虞がある。そのため、機関出力低下制御は、内燃機関の冷間運転時には実行不能になる。

0011

そのため、この発明では、機関水温に基づいて内燃機関の温度状態を把握することで、機関出力低下制御が実行不能な状態にある旨を好適に把握できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記機関出力低下制御を実行する機関制御装置と、前記機関制御装置とは別体であって、前記機関制御装置と相互に通信可能に構成されるとともに、前記シフト位置が前記非駆動位置から前記駆動位置に切り替えられた際、前記機関出力低下制御を実行させるための制御指令を前記機関制御装置に出力する変速制御装置と、を備え、前記禁止手段は、前記変速制御装置と前記機関制御装置との間の通信状態途絶状態にあるときに前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断することを要旨とする。

0012

内燃機関制御装置と変速制御装置とが別体に設けられた場合において、例えば、それらの間で通信途絶が起きると、変速制御装置から機関出力低下制御を実行させるための制御指令が出力されても、機関制御装置はその制御指令を受け付けることができない。したがって、機関出力低下制御は、機関制御装置と変速制御装置との間の通信途絶時には、実行不能になる。

0013

そのため、この発明では、内燃機関制御装置と変速制御装置との間の通信状態を把握することで、機関出力低下制御が実行不能な状態にある旨を好適に把握できる。
請求項4に記載の発明は、前記内燃機関に対して目標とするトルク要求を設定するトルク要求手段と、前記内燃機関の実機関トルクを算出する実機関トルク算出手段と、を備え、前記禁止手段は、前記実機関トルクが前記トルク要求まで低下しない場合には、前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断することを要旨とする。

0014

内燃機関は、トルク要求手段から出力されたトルク要求に対応する実機関トルクとなるように制御され、実機関トルクがトルク要求よりも大きい場合には、機関出力低下制御が実行される。ところが、例えば、機関出力低下制御の実行が禁止されているような場合には、実機関トルクをトルク要求まで低下させることができない。

0015

そのため、この発明では、シフト位置が非駆動位置から駆動位置に切り替えられた際における、実機関トルク及びトルク要求について把握することで、機関出力低下制御が実行不能である旨を好適に把握できる。

0016

請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記内燃機関の排気系に設けられた排気浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段を備え、前記機関出力低下制御は、前記内燃機関に対する燃料供給中断する燃料カット制御及び機関運転状態に基づいて設定される点火時期を遅角補正する点火時期遅角制御のうちの少なくともいずれか一方を含み、前記禁止手段は、前記触媒温度検出手段により検出される排気浄化触媒の温度が所定温度以上であるときに前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断することを要旨とする。

0017

排気浄化触媒は、その周囲雰囲気が高温で、かつ空気濃度も大きい状態であると、劣化するという特性を有する。そのため、触媒温度が高いときには、排気浄化触媒を保護することの方が優先され、フューエルカット制御や点火時期遅角制御が実行不能になる。

0018

そのため、この発明では、触媒温度検出手段の検出結果に基づいて触媒温度を把握することで、機関出力低下制御が実行不能な状態にある旨を好適に把握できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、スロットルアクチュエータにより正常にスロットルバルブを駆動することができない異常状態が起きたことを検知する異常検知手段を備え、前記機関出力低下制御は、前記スロットルバルブのスロットル開度減少補正するスロットル開度減少補正制御を含み、前記禁止手段は、前記異常検知手段により異常状態が検知されるときに前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断することを要旨とする。

0019

異常状態検出手段により異常状態が検知された場合、機関出力低下制御としてのスロットル開度減少補正制御が実行不能になる。
そのため、この発明では、異常検知手段によりスロットルバルブの状態を把握することで、機関出力低下制御が実行不能な状態にある旨を好適に把握できる。

0020

請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記自動変速機の入力側回転速度を検出可能な回転速度検出手段を備え、前記禁止手段は、前記機関出力低下制御が実行不能である旨判断した場合、前記入力側回転速度が予め設定された判定値まで低下したことを契機として前記切り替え制御の実行禁止解除することを要旨とする。

0021

この発明では、禁止手段が、一旦、切り替え制御の実行を禁止しても、入力側回転数が判定値まで低下したときには、切り替え制御の実行を許可するようになる。そのため、非駆動位置に切り替えられた際に機関出力低下制御が実行不能である旨判断し、禁止手段が切り替え制御の実行を禁止しても、入力側回転速度が判定値を下回ったことを契機にして切り替え制御の実行禁止を解除する。したがって、機関出力が十分低下した状態から切り替え制御を行うことができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明に係る自動変速機の制御装置の一実施形態について、その全体構成の略図。
本実施形態が適用される自動変速機のギアトレーンスケルトン図。
本実施形態が適用される自動変速機の作動表説明図。
本実施形態において、係合可否判定処理のフローチャート
ガレージシフトが行われた際に機関出力低下制御が実行可能であった場合において、変速が完了するまでの変速態様を示すタイミングチャート
ガレージシフトが行われた際に機関出力低下制御が実行不能であった場合において、変速が完了するまでの変速態様を示すタイミングチャート。
別の実施形態における係合可否判定処理のフローチャート。

実施例

0023

以下、本発明を車両に搭載された自動変速機の制御装置に具体化した一実施形態を図1図6にしたがって説明する。
図1に示すように、車両10においては、内燃機関11の出力が自動変速機12、車両駆動系を構成するデファレンシャルギア13等を介して駆動力として左右の駆動輪14へ伝達されるようになっている。

0024

また、自動変速機12は、プラネタリーギヤ等の回転要素クラッチ及びブレーキからなる係合要素の作動を制御することにより変速を行う車両用段式変速機である。図2に示すように、自動変速機12は、クラッチやブレーキ等の各係合要素を選択的に係合して切り換えることにより、ギヤ比の異なる複数のギヤ段成立させる変速歯車機構21と、オイルを媒介して内燃機関11側と変速歯車機構21側との間の駆動力伝達を行うトルクコンバータ22とを備えている。変速歯車機構21の入力軸であるタービンシャフト23は、トルクコンバータ22が備えるロックアップクラッチ24を介して、内燃機関11のクランクシャフト11aとの直結を可能にしている。そして、自動変速機12は、摩擦係合要素としての第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3の油圧による係合・解放制御、及びワンウェイクラッチFにより制御されることで、図3の作動表に示すような変速段を、自動及び手段により実現可能としている。

0025

図3は各係合要素の作動状態と成立する変速段(リバースニュートラル、1速〜6速)との関係を示すものであり、図3で示す「○」は係合、「◎」はエンジンブレーキ時などの係合を表している。図2に示すように、変速段がリバース又は1速〜6速のいずれかに設定された場合、内燃機関11の出力は、機関出力軸(ここではクランクシャフト11a)からトルクコンバータ22を介して自動変速機12のタービンシャフト23に伝達される。そして、内燃機関11の出力は、自動変速機12の変速比に対応して変速されて自動変速機12の出力軸25(図1参照)から駆動力として駆動系へ伝達される。すなわち、変速段がリバース又は1速〜6速のいずれかに設定された場合、自動変速機12は内燃機関11の出力を駆動力として伝達する伝達状態となる。一方、変速段がニュートラルに設定された場合、自動変速機12は内燃機関11の出力が駆動力として伝達されることを遮断する遮断状態となり、機関出力がタービンシャフト23に入力されても、駆動系へ出力されることはない。

0026

次に、本実施形態における自動変速機の制御装置の電気的構成について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、車両10には、内燃機関11の制御を司る機関制御電子制御装置(以下、「機関制御用ECU」という)26、及び機関制御用ECU26とは別体であって自動変速機12の制御を司る変速制御用電子制御装置(以下、「変速制御用ECU」という)27が設けられている。機関制御用ECU26及び変速制御用ECU27は、それぞれCPU、各種プログラムマップ等を予め記憶したROM、演算結果を一時記憶するRAM、演算結果や予め記憶されたデータ等を保存する不揮発性メモリ入出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心として構成されている。そして、機関制御用ECU26及び変速制御用ECU27は通信線によって電気的に接続されるとともに、通信して相互に指令やデータの交換を行う。

0027

機関制御用ECU26には、機関回転速度センサ15、吸入空気量センサ16、空燃比センサ17、スロットルセンサ18、機関水温センサ19、アクセルセンサ20、スロットルアクチュエータ28等が電気的に接続されている。なお、吸入空気量センサ16は、吸入空気量を調整するスロットルバルブ29よりも上流側の吸気通路30に設けられるとともに、吸入空気量を検出する。スロットルセンサ18はスロットルバルブ29の開度に応じた信号を出力する。スロットルアクチュエータ28は機関制御用ECU26の信号に応じてスロットルバルブ29を開閉駆動する。そして、機関制御用ECU26は、各種センサからの出力、及び車両に設けられたブレーキ踏力センサ(図示しない)やブレーキスイッチ(図示しない)等により、内燃機関11の運転状態や車両の走行状態を把握している。さらに、内燃機関11の運転状態や車両の走行状態に基づいて、機関制御用ECU26は、燃料噴射量制御点火時期調整制御スロットル開度制御等により内燃機関11の運転を制御している。

0028

具体的には、例えば、機関制御用ECU26は、吸入空気量センサ16の検出結果と機関回転速度とに基づいて内燃機関11の実機関トルクを逐次算出する。すなわち、機関制御用ECU26は、実機関トルク算出手段として構成されている。そして、機関制御用ECU26は、実機関トルクが、トルク要求手段としての変速制御用ECU27から入力されるトルク要求に対応するように、内燃機関11を制御している。機関制御用ECU26は、実機関トルクが、トルク要求よりも大きくなっている場合には、フューエルカット制御を実行する。

0029

また、機関制御用ECU26は所定のしきい温度を記憶するとともに、機関水温がしきい温度よりも低い場合には内燃機関11が冷間状態である旨把握する。なお、しきい温度は、内燃機関11が冷間状態であるとみなすことができる温度であり、予め計算又は実験により求められている。ところで、内燃機関11の冷間運転時、内燃機関11の燃焼室内における混合気の燃焼は不安定であるため、このようなときに機関出力を低下させると、燃焼状態の不安定化を助長する虞がある。そのため、機関制御用ECU26は、内燃機関11の冷間運転時においては、機関出力低下制御としてのフューエルカット制御の実行を禁止している。なお、フューエルカット制御とは、内燃機関11に対する燃料供給を一時的に中断する制御である。

0030

また、機関制御用ECU26は、内燃機関11の運転状態に基づいて算出した基本点火時期に対する遅角補正量を逐次検出し、その遅角補正量に基づいて排気浄化触媒31の温度を推定、すなわち排気浄化触媒31の温度を検出する。そのため、機関制御用ECU26は、触媒温度検出手段として構成されている。なお、遅角補正量に基づいて排気浄化触媒31を推定できるのは、遅角補正量に応じて燃焼室で燃焼したガスが排気として排気ポートを介して排出されるまでに要する時間も変化し、それに伴って、排気温度の温度も変化するという関係を有しているからである。そして、排気浄化触媒31における雰囲気温度が高く、かつ、空気濃度も大きい状態にあると、排気浄化触媒31の劣化につながるため、機関制御用ECU26は、排気浄化触媒31の温度が所定温度以上であるときには、フューエルカット制御の実行を禁止する。これは、触媒温度が高いときにフューエルカット制御を行うと、排気浄化触媒31における雰囲気温度が高く、かつ、空気濃度も大きい状態になり、排気浄化触媒31が劣化するためである。

0031

一方、変速制御装置としての変速制御用ECU27には、空燃比センサ17、スロットルセンサ18、機関水温センサ19、アクセルセンサ20、回転速度検出手段としてのタービン回転速度センサ33、シフトポジションスイッチ34等が電気的に接続されている。変速制御用ECU27は、タービン回転速度センサ33の検出結果から入力側回転速度としてのタービン回転速度NTを把握する。なお、タービン回転速度NTは、内燃機関11の機関出力が大きくなる程、大きくなるため、タービン回転速度NTを考慮すれば機関出力の大きさを把握することができる。

0032

さて、変速制御用ECU27は、機関制御用ECU26及びセンサから得た、機関回転速度、スロットル開度、アクセル操作量、タービン回転速度NT、シフトポジションスイッチ等のデータにより、運転者操作状態、自動変速機12の内部状態車両走行状態を把握する。そして、変速制御用ECU27は、運転者の操作状態、自動変速機12の内部状態、車両走行状態に基づいて、油圧制御回路35の電磁弁の切り替えを行うことにより自動変速機12に対する制御を実行する。具体的には、変速制御用ECU27は、自動変速時に、予め記憶された変速線図から車速とスロットル開度(あるいはアクセル操作量)とに基づいて自動変速機12の変速段を決定する。そして、変速制御用ECU27は、決定した変速段とするための係合指示圧を設定し、各クラッチC1,C2及び各ブレーキB1,B2,B3に対して所定の係合圧印加することで油圧制御回路35を制御する。また、変速制御用ECU27は、機関制御用ECU26との間の通信状態を監視する。すなわち、変速制御用ECU27は、機関制御用ECU26からの信号が所定期間入力されないことに基づいて通信線の断線等により相互通信の途絶である旨判断する。

0033

また、変速制御用ECU27は、シフトポジションスイッチ34の検出結果から、シフトレバー36がパーキング位置(P)、後進走行用リバース位置(R)、ニュートラル位置(N)、及び前進走行用ドライブ位置(D)のいずれの位置に位置しているかを検出する。そして、変速制御用ECU27はシフトレバー36のシフト位置に応じて最適となる自動変速機12の変速段を設定する。具体的には、変速制御用ECU27は、シフトポジションスイッチ34からN接点信号が入力されるとシフトレバー36がニュートラル位置にあることを把握し、P接点信号が入力されるとパーキング位置にあることを把握する。また、変速制御用ECU27は、D接点信号が入力されるとシフトレバー36が前進走行用のドライブ位置にあることを把握し、R接点信号が入力されると後進走行用のリバース位置にあることを把握する。そして、変速制御用ECU27は、シフトポジションスイッチ34からN接点信号又はP接点信号が入力されているときには、自動変速機12の変速段を1速又はリバースに切り替えるための係合可否判定処理を所定の周期で実行する。

0034

図4は、本実施形態において切り替え制御の係合可否判定処理のフローチャートを示している。変速制御用ECU27は、この係合可否判定処理を開始すると、まず、ステップS10において、ガレージシフトが行われたか否か、すなわち、ニュートラル位置からドライブ位置又はリバース位置へのシフトやパーキング位置からリバース位置へのシフトが行われたか否かを判断する。そして、変速制御用ECU27は、ステップS10で肯定判定するとS11に移行し、否定判定するとS10に戻る。すなわち、S10では、変速制御用ECU27にてガレージシフトが行われたことを検知するまで次の処理に移行しない。

0035

変速制御用ECU27は、ステップS11に移行すると、機関制御用ECU26がフューエルカット制御を実行可能な状態にあるか否か、すなわち機関出力低下制御を実行可能な状態にあるか否か判定する処理を行う。ステップS11では、以下に示す(a)〜(d)のうちいずれの条件も成立しなければ、機関制御用ECU26がフューエルカット制御を実行可能であるとしてステップS12に移行する一方、(a)〜(d)のうちいずれか一つでも条件が成立すれば、機関制御用ECU26がフューエルカット制御を実行不能であるとしてステップS13に移行する。

0036

(a)機関水温が予め設定されたしきい温度以下である。
(b)機関制御用ECU26と変速制御用ECU27との間で通信途絶が起きている。
(c)排気浄化触媒31の温度が所定温度以上である。

0037

(d)実機関トルクが要求トルクよりも大きい。
そして、次の(a)〜(d)の全ての条件が満たされずにステップS12へ移行すると、変速制御用ECU27は、第1クラッチC1又は第2,第3ブレーキB2、B3の係合を許可して、係合可否判定処理を終了する。その後、変速制御用ECU27は、油圧制御回路35に係合指示圧を入力して、第1クラッチC1又は第2,第3ブレーキB2,B3に係合圧を印加する。それによって、第1クラッチC1又は第2,第3ブレーキB2,B3は、解放状態から係合状態に移行するようになり、変速段が「1速」又は「リバース」となる。

0038

一方、変速制御用ECU27は、ステップS11で、機関制御用ECU26がフューエルカット制御を実行不能である旨判定すると、ステップS13に移行する。ステップS13では、タービン回転速度NTと判定値NTGRGINとを比較する処理を行う。

0039

変速制御用ECU27は、自動変速機12の変速段が「N」から「1速」に切り替えられる際に第1クラッチC1が受ける摩擦熱量、及び自動変速機12の変速段が「N」から「R」へ切り替えられる際に第2,第3ブレーキB2、B3が受ける摩擦熱量に基づいて設定された判定値NTGRGINを予め記憶している。判定値NTGRGINは、変速段が「N」から「1速」に切り替えられるときの第1クラッチC1の係合圧及び実機関トルクと、変速段が「N」から「R」に切り替えられるときの第2,第3ブレーキB2、B3の係合圧及び実機関トルクとを考慮して、予め実験又は計算により求められている。そして、ステップS13では、タービン回転速度NTが判定値NTGRGINよりも大きければ、ステップS13の処理に戻る。すなわち、ステップS13では、タービン回転速度NTが判定値NTGRGIN以下になるまで次の処理に移行しない。そして、ステップS13では、タービン回転速度NTが判定値NTGRGIN以下にまで低下すると、ステップS12に移行する。したがって、ステップS11、ステップS12、ステップS13の順に移行した場合、少なくともタービン回転速度NTは判定値NTGRGIN以下まで低下しているため、第1クラッチC1又は第2,第3ブレーキB2,B3は、十分に実機関トルクが低下した状態で係合される。なお、ステップS11及びステップS13の処理は、禁止手段が行う処理に相当する。

0040

次に、ガレージシフトが行われた際に変速が完了するまでの変速態様の推移を、図5及び図6に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、図5では機関制御用ECU26によるフューエルカット制御が実行可能であるときの変速態様を示し、図6では機関制御用ECU26によるフューエルカット制御が実行不能であるときの変速態様を示す。

0041

まず、図5に示すように、シフトレバー36がニュートラル位置からドライブ位置にシフトされたこと、すなわち、ガレージシフトが検知されると、変速制御用ECU27は制御指令としてのトルク要求を「0」にして機関制御用ECU26に出力する(時刻t1)。すると、機関制御用ECU26は、トルク要求に応じた実機関トルクになるように、フューエルカット制御を実行する。そして、変速制御用ECU27は、フューエルカット制御が実行可能である旨判定すると、第1クラッチC1を解放状態から係合状態に切り替えるための切り替え制御の実行を開始する(時刻t2)。そして、変速制御用ECU27は、第1クラッチC1に対する係合指示圧を立ち上げる。このとき、自動変速機12の出力軸トルクは、第1クラッチC1の係合圧と実機関トルクとに応じて決まるものであるため、時刻t2以降、切り替え制御の実行中、徐々に大きくなる。そして、変速制御用ECU27は、タービン回転速度NTが1速段同期回転速度にまで低下すると、係合指示圧を予め決められた圧力にまで上昇させ、第1クラッチC1の係合を完了させる(時刻t3)。すると、自動変速機12の出力軸25には、第1クラッチC1の係合が完了した時点で、自動変速機12の変速中に作用していたイナーシャトルクが作用しなくなるため、出力軸トルクは若干低下し、時刻t3以降なだらかに推移するようになる。このように、本実施形態の自動変速機の制御装置においては、時刻t2でガレージシフトが行われたときにフューエルカット制御が実行可能であれば、タービン回転速度NTが判定値NTGRGINより大きくても、第1クラッチC1の係合を許可する。したがって、フューエルカット制御が実行可能なときには、第1クラッチC1の係合を速やかに行わせることができる。

0042

一方、機関制御用ECU26がフューエルカット制御を実行不能な状態で、ガレージシフトが行われた場合、図6に示すように、変速制御用ECU27は、トルク要求を「0」にする(時刻t4)。この場合において、従来の自動変速機の制御装置では、図6破線で示すように、実機関トルクは低下せずに大きいままであるにも拘らず、第1クラッチC1の係合を許可し、切り替え制御の実行を開始する。すると、変速制御用ECU27は、第1クラッチC1を係合させるために係合指示圧を立ち上げる。そして、自動変速機12の変速段が切り替わる最中においては、第1クラッチC1の伝達トルク容量が概ね自動変速機12の出力軸トルクと等しく、係合指示圧が大きくなるにつれて、自動変速機12の出力軸のトルクが増大する。そして、最終的に、第1クラッチC1は、実機関トルクが大きいまま係合される。そのため、従来の自動変速機の制御装置では、ガレージシフトが行われた際にフューエルカット制御が実行不能であれば、第1クラッチC1の損傷や、車両駆動系(例えば、デファレンシャルギア)の損傷につながることとなる。

0043

これに対して、本実施形態では、時刻t4において、ガレージシフトが行われた際に機関制御用ECU26がフューエルカット制御を実行不能であれば、変速制御用ECU27は、第1クラッチC1を解放状態から係合状態にする切り替え制御の実行を禁止して待機する。その後、例えば、運転者がアクセルペダルに対する踏み込みを止めると、実機関トルクは低下するようになり(時刻t5)それに伴って、タービン回転速度NTも低下するようになる。そして、タービン回転速度NTが判定値NTGRGIN以下になったことを契機として、変速制御用ECU27は第1クラッチC1に対する係合指示圧を立ち上げる(時刻t6)。変速制御用ECU27は、タービン回転速度NTが1速段の同期回転速度に達したときに、係合指示圧を予め決められた圧力にまで上昇させ、第1クラッチC1の係合を完了させる(時刻t7)。自動変速機12の出力軸25には、第1クラッチC1の係合が完了した時点で、自動変速機12の変速中に作用していたイナーシャトルクが作用しなくなるため、出力軸トルクは若干低下し、時刻t7以降、実機関トルクに応じてなだらかに推移する。そして、図6に破線で示す係合指示圧の推移と図6実線で示す係合指示圧の推移とを比較すれば明らかなように、本実施形態の自動変速機の制御装置は、従来に比べて、係合指示圧を立ち上げてから第1クラッチC1の係合が完了するまでの時間を短くすることができるため、第1クラッチC1が受ける摩擦熱量を抑制できる。また、図6に破線で示す出力軸トルクの推移と図6に実線で示す出力軸トルクの推移とを比較すれば明らかなように、本実施形態の自動変速機の制御装置は、従来に比べて、自動変速機12の出力軸トルクの増大が抑えられている。

0044

次に、本実施形態における自動変速機の制御装置から得られる作用について説明する。
車両10では、車庫出しや車庫入れ時において、シフトレバー36がニュートラル位置からドライブ位置又はリバース位置へシフトされる、所謂ガレージシフトが行われる。そして、このガレージシフトは運転者によりアクセルペダルが踏み込まれて実機関トルクの大きい状態で行われるようなときもあるが、この場合、機関制御用ECU26にてフューエルカット制御が実行され、実機関トルクは低下する。したがって、自動変速機12の変速段は、実機関トルクが低下した状態でニュートラルから1速段に切り替えられるため、第1クラッチC1が損傷することは抑制される。

0045

ところが、車両10の状況には、種々あり、例えば、内燃機関11が冷間運転されている場合や、触媒温度が高くなっている場合があり、このような場合にはフューエルカット制御の実行が禁止される。また、機関制御用ECU26と変速制御用ECU27とを接続する通信線の断線等により、機関制御用ECU26に対してトルク要求が入力されず、変速制御用ECU27が「0」のトルク要求を出力しても機関制御用ECU26によりフューエルカット制御を実行することができないこともある。すると、この場合、ガレージシフトが行われても、自動変速機12の変速段を1速とするための各係合要素は係合されず解放状態のまま保持される。そして、その後、運転者がアクセルペダルの踏み込みを止めることにより、実機関トルクが低下し、それに伴って、タービン回転速度NTが低下した後に、自動変速機12は、その変速段を1速に切り替える動作を開始するようになる。そのため、本実施形態では、ガレージシフト時にフューエルカット制御が実行不能な状態であっても、過大な駆動力が自動変速機12に入力されて第1クラッチC1が損傷することを抑制できる。

0046

この実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)変速制御用ECU27は、シフトレバー36がニュートラル位置からドライブ位置又はリバース位置へのシフト又はパーキング位置からリバース位置へのシフトを検知した際に、フューエルカット制御が実行不能であれば、第1クラッチC1又は第2,第3ブレーキB2,B3の係合を禁止する。そして、変速制御用ECU27は、タービン回転数が判定値NTGRGINに低下するまで切り替え制御の実行を行わない。したがって、フューエルカット制御が実行不能であっても、内燃機関11から自動変速機12に過大な駆動力が入力されて、自動変速機12の第1クラッチC1や第2,第3ブレーキB2,B3が損傷することを抑制できる。

0047

(2)機関制御用ECU26では、内燃機関11の冷間運転時にフューエルカット制御を行うと、燃焼状態の不安定化を助長する虞があるため、通常、内燃機関11の冷間運転時、フューエルカット制御の実行を禁止している。そのため変速制御用ECU27は、機関水温に基づいて、機関制御用ECU26によるフューエルカット制御が実行不能な状態にある旨を好適に把握することができる。

0048

(3)ここで、機関制御用ECU26と変速制御用ECU27とが別体であり、それらの間で通信途絶が生じているとき、変速制御用ECU27からトルク要求を出力しても、機関制御用ECU26にはそのトルク要求が入力されることはない。そのため、このような状況であれば、機関制御用ECU26によるフューエルカット制御が実行不能であるとみなすことができる。したがって、変速制御用ECU27は、機関制御用ECU26との間の通信状態に基づいて、フューエルカット制御が実行不能である旨を好適に把握することができる。

0049

(4)ところで、機関制御用ECU26は、変速制御用ECU27から出力されたトルク要求に対応する実機関トルクとなるように、内燃機関11を制御するため、実機関トルクがトルク要求よりも大きい場合には、機関出力低下制御を実行して、実機関トルクを低下させる。ところが、フューエルカット制御の実行が禁止されている場合には、実機関トルクがトルク要求より大きくても低下させることができない。そのため、変速制御用ECU27は、実機関トルク及びトルク要求について把握することで、フューエルカット制御が実行不能である旨を好適に把握することができる。

0050

(5)排気浄化触媒31については、雰囲気温度が高く、空気濃度が大きいと、劣化が進行するという特性がある。そのため、機関制御用ECU26では、通常、排気浄化触媒31の温度が高い場合、フューエルカット制御の実行を禁止している。そのため、変速制御用ECU27は、排気浄化触媒31の排気温度に基づいて、機関制御用ECU26によるフューエルカット制御が実行不能である旨を好適に把握することができる。

0051

(6)変速制御用ECU27は、実機関トルクの変化に応じて変化するタービン回転速度NTを検出し、機関制御用ECU26によるフューエルカット制御が実行不能であっても、タービン回転速度NTが判定値NTGRGINまで低下したときには切り替え制御を許可する。したがって、変速制御用ECU27は、フューエルカット制御が実行不能であっても、実機関トルクが十分に低下した状態から切り替え制御を行うことができる。

0052

(7)変速制御用ECU27は、フューエルカット制御が実行可能な場合には、その時点ではタービン回転速度NTが大きくとも、その後にタービン回転速度NTが低下することを予め見越して、切り替え制御の実行を許可する。したがって、例えば、タービン回転速度が予め設定されたしきい値まで低下しなければ切り替え制御の実行を許可しない場合に比べて、本実施形態ではフューエルカット制御が実行可能な場合にはタービン回転速度NTが低下するまで待たずに切り替え制御の実行を許可するため、速やかに自動変速機12を変速することができ、ガレージシフト時のドライバビリティの低下を抑制できる。

0053

上述した実施の形態は、以下のようにこれを適宜変更した形態にて実施することもできる。
・排気浄化触媒31の触媒温度を検出する方法は、点火時期の遅角補正量に基づいた方法に限らず、その他の種々の方法を用いてもよい。例えば、排気温度と相関のある燃料噴射量に基づいて触媒温度を推定するようにしてもよい。そして、機関制御用ECU26は、燃料噴射量が増大し、排気浄化触媒31の温度が所定温度以上になったことを検出したときには、フューエルカット制御の実行を禁止する。

0054

・ガレージシフトが行われた際に行う機関出力低下制御として、フューエルカット制御を実行するようにしていたが、フューエルカット制御に代えて点火時期遅角制御を実行してもよい。すなわち、ガレージシフトが行われた際に実機関トルクが要求トルクよりも大きければ、点火時期遅角制御を実行して、実機関トルクを低下させてもよい。なお、点火時期遅角制御とは、内燃機関11の運転状態に基づいて機関制御用ECU26が算出した基本点火時期に対して点火時期を遅角補正する制御のことである。この場合、先の図4に示した係合可否判定処理においては、ステップS11に移行したとき、点火時期遅角制御を実行可能な状態にあるか否かを判定する処理を行うようにすればよい。このステップS11においては、上述の実施形態における条件(a)〜(d)の全てが成立しなければ、点火時期遅角制御を実行可能な状態であるとして、ステップS12に移行し、条件(a)〜(d)のいずれか1つでも成立した場合、ステップS13に移行する。なお、内燃機関11が冷間状態であるときに点火時期を遅角補正すると失火の発生する虞があるため、機関制御用ECU26は、内燃機関11の冷間時、点火時期遅角制御の実行を禁止している。そのため、変速制御用ECU27は、条件(a)を満たした場合には点火時期遅角制御が実行不能であると判断できる。また、点火時期遅角制御を行うと、混合気が燃焼室で燃焼してから排気ポートを介して排気されるまでの期間が短くなり、排気温度が高くなって排気浄化触媒31が劣化する虞があるため、機関制御用ECU26は、触媒温度が所定温度以上のときには、点火時期遅角制御を禁止する。そのため、変速制御用ECU27は、条件(c)を満たした場合には点火時期遅角制御が実行不能である旨判断できる。

0055

・ガレージシフトが行われた際に行う機関出力低下制御として、フューエルカット制御に代えてスロットル開度減少補正制御を実行してもよい。例えば、ガレージシフトが行われた際、実機関トルクがトルク要求よりも大きければ、スロットル開度減少補正制御を実行し、吸入空気量を制限することで実機関トルクを低下させればよい。なお、スロットル開度減少補正制御とは、内燃機関11の運転状態に基づいて機関制御用ECU26が算出した基本スロットル開度に対してスロットル開度を減少補正する制御のことである。そして、内燃機関11が冷間運転状態であるときにスロットル開度を減少させると失火する虞があるため、機関制御用ECU26は、内燃機関11の冷間運転時、スロットル開度減少補正制御の実行を禁止する。また、機関制御用ECU26は、実際にスロットルセンサ18により検出されるスロットル開度と目標開度の間に偏差がある状態が所定期間継続されたことをもって、スロットルフェールを検知する。すなわち、機関制御用ECU26及びスロットルセンサ18は、スロットルバルブの異常を検知する異常検知手段を構成している。機関制御用ECU26は、スロットルフェールの検知時には、スロットル開度減少補正制御の実行を禁止し、スロットルバルブを所定開度に固定する制御を優先的に実行する。そして、この変形例では、図7に示すように、係合可否判定処理から先の図4に示したステップS11の処理に代えて新たにステップS21の処理を実行する。このステップS21では、上述の実施形態における条件(c)を省略し、新たに、「スロットルフェールが起きている」という条件(e)を追加する。そして、ステップS21では、条件(a)、(b)、(d)及び条件(e)の全てが成立しなければ、スロットル開度減少補正制御を実行可能な状態であるとして、ステップS12に移行する一方、条件(a)、(b)、(d)及び条件(e)のいずれかが成立した場合、ステップS13に移行する。この変形例では、ガレージシフトを検知した際にスロットルフェールが起きていれば、スロットル開度減少補正制御が実行不能である旨が把握できる。すなわち、変速制御用ECU27は、スロットルバルブ29の状態に基づいて、機関制御用ECU26によるスロットル開度減少補正制御が実行不能である旨を好適に把握できる。

0056

・本発明が制御対象とする自動変速機は、有段式の自動変速機に限らない。例えば、巻き掛け伝動式無段自動変速機を制御対象にしてもよいし、トロイダル式の無段自動変速機を制御対象にしてもよい。

0057

・内燃機関11の制御を司るECUと、自動変速機12の制御を司るECUとを別々に設けなくともよく、内燃機関11の制御と、自動変速機12の制御の両方を司る単体の電子制御装置を設けてもよい。ただし、この場合、ステップS11における条件(b)については、省略する。

0058

B2…摩擦係合要素としての第2ブレーキ、B3…摩擦係合要素としての第3ブレーキ、C1…摩擦係合要素としての第1クラッチ、11…内燃機関、12…自動変速機、18…異常検知手段としてのスロットルセンサ、19…機関水温検出手段としての機関水温センサ、26…機関制御装置としての機関制御用ECU、27…変速制御装置としての変速制御用ECU、28…スロットルアクチュエータ、29…スロットルバルブ、31…排気浄化触媒、33…回転速度検出手段としてのタービン回転速度センサ。

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