図面 (/)

技術 帯電装置、および当該帯電装置を備える画像形成装置

出願人 シャープ株式会社
発明者 足立克己佐桑徹横田昌吾新川幸治
出願日 2009年5月29日 (8年7ヶ月経過) 出願番号 2009-131493
公開日 2010年12月9日 (7年1ヶ月経過) 公開番号 2010-276999
状態 未査定
技術分野 電子写真における帯電・転写・分離 スパークプラグ
主要キーワード 突起ピッチ 絶縁性ホルダ 印加電流量 放電突起 放電ポイント 放電電極先端 イオン流密度 パイプ状ローラ

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図面 (15)

課題

放電電極から発生するイオン流を制御し、被帯電物を均一に帯電させる帯電装置、および当該帯電装置を備え画像形成装置を提供する。

解決手段

複数の突起部40が一方向に配列される放電電極を備える放電素子35と、シールドケース34とを備える帯電装置12に、放電素子35を挟む2つの空間のうちの一方の空間内の、突起部40の突出方向前方であって、対応する突起部40の先端と、当該突起部40と当該突起部40に配列方向の一方側で隣接する突起部40との中間位置と、の間に、第1電極100を設け、放電素子35を挟む2つの空間のうちの他方の空間内の、突起部40の突出方向前方であって、対応する突起部40の先端と、当該突起部40と当該突起部40に配列方向の他方側で隣接する突起部40との中間位置と、の間に、第2電極200を設ける。

概要

背景

従来、電子写真方式を用いた画像形成装置においては、感光体帯電させる帯電装置トナー像記録用紙静電的に転写させる転写装置、記録用紙を静電的に剥離させる剥離装置などに、コロナ放電方式の帯電装置(コロナ放電装置)がよく用いられている。

コロナ放電装置としては、感光体、記録用紙などの被帯電物に対向する開口部を有するシールドケースと、シールドケース内部に張設される放電電極とを備える、所謂コロトロン式の放電装置が知られている。コロトロン式の放電装置は、高電圧印加されることによって、放電電極においてコロナ放電を生じる。コロナ放電によって発生するイオン流は、被帯電物へと向かい、これによって放電電流が生じ、その結果、被帯電物は一様に帯電する。

また、コロナ放電装置としては、コロトロン式の放電装置の構成に、放電電極と被帯電物との間に設けられるグリッド電極を加えた、所謂スコロトロン式の放電装置も知られている。スコロトロン式の放電装置は、コロナ放電の際に、グリッド電極に所定の電圧が印加されることによって、被帯電物をより一様に帯電させる。

コロナ放電装置以外の帯電装置としては、半導電性ローラまたはブラシからなる帯電部材を被帯電物に接触または近接対峙させ、帯電部材と被帯電物との間に電圧を印加することによって、被帯電物を帯電させる接触帯電装置が知られている。この接触帯電装置によれば、放電領域が、被帯電物と帯電部材との接触部近傍に形成される微小空隙に限られるので、コロナ放電装置に比べ、放電電流を少なくすることができる。

コロナ放電装置は、放電を安定化させるために大量の放電電流を流す必要があり、その結果、大量のオゾンが発生してしまうという問題があるけれども、接触帯電装置は、放電電流量を削減できるので、オゾンの発生確率が減少する。

しかしながら、接触帯電装置では、被帯電物との接触、電気的ストレスなどによって帯電部材の磨耗、劣化が起こりやすく、帯電工程の高速化および帯電部材の長寿命化が難しいという問題がある。また、汚れ環境条件経時変化などによる帯電部材の特性変化によって、帯電特性が劣化しやすいという問題もある。

また近年、感光体上で多色画像重ね合せる技術(IOI:Image On Image)が開発されている。この技術では複数色の位置ずれが起こりにくく、また転写工程が1回で済むため画像劣化を起こしにくく、高品位画像形成性能に優れている。この技術では、接触帯電方式を用いることができない為、非接触でかつ均一性の高い帯電方法が必要とされる。

これらの事情から、コロトロン式の放電装置、スコロトロン式の放電装置などのコロナ放電装置において、オゾン発生量の減少、長寿命化、帯電特性の向上などが図られている。

特許文献1は、コロナ放電装置の放電電極を、鋸歯状の放電電極とした帯電装置を開示している。鋸歯状の放電電極のように、先端部が先鋭化された放電電極を有するコロナ放電装置は、放電電極先端部に電界が集中しやすく、かつ放電ポイントも少なくなるので、印加する電圧が比較的低電圧でコロナ放電が可能であり、オゾンの発生を抑制することが可能である。

ただし、先端部が先鋭化された放電電極を有するコロナ放電装置では、放電電極先端部の磨耗、先端部への放電生成物付着などによって放電状態のばらつきが引き起こされ、コロナ放電装置の長手方向において帯電電位ムラが生じる、すなわち、帯電均一性が低下してしまう。そのため、このようなコロナ放電装置の帯電均一性を向上させる必要がある。

これに対し、特許文献2および特許文献3は、鋸歯状の放電電極を先端部ごとに分離し、各放電電極電気抵抗体を接続する技術を開示している。このような構成にすることで、印加電流量が多い放電電極は、接続される電気抵抗体による電圧降下が大きくなるので、印加電圧が小さくなって、コロナ放電が制限される。一方、印加電流量が少ない放電電極は、接続される電気抵抗体による電圧降下が小さい分、印加電圧が大きくなってコロナ放電が促される。したがって、この技術によれば、放電電極ごとのイオン流のばらつきが少なくなり、帯電均一性が向上する。さらに、印加電圧を小さくし、放電電流の総量を下げても充分な帯電均一性が得られるので、オゾン発生量を低減することもできる。

また、特許文献4は、スコロトロン式の放電装置において、放電電極の先端部、すなわち放電領域に対向するグリッド開口率を小さくすることによって、イオン流の一部をグリッドに吸収させて、帯電均一性を向上させる技術を開示している。この技術によれば、簡易かつ低コストで、帯電均一性の向上が図れる。ただし、被帯電物へのイオン流をグリッドが吸収してしまう分、被帯電物の帯電電位が低下するという問題がある。

特許文献5は、放電電極からのイオン流の広がりを制御するために、放電電極の1の先端部と、当該先端部に隣接する他の先端部との間に、電界規制部材を設ける技術を開示している。特許文献5の段落[0026]には、オゾンを減らし、かつ各放電電極の放電安定性を向上するためには放電電極ピッチを広げることが望ましい旨の記載がある。

図10は、放電電極ピッチを変更した際の放電均一性を検討した結果を示す図である。測定は、後述する図2に示すような実験系で行った。グリッドのないコロナ放電器(コロトロン)に突起ピッチを変えた放電電極A1を装着し、感光体を帯電させ、その表面電位の長手方向の変化を測定した。

その結果、突起ピッチが狭い条件では、表面電位に、図10(b)に示すような不規則なばらつきが見られた。また、このときの放電電極A1を観察すると、図10(a)に示すように、放電によって突起部先端に、破線A2で示す発光が見られたけれども、所々発光していない部位もあり、放電状態が不均一であることが示唆された。実使用では狭いグリッド電極を設けたり、さらに放電電流を増加させたりすることで実用上支障のない帯電均一性を得ることはできるけれども、不要な放電を行う為、オゾン発生量の増加を招き好ましくない。

一方、突起ピッチの広い条件では、図10(d)に示すように、突起ピッチ間隔起因する帯電電位のリップルが認められたけれども、不規則な変動ではなく、規則的な周期変動であった。また、放電時の発光状態を観察したところ、図10(c)に示すように、各放電突起部にて放電発光が認められ、個々の放電突起部で比較的安定した放電が起こっていることが分かった。また、同じ放電電流量にした条件でオゾン発生量を比較したところ、突起ピッチの広い条件ではオゾン発生量が低下していた。

しかしながら、従来技術ではピッチが広い条件では、グリッド電極を設けても周期的な帯電電位リップルを解消することが困難であり、実用化の課題となっていた。特許文献5ではこの点に着目し、放電電極からのイオンの流れを電界規制部材で制御して、イオン流を広げて帯電均一性を向上させ、オゾンの軽減と帯電均一性の向上とを図る考えを開示している。

概要

放電電極から発生するイオン流を制御し、被帯電物を均一に帯電させる帯電装置、および当該帯電装置を備える画像形成装置を提供する。 複数の突起部40が一方向に配列される放電電極を備える放電素子35と、シールドケース34とを備える帯電装置12に、放電素子35を挟む2つの空間のうちの一方の空間内の、突起部40の突出方向前方であって、対応する突起部40の先端と、当該突起部40と当該突起部40に配列方向の一方側で隣接する突起部40との中間位置と、の間に、第1電極100を設け、放電素子35を挟む2つの空間のうちの他方の空間内の、突起部40の突出方向前方であって、対応する突起部40の先端と、当該突起部40と当該突起部40に配列方向の他方側で隣接する突起部40との中間位置と、の間に、第2電極200を設ける。

目的

本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、放電電極から発生するイオン流を制御し、被帯電物を均一に帯電させる帯電装置、および当該帯電装置を備える画像形成装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

複数の突起部が一方向に配列され、電源と接続される電極であって、当該電源から電圧印加されることによって少なくとも1の突起部においてコロナ放電を生じる放電電極と、前記放電電極が内部空間に設けられ、1の壁部に開口部を有する箱状のシールドケースと、前記突起部から発生するイオン流を偏向させるイオン流偏向手段とを備え、前記イオン流偏向手段は、前記放電電極を挟む2つの空間のうちの一方の空間では、前記突起部の配列方向の一方側へと前記イオン流を偏向させ、前記放電電極を挟む2つの空間のうちの他方の空間では、前記配列方向の他方側へと前記イオン流を偏向させるように設けられることを特徴とする帯電装置

請求項2

複数の突起部が一方向に配列され、電源と接続される電極であって、当該電源から電圧が印加されることによって少なくとも1の突起部においてコロナ放電を生じる放電電極と、前記放電電極が内部空間に設けられ、1の壁部に開口部を有する箱状のシールドケースと、各突起部それぞれに対応して設けられる2つの電極であって、前記放電電極を挟む2つの空間のうちの一方の空間内の、前記突起部から前記開口部の開口に向かう方向において、前記突起部よりも前記開口部に近い位置に設けられる電極である第1電極と、前記放電電極を挟む2つの空間のうちの他方の空間内の、前記突起部から前記開口部の開口に向かう方向において、前記突起部よりも前記開口部に近い位置に設けられる電極である第2電極とを備え、各第1電極は、それぞれに対応する突起部の先端と、当該突起部と当該突起部に前記配列方向の一方側で隣接する突起部との中間位置と、の間に設けられ、各第2電極は、それぞれに対応する突起部の先端と、当該突起部と当該突起部に前記配列方向の他方側で隣接する突起部との中間位置と、の間に設けられることを特徴とする帯電装置。

請求項3

前記第1電極および前記第2電極は、当該第1電極および当該第2電極に対応する突起部の先端を中心として回転対称な位置に設けられ、前記第1電極、前記第2電極、ならびに当該第1電極および当該第2電極に対応する突起部の位置関係は、いずれの突起部についても等しいことを特徴とする請求項2に記載の帯電装置。

請求項4

前記第1電極は、前記一方の空間内の、前記シールドケースの壁部の一部であって、隣接する他の第1電極との間が切欠かれており、前記第2電極は、前記他方の空間内の、前記シールドケースの壁部の一部であって、隣接する他の第2電極との間が切欠かれていることを特徴とする請求項2または3に記載の帯電装置。

請求項5

前記第1電極の、前記放電電極に臨む面、および前記第2電極の、前記放電電極に臨む面には、半導電性内壁部材が設けられることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の帯電装置。

請求項6

前記内壁部材の厚さをt[μm]、体積抵抗率をρ[Ω・cm]するとき、下記式(1)および(2)を満足することを特徴とする請求項5に記載の帯電装置。ρ×t≦2×1012…(1)ρ/t≧2×105 …(2)

請求項7

前記内壁部材はフィルム状部材であり、前記フィルム状部材の厚さは、前記第1電極から前記放電電極までの距離の10分の1以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の帯電装置。

請求項8

前記放電電極は、複数の突起部が一体となっている、鋸歯状の電極、または複数の突起部それぞれが分離している、複数の楔状の電極からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の帯電装置。

請求項9

前記放電電極は、複数の突起部それぞれが分離している、複数の楔状の電極からなり、前記楔状の電極それぞれが、電気抵抗体を介して前記電源と接続されることを特徴とする請求項8に記載の帯電装置。

請求項10

静電潜像担持する像担持体と、請求項1〜9のいずれか1つに記載の帯電装置とを備え、前記帯電装置によって、前記像担持体を帯電させることを特徴とする画像形成装置

技術分野

0001

本発明は、コロナ放電方式によって被帯電物帯電させる帯電装置、および当該帯電装置を備え画像形成装置に関する。

背景技術

0002

従来、電子写真方式を用いた画像形成装置においては、感光体を帯電させる帯電装置、トナー像記録用紙静電的に転写させる転写装置、記録用紙を静電的に剥離させる剥離装置などに、コロナ放電方式の帯電装置(コロナ放電装置)がよく用いられている。

0003

コロナ放電装置としては、感光体、記録用紙などの被帯電物に対向する開口部を有するシールドケースと、シールドケース内部に張設される放電電極とを備える、所謂コロトロン式の放電装置が知られている。コロトロン式の放電装置は、高電圧印加されることによって、放電電極においてコロナ放電を生じる。コロナ放電によって発生するイオン流は、被帯電物へと向かい、これによって放電電流が生じ、その結果、被帯電物は一様に帯電する。

0004

また、コロナ放電装置としては、コロトロン式の放電装置の構成に、放電電極と被帯電物との間に設けられるグリッド電極を加えた、所謂スコロトロン式の放電装置も知られている。スコロトロン式の放電装置は、コロナ放電の際に、グリッド電極に所定の電圧が印加されることによって、被帯電物をより一様に帯電させる。

0005

コロナ放電装置以外の帯電装置としては、半導電性ローラまたはブラシからなる帯電部材を被帯電物に接触または近接対峙させ、帯電部材と被帯電物との間に電圧を印加することによって、被帯電物を帯電させる接触帯電装置が知られている。この接触帯電装置によれば、放電領域が、被帯電物と帯電部材との接触部近傍に形成される微小空隙に限られるので、コロナ放電装置に比べ、放電電流を少なくすることができる。

0006

コロナ放電装置は、放電を安定化させるために大量の放電電流を流す必要があり、その結果、大量のオゾンが発生してしまうという問題があるけれども、接触帯電装置は、放電電流量を削減できるので、オゾンの発生確率が減少する。

0007

しかしながら、接触帯電装置では、被帯電物との接触、電気的ストレスなどによって帯電部材の磨耗、劣化が起こりやすく、帯電工程の高速化および帯電部材の長寿命化が難しいという問題がある。また、汚れ環境条件経時変化などによる帯電部材の特性変化によって、帯電特性が劣化しやすいという問題もある。

0008

また近年、感光体上で多色画像重ね合せる技術(IOI:Image On Image)が開発されている。この技術では複数色の位置ずれが起こりにくく、また転写工程が1回で済むため画像劣化を起こしにくく、高品位画像形成性能に優れている。この技術では、接触帯電方式を用いることができない為、非接触でかつ均一性の高い帯電方法が必要とされる。

0009

これらの事情から、コロトロン式の放電装置、スコロトロン式の放電装置などのコロナ放電装置において、オゾン発生量の減少、長寿命化、帯電特性の向上などが図られている。

0010

特許文献1は、コロナ放電装置の放電電極を、鋸歯状の放電電極とした帯電装置を開示している。鋸歯状の放電電極のように、先端部が先鋭化された放電電極を有するコロナ放電装置は、放電電極先端部に電界が集中しやすく、かつ放電ポイントも少なくなるので、印加する電圧が比較的低電圧でコロナ放電が可能であり、オゾンの発生を抑制することが可能である。

0011

ただし、先端部が先鋭化された放電電極を有するコロナ放電装置では、放電電極先端部の磨耗、先端部への放電生成物付着などによって放電状態のばらつきが引き起こされ、コロナ放電装置の長手方向において帯電電位ムラが生じる、すなわち、帯電均一性が低下してしまう。そのため、このようなコロナ放電装置の帯電均一性を向上させる必要がある。

0012

これに対し、特許文献2および特許文献3は、鋸歯状の放電電極を先端部ごとに分離し、各放電電極電気抵抗体を接続する技術を開示している。このような構成にすることで、印加電流量が多い放電電極は、接続される電気抵抗体による電圧降下が大きくなるので、印加電圧が小さくなって、コロナ放電が制限される。一方、印加電流量が少ない放電電極は、接続される電気抵抗体による電圧降下が小さい分、印加電圧が大きくなってコロナ放電が促される。したがって、この技術によれば、放電電極ごとのイオン流のばらつきが少なくなり、帯電均一性が向上する。さらに、印加電圧を小さくし、放電電流の総量を下げても充分な帯電均一性が得られるので、オゾン発生量を低減することもできる。

0013

また、特許文献4は、スコロトロン式の放電装置において、放電電極の先端部、すなわち放電領域に対向するグリッド開口率を小さくすることによって、イオン流の一部をグリッドに吸収させて、帯電均一性を向上させる技術を開示している。この技術によれば、簡易かつ低コストで、帯電均一性の向上が図れる。ただし、被帯電物へのイオン流をグリッドが吸収してしまう分、被帯電物の帯電電位が低下するという問題がある。

0014

特許文献5は、放電電極からのイオン流の広がりを制御するために、放電電極の1の先端部と、当該先端部に隣接する他の先端部との間に、電界規制部材を設ける技術を開示している。特許文献5の段落[0026]には、オゾンを減らし、かつ各放電電極の放電安定性を向上するためには放電電極ピッチを広げることが望ましい旨の記載がある。

0015

図10は、放電電極ピッチを変更した際の放電均一性を検討した結果を示す図である。測定は、後述する図2に示すような実験系で行った。グリッドのないコロナ放電器(コロトロン)に突起ピッチを変えた放電電極A1を装着し、感光体を帯電させ、その表面電位の長手方向の変化を測定した。

0016

その結果、突起ピッチが狭い条件では、表面電位に、図10(b)に示すような不規則なばらつきが見られた。また、このときの放電電極A1を観察すると、図10(a)に示すように、放電によって突起部先端に、破線A2で示す発光が見られたけれども、所々発光していない部位もあり、放電状態が不均一であることが示唆された。実使用では狭いグリッド電極を設けたり、さらに放電電流を増加させたりすることで実用上支障のない帯電均一性を得ることはできるけれども、不要な放電を行う為、オゾン発生量の増加を招き好ましくない。

0017

一方、突起ピッチの広い条件では、図10(d)に示すように、突起ピッチ間隔起因する帯電電位のリップルが認められたけれども、不規則な変動ではなく、規則的な周期変動であった。また、放電時の発光状態を観察したところ、図10(c)に示すように、各放電突起部にて放電発光が認められ、個々の放電突起部で比較的安定した放電が起こっていることが分かった。また、同じ放電電流量にした条件でオゾン発生量を比較したところ、突起ピッチの広い条件ではオゾン発生量が低下していた。

0018

しかしながら、従来技術ではピッチが広い条件では、グリッド電極を設けても周期的な帯電電位リップルを解消することが困難であり、実用化の課題となっていた。特許文献5ではこの点に着目し、放電電極からのイオンの流れを電界規制部材で制御して、イオン流を広げて帯電均一性を向上させ、オゾンの軽減と帯電均一性の向上とを図る考えを開示している。

先行技術

0019

特開平6−11946号公報
特開平5−2314号公報
特開平8−160711号公報
特開平7−104549号公報
特開平11−212335号公報

発明が解決しようとする課題

0020

しかしながら、特許文献5に記載の装置と同一の構成の帯電装置57を用いて放電試験を行ったところ、この帯電装置57を用いても、依然として帯電電位にムラが生じる場合があることがわかった。この事実を説明するために、まず、図11を用いて従来の放電装置による帯電の様子を示す。

0021

図11に示すように、針電極Hを一定間隔で並べ、所定距離を隔てた位置に、グリッドの代わりに、発生したイオン流を着弾させる対向電極Tを設け、放電試験を行った。放電試験を数10時間行ったところ、図11(b)に示すような、イオン流の境界と思われる跡が確認された。このイオン流跡から、針電極Hの並び方向に垂直な方向にはイオン流が拡散しやすいけれども(図11(a))、針電極Hの並び方向では、隣接する針電極Hから発せられたイオン流同士が反発しあうために、イオン流が均一に拡散しにくいことがわかった(図11(c))。

0022

次に、帯電装置57によって帯電電位にムラが生じることを説明する。図12は、帯電装置57を用いた場合の、被帯電物の帯電電位分布を表すグラフである。図13は、被帯電物表面から眺めたときの帯電装置57を表す模式図である。図12に示すように、帯電装置57を用いて被帯電物を帯電させると、放電電極55に対向する位置P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7に比べて、P1〜P7間の中点M1,M2,M3,M4,M5,M6付近では、被帯電物の帯電電位がやや低下する。これは電界規制部材54を設けても帯電ムラが生じるということである。

0023

図13に示すように、帯電装置57は、放電電極55の先端を通る直線であって、放電電極55の並び方向に垂直な直線に対して、左右対称となるように、電界規制部材54が設けられる。これによって、イオン流56が放電電極55先端から四方に広がる。イオン流56はやや四角に近い形状に偏向するので、楕円に広がるイオン流と比べてイオン流56は拡散する。

0024

しかしながら、隣接する放電電極55先端間から発するイオン流は、互いに反発し合うので、帯電装置57の長手方向においては、楕円に広がるイオン流よりも拡散しなくなる。これによって、被帯電物の進行方向にイオン流の境界面が伸び、イオン流の境界部分に対応する位置における被帯電物上の電荷密度が低下する。したがって、境界部分に対応する位置では帯電量が不足して帯電ムラとなりやすいことが分かった。

0025

本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、放電電極から発生するイオン流を制御し、被帯電物を均一に帯電させる帯電装置、および当該帯電装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0026

本発明は、複数の突起部が一方向に配列され、電源と接続される電極であって、当該電源から電圧が印加されることによって少なくとも1の突起部においてコロナ放電を生じる放電電極と、
前記放電電極が内部空間に設けられ、1の壁部に開口部を有する箱状のシールドケースと、
前記突起部から発生するイオン流を偏向させるイオン流偏向手段とを備え、
前記イオン流偏向手段が、前記放電電極を挟む2つの空間のうちの一方の空間では、前記突起部の配列方向の一方側へと前記イオン流を偏向させ、前記放電電極を挟む2つの空間のうちの他方の空間では、前記配列方向の他方側へと前記イオン流を偏向させるように設けられることを特徴とする帯電装置である。

0027

また本発明は、複数の突起部が一方向に配列され、電源と接続される電極であって、当該電源から電圧が印加されることによって少なくとも1の突起部においてコロナ放電を生じる放電電極と、
前記放電電極が内部空間に設けられ、1の壁部に開口部を有する箱状のシールドケースと、
各突起部それぞれに対応して設けられる2つの電極であって、
前記放電電極を挟む2つの空間のうちの一方の空間内の、前記突起部から前記開口部の開口に向かう方向において、前記突起部よりも前記開口部に近い位置に設けられる電極である第1電極と、
前記放電電極を挟む2つの空間のうちの他方の空間内の、前記突起部から前記開口部の開口に向かう方向において、前記突起部よりも前記開口部に近い位置に設けられる電極である第2電極とを備え、
各第1電極が、それぞれに対応する突起部の先端と、当該突起部と当該突起部に前記配列方向の一方側で隣接する突起部との中間位置と、の間に設けられ、
各第2電極が、それぞれに対応する突起部の先端と、当該突起部と当該突起部に前記配列方向の他方側で隣接する突起部との中間位置と、の間に設けられることを特徴とする帯電装置である。

0028

また本発明は、前記第1電極および前記第2電極が、当該第1電極および当該第2電極に対応する突起部の先端を中心として回転対称な位置に設けられ、
前記第1電極、前記第2電極、ならびに当該第1電極および当該第2電極に対応する突起部の位置関係が、いずれの突起部についても等しいことを特徴とする。

0029

また本発明は、前記第1電極が、前記一方の空間内の、前記シールドケースの壁部の一部であって、隣接する他の第1電極との間が切欠かれており、
前記第2電極が、前記他方の空間内の、前記シールドケースの壁部の一部であって、隣接する他の第2電極との間が切欠かれていることを特徴とする。

0030

また本発明は、前記第1電極の、前記放電電極に臨む面、および前記第2電極の、前記放電電極に臨む面に、半導電性の内壁部材が設けられることを特徴とする。

0031

また本発明は、前記内壁部材の厚さをt[μm]、体積抵抗率をρ[Ω・cm]するとき、下記式(1)および(2)を満足することを特徴とする。
ρ×t≦2×1012 …(1)
ρ/t≧2×105 …(2)

0032

また本発明は、前記内壁部材がフィルム状部材であり、
前記フィルム状部材の厚さが、前記第1電極から前記放電電極までの距離の10分の1以下であることを特徴とする。

0033

また本発明は、前記放電電極が、複数の突起部が一体となっている、鋸歯状の電極、または複数の突起部それぞれが分離している、複数の楔状の電極からなることを特徴とする。

0034

また本発明は、前記放電電極が、複数の突起部それぞれが分離している、複数の楔状の電極からなり、
前記楔状の電極それぞれが、電気抵抗体を介して前記電源と接続されることを特徴とする。

0035

また本発明は、静電潜像担持する像担持体と、
前記帯電装置とを備え、
前記帯電装置によって、前記像担持体を帯電させることを特徴とする画像形成装置である。

発明の効果

0036

本発明によれば、イオン流偏向手段によって、個々の突起部から発生するイオン流が、放電電極の並び方向と垂直な方向に対して斜めに偏向される。これによって、隣接する突起部の中間位置におけるイオン流同士の反発による境界部分も斜めに形成され、被帯電物の進行方向に沿うイオン流低下部分がなくなるため、被帯電物上の、当該中間位置に対向する位置においても、イオン流密度の低下が起こらない。したがって、本発明に係る帯電装置は、突起部の配列方向における帯電均一性を向上できる。

0037

また本発明によれば、第1電極および第2電極が、イオン流偏向手段として機能し、突起部から被帯電物に向かうイオン流を制御する。これによって、隣接する突起部の中間位置におけるイオン流同士の反発による境界部分も斜めに形成され、被帯電体の進行方向に沿うイオン流低下部分がなくなるため、被帯電物上の、当該中間位置に対向する位置においても、イオン流密度の低下が起こらない。したがって、本発明に係る帯電装置は、突起部の配列方向における帯電均一性を向上できる。

0038

また本発明によれば、第1電極および第2電極は、対応する突起部の先端を中心として回転対称な位置に設けられ、第1電極、第2電極、および対応する突起部の位置関係は、いずれの突起部についても等しいので、すべての突起部から生じるすべてのイオン流は等しく偏向される。したがって、本発明に係る帯電装置は、被帯電物をより均一に帯電させることができる。

0039

また本発明によれば、シールドケースがシールドケースとしての機能およびイオン流偏向手段としての機能を兼ね備えるので、低コストに、帯電均一性に優れる帯電装置を構成することができる。

0040

また本発明によれば、内壁部材が半導電性を有するので、第1電極および第2電極に流れ込む放電電流は減少し、その減少分、被帯電物側に流れ込む放電電流量が増加する。よって、本発明に係る帯電装置は、被帯電物を所定の電位に帯電させるための放電電流量の総量を削減することができる。したがって、本発明に係る帯電装置は、放電電流量の総量を削減することで、オゾンの発生量を減少させることができ、かつ、被帯電物を充分に帯電させることができる。

0041

また本発明によれば、内壁部材の厚み方向の抵抗値に比例する、ρ[Ω・cm]×t[μm]の値が2×1012以下であるので、内壁部材に放電電流が流れずに帯電してしまうことを防止でき、放電安定性を向上することができる。

0042

また、内壁部材の面方向の抵抗値に比例する、ρ[Ω・cm]/t[μm]の値が2×105以上であるので、面方向に放電電流が流れてしまって第1電極および第2電極によるイオン流の偏向作用が減少してしまうことを防止できる。したがって、帯電均一性を維持することができる。

0043

また本発明によれば、内壁部材の厚さが、第1電極から放電電極までの距離の10分の1以下であるので、厚さ自身のばらつき、および内壁部材を貼り付けた際のばらつきが存在しても、放電安定性および帯電均一性に悪影響を及ぼすことがない。したがって、放電安定性および帯電均一性に優れる帯電装置を提供することができる。

0044

また本発明によれば、帯電均一性が高く、かつ、オゾンの発生を抑えることができる帯電装置を安価に提供することができる。

0045

また本発明によれば、放電電極が、複数の楔状の電極からなり、当該電極それぞれが、電気抵抗体を介して電源と接続されるので、放電ギャップが小さい場合であっても、帯電均一性が高く、リークも起こらない。したがって、本発明に係る帯電装置は、放電ギャップを小さくすることによって、高い帯電均一性を維持したまま、帯電効率を向上できる。

0046

また本発明によれば、本発明に係る帯電装置によって、像担持体を帯電させるので、帯電均一性の高さに起因する高品位な画像を形成することができる。さらに、本発明に係る帯電装置は、帯電均一性が向上するため、放電ギャップを狭め、放電電流量を削減することができる。これによって、本発明に係る画像形成装置は、オゾン発生量を減少させることができ、また、装置自身コンパクトにすることができる。

図面の簡単な説明

0047

画像形成装置1の断面を模式的に示す概略図である。
帯電装置12および感光体ドラム11の外観を模式的に表した図である。
帯電装置12の構成を示す図である。
第1電極100および第2電極200が、帯電均一性の向上を発揮する作用について説明するための図である。
帯電装置42aの構成を示す図である。
帯電装置42bの正面図である。
帯電装置45aおよび帯電装置45bの構成を示す図である。
帯電装置47の構成を示す図である。
放電素子49の構成を示す図である。
放電ギャップと帯電均一性および帯電電位との関係を表したグラフである。
放電電極ピッチを変更した際の放電均一性を検討した結果を示す図である。
従来の放電装置による帯電の様子を示す図である。
帯電装置57を用いた場合の、被帯電物の帯電電位分布を表すグラフである。
被帯電物表面から眺めたときの帯電装置57を表す模式図である。

実施例

0048

本発明に係る画像形成装置の実施形態である画像形成装置1は、像担持体と、本発明に係る帯電装置の第1実施形態である帯電装置12とを備える。図1は、画像形成装置1の断面を模式的に示す概略図である。画像形成装置1は、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、およびブラック(b)の4色のトナー像を順次重ね合わせ多色トナー像を形成し、当該多色トナー像を記録材定着させることで画像を形成する、タンデム構成の電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置1は、トナー像形成部2と、中間転写部3と、2次転写部4と、記録材供給部5と、定着部6と、スキャナ部7と、図示しない制御ユニット部とを含む。

0049

スキャナ部7は、原稿台と、光源と、CCD(電荷結合素子センサ9とを含む。原稿台の上面には、複写すべき原稿が載置される。原稿台には、透明ガラスなどの透明性材料からなる板状部材が用いられる。光源は、原稿台に載置される原稿を照明する。CCDセンサ9は、光源によって照明される原稿からの反射光光電変換することで、反射光を画像情報アナログ信号)に変換する。

0050

CCDセンサ9は、変換部と転送部と出力部とを含む。変換部は、反射光である光信号電気信号に変換する。転送部は、クロックパルスに同期して、電気信号を順次出力部へ転送する。出力部は、電気信号を電圧信号に変換し、増幅し、低インピーダンス化して出力する。

0051

画像形成装置1の全動作を制御する制御ユニット部は、後述するように制御部と演算部と記憶部とを含み、上記のようにして得られたアナログ信号に、公知の画像処理を行ってデジタル信号に変換する。スキャナ部7によって読み取られた原稿の画像情報は、制御ユニット部に送られて各種画像処理が施され、デジタル信号に変換された後、制御ユニット部の記憶部に記憶される。記憶部に記憶された画像情報は、出力指示に応じて記憶部から読み出され、後述する光走査ユニット13に転送される。

0052

スキャナ部7によれば、原稿台に載置された原稿は光源によって照明され、照明された原稿からの反射光が、CCDセンサ9によってアナログの画像情報に変換される。アナログ信号の画像情報は、制御ユニット部によってデジタル信号化され、記憶部に記憶される。

0053

トナー像形成部2は、可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bと、光走査ユニット13とを含む。可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bは、後述する中間転写ベルト21の回転駆動方向、すなわち矢符27の方向における上流側からこの順番で一列に配置される。可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bは、デジタル信号として入力される各色の画像情報に対応する静電潜像を形成し、静電潜像にトナーを供給して各色のトナー像を形成する。

0054

可視像形成ユニット10yは、イエロー(y)の画像情報に対応するトナー像を形成し、可視像形成ユニット10mは、マゼンタ(m)の画像情報に対応するトナー像を形成し、可視像形成ユニット10cは、シアン(c)の画像情報に対応するトナー像を形成し、可視像形成ユニット10bは、ブラック(b)の画像情報に対応するトナー像を形成する。このように、各色に応じて設けられる可視像形成ユニット10y,10m,10c,10bについて、色ごとに区別する場合は、各色を表すアルファベット参照符号末尾に付し、総称する場合は、参照符号の末尾にアルファベットを付さないこととする。可視像形成ユニット10を構成する各部材についても同様とする。

0055

可視像形成ユニット10は、感光体ドラム11と、帯電装置12と、現像部14と、ドラムクリーナ15と、1次転写前帯電部16と、1次転写部22と、感光体除電部33とを含む。

0056

感光体ドラム11は、図示しない駆動手段によって軸線回り回転駆動可能に支持されるローラ状部材である。感光体ドラム11は感光層を含み、感光層の表面において、静電潜像ひいてはトナー像を担持する。

0057

感光体ドラム11には、たとえば、アルミニウムなどからなる導電性基体と、導電性基体表面に形成される感光層とからなるものを使用できる。導電性基体には、円筒状、円柱状、シート状などの導電性基体を使用でき、その中でも円筒状の導電性基体を好ましく使用できる。感光層としては、有機感光層無機感光層などが挙げられる。

0058

有機感光層としては、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層と、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層との積層体、または、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む樹脂層などが挙げられる。無機感光層としては、酸化亜鉛セレンアモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む樹脂層が挙げられる。

0059

導電性基体と感光層との間には、下地層が介在してもよい。また、感光層の表面には感光層を保護するための表面層(保護層)が設けられてもよい。

0060

図2は、帯電装置12および感光体ドラム11の外観を模式的に表した図である。帯電装置12は、感光体ドラム11に臨み、感光体ドラム11の軸方向36に沿って配置される。帯電装置12は、放電素子35と、シールドケース34とを備える。

0061

放電素子35は、高圧電源39と接続される電極である放電電極を備える。放電電極は、複数の突起部が一方向に配列される。放電電極は、高圧電源39から電圧が印加されることによって少なくとも1の突起部においてコロナ放電を生じる。

0062

高圧電源39からの印加電圧は、被帯電物をいずれの極性で帯電させるかによって、その極性が異なるけれども、印加電圧の絶対値としては、4kV〜10kVの範囲内に制御される。また、放電素子35と帯電装置12の他の部材との距離によっても、必要な印加電圧は異なるけれども、トランスコスト観点および安全性の観点から最大値(絶対値)は10kV以下とすることが好ましい。

0063

シールドケース34は、感光体ドラム11に臨む壁部に開口部を有する箱状部材である。シールドケース34は、内部空間を有し、当該内部空間に放電素子35が設けられる。シールドケース34は、感光体ドラム11の軸方向36が長手方向となるように配置され、当該長手方向に直交する断面形状が略コの字状となる。

0064

シールドケース34は、接地されるか、または図示しない電源と接続される。電源と接続される場合、シールドケース34には、放電電極に印加される電圧とは同極性の電圧が印加される。この電圧の絶対値は、0kv〜1kVの範囲内である。

0065

本実施形態の帯電装置12は、コロトロン式の帯電装置であるけれども、帯電装置12としては、スコロトロン式の帯電装置を用いてもよい。帯電装置12がスコロトロン式の帯電装置である場合、上記の構成に加え、放電素子35と感光体ドラム11との間に薄板状の金属からなるグリッド電極が設けられる。グリッド電極は、2mm〜7mmの範囲内で、放電電極の突起部から離隔して設けられ、たとえば4mm離隔して設けられる。

0066

グリッド電極は、厚み方向に貫通するように形成される複数の貫通孔を有し、バイアス電源と接続される。グリッド電極には、バイアス電源から、放電電極に印加される電圧とは同極性の電圧が印加される。この電圧の絶対値は、画像形成に必要な値に適宜制御され、範囲としては300V〜1kVである。

0067

帯電装置12によれば、高圧電源39から印加される電圧によって、放電電極の突起部においてコロナ放電を生じる。より詳細には、放電電極全体に印加される電流量の絶対値が200μA〜1000μAの範囲内となるように、上記の範囲内で、放電電極への印加電圧が制御される。

0068

被帯電物をいずれの極性に帯電させるかによらず、帯電装置12のコロナ放電によって被帯電物に向かうイオン流が生じる。本発明は、このイオン流を制御する(偏向させる)帯電装置に係るものであり、被帯電物を帯電させる極性はいずれであってもよい。本発明に係る帯電装置については後に詳述する。

0069

光走査ユニット13は、帯電状態にある感光体ドラム11y,11m,11c,11b表面に、各色の画像情報に対応するレーザ光13y,13m,13c,13bをそれぞれ照射し、感光体ドラム11y,11m,11c,11bそれぞれの表面に、各色の画像情報に対応する静電潜像を形成する。光走査ユニット13には、半導体レーザなどを使用できる。

0070

現像部14は、現像ローラと、規制ブレードと、現像槽と、攪拌ローラとを含む。現像ローラは、現像槽によって軸線回りに回転可能に支持されるローラ状部材である。現像ローラは、現像槽の、感光体ドラム11に臨む面に形成される開口部から、その一部が外方に向けて突出して感光体ドラム11表面に近接するように設けられる。

0071

現像ローラは、図示しない固定磁極を内包しており、この固定磁極によって、現像ローラ表面に現像剤を担持する。現像ローラは、現像ローラと感光体ドラム11との近接部(現像ニップ部)において、担持した現像剤を感光体ドラム11表面の静電潜像に供給する。現像ローラは、感光体ドラム11と逆方向に回転駆動する。したがって、現像ニップ部においては、現像ローラ表面と感光体ドラム11表面とが同じ方向に移動する。

0072

現像ローラは、図示しない電源と接続され、当該電源から直流電圧現像電圧)が印加される。これによって、現像ローラ表面の現像剤は、静電潜像に円滑に供給される。

0073

規制ブレードは、一端が現像槽によって支持され、他端が現像ローラ表面に対して間隙を有して離隔するように設けられる板状部材である。規制ブレードは、現像ローラ表面に担持される現像剤層層厚を均一化する。

0074

現像槽は、感光体ドラム11に臨む面に開口部が形成され、内部空間を有する容器状部材である。現像槽は、その内部空間に攪拌ローラを備え、現像剤を貯留する。現像槽には、現像剤の消費状況に応じて、図示しない現像剤補充手段から現像剤が補充される。現像剤としては、この分野で常用されるものを使用できる。現像剤は、トナーのみからなる1成分現像剤であっても、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤であってもよい。

0075

攪拌ローラは、現像槽の内部空間において軸線回りに回転駆動可能に支持されるスクリュー状部材である。攪拌ローラは、回転駆動によって、現像槽内の現像剤を現像ローラの表面周辺に送給する。

0076

現像部14によれば、現像槽内の現像剤が、攪拌ローラによって現像ローラ表面に送給され、当該表面に現像剤層が形成される。この現像剤層は、規制ブレードによって層厚が均一化される。その後、感光体ドラム11との電位差によって、感光体ドラム11表面の静電潜像に現像剤が選択的に供給され、感光体ドラム11表面に画像情報に対応するトナー像が形成される。

0077

1次転写前帯電部16は、感光体ドラム11表面に形成されたトナー像を帯電させる帯電装置である。1次転写前帯電部16としては、帯電装置12と同じものを使用できる。

0078

1次転写部22は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。1次転写部22は、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム11に対向し、かつ中間転写ベルト21の、感光体ドラム11と接する面とは反対側の面に圧接する。1次転写部22には、たとえば、金属製軸体と、当該金属製軸体の表面を被覆する導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。

0079

金属製軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属によって形成される。導電性層は、導電性弾性体などによって形成される。導電性の弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。

0080

1次転写部22は、図示しない高圧電源と接続される。1次転写部22には、高圧電源から、感光体ドラム11の表面に形成されるトナー像の帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、感光体ドラム11表面に形成されるトナー像は、中間転写ベルト21の表面に転写される。

0081

ドラムクリーナ15は、感光体ドラム11表面のトナー像が中間転写ベルト21に転写した後に、感光体ドラム11表面に残存する現像剤を除去、回収する。

0082

感光体除電部33は、ドラムクリーナ15によって現像剤が回収された後の感光体ドラム11を除電する。感光体除電部33にはランプなどの照明手段を用いることができる。

0083

トナー像形成部2によれば、帯電装置12によって感光体ドラム11が帯電する。光走査ユニット13は、記憶部に記憶されるデジタル信号の画像情報に対応するレーザ光を、帯電した感光体ドラム11に照射し、静電潜像を形成する。現像部14は、静電潜像に現像剤を供給し、感光体ドラム11表面にトナー像を形成する。このトナー像は、1次転写部22によって、中間転写ベルト21に1次転写する。

0084

中間転写部3は、転写ベルトクリーナ17と、転写ベルト除電部18と、中間転写ベルト21と、支持ローラ23,24,25とを含む。中間転写ベルト21は、支持ローラ23,24,25の間に張架されてループ状移動経路を形成する無端ベルト状部材である。中間転写ベルト21は、感光体ドラム11から転写したトナー像を担持しながら、感光体ドラム11と略同一の周速度で矢符27の方向に回転移動する。中間転写ベルト21は、たとえば、167〜225mm/sで回転移動する。

0085

中間転写ベルト21には、たとえば、厚さ100μmのポリイミドフィルムを使用できる。中間転写ベルト21の材料ポリイミドに限定されず、ポリカーボネートポリアミドポリエステルポリプロピレンなどの合成樹脂、各種ゴムなどからなるフィルムを使用できる。合成樹脂または各種ゴムからなるフィルム中には、中間転写ベルト21の電気抵抗値を調整するために、ファーネスブラックサーマルブラックチャネルブラックグラファイトカーボンなどの導電材が配合される。

0086

支持ローラ23,24,25は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。支持ローラ23,24,25には、たとえば、アルミニウム製円筒体(パイプ状ローラ)が用いられる。

0087

支持ローラ24は、感光体ドラム11bより中間転写ベルト21の回転駆動方向下流側に設けられる。支持ローラ24は、中間転写ベルト21を介して後述する2次転写ローラ28に圧接し、2次転写ニップ部を形成する。また、支持ローラ24は、電気的に接地される。支持ローラ24は、中間転写ベルト21を張架する役割とともに、中間転写ベルト21上のトナー像を記録材に2次転写させる役割を有する。

0088

転写ベルトクリーナ17は、支持ローラ24より中間転写ベルト21の回転駆動方向下流側に設けられる。転写ベルトクリーナ17は、中間転写ベルト21上のトナー像が記録材に転写された後に、中間転写ベルト21上に残存するトナーを除去する部材である。

0089

転写ベルトクリーナ17は、クリーニングブレードと、図示しないトナー貯留容器とを含む。クリーニングブレードは、中間転写ベルト21の、トナー像を担持する面に圧接し、当該面上の残存トナーなどを掻き取る板状部材である。クリーニングブレードには、たとえば、弾性を有するゴム材料ウレタンゴムなど)などを使用できる。トナー貯留容器は、クリーニングブレードによって掻き取られたトナーなどを一時的に貯留する容器状部材である。

0090

転写ベルト除電部18は、転写ベルトクリーナ17より中間転写ベルト21の回転駆動方向下流側、かつ、感光体ドラム11yより上流側に設けられる。転写ベルト除電部18は、中間転写ベルト21上の残存トナーが転写ベルトクリーナ17によって除去された後に、中間転写ベルト21を除電するブラシ状部材である。

0091

中間転写部3によれば、感光体ドラム11y,11m,11c,11b上に形成される各色のトナー像が、中間転写ベルト21のトナー像を担持する面における所定位置に重ね合わされて、多色トナー像が形成される。この多色トナー像は、後述するように、2次転写ニップ部において記録材に2次転写される。2次転写後、中間転写ベルト21上に残留するトナー、オフセットトナー紙粉などは転写ベルトクリーナ17によって除去される。残留トナーなどの除去後、中間転写ベルト21は転写ベルト除電部によって除電される。

0092

記録材供給部5は、レジストローラ19a,19bと、ピックアップローラ20と、記録材カセット26とを含む。記録材カセット26は記録材8を貯留する。記録材8には、たとえば、普通紙、コート紙、カラーコピー専用用紙OHP用フィルム葉書などがある。記録材8のサイズには、A4、A3、B5、B4、葉書サイズなどがある。

0093

ピックアップローラ20は、記録材8を搬送路Sに1枚ずつ送給するローラ状部材である。レジストローラ19a,19bは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。レジストローラ19a,19bは、中間転写ベルト21上の多色トナー像が2次転写ニップ部に搬送されるのに同期して、2次転写ニップ部に記録材8を送給する。

0094

記録材供給部5によれば、記録材カセット26内に貯留される記録材8が、ピックアップローラ20によって1枚ずつ搬送路Sに送給され、さらに、レジストローラ19a,19bによって2次転写ニップ部に送給される。

0095

2次転写部4は、2次転写前帯電部32と、2次転写ローラ28とを含む。2次転写前帯電部32は、中間転写ベルト21上に担持された多色トナー像を帯電させる帯電装置である。2次転写前帯電部32としては、帯電装置12と同じものを使用できる。

0096

2次転写ローラ28は、中間転写ベルト21を介して支持ローラ24に圧接するように設けられるローラ状部材である。2次転写ローラ28は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動する。2次転写ローラ28は、たとえば、金属製軸体と、当該金属製軸体の表面を被覆する導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。

0097

金属製軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属によって形成される。導電性層は、導電性の弾性体などによって形成される。導電性の弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、EPDM、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。

0098

2次転写ローラ28は、図示しない高圧電源と接続される。2次転写ローラ28には、高圧電源から、中間転写ベルト21上に担持される多色トナー像の帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、中間転写ベルト21上に担持される多色トナー像は、2次転写ニップ部において、記録材8の表面に転写される。

0099

2次転写部4によれば、中間転写ベルト21上の多色トナー像は、記録材供給部5から送給される記録材8に2次転写される。未定着の多色トナー像を担持する記録材8は、定着部6に搬送される。

0100

定着部6は、排紙部29と、定着ローラ30と、加圧ローラ31とを含む。定着ローラ30は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持されるローラ状部材である。定着ローラ30の内部には、ハロゲンランプなどの加熱手段が設けられる。定着ローラ30は、記録材8に担持される未定着の多色トナー像を構成するトナーを加熱溶融させて記録材8に定着させる。

0101

定着ローラ30としては、たとえば、芯金と、弾性体層と、表面層とからなるローラ状部材を使用できる。芯金を形成する金属には熱伝導率の高い金属を使用でき、たとえば、アルミニウム、鉄などが挙げられる。芯金の形状としては、円筒状、円柱状などが挙げられるけれども、芯金からの放熱量が少ない円筒状の方が好ましい。

0102

弾性体層を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、耐熱性に優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコーンゴムフッ素ゴムフルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。

0103

表面層を構成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れ、トナーの吸着性が低いものであれば特に制限されない。たとえば、PFAテトラフルオロエチレンペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴムなどが挙げられる。

0104

加圧ローラ31は、定着ローラ30の鉛直方向下方において、定着ローラ30に圧接された状態で回転自在に設けられるローラ状部材である。定着ローラ30と加圧ローラ31との圧接部が定着ニップ部である。加圧ローラ31は、定着ローラ30の回転駆動に従動して回転する。加圧ローラ31は、多色トナー像の記録材8への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナーを記録材8に対して押圧することによって、多色トナー像の記録材8への定着を促進する。

0105

加圧ローラ31としては、たとえば、芯金と、弾性体層と、表面層とからなるローラ状部材が使用できる。芯金、弾性体層および表面層としては、それぞれ、定着ローラ30の芯金、弾性体層および表面層と同じものを使用できる。また、加圧ローラ31の内部には、定着ローラ30と同様に、加熱手段が設けられてもよい。

0106

排紙部29は、多色トナー像が定着した記録材8を貯留するトレイ状部材である。
定着部6によれば、記録材8に担持される未定着の多色トナー像は加熱溶融し、記録材8に定着する。多色トナー像が定着した記録材8は、排紙部29に排紙され、画像形成は完了する。

0107

画像形成装置1は、図示しない制御ユニット部を含む。制御ユニット部は、たとえば、画像形成装置1の内部空間における鉛直方向上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。制御ユニット部の記憶部には、画像形成装置1の鉛直方向上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置1内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種処理を実行するプログラムが書き込まれる。各種処理とは、たとえば、記録媒体判定処理付着量制御処理、定着条件制御処理などである。

0108

記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置1に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータデジタルカメラテレビジョン受像機器ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)レコーダ、ブルーレイディスクレコーダファクシミリ装置携帯端末装置などが挙げられる。

0109

演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種処理のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号送付し、動作制御を行う。

0110

制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータマイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御ユニット部は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御ユニット部だけでなく、画像形成装置1内部における各部材にも電力を供給する。

0111

次に、本発明に係る帯電装置について詳細に説明する。本発明に係る帯電装置は、放電電極、放電素子、シールドケース、ならびに第1電極および第2電極を備える。図3は、帯電装置12の構成を示す図である。図3(a)は、帯電装置12の正面図である。ただし、シールドケース34の、紙面に平行な壁部は省略している。図3(b)は、帯電装置12の底面図であり、図3(c)は、帯電装置12の右側面図である。

0112

放電素子35は、複数の突起部40(各突起部40をそれぞれ区別する場合は、参照符号の末尾にアルファベットを付す)が一体となっている鋸歯状の電極である放電電極が、樹脂等の絶縁性ホルダに貼り付けられて形成される。放電素子35は、シールドケース34の内部空間の中央に配置される。放電電極は、ステンレス材からなり、エッチングによって、突起部40先端の曲率が10μm〜30μm程度のりになるように形成される。なお、放電電極の材料としては、ステンレスに限らず、インコネルタングステン、銅、鉄などを用いることができる。さらに、放電電極の表面には、ニッケルクロム、金、もしくは白金めっき、またはニッケルを下地にした金めっき(Ni−Auめっき)などの加工を施しても良い。

0113

放電電極の厚さL1は0.05mm〜0.2mmの範囲内で、突起部40の突出方向(突起部40からシールドケース34の開口に向かう方向)の長さh1は、1mm〜4mmの範囲内で、突起部40の配列方向における幅w1は0.5mm〜2mmの範囲内で、それぞれ適宜設定することができる。厚さL1、長さh1、および幅w1のいずれについても、この範囲よりも小さ過ぎる場合は放電電極の強度が低下して好ましくなく、大き過ぎる場合は突起部40先端の尖りが鈍くてコロナ放電が安定しなくなるので好ましくない。

0114

放電電極の突起部40のピッチPは、1mm〜8mmの範囲内で設定できる。図10に示したように、ピッチPが小さ過ぎると、コロナ放電を生じる突起部40と、生じない突起部40とが現われる場合があり、後述するイオン流偏向手段によっても、被帯電物の帯電電位のムラ(帯電ムラ)を抑えることが難しくなるので、好ましくない。また、ピッチPが大き過ぎても、イオン流偏向の作用でも十分な均一化を行うことが難しくなり、帯電ムラが生じやすくなり、好ましくない。

0115

シールドケース34には、鉄にニッケルめっきを施したものを使用できる。シールドケース34の開口部の幅(d1+d2)は、8mm〜30mmの範囲内で適宜設定することができる。シールドケースの厚さL2は、0.5mm〜2mmの範囲内で設定できる。シールドケース34の上壁部34aおよび底壁部34bは、図3(b)に示すように、アーチ状に切欠かれており、切欠き残存部100a,100b,200a,200bが設けられる。このような切欠き残存部100a,100b,200a,200bが設けられる理由を以下に述べる。

0116

上述したように、本発明に係る帯電装置は、第1電極および第2電極を備える。第1電極とは、放電電極の各突起部それぞれに対応して設けられる2つの電極のうちの1つであって、放電電極を挟む2つの空間のうちの一方の空間内の、突起部の突出方向において突起部よりもシールドケースの開口部に近い位置に設けられる電極である。ここで、放電電極を挟む2つの空間とは、放電電極の突起部が配列される仮想平面によって区切られる2つの空間である。

0117

各第1電極は、それぞれに対応する突起部の先端と、当該突起部と当該突起部に配列方向の一方側で隣接する突起部との中間位置と、の間に設けられる。ここで、先端と中間位置との間とは、先端を通り前記仮想平面に垂直な平面と、中間位置を通り前記仮想平面に垂直な平面とによって挟まれる空間を指す。また、間に設けられるとは、第1電極の、シールドケースの開口部に臨む面の中心点が、この空間内(境界面を含まない)にあることを言う。

0118

第2電極とは、放電電極の各突起部それぞれに対応して設けられる2つの電極のうちの1つであって、放電電極を挟む2つの空間のうちの他方の空間内の、突起部の突出方向において突起部よりもシールドケースの開口部に近い位置に設けられる電極である。各第2電極は、それぞれに対応する突起部の先端と、当該突起部と当該突起部に配列方向の他方側で隣接する突起部との中間位置と、の間に設けられる。各用語の意味は、第1電極と同様である。

0119

第1電極および第2電極は、コロナ放電の際に、放電電極の突起部から発生するイオン流を偏向させるイオン流偏向手段として設けられる。具体的には、第1電極は、前記一方の空間において、イオン流を、突起部の配列方向の一方側へと偏向させる。また、第2電極は、前記他方の空間において、イオン流を、突起部の配列方向の他方側へと偏向させる。

0120

本実施形態では、シールドケースの壁部の一部を、これら第1電極および第2電極として用いている。すなわち、第1電極および第2電極として、切欠き残存部(切り欠かれて残ったシールドケースの一部を指す)100a,100b,200a,200bを設けている。詳細には、シールドケース34の上壁部34aの一部である切欠き残存部100aが、突起部40aに対応する第1電極であり、シールドケース34の底壁部34bの一部である切欠き残存部200aが、突起部40aに対応する第2電極である。また、シールドケース34の上壁部34aの一部である切欠き残存部100bが、突起部40bに対応する第1電極であり、シールドケース34の底壁部34bの一部である切欠き残存部200bが、突起部40bに対応する第2電極である。このように、各突起部40に対応して、第1電極100および第2電極200が設けられる。

0121

各第1電極100をそれぞれ区別する場合には、対応する突起部40の参照符号に付したアルファベットと同一のアルファベットを参照符号の末尾に付して表し、総称する場合にはアルファベットを付さないこととする。第2電極200についても同様とする。たとえば、突起部40aに対応する第1電極および第2電極は、第1電極100aおよび第2電極200aである。

0122

上述したように、第1電極100および第2電極200は、対応する突起部40の先端と、当該突起部40と当該突起部40に隣接する他の突起部40との中間位置と、の間に設けられる。すなわち、図3(c)に示すように、第2電極200の中心点を通り前記仮想平面に垂直な平面H2は、対応する突起部40bと、対応する突起部40bに隣接する他の突起部40aとの中間位置を通り前記仮想平面に垂直な平面M2と、対応する突起部40bを通り前記仮想平面に垂直な平面Lとの間にある。なお、図3(c)において、突起部40の配列方向他方側は、突起部40bに対する突起部40a側としている。

0123

言い換えると、平面Lと平面H2との距離x2は、ピッチPに対して、0<x2<P/2の関係を満足する。より好ましくは、P/4<x2<P/2であり、さらに好ましくは、11P/40<x2<9P/20である。

0124

第2電極200と同様に、第1電極100の中心点を通り前記仮想平面に垂直な平面H1と、対応する突起部40を通り前記仮想平面に垂直な平面Lとの距離x1は、0<x1<P/2の関係を満足し、より好ましくは、P/4<x1<P/2であり、さらに好ましくは、11P/40<x1<9P/20である。

0125

各第1電極100および各第2電極200は、上述した位置関係を満足すれば、それぞれの形状が多少異なっていても構わないけれども、各突起部40から発生するイオン流を等しく偏向させるために、同一の形状に設計されることが好ましい。本実施形態では、対応する第1電極100と第2電極200とは、同一の形状である。また、各第1電極100同士および各第2電極200同士も、同一の形状である。

0126

第1電極100および第2電極200の幅w2は、ピッチPの半分程度である。また、第1電極100および第2電極200の、突起部40の突出方向の長さh2は、放電ギャップ(コロトロン式の帯電装置である場合は突起部40からシールドケース34の開口までの距離、スコロトロン式の帯電装置である場合は突起部40からグリッド電極までの距離)と略同一であり、2mm〜7mmである。すなわち、突起部40の突出方向における、突起部40と第1電極100との距離g1は、ほぼ0であり、範囲としては0mm〜1mmである。突起部40の突出方向における、突起部40と第2電極200との距離についても同様である。

0127

シールドケース34の開口部の幅方向における、突起部40と第1電極100との距離d1と、突起部40と第2電極200との距離d2とは同一であることが好ましい。距離d1,d2の好適な範囲は4mm〜15mmである。

0128

シールドケース34は、シールドケースとして、シールドケース34外部からの粉塵混入を防止し、内部からの放電漏れを防止する機能(シールド機能)と、第1電極100および第2電極200として、イオン流を制御する機能(イオン流制御機能)とを兼ね備える。このような場合であっても、通常のシールドケースの作製方法と同様、導体板金(ステンレス、鉄など)をプレス打ち抜き等で所定の形状に打ち抜き、これを略コの字状の断面になるように折り曲げることで作製できる。シールドケース34には、必要に応じて、めっき処理などを行ってもよい。

0129

第1電極100間の切欠き、および第2電極200間の切欠きは、上記のプレス打ち抜きによって形成してもよく、レーザ加工またはエッチングによって形成してもよいけれども、製造コストを考慮すれば、プレス打ち抜きで形成することが好ましい。

0130

切欠きは、略矩形状などであってもよいけれども、略矩形状であると切欠きの角部分バリが出やすいこと、およびシールドケースとして所定の強度が必要であることを考慮すると、アーチ状の切欠きであることが好ましい。

0131

以上のような第1電極100および第2電極200を備える帯電装置12によれば、帯電均一性が向上し、帯電ムラを抑えることができる。以下に、第1電極100および第2電極200が、帯電均一性の向上を発揮する作用について説明する。

0132

図4は、第1電極100および第2電極200が、帯電均一性の向上を発揮する作用について説明するための図である。図4(a)は、被帯電物表面から帯電装置12を眺めた図である。図4(a)において、楕円41は、イオン流の広がりを示している。

0133

図4(b)は、コロナ放電の際の、被帯電物上の、突起部40に対向する位置におけるイオン流密度の説明図である。図4(b)のグラフは、縦軸がイオン流密度を表し、横軸が被帯電物の、突起部40に対向する位置を表している。横軸において、Pa,Pb,Pcはそれぞれ突起部40a,40b,40cに対向する位置を表しており、Mab,MbcはそれぞれPaとPbとの中間位置、PbとPcとの中間位置を表している。2点鎖線Xは各突起部40からのイオン流の分布である。また、実線Yは全突起部40からのイオン流の総和の分布であって、実際の帯電工程に寄与するイオン流分布に相当する。

0134

帯電装置12によるイオン流跡41は、略楕円形状であり、その長径が突起部40の配列方向に対して傾いている。このイオン流跡41は、特許文献5に記載の帯電装置57の放電試験によって現れたイオン流跡56とは異なり、突起部40と突起部40との中間位置に対向する位置近傍においても、隣り合うイオン流の間には境界部があるものの、境界部分が斜めに形成されており、被帯電体の進行方向に沿うイオン流低下部分がなくなるため、被帯電物上の、当該中間位置に対向する位置においても、イオン流密度の低下が起こらない様態となっている。

0135

これによって、図4(b)に示すように、中間位置Mab,Mbcにおいても、突起部40に対向する位置Pa,Pb,Pcと略同一の密度のイオン流密度になる。

0136

この作用を確かめるために、感光体ドラム11を、帯電装置12を用いて帯電させた。このとき、帯電装置12には、上述した範囲内の電圧を、放電電極およびシールドケース34にそれぞれ印加した。

0137

シールドケース34に電圧が印加されると、シールドケースと一体となっている、第1電極100および第2電極200にも電圧が印加される。第1電極100および第2電極200に印加される電圧の絶対値は、上述した範囲内(0kV〜1kV)である。この電圧によって、放電電極から発生したイオン流を、第1電極100または第2電極200へと導く電界が形成され、かつ、突起部40先端にコロナ放電を起こさせる電界が形成される。

0138

帯電装置12によって感光体ドラム11を帯電させたところ、突起部40に対向する位置における、感光体ドラム11の帯電電位は、図4(c)のグラフのようになった。感光体ドラム11の帯電電位は、図2に示すように、表面電位計38と接続された表面電位プローブ37を、軸方向36に走査させて行った。なお、表面電位プローブ37および表面電位計38は、帯電装置12の実施形態としては、必須ではない。

0139

帯電装置12によって感光体ドラム11を帯電させると、図4(c)に示すように、数V程度の変動幅となり、電位は安定し、隣接する突起部40の中間位置Mab,Mbcに対向する位置においても、帯電電位の落ち込みがないことから、帯電装置12による帯電均一性が優れていることがわかる。

0140

このように、帯電装置12では、第1電極100および第2電極200が、イオン流偏向手段として機能し、突起部40から被帯電物に向かうイオン流を制御することによって、隣接する突起部40の中間位置におけるイオン流同士の反発によるイオン流の境界部を斜めに形成することで、被帯電物進行方向のイオン流密度の低下領域の発生を抑え、被帯電物上の、当該中間位置に対向する位置においても、イオン流密度を下げることなく帯電を行うことができるようになる。これによって、帯電装置12の、突起部40の配列方向における帯電均一性が向上する。

0141

帯電装置12は、すべての突起部40から生じるすべてのイオン流が等しく偏向されることが好ましい。すなわち、図4(a)に示すように、突起部40から発生する高密度のイオン流を示す範囲は、すべて同一の略楕円形状であり、すべて同様に傾くことが好ましい。このようにイオン流を制御することによって、より均一に被帯電物を帯電させることができる。

0142

すべてのイオン流を等しく偏向させるためには、第1電極100および第2電極200は、当該第1電極100および当該第2電極200に対応する突起部40の先端を中心として回転対称な位置に設けられ、第1電極100、第2電極200、ならびに当該第1電極100および当該第2電極200に対応する突起部40の位置関係は、いずれの突起部40についても等しくすることが好ましい。

0143

また、帯電装置12は、シールドケースがシールド機能およびイオン流制御機能を兼ね備えるので、帯電均一性に優れる帯電装置を低コストに構成することができる。

0144

また、帯電装置12は、上述したように、鋸歯状の放電電極を備える。帯電装置12に備える放電電極としては、これに限らず、複数の突起部を有する放電電極であれば使用できるけれども、鋸歯状の放電電極、または複数の突起部がそれぞれ分離して配列される、複数の楔状の電極からなることが好ましい。鋸歯状の放電電極または楔状の電極は、エッチングまたはプレス打ち抜きなどで容易に、かつ、低コストに作成可能である点で好ましい。鋸歯状の放電電極などの、複数の突起部を有する放電電極は、コロナ放電を生じる放電ポイントが限られるため、オゾンが発生しにくい。

0145

しかしながら、鋸歯状の放電電極または楔状の電極は、その形状ゆえに、突起部の配列方向にイオン流が広がりにくく、シールドケース34の開口部の幅方向にイオン流が広がりやすい。すなわち、複数の突起部を有する放電電極、特に鋸歯状の放電電極または楔状の電極の場合、特許文献5に記載の帯電装置57と同様に、被帯電物上の、隣接する突起部の中間位置に対向する位置において、帯電電位が落ち込み、帯電ムラが生じてしまう。

0146

帯電装置12では、突起部40の配列方向における帯電ムラが抑えられるので、このような不具合は起こらない。したがって、帯電装置12の放電電極として、鋸歯状の放電電極または楔状の電極を用いることで、帯電均一性が高く、かつ、オゾンの発生を抑えることができる帯電装置を安価に提供することができる。

0147

さらに、帯電装置12は、シールドケース34の開口部の幅方向に移動する被帯電物(または被帯電面)を帯電させる場合に、好ましく用いることができる。突起部を有する従来の帯電装置、および特許文献5に記載の帯電装置57では、幅方向に被帯電物が移動しても、隣接する突起部の中間の位置では常にイオン流の密度が低いので、被帯電物には、帯電電位の低い線上の箇所ができてしまう。

0148

帯電装置12によれば、被帯電物が移動することによって、突起部40の配列方向のいずれの部分においても、被帯電物には均一な密度のイオン流が照射できるので、帯電ムラをより一層抑えることができる。

0149

帯電装置12は、感光体ドラム11を帯電させる装置以外としても使用することができる。たとえば、画像形成装置1に用いられる他の帯電装置である、1次転写前帯電部16および2次転写前帯電部32は、移動する被帯電物を帯電させるものであるので、帯電装置12を好ましく用いることができる。

0150

次に、本発明に係る帯電装置の第2実施形態である帯電装置42aについて説明する。図5は、帯電装置42aの構成を示す図である。図5(a)は、帯電装置42aの正面図である。ただし、シールドケース43の、紙面に平行な壁部は省略している。図5(b)は、帯電装置42aの底面図である。ただし、シールドケース43の、紙面に平行な壁部である底壁部は省略している。図5(c)は、帯電装置42aの右側面図である。

0151

帯電装置42aは、第1電極および第2電極が、シールドケースとは別体として設けられた帯電装置であり、放電素子35と、シールドケース43と、第1電極101と、第2電極201とを備える。

0152

放電素子35は、複数の突起部40(各突起部40をそれぞれ区別する場合は、参照符号の末尾にアルファベットを付す)が一体となっている鋸歯状の放電電極が、樹脂等の絶縁性ホルダに貼り付けられて形成される。放電電極は、図示しない高圧電源と接続される。放電電極は、複数の突起部40が一方向に配列される。放電素子35は、後述するシールドケース43の内部空間の中央に配置される。

0153

放電電極は、高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1の突起部40においてコロナ放電を生じる。高圧電源からの印加電圧は、被帯電物をいずれの極性で帯電させるかによって異なるけれども、印加電圧の絶対値としては、4kV〜10kVの範囲内に制御される。また、放電素子35と帯電装置42aの他の部材との距離によっても、必要な印加電圧は異なるけれども、トランスコストの観点および安全性の観点から最大値(絶対値)は10kV以下とすることが好ましい。

0154

放電電極は、ステンレス材からなり、エッチングによって、突起部40先端の曲率が10μm〜30μm程度の尖りになるように形成される。なお、放電電極の材料としては、ステンレスに限らず、インコネル、タングステン、銅、鉄などを用いることができる。さらに、放電電極の表面には、ニッケル、クロム、金、もしくは白金めっき、またはニッケルを下地にした金めっき(Ni−Auめっき)などの加工を施しても良い。

0155

放電電極の厚さL1は0.05mm〜0.2mmの範囲内で、突起部40の突出方向(突起部40から後述するシールドケース43の開口に向かう方向)の長さh1は、1mm〜4mmの範囲内で、突起部40の配列方向における幅w1は0.5mm〜2mmの範囲内で、それぞれ適宜設定することができる。厚さL1、長さh1、および幅w1のいずれについても、この範囲よりも小さ過ぎる場合は放電電極の強度が低下して好ましくなく、大き過ぎる場合は突起部40先端の尖りが鈍くてコロナ放電が安定しなくなるので好ましくない。

0156

放電電極の突起部40のピッチPは、1mm〜8mmの範囲内で設定できる。ピッチPが小さ過ぎると、コロナ放電を生じる突起部40と、生じない突起部40とが現われる場合があり、後述するイオン流変更手段によっても、帯電ムラを抑えることが難しくなるので、好ましくない。また、ピッチPが大き過ぎると、帯電ムラが生じやすくなるので、好ましくない。

0157

シールドケース43は、被帯電物に臨む壁部に開口部を有する箱状部材である。シールドケース43は、内部空間を有し、当該内部空間に放電素子35が設けられる。シールドケース43は、長手方向に直交する断面形状が略コの字状となる。

0158

シールドケース43には、鉄にニッケルめっきを施したものを使用できる。シールドケース43の開口部の幅は、8mm〜30mmの範囲内で適宜設定することができる。また、シールドケースの厚さL2は、0.5mm〜2mmの範囲内で適宜設定できる。

0159

シールドケース43は、接地されるか、または図示しない電源と接続される。電源と接続される場合、シールドケース43には、放電電極に印加される電圧とは同極性の電圧が印加される。この電圧の絶対値は、0kv〜1kVの範囲内である。

0160

帯電装置42aは、コロトロン式の帯電装置であってもよく、スコロトロン式の帯電装置であってもよい。帯電装置42aがスコロトロン式の帯電装置である場合、上記の構成に加え、放電素子35と被帯電物との間に薄板状の金属からなるグリッド電極が設けられる。グリッド電極は、2mm〜7mmの範囲内で、放電電極の突起部40から離隔して設けられ、たとえば4mm離隔して設けられる。

0161

グリッド電極は、厚み方向に貫通するように形成される複数の貫通孔を有し、バイアス電源と接続される。グリッド電極には、バイアス電源から、放電電極に印加される電圧とは同極性の電圧が印加される。この電圧の絶対値は、300V〜1kVの範囲内である。

0162

帯電装置12と同様に、帯電装置42aは、各突起部40に対応する第1電極101および第2電極201を備える。各第1電極101をそれぞれ区別する場合には、対応する突起部40の参照符号に付したアルファベットと同一のアルファベットを参照符号の末尾に付して表し、総称する場合にはアルファベットを付さないこととする。第2電極201についても同様とする。

0163

第1電極101および第2電極201は、コロナ放電の際に、放電電極の突起部40から発生するイオン流を偏向させるイオン流偏向手段として設けられる。第1電極101は、放電素子35を挟む2つの空間のうちの一方の空間において、イオン流を、突起部40の配列方向の一方側へと偏向させる。第2電極201は、放電素子35を挟む2つの空間のうちの他方の空間において、イオン流を、突起部40の配列方向の他方側へと偏向させる。

0164

帯電装置12と同様に、第1電極101および第2電極201は、対応する突起部40の先端と、当該突起部40と当該突起部40に隣接する他の突起部40との中間位置と、の間に設けられる。すなわち、図5(c)に示すように、第2電極201の中心点を通り前記仮想平面に垂直な平面H’2は、対応する突起部40と、対応する突起部40に隣接する他の突起部40との中間位置を通り前記仮想平面に垂直な平面M’2と、対応する突起部40を通り前記仮想平面に垂直な平面L’との間にある。なお、図5(c)において、突起部40の配列方向他方側は、突起部40bに対する突起部40a側としている。

0165

言い換えると、平面L’と平面H’2との距離x’2は、ピッチPに対して、0<x’2<P/2の関係を満足する。より好ましくは、P/4<x’2<P/2であり、さらに好ましくは、11P/40<x’2<9P/20である。

0166

第2電極201と同様に、第1電極101の中心点を通り前記仮想平面に垂直な平面H’1と、対応する突起部40を通り前記仮想平面に垂直な平面L’との距離x’1は、0<x’1<P/2の関係を満足し、より好ましくは、P/4<x’1<P/2であり、さらに好ましくは、11P/40<x’1<9P/20である。

0167

各第1電極101および各第2電極201は、上述した位置関係を満足すれば、それぞれの形状が多少異なっていても構わないけれども、各突起部40から発生するイオン流を等しく偏向させるために、同一の形状に設計されることが好ましい。本実施形態では、対応する第1電極101と第2電極201とは、同一の形状である。また、各第1電極101同士および各第2電極201同士も、同一の形状である。

0168

帯電装置12と異なり、本実施形態では、第1電極101は、シールドケース43の上壁部と放電素子35との間に設けられる。詳細には、第1電極101は、イオン流制御機能を有するイオン流制御部と支持部とからなり、当該支持部が電極支持体44aによって支持されることで、シールドケース43の上壁部と放電素子35とによって挟まれる空間内に固定される。同様に、第2電極201は、支持部が電極支持体44aによって支持されることで、シールドケース43の底壁部と放電素子35とによって挟まれる空間内に固定される。

0169

第1電極101および第2電極201には、任意の電位を付与可能な導体を使用でき、導体としては、たとえば、ステンレス、めっき加工(酸化防止のためのニッケルめっきなど)を施した鉄、銅板、導電性の添加剤などを混合した樹脂やフィルムなどが挙げられる。

0170

第1電極101は、比較的幅の広い略矩形状のイオン流制御部と、比較的幅の狭い支持部とからなる。第1電極101は、イオン流制御部において、放電電極の突起部40から発生するイオン流を制御する。イオン流制御部の形状は、突起部40から発生したイオン流を偏向できるような形状であれば矩形状に限られず、たとえば楕円形状であってもよい。第2電極201についても同様である。

0171

支持部は、第1電極101を固定するための部分であり、イオン流に影響を及ぼさないように、幅を狭く設計される。また、第1電極101の、突起部40先端近傍の幅を狭くすることによって、シールドケース43の作用が有効となり、コロナ放電が安定化する。各第1電極101の支持部は、イオン流制御部とは反対側の端において一体となっていてもよく、それぞれが分離していてもよい。第2電極201についても同様である。

0172

電極支持体44aには、絶縁性の樹脂を使用でき、たとえば、ポリカーボネート樹脂ABS樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン重合合成樹脂)などが挙げられる。

0173

電極支持体44aは、コロナ放電の際にその表面が帯電しないように、突起部40の突出方向において、突起部40の先端よりもシールドケース43の開口から遠い位置において、第1電極101および第2電極201を担持することが好ましい。

0174

また、電極支持体44aは、支持部を挟むことによって、第1電極101および第2電極201を担持し、シールドケース43の左壁部に固定する。これによって、第1電極101および第2電極201は、シールドケース43および放電素子35と導通しないように、両面テープ接着剤などで固定される。第1電極101および第2電極201の固定の方法はこれに限られない。

0175

異なる固定の方法の具体例として、本発明に係る帯電装置の第3実施形態である帯電装置42bについて説明する。図6は、帯電装置42bの正面図である。帯電装置42bは、帯電装置42aにおいて、電極支持体44aの代わりに電極支持体44bを用いたものであり、他の部材は同一である。

0176

帯電装置42bでは、第1電極101および第2電極201を、電極支持体44bにねじ固定などして、電極支持体44bをシールドケース43の上壁部および底壁部に固定している。この場合も、電極支持体44bの帯電を防ぐために、突起部40の突出方向において、突起部40の先端よりもシールドケース43の開口から遠い位置において、第1電極101および第2電極201を担持することが好ましい。

0177

イオン流制御部の幅w3は、ピッチPの半分程度であり、たとえば、2mmとすることができる。支持部の幅w4は、強度が保たれる範囲内で小さくすることができ、たとえば1mmとすることができる。また、第1電極101および第2電極201の厚さL3は、0.1〜1mmの範囲内であり、たとえば、0.5mmとすることができる。

0178

イオン流制御部の、突起部40の突出方向の長さh3は、放電ギャップ(コロトロン式の帯電装置である場合は突起部40からシールドケース34の開口までの距離、スコロトロン式の帯電装置である場合は突起部40からグリッド電極までの距離)と略同一であり、2mm〜7mmである。すなわち、突起部40の突出方向における、突起部40と第1電極101との距離g2は、ほぼ0であり、範囲としては0mm〜1mmである。突起部40の突出方向における、突起部40と第2電極201との距離についても同様である。第1電極101および第2電極201の、突起部40の突出方向の長さh4は、シールドケース43の、突起部40の突出方向の長さと略同一であり、たとえば14mmとすることができる。

0179

シールドケース43の開口部の幅方向における、突起部40と第1電極101との距離d3と、突起部40と第2電極201との距離d4とは同一であることが好ましい。距離d3,d4は、シールドケース43の開口部の幅より1〜2mm小さく、好適な範囲は3mm〜14mmであり、たとえば、d3=d4=6mmとすることができる。

0180

第1電極101および第2電極201は、第1電極100および第2電極200と同様に、導体板にプレス打ち抜き、レーザ加工、エッチング加工などを施して形成することができる。

0181

以上のような第1電極101および第2電極201を備える帯電装置42a,42bによれば、被帯電物上の、隣接する2つの突起部40の中間位置に対向する位置においては、当該2つの突起部40からの、比較的均一な密度のイオン流が衝突する。すなわち、第1電極101および第2電極202が、イオン流偏向手段として機能し、突起部40から被帯電物に向かうイオン流を制御することによって、隣接する突起部40の中間位置におけるイオン流同士の反発によるイオン流の境界部を斜めに形成することで、被帯電物進行方向のイオン流密度の低下領域の発生を抑え、被帯電物上の、当該中間位置に対向する位置においても、イオン流密度を下げることなく帯電を行うことができるようになる。これによって、帯電装置42a,42bの、突起部40の配列方向における帯電均一性が向上する。

0182

すべてのイオン流を等しく偏向させるためには、第1電極101および第2電極201は、当該第1電極101および当該第2電極201に対応する突起部40の先端を中心として回転対称な位置に設けられ、第1電極101、第2電極201、ならびに当該第1電極101および当該第2電極201に対応する突起部40の位置関係は、いずれの突起部40についても等しくすることが好ましい。

0183

また、帯電装置42a,42bは、鋸歯状の放電電極を備える。上述したように、鋸歯状の放電電極を備える帯電装置は、オゾンの発生を抑えることができる反面、帯電ムラが生じやすいという欠点がある。帯電装置42a,42bは、突起部40の配列方向における帯電ムラを抑えることができるので、帯電装置42a,42bの放電電極として、鋸歯状の放電電極または楔状の電極を用いることで、帯電均一性が高く、かつ、オゾンの発生を抑えることができる帯電装置を安価に提供することができる。

0184

さらに、帯電装置42a,42bは、シールドケース43の開口部の幅方向に移動する被帯電物(または被帯電面)を帯電させる場合に、好ましく用いることができる。たとえば、帯電装置42a,42bは、帯電装置12の代わりに、また、1次転写前帯電部16および2次転写前帯電部32として、好ましく用いることができる。

0185

また、帯電装置42a,42bによれば、シールドケース43と第1電極101および第2電極201とが導通していないので、それぞれに異なる電圧を印加することができる。これによって、使用状況に応じてイオン流の偏向状態を変化させることが可能となり、より厳密にイオン流を制御することができる。したがって、突起部40からのコロナ放電を安定化させながら、イオン流を充分に偏向させることができる。このとき、イオン流を略楕円形状に偏向させるように、第1電極101に印加する電圧と、第2電極201に印加する電圧とを等しくすることが好ましい。

0186

他の実施形態として、シールドケース43と第1電極101および第2電極201とが導通していてもよい。これらが導通する場合は、シールドケース43と第1電極101との距離、およびシールドケース43と第2電極201との距離をある程度大きく(1〜2mm程度)採ることが好ましい。これによって、第1電極101および第2電極201近傍の電界の曲がりを大きくすることができるので、イオン流を偏向させる作用を大きくすることができる。

0187

次に、本発明に係る帯電装置の第4実施形態である帯電装置45a、第5実施形態である帯電装置45b、および第6実施形態である帯電装置47について説明する。図7Aは、帯電装置45aおよび帯電装置45bの構成を示す図である。図7A(a)は、帯電装置45aの正面図である。ただし、シールドケース34の、紙面に平行な壁部は省略している。図7A(b)は、帯電装置45aの底面図である。ただし、シールドケース34の、紙面に平行な壁部である底壁部は省略している。図7A(c)は、帯電装置45bの正面図である。ただし、シールドケース34の、紙面に平行な壁部は省略している。図7A(d)は、帯電装置45bの底面図である。ただし、シールドケース34の、紙面に平行な壁部である底壁部は省略している。図7Aおよび後述する図7Bでは、後述する内壁部材46,48を斜線部で示している。

0188

図7Bは、帯電装置47の構成を示す図である。図7B(a)は、帯電装置47の正面図である。ただし、シールドケース43の、紙面に平行な壁部は省略している。図7B(b)は、帯電装置47の底面図である。ただし、シールドケース43の、紙面に平行な壁部である底壁部は省略している。

0189

帯電装置45aは、帯電装置12の、第1電極100の放電電極に臨む面、および第2電極200の放電電極に臨む面に、半導電性の内壁部材46が設けられたものである。

0190

帯電装置45bは、帯電装置12の変形例である帯電装置の、第1電極100の放電電極に臨む面、および第2電極200の放電電極に臨む面に、半導電性の内壁部材46が設けられたものである。ここで、帯電装置12の変形例とは、シールドケース34のアーチ状の切欠きを凸字状の切欠きとして、切欠き残存部が、シールドケース34の開口に近い位置にある比較的幅の広い部分と、開口から遠い位置にある比較的幅の狭い部分とからなるように設計したものである。この帯電装置は、突起部40近傍においてはシールドケース34の上壁部34aおよび底壁部34bの幅が狭くなっており、開口近傍においては幅が広くなっているので、帯電装置12よりも、イオン流を偏向させる作用が大きい。

0191

帯電装置45a,45bにおいて、内壁部材46は、第1電極100および第2電極200だけでなく、第1電極100および第2電極200の切欠きを覆うように設けられる。よって、帯電装置45a,45bでは、シールドケース34と内壁部材46とによって、シールド機能が発揮される。したがって、帯電装置12の変形例のように、シールドケース34の切欠きが大きくて外部からの粉塵の流入、および内部からの放電漏れが懸念される帯電装置であっても、ある程度のシールド機能と防塵機能とを発揮することができる。また、切欠きを覆うように内壁部材46を設けることによって、帯電装置45a,45bの強度の向上を図ることができる。また、帯電装置45a,45bは、第1電極100および第2電極200のみを覆うように内壁部材46を設けるよりも、容易に製造することができる。

0192

帯電装置47は、帯電装置42aの、第1電極101の放電電極に臨む面、および第2電極201の放電電極に臨む面に、半導電性の内壁部材48が設けられたものである。帯電装置47において、内壁部材48は、第1電極101および第2電極201にのみ設けられる。

0193

内壁部材46,48は、半導電性の材料からなる。半導電性の材料としては、ポリイミドフィルムにカーボン分散させたフィルム状部材、ABS樹脂にカーボンを分散させた樹脂板などを用いることができる。内壁部材の厚さは、数μm〜1mm程度とすることが好ましい。

0194

シールドケース34、ならびに第1電極100,101および第2電極200,201流れ込む放電電流は、被帯電物の帯電には寄与しないものである。そこで、これらの放電電流を被帯電物側(またはグリッド電極側)に向けることが好ましい。帯電装置45a,45b,47は、内壁部材46,48によってこれを可能とする。

0195

すなわち、内壁部材46,48が半導電性を有するので、第1電極100,101および第2電極200,201に流れ込む放電電流は減少する。帯電に寄与しない放電電流量が減少すると、その分、被帯電物側(またはグリッド電極側)に流れ込む放電電流量は増加する。

0196

よって、帯電装置45a,45b,47は、被帯電物を所定の電位に帯電させるための放電電流量の総量を削減することができる。したがって、帯電装置45a,45b,47は、放電電流量の総量を削減することで、オゾンの発生量を減少させることができ、かつ、被帯電物を充分に帯電させることができる。

0197

しかしながら、設けられる内壁部材46,48の体積抵抗率ρおよび厚さtによっては、放電が不安定となる場合がある。詳細には、内壁部材46,48の厚み方向の抵抗値は厚さtと体抵抗率ρとの積であるρ×tに比例するので、厚さtが大き過ぎたり、体積抵抗率ρが大き過ぎたりすると、内壁部材46,48の厚み方向の抵抗値が非常に大きくなり、内壁部材46,48に放電電流が流れず、帯電してしまう。このとき、放電電極に印加される電圧と同等の電圧にまで、内壁部材46,48が帯電する場合もあり、安定して放電させることが難しくなる。

0198

また、内壁部材46,48の面方向の抵抗値が比較的小さいと、放電の際に、厚み方向だけなく、面方向にも電流が流れ、第1電極100,101および第2電極200,201によるイオン流の偏向作用が減少してしまう場合がある。内壁部材46,48の面方向の抵抗値は体積抵抗率ρを厚さtで除した値であるρ/tに比例するので、ρが小さすぎたり、厚さtが大き過ぎたりすることは好ましくない。

0199

したがって、これらの点を考慮して、内壁部材46,48の体積抵抗率ρ、厚さtを決定する必要がある。

0200

そこで、任意の内壁部材46を貼り付けた帯電装置45aを用いて帯電させたときの感光体ドラム11の表面電位を、表面電位計38および表面電位プローブ37によって観測して、表面電位の帯電均一性および放電安定性を評価し、これらの値を決定した。

0201

詳細には、ピッチP=4mm、厚さL1=0.1mm、幅w1=1mm、長さh1=2mmの放電電極を備える放電素子35と、開口部の幅が14mm、厚さL2=0.8mmのシールドケース34と、幅w2=2mm、長さh2=4mmの第1電極100および第2電極200とが設けられ、距離g1=0mm、距離x1=x2=1.8mm、距離d1=d2=7mmと設定された帯電装置45aを用いた。

0202

また、内壁部材46としては、ポリイミドフィルムにカーボンを分散させた厚さ100μmのフィルムAおよび厚さ20μmのフィルムB、ならびにABS樹脂にカーボンを分散させた厚さ1mmの樹脂板Cを用い、フィルムA、フィルムB、樹脂板Cのそれぞれにおいて、いくつかの体積抵抗率ρを試した。それぞれの体積抵抗率ρは、分散するカーボンの添加量を適宜変更して調整した。

0203

また、放電条件は、放電電流量の総量が、300μAとなるように、定電流制御を行うこととした。

0204

このときの体積抵抗率ρ,厚さt、および評価結果を表1に示す。
放電安定性および帯電均一性の評価は、画像上に濃度ムラとして現れるような帯電電位変動優劣判断基準にし、評価「◎」が非常に優れている状態を示し、評価「○」が実用状問題ない状態を示し、評価「△」が実用上やや問題がある状態を示し、評価「×」が著しく劣悪な状態を示す。なお、帯電均一性において、「−」となっているのは、放電が安定せず、均一性の評価ができなかったことを示す。

0205

放電安定性および帯電均一性ともに「◎」のものが総合評価「◎」であり、いずれも「○」よりよい評価で、かつ、総合評価「◎」に該当しないものが総合評価「○」であり、いずれも「△」よりよい評価で、かつ、総合評価「◎」または「○」に該当しないものが総合評価「△」であり、いずれか一方でも「×」がある場合は、総合評価「×」である。

0206

0207

上述したように、放電安定性は、内壁部材46の厚み方向の抵抗値に依存する。厚み方向の抵抗値は、体積抵抗率ρと厚さtとの積である、ρ×tに比例する。表1の放電安定性の評価結果から、いずれの内壁部材46を用いた場合であっても、ρ[Ω・cm]×t[μm]が2.4×1012以下であると、放電安定性が良い(評価が「○」以上となる)ことがわかる。

0208

また、上述したように、帯電均一性は、内壁部材46の面方向の抵抗値に依存する。面方向の抵抗値は、体積抵抗率ρを厚さtで除した値である、ρ/tに比例する。表1の帯電均一性の評価結果から、いずれの内壁部材46を用いた場合であっても、帯電均一性の評価ができる程度に放電が安定していれば、ρ[Ω・cm]/t[μm]が1.1×105以上であると、帯電均一性が良い(評価が「○」以上となる)ことがわかる。

0209

この結果から、体積抵抗率をρ[Ω・cm]、厚さをt[μm]とするとき、下記式(1),(2)を満足する内壁部材46,48を設けることで、放電安定性および帯電均一性がより優れた帯電装置となることがわかる。
ρ×t≦2×1012 …(1)
ρ/t≧2×105 …(2)

0210

ここで式(1)の根拠について考察する。本実施形態では、放電電流の総量は、300μAである。したがって、放電素子35の長手方向の長さが約30cm(A3サイズ相当)の場合、第1電極100の単位長さ(1cm)当たりに流れる電流は、
300[μA]÷(30[cm]×2(両側))=5[μA/cm]
となる。

0211

単位長さ当たりの面積を1cm2と近似すると、その部分に流れる電流によって内壁部材46で生じる電圧降下は、
単位面積当たりの電流I(A)×単位面積抵抗R(Ω)
となる。

0212

ここでρ×t値とRの関係は、
R=ρ[Ω・cm]×t[μm]÷単位面積[1/cm2]=10−4ρ×t
となり、式(1)の、ρ×t≦2×1012を当てはめると、
内壁部材46による電圧降下≦5×10−6(A)×10−4×2×1012=1000V
となり、内壁部材46における電位変動が1000V以下になるように設定することで、放電の安定性を維持できることを意味すると思われる。

0213

また放電の不安定性相関が高い特性として、各放電電極の放電開始電圧のばらつきが考えられる。本実施形態における鋸歯状または楔状の放電電極においては、放電開始電圧のばらつきは500V〜1000V程度となる場合がある。これは前述の内壁部材46での電位変動分と近い変動であり、式(1)の根拠の一つと考えられる。

0214

また、厚さtが大きい場合、厚さtの局所的なばらつきの幅も大きくなり、内壁部材46,48の厚み方向および面方向の抵抗値にばらつきが生じるので、放電安定性および帯電均一性の点から好ましくない。表1中の厚み1mmの条件での結果からわかるように、内壁部材が厚くなると体積抵抗の適正範囲が狭くなり、内壁部材の品質ばらつきの影響を受けやすくなり、抵抗範囲管理が厳しくなることでコストが上がるといった不具合も懸念される。よって、内壁部材46,48としてはフィルム状の薄いものが好ましい。

0215

厚さtは、厚さt自身のばらつき、および内壁部材46,48を貼り付けた際のばらつきが存在しても、放電安定性および帯電均一性に悪影響を及ぼさないように、第1電極100,101から放電電極までの距離の10分の1以下であることが好ましい。厚さtがこの程度である場合、貼り付けの自由度が高く、様々な第1電極100,101および第2電極200,201に貼り付けられるという利点もある。さらに、厚さtが小さいので、内壁部材46,48の面方向の抵抗値を大きく設定しやすいという利点もある。

0216

次に、本発明に係る帯電装置の第6実施形態について説明する。本実施形態の帯電装置は、放電素子35の代わりに放電素子49が設けられること以外は、第1〜第5実施形態の帯電装置と同様である。したがって、放電素子49についてのみ説明し、シールドケース、第1電極および第2電極、ならびに内壁部材についての説明は省略する。

0217

図8は、放電素子49の構成を示す図である。図8(a)は、放電素子49の斜視図である。図8(b)は、放電素子49の模式図である。図8(b)において、電気抵抗体は記号で表している。

0218

放電素子49は、複数の突起部それぞれが分離して一方向に配列される、複数の楔状の電極からなる放電電極50と、共通電極51と、電気抵抗体52と、基板53とを備える。基板53は、ガラスエポキシからなり、基板53上に、放電電極50と、共通電極51と、複数の電気抵抗体52とが配列される。放電電極50は、異方性導電膜(ACF)を用いて、熱圧着によって、基板53上に固定される。

0219

放電電極50は、高圧電源から電圧が印加されることによって少なくとも1の楔状の電極の突起部においてコロナ放電を生じる。高圧電源からの印加電圧は、被帯電物をいずれの極性で帯電させるかによって異なるけれども、印加電圧の絶対値としては、4kV〜10kVの範囲内に制御される。また、放電素子49と帯電装置の他の部材との距離によっても、必要な印加電圧は異なるけれども、トランスコストの観点および安全性の観点から最大値(絶対値)は10kV以下とすることが好ましい。

0220

放電電極50は、ステンレス材からなり、エッチングによって、突起部先端の曲率が10μm〜30μm程度の尖りになるように形成される。なお、放電電極50の材料としては、ステンレスに限らず、インコネル、タングステン、銅、鉄などを用いることができる。さらに、放電電極の表面には、ニッケル、クロム、金、もしくは白金めっき、またはニッケルを下地にした金めっき(Ni−Auめっき)などの加工を施しても良い。

0221

放電電極50の厚さは0.05mm〜0.2mmの範囲内で、放電電極50の突出方向(突起部からシールドケースの開口に向かう方向)の長さは、1mm〜4mmの範囲内で、放電電極50の配列方向における楔状の電極の幅は0.5mm〜2mmの範囲内で、それぞれ適宜設定することができる。放電電極50の厚さ、長さ、および楔状の電極の幅のいずれについても、この範囲よりも小さ過ぎる場合は放電電極50の強度が低下して好ましくなく、大き過ぎる場合は突起部先端の尖りが鈍くてコロナ放電が安定しなくなるので好ましくない。

0222

楔状の電極のピッチPは、1mm〜8mmの範囲内で設定できる。ピッチPが小さ過ぎると、コロナ放電を生じる楔状の電極と、生じない楔状の電極とが現われる場合があり、イオン流偏向手段によっても、帯電ムラを抑えることが難しくなるので、好ましくない。また、ピッチPが大き過ぎても、イオン流偏向の作用でも十分な均一化を行うことが難しくなり、帯電ムラが生じやすくなり、好ましくない。

0223

共通電極51は、高圧電源と接続される。共通電極51には放電電極と同じステンレス材を用いることができる。

0224

電気抵抗体52は、各楔状の電極と共通電極51とを接続するものである。これによって、高圧電源と放電電極50とが電気的に接続される。電気抵抗体52は、たとえばチップ抵抗として、基板53上に半田付けによって固定することができる。また、電気抵抗体52として、半導電のフィルム、セラミック抵抗体などを用いることもできる。電気抵抗体52の抵抗値は、250MΩ〜2GΩであり、好ましくは500MΩ〜1GΩである。

0225

以下に、放電素子49によって、帯電均一性を維持したまま帯電効率を向上することができることを説明する。ここで、帯電効率とは、被帯電物の帯電に用いられた電流量を、放電電流量の総量で除した値である。

0226

一般の帯電装置は、放電ギャップを小さくすることで、被帯電物の帯電効率を向上させることができる。しかしながら、従来の帯電装置(第1電極および第2電極を備えず、鋸歯状の放電電極を備える装置)では、放電ギャップを小さくし過ぎると、放電電極から、空気絶縁破壊によって被帯電物またはグリッド電極に対して電流が流れる、所謂リークが発生する危険性がある。これに対し、放電素子49は、電気抵抗体52が過剰な放電電流を抑止するので、放電ギャップを小さくしてもリークが起こりにくいという利点がある。

0227

また、放電素子49は、複数の楔状の電極からなる放電電極50が、各電気抵抗体52を介して共通電極51に接続されるので、各楔状の電極からの放電電流のばらつきを抑制して、帯電均一性を高めることができるという利点もある。しかしながら、従来の帯電装置に、鋸歯状の放電電極の代わりに放電素子49を設けても、放電ギャップを小さくし過ぎた場合は、やはり帯電均一性が低下してしまう。

0228

これに対し、本実施形態は、第1電極および第2電極を備えるので、イオン流が偏向されて、帯電均一性が高くなる。よって、放電ギャップを小さくしても、充分な帯電均一性を維持することができる。したがって、本実施形態のように、第1電極および第2電極と、放電素子49を備える帯電装置であれば、放電ギャップが小さい場合であっても、帯電均一性が高く、リークも起こらない。これらを明示的に表したものが図9のグラフである。

0229

図9は、放電ギャップと帯電均一性および帯電電位との関係を表したグラフである。図9(a)は、放電ギャップと帯電均一性との関係を表し、縦軸上方は帯電均一性が高いことを、横軸右方は放電ギャップが小さいことを、それぞれ示す。図9(b)は、放電ギャップと被帯電物の帯電電位との関係を表し、縦軸上方は帯電電位が高いことを、横軸右方は放電ギャップが小さいことを、それぞれ示す。

0230

図9(a),図9(b)において、グラフbは従来の帯電装置(第1電極および第2電極を備えず、鋸歯状の放電電極を備える装置)を用い、放電電流の総量を比較的多量とした場合のグラフであり、グラフcは従来の帯電装置を用い、放電電流の総量を比較的中量とした場合のグラフであり、グラフdは従来の帯電装置を用い、放電電流の総量を比較的少量とした場合のグラフである。また、グラフeは、放電素子49を備えること以外は従来の装置と同じ帯電装置を用い、グラフdと同様に放電電流の総量を比較的少量とした場合のグラフである。また、グラフaは本実施形態の帯電装置を用い、グラフdと同様に放電電流の総量を比較的少量とした場合のグラフである。

0231

図9(a)は、従来の帯電装置の場合、放電電流量の総量の多少に関わらず、放電ギャップが小さくなるほど帯電均一性が低下し、特に放電電流量の総量が比較的少量であると帯電均一性が低いことを示している。また、従来の帯電装置に放電素子49を設けることで、放電電流量の総量が比較的少量であっても、帯電均一性が高くなることを示している。これらに対し、本実施形態の場合、放電電流量の総量が比較的少量であっても、放電ギャップの大小に関わらず、帯電均一性が高いことを示している。

0232

図9(b)は、従来の帯電装置の場合であっても、本実施形態であっても、放電ギャップが小さいほど、帯電電位が高くなる、すなわち、帯電効率が高くなることを示している。

0233

これらの結果から、本実施形態の帯電装置は、放電ギャップを小さくすることによって、高い帯電均一性を維持したまま、帯電効率を向上できることがわかる。

0234

したがって、本実施形態の帯電装置は、放電電流量の総量を増加させずに放電ギャップを小さくすることによって、より高速に被帯電物を帯電させることができる。また、放電電流量の総量を削減して放電ギャップを小さくすることによって、充分な帯電電位を維持しながら、オゾン発生量を減少させることができる。

0235

本発明に係る画像形成装置1は、本発明に係る帯電装置の第1〜第6実施形態のいずれかを備えるので、帯電均一性の高さに起因する高品位な画像を形成することができる。さらに、本発明に係る帯電装置は、帯電均一性が向上するため、放電ギャップを狭めることが可能となる。これによって、オゾン発生量を減少させることができ、また、装置をコンパクトにすることができる。

0236

最後に、本発明の範囲は、上述した実施形態の範囲ではなく、特許請求の範囲によって示される。上述した実施形態の説明はすべての点で例示であり、本発明の範囲は他のすべての実施形態を含むものである。すなわち、本発明は、上述した実施形態の一部または全部を、特許請求の範囲内および特許請求の範囲と均等の範囲内において変更した、すべての実施形態を含む。

0237

1画像形成装置
12,12y,12m,12c,12b,42a,42b,45a,45b,47帯電装置
34,43シールドケース
35,49放電素子
40突起部
46,48内壁部材
50放電電極
52電気抵抗体
100,100a、100b,101,101a,101b 第1電極
200,200a、200b,201,201a,201b 第2電極

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