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技術 滅菌装置及び方法

出願人 株式会社日立製作所NCメディカルリサーチ株式会社
発明者 小澤理増田洋人杉浦匠境弘夫沢井悠
出願日 2009年5月11日 (11年1ヶ月経過) 出願番号 2009-114929
公開日 2010年11月18日 (9年7ヶ月経過) 公開番号 2010-259722
状態 特許登録済
技術分野 消毒殺菌装置
主要キーワード 加温ユニット 窒素分離装置 低酸素空気 立ち下げ動作 外気導入流路 熱交換機構 滅菌ユニット 空気清浄機構
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

無菌操作ユニット滅菌する滅菌装置、及びその方法を提供する。

解決手段

無菌操作ユニット1と、空調ユニット10と、酸化性滅菌ガスに基づくガス滅菌ユニット20と、還元性分解ガスに基づくガス分解ユニット30とを備える滅菌システムにおいて、前記還元性の分解ガスが、酸素濃度が空気より低い低酸素空気媒体とするものである。また前記滅菌ガスが過酸化水素を主成分とし、前記分解ガスがアルコール類を主成分とする。さらに前記アルコール類の濃度が、爆発限界の下限値以下とする。

概要

背景

従来、無菌操作を行うための装置や環境に関する各種の滅菌技術が報告されている(例えば特許文献1〜3、非特許文献1参照)。

特許文献1には、バイオ実験室内をオゾンを用いて滅菌し、残留するオゾンを分解する方法について記載されている。これによれば、バイオ実験室内に所定濃度のオゾンを充満し、殺菌に充分な時間一定値以上のオゾン濃度を保持し、保持時間終了後、バイオ実験室内のオゾン(廃ガス)をオゾン分解器に導いてオゾンの自己分解反応を利用して分解しオゾン濃度を所定の濃度にまで下げる。

非特許文献1にも、クリーンルームのオゾンによるガス滅菌方法において廃ガスのオゾンを分解することについて記載されている。これによれば、製薬向けクリーンルームのオゾンによるガス滅菌には、200ppm程度の濃度を2時間程度維持する除染時間がかかり、ほかに、不要となったオゾンを分解するためなどに長い時間がかかるとしている。滅菌に使用した廃ガスのオゾンをオゾン分解触媒を通過させて強制分解を行っても、合計の所要時間が約6時間かかる事例が示されている。

特許文献2には、滅菌対象である包装材料樹脂容器)に滅菌ガスを吹き付けて滅菌後、滅菌対象に分解ガスを吹き付けて、滅菌ガスを分解除去する方法について記載されている。これによれば、滅菌ガスとして過酸化水素を用い、また分解ガスとしてオゾンを用い、滅菌対象の表面などに残留する過酸化水素を、オゾンと反応させることにより酸化分解し、除去するものである。分解ガスのオゾンは、滅菌ガス(過酸化水素)を酸化分解する酸化ガスとして作用する。

特許文献3には、滅菌ガスの廃ガスを無排気無害化処理する装置について記載されている。これによれば、残留ガス(滅菌ガスの廃ガス)を貯留し、それに酸化ガスを加えた混合廃ガスとし、それを触媒反応器加熱酸化し、それを中和冷却槽中和冷却処理し、それを除湿乾燥して、酸化ガスとして還流する循環サイクルを繰り返す。特許文献3には、残留廃ガスに添加する分解ガスは酸化又は還元性ガスである、という記載があるが、滅菌ガスと分解ガスの組合せとして実施例に具体的に記載されているのは、ホルマリンとオゾンの組合せだけである。これは、特許文献2と同様、還元性の滅菌ガスを、酸化性の分解ガスで分解する組合せである。その逆の組合せ、すなわち酸化性の滅菌ガスを還元性の分解ガスで分解する組合せについては一部に概念的な記載があるのみであり、実施方法の具体的記載が無い。

概要

無菌操作ユニットを滅菌する滅菌装置、及びその方法を提供する。無菌操作ユニット1と、空調ユニット10と、酸化性の滅菌ガスに基づくガス滅菌ユニット20と、還元性の分解ガスに基づくガス分解ユニット30とを備える滅菌システムにおいて、前記還元性の分解ガスが、酸素濃度が空気より低い低酸素空気媒体とするものである。また前記滅菌ガスが過酸化水素を主成分とし、前記分解ガスがアルコール類を主成分とする。さらに前記アルコール類の濃度が、爆発限界の下限値以下とする。

目的

しかしながら、特許文献2に記載の滅菌ガスを分解除去する方法によれば、容器などの滅菌を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

無菌操作ユニットと、酸化性滅菌ガスに基づく滅菌ユニットと、還元性分解ガスに基づくガス分解ユニットと、を備える滅菌装置において、前記還元性の分解ガスが、酸素濃度が空気より低い低酸素空気媒体とすることを特徴とする滅菌装置。

請求項2

前記低酸素空気は、外気原料として窒素濃縮したものであることを特徴とする請求項1に記載の滅菌装置。

請求項3

前記低酸素空気は、高純度な窒素を導入したものであることを特徴とする請求項1に記載の滅菌装置。

請求項4

前記滅菌ガスが過酸化水素またはオゾンを主成分とし、前記分解ガスがアルコール類を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の滅菌装置。

請求項5

前記アルコール類の前記媒体中の濃度が、爆発限界の下限値以下であることを特徴とする請求項4に記載の滅菌装置。

請求項6

前記無菌操作ユニットを、前記滅菌ガスを供給することにより滅菌することを特徴とする請求項1に記載の滅菌装置。

請求項7

前記ガス分解ユニットが、前記分解ガスを発生して、前記無菌操作ユニットから導入した前記滅菌ガスを分解することを特徴とする請求項6に記載の滅菌装置。

請求項8

前記ガス分解ユニットが、前記分解ガスを前記無菌操作ユニットに供給することにより、前記滅菌ガスを前記無菌操作ユニットにおいて分解することを特徴とする請求項6に記載の滅菌装置。

請求項9

前記ガス分解ユニットと前記無菌操作ユニットとの間に、前記ガス分解ユニットが出力するガスを加温する加温ユニットを備えたことを特徴とする請求項4に記載の滅菌装置。

請求項10

無菌操作ユニットを酸化性の滅菌ガスにより滅菌したのち還元性の分解ガスにより前記滅菌ガスを分解する滅菌方法であって、前記分解ガスは、酸素濃度が空気より低い低酸素空気を媒体とすることを特徴とする滅菌方法。

技術分野

0001

本発明は、滅菌装置及び方法に関し、特に生体試料を処理し、移植医療のための細胞組織を培養し、細胞医薬品などを生産するために好適な細胞培養装置などを滅菌する滅菌装置及び方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、無菌操作を行うための装置や環境に関する各種の滅菌技術が報告されている(例えば特許文献1〜3、非特許文献1参照)。

0003

特許文献1には、バイオ実験室内をオゾンを用いて滅菌し、残留するオゾンを分解する方法について記載されている。これによれば、バイオ実験室内に所定濃度のオゾンを充満し、殺菌に充分な時間一定値以上のオゾン濃度を保持し、保持時間終了後、バイオ実験室内のオゾン(廃ガス)をオゾン分解器に導いてオゾンの自己分解反応を利用して分解しオゾン濃度を所定の濃度にまで下げる。

0004

非特許文献1にも、クリーンルームのオゾンによるガス滅菌方法において廃ガスのオゾンを分解することについて記載されている。これによれば、製薬向けクリーンルームのオゾンによるガス滅菌には、200ppm程度の濃度を2時間程度維持する除染時間がかかり、ほかに、不要となったオゾンを分解するためなどに長い時間がかかるとしている。滅菌に使用した廃ガスのオゾンをオゾン分解触媒を通過させて強制分解を行っても、合計の所要時間が約6時間かかる事例が示されている。

0005

特許文献2には、滅菌対象である包装材料樹脂容器)に滅菌ガスを吹き付けて滅菌後、滅菌対象に分解ガスを吹き付けて、滅菌ガスを分解除去する方法について記載されている。これによれば、滅菌ガスとして過酸化水素を用い、また分解ガスとしてオゾンを用い、滅菌対象の表面などに残留する過酸化水素を、オゾンと反応させることにより酸化分解し、除去するものである。分解ガスのオゾンは、滅菌ガス(過酸化水素)を酸化分解する酸化ガスとして作用する。

0006

特許文献3には、滅菌ガスの廃ガスを無排気無害化処理する装置について記載されている。これによれば、残留ガス(滅菌ガスの廃ガス)を貯留し、それに酸化ガスを加えた混合廃ガスとし、それを触媒反応器加熱酸化し、それを中和冷却槽中和冷却処理し、それを除湿乾燥して、酸化ガスとして還流する循環サイクルを繰り返す。特許文献3には、残留廃ガスに添加する分解ガスは酸化又は還元性ガスである、という記載があるが、滅菌ガスと分解ガスの組合せとして実施例に具体的に記載されているのは、ホルマリンとオゾンの組合せだけである。これは、特許文献2と同様、還元性の滅菌ガスを、酸化性の分解ガスで分解する組合せである。その逆の組合せ、すなわち酸化性の滅菌ガスを還元性の分解ガスで分解する組合せについては一部に概念的な記載があるのみであり、実施方法の具体的記載が無い。

0007

特開平2−237565号公報
特許第3767486号公報
特開2004−187931号公報

先行技術

0008

小阪教由、ファームテクジャパンVol.23,No9,65(2007)

発明が解決しようとする課題

0009

本発明者は、生体試料を処理し、移植医療のための細胞組織を培養し、細胞医薬品などを生産するために好適な細胞培養装置などを滅菌する滅菌システムにおいて、滅菌ガスを分解除去するために、上述した特許文献1〜3の方法の適用を検討した。

0010

特許文献1に記載の滅菌ガスであるオゾンを分解する方法によれば、バイオ実験室内に残留するオゾン(残留廃ガス)を分解するために該オゾンの自己分解反応を用いるので、除害に時間がかかる、という問題がある。この問題を解決するためには、例えば、特許文献2に記載の滅菌ガスの分解方法のように、分解ガスを作用させることにより、滅菌ガスを積極的に分解除去する方法が考えられる。

0011

しかしながら、特許文献2に記載の滅菌ガスを分解除去する方法によれば、容器などの滅菌を目的としたものであり、酸化性の滅菌ガスである過酸化水素よりもさらに強い酸化力を有し、高い細胞毒性を有し、極めて高い酸化力を有するオゾンを分解ガスとして用いる。オゾンは、高い細胞毒性を有し、また酸化力も強い。従って、滅菌終了細胞培養を行うためには、オゾンの残留を極めて低く抑制する必要がある。また滅菌対象が細胞培養装置の場合、腐食されやすい器具類などが含まれ、オゾンがそれらを腐食する虞がある。従って、分解工程終了後、オゾン(分解ガス)を確実かつ短時間に除去する必要が新たに生じる、という問題があった。

0012

この問題に対する対策として、例えば、特許文献3に記載の中で、概念的に触れられているように、滅菌ガスを酸化性の分解ガスではなくて還元性の分解ガスで分解する方法が原理的には考えられる。しかしながら、特許文献3には、そのための具体的な実施例の記載が無く、実際には実施できない、という問題がある。還元性のガスの例として、水素メタンアセチレンアンモニアジエチルエーテル一酸化炭素硫化水素などが挙げられる。これら還元性のガスは一般に可燃性ガスとして知られ、反応性が高く、不安定で、爆発などを起こしやすく、また有毒性のものもあるため、取り扱いが困難であるという問題がある。特許文献3において、酸化性の滅菌ガスを還元性の分解ガスで分解する方法に関する記載が欠けているのは、この問題を解決できなかったためである可能性が推察される。

0013

上記のように、過酸化水素などの酸化性の滅菌ガスを迅速に除去するために分解ガスを用いる場合、より酸化力の高い分解ガスを用いると腐食などの弊害があり、また還元性の分解ガスを用いると、爆発などの危険性があり、取り扱いが困難である、という問題がある。

0014

本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、その目的は、分解ガスを用いて滅菌ガスを迅速に分解でき、分解ガスとしてオゾンなどの強酸化性ガスが不要であり、それによる機器類の腐食や培養細胞への悪影響などの問題も生じず、分解ガスの爆発の問題がなく、滅菌のサイクルタイムを短縮でき、単位時間あたりの処理能力が高く、コストを抑制できる、細胞培養装置などを滅菌する滅菌装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

上記課題を解決するため、本発明の滅菌装置は、無菌操作ユニットと、空調ユニットと、酸化性の滅菌ガスに基づくガス滅菌ユニットと、還元性の分解ガスに基づくガス分解ユニットとを備える滅菌装置において、前記還元性の分解ガスが、酸素濃度が空気より低い低酸素空気媒体とすることを特徴とする。この場合、前記滅菌ガスが、過酸化水素またはオゾンを主成分とし、前記分解ガスがアルコール類を主成分とすれば足りる。なお、前記分解ガスとして特に好適に用いられるエタノール薬局方消毒剤として認可されており、それ単独でも滅菌や清拭に用いられる。

0016

上記構成によれば、分解ガスとして反応性の穏やかな還元性ガスであるアルコール類を低濃度で用い、その媒体として低酸素濃度の媒体を用いる滅菌装置であり、分解ガスを用いて滅菌ガスを迅速に分解できるため、滅菌のサイクルタイムを短縮でき、換言すると、単位時間あたりの処理能力が高く、コストを抑制できる。

0017

また上記構成によれば、分解ガスとして還元性ガスを用いるため、オゾンなどの強酸化性ガスを不要とし、それによる腐食や細胞への悪影響などの問題も生じない。分解ガスとして還元性ガスを用いる場合に問題となる爆発の問題も、低酸素濃度の媒体の採用と、反応性の穏やかな還元性ガスを低濃度で採用することにより回避した。

0018

従って、本発明の滅菌装置は、過酸化水素などの酸化性の滅菌ガスを、還元ガスと反応させることにより、迅速かつ安全に分解でき、滅菌ガスの分解性能を維持しつつ安全性を確保でき、取り扱いが容易である。

0019

また低酸素空気は、外気原料として窒素濃縮したものであることを特徴とする。このように、低酸素空気を屋外の空気から抽出して製造することにより外部から窒素ボンベ等で導入するよりもコスト削減することができる。
また低酸素空気は、高純度な窒素を導入したものであることを特徴とする。窒素ボンベ等により窒素を導入することにより低酸素空気を容易に供給することができる。

0020

また、本発明の滅菌装置は、前記アルコール類の濃度が、爆発限界の下限値以下であることを特徴とする。この構成によれば、分解ガスとして反応性が穏やかなアルコール類を用いたので、分解ガスの爆発の虞がなく、分解ガスを用いて滅菌ガスを迅速に分解できる。

0021

また、本発明の滅菌装置は、前記滅菌装置が、前記滅菌ガスを前記無菌操作ユニットに供給することにより、前記無菌操作ユニットを滅菌する構成を含む。

0022

また、本発明の滅菌装置は、前記ガス分解ユニットが前記分解ガスを発生し、前記無菌操作ユニットから導入した前記滅菌ガスを前記ガス分解ユニットにおいて分解する構成を含む。

0023

また、本発明の滅菌装置は、前記ガス分解ユニットが前記分解ガスを前記無菌操作ユニットに供給することにより、前記滅菌ガスを前記無菌操作ユニットにおいて分解する構成を含む。

0024

また、本発明の滅菌装置は、前記ガス分解ユニットと前記無菌操作ユニットとの間に、前記ガス分解ユニットが出力するガスを加温する加温ユニットを備えたことを特徴とする。これにより無菌操作ユニット内に付着している酸化性滅菌ガスの蒸散を促進して作業時間を短縮することができる。

0025

一方、本発明の滅菌方法は、無菌操作ユニットを酸化性の滅菌ガスにより滅菌したのち還元性の分解ガスにより前記滅菌ガスを分解する滅菌方法であって、前記分解ガスは、酸素濃度が空気より低い低酸素空気を媒体とすることを特徴とする。

発明の効果

0026

本発明の滅菌装置及び方法は、分解ガスを用いて滅菌ガスを迅速に分解でき、分解ガスとしてオゾンなどの強酸化性ガスが不要であり、それによる機器類の腐食や培養細胞への悪影響などの問題も生じず、分解ガスの爆発の問題がなく、滅菌のサイクルタイムを短縮でき、単位時間あたりの処理能力が高く、コストを抑制できる、という特有の効果がある。

図面の簡単な説明

0027

第1の実施形態に係る滅菌装置を模式的に示す概略図である。
第1の実施形態に係る滅菌装置のガス分解ユニットの概略図である。
第1の実施形態に係る滅菌装置の動作フローを示す図である。
第2の実施形態に係る滅菌装置に係るガス分解ユニットの概略図である。
第3の実施形態に係る滅菌装置を模式的に示す概略図である。
第3実施形態に係るガス分解ユニットの概略図である。

実施例

0028

以下、本発明の実施形態に係る滅菌装置及び方法について図面を参照して説明する。本発明に係る滅菌方法は、無菌操作ユニットを酸化性の滅菌ガスにより滅菌したのち還元性の分解ガスにより前記滅菌ガスを分解する滅菌方法であって、前記分解ガスは、酸素濃度が空気より低い低酸素空気を媒体とすることを特徴とするものであり、この方法に係る滅菌装置は、無菌操作ユニットと、前記無菌操作ユニット内を滅菌する酸化性の滅菌ガスを出力するガス滅菌ユニットと、滅菌後に出力された前記滅菌ガスを分解する還元性の分解ガスを出力するガス分解ユニットと、を有する滅菌装置において、前記分解ガスは、酸素濃度が空気より低い低酸素空気を媒体とすることを特徴とするものである。以上の方法及び装置は、以下に示す実施形態により具現化することができる。

0029

〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態に係る滅菌装置1を模式的に示す概念図である。図1において、5は無菌操作ユニットである細胞培養装置、10は空調ユニット、20はガス滅菌ユニット、30はガス分解ユニット、40、41は分岐弁、42、43は合流弁であって、それぞれ滅菌装置1を構成するものである。図中の矢印は、空気やガスの流路配管)とその中を流れる空気やガスの方向を示す。例えば、50は細胞培養装置5からの流路、51は細胞培養装置5への流路、52は外気のガス分解ユニットへの流路、53は細胞培養装置5からガス分解ユニットへの流路である(その他の流路の図番は省略した)。

0030

〔細胞培養装置の清浄度の維持〕
細胞培養装置5は、空調ユニット10とガス滅菌ユニット20とガス分解ユニット30との協働作用により清浄度を維持し、細胞培養に必要な各種操作を無菌的に実施可能な無菌操作ユニットである。

0031

〔空調ユニット10の働き〕
この実施形態に係る滅菌装置1は、流路50を通して細胞培養装置5の中の空気を取り出し、取り出した空気を、分岐弁40を介して空調ユニット10に通流させ、空調ユニット10の作用により、微生物非生物など各種の微粒子を除去した清浄な空気として生成すると共に、合流弁42及び流路51を通して細胞培養装置5へ清浄な空気を供給することにより、細胞培養装置5の清浄度を高く維持する。

0032

〔ガス滅菌ユニット20の働き〕
ガス滅菌ユニット20は、細胞培養装置5で取り扱う細胞試料切り替え時など、必要に応じて細胞培養装置5に滅菌ガス(ここでは過酸化水素)を出力して細胞培養装置5に送り込むことにより、細胞培養装置5の内部をガス滅菌するものであり、滅菌ガスを合流弁43、42、及び流路51を通じて細胞培養装置5に導入して細胞培養装置5内の滅菌処理を行うとともに、流路50、分岐弁40、41を介して細胞培養装置5からの滅菌ガスを含む空気を導入することにより所定時間滅菌ガスを循環させる。

0033

〔ガス分解ユニット30の働き〕
ガス分解ユニット30は、ガス滅菌終了後、滅菌ガスを還元分解するガス(以下、還元ガスまたは分解ガスと称する。)を生成して出力し、細胞培養装置5から回収した滅菌ガスと反応させることにより、滅菌ガスを速やかに還元分解する。

0034

〔ガス分解ユニット30の構成〕
図2は、ガス分解ユニット30の構成の一例を示す概略図である。図2において、31は窒素分離装置、32は還元ガス発生装置、33は触媒、34はトラップ、35は貯留槽、341は分岐弁、342は合流弁、311は流路52を介して接続された外気導入流路、312は流路53を介して接続された細胞培養装置からのガス導入流路、317はトラップ後ガス流路、318は高酸素空気流路、319は細胞培養装置への流路である。ガス分解ユニット30は、流路50、分岐弁40、41を介して細胞培養装置5から排出される滅菌ガスを含む空気を導入し、滅菌ガスを分解する分解ガスを滅菌ガスに混合させ、出力された混合ガスを後述の触媒33を介して分解しつつ、合流弁43、合流弁42、流路51、細胞培養装置5、流路50、分岐弁40、41、流路53の経路で所定時間ガスを循環させる。

0035

ここでは、窒素分離装置31としてPSA方式モレキュラーシーブへの吸着に基づく)窒素分離装置を用いた。モレキュラーシーブとしては3A型を使用した。そして窒素分離装置は、濃縮された窒素を低酸素空気流路314を介して還元ガス発生装置32に出力し、濃縮された酸素を高酸素空気流路313を介して貯留層35に出力する。また還元ガス発生装置32として、超音波噴霧の原理に基づく霧化器を用いた。さらに触媒33としてタングステン酸ナトリウムを用いた。トラップ34として水酸化カルシウム吸収剤に備えるトラップを用いた。貯留槽35としては蛇腹などの伸縮可能な隔壁逆止弁を備え、ガスの貯蔵と排出を任意に制御可能なガス容器を用いた。

0036

〔ガス分解ユニット30の動作〕
窒素分離装置31は、外気からの流路52、外気導入流路311を経由して屋外から空気を取り込み、清浄後、酸素、並びに酸素以外を濃縮した2種のそれぞれ高酸素空気流路313、低酸素空気流路314に出力する。ここでは、高酸素空気の組成として酸素約40%と窒素約59%他、低酸素空気の組成として酸素約2%と窒素約97%他を採用した。このように低酸素空気を屋外の空気から抽出して製造することにより外部から窒素ボンベ等で導入するよりもコストを削減することができる。

0037

還元ガス発生装置32は、低酸素空気流路314からの低酸素空気をキャリアガス(媒体)として用い、超音波噴霧の原理に基づく霧化器により、80%エタノール水溶液霧化した。還元ガス発生装置32は、還元ガス流路315に、還元ガス、すなわち濃度約3%(容量%)のエタノールを含む低酸素空気を出力する。空気中におけるエタノールの爆発限界の下限値は、4.3%である。従って、ここで採用した濃度3%のエタノールは爆発限界の下限値以下であるため空気中で安全であり、低酸素(2%)空気中ではさらに安全である。

0038

触媒33は、一方の原料である(滅菌ガスである過酸化水素蒸気を含む)細胞培養装置5の空気を細胞培養装置からの流路50、ガス導入流路312を経由して取り込むと共に、もう一方の原料である還元ガスを還元ガス流路315、分岐弁341を経由して取り込む。触媒33はタングステン酸ナトリウムの触媒作用により、過酸化水素と還元ガス(エタノール)とを反応させ、水と酢酸を生成し、分解産物ガス流路316に出力する。ここでは、触媒33の温度は90℃とした。

0039

トラップ34は、分解産物ガス流路316中の分解産物ガス、すなわち水と酢酸を吸収し、トラップ後ガス流路317に低酸素空気を出力する。一方、貯留槽35は高酸素空気流路313からの高酸素空気を貯留し、必要に応じて高酸素空気流路318に出力する。

0040

合流弁342は、トラップ後ガス流路317からの低酸素空気や、貯留槽35、高酸素空気流路313からの高酸素空気を逆流させることなく混合することにより、空気と同等の組成を有し、かつ、除害された(過酸化水素を含まない)ガスを、流路319、加温ユニット60、流路51を経由して、細胞培養装置5へ供給する。加温ユニット60はこのガスを約50℃に加温した上で、流路51を経由して細胞培養装置5へ出力する。このように、ガス分解ユニット30と無菌操作ユニットである細胞培養装置5との間に、ガス分解ユニット30が出力するガスを加温する加温ユニット60を備えることにより、無菌操作ユニットである細胞培養装置5内に付着している酸化性滅菌ガス(過酸化水素、及び後述のオゾンガス)の蒸散を促進して作業時間を短縮することができる。

0041

上より、ガス分解ユニット30は、還元ガスと、細胞培養装置5から回収した滅菌ガス(過酸化水素蒸気)とを反応させることにより、滅菌ガスを速やかに還元分解する。本実施形態において、還元ガスの媒体として低酸素空気を用いたため、また還元ガスとして反応性が穏やかなエタノールを爆発限界の下限値以下の低濃度で用いたため、爆発などの危険を回避でき、取り扱いが容易となる。トラップ34の出力は未反応のエタノールを微量含むが、エタノールが有害な副作用は特に無いため問題とならず、寧ろ滅菌を促進する効果がある。

0042

図3に第1実施形態に係る滅菌装置1のフロー図を示す。図3に示すように第1実施形態に係る滅菌装置1の動作の概略を説明する。図3において、ステップ101は初期化工程、ステップ102は空気清浄工程、ステップ103は滅菌要否の判断工程、ステップ104はガス滅菌工程、ステップ105はガス分解工程、ステップ106は継続判断工程、ステップ107は立ち下げ工程である。第1実施形態に係る滅菌装置1の動作は、初期化工程(ステップ101)において滅菌装置1を構成する各構成要素の準備や確認などの初期化を行う。

0043

空気清浄工程(ステップ102)において細胞培養装置5の中の空気を細胞培養装置から流路50、分岐弁40を経由して取り出し、空調ユニット10の作用により微生物や非生物などの各種の微粒子を除去した清浄な空気を生成し、それを合流弁42、細胞培養装置5への流路51を経由して細胞培養装置5へ供給することにより、細胞培養装置5の清浄度を高く維持する。なお各種流路、分岐弁や、合流弁は単にガスの流れの流通目的方向への分岐や、(逆流なしに)合流する機能を持つのみであるため、以降説明を省略する場合もある。

0044

滅菌要否の判断工程(ステップ103)において、細胞培養装置5の内部をガス滅菌する必要があるかどうかを判断し、ガス滅菌が必要ない場合は空気清浄工程を継続し、ガス滅菌が必要な場合はガス滅菌工程(ステップ104)へ進む。ガス滅菌が必要な場合の典型例として、細胞培養装置5で取り扱う細胞試料を切り替える場合や、図示しない清浄度監視装置が清浄度低下を警告するなどの非常事態が起きた場合などがある。

0045

ガス滅菌工程(ステップ104)において、ガス滅菌ユニット20は細胞培養装置5の内部をガス滅菌する。ガス分解工程(ステップ105)において、ガス分解ユニット30は、滅菌ガスを還元分解するガス(以下、還元ガスまたは分解ガスと称す)を生成し、細胞培養装置5から回収した滅菌ガスと反応させることにより、滅菌ガスを速やかに還元分解する。

0046

継続判断工程(ステップ106)において、細胞培養装置5を継続して使用するかどうかを判断し、使用を継続する場合は空気清浄工程(ステップ102)に戻り、使用を完了する場合は、立ち下げ工程(ステップ107)へ進む。
立ち下げ工程(ステップ107)では、各種構成要素の装置を停止する前の準備動作などの立ち下げ動作を行った後、滅菌装置1の動作を終了する。

0047

以上により、ガス分解ユニット30は、還元ガスと、細胞培養装置5から回収した滅菌ガス(過酸化水素蒸気)とを反応させることにより、滅菌ガスを速やかに分解する。従って、この滅菌装置1は、ガス滅菌後に滅菌ガスが速やかに分解除去できるため、滅菌のサイクルタイムが短い、という効果がある。また還元ガスの媒体として低酸素空気を用いたため、さらに還元ガスとして反応性が穏やかなエタノールを爆発限界の下限値以下の低濃度で用いたため、爆発などの危険を回避でき、取り扱いが容易である。トラップ後ガス流路317の出力には未反応のエタノールを微量含むが、エタノールは有害な副作用が特に無いため問題とならず、むしろ滅菌を促進する効果がある。さらに、このガスを加温することにより、細胞培養装置5内部の滅菌ガスの蒸散と回収を促進できる効果がある。

0048

本実施形態では、細胞培養装置5として、細胞の播種培地交換継代、回収、保存、インキュベートなどを自動的に行う全自動細胞培養装置を採用している。この種の装置は、例えば、特開2008−54690号公報に開示されている。本実施形態では、装置の構成要素は、過酸化水素に対する耐久性が高い材料を用いて形成することにより、滅菌工程による装置の腐食や劣化を防止した。細胞培養装置5としては、上記以外に、部分的に手作業を併用する半自動細胞培養装置を採用することもできる。また、本実施形態では、遠心機インキュベータなどの個別の装置を用いる以外は、全て手作業で培養操作を行う、いわゆる培養作業用アイソレータなど、広く一般の無菌操作を行う装置へ適用することができる。

0049

本実施形態では、空調ユニット10として、バイオクリーンルームにおいて通常使用される空調機構を採用した。空調ユニット10は、送風機構空気清浄機構温度調節機構熱交換機構などからなる。空気清浄機構は、図示しないHEPAフィルタを備え、微生物や非生物など各種の微粒子を除去し、細胞培養装置5における清浄度を高度に維持する。

0050

本実施形態では、空調ユニット10が備える空気清浄機構がHEPAフィルタを備える形態を例示したが、細胞培養装置5への流路51と、細胞培養装置5との接続部分にHEPAフィルタを設けることもできる。後者の構成を採用することにより、流路中に混入する虞のある微粒子などを、細胞培養装置5の直前でろ過滅菌することができるため、細胞培養装置5の清浄度をより高度に維持することができる。本実施形態では、空調ユニット10は、細胞培養装置5の中の空気のみを取り出す例を説明したが、空調ユニット10は新鮮な外気を取り入れ、また不要な空気を外界に放出することも可能である。特に、前記ガス分解終了後、平常の動作モードに復帰する前に、外気を取り入れて清浄空気置換する、いわゆるエアレーションを行うことができる。これは微量のアルコール残留が問題となる場合に特に有効である。

0051

本実施形態では、ガス滅菌ユニット20として、過酸化水素に基づく滅菌装置1を採用した。この滅菌装置1は、送風機構と、例えば第3の従来例に記されている過酸化水素ガス発生手段などからなる。ガス滅菌ユニット20は、細胞培養装置5内部の空気を細胞培養装置からの流路50を通して取り込み、過酸化水素ガス発生手段を用いて発生した過酸化水素ガスを空気に添加することにより滅菌ガスとした上で、細胞培養装置への流路51を通して細胞培養装置5へ送り込むことにより、細胞培養装置5のガス滅菌を行い、除菌する。

0052

なお、本実施形態ではガス滅菌ユニット20として過酸化水素に基づく滅菌ユニットを採用したが、本実施形態では採用可能なガスはこれに限られない。他に採用可能な滅菌ガスとして、例えばオゾンガス、過酸化水素ガスとオゾンガスとの混合ガス、二酸化塩素ガス、などの各種の酸化性ラジカルガスに基づく滅菌ガスを採用できる。例えばオゾンガスを滅菌ガスとして用いる場合、その酸化力は過酸化水素よりも高いため、触媒33の温度として室温を採用可能である。またトラップ34の吸収剤も各滅菌ガスとエタノールの分解反応産物に応じた組成のものを選択可能である。

0053

ガス滅菌ユニット20は図示しない制御装置、並びにガス濃度センサタイマ等(いずれも不図示)を用いて自動制御することが可能である。それによって必要なガス濃度に到達してから、その濃度を所定時間維持し、その後にガス滅菌動作を終了させることができる。このガス滅菌を行っている間は、空調ユニット10の動作を停止する。

0054

本実施形態で用いた分岐弁40、41は、基本的に細胞培養装置5からの空気をガス滅菌ユニット20へ送り込む。また合流弁42、43は空調ユニットやガス滅菌ユニット20からのガスを任意の割合で(逆流することなしに)混合し、細胞培養装置5へ供給する。

0055

本実施形態では、反応性の穏やかな還元性の分解ガスを低酸素空気媒体と組み合わせて低濃度で使用することにより、分解ガスの反応性を抑制し、爆発などの危険性を回避した。従って、過酸化水素などの酸化性の滅菌ガスを迅速かつ安全に分解できる、という特有の効果がある。

0056

〔第2の実施形態〕
第2の実施形態の形態に係る滅菌装置(ガス分解ユニット30)を図4に示す。本実施形態に係る滅菌装置の構成は、第1の実施形態と類似であるが、ガス分解ユニット30において、窒素分離装置31を用いる代わりに、窒素ガス酸素ガスの組み合わせを用いる点などが異なる。具体的には、第2の実施形態のガス分解ユニット30は窒素ガスライン324、酸素ガスライン323を備えているが、窒素分離装置31、貯留槽35、外気からの流路52、外気導入流路311を用いない点が主に異なる。窒素ガスライン324、酸素ガスライン323はそれぞれのガスを収納したガスボンベや、液体ガス保存容器気相からの配管であり、99%以上の高純度の窒素や酸素を供給する。

0057

本実施形態の動作は、基本的に第1の実施形態と同様であるが、特にガス分解ユニット30の動作について以下の点が異なる。即ちガス分解工程(ステップ105)において、還元ガス発生装置32は、窒素ガスライン324から窒素をキャリアガス(媒体)として用い、エタノール水溶液を霧化することにより、還元ガス、即ち濃度約3%(容量%)のエタノールを含む窒素を出力する。以降、この系統ガスラインが低酸素空気の代わりに窒素を媒体として用いる点が異なる。また合流弁342は、トラップ後ガス流路317からの窒素と、酸素ガスライン323からの酸素とを混合し、空気と概ね同等の組成の除害されたガスを生成し、細胞培養装置への流路319、51(図1参照)を経由して、細胞培養装置5(図1参照)へ出力する。このように外部から窒素を還元ガス発生装置32に導入することにより低酸素濃度の空気を容易に形成することができる。なお、滅菌ガスを分解ガスで分解した後、酸素ガスライン323を介して高酸素空気を細胞培養装置5に出力することにより分解処理後、速やかに前述の空気清浄工程(ステップ102)(図3参照)に移行することができる。

0058

本実施形態の特有の効果は、窒素分離装置31や貯留槽35が不要であり、構成が簡易なことである。また還元ガスの媒体が純粋な窒素であるため、還元ガスの爆発性が低く、安全性が高いことである。

0059

〔第3の実施形態〕
図5に第3の実施形態に係る滅菌装置1aを示す。本実施形態に係る滅菌装置1aは、第1の実施形態と類似であるが、触媒33を細胞培養装置5aに設けた点と、滅菌ガスとしてオゾンガスを用いた点などが主に異なる。細胞培養装置5aの内部の要所には、図5に模式的に示したとおり触媒33が設けられている。ガス滅菌ユニット20は、低酸素空気または窒素をキャリアガスとし、それに対し滅菌ガスを添加する機構を有する。

0060

ガス分解ユニット30aは図6に模式的に示したとおり触媒33を用いない。図5に示すように、ガス分解ユニット30aは、流路50、分岐弁40、41を介して細胞培養装置5aから排出される滅菌ガスを含む空気を導入し、滅菌ガスを分解する分解ガスを滅菌ガスに混合させ、出力された滅菌ガスと分解ガスとの混合ガスを加温ユニット60、合流弁43、42、及び流路51を通じて細胞培養装置5aに導入して細胞培養装置5a内に設置された触媒33を介して細胞培養装置5a内において滅菌ガスを分解するとともに、加温ユニット60、合流弁43、42、流路51、細胞培養装置5a、流路50、分岐弁40、41、流路53、ガス導入流路312の経路で所定時間分解ガスを循環させる。

0061

本実施形態の動作は、基本的に第1の実施形態と同様であるが、特にガス滅菌工程(ステップ104)の詳細な動作が以下のように異なる。すなわちガス滅菌工程(ステップ104)において、ガス滅菌ユニット20は、空気ではなく低酸素空気または窒素をキャリアガスとし、それに対して滅菌ガスであるオゾンを添加して細胞培養装置5aに送り込む。これによりガス滅菌工程を終了した時点において、細胞培養装置5aの内部を低酸素状態とした。ガス分解工程(ステップ105)において、ガス分解ユニット30aは、低酸素空気をキャリアガスとする還元ガスを生成するが、滅菌ガスと還元ガスとをガス分解ユニット30aの中で反応させる代わりに、還元ガス流路315、合流弁342、細胞培養装置への流路319、51を経由して細胞培養装置5aへ還元ガスを出力する。つまり本実施形態においては、ガス分解ユニット30aはガスを分解する機能ではなく、寧ろ分解ガスを供給するユニットとしての機能を発揮する。細胞培養装置5aの内部で還元ガスは滅菌ガスと混合し、要所に設けられた触媒33の作用により、細胞培養装置5aの内部で滅菌ガスは速やかに還元分解される。

0062

本実施形態では滅菌ガスとして反応性の高いオゾンを用いたため、触媒を加熱する必要がなく取り扱いが簡便である。好ましくはそれぞれの触媒に送風機構を設け、滅菌ガスと還元ガスとの混合ガスを触媒に送気し、分解したガスを吹き飛ばすことにより、原料の触媒に対する衝突確率を高めるとともに反応物を触媒から除去し、反応を促進した。必要に応じて、分解産物ガスを細胞培養装置5aからガス分解ユニット30aに戻し、トラップ34により分解反応産物ガスを吸収した。ここで細胞培養装置5aの内部は上述の通り予め低酸素或いは無酸素状態としたため、還元ガスが爆発する虞はない。分解反応終了後、還元ガスの供給を停止して細胞培養装置5aへ低酸素空気を出力し、還元ガスの濃度が充分低下した後、貯留槽35から高酸素空気を細胞培養装置5aに出力し、その内部の酸素濃度を空気同等に引き上げた。

0063

本実施形態では、触媒33をガス分解ユニット30aの代わりに細胞培養装置5aに設ける場合を例にとって説明したが、ガス分解ユニット30aと細胞培養装置5aの両方に触媒を設置し、滅菌ガスの分解のために両方を活用する方法も採用できる。この場合、いずれか片方のみに触媒を設置する場合と比較して分解反応を加速し、ガス分解工程の時間を短縮することができる。

0064

本実施形態の特有の効果は、分解ガスを細胞培養装置5aに供給して細胞培養装置5a内部でその場で滅菌ガスを分解することにより、細胞培養装置の隅々から滅菌ガスを回収するために必要な時間を省略し、ガス分解工程の時間を短縮することができる。

0065

上述の実施形態において、無菌操作ユニットとして細胞培養装置を前提に述べてきたが、これに限定されず治療薬生産工場における無菌充填工程を行う装置、食品工場発酵工程や腐敗が起きやすい加工工程等の雑菌の混入を避けるべき工程を行う装置、試料中の微生物の混入の有無や程度を評価する工程を行う装置等に利用できる。

0066

本発明を利用することにより、細胞培養装置などの無菌操作装置を短時間かつ安全に滅菌でき、腐食などの弊害を回避でき、取り扱いが容易であるという特長がある。従って、本発明による滅菌装置を備えた細胞培養装置は、生物的清浄度を高度に管理することができ、高純度で高品質医薬品や細胞等を安全かつ低コストに提供できる。

0067

1………滅菌装置、5………細胞培養装置(無菌操作ユニット)、10………空調ユニット、20………ガス滅菌ユニット、30………ガス分解ユニット、31………窒素分離装置、32………還元ガス発生装置、33………触媒、34………トラップ、35………貯留槽、40………分岐弁、41………分岐弁、42………合流弁、43………合流弁、50………流路、51………流路、52………流路、53………流路、60………加温ユニット、ステップ101………初期化工程、ステップ102………空気清浄工程、ステップ103………滅菌要否の判断工程、ステップ104………ガス滅菌工程、ステップ105………ガス分解工程、ステップ106………継続判断工程、ステップ107………立ち下げ工程、311………外気導入流路、312………ガス導入流路、313………高酸素空気流路、314………低酸素空気流路、315………還元ガス流路、316………分解産物ガス流路、317………トラップ後ガス流路、318………高酸素空気流路、319………細胞培養装置への流路、323………酸素ガスライン、324………窒素ガスライン、341………分岐弁、342………合流弁。

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