図面 (/)

技術 光ディスク装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 中井賢也大牧正幸竹下伸夫
出願日 2009年5月25日 (10年9ヶ月経過) 出願番号 2009-125177
公開日 2010年12月2日 (9年3ヶ月経過) 公開番号 2010-272188
状態 特許登録済
技術分野 光学的記録担体およびその製造 光学的記録再生1 光ヘッド
主要キーワード 時間位相差 FIR回路 利得位相 後段部分 干渉部分 受光エレメント 案内トラック スペース層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2010年12月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

超解像再生常解像再生とが混在していても、常解像再生と超解像再生の間で発生する信号の位相シフトから発生する信号劣化を軽減し、超解像ディスクから良好な品質のデータを再生する。

解決手段

超解像光ディスクからの戻り光ビームの中央部から検出される第1の信号(Sa)と、超解像光ディスクのトラックに対応する方向の周辺部から検出される第2の信号(Sd)を検出し、第1の信号(Sa)の振幅を調整するゲイン調整手段(104)と、第2の信号(Sd)からゲイン調整手段(104)で振幅調整された第1の信号(Sg)を減算して第3の信号(Sh)を生成する減算手段(105)と、第3の信号(Sh)を遅延させた信号(Si)と第1の信号(Sa)を合成して再生信号(RF)を生成する手段(107)とを有する。

概要

背景

これまで、各種光ディスク大容量化は、ディスクのトラック上に記録される情報の記録マークの大きさを小さくするとともに、記録や再生に用いるレーザ光短波長化および開口数が大きい対物レンズの採用により、焦点面での集光スポットサイズを小さくすることによって達成されてきた。

例えば、CD(コンパクトディスク)では、光透過層情報記録層の上に設けられる透明保護層およびスペース層。透明基板とも言う)となるディスク基板の厚さが約1.2mm、レーザ光波長が約780nm、対物レンズの開口数(NA)が0.45であり、650MBの記録容量であった。

DVD(デジタル多用途ディスク)では、光透過層の厚さが約0.6mm、レーザ光波長が約650nm、NAが0.6であり、4.7GBの記録容量となっている。

さらに高密度のBD(ブルーレイディスク)では、光透過層の厚さを0.1mmにした光ディスクを用いて、レーザ光波長を約405nm、NAを0.85とすることで1層あたり25GBの大容量化を実現している。

近年、光記録の分野においては、光の強度によって屈折率が変化する非線形光吸収特性又は非線形光透過特性を有する超解像マスク層成膜された超解像光ディスクを用いた高密度記録方式が研究されている。この方式では、光ディスクに集光スポット内の光強度が大きい、又は温度が高い局所的な部分に屈折率変化をもたらすことで、光ディスク装置光学要素である集光レンズの開口数NAと光の波長λから決まる回折限界λ/(4NA)よりも小さなマークを再生することができる。ここでは、前記の例えば屈折率変化が起こる局所的な部分を以下では単に開口と呼ぶこととする(例えば、非特許文献1参照)。

非特許文献1及び非特許文献2は、代表的な超解像光ディスクであるSuper−RENS(Super REsolution Nearfield Structure)方式に関するものである。これ以外に、情報の記録マークが光の強度によって屈折率が変化する非線形光吸収特性または非線形光透過特性を有する材料により形成された光超解像光ディスクも提案されている(例えば、非特許文献3参照)。以降ではこれらを総称して超解像光ディスクと呼ぶ。

概要

超解像再生常解像再生とが混在していても、常解像再生と超解像再生の間で発生する信号の位相シフトから発生する信号劣化を軽減し、超解像ディスクから良好な品質のデータを再生する。超解像光ディスクからの戻り光ビームの中央部から検出される第1の信号(Sa)と、超解像光ディスクのトラックに対応する方向の周辺部から検出される第2の信号(Sd)を検出し、第1の信号(Sa)の振幅を調整するゲイン調整手段(104)と、第2の信号(Sd)からゲイン調整手段(104)で振幅調整された第1の信号(Sg)を減算して第3の信号(Sh)を生成する減算手段(105)と、第3の信号(Sh)を遅延させた信号(Si)と第1の信号(Sa)を合成して再生信号(RF)を生成する手段(107)とを有する。

目的

この発明は、超解像再生と常解像再生とが混在しているときに、常解像再生と超解像再生の成分を分離処理して再生信号を生成し、超解像ディスクから良好な品質のデータを再生できる光ディスク装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

超解像光ディスクからの戻り光ビームの中央部から検出される第1の信号と、前記戻り光ビームのうち、前記超解像光ディスクのトラック方向に対応する方向の周辺部から検出される第2の信号を検出する光ヘッド装置と、前記第1の信号と前記第2の信号を合成又は分離して演算再生信号を生成する信号処理手段とを備えた光ディスク装置において、前記信号処理手段は前記第1の信号と前記第2の信号の位相差補正することを特徴とする光ディスク装置。

請求項2

前記信号処理手段は、前記第1の信号の振幅を調整するゲイン調整手段と、前記第2の信号から前記ゲイン調整手段で振幅調整された第1の信号を減算して第3の信号を生成する減算手段と、前記第3の信号と前記第1の信号との遅延を補正して第4の信号を生成する遅延手段と有し、前記遅延手段から出力される前記第4の信号と前記第1の信号を合成して再生信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。

請求項3

前記超解像光ディスクは、光の強度対して非線形光吸収特性または非線形光透過特性を有する超解像マスク層が付加されたものであることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。

請求項4

前記第1の信号の利得と位相を調整する第1の利得位相調整手段と、前記第2の信号の利得と位相を調整する第2の利得位相調整手段とをさらに備え、前記ゲイン調整手段は、前記第1の利得位相調整手段で利得及び位相が調整された前記第1の信号の振幅を調整し、前記減算手段は、前記第2の利得位相調整手段で利得及び位相が調整された前記第2の信号から前記ゲイン調整手段で振幅調整された第1の信号を減算することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ディスク装置。

請求項5

前記再生信号を2値化して前記光ディスクに記録されたディジタル情報を読み出す2値化手段をさらに備え、前記第1の利得位相調整手段及び前記第2の利得位相調整手段はFIR回路で構成され、前記2値化手段はビタビ復号器であり、前記第1の利得位相調整手段及び前記第2の利得位相調整手段を構成するFIR回路のタップ係数と、前記ゲイン調整手段のゲイン値及び前記遅延手段の遅延量を、前記ビタビ復号器の出力に応じて適応的に変化させながら、前記再生信号の波形等化処理する適応等化手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。

請求項6

前記光ヘッド装置は、半導体レーザと、前記半導体レーザから放射される光ビーム集光して、前記光ディスクに集光スポットを形成する対物レンズと、前記集光スポットが前記光ディスクで反射した戻り光ビームを受光する、複数に分割された受光面を有し、前記受光面で受光される前記戻り光ビームの光量を電気信号に変換して出力する受光素子とを備え、前記受光素子の受光面は、前記戻り光ビームの中央部を受光して前記第1の信号を出力する第1の受光エレメントと、前記戻り光ビームのうち、前記光ディスクのトラックに対応する方向の周辺部を受光して前記第2の信号を出力する第2の受光エレメントを備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光ディスク装置。

請求項7

前記光ヘッド装置は、前記第1の受光エレメントの、前記光ディスクのトラックに対応する方向の幅は、前記光ビームの波長λ、前記超解像光ディスクの最長マーク長ML_max、前記対物レンズの開口数NA、前記戻り光ビームの受光面上での半径rを用いて表される2×(λ/(2×NA×ML_max)−1)×r以下の長さであることを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置。

請求項8

前記超解像光ディスクの最長マーク長ML_minがλ/(2NA)よりも小さく、且つλ/(4NA)よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光ディスク装置。

技術分野

0001

この発明は、超解像方式を採用した光記録再生媒体に対して情報の記録または再生を行なう光ディスク装置に関するものである。

背景技術

0002

これまで、各種光ディスク大容量化は、ディスクのトラック上に記録される情報の記録マークの大きさを小さくするとともに、記録や再生に用いるレーザ光短波長化および開口数が大きい対物レンズの採用により、焦点面での集光スポットサイズを小さくすることによって達成されてきた。

0003

例えば、CD(コンパクトディスク)では、光透過層情報記録層の上に設けられる透明保護層およびスペース層。透明基板とも言う)となるディスク基板の厚さが約1.2mm、レーザ光波長が約780nm、対物レンズの開口数(NA)が0.45であり、650MBの記録容量であった。

0004

DVD(デジタル多用途ディスク)では、光透過層の厚さが約0.6mm、レーザ光波長が約650nm、NAが0.6であり、4.7GBの記録容量となっている。

0005

さらに高密度のBD(ブルーレイディスク)では、光透過層の厚さを0.1mmにした光ディスクを用いて、レーザ光波長を約405nm、NAを0.85とすることで1層あたり25GBの大容量化を実現している。

0006

近年、光記録の分野においては、光の強度によって屈折率が変化する非線形光吸収特性又は非線形光透過特性を有する超解像マスク層成膜された超解像光ディスクを用いた高密度記録方式が研究されている。この方式では、光ディスクに集光スポット内の光強度が大きい、又は温度が高い局所的な部分に屈折率変化をもたらすことで、光ディスク装置の光学要素である集光レンズの開口数NAと光の波長λから決まる回折限界λ/(4NA)よりも小さなマークを再生することができる。ここでは、前記の例えば屈折率変化が起こる局所的な部分を以下では単に開口と呼ぶこととする(例えば、非特許文献1参照)。

0007

非特許文献1及び非特許文献2は、代表的な超解像光ディスクであるSuper−RENS(Super REsolution Nearfield Structure)方式に関するものである。これ以外に、情報の記録マークが光の強度によって屈折率が変化する非線形光吸収特性または非線形光透過特性を有する材料により形成された光超解像光ディスクも提案されている(例えば、非特許文献3参照)。以降ではこれらを総称して超解像光ディスクと呼ぶ。

先行技術

0008

“Observation of Eye Pattern on Super−Resolution Near−Field Structure Disk with Write−Strategy Technique”,Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.43,No.7A,pp.4212−4215(2004)
“Low Frequency Noise Reduction of Super−Resolution Near−Field Structure Disc with Platinum−Oxide Layer”,ODS Technical Digest,ThC3(2005)
“Sub−Terabyte−Data−Capacity Optical Discs Realized by Three−Dimensional Pit Selection”,Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.45,No.4A,pp.2593−2597(2006)

発明が解決しようとする課題

0009

先にも述べたが、回折限界は、マークの再生分解能が無くなる限界であり、光ディスク装置の光学要素である集光レンズの開口数NAと光の波長λから決まるλ/(4NA)に対応する。回折限界λ/(4NA)よりも小さなマークの再生信号(成分)を超解像再生信号(成分)、回折限界λ/(4NA)よりも大きなマークの再生信号(成分)を常解像再生信号(成分)とここでは呼ぶこととする。

0010

通常、光ディスクには異なった複数のマーク長のデータが記録されている。マーク長の種類は、記録データ列の符号化における変調方式に依存するが、複数の異なった長さのマークがランダムに(種々の順序で)配置されている。

0011

前記マーク長のすべてが、前記回折限界のλ/(4NA)よりも大きいとき、それぞれのマークは、常解像再生される。

0012

例えば、BDの場合、使用波長λが405nm、対物レンズの開口数NAが0.85であり、マーク長の回折限界λ/(4NA)は約119nmとなるが、BDの最短マーク長は約150nmであるので、すべてのマークは常解像再生される。

0013

一方、前記マーク長のすべてが、前記回折限界のλ/(4NA)よりも小さい場合、それぞれのマークは、集光スポット内の開口により超解像再生される。

0014

また一方、前記回折限界のλ/(4NA)よりも長いマークと短いマークが混在する場合(超解像再生と常解像再生が混在した場合)がある。

0015

例えば、超解像方式を用いて研究がなされている50GB容量のディスクの場合、
BDと同じくRLL(1−7)変調方式であれば、最短マーク(2Tマーク)の長さはBDの最短マーク長の1/2の約75nmで、回折限界の119nm以下であるのに対して、8Tマークの長さは300nmと回折限界の119nmより大きいため、超解像再生による変調成分以外に常解像再生による変調成分が混在した再生信号となる。

0016

超解像再生と常解像再生が混在する場合には、超解像再生信号成分常解像再生信号成分位相が合わないという問題がある。これは、前記開口が、集光スポットの中心に形成されないことに起因する問題である。

0017

この発明は、超解像再生と常解像再生とが混在しているときに、常解像再生と超解像再生の成分を分離処理して再生信号を生成し、超解像ディスクから良好な品質のデータを再生できる光ディスク装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

0018

この発明に係る光ディスク装置は、
超解像光ディスクからの戻り光ビームの中央部から検出される第1の信号と、
前記戻り光ビームのうち、前記超解像光ディスクのトラック方向に対応する方向の周辺部から検出される第2の信号を検出する光ヘッド装置と、
前記第1の信号と前記第2の信号を合成又は分離して演算し再生信号を生成する信号処理手段と
を備えた光ディスク装置において、
前記信号処理手段は前記第1の信号と前記第2の信号の位相差補正することを特徴とする。

発明の効果

0019

本発明によれば、超解像再生と常解像再生とが混在していても、常解像再生と超解像再生の間で発生する信号の位相シフトから発生する信号劣化を軽減でき、超解像ディスクから良好な品質のデータを再生することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の実施の形態1の光ディスク装置の全体構成を示す概略図である。
(a)〜(c)は、超解像光ディスクの超解像マスク層の開口及び集光スポットの位置関係、ならびに光の強度分布及び熱分布の位置関係を示す図である。
(a)及び(b)は、超解像再生信号及び常解像再生信号と開口の関係を示す図である。
本発明の実施の形態1の光ディスク装置に搭載される光ヘッド装置の概略構成図である。
図4の光ヘッド装置に搭載される受光素子受光面と戻り光ビームを示す概略図である。
(a)〜(c)は、光ディスクのマーク長に対する戻り光ビームの干渉領域の説明図である。
図1の光ディスク装置の光ヘッド装置52及び再生信号検出回路58の一構成例の概略を示すブロック図である。
(a)〜(d)は、図7の光ヘッド装置52及び再生信号検出回路58の各部における信号の波形を説明するための概念図である。
図1の光ディスク装置の再生信号検出回路58の他の構成例を光ヘッド装置52とともに示すブロック図である。
図7及び図9の再生信号検出回路58内の遅延回路106の一構成例を示すブロック図である。

実施例

0021

実施の形態1.
図1は、実施の形態1の光ディスク装置の全体構成を示す図である。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、光ディスク装置50を構成する各ブロックの接続関係のすべてを表すものではない。また、信号や情報を、それらが伝達される経路と同じ符号で表わすことがある。

0022

図1において、光ディスク装置50は、光ディスク5を回転駆動するためのスピンドルモータ51、光ディスク5にレーザ光を照射し、光ディスク5の情報記録層で反射された戻り光ビームを受光して信号を出力する光ヘッド装置52、光ヘッド装置52を光ディスク5の半径方向に駆動するためのスレッドモータ53、レーザ制御回路54、サーボ制御回路55、再生信号処理回路56、復調回路60、変調回路64、RAM(Random Access Memory)80、MPU(Micro Processing Unit)81を備えている。

0023

サーボ制御回路55には、スピンドルモータ51をコントロールするスピンドルモータ制御回路63、スレッドモータ53をコントロールするスレッドモータ制御回路62、光ヘッド装置52をコントロールする光ヘッド制御回路61が設けられ、それぞれMPU81から発せられる命令により動作を行なう。

0024

また、再生信号処理回路56には、光ヘッド装置52で検出され、伝送路L3を介して送られた信号にもとづいて、サーボ信号を生成するサーボ信号検出回路59、再生信号RFを検出して再生信号RFの波形等化など行なう再生信号検出回路58、および光ディスク5の蛇行した案内トラック溝からの反射光で得られるウォブル信号を検出するウォブル信号検出回路57が設けられている。
ただし、前記案内トラック溝が形成されていない再生専用のROM(Read Only Memory)ディスクの場合には、前記ウォブル信号検出回路57は無くてもよい。

0025

MPU81は、再生信号処理回路56で検出された信号振幅値データや状態信号などの伝送路L1の出力信号、あるいは他の各部からの出力信号にもとづいて光ディスク装置全体の動作を決定し、各部へ制御データ(例えば、MPU81から再生信号処理回路56への伝送路L2の信号)を送って、それらの制御を行う。

0026

なお、再生信号処理回路56の構成要素のうち一部分がMPU81の内部で処理される構成であってもよい。

0027

RAM80は、プログラム領域80Aおよびデータ領域80Bを有する。MPU81は、RAM80のプログラム領域80Aに記録されているプログラムに従って、各部の動作を制御するとともに、各部から送られてくる信号から制御の判断を行なう。

0028

光ヘッド制御回路61は、サーボ信号検出回路59から送られるサーボエラー信号やMPU81からの動作命令を元に、制御信号を伝送路L4経由で光ヘッド装置52に出力し、光ヘッド装置52から光ディスク5上へ照射される光の制御を行なう。

0029

スレッドモータ制御回路62およびスピンドルモータ制御回路63は、サーボエラー信号やMPU81からの動作命令を元に、スレッドモータ51およびスピンドルモータ53の制御を行なう。

0030

ウォブル信号検出回路57の出力信号L6と再生信号検出回路58の出力信号L7は復調回路60で情報データL8に復調される。

0031

MPU81から出力されたデータの一部L9は、変調回路64で光ディスク5への記録に適した記録信号L10に変換され、レーザ制御回路54へ送られる。この記録信号L10に基づいてレーザ制御回路54から伝送路L5を介して光ヘッド装置52に制御信号が送られ、光ヘッド装置52に搭載されている半導体レーザ発光パワーが制御される。
ただし、再生専用のROM(Read Only Memory)ディスクの場合には、記録のために用いる前記レーザ制御回路54は無くてもよい。

0032

この実施の形態1における光ディスク5は、図2(a)〜(c)及び図3(a)、(b)に示すように、光の強度に対して非線形光吸収特性又は非線形光透過特性を有する超解像マスク層5aが成膜された超解像光ディスクである。以下、図2(a)〜(c)及び図3(a)、(b)を参照して従来技術の問題をさらに詳しく説明する。
ただし、図示されたディスクの構造は、便宜上最小構成で示したものであり、これ以外に別の材料等による層が成膜されていてもよい。
また、他のディスク構造として、マーク自身が非線形光吸収特性を有した材料で構成された超解像ディスクも提案されているが、このディスク構造であってもよい(例えば、非特許文献3参照)。

0033

図2(a)〜(c)に示すように、一般的な等方レンズ集光された集光スポット1aの光強度分布LDはガウシアン分布であるため、光強度ピークの位置は集光スポット1aの中心部分と一致するが、信号再生時には光ディスクが回転しているため、回転速度が熱伝導速度と近いオーダとなって、図2(b)に示すように熱分布TDは集光スポットの光強度分布LDより遅れ分布する。超解像マスク層5aの開口5bは熱分布の中で、ある温度Tc以上(又はある温度の範囲(ここでは図示せず))で透過率(又は、屈折率)が変化することによって形成されるので、開口5bの中心は集光スポット1aの強度分布LDのピーク1pより遅れた位置に形成されることになる。
ここでは、温度Tc以上で透過率(又は屈折率)が変化する例を説明したが、これに限らず、ある温度範囲において透過率(又は屈折率)が変化して開口が形成さえる超解像ディスクであってもよい。

0034

上記の理由から、図3(a)及び(b)に示すように、集光スポット1aの中心よりディスクの移動方向に距離dだけずれた位置にその中心が位置するように開口5bが形成されることになる。そのため、開口5bで検出される超解像再生信号(成分)は、集光スポット1a全体で検出される常解像再生信号(成分)より、時間にしてΔt(=d/回転線速度)だけ遅れた信号となり、同期のずれた信号が混在してしまうという問題が生じる。本発明は、上記の問題を解決し、超解像再生と常解像再生とが混在していても、常解像再生と超解像再生の間で発生する信号の位相シフトから発生する信号劣化を軽減でき、超解像ディスクから良好な品質のデータを再生することができるようにしたものである。

0035

光ヘッド装置52は、CD、DVD、BD等の非超解像の光ディスクのみならず、超解像光ディスクにも対応するものである。
光ヘッド装置52は、光ディスク5に半導体レーザによる光ビームを集光するとともに、光ディスク5の情報記録層で反射した戻り光ビームを受光し、再生信号やサーボ信号を生成するための信号を検出する。

0036

図4は、本発明の光ヘッド装置52の構成例を示す図である。図4において、レーザー制御回路54から伝送路L5を介して入力される制御信号にもとづいて半導体レーザ2から放射された波長λの光ビーム1は、ビームスプリッタ3で反射し、対物レンズ4によって光ディスク5に集光される。光ディスク5で反射した戻り光ビームQはビームスプリッタ3を透過し、収束する。この戻り光ビームQは、受光素子27の受光面で受光され、その受光パワー量に応じた電気信号が伝送路L3に出力される。

0037

ここで、図4は、本発明の光ヘッド装置の基本構成とその原理を説明することを目的とし、光ディスクの再生信号の検出光学系のみを、最小構成部品で示したものであり、光ヘッド装置の構成は図4に示すものに限定されない。

0038

例えば、光ディスク5が回転するときに、対物レンズ4の光軸方向およびその光軸方向に垂直な方向の光ディスク5の位置変動によって生じる対物レンズ4の焦点距離誤差を補正するように、対物レンズ4を光軸方向およびその光軸方向に垂直な方向に駆動させる対物レンズ駆動アクチュエータを備えてもよい。

0039

また、光ディスクの再生信号の検出光学系以外に、光ディスク5の情報記録層に対する対物レンズ5の焦点誤差量やトラッキング誤差量を検出するためのセンサー光学系を備えていてもよい。

0040

さらには、例えば、図示のビームスプリッタ3に代えて、偏光ビームスプリッタを配置し、且つその偏光ビームスプリッタと対物レンズ4の間に1/4波長板を挿入してもよい。これにより、光の利用効率を向上させることができる。

0041

図5は、受光素子27の受光面27Rと戻り光ビームQを示した図である。受光面27Rで受光された戻り光ビームQの検出信号から以下にように再生信号が得られる。

0042

受光面27Rは、3つの受光エレメントに分割されており、中央の受光エレメント27Aと、前記受光エレメント27Aと隣接しつつ対称な位置に受光エレメント27Bと受光エレメント27Cが配置されている。ここで、x軸(図5縦方向)は、光ディスク5のトラック方向(すなわち、タンジェンシャル方向)が光学部品を介して受光面に投影される方向に対応する。

0043

受光エレメント27Aのx軸方向の幅W、受光面上の戻り光ビームQの半径をrとするとき、戻り光ビームの直径2rは、前記幅Wより大きくなるように設定するが、この幅Wの設定に関して説明するために、この光ヘッドの受光素子で検出される常解像再生信号と超解像再生信号について説明を行う。

0044

常解像再生の場合を考える。図6(a)に示すように、マークにおける回折により発生する0次光とその他高次光(1次光以上)との、戻り光ビーム内部での干渉により生じる光の明暗の変化が再生信号の変調成分となる。図6では、この0次光と1次光の干渉領域をD1、D2で示している。
領域APは、対物レンズの瞳に相当し、実際にはその内部の光が受光素子で受光される。図6では、高次光のうち1次光のみを破線で示している。特に図6(a)は、マーク長MLがλ/(2NA)より長い場合であり、1次光同士が重なる。
マーク長MLがλ/(2NA)よりも短く、且つλ/(4NA)より長いときの戻り光を考えると、図6(b)のように、干渉領域(0次光と1次光の干渉領域)D1及びD2は、ある距離Lだけ離れて存在し、戻り光の中心部には存在しなくなる。マーク長がさらに短くなるにつれ、距離Lは広がる。
すなわち、マーク長が小さくなるほど、前記干渉部分は戻り光の内部のトラック方向(該トラック方向に対応する方向)の周辺部にシフトし、周辺部に常解像再生信号の変調成分が多く含まれる。

0045

さらに、マーク長が短くなって、回折限界λ/(4NA)より短くなると、図6(c)に示すように、距離Lは光束半径rより大きくなり、もはや干渉領域D1及びD2が戻り光に存在しなくなる。すなわち、常解像再生信号成分は無くなる。

0046

一方、超解像再生の場合、光ディスクの超解像マスク層5aに発生した微小開口5bで読み出されたマークの変調成分は、戻り光ビームの受光素子の受光面上での領域の全体、すなわち、図6(a)〜(c)の対物レンズ瞳に相当する領域AP内の全体に渡って存在する。この現象は、我々の行なった光学シミュレーションにより確認されている。

0047

以上の特徴から、受光面27Rの分割については、戻り光ビームの中央部が受光エレメント27Aによって受光され、周辺部が受光エレメント27B及び27Cによって個別に受光されるように、受光エレメント27Aの幅Wを設定する。

0048

常解像再生信号成分は、戻り光ビームの中央部よりも周辺部に干渉領域D1及びD2が存在しているので、図5の受光面27Rで戻り光ビームQを検出することで、受光エレメント27Aから出力される信号Saは、常解像再生信号の成分がほとんど含まれない超解像再生信号として得られる。

0049

さらに言えば、光ディスクの最長のマーク長ML_maxが回折限界のλ/(4NA)よりも大きい場合、干渉領域D1とD2間の距離Lは、
2×(λ/(2×NA×ML_max)-1)×r
で表すことができる。幅Wを前記L程度、又はそれ以下に設定すれば、干渉領域D1及びD2は、受光エレメント27B又は受光エレメント27Cに完全に入射するので、常解像再生信号成分を全く含まず、超解像再生信号成分のみで成る信号Saが得られる。
さらに、干渉領域D1及びD2が存在する条件は、光ディスクの最長のマーク長ML_maxが回折限界のλ/(4NA)よりも大きい場合であり、光ディスクの最長のマーク長ML_maxが回折限界のλ/(4NA)よりも大きく、且つλ/(2NA)より小さいマークにより構成されるデータ列が記録される光ディスクで効果が期待できる。

0050

また、受光エレメント27B及び受光エレメント27Cから出力される信号Sb及び信号Scは常解像再生信号成分と超解像再生信号成分とが混在した信号となる。

0051

以上の光ヘッド装置52により、超解像再生信号成分のみの信号Saと、常解像再生信号成分と超解像再生信号成分を含む信号Sb、Scを得ることができる。

0052

図7は、本発明による、前記信号Sa、Sb、Scを受ける再生信号処理回路56内の再生信号検出回路58の概略構成を示す。ここでは、再生信号検出回路58のうち再生信号RFを検出する部分について示す。

0053

信号Sbと信号Scを加算回路101で加算して信号Sdを生成し、利得位相調整手段としてのイコライザー102で適切な利得と位相を調整して信号Seを生成する。一方、信号Saを利得位相調整手段としてのイコライザー103で適切な利得と位相に調整して信号Sfを生成し、信号Sfを分岐した後、一方に信号Sfの振幅を適切なゲインKをかけて調整するゲイン調整器104を経て信号Sgを生成する。信号Seから信号Sgを減算回路105で減算した信号Shをさらに遅延回路106で、ある遅延量を与えた信号Siと、前記信号Sfを加算回路107で加算して再生信号RFを生成する。

0054

この再生信号生成方式の概念について図8を用いて説明する。
図8(a)〜(d)は、ある長さのマークを再生したときの前記信号Sa〜Siを示した概略図である。先に、図2及び図3を参照して説明した通り、光強度分布と熱分布が時間Δtだけシフトして再生されるので、超解像再生信号成分SRと常解像再生信号成分NRとが混在している場合に、図8(a)に示すように、信号Sd(Sbと信号Scの合成信号)に含まれる超解像信号成分SRと常解像信号成分NRは互いに時間Δtだけシフトしているので、信号Sdは、常解像再生信号成分NRに対して、超解像再生信号成分SRと常解像再生信号成分NRの時間差Δtとゼロの中間的な時間Δts(Δts<Δt)だけシフトしたものとなる。

0055

図8(b)は、信号Saの波形を示したものであり、図8(a)の超解像再生信号成分SRと同等の波形である。
図8(c)は信号Shの波形を示したものであるが、信号Shは、信号Se(信号Sdと位相がほぼ同じ)から、超解像信号成分SRを差し引いたものであり、常解像再生信号成分NRを表すものとなる。
信号Shは、信号Sf(信号Saと略同じ同相)に対して時間Δtだけシフトしているので、信号Shの位相を遅延回路106によって時間Δtだけ補正することで、図8(d)に示したような信号Siが得られる。位相が補正された常解像信号の信号Siと超解像信号である信号Sfを加算回路107で合成して再生信号RFを生成すれば、超解像ディスクを再生した際に生じていた超解像再生信号成分と常解像再生信号成分との位相差による信号劣化を抑制することができる。
上記のような一連の処理は、常解像再生信号成分NRと超解像再生信号成分SRの位相差を補正したことで、結果的に信号Sdと信号Saの位相差を補正しており、常解像再生信号成分NRと超解像再生信号成分SRを分離して位相差の補正を実現するものである。
また、上記以外の処理方法として、信号Sdと信号Saのいずれか一方に遅延を与えて適切な振幅調整をして合成し、再生信号RFを生成するような信号処理であってもよい。

0056

上記で説明した図7のイコライザー102、103、及び遅延回路106、並びに信号合成に用いた減算回路105、及び加算回路101、107は、光ディスクの再生信号が数MHz〜数十MHzの高周波帯域の信号であるためアナログ回路で構成することが難しくなるが、いずれもFIR(Finite Impulse Response)のようなディジタル回路を用いることにより構成しやすくなる。利得や位相もしくは遅延量は、FIR回路タップ係数を適切な値に設定して与えることができる。

0057

図9は、図7の再生信号検出回路58の代わりに用い得る再生信号検出回路58を示す。図9に示される再生信号検出回路58は、イコライザー102、103や遅延回路106やゲインKを有するゲイン調整器104をタップ係数が可変のFIR回路にて構成するとともに、2値化データによるビタビ復調方式を用いて、前記利得と前記位相と前記遅延量を最適化して再生信号RFを自動等化する信号処理の基本概念を示した図である。

0058

タップ係数の更新処理にはLMS(Least Mean Square)法などの適応信号処理法を応用する。
再生信号RFは、2値化手段としてのビタビ復号器108によって2値化データBRFに復号される。ビタビ復号PRクラスは、理想再生信号の周波数特性に近いものを選択し、前記ビタビ復号器108が出力する2値化データBFRを適応等化手段としてのLMS制御回路109に入力する。LMS制御回路109では前記PRクラスで表わされる目標信号と前記再生信号RFとの誤差が最小となるように、それぞれのFIR回路のタップ係数を逐次更新し、これにより、例えば、ゲイン調整器104のゲイン値及び遅延回路106の遅延量を、ビタビ復号器108の出力に応じて適応的に変化させながら、再生信号RFの波形等化処理を行う。

0059

図9回路構成では、イコライザー102、103、ゲイン調整器104及び遅延回路106のすべての構成要素に対して、LMS法によるタップ係数の更新処理が施されているが、再生信号RFの波形等化の収束性が十分な場合には、例えばゲイン調整器104、遅延回路106のタップ係数のLMS法による逐次更新は行わずにある固定値としておけば、回路規模を小さくできる。

0060

また、上記の説明では、光ヘッド装置からのアナログ信号ディジタル信号に変換するADコンバータや、各ディジタル回路の動作クロックを生成するPLL(Phase Locked Loop)回路、ADコンバータで2値化された信号のDC成分を補正するDC補正回路などは、本発明の特徴ではないのでここでは省略している。

0061

図10は、ディジタル回路で構成した遅延回路106の例を示したブロック図である。無論これに限るものではないが、図示の構成の特徴は1クロック以下の単位で遅延量を与えられることである。

0062

図示の遅延回路106は、Nクロック周期分の比較的大きな遅延を与えることを目的とする第1の部分106Aと、1クロック周期以下の遅延量を与えることを目的とする第2の部分106Bからなる。なお、図示の例では、第1の部分が前段部分を構成し、第2の部分が後段部分を構成しているが、第1の部分を後段に、第2の部分を前段に配置しても良い。

0063

第1の部分106Aはディジタル回路では一般的な各々1クロック周期の遅延時間を持つ第1乃至第N段の遅延ユニット201−1〜201−Nが直列接続されたものである。第1の部分106Aの出力は、第2の部分106Bに入力され、2つに分岐され、その一方を遅延ユニット202で1クロックだけ遅延させた後にゲイン調整器203でm倍のゲインを与え、他方を遅延させることなく)ゲイン調整器204でn倍のゲインを与えて、それらを合成器205で、加算して、1/(m+n)倍する。

0064

上記のゲインmとゲインnを適切に与えれば、各クロックのタイミングと、1クロック周期前の間の任意の時点(mとnの比で内分した時点)の信号の値を直線補間した波形を得ることができる。これにより1クロック間の任意の遅延量を付与することができる。
前記Nとmとnは、波形等化に必要となる遅延量に応じて決定される。すなわち、図9で述べたLMS法を応用した構成においては、NとmとnはLMS制御回路109により制御される。

0065

以上で説明したように、本発明の実施の形態1の構成によれば、超解像ディスクの再生信号に含まれる超解像信号成分と常解像信号成分を分離して、戻り光ビームの光量ロスなく超解像再生と常解像再生との時間位相差の発生による前記再生信号の劣化を抑制し、再生信号の品質を向上させる効果がある。

0066

1光ビーム、 2半導体レーザ、 4対物レンズ、 5光ディスク、 27受光素子、 50光ディスク装置、 52光ヘッド装置、 Q戻り光ビーム、 Sa〜Si 信号、 101、107加算回路、 105減算回路、 102、103イコライザー、 106遅延回路、 RF再生信号。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ