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技術 選択排流器及び選択排流器の排流電流制限抵抗値決定方法

出願人 東京瓦斯株式会社
発明者 梶山文夫
出願日 2009年5月12日 (11年6ヶ月経過) 出願番号 2009-115495
公開日 2010年11月25日 (10年0ヶ月経過) 公開番号 2010-265490
状態 特許登録済
技術分野 電気防食 電車への給配電
主要キーワード 計測用電圧 速断ヒューズ 単位計測 腐食リスク レール対 土壌腐食 迷走電流 起動力
関連する未来課題
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この項目の情報は公開日時点(2010年11月25日)のものです。
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図面 (5)

課題

選択排流器排流電流を適正に制限して防食対象パイプラインの過防食を引き起こさないようにすること。

解決手段

直流電気鉄道レールRとレールR下に埋設された埋設金属パイプラインPとの間に接続された選択排流器1であって、埋設金属パイプラインPからレールRに向かう方向を順方向とするダイオード10とダイオード10に直列接続される排流電流制限抵抗14を備え、埋設金属パイプラインPの近傍に設置されたプローブ30に流入するプローブ流入直流電流密度と選択排流器1の排流電流との正相関から、プローブ流入直流電流密度の過防食防止基準値に対応する排流電流値を求め、この排流電流値が選択排流器1の設置現場で上限となるように、排流電流制限抵抗14の抵抗値r1を定める。

概要

背景

直流電気鉄道車両レール下に埋設された金属パイプラインには、直流電気鉄道車両運行時にレールから大地に流出する電流(レール漏れ電流という)が流入することがあり、流入した電流が金属パイプラインを流れて接地抵抗の低い箇所で流出すると、そこで直流迷走電流腐食が生じることになる。このようなレール漏れ電流の流出による直流迷走電流腐食を防止する方法の一つに選択排流法がある。ここでいう埋設金属パイプラインとは、ガス導管水道管通信配線保護管等を含んでおり、ここでは、カソード防食がなされているものを前提にして以下に説明する。

選択排流法は、図1に示すように、埋設金属パイプライン(以下単にパイプラインという)Pの管対地電位P/S(パイプラインPと大地Sとの電位差)に対してレール対地電位(レールRと大地Sとの電位差)がよりマイナス側の場合に、選択排流器1を介してパイプラインPとレールR(或いはレールから変電所への引込線)とを電気的に接続し、パイプラインPを流れる電流を直接大地に流出させずに電線を通してレールRに帰流させる方法である(非特許文献1参照)。図中のD1は直流電気鉄道車両、D2は電車線、D3は変電所を示している。選択排流法は、変電所D3の近傍や回生制動車両の制動が頻繁になされる箇所でレールRに電流が吸い上げられる現象が生じることを利用したもので、このような現象が生じる箇所を選択してパイプラインPとレールRを電線で接続し、パイプラインPからレールRに向かう電流のみを許容することで、パイプラインPから大地に電流を流出させないものである。

選択排流器1としては、シリコンダイオード抵抗とを直列に接続したものが一般に用いられ、シリコンダイオードのアノード側を防食対象のパイプラインPに接続している。選択排流器1によって発生する排流電流の大きさは、パイプラインPとレールRとの間の電位差が起動力となるが、シリコンダイオードと直列に接続される抵抗(排流電流制限抵抗)の大きさによって排流電流の大きさを制限することができる。この抵抗の抵抗値を大きくすることで排流電流を抑制することができ、抵抗値を小さくすることで排流電流が流れやすい状態になる。
電気学会電食防止研究委員会編「新版電食土壌腐食ハンドブック」電気学会発行,昭和52年5月,p.239

概要

選択排流器の排流電流を適正に制限して防食対象パイプラインの過防食を引き起こさないようにすること。直流電気鉄道のレールRとレールR下に埋設された埋設金属パイプラインPとの間に接続された選択排流器1であって、埋設金属パイプラインPからレールRに向かう方向を順方向とするダイオード10とダイオード10に直列接続される排流電流制限抵抗14を備え、埋設金属パイプラインPの近傍に設置されたプローブ30に流入するプローブ流入直流電流密度と選択排流器1の排流電流との正相関から、プローブ流入直流電流密度の過防食防止基準値に対応する排流電流値を求め、この排流電流値が選択排流器1の設置現場で上限となるように、排流電流制限抵抗14の抵抗値r1を定める。

目的

本発明は、このような問題に対処するために提案されたものであって、選択排流器の排流電流を適正に制限して防食対象パイプラインの過防食を引き起こさないようにすること、等が本発明の目的である

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

直流電気鉄道レールと該レール下に埋設された埋設金属パイプラインとの間に接続された選択排流器であって、前記埋設金属パイプラインから前記レールに向かう方向を順方向とするダイオードと該ダイオードに直列接続される排流電流制限抵抗を備え、前記排流電流制限抵抗は、前記埋設金属パイプラインの近傍に設置されたプローブに流入するプローブ流入直流電流密度と前記選択排流器の排流電流との正相関から、前記プローブ流入直流電流密度の過防食防止基準値に対応する排流電流値を求め、該排流電流値が前記選択排流器の設置現場で上限となるように定めた抵抗値r1を有することを特徴とする選択排流器。

請求項2

前記抵抗値r1は、下記式(a)で求められることを特徴とする請求項1記載の選択排流器。r1=(|R/P|maxL/IUDDmaxL)−r0……(a)r0=(|R/P|max)ave/(IUDDmax)ave|R/P|maxL:プローブ流入直流電流密度の基本計測区間最大値レール対電位R/Pの絶対値の基本計測区間最大値との正相関から、プローブ流入直流電流密度の基本計測区間最大値が過防食防止基準値(40A/m2)であることに対応するレール対管電位R/Pの絶対値の基本計測区間最大値IUDDmaxL :プローブ流入直流電流密度の基本計測区間最大値と排流電流IUDDの基本計測区間最大値との正相関から、プローブ流入直流電流密度の基本計測区間最大値が過防食防止基準値(40A/m2)であることに対応する排流電流IUDDの基本計測区間最大値(|R/P|max)ave:排流電流制限抵抗の抵抗値をゼロとした場合におけるレール対管電位R/Pの絶対値の基本計測区間最大値の計測時間平均値(IUDDmax)ave :排流電流制限抵抗の抵抗値をゼロとした場合における排流電流IUDDの基本計測区間最大値の計測時間平均値

請求項3

直流電気鉄道のレールと該レール下に埋設された埋設金属パイプラインとの間に接続された選択排流器の排流電流制限抵抗値を決定する方法であって、前記選択排流器は前記埋設金属パイプラインから前記レールに向かう方向を順方向とするダイオードと該ダイオードに直列接続される排流電流制限抵抗を備え、前記埋設金属パイプラインの近傍に設置されたプローブに流入するプローブ流入直流電流密度と前記選択排流器の排流電流との正相関から、前記プローブ流入直流電流密度の過防食防止基準値に対応する排流電流値を求め、該排流電流値が前記選択排流器の設置現場で上限となるように、前記排流電流制限抵抗の抵抗値r1を定めることを特徴とする選択排流器の排流電流制限抵抗値決定方法

請求項4

前記抵抗値r1は、下記式(a)で求められることを特徴とする請求項3記載の選択排流器の排流電流制限抵抗値決定方法。r1=(|R/P|maxL/IUDDmaxL)−r0……(a)r0=(|R/P|max)ave/(IUDDmax)ave|R/P|maxL:プローブ流入直流電流密度の基本計測区間最大値とレール対管電位R/Pの絶対値の基本計測区間最大値との正相関から、プローブ流入直流電流密度の基本計測区間最大値が過防食防止基準値(40A/m2)であることに対応するレール対管電位R/Pの絶対値の基本計測区間最大値IUDDmaxL :プローブ流入直流電流密度の基本計測区間最大値と排流電流IUDDの基本計測区間最大値との正相関から、プローブ流入直流電流密度の基本計測区間最大値が過防食防止基準値(40A/m2)であることに対応する排流電流IUDDの基本計測区間最大値(|R/P|max)ave:排流電流制限抵抗の抵抗値をゼロとした場合におけるレール対管電位R/Pの絶対値の基本計測区間最大値の計測時間平均値(IUDDmax)ave :排流電流制限抵抗の抵抗値をゼロとした場合における排流電流IUDDの基本計測区間最大値の計測時間平均値

技術分野

0001

本発明は、選択排流器及び選択排流器の排流電流制限抵抗決定方法に関するものである。

背景技術

0002

直流電気鉄道車両レール下に埋設された金属パイプラインには、直流電気鉄道車両運行時にレールから大地に流出する電流(レール漏れ電流という)が流入することがあり、流入した電流が金属パイプラインを流れて接地抵抗の低い箇所で流出すると、そこで直流迷走電流腐食が生じることになる。このようなレール漏れ電流の流出による直流迷走電流腐食を防止する方法の一つに選択排流法がある。ここでいう埋設金属パイプラインとは、ガス導管水道管通信配線保護管等を含んでおり、ここでは、カソード防食がなされているものを前提にして以下に説明する。

0003

選択排流法は、図1に示すように、埋設金属パイプライン(以下単にパイプラインという)Pの管対地電位P/S(パイプラインPと大地Sとの電位差)に対してレール対地電位(レールRと大地Sとの電位差)がよりマイナス側の場合に、選択排流器1を介してパイプラインPとレールR(或いはレールから変電所への引込線)とを電気的に接続し、パイプラインPを流れる電流を直接大地に流出させずに電線を通してレールRに帰流させる方法である(非特許文献1参照)。図中のD1は直流電気鉄道車両、D2は電車線、D3は変電所を示している。選択排流法は、変電所D3の近傍や回生制動車両の制動が頻繁になされる箇所でレールRに電流が吸い上げられる現象が生じることを利用したもので、このような現象が生じる箇所を選択してパイプラインPとレールRを電線で接続し、パイプラインPからレールRに向かう電流のみを許容することで、パイプラインPから大地に電流を流出させないものである。

0004

選択排流器1としては、シリコンダイオード抵抗とを直列に接続したものが一般に用いられ、シリコンダイオードのアノード側を防食対象のパイプラインPに接続している。選択排流器1によって発生する排流電流の大きさは、パイプラインPとレールRとの間の電位差が起動力となるが、シリコンダイオードと直列に接続される抵抗(排流電流制限抵抗)の大きさによって排流電流の大きさを制限することができる。この抵抗の抵抗値を大きくすることで排流電流を抑制することができ、抵抗値を小さくすることで排流電流が流れやすい状態になる。
電気学会電食防止研究委員会編「新版電食土壌腐食ハンドブック」電気学会発行,昭和52年5月,p.239

発明が解決しようとする課題

0005

パイプラインとレールとの間に選択排流器を接続した場合、選択排流器によって発生する排流電流が大きくなると、パイプラインの接地抵抗が下がることになり、周囲の電流(レール漏れ電流等の迷走電流防食電流)をパイプラインに呼び寄せやすくなる。これによってパイプラインに多くの電流が流入すると、カソード防食が施されているパイプラインにおいては過防食になりやすい問題があり、また、選択排流器が接続されたパイプラインの近くに他埋設管が存在する場合には、他埋設管に直流干渉による腐食リスクが生じる問題がある。

0006

特にパイプラインが過防食になると、カソード反応の結果生成されるアルカリ(OH-)により塗覆装欠陥近傍の塗覆装の接着力が低下することによりもたらされる陰極剥離や、カソード反応の結果生成する原子状水素が鋼内部に侵入して引き起こされる水素応力割れ等の問題が懸念されるので、パイプラインが過防食にならない対策が必要である。

0007

しかしながら、従来の選択排流器では下記式(1)によって排流電流制限抵抗の抵抗値が求められており、抵抗値rjは設定最大排流電流Imaxを考慮して決められていた。この設定最大排流電流Imaxは、選択排流器本体の定格(150A又は300A)の例えば60%とされ、過防食防止という観点で排流電流制限抵抗の抵抗値を求めることがなされていなかった。

0008

0009

本発明は、このような問題に対処するために提案されたものであって、選択排流器の排流電流を適正に制限して防食対象パイプラインの過防食を引き起こさないようにすること、等が本発明の目的である。

課題を解決するための手段

0010

このような目的を達成するために、本発明による選択排流器及び選択排流器の排流電流制限抵抗値の決定方法は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。

0011

[請求項1]直流電気鉄道のレールと該レール下に埋設された埋設金属パイプラインとの間に接続された選択排流器であって、前記埋設金属パイプラインから前記レールに向かう方向を順方向とするダイオードと該ダイオードに直列接続される排流電流制限抵抗を備え、前記排流電流制限抵抗は、前記埋設金属パイプラインの近傍に設置されたプローブに流入するプローブ流入直流電流密度と前記選択排流器の排流電流との正相関から、前記プローブ流入直流電流密度の過防食防止基準値に対応する排流電流値を求め、該排流電流値が前記選択排流器の設置現場で上限となるように定めた抵抗値r1を有することを特徴とする選択排流器。

0012

[請求項3]直流電気鉄道のレールと該レール下に埋設された埋設金属パイプラインとの間に接続された選択排流器の排流電流制限抵抗値を決定する方法であって、前記選択排流器は前記埋設金属パイプラインから前記レールに向かう方向を順方向とするダイオードと該ダイオードに直列接続される排流電流制限抵抗を備え、前記埋設金属パイプラインの近傍に設置されたプローブに流入するプローブ流入直流電流密度と前記選択排流器の排流電流との正相関から、前記プローブ流入直流電流密度の過防食防止基準値に対応する排流電流値を求め、該排流電流値が前記選択排流器の設置現場で上限となるように、前記排流電流制限抵抗の抵抗値r1を定めることを特徴とする選択排流器の排流電流制限抵抗値決定方法。

発明の効果

0013

このように特定された選択排流器或いは選択排流器の排流電流制限抵抗値決定方法によると、選択排流器の排流電流を適正に制限して防食対象パイプラインの過防食を引き起こさないようにすることができる。

図面の簡単な説明

0014

選択排流法の説明図である。
本発明の実施形態に係る選択排流器及び選択排流器の排流電流制限抵抗値決定方法を示す説明図である。
本発明の実施形態に係る排流電流制限抵抗値決定方法における計測演算処理工程を示した説明図である。
(IUDDmax,IDCmax)と(|R/P|max,IDCmax)の座標から得られるIUDD−IDC正相関図(同図(a))と|R/P|−IDC正相関図(同図(b))である。

実施例

0015

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図2は、本発明の実施形態に係る選択排流器及び選択排流器の排流電流制限抵抗値の決定方法を示す説明図である。直流電気鉄道D1のレールRとレールRの下に埋設されたパイプラインPとの間に選択排流器1が接続されている(1R:レール側端子、1P:パイプ側端子)。選択排流器1は、パイプラインPの管対地電位P/S(パイプラインPと大地Sとの電位差)に対してレール対地電位(レールRと大地Sとの電位差)がよりマイナス側の場合に、その差を駆動力としてパイプラインPを流れる電流を直接大地に流出させずに電線を通してレールRに帰流させるものである。

0016

選択排流器1の具体的な構成例を示すと、パイプ側端子1PとパイプラインPとの接続点P1間は電線L1で接続され、レール側端子1RとレールR間は電線L2で接続されている。選択排流器1はパイプラインPからレールRに向けた方向を順方向とするダイオード10を備え、そのダイオード10にシャント抵抗11が直列接続されている。ダイオード10にはコンデンサ12とバリスタ13が並列接続されて高電圧サージ)からダイオード10を保護している。また、排流電流制限抵抗14がダイオード10とシャント抵抗11の間に挿入されてダイオード10に直列接続されている。また、シャント抵抗11よりレールR側に速断ヒューズ15が直列接続されている。速断ヒューズ15をシャント抵抗11とレール側端子1Rとの間に設置することで、速断ヒューズ15が過電流によって溶断した場合には、排流電流IUDDがゼロになり、レール対管電位R/Pもゼロになる。この速断ヒューズ15を設けることで、過電流が後述するR/P計測用電圧計21Aに流れ込まないので、電圧計故障誘起しない。

0017

このような選択排流器1に対しては、2つの計測手段を組み込んでいる。一つは、シャント抵抗11の両端電圧を計測するIUDD計測用電圧計20Aであり、もう一つは、レール側の接続点をシャント抵抗11のマイナス端子側に接続すると共にパイプ側の接続点をダイオード10よりパイプ側に接続したR/P計測用電圧計21Aである。

0018

IUDD計測用電圧計20Aで計測された電圧をシャント抵抗で除した値がパイプラインPからレールRに向けて流れる排流電流IUDDである。また、R/P計測用電圧計21Aで計測される電圧がレール対管電位R/P(パイプラインPに対するレールRの電位差)である。排流電流IUDDがパイプラインPからレールRに向けて流れている状態ではレール対管電位R/Pはマイナスの値を示すことになる。

0019

IUDD計測用電圧計20Aで計測された電圧は、排流電流計測手段20に入力され排流電流IUDDに変換される。R/P計測用電圧計21Aは、排流電流を流す駆動力の有無を判断するための電位差を計測するものであるから、シャント抵抗11の電圧降下計測値に含めるように、シャント抵抗11のマイナス端子側にレール側の接続点を設けている。R/P計測用電圧計21Aで計測された電圧はレール対管電位計測手段21に入力されて、その絶対値|R/P|が出力される。排流電流IUDDとレール対地電位R/Pとの関係は、IUDD=(R/P)/(r0+r1)となる。ここで、r0は後述するようにレールの接地抵抗r01とパイプラインの接地抵抗r02と配流星導体抵抗r03の和である。r1は排流電流制限抵抗の抵抗値である。

0020

一方、パイプラインPの近傍にはパイプラインPの塗覆装欠陥を模擬したプローブ30が設置され、パイプラインPと電線L3の一端が接続点P2で接続され、電線L3の他端にプローブ30が接続されている。電線L3に挿入されたプローブ電流計31によってプローブ流入電流が計測される。計測されたプローブ流入電流は、プローブ電流密度計測手段32で演算処理されてプローブ流入直流電流密度IDCが出力される。

0021

前述した排流電流計測手段20とレール対管電位計測手段21とプローブ電流密度計測手段32からの出力が演算処理手段40に入力され、演算処理手段40の演算処理によって前述した排流電流制限抵抗14の抵抗値を決定する。

0022

図3は、排流電流計測手段20,レール対管電位計測手段21,プローブ電流密度計測手段32,演算処理手段40による計測演算処理工程を示した説明図である。計測は、排流電流制限抵抗14が無い状態で行われ、好ましくは過防食発生リスクを厳しめに評価するためにレール漏れ電流の発生しやすい雨天時に例えば24時間行う。IUDD計測用電圧計20A,R/P計測用電圧計21A,プローブ電流計31からのサンプリングは0.1msec毎に同時に行われ、20msecの単位計測区間での200個のサンプリング値平均化処理してIUDD,|R/P|,IDCが求められる。

0023

20msecの単位計測区間毎に1組の(IUDD,|R/P|,IDC)が求められるので、例えば10secの1基本計測区間では500組の(IUDD,|R/P|,IDC)が求められることになり、この500組の中の最大値を抽出して、1基本計測区間毎に1つの(IUDDmax,|R/P|max,IDCmax)を求める。また、排流電流IUDDとプローブ流入直流電流密度IDCの相関、或いはレール対管電位R/Pとプローブ流入直流電流密度IDCの相関を求めるために、1基本計測区間毎に(IUDDmax,IDCmax)と(|R/P|max,IDCmax)の座標を一つずつ得る。

0024

この過程を繰り返し、例えば24時間の計測時間では1基本計測区間が8640個有るので、(IUDDmax,IDCmax)と(|R/P|max,IDCmax)の座標がそれぞれ8640点得られることになる。更には、8640個の(IUDDmax,|R/P|max)から平均値((IUDDmax)ave,(|R/P|max)ave)を求める。

0025

図4は、前述ように求めた(IUDDmax,IDCmax)と(|R/P|max,IDCmax)の座標から得られるIUDD−IDC正相関図(同図(a))と|R/P|−IDC正相関図(同図(b))である。排流電流IUDDmaxとプローブ流入直流電流密度IDCmax、或いはレール対管電位|R/P|maxとプローブ流入直流電流密度IDCmaxは、高い相関係数の正相関を示す。これを利用して、プローブ流入直流電流密度IDCの過防食防止基準に対応する排流電流IUDDmaxとレール対管電位|R/P|maxを求める。プローブ流入直流電流密度IDCの過防食防止基準は、例えば、特開2006−145492号公報に示されているように、40A/m2であることが知られている。この値をIUDD−IDC正相関図(同図(a))と|R/P|−IDC正相関図(同図(b))に代入して、プローブ流入直流電流密度IDCの過防食防止基準に対応した排流電流IUDDmaxとレール対管電位|R/P|maxである、IUDDmaxL,|R/P|maxLを求める。

0026

以下に、演算処理手段40による排流電流制限抵抗14の抵抗値決定工程を説明する。演算処理手段40は、前述した排流電流値IUDDmaxLが選択排流器1の設置現場で上限となるように、排流電流制限抵抗14の抵抗値r1を定める。

0027

先ず、選択排流器1の排流電流制限抵抗14が無い場合、前述したIUDDmaxと|R/P|maxの関係は下記式(2)のようになる。

0028

(2)式に計測時間平均値(IUDDmax)ave,(|R/P|max)aveを代入すると、r0=(|R/P|max)ave)/(IUDDmax)ave …(3)を得る。

0029

そして、選択排流器1の排流電流制限抵抗値r1と前述したIUDDmaxL,|R/P|maxLとの関係は、IUDD=(R/P)/(r0+r1)の関係が成り立つので、下記式(4)のようになる。

0030

0031

式(5)の演算処理によって求めた排流電流制限抵抗値r1は、排流電流の増大によって防食対象のパイプラインPが過防食を起こさないように排流電流を抑制することができる抵抗値である。また、排流電流制限抵抗値r1で排流電流を制限する場合、レール対地電位R/Pが小さいときに、排流電流IUDDが流れなくなってしまうと、そもそも選択排流器を設置する目的から外れてしまうので、ここでのr0は式(5)に示すように、|R/P|maxとIUDDmaxを平均化処理した(|R/P|max)ave,(IUDDmax)aveによって求めており、排流電流IUDDが過剰に制限されないようにしている。

0032

以上説明したように、本発明の実施形態に係る選択排流器1及び選択排流器1の排流電流制限抵抗値の決定方法によると、レール漏れ電流がパイプラインPに流入した場合の排流機能を十分に得ることができ、しかも、パイプラインPが過防食にならない設定が可能になる。また、このように求めた排流電流制限抵抗値は従来の定格から求められる抵抗値より大きくなるので、排流電流を低めに抑えることができ、過剰な排流電流をレールRに戻さないことに加えて、他埋設管への直流干渉の問題も同時に解消することができる。

0033

1:選択排流器,
10:ダイオード,11:シャント抵抗,12:コンデンサ,
13:バリスタ,14:排流電流制限抵抗,15:速断ヒューズ,
20:排流電流計測手段,20A:IUDD計測用電圧計,
21:レール対管電位計測手段,21A:R/P計測用電圧計,
30:プローブ,31:プローブ電流計,32:プローブ電流密度計測手段,
40:演算処理手段,
P:埋設金属パイプライン(パイプライン),R:レール

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