図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2010年11月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

人体食品に触れても安全であり、高いインフルエンザウイルス感染防止剤を提供することを目的とする。

解決手段

モノエステル含量が50%以上であり、構成脂肪酸炭素数が8〜14の飽和脂肪酸もしくは炭素数9〜22の不飽和脂肪酸であり、かつポリグリセリン重合度が2〜5であるポリグリセリン脂肪酸モノエステルを有効成分として含有するインフルエンザ感染防止剤であり、水溶液或いは乳化液の形態で好ましく提供される。

概要

背景

毎年、インフルエンザ感染症は世界中で繰り返されている。インフルエンザの予防もしくは治療には、一般的には、ワクチン接種するか、アマンタジンオセルタミビルリン酸塩タミフル登録商標)やザナミビル水和物(リレンザ:登録商用)などの抗インフルエンザウイルス剤服用することが行われている。しかしながら、インフルエンザの抗原性は変異しやすく、ワクチンのみによって、その流行を抑えることはできない。また、抗インフルエンザウイルス剤は高い抗インフルエンザ活性を示すものの、薬剤耐性ウイルス出現頭痛呼吸困難などの副作用などの問題がある。このため、副作用がなく人体に安全でしかも効果の高い抗インフルエンザウイルス剤の開発が求められている。

インフルエンザ感染症に対する感染予防としてワクチン接種があるが、その年に流行するインフルエンザウイルスの型が毎年異なるため、その型に対応するワクチンの製造が間に合わない事態が生じている。したがって、インフルエンザウイルスに対しては、感染予防が最も重要なものである。
このような観点から、これまでにインフルエンザウイルス感染予防剤として種々のものが提案されており、例えば、茶ポリフェノールを有効成分とするもの(例えば、特許文献1参照)、クロロゲン酸エステルを有効成分とするもの(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
しかしながら、有効なインフルエンザウイルス感染予防剤は、これまで登場していないのが現状である。

一方、グリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステル食品添加物として認可されており、食品用乳化剤起泡剤プラスチック用の帯電防止剤抗菌剤など、幅広く使われている安全性の高い物質である。
このグリセリン脂肪酸エステルの薬理作用として、例えば、抗ヘルペスウィルス活性、抗AIDSウイルス活性(例えば、特許文献3参照)が、また、ポリグリセリン脂肪酸エステルとモノグリセリン脂肪酸エステル並びにアミノ酸低級アルコールを配合して、ノロウイルスを殺菌する方法(例えば、特許文献4参照)等が提案されている。
しかしながら、本発明が目的とする、ポリグリセリン脂肪酸エステルのインフルエンザウイルスに対する効果は知られていない。

本発明者等は、安全性の高いポリグリセリン脂肪酸エステルの薬理作用について種々検討してきたなかで、このものにインフルエンザウイルスに対し、抗インフルエンザウイルス活性、すなわちインフルエンザウイルスに対する感染防止作用があることを見出し、このものを含有する水溶液、或いは乳化液は、皮膚の消毒等、インフルエンザウイルス感染防止剤として極めて有効なものであることを確認し、本願発明を完成させるに至った。
特開平3−101623号公報
特開2004−345971号公報
特表平2−502915号公報
特開2008−156329号公報

概要

人体、食品に触れても安全であり、高いインフルエンザウイルス感染防止剤を提供することを目的とする。モノエステル含量が50%以上であり、構成脂肪酸炭素数が8〜14の飽和脂肪酸もしくは炭素数9〜22の不飽和脂肪酸であり、かつポリグリセリン重合度が2〜5であるポリグリセリン脂肪酸モノエステルを有効成分として含有するインフルエンザ感染防止剤であり、水溶液或いは乳化液の形態で好ましく提供される。 なし

目的

したがって本発明の課題は、皮膚刺激性が少なく、人体や食品に安全であり、かつ高い不活化性能を示すインフルエンザウイルス感染防止剤を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

下記(a)、(b)及び(c)に示すポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とするインフルエンザウイルス感染防止剤。(a)モノエステル純度が50質量%以上である、(b)脂肪酸炭素数8〜14の飽和脂肪酸、もしくは炭素数9〜22の不飽和脂肪酸である、(c)ポリグリセリン重合度が2〜5である。

請求項2

水溶液、或いは乳化液の形態にあることを特徴とする請求項1に記載のインフルエンザウイルス感染防止剤。

技術分野

0001

本発明は、安全性の高い、皮膚等の消毒等に使用されるのに好適な、インフルエンザウイルス感染防止剤に関する。

背景技術

0002

毎年、インフルエンザ感染症は世界中で繰り返されている。インフルエンザの予防もしくは治療には、一般的には、ワクチン接種するか、アマンタジンオセルタミビルリン酸塩タミフル登録商標)やザナミビル水和物(リレンザ:登録商用)などの抗インフルエンザウイルス剤服用することが行われている。しかしながら、インフルエンザの抗原性は変異しやすく、ワクチンのみによって、その流行を抑えることはできない。また、抗インフルエンザウイルス剤は高い抗インフルエンザ活性を示すものの、薬剤耐性ウイルス出現頭痛呼吸困難などの副作用などの問題がある。このため、副作用がなく人体に安全でしかも効果の高い抗インフルエンザウイルス剤の開発が求められている。

0003

インフルエンザ感染症に対する感染予防としてワクチン接種があるが、その年に流行するインフルエンザウイルスの型が毎年異なるため、その型に対応するワクチンの製造が間に合わない事態が生じている。したがって、インフルエンザウイルスに対しては、感染予防が最も重要なものである。
このような観点から、これまでにインフルエンザウイルス感染予防剤として種々のものが提案されており、例えば、茶ポリフェノールを有効成分とするもの(例えば、特許文献1参照)、クロロゲン酸エステルを有効成分とするもの(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
しかしながら、有効なインフルエンザウイルス感染予防剤は、これまで登場していないのが現状である。

0004

一方、グリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステル食品添加物として認可されており、食品用乳化剤起泡剤プラスチック用の帯電防止剤抗菌剤など、幅広く使われている安全性の高い物質である。
このグリセリン脂肪酸エステルの薬理作用として、例えば、抗ヘルペスウィルス活性、抗AIDSウイルス活性(例えば、特許文献3参照)が、また、ポリグリセリン脂肪酸エステルとモノグリセリン脂肪酸エステル並びにアミノ酸低級アルコールを配合して、ノロウイルスを殺菌する方法(例えば、特許文献4参照)等が提案されている。
しかしながら、本発明が目的とする、ポリグリセリン脂肪酸エステルのインフルエンザウイルスに対する効果は知られていない。

0005

本発明者等は、安全性の高いポリグリセリン脂肪酸エステルの薬理作用について種々検討してきたなかで、このものにインフルエンザウイルスに対し、抗インフルエンザウイルス活性、すなわちインフルエンザウイルスに対する感染防止作用があることを見出し、このものを含有する水溶液、或いは乳化液は、皮膚の消毒等、インフルエンザウイルス感染防止剤として極めて有効なものであることを確認し、本願発明を完成させるに至った。
特開平3−101623号公報
特開2004−345971号公報
特表平2−502915号公報
特開2008−156329号公報

発明が解決しようとする課題

0006

したがって本発明の課題は、皮膚刺激性が少なく、人体や食品に安全であり、かつ高い不活化性能を示すインフルエンザウイルス感染防止剤を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

かかる課題を解決するための本発明は、以下の構成からなる。すなわち、本発明は、
1.モノエステル純度が50質量%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とするインフルエンザウイルス感染防止剤;
2.前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が、炭素数が8〜14の飽和脂肪酸、もしくは炭素数9〜22の不飽和脂肪酸であることを特徴とする前記1に記載のインフルエンザウイルス感染防止剤;
3.前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン重合度が2〜5であることを特徴とする前記1及び2に記載のインフルエンザウイルス感染防止剤;
4.水溶液、或いは乳化液の形態にあることを特徴とする前記1〜3に記載のインフルエンザウイルス感染防止剤、
である。

発明の効果

0008

本発明が提案するインフルエンザウイルス感染防止剤における有効成分であるポリグリセリン脂肪酸エステルは、高い抗インフルエンザウイルス効果を示し、また、食品添加物であり、皮膚刺激性も弱く、人体や食品に接しても安全に使用できる化合物である。
したがって、安全性の高い、皮膚刺激性が無く、なんら副作用がないインフルエンザウイルス感染防止剤、特に水溶液或いは乳化液の形態でのインフルエンザウイルス感染防止剤を提供することができ、簡便に使用できる点で、医療上の価値は多大なものである。

発明を実施するための最良の形態

0009

上記したように、本発明は、その基本的態様は、モノエステル純度が50質量%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とするインフルエンザウイルス感染防止剤である。
以下、本発明の詳細について説明する。

0010

本発明において、有効成分として含有されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸との公知の方法によるエステル化反応、又はポリグリセリンと脂肪酸低級アルキルアルコールエステルとの公知の方法によるエステル交換反応等の方法によって得られた反応物を、分子蒸留クロマトグラフィー溶剤分別等の公知の方法により、モノエステル純度50質量%以上に高めることにより得られるポリグリセリン脂肪酸エステルである。
本発明にあっては、抗インフルエンザウイルス活性を発揮するためには、そのモノエステル純度が50質量%以上であることが必要であり、より好ましくはモノエステル純度が70質量%以上に高めたものが好適である。
モノエステル純度が50質量%未満の場合では、十分な抗インフルエンザウイルス性を示さない。

0011

一方、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数が8〜14の飽和脂肪酸もしくは炭素数9〜22の不飽和脂肪酸である。
そのような脂肪酸としては、具体的には、カプリル酸カプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミトイル酸、オレイン酸リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸リシノール酸などを挙げることができる。
脂肪酸として、炭素数が8より短くなると、皮膚刺激性が強くなったり、不快臭が強くなったりして好ましいものではない。また、炭素数が22より長くなると、十分な抗インフルエンザウイルス性を示さなくなる。用いる脂肪酸としては、1種でもよいし、2種以上を併用したものであってもよい。

0012

本発明で使用するポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンとしては、例えば、ジグリセリントリグリセリンテトラグリセリンペンタグリセリン等が用いられる。
これらのポリグリセリンは、グリセリンに少量の酸、またはアルカリ触媒として添加し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させ、分子蒸留やカラムクロマトグラフィーなどで分離精製する方法、或いは、エピクロルヒドリンソルケタール原料として、相間移動触媒を用いて反応させる方法などにより得ることができる。
ポリグリセリンにあっては、水酸基価等から求められる平均重合度が2〜5であっても、重合度2、3、4,5のものが主成分でない場合には、十分な抗インフルエンザウイルス性効果発現されない。
この重合度の分析方法は、後記に示す。

0013

したがって、本発明の抗インフルエンザウイルス剤として含有される有効成分としてのポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、具体的には、ジグリセリンモノカプリレート、ジグリセリンモノカプレートジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノミリスレート、トリグリセリンモノカプリレート、トリグリセリンモノカプレート、トリグリセリンモノラウレート、トリグリセリンモノミリスチレート、テトラグリセリンモノカプリレート、テトラグリセリンモノカプレート、テトラグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノミリスチレート、ペンタグリセリンモノカプリレート、ペンタグリセリンモノカプレート、ペンタグリセリンモノラウレート、ペンタグリセリンモノミリスチレート、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンモノリノレート、ジグリセリンモノエルケート、トリグリセリンモノオレート、トリグリセリンモノリノレート、トリグリセリンモノエルケート、テトラグリセリンモノオレート、テトラグリセリンモノリノレート、テトラグリセリンモノエルケート、ペンタグリセリンモノオレート、ペンタグリセリンモノリノレート、ペンタグリセリンモノエルケートなどを挙げることができる。
そのなかで、好ましくは、ジグリセリンモノラウレート、トリグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノラウレート、ペンタグリセリンモノラウレートである。

0014

本発明が提供するポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とするインフルエンザウイルス感染防止剤の使用形態としては、例えば、水溶液や乳化液があげられる。
この水溶液、或いは乳化液としてのインフルエンザウイルス感染防止剤は、その用途として、食品や食器などへの噴霧により、或いはマスクウエットティッシュ等への含浸、更には、病院の壁、カーテン医療器具便座などの噴霧、或いは塗布、皮膚や口などに対する噴霧、或いは塗布等、人体の消毒などに用いることができる。

0015

このような本発明のインフルエンザウイルス感染防止剤としての水溶液、または乳化液中における有効成分であるポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、一概に限定できないが、要は塗布或いは噴霧等により抗インフルエンザウイルス効果を発揮する有効量を含有させればよく、具体的には0.1〜20質量%含有させることができる。
20質量%を超える配合量では、べたつきやハンドリングなどで問題が生じ好ましいものではない。また、0.1質量%未満の配合量では、十分な抗インフルエンザウィルス活性を示すことができない。

0016

本発明が提供するインフルエンザウイルス感染防止剤としての水溶液または乳化液を作製する際には、本発明の抗インフルエンザウイルス効果を阻害しない範囲内で他の添加剤を配合してもよい。
そのような添加剤としては、例えば、防腐剤保存料酸化防止剤光安定剤香料着色剤などをあげることができる。また、ポリフェノール類四級アンモニウム塩類などの他の抗ウイルス剤、抗菌剤などと併用してもよい。

0017

以下に、本発明を、具体的な製造例、試験例、実施例等をあげてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの試験例、実施例に制限されるものではない。

0018

製造例1:ジグリセリンモノカプリレートの合成
グリセリン20kgにCaO(和光純薬工業株式会社製;以下同じ)を40g加え、窒素ガス気流下、260℃で5時間グリセリンの縮合反応を行った後、リン酸(和光純薬工業株式会社製 85%品;以下同じ)72gを添加して中和した。次に、得られた組成物を、遠心式分子蒸留機(株式会社アルバック社製;以下同じ)を用いて、40Paの真空下、120℃〜160℃で、グリセリンを除去し、続いて、20Paの真空下、190℃で、ジグリセリン含量94%のジグリセリン組成物を得た。なお、ジグリセリン含量は後述の分析方法1に従って分析した。
得られたジグリセリン組成物6.4kgとカプリル酸(NAA−82、純度99%、日油株式会社製)3.6kgを反応釜仕込み窒素雰囲気下、220℃で3時間エステル化反応を行った。得られた反応物を、遠心式分子蒸留機を用いて、1Paの真空下、160℃にて、未反応のジグリセリンを除去し、続いて、1Paの真空下、200℃にて、モノエステル含量85%のジグリセリンモノカプリレート組成物を得た。モノエステル含量は後述の分析方法2に従って分析した。

0019

製造例2:ジグリセリンモノエルケートの合成
製造例1と同様にして作製したジグリセリン組成物4.3kgと、エルカ酸(純度90%、日油株式会社製)5.6kgを反応釜に仕込み、窒素雰囲気下、240℃で3時間エステル化反応を行った。得られた反応物を、遠心式分子蒸留機を用いて、1Paの真空下、160℃にて、未反応のジグリセリンを除去し、続いて、1Paの真空下、220℃にて、モノエステル含量81%のジグリセリンモノエルケート組成物を得た。モノエステル含量は後述の分析方法2に従って分析した。

0020

製造例3:トリグリセリンモノラウレートの合成
グリセリン20kgにCaOを40g加え、窒素ガス気流下、260℃で5時間グリセリンの縮合反応を行った後、リン酸72gを添加して中和した。次に、得られた組成物を、遠心式分子蒸留機を用いて、2Paの真空下、200℃で、ジグリセリンを除去し、続いて、2Paの真空下、230℃で、トリグリセリン含量90%のトリグリセリン組成物を得た。なお、トリグリセリン含量は後述の分析方法1に従って分析した。
このトリグリセリンを活性炭処理にて精製した後、トリグリセリン組成物6.5kgとラウリン酸(NAA−122、純度99%、日油株式会社製)3.5kgを反応釜に仕込み、窒素雰囲気下、240℃で3時間エステル化反応を行った。得られた反応物を、遠心式分子蒸留機を用いて、1Paの真空下、230℃にて、未反応のトリグリセリンを除去し、続いて、1Paの真空下、250℃にて、モノエステル含量80%のトリグリセリンモノラウレート組成物を得た。モノエステル含量は後述の分析方法2に従って分析した。

0021

製造例4:テトラグリセリンモノラウレートの合成
エピクロルヒドリン(和光純薬工業株式会社製:以下同じ)16gとソルケタール(東京化成工業株式会社製:以下同じ)50gを、テトラブチルアンモニウムヨウ素(和光純薬工業株式会社製:以下同じ)3.6gを相間移動触媒に用いて、30%NaOH水溶液200mL、ヘキサン200mLを溶媒に用いて反応した。温度は80℃で激しく時間撹拌した。反応終了後分液ロートヘキサン層分画した後、飽和塩アンモニウム水溶液で中和し、適当量無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶剤エバポレーターで留去し、残留物を130℃、100Paの条件で真空蒸留して精製し、直鎖状トリグリセリンのジアセトナイドを44g得た。さらに得られた直鎖状トリグリセリンのアセトナイド32gとエピクロロヒドリン10gを、テトラブチルアンモニウムヨウ素1.8gを相間移動触媒に用いて、30%NaOH水溶液200mL、ヘキサン200mLを溶媒に用いて反応した。反応温度は40℃で激しく撹拌した。反応終了後、分液ロートでヘキサン層を分画した後、飽和塩化アンモニウム水溶液で中和し、適当量の無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶剤をエバポレーターで留去し、展開溶媒にヘキサン/酢酸エチル=7/3を用いてシリカゲルカラムクロマトで精製し、トリグリセリンのアセトナイドのグリシジルエーテル含量95%の組成物を30g得た。
なお、トリグリセリンのアセトナイドのグリシジルエーテルの含量は、後述の分析方法1にて分析した。
得られたトリグリセリンのアセトナイドのグリシジルエーテル19gとラウリン酸10gを、120℃、1時間反応した後、反応生成物を得た。これを展開溶媒にヘキサン/酢酸エチル=7/3を用いてシリカゲルクロマトで精製した後、THF/H2O=8/2の溶媒に溶解して、塩酸を触媒量加えて40℃に加温して、アセトナイドを脱保護し、再び展開溶媒にヘキサン/酢酸エチル=7/3を用いてシリカゲルクロマトで精製してモノエステル含量96%のテトラグリセリンモノラウレート組成物を19g得た。
なお、モノエステル含量は後述の分析方法2に従って分析した。

0022

製造例5:ペンタグリセリンモノラウレートの合成
製造例4と同様の方法で得られたトリグリセリンのアセトナイドのグリシジルエーテル38gとソルケタール13gを、テトラブチルアンモニウムヨウ素1.8gを相間移動触媒に用いて、30%NaOH水溶液200mL、ヘキサン200mLを溶媒に用いて、80℃で5時間、激しく撹拌して反応させた。反応終了後、分液ロートでヘキサン層を分画した後、飽和塩化アンモニウム水溶液で中和し、適当量の無水硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレーターで溶剤を留去して得られた残留物を、展開溶媒にヘキサン/酢酸エチル=7/3を用いてシリカゲルカラムクロマトで精製し、ペンタグリセリンのトリアトナイド含量95%の組成物を40g得た。なお、ペンタグリセリンのアセトナイドの含有量は後述の分析方法1に従って分析した。
得られたペンタグリセリンのトリアセトナイド25gとラウリン酸クロライド(純度99%、和光純薬工業株式会社)12gをピリジン40mLに溶解し、触媒量のN,N−ジメチルアンモニウムピリジンを加え、室温で一晩攪拌しながら反応し、エステル化した。溶剤を留去して得られた残留物を、展開溶媒にヘキサン/酢酸エチル=7/3を用いて、シリカゲルカラムクロマトで精製し、THF/H2O=8/2の溶媒に溶解して、塩酸を触媒量加えて40℃に加温して、アセトナイドを脱保護し、再び展開溶媒にヘキサン/酢酸エチル=7/3を用いて、シリカゲルクロマトで精製してモノエステル含量97%のペンタグリセリンモノラウレートを23g得た。
モノエステル含量は後述の分析方法2に従って分析した。

0023

製造例6:ジグリセリンラウレートの合成
製造例1と同様に作製したジグリセリン組成物3.7kgとラウリン酸6.3kgを反応釜に仕込み、窒素雰囲気下、220℃で3時間エステル化反応を行った。得られた反応物を静置分離し、遊離したジグリセリンを除き、モノエステル含量32%、ジエステル含量42%、トリエステル含量22%、テトラエステル含量4%のジグリセリンラウレートを得た。
エステル分布は後述の分析方法2に従って分析した。

0024

製造例7:トリグリセリンモノラウレートの合成(ポリグリセリン重合度分布のあるタイプ)
ラウリン酸200gを1Lの反応容器に仕込み、窒素ガスを100mL/minの流量で供給しながら、550mmHgに減圧し、130℃に加熱した。ついで、グリシドール(和光純薬工業株式会社)741gを5時間かけて滴下した。グリシドールを20%滴下した段階でリン酸0.38gを添加した。グリシドール滴下終了後、系内温度を140℃とし、12時間反応を継続しポリグリセリンラウレートを得た。
得られた組成物のモノエステル含量は99%、水酸基価から求められるポリグリセリンの平均重合度は3であるが、重合度の分布は、グリセリン38%、ジグリセリン19%、トリグリセリン10%、テトラグリセリン9%、ペンタグリセリン8%、ヘキサグリセリン6%、ヘプタグリセリン4%、オクタグリセリン3%、ノナグリセリン2%、デカグリセリン1%である。
モノエステル含量は後述の分析方法2に従って分析した。
ポリグリセリンの重合度はケン化分解して、得られたポリグリセリンを後述の分析方法1に従って分析した。

0025

分析方法1:ポリグリセリンの重合度の測定方法
製造したグリセリンの重合物またはトリグリセリンのアセトナイドのグリシジルエーテルまたはペンタグリセリンのアセトナイドを10mgとり、下記移動相1mLに溶解し、下記条件のGPCにて、重合度を分析した。
装置:島津製作所製HPLC
検出器RI検出器
カラム温度:40℃
カラム:Shodex−AsahipackGS220HQ×2
移動相:メタノール/水=30%/70%
移動相流量:0.4mL/min

0026

分析方法2:モノエステル含量の測定方法
製造したポリグリセリンエステルを10mgとり、下記移動相1mLに溶解し、下記条件のGPCにて、重合度を分析した。
装置:島津製作所製HPLC
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
カラム:Shim−packGPC−801×2
移動相:テトラヒドロフラン
移動相流量:1.0mL/min

0027

試験例1:抗インフルエンザ効果の確認
供試試料
下記表1に示す各試料の300ppm水溶液を用いて、抗インフルエンザウイルス性について評価した。

0028

0029

*1:モノエステル含量(%):(ポリ)グリセリンの水酸基のうち、一つだけエステル結合しているものの割合
*2:該ポリグリセリン含量(%):構成(ポリ)グリセリンに占める成分名に示す(ポリ)グリセリンの割合
*3:該脂肪酸純度(%):構成脂肪酸に占める成分名に示す脂肪酸の割合

0030

抗インフルエンザウイルス性試験
[試験ウイルス]
インフルエンザウイルスA型(H1N1型
[使用細胞
MDCK(NBL−2)細胞ATCCCCL−34株(大日本製薬株式会社)

0031

ウイルス液の調製]
細胞増殖培地を用い、MDCK細胞組織培養フラスコ内に単層培養した。培養後、フラスコ内から細胞増殖培地を除き、試験ウイルスを接種した。
次に細胞維持培地を加え、37±1℃の炭酸ガスインキュベーター内で1〜3日間培養した。
培養後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態を観察し、細胞の形態変化細胞変性効果)が生じていることを確認した。確認後、培養液遠心分離(3000r/分、10分間)して得られた上澄み液を、ウイルス液とした。

0032

[使用培地
(1)細胞増殖培地
イーグルMEM培地ニッスイ」(日水製薬株式会社)に胎仔血清を10%加えたものを使用。
(2)細胞維持培地
以下の組成の培地を使用した。
イーグルMEM培地(ニッスイ) 1000mL
10%NaHCO3 14mL
L−グルタミン(30g/L) 9.8mL
100×MEMビタミン液 30mL
10%アルブミン20mL
0.25%トリプシン20mL

0033

ウイルス不活化試験]
試料1mLにウイルス液0.1mLを添加、混合し、室温にて1時間及び24時間、保存した。保存後、試料のウイルス液を細胞維持培地2mLで洗い出し試験液とした。
細胞増殖培地を用い、MDCK細胞を組織培養用マイクロプレート96穴)で単層培養した後、細胞増殖培地を除き、細胞維持培地を0.1mLずつ加えた。そして、試験液及び試験希釈液0.1mLを4穴ずつに接種し、37±1℃の炭酸ガスインキュベーター内で4〜7日間培養した。培養後、顕微鏡を用いて細胞の形態変化(細胞変性効果)の有無を観察し、Reed−Muench法により50%組織培養感染量(TCID50)を算出して、試験液1mLあたりのウイルス感染価換算した。

0034

[結果]
その結果を、下記表2中に示した。

0035

0036

表2に示した結果から判明するように、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルは、優れた抗インフルエンザウイルス効果をもつことが判明する。

0037

製剤例1:水溶液製剤の調製
製造例1で調製したジグリセリンモノカプリレートと、蒸留水を用いて、ジグリセリンモノカプリレートを1000ppm含有する水溶液製剤を調製した。
得られた水溶液製剤を市販のスプレー容器中に充填し、スプレー噴霧用の水溶液製剤を調製した。
なお、調製した水溶液製剤には、さらに塩化ベンザルコニウムを含有させるることにより、抗インフルエンザウイルス効果と共に殺菌機能を付加した水溶液製剤を調製した。

0038

製剤例2:乳化液製剤の調製
実施例1のジグリセリンモノラウレート(理研ビタミン社製:ポエムDL-100)20部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム10部、ジメチルスルホキシド20部、イソプロパノール20部及び蒸留水30部を加温、混合して乳化剤を得た。

0039

前記製剤例1の水溶液と、製剤例2の乳化液を蒸留水で30倍に希釈した溶液をそれぞれ綿布に浸漬し、綿布重量と等量の液が付着するように絞り、105℃の温風で10分間乾燥させた。
次いで、綿布を30mm×30mmに切断し、120℃のオートクレーブ中に20分間入れて乾燥させ、試験片とした。
これをプラスチックシャーレに入れ、前記記載のウイルス液0.2mLを滴下し、室温にて24時間保存した。保存後、試料のウイルス液を細胞維持培地2mLで洗い出し試験液とし、前記ウイルス不活化試験と同様の方法により抗インフルエンザウイルス性を確認した。
その結果を、下記表3中に示した。

0040

0041

表3に示した結果から判明するように、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを付与した繊維製品は優れた抗インフルエンザウイルス効果をもつことが判明する。

0042

以上記載のように、本発明はモノエステル純度が50質量%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とするインフルエンザウイルス感染防止剤であり、有効成分として含有されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、食品添加物であり、安全であり、皮膚刺激性も少ないことから、安全性に優れた、水溶液、或いは乳化液としてのインフルエンザウイル感染防止剤が提供され、マスクへの含浸、或いは消毒薬等として利用するのに好適であり、その医療上の貢献度は多大なものである。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 深せん市涛卉杯業有限公司の「 アンクーシン色素の抽出装置」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】本発明はアンクーシン色素の抽出装置を開示した。【解決手段】固定ベースプレートを含み、前記固定ベースプレートの上端面には固定ハウジングが固設され、前記固定ハウジングの内部の左側には第一キャビティ... 詳細

  • 住友化学株式会社の「 エステル化合物及びその用途」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】植物病害に対して優れた防除効力を有する化合物を提供すること。【解決手段】式(A)で示される化合物は植物病害に対して防除効力を有することから、植物病害防除剤の有効成分として使用することができる。... 詳細

  • 住友化学株式会社の「 エステル化合物及びその用途」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】植物病害に対して優れた防除効力を有する化合物を提供すること。【解決手段】 [4−(メトキシメチル)−2,3,5−トリフルオロフェニル]メチル 2,2−ジメチル−3−((Z)−1−プロペニル... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ