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技術 送風機制御装置、送風機制御方法および送風機制御プログラム

出願人 富士通株式会社
発明者 新夕和弘山口敦古屋浩幸
出願日 2009年5月21日 (11年5ヶ月経過) 出願番号 2009-123500
公開日 2010年12月2日 (9年11ヶ月経過) 公開番号 2010-272704
状態 拒絶査定
技術分野 電気装置の冷却等 非容積形送風機の制御
主要キーワード 温度規格 送風機制御装置 熱流体シミュレーション 温度情報取得 事前作業 環境温度情報 システムインピーダンス 風量情報
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

複数の送風機を用いて機器内部の発熱体の冷却に必要な風量を確保する場合に、これら複数の送風機により発生する騒音をより確実に抑制すること。

解決手段

発熱体52a,52bの温度と、電子機器50内の管路抵抗と、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内である状態における各送風機3a,3b全体の静圧風量特性とによって求められる、発熱体52a,52bの冷却風量が得られ、送風機3a,3bの各々が所定の許容範囲内の回転数差となるように、温度センサ11a〜11cにより検出した温度に基づき、各送風機3a,3bの回転数を制御する。

概要

背景

従来、サーバ装置やPC(Personal Computer)等の電子機器には、プロセッサ等の発熱による機器内部の温度上昇を防ぐため、機器内部に空気を送り込んで熱を外部に放出させる送風機が搭載される場合がある。

送風機は、近傍で生じる空気の渦が原因となり騒音風切り音)を発生させる。送風機による騒音は、送風量に比例して増大するため、送風機の回転数を上げてより多くの送風量を得ようとした場合、それに伴い騒音も大きくなってしまう。具体的には、送風機による騒音は、送風機軸回転数の5〜6乗に比例することが知られている。

近年において、電子機器は、電算機室のような特別な場所だけではなく、一般のオフィス等にも設置されるようになってきており、低騒音化の意識が高まりつつある。そのため、送風機による騒音をいかに低減するかが重要な課題の一つとなっている。

送風機による騒音を低減する方法として、例えば、発熱体の温度や環境温度モニタリングし、これらの温度に応じて送風機の回転数を変化させることで、送風機による騒音が必要以上に大きくならないように制御する方法が知られている。なお、送風機の回転数制御は、電圧あるいはPWM(Pulse Width Modulation)のパルス幅PWM値)を変調することにより、送風機のモータへ供給するエネルギーコントロールすることで行なわれる。

一方、近年では、電子機器の小型化や薄型化に伴い、機器内部の通風路が削減される場合があり、小型の送風機しか設置できないケースが増えている。また、電子機器の高速化や高性能化に伴い、電子機器の発熱量は、年々増大する傾向にある。そこで、小型の送風機しか設置できない場合であっても、電子機器内部を十分に冷却できるように、複数の送風機を多段に重ねて用いるなどの工夫が行われている。

ここで、複数の送風機を多段に重ねた場合の例を図26に示す。図26は送風機が直列に2台設けられた電子機器の一例を示す図である。

図26に示すように、電子機器300の通風路310には、2台の送風機321a,321bが直列に設けられる。また、電子機器300は、送風機電源部330と、制御部340とを備える。送風機電源部330は、各送風機321a,321bに内蔵された図示しないモータへ電力を供給する電源である。制御部340は、温度センサ341a,341bにより検出した発熱体350a,350bの温度や温度センサ341cにより検出した環境温度に基づき、送風機321a,321bへ供給するエネルギー量を制御する。以下に、かかる制御部340の具体的構成を示す。図27は従来の制御部340の構成を示すブロック図である。

図27に示すように、制御部340は、温度センサ341a〜341cと、温度チェック部342a,342bと、回転数検出部343a,343bと、回転数エラーチェック部344と、パルスジェネレータ345とを備える。また、制御部340は、RAM(Random Access Memory)346と、ROM(Read Only Memory)347と、プロセッサ348とを備える。

温度センサ341a,341bは、電子機器300内部の発熱体350a,350bに取り付けられており、発熱体350a,350bの温度を検出する。また、温度センサ341cは、電子機器300外部に設置されており、送風機321a周辺の環境温度を検出する。温度チェック部342a,342bは、温度センサ341a,341bが検出した発熱体350a,350bの温度が目標温度からどの程度ずれているかをチェックし、該チェック結果を所定の変数としてプロセッサ348へ通知する。

回転数検出部343a,343bは、送風機321a,321bの回転数を検出する。回転数エラーチェック部344は、回転数検出部343a,343bが検出した各送風機321a,321bの回転数に基づき、送風機321a,321bが正常に回転しているか否か等のチェックを行い、該チェック結果をプロセッサ348へ通知する。パルスジェネレータ345は、各送風機321a,321bの回転数を制御するためのパルスを、プロセッサ348からの指示に応じたパルス幅で各送風機321a,321bに入力する。

ROM347は、発熱体350a,350bの温度に対応する所定の変数と各発熱体350a,350bに入力するパルスのPWM値とを対応付けたテーブルや環境温度とPWM値とを対応付けたテーブルを記憶する。プロセッサ348は、温度チェック部342a,342bから通知される所定の変数や温度センサ341cにより検出される温度に基づき、送風機321a,321bへ出力するパルス幅を決定する。具体的には、図27に示す通りである。図28は、従来におけるプロセッサ348の処理手順の一例を示すフローチャートである。

図28に示すように、プロセッサ348は、先ず、温度計測を行う(ステップS001)。すなわち、プロセッサ348は、温度センサ341a,341bにより検出された発熱体350a,350bの温度に対応する所定の変数を温度チェック部342a,342bから取得する。また、プロセッサ348は、温度センサ341aにより検出された環境温度を取得する。

続いて、プロセッサ348は、環境温度や発熱体350a,350bの温度の計測結果に基づき、パルスジェネレータ345へパルス幅の変調を指示する(ステップS002)。具体的には、プロセッサ348は、先ず、温度チェック部342a,342bから取得した所定の変数または温度センサ341cから取得した環境温度に対応するPWM値を、ROM347に記憶されたテーブルに基づき決定する。そして、プロセッサ348は、送風機321a,321bへ入力するパルスを、上記で決定したPWM値に変調するようパルスジェネレータ345へ指示する(ステップS002)。

そして、パルスジェネレータ345は、プロセッサ348からの指示に応じたPWM値のパルスを、送風機321a,321bのモータに入力する。その結果、送風機321a,321bの回転数は、環境温度や発熱体350a,350bの温度に応じた回転数に変更される。このように、従来のプロセッサ348は、環境温度や発熱体350a,350bの温度に基づきパルス幅を決定していた。なお、従来の制御部340は、回転数検出部343a,343bにより各送風機321a,321bの回転数を検出して、回転数エラーチェックを行う。具体的には、プロセッサ348は、回転数エラーチェック部344から取得した回転数エラーチェックの結果に基づき、送風機321a,321bが停止している旨のエラー報告を電子機器300に対して行う。

ところで、従来において、制御部340は、各送風機321a,321bに対して共通の制御を行っていた。ここで、以下において、外部から空気を取り込む側の送風機321aを前段送風機321aとし、電子機器300内部へ空気を送り出す側の送風機321bを後段送風機321bとする。

プロセッサ348は、図28のステップS002において、前段送風機321aおよび後段送風機321bに共通のパルス幅を決定し、パルスジェネレータ345に通知する。その結果、パルスジェネレータ345からは、図29に示すように、前段送風機321aおよび後段送風機321bに対して常に同一のエネルギーが供給されていた。

しかしながら、送風機321a,321bを多段に重ねて配置した場合、後段送風機321bが風を送り出す仕事量は、前段送風機321aにより発生した気流の影響により少なくなる。そのため、前段送風機321aへ供給するエネルギーと後段送風機321bへ供給するエネルギーとを同一とした場合、後段送風機321bが空回りして、後段送風機321bの回転数が増加してしまう。騒音は、回転数が最も高い送風機の影響を強く受けるため、後段送風機321bの回転数の増加は、騒音増加の大きな要因となる。

ここで、例えば、前段送風機321aの回転数と後段送風機321bの回転数とを異ならせる技術が知られている。具体的には、かかる従来技術では、後段送風機321bに入力するパルスのパルス幅が、前段送風機321aに入力するパルスのパルス幅よりも短くなるように制御する。なお、かかる場合、後段送風機321bの回転数を少なくすると、発熱体の冷却に必要な風量(必要風量)が得られないおそれがあるため、前段送風機321aの回転数を、各送風機321a,321bへ同一量のエネルギーを与える場合よりも増加させる必要がある。

概要

複数の送風機を用いて機器内部の発熱体の冷却に必要な風量を確保する場合に、これら複数の送風機により発生する騒音をより確実に抑制すること。発熱体52a,52bの温度と、電子機器50内の管路抵抗と、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内である状態における各送風機3a,3b全体の静圧風量特性とによって求められる、発熱体52a,52bの冷却風量が得られ、送風機3a,3bの各々が所定の許容範囲内の回転数差となるように、温度センサ11a〜11cにより検出した温度に基づき、各送風機3a,3bの回転数を制御する。

目的

開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の送風機を用いて機器内部の発熱体の冷却に必要な風量を確保する場合に、これら複数の送風機により発生する騒音をより確実に抑制することのできる送風機制御装置送風機制御方法および送風機制御プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

機器内に形成された通風路に対して直列に設けられた複数の送風機を制御する送風機制御装置であって、前記機器内部に設けられた発熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出した発熱体の温度と、前記機器内の管路抵抗と、各前記送風機の回転数差が所定の許容範囲内である状態における各前記送風機全体の静圧風量特性とによって求められる、前記発熱体の冷却風量が得られ、前記送風機の各々が前記所定の許容範囲内の回転数差となるように、各前記送風機の回転数を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする送風機制御装置。

請求項2

前記複数の送風機は、前記機器外部から空気を吸気する前段送風機と、該前段送風機により吸気された空気を前記機器内に排気する後段送風機とを含み、前記前段送風機の回転数を検出する前段回転数検出手段と、前記後段送風機の回転数を検出する後段回転数検出手段とをさらに備え、前記制御手段は、前記前段回転数検出手段により検出した前記前段送風機の回転数と前記後段回転数検出手段により検出した前記後段送風機の回転数との差が、前記所定の許容範囲外である場合、前記前段送風機の回転数と前記後段送風機の回転数とが前記所定の許容範囲内の回転数差となるように、前記後段送風機の回転数を変更することを特徴とする請求項1に記載の送風機制御装置。

請求項3

各前記送風機の回転数が前記所定の許容範囲内の回転数差の状態で前記冷却風量を得る場合における、各前記送風機に対する入力値を温度ごとに記憶する制御データ記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記温度検出手段により検出した温度に基づき、該温度に対応する各前記送風機に対する入力値を前記制御データ記憶手段からそれぞれ取得し、該取得した入力値を各前記送風機にそれぞれ入力することで各前記送風機の回転数を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の送風機制御装置。

請求項4

前記制御データ記憶手段は、前記後段送風機の回転数が前記前段送風機の回転数と前記所定の許容範囲内の回転数差となる場合における、前記後段送風機に対する入力値を回転数ごとにさらに記憶し、前記制御手段は、前記前段回転数検出手段により検出した前記前段送風機の回転数に基づき、該回転数に対応する前記後段送風機に対する入力値を前記制御データ記憶手段から取得し、該取得した入力値を前記後段送風機に入力することで該後段送風機の回転数を変更することを特徴とする請求項3に記載の送風機制御装置。

請求項5

前記制御データ記憶手段は、前記前段送風機および前記後段送風機に対する前記温度ごとの入力値をさらに管路抵抗ごとに記憶し、前記機器内の管路抵抗に関する情報を取得する機器状態得手段をさらに備え、前記制御手段は、前記機器状態取得手段により取得した前記機器内の管路抵抗と、前記温度検出手段により検出した温度とに基づき、該管路抵抗と該温度との組合せに対応する、前記前段送風機および前記後段送風機に対する入力値を前記制御データ記憶手段からそれぞれ取得し、該取得した入力値を前記前段送風機および前記後段送風機にそれぞれ入力することで各前記送風機の回転数を制御することを特徴とする請求項3または4に記載の送風機制御装置。

請求項6

機器内に形成された通風路に対して直列に設けられた複数の送風機を制御する送風機制御方法であって、前記機器内部に設けられた発熱体の温度を検出する温度検出ステップと、前記温度検出ステップにおいて検出した発熱体の温度と、前記機器内の管路抵抗と、各前記送風機の回転数差が所定の許容範囲内である状態における各前記送風機全体の静圧−風量特性とによって求められる、前記発熱体の冷却風量が得られ、前記送風機の各々が前記所定の許容範囲内の回転数差となるように、各前記送風機の回転数を制御する制御ステップとを含んだことを特徴とする送風機制御方法。

請求項7

機器内に形成された通風路に対して直列に設けられた複数の送風機を制御する送風機制御プログラムであって、前記機器内部に設けられた発熱体の温度を検出する温度検出手順と、前記温度検出手順により検出した発熱体の温度と、前記機器内の管路抵抗と、各前記送風機の回転数差が所定の許容範囲内である状態における各前記送風機全体の静圧−風量特性とによって求められる、前記発熱体の冷却風量が得られ、前記送風機の各々が前記所定の許容範囲内の回転数差となるように、各前記送風機の回転数を制御する制御手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする送風機制御プログラム。

技術分野

0001

本発明は、送風機制御装置送風機制御方法および送風機制御プログラムに関する。

背景技術

0002

従来、サーバ装置やPC(Personal Computer)等の電子機器には、プロセッサ等の発熱による機器内部の温度上昇を防ぐため、機器内部に空気を送り込んで熱を外部に放出させる送風機が搭載される場合がある。

0003

送風機は、近傍で生じる空気の渦が原因となり騒音風切り音)を発生させる。送風機による騒音は、送風量に比例して増大するため、送風機の回転数を上げてより多くの送風量を得ようとした場合、それに伴い騒音も大きくなってしまう。具体的には、送風機による騒音は、送風機軸回転数の5〜6乗に比例することが知られている。

0004

近年において、電子機器は、電算機室のような特別な場所だけではなく、一般のオフィス等にも設置されるようになってきており、低騒音化の意識が高まりつつある。そのため、送風機による騒音をいかに低減するかが重要な課題の一つとなっている。

0005

送風機による騒音を低減する方法として、例えば、発熱体の温度や環境温度モニタリングし、これらの温度に応じて送風機の回転数を変化させることで、送風機による騒音が必要以上に大きくならないように制御する方法が知られている。なお、送風機の回転数制御は、電圧あるいはPWM(Pulse Width Modulation)のパルス幅PWM値)を変調することにより、送風機のモータへ供給するエネルギーコントロールすることで行なわれる。

0006

一方、近年では、電子機器の小型化や薄型化に伴い、機器内部の通風路が削減される場合があり、小型の送風機しか設置できないケースが増えている。また、電子機器の高速化や高性能化に伴い、電子機器の発熱量は、年々増大する傾向にある。そこで、小型の送風機しか設置できない場合であっても、電子機器内部を十分に冷却できるように、複数の送風機を多段に重ねて用いるなどの工夫が行われている。

0007

ここで、複数の送風機を多段に重ねた場合の例を図26に示す。図26は送風機が直列に2台設けられた電子機器の一例を示す図である。

0008

図26に示すように、電子機器300の通風路310には、2台の送風機321a,321bが直列に設けられる。また、電子機器300は、送風機電源部330と、制御部340とを備える。送風機電源部330は、各送風機321a,321bに内蔵された図示しないモータへ電力を供給する電源である。制御部340は、温度センサ341a,341bにより検出した発熱体350a,350bの温度や温度センサ341cにより検出した環境温度に基づき、送風機321a,321bへ供給するエネルギー量を制御する。以下に、かかる制御部340の具体的構成を示す。図27は従来の制御部340の構成を示すブロック図である。

0009

図27に示すように、制御部340は、温度センサ341a〜341cと、温度チェック部342a,342bと、回転数検出部343a,343bと、回転数エラーチェック部344と、パルスジェネレータ345とを備える。また、制御部340は、RAM(Random Access Memory)346と、ROM(Read Only Memory)347と、プロセッサ348とを備える。

0010

温度センサ341a,341bは、電子機器300内部の発熱体350a,350bに取り付けられており、発熱体350a,350bの温度を検出する。また、温度センサ341cは、電子機器300外部に設置されており、送風機321a周辺の環境温度を検出する。温度チェック部342a,342bは、温度センサ341a,341bが検出した発熱体350a,350bの温度が目標温度からどの程度ずれているかをチェックし、該チェック結果を所定の変数としてプロセッサ348へ通知する。

0011

回転数検出部343a,343bは、送風機321a,321bの回転数を検出する。回転数エラーチェック部344は、回転数検出部343a,343bが検出した各送風機321a,321bの回転数に基づき、送風機321a,321bが正常に回転しているか否か等のチェックを行い、該チェック結果をプロセッサ348へ通知する。パルスジェネレータ345は、各送風機321a,321bの回転数を制御するためのパルスを、プロセッサ348からの指示に応じたパルス幅で各送風機321a,321bに入力する。

0012

ROM347は、発熱体350a,350bの温度に対応する所定の変数と各発熱体350a,350bに入力するパルスのPWM値とを対応付けたテーブルや環境温度とPWM値とを対応付けたテーブルを記憶する。プロセッサ348は、温度チェック部342a,342bから通知される所定の変数や温度センサ341cにより検出される温度に基づき、送風機321a,321bへ出力するパルス幅を決定する。具体的には、図27に示す通りである。図28は、従来におけるプロセッサ348の処理手順の一例を示すフローチャートである。

0013

図28に示すように、プロセッサ348は、先ず、温度計測を行う(ステップS001)。すなわち、プロセッサ348は、温度センサ341a,341bにより検出された発熱体350a,350bの温度に対応する所定の変数を温度チェック部342a,342bから取得する。また、プロセッサ348は、温度センサ341aにより検出された環境温度を取得する。

0014

続いて、プロセッサ348は、環境温度や発熱体350a,350bの温度の計測結果に基づき、パルスジェネレータ345へパルス幅の変調を指示する(ステップS002)。具体的には、プロセッサ348は、先ず、温度チェック部342a,342bから取得した所定の変数または温度センサ341cから取得した環境温度に対応するPWM値を、ROM347に記憶されたテーブルに基づき決定する。そして、プロセッサ348は、送風機321a,321bへ入力するパルスを、上記で決定したPWM値に変調するようパルスジェネレータ345へ指示する(ステップS002)。

0015

そして、パルスジェネレータ345は、プロセッサ348からの指示に応じたPWM値のパルスを、送風機321a,321bのモータに入力する。その結果、送風機321a,321bの回転数は、環境温度や発熱体350a,350bの温度に応じた回転数に変更される。このように、従来のプロセッサ348は、環境温度や発熱体350a,350bの温度に基づきパルス幅を決定していた。なお、従来の制御部340は、回転数検出部343a,343bにより各送風機321a,321bの回転数を検出して、回転数エラーチェックを行う。具体的には、プロセッサ348は、回転数エラーチェック部344から取得した回転数エラーチェックの結果に基づき、送風機321a,321bが停止している旨のエラー報告を電子機器300に対して行う。

0016

ところで、従来において、制御部340は、各送風機321a,321bに対して共通の制御を行っていた。ここで、以下において、外部から空気を取り込む側の送風機321aを前段送風機321aとし、電子機器300内部へ空気を送り出す側の送風機321bを後段送風機321bとする。

0017

プロセッサ348は、図28のステップS002において、前段送風機321aおよび後段送風機321bに共通のパルス幅を決定し、パルスジェネレータ345に通知する。その結果、パルスジェネレータ345からは、図29に示すように、前段送風機321aおよび後段送風機321bに対して常に同一のエネルギーが供給されていた。

0018

しかしながら、送風機321a,321bを多段に重ねて配置した場合、後段送風機321bが風を送り出す仕事量は、前段送風機321aにより発生した気流の影響により少なくなる。そのため、前段送風機321aへ供給するエネルギーと後段送風機321bへ供給するエネルギーとを同一とした場合、後段送風機321bが空回りして、後段送風機321bの回転数が増加してしまう。騒音は、回転数が最も高い送風機の影響を強く受けるため、後段送風機321bの回転数の増加は、騒音増加の大きな要因となる。

0019

ここで、例えば、前段送風機321aの回転数と後段送風機321bの回転数とを異ならせる技術が知られている。具体的には、かかる従来技術では、後段送風機321bに入力するパルスのパルス幅が、前段送風機321aに入力するパルスのパルス幅よりも短くなるように制御する。なお、かかる場合、後段送風機321bの回転数を少なくすると、発熱体の冷却に必要な風量(必要風量)が得られないおそれがあるため、前段送風機321aの回転数を、各送風機321a,321bへ同一量のエネルギーを与える場合よりも増加させる必要がある。

先行技術

0020

特開2004−179186号公報

発明が解決しようとする課題

0021

しかしながら、上述した従来技術は、電子機器300のシステムインピーダンス特性を考慮せずに、単純に前段送風機321aの回転数を増加させるため、各送風機321a,321bへ同一量のエネルギーを与える場合と比較して、逆に騒音が増加するおそれがある。システムインピーダンス特性とは、電子機器300を構成する各部品密集率や通風路の形状等から決定される圧力損失であり、その電子機器300に固有の特性である。

0022

すなわち、送風機321a,321bが発生させる騒音は、これら送風機321a,321bの特性や形状のみならず、送風機321a,321bを搭載する電子機器300の構成や該電子機器300内での送風機321a,321bの設置場所によっても変化する。そのため、単純に前段送風機321aの回転数を増加させた場合、設置場所等によっては、該前段送風機321aが発生させる騒音が、各送風機321a,321bへ同一量のエネルギーを与えた場合に後段送風機321bが発生させる騒音よりも大きくなるおそれがある。

0023

開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の送風機を用いて機器内部の発熱体の冷却に必要な風量を確保する場合に、これら複数の送風機により発生する騒音をより確実に抑制することのできる送風機制御装置、送風機制御方法および送風機制御プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0024

本願の開示する送風機制御装置は、一つの態様において、機器内に形成された通風路に対して直列に設けられた複数の送風機を制御する送風機制御装置であって、前記機器内部に設けられた発熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出した発熱体の温度と、前記機器内の管路抵抗と、各前記送風機の回転数差が所定の許容範囲内である状態における各前記送風機全体の静圧風量特性とによって求められる、前記発熱体の冷却風量が得られ、前記送風機の各々が前記所定の許容範囲内の回転数差となるように、各前記送風機の回転数を制御する制御手段とを備える。

発明の効果

0025

本願の開示する送風機制御装置、送風機制御方法および送風機制御プログラムの一つの態様によれば、複数の送風機により機器内部の発熱体の冷却に必要な風量を確保しつつ、これら複数の送風機により発生する騒音をより確実に抑制することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0026

図1は、実施例1にかかる送風機制御装置の構成を示すブロック図である。
図2は、実施例2にかかる電子機器の構成を説明するための図である。
図3は、実施例2にかかる送風機制御装置の構成を示すブロック図である。
図4は、実施例2にかかるプロセッサ及びROMの具体的構成を示すブロック図である。
図5は、機器状態管理テーブルの一例を示す図である。
図6は、実施例2にかかる制御データ記憶部に記憶される情報を説明するための図である。
図7−1は、発熱体温度用PWM値決定テーブルの一例を示す図である。
図7−2は、環境温度用PWM値決定テーブルの一例を示す図である。
図8は、前段送風機に供給されるエネルギーと後段送風機に供給されるエネルギーとが異なることを説明するための図である。
図9は、実施例2にかかるデータベース作成部の具体的構成を示すブロック図である。
図10は、発熱体温度用PWM値決定テーブルおよび環境温度用PWM値決定テーブルの作成手順の一例を示すフローチャートである。
図11は、実施例2にかかるプロセッサの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12は、実施例2の効果を説明するための図である。
図13は、実証実験にかかる測定条件を示す図である。
図14−1は、測定条件Aにおける前段回転数、後段回転数、装置騒音の測定結果を示したデータである。
図14−2は、測定条件Aにおける前段回転数、後段回転数、消費電力の測定結果を示したデータである。
図14−3は、測定条件Aにおける装置騒音の周波数分析の結果を示すデータである。
図15−1は、条件A−1の測定結果を示す図である。
図15−2は、条件A−2の測定結果を示す図である。
図15−3は、条件A−3の測定結果を示す図である。
図16−1は、条件B−1および条件B−2における前段平均回転数、後段平均回転数、装置騒音の測定結果を示したデータである。
図16−2は、条件B−1および条件B−2における前段平均回転数、後段平均回転数、消費電力の測定結果を示したデータである。
図16−3は、条件B−1および条件B−2における装置騒音の周波数分析の結果を示すデータである。
図17−1は、条件B−1の測定結果を示す図である。
図17−2は、条件B−2の測定結果を示す図である。
図18−1は、条件B−3および条件B−4における前段平均回転数、後段平均回転数、装置騒音の測定結果を示したデータである。
図18−2は、条件B−3および条件B−4における前段平均回転数、後段平均回転数、消費電力の測定結果を示したデータである。
図18−3は、条件B−3および条件B−4における装置騒音の周波数分析の結果を示すデータである。
図19−1は、条件B−3の測定結果を示す図である。
図19−2は、条件B−4の測定結果を示す図である。
図20は、送風機制御プログラムを実行するコンピュータを示す機能ブロック図である。
図21は、実施例3にかかる送風機制御装置の構成を示すブロック図である。
図22は、実施例3にかかるプロセッサ及びROMの具体的構成を示すブロック図である。
図23は、実施例3にかかる制御データ記憶部に記憶される情報を説明するための図である。
図24は、後段PWM値変更テーブルの一例を示す図である。
図25は、実施例3にかかるプロセッサの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図26は、送風機が直列に2台設けられた電子機器の一例を示す図である。
図27は、従来の制御部の構成を示すブロック図である。
図28は、従来におけるプロセッサの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図29は、前段送風機に供給されるエネルギーと後段送風機に供給されるエネルギーとが同一であることを説明するための図である。

0027

以下に、本願の開示する送風機制御装置、送風機制御方法および送風機制御プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。

0028

実施例1にかかる送風機制御装置について説明する。本実施例にかかる送風機制御装置は、機器内に形成された通風路に対して直列に設けられた複数の送風機を制御する制御装置である。

0029

複数の送風機は、機器内に設けられた発熱体に対して空気を送り込むことで該発熱体を強制空冷する。そして、送風機制御装置は、これら複数の送風機の回転数を制御する。図1は、実施例1にかかる送風機制御装置の構成を示すブロック図である。

0030

図1に示すように、本実施例にかかる送風機制御装置500は、温度検出部510と、制御部520とを備える。温度検出部510は、発熱体の温度を検出する。そして、制御部520は、温度検出部510により検出した温度に基づき、各送風機の回転数が一致した状態で、発熱体の冷却に必要な風量が得られるように、これら送風機の回転数を制御する。

0031

具体的には、本実施例にかかる制御部520は、発熱体の温度と、機器内の管路抵抗と、各送風機の回転数差が所定の許容範囲内である状態における各送風機全体の静圧−風量特性とによって求められる、発熱体を冷却するために必要な必要風量(冷却風量)が得られ、かつ、送風機の各々が所定の許容範囲内の回転数差となるように各送風機の回転数を制御する。このように制御することで、各送風機は、回転数差が所定の許容範囲内の状態、換言すれば、各送風機の回転数が所定の範囲内で一致した状態で回転して、発熱体の現在の温度に応じた必要風量を該発熱体に送り込む。

0032

このように、本実施例にかかる送風機制御装置500は、各送風機の回転数差を所定の許容範囲内とする、望ましくは、各送風機の回転数を一致させるため、回転数の最も高い送風機が発生させる余剰な騒音が原因となって送風機全体としての騒音が増加するといった事態を防止することができる。

0033

また、本実施例における必要風量は、発熱体の温度と、機器内の管路抵抗と、各送風機の回転数差が所定の許容範囲内である状態における各送風機全体の静圧−風量特性とを考慮して求められる。そのため、本実施例によれば、各送風機の回転数差を所定の許容範囲内とした状態において、発熱体を冷却するための適切な風量を、機器の構成や各送風機の機器内での設置場所によらず確保することができる。

0034

したがって、本実施例によれば、複数の送風機により機器内部の発熱体の冷却に必要な風量を確保しつつ、これら複数の送風機により発生する騒音をより確実に抑制することができる。

0035

以下に、実施例2にかかる送風機制御装置について説明する。本実施例にかかる送風機制御装置は、マウントラック型のサーバ装置や一般のPCなどの電子機器内に設けられた2台の送風機の回転数を制御する。先ず、本実施例にかかる送風機制御装置が設置される電子機器の構成について説明する。図2は、実施例2にかかる電子機器の構成を説明するための図である。

0036

図2に示すように、本実施例にかかる電子機器50は、該電子機器50内に形成された通風路51に、2台の送風機3a,3bと、プロセッサ等の発熱体52a,52bとを備える。

0037

送風機3a,3bは、同一形状及び同一特性を有する軸流ファンである。送風機3a,3bは、通風路51に対して直列に設けられており、送風機3aから送風機3bに向かう方向の気流を発生させることで、該気流の下流側に設けられた発熱体52a,52bを強制空冷する。ここで、以下において、送風機3a,3bのうち、電子機器50の外部から空気を吸気する送風機3aを前段送風機とし、該前段送風機3aにより吸気された空気を電子機器50内に排気する送風機3bを後段送風機とする。

0038

また、電子機器50は、通風路51外に送風機制御装置1と送風機電源部2とを備える。送風機電源部2は、各送風機3a,3bに内蔵された図示しないモータへ電力を供給する電源である。すなわち、各送風機3a,3bは、送風機電源部2から電力が供給されると、モータが回転し、さらに、該モータに取り付けられた翼が該モータの回転に伴い回転することで、発熱体52a,52bへ向かう気流を発生させる。

0039

送風機制御装置1は、温度センサ11a〜11cを用いて、発熱体52a,52bの温度や電子機器50外部の温度(環境温度)を検出する。そして、送風機制御装置1は、温度センサ11a〜11cにより検出した温度に基づき、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内の状態で、発熱体52a,52bの冷却に必要な風量が得られるように、各送風機3a,3bの回転数を制御する。以下に、かかる送風機制御装置1の具体的構成を示す。図3は、実施例2にかかる送風機制御装置の構成を示すブロック図である。

0040

図3に示すように、送風機制御装置1は、温度センサ11a〜11cと、温度チェック部12a,12bと、回転数検出部13a,13bと、回転数エラーチェック部14と、パルスジェネレータ15a,15bとを備える。また、送風機制御装置1は、RAM16と、ROM17と、プロセッサ18とを備える。

0041

温度センサ11a,11bは、発熱体52a,52bに取り付けられており、発熱体52a,52bの温度を検出する。また、温度センサ11cは、電子機器50外に設置され、前段送風機3a周辺の環境温度を検出する。温度チェック部12a,12bは、温度センサ11a,11bが検出した発熱体52a,52bの温度が目標温度からどの程度ずれているかチェックし、該チェック結果を所定の変数としてプロセッサ18へ通知する。

0042

回転数検出部13a,13bは、例えば、パルスカウンタであり、それぞれ送風機3a,3bの回転数を検出する。回転数エラーチェック部14は、回転数検出部13a,13bが検出した各送風機3a,3bの回転数に基づき、送風機3a,3bが正常に回転しているか否か等のチェックを行い、該チェック結果をプロセッサ18へ通知する。

0043

パルスジェネレータ15a,15bは、各送風機3a,3bの回転数を制御するためのパルスを、プロセッサ18からの指示に応じたパルス幅(PWM値)で各送風機3a,3bに入力する。具体的には、パルスジェネレータ15aは、プロセッサ18から指示されたPWM値のパルスを前段送風機3aに入力する。また、パルスジェネレータ15bは、プロセッサ18から指示されたPWM値のパルスを後段送風機3bに入力する。これにより、各送風機3a,3bは、パルスジェネレータ15a,15bから入力されたパルスに応じた回転数で回転する。

0044

ROM17は、プロセッサ18が実行する処理に必要な各種のデータを記憶する。プロセッサ18は、温度センサ11a〜11cにより検出された温度に基づき、前段送風機3aおよび後段送風機3bに対して入力すべきPWM値を決定する。ここで、本実施例にかかるプロセッサ18及びROM17の具体的構成について説明する。図4は、実施例2にかかるプロセッサ18及びROM17の具体的構成を示すブロック図である。

0045

図4に示すように、ROM17は、機器状態記憶部171と、制御データ記憶部172とを備える。機器状態記憶部171は、機器状態管理テーブルを記憶する。機器状態管理テーブルは、電子機器50の現在の構成に対応するシステムインピーダンス(管路抵抗)を特定するためのテーブルである。図5に機器状態管理テーブルの一例を示す。

0046

図5に示すように、機器状態管理テーブル61は、システムインピーダンスと機器状態特定フラグとを対応付けて記憶する。ここで、システムインピーダンスとは、電子機器50を構成する各部品の密集率や通風路の形状等から決定される圧力損失である。本実施例にかかる機器状態管理テーブル61には、電子機器50の構成を変えてそれぞれ測定した複数のシステムインピーダンスが記憶されており、現在の電子機器50の構成に対応するシステムインピーダンスに対して機器状態特定フラグがセットされる。

0047

例えば、図5に示す機器状態管理テーブル61は、電子機器50の構成を変えてそれぞれ測定したシステムインピーダンスA〜Cが記憶されており、システムインピーダンスAに対して機器状態特定フラグがセットされている。すなわち、図5に示す機器状態管理テーブル61は、現在の電子機器50の構成に対応するシステムインピーダンスが「A」であることを表している。なお、電子機器50の構成が変更された場合、機器状態管理テーブル61は、電子機器50の使用者等により手動更新される。これにより、電子機器50の構成が変わった場合であっても、新たな電子機器50の構成に対応するシステムインピーダンスを特定することができる。

0048

制御データ記憶部172は、発熱体温度用PWM値決定テーブルおよび環境温度用PWM値決定テーブルを記憶する。発熱体温度用PWM値決定テーブルは、各送風機3a,3bに対して入力すべきPWM値を、発熱体52a,52bの温度に基づいて特定する場合に用いられるテーブルである。また、環境温度用PWM値決定テーブルは、各送風機3a,3bに対して入力すべきPWM値を、環境温度に基づいて特定するためのテーブルである。以下に、制御データ記憶部172に記憶されるこれらの情報について具体的に説明する。図6は、実施例2にかかる制御データ記憶部172に記憶される情報を説明するための図である。

0049

図6に示すように、制御データ記憶部172は、複数のシステムインピーダンスA〜Cごとに、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cおよび環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cを記憶する。具体的には、制御データ記憶部172は、システムインピーダンスAに対応する発熱体温度用PWM値決定テーブル71aおよび環境温度用PWM値決定テーブル72aを記憶する。また、制御データ記憶部172は、システムインピーダンスBに対応する発熱体温度用PWM値決定テーブル71bおよび環境温度用PWM値決定テーブル72bを記憶する。また、制御データ記憶部172は、システムインピーダンスCに対応する発熱体温度用PWM値決定テーブル71cおよび環境温度用PWM値決定テーブル72cを記憶する。

0050

図7−1に、発熱体温度用PWM値決定テーブル71aの一例を示す。図7−1に示すように、発熱体温度用PWM値決定テーブル71aは、発熱体温度と、共通回転数と、前段PWM値と、後段PWM値とを対応付けて記憶する。例えば、図7−1に示すように、発熱体温度用PWM値決定テーブル71aは、共通回転数「aaa」と前段PWM値「Nfa」と後段PWM値「Nra」とを発熱体温度「A」と対応付けて記憶する。発熱体温度は、発熱体52aまたは発熱体52bの温度に応じて温度チェック部12a,12bから出力される所定の変数である。

0051

共通回転数(min-1)は、各送風機3a,3bの回転数差を所定の許容範囲内とした状態で発熱体52a,52bを冷却するための必要風量を得る場合における、各送風機3a,3b共通の回転数である。ここで、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cにおける必要風量とは、発熱体52a,52bの温度と、電子機器50内のシステムインピーダンスと、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内である状態における各送風機3a,3b全体のPQ特性(静圧−風量特性)とによって求められる風量である。なお、システムインピーダンスやPQ特性および共通回転数等は、発熱体52a,52bの温度計測をもとに、熱流体シミュレーションや計測によって得られる。かかる点については、後述する。

0052

また、本実施例において、「所定の許容範囲」とは、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数との誤差が10%未満の範囲を示す。すなわち、理想的には、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数とを一致させることで、これら送風機3a,3bにより発生する騒音を最小とすることができる。ただし、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数とが多少ずれた場合であっても、それによって生じる騒音の誤差が、人の判別できない程度であれば問題はない。前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数との誤差を10%とした場合にこれらの送風機3a,3bから発生する騒音は、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数とを一致させた場合と比較して、約3dB増加する。この3dBの誤差は、基本的には、人の耳で判別することはできないと言われている。そこで、本実施例では、「所定の許容範囲」を、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数との誤差が10%未満の範囲とした。

0053

ただし、人によっては、3dBの差を判別できる場合もあるため、より良くは、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数との誤差を5%未満とするのがよい。前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数との誤差を5%未満とした場合にこれらの送風機3a,3bから発生する騒音は、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数とを一致させた場合と比較して、約1dB増加する。このように、「所定の許容範囲」を、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数との誤差が5%未満の範囲とすることで、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数とを一致させた場合と同等の騒音低減効果をより確実に得ることができる。

0054

前段PWM値(s)は、前段送風機3aを共通回転数で回転させるために、前段送風機3aに入力すべきPWM値である。後段PWM値(s)は、後段送風機3bを共通回転数で回転させるために、後段送風機3bに入力すべきPWM値である。すなわち、例えば発熱体温度が「A」である場合、前段PWM値「Nfa」を前段送風機3aに入力するとともに、該前段PWM値に対応する後段PWM値「Nra」を後段送風機3bに入力することにより、各送風機3a,3bを共通回転数「aaa」で回転させることができる。これら前段PWM値および後段PWM値も、事前の計測により得ることができる。

0055

図7−2に、環境温度用PWM値決定テーブル72aの一例を示す。図7−2に示すように、環境温度用PWM値決定テーブル72aは、環境温度と、共通回転数と、前段PWM値、後段PWM値とを対応付けて記憶する。例えば、図7−2に示すように、環境温度用PWM値決定テーブル72aは、共通回転数「fff」と前段PWM値「Nff」と後段PWM値「Nrf」とを発熱体温度「F」と対応付けて記憶する。ここで、環境温度は、温度センサ11cにより検出される温度である。

0056

共通回転数は、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cの場合と同様、各送風機3a,3bの回転数差を所定の許容範囲内とした状態で発熱体52a,52bを冷却するための必要風量を得る場合における、各送風機3a,3b共通の回転数である。ここで、環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cにおける必要風量とは、環境温度と、電子機器50内のシステムインピーダンスと、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内である状態における各送風機3a,3b全体のPQ特性とによって求められる風量である。

0057

前段PWM値及び後段PWM値は、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cの場合と同様、前段送風機3aおよび後段送風機3bを共通回転数で回転させるために、前段送風機3aおよび後段送風機3bに入力すべきPWM値である。すなわち、例えば、発熱体温度が「G」である場合、前段PWM値「Nfg」を前段送風機3aに入力するとともに、該前段PWM値に対応する後段PWM値「Nrg」を後段送風機3bに入力することにより、各送風機3a,3bを共通回転数「ggg」で回転させることができる。

0058

このように、制御データ記憶部172は、制御データ記憶手段に相当し、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内の状態で必要風量を得る場合における、各送風機3a,3bに対する入力値を温度ごとに記憶する。また、制御データ記憶部172は、制御データ記憶手段に相当し、前段送風機3aおよび後段送風機3bに対する温度ごとの入力値をさらにシステムインピーダンスごとに記憶する。

0059

また、図4に示すように、プロセッサ18は、エラー処理部181と、温度情報取得部182と、入力値決定部183と、データベース作成部184とを備える。

0060

エラー処理部181は、回転数エラーチェック部14から取得した情報に基づき、エラー報告処理を実行する。エラー処理部181は、前段送風機3aまたは後段送風機3bが停止していることを示すチェック結果を回転数エラーチェック部14から取得する。そして、エラー処理部181は、取得したチェック結果に基づき、送風機3aまたは送風機3bが停止している旨のエラー報告を電子機器50に対して行う。これにより、例えば、送風機3aまたは送風機3bが停止している旨のエラーメッセージが、電子機器50の図示しないディスプレイに表示される。

0061

温度情報取得部182は、温度チェック部12a,12bから発熱体52a,52bの温度に対応する所定の変数を発熱体温度として取得する。また、温度情報取得部182は、温度センサ12cから環境温度を取得する。このように、温度センサ11a,11bや温度チェック部12a,12b及び温度情報取得部182は、電子機器50内部に設けられた発熱体52a,52bの温度を検出する温度検出手段の一例として機能する。また、温度センサ11c及び温度情報取得部182は、電子機器50外部の温度を検出する温度検出手段の一例として機能する。

0062

入力値決定部183は、機器状態記憶部171を参照し、現在の電子機器50の構成に対応するシステムインピーダンスを特定する。また、入力値決定部183は、特定したシステムインピーダンスと、温度情報取得部182により取得した発熱体温度または環境温度とに基づき、各送風機3a,3bに入力すべきPWM値を制御データ記憶部172からそれぞれ取得する。

0063

具体的には、入力値決定部183は、特定したシステムインピーダンスと温度情報取得部182により取得した発熱体52a,52bの温度情報との組合せに対応する、前段PWM値および後段PWM値を発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cから取得する。また、入力値決定部183は、特定したシステムインピーダンスと温度情報取得部182により取得した環境温度情報との組合せに対応する、前段PWM値および後段PWM値を環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cから取得する。

0064

例えば、特定したシステムインピーダンスが「A」であり、温度情報取得部182により取得した発熱体温度が「C」である場合、入力値決定部183は、図7−1に示すように、発熱体温度用PWM値決定テーブル71aから、前段PWM値「Nfc」及び後段PWM値「Nrc」を取得する。

0065

そして、入力値決定部183は、取得した前段PWM値を前段送風機3aに入力するようにパルスジェネレータ15aに対して指示するとともに、後段PWM値を後段送風機3bに入力するようにパルスジェネレータ15bに対して指示する。これにより、パルスジェネレータ15a,15bは、入力値決定部183からの指示に基づく前段PWM値および後段PWM値をそれぞれ前段送風機3aおよび後段送風機3bに対して入力する。その結果、前段送風機3aは、パルスジェネレータ15aから入力された前段PWM値に応じた回転数で回転し、後段送風機3bは、パルスジェネレータ15bから入力された後段PWM値に応じた回転数で回転する。

0066

ここで、前段PWM値および後段PWM値は、上述したように、各送風機3a,3bの回転数差を所定の許容範囲内とした状態で必要風量を得る場合における、各送風機3a,3bに入力すべきPWM値である。そのため、これら前段PWM値および後段PWM値を各送風機3a,3bに入力することによって、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内となり、しかも、発熱体52a,52bには、該発熱体52a,52bの温度に応じた必要風量が送り込まれる。

0067

このように、本実施例にかかる送風機制御装置1は、各送風機3a,3bの回転数差を所定の許容範囲内とする、換言すれば、各送風機3a,3bの回転数を所定の許容範囲内で一致させるため、回転数の最も高い送風機が発生させる余剰な騒音が原因となって送風機3a,3b全体としての騒音が増加するといった事態を防止することができる。

0068

また、本実施例における必要風量は、発熱体52a,52bの温度と、電子機器50内のシステムインピーダンスと、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内である状態における各送風機3a,3b全体のPQ特性とを考慮して求められる。そのため、本実施例によれば、各送風機3a,3bの回転数を所定の許容範囲内で一致させた状態において、発熱体52a,52bを冷却するための適切な風量を、電子機器50の構成や各送風機3a,3bの電子機器50内での設置場所によらず確保することができる。

0069

なお、入力値決定部183は、前段送風機3aおよび後段送風機3bに対してそれぞれ異なるPWM値を決定し、パルスジェネレータ15a,15bを介して各送風機3a,3bに入力する。すなわち、前段送風機3aおよび後段送風機3bには、図8に示すように、異なる量のエネルギーが供給されることとなる。具体的には、後段送風機3bの仕事量は、前段送風機3aにより発生する気流の影響を受けて少なくなるため、本実施例のように、各送風機3a,3bの回転数を一致させるように制御した場合、後段送風機3bに供給されるエネルギーは、前段送風機3aに供給されるエネルギーよりも少なくなる。

0070

また、入力値決定部183は、環境温度から求めた共通回転数が発熱体温度から求めた共通回転数よりも高い場合に、該環境温度に応じたPWM値を用いて各送風機3a,3bの回転数制御を行う。具体的には、入力値決定部183は、温度情報取得部182により取得した環境温度及び発熱体温度に対応する共通回転数をそれぞれ環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72c及び発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cから取得する。そして、入力値決定部183は、環境温度から求めた共通回転数と発熱体温度から求めた共通回転数とを比較し、環境温度から求めた共通回転数の方が高い場合、該環境温度に対応する前段PWM値および後段PWM値を環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cから取得する。このように、環境温度および発熱体温度のうち、発熱体52a,52bにより大きな影響を与える温度に基づき、各送風機3a,3bの回転数制御を行うため、該発熱体52a,52bの温度をより適切な温度に保つことができる。

0071

このように、入力値決定部183および機器状態記憶部171は、電子機器50内のシステムインピーダンスに関する情報を取得する機器状態取得手段の一例として機能する。また、入力値決定部183およびパルスジェネレータ15a,15bは、発熱体52a,52bの温度と、電子機器50内のシステムインピーダンスと、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内である状態における各送風機3a,3b全体の静圧−風量特性とによって求められる、発熱体52a,52bの冷却風量が得られ、かつ、各送風機3a,3bの各々が所定の許容範囲内の回転数差となるように、温度情報取得部182により取得した温度情報に基づき、各送風機の回転数を制御する制御手段の一例として機能する。

0072

データベース作成部184は、送風機制御装置1を電子機器50に組み込む前において、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cや環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cを作成するために各種の計算処理を実行する。以下に、データベース作成部184の具体的構成について説明する。図9は、実施例2にかかるデータベース作成部の具体的構成を示すブロック図である。

0073

図9に示すように、データベース作成部184は、測定済システムインピーダンス情報記憶部81と、機器構成情報記憶部82と、システムインピーダンス情報記憶部83と、温度情報記憶部84と、温度規格値情報記憶部85とを有する。また、データベース作成部184は、必要風量情報記憶部86と、測定済PQ特性情報記憶部87と、PQ特性情報・回転数情報記憶部88と、PWM値情報記憶部89とを有する。また、データベース作成部184は、システムインピーダンス計算部91と、必要風量計算部92と、送風機PQ性能計算部93と、送風機PWM値計算部94とを有する。

0074

測定済システムインピーダンス情報記憶部81は、電子機器50の測定済システムインピーダンスを記憶する。例えば、測定済システムインピーダンス情報記憶部81は、電子機器50のフル構成や売れ筋構成に対応するシステムインピーダンスを記憶する。機器構成情報記憶部82は、電子機器50の構成を複数パターン記憶する。例えば、機器構成情報記憶部82は、電子機器50の構成ごとに、該電子機器50に含まれるCPUの数や電源の数等の情報を記憶する。システムインピーダンス情報記憶部83は、システムインピーダンス計算部91が電子機器50の構成ごとに算出したシステムインピーダンスを記憶する。

0075

温度情報記憶部84は、環境温度や発熱体52a,52b等の温度を記憶する。例えば、温度情報記憶部84は、発熱体52a,52bの温度として、電子機器50に含まれるCPUの温度やメモリの温度を記憶する。温度規格値情報記憶部85は、発熱体52aや発熱体52b等の温度規格値を記憶する。必要風量情報記憶部86は、必要風量計算部92が算出した必要風量を記憶する。

0076

測定済PQ特性情報記憶部87は、送風機3a,3bの最高回転数最低回転数等の情報を記憶する。PQ特性情報・回転数情報記憶部88は、送風機PQ性能計算部93が算出した、各送風機3a,3b全体としてのPQ特性および各送風機3a,3bの共通回転数を記憶する。PWM値情報記憶部89は、送風機PWM値計算部94が算出した前段PWM値および後段PWM値を記憶する。

0077

システムインピーダンス計算部91は、測定済システムインピーダンス情報記憶部81に記憶された測定済システムインピーダンスに関する情報および機器構成情報記憶部82に記憶された電子機器50の構成に関する情報に基づき、電子機器50の構成ごとのシステムインピーダンスをそれぞれ算出する。必要風量計算部92は、温度情報記憶部84に記憶された温度および温度規格値情報記憶部85に記憶された温度規格値に基づき必要風量を算出する。

0078

送風機PQ性能計算部93は、各送風機3a,3b全体としてのPQ特性および各送風機3a,3bの共通回転数を算出する。かかる算出は、システムインピーダンス情報記憶部83に記憶されたシステムインピーダンスと、必要風量情報記憶部86に記憶された必要風量と、測定済PQ特性情報記憶部87に記憶された送風機3a,3bの最高回転数や最低回転数等の情報とに基づき行われる。送風機PWM値計算部94は、前段PWM値および後段PWM値を算出する。かかる算出は、測定済PQ特性情報記憶部87に記憶された送風機3a,3bの最高回転数や最低回転数等の情報と、PQ特性情報・回転数情報記憶部88に記憶された各送風機3a,3b全体としてのPQ特性および各送風機3a,3bの共通回転数とに基づき行われる。

0079

以下に、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cおよび環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cの作成手順について説明する。図10は、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cおよび環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cの作成手順の一例を示すフローチャートである。

0080

図10に示すように、事前作業として、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cおよび環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cを作成する場合、先ず、測定およびシミュレーションを行う(ステップS101)。具体的には、フル構成や売れ筋構成等に対応するシステムインピーダンスや各送風機3a,3bの最高回転数、最低回転数、風量、静圧、騒音等を計測やシミュレーションによって求める。

0081

続いて、ステップS101において得られた情報に基づき、データベース作成部184を用いて各種の計算を行う(ステップS102)。具体的には、機器構成毎のシステムインピーダンスや各温度ごとの必要風量、共通回転数、前段PWM値および後段PWM値等を算出する(ステップS102)。

0082

そして、機器構成毎および環境温度や発熱体温度ごとに算出された共通回転数、前段PWM値および後段PWM値をデータベース化し、ROM17に記憶する(ステップS103)。これにより、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cおよび環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cがROM17に記憶された状態となる。そして、ROM17に発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cおよび環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cが記憶された状態で、送風機制御装置1を電子機器50に組み込む。

0083

次に、本実施例にかかるプロセッサ18の具体的動作について説明する。図11は、実施例2にかかるプロセッサの処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図11においては、プロセッサ18が実行する処理手順のうち、前段送風機3aおよび後段送風機3bの回転数制御に関する処理手順のみを示す。

0084

図11に示すように、入力値決定部183は、先ず、機器状態を取得する(ステップS201)。具体的には、入力値決定部183は、機器状態記憶部171を参照し、機器状態特定フラグがセットされているシステムインピーダンスを、現在の電子機器50の構成に対応するシステムインピーダンスとして特定する。

0085

続いて、入力値決定部183は、特定したシステムインピーダンスに対応するデータベースを選択する(ステップS202)。具体的には、入力値決定部183は、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cおよび環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cの中から、特定したシステムインピーダンスに対応する発熱体温度用PWM値決定テーブルおよび環境温度用PWM値決定テーブルを選択する。

0086

続いて、プロセッサ18は、温度計測を行う(ステップS203)。具体的には、温度情報取得部182は、温度チェック部12a,12bから発熱体52a,52bの温度に対応する所定の変数を発熱体温度として取得とともに、温度センサ12cから環境温度を取得する。そして、温度情報取得部182は、取得した発熱体温度および環境温度を入力値決定部183へ通知する。

0087

続いて、入力値決定部183は、発熱体温度用PWM値決定テーブルを参照し、ステップS203において取得した発熱体温度に対応する共通回転数を選択する(ステップS204)。同様に、入力値決定部183は、環境温度用PWM値決定テーブルを参照し、ステップS203において取得した環境温度に対応する共通回転数を選択する(ステップS205)。

0088

続いて、入力値決定部183は、発熱体温度から求めた共通回転数が環境温度から求めた共通回転数よりも高いか否かを判定する(ステップS206)。かかる処理において、発熱体温度から求めた共通回転数が環境温度から求めた共通回転数よりも高いと判定した場合(ステップS206肯定)、入力値決定部183は、発熱体温度用PWM値決定テーブル71を用いて、各送風機3a,3bに入力すべきPWM値を決定する。

0089

具体的には、入力値決定部183は、発熱体温度用PWM値決定テーブル71を参照して、ステップS204において選択した共通回転数に対応する前段PWM値を決定する(ステップS207)。また、入力値決定部183は、発熱体温度用PWM値決定テーブル71を参照して、該前段PWM値に対応する後段PWM値を決定する(ステップS208)。例えば、電子機器50の現在のシステムインピーダンスが「A」であり、温度情報取得部182により取得した発熱体温度が「C」である場合、入力値決定部183は、図7−1に示す発熱体温度用PWM値決定テーブル71aを参照し、共通回転数「ccc」を選択する。そして、入力値決定部183は、共通回転数「ccc」に対応する前段PWM値「Nfc」及び後段PWM値「Nrc」を各送風機3a,3bに入力するPWM値として決定する。

0090

一方、ステップS204において、発熱体温度から求めた共通回転数が環境温度から求めた共通回転数よりも高くない場合(ステップS206否定)、入力値決定部183は、発熱体温度用PWM値決定テーブル71を用いて、各送風機3a,3bに入力すべきPWM値を決定する。

0091

具体的には、入力値決定部183は、環境温度用PWM値決定テーブル72を参照して、ステップS205において選択した共通回転数に対応する前段PWM値を決定する(ステップS209)。また、入力値決定部183は、発熱体温度用PWM値決定テーブル71を参照して、該前段PWM値に対応する後段PWM値を決定する(ステップS210)。例えば、電子機器50の現在のシステムインピーダンスが「A」であり、温度情報取得部182により取得した環境温度が「G」である場合、入力値決定部183は、図7−2に示すように、環境温度用PWM値決定テーブル72aを参照し、共通回転数「ggg」を選択する。そして、入力値決定部183は、共通回転数「ggg」に対応する前段PWM値「Nfg」及び後段PWM値「Nrg」を各送風機3a,3bに入力するPWM値として決定する。

0092

ステップS208またはステップS210の処理を終えたとき、入力値決定部183は、送風機回転指示を行う(ステップS211)。すなわち、入力値決定部183は、ステップS207,S208またはステップS209,S210において決定した前段PWM値のパルスおよび後段PWM値のパルスをそれぞれ前段送風機3aおよび後段送風機3bに入力するようパルスジェネレータ15a,15bに指示する。これにより、パルスジェネレータ15aは、入力値決定部183からの指示に基づく前段PWM値のパルスを前段送風機3aに対して入力する。同様に、パルスジェネレータ15bは、入力値決定部183からの指示に基づく後段PWM値のパルスを後段送風機3bに対して入力する。その結果、前段送風機3aおよび後段送風機3bは、パルスジェネレータ15a,15bから入力された前段PWM値および後段PWM値に応じた回転数で回転する。

0093

ここで、前段PWM値および後段PWM値は、上述したように、各送風機3a,3bの回転数差を所定の許容範囲内とした状態で必要風量を得る場合における、各送風機3a,3bに入力すべきPWM値である。そのため、これら前段PWM値および後段PWM値を各送風機3a,3bに入力することによって、各送風機3a,3bは、回転数が所定の許容範囲内で一致した状態で回転し、しかも、発熱体52a,52bには、該発熱体52a,52bの温度に応じた必要風量が送り込まれる。

0094

図12は、本実施例の効果を説明するための図である。図12中、左図は、所定の温度において、前段送風機3aおよび後段送風機3bに与えるパルスのPWM値を同一とした場合における、静圧・回転数・騒音の風量に対する変化を示したグラフである。

0095

このグラフに示されるように、各送風機3a,3bに対して同一のPWM値のパルスを与えた場合に、各送風機3a,3b全体としての空力性能とシステムインピーダンスとの交点である必要風量を得ようとすると、後段送風機3bの回転数(後段回転数)が前段送風機3aの回転数(前段回転数)よりも多くなる。これは、後段送風機3bが風を送り出す仕事量が、前段送風機3aにより発生した気流の影響により少なくなり、後段送風機3bの回転数が増加するためであり、後段送風機3bの回転数の増加によって騒音も増加する。

0096

一方、図12中、右図は、所定の温度において、本実施例にかかる送風機制御装置1により、前段送風機3aおよび後段送風機3bの回転数差が所定の許容範囲内となるように制御した場合における、静圧・回転数・騒音の風量に対する変化を示したグラフである。このグラフに示されるように、本実施例では、所定の温度において、電子機器50内のシステムインピーダンスと、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内である状態における各送風機3a,3b全体の空力特性(PQ特性)との交点である必要風量を、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内の状態で得ることができる。

0097

そのため、本実施例によれば、何れかの送風機の回転数が他の送風機よりも高くなり余剰な騒音が発生するといった事態を防止することができる。しかも、本実施例によれば、各送風機3a,3bの回転数差を所定の許容範囲内とした状態において、発熱体52a,52bを冷却するための適切な風量を、電子機器50の構成や各送風機3a,3bの電子機器50内での設置場所によらず確保することができる。

0098

ここで、本実施例にかかる送風機制御装置1によって、複数の送風機3a,3bから発生する騒音が抑制されることを実証するための実験結果を示す。各測定条件を図13に示す。図13は、実証実験の測定条件を示す図である。図13に示すように、同一の送風機を2台直列に配置した場合を測定条件Aとし、同一の送風機を2台直列、4台並列に配置した場合を測定条件Bとする。

0099

測定条件Aでは、条件A−1〜A−3の3つの条件で実験を行った。具体的には、条件A−1は、前段送風機および後段送風機に同一量の電圧を供給した。また、条件A−2は、条件A−1と同一風量とするとともに、前段送風機および後段送風機の回転数比が1:1となるように電圧を制御した。この条件A−2は、本実施例にかかる送風機制御装置1と同様の制御を行う場合の条件に相当する。また、条件A−3は、条件A−1と同一風量とするとともに、前段送風機および後段送風機の回転数比が1:0.9となるように電圧を制御した。

0100

また、図13に示すように、測定条件Bでは、条件B−1〜B−4の4つの条件で実験を行った。具体的には、条件B−1は、前段送風機および後段送風機に同一量の電圧を供給した。また、条件B−2は、条件B−1と同一風量とするとともに、前段送風機および後段送風機の回転数比が1:1となるように電圧を制御した。この条件B−2は、本実施例にかかる送風機制御装置1と同様の制御を行う場合の条件に相当する。

0101

また、条件B−3は、条件B−1とは異なる量の電圧を用いて、前段送風機および後段送風機に同一量の電圧を供給した。また、条件B−4は、条件B−3と同一風量とするとともに、前段送風機および後段送風機の回転数比が1:1となるように電圧を制御した。この条件B−4は、本実施例にかかる送風機制御装置1と同様の制御を行う場合の条件に相当する。

0102

先ず、測定条件Aの測定結果について説明する。図14−1は測定条件Aにおける前段回転数、後段回転数、装置騒音の測定結果を示したデータ、図14−2は測定条件Aにおける前段回転数、後段回転数、消費電力の測定結果を示したデータ、図14−3は測定条件Aにおける装置騒音の周波数分析の結果を示すデータである。また、図15−1は条件A−1の測定結果を示す図、図15−2は条件A−2の測定結果を示す図、図15−3は条件A−3の測定結果を示す図である。

0103

図14−1および図15−1に示すように、条件A−1において、前段回転数は12257min-1であり、後段回転数は13523min-1であった。これは、前段送風機および後段送風機に供給する電圧を同一とした場合に、前段送風機により発生した気流の影響を受けることによって、後段送風機の回転数が増加することを示している。また、図14−1および図15−2に示すように、条件A−3において、前段回転数は13643min-1であり、後段回転数は12277min-1であった。この結果より、条件A−3における前段回転数が、条件A−1における後段回転数よりも高くなっていることがわかる。一方、図14−1および図15−3に示すように、条件A−2において、前段回転数は12615min-1、後段回転数は12555min-1であり、いずれも、条件A−1における後段回転数および条件A−3における前段回転数よりも少ない結果となった。

0104

また、図14−1および図15−1〜図15−3に示すように、条件A−1における装置騒音は、55.5dB(A)であり、条件A−2における装置騒音は、53.4dB(A)であり、条件A−3における装置騒音は、56dB(A)であった。すなわち、装置騒音は、本実施例にかかる送風機制御装置1の制御方式に対応する条件A−2において最も低く、条件A−1と比較して約2dB(A)低減された。一方、最も高い装置騒音を示したのは、条件A−3であった。これは、条件A−3における前段回転数が、各条件A−1〜A−3の中で最も高い回転数を示したことに起因すると考えられる。

0105

このように、本実施例にかかる送風機制御装置1のように、前段送風機および後段送風機の回転数が所定の許容範囲内で一致した状態で必要風量が得られるように制御することにより、各送風機により発生する騒音をより確実に抑制することができる。なお、各条件A−1〜A−3における装置騒音は、図14−3に示す装置騒音の周波数分析の結果に基づき算出された値である。

0106

また、図14−2および図15−1〜図15−3に示すように、前段送風機および後段送風機の消費電力の合計は、条件A−1は、7.20Wであり、条件A−2は、6,78Wであり、条件A−3は、7.65Wであった。すなわち、装置騒音と同様に、消費電力の合計も、本実施例にかかる送風機制御装置1の制御方式に対応する条件A−2において最も低く、条件A−1と比較して約6%低減された。このように、本実施例にかかる送風機制御装置1のように、前段送風機および後段送風機の回転数が所定の許容範囲内で一致した状態で必要風量が得られるように制御することにより、各送風機の消費電力も低減することができる。

0107

続いて、測定条件Bの測定結果について説明する。最初に、条件B−1および条件B−2の測定結果について説明する。図16−1は条件B−1および条件B−2における前段平均回転数、後段平均回転数、装置騒音の測定結果を示したデータ、図16−2は条件B−1および条件B−2における前段平均回転数、後段平均回転数、消費電力の測定結果を示したデータ、図16−3は条件B−1および条件B−2における装置騒音の周波数分析の結果を示すデータである。また、図17−1は、条件B−1の測定結果を示す図、図17−2は、条件B−2の測定結果を示す図である。ここで、前段平均回転数とは、4台の前段送風機の回転数の平均値である。また、後段平均回転数とは、4台の後段送風機の回転数の平均値である。

0108

図16−1および図17−1に示すように、条件B−1において、前段平均回転数は14488min-1であり、後段回転数は15548min-1であった。これは、条件A−1の場合と同様、前段送風機および後段送風機に供給する電圧を同一とした場合に、前段送風機により発生した気流の影響を受けて、後段送風機の回転数が増加することを示している。一方、図16−1および図17−2に示すように、条件B−2において、前段平均回転数は14825min-1、後段回転数は14859min-1であり、いずれも、条件B−1における後段平均回転数よりも少ない結果となった。

0109

また、図16−1および図17−1、図17−2に示すように、条件B−1における装置騒音は、62.6dB(A)であり、条件B−2における装置騒音は、61.6dB(A)であった。すなわち、装置騒音は、測定条件Aの場合と同様、本実施例にかかる送風機制御装置1と同様の条件である条件B−2の方が低く、条件B−1と比較して約1dB(A)低減された。

0110

このように、前段送風機および後段送風機を直列および並列に配置した場合であっても、前段送風機および後段送風機を直列にのみ配置した場合と同様の効果を得ることができる。なお、図16−1に示す装置騒音は、図16−3に示す装置騒音の周波数分析の結果に基づき算出された値である。

0111

また、図16−2および図17−1、図17−2に示すように、各前段送風機および各後段送風機の消費電力の合計は、条件B−1は43.08Wであり、条件B−2は41.83Wであった。すなわち、消費電力の合計も、測定条件Aの場合と同様に、本実施例にかかる送風機制御装置1と同様の条件である条件B−2が最も低く、条件B−1と比較して約3%低減された。

0112

続いて、条件B−3および条件B−4の測定結果について説明する。図18−1は条件B−3および条件B−4における前段平均回転数、後段平均回転数、装置騒音の測定結果を示したデータ、図18−2は条件B−3および条件B−4における前段平均回転数、後段平均回転数、消費電力の測定結果を示したデータ、図18−3は条件B−3および条件B−4における装置騒音の周波数分析の結果を示すデータである。また、図19−1は、条件B−3の測定結果を示す図、図19−2は、条件B−3の測定結果を示す図である。

0113

図18−1および図19−1に示すように、条件B−3において、前段平均回転数は12576min-1であり、後段回転数は13354min-1であった。この結果は、条件A−1や条件B−1の場合と同様である。一方、図18−1および図19−2に示すように、条件B−4において、前段平均回転数は12826min-1、後段回転数は12809min-1であり、いずれも、条件B−3における後段平均回転数よりも少ない結果となった。

0114

また、図18−1および図19−1、図19−2に示すように、条件B−3における装置騒音は、58.7dB(A)であり、条件B−4における装置騒音は、57.7dB(A)であった。すなわち、装置騒音も、条件B−1および条件B−2の場合と同様、本実施例にかかる送風機制御装置1と同様の条件である条件B−4の方が低く、条件B−3と比較して約1dB(A)低減された。

0115

このように、前段送風機および後段送風機を直列および並列に配置した場合において、電圧を変えることで、各前段送風機および各後段送風機により発生する風量を変化させた場合でも、同様の結果が得られることがわかった。なお、図18−1に示す装置騒音は、図18−3に示す装置騒音の周波数分析の結果に基づき算出された値である。

0116

また、図18−2および図19−1、図19−2に示すように、各前段送風機および各後段送風機の消費電力の合計は、条件B−3は27.80Wであり、条件B−4は26.87Wであった。すなわち、消費電力の合計も、条件B−1および条件B−2の場合と同様に、本実施例にかかる送風機制御装置1と同様の条件である条件B−4が最も低く、条件B−3と比較して約3%低減された。

0117

上述してきたように、実施例1では、発熱体52a,52bの温度と、電子機器50内のシステムインピーダンスと、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内である状態における各送風機3a,3b全体のPQ特性とによって求められる、発熱体52a,52bの冷却風量が得られ、かつ、送風機3a,3bの各々が所定の許容範囲内の回転数差となるように、発熱体温度や環境温度に基づき、各送風機3a,3bの回転数を制御する。換言すれば、実施例1では、発熱体52a,52bの温度と、電子機器50内のシステムインピーダンスと、各送風機3a,3bの回転数が所定の許容範囲内で一致した状態における各送風機3a,3b全体のPQ特性とによって求められる、発熱体52a,52bを冷却するために必要な必要風量が、各送風機3a,3bの回転数を所定の許容範囲内で一致させた状態で得られるように、発熱体温度や環境温度に基づき、各送風機3a,3bの回転数を制御する。

0118

すなわち、本実施例では、各送風機3a,3bの回転数差を所定の許容範囲内とすることにより、回転数の最も高い送風機が発生させる余剰な騒音が原因となって送風機3a,3b全体としての騒音が増加するといった事態を防止することができる。また、本実施例における必要風量は、発熱体52a,52bの温度と、電子機器50内のシステムインピーダンスと、各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内である状態における各送風機3a,3b全体のPQ特性とを考慮して求められる。そのため、本実施例によれば、各送風機3a,3bの回転数差を所定の許容範囲内とした状態において、発熱体52a,52bを冷却するための適切な風量を、電子機器50の構成や各送風機3a,3bの電子機器50内での設置場所によらず確保することができる。

0119

このように、本実施例によれば、複数の送風機3a,3bにより電子機器50内部の発熱体52a,52bの冷却に必要な風量を確保しつつ、これら複数の送風機3a,3bにより発生する騒音をより確実に抑制することができる。

0120

しかも、本実施例によれば、各送風機3a,3bに対して同一量のエネルギーを供給する場合と比較して、後段送風機3a,3bの回転数が低くなるため、後段送風機3bの送風機寿命延ばすことができる。そのうえ、本実施例によれば、追加の部品が不要であるため、従来と同等のコストで実現することができる。

0121

ところで、送風機制御装置1のROM17には、送風機制御プログラムが記憶されており、この送風機制御プログラムをプロセッサ18が実行することによって、上述したような機能が実現される。以下に、送風機制御プログラムを実行するコンピュータの一例を示す。図20は、送風機制御プログラムを実行するコンピュータを示す機能ブロック図である。

0122

図20に示すように、送風機制御装置1としてのコンピュータ600は、HDD610、RAM620、ROM630、CPU640及びこれらを相互に接続するバス650を有する。ROM630は、図2に示すROM17に相当するものであり、送風機制御プログラムを予め記憶している。送風機制御プログラムは、温度検出プログラム631と制御プログラム632とを有する。

0123

そして、CPU640が、温度検出プログラム631及び制御プログラム632をROM630から読み出して実行することにより、各プログラム631,632は、それぞれ温度検出プロセス641及び制御プロセス642として機能するようになる。このように、CPU640は、図2に示すプロセッサ18に相当するものである。

0124

また、ROM630は、機器状態記憶部171及び制御データ記憶部172を有し、機器状態管理テーブル61や発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71c、環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72c等を記憶する。CPU640は、ROM630に格納されたこれらのテーブルを読み出して、RAM620に格納し、プロセス641,642が、RAM620に格納されたデータを利用して各種処理を実行する。

0125

上記実施例2において、回転数検出部13a,13bにより検出した各送風機3a,3bの回転数は、回転数エラーチェックにのみ用いることとしたが、各送風機3a,3bの回転数差を所定の許容範囲内とするためのフィードバック情報として利用してもよい。以下、かかる場合の実施例について説明する。図21は、実施例3にかかる送風機制御装置の構成を示すブロック図である。なお、既に説明した構成と同じものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。

0126

図21に示すように、本実施例にかかる送風機制御装置1’において、プロセッサ18’は、回転数検出部13a,13bから各送風機3a,3bの回転数に関する情報を取得する。ここで、本実施例にかかるプロセッサ18’及びROM17’の具体的構成について説明する。図22は、実施例3にかかるプロセッサ18’及びROM17’の具体的構成を示すブロック図である。

0127

図22に示すように、本実施例にかかるプロセッサ18’は、エラー処理部181、温度情報取得部182、入力値決定部183’、データベース作成部184に加え、回転数情報取得部185を備える。回転数情報取得部185は、回転数検出部13a,13bからそれぞれ前段送風機3aおよび後段送風機3bの回転数に関する情報を取得する。このように、回転数情報取得部185及び回転数検出部13aは、前段送風機3aの回転数を検出する前段回転数検出手段の一例として機能し、回転数情報取得部185及び回転数検出部13bは、後段送風機3bの回転数を検出する後段回転数検出手段の一例として機能する。

0128

そして、入力値決定部183’は、回転数情報取得部185から取得した情報に基づき、後段送風機3bの回転数のフィードバック制御を行う。具体的には、入力値決定部183’は、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数との差が、所定の許容範囲外である場合に、前段送風機の回転数と後段送風機の回転数との差が所定の許容範囲内の回転数差となるように、後段送風機の回転数を変更する。かかる処理は、制御データ記憶部172’に記憶された後段PWM値変更テーブルを参照して行なわれる。

0129

本実施例にかかる制御データ記憶部172’は、後段送風機3bの回転数と前段送風機3aの回転数との差が所定の許容範囲内の回転数差となる場合における、後段送風機3bに対するPWM値を回転数ごとに記憶する。以下に、制御データ記憶部172’に記憶されている情報について説明する。図23は、実施例3にかかる制御データ記憶部に記憶される情報を説明するための図である。

0130

図23に示すように、本実施例にかかる制御データ記憶部172’には、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71c、環境温度用PWM値決定テーブル72a〜71cに加え、システムインピーダンスA〜Cに対応した後段PWM値変更テーブル73a〜73cが記憶される。図24に、後段PWM値変更テーブル73aの一例を示す。

0131

図24に示すように、後段PWM値変更テーブル73aは、前段送風機3aの回転数である前段回転数と、後段PWM値とを対応付けて記憶する。例えば、後段PWM値変更テーブル73aには、前段回転数「jjj」と後段PWM値「Nrj」とが対応付けて記憶されている。

0132

後段PWM値変更テーブル73aに記憶される後段PWM値は、後段送風機3bの回転数を、前段回転数と所定の許容範囲内の回転数差とするために必要なPWM値である。すなわち、例えば、入力値決定部183’は、回転数情報取得部185から前段送風機3aの回転数「kkk」を取得した場合、後段PWM値変更テーブル73aを参照して、該回転数に対応する後段PWM値「Nrk」を決定する。そして、入力値決定部183’は、決定した後段PWM値「Nrk」のパルスをパルスジェネレータ15bを介して後段送風機3bに入力する。これにより、送風機制御装置1は、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数とがずれた場合であっても、これらの回転数差が所定の許容範囲内となるように修正することができる。

0133

次に、本実施例にかかるプロセッサ18’の具体的動作について説明する。図25は、実施例3にかかるプロセッサ18’の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図25においては、プロセッサ18’が実行する処理手順のうち、前段送風機3aおよび後段送風機3bの回転数制御に関する処理手順のみを示す。また、図25に示すステップS301〜S311までの処理は、図11に示すステップS201〜S211までの処理と同様であり、その説明を省略する。

0134

図25に示すように、入力値決定部183’は、ステップS311において各送風機3a,3bの回転指示を行った後、回転数計測を行う(ステップS312)。具体的には、入力値決定部183’は、回転数情報取得部185から前段送風機3aおよび後段送風機3bの回転数に関する情報を取得する。

0135

続いて、入力値決定部183’は、前段回転数と後段回転数との差が、所定の許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS313)。かかる処理において、前段回転数と後段回転数との差が、所定の許容範囲内であると判定した場合(ステップS313肯定)、入力値決定部183’は、処理をステップS312へ移行する。

0136

一方、前段回転数と後段回転数との差が、所定の許容範囲内でない場合(ステップS313否定)、入力値決定部183’は、後段PWM値を変更する(ステップS314)。具体的には、入力値決定部183’は、回転数情報取得部185から取得した前段送風機3aの回転数に関する情報に基づき、該回転数に対応する後段PWM値を後段PWM値変更テーブルを参照して決定する。そして、入力値決定部183’は、送風機回転指示を行う(ステップS315)。具体的には、入力値決定部183’は、ステップS312で決定した後段PWM値のパルスを後段送風機3bへ入力するようパルスジェネレータ15bへ指示する。これにより、後段送風機3bには、前段送風機3aの回転数に応じた後段PWM値のパルスが入力され、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数とが所定の許容範囲内で一致する。

0137

上述してきたように、実施例3では、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数との差が、所定の許容範囲外である場合、これらの回転数差が所定の許容範囲内となるように、後段送風機の回転数を変更する。これにより、前段送風機3aの回転数と後段送風機3bの回転数との回転数差を、より確実に所定の許容範囲内とすることができる。

0138

以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。

0139

例えば、データベース作成部184は、発熱体温度用PWM値決定テーブル71a〜71cや環境温度用PWM値決定テーブル72a〜72cを作成する場合にのみ用いることとしたが、データベース作成部184を用いて各送風機3a,3bの回転数制御を行ってもよい。具体的には、データベース作成部184は、先ず、温度情報取得部182から発熱体温度または環境温度を取得する。続いて、データベース作成部184は、取得した温度に基づき、発熱体52a,52bを冷却するための必要風量を各送風機3a,3bの回転数差が所定の許容範囲内の状態で得る場合における、各送風機3a,3bに入力すべき前段PWM値および後段PWM値を算出する。そして、データベース作成部184は、算出した前段PWM値および後段PWM値を入力値決定部183(または入力値決定部183’)に通知する。

0140

以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。

0141

(付記1)機器内に形成された通風路に対して直列に設けられた複数の送風機を制御する送風機制御装置であって、
前記機器内部に設けられた発熱体の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段により検出した発熱体の温度と、前記機器内の管路抵抗と、各前記送風機の回転数が所定の許容範囲内で一致した状態における各前記送風機全体の静圧−風量特性とによって求められる、前記発熱体の冷却風量が得られ、前記送風機の各々が前記所定の許容範囲内の回転数差となるように、各前記送風機の回転数を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする送風機制御装置。

0142

(付記2)前記複数の送風機は、前記機器外部から空気を吸気する前段送風機と、該前段送風機により吸気された空気を前記機器内に排気する後段送風機とを含み、
前記前段送風機の回転数を検出する前段回転数検出手段と、
前記後段送風機の回転数を検出する後段回転数検出手段とをさらに備え、
前記制御手段は、前記前段回転数検出手段により検出した前記前段送風機の回転数と前記後段回転数検出手段により検出した前記後段送風機の回転数との差が、前記所定の許容範囲外である場合、前記前段送風機の回転数と前記後段送風機の回転数とが前記所定の許容範囲内の回転数差となるように、前記後段送風機の回転数を変更する
ことを特徴とする付記1に記載の送風機制御装置。

0143

(付記3)各前記送風機の回転数が前記所定の許容範囲内の回転数差の状態で前記冷却風量を得る場合における、各前記送風機に対する入力値を温度ごとに記憶する制御データ記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記温度検出手段により検出した温度に基づき、該温度に対応する各前記送風機に対する入力値を前記制御データ記憶手段からそれぞれ取得し、該取得した入力値を各前記送風機にそれぞれ入力することで各前記送風機の回転数を制御する
ことを特徴とする付記1または2に記載の送風機制御装置。

0144

(付記4)前記制御データ記憶手段は、前記後段送風機の回転数が前記前段送風機の回転数と前記所定の許容範囲内の回転数差となる場合における、前記後段送風機に対する入力値を回転数ごとにさらに記憶し、
前記制御手段は、前記前段回転数検出手段により検出した前記前段送風機の回転数に基づき、該回転数に対応する前記後段送風機に対する入力値を前記制御データ記憶手段から取得し、該取得した入力値を前記後段送風機に入力することで該後段送風機の回転数を変更する
ことを特徴とする付記3に記載の送風機制御装置。

0145

(付記5)前記制御データ記憶手段は、前記前段送風機および前記後段送風機に対する前記温度ごとの入力値をさらに管路抵抗ごとに記憶し、
前記機器内の管路抵抗に関する情報を取得する機器状態取得手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記機器状態取得手段により取得した前記機器内の管路抵抗と、前記温度検出手段により検出した温度とに基づき、該管路抵抗と該温度との組合せに対応する、前記前段送風機および前記後段送風機に対する入力値を前記制御データ記憶手段からそれぞれ取得し、該取得した入力値を前記前段送風機および前記後段送風機にそれぞれ入力することで各前記送風機の回転数を制御する
ことを特徴とする付記3または4に記載の送風機制御装置。

0146

(付記6)前記所定の許容範囲は、前記前段送風機の回転数と前記後段送風機の回転数との誤差が10%未満の範囲であることを特徴とする付記1〜5のいずれか1つに記載の送風機制御装置。

0147

(付記7)前記温度検出手段は、さらに前記機器外部の温度を検出し、
前記制御手段は、前記機器外部の温度から求めた共通回転数が前記発熱体の温度から求めた共通回転数よりも高い場合、前記機器外部の温度と、前記機器内の管路抵抗と、各前記送風機の回転数が所定の許容範囲内で一致した状態における各前記送風機全体の静圧−風量特性とによって求められる、前記発熱体の冷却風量が得られ、前記送風機の各々が前記所定の許容範囲内の回転数差となるように、前記温度検出手段により検出した温度に基づき、各前記送風機の回転数を制御することを特徴とする付記1〜6のいずれか1つに記載の送風機制御装置。

0148

(付記8)機器内に形成された通風路に対して直列に設けられた複数の送風機を制御する送風機制御方法であって、
前記機器内部に設けられた発熱体の温度を検出する温度検出ステップと、
前記温度検出ステップにおいて検出した発熱体の温度と、前記機器内の管路抵抗と、各前記送風機の回転数が所定の許容範囲内で一致した状態における各前記送風機全体の静圧−風量特性とによって求められる、前記発熱体の冷却風量が得られ、前記送風機の各々が前記所定の許容範囲内の回転数差となるように、各前記送風機の回転数を制御する制御ステップ
を含んだことを特徴とする送風機制御方法。

実施例

0149

(付記9)機器内に形成された通風路に対して直列に設けられた複数の送風機を制御する送風機制御プログラムであって、
前記機器内部に設けられた発熱体の温度を検出する温度検出手順と、
前記温度検出手順により検出した発熱体の温度と、前記機器内の管路抵抗と、各前記送風機の回転数が所定の許容範囲内で一致した状態における各前記送風機全体の静圧−風量特性とによって求められる、前記発熱体の冷却風量が得られ、前記送風機の各々が前記所定の許容範囲内の回転数差となるように、各前記送風機の回転数を制御する制御手順
をコンピュータに実行させることを特徴とする送風機制御プログラム。

0150

1送風機制御装置
2送風機電源部
3a前段送風機
3b後段送風機
11a〜11b温度センサ
12a,12b 温度チェック部
13a,13b回転数検出部
14回転数エラーチェック部
15a,15bパルスジェネレータ
16 RAM
17 ROM
18プロセッサ
50電子機器
51通風路
52a,52b発熱体
61機器状態管理テーブル
71a〜71c発熱体温度用PWM値決定テーブル
72a〜72c環境温度用PWM値決定テーブル
171 機器状態記憶部
172 制御データ記憶部
181エラー処理部
182温度情報取得部
183入力値決定部
184データベース作成部
500 送風機制御装置
510温度検出部
520 制御部

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